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JP2013167004A - 焼付け塗装硬化性に優れたアルミニウム合金板 - Google Patents

焼付け塗装硬化性に優れたアルミニウム合金板 Download PDF

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Abstract

【課題】広幅で長尺な板の全域に亘る、長期室温時効後の低温短時間条件でのBH性や成形性を兼備する6000系アルミニウム合金板を提供する。
【解決手段】圧延後に調質処理として溶体化焼入れ処理および再加熱処理された特定組成の6000系アルミニウム合金板であって、示差走査熱分析曲線における、特定温度範囲における発熱ピーク高さA、B、Cの関係を特定範囲として、低温、短時間の人工時効硬化処理を施した際の0.2%耐力の増加量を100MPa以上と向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明はAl−Mg−Si系アルミニウム合金板に関するものである。本発明で言うアルミニウム合金板とは、熱間圧延板や冷間圧延板などの圧延板であって、溶体化処理および焼入れ処理などの調質が施された、パネルへのプレス成形やパネル状態での焼付け塗装硬化処理前のアルミニウム合金板を言う。また、以下の記載では、アルミニウムをAlとも言う。
近年、地球環境などへの配慮から、自動車等の車両の軽量化の社会的要求はますます高まってきている。かかる要求に答えるべく、自動車パネル、特にフード、ドア、ルーフなどの大型ボディパネル(アウタパネル、インナパネル)の材料として、鋼板等の鉄鋼材料にかえて、成形性や焼付け塗装硬化性に優れた、より軽量なアルミニウム合金材の適用が増加しつつある。
この内、自動車のフード、フェンダー、ドア、ルーフ、トランクリッドなどのパネル構造体の、アウタパネル(外板)やインナパネル(内板)等のパネルには、薄肉でかつ高強度アルミニウム合金板として、Al−Mg−Si系のAA乃至JIS6000系(以下、単に6000系とも言う) アルミニウム合金板が使用されている。
この6000系(Al−Mg−Si系)アルミニウム合金板は、Si、Mgを必須として含み、特に過剰Si型の6000系アルミニウム合金は、これらSi/Mgが質量比で1以上である組成を有し、強制加熱時の優れた人工時効硬化能を有している。このため、プレス成形や曲げ加工時には低耐力化により成形性を確保するとともに、成形後のパネルの塗装焼付処理などの、比較的低温の人工時効(硬化)処理時の強制加熱により、人工時効硬化して耐力が向上し、パネルとしての必要な強度を確保できる焼付け塗装硬化性(以下、ベークハード性=BH性、焼付硬化性とも言う)がある。
また、6000系アルミニウム合金板は、Mg量などの合金量が多い他の5000系アルミニウム合金などに比して、合金元素量が比較的少ない。このため、これら6000系アルミニウム合金板のスクラップを、アルミニウム合金溶解材(溶解原料)として再利用する際に、元の6000系アルミニウム合金鋳塊が得やすく、リサイクル性にも優れている。
一方、自動車のアウタパネルなどは、周知の通り、アルミニウム合金板に対し、プレス成形における張出成形時や曲げ成形などの成形加工が複合して行われて製作される。例えば、フードやドアなどの大型のアウタパネルでは、張出などのプレス成形によって、アウタパネルとしての成形品形状となされ、次いで、このアウタパネル周縁部のフラットヘムなどのヘム(ヘミング)加工によって、インナパネルとの接合が行われ、パネル構造体とされる。
前記自動車などのアウタパネルなどでは、軽量化のために、より薄肉化される傾向にあり、薄肉化した上で、耐デント性に優れるような、高強度化が求められる。したがって、プレス成形時には、アルミニウム合金板をより低耐力化させて、成形性を確保し、成形後のパネルの塗装焼付処理などの比較的低温の人工時効処理時の加熱により時効硬化して耐力が向上し、薄肉化した上でも必要な強度を確保できる人工時効硬化能(焼付け塗装硬化性)が、より必要とされる。
従来から、このような6000系アルミニウム合金板の焼付け塗装硬化性に対し、Mg−Si系クラスタ (溶体化および焼入れ処理後の室温放置中に形成される) を制御することが、種々提案されている。これらは、板の製造に際し、主として、溶体化および焼入れ処理後の熱処理などで焼付け塗装硬化性を向上させる。そして、最近では、これらMg−Si系クラスタを、6000系アルミニウム合金板の示差走査熱分析曲線(以下、DSC とも言う) の吸熱ピークや発熱ピークにて測定した上で制御する技術が提案されている。
例えば、特許文献1、2では、低温時効硬化能を阻害している要因として、これらMg−Si系クラスタ、特に、Si/空孔クラスタ(GPI)の生成量を規制することが提案されている。これら技術では、室温時効抑制と低温時効硬化能を阻害するGPIの生成量を規制するために、T4材 (溶体化処理後自然時効後) のDSCにおいて、GPIの溶解に相当する150〜250℃の温度範囲における吸熱ピークがないことを規定している。また、これら技術では、このGPIの生成を抑制乃至制御するために、溶体化および室温まで焼入れ処理した後に、前記70〜150℃で0.5〜50時間程度保持する低温熱処理を施している。
確かに、前記特許文献1、2の通り、溶体化および焼入れ処理後室温放置中に形成されたGPIは、塗装焼き付け時に崩壊し、マトリックスの溶質濃度が低下するため、強度上昇に寄与するGPゾーン (Mg2Si析出相) の側の析出を阻害し、低温時効硬化能が阻害される。また、このGPIの形成は強度上昇も招き、室温時効抑制を阻害する。したがって、このGPIの形成を抑制すれば、室温時効抑制と低温時効硬化能が向上する。しかし、このGPIの形成を抑制するだけでは、近年要求されている焼付け塗装硬化性(低温人工時効硬化能)の特性向上のためには、今だ不十分である。例えば、前記特許文献1、2で開示されている焼付け塗装硬化性は、175 ℃×30分乃至170 ℃×20分の人工時効処理条件でのBH後の耐力が、最大でも168MPa程度のレベルあって、この種パネル用途に要求される200MPa以上とはならない。
