以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態に係る有機EL表示装置は、例えば車両に搭載され、所定の情報を画像表示する車両用表示器として用いられる。
図1は、本実施形態に係る有機EL表示装置の構成図である。この図に示されるように、有機EL表示装置1は、有機ELパネル2と、パネル接続部3と、駆動電圧生成部4と、セグメント用COM信号生成回路5と、駆動制御部6と、を備えて構成されている。
有機ELパネル2は画像を表示するための表示器であり、ドット表示部7と、セグメント表示部8と、カラム配線9と、ドット用ロウ配線10と、セグメント用COM配線11と、ドライバIC12と、を備えて構成されている。図1では、一例としてドライバIC12の出力はカラム(データ)側は3本、ロウ(走査)側は6本として示されている。
ドット表示部7は、有機EL画素13がドットマトリクス状に配置された均一な画素群である。ドット表示部7の有機EL画素13は、1走査線であるドット用ロウ配線10に対し複数の均一な画素面積の画素である。図1では、一例として3×3のドットマトリクスが示されている。
一方、セグメント表示部8は、1つ以上の有機EL画素14が所定の画像を表示するように配置された不均一な画素群である。本実施形態では、例えば「△」、「○(楕円)」、「☆」の3つの有機EL画素14がセグメント表示部8に設けられている。セグメント表示部8の有機EL画素14は、1走査線であるセグメント用COM配線11に対し、ドット表示部7の有機EL画素13とは画素面積が異なる画素である。
このように、1つの有機ELパネル2内でドット表示部7によるマルチインフォメーション表示とセグメント表示部8による所定の明瞭な画像表示とが可能になっている。
図2は、有機EL表示装置1が車両に搭載された模式図である。図2(a)に示されるように、有機EL表示装置1は車両情報等のマルチインフォメーション表示装置として車両15に搭載されている。この場合、図2(b)に示されるように、有機ELパネル2は、例えばメータ16の中央部分に配置される。なお、車両情報としては、例えば車両の総走行距離等である。
カラム配線9は、ドライバIC12、ドット表示部7、およびセグメント表示部8を直列接続するデータ電極駆動配線(陽極)である。すなわち、ドライバIC12、ドット表示部7、およびセグメント表示部8それぞれに対するカラム配線9が共通化されている。このカラム配線9は、どの有機EL画素13、14を発光させるのかを選択するための配線であり、ドライバIC12によって一定の駆動電流が印加される。
ドット用ロウ配線10はドット表示部7の各有機EL画素13に対して電圧を印加するための配線(陰極)である。カラム配線9とドット用ロウ配線10とが交差する位置に有機EL画素13が設けられている。本実施形態では、ドット表示部7は3×3のドットマトリクスなので、走査線であるドット用ロウ配線10は3本である。
セグメント用COM配線11は、セグメント表示部8の有機EL画素14に対して電圧を印加するための配線(陰極)である。このセグメント用COM配線11は、セグメント表示部8に設けられた3つの有機EL画素14に対して共通の配線となっている。
これらドット用ロウ配線10およびセグメント用COM配線11はいわゆる走査線であり、ドライバIC12およびセグメント用COM信号生成回路5によって所定の電圧が印加される。
ドライバIC12は、カラム配線9およびドット用ロウ配線10を介してドット表示部7とセグメント表示部8とをそれぞれ駆動する集積回路である。本実施形態では、ドライバIC12はカラム配線9に印加する駆動電流を直接制御し、ドット用ロウ配線10に印加する電圧を直接制御する。
また、ドライバIC12は、セグメント用COM信号生成回路5を介してセグメント用COM配線11に印加する電圧印加期間を制御する。このため、ドット用ロウ配線10の走査後にセグメント用COM配線11が走査されるように、セグメント用COM信号生成回路5に同期信号を出力する。
さらに、ドライバIC12は、画像表示される内容(表示データ)を記憶するRAM17を備えている。表示データは、駆動制御部6からRAM17に送られてくる。また、RAM17は、ドット表示部7とセグメント表示部8とで共通使用される。このため、RAM17の全体の記憶領域の一部がドット表示部7の画像表示領域として利用され、残りの記憶領域がセグメント表示部8の画像表示領域として利用される。したがって、ドット表示部7やセグメント表示部8毎にRAM17は不要である。
次に、上記構成の有機ELパネル2の断面構造について説明する。図3は、図1のA−B断面図である。この図に示されるように、ガラス等の基板18上には、ホール注入電極として機能するITO等の透明なカラム配線9が形成されている。また、カラム配線9の上に発光に関わる有機層19が形成されている。有機層19は、ホール注入輸送層、発光層、電子注入輸送層等が順に形成された有機膜層である。そして、有機層19の上に電子注入電極として機能する金属薄膜等のドット用ロウ配線10およびセグメント用COM配線11が形成されている。これらドット用ロウ配線10およびセグメント用COM配線11は基板18の外縁部に引き回されて形成されている。
このように、有機層19がカラム配線9とドット用ロウ配線10とで挟まれると共に、有機層19がカラム配線9とセグメント用COM配線11とで挟まれた積層構造になっている。この積層構造を覆うようにカバー20が接着剤21を介して基板18に実装されている。これにより有機層19が封止されている。
また、基板18上には、カラム配線9、ドット用ロウ配線10、およびセグメント用COM配線11に電気的に接続されたドライバIC12が実装されている。さらに、ドライバIC12等が樹脂等の封止体22で覆われて保護されている。有機ELパネル2は、上記のような構造になっている。
そして、図1に示されるパネル接続部3は、有機ELパネル2と駆動電圧生成部4およびセグメント用COM信号生成回路5とを接続するための配線部である。パネル接続部3としては、例えばFPC(Flexible Printed Circuit;FPC)が採用される。
駆動電圧生成部4は、有機ELパネル2を駆動するための電圧を生成する回路部であり、例えば12Vのバッテリ23の電圧から駆動電圧を生成する。このような駆動電圧生成部4は、カラム電圧生成部24と、ドットロウ電圧生成部25と、セグメント用COM電圧生成部26と、を備えている。
カラム電圧生成部24は、バッテリ23の電圧を昇圧するためのトランスやコンデンサ等により構成された昇圧回路である。このカラム電圧生成部24はバッテリ23の電圧から電圧VddCを生成し、パネル接続部3を介してドライバIC12に供給する。これにより、ドライバIC12は、この電圧VddCを各カラム配線9に供給する。
ドットロウ電圧生成部25は、カラム電圧生成部24で昇圧された電圧を所定の電圧に下げる降圧回路である。このドットロウ電圧生成部25は、駆動制御部6から入力する電圧変更信号に従って電圧VddCから電圧VddR(dot)を生成し、パネル接続部3を介してドライバIC12に供給する。これにより、ドライバIC12は、この電圧VddR(dot)を各ドット用ロウ配線10に供給する。
本実施形態では、電圧変更信号によって電圧VddR(dot)の電圧レベルが変更される。図4は、ドットロウ電圧生成部25の回路の一例を示した図である。この図に示されるように、電圧VddCとGNDとの間に抵抗27と抵抗28とが直列接続され、抵抗27と抵抗28との間に抵抗29の一方が接続されている。この抵抗29の他方はnpn型のトランジスタ30のコレクタに接続されている。また、トランジスタ30のエミッタはGNDに接続され、トランジスタ30のベースに電圧変更信号が入力されるようになっている。さらに、トランジスタ30のベース−エミッタ間に抵抗32が接続されている。
