JP2014047561A - 水洗大便器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の水洗大便器1は、汚物受け面10と棚部12とを備えたボウル部4と、このボウル部の上縁に形成されたリム部14と、ボウル部の後方側の棚部12a又はその上流の導水路内に形成されて上方に向って突出する立壁部20と、を有し、この立壁部は、洗浄水源から供給されてボウル部の後方の中央導水路6の中央吐水口8から吐水された洗浄水が立壁部に衝突した後に、左右に配置されたボウル部の側方側に分流し、ボウル部の側方側棚部12bを経由してボウル部の前方側へ流れるように形成されている。
【選択図】図1
Description
また、従来の水洗大便器においては、便器本体のリム部の後方面に形成されたスリット開口は、便器本体のリム部の後方面の下方部分に形成されているが、このスリット開口よりも上方の部分が、洗浄水が旋回する棚部よりも上方に位置しているため、ボウル部の前方側へ旋回させる洗浄水量を増やしたとしても、特に、ボウル部の後方面において洗浄されない部分(不洗浄部)が多く残されてしまうという問題もある。
このように構成された本発明においては、洗浄水源から供給されてボウル部の後方のほぼ中央の導水路から吐水された洗浄水は、立壁部に衝突した後に、左右に配置されたボウル部の側方側に分流し、ボウル部の側方側の棚部を経由してボウル部の前方側へ流れる。この際、洗浄水が立壁部に衝突して一旦受け止められるため、ボウル部の側方側の棚部を経由してボウル部の前方側へ流れる洗浄水量を増やすことができる。したがって、ボウル部の前方側から排水トラップ部の入口へ流れ込む洗浄水の勢いを強めて汚物を押し込むことができるため、便器洗浄に使用する洗浄水量を少なく設定した場合においても、汚物排出性能を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、洗浄水源から供給された洗浄水がボウル部の後方のほぼ中央の導水路から立壁部に向けて吐水され、この洗浄水の一部が立壁部を乗り越えた際に、この乗り越えた洗浄水がリム部の後方面と立壁部との所定の隙間からボウル部の汚物受け面の後方側に流れ込むことができる。したがって、立壁部に衝突した後にボウル部の側方側の棚部を経由してボウル部の前方側へ流れる洗浄水のみでは、洗浄し難いボウル部内の後方側の領域を良好に洗浄することができる。また、リム部の後方面が所定の隙間を介して立壁部の一部を覆うように形成されていることにより、不洗浄部であるリム部の後方面の面積を小さくすることができるため、便器本体の清掃性を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、立壁部が平面視において棚部の周方向に沿うように曲がり形状に形成されていることにより、立壁部に吐水されて受け止められた洗浄水を立壁部に沿ってボウル部の前方側に滑らかに導くことができるため、ボウル部の後方の導水路からボウル部の側方側の棚部を経由してボウル部の前方側へ流れる洗浄水量を増やすことができる。したがって、ボウル部の前方側から排水トラップ部の入口へ流れ込む洗浄水の勢いを強めて汚物を押し込むことができるため、便器洗浄に使用する洗浄水量を少なく設定した場合においても、汚物排出性能を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、洗浄水源から供給されてボウル部の後方のほぼ中央の導水路から吐水された洗浄水が最も衝突する立壁部の中央部について、立壁部のうちで最も高く形成し、立壁部の側端部に向うにつれて低くなるように形成することにより、立壁部の中央部に衝突してボウル部の側方側の棚部からボウル部の前方側へ流れる洗浄水量を確保すると共に、立壁部を乗り越えてボウル部の汚物受け面の後方側に流れ込む洗浄水量を均一にすることができる。したがって、便器洗浄に使用する洗浄水量を少なく設定した場合においても、ボウル部の汚物受け面の全体における洗浄を良好に行うことができる。
このように構成された本発明においては、洗浄水源から供給されてボウル部の後方のほぼ中央の導水路から吐水された洗浄水が立壁部の中央部に衝突してボウル部の側方側の棚部からボウル部の前方側へ流れる洗浄水量と、立壁部を乗り越えてボウル部の汚物受け面の後方側に流れ込む洗浄水量をそれぞれ均一にすることができる。したがって、ボウル部の前方側と汚物受け面の後方側から排水トラップ部の入口へ流れ込む洗浄水の勢いを強めて汚物を押し込むことができるため、便器洗浄に使用する洗浄水量を少なく設定した場合においても、汚物排出性能を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、立壁部に衝突した後に、ボウル部の側方側の棚部を経由してボウル部の前方側へ流れる洗浄水は、ボウル部の非棚部領域又は傾斜棚部領域と、ボウル部の汚物受け面の前方側の中央領域の凹部により、ボウル部の前方側から排水トラップ部の入口へ流れ込み、洗浄水の勢いを強めて汚物を押し込むことができる。