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JP2013195289A - 感覚刺激成分の評価方法 - Google Patents

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JP2013195289A JP2012064154A JP2012064154A JP2013195289A JP 2013195289 A JP2013195289 A JP 2013195289A JP 2012064154 A JP2012064154 A JP 2012064154A JP 2012064154 A JP2012064154 A JP 2012064154A JP 2013195289 A JP2013195289 A JP 2013195289A
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Yoshihiro Yaguchi
善博 矢口
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恭子 財前
Toshinori Saima
俊昇 濟間
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Takasago International Corp
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Abstract

【課題】感覚刺激の差異を客観的、具体的に評価することができる感覚刺激成分の後残り感の評価方法を提供する。
【解決手段】味覚解析用液体クロマトグラフシステムを用いた被験成分中の感覚刺激成分の評価方法であって、被験成分を味覚解析用液体クロマトグラフシステムにより測定して味覚評価データを得、味覚評価データを指標として、被験成分の強度の継続的変化から被験成分の感覚刺激強度の持続性を評価する感覚刺激成分の評価方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、被験成分の評価方法に関し、より具体的には、被験成分の皮膚や口腔内等に対する感覚刺激強度の持続性を評価する方法に関する。
従来、皮膚外用剤や口腔用組成物等が使用者に与える感覚刺激成分の評価は、主として人の感覚に頼った官能統計評価により行われてきた。
また、他の評価方法としては、角質水分量、経皮水分蒸散量の測定による方法、電療知覚閾値(CPT)の測定による方法、血中lgEの測定による方法、マウスの引っ掻き行動に基づく評価方法、In vitroカルシウムイオン濃度の測定による方法(特許文献1)、心電図及び皮膚電気反射を測定する方法(特許文献2)、TRPA1による活性物質を評価する方法(特許文献3)等がある。
一方、味覚強度に関しては、人間の味覚を頼らずに味の評価が行える装置として、特許文献4などに開示されているような味認識装置が知られている。この味認識装置は、脂質膜(高分子膜)と化学物質である分析対象物質との相互作用によって脂質膜電極と基準となる参照電極との電位差に基づいて分析対象である試料の味の評価を行うようにしたものである。
更に、特許文献5には、味認識装置を用いた後味の強さの評価を行う方法について開示されている。特許文献5に記載の方法は、味覚センサー(分子膜センサー)を用いて、食品を口に含んだ瞬間の味「先味」と、食品を飲み込んだ後に残る味「後味」の2種類で味の評価を行う。基準液の電位をゼロとして、サンプル液との電位差を先味として測定し、その後センサーを軽く洗浄して、再度基準液を測定した時の電位差を後味として測定を行っており、次の手段で以って測定を進めている。
工程(1):最初に、味覚センサーを基準液(30mM KClと0.3mM酒石酸を含んだ、ほぼ無味の溶液。人間の唾液に相当する。)と呼ばれる溶液に浸して、膜電位Vrを得る。
工程(2):次に、サンプル液に味覚センサーを浸すと、呈味物質との相互作用により、膜電位がVsに変化をする。ここで得られる膜電位変化「Vs−Vr」は、1番目のセンサー出力「相対値」と呼ばれ、酸味や塩味などの先味に相当する。
工程(3):その後、味覚センサーを基準液で簡単に共洗いをする。
工程(4):再度、基準液に味覚センサーを浸して、膜電位Vr´を得る。工程(1)と同じ基準液に浸して、工程(3)で苦味物質や渋味物質などが脂質膜表面に吸着している場合は膜電位がVr´となる。ここで得られる膜電位変化「Vr´−Vr」は、2番目のセンサー出力「CPA値」(CPA=Change of membrane Potential by Adsorptionの略)と呼ばれ、苦味や渋味などの後味に相当する。
工程(5):脂質膜表面に吸着している呈味物質を完全に落とすために、アルコール洗浄液で充分に洗浄する。
工程(6):再度、基準液に味覚センサーを接触させ、それらの味覚センサーの信号出力が安定するまで待ち、その信号レベルが測定前の、つまり上記工程(1)のレベルに戻ることを確認する。
工程(7):工程(6)において信号レベルが測定前のレベルに戻らなければ工程(5)および工程(6)を再度行い、その信号レベルが測定前に戻るまで行う。
特開2002−372530号公報 特開2006−75364号公報 米国特許出願公開第2009/148938号公報 特開平3−163351号公報 特開2002−243695号公報
人による官能評価方法は客観性に乏しく、感覚刺激の差異を具体的に数値で客観的に比較することは困難であった。また、上述した従来の味認識装置では、分析対象の試料全体における先味(酸味や塩味)および後味(苦味や渋味)の味質の評価を行うことを目的としており、試料に含まれる各種味覚の個々の後残り感を捉えることはできない。したがって、こうした従来の方法では、どのような成分が感覚刺激強度の持続性が強いかを客観的に調べることはできなかった。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、感覚刺激の差異、特に、被験成分の感覚刺激強度の持続性(感覚刺激成分の後残り感の強さ)を客観的かつ具体的に評価することができる感覚刺激成分の評価方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、味覚解析用液体クロマトグラフシステムを用いて得られる味覚評価データを指標として、被験成分の感覚刺激強度の持続性を評価できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]から[10]に関するものである。
[1]味覚解析用液体クロマトグラフシステムを用いた被験成分中の感覚刺激成分の評価方法であって、被験成分を前記味覚解析用液体クロマトグラフシステムにより測定して味覚評価データを得、前記味覚評価データを指標として、前記被験成分の強度の継続的変化から前記被験成分の感覚刺激強度の持続性を評価する感覚刺激成分の評価方法。
[2]類似する複数の被験成分をそれぞれ前記味覚解析用液体クロマトグラフシステムにより測定し、得られた味覚評価データを指標として、前記被験成分を類似するグループに区別することにより、前記被験成分の感覚刺激強度の持続性を評価する、前記[1]記載の評価方法。
[3]前記味覚解析用液体クロマトグラフシステムが、
(a)前記被験成分中の前記感覚刺激成分を時間経過に伴って検出するための、互いに異なる応答特性を有する複数の味覚センサーを含む味検出部と、
(b)前記複数の味覚センサーにより得られる検出信号を処理することにより、各感覚刺激成分に関する味覚評価データを求める信号処理部と、を備える、前記[1]又は[2]記載の評価方法。
[4]前記味覚評価データは、前記味覚センサーが反応したセンサー反応の強度を指標として測定される、前記[3]記載の評価方法。
[5]前記センサー反応の強度の最大値に対する、前記センサー反応の強度最大値を示した時間から一定時間が経過したときのセンサー反応の強度の大きさの比率に基づいて評価する、前記[4]記載の評価方法。
[6]下記式(1)
Figure 2013195289
(式中、kは、評価に使用する味覚センサー数であり、nは第n番目のセンサーを意味し、P(T)は保持時間Tにおけるセンサー反応の絶対値であり、Tmaxは、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間であり、Tは、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間からの一定の経過時間であり(T≧Tmax)、Cは第n番目のセンサー反応が感覚強度評価へ与える寄与度を示す係数である。)
で計算される評価値に基づいて評価する、前記[5]記載の評価方法。
[7]前記センサー反応の強度の最大値に対する、前記センサー反応の強度最大値を示した時間から一定時間が経過したときのセンサー反応の強度の大きさの比率の積算値に基づいて評価する、前記[4]記載の評価方法。
[8]下記式(2)
Figure 2013195289