そして、抵抗27がnpn型のトランジスタ31のベース−コレクタ間に接続され、当該トランジスタ31のコレクタに電圧VddCが印加され、トランジスタ31のエミッタ電圧が電圧VddR(dot)とされている。
このような回路構成によると、トランジスタ30に電圧変更信号が入力されたことにより、トランジスタ31のベース電圧が調整される。トランジスタ31のコレクタ電圧である電圧VddCは固定値であるので、トランジスタ31のベース電圧が大きくなると電圧VddR(dot)は大きくなり、トランジスタ31のベース電圧が小さくなると電圧VddR(dot)は小さくなる。このようにして、電圧VddCが電圧VddR(dot)に降圧されると共に電圧変更信号によって電圧VddR(dot)の電圧レベルが調節されるようになっている。
セグメント用COM電圧生成部26は、カラム電圧生成部24で昇圧された電圧を所定の電圧に下げる降圧回路である。このセグメント用COM電圧生成部26は、カラム電圧生成部24で生成された電圧VddCから電圧VddR(seg)を生成し、セグメント用COM信号生成回路5に供給する。
これらカラム電圧生成部24、ドットロウ電圧生成部25、およびセグメント用COM電圧生成部26は、ドライバIC12やセグメント用COM信号生成回路5に対して、電源を供給する手段であると言える。
セグメント用COM信号生成回路5は、セグメント用COM電圧生成部26で生成された電圧VddR(seg)をドライバIC12から入力した同期信号に従ってセグメント用COM配線11に供給する回路である。
図5は、セグメント用COM信号生成回路5の一例を示した図である。この図に示されるように、セグメント用COM信号生成回路5は、XOR回路33と、Dフリップフロップ34と、NOT回路35と、を備えている。
XOR回路33は、いわゆる排他的論理和を実行する論理回路であり、ドライバIC12から同期信号1(ロウ出力3)と同期信号2(ロウ出力1)とを入力して排他的論理和を演算して出力する。
Dフリップフロップ34は、クロックパルスが入力される前にD端子に到達していた状態をクロックパルスの立ち下がりと同時にQ出力する回路である。D端子には同期信号1が入力され、クロック端子にはXOR回路33の出力がクロックパルスとして入力される。また、Dフリップフロップ34からはQの反転信号が出力される。
NOT回路35は、Dフリップフロップ34の出力を反転して出力する論理回路である。このNOT回路35の出力がセグメント用COM配線11に供給される。
このようなセグメント用COM信号生成回路5の構成によると、同期信号1と同期信号2との組み合わせに応じて、電圧VddR(seg)かまたはGND電圧がセグメント用COM配線11に印加される。従って、セグメント用COM信号生成回路5はスイッチ回路であると言える。
駆動制御部6は、車両15に搭載された各機器から車両情報を入力し、それらを画像として表示するための処理を行うCPU等を備えたマイクロコンピュータである。このような駆動制御部6は、通常は外部から入力した車両情報に基づいて表示データを生成し、ドライバIC12に出力する。
また、駆動制御部6は、有機ELパネル2を減光制御する減光制御部を有している。減光制御部は、セグメント用COM信号生成回路5からの選択期間信号および車両情報をもとにドット用ロウ配線10に印加する電圧を制御するための電圧変更信号を生成してドットロウ電圧生成部25に出力する。また、減光制御部は、車両情報をもとに有機ELパネル2の表示輝度を低下させる減光時にドライバIC12に減光をPWM制御させるため、PWM信号を生成してドライバIC12に出力する。これにより、ドライバIC12は、有機EL画素13、14の減光をPWM制御で行う。すなわち、ドライバIC12は、カラム配線9に印加する電圧パルスの幅を小さくすることにより、有機EL画素13、14を減光させる。
上記構成の有機EL表示装置1のうち、有機ELパネル2の全体回路図を図6に示す。この図に示されるように、ドライバIC12から引き出された複数の走査線(ドット用ロウ配線10、セグメント用COM配線11)および複数のデータ線(カラム配線9)の交点それぞれにマトリクス状の複数の有機EL画素13、14がそれぞれ配置されている。上述のように、配置例として、ドット表示部7では3×3のマトリクスとして有機EL画素13((0,0)〜(2,2))が配置され、セグメント表示部8では3つの有機EL画素14((3,0)〜(3,2))が並べられている。
そして、ドライバIC12は、各カラム配線9に対して一定の駆動電流を印加するためのデータ電極選択スイッチ36〜38を備えている。駆動電流は、電圧VddCに基づいて生成される。データ電極選択スイッチ36〜38は、各カラム配線9側が可動接点とされ、GND(0V)に接続される固定接点と定電流源39〜41に接続される固定接点とのいずれか一方に可動接点を接触させられるものとなっている。
上述のように、ドット表示部7の有機EL画素13やセグメント表示部8の有機EL画素14は共通のカラム配線9に接続されているので、各有機EL画素13、14に同じ大きさの駆動電流またはGND電圧が供給される。これにより、有機EL画素13、14毎に駆動電流を流すための回路が不要となる。
また、ドライバIC12は、各ドット用ロウ配線10に対して電圧VddR(dot)かまたはGND電圧を印加するための走査電極選択スイッチ42〜44を備えている。これら走査電極選択スイッチ42〜44は、各ドット用ロウ配線10側が可動接点とされ、GND(0V)に接続される固定接点と電圧VddR(dot)が印加される固定接点とのいずれか一方に可動接点を接触させられるものとなっている。
そして、ドライバIC12は、データ電極選択スイッチ36〜38および走査電極選択スイッチ42〜44のオンオフを駆動する。具体的には、ドライバIC12は、駆動制御部6から入力される表示データを処理し、発光画素として選択した画素を発光させ、その他の画素を非発光とするべく、データ電極選択スイッチ36〜38および走査電極選択スイッチ42〜44のオンオフを制御する。
さらに、セグメント用COM配線11はセグメント用COM信号生成回路5に接続されている。上述のように、セグメント用COM信号生成回路5はドライバIC12から入力した同期信号に従ってセグメント用COM配線11に対して電圧VddR(seg)かまたはGND電圧を印加するようにセグメント用COM配線11に接続されている。以上が、本実施形態に係る有機EL表示装置1の全体構成である。
次に、ドライバIC12による各有機EL画素13、14の駆動方法について、図7〜図14を参照して説明する。本実施形態では、ドライバIC12がドット表示部7とセグメント表示部8との2つの表示領域を駆動制御する。
具体的には、図7に示されるように、ドライバIC12は、ドット表示部7の走査(ドット駆動)を行った後にセグメント表示部8の走査(セグ駆動)を行う時分割駆動を行う。これは、ドット表示部7のロウライン数(走査線数)がドライバIC12の駆動可能チャンネル数よりも少ない場合、ドライバIC12の駆動可能チャンネル数からドット表示部7のロウライン数(走査線数)を引いたときに余った出力の走査時間を利用することで可能である。
本実施形態では、ドット駆動を行う期間すなわちドット表示部7に画像を表示する期間を第1選択期間45といい、セグ駆動を行う期間すなわちセグメント表示部8に画像を表示する期間を第2選択期間46という。
したがって、第1選択期間45でドライバIC12がドット表示部7を駆動し、第2選択期間46でドライバIC12およびセグメント用COM信号生成回路5がセグメント表示部8を駆動することとなる。
また、有機EL画素13、14の表示輝度(瞬間輝度)は、図8に示されるように、電流密度(=駆動電流/画素面積)に比例する。例えば、データ電極から1画素に印加する駆動電流を0.6mAとすると、各有機EL画素13、14は図9に示されるように分類される。すなわち、ドット表示部7の有機EL画素13であるドット(□)の面積を0.001cm2とすると電流密度は600mA/cm2となる。これにより、図8から瞬間輝度は27000cd/m2となる。
