JP2013256492A - 精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記の工程(1)及び(2);
工程(1):グリセリン及びグリセリンアルキルエーテルを含む混合物を陽イオン交換樹脂に接触させる工程
工程(2):前記陽イオン交換樹脂にSP値が20.5〜34〔(MPa)1/2〕である溶媒を接触させて溶出液を得る工程
を含む、精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
【選択図】なし
Description
なお、本明細書においては、モノグリセリン及びポリグリセリンの両方を「グリセリン」と表記する。また、モノグリセリンモノアルキルエーテル及びポリグリセリンモノアルキルエーテル、並びにモノグリセリンポリアルキルエーテル及びポリグリセリンポリアルキルエーテルを総称して「グリセリンアルキルエーテル」と表記する。なお、グリセリン由来のグリセロール残基を有する化合物においても同様の表記法を採用する。
工程(1):グリセリン及びグリセリンアルキルエーテルを含む混合物を陽イオン交換樹脂に接触させる工程
工程(2):陽イオン交換樹脂にSP値が20.5〜34〔(MPa)1/2〕である溶媒を接触させて溶出液を得る工程
を含む、精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法を提供するものである。
〔工程(1)〕
工程(1)は、グリセリン及びグリセリンアルキルエーテルを含む混合物を陽イオン交換樹脂に接触させる工程である。上記混合物にはグリセリンとグリセリンアルキルエーテルが含まれるが、前者は陽イオン交換樹脂に吸着されやすく、後者は吸着され難いという特性を有する。
本発明に使用される上記混合物は、グリセリンと、下記式(1)で表されるグリセリンアルキルエーテルを含むものである。
(式中、R1は炭素数8〜22の炭化水素基を示し、R2は水素原子又は炭素数8〜22の炭化水素基を示し、(C3H6O2)nはグリセリン部位を示し、nはグリセリン部位におけるグリセロール残基の質量平均重合度を示し、1〜10の数である。)
また、R1及びR2に係る炭化水素基は、飽和でも不飽和でも、また直鎖状、分岐状及び環状のいずれであってもよいが、グリセリンアルキルエーテルの製造効率、高純度及び高収率化の観点、並びにグリセリンアルキルエーテルの洗浄性能及び物性の観点から、飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水基が好ましく、飽和又は不飽和の直鎖状の炭化水素基がより好ましく、飽和の直鎖状の炭化水素基が更に好ましい。
上記混合物中の溶媒の含有量は、精製グリセリンアルキルエーテルの製造効率、高純度及び高収率化の観点から、1質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましい。また、精製グリセリンアルキルエーテルの製造効率、高純度及び高収率化の観点から、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が更に好ましい。上記混合物中の溶媒の含有量の範囲としては、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは10〜60質量%、更に好ましくは15〜50質量%である。
・一般式(1)中のnが1である化合物は、好ましくは0.1〜2質量%、より好ましくは0.2〜1質量%、更に好ましくは0.3〜0.5質量%である。
・一般式(1)中のnが2である化合物は、好ましくは0.1〜25質量%、より好ましくは0.1〜20質量%である。
・一般式(1)中のnが3である化合物は、好ましくは0.1〜25質量%、より好ましくは1〜20質量%である。
・一般式(1)中のnが4である化合物は、好ましくは0.1〜25質量%、より好ましくは1〜20質量%である。
・一般式(1)中のnが5である化合物は、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%である。
・一般式(1)中のnが6以上である化合物が、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜5質量%、更に好ましくは0.3〜4質量%である。
また、混合物には、グリセリンの環状体や重合度6以上のグリセリンが含まれていてもよいが、精製グリセリンアルキルエーテルの製造効率、高純度及び高収率化、グリセリンアルキルエーテルを洗浄剤として使用したときの洗浄力の観点から、混合物中の重合度6以上のグリセリン及びグリセリン環状体(後掲の実施例の表1中の成分2)の合計含有量は、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下、5質量%以下が更に好ましい。なお、混合物中の重合度6以上のグリセリン及びグリセリン環状体の合計含有量の下限値は0質量%でもあってもよいが、精製グリセリンアルキルエーテルの製造効率の観点から、0.001質量%、0.01質量%、更に0.1質量%が好ましい。
更に、混合物には、モノグリセリンが含まれていてもよいが、精製グリセリンアルキルエーテルの製造効率、高純度及び高収率化の観点から、混合物中のモノグリセリンの含有量は、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましく、1質量%以下が更に好ましく、モノグリセリンを含まないことが更に好ましい。
反応温度は、反応速度を高め、工程時間を短縮させる観点から、40℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、150℃以上が更に好ましく、180℃以上が更に好ましい。また、付加物の着色防止、臭い抑制の観点から、220℃以下が好ましく、210℃以下がより好ましく、200℃以下が更に好ましい。反応温度の範囲としては、好ましくは40〜220℃、より好ましくは100〜210℃、更に好ましくは150〜200℃、更に好ましくは180〜200℃である。