このため、特許文献3では、過剰Si型の6000系アルミニウム合金材であって、このアルミニウム合金材の溶体化および焼入れ処理を含む調質処理後のDSCにおいて、Si/空孔クラスタ(GPI) の溶解に相当する150〜250℃の温度範囲におけるマイナスの吸熱ピーク高さが1000μW 以下であり、かつMg/Siクラスタ(GPII) の析出に相当する250〜300℃の温度範囲におけるプラスの発熱ピーク高さが2000μW以下とすることが提案されている。このアルミニウム合金材は、前記調質処理後少なくとも4カ月間の室温時効後の特性として、耐力が110〜160MPaの範囲であり、かつ前記調質処理直後との耐力差が15MPa以内、伸びが28%以上であり、更に2%のひずみ付与後150℃×20分の低温時効処理時の耐力が180MPa以上である特性を有する。
しかし、この特許文献3でも、調質処理(製造)直後のAs耐力が135MPa未満のアルミニウム合金板の、焼付け塗装硬化後(2%のひずみ付与後170℃×20分の条件)のBH後耐力を240MPaに近いか、それ以上の高耐力とすることは難しい。即ち、BH後耐力とAs耐力との差が120MPa以上あるような、焼付け塗装硬化特性(BH性)を有することは難しい。
特許文献4では、このような低温短時間の焼付け塗装硬化でのBH性を得るため、6000系アルミニウム合金板の調質処理後の示差走査熱分析曲線において、100〜200℃の温度範囲における発熱ピーク高さW1を50μW以上とし、かつ、200〜300℃の温度範囲における発熱ピーク高さW2と、前記発熱ピーク高さW1との比W2/W1を20.0以下とする。
ここで、前記発熱ピークW1は、人工時効硬化処理の際のβ”(Mg2Si相)の核生成サイトとなるGPゾーンの析出に対応しており、W1のピーク高さが高いほど、人工時効硬化処理の際のβ”の核生成サイトとなるGPゾーンが、調質処理後の板に、既に形成、確保されているとする。この結果、成形後の焼付け塗装硬化処理時に、速やかにβ”が成長し、焼付け塗装硬化性(人工時効硬化能)を向上させるとしている。一方、前記発熱ピークW2の方は、β”自体の析出ピークに対応しており、調質処理後(製造後)の成形される前の板を、耐力が135MPa未満に低耐力化させて成形性を確保するために、この発熱ピークW2高さをできるだけ小さくするとしている。
特開平10−219382号公報 特開2000−273567号公報 特開2003−27170号公報 特開2005−139537号公報
ただ、この特許文献4でも、あるいは他の従来技術であっても、調質処理(製造)直後のAs耐力が135MPa未満のアルミニウム合金板の、低温短時間条件での焼付け塗装硬化処理後(2%のひずみ付与後170℃×20分の条件)のBH後耐力を、前記As耐力との耐力差で、安定して100MPa以上向上させた高耐力とすることは難しい。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、室温時効後に低温で短時間化された条件の車体塗装焼付け処理であっても、高いBH性が安定して得られるAl―Si―Mg系アルミニウム合金板を提供することである。
この目的を達成するために、本発明の焼付け塗装硬化性に優れたアルミニウム合金板の要旨は、質量%で、Mg:0.2〜2.0%、Si:0.3〜2.0%を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、圧延後に調質処理として溶体化焼入れ処理および再加熱処理されたAl−Mg−Si系アルミニウム合金板であって、示差走査熱分析曲線において、230〜270℃の温度範囲における発熱ピーク高さをA、280〜320℃の温度範囲における発熱ピーク高さをB、330〜370℃の温度範囲における発熱ピーク高をCとした際に、前記発熱ピーク高さBが20μW/mg以上であるとともに、前記発熱ピーク高さBに対する前記発熱ピーク高さA、Cの各比である、A/Bを0.45以下、C/Bを0.6以下と各々して、前記発熱ピーク高さAとCとを共に規制し、2%のひずみ付与後に170℃×20分の人工時効硬化処理を施した際の圧延方向に平行な方向の0.2%耐力の増加量が100MPa以上であることとする。
本発明によれば、調質処理(製造)直後のAs耐力が135MPa未満のアルミニウム合金板の、低温短時間条件での焼付け塗装硬化処理後(2%のひずみ付与後170℃×20分の条件)のBH後耐力を、前記As耐力との耐力差で、100MPa以上向上させた高耐力を、長尺の板コイルの中で安定して得ることができる。
冷延によって製造されたコイル状態の広幅で長尺のアルミニウム合金板は、圧延長手方向の部位に亘って、数百枚の多数の前記自動車などのパネルにプレス成形される。このようなアルミニウム合金板の組織を、化合物の大きさや密度などの、光学あるいはSEM、TEMなどの顕微鏡分析によりミクロ的に規定しても、それが、コイル状態の広幅で長尺のアルミニウム合金板の特性を、圧延長手方向の部位に亘って保障しているとは限らない。
これは、6000系アルミニウム合金板の示差走査熱分析曲線(DSC)の吸熱ピークや発熱ピークにて測定した上で制御する、前記従来技術でも同様である。このようなDSC制御であっても、コイル状態の広幅で長尺のアルミニウム合金板の特性を、圧延長手方向の部位に亘って保障しなければ、1枚の板の圧延長手方向の部位に亘る、各成形部位から成形される数多くのパネルの、前記低温短時間条件でのBH性を、同時に向上乃至保障することができない。
本発明は、このようなDSC制御において、コイル状態の広幅で長尺のアルミニウム合金板の特性を、圧延長手方向の部位に亘って保障することができ、1枚の板(コイル)の圧延長手方向に亘る各部位から各々採取されて成形される多数のパネルの、前記低温短時間条件でのBH性を、同時に向上乃至保障することができる。
測定したアルミニウム合金板の示差走査熱分析曲線(DSC)を示す説明図である。