(式中、kは、評価に使用する味覚センサー数であり、nは第n番目のセンサーを意味し、P(t)は保持時間tにおけるセンサー反応の絶対値であり、Tmaxは、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間であり、Tは、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間からの一定の経過時間であり(T≧Tmax)、Cは第n番目のセンサー反応が感覚強度評価へ与える寄与度を示す係数である。)
で計算される評価値に基づいて評価する、前記[7]記載の評価方法。
[9]前記被験成分が、冷感刺激成分または温感刺激成分である、前記[1]乃至[8]のいずれか1項に記載の評価方法。
[10]前記冷感刺激成分または前記温感刺激成分は、苦味(+)、苦味(−)および渋味に応答する味覚センサーに反応し、前記味覚評価データは、これらの味覚センサーが反応したセンサー反応の強度を指標として測定される、前記[9]記載の評価方法。
本発明の評価方法により、被験成分の皮膚や口腔内における感覚刺激強度の持続性についての優れた評価方法を提供することができる。すなわち、皮膚や口腔内に関連する感覚刺激成分の評価を、客観的かつ具体的に行うことが可能となる。さらに、本発明の評価方法を利用すれば、冷感刺激成分や温感刺激成分等の各種の感覚刺激成分のスクーリングや、更には、皮膚や口腔内の状態の評価が可能となる。
第1の味覚解析用液体クロマトグラフシステムの流路構成を中心とした要部の構成図である。 味検出部のフローセンサの概略上面図である。 味検出部のフローセンサの概略斜視図である。 図2中のA−A’矢視線断面図である。 味検出部のフローセンサの流路構成図である。 第2の味覚解析用液体クロマトグラフシステムの流路構成を中心とした要部の構成図である。 CA20の味覚センサーの応答および後引き感の評価結果を示すグラフである。 各冷感刺激成分の後引き感の強さを示すグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、味覚解析用液体クロマトグラフシステムを用いて得られた感覚刺激成分の味覚評価データを指標として、該感覚刺激成分の皮膚や口腔内への感覚刺激強度の持続性を評価する方法(以下、「本評価方法」ともいう)を提供する。
本評価方法を行うことで、皮膚や口腔内で感知される被験成分中の感覚刺激の持続性の評価を、的確かつ簡便に行うことが可能である。
ここで、感覚刺激とは、皮膚外用剤や口腔用組成物等に含まれる化学成分、その他の環境因子によって惹起される刺激感覚を意味し、具体的には、皮膚や口腔内における冷感、温感、辛味(痛感)、収斂味等を意味する。なお、感覚刺激成分とは上記のような刺激感覚を惹起する成分であり、具体的には、冷感刺激成分、温感刺激成分、辛味(痛感)刺激成分、収斂刺激成分等が挙げられる。感覚刺激成分とは、甘味、苦味、旨味、塩味、酸味といった、いわゆる基本的な味覚成分とは異なるものである。
また、感覚刺激強度の持続性とは、感覚刺激成分が皮膚または口腔内に接触し、刺激強度が最大となった時点からその刺激が消失するまでの時間持続性、すなわち、感覚刺激成分の後残り感を意味するものである。感覚刺激は、感覚刺激成分が皮膚や口腔内に接触すると、その感覚刺激を感知し、その感覚刺激強度が最大値に到達し、時間の経過と共に強度が減衰していく。感覚刺激強度の最大値からの減衰時間が長いほど、感覚刺激の持続性があり、後残り感が強くなる。
従来、味覚解析用液体クロマトグラフシステムは、液体クロマトグラフと組み合わせない場合、分析対象である被験試料(被験成分)を分離することなく、塩化カリウム(塩味)、酒石酸(酸味)、グルタミン酸ナトリウム(旨味)、キニーネ(苦味(+))、イソα酸(苦味(−))、タンニン酸(渋味)などに反応する複数の味覚センサーに接触させて、脂質膜と被験試料との応答を膜電位や膜抵抗で評価することができる。
また、液体クロマトグラフと組み合わせる場合は、分析対象である被験試料を液体クロマクグラフの分離カラムにより時間方向に分離し、分離された個々の試料成分を含む溶出液を、塩化カリウム(塩味)、酒石酸(酸味)、グルタミン酸ナトリウム(旨味)、キニーネ(苦味(+))、イソα酸(苦味(−))、タンニン酸(渋味)などに反応する複数の味覚センサーに接触させて、脂質膜と試料成分との応答を膜電位や膜抵抗で評価することができる。
このように、味覚解析用液体クロマトグラフシステムにより、飲食品を塩味、旨味、苦味(+)、苦味(−)、渋味の5種類の味覚センサーで評価すれば、その飲食品全体の味質と該飲食品に含まれる各種成分の味質との関係について5次元の味覚情報など詳細な知見を得ることができる。
味覚解析用液体クロマトグラフシステムでは、溶出液は連続的(オンフロー)に味覚センサーと接触している。つまり、オンフローの分析であるので、被験試料の味覚センサーへ最初に接触した時のセンサー反応から、通過した後の味覚センサーのセンサー反応までを経時的に評価することができる。つまり、各味覚センサーにおける経時的な味覚評価データを入手することできる。
感覚刺激成分に関しても同様に、味覚解析用液体クロマトグラフシステムを用いて味覚評価データを入手することができ、感覚刺激成分ごとに異なる味覚評価データを入手することができる。
なお、感覚刺激成分は上記したように味覚自体を意味するものではないが、便宜上、味覚解析用液体クロマトグラフシステムで得られる測定データを「味覚評価データ」と称する。
本発明は、味覚解析用液体クロマトグラフシステムにより得られる感覚刺激成分の味覚評価データを、その感覚刺激成分の感覚刺激強度の持続性を特定する新たな指標として使用することを特徴とするものである。味覚センサーの数に応じた多次元の味覚評価データを使用し、感覚刺激成分の強度の継続的(経時的)変化を判断することで感覚刺激強度の持続性を評価することができる。
更に本発明は、味覚センサーが反応したセンサー反応の強度の経時的な味覚評価データ、特に味覚センサーの通過時および通過した後の味覚センサーのセンサー反応の味覚評価データを使用し、感覚刺激強度の時間持続性を評価することができる。
<被験成分>
本発明で物質を特定しうる被験試料(被験成分)としては、味覚解析用液体クロマトグラフシステムで味覚評価データを採取できるものであれば、特に制限はない。たとえば、味覚解析用液体クロマトグラフシステムにおける味覚センサーが、生体の舌の表面にある脂質二重膜が固有の膜電位が種々の甘味、塩味などの呈味物質との化学反応や吸着反応により変化する原理を応用したものである場合には、被験成分としては、飲食品と同様に前記脂質二重膜と反応して味覚情報を提供しうるものを広く対象とすることができる。このような脂質二重膜は、リン酸基、アミノ基、アンモニウム基、水酸基、カルボキシル基、炭化水素基から構成され、膜電位や膜抵抗を発生するものであるため、被験成分はこのような測定が可能な液状物質に調製しうるものが好ましい。
本発明の被験成分は、感覚刺激の強さが評価できれば特に制限されないが、例えば、冷感刺激成分、温感刺激成分、辛味(痛感)刺激成分、収斂刺激成分などを挙げることできる。
冷感刺激成分としては、例えば;
メントール、メントン、カンファー、プレゴール、イソプレゴール、シネオール、キュベボール、酢酸メンチル、酢酸プレギル、酢酸イソプレギル、サルチル酸メンチル、サルチル酸プレギル、サルチル酸イソプレギル、3−(l−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、2−メチル−3−(l−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、2−(l−メントキシ)エタン−1−オール、3−(l−メントキシ)プロパン−1−オール、4−(l−メントキシ)ブタン−1−オール、3−ヒドロキシブタン酸メンチル、グリオキシル酸メンチル、p−メンタン−3,8−ジオール、1−(2−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)エタノン、乳酸メンチル、メントングリセリンケタール、メンチル−2−ピロリドン−5−カルボキシラート、モノメンチルスクシナート、モノメンチルスクシナートのアルカリ金属塩、及びモノメンチルスクシナートのアルカリ土類金属塩、モノメンチルグルタラート、モノメンチルグルタラートのアルカリ金属塩、モノメンチルグルタラートのアルカリ土類金属塩、N−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキシル]カルボニル]グリシン、p−メンタン−3−カルボン酸グリセロールエステル、メントールプロピレングリコールカルボナート、メントールエチレングリコールカルボナート、p−メンタン−2,3−ジオール、2−イソプロピル−N,2,3−トリメチルブタンアミド、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)酢酸エチル、N−(4−メトキシフェニル)−p−メンタンカルボキサミド、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミド、N−シクロプロピル−p−メンタンカルボキサミド、N−(4−シアノメチルフェニル)−p−メンタンカルボキサミド、N−(2−ピリジン−2−イル)−3−p−メンタンカルボキサミド、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−イソプロイル−2,3−ジメチルブタンアミド、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,2−ジエチルブタンアミド、シクロプロパンカルボン酸(2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)アミド、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミド、N−[4−(2−アミノ−2−オキソエチル)フェニル]−p−メンタンカルボキサミド、2−[(2−p−メントキシ)エトキシ]エタノール、2,6−ジエチル−5−イソプロピル−2−メチルテトラヒドロピラン、トランス−4−tert−ブチルシクロヘキサノールなどの化合物並びにこれらのラセミ体及び光学活性体;