陽イオン交換樹脂の母体としては、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン等の架橋ポリスチレン、(メタ)アクリル酸単量体単位を有する(共)重合体等が挙げられ、中でも、架橋ポリスチレンが好ましい。また、母体構造としては、例えば、ゲル形、ポーラス形を挙げることができるが、精製グリセリンアルキルエーテルの製造効率、高純度及び高収率化の観点から、ゲル形が好ましい。更に、樹脂の形態には、粉状、球状、繊維状、膜状等があるが、精製グリセリンアルキルエーテルの製造効率、高純度及び高収率化の観点から、球状のものが好ましい。
陽イオン交換樹脂の交換容量は、特に限定されないが、精製グリセリンアルキルエーテルの製造効率、高純度及び高収率化の観点から、0.5meq/mL以上が好ましく、1.0meq/mL以上がより好ましく、1.3meq/mL以上が更に好ましい。また、上記と同様の観点から、3.0meq/mL以下が好ましく、2.5meq/mL以下がより好ましく、1.8meq/mLが更に好ましい。また、交換容量の範囲としては、0.5meq/mL〜3.0meq/mL、更に1.0meq/mL〜2.5meq/mL、更に1.3meq/mL〜1.8meq/mLが好ましい。
アルカリ金属型又はアルカリ土類金属型の陽イオン交換樹脂として市販品を使用することも可能である。例えば、ダイヤイオンUBK530、ダイヤイオンUBK08、ダイヤイオンPK220、ダイヤイオンSK104(以上、三菱化学社製)、AMBERLITE CR1310Na(ダウケミカル社製)等のアルカリ金属型陽イオン交換樹脂、ダイヤイオンUBK535(三菱化学社製)、AMBERLITE CR1310Ca(ダウケミカル社製)等のアルカリ土類金属型陽イオン交換樹脂を挙げることができる。
陽イオン交換樹脂との接触処理は、バッチ方式、連続方式のいずれも用いることができる。また、陽イオン交換樹脂を混合液中に分散し、その後ろ過により陽イオン交換樹脂を分離しても良い。工業的には、陽イオン交換樹脂を充填したカラムに上記混合物を通液して接触処理する固定床方式を採用することができる。
固定床方式の接触条件は、精製グリセリンアルキルエーテルの製造効率、高純度及び高収率化の観点から、空塔速度(SV)が、0.5/hr以上が好ましく、2/hr以上がより好ましい。また、上記と同様の観点から、10/hr以下が好ましく、4/hr以下がより好ましい。また、SVの範囲としては、0.5〜10/hrが好ましく、2〜4/hrがより好ましい。空塔基準の線速度は、上記と同様の観点から、0.2m/h以上が好ましく、1m/h以上がより好ましい。また、上記と同様の観点から、4.9m/h以下が好ましく、2m/h以下がより好ましい。また、線速度の範囲としては、0.2〜4.9m/hが好ましく、1〜2m/hがより好ましい。接触温度は、上記と同様の観点から、30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上が更に好ましい。また、上記と同様の観点から、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、65以下が更に好ましい。また、接触温度の範囲としては、30〜90℃が好ましく、40〜80℃がより好ましく、50〜65℃が更に好ましい。
固定床方式では、陽イオン交換樹脂に吸着されずに透過した画分を回収する。
工程(2)は、工程(1)後の陽イオン交換樹脂に、SP値が20.5〜34〔(MPa)1/2〕である溶媒を接触させて溶出液を得る工程である。このような溶液を溶離液として使用することにより、グリセリンとグリセリンアルキルエーテルの陽イオン交換樹脂への吸着能の差を顕著にすることができる。これにより、グリセリン濃度を低下させ、グリセリンアルキルエーテルの濃度を高めた溶出液を得ることができる。ここで、本明細書において「溶離液」とは、陽イオン交換樹脂に吸着された吸着物質を陽イオン交換樹脂から分離させる溶媒のことであり、また「溶出液」とは陽イオン交換樹脂から分離された吸着物質を含む溶液をいう。この溶出液は、溶出液の前半の画分にはグリセリンアルキルエーテルに富む画分が得られ、溶出液の後半の画分にはグリセリンに富む画分が得られる。
本発明においては、SP値が20.5〜34〔(MPa)1/2〕である溶媒を使用するが、精製グリセリンアルキルエーテルの製造効率、高純度化及び高収率の観点、また原料液と分離液が共に溶解できる溶媒という観点から、23〔(MPa)1/2〕以上が好ましく、24〔(MPa)1/2〕以上がより好ましく、25〔(MPa)1/2〕以上が更に好ましく、26〔(MPa)1/2〕以上が更に好ましい。また、上記と同様の観点から、33〔(MPa)1/2〕以下が好ましく、32〔(MPa)1/2〕以下がより好ましく、31〔(MPa)1/2〕以下が更に好ましく、30〔(MPa)1/2〕以下が更に好ましい。溶媒のSP値の範囲としては、23〜33〔(MPa)1/2〕、より好ましくは24〜32〔(MPa)1/2〕、更に好ましくは25〜31〔(MPa)1/2〕、更に好ましくは26〜30〔(MPa)1/2〕である。ここで、本明細書において「SP値」とは溶解度パラメーターを意味し、J.BRANDRUP著「POLYMER HANDBOOK 4th」(JOHN WILEY&SONS,INC 1999年発行)、VII688〜694項に示された値、又はFedorsの方法にしたがい、J.BRANDRUP著「POLYMER HANDBOOK 4th」、VII685〜686項に示されるパラメーターを用いて算出した値を用いることができる。
また、2種以上の溶媒を混合する場合、SP値が20.5〜34〔(MPa)1/2〕の範囲外にある溶剤を、混合後の溶媒のSP値が上記範囲内となるように適宜組み合わせて使用することもできる。このような溶媒としては、例えば、ヘキサン(14.7)、アセトン(20.1)、酢酸(21.5)、イソプロピルアルコール(23.6)等が挙げられる。なお、2種以上の溶媒を混合する場合、混合後の溶媒のSP値は、各溶媒のSP値に各溶媒の体積比率を乗じた値の総和とする。
