JP2013223466A - 油脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】使用油脂がハードストックと低融点油脂からなり、低融点油脂の一部又は全部が、下記の(1)〜(3)の全てを満たすエステル交換油脂であることを特徴とする、油脂を連続相とする油脂組成物。
(1)液状油と極度硬化油をエステル交換したエステル交換油脂である。
(2)SFC(固体脂含量)が、0℃で5〜25%、20℃で1〜5%、40℃で0〜2%である。
(3)30℃において流動状である。
【選択図】なし
Description
即ち、一般的に油脂組成物、特に油脂を連続相とする油脂組成物においては、油脂の物性が油脂組成物の口溶けや物性に直結すること、及び油脂組成物は一般に液状油等の低融点油脂の配合量が多いほど口溶けがよいことから、液状油を主体とする低融点油脂に、高融点油脂、即ちハードストックを適量配合することで、一定の物性(広い温度域での可塑性や保形性等)と良好な口溶けを得る方法が行われている。
しかし、この方法では、口溶けの向上のために油脂組成物の融点が下がるため、応用範囲が限られており、また、必然的に耐熱保形性が悪化する。
しかし、ラウリン系油脂は加水分解しやすいため保存性が悪く、また比較的低融点であることに加え、配合量が増えると顕著な融点降下を起こすため、十分な耐熱保形性が得られない。
しかし、これらの文献に開示されている方法では、得られた油中水型乳化物の油性感の低減、口溶け向上の点では大幅な改良が見られたが、十分な耐熱保形性が得られないという問題があった。
しかし、これらの文献に開示されている方法では、融点の低い油脂組成物である場合に十分な耐熱保形性が得られにくいという問題があった。
しかし、水素添加は、油脂の融点を上昇させる典型的な方法であるが、部分水素添加油脂には、通常、構成脂肪酸中にトランス脂肪酸が10〜50質量%程度含まれている。一方、天然油脂中にはトランス脂肪酸が殆ど存在せず、反芻動物由来の油脂に10質量%未満含まれているにすぎない。近年、化学的な処理、特に水素添加に付されていない油脂組成物、即ち実質的にトランス脂肪酸を含まない油脂組成物であって、適切なコンシステンシーを有するものも要求されている。
しかし、エステル交換油脂は、高融点のトリ飽和トリグリセリドや、口溶けの悪い非対称型S2U型トリグリセリド(但し、Sは炭素数16以上の飽和脂肪酸を表し、Uは炭素数16以上の不飽和脂肪酸を表す。)も多く含まれるため、口溶けが悪く、更にはSFCが横型になり、口溶けのシャープさにおいて部分水素添加油脂に比べて劣るため、あまり多くを配合できないという問題がある。また、油脂を連続相とする油脂組成物である場合には、オイルオフが発生しやすく、耐熱保形性が悪くなるという問題もあった。
(1)液状油と極度硬化油をエステル交換したエステル交換油脂である。
(2)SFC(固体脂含量)が、0℃で5〜25%、20℃で1〜5%、40℃で0〜2%である。
(3)30℃において流動状である。
本発明の油脂を連続相とする油脂組成物において、低融点油脂の一部又は全部として使用されるエステル交換油脂は、上記(1)〜(3)の通り、液状油と極度硬化油をエステル交換し、SFC(固体脂含量)を特定の値とし、30℃における物性を特定の性状としたエステル交換油脂である。
本発明では、30℃における流動性の高いエステル交換油脂を得ることが容易であり、得られる油脂組成物の口溶けを良好なものとすることが可能な点から、上記液状油として、大豆油、菜種油(キャノーラ油)、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ハイオレイックサフラワー油、ひまわり油、ハイオレイックひまわり油等の常温で液状の油脂のうちの1種又は2種以上を使用することが好ましい。
また、上記極度硬化油として、上記のようにして得られた極度硬化油を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明では上記極度硬化油として、脂肪酸組成において、炭素数16の飽和脂肪酸含量が好ましくは10〜35質量%、より好ましくは15〜25質量%であり、且つ炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が好ましくは15〜50質量%、より好ましくは25〜45質量%である極度硬化油を使用することが、クリーミング性と口溶けと耐熱保形性を併せ持つバタークリームや可塑性油脂が得られる点で好ましい。