一方、セグメント表示部8の有機EL画素14は、図9に示されるように、セグA(☆)およびセグB(○)の面積を共に0.002cm2とすると電流密度はそれぞれ300mA/cm2となる。また、図8から瞬間輝度は13500cd/m2となる。また、セグC(△)の面積を0.003cm2とすると電流密度は200mA/cm2となり、図8から瞬間輝度は9000cd/m2となる。
したがって、図9に示される各有機EL画素13、14の瞬間輝度を同一にするためには、セグBが点灯する単位時間をドットの2倍とし、セグCが点灯する単位時間をドットの3倍とすれば良い。このように、各有機EL画素13、14の画素面積が異なり、各有機EL画素13、14にデータ電極から印加する駆動電流の大きさは同じであるので、画素面積が異なるAとBの各画素を同じ表示輝度で表示するためには図10に示されるように点灯時間を長くするように制御すれば、異なる画素面積の画素の表示輝度をそれぞれ同一にすることができる。
このため、ドライバIC12は、各有機EL画素13、14の画素面積に応じて、有機EL画素13、14に流れる電流密度(=駆動電流/画素面積)と有機EL画素13、14の点灯時間との積が一定になるように、当該点灯時間を制御する。
具体的には、ドライバIC12は以下のように点灯時間を制御する。まず、図11(a)は、有機ELパネル2に画像表示する一例を示した図である。ドット表示部7のマトリクスのうち(0,0)、(0,1)、(1,2)、(2,0)の有機EL画素13を発光させ、セグメント表示部8のうち「○」と「△」の有機EL画素14を発光させるとする。なお、発光させる有機EL画素13、14に斜線ハッチングを付けてある。
また、ドット表示部7の有機EL画素13の面積をSとすると、セグメント表示部8の「☆」の有機EL画素14の面積は2S、「○」の有機EL画素14の面積は2S、「△」の有機EL画素14の面積は3Sであるとする。上述のように、電流密度と点灯時間との積が一定となるようにするためには、面積が2Sの有機EL画素14の点灯時間を面積がSの有機EL画素13の点灯時間の2倍とすれば良い。同様に、面積が3Sの有機EL画素14の点灯時間を面積がSの有機EL画素13の点灯時間の3倍とすれば良い。
図11(b)は図11(a)のように各有機EL画素13、14を発光させる場合のRAM17の中身つまり表示データを示した図である。有機EL画素13、14を発光させる領域に斜線ハッチングを付けてある。C0〜C2列はカラム配線9に対応し、R0〜R2行はドット表示部7に割り当てられた領域であり、R3〜R5行はセグメント表示部8に割り当てられた領域である。
図12は、ドライバIC12の駆動波形を示した図である。また、図13および図14は、図12に示される駆動波形に従った回路動作を示した回路図である。
まず、図13(a)〜図13(c)に示される段階がドット表示部7を駆動する第1選択期間45であり、図14(a)〜図14(c)に示される段階がセグメント表示部8を駆動する第2選択期間46である。
そして、図13(a)に示されるR0行選択時では、ドライバIC12は(0,0)および(0,1)の有機EL画素13を発光させるべく、データ選択スイッチ36、37により定電流源39、40を選択し、データ選択スイッチ38によりGNDを選択する。これにより、図12に示されるように、走査側(ロウ)においてR0行が選択された場合、データ側(カラム)の信号は、C0列およびC1列に駆動電流が流れ、C2列には駆動電流が流れない信号となる。
また、図13(a)に示されるように、R0行のみが選択されるように、ドライバIC12は走査電極選択スイッチ42によりGNDを選択し、走査電極選択スイッチ43、44により電圧VddR(dot)を選択する。また、ドライバIC12は同期信号を出力することでセグメント用COM信号生成回路5により電圧VddR(seg)を選択する。
このように、ドライバIC12がデータ電極選択スイッチ36〜38、走査電極選択スイッチ42〜44、およびセグメント用COM信号生成回路5により各ドット用ロウ配線10およびセグメント用COM配線11に印加される電圧を選択すると、(0,0)および(0,1)に位置する有機EL画素13に駆動電流が流れ、これらが発光する。一方、非発光の有機EL画素13、14については、印加される電位差に基づいて寄生容量に充電される。
ここで、ドライバIC12は、各有機EL画素13、14のうち選択されたものを発光させた走査期間(例えばR0行選択時)とその次の走査期間(例えばR1行選択時)との間に、走査期間中に非発光の各有機EL画素13、14に形成される寄生容量に充電された電荷を放電するリセット駆動を行う。リセット駆動を行う期間がリセット期間である。以下では、各走査期間の間にリセット駆動を行う。
続いて、図13(b)に示されるR1行選択時では、ドライバIC12は(1,2)の有機EL画素13を発光させるべく、データ選択スイッチ36、37によりGNDを選択し、データ選択スイッチ38により定電流源41を選択する。これにより、図12に示されるように、R1行が選択された場合、データ側(カラム)の信号は、C0列およびC1列に駆動電流が流れず、C2列に駆動電流が流れる信号となる。
また、図13(b)に示されるように、R1行のみが選択されるように、ドライバIC12は走査電極選択スイッチ43によりGNDを選択し、走査電極選択スイッチ42、44により電圧VddR(dot)を選択する。また、ドライバIC12は同期信号を出力することでセグメント用COM信号生成回路5により電圧VddR(seg)を選択する。
これにより、(1,2)に位置する有機EL画素13に電流が流れ、発光する。一方、非発光の有機EL画素13、14については、印加される電位差に基づいて寄生容量に充電される。そして、ドライバIC12はリセット駆動を行う。
この後、図13(c)に示されるR2行選択時では、ドライバIC12は(2,0)の有機EL画素13を発光させるべく、データ選択スイッチ37、38によりGNDを選択し、データ選択スイッチ36により定電流源39を選択する。これにより、図12に示されるように、R2行が選択された場合、データ側(カラム)の信号は、C0列およびC1列に駆動電流が流れず、C2列に駆動電流が流れる信号となる。
また、図13(c)に示されるように、R2行のみが選択されるように、ドライバIC12は走査電極選択スイッチ44によりGNDを選択し、走査電極選択スイッチ42、43により電圧VddR(dot)を選択する。また、ドライバIC12は同期信号を出力することでセグメント用COM信号生成回路5により電圧VddR(seg)を選択する。
これにより、(2,0)に位置する有機EL画素13に電流が流れ、発光する。一方、非発光の有機EL画素13、14については、印加される電位差に基づいて寄生容量に充電される。そして、ドライバIC12はリセット駆動を行う。このようにして、ドライバIC12は第1選択期間45でドット表示部7の有機EL画素13を発光させる。
次に、図14(a)〜図14(c)に示されるR3〜R5行選択時では、ドライバIC12は「○」と「△」の有機EL画素14を発光させる。ここで、R3〜R5行は有機ELパネル2に未接続の部分であり、かわりに上述のセグメント用COM配線11が接続されている。すなわち、R3〜R5行選択時つまり第2選択期間46では、ドライバIC12は走査電極選択スイッチ42〜44により電圧VddR(dot)を選択し、同期信号を出力することでセグメント用COM信号生成回路5によりGNDを選択する。したがって、図12に示されるように、R3〜R5行選択時の駆動波形はCOMの波形となり、R3〜R5行が選択されている間はセグメント用COM配線11はGND電圧とされる。