さらに、ボウル部の左右の側方側の棚部を経由してボウル部の前方側で合流した洗浄水の流れは、合流の際の衝突により乱れを生じるが、ボウル部の中央領域の凹部により、乱れをボウル部の前方側から排水トラップ部の入口へ流れる流れへと整えることができる。したがって、便器洗浄に使用する洗浄水量を少なく設定した場合においても、汚物排出性能を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、洗浄水源から供給された洗浄水をリム部からボウル部に吐水する際、立壁部を乗り越えた洗浄水がリム部の後方面と立壁部との所定の隙間からもボウル部内の後方側に流れ込むことができるため、ボウル部内の後方側を洗浄することができる。また、リム部の後方面が所定の隙間を介して立壁部の一部を覆うように形成されていることにより、不洗浄部であるリム部の後方面の面積を小さくすることができるため、便器本体の清掃性を向上させることができる。
図1は本発明の一実施形態による水洗大便器の平面図であり、図2は図1のII−II線に沿って見た断面図である。なお、図2においては、洗浄水の流れを矢印で示している。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態による水洗大便器1は、ボウル部内の水の落差による流水作用で汚物を押し流す、いわゆる、洗い落し式の水洗大便器であり、陶器等からなる便器本体2を有する。また、便器本体2の後部の上方には、便器洗浄に使用される洗浄水を貯水して便器本体2へ給水する洗浄水源として重力給水式の貯水タンク(図示せず)が設けられている。
なお、便器本体2へ洗浄水を供給する洗浄水源としては、本実施形態で示した重力給水式の貯水タンク(図示せず)のようなタンク式のものに限られず、水道水の給水圧を直接利用した水道直圧式のものや、フラッシュバルブ式のものや、ポンプの補圧を利用して洗浄水を供給するものであってもよい。また、本実施形態の水洗大便器1においては、一例として、便器本体2の底部が床に設置された、いわゆる、床置き式の水洗大便器の形態について説明するが、このような形態に限られず、便器本体の背面側が後壁等に設置された、いわゆる、壁掛け式の水洗大便器のような形態であってもよい。
また、ボウル部4の下方には、初期水位の溜水面がW0で示されている所定量の溜水が貯留されている溜水部16が形成されている。さらに、この溜水部16の下端には、排水トラップ管路18の入口18aが接続されており、排水トラップ管路18は、その入口18aから後方へと延び、その下流側端部が排水ソケット(図示せず)を介して、床下の排出管(図示せず)に接続されている。
また、図1及び図2に示すように、立壁部20の後方側には、中央導水路6と連通し且つ中央吐出口8から左右両側に分岐する後方側リム導水路22が形成されている。洗浄水源である貯水タンク(図示せず)から供給されてボウル部4の後方の中央導水路6から吐水された洗浄水は、立壁部20の背面20aの中央部付近に衝突した後に、左右に配置されたそれぞれの後方側リム導水路22内に分流し、ボウル部4の側方側の棚部12bを経由してボウル部4の前方側へ旋回可能となっている。
図3は、本発明の一実施形態による水洗大便器におけるリム部の後方側部分と中央導水路の上面を切り取った状態を示す分解斜視図である。また、図4は、図1のIV−IV線に沿って見た断面図であり、図5は、図4に示す本発明の一実施形態による水洗大便器においてリム部の後方側部分を切り取った状態を示す正面断面図である。さらに、図6は、図2に示す本発明の一実施形態による水洗大便器の立壁部の部分を拡大した部分拡大断面図である。なお、図6においては、立壁部を乗り越えた洗浄水の流れを矢印で示している。
また、リム垂下壁部14bが所定の隙間(スリット開口24)を介して立壁部20の一部を覆うように形成されていることにより、不洗浄部であるリム垂下壁部14bの表面14cの面積Sを小さくすることができ、便器本体2の清掃性を向上させることができるようになっている。
また、立壁部20の上端20bと後方側リム導水路22内の上面22bとの間に形成される鉛直方向の隙間間隔d1(図6参照)については、5mm〜15mmに設定するのが好ましく、8mm〜12mmに設定するのが最も好ましい。
さらに、スリット開口24の隙間間隔d2(図6参照)については、5mm〜15mmに設定するのが好ましく、8mm〜12mmに設定するのが最も好ましい。