SFCが0℃で5%未満又は20℃で1%未満であると、本発明の油脂を連続相とする油脂組成物に耐熱保形性を付与することができなくなる。一方、SFCが0℃で25%を超える、及び/又は20℃で5%を超えると、油性感が強くなり、更に、SFCが40℃で2%を超えると、口溶けが大幅に悪化してしまう。
30℃において流動状でない場合、油脂を連続相とする油脂組成物の低融点油脂としての使用に適さなくなってしまうことに加え、更には、口溶けも悪くなるおそれがある。
ここで、上記エステル交換油脂は、30℃で流動状の油脂であることから、上記使用油脂がハードストックと低融点油脂からなる油脂組成物における低融点油脂として使用可能であるため、低融点油脂の一部又は全部に使用することができるものである。
尚、上記エステル交換油脂の割合を油相中の含有量に換算すると、好ましくは5質量%以上40質量%以下、より好ましくは5質量%以上25質量%以下、更に好ましくは5質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
本発明では、上記低融点油脂として、本発明に係るエステル交換油脂に必要に応じ添加使用する食用油脂として、大豆油、菜種油(キャノーラ油)、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ハイオレイックサフラワー油、ひまわり油、ハイオレイックひまわり油のうちの1種又は2種以上を使用することが好ましい。
このような油脂の中でも、本発明の油脂を連続相とする油脂組成物においては、パーム極度硬化油を20〜60質量%含有し、脂肪酸組成においてS/Uの質量比が1.5〜4であり、炭素数14以下の脂肪酸含量が10質量%未満である油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂の低融点部又は中融点部を、ハードストックの一部又は全部として使用することが好ましい。(但し、Sは炭素数16以上の飽和脂肪酸を表し、Uは炭素数16以上の不飽和脂肪酸を表す。)
尚、上記エステル交換油脂の低融点部又は中融点部の割合を油相中の含有量に換算すると、3〜70質量%、より好ましくは25〜70質量%、更に好ましくは50〜70質量%であることが好ましい。
水素添加は、油脂の融点を上昇させる典型的な方法であるが、部分水素添加油脂は、通常構成脂肪酸中にトランス脂肪酸が10〜50質量%程度含まれている。一方、天然油脂中にはトランス脂肪酸が殆ど存在せず、反芻動物由来の油脂に10質量%未満含まれているにすぎない。近年、上述のように、化学的な処理、特に水素添加に付されていない油脂組成物、即ち実質的にトランス脂肪酸を含まない油脂組成物であって、適切なコンシステンシーを有するものも要求されている。
本発明の油脂を連続相とする油脂組成物は、使用油脂がハードストックと低融点油脂からなり、低融点油脂の一部又は全部が、下記の(1)〜(3)の全てを満たすエステル交換油脂である油相を溶解した後、冷却し、結晶化させることにより製造することができる。
(1)液状油と極度硬化油をエステル交換したエステル交換油脂である。
(2)SFC(固体脂含量)が、0℃で5〜25%、20℃で1〜5%、40℃で0〜2%である。
(3)30℃において流動状である。
尚、上記その他の成分を使用する場合は基本的には油溶性成分は油相に、水溶性成分は水相に添加して製造することができるが、だまになることを避ける等の目的で、水溶性成分を油相に分散させて製造することもでき、油溶性成分を水相に分散して製造することもできる。
即ち、本発明の油脂を連続相とする油脂組成物はバタークリーム或いは可塑性油脂組成物であることが好ましい。尚、バタークリームとは、油脂を連続相とする油脂組成物であって、糖を含有する水相を有するクリームであり、乳化型としてはW/O型、O/W/O型、O/O型が挙げられる。その製造方法としては、上記の製造方法以外に、可塑性油脂組成物をクリーミングし、ここに、糖類、卵類、乳、呈味素材等を配合する方法を挙げることができる。
尚、下記実施例等において、脂肪酸含量は、特に断りのない限り、構成脂肪酸組成における脂肪酸含量を示す。
〔製造例1〕エステル交換油脂Aの製造
菜種油(キャノーラ油)80質量部に、極度硬化油として、パーム油の極度硬化油と、ハイエルシンナタネ油の極度硬化油とを50:50の質量比で混合した混合油脂(炭素数16の飽和脂肪酸含量が24質量%、且つ炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が30質量%)20質量部を添加し、溶解した油脂配合物に、ナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、SFC(固体脂含量)が0℃で15%、20℃で3%、40℃で0%であり30℃において流動状であるエステル交換油脂Aを得た。