キシリトール、エリスリトール、デキストロース、ソルビトール、などの糖アルコール;
和種ハッカオイル、ペパーミントオイル、スペアーミントオイル、ユーカリプタスオイル、などの天然物;
特開2001−294546号公報、特開2005−343915号公報、特開2007−002005号公報、特開2009−263664号公報、特開2010−254621号公報、特開2010−254622号公報、特開2011−079953号公報、米国特許第4136163号明細書、米国特許第4150052号明細書、米国特許第4178459号明細書、米国特許第4190643号明細書、米国特許第4193936号明細書、米国特許第4226988号明細書、米国特許第4230688号明細書、米国特許第4032661号明細書、米国特許第4153679号明細書、米国特許第4296255号明細書、米国特許第4459425号明細書、米国特許第5009893号明細書、米国特許第5266592号明細書、米国特許第5698181号明細書、米国特許第5725865号明細書、米国特許第5843466号明細書、米国特許第6231900号明細書、米国特許第6277385号明細書、米国特許第6280762号明細書、米国特許第6306429号明細書、米国特許第6432441号明細書、米国特許第6455080号明細書、米国特許第6627233号明細書、米国特許第7078066号明細書、米国特許第6783783号明細書、米国特許第6884906号明細書、米国特許第7030273号明細書、米国特許第7090832号明細書、米国特許出願公開第2004/0175489号明細書、米国特許出願公開第2004/0191402号明細書、米国特許出願公開第2005/0019445号明細書、米国特許出願公開第2005/0222256号明細書、米国特許出願公開第2005/0265930号明細書、米国特許出願公開第2006/015819号明細書、米国特許出願公開第2006/0249167号明細書、欧州特許出願公開第1689256号明細書、国際公開第2005/082154号、国際公開第2005/099473号、国際公開第2006/058600号、国際公開第2006/092076号、国際公開第2006/125334号に記載の化合物;
などを例示することができる。
温感刺激成分としては、例えば;
バニリルメチルエーテル、バニリルエチルエーテル、バニリルプロピルエーテル、バニリルイソプロピルエーテル、バニリルブチルエーテル、バニリルアミルエーテル、バニリルイソアミルエーテル、バニリルヘキシルエーテル、イソバニリルメチルエーテル、イソバニリルエチルエーテル、イソバニリルプロピルエーテル、イソバニリルイソプロピルエーテル、イソバニリルブチルエーテル、イソバニリルアミルエーテル、イソバニリルイソアミルエーテル、イソバニリルヘキシルエーテル、エチルバニリルメチルエーテル、エチルバニリルエチルエーテル、エチルバニリルプロピルエーテル、エチルバニリルイソプロピルエーテル、エチルバニリルブチルエーテル、エチルバニリルアミルエーテル、エチルバニリルイソアミルエーテル、エチルバニリルヘキシルエーテル、バニリンプロピレングリコールアセタール、イソバニリンプロピレングリコールアセタール、エチルバニリンプロピレングリコールアセタール、バニリルブチルエーテル酢酸エステル、イソバニリルブチルエーテル酢酸エステル、エチルバニリルブチルエーテル酢酸エステル、4−(l−メントキシメチル)−2−(3'−メトキシ−4'−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(l−メントキシメチル)−2−(3'−ヒドロキシ−4'−メトキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(l−メントキシメチル)−2−(3'−エトキシ−4'−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサインシン、ホモジヒドロカプサインシン、ホモカプサインシン、ビスカプサンシン、トリスホモカプサンシン、ノルノルカプサンシン、ノルカプサンシン、カプサイシノール、バニリルカプリルアミド(オクチル酸バニリルアミド)、バニリルペリラゴンアミド(ノニル酸バニリルアミド)、バニリルカプロアミド(デシル酸バニリルアミド)、バニリルウンデカンアミド(ウンデシル酸バニリルアミド)、N−トランス−フェルロイルチラミン、N−5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2E,4E−ペンタジエノイルピペリジン、N−トランス−フェルロイルピペリジン、N−5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2E−ペンテノイルピペリジン、N−5−(4−ヒドロキシフェニル)−2E,4E−ペンタジエノイルピペリジン、ピペリン、イソピペリン、シャビシン、イソシャビシン、ピペラミン、ピペレチン、ピペロレインB,レトロフラクタミドA、ピペラシド、グイネンサイド、ピペリリン、ピペラミドC5:1(2E)、ピペラミドC7:1(6E)、ピペラミドC7:2(2E,6E)、ピペラミドC9:1(8E)、ピペラミドC9:2(2E,8E)、ピペラミドC9:3(2E,4E,8E)、ファガラミド、サンショオール−I、サンショオール−II、ヒドロキシサンショオール、サンショウアミド、ジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロン、メチルジンゲロール、パラドール、スピラントール、カビシン、ポリゴジアール(タデオナール)、イソポリゴジアール、ジヒドロポリゴジアール、タデオンなどの化合物並びにこれらのラセミ体及び光学活性体;
トウガラシ油、トウガラシオレオレジン、ジンジャーオレオレジン、ジャンブーオレオレジン(キバナオランダセンニチ抽出物)、サンショウエキス、サンショウアミド、黒胡椒エキス、白胡椒エキス、タデエキス、などの天然物;
特開平8−225564号公報、特開2007−015953号公報、特表2007−510634号公報、特表2008−505868号公報、国際公開第2007/013811号、国際公開第2003/106404号、欧州特許出願公開第1323356号明細書、独国特許出願公開第10351422号明細書、米国特許出願公開第2005/0181022号明細書、米国特許出願公開第2008/0038386号明細書に記載の化合物;
などを例示することができる。
<味覚解析用液体クロマトグラフシステム>
本発明で使用する味覚解析用液体クロマトグラフシステムとしては、特に限定はないが、例えば、特開2007−327801号公報に記載のシステムを使用することができる。
ここで、使用する液体クロマトグラフとしては、市販の液体クロマトグラフを使用することができ、例えば、株式会社島津製作所製の液体クロマトグラフなどが好適である。また、使用する味覚センサーとしては、市販の味覚センサーまたは味覚解析用液体クロマトグラフシステム用に改良した味覚センサーを使用することができ、例えば、株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー製の味覚センサーなどが好適である。
以下、本発明で使用する味覚解析用液体クロマトグラフシステムについて、図面を参照しつつ説明する。
[第1の味覚解析用液体クロマトグラフシステム]
図1は第1の味覚解析用液体クロマトグラフシステムの流路構成を中心とした要部の構成図である。図2は味検出部のフローセンサの概略上面図、図3は味検出部のフローセンサの概略斜視図、図4は図2中のA−A’矢視線断面図、図5は味検出部のフローセンサの流路構成図である。