陽イオン交換樹脂と溶媒との接触処理は、前述の工程(1)と同様にバッチ式、連続式のいずれも採用することができる。また、固定床方式等を好ましく採用することができる。
接触条件は、精製グリセリンアルキルエーテルの製造効率、高純度及び高収率化の観点から、空塔速度(SV)が、0.5/hr以上が好ましく、2/hr以上がより好ましい。また、上記と同様の観点から、10/hr以下が好ましく、4/hr以下がより好ましい。また、SVの範囲としては、0.5〜10/hrが好ましく、2〜4/hrがより好ましい。空塔基準の線速度は、上記と同様の観点から、0.2m/h以上が好ましく、1m/h以上がより好ましい。また、上記と同様の観点から、4.9m/h以下が好ましく、2m/h以下がより好ましい。また、線速度の範囲としては、0.2〜4.9m/hが好ましく、1〜2m/hがより好ましい。接触温度は、上記と同様の観点から、30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上が更に好ましい。また、上記と同様の観点から、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、65以下が更に好ましい。また、接触温度の範囲としては、30〜90℃が好ましく、40〜80℃がより好ましく、50〜65℃が更に好ましい。
全カラムの本数は、精製グリセリンアルキルエーテルの製造効率、高純度及び高収率化の観点から、8〜16本が好ましく、10〜14本が好ましく、12本が更に好ましい。また、充填床群が4つのゾーンで構成される場合、各ゾーンのカラム本数は、ゾーン1が2〜4本、ゾーン2が3〜4本、ゾーン3が3〜4本、ゾーン4が3〜4本が好ましく、より好ましくはゾーン1が2本、ゾーン2が4本、ゾーン3が3本、ゾーン4が3本である。
接触温度は、好ましくは30〜90℃、より好ましくは40〜80℃、更に好ましくは50〜65℃である。
擬似移動床方式においては、エクストラクト画分はグリセリンに富み、ラフィネート画分はグリセリンアルキルエーテルに富むため、ラフィネート画分が回収される。
<1>
下記の工程(1)及び(2);
工程(1):グリセリン及びグリセリンアルキルエーテルを含む混合物を陽イオン交換樹脂に接触させる工程
工程(2):前記陽イオン交換樹脂にSP値が20.5〜34〔(MPa)1/2〕である溶媒を接触させて溶出液を得る工程
を含む、精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
前記陽イオン交換樹脂の平均粒子径が、好ましくは100〜900μm、より好ましくは150〜550μm、更に好ましくは200〜500μm、更に好ましくは250〜450μm、更に好ましくは300〜400μmである、前記<1>記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<3>
前記陽イオン交換樹脂の平均粒子径が、好ましくは100μm以上、より好ましくは150μm以上、更に好ましくは200μm以上、更に好ましくは250μm以上、更に好ましくは300μm以上であって、好ましくは900μm以下、より好ましくは550μm以下、更に好ましくは500μm以下、更に好ましくは450μm以下、更に好ましくは400μm以下である、前記<1>記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<4>
前記陽イオン交換樹脂がアルカリ金属型及びアルカリ土類金属型から選ばれる少なくとも1種である、前記<1>〜<3>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<5>
前記陽イオン交換樹脂がゲル形である、前記<1>〜<4>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<6>
前記陽イオン交換樹脂が強酸性である、前記<1>〜<5>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<7>
前記陽イオン交換樹脂の架強度が、好ましくは2〜20%、より好ましくは4〜16%、更に好ましくは6〜10%である、前記<1>〜<6>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<8>
前記陽イオン交換樹脂の交換容量が、好ましくは0.5meq/mL〜3.0meq/mL、より好ましくは1.0meq/mL〜2.5meq/mL、更に好ましくは1.3meq/mL〜1.8meq/mLである、前記<1>〜<7>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<9>
前記溶媒の含水率が好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である、前記<1>〜<8>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
前記陽イオン交換樹脂の使用量が、前記混合物/陽イオン交換樹脂の容量比(v/v)として、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.03以上であって、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.05以下である、前記<1>〜<9>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<11>
前記陽イオン交換樹脂の使用量が、前記混合物/陽イオン交換樹脂の容量比(v/v)として、好ましくは0.005〜0.5、より好ましくは0.01〜0.1、更に好ましくは0.03〜0.05である、前記<1>〜<9>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<12>