以下に、本発明の実施の形態につき、要件ごとに具体的に説明する。なお、本発明で言うアルミニウム合金板とは、前記した通り、冷間圧延後、調質処理を施した後に室温時効した板(圧延板)を言う。したがって、本発明で規定する各要件も、調質処理直後(板製造直後)だけではなく、調質処理後(板製造後)からプレス成形乃至曲げ加工されるまでの任意の期間(例えば板製造後から1カ月以上経過後)におけるアルミニウム合金板を言う。
示差熱分析:
本発明では、圧延後に調質処理として溶体化焼入れ処理および再加熱処理された6000系(Al−Mg−Si系)アルミニウム合金板の組織を、示差走査熱分析曲線において、BH性に特に関わる、特定の温度範囲における発熱ピーク高さを3つ(3箇所)選択する。言い換えると、BH性に特に関わる、特定の温度範囲における発熱ピーク高さ3つを各々制御して、BH性(焼き付け塗装硬化特性)を高める。
図1に、後述する実施例の、表1における発明例1、2、比較例4の3種類のアルミニウム合金板のDSCとして、発明例1を太い実線、発明例2を細い実線、比較例4を点線で各々示す。
この図1において、前記BH性に特に関わる3つの発熱ピーク高さとして、示差走査熱分析曲線における、230〜270℃の温度範囲における発熱ピーク高さA、280〜320℃の温度範囲における発熱ピーク高さB、330〜370℃の温度範囲における発熱ピーク高さCを選択し、制御する。なお、以下の説明では、これら発熱ピーク高さA、B、Cを有する各発熱ピークを、各々発熱ピークa、発熱ピークb、発熱ピークcと言う。
前記示差走査熱分析曲線とは、前記調質処理後のアルミニウム合金板の融解過程における熱的変化を以下の条件による示差熱分析により測定して得られた固相からの加熱曲線である。
この示差熱分析を、本発明では、前記調質処理後のアルミニウム合金板の長手方向に亙る先端部、中央部、後端部とを各々必須で含む10箇所において行う。そして、前記各温度範囲の発熱ピークのうちの最も高い発熱ピーク高さを、前記測定10箇所で平均化したものを前記各発熱ピーク高さA、B、Cとする。このようなDSC制御によって、コイル状態の広幅で長尺のアルミニウム合金板の特性を、圧延長手方向の部位に亘って保障し、1枚の板の圧延長手方向の部位に亘る、各成形部位から成形される数多くのパネルの、前記低温短時間条件でのBH性を、同時に向上乃至保障する。
前記板の各測定箇所における示差熱分析においては、試験装置:セイコ−インスツルメンツ製DSC220G、標準物質:アルミ、試料容器:アルミ、昇温条件:15℃/min、雰囲気:アルゴン(50ml/min)、試料重量:24.5〜26.5mgの同一条件で各々行う。そして、得られた示差熱分析のプロファイル(μW)を試料重量で割って規格化した(μW/mg)後に、前記示差熱分析プロファイルでの0〜100℃の区間において、示差熱分析のプロファイルが水平になる領域を0の基準レベルとし、この基準レベルからの発熱ピーク高さとして、前記各温度範囲の発熱ピークのうちの最も高い発熱ピーク高さを、前記測定10箇所で平均化したものを前記各発熱ピーク高さA、B、Cとする。
発熱ピーク高さB:
前記発熱ピーク高さBは、280〜320℃の間の発熱ピークbの高さであり、β’(中間相)の析出ピークに対応している。このβ’のピークである前記発熱ピーク高さBが十分に高くなることは、Mg、Si原子がより多く固溶しており、また析出を促進させる、溶体化焼き入れ時に凍結された過飽和原子空孔量が多いことを意味している。このうち、特に、過飽和固溶Mg、Si、凍結空孔量が多いことは、β”相の析出に有利な方向である。
したがって、前記発熱ピーク高さBを20μW/mg以上の一定量(一定高さ)以上確保して、2%のひずみ付与後に170℃×20分の人工時効硬化処理を施した際のBH(ベークハード)性を高める。前記発熱ピーク高さBが20μW/mg未満では、他のDSC要件(A/B≦0.45、C/B≦0.6)を満たしたとしても、2%のひずみ付与後に170℃×20分の人工時効硬化処理を施した際の圧延方向に平行な方向の0.2%耐力の増加量を、100MPa以上とできない。この結果、1枚の板の圧延長手方向の部位に亘る、各成形部位から成形される数多くのパネルの、前記低温短時間条件でのBH性(焼き付け塗装硬化特性)を、同時に向上乃至保障できない。この発熱ピーク高さBの上限は特に定めないが、製造限界からすると概ね50μW/mg程度である。したがって、発熱ピーク高さBは、好ましくは20μW/mg〜50μW/mgの範囲とする。
発熱ピーク高さA:
発熱ピーク高さAは、230〜270℃の間の発熱ピークaの高さであり、人工時効時の時効硬化に寄与するβ”相の析出ピークに対応している。従来のDSC制御では、低温短時間でのBH性を向上させるために、β”相の核生成サイトとなるMg/Siクラスタを確保しようと、この発熱ピーク高さAを高める。しかし、本発明では、この発熱ピーク高さAを逆に規制して小さくする。事実、6000系アルミニウム合金圧延板を、溶体化焼入れ処理および再加熱処理し、この再加熱処理の際のヒートパターンとして、加熱速度と保持温度、保持時間、及び冷却速度とを制御することによって、この発熱ピーク高さAが低くなる。本発明では、β”の核となるMg/SiクラスタやG.P.ゾーンを溶体化処理後に既に形成させていることに加えて、その後のパネルに成形後の焼き付け塗装処理時に速やかにβ”が成長させるために、さらに他の発熱ピーク高さとの関係を精緻に制御することで、前記低温短時間条件でのBH性を向上させている。
発熱ピーク高さAが、前記発熱ピーク高さBよりも顕著に低いことは、Aのピークに対応するβ”或いはその核が、既にDSC測定前に形成されていることを意味し、また、Bのピークが高いほど、β”の析出にも関与する過飽和固溶Mg、Si量も多く、凍結空孔量も多いことを意味する。したがって、発熱ピーク高さAを、前記発熱ピーク高さBとの相対関係で、前記発熱ピーク高さBに対する前記発熱ピーク高さAの比A/Bを、A/B≦0.45と小さく規制する。このA/B≦0.45とすると、前記発熱ピーク高さBが20μW/mg以上の条件との相乗効果で、前記低温短時間条件でのBH性が向上する。