そして、図14(a)および図14(b)に示されるR3、R4行選択時では、ドライバIC12は「○」と「△」の有機EL画素14を発光させるべく、データ選択スイッチ36によりGNDを選択し、データ選択スイッチ37、38により定電流源40、41を選択する。これにより、図12に示されるように、R3行およびR4行が選択された場合、データ側(カラム)の信号は、C0列に駆動電流が流れず、C1列およびC2列に駆動電流が流れる信号となる。
続いて、図14(c)に示されるR5行選択時では、ドライバIC12は「△」の有機EL画素14を発光させるべく、データ選択スイッチ36、37によりGNDを選択し、データ選択スイッチ38により定電流源41を選択する。これにより、図12に示されるように、R5行が選択された場合、データ側(カラム)の信号は、C0列およびC1列に駆動電流が流れず、C2列に駆動電流が流れる信号となる。
このように、「○」の有機EL画素14については、R3、R4行選択時それぞれで点灯させることで、点灯時間はドット表示部7の有機EL画素13の点灯時間の2倍となる。また、「△」の有機EL画素14については、R3〜R5行選択時それぞれで点灯させることで、点灯時間はドット表示部7の有機EL画素13の点灯時間の3倍となる。このように、面積が大きい画素の点灯時間を長くしている。このため、ドット表示部7の有機EL画素13とは画素面積が異なるセグメント表示部8の有機EL画素14についても、電流密度×点灯時間が一定となるようにすることにより表示輝度を均一に制御できる。
上記のようにして、ドライバIC12はRAM17に記憶された表示データを有機ELパネル2に表示する。
そして、ドライバIC12は、有機ELパネル2を減光させて画像表示する場合、有機EL画素13、14を発光させる走査期間のデータ電極選択期間(カラム側)のパルス幅をPWM制御により小さくすることにより減光制御する。
以上説明したように、本実施形態では、ドライバIC12は、有機EL画素13、14に流れる電流密度(=駆動電流/画素面積)と有機EL画素13、14の点灯時間との積が一定になるように、各有機EL画素13、14の点灯時間を制御することが特徴となっている。
これにより、画素面積が異なる各有機EL画素13、14の表示輝度をそれぞれ同じにすることができる。このため、ドット表示部7の有機EL画素13の画素面積とセグメント表示部8の有機EL画素14の画素面積とが異なっていたとしても、各有機EL画素13、14の表示輝度をそれぞれ均一にすることができる。したがって、ドット表示部7およびセグメント表示部8で輝度ムラのない表示を得ることができる。
特に、有機EL表示装置1を車両15に搭載する場合、有機ELパネル2の画像表示に輝度ムラが無くなったことで運転者等の搭乗者に画像を認識させやすくすることができる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、ドット表示部(ドットマトリクス表示部)7が特許請求の範囲の「第1画素群」に対応し、セグメント表示部8が特許請求の範囲の「第2画素群」に対応する。また、ドット表示部7に係るドット用ロウ配線10が特許請求の範囲の「第1画素群に係る1走査線」に対応し、セグメント表示部8に係るセグメント用COM配線11が特許請求の範囲の「第2画素群に係る1走査線」に対応し、カラム配線9が特許請求の範囲の「データ電極駆動配線」に対応する。さらに、ドライバIC12およびセグメント用COM信号生成回路5が特許請求の範囲の「ドライバ」に対応する。
また、カラム電圧生成部24、ドットロウ電圧生成部25、およびセグメント用COM電圧生成部26が特許請求の範囲の「電圧生成部」に対応する。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。第1実施形態では、セグメント表示部8の「○」を2回点灯させるため、走査側(ロウ)においてR3〜R5行のうちR3行とR4行とで連続して「○」に係る有機EL画素14を点灯させ、R5行では点灯させていなかった。上述のように、「○」に係る点灯時間はドット表示部7の有機EL画素13の点灯時間の2倍になっていれば良いので、「点灯時間」はR3〜R5行内で調整することができる。
そこで、本実施形態では、図15に示されるように、RAM17の中身を設定する。具体的には、C1列において「○」を発光させる際のタイミングをR3行とR5行との2回とする。これにより、ドライバIC12の駆動波形は図16に示される波形となる。
すなわち、図17(a)に示されるR3行選択時では、ドライバIC12は「○」と「△」の有機EL画素14を発光させるべく、データ選択スイッチ36によりGNDを選択し、データ選択スイッチ37、38により定電流源40、41を選択する。これにより、図16に示されるように、R3行およびR4行が選択された場合、データ側(カラム)の信号は、C0列に駆動電流が流れず、C1列およびC2列に駆動電流が流れる信号となる。つまり、「○」と「△」の有機EL画素14が発光する。
続いて、図17(b)に示されるR4行選択時では、ドライバIC12は「△」の有機EL画素14を発光させるべく、データ選択スイッチ36、37によりGNDを選択し、データ選択スイッチ38により定電流源41を選択する。これにより、図16に示されるように、R4行が選択された場合、データ側(カラム)の信号は、C0列およびC1列に駆動電流が流れず、C2列に駆動電流が流れる信号となる。つまり、「△」の有機EL画素14のみが発光する。
さらに、図17(c)に示されるR5行選択時では、ドライバIC12は「○」と「△」の有機EL画素14を発光させるべく、データ選択スイッチ36によりGNDを選択し、データ選択スイッチ37、38により定電流源40、41を選択する。これにより、図16に示されるように、R5行が選択された場合、データ側(カラム)の信号は、C0列およびC1列に駆動電流が流れず、C2列に駆動電流が流れる信号となる。つまり、「○」と「△」の有機EL画素14が発光する。
このように、「○」の有機EL画素14は、ドット表示部7に割り当てられたR3〜R5行の走査期間中に合計で2回点灯するように制御することもできる。
なお、R3行では点灯させずに、R4行とR5行とで連続して「○」に係る有機EL画素14を点灯させても良い。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態と異なる部分について説明する。上記各実施形態では、各有機EL画素13、14の画素面積と電流密度との積が一定になるように点灯時間を制御していたが、本実施形態では各有機EL画素13、14の発光効率特性に応じて点灯時間を制御することが特徴となっている。
図18は、発光効率特性が異なる素子A、Bの電流密度と瞬間輝度との関係を示した図である。なお、素子Aがドット表示部7の有機EL画素13に対応し、素子Bがセグメント表示部8の有機EL画素14に対応している。
そして、素子Aと素子Bとの相対的な発光効率特性は、素子Aの発光効率が1であるのに対して、素子Bの発光効率は0.33である。このような発光効率特性の違いは、例えば発光色の違いである。したがって、図18に示されるように、各素子A、Bの表示輝度(瞬間輝度)は電流密度(=駆動電流/画素面積)に比例するが、発光効率が相対的に高い素子Aの傾きが大きく、同じ電流密度であっても瞬間輝度が高くなっている。
例えば、データ電極から1画素に印加する駆動電流を0.6mAとすると、各素子A、Bは図19に示されるように分類される。本実施形態では、各有機EL画素13、14の形状は共にドット(□)であり、各有機EL画素13、14の画素面積は同じである。