第1の味覚解析用液体クロマトグラフシステム(以下、「第1のシステム」とも言う。)では、図1に示したように、それぞれ容器10a、10b、10cに収容された移動相(基準液)、酸性洗浄液、塩基性洗浄液は第1切替バルブ11により選択され、第1送液ポンプ12によりオートサンプラー13を介して第1の6ポート2ポジションバルブ14のポートaに送られる。一方、容器15a、15b、15cにはそれぞれ異なる添加物A、B、Cが収容されており、第2送液ポンプ17が作動すると、第2切替バルブ16により選択された添加物が混合器21の入口に送られる。
第1の6ポート2ポジションバルブ14及び後述の第2の6ポート2ポジションバルブ23は、隣接する2つのポート同士が、図1中に実線で示す状態と点線で示す状態の2つのいずれかに切り替えられる。第1の6ポート2ポジションバルブ14のポートf、c間には、サイズ排除クロマトグラフィー用カラム19と検出器(紫外可視吸光検出器(UV−VIS)、蛍光検出器(RF)、示差屈折率検出器(RID)、電気伝導度検出器(CDD)、蒸発光散乱検出器(ELSD)、質量分析計検出器(MS)など)20とが設けられ、ポートdは排出口に接続されている。またポートbは混合器21の他の入口に接続され、混合器21の出口は第1の7ポート6ポジションバルブ22の中心ポートaに接続されている。この第1の7ポート6ポジションバルブ22は1つの中心ポートaに対し、その周囲の6つのポート(図1では使用している3つのポートb、c、dのみ記載している)のいずれかが選択的に接続される構成である。
第1の7ポート6ポジションバルブ22のポートc及びポートbはそれぞれ第2の6ポート2ポジションバルブ23のポートb及びポートcに接続され、さらに第1の7ポート6ポジションバルブ22のポートdは第2の6ポート2ポジションバルブ23のポートe、fに接続されている。また、第2の6ポート2ポジションバルブ23のポートa及びポートdは味検出部30の中の味覚センサーA、B、Cの入口及び味覚センサーDの入口に接続され、味覚センサーA〜Dの出口は第1の6ポート2ポジションバルブ14のポートeに接続されている。なお、味覚センサーA〜Dはそれぞれ後述する1個のセンサーブロック32に相当するものであり、味覚センサーA、B、Cはマイナス挙動を示すセンサーであり、味覚センサーDはプラス挙動を示すセンサーである。
さらに、検出器20の検出信号と味検出部30の検出信号とは信号処理部40に入力される。信号処理部40はCPU(Central Processing Unit)を中心に、或いは専用のDSP(Digital Signal Processor)などを含んで構成され、検出信号を処理して後述するような情報を算出するためのプログラムを保有している。なお、図示していないが、バルブ14、22、23、ポンプ12、17などを制御するために制御部が設けられる。
味検出部30はフローセル型であり、フローセンサ31を備えている。
このフローセンサ31は、図2〜図5に示したように、2本の筒状の電解液保持槽の開口底面にそれぞれ塩化ビニル樹脂にテトラヒドロフラン(THF)を用いて脂質/高分子膜33を接着させてなるセンサーブロック32と、プラグ35により保持されセンサーブロック32内に収容される銀(Ag)製の電極34と、脂質/高分子膜33へ試料液を導く流路が内部に形成された流路ブロック36と、比較電極37とから成る。
測定前に電極34の下部が浸るように電解液である飽和塩化銀(AgCl)溶液をセンサーブロック32内に入れる。流路ブロック36内の流路に試料液を流したときにその試料液が脂質/高分子膜33と接触すると電位応答変化が生じる。この電位応答変化を電解液を介して電極34により検出し、その検出信号を上述したように信号処理部40へと送る。各センサーブロック32には2種類の脂質/高分子膜33が接着されており、それぞれ異なった感覚刺激成分に応答する。この際、1つのセンサーブロック32に接着された2つの脂質/高分子膜33は、膜から溶出してくる成分により互いに影響を受けないものを選択する必要がある。フローセンサ31にはこのようなセンサーブロック32が4つ搭載されており、各センサーブロック32には2つの脂質/高分子膜33があるから、合計8種類の感覚刺激成分の分析が可能である。本発明では、図2に示すように、酸味、旨味、渋味、塩味および3種の苦味に応答するセンサー、並びにいずれにも特定されない汎用センサーを用いて分析される。
流入口から流入してきた試料液(移動相)は4系統に分岐され、各センサーブロック32の脂質/高分子膜33に接触した後に合流して共通の比較電極37を通って流出する。各センサーブロック32に対応した試料液の流路は入口側及び出口側で合流しているため、移動相の送給を停止した場合、或る1つのセンサーブロック32内の膜から溶出した成分を含む試料液が自然拡散により異なるセンサーブロックに流入して、そのセンサーブロック内の膜を汚染するおそれがある。そこで、試料を導入するための移動相は連続的又は少なくとも途絶えることがないように送給するか、或いは、各センサーブロック32の流路の流入口側及び流出口側にそれぞれ逆止弁などを設けることにより、移動相の送給を停止してもセンサー膜間の汚染を防止できるようにしている。
上記構成を有する第1の味覚解析用液体クロマトグラフシステムの動作を説明する。分析を行う際には、まず、第1の6ポート2ポジションバルブ14を図1中の点線で示す状態、第2の6ポート2ポジションバルブ23を図1中の点線で示す状態、第1の7ポート6ポジションバルブ22はポートaとポートdとを接続する状態に設定する。そして、第1切替バルブ11により選択された移動相を第1送液ポンプ12により吸引してオートサンプラー13に送る。このときの移動相としては、例えば10mM KClや10mM KCl+0.3mL酒石酸水溶液を使用し、その流量を0.1〜1mL/分程度に設定することができる。
オートサンプラー13により所定のタイミングで移動相中に試験液(被験成分)が注入されると、移動相に乗って被験成分は第1の6ポート2ポジションバルブ14から混合器21に送られるが、第2送液ポンプ17が作動していなければ被験成分はそのまま混合器21を通過し、第1の7ポート6ポジションバルブ22のポートa、d及び第2の6ポート2ポジションバルブ23のポートe、f、ポートa、dを経て味検出部30に送られる。そして、味検出部30を通過する際に各味覚センサーA〜Dによりそれぞれ検出信号が得られ、検出信号は信号処理部40に送られる。
味検出部30の各味覚センサーA〜Dを通った被験成分は合流して第1の6ポート2ポジションバルブ14のポートeに戻り、ポートfから出てカラム19に送り込まれ、カラム19を通過する間に被験成分中の各種成分は極性に応じて分離され時間的にずれて出口から溶出する。この溶出液は検出器20に導入され、溶出液中の各種成分は時間経過に伴って順次検出される。即ち、溶出液中に含まれる被験成分の種類に応じた検出器が示す信号が順次得られ、これが信号処理部40に送られる。
被験成分がカラム19に導入された直後のタイミングで、第1の6ポート2ポジションバルブ14は図1中の点線の接続状態から実線の接続状態に切り換えられる。そのため、検出器20を通過した溶出液は第1の6ポート2ポジションバルブ14のポートc、bを通って再び混合器21に送られる。上述したように第2送液ポンプ17が作動していなければ溶出液はそのまま混合器21を通過し、さらに再び味検出部30に導入される。このときには、オートサンプラー13により注入された被験成分はカラム19により成分分離されているので、時間経過に伴って複数の試料成分が順に味検出部30に導入され、味覚センサーA〜Dではその試料成分毎の検出信号が得られる。味検出部30を通過した溶出液は第1の6ポート2ポジションバルブ14のポートeに戻り、ポートdから排出される。
上述したような被験成分及び該被験成分が成分分離された溶出液の流れにより、成分分離前の被験成分に対する味検出部30での検出信号、時間的に分離された各種成分を含む溶出液に対する味検出部30での検出信号、及び同じく時間的に分離された各種成分を含む溶出液に対する検出器20での検出信号、が信号処理部40に送られる。信号処理部40は各検出信号に対して所定の演算処理を行うことにより、分析対象である成分についての情報を求める。
具体的には、成分分離前の被験成分に対する味検出部30での検出信号に対し、主成分分析、重回帰分析、又はそのほかの適宜の多変量解析処理を適用することにより、その成分の全体としての感覚刺激強度に関する情報を求める。また、時間的に分離された各種成分を含む溶出液に対する検出器20での検出信号に基づいて波長毎のクロマトグラムを作成し、このクロマトグラムに出現しているピークを検出して定性分析を行うことで各成分を同定するとともにそれぞれの含有量を推定する。さらに、こうして同定された各種成分が味検出部30に導入されるタイミングでの該味検出部30の検出信号を抽出し、これに主成分分析、重回帰分析、又はそのほかの適宜の多変量解析処理を適用することにより、被験成分に含まれる各種成分毎の感覚刺激強度に関する情報を求める。したがって、これら結果により、分析対象の被験成分に含まれる各種成分の種類や量とその味質と、そうした被験成分が混合された被験成分全体の感覚刺激強度との関係などを分析することができる。