前記溶媒のSP値が、好ましくは23〔(MPa)1/2〕以上、より好ましくは24〔(MPa)1/2〕以上、更に好ましくは25〔(MPa)1/2〕以上、更に好ましくは26〔(MPa)1/2〕以上であって、好ましくは33〔(MPa)1/2〕以下、より好ましくは32〔(MPa)1/2〕以下、更に好ましくは31〔(MPa)1/2〕以下、更に好ましくは30〔(MPa)1/2〕以下である、前記<1>〜<11>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<13>
前記溶媒のSP値が、好ましくは23〜33〔(MPa)1/2〕、より好ましくは24〜32〔(MPa)1/2〕、更に好ましくは25〜31〔(MPa)1/2〕、更に好ましくは26〜30〔(MPa)1/2〕である、前記<1>〜<11>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<14>
前記溶媒は、大気圧における沸点が好ましくは40〜95℃、より好ましくは50〜90℃、更に好ましくは55〜85℃、更に好ましくは60〜80℃である、前記<1>〜<13>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<15>
前記工程(1)における混合物が溶媒を含み、該溶媒と前記工程(2)で使用する溶媒が同一である、前記<1>〜<14>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<16>
前記溶媒がメタノール及びエタノールから選ばれる少なくとも1種である、前記<1>〜<15>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
前記陽イオン交換樹脂との接触処理が固定床方式である場合、空塔速度(SV)は、好ましくは0.5〜10/hr、更に好ましくは2〜4/hrである、前記<1>〜<16>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<18>
前記工程(1)における陽イオン交換樹脂との接触処理が固定床方式である場合、空塔基準の線速度は、好ましくは0.2〜4.9m/h、より好ましくは1〜2m/hである、前記<1>〜<17>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<19>
前記工程(1)における陽イオン交換樹脂との接触処理が固定床方式である場合、接触
温度は、好ましくは30〜90℃、より好ましくは40〜80℃、更に好ましくは50〜65℃である、前記<1>〜<18>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<20>
前記工程(2)における陽イオン交換樹脂との接触処理が固定床方式である場合、空塔速度(SV)は、好ましくは0.5〜10/hr、更に好ましくは2〜4/hrである、前記<1>〜<19>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<21>
前記工程(2)における陽イオン交換樹脂との接触処理が固定床方式である場合、空塔基準の線速度は、好ましくは0.2〜4.9m/h、より好ましくは1〜2m/hである、前記<1>〜<20>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<22>
前記工程(2)における陽イオン交換樹脂との接触処理が固定床方式である場合、接触温度は、好ましくは30〜90℃、より好ましくは40〜80℃、更に好ましくは50〜65℃である、前記<1>〜<21>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<23>
前記工程(2)における陽イオン交換樹脂との接触処理が固定床方式である場合、前記溶媒の使用量は、前記混合物に対して、好ましくは2容量倍以上、より好ましくは5容量倍以上、更に好ましくは10容量倍以上、更に好ましくは20容量倍以上であって、好ましくは200容量倍以下、より好ましくは180容量倍以下、更に好ましくは160容量倍以下、更に好ましくは150容量倍以下である、前記<1>〜<22>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<24>
前記工程(2)における陽イオン交換樹脂との接触処理が固定床方式である場合、前記溶媒の使用量は、前記混合物に対して、好ましくは2〜200容量倍、より好ましくは5〜180容量倍、更に好ましくは10〜160容量倍、更に好ましくは20〜150容量倍である、前記<1>〜<22>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
前記工程(1)及び(2)を疑似移動床式クロマトグラフィーにより行う、前記<1>〜<16>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<26>
溶離液である溶媒の供給速度(Ud)と、原料液である上記混合物の供給速度(Uf)との比(Ud/Uf)は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは3.5以上、更に好ましくは4以上、更に好ましくは5以上であって、好ましくは40以下、より好ましくは25以下、更に好ましくは20以下、更に好ましくは18以下、更に好ましくは15以下である、前記<25>記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<27>
溶媒の供給速度(Ud)と、前記混合物の供給速度(Uf)との比(Ud/Uf)が、好ましくは2〜40、より好ましくは3〜25、更に好ましくは3.5〜20、更に好ましくは4〜18、更に好ましくは5〜15である、前記<25>記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<28>