また、図6に示すように、リム垂下壁部14bが立壁部20の上端20bから正面20dの上方部分を覆っている区間(オーバーラップ区間)に形成される流路に沿った立壁部20の上端20b付近からリム垂下壁部14bの下端付近までの長さ寸法lについては、10mm〜20mmに設定するのが好ましく、13mm〜17mmに設定するのが最も好ましい。
図8は、本発明の一実施形態による水洗大便器における便器洗浄時の洗浄水の流れについて説明した図である。なお、図8においては、洗浄水の流れを矢印で示している。
図8に示すように、洗浄水源から水洗大便器1の便器本体2の中央導水路6内に洗浄水が供給され、便器洗浄が開始されると、中央導水路6内の洗浄水は、中央吐水口8から前方へ吐出され、中央吐水口8と対向する立壁部20の背面20aの中央部付近に衝突する(図8の流れf1参照)。
この衝突後、立壁部20を乗り越えられない洗浄水は、中央吐水口8の左右両側に配置された後方側リム導水路22の入口22aから流入して、後方側リム導水路22のそれぞれに分流する(図8の流れf2参照)。
そして、この後方側リム導水路22に沿って下流側に流れた洗浄水は、リム吐水口26からその前方の側方側棚部12bに吐水され、この側方側棚部12bに沿ってボウル部4の前方側の非棚部領域A1へと旋回する(図8の流れf3参照)。
2 便器本体
4 ボウル部
6 中央導水路
8 中央吐水口
10 汚物受け面
12 棚部
12a 後方側棚部
12b 側方側棚部
14 リム部
14a リム部の後方側部分
14b リム垂下壁部
14c リム垂下壁部の表面
16 溜水部
18 排水トラップ管路(排水トラップ部)
18a 排水トラップ管路の入口
20 立壁部
20a 立壁部の背面
20b 立壁部の上端
20c 立壁部の側端部
20d 立壁部の正面
22 後方側リム導水路
22a 後方側リム導水路の入口
22b 後方側リム導水路の上面
24 スリット開口(隙間)
26 リム吐水口
28 凹部
Claims (7)
- 洗浄水源から供給された洗浄水により便器本体を洗浄して汚物を排出する水洗大便器であって、
汚物を受ける汚物受け面と、この汚物受け面の上縁に形成された棚部と、を備えたボウル部と、
このボウル部の上縁に形成されて上記ボウル部内に洗浄水を吐水するリム部と、
上記ボウル部の下方に形成された溜水部と、
この溜水部の下端に接続された入口から後方へ延びるように形成されて汚物を排出する排水トラップ部と、
上記ボウル部の後方側の棚部又はその上流の導水路内に形成されて上方に向って突出する立壁部と、を有し、
この立壁部は、上記洗浄水源から供給されて上記ボウル部の後方のほぼ中央の導水路から吐水された洗浄水が上記立壁部に衝突した後に、左右に配置された上記ボウル部の側方側に分流し、上記ボウル部の側方側の上記棚部を経由して上記ボウル部の前方側へ流れるように形成されていることを特徴とする水洗大便器。 - 上記リム部は、その後方面が所定の隙間を介して上記立壁部の一部を覆うように形成されている請求項1記載の水洗大便器。
- 上記立壁部は、平面視において、上記棚部の周方向に沿うように曲がり形状に形成されている請求項1又は2に記載の水洗大便器。
- 上記立壁部は、正面視において、その中央部が最も高くなるように形成され、上記立壁部の側端部に向うにつれて低くなるように形成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の水洗大便器。
- 上記立壁部は、正面視において、左右対称に形成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の水洗大便器。
- 上記ボウル部は、更に、その前方側に上記棚部が形成されていない非棚部領域又は上記棚部のうちで最も傾斜している傾斜棚部領域と、上記汚物受け面の前方側の中央領域に前後方向に延びるように形成された凹部と、を備えている請求項1乃至5の何れか1項に記載の水洗大便器。
- 洗浄水源から供給された洗浄水により便器本体を洗浄して汚物を排出する水洗大便器であって、
汚物を受ける汚物受け面と、この汚物受け面の上縁に形成された棚部と、を備えたボウル部と、
このボウル部の上縁に形成されて上記ボウル部内に洗浄水を吐水するリム部と、
上記ボウル部の下方に形成された溜水部と、
この溜水部の下端に接続された入口から後方へ延びるように形成されて汚物を排出する排水トラップ部と、
上記ボウル部の後方側の棚部又はその上流の導水路内に形成されて上方に向って突出する立壁部と、を有し、
上記リム部は、その後方面が所定の隙間を介して上記立壁部の一部を覆うように形成されていることを特徴とする水洗大便器。
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