ところで、通常、味検出部30に被験成分が導入された後には移動相が流れ続けるため、各味覚センサーの脂質/高分子膜に付着した被験成分は移動相によって洗い流され、その検出信号のレベルは変化前に戻る。しかしながら、被験成分の濃度が高い場合に、脂質/高分子膜への被験成分の残留が多く、検出信号レベルが元に戻りにくいことがある。そうした場合に、上記構成では、洗浄液にて各味覚センサーの脂質/高分子膜の洗浄を行うことができる。洗浄を行う際には、脂質/高分子膜の性質に応じて酸性洗浄液又は塩基性洗浄液を使い分ける。即ち、マイナス挙動を示す脂質/高分子膜には、30%エタノール+100mM HCl等の酸性の洗浄液を、プラス挙動を示す脂質/高分子膜には30%エタノール+100mM KCl+10mM KOH等の塩基性の洗浄液を用いるとよい。
上記流路構成では、バルブを組み合わせることにより、性質が相容れない洗浄液が混入しないような工夫を行っている。即ち、マイナス挙動を示す味覚センサーA、B、Cを洗浄するときには、第1切替バルブ11により酸性洗浄液を選択し、第1の7ポート6ポジションバルブ22を図1中の接続状態(すなわち、ポートaとポートcの接続)、第2の6ポート2ポジションバルブ23を図1中の実線の接続状態に設定する。そして、第1送液ポンプ12により送られる酸性洗浄液を味検出部30に導入して各味覚センサーの膜の表面の洗浄を行う。十分な洗浄を行った後に、移動相を選択するように第1切替バルブ11を切り替えて流路内の洗浄液を移動相で以て置換する。
一方、プラス挙動を示す味覚センサーDを洗浄するときには、第1切替バルブ11により塩基性洗浄液を選択し、第1の7ポート6ポジションバルブ22のポートaとポートbとを接続するとともに、第2の6ポート2ポジションバルブ23を図1中の実線の接続状態に設定する。そして、第1送液ポンプ12により送られる塩基性洗浄液を味検出部30に導入して各味覚センサーの膜の表面の洗浄を行う。十分な洗浄を行った後に、移動相を選択するように第1切替バルブ11を切り替えて流路内の洗浄液を移動相で以て置換する。なお、第1の7ポート6ポジションバルブ22のポートaとポートdとを接続するとともに、第2の6ポート2ポジションバルブ23を図1中の点線の接続状態に設定することにより、味覚センサーA〜Dの全てに移動相を流し、全ての洗浄液を移動相で置換することもできる。
なお、上記において、被験成分全体の感覚刺激強度の判定と各被験成分毎の感覚刺激強度の判定とで味検出部30を兼用していたが、もちろん、別々の味検出部を設けてもよい。但し、一般的に、味覚センサーはその検出特性の個体差が比較的大きいため、同一成分に関する被験成分全体の感覚刺激強度の判定と各被験成分毎の感覚刺激強度の判定との関連付けを行うためには、同一の味覚センサーによる検出信号を用いた結果を利用したほうが正確性が高い。
[第2の味覚解析用液体クロマトグラフシステム]
図6は第2の味覚解析用液体クロマトグラフシステムによる流路構成を中心とした要部の構成図である。図1と同一又は相当する構成要素には同一符号を付している。
第2の味覚解析用液体クロマトグラフシステム(以下、「第2のシステム」とも言う。)では、上記第1のシステムとは異なり、味検出部30を通過した被験成分はそのまま排出されてしまう構成となっているため、被験成分の感覚刺激強度の判定と各分離被験成分毎の感覚刺激強度の判定とを1回の分析で同時に実行することはできない。その代わりに、第2の7ポート6ポジションバルブ18の切り換えにより、ポートaとポートbとを接続することで成分分離されていない被験成分と、ポートaとポートcとを接続することでカラム19で成分分離された被験成分を含む溶出液とを選択的に味検出部30に送ることができる。このように、2回の分析を行うことで第1のシステムと同様の解析が可能である。
なお、上記第1、第2のシステムはいずれも本発明の一例であり本発明の趣旨の範囲で適宜変更、修正、追加を行っても本発明で使用するシステムに包含されることは明らかである。
例えば、上記システムでは分離カラム等で成分分離された被験成分をそのまま味覚検出部に導入していたが、例えば分離カラムで分離された各種試料成分をフラクションコレクターによりそれぞれ異なる容器に分画し、その後に分画した分離被験成分を含む溶出液を順次味覚検出部に導入することで各分離被験成分に対する味覚センサーの検出信号を得るようにしてもよい。
本発明で使用する味覚解析用液体クロマトグラフシステムは、分析対象である被験成分を例えばLC(Liquid Chromatography)の分離カラムにより時間方向に分離し、分離された個々の分離被験成分を含む溶出液を味検出部に導入する。味検出部において、導入された溶出液は複数の味覚センサーに接触し、それら味覚センサーは溶出液中の被験成分に応じた検出信号を出力する。時間経過に伴って導入される被験成分が変わると味覚センサーの検出信号も変化するから、信号処理部は、このように時間経過に伴って変動するそれぞれの検出信号に基づいて各被験成分に対応した感覚刺激強度についての情報、例えば後残り感の強度を算出する。これにより、被験成分全体の感覚刺激強度ではなく、被験成分に含まれる分離被験成分毎の感覚刺激強度を詳細に得ることができる。
例えば、成分分離された分離被験成分を例えばフローセル型である上記味検出部に通した後に紫外可視分光光度計や質量分析計などの検出器に導入したり、或いは成分分離された液体試料をフローセル型の紫外可視分光光度計等の検出器に通した後に上記味検出部に導入したりする構成とし、その検出器により得られる検出信号に基づいて各分離被験成分を定性したり定量したりすれば、被験成分中に含まれる各種分離被験成分の種類や含有量と感覚刺激強度とを対応付けて表示したり出力したりすることができる。これにより、被験成分中に含まれる各種分離被験成分とその分離被験成分の感覚刺激に関する情報(例えば後残り感)とを個別に且つ明確に得ることができる。
本発明で使用する味覚解析用液体クロマトグラフシステムでは、成分分離される前の被験成分の感覚刺激強度を検出するために、互いに異なる応答特性を有する複数の味覚センサーを含む他の味検出部(第2の味検出部)をさらに備える構成とするとよい。
このとき、既に設けられている味検出部と第2の味検出部とは別体であってもよいが、味覚センサーの個体差による検出のばらつきやコストの点から考えると、両者を共通の検出部とし、被験成分又は成分分離された溶出液を選択的にその検出部に供給する流路切替手段をさらに備える構成とすることが好ましい。
上記構成によれば、被験成分全体の感覚刺激強度とその試料に含まれる各種分離被験成分毎の感覚刺激強度との両方を1回の分析により得ることができるから、被験成分全体の感覚刺激強度に対する各種分離被験成分の感覚刺激強度の寄与の程度や被験成分全体の感覚刺激強度と各種分離被験成分の感覚刺激強度との関係などについての情報を、効率的に且つ簡便に取得することができる。
本発明では、味覚解析用液体クロマトグラフシステムを使用して得られた味覚評価データを、呈味情報として使用するのではなく、被験成分の感覚刺激の強さ、特に後残り感の強さの指標として利用するものである。この味覚評価データは、使用する味覚センサーの数に応じて多次元で取得することができる。
以下、具体的な評価方法について説明する。
(i)被験成分の特定
味覚解析用液体クロマトグラフシステムでは、味覚センサーの数に応じた味覚評価データを入手できるため、例えばn種類の味覚センサーを使用すればn次元の味覚評価データによって被験成分を特定することができる。
このような味覚センサーとしては、塩化カリウムの塩味に応答する塩味センサー、酒石酸の酸味に応答する酸味センサー、グルタミン酸の旨味に応答する旨味センサー、キニーネの苦味に応答する苦味(+)センサー、イソα酸の苦味に応答する苦味(−)センサー、タンニン酸の渋味に応答する渋味センサーなどが挙げられる。
味覚解析用液体クロマトグラフシステムにおいて、味覚評価データは、各味覚センサーからの検出信号を信号処理することで、センサー反応の強度(センサー反応の絶対値)として入手することができる。更に、味覚解析用液体クロマトグラフシステムは、オンフローの分析であるので、分析対象である被験試料が味覚センサーへ最初に接触した時から通過した後のセンサー反応を経時的に評価することができる。つまり、経時的に各味覚センサーにおけるセンサー反応の強度(センサー反応の絶対値)を味覚評価データとして入手することができる。
また、味覚解析用液体クロマトグラフシステムにおいて、食品を飲み込んだ後に残る感覚刺激の持続性(後残り感)の評価は、被験試料が味覚センサーに最初に接触した時のセンサー反応の強度から通過した後の各味覚センサーにおけるセンサー反応の強度を指標として使用することができる。
このような感覚刺激強度(後残り感の強さ)は、センサー反応の強度の最大値(センサー反応の絶対値の最大値)に対する、前記センサー反応の強度最大値を示した時間から一定時間が経過したときのセンサー反応の強度の大きさの比率に基づいて、評価することができる。
すなわち、味覚解析用液体クロマトグラフシステムにおいて、溶出液(移動相)が連続的(オンフロー)で安定な状態での味覚センサーのセンサー反応の絶対値を初期化して0とする。
