JP6579499B2 - 水洗大便器 - Google Patents
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Description
一方、例えば、特許文献2に記載されているように、リムの第1吐水口及び第2吐水口の2つのリム吐水口のみから洗浄水が吐水され、ボウル部の汚物受け面上に旋回流となって供給される水洗大便器についても知られている。この水洗大便器では、第2吐水口から流出される洗浄水が、ボウル部の立ち面の後部から連続して後方側へ凸状に湾曲した面に沿って流下し、直接的に排水トラップの入口に向かって洗浄水が供給されるようになっている。
また、上述した特許文献2の水洗大便器においては、リムの第1吐水口及び第2吐水口の2つのリム吐水口から吐水される洗浄水により、汚物受け面の十分な洗浄を行うことができるものの、浮遊系汚物交じりの溜水を上下に攪拌することができないため、浮遊系汚物をうまく排出することができずに残存してしまうという問題がある。したがって、リムの第1吐水口及び第2吐水口のみから吐水される水洗大便器において、いかに溜水を上下に攪拌させるかについても解決するべき課題となっている。
このように構成された本発明においては、第1リム吐水部から吐水された洗浄水がボウル部の前方側より凹部に流入する主流を形成し、第2リム吐水部から吐水された洗浄水がボウル部の後方側を通り凹部の一方側から凹部に流入し、一方側の凹部の壁面に沿って底面に流れ、底面から他方側の凹部の壁面に沿って上方に流れる流れが形成され、この第2リム吐水部からの洗浄水の流れが第1リム吐水部から吐水された主流に合流するため、凹部内の溜水を上下方向に効果的に攪拌することができる。したがって、ボウル部の汚物受け面について、第1リム吐水部及び第2リム吐水部のそれぞれから吐水された洗浄水で十分に洗浄することができ、凹部内で上下方向に攪拌する流れを発生させることができる。これらの結果、ボウル部内の浮遊系汚物を溜水内に沈めて排水管路内へと効率よく排出することができ、汚物排出性能を向上させることができる。
また、このように構成された本発明においては、第1リム吐水部から吐水された洗浄水がリム部の内周面に沿って旋回するための導水路がボウル部に形成され、この導水路が、第1リム吐水部からボウル部の前方端に向かって下方へ徐々に傾斜し、この前方端から後方側に向かって上方へ徐々に傾斜するように形成されていることにより、第1リム吐水部からの洗浄水をボウル部の前方側から凹部に効果的に流入させることができる。また、この凹部に流入する流れに対して、第2リム吐水部からの洗浄水が合流するために、凹部内の溜水を上下方向に効果的に攪拌することができる。したがって、ボウル部の汚物受け面において、第1リム吐水部と第2リム吐水部のそれぞれから吐水された洗浄水で十分に洗浄することができ、凹部内で上下方向の攪拌する流れを発生させることができる。これらの結果、浮遊系汚物を溜水内に沈めて排水管路内へと効率よく排出することができ、汚物排出性能を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、第1リム吐水部から吐水された洗浄水がボウル部の前方側から凹部に主流として流入し、この凹部に流入した主流に対して、第2リム吐水部から吐水された洗浄水の大半が横方向から合流するため、凹部内の溜水を上下方向により効果的に攪拌することができる。したがって、ボウル部の汚物受け面について、第1リム吐水部及び第2リム吐水部のそれぞれから吐水された洗浄水で十分に洗浄することができ、凹部内で上下方向に攪拌する流れを発生させることができる。これらの結果、ボウル部内の浮遊系汚物を溜水内に沈めて排水管路内へと効率よく排出することができ、汚物排出性能を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、第2リム吐水部から吐水された洗浄水が、棚状に形成された後方側汚物受け面を流れることにより凹部の前方側領域へと導かれるため、第1リム吐水部からの主流に対して第2リム吐水部からの洗浄水を横方向から確実に合流させることができ、凹部内の溜水を上下方向に効果的に攪拌することができる。したがって、ボウル部の汚物受け面において、第1リム吐水部と第2リム吐水部のそれぞれから吐水された洗浄水で十分に洗浄することができ、凹部内で上下方向の攪拌する流れを発生させることができる。これらの結果、浮遊系汚物を溜水内に沈めて排水管路内へと効率よく排出することができ、汚物排出性能を向上させることができる。