図19に示されるように、素子A(ドット表示部7の有機EL画素13)であるドット(□)の面積を0.001cm2とすると電流密度は600mA/cm2となる。これにより、図18から瞬間輝度は27000cd/m2となる。一方、素子B(セグメント表示部8の有機EL画素14)の面積も0.001cm2であり電流密度も600mA/cm2である。しかし、素子Bは素子Aに対して相対的に発光効率が低いので、瞬間輝度は9000cd/m2となる。
したがって、図19に示される各素子A、B(有機EL画素13、14)の瞬間輝度を同一にするためには、素子Bの点灯時間を素子Aの点灯時間の3倍とすれば良い。このように、各有機EL画素13、14の発光効率特性が異なり、各有機EL画素13、14に印加する駆動電流の大きさは同じであるので、発光効率特性が異なる各画素を同じ表示輝度で表示するためには点灯時間を制御すれば、異なる発光効率特性の画素の表示輝度をそれぞれ同一にすることができる。
このため、本実施形態では、ドライバIC12は、有機EL画素13、14の発光効率特性に応じて、有機EL画素13、14の相対的な発光効率比と有機EL画素13、14の点灯時間との積が一定になるように、当該点灯時間を制御する。
具体的には、ドライバIC12は以下のように点灯時間を制御する。まず、図20(a)は、本実施形態において有機ELパネル2に画像表示する一例を示した図である。ドット表示部7のマトリクスのうち(0,0)、(0,1)、(1,2)、(2,0)の有機EL画素13を発光させ、セグメント表示部8のうち最も右側つまり(3,2)の有機EL画素14を発光させるとする。また、図20(b)に示されるように、図20(a)のように各有機EL画素13、14を発光させるようにRAM17に表示データが記憶されている。
図21は、ドライバIC12の駆動波形を示した図である。また、図22は、図21に示される駆動波形のうち第2選択期間46に従った回路動作を示した回路図である。なお、走査側(ロウ)におけるR0〜R2行およびデータ側(カラム)におけるC0〜C2列の回路動作、すなわち第1選択期間45における回路動作は第1実施形態と同じである。
そして、図22(a)〜図22(c)に示されるR3〜R5行選択時では、ドライバIC12は3つの有機EL画素14のうちの1つを発光させるべく、データ選択スイッチ36、37によりGNDを選択し、データ選択スイッチ38により定電流源41を選択する。また、ドライバIC12は走査電極選択スイッチ42〜44により電圧VddR(dot)を選択し、同期信号を出力することでセグメント用COM信号生成回路5によりGNDを選択する。
これにより、図21に示されるように、R3〜R4行が選択された場合、データ側(カラム)の信号は、C0列およびC1列に駆動電流が流れず、C2列に駆動電流が流れる信号となる。つまり、図20(a)に示される有機EL画素14のうち斜線ハッチングが付いた部分が発光する。
以上のように、ドット表示部7の有機EL画素13の発光効率は、セグメント表示部8の有機EL画素14の発光効率の3倍であるので、セグメント表示部8の有機EL画素14の点灯時間をドット表示部7の有機EL画素13の点灯時間の3倍としている。このように、有機EL画素13、14の相対的な発光効率比と有機EL画素13、14の点灯時間との積が一定となるように当該点灯時間を制御しているので、相対的な発光効率比が異なる各有機EL画素13、14の表示輝度を均一にすることができる。したがって、ドット表示部7およびセグメント表示部8で輝度ムラのない表示を得ることができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、第1〜第3実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、各有機EL画素13、14の画素面積および発光効率特性に応じて点灯時間を制御することが特徴となっている。
図23は、画素面積および発光効率特性が異なる素子A、Cの電流密度と瞬間輝度との関係を示した図である。なお、素子Aがドット表示部7の有機EL画素13に対応し、素子Cがセグメント表示部8の有機EL画素14に対応している。
そして、素子Aと素子Cとは画素面積がそれぞれ異なっていると共に、素子Aと素子Cとの相対的な発光効率特性は素子Aの発光効率が1であるのに対して、素子Cの発光効率は1.5である。したがって、図23に示されるように、各素子A、Cの表示輝度(瞬間輝度)は電流密度(=駆動電流/画素面積)に比例するが、発光効率が相対的に高い素子Cの傾きが大きく、同じ電流密度であっても瞬間輝度が高くなっている。
例えば、データ電極から1画素に印加する駆動電流を0.6mAとすると、各素子A、Cは図24に示されるように分類される。すなわち、ドット表示部7の有機EL画素13であるドット(□)の面積を0.001cm2とすると電流密度は600mA/cm2となり、瞬間輝度は27000cd/m2となる。
一方、セグメント表示部8の有機EL画素14は、図24に示されるように、セグA(▽)の面積を0.0015cm2とすると電流密度は400mA/cm2となり、瞬間輝度は27000cd/m2となる。また、セグB(△)の面積を共に0.003cm2とすると電流密度は200mA/cm2となり、瞬間輝度は13500cd/m2となる。また、セグC(◇)の面積を0.0045cm2とすると電流密度は133.3mA/cm2となり、瞬間輝度は9000cd/m2となる。
したがって、図24に示される各有機EL画素13、14の瞬間輝度を同一にするためには、素子C(セグA;▽)の点灯時間を素子A(ドット)の1倍とし、素子C(セグB;△)の点灯時間を素子A(ドット)の2倍とし、素子C(セグC;◇)の点灯時間を素子A(ドット)の3倍とすれば良い。このように、各有機EL画素13、14の画素面積および発光効率特性が異なり、各有機EL画素13、14に印加する駆動電流の大きさは同じであるので、画素面積および発光効率特性が異なる各画素を同じ表示輝度で表示するためには点灯時間をそれぞれ制御すれば、異なる画素面積および発光効率特性の画素の表示輝度をそれぞれ同一にすることができる。
このため、ドライバIC12は、各有機EL画素13、14の画素面積および発光効率特性に応じて、有機EL画素13、14に流れる電流密度(=駆動電流/画素面積)と有機EL画素13、14の相対的な発光効率比と有機EL画素13、14の点灯時間との積が一定になるように、当該点灯時間を制御する。
図25(a)は、有機ELパネル2に画像表示する一例を示した図である。ドット表示部7のマトリクスのうち(0,0)、(0,1)、(1,2)、(2,0)の有機EL画素13を発光させ、セグメント表示部8のうち「▽」と「△」と「◇」のすべての有機EL画素14を発光させるとする。
また、ドット表示部7の有機EL画素13の面積をSとすると、セグメント表示部8の「▽」の有機EL画素14の面積は1.5S、「△」の有機EL画素14の面積は3S、「◇」の有機EL画素14の面積は4.5Sである。そして、上述のように、電流密度と相対的な発光効率比と点灯時間との積が一定となるようにするためには、「▽」の有機EL画素14の点灯時間を有機EL画素13の点灯時間の1倍とし、「△」の有機EL画素14の点灯時間を有機EL画素13の点灯時間の2倍とし、「◇」の有機EL画素14の点灯時間を有機EL画素13の点灯時間の3倍とすれば良い。
したがって、図25(b)に示されるように、図25(a)のように各有機EL画素13、14を発光させるようにRAM17に表示データが記憶されている。すなわち、セグメント表示部8に係るR3〜R5行において、C0列で1回、C1列で2回、C2列で3回点灯するように表示データが記憶されている。
図26は、ドライバIC12の駆動波形を示した図である。また、図27は、図26に示される駆動波形のうち第2選択期間46に従った回路動作を示した回路図である。なお、走査側(ロウ)におけるR0〜R2行およびデータ側(カラム)におけるC0〜C2列の回路動作は第1実施形態と同じである。