次に、予め被験成分をオートサンプラーに準備しておくことで、オートサンプラーより所定のタイミングで被験成分が注入されると、移動相に乗って味検出部に送られる。そして被験成分が、各味覚センサーに接触することにより、被験成分が味覚センサーへ最初に接触した時から通過した後の各味覚センサーにおけるセンサー反応の強度(センサー反応の絶対値)を測定することができる。
ここで、被験成分に対する感覚刺激のセンサー反応の強度に基づく評価値は、下記式(1)で表される。
Figure 2013195289
(式中、kは、評価に使用する味覚センサー数であり、nは第n番目のセンサーを意味し、P(T)は保持時間Tにおけるセンサー反応の絶対値であり、Tmaxは、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間であり、Tは、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間からの一定の経過時間であり(T≧Tmax)、Cは第n番目のセンサー反応が感覚強度評価へ与える寄与度を示す係数である。)
一方、センサー反応の強度の最大値(センサー反応の絶対値の最大値)に対する、前記センサー反応の強度最大値を示した時間から一定時間が経過したときのセンサー反応の強度の大きさの比率の積算値に基づいて、感覚刺激の強さを評価することができる。
ここで、被験成分に対する感覚刺激のセンサー反応の強度の大きさの比率に基づく評価値は、下記式(2)で表される。
Figure 2013195289
(式中、kは、評価に使用する味覚センサー数であり、nは第n番目のセンサーを意味し、P(t)は保持時間tにおけるセンサー反応の絶対値であり、Tmaxは、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間であり、Tは、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間からの一定の経過時間であり(T≧Tmax)、Cは第n番目のセンサー反応が感覚強度評価へ与える寄与度を示す係数である。)
いずれの評価式を用いる場合でも、未知の被験成分に対して前記の方法を行い、その評価値を用いて被験成分の感覚刺激強度を評価することができる。
(ii)被験成分間の相違の検出
また、被験成分の感覚刺激の測定において、冷感刺激成分と温感刺激成分のような異なる感覚刺激成分の場合では各味覚センサーの出力が大きく異なるが、例えば、冷感刺激成分どうしのように類似する被験成分であれば各味覚センサーの出力は類似する。そこで、冷感刺激成分どうしの相違を表示しやすい味覚センサーを選択することで、全ての味覚センサーの味覚評価データを使用することなく類似する冷感刺激成分間の相違を評価することができる。
なお、このような類似する被験成分間の相違を評価しうる味覚評価データを選択するには、予め評価対象とする感覚刺激の基準とする基準成分についての味覚評価データを取得し、被験成分間の相違が評価されうる味覚センサーから得られた味覚評価データを選択すればよい。例えば、冷感刺激成分について評価する場合には、感覚刺激の基準成分としてl−メントールを用いればよい。
感覚刺激成分の強度の評価に用いる味覚センサーによる味覚評価データの選択方法は任意であって、特に制限されるものではない。例えば、各味覚センサーにおいて、センサー反応の絶対値の最大値を検出し、該絶対値の最大値が大きいものから2種以上の味覚センサーによる味覚評価データを選択する方法がある。
(iii)被験成分のグループ分け
また、本発明では、被験成分の味覚評価データを指標として感覚刺激成分の特徴を数値化することができ、この味覚評価データに基づいて被験成分をグループ分けすることができる。すなわち、新たな指標による被験成分の新たなグループ分けを提供するものである。一方、味覚評価データという新たな指標によるグループ分けと従来のグループ分けとが同一または近似する場合には、新規もしくは未知の被験成分について味覚評価データを取得することで、その被験成分がいずれのグループに属するかを簡便に評価することができる。
このようなグループ分けは、被験成分を測定した全ての味覚評価データを基準に行ってもよいが、被験成分どうしの相違を表出しやすい特定の味覚センサーのデータから2次元散布図などを作成し、データの分散を視覚的に判断してグループ分けすることもできる。このような味覚センサーは、上記(ii)被験成分間の相違の検出の項で記載した方法で選択できる。
本発明によれば、味覚評価データが異なる場合は、感覚刺激成分が同一でないと推定することができる。この同一性の判断には、特に類似する感覚刺激成分間の強度の評価を表出しやすい味覚センサーによる味覚評価データを効果的に使用することができる。
以上詳述したように、本発明は、被験成分を味覚解析用液体クロマトグラフシステムから得られた味覚評価データを指標として、前記被験成分の前記味覚評価データの変動を評価することで、前記被験成分の感覚刺激の強さ、特に後残り感の強さを評価することができる。
更に、味覚センサーが反応したセンサー反応の強度の経時的な味覚評価データ、特に味覚センサーの通過時および通過した後の味覚センサーのセンサー反応の味覚評価データを使用し、感覚刺激成分の後残り感の強さを評価することができる。
即ち、味覚解析用液体クロマトグラフシステムにおいて、被験成分を各味覚センサーによって検出信号を測定し、信号処理部にて処理することで、絶対値として味覚評価データが得られるものである。
そして、味覚解析用液体クロマトグラフシステムで、感覚刺激成分を飲み込んだあとに残る感覚刺激の持続性(後残り感)を評価する場合には、被験成分についても飲食品と同様に味覚評価データを取得し、被験成分特定情報として使用することができる。
このような後残り感の味覚評価データを取得するには、味覚解析用液体クロマトグラフシステムにおける被験成分が味覚センサーへの最初の接触から通過した後の味覚センサーのセンサー反応の継続的な(経時的な)絶対値を測定する。
(iv)被験成分の評価方法
次に、味覚解析用液体クロマトグラフシステムを用いて、冷感刺激成分の冷感強度の強さ、冷感強度の後残り感の強さを評価する方法について説明する。
冷感刺激成分として、CA20(3−ヒドロキシブタン酸l−メンチルエステル)を用い、感覚刺激の基準成分として、代表的な冷感刺激成分であるl−メントールを用いることで、冷感刺激成分に対する味覚評価データと実際の後残り感の強さとの関係付けを行うことができる。
まず、上記した本発明の味覚解析用液体クロマトグラフシステムを用いて測定を行い、保持時間Tにおけるセンサー反応の絶対値P(T)が、最大値を示した時間Tmaxにおけるセンサー反応の絶対値P(Tmax)をそれぞれ求める。
次に、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間から一定の経過時間Tにおけるセンサー反応の絶対値P(T)をそれぞれ求める。
このように、各サンプルに対するTmaxにおけるセンサー反応の絶対値P(Tmax)とTにおけるセンサー反応の絶対値P(T)をそれぞれ求めた後、下記式(3)で表わすこれらの2つの絶対値の比(以下、応答比と記す場合もある)を各成分の後残り感の強さの対応する値として求める。
Figure 2013195289
ここで、冷感刺激成分と応答比と実際の後残り感の強さとの関係付けについて説明する。
この関係付けについては、実際の測定結果に基づいて説明する。図7は、CA20(3−ヒドロキシブタン酸l−メンチルエステル)に対して、味覚解析用液体クロマトグラフシステムによる処理を行って得られた各センサー反応の絶対値について示したものである。冷感刺激成分においては、味覚センサーの反応は、苦味(+)、苦味(−)、渋味の3種のセンサーにおいて特異的に反応が観測される。図7から明らかなように、各センサー反応の絶対値は、味覚センサーへの最初の接触の時からセンサー反応の強度が上昇し、約1分程度でセンサー反応の絶対値が最大となる時間Tmaxとなりセンサー反応が最大値P(Tmax)となる。なお、苦味(+)、苦味(−)、および渋味の各センサー反応の絶対値が最大となる時間(Tmax)がそれぞれ異なるのは、CA20が各センサーに接触するまでに時間差があるためである。また、センサー膜である脂質/高分子膜はそれぞれ特徴が異なり、対応する味覚成分が膜表面に吸着すると定常状態から膜電位が変化する。その際に膜電位変化が+(プラス)応答又は−(マイナス)応答を示す。本発明では、定常状態からのセンサー反応の変化を観測するため、その絶対値をとり、それぞれの成分の後残り感の強さを求める。
maxを過ぎてからは、時間の経過につれてセンサー反応の絶対値は小さくなるので、基準成分(l−メントール)におけるセンサー反応の絶対値とP(Tmax)との応答比が、約0.5程度となる時間をTとして得られるP(T)を感覚刺激の後残り感の強さの評価に用いるのが好ましい。
この応答比は官能評価と相関があるため、該応答比は、実際の感覚刺激の後残り感の強さと1対1の関係であると認められ、この関係付けの情報を用いることで、感覚刺激の後残り感が未知の冷感刺激成分に対する評価を官能評価に頼らずに行うことができる。