全カラム長さに対する供給速度(Uf)が、好ましくは0.001〜0.1[m/m/h]、より好ましくは0.005〜0.05[m/m/h]、更に好ましくは0.01〜0.03[m/m/h]である、前記<25>又は<26>記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<29>
全カラムの本数が、好ましくは8〜16本、より好ましくは10〜14本、更に好ましくは12本である、前記<25>〜<28>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<30>
充填床群が4つのゾーンで構成される場合、各ゾーンのカラム本数は、ゾーン1が2〜4本、ゾーン2が3〜4本、ゾーン3が3〜4本、ゾーン4が3〜4本が好ましく、ゾーン1が2本、ゾーン2が4本、ゾーン3が3本、ゾーン4が3本がより好ましい、前記<25>〜<29>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<31>
接触温度が、好ましくは30〜90℃、より好ましくは40〜80℃、更に好ましくは50〜65℃である、前記<25>〜<30>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
前記混合物がグリセリンと、アルキルグリシジルエーテル又はオレフィンとの反応生成物を含む、前記<1>〜<31>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<33>
前記グリセリンの仕込み量が前記アルキルグリシジルエーテルに対して好ましくは1〜10モル倍、より好ましくは1.2〜7モル倍、更に好ましくは2〜6モル倍である、前記<32>記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<34>
前記反応生成物中のグリセリンアルキルエーテルの含有量が好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%、更に好ましくは15〜40質量%である、前記<32>又は<33>記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<35>
前記工程(2)の後に、工程(2)で得られた溶出液中の溶媒を除去する工程を含む、前記<1>〜<34>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<36>
精製グリセリンアルキルエーテルの純度は、通常46〜100質量%であり、好ましくは50〜99.8%、より好ましくは70〜99.5%、更に好ましくは75〜99%、更に好ましくは85〜98.5%、更に好ましくは90〜98%である、前記<1>〜<35>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<37>
精製グリセリンアルキルエーテルの回収率が、好ましくは80%〜100質量%であり、下限値はより好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上である、前記<1>〜<36>のいずれか一に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
<乾燥条件>
試料を40℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して得られた乾燥残分をガスクロマトグラフィー(GC)にて分析した。サンプル量が多い場合、又は、高沸点成分の溶媒を用いている場合は、試料を40℃/10Torrの条件にてエバポレーターにて濃縮した後、そのまま40℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して得られた乾燥残分をガスクロマトグラフィー(GC)又は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析にて分析した。
<ガスクロマトグラフィー(GC)分析>
試料にトリメチルシリル化剤(GLサイエンス社製、TMSI−H)を添加混合し、固形分をろ別後、以下の条件のGCにて定量分析した。
・GC装置: HP6850 Series(HEWLETT PACKARD社製) ・カラム :DB1−HT(J&W社製、内径0.25mm、長さ15m、膜厚0.1mm)
・キャリアガス:He
・ガス流量 :1.0mL/分
・注入口温度:300℃
・検出器 :FID方式
・検出器温度:300℃
・カラム温度条件:60℃を2分間保持→毎分10℃で昇温→350℃を保持
試料にアセトニトリル/水を添加混合し、以下の条件のHPLCにて定量分析した。
・HPLC装置:HITACHI D−7000
・流量:1.0mL/分
・検出器:ESA Biosciences社製 Corona CAD Detector
カラム:東ソー社製 TSK−GEL Amide−80、5μm、4.6×250mm
溶液条件:50体積%アセトニトリル/水(蒸留水)
・カラム :GL Science社製InertsilC8−3、5μm、4.6×150mm
・溶液条件:アセトニトリル/水(蒸留水)
アセトニトリル45体積%を3分間保持、45から98体積%まで9分間のリニアグラジエント、その後98体積%を保持。
陽イオン交換樹脂の平均粒径の測定には、レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置(LS 13 320、BECKMAN COULTER)を用いた。
試料の含水率の測定は、カールフィッシャー電量滴定法によった。以下の装置及び試薬を用いた。
・装置:HIRANUMA AQ−300
・試薬:アクアライト RO−A(平沼産業社製)