まず、R3〜R5行選択時(第2選択期間46)では、ドライバIC12は走査電極選択スイッチ42〜44により電圧VddR(dot)を選択し、同期信号を出力することでセグメント用COM信号生成回路5によりGNDを選択する。これにより、データ選択スイッチ36〜38により選択された有機EL画素14が発光する。
具体的には、図27(a)に示されるR3行選択時では、ドライバIC12は「▽」と「△」と「◇」のすべての有機EL画素14を発光させるべく、データ選択スイッチ36〜38により定電流源39〜41を選択する。これにより、図26に示されるように、R3〜R5行が選択された場合、データ側(カラム)の信号は、C0〜C2列に駆動電流が流れる信号となる。つまり、「▽」と「△」と「◇」のすべての有機EL画素14が発光する。
続いて、図27(b)に示されるR4行選択時では、ドライバIC12は「△」と「◇」の有機EL画素14を発光させるべく、データ選択スイッチ36によりGNDを選択し、データ選択スイッチ37、38により定電流源40、41を選択する。これにより、図26に示されるように、R4行が選択された場合、データ側(カラム)の信号は、C0列に駆動電流が流れず、C2、C3列に駆動電流が流れる信号となる。つまり、「△」と「◇」の有機EL画素14が発光する。
この後、図27(c)に示されるR5行選択時では、ドライバIC12は「◇」の有機EL画素14を発光させるべく、データ選択スイッチ36、37によりGNDを選択し、データ選択スイッチ38により定電流源41を選択する。これにより、図26に示されるように、R5行が選択された場合、データ側(カラム)の信号は、C0列およびC1列に駆動電流が流れず、C2列に駆動電流が流れる信号となる。つまり、「◇」の有機EL画素14のみが発光する。
これにより、第2選択期間46では、セグメント表示部8の各有機EL画素14のうち「▽」は1回発光し、「△」は2回発光し、「◇」は3回発光する。すなわち、発光回数で点灯時間が制御される。なお、「△」の有機EL画素14を発光させる場合、第2実施形態と同様に、R3行とR5行とのタイミングで発光させても良い。
以上説明したように、本実施形態では、ドット表示部7およびセグメント表示部8において画素面積および発光効率特性が異なる有機EL画素13、14を発光させるに際し、有機EL画素13、14に流れる電流密度と相対的な発光効率比と点灯時間との積が一定となるように当該点灯時間を制御することが特徴となっている。これにより、ドット表示部7の有機EL画素13の表示輝度とセグメント表示部8の有機EL画素14の表示輝度とをそれぞれ均一にすることができる。したがって、ドット表示部7およびセグメント表示部8において輝度ムラのない表示を得ることができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、第1〜第4実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、ドット表示部7に画像を表示する第1選択期間45とセグメント表示部8に画像を表示する第2選択期間46とのそれぞれの期間に応じて、減光期間にドット表示部7の有機EL画素13に印加する逆バイアス電圧を変化させることが特徴となっている。
図28は、ドライバIC12の駆動波形を示した図である。この図に示されるように、本実施形態では、第2選択期間46の際にR0〜R2行に相当するドット用ロウ配線10に印加される逆バイアス電圧(電圧VddR(dot))を低下させる。
このように逆バイアス電圧を変化させる、すなわち低下させることについて、図29〜図33を参照して説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態を同じ画像表示(図11参照)を行うものとする。また、電圧VddR(dot)=電圧VddR(seg)であるとする。
まず、図29(a)に示されるn行選択前のリセット期間では、ドライバIC12は、データ選択スイッチ36〜38によりGNDを選択し、走査電極選択スイッチ42〜44によりGNDを選択し、セグメント用COM信号生成回路5によりGNDを選択する。これにより、図29(b)に示されるように、例えば、(0,2)、(1,2)、(2,2)、(3,2)で構成される回路の有機EL画素13、14に蓄積された電荷はGNDに放電される。また、(0,2)、(1,2)、(2,2)、(3,2)で構成される回路の有機EL画素13、14に蓄積された電荷はGNDに放電される。
この後、図30(a)に示されるR1行選択時では、ドライバIC12は(1,2)の有機EL画素13を発光させるべく、図29(a)に示されるスイッチの状態から、データ選択スイッチ38により定電流源41を選択する。また、ドライバIC12は、走査電極選択スイッチ42、44により電圧VddR(dot)を選択する。また、ドライバIC12は同期信号を出力してセグメント用COM信号生成回路5により電圧VddR(seg)を選択する。
このように、ドライバIC12によって各スイッチが切り替えられると、図30(b)に示されるように、(1,2)の有機EL画素13の選択開始時に寄生容量を介して(1,2)の有機EL画素13に印加される電圧は瞬間的に電圧VddR(seg)=電圧VddR(dot)の電圧に上昇しようとする。このような作用は、R0行およびR2行についても同様に生じる。
続いて、図31(a)に示されるR4行選択時では、ドライバIC12は(3,1)と(3,2)の有機EL画素14を発光させるべく、図29(a)に示されるスイッチの状態から、データ選択スイッチ37、38により定電流源40、41を選択する。また、ドライバIC12は、走査電極選択スイッチ42〜44により電圧VddR(dot)を選択する。
このようなスイッチの切り替えにより、図31(b)に示されるように、(3,1)の有機EL画素14の選択開始時に寄生容量を介して(3,1)の有機EL画素14に印加される電圧は瞬間的に電圧VddR(seg)の電圧に上昇しようとする。(3,2)の有機EL画素14についても同様である。このような作用は、R3行およびR5行についても同様に生じる。
このように、リセット駆動では、リセット解除時に、各有機EL画素13、14の寄生容量からの回り込みで、選択ライン(ドット用ロウ配線10)の電位を瞬間的に持ち上げる効果がある。
すなわち、面積の異なる有機EL画素13、14を図32に示されるように同一の駆動電流で発光させた場合、画素面積が大きくなるほど、有機EL画素13、14にかかる順電圧が低下してしまう。データ電極(カラム側)の立ち上がり期間(10μs)に対し、データ電極選択期間全体が充分に広いとき(例えば200μs)は、逆バイアス電圧の回り込みによる瞬間的な発光(5μs程度)は無視できるが、PWM制御で減光を行い、データ電極選択期間のパルス幅が狭いとき(例えば12μs)は逆バイアス電圧の回り込みによる瞬間的な発光(5μs程度)が無視できなくなるという問題がある。これは、各有機EL画素13、14で発光効率が異なる場合も同様である。
したがって、ドット表示部7を駆動する第1選択期間45では電圧VddR(seg)および電圧VddR(dot)の電圧を同一とし、セグメント表示部8を駆動する第2選択期間46では電圧VddR(dot)を低下させることによりリセット解除時の逆バイアス電圧の回り込みによるオーバーシュートの影響をなくすことができる。
図33は、画素面積が異なるドット画素(ドット表示部7の有機EL画素13;0.09m2)とセグメント画素(セグメント表示部8の有機EL画素14;4mm2)とにおいて、リセット期間後の立ち上がり期間におけるカラム波形と光学波形とを示した図である。なお、カラム波形はカラム配線9の電圧波形であり、光学波形は発光を示す波形である。