つまり、各味覚センサーの応答比、冷感刺激成分の場合は、苦味(+)、苦味(−)、渋味の3種のセンサーにおける応答比と、官能評価の結果とを関係付ける寄与度(パラメーター)を予め求めておき、被験成分の応答比と寄与度との演算によって被験成分の感覚刺激の後残り感の強さを表す評価値として算出することができる。
例えば、基準成分(l−メントール)における官能評価値を、下記式(4)で表わす。
Figure 2013195289
(式中、P(T)は時間T後の冷感強度であり、P(Tmax)は冷感強度の最大値であり、Cは官能評価値の満点の値を示す係数である。)
そして、基準成分(l−メントール)において得られた各味覚センサーの応答比と、寄与度Cを用いて、下記式(5)で表わす基準成分の後残り感の強さ評価値(m)を、演算によって求める。
Figure 2013195289
(式中、mは各味覚センサーを意味し、P(T)は味覚センサーmの時間T後の味覚センサー反応強度値の絶対値であり、P(Tmax)は味覚センサーmの味覚センサー反応強度値の絶対値の最大値であり、Cは味覚センサーmの評価値に対する味覚センサーの寄与度を示す係数である。)
味覚センサーごとに上記に従い寄与度を定め、各味覚センサーにおける評価値(m)を求める。
上記のようにして求めた各味覚センサーにおける評価値(m)を総和することにより、下記式(1)で表わす評価値を求めることができる。
Figure 2013195289
(式中、kは、評価に使用する味覚センサー数であり、nは第n番目のセンサーを意味し、P(T)は保持時間Tにおけるセンサー反応の絶対値であり、Tmaxは、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間であり、Tは、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間からの一定の経過時間であり(T≧Tmax)、Cは第n番目のセンサー反応が感覚強度評価へ与える寄与度を示す係数である。)
また、センサー反応の最大値に対する、一定時間が経過したときのセンサー反応の強度の大きさの比率の積算値に基づいて感覚刺激の強さを評価する場合について説明する。
センサー反応の絶対値が最大値を示した時間からの経過時間tにおけるセンサー反応の絶対値P(t)とすると、これら2つの絶対値の比(応答比)は、下記式(6)で表わされる。
Figure 2013195289
式(6)に表される応答比を時間tに関してセンサー反応の絶対値が最大値を示した時間Tmaxからセンサー反応の絶対値が最大値を示した時間からの一定の経過時間Tまで総和して得られる応答比総和(T)は、下記式(7)で表わされる。
Figure 2013195289
(式中、xは各味覚センサーを意味し、P(t)は味覚センサーxの時間t後の味覚センサー反応強度値の絶対値であり、P(Tmax)は味覚センサーxの味覚センサー反応強度値の絶対値の最大値である。)
つぎに、例えば、基準成分(l−メントール)における官能評価値を、下記式(8)で表わす。
Figure 2013195289
(式中、P(t)は時間t後の冷感強度であり、P(Tmax)は冷感強度の最大値であり、Cは時間tにおける官能評価値の満点の値を示す係数である。)
ついで、基準成分(l−メントール)において得られた各味覚センサーの応答比と、寄与度Cを用いて、下記式(9)で表わす基準成分の後残り感の強さ評価値(m)を、演算によって求める。
Figure 2013195289
(式中、mは各味覚センサーを意味し、P(t)は味覚センサーmの時間t後の味覚センサー反応強度値の絶対値であり、P(Tmax)は味覚センサーmの味覚センサー反応強度値の絶対値の最大値であり、Cは味覚センサーmの評価値に対する味覚センサーの寄与度を示す係数である。)
味覚センサーごとに上記に従い寄与度を定め、各味覚センサーにおける評価値(m)を求める。
上記のようにして求めた各味覚センサーにおける評価値(m)を総和することにより、下記式(2)で表わす評価値を求めることができる。
Figure 2013195289
(式中、kは、評価に使用する味覚センサー数であり、nは第n番目のセンサーを意味し、P(t)は保持時間tにおけるセンサー反応の絶対値であり、Tmaxは、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間であり、Tは、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間からの一定の経過時間であり(T≧Tmax)、Cは第n番目のセンサー反応が感覚強度評価へ与える寄与度を示す係数である。)
なお、寄与度Cは、評価に使用した味覚センサーの応答比において、貢献度が同等であると見なして、同じ値を用いて評価値を求めてもよい。
いずれの方法を用いる場合でも、感覚強度の後残り感の強さが未知の被験成分に対して、前記と同様の測定を行い、その応答比や寄与度等の情報を用いて、被験成分の感覚強度の後残り感の強さを把握することができる。
このようにして感覚強度の強さ、または感覚強度の後残り感の強さを求めるようにすれば、被験成分に対する官能評価を行わなくても、被験成分の感覚強度の強さや、感覚強度の後残り感の強さを正確に把握することができ、パネラーの個人差や体調等に左右されずに、再現性の高い評価が効率的に行える。
なお、前記説明では、冷感刺激成分の感覚強度の強さ、感覚強度の後残り感の強さを評価するために、キニーネ(苦味(+))系、イソα酸(苦味(−))系、タンニン酸(渋味)系に選択的に応答性を有する味覚センサーを例として説明したが、評価対象は冷感刺激成分に限るものでなく、前記したように、被験成分の感覚刺激に選択的に応答する味覚センサーからの味覚評価データを用いることで、他の温感刺激成分などの感覚刺激成分の感覚強度の強さ、感覚強度の後残り感についても前記同様に評価することができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
<測定装置>
実施例中での測定は、次の測定機器を用いて行った。
味覚解析用液体クロマトグラフシステム:上記第2の味覚解析用液体クロマトグラフシステム(株式会社島津製作所製)
味覚センサー:味覚センサーSA402B(商品名、株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー製)をコンパクト改良したもの(特開2007−327801号公報記載のセンサー)
<分析条件>
溶離液:KCl(2.24g/L),酒石酸(0.045g/L)水溶液(味覚解析用液体クロマトグラフシステム用基準液)
流速:0.3mL/min
検出:味覚センサー(苦味(+)、苦味(−)、渋味、酸味、旨み、塩味)
<測定試料>
実施例では、下記の化合物(冷感刺激成分)について評価した。
CA1: 2−メチル−3−(l−メントキシ)−1,2−プロパンジオール
CA5: 2−(l−メントキシ)エタノール
CA10:3−(l−メントキシ)−1,2−プロパンジオール
CA20:3−ヒドロキシブタン酸l−メンチルエステル
CA55:2−(2−(l−メントキシ)エトキシ)エタノール
CA38D:p−メンタン−3,8−ジオール
CAP: l−イソプレゴール
CAHK:1−(2−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)エタノン
WS3: N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド
WS23:2−イソプロピル−N,2,3−トリメチルブタンアミド
MMS: コハク酸モノメンチル
ML: 乳酸メンチル
<基準成分>
l−メントール
<試料溶液の調製>
各冷感刺激成分(被験成分)を30%エタノール水溶液に溶解し、終濃度が0.3%(w/w)となるように調製した。
<冷感刺激成分と官能評価との相関関係>
冷感刺激成分CA20について、第2の味覚解析用液体クロマトグラフシステム(図6参照)を用いて、次の手段に従って測定を行った。
なお、CA20の調製溶液は単一化合物であるので、カラム19を通すことなく測定した。
測定を行う際に、まず第1の6ポート2ポジションバルブ14を図6中の実線で示す状態、第2の7ポート6ポジションバルブ18を、ポートaとポートbとを接続する状態、第1の7ポート6ポジションバルブ22はポートaとポートdとを接触させる状態、第2の6ポート2ポジションバルブ23を図6の点線を示す状態に設定した。そして、第1切替バルブ11により選択された移動相を第1送液ポンプ12により吸引して第1の6ポート2ポジションバルブ14のポートaからポートfを経由してオートサンプラー13に送った。このときの移動相としては、:KCl(2.24g/L)、酒石酸(0.045g/L)水溶液(味覚解析用液体クロマトグラフシステム用基準液)を使用し、その流量を0.3mL/minに設定した。