このように形成された本発明においては、棚状に形成された後方側汚物受け面の幅(L)と第2リム吐水部の幅(w2)との比(L/w2)が2〜10であることにより、第2リム吐水部から吐水された洗浄水は、棚状に形成された後方側汚物受け面を流れて凹部の前方側領域へと導かれるため、第1リム吐水部からの主流に対して第2リム吐水部からの洗浄水を横方向から確実に合流させることができ、凹部内の溜水を上下方向に効果的に攪拌することができる。したがって、ボウル部の汚物受け面において、第1リム吐水部と第2リム吐水部のそれぞれから吐水された洗浄水で十分に洗浄することができ、凹部内で上下方向の攪拌する流れを発生させることができる。これらの結果、浮遊系汚物を溜水内に沈めて排水管路内へと効率よく排出することができ、汚物排出性能を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、平面視で凹部の前側領域に形成されている底面の面積が溜水面の面積の半分以上に設定されていることにより、第2リム吐水部から吐水された洗浄水は、凹部の底面に潜り込み、凹部の壁面に沿って上下方向に溜水を攪拌させる流れを効果的に形成することができる。したがって、ボウル部の汚物受け面について、第1リム吐水部及び第2リム吐水部のそれぞれから吐水された洗浄水で十分に洗浄することができ、凹部内で上下方向に攪拌する流れを発生させることができる。これらの結果、ボウル部内の浮遊系汚物を溜水内に沈めて排水管路内へと効率よく排出することができ、汚物排出性能を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、汚物受け面が、その後方側汚物受け面の中央部付近からボウル部の前方端に向かって下方へ徐々に傾斜し、この前方端から後方側に向かって上方へ徐々に傾斜するように形成されていることにより、第1リム吐水部からの吐水された洗浄水に加えて、第2リム吐水部から吐水された洗浄水の一部についても前方側から凹部に流入させることができる。
このように構成された本発明においては、第1リム吐水部の開口が、縦長の扁平形状に形成されていることにより、第1リム吐水部から吐水される洗浄水が汚物受け面に落ちてしまうことがなく、ボウル部の前方端まで旋回することができ、前方側から凹部に流入する主流を効果的に形成することができる。
図1は、本発明の一実施形態による水洗大便器を示す平面図であり、図2は、図1のII−II線に沿って見た断面図であり、図3は、図1のIII−III線に沿って見た断面図である。また、図4は、図1のIV−IV線に沿って見た断面図であり、図5は、図1のV−V線に沿って見た断面図であり、図6は、図1のVI−VI線に沿って見た断面図である。さらに、図7は、図1のVII−VII線に沿って見た断面図であり、図8は、図1のVIII−VIII線に沿って見た断面図である。
なお、本実施形態の水洗大便器1においては、第1吐水口22を含む第1通水路26と、第2吐水口24を含む第2通水路28について、陶器製の便器本体2と一体に形成されている形態について説明するが、このような形態に限られず、第1吐水口を含む第1通水路と、第2吐水口を含む第2通水路については、便器本体とは別体のディストリビユータ等により形成するようにしても良い。
この導水管路32は、凹部20の底面と滑らかな連続湾曲面として繋がっており、凹部20から導入管路32に流入した洗浄水が導入管路32内をスムーズに流れるようになっている。
図9は、図1のIX−IX線に沿って見た断面図であり、図10は、図1のX−X線に沿って見た断面図であり、図11は、図1に示す本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体のボウル部を部分的に拡大した部分拡大平面図である。
