JP2015016687A - 画像記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 インクを中間転写体に付与することで中間画像を形成する中間画像形成工程と、温度調整工程と、前記中間画像を記録媒体に転写する転写工程と、をこの順に有する画像記録方法において、前記インクが、樹脂粒子と、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物から選択される少なくとも1種とを含有し、前記温度調整工程において、前記中間画像の温度を、前記樹脂粒子の最低造膜温度以上に調整し、前記転写工程における中間画像の温度が、前記樹脂粒子の最低造膜温度未満であることを特徴とする画像記録方法。
【選択図】 図1
Description
この構成によって、本発明の効果が得られるメカニズムを以下に示す。
本発明の画像記録方法は、樹脂粒子と、一般式(1)及び/又は(2)の界面活性剤を含有するインクを中間転写体に付与することで中間画像を形成する中間画像形成工程と、中間画像の温度を樹脂粒子の最低造膜温度以上に調整する温度調整工程と、中間画像を樹脂粒子の最低造膜温度未満の温度で記録媒体に転写する転写工程と、を有する。
本発明の画像記録方法において、中間画像形成工程では、インクを中間転写体に付与する。インクの中間転写体への付与手段としては、インクジェット方式を用いることが好ましい。特に、インクに熱エネルギーを作用させて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式がより好ましい。
本発明において、中間転写体は、液体組成物やインクを保持し、中間画像が記録される基材となる。中間転写体は、例えば、それ自体をハンドリングして必要な力を伝達するための支持部材と、中間画像が記録される表層部材とを備えるものが挙げられる。尚、支持部材と表層部材は一体となっていてもよい。
本発明の画像記録方法に用いるインクは、樹脂粒子と、一般式(1)及び/又は(2)の界面活性剤とを含有する。
本発明における一般式(1)で表される界面活性剤はエチレンオキサイド構造とプロピレンオキサイド構造のブロック共重合体である。
本発明において、「樹脂粒子」とは、粒径を有する状態で溶媒中に分散して存在する樹脂を意味する。本発明において、樹脂粒子の50%累積体積平均粒径(D50)は、10nm以上1,000nm以下であることが好ましい。また、50nm以上500nm以下であることがより好ましい。尚、本発明において樹脂粒子のD50は、以下の方法で測定する。樹脂粒子分散体を純水で50倍(体積基準)に希釈し、UPA−EX150(日機装製)を使用して、SetZero:30s、測定回数:3回、測定時間:180秒、屈折率:1.5の測定条件で測定する。
本発明においては、インクが更に色材を含有してもよい。色材としては顔料及び染料が挙げられる。顔料及び染料は従来公知のものを何れも使用することができる。本発明においては、画像の耐水性の観点から、顔料を用いることが好ましい。色材の含有量としては、インク全質量を基準として、0.5質量%以上15.0質量%以下が好ましく、更には1.0質量%以上10.0質量%以下とするのがより好ましい。
本発明のインクは、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水溶性有機溶剤の含有量は、インクの全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、従来、一般的に用いられているものを何れも用いることができる。例えば、アルコール類、グリコール類、アルキレン基の炭素原子数が2乃至6のアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。水の含有量は、インクの全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
本発明のインクは、上記の成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体など、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。更に、本発明のインクは、必要に応じて、上記一般式(1)及び(2)で表される化合物以外の界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び上記樹脂粒子以外の樹脂などの種々の添加剤を含有してもよい。
本発明の画像記録方法において、中間画像形成工程に先立って、中間転写体に液体組成物を付与する液体組成物付与工程を有してもよい。液体組成物の中間転写体への付与手段としては、ローラーコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法などの塗布方式や、インクジェット方式などが挙げられる。特に、塗布方式を用いることが好ましい。
本発明において、液体組成物は、インクで記録した画像に影響を及ぼさないために、無色、乳白色、又は白色であることが好ましい。そのため、可視光の波長域である400nm乃至800nmの波長域における最大吸光度と最小吸光度の比(最大吸光度/最小吸光度)が1.0以上2.0以下であることが好ましい。これは、可視光の波長域において、吸光度のピークを実質的に有さないか、有していてもピークの強度が極めて小さいことを意味する。更に、本発明において、液体組成物は色材を含有しないことが好ましい。吸光度は、非希釈の液体組成物を用いて、日立ダブルビーム分光光度計U−2900(日立ハイテクノロジーズ製)によって測定すればよい。尚、このとき、液体組成物を希釈して吸光度を測定してもよい。これは、液体組成物の最大吸光度と最小吸光度の値は共に希釈倍率に比例するため、最大吸光度と最小吸光度の比(最大吸光度/最小吸光度)の値は希釈倍率に依存しないからである。