オートサンプラー13により所定のタイミングで移動相中にCA20の調製溶液が注入されると移動相に乗ってCA20の調製溶液は、第1の6ポート2ポジションバルブ14のポートcからbを経由して、さらに第2の7ポート6ポジションバルブ18のポートaからポートbを経由して混合器21に送られるが、ここでは、添加物との効果を測定することはしないので、第2送液ポンプ17は作動させずCA20の調製溶液はそのまま混合器21を通過し、第1の7ポート6ポジションバルブ22のポートa、d及び第2の6ポート2ポジションバルブ23のポートf、a、ポートe、dを経て味検出部30に送られた。そして、味検出部30を通過する際に各味覚センサーA〜Dによりそれぞれ検出信号が得られ、検出信号は信号処理部40に送られた。信号処理部40は各検出信号に対して所定の演算処理を行うことにより、分析対象であるCA20の調製溶液についての情報を得た。結果を図7に示す。
冷感刺激成分においては、味覚センサーの反応は、苦味(+)、苦味(−)、渋味の3種のセンサーにおいて特異的に反応が観測される。図7から明らかなように、各センサー反応の絶対値は、味覚センサーへの最初の接触のよりセンサー反応の強度が上昇し、約1分程度でセンサー反応の絶対値が最大となる時間Tmaxとなりセンサー反応が最大値P(Tmax)となった。
maxを過ぎてからは、時間の経過につれてセンサー反応の絶対値は小さくなるので、基準成分(l−メントール)におけるセンサー反応の絶対値とP(Tmax)との応答比(上記式(3))が、約0.5程度となる時間をTとして得られるP(T)を感覚刺激の後残り感の強さの評価に用いた。苦味(+)センサーはTが2(分)、苦味(−)センサーはTが3(分)、渋味センサーはTが3(分)となる。
基準成分(l−メントール)の応答比が、0.5の時間をTとし、応答比が0.5より小さいときは、基準成分より後残り感が小さいことを示す評価を与え、応答比が0.5より大きいときは、基準成分より後残り感が強いことを示す評価を与えるとともに、実際にこれらのサンプルに対する官能評価を専門パネラーによって行ったとき、応答比の大小で決めた評価に対して、相関がとれていることが判った。
CA20の測定の結果、味覚センサーは苦味(+)、苦味(−)、渋味センサーの3種類が主に反応した(図7参照)。測定を行った結果、味覚センサーによるCA20の後引き感(ラスティング)の評価と官能による後引き感の評価に相関が認められた。化合物によりセンサー反応強度が異なるため、センサーの最大値は異なる。また、センサーは流路に沿って配置されているため、最大値までの時間がそれぞれ異なる。そのため、センサーの最大値とそれぞれの一定時間後(2または3分)の値の比を取ることで、最大値からの低減率として表した。各センサーの重み付け(寄与度)はそれぞれ1とし、下記式(1)によりCA20の後引き感を算出した(図7参照)。
Figure 2013195289
式中、kは、評価に使用する味覚センサー数であり、nは第n番目のセンサーを意味し、P(T)は保持時間Tにおけるセンサー反応の絶対値であり、Tmaxは、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間であり、Tは、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間からの一定の経過時間であり(T≧Tmax)、Cは第n番目のセンサー反応が感覚強度評価へ与える寄与度を示す係数である。
つまり、これらの結果から、上記式(1)によりCA20の評価値は、
評価値=(苦味(+)の2分の値/苦味(+)の最大値)×1+(苦味(−)の3分の値/苦味(−)の最大値)×1+(渋味の3分の値/渋味の最大値)×1=0.49
となる。
<感覚刺激強度試験>
(実施例1)
冷感刺激成分CA1について、第2の味覚解析用液体クロマトグラフシステム(図6参照)を用いて測定を行った。
CA1の調製溶液についての各味覚センサー(苦味(+)、苦味(−)、渋味)からの検出信号に対して演算処理して得られた情報から、上記式(1)により、保持時間2及び3分における冷感刺激強度を求めた。結果を図8に示す。
(実施例2〜13)
実施例2〜13では、それぞれ冷感刺激成分として、CA5、CA10、CA20、CA55、CA38D、CAP、CAHK、WS3、WS23、MMS、MLを用い、実施例1と同様の方法で冷感刺激強度を求めた。結果を図8に示す。
図8の結果より、各冷感刺激成分の感覚刺激の差異および感覚刺激強度の持続性を客観的に評価できた。
本発明の評価方法を利用すれば、これまで人に頼った感覚刺激の官能評価をより具体的に数値で比較でき、感覚刺激成分の後残り感の評価を簡便に提供できる。すなわち、従来、人や動物で行っていた感覚に頼った皮膚や口腔内に関連する感覚刺激成分の評価を、客観的かつ簡便に行うことが可能となる。本発明の評価方法を利用すれば、冷感成分や温感成分等の各種の感覚刺激成分のスクリーニングや、更には、皮膚や口腔内の状態の評価が可能となる。
10a,10b,10c 容器
11 第1切替バルブ
12 第1送液ポンプ
14 第1の6ポート2ポジションバルブ
15a,15b,15c 容器
16 第2切替バルブ
17 第2送液ポンプ
18 第2の7ポート6ポジションバルブ
19 カラム
20 検出器
21 混合器
22 第1の7ポート6ポジションバルブ
23 第2の6ポート2ポジションバルブ
30 味検出部
31 フローセンサ
32 センサーブロック
33 高分子膜
34 電極
35 プラグ
36 流路ブロック
37 比較電極
40 信号処理部
A〜D 味覚センサー

Claims (10)

  1. 味覚解析用液体クロマトグラフシステムを用いた被験成分中の感覚刺激成分の評価方法であって、
    被験成分を前記味覚解析用液体クロマトグラフシステムにより測定して味覚評価データを得、
    前記味覚評価データを指標として、前記被験成分の強度の継続的変化から前記被験成分の感覚刺激強度の持続性を評価する感覚刺激成分の評価方法。
  2. 類似する複数の被験成分をそれぞれ前記味覚解析用液体クロマトグラフシステムにより測定し、
    得られた味覚評価データを指標として、前記被験成分を類似するグループに区別することにより、前記被験成分の感覚刺激強度の持続性を評価する、請求項1記載の評価方法。
  3. 前記味覚解析用液体クロマトグラフシステムが、
    (a)前記被験成分中の前記感覚刺激成分を時間経過に伴って検出するための、互いに異なる応答特性を有する複数の味覚センサーを含む味検出部と、
    (b)前記複数の味覚センサーにより得られる検出信号を処理することにより、各感覚刺激成分に関する味覚評価データを求める信号処理部と、
    を備える、請求項1又は請求項2記載の評価方法。
  4. 前記味覚評価データは、前記味覚センサーが反応したセンサー反応の強度を指標として測定される、請求項3記載の評価方法。
  5. 前記センサー反応の強度の最大値に対する、前記センサー反応の強度最大値を示した時間から一定時間が経過したときのセンサー反応の強度の大きさの比率に基づいて評価する、請求項4記載の評価方法。
  6. 下記式(1)
    Figure 2013195289
    (式中、kは、評価に使用する味覚センサー数であり、nは第n番目のセンサーを意味し、P(T)は保持時間Tにおけるセンサー反応の絶対値であり、Tmaxは、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間であり、Tは、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間からの一定の経過時間であり(T≧Tmax)、Cは第n番目のセンサー反応が感覚強度評価へ与える寄与度を示す係数である。)
    で計算される評価値に基づいて評価する、請求項5記載の評価方法。
  7. 前記センサー反応の強度の最大値に対する、前記センサー反応の強度最大値を示した時間から一定時間が経過したときのセンサー反応の強度の大きさの比率の積算値に基づいて評価する、請求項4記載の評価方法。
  8. 下記式(2)
    Figure 2013195289
    (式中、kは、評価に使用する味覚センサー数であり、nは第n番目のセンサーを意味し、P(t)は保持時間tにおけるセンサー反応の絶対値であり、Tmaxは、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間であり、Tは、センサー反応の絶対値が最大値を示した時間からの一定の経過時間であり(T≧Tmax)、Cは第n番目のセンサー反応が感覚強度評価へ与える寄与度を示す係数である。)
    で計算される評価値に基づいて評価する、請求項7記載の評価方法。
  9. 前記被験成分が、冷感刺激成分または温感刺激成分である、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の評価方法。
  10. 前記冷感刺激成分または前記温感刺激成分は、苦味(+)、苦味(−)および渋味に応答する味覚センサーに反応し、前記味覚評価データは、これらの味覚センサーが反応したセンサー反応の強度を指標として測定される、請求項9記載の評価方法。
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