反応槽にラウリルアルコール(花王製)150kgと、トリフルオロメタンスルホン酸ランタン(東京化成社製)1.20kgを仕込み撹拌を開始した。100℃まで昇温後、グリシドール(日本油脂社製)を4.5時間かけて滴下し、その後3時間熟成を行った。熟成終了後、メタノール(大商化成製)を100L加え溶解させた後、イオン交換樹脂(Purolite MB378LT)を100L加え、室温で20時間攪拌した。濾過にてイオン交換樹脂を除去した後、圧力4.0〜5.3kPaの条件下で90℃まで昇温し、メタノールを留去し、蒸留原料238kgを得た。このうち231.7kgを0.02kPaの条件下で分子蒸留を行い、未反応ラウリルアルコールとグリセリンラウリルエーテルを留去し、反応槽に残存した72.0kgを「反応生成物1」とした。
次に、「反応生成物1」とジグリセリン(東京化成社製)を、「反応生成物1」/ジグリセリンの質量比が39.9/60.1となるように混合させた液を「原料1」として用いた。「原料1」の組成を表1に示す。
「反応生成物1」とジグリセリン(東京化成社製)を、「反応生成物1」/ジグリセリンの質量比が32.1/67.9となるように混合させた液を「原料2」として用いた。「原料2」の組成を表1に示す。
反応工程(1)
反応槽にモノグリセリン500kgと炭酸カリウム(和光純薬社製)3.75kgを添加し、撹拌を開始した。67kPaに減圧後、240℃に昇温した。撹拌を継続し反応で生じた水を除去しながら8.5時間その温度と圧力を維持しモノグリセリンを重合させた。
次いで生成物にイオン交換水460L添加して水溶液とした。水溶液にイオン交換樹脂(Purolite MB378LT)198kgを添加し、スラリーの温度を40℃に維持して、5時間撹拌を行い、脱イオンを行った。
反応槽から全てのスラリーを抜き出し、イオン交換樹脂をろ別した。
ろ液を反応槽に添加し、圧力0.47kPa、温度145℃にてろ液から脱水を行った。
その後、圧力0.47kPaに保持したまま、230℃まで液温を上げて、グリセリンの重合度の低い成分を留去した。
反応槽の圧力を0.17kPaに下げて、260℃まで液温を上げて、ジグリセリンを主成分とする留分を得た。
反応槽に残存した成分に上記留分を混合した混合物をグリセリンとして反応工程(2)に用いた。
ラウリルグリシジルエーテル19.8gとグリセリン121gを4ツ口フラスコに一括で仕込み、200℃、窒素雰囲気下、無触媒条件で4時間反応を行い「反応生成物2」を得た。この反応生成物2を「原料3」として用いた。「原料3」の組成を表1に示す。
グリセリンの仕込み量は、アルキルグリシジルエーテルに対して6モル倍であった。
「反応生成物1」とグリセリン#310(阪本薬品製)を、「反応生成物1」/グリセリン#310の質量比が32/68となるように混合させた液を「原料4」として用いた。「原料4」の組成を表1に示す。
(溶解確認)
「Bond Elut Jr C18 バリアン社製」1gに、予め、99.5%EtOH(2mL)を通液し、続いて30%EtOH(2mL)を2回通液し、洗浄を行った。
次に、「原料3」0.1606gを30%EtOH(2mL)に溶解させた「溶解評価原料液」を予め洗浄した「Bond Elut Jr C18」に通液させ、さらに30%EtOH(2mL)を5回通液して回収液を回収した(Fr.1)。次に、60%EtOH(2mL)を8回通液して回収液を回収した(Fr.2)、最後に99.5%EtOH(4mL)を4回通液して回収液を回収した(Fr.3)。
「溶解評価原料液」、「溶解評価原料液」の(Fr.1)、(Fr.2)、(Fr.3)に含まれる溶媒を、前述のクロマトグラフィー分析における乾燥条件にて溶媒を除去した後、再度表2に記載の溶媒に接触させた時の溶解特性について評価を行った。ここで、「溶解評価原料液」の(Fr.1)、(Fr.2)、(Fr.3)の「溶媒除去試料」を前述のクロマトグラフィー分析に供したところ、「溶解評価原料液」の(Fr.1)の「溶媒除去試料」には成分1(重合度5以下のグリセリン)と成分2(重合度6以上のグリセリン及びグリセリン環状体)のみが、「溶解評価原料液」の(Fr.2)の「溶媒除去試料」には成分3(重合度5以下のグリセリンモノアルキルエーテル)と成分4(重合度6以上のグリセリンモノアルキルエーテル)のみが、「溶解評価原料液」の(Fr.3)の「溶媒除去試料」には成分5(グリセリンジアルキルエーテル)のみが含まれていた。
評価は、再度所定の溶媒に溶かした液を50℃に温度調整して、各溶解液の性状を目視にて確認した。なお、溶媒の使用量は溶媒濃度が50質量%となるようにして溶解評価を行った。その結果を表2に示す。
評価基準
○:30分以内に溶解(白濁や分相がみられない)する。
×:30分以内に溶解(白濁や分相がみられない)しない。
対イオンとしてナトリウムイオンを有するゲル形強酸性陽イオン交換樹脂(平均粒子径315μm、AMBERLITE CR1310 Na、架強度6%、交換容量1.5meq/mL、ダウケミカル社製)39mLを、1本のカラム(内径10mm×高さ50cmm、空隙率0.4)に充填した。次に、「原料1」を混合物中の溶媒の含有量が50質量%となるようにメタノールに溶解した溶液を原料液とし、溶離液としてメタノールを用いた。メタノールのSP値は、29.7〔(MPa)1/2〕である。通液は、空塔速度を3.1/h、空塔線速度を1.53m/h、槽内接触温度を60℃、溶媒温度を65℃の条件にて通液を行った。また、原料液を50秒通した後、上記溶離液を119分通液しながら、カラム出口にて得られる回収液を、2分毎にサンプリングした。
原料1/陽イオン交換樹脂の容量比(v/v)は、0.042であった。
原料1に対する溶媒の使用量(v/v)は、143であった。