一方、A/Bが0.45を超えて大きく(高く)なっては、他のDSC要件(前記発熱ピーク高さBが20μW/mg未満、C/B≦0.6)を満たしたとしても、2%のひずみ付与後に170℃×20分の人工時効硬化処理を施した際の圧延方向に平行な方向の0.2%耐力の増加量を、100MPa以上とできない。この結果、1枚の板の圧延長手方向の部位に亘る、各成形部位から成形される数多くのパネルの、前記低温短時間条件でのBH性を、同時に向上乃至保障できない。このA/Bの下限は特に定めないが、製造限界からすると概ね0.1程度である。したがって、A/Bは、好ましくは0.1〜0.45の範囲とする。
発熱ピーク高さC:
発熱ピーク高さCは、330〜370℃の間の発熱ピークcの高さであり、安定なβ相(Mg2Si)の析出ピークに対応している。本発明では、この析出ピークが小さい方が前記低温短時間条件でのBH性に優れることを実験的に見出した。このため、発熱ピーク高さCを、前記発熱ピーク高さBとの相対関係で、前記発熱ピーク高さBに対する前記発熱ピーク高さCの比であるC/Bを、C/B≦0.6として、前記発熱ピーク高さAとともに、この発熱ピーク高さCを規制し、できるだけ小さく制御する。このC/B≦0.6とすると、前記発熱ピーク高さBが20μW/mg以上、前記A/B≦0.45の各条件との相乗効果で、前記低温短時間条件でのBH性が向上する。
一方、このC/Bが0.6を超えて大きく(高く)なっては、他のDSC要件(前記発熱ピーク高さBが20μW/mg未満、A/B≦0.45)を満たしたとしても、2%のひずみ付与後に170℃×20分の人工時効硬化処理を施した際の圧延方向に平行な方向の0.2%耐力の増加量を、100MPa以上とできない。この結果、1枚の板の圧延長手方向の部位に亘る、各成形部位から成形される数多くのパネルの、前記低温短時間条件でのBH性(焼き付け塗装硬化特性)を、同時に向上乃至保障できない。このC/Bの下限は特に定めないが、製造限界からすると概ね0.15程度である。したがって、A/Bは、好ましくは0.15〜0.6の範囲とする。
この発熱ピーク高さCのメカニズムはまだ不明であるが、過飽和に固溶しているMg、Si原子が、強化に効くβ”相や、さらに高温域で形成されるβ’相としてほぼ析出してしまっており、過飽和に固溶したMg、Siから直接β相として析出するような挙動になっていないためと推定される。このことは、昇温中において、β”の核となるMg/SiクラスタやG.P.ゾーン等が既に形成されることに起因してAのピークが小さいことと、β’の析出に対応するBのピークが高いことと合わせて解析すると、溶体化焼入れ時の凍結空孔量が多いか、その後の後述する予備時効処理で効率よく原子空孔がMg/Siクラスタ等の形成に活用され、また、β’の析出を促進するような状態で存在しているためであると推察される。
原子空孔はこのような析出に関与するが、低温ほどその平衡論的に存在する量が少なく、焼き入れなどによる非平衡に凍結された原子空孔量が析出などの拡散に強く関与する。DSC等の昇温過程では、300℃程度以上の高温域になってくると、平衡論的な原子空孔量も増大し、凍結空孔の影響よりもそちらが支配的となるため、β相の析出には、凍結空孔は直接関与することにはならない。つまり、β”相、β’相が析出する低温域では、凍結空孔がその析出挙動に強く関与し、より析出が促進されることで、高温域で析出するβ相の挙動に影響を及ぼしているものと推察される。
ちなみに、これらの各発熱ピーク高さA、B、Cの各発熱ピークa、b、cは、室温では「種」の状態で存在し、製造された6000系アルミニウム合金板の状態(通常の室温)、すなわち、圧延後に調質処理として溶体化焼入れ処理および再加熱処理された板の状態では、通常の分析手段では、全く分析も検知もできない。言い換えると、これらの各発熱ピーク高さA、B、Cの各発熱ピークa、b、cは、示差熱分析により、前記調質処理後のアルミニウム合金板を加熱していくと始めて現れる。
しかも、これらの各発熱ピーク高さA、B、C、あるいは各発熱ピークa、b、cは、この示差熱分析の際の加熱条件では、かなり遅れて、最初に生じるAも230℃以上という、比較的高温で初めて生じる。したがって、これまでに幾ら示差熱分析していても、これらの各発熱ピークa、b、cが無ければ、言い換えると、前記温度範囲でピークが検知できないような、なだらかなDSC加熱曲線しか得られていなければ、各発熱ピークa、b、cの存在自体やその挙動については全く知りようがない。本発明は、これら各発熱ピークa、b、cの存在自体やその低温短時間でのBH性への挙動(寄与)についての知見のもとになされている。
化学成分組成:
次に、6000系アルミニウム合金板の化学成分組成について、以下に説明する。本発明が対象とする6000系アルミニウム合金板は、前記した自動車の外板用の板などとして、優れた成形性やBH性、強度、溶接性、耐食性などの諸特性が要求される。
このような要求を満足するために、アルミニウム合金板の組成は、質量%で、Mg:0.2〜2.0%、Si:0.3〜2.0%を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなるものとする。なお、各元素の含有量の%表示は全て質量%の意味である。
本発明が対象とする6000系アルミニウム合金板は、BH性がより優れた、SiとMgとの質量比Si/Mgが1以上であるような過剰Si型の6000系アルミニウム合金板とされるのが好ましい。6000系アルミニウム合金板は、プレス成形や曲げ加工時には低耐力化により成形性を確保するとともに、成形後のパネルの塗装焼付処理などの、比較的低温の人工時効処理時の加熱により時効硬化して耐力が向上し、必要な強度を確保できる優れた時効硬化能(BH性)を有している。この中でも、過剰Si型の6000系アルミニウム合金板は、質量比Si/Mgが1未満の6000系アルミニウム合金板に比して、このBH性がより優れている。
本発明では、これらMg、Si以外のその他の元素は基本的には不純物あるいは含まれても良い元素であり、AA乃至JIS規格などに沿った各元素レベルの含有量(許容量)とする。
