JP2014209246A - トナー用ポリエステル樹脂を含むトナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】不飽和二重結合を有するトナー用ポリエステル樹脂を含むトナー。前記トナー用ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸と多価アルコールを含む単量体混合物を重縮合したものであって、前記単量体混合物が、不飽和二重結合を有する多価カルボン酸および不飽和二重結合を有する多価アルコールの少なくとも一方と、式(2)で表される多価アルコールを多価カルボン酸100モル部に対して0.5モル部以上含む混合物であるトナー用ポリエステル樹脂を含むトナー。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献1には不飽和二重結合を有するトナー用ポリエステル樹脂を架橋反応させて樹脂の耐久性を向上させる方法が記載されている。
不飽和二重結合を有する多価カルボン酸は、前記単量体混合物中の多価カルボン酸100モル部中、1〜50モル部が好ましく、不飽和二重結合を有する多価アルコールは、前記単量体混合物中の多価カルボン酸100モル部に対して、1〜50モル部が好ましい。また、両者を併用する場合には、両者の合計が1〜50モル部であることが好ましい。
不飽和二重結合を有する単量体の含有量が1モル部以上の場合、トナーの耐高温オフセット性が良好になる傾向にあり、不飽和二重結合の含有量が50モル部以下の場合に、トナーの保存安定性が良好となる傾向にある。
不飽和二重結合を有さない多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸等のジカルボン酸;これらのアルキルエステル(モノメチルエステル、ジメチルエステル、モノエチルエステル、ジエチルエステル、モノブチルエステル、またはジブチルエステル)、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
また、Tgは40〜80℃が好ましい。40℃以上の場合に、トナーの保存性が良好となる傾向にあり、80℃以下の場合に、トナーの低温定着性が良好となる傾向にある。さらに酸価は、50mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が50mgKOH/g以下の場合に、トナーの定着画像濃度が良好となる傾向にある。
なお、前記の他のポリエステル樹脂は、公知の多価カルボン酸と多価アルコールを含む単量体混合物を重縮合することで得られる。
本発明のポリエステル樹脂以外のバインダー樹脂としては、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、環状オレフィン樹脂、メタクリル酸系樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
島津製作所(株)製示差走差熱量計DSC−60を用い、昇温速度5℃/分で測定した時のチャートの低温側のベースラインとガラス転移温度近傍にある吸熱カーブの接線との交点の温度を求めた。
サンプル約0.2gを枝付き三角フラスコ内に精秤し(A(g))、ベンジルアルコール10mlを加え、窒素雰囲気下として230℃のヒーターにて15分加熱し樹脂を溶解した。室温まで放冷後、ベンジルアルコール10ml、クロロホルム20ml、フェノールフタレイン溶液数滴を加え、0.02規定のKOH溶液にて滴定した(滴定量=B(ml)、KOH溶液の力価=p)。ブランク測定を同様に行い(滴定量=C(ml))、以下の式に従って算出した。
酸価(mgKOH/g)=(B−C)×0.02×56.11×p÷A
(3)ピーク分子量(Mp)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、得られた溶出曲線のピーク値に相当する保持時間から、ピーク分子量(Mp)を標準ポリスチレン換算により求めた。なお、溶出曲線のピーク値とは、溶出曲線が極大を示す点であり、極大値が2点以上ある場合は、溶出曲線が最大値を与える点のことである。
装置:東洋ソーダ工業(株)製、HLC8020
カラム:東洋ソーダ工業(株)製、TSKgelGMHXL(カラムサイズ:7.8mm(ID)×30.0cm(L))を3本直列に連結
オーブン温度:40℃
溶離液:THF
試料濃度:4mg/10mL
濾過条件:0.45μmテフロン(登録商標)メンブレンフィルターで試料溶液を濾過
流速:1mL/分
注入量:0.1mL
検出器:RI
(4)耐久性
耐久性は回転型レオメーター(REOLOGICA製 DAR−100)を用いて貯蔵弾性率により評価した。
測定モード:Oscillation strain control
ジオメトリー:25mmφパラレルプレート
GAP:1mm
周波数:1Hz
Strain:0.001
測定温度:80〜240℃(3℃/minで昇温)
貯蔵弾性率(G’)を用いて、評価基準を以下の通りとした。
◎(非常に良好) :1000mPa以上のG’
○(良好) :100mPa以上1000mPa未満のG’
△(使用可能) :60mPa以上100mPa未満のG’
×(劣る) :60mPa未満のG’
(5)粉砕性
粉砕性は、メッシュ上に残る樹脂残存率を求めることで評価した。ここで樹脂残存率とは、通常の粉砕工程を終わった樹脂を篩いにかけ、16メッシュを通過し22メッシュを通過しない樹脂粉体を得、この分級された樹脂粉末を10.00g精秤し、トリオブレンダー粉砕器(トリオサイエンス社製)にて10秒間粉砕後、30メッシュの篩いにかけ、通過しない樹脂の重量(A)gを精秤し、次式により、Aの値から残存率を求め、この操作を3回行い平均して求めた値である。
{(A)g/粉砕前の樹脂重量(10.00g)}×100=樹脂残存率(%)
得られた樹脂残存率より、粉砕性を以下の様に評価した。
◎(非常に良好) :55%未満の樹脂残存率
○(良好) :55%以上65%未満の樹脂残存率
△(使用可能) :65%以上75%未満の樹脂残存率
×(劣る) :75%以上の樹脂残存率
製造例1
表1に示す組成の多価カルボン酸、多価アルコールと、全多価カルボン酸に対して1500ppmの三酸化アンチモンを蒸留塔備え付けの反応容器に投入した。なお、なお、表1にモル部として記載した仕込み組成は、全酸成分100モル部に対する各成分のモル部である。
表1に示す組成の多価カルボン酸、多価アルコールと、全多価カルボン酸に対して1000ppmのジブチル錫オキサイドを蒸留塔備え付けの反応容器に投入した。次いで昇温を開始し、反応系内の温度が260℃になるように加熱し、この温度を保持し、反応系からの水の留出がなくなるまでエステル化反応を行った。次いで、反応系内の温度を220℃とし、反応容器内を減圧し、反応系からジオール成分を留出させながら縮合反応を実施した。攪拌翼のトルクが所定のトルクを示した時点で反応物を取り出し冷却して樹脂2〜6を得た。各樹脂の特性値を表1に示す。
離型剤(日本精鑞(株)製SP−0160)90質量部を75℃に加熱し溶融させ、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン10質量部を添加し、得られた混合物を冷却、粉砕して、離型剤で希釈された架橋反応開始剤Iを調製した。
樹脂1と混合する樹脂を表2に示すように変更した以外は、実施例4と同様にして樹脂B〜Dを得た。各樹脂の評価結果を表2に示す。
樹脂1と樹脂6を溶融混練した後に、離型剤で希釈された架橋反応開始剤を供給しない以外は、実施例4と同様にして樹脂Eを得た。樹脂Eの評価結果を表2に示す。
Claims (2)
- 式(1)で表される繰り返し単位と、不飽和二重結合を有するトナー用ポリエステル樹脂を含むトナー。
- 前記トナー用ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸と多価アルコールを含む単量体混合物を重縮合したものであって、前記単量体混合物が、不飽和二重結合を有する多価カルボン酸および不飽和二重結合を有する多価アルコールの少なくとも一方と、式(2)で表される多価アルコールを多価カルボン酸100モル部に対して0.5モル部以上含む混合物である、請求項1に記載のトナー用ポリエステル樹脂を含むトナー。
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