菜種油(キャノーラ油)80質量部に、パーム油の極度硬化油(炭素数16の飽和脂肪酸含量が44質量%、且つ炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が0質量%)20質量部を添加し、溶解した油脂配合物に、ナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、SFC(固体脂含量)が0℃で13%、20℃で2%、40℃で0%であり30℃において流動状であるエステル交換油脂Bを得た。
菜種油(キャノーラ油)80質量部に、ハイエルシンナタネ油の極度硬化油(炭素数16の飽和脂肪酸含量が3質量%、且つ炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が59質量%)20質量部を添加し、溶解した油脂配合物に、ナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、SFC(固体脂含量)が0℃で17%、20℃で4%、40℃で0%であり30℃において流動状であるエステル交換油脂Cを得た
菜種油(キャノーラ油)80質量部に、ハイエルシンナタネ油の極度硬化油(炭素数16の飽和脂肪酸含量が3質量%、且つ炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が59質量%)20質量部を添加し、溶解した油脂配合物に、ナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、SFC(固体脂含量)が0℃で7%、20℃で2%、40℃で0%であり30℃において流動状であるエステル交換油脂Dを得た
ヨウ素価65のパーム分別軟部油にナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、SFC(固体脂含量)が0℃で32%、20℃で16%、40℃で2%であり30℃において固体であり流動状を示さず融点が33℃であるエステル交換油脂Eを得た。
菜種油(キャノーラ油)70質量部に、ハイエルシンナタネ油の極度硬化油(炭素数16の飽和脂肪酸含量が3質量%、且つ炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が59質量%)30質量部を添加し、溶解した油脂配合物に、ナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、SFC(固体脂含量)が0℃で34%、20℃で12%、40℃で2%であり30℃において固体であり流動状を示さず融点が39℃であるエステル交換油脂Fを得た。
菜種油(キャノーラ油)96質量部に、極度硬化油として、パーム油の極度硬化油と、ハイエルシンナタネ油の極度硬化油とを50:50の質量比で混合した混合油脂(炭素数16の飽和脂肪酸含量が24質量%、且つ炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が30質量%)4質量部を添加し、溶解した油脂配合物に、ナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、SFC(固体脂含量)が0℃で3%、20℃で0%、40℃で0%であり30℃において流動状であるエステル交換油脂Gを得た。
[実施例1]
パーム油65質量部とパーム極度硬化油35質量部からなる油脂配合物(炭素数14以下の飽和脂肪酸含量2質量%未満)を、Naメチラートを触媒としてランダムエステル交換反応を行い、常法により精製してエステル交換油脂Sを得た。尚、上記エステル交換に用いる油脂配合物におけるS/Uの質量比は2.1であり、炭素数14以下の飽和脂肪酸含量は3質量%未満、炭素数20以上の飽和脂肪酸含量は0.5質量%未満、トランス脂肪酸含量は1質量%未満であった。
尚、得られたハードストックSのトリ飽和トリグリセリド含有量は2.7質量%、トリ不飽和トリグリセリドとモノ飽和ジ不飽和トリグリセリドの合計した含有量は6.8質量%、炭素数14以下の飽和脂肪酸含量は3質量%未満、炭素数20以上の飽和脂肪酸含量は0.5質量%未満、トランス脂肪酸含量は1質量%未満、融点は35℃であった。
エステル交換油脂Aをエステル交換油脂Bに変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、バタークリームBを得た。