図33に示されるように、逆バイアス電圧が13Vの場合、セグメント画素において立ち上がり期間の光学波形は、立ち上がりが急峻になっており、逆バイアス電圧の回り込みによるオーバーシュートの影響が出ている。減光比100%の場合、データ電極(カラム側)の立ち上がり期間(10μs)に対し、データ電極選択期間は200μsと充分に広いが、減光比5%の場合、データ電極選択期間は12μsであるため、立ち上がり期間に対し、オーバーシュートの影響が無視できなくなる。ドット画素とセグメント画素の光学波形の面積比すなわち輝度ムラを比較した場合、減光比100%の場合の輝度ムラは95%程度であるが、減光比5%の場合の輝度ムラは80%程度まで悪化する。
しかし、セグメント表示部8を駆動する第2選択期間46にドット表示部7の有機EL画素13に印加する逆バイアス電圧を13Vから11Vに下げると、セグメント画素において立ち上がり期間の光学波形は緩やかになり、逆バイアス電圧の回り込みによるオーバーシュートの影響が無くなる。このため、ドット画素に係る光学波形とセグメント画素に係る光学波形との立ち上がり波形が均一になる。ドット画素とセグメント画素の光学波形の面積比すなわち輝度ムラを比較した場合、減光比5%の場合の輝度ムラは95%程度まで改善した。
以上のように、リセット駆動による寄生容量からの回り込み電荷を少なくすることができるので、リセット駆動後の立ち上がり波形を画素面積によらず均一にすることが可能となり、輝度ムラの少ない良好な表示を得ることが可能になる。
なお、上述のように、特許文献3、4では減光時に全体的に逆バイアスを低下させているが、面積の異なる有機EL画素13、14を駆動する本実施形態に適用した場合、図33の逆バイアス電圧11V時のように、ドット画素とセグメント画素の光学波形の面積比すなわち輝度ムラは、減光比5%の場合、70%程度となり、輝度ムラの改善は見られなかった。
(第6実施形態)
本実施形態では、第1〜第5実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、減光期間に第2選択期間46ではドット表示部7でリセット駆動を停止することが特徴となっている。
図34は、ドライバIC12の駆動波形を示した図である。この図に示されるように、ドライバIC12は、ドット表示部7を駆動する場合、第1選択期間45ではリセット駆動を行うが、第2選択期間46ではリセット駆動を行っていない。上述のように、リセット駆動を行うと、リセット解除時に、各有機EL画素13、14の寄生容量からの回り込みでドット用ロウ配線10の電位が瞬間的に持ち上がってしまうため、本実施形態ではリセット駆動そのものを行わないようにしている。なお、図34では、第1実施形態を同じ画像表示(図11参照)を行う駆動波形になっている。
図35は、リセット駆動を停止する場合のセグメント画素の光学波形を示した図である。この図に示されるように、逆バイアス電圧が12Vの場合でリセット駆動を停止する場合は、セグメント画素の光学波形の立ち上がり期間にオーバーシュートは発生せず、図33の逆バイアス電圧12V、ドット画素の光学波形に示される光学波形と同じ立ち上がり波形が得られる。ドット画素とセグメント画素の光学波形の面積比すなわち輝度ムラを比較すると、リセット駆動有りの場合、減光比5%の輝度ムラは80%程度だが、セグメント表示部8を駆動する第2選択期間46にリセット駆動を停止した場合、減光比5%の輝度ムラは95%程度まで改善した。
以上のように、ドット表示部7を駆動するに際し、第2選択期間46ではドット表示部7でリセット駆動を停止することにより、セグメント表示部8において逆バイアス電圧の回り込みによるオーバーシュートの影響を無くすことができる。
(第7実施形態)
本実施形態では、第1〜第6実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態においても、第1実施形態を同じ画像表示(図11参照)を行うものとする。
図36は、本実施形態に係るRAM17の表示データを示した図である。また、図37は、ドライバIC12の駆動波形を示した図である。図36から図38では、一例としてドライバIC12の出力はカラム(データ)側は3本、ロウ(走査)側は8本として示されている。
図36に示されるように、ドット表示部7に対応したR0〜R2行とセグメント表示部8に対応したR4〜R6行との間に表示データが設けられていないR3行およびR7行が設けられている。これらR3行およびR7行では、図37に示されるように、データ側(カラム)に信号が入力されない電圧変化期間47(1Vsync)とされている。このように、ドライバIC12は、第2選択期間46のうちセグメント表示部8の有機EL画素14を駆動する期間の前後に、逆バイアス電圧を変化させる電圧変化期間47を設けている。
具体的には、図38に示されるようにスイッチを切り替える。なお、R0〜R2行についての回路動作は第1実施形態と同じである。
まず、R2行選択時後、図38(a)に示されるR3行選択時では、ドット表示部7の有機EL画素13に印加する逆バイアス電圧を確実に切り替えるべく、データ選択スイッチ36〜38によりGNDを選択する。また、ドライバIC12は、走査電極選択スイッチ42〜44により電圧VddR(dot)を選択すると共に、同期信号を出力してセグメント用COM信号生成回路5によりGNDを選択する。このR3行選択時が電圧変化期間47に相当する。
次に、図38(b)に示されるR4、R5行選択時では、ドライバIC12は「○」と「△」の有機EL画素14を発光させるべく、データ選択スイッチ36によりGNDを選択し、データ選択スイッチ37、38により定電流源40、41を選択する。
この後、図38(c)に示されるR6行選択時では、ドライバIC12は「△」の有機EL画素14を発光させるべく、データ選択スイッチ36、37によりGNDを選択し、データ選択スイッチ38により定電流源41を選択する。
このように、有機EL画素14を発光させた後、図38(a)に示されるR7行選択時つまり電圧変化期間47では、R3行選択時と同様に、データ選択スイッチ36〜38によりGNDを選択し、走査電極選択スイッチ42〜44により電圧VddR(dot)を選択し、同期信号を出力してセグメント用COM信号生成回路5によりGNDを選択する。
以上のように、第2選択期間46において、第1選択期間45と第2選択期間46との切り替えタイミングでドット表示部7の有機EL画素13に逆バイアス電圧を印加する電圧変化期間47を設けているので、逆バイアス電圧が変化過渡状態で選択期間を切り替えることを回避でき、電圧変化期間47において確実に逆バイアス電圧の切り替えを行うことができる。
(第8実施形態)
本実施形態では、第1〜第7実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、階調を利用して、ドット表示部7とセグメント表示部8との表示輝度を均一にすることが特徴となっている。
第1実施形態において、図8を参照して説明したように、電流密度(=駆動電流/画素面積)と瞬間輝度とは比例関係にある。例えば、1画素に印加する駆動電流を0.6mAとすると、各画素は図39に示されるように分類される。
図39に示されるように、ドット(ドット表示部7の有機EL画素13)の面積を0.001cm2とすると電流密度は600mA/cm2となり、瞬間輝度は27000cd/m2となる。一方、セグD〜F(セグメント表示部8の有機EL画素14)については、セグDの形状は「←」であり、面積は0.00133cm2であり、電流密度は450mA/cm2であり、瞬間輝度は20300cd/cm2である。また、セグEの形状は「↑」であり、面積は0.002cm2であり、電流密度は300mA/cm2であり、瞬間輝度は13500cd/cm2である。また、セグFの形状は「→」であり、面積は0.00267cm2であり、電流密度は225mA/cm2であり、瞬間輝度は10100cd/cm2である。