また、図2及び図7に示すように、後方側汚物受け面16aは、第2吐水口24の下流付近における汚物受け面16の後方側領域に棚状に形成されている。これにより、図11に示されているように、第2吐水口24から後方側汚物受け面16aの中央部C1付近に吐水された洗浄水の大半の流れmは、後方側汚物受け面16aに沿って凹部20の後方側を迂回し、凹部20の側方側(凹部20を前方側から見て左側)へ旋回し、凹部20内に向かって横方向の流れを形成するようになっている。
この第2吐水口24からの吐水の流れmの洗浄水量は、第1吐水口22から吐水される大流量の主流Mの洗浄水量よりも少なく設定されている。例えば、共通通水路10を通過した洗浄水量の60%〜90%が第1通水路26を経て第1吐水口22から吐水され、共通通水路10を通過した洗浄水量の10%〜40%が第2通水路28を経て第2吐水口24から吐水されるようになっている。
さらに、第2吐水口24から吐水の大半の流れmの洗浄水量は、第2吐水口24から吐水される洗浄量全体に対して、ほぼ50%以上の洗浄水量に設定されるのが好ましい。
また、第2吐水口24から吐水された洗浄水の主流mの一部m1については、第1吐水口22から吐水されて前方側から凹部20に大流量の主流Mとして流入する洗浄水に加えて、前方側から凹部20に主流Mと共に流入することができるようになっている。
また、凹部20の前側底面40は、この面の全領域が、溜水水位Wより下方に位置し、後側底面42の下端42aよりも上方に位置するように形成されている。
また、この凹部20内に潜り込んだ洗浄水の流れmは、凹部20の前側底面40から右側壁面38bに沿って上方に旋回し、上下方向に溜水を効果的に攪拌させる流れを形成するようになっている。そして、この流れmは、第1吐水口22から吐水されて前方側から凹部20に流入する大流量の主流Mに合流するようになっている。
なお、本実施形態では、前側底面40の面積A1が、図11に示す平面視において、溜水面Sの面積A2の半分よりも大きく設定されて形態について説明するが、前側底面40の面積A1が溜水面Sの面積A2の半分と等しくてもよく、要するに、前側底面40の面積A1については、溜水面Sの面積A2の半分以上に設定すればよい。
図12は、本発明の一実施形態による水洗大便器の第1吐水口の断面図であり、図13は、本発明の一実施形態による水洗大便器の第2吐水口の断面図である。
まず、図12に示すように、第1吐水口22の開口断面D1、及びこの第1吐水口22の開口断面D1に至る第1通水路26の流路断面は、第1通水路26のほぼ全域に亘って縦長の扁平形状に形成されている。これにより、第1通水路26を通過して第1吐水口22から吐水された洗浄水は、吐水直後に大半が前方側汚物受け面16bに落ちることなく、少なくともボウル部8内の前方端まで旋回することができるようになっており、ボウル部8内の前方側から凹部20に流入する主流Mを効果的に形成することができるようになっている。
なお、第1吐水口22の開口断面D1における最大の縦寸法h1と最大の幅寸法w1との比(h1/w1)は、1〜5に設定されているのが好ましく、1.5〜3に設定されているのがより好ましい。
なお、第2吐水口24の開口断面D2における最大の縦寸法h2と最大の幅寸法w2との比(h2/w2)は、1〜5に設定されているのが好ましく、1.5〜3に設定されているのがより好ましい。
図14は本発明の実施形態による水洗大便器の洗浄水の流れの様子を示す平面図であり、図15は図14の断面図であり、図16は本発明の実施形態による水洗大便器の洗浄水の流れの様子を示す概略斜視図である。
2 便器本体
4 貯水タンク
6 便器本体のスカート部
8 便器本体のボウル部
10 共通通水路
12 排水管路
14 排水弁
16 汚物受け面
16a 後方側汚物受け面
16b 前方側汚物受け面
18 リム部
18a 内周面
20 凹部
22 第1吐水口(第1リム吐水部)
24 第2吐水口(第2リム吐水部)
26 第1通水路
28 第2通水路