得られたバタークリームBの油相中、低融点油脂分に占める上記エステル交換油脂Bの割合は22質量%、ハードストックと低融点油脂の配合比は55:45、ラウリン系油脂を含有せず、炭素数12以下の飽和脂肪酸含量は5質量%以下であり、トランス脂肪酸含量は1質量%以下であった。
得られたバタークリームBは、下記の官能検査及び耐熱保形性試験に供した。
エステル交換油脂Aをエステル交換油脂Cに変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、バタークリームCを得た。
得られたバタークリームCの油相中、低融点油脂分に占める上記エステル交換油脂Cの割合は22質量%、ハードストックと低融点油脂の配合比は55:45、ラウリン系油脂を含有せず、炭素数12以下の飽和脂肪酸含量は5質量%以下であり、トランス脂肪酸含量は1質量%以下であった。
得られたバタークリームCは、下記の官能検査及び耐熱保形性試験に供した。
エステル交換油脂Aをエステル交換油脂Dに変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、バタークリームDを得た。
得られたバタークリームDの油相中、低融点油脂分に占める上記エステル交換油脂Dの割合は22質量%、ハードストックと低融点油脂の配合比は55:45、ラウリン系油脂を含有せず、炭素数12以下の飽和脂肪酸含量は5質量%以下であり、トランス脂肪酸含量は1質量%以下であった。
得られたバタークリームDは、下記の官能検査及び耐熱保形性試験に供した。
エステル交換油脂Aをエステル交換油脂Eに変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、バタークリームEを得た。
得られたバタークリームEの油相中、低融点油脂に占める上記エステル交換油脂Eの割合は22質量%、ハードストックと低融点油脂の配合比は55:45、ラウリン系油脂を含有せず、炭素数12以下の飽和脂肪酸含量は5質量%以下であり、トランス脂肪酸含量は1質量%以下であった。
得られたバタークリームEは、下記の官能検査及び耐熱保形性試験に供した。
エステル交換油脂Aをエステル交換油脂Fに変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、バタークリームFを得た。
得られたバタークリームFの油相中、低融点油脂に占める上記エステル交換油脂Fの割合は22質量%、ハードストックと低融点油脂の配合比は55:45、ラウリン系油脂を含有せず、炭素数12以下の飽和脂肪酸含量は5質量%以下であり、トランス脂肪酸含量は1質量%以下であった。
得られたバタークリームFは、下記の官能検査及び耐熱保形性試験に供した。
エステル交換油脂Aをエステル交換油脂Gに変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、バタークリームGを得た。
得られたバタークリームGの油相中、低融点油脂に占める上記エステル交換油脂Gの割合は22質量%、ハードストックと低融点油脂の配合比は55:45、ラウリン系油脂を含有せず、炭素数12以下の飽和脂肪酸含量は5質量%以下であり、トランス脂肪酸含量は1質量%以下であった。
得られたバタークリームGは、下記の官能検査及び耐熱保形性試験に供した。
エステル交換油脂Aを無添加とし、ナタネ油を35質量部から45質量部に変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、バタークリームHを得た。
得られたバタークリームHの油相中、ハードストックと低融点油脂の配合比は55:45、ラウリン系油脂を含有せず、炭素数12以下の飽和脂肪酸含量は5質量%以下であり、トランス脂肪酸含量は1質量%以下であった。
得られたバタークリームHは、下記の官能検査及び耐熱保形性試験に供した。
低融点油脂に使用する混合油脂をエステル交換油脂A及びナタネ油を11:89の質量比で混合した混合油脂に変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、バタークリームIを得た。
得られたバタークリームIの油相中、低融点油脂に占める上記エステル交換油脂Aの割合は11質量%、ハードストックと低融点油脂の配合比は55:45、ラウリン系油脂を含有せず、炭素数12以下の飽和脂肪酸含量は5質量%以下であり、トランス脂肪酸含量は1質量%以下であった。
得られたバタークリームIは、下記の官能検査及び耐熱保形性試験に供した。
低融点油脂に使用する混合油脂をエステル交換油脂A及びナタネ油を44:56の質量比で混合した混合油脂に変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、バタークリームJを得た。