本発明において、液体組成物はインクの成分(色材や樹脂など)を析出・凝集させるような反応剤を含有してもよい。反応剤としては、従来公知の化合物を用いることができるが、中でも、多価金属イオン及び有機酸から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。また、複数の種類の反応剤を液体組成物に含有させることも好ましい。
本発明の液体組成物は、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水溶性有機溶剤の含有量は、液体組成物の全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、従来、一般的に用いられているものを何れも用いることができる。例えば、アルコール類、グリコール類、アルキレン基の炭素原子数が2乃至6のアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。水の含有量は、液体組成物の全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
本発明の液体組成物は、上記の成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体など、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。更に、本発明の液体組成物は、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び樹脂などの種々の添加剤を含有してもよい。
本発明の画像記録方法において、温度調整工程では、中間画像の温度を、インクに用いる樹脂粒子の最低造膜温度以上に調整する。本発明において、「温度調整工程における中間画像の温度」とは、温度調整工程開始後の中間画像の表面における温度を意味する。尚、本発明の実施例においては、温度調整工程開始後に中間画像が付与されている領域の温度を非接触赤外温度計 デジタル放射温度センサーFT−H20(キーエンス製)を用いて測定した。
本発明の画像記録方法において、中間画像形成工程後、かつ、転写工程に先立って、中間転写体に形成された中間画像から液体を除去する液体除去工程を有してもよい。中間画像に過剰な液体が含有されていると、転写工程において、過剰な液体が溢れ出るなどして、得られる画像の画質低下を引き起こす場合がある。したがって、液体除去工程によって、中間画像から過剰な液体を除去することが好ましい。液体を除去する方法としては、加熱する方法や、低湿空気を送風する方法や、減圧する方法や、自然乾燥法や、またこれらを組み合わせた方法などが挙げられる。
本発明の画像記録方法の転写工程では、中間転写体に記録された中間画像を、その温度が樹脂粒子の最低造膜温度未満となった状態で、記録媒体に接触させることで、中間転写体から記録媒体へと転写し、記録媒体に画像を記録する。本発明において、「転写工程における中間画像の温度」とは、転写工程直前の中間画像の表面における温度を意味する。尚、本発明の実施例においては、転写工程の直前に中間画像の表面における温度を非接触赤外温度計 デジタル放射温度センサーFT−H20(キーエンス製)を用いて測定した。
本発明において、記録媒体としては、一般的な印刷に用いられる紙だけでなく、布、プラスチック、フィルムなども広く包含される。本発明の画像記録方法に用いる記録媒体は、所望のサイズに予めカットされたものであってもよい。また、ロール状に巻かれたシートを用い、画像記録後に所望のサイズにカットされるものであってもよい。
本発明の画像記録方法において、転写工程の後に、中間画像が転写された記録媒体をローラーで加圧する定着工程を有してもよい。加圧することで、画像の平滑性を高めることができる。
本発明の画像記録方法において、転写工程の後に、中間転写体の表面をクリーニングするクリーニング工程を有してもよい。中間転写体をクリーニングする方法としては、従来用いられている方法を何れも使用することができる。具体的には、洗浄液をシャワー状にして中間転写体に付与する方法、濡らしたモルトンローラを中間転写体に当接させて払拭する方法、洗浄液面に中間転写体を接触させる方法、ワイパーブレードで中間転写体の残留物を払拭する方法、各種エネルギーを中間転写体に付与する方法、及び、これらの方法を複数組み合わせた方法などが挙げられる。
<顔料分散体の調製>
カーボンブラック(製品名:モナク1100、キャボット製)10部、樹脂水溶液(スチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体、酸価150、重量平均分子量8,000、樹脂の含有量が20.0質量%の水溶液を水酸化カリウム水溶液で中和したもの)15部、純水75部を混合し、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを200部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離して、粗大粒子を除去した後、顔料の含有量が10.0質量%の顔料分散体を得た。
(樹脂粒子分散体1の調製)
エチルメタクリレート18部、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)2部、n−ヘキサデカン2部を混合し、0.5時間攪拌した。この混合物を、乳化剤であるNIKKOL BC20(日光ケミカルズ製)の6%水溶液78部に滴下して、0.5時間攪拌した。次に超音波照射機で超音波を3時間照射した。続いて、窒素雰囲気下で85℃、3時間重合反応を行い、室温冷却後にろ過して、樹脂の含有量が20.0質量%である樹脂粒子分散体1を調製した。最低造膜温度は100℃であった。
ハイテックS−3121(東邦化学製;最低造膜温度77℃)を用いて、樹脂の含有量が20.0質量%である樹脂粒子分散体2を調製した。
表1及び表2に示す界面活性剤を用意した。
尚、何れもアデカ製の界面活性剤である。
上記で得られた樹脂粒子分散体、及び、顔料分散体を下記各成分と混合した。尚、イオン交換水の残部は、インクを構成する全成分の合計が100.0質量%となる量のことである。
・顔料分散体(色材の含有量は10.0質量%) 20.0質量%