すなわち、資源リサイクルの観点から、本発明でも、合金の溶解原料として、高純度Al地金だけではなく、Mg、Si以外のその他の元素を添加元素(合金元素)として多く含む6000系合金やその他のアルミニウム合金スクラップ材、低純度Al地金などを多量に使用した場合には、下記のような他の元素が必然的に実質量混入される。そして、これらの元素を敢えて低減する精錬自体がコストアップとなり、ある程度含有する許容が必要となる。また、実質量含有しても、本発明目的や効果を阻害しない含有範囲がある。
したがって、本発明では、このような下記元素を各々以下に規定するAA乃至JIS規格などに沿った上限量以下の範囲での含有を許容する。具体的には、Mn:1.0%以下(但し、0%を含まず)、Cu:1.0%以下(但し、0%を含まず)、Fe:1.0%以下(但し、0%を含まず)、Cr:0.3%以下(但し、0%を含まず)、Zr:0.3%以下(但し、0%を含まず)、V:0.3%以下(但し、0%を含まず)、Ti:0.05%以下(但し、0%を含まず)、Zn:1.0%以下(但し、0%を含まず)、Ag:0.2%以下(但し、0%を含まず)の1種または2種以上を、この範囲で、上記した基本組成に加えて、更に含んでも良い。
上記6000系アルミニウム合金における、各元素の含有範囲と意義、あるいは許容量について以下に説明する。
Si:0.3〜2.0%
SiはMgとともに、本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの制御や規定を満足する上で重要な元素である。また、固溶強化と、塗装焼き付け処理などの前記低温での人工時効処理時に、強度向上に寄与する時効析出物を形成して、時効硬化能を発揮し、自動車のアウタパネルとして必要な強度(耐力)を得るための必須の元素である。更に、本発明6000系アルミニウム合金板にあって、プレス成形性に影響する全伸びなどの諸特性を兼備させるための最重要元素である。
また、パネルへの成形後の、より低温、短時間での塗装焼き付け処理での優れた時効硬化能を発揮させるためには、Si/Mgを質量比で1.0以上とし、一般に言われる過剰Si型よりも更にSiをMgに対し過剰に含有させた6000系アルミニウム合金組成とすることが好ましい。
Si含有量が少なすぎると、Siの絶対量が不足するため、本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの制御や規定を満足できなくなり、BH性が著しく低下する。更には、各用途に要求される全伸びなどの諸特性を兼備することができない。一方、Si含有量が多すぎると、粗大な晶出物および析出物が形成されて、曲げ加工性や全伸び等が著しく低下する。更に、溶接性も著しく阻害される。したがって、Siは0.3〜2.0%の範囲とする。
Mg:0.2〜2.0%
Mgも、Siとともに本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの制御や規定を満足する上で重要な元素である。また、固溶強化と、塗装焼き付け処理などの前記人工時効処理時に、Siとともに強度向上に寄与する時効析出物を形成して、時効硬化能を発揮し、パネルとしての必要耐力を得るための必須の元素である。
Mg含有量が少なすぎると、Mgの絶対量が不足するため、本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの制御や規定を満足できなくなり、BH性が著しく低下する。このためパネルとして必要な耐力が得られない。一方、Mg含有量が多すぎると、粗大な晶出物および析出物が形成されて、曲げ加工性や全伸び等が著しく低下する。したがって、Mgの含有量は0.2〜2.0%の範囲で、Si/Mgが質量比で1.0以上となるような量とする。
製造方法:
次に、本発明アルミニウム合金板の製造方法について以下に説明する。本発明アルミニウム合金板は、製造工程自体は常法あるいは公知の方法であり、上記6000系成分組成のアルミニウム合金鋳塊を鋳造後に均質化熱処理し、熱間圧延、冷間圧延が施されて所定の板厚とされ、更に溶体化焼入れなどの調質処理が施されて製造される。
但し、これらの製造工程中で、本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの制御や規定を満足するためには、後述する通り、溶体化および焼入れ処理後の再加熱処理条件をより適正に制御する必要がある。また、他の工程においても、本発明の規定範囲内に前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cを制御するための好ましい条件もある。
(溶解、鋳造冷却速度)
先ず、溶解、鋳造工程では、上記6000系成分組成範囲内に溶解調整されたアルミニウム合金溶湯を、連続鋳造法、半連続鋳造法(DC鋳造法)等の通常の溶解鋳造法を適宜選択して鋳造する。ここで、本発明の規定範囲内にMg−Si系クラスタを制御するために、鋳造時の平均冷却速度について、液相線温度から固相線温度までを30℃/分以上と、できるだけ大きく(速く)することが好ましい。
このような、鋳造時の高温領域での温度(冷却速度)制御を行わない場合、この高温領域での冷却速度は必然的に遅くなる。このように高温領域での平均冷却速度が遅くなった場合、この高温領域での温度範囲で粗大に生成する晶出物の量が多くなって、鋳塊の板幅方向,厚さ方向での晶出物のサイズや量のばらつきも大きくなる。この結果、前記本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの制御や規定を満足できなくなる可能性が高くなる。
(均質化熱処理)
次いで、前記鋳造されたアルミニウム合金鋳塊に、熱間圧延に先立って、均質化熱処理を施す。この均質化熱処理(均熱処理)は、組織の均質化、すなわち、鋳塊組織中の結晶粒内の偏析をなくすことを目的とする。この目的を達成する条件であれば、特に限定されるものではなく、通常の1回または1段の処理でも良い。
均質化熱処理温度は、500℃以上で融点未満、均質化時間は4時間以上の範囲から適宜選択される。この均質化温度が低いと結晶粒内の偏析を十分に無くすことができず、これが破壊の起点として作用するために、伸びフランジ性や曲げ加工性が低下する。この後、直ちに熱間圧延を開始又は、適当な温度まで冷却保持した後に熱間圧延を開始しても、前記本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの制御や規定を満足することはできる。