得られたバタークリームJの油相中、低融点油脂に占める上記エステル交換油脂Aの割合は44質量%、ハードストックと低融点油脂の配合比は55:45、ラウリン系油脂を含有せず、炭素数12以下の飽和脂肪酸含量は5質量%以下であり、トランス脂肪酸含量は1質量%以下であった。
得られたバタークリームJは、下記の官能検査及び耐熱保形性試験に供した。
低融点油脂に使用する混合油脂をエステル交換油脂A及びナタネ油を67:33の質量比で混合した混合油脂に変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、バタークリームKを得た。
得られたバタークリームKの油相中、低融点油脂に占める上記エステル交換油脂Aの割合は67質量%、ハードストックと低融点油脂の配合比は55:45、ラウリン系油脂を含有せず、炭素数12以下の飽和脂肪酸含量は5質量%以下であり、トランス脂肪酸含量は1質量%以下であった。
得られたバタークリームKは、下記の官能検査及び耐熱保形性試験に供した。
低融点油脂に使用する混合油脂をエステル交換油脂Aのみに変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、バタークリームLを得た。
得られたバタークリームLの油相中、低融点油脂に占める上記エステル交換油脂Aの割合は100質量%、ハードストックと低融点油脂の配合比は55:45、ラウリン系油脂を含有せず、炭素数12以下の飽和脂肪酸含量は5質量%以下であり、トランス脂肪酸含量は1質量%以下であった。
得られたバタークリームLは、下記の官能検査及び耐熱保形性試験に供した。
ハードストックを、ハードストックSに代えて、大豆硬化油融点は35℃)を使用した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、バタークリームMを得た。
得られたバタークリームMの油相中、低融点油脂に占める上記エステル交換油脂Aの割合は22質量%、ハードストックと低融点油脂の配合比は55:45、ラウリン系油脂を含有せず、炭素数12以下の飽和脂肪酸含量は5質量%以下であり、トランス脂肪酸含量は1質量%以下であった。
得られたバタークリームMは、下記の官能検査及び耐熱保形性試験に供した。
ハードストックを、ハードストックSに代えて、パーム油融点は36℃)を使用した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、バタークリームNを得た。
得られたバタークリームNの油相中、低融点油脂に占める上記エステル交換油脂Aの割合は22質量%、ハードストックと低融点油脂の配合比は55:45、ラウリン系油脂を含有せず、炭素数12以下の飽和脂肪酸含量は5質量%以下であり、トランス脂肪酸含量は1質量%以下であった。
得られたバタークリームNは、下記の官能検査及び耐熱保形性試験に供した。
ハードストックを、ハードストックSに代えて、ヤシ硬化油融点は33℃)を使用した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、バタークリームOを得た。
得られたバタークリームOの油相中、低融点油脂に占める上記エステル交換油脂Aの割合は22質量%、ハードストックと低融点油脂の配合比は55:45、ラウリン系油脂を55質量%含有し、炭素数12以下の飽和脂肪酸含量は45質量%であり、トランス脂肪酸含量は1質量%以下であった。
得られたバタークリームOは、下記の官能検査及び耐熱保形性試験に供した。
油脂配合物における、ハードストックS55質量部を75質量に、混合油脂45質量部を25質量部に変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、バタークリームPを得た。
得られたバタークリームPの油相中、低融点油脂に占める上記エステル交換油脂Aの割合は22質量%、ハードストックと低融点油脂の配合比は75:25、ラウリン系油脂を含有せず、炭素数12以下の飽和脂肪酸含量は5質量%以下であり、トランス脂肪酸含量は1質量%以下であった。
得られたバタークリームPは、下記の官能検査及び耐熱保形性試験に供した。
油脂配合物における、ハードストックS55質量部を35質量に、混合油脂45質量部を65質量部に変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、バタークリームQを得た。
得られたバタークリームQの油相中、低融点油脂に占める上記エステル交換油脂Aの割合は22質量%、ハードストックと低融点油脂の配合比は35:65、ラウリン系油脂を含有せず、炭素数12以下の飽和脂肪酸含量は5質量%以下であり、トランス脂肪酸含量は1質量%以下であった。