・樹脂粒子分散体(樹脂の含有量が20.0質量%) 表3のX質量%
・ジエチレングリコール 12.0質量%
・アセチレノールE100(界面活性剤:川研ファインケミカル製) 0.5質量%
・界面活性剤 表3のY質量%
・イオン交換水 残部
これを十分撹拌して分散した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。
下記各成分を混合し、これを十分撹拌して分散した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、液体組成物を調製した。
・レブリン酸 45.0質量%
・水酸化カリウム(中和剤) 3.0質量%
・AQUACER531 15.0質量%
(変性ポリエチレンワックス分散体:ビックケミー製)
・メガファックF444 3.0質量%
(パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物:DIC製)
・イオン交換水 34.0質量%
中間転写体の支持部材としてアルミニウム合金からなる円筒形のドラムを用いた。更に、以下の方法で加水分解性有機ケイ素化合物を原料とするシロキサン化合物表面層を支持部材の表面に設けた。先ず、グリシドキシプロピルトリエトキシシランとメチルトリエトキシシランとをモル比1:1で混合し、塩酸を触媒として水溶媒中で24時間以上加熱還流を行い、加水分解性縮合物溶液を得た。次いで、加水分解性縮合物溶液をメチルイソブチルケトンにより10〜20質量%に希釈、光カチオン重合開始剤SP150(アデカ製)を固形分に対して5質量%添加してコーティング溶液を得た。表面にプラズマ処理を行った支持部材の表面に、このコーティング用液をスピンコートした。更に、UVランプによる表面露光をし、130℃にて3時間の加熱を行い、中間転写体を得た。得られた中間転写体の表面層の膜厚は約0.3μmであった。
上記で得られたインク及び液体組成物をインクカートリッジに充填し、図1の画像記録装置に装着した。先ず、上記で得られた液体組成物を、塗布ローラーを用いて、中間転写体に0.8g/m2の塗布量で塗布した。そして、液体組成物を塗布した中間転写体に、インクジェット方式の記録ヘッドから、インクを吐出し、記録デューティが100%の中間画像(1cm×1cmのベタ画像)を記録した。尚、上記画像記録装置では、解像度1,200dpi×1,200dpiで1/1,200インチ×1/1,200インチの単位領域に4plのインク滴を1滴付与する条件を、記録デューティが100%であると定義される。次いで、加熱機構によって中間画像の温度を表4に記載の温度(温度調整工程における中間画像の温度T1)に調整し、少なくとも1秒間維持した。更に、液体除去手段により中間画像に対して25℃の風を60秒間あてた。次いで、中間画像の温度が表4に示した所定の温度(転写温度T2)となった際に加圧ローラーを用いて、転写速度2.0m/秒で記録媒体に中間画像を転写した。この一連の工程を25回繰り返した後、中間転写体の表面に残存している中間画像の割合、即ち、転写残存率(%)を算出した。具体的に、転写残存率は、中間転写体を支持部材から外し、表面を画像で取り込み、中間画像が記録された面積に占める、転写されずに中間転写体に残存した中間画像の面積の割合を算出することで得た。そして、この転写残存率から、転写効率を評価した。尚、記録媒体として、記録媒体1:オーロラコート(日本製紙製)、記録媒体2:ニューVマット(三菱製紙製)、記録媒体3:OKプリンス上質(王子製紙製)の3種を用い、それぞれの記録媒体について転写効率の評価を行った。評価基準は以下の通りである。本発明においては下記の評価基準において、A〜Bが許容できるレベルとし、Cは許容できないレベルとした。評価結果を表4に示す。
A:転写残存率が3%未満であり、転写効率が高かった
B:転写残存率が3%以上10%未満であり、転写効率がある程度高かった
C:転写残存率が10%以上であり、転写効率が低かった。
Claims (5)
- インクを中間転写体に付与することで中間画像を形成する中間画像形成工程と、温度調整工程と、前記中間画像を記録媒体に転写する転写工程と、をこの順に有する画像記録方法において、
前記インクが、樹脂粒子と、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物から選択される少なくとも1種とを含有し、
前記温度調整工程において、前記中間画像の温度を、前記樹脂粒子の最低造膜温度以上に調整し、
前記転写工程における中間画像の温度が、前記樹脂粒子の最低造膜温度未満であることを特徴とする画像記録方法。
(一般式(1)において、R1及びR4はそれぞれ独立に水素原子又は有機基であり、R2及びR3はそれぞれ独立に単結合又は有機基であり、l及びnはそれぞれ独立に0以上であり、l+nは2以上300以下であり、mは1以上70以下である。)
(一般式(2)において、R5及びR8はそれぞれ独立に水素原子又は有機基であり、R6及びR7はそれぞれ独立に単結合又は有機基であり、p及びrはそれぞれ独立に0以上であり、p+rは2以上70以下であり、qは1以上300以下である。) - 前記中間画像形成工程の前に、前記中間転写体に反応剤を含有する液体組成物を付与する液体組成物付与工程を有する請求項1に記載の画像記録方法。
- 前記インク中の前記界面活性剤の含有量が、インク全質量を基準として0.5質量%以上10.0質量%以下である請求項1又は2に記載の画像記録方法。
- 前記インク中の前記樹脂粒子の含有量が、インク全質量を基準として1.0質量%以上30.0質量%以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像記録方法。
- インク全質量を基準とした、前記インク中の前記樹脂粒子の含有量が、前記界面活性剤の含有量に対して、質量比率で1.0倍以上6.7倍以下である請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像記録方法。
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