この均質化熱処理を行った後、300℃〜500℃の間を20〜100℃/hrの平均冷却速度で室温まで冷却し、次いで20〜100℃/hrの平均加熱速度で350℃〜450℃まで再加熱し、この温度域で熱間圧延を開始する2段階の均質化熱処理とすることもできる。
この均質化熱処理後の平均冷却速度および、その後の再加熱速度の条件を外れると、粗大なMg−Si化合物が形成される可能性が高くなる。
(熱間圧延)
熱間圧延は、圧延する板厚に応じて、鋳塊(スラブ)の粗圧延工程と、仕上げ圧延工程とから構成される。これら粗圧延工程や仕上げ圧延工程では、リバース式あるいはタンデム式などの圧延機が適宜用いられる。
この際、熱延(粗圧延)開始温度が固相線温度を超える条件では、バーニングが起こるため熱延自体が困難となる。また、熱延開始温度が350℃未満では熱延時の荷重が高くなりすぎ、熱延自体が困難となる。したがって、熱延(粗圧延)開始温度は350℃〜固相線温度、更に好ましくは400℃〜固相線温度の範囲とする。
(熱延板の焼鈍)
この熱延板の冷間圧延前の焼鈍 (荒鈍) は必ずしも必要ではないが、結晶粒の微細化や集合組織の適正化によって、成形性などの特性を更に向上させる為に実施しても良い。
(冷間圧延)
冷間圧延では、上記熱延板を圧延して、所望の最終板厚の冷延板 (コイルも含む) に製作する。但し、結晶粒をより微細化させるためには、冷間圧延率は60%以上であることが望ましく、また前記荒鈍と同様の目的で、冷間圧延パス間で中間焼鈍を行っても良い。
(溶体化および焼入れ処理)
冷間圧延後、溶体化焼入れ処理を行う。溶体化処理焼入れ処理については、通常の連続熱処理ラインによる加熱,冷却でよく、特に限定はされない。ただ、各元素の十分な固溶量を得ること、および前記した通り、結晶粒はより微細であることが望ましいことから、520℃以上の溶体化処理温度に、加熱速度5℃/秒以上で加熱して、0〜10秒保持する条件で行うことが望ましい。
また、成形性やヘム加工性を低下させる粗大な粒界化合物形成を抑制する観点から、焼入れ時の冷却速度は50℃/秒以上で行うことが望ましい。冷却速度が遅いと、粒界上にSi、Mg2Siなどが析出しやすくなり、プレス成形や曲げ加工時の割れの起点となり易く、これら成形性が低下する。この冷却速度を確保するために、焼入れ処理は、ファンなどの空冷、ミスト、スプレー、浸漬等の水冷手段や条件を各々選択して用いる。
(再加熱処理)
この室温まで焼入れ冷却した後、1時間以内に冷延板を再加熱処理する。この再加熱処理は2段階の温度に保持し、加熱速度と保持温度、保持時間、及び冷却速度とを制御する。すなわち、第1段目は100〜250℃の温度域に、平均加熱速度(昇温速度)10℃/秒(S)以上で再加熱し、到達再加熱温度で5秒〜30分保持する。第2段目は、この再加熱温度域から冷却速度1℃/秒(S)以上で70〜130℃の温度域に冷却した後、70〜130℃の温度域で10分〜2時間保持する。そして、この第2段目の再加熱温度域から、平均冷却速度1℃/秒(S)以上で室温まで冷却する。
焼入れ冷却終了後から再加熱処理までの室温保持(放置)時間が1時間を超えたり、平均加熱速度(昇温速度)が10℃/秒(S)未満となっては、室温保持(室温時効)で形成されるSi/空孔クラスタ(GPI)が先に生成して、前記本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの制御や規定を満足できず、前記室温時効後の低温短時間でのBH性が得られない。このうち、焼入れ冷却終了後から再加熱処理までの室温保持(放置)時間はより短い方が好ましい。また、平均加熱速度(昇温速度)は速い方が好ましく、高周波加熱などの高速加熱手段によって、15℃/秒(S)以上、好ましくは20℃/秒(S)以上とすることが好ましい。
(第1段目の再加熱処理)
第1段目の再加熱処理は100〜250℃の温度とする。前記再加熱温度が100℃未満でも、前記本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの規定が得られず、前記室温時効後の低温短時間でのBH性が得られない。また、加熱温度が250℃を超える条件では、本発明で規定する所定のクラスタ密度を超過して形成されるか、又はクラスタとは異なるβ’などの金属間化合物相が形成され、却って成形性や曲げ加工性を低下させる。
この第1段目の再加熱処理においては、再加熱温度と共に、平均加熱速度(昇温速度)、到達再加熱温度の保持時間も前記本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの制御に大きく影響する。平均加熱速度が10℃/秒(S)未満と遅すぎる、あるいは保持時間が5秒未満と短すぎては、前記本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの規定が得られず、前記室温時効後の低温短時間でのBH性が得られない。また、過剰に長時間保持されると、本発明で規定する所定のクラスタ密度を超過して形成されるか又はクラスタとは異なるβ’などの金属間化合物相を形成し、成形性や曲げ加工性を低下させる可能性がある。
(第2段目の再加熱処理)
第2段目の再加熱処理は、第1段目の再加熱処理の温度域から直接冷却し、70〜130℃の温度域とする。この第2段目の再加熱は、第1段目に高温域にあげることによって、凍結空孔の寄与で形成が促進された、Mg/Siクラスタ(GPII)をさらに安定に成長させるために必要なプロセスである。第2段目の再加熱温度が70℃未満でも、前記本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの規定が得られず、前記室温時効後の低温短時間でのBH性が得られない。また、加熱温度が130℃を超える条件では、本発明で規定する所定のクラスタ密度を超過して形成され、又はクラスタとは異なるβ’などの金属間化合物相が形成されやすくなり、成形性や曲げ加工性を低下させる。