30 導水路
32 導水管路
32a 入口
34 排水トラップ管路
34a 上昇管路
34b 下降管路
36 底面
38 壁面
38a 左側壁面
38b 右側壁面
40 前側底面
42 後側底面
42a 下端
A1 凹部の前側底面の面積
A2 溜水面の面積
C 後方側汚物受け面の中央部
D1 第1吐水口の開口断面
D2 第2吐水口の開口断面
h1 第1吐水口の開口断面の最大の縦寸法
h2 第2吐水口の開口断面の最大の縦寸法
L 後方側汚物受け面の中央部の前後方向の幅
M 第1吐水口から吐水された洗浄水の主流
M1 第1吐水口から吐水された洗浄水の主流の一部
M2 第1吐水口から吐水された洗浄水の主流の他の一部
m 第2吐水口から吐水された洗浄水の主流
m1 第2吐水口から吐水された洗浄水の主流の一部
S 溜水面
W 溜水水位
w1 第1吐水口の開口断面の最大の幅寸法
w2 第2吐水口の開口断面の最大の幅寸法(第2リム吐水部の幅)
Claims (8)
- 給水源から供給される洗浄水により便器を洗浄して汚物を排出する水洗大便器であって、
ボウル形状の汚物受け面と、上記汚物受け面の上方に位置するリム部と、上記リム部の内周面の下方領域に形成された導水路と、上記汚物受け面の下方に形成された凹部と、を備え、この凹部が溜水水位より下方に位置する底面と、この底面と上記汚物受け面の下縁部とを接続する壁面と、を備えたボウル部と、
洗浄水を上記ボウル部内に供給する吐水部であって、
上記ボウル部の左右方向の一方側の上記リム部に位置すると共に上記ボウル部の前方へ向けて洗浄水を吐水する第1リム吐水部と、
上記ボウル部の左右方向の他方側の上記リム部に位置すると共に、上記ボウル部の上記一方側に向けて洗浄水を吐水する第2リム吐水部と、のみを有する上記吐水部と、
上記凹部にその入口が接続され汚物を排出する排水管路と、を有し、
上記導水路は、上記一方側において、上記ボウル部の前方端に向かって下方に徐々に傾斜し、上記他方側において、上記前方端から後方側に向かって上方へ徐々に傾斜するように形成され、
上記ボウル部は、上記第1リム吐水部から吐水された洗浄水が上記ボウル部の前方側より上記凹部に流入する主流を形成するように構成され、上記第2リム吐水部から吐水された洗浄水が上記ボウル部の後方側を通り上記凹部の上記一方側から上記凹部に流入し、上記一方側の上記凹部の壁面に沿って上記底面に流れ、上記底面から他方側の上記凹部の壁面に沿って上方に流れる流れが形成され、この上記第2リム吐水部からの洗浄水の流れが上記第1リム吐水部から吐水された主流に合流するように構成されることを特徴としている水洗大便器。 - 上記第2リム吐水部から吐水された洗浄水の大半は、上記ボウル部の側方側より上記凹部に流入する請求項1記載の水洗大便器。
- 上記ボウル部の汚物受け面は、上記第2リム吐水部の下流付近における後方側領域に棚状に形成された後方側汚物受け面を備え、上記第2リム吐水部から吐水された洗浄水は、上記後方側汚物受け面上を流れることにより上記凹部の前方側領域へ導かれる請求項1又は2に記載の水洗大便器。
- 上記棚状に形成された後方側汚物受け面の幅(L)と上記第2リム吐水部の幅(w2)との比(L/w2)は、2〜10である請求項3記載の水洗大便器。
- 上記凹部は、平面視で、上記底面が前側領域に形成されており、この底面の面積は、溜水面の面積の半分以上に設定されている請求項3又は4に記載の水洗大便器。
- 上記汚物受け面は、その後方側汚物受け面の中央部付近から上記ボウル部の上記前方端に向かって下方へ徐々に傾斜し、この前方端から後方側に向かって上方へ徐々に傾斜するように形成されている請求項1記載の水洗大便器。
- 上記第1リム吐水部の開口は、縦長の扁平形状に形成されている請求項1乃至6の何れか1項に記載の水洗大便器。
- 上記凹部は、上面視において、上記凹部の前方側部分において上記凹部の左右方向の幅が、上記凹部の前端に向かうにつれて小さくなるように形成される請求項1乃至7の何れか1項に記載の水洗大便器。
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