得られた回収液を、ガスクロマトグラフィー分析に供し、各成分のクロマトグラムを作成した。40℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥させることで溶媒が完全に揮発した。エバポレーターを用いた原料液の濃縮でも泡立ちは発生せず、分析用のサンプル回収が可能であった。得られた分析値より各成分の分配係数Kを求め、表3に示した。ここで、分配係数Kは樹脂への吸着量を各成分の溶出液への溶出量で除した値であり、成分ごとの分配係数の差が大きい場合にそれらの成分の分離が良好であることを示すものである。また、各成分の総括移動係数Kfavを求め、表4に示した。さらに、表5に示す通液条件にて、クロマト分離シミュレータ(オルガノ(株)製)を用いて擬似移動床式クロマト分離における組成計算を行った。
予備検討で用いた吸着剤が充填された、12本のカラムを直列かつ無端に連結し、ゾーン1が2本のカラム、ゾーン2が4本のカラム、ゾーン3が3本のカラム、ゾーン4が3本のカラムにより構成される、図1に示す擬似移動床分離装置を、槽内接触温度を60℃、溶媒温度を65℃で運転することを想定し、クロマト分離シミュレータを用いた組成計算を行った。各ゾーンの通液速度をそれぞれU1〜U4とした。
原料液をゾーン2へ通液し、その供給速度をUfとした。溶離液はゾーン4へ通液し、その供給速度をUdとした。
ゾーン2から排出される液は、一部をラフィネートとして回収し、残りをゾーン1へ送液した。なお、ラフィネート排出速度をUaとした。ラフィネート画分は、「成分3(重合度5以下のグリセリンモノアルキルエーテル)」、「成分4(重合度6以上のグリセリンモノアルキルエーテル)」及び「成分5(グリセリンジアルキルエーテル)」に富む画分である。
ゾーン4から排出される液は、一部をエクストラクトとして回収し、残りをゾーン3へ送液した。なお、エクストラクト排出速度をUcとした。エクストラクト画分は「成分1(重合度5以下のグリセリン)」及び「成分2(重合度6以上のグリセリン及びグリセリン環状体)」に富む画分である。
かかる操作を連続的に行うために、切り替え時間Ts[hr]毎に原料導入口、溶剤導入口、及び各排出口の場所を切り替える計算を行った。
また、組成計算は、Uf、Ud/Uf、Time Cycleを一定にし、U1、U3、U4、Ud、及びUcを任意に変化させる条件にて行った。その計算結果を表5に示す。
対イオンとしてカルシウムイオンを有するゲル形強酸性陽イオン交換樹脂(平均粒子径315μm、AMBERLITE CR1310 Ca、架強度6%、交換容量1.5meq/mL、ダウケミカル社製)を使用し、実施例1と同様の操作により、各成分のクロマトグラムを作成した。そして、クロマトグラムから求めた表3の分配係数と表4の総括物質移動係数を用い、表5に示す操作条件に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により疑似移動床式クロマト分離における組成計算を行った。計算結果を表5に示す。
混合物中の溶媒の含有量が15質量%の原料液を使用し、実施例1と同様の操作と分析により、各成分のクロマトグラムを作成した。そして、クロマトグラムから求めた表3の分配係数と表4の総括物質移動係数を用い、表5に示す操作条件に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により疑似移動床式クロマト分離における組成計算を行った。計算結果を表5に示す。
溶離液としてエタノールを使用し、実施例1と同様の操作と分析により、各成分のクロマトグラムを作成した。そして、クロマトグラムから求めた表3の分配係数と表4の総括物質移動係数を用い、表5に示す操作条件に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により疑似移動床式クロマト分離における組成計算を行った。計算結果を表5に示す。
平均粒子径が213μmのゲル形強酸性陽イオン交換樹脂(UBK530、架強度6%、交換容量1.6meq/mL、三菱化学社製)を使用し、実施例4と同様の操作と分析により、各成分のクロマトグラムを作成した。そして、クロマトグラムから求めた表3の分配係数と表4の総括物質移動係数を用い、表5に示す操作条件に変更したこと以外は、実施例4と同様の操作により疑似移動床式クロマト分離における組成計算を行った。計算結果を表5に示す。
平均粒子径が834μmのゲル形強酸性陽イオン交換樹脂(SK104、架強度4%、交換容量1.2meq/mL、三菱化学社製)を使用し、実施例4と同様の操作と分析により、各成分のクロマトグラムを作成した。そして、クロマトグラムから求めた表3の分配係数と表4の総括物質移動係数を用い、表5に示す操作条件に変更したこと以外は、実施例4と同様の操作により疑似移動床式クロマト分離における組成計算を行った。計算結果を表5に示す。
平均粒子径が834μmのポーラス形強酸性陽イオン交換樹脂(PK220、架強度10%、交換容量1.9meq/mL、三菱化学社製)を使用し、実施例4と同様の操作と分析により、各成分のクロマトグラムを作成した。そして、クロマトグラムから求めた表3の分配係数と表4の総括物質移動係数を用い、表5に示す操作条件に変更したこと以外は、実施例4と同様の操作により疑似移動床式クロマト分離における組成計算を行った。計算結果を表5に示す。
溶離液として蒸留水を使用したこと以外は、実施例3と同様の操作により行った。前述のクロマトグラフィー分析における乾燥条件にしたがい、40℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して乾燥させても溶媒が揮発しなかった。さらに、エバポレーターを用いた原料液の濃縮では泡立ちが発生し、分析用のサンプル回収が困難であった。
溶離液として蒸留水とエタノールの混合液(水分含量7質量%)を使用し、平均粒子径が303μmの芳香族系合成吸着剤(USP70、三菱化学社製)を使用したこと以外は、実施例3と同様の操作により行った。前述のクロマトグラフィー分析における乾燥条件にしたがい、40℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して乾燥させても十分に溶媒が揮発しなかった。さらに、エバポレーターを用いた原料液の濃縮では泡立ちが発生し、分析用のサンプル回収が困難であった。