この第2段目の再加熱処理においては、再加熱温度と共に、第1段目の再加熱温度域からの平均冷却速度、到達再加熱温度の保持時間も前記本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの制御に大きく影響する。第2段目の保持時間が短すぎては、前記本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの規定が得られず、前記室温時効後の低温短時間でのBH性が得られない。また、第1段目の再加熱温度域からの平均冷却速度が遅すぎるか、第2段目の保持温度に過剰に長時間保持されると、本発明で規定する所定のクラスタ密度を超過して形成されるか又はクラスタとは異なるβ’などの金属間化合物相を形成し、成形性や曲げ加工性を低下させる可能性がある。
(再加熱処理後の冷却)
6000系アルミニウム合金圧延板がこれら一連の調質された後の、BH処理までの室温経時時間が長いほど、BH処理時の析出物の析出を阻害し、BH性を低くする。その一方で、前記室温経時時間が短い6000系アルミニウム合金板ほど、BH処理時の析出物の析出を促進して、BH性を高くする。ただ、このような調質後のBH処理までの室温経時時間は、自動車の製造ラインの都合で変わり、制御はできにくい。
このため、本発明では、この調質における再加熱処理条件、特に、この再加熱処理後の冷却によって、室温経時される前に、予め前記本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの規定を満たすようにする。具体的には、平均冷却速度は1℃/hr以上とする。
例え、それまでの製造条件や、他の再加熱処理条件を満足しても、再加熱処理後の前記2段階の細かい冷却条件などのひとつの条件が適正でないと、前記本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの制御や規定を満足できない可能性が高くなる。
具体的には、平均冷却速度が1℃/hr未満では、前記本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピークa、cが多く生じて、規制できず、これらの規定を満足できない。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
次に本発明の実施例を説明する。本発明で規定の前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの高さが各々異なる6000系アルミニウム合金板を、溶体化および焼入れ処理後の再加熱処理条件で作り分けて、調質後の低温短時間でのBH性(塗装焼付け硬化性)を各々評価した。合わせて、プレス成形性や曲げ加工性としてのヘム加工性も評価した。
前記作り分けは、表1に示す組成の6000系アルミニウム合金板を、表2に示すように、溶体化および焼入れ処理後の再加熱処理条件、加熱温度(℃)、表2では到達温度と記載)、保持時間(hr)、そして特に、これら加熱保持後の冷却条件を種々変えて製造した。なお、表1中の各元素の含有量の表示において、各元素における数値をブランクとしている表示は、その含有量が検出限界以下であることを示す。
アルミニウム合金板の具体的な製造条件は以下の通りである。表1に示す各組成の鋳塊を、DC鋳造法により共通して溶製した。この際、各例とも共通して、鋳造時の平均冷却速度は液相線温度から固相線温度までを50℃/分とした。続いて、鋳塊を、各例とも共通して、540℃×6時間均熱処理した後、熱延(粗圧延)開始温度を500℃として熱間粗圧延を開始した。そして、各例とも共通して、続く仕上げ圧延にて、厚さ3.5mmまで熱延し、熱間圧延板(コイル)とした。熱間圧延後のアルミニウム合金板を、各例とも共通して、500℃×1分の荒焼鈍を施した後、冷延パス途中の中間焼鈍無しで加工率70%の冷間圧延を行い、各例とも共通して、厚さ1.0mmの冷延板(コイル)とした。
更に、この各冷延板を、各例とも共通して、連続式の熱処理設備で調質処理(T4)した。具体的には、500℃までの平均加熱速度を10℃/秒として、表2に記載の溶体化処理温度まで加熱し、直ちに、表2に記載の平均冷却速度で、室温まで冷却する、溶体化および焼入れ処理を行った。この後、各例とも表2に示す各条件で、同じ連続式の熱処理設備内でオンラインにて再加熱処理を行った。
これら調質処理後2ヶ月室温放置した後の各最終製品板から供試板(ブランク)を任意に切り出し、各供試板の組織と特性とを測定、評価した。これらの結果を表3に示す。
示差熱分析:
但し、示差熱分析での試料採取だけは、前記調質処理後のアルミニウム合金板の長手方向に亙る先端部、中央部、後端部とを各々必須で含む10箇所から行った。そして、前記した試験条件にて、前記各温度範囲の発熱ピークのうちの最も高い発熱ピーク高さを、前記測定10箇所で平均化したものを前記各発熱ピーク高さA、B、Cとした。
(塗装焼付硬化性)
前記調質処理後1ヶ月室温放置した後の各供試板の機械的特性として、0.2%耐力(As耐力)と全伸び(As全伸び)を引張試験により求めた。また、これらの各供試板を各々共通して、2%のひずみ付与後に170℃×20分の低温、短時間の人工時効硬化処理した後(BH後)の、供試板の0.2%耐力(BH後耐力)を引張試験により求めた。そして、これら0.2%耐力同士の差(耐力の増加量)から各供試板のBH性を評価した。
前記引張試験は、前記各供試板から、各々JISZ2201の5号試験片(25mm×50mmGL×板厚)を採取し、室温にて引張り試験を行った。このときの試験片の引張り方向を圧延方向の直角方向とした。引張り速度は、0.2%耐力までは5mm/分、耐力以降は20mm/分とした。機械的特性測定のN数は5とし、各々平均値で算出した。なお、前記BH後の耐力測定用の試験片には、この試験片に、板のプレス成形を模擬した2%の予歪をこの引張試験機により与えた後に、前記BH処理を行った。
(ヘム加工性)
ヘム加工性は、前記調質処理後2ヶ月室温放置後の各供試板についてのみ行った。試験は、30mm幅の短冊状試験片を用い、ダウンフランジによる内曲げR1.0mmの90°曲げ加工後、1.0mm厚のインナを挟み、折り曲げ部を更に内側に、順に約130度に折り曲げるプリヘム加工、180度折り曲げて端部をインナに密着させるフラットヘム加工を行った。
