JP2014521904A - ねじ - Google Patents

Abstract

本発明は、少なくとも部分的にコーティング（５）を施されたねじ体（３）を有する、低強度の非鉄材料から成るタッピンねじ（１）に関するものであり、前記コーティング（５）は、充填材が添加されたエラストマ材料又はポリマ材料から形成されている。

Description

本発明は、少なくとも部分的にコーティングを施されたねじ体を有する、低強度の非鉄材料から成るタッピンねじに関する。

このようなタッピンねじは通常、鋼材料から製造されている。この場合、ねじ山が設けられたねじ体の表面付近の層を、表面硬化又は窒化により硬化することが知られている。

特に自動車産業の分野において、あらゆる構成部材、つまりねじにおいても、その重量を最小限に削減するという要求がある。ＥＰ０９８７４５２Ｂ１から公知のタッピンねじは、低強度の非鉄材料から成っている。セルフタッピング型のねじ山が設けられた軸領域は、ねじ材料よりも大きな硬度を有する硬質層によって被覆されている。この場合は、金属層が設けられたプラスチックねじが開示されている。更に、アルミニウム又はマグネシウムから成る金属のねじを、表面改質によって、又は別の材料から成る層を、例えば溶射、ＰＶＤ又はＣＶＤにより付与することによって得ることが提案される。しかしながら、非常に小さな比重を有する非鉄金属、特にアルミニウム材料から成るねじのコーティングには、前記のような硬質層を、例えばガラスセラミック層の形態で付与する際に、高い硬化温度が必要とされ、この硬化温度がねじ材料の組織にネガティブな影響を及ぼす恐れがある、という問題がある。

そこで本発明が解決手段を提供する。本発明の課題は、軽い非鉄材料から形成されており且つ上で述べた欠点が回避されるタッピンねじを提供することである。この課題は本発明に基づき、請求項１の特徴部に記載の構成を有するねじにより解決される。コーティングを、充填材が添加されたエラストマ又はポリマ材料から形成することにより、低い温度でのコーティングが可能になる。

本発明の改良において、ねじ体は、三葉形状の横断面を有している。この三葉形状のねじ山により、タッピンねじの自縛作用が生ぜしめられる。

好適には、ねじ材料は、アルミニウム又はマグネシウム又はこれらの材料の合金である。これにより、特に軽量のねじが得られる。更に、このような材料は腐食し難いので、鋼ねじに関して知られている問題が回避される。択一的に、ねじは銅から製造されていてもよい。

本発明の別の構成では、コーティングはナノ複合材料から形成されている。この場合のナノ複合材料は、好適には無機ナノ粒子を有するポリマ状のマトリックスを備えた材料である。驚くべきことに、ナノ複合材料を使用すると、コーティングがねじ材料より小さな硬度を有していても、極めて良好なねじ特性が得られることが判った。ナノ充填材若しくはナノ添加剤の添加により、ポリマの粘性と強度とを同時に高めることが可能である。２５０°のオーダの温度で行うことができる熱硬化手段の他に、重合可能な有機基の使用を介して、より低い温度が適用され得る。例えば、硬化を光化学的に行うことができる。それどころか例えば、縮合触媒の使用により、室温でのコーティングの硬化が可能になっている。

好適には、ナノ複合材料は、アクリレート複合材料又はシリケート複合材料である。但し、期待する成果は、粘土ナノマー板の使用によっても得られた。コーティングの特性を調整するための別の適当なナノ充填材は、当業者には周知である。

本発明の別の改良及び構成は、その他の従属請求項に記載されている。

三葉形状のタッピンねじの概略図である。

以下に、本発明の実施形態を図面につき詳しく説明する。

実施形態として選択したねじ１は、ねじ頭２と、このねじ頭２に一体成形されたねじ体３とから成っており、ねじ体３には三葉形状（おにぎり状）のねじ山４が設けられている。ねじ体３にはコーティング５が施されていて、このコーティング５は、ナノ複合材料により形成されている。このナノ複合材料は、本発明ではポリウレタンを基に製造されていて、このポリウレタンは、ナノサイズの粘土板（ナノ粒子）が添加された２つのポリマ成分から成っている。これにより、極めて剛性で耐久性があると同時に、良好な伸縮性を有する層が形成されている。本実施形態では、コーティングの厚さは６μｍである。一般に、２μｍ〜２０μｍの層厚さが有利であるということが判っている。ナノ粒子はもちろん、例えば球状又は毛細管状等の、別の形状を有していてもよい。

別の無機ナノ粒子を添加剤として使用すると共に、別のポリマ状のマトリックス（母材）を使用することにより、タッピンねじの使用領域に応じてコーティングの特性を調整することができる。このようにして例えば、高温又は酸に対する耐久性が得られる。

上で説明した形式のねじは、本実施形態では穿孔されたマグネシウム製の構成部材にねじ込まれ、その際にねじは、そのねじ山自体でねじ立て（雌ねじを成形）する。特に、コーティング用にナノ複合材料を使用した本発明によるコーティングによって、ねじにより許容可能な接触面圧力が著しく増大され、これにより、アルミニウムねじによるねじ立てが、マグネシウム材料の硬さにもかかわらず可能になる。この場合、前記コーティングは同時に滑り効果を有していて、これによりねじ込み過程が容易になることが判った。

Claims (6)

1. 少なくとも部分的にコーティング（５）を施されたねじ体（３）を有する、低強度の非鉄材料から成るタッピンねじ（１）であって、
   前記コーティング（５）は、充填材が添加されたエラストマ材料又はポリマ材料から形成されていることを特徴とする、タッピンねじ。
2. 前記ねじ体（３）は、三葉形状の横断面を有している、請求項１記載のねじ。
3. 前記ねじ材料は、アルミニウム又はマグネシウム又はこれらの材料の合金である、請求項１又は２記載のねじ。
4. 前記コーティング（５）は、前記ねじ材料よりも小さな硬度を有している、請求項１から３までのいずれか１項記載のねじ。
5. 前記コーティング（５）は、ナノ複合材料から形成されている、請求項１から４までのいずれか１項記載のねじ。
6. 前記ナノ複合材料は、アクリレート複合材料又はシリケート複合材料である、請求項５記載のねじ。

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