得られたバタークリームQは、下記の官能検査及び耐熱保形性試験に供した。
油脂配合物における、ハードストックS55質量部を15質量に、混合油脂45質量部を85質量部に変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、バタークリームRを得た。
得られたバタークリームRの油相中、低融点油脂に占める上記エステル交換油脂Aの割合は22質量%、ハードストックと低融点油脂の配合比は15:85、ラウリン系油脂を含有せず、炭素数12以下の飽和脂肪酸含量は5質量%以下であり、トランス脂肪酸含量は1質量%以下であった。
得られたバタークリームRは、下記の官能検査及び耐熱保形性試験に供した。
得られたバタークリームA〜Rについて、官能検査及び耐熱保形性試験を行なった。官能検査においては、25℃に1晩調温したサンプルを用い、口溶け及び油性感それぞれを、下記評価基準に従い4段階で評価した。耐熱保形性試験においては、バタークリームを一旦25℃に調温した後、絞り袋に入れ、菊型口金でシャーレに花型に絞り、蓋をし、これを5℃に60分調温後、20℃、25℃及び30℃の各恒温槽に一晩おき、オイルオフ状況及び保形性(だれ)の状況を観察し、下記評価基準に従い4段階で評価した。評価結果を表1に示す。
◎ 大変良好
○ 良好
△ やや劣る
× 不良
(油性感評価基準)
◎ さっぱりとしてみずみずしく、キレがある。
○ さっぱりとしているが、ややキレが劣る。
△ やや油っぽさを感じる。
× 油っぽく、キレが悪い。
(耐熱保形性評価基準)
◎ オイルオフがなく、保形性も全く問題なし。
○ ややオイルオフが見られるが、保形性は全く問題なし。
△ オイルオフがあり、保形性もやや悪い。
× オイルオフが激しく、保形性も悪い。
Claims (9)
- 使用油脂がハードストックと低融点油脂からなり、該低融点油脂の一部又は全部が、下記の(1)〜(3)の全てを満たすエステル交換油脂であることを特徴とする、油脂を連続相とする油脂組成物。
(1)液状油と極度硬化油をエステル交換したエステル交換油脂である。
(2)SFC(固体脂含量)が、0℃で5〜25%、20℃で1〜5%、40℃で0〜2%である。
(3)30℃において流動状である。 - 上記極度硬化油として、炭素数16の飽和脂肪酸含量が10〜35質量%、且つ炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が15〜50質量%である極度硬化油を使用したことを特徴とする請求項1記載の油脂を連続相とする油脂組成物。
- 上記エステル交換油脂における上記極度硬化油の配合割合が5〜35質量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の油脂を連続相とする油脂組成物。
- 上記エステル交換油脂を、油相中に、該油相中の全油脂量基準で5質量%以上40質量%未満含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の油脂を連続相とする油脂組成物。
- 上記ハードストックの一部又は全部が、パーム極度硬化油を20〜60質量%含有し、脂肪酸組成においてS/Uの質量比が1.5〜4であり、炭素数14以下の脂肪酸含量が10質量%未満である油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂の低融点部又は中融点部であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の油脂を連続相とする油脂組成物。
(但し、Sは炭素数16以上の飽和脂肪酸を表し、Uは炭素数16以上の不飽和脂肪酸を表す。) - ラウリン系油脂を含有しないことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の油脂を連続相とする油脂組成物。
- トランス脂肪酸を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の油脂を連続相とする油脂組成物。
- バタークリームであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の油脂を連続相とする油脂組成物。
- 可塑性油脂組成物であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の油脂を連続相とする油脂組成物。
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