このフラットヘムの曲げ部(縁曲部)の、肌荒れ、微小な割れ、大きな割れの発生などの表面状態を目視観察し、以下の基準にて目視評価した。
0;割れ、肌荒れ無し、1;軽度の肌荒れ、2;深い肌荒れ、3;微小表面割れ、4;線状に連続した表面割れ、5;破断
表1〜3に示す通り、各発明例は、本発明成分組成範囲内で、かつ好ましい条件範囲で製造、調質処理を行なっている。すなわち、本発明では、溶体化および室温まで焼入れ冷却した後、1時間以内に冷延板を再加熱処理している。そして、この再加熱処理のヒートパターンの制御として、第1段目の再加熱処理は、100〜250℃の温度域に、平均加熱速度10℃/秒(S)以上で再加熱し、到達再加熱温度で5秒〜30分保持している。そして、第2段目の再加熱温度域まで平均冷却速度1℃/秒(S)以上で冷却した後、70〜130℃の温度域に10分〜2時間保持している。また、前記第2段目の再加熱温度域からの平均冷却速度を1℃/hr以上としている。
このため、各発明例は、表3に示す通り、前記本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの制御や規定を満足しており、前記調質処理後の長期の室温時効後であって、かつ低温短時間での塗装焼付け硬化であっても、BH性に優れている。また、各発明例は、前記調質処理後の長期の室温時効後であっても、伸びやヘム加工性に優れている。
表2、3の比較例3〜10は、表1の発明合金例2を用いている。しかし、これら各比較例は、表2に示す通り、再加熱処理条件が好ましい範囲を外れている。この結果、これらの比較例は前記本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの規定から外れ、同じ合金組成である発明例2に比して、特にBH性が劣っている。
表2、3の比較例12〜16は、表1の発明合金例5を用いている。しかし、これら各比較例は、表2に示す通り、再加熱処理条件が好ましい範囲を外れている。この結果、これらの比較例は前記本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの規定から外れ、同じ合金組成である発明例11に比して、特にBH性が劣っている。
表2、3の比較例18〜22は、表1の発明合金例8を用いている。しかし、これら各比較例は、表2に示す通り、再加熱処理条件が好ましい範囲を外れている。この結果、これらの比較例18〜22は前記本発明で規定するBH性に効く前記DSCにおける各発熱ピーク高さA、B、Cの規定から外れ、同じ合金組成である発明例17に比して、特にBH性が劣っている。
また、表2、3の比較例34〜40は、再加熱処理条件を含めて好ましい範囲で製造しているものの、必須元素のMgあるいはSiの含有量が各々本発明範囲を外れているか、あるいは不純物元素量が多すぎる。このため、これら比較例34〜40は、表3に示す通り、本発明で規定するクラスタの条件のいずれかが外れており、各発明例に比して、BH性やヘム加工性が劣っている。
比較例34は表1の合金16であり、Siが多すぎる。
比較例35は表1の合金17であり、Zrが多すぎる。
比較例36は表1の合金18であり、Feが多すぎる。
比較例37は表1の合金19であり、Vが多すぎる。
比較例38は表1の合金20であり、Tiが多すぎる。
比較例39は表1の合金21であり、Cuが多すぎる。
比較例40は表1の合金22であり、Znが多すぎる。
したがって、以上の実施例の結果から、長期室温時効後の低温短時間条件でのBH性向上に対して、前記本発明で規定する各発熱ピーク高さA、B、Cの規定を全て満たす必要性があることが裏付けられる。また、このようなクラスタ条件やBH性などを得るための、本発明における成分組成の各要件あるいは好ましい製造条件の臨界的な意義乃至効果も裏付けられる。
Figure 2013167004
Figure 2013167004
Figure 2013167004
本発明によれば、広幅で長尺な板の全域に亘る、長期室温時効後の低温短時間条件でのBH性や成形性を兼備する6000系アルミニウム合金板を提供できる。この結果、この板の全域部位から採取されて多数成形される自動車、船舶あるいは車両などの輸送機、家電製品、建築、構造物の部材や部品用として、また、特に、自動車などの輸送機の部材に6000系アルミニウム合金板を適用できる。

Claims (2)

  1. 質量%で、Mg:0.2〜2.0%、Si:0.3〜2.0%を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、圧延後に調質処理として溶体化焼入れ処理および再加熱処理されたAl−Mg−Si系アルミニウム合金板であって、示差走査熱分析曲線において、230〜270℃の温度範囲における発熱ピーク高さをA、280〜320℃の温度範囲における発熱ピーク高さをB、330〜370℃の温度範囲における発熱ピーク高さをCとした際に、前記発熱ピーク高さBが20μW/mg以上であるとともに、前記発熱ピーク高さBに対する前記発熱ピーク高さA、Cの各比である、A/Bを0.45以下、C/Bを0.6以下と各々して、前記発熱ピーク高さAとCとを共に規制し、2%のひずみ付与後に170℃×20分の人工時効硬化処理を施した際の圧延方向に平行な方向の0.2%耐力の増加量が100MPa以上であることを特徴とするアルミニウム合金板。
  2. 前記アルミニウム合金板が、更に、Mn:1.0%以下(但し、0%を含まず)、Cu:1.0%以下(但し、0%を含まず)、Fe:1.0%以下(但し、0%を含まず)、Cr:0.3%以下(但し、0%を含まず)、Zr:0.3%以下(但し、0%を含まず)、V:0.3%以下(但し、0%を含まず)、Ti:0.05%以下(但し、0%を含まず)、Zn:1.0%以下(但し、0%を含まず)、Ag:0.2%以下(但し、0%を含まず)の1種または2種以上を含む請求項1に記載のアルミニウム合金板。
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