このような各画素の瞬間輝度を同一にするためには、セグDの点灯時間をドットの点灯時間の1.33倍とすれば良い。同様に、セグEの点灯時間をドットの点灯時間の2倍とし、セグFの点灯時間をドットの点灯時間の2.67倍とすれば良い。したがって、本実施形態では、ドライバIC12が持つ走査線数をMとし、ドット表示部7の走査線数(ドット用ロウ配線10の数)をmとし、ドライバIC12が制御可能な階調数をnとすると、ドライバIC12は、(M−m)×(n−1)段階で点灯時間を制御することを特徴とする。
図40は、カラム配線9に印加するカラムパルス幅を示した図である。この図に示されるように、1走査期間において、1/3階調ではパルス幅はT1、2/3階調ではパルス幅はT1の2倍のT2、そして、3/3階調ではT1の3倍のT3となっている。このように階調を利用することで、カラム配線9に印加する駆動電流のパルス幅つまり点灯時間を制御することが可能となっている。
図41(a)は、有機ELパネル2に画像表示する一例を示した図である。ドット表示部7のマトリクスのうち(0,0)、(0,1)、(1,2)、(2,0)の有機EL画素13を発光させ、セグメント表示部8のうち「←」と「↑」と「→」の有機EL画素14を発光させるとする。なお、発光させる有機EL画素13、14にハッチングを付けてある。
また、ドット表示部7の有機EL画素13のドット面積をSとすると、セグメント表示部8の「←」の有機EL画素14の面積は(4/3)S、「↑」の有機EL画素14の面積は(6/3)S、「→」の有機EL画素14の面積は(8/3)Sであるとする。
図41(b)は図41(a)のように各有機EL画素13、14を発光させる場合のRAM17の中身(表示データ)を示した図である。本実施形態では、例えば4階調で画像表示するため、各領域には各階調に応じて「11」、「10」、「01」、「00」に分類されている。例えば、「00」はパルス幅が0つまり非発光を意味し、「01」が所定のパルス幅であり、「10」が「01」の2倍のパルス幅、「11」が「01」の3倍のパルス幅を意味している。
図42は、ドライバIC12の駆動波形を示した図である。この図に示されるように、データ側(カラム)の各信号は、RAM17に記憶された階調に従ったパルス幅になっている。このため、ドット表示部7およびセグメント表示部8において発光する各有機EL画素13、14の発光時間がそれぞれ調節される。
以上のように、階調を利用して細かい画素面積の補正が可能であるので、細かい点灯時間の制御を行うことができる。したがって、ドット表示部7およびセグメント表示部8で輝度ムラのない表示を得ることができる。
(第9実施形態)
本実施形態では、第1〜第8実施形態と異なる部分について説明する。第2実施形態で示されたように、点灯時間の合計が所望の点灯時間に相当すれば、点灯時間は連続でも分割されていても良いと説明した。このことは、第8実施形態で示された場合にも適用することができる。
すなわち、図43(a)に示されるように、RAM17の表示データを設定しても良い。例えば、第8実施形態では、「←」や「↑」の有機EL画素14はR5行選択時では発光させていなかったが、本実施形態では図43(b)に示されるようにR5行時に発光させている。このように、階調を利用して、データ側(カラム)のパルス幅を調節することにより、発光のタイミングやその時間を自由に設定することが可能である。
(第10実施形態)
本実施形態では、第1〜第9実施形態と異なる部分について説明する。上記各実施形態では、セグメント表示部8の有機EL画素14の画素面積はドット表示部7の有機EL画素13の画素面積に対して極端に大きな面積ではなかった。しかしながら、セグメント表示部8の有機EL画素14の画素面積がドット表示部7の有機EL画素13の画素面積に対して大きい場合には、セグメント表示部8の有機EL画素14を複数に分割してそれぞれを駆動すれば良い。
この場合、ドット表示部7の面積をSとし、セグメント表示部8の面積をSxとし、ドライバIC12が持つ走査線数をMとし、ドット表示部7の走査線数をmとすると、セグメント表示部8の面積SxがSx≦(M−m)×Sの関係を満たすように、有機EL画素14を分割する。そして、例えば第8実施形態で示されたように、(M−m)×(n−1)段階で点灯時間の補正を行う。
具体的には、ドライバIC12の階調nがn=4階調、M=32(ドライバIC12が持つ走査線数)、m=29(ドット表示部7の走査線数つまりドット用ロウ配線10の数)とする。
そして、図44は、セグメント表示部8の有機EL画素14を分割した模式図である。この図に示されるように、例えば「8」という数字を構成する各有機EL画素14が2つあるいは3つにそれぞれ分割されている。この場合、図45(a)に示されるように、各カラム配線9(対応カラム)と、セグメント番号と、ドット表示部7の有機EL画素13の画素面積との面積比が設定される。また、図45(b)に示されるようにRAM17に表示データが設定される。
例えば、図44に示されるように、同一セグメントを構成するS1、S2を1カラム配線9で駆動すると、面積がドット表示部7の有機EL画素13の画素面積の6倍となるため、電流密度は1/6となってしまう。電流密度と点灯時間の積が一定となるためには、ドット表示部7の6倍の点灯時間が必要となるが、(M−m)=3であるため、実際には点灯時間は3倍までしか確保できないので、輝度が低くなり、輝度ムラとなってしまう。そこで、同一セグメントを人間の目に見えない程度に分割することで、S1、S2の画素面積はドット表示部7の有機EL画素13の3倍となり、ドット表示部7の有機EL画素13の3倍の点灯時間を加えることで、輝度ムラのない表示を得ることができる。
車両15のメータ16等で用いられる有機ELパネル2の場合、視認者(搭乗者等)と有機ELパネル2とは500〜800mm程度離れているため、実際には同一セグメントを100μm程度で分割しても視認者は気にならない良好な表示を得ることができる。また、同一セグメントを分割する際、各面積を均等にすることにより、立ち上がりや点灯時間が同一になるため、同一セグメント内での輝度ムラがない表示を得ることができる。さらに、上述のようにパルス幅による階調機能がついているドライバIC12であれば、各面積に応じてより細かい点灯時間の補正をすることが可能となる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、有機EL表示装置1は、車両15に搭載されるものとして説明したが、これは有機EL表示装置1の用途の一例であり、車両15に限らず画像表示するものとして用いることができる。また、発光効率特性の違いに関わらず、ドット表示部7の有機EL画素13の発光色とセグメント表示部8の有機EL画素14の発光色とが異なっていても良い。
また、上記各実施形態では、セグメント用COM信号生成回路5はドライバIC12の外部に設けられているが、ドライバIC12に内蔵されていても良い。この場合、ドライバIC12が特許請求の範囲の「ドライバ」に対応する。
そして、セグメント表示部8の面積が大きい場合、すなわちドット表示部7の面積をSとし、セグメント表示部8の面積をSxとし、ドライバIC12が持つ走査線数をMとし、ドット表示部7の走査線数をmとすると、ドット表示部7およびセグメント表示部8がSx>(M−m)×Sの関係を満たす場合、セグメント表示部8はSx’≦(M−m)×Sを満たすようにセグメント表示部8の有機EL画素14が分割されていても良い。
さらに、ドット表示部7の有機EL画素13に印加する逆バイアス電圧をVr1(電圧VddR(dot))とし、セグメント表示部8の有機EL画素14に印加する逆バイアス電圧をVr2(電圧VddR(seg))とすると、ドライバIC12および電圧生成部24、25、26は、Vr1≦Vr2の関係を満たすように逆バイアス電圧を変化させても良い。
さらに、より多くのセグメント画素を駆動する場合は、セグメント用COM信号生成回路5を複数持たせることにより、第2選択期間46を時分割して駆動しても良い。