吸着剤として平均粒子径が303μmの芳香族系合成吸着剤(USP70、三菱化学社製)を使用し、実施例4と同様の操作と分析により、各成分のクロマトグラムを作成した。そして、クロマトグラムから求めた表3の分配係数と表4の総括物質移動係数を用い、表5に示す操作条件に変更したこと以外は、実施例4と同様の操作により疑似移動床式クロマト分離における組成計算を行った。計算結果を表5に示す。
吸着剤として平均粒子径が263μmのシリカゲル(シリカゲル4B、富士シリシア社製)を使用し、実施例1と同様の操作と分析により、各成分のクロマトグラムを作成した。そして、クロマトグラムから求めた表3の分配係数と表4の総括物質移動係数を用い、表5に示す操作条件に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により疑似移動床式クロマト分離における組成計算を行った。計算結果を表5に示す。
原料液として「原料2」を使用し、実施例3と同様の操作と分析により、各成分のクロマトグラムを作成した。そして、クロマトグラムから求めた表3の分配係数と表4の総括物質移動係数を用い、表6に示す操作条件に変更したこと以外は、実施例3と同様の操作により疑似移動床式クロマト分離における組成計算を行った。計算結果を表6に示す。
原料液として「原料2」を使用し、実施例4と同様の操作と分析により、各成分のクロマトグラムを作成した。そして、クロマトグラムから求めた表3の分配係数と表4の総括物質移動係数を用い、表6に示す操作条件に変更したこと以外は、実施例4と同様の操作により疑似移動床式クロマト分離における組成計算を行った。計算結果を表6に示す。
原料液として「原料3」を使用し、実施例1と同様の操作により得られた回収液を、高速液体クロマトグラフィー分析に供し、各成分のクロマトグラムを作成した。そして、クロマトグラムから求めた表3の分配係数と表4の総括物質移動係数を用い、表6に示す操作条件に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により疑似移動床式クロマト分離における組成計算を行った。計算結果を表6に示す。
原料液として「原料4」を使用し、実施例3と同様の操作により得られた回収液を、高速液体クロマトグラフィー分析に供し、各成分のクロマトグラムを作成した。そして、クロマトグラムから求めた表3の分配係数と表4の総括物質移動係数を用い、表6に示す操作条件に変更したこと以外は、実施例3と同様の操作により疑似移動床式クロマト分離における組成計算を行った。計算結果を表6に示す。
Claims (15)
- 下記の工程(1)及び(2);
工程(1):グリセリン及びグリセリンアルキルエーテルを含む混合物を陽イオン交換樹脂に接触させる工程
工程(2):前記陽イオン交換樹脂にSP値が20.5〜34〔(MPa)1/2〕である溶媒を接触させて溶出液を得る工程
を含む、精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。 - 前記陽イオン交換樹脂の平均粒子径が100〜900μmである、請求項1記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
- 前記陽イオン交換樹脂がアルカリ金属型及びアルカリ土類金属型から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
- 前記陽イオン交換樹脂がゲル形である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
- 前記陽イオン交換樹脂が強酸性である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
- 前記溶媒の含水率が5質量%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
- 前記工程(1)における混合物が溶媒を含み、該溶媒と前記工程(2)で使用する溶媒が同一である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
- 前記溶媒がメタノール及びエタノールから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
- 前記工程(1)及び(2)を疑似移動床式クロマトグラフィーにより行う、請求項1〜8のいずれか1項に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
- 前記溶媒の供給速度(Ud)と、前記混合物の供給速度(Uf)との比(Ud/Uf)が2〜40質量倍である、請求項9記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
- 前記混合物がグリセリンと、アルキルグリシジルエーテル又はオレフィンとの反応生成物を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
- 前記グリセリンの仕込み量が前記アルキルグリシジルエーテルに対して1〜10モル倍である、請求項11記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
- 前記反応生成物中のグリセリンアルキルエーテルの含有量が5〜60質量%である、請求項11又は12記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
- 前記工程(2)の後に、工程(2)で得られた溶出液中の溶媒を除去する工程を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
- 精製グリセリンアルキルエーテルの純度が46〜100質量%である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の精製グリセリンアルキルエーテルの製造方法。
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