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JP2013148616A - 定着装置、画像形成装置及びプログラム - Google Patents

定着装置、画像形成装置及びプログラム Download PDF

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JP2013148616A JP2012007048A JP2012007048A JP2013148616A JP 2013148616 A JP2013148616 A JP 2013148616A JP 2012007048 A JP2012007048 A JP 2012007048A JP 2012007048 A JP2012007048 A JP 2012007048A JP 2013148616 A JP2013148616 A JP 2013148616A
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Motofumi Baba
基文 馬場
Hajime Kishimoto
一 岸本
Shuichi Suzuki
修一 鈴木
Takeshi Haruhara
剛 春原
Shinichi Kinoshita
晋一 木下
Takeo Iwasaki
健男 岩崎
Koji Ito
考司 伊藤
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Abstract

【課題】画像が媒体に定着される領域に複数の媒体が断続して通過する場合に、定着が行われていない期間の発熱量を小さくすること。
【解決手段】制御部は、ステップS12で用紙に画像が二次転写された後、ニップ領域を用紙が通過中か否かを判断する(ステップS13)。用紙が通過中である(YES)と判断した場合、制御部は、励磁コイルに定着電流量の電流を供給させ(ステップS14)、用紙が通過中と判断している間はその処理を繰り返す。用紙が通過中でない(NO)と判断した場合、制御部は、励磁コイルに電流を供給しないようにする(ステップS15)。制御部は、以上の処理を要求された画像形成が終了するまで行う。
【選択図】図6

Description

本発明は、定着装置、画像形成装置及びプログラムに関する。
特許文献1には、コピー枚数や転写紙サイズ等の画像形成条件に基いて予め設定されたコピーモード秒数が経過した時点でハロゲンヒータの通電を停止する技術について記載されている。
特開2007−34010号公報
本発明は、画像が媒体に定着される領域に複数の媒体が断続して通過する場合に、定着が行われていない期間の発熱量を小さくすることを目的とする。
本発明の請求項1に係る定着装置は、第1の軸を中心に回転する第1の回転部材と、前記第1の回転部材と接触して前記第1の軸に沿った第2の軸を中心に回転し、且つ、交流磁界における電磁誘導によって熱を発生する第2の回転部材を有し、前記第1の回転部材及び前記第2の回転部材が接触する領域において画像を媒体に定着させる定着部材と、前記媒体または前記媒体に形成された画像が前記領域を通過している状態か否かを検知する検知手段と、前記第2の回転部材を含む空間に交流磁界を生成する磁界生成手段であって、画像が形成された複数の媒体が前記領域を断続して通過する場合に、前記検知手段によって前記状態であることが検知されている期間は、第1の強度の交流磁界を生成し、前記検知手段によって前記状態であることが検知されていない期間は、前記第1の強度よりも小さい第2の強度の交流磁界を生成するかまたは交流磁界を生成しない磁界生成手段とを備えることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る定着装置は、請求項1に記載の構成において、前記第2の回転部材は、無端のベルトであり、前記領域にまだ到達していない前記媒体または当該媒体に形成された画像と、当該領域との距離を検出する検出手段を備え、前記磁界生成手段は、前記ベルトの一部を透過する交流磁界を生成し、且つ、前記検出手段によって検出される距離が閾値未満になったときから0になるときにかけて前記第2の強度を増加させながら交流磁界を生成することを特徴とする。
本発明の請求項3に係る定着装置は、請求項1に記載の構成において、前記第2の回転部材は、無端のベルトであり、前記領域にまだ到達していない前記媒体または当該媒体に形成された画像と、当該領域との距離を検出する検出手段を備え、前記磁界生成手段は、前記ベルトの一部を透過する交流磁界を生成し、且つ、前記検知手段によって前記状態であることが検知されなくなったときから前記検出手段により検出される距離が前記閾値未満になるまで、前記第2の強度を減少させながら交流磁界を生成することを特徴とする。
本発明の請求項4に係る定着装置は、請求項1に記載の構成において、前記第2の回転部材は、無端のベルトであり、前記領域にまだ到達していない前記媒体または当該媒体に形成された画像と、当該領域との距離を検出する検出手段を備え、前記磁界生成手段は、前記ベルトの一部を透過する交流磁界を生成し、且つ、前記検知手段によって前記状態であることが検知されていない期間において、前記検出手段により検出される距離が閾値未満になったときに前記第1の強度の交流磁界を生成することを特徴とする。
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、媒体に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により画像が形成された媒体を前記領域に搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送されてくる媒体に画像を定着する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の定着装置とを具備することを特徴とする。
本発明の請求項6に係るプログラムは、第1の軸を中心に回転する第1の回転部材と、前記第1の回転部材と接触して前記第1の軸に沿った第2の軸を中心に回転し、且つ、交流磁界における電磁誘導によって熱を発生する第2の回転部材を有し、前記第1の回転部材及び前記第2の回転部材が接触する領域において画像を媒体に定着させる定着部材と、前記媒体または前記媒体に形成された画像が前記領域を通過している状態か否かを検知する検知手段と、前記第2の回転部材を含む空間に交流磁界を生成する磁界生成手段とを備える定着装置を制御するコンピュータに、画像が形成された複数の媒体が前記領域を断続して通過する場合に、前記検知手段によって前記状態であることが検知されている期間は、第1の強度の交流磁界を生成し、前記検知手段によって前記状態であることが検知されていない期間は、前記第1の強度よりも小さい第2の強度の交流磁界を生成するかまたは交流磁界を生成しないように前記磁界生成手段を制御する制御ステップを実行させるためのものであることを特徴とする。
請求項1、5、6に係る発明によれば、画像が媒体に定着される領域に複数の媒体が断続して通過する場合に、媒体が領域を通過していない期間にも第1の強度の交流磁界を生成し続ける構成に比べて、定着が行われていない期間の発熱量を少なくすることができる。
請求項2に係る発明によれば、媒体が領域を通過していない期間の終わりに第2の強度を増加させない場合に比べて、交流磁界が生成される空間から回転する第2の回転部材が出てくる部分において生じる第2の回転部材の回転方向における温度ムラを小さくすることができる。
請求項3に係る発明によれば、媒体が領域を通過していない期間の始めに第2の強度を減少させない場合に比べて、交流磁界が生成される空間に回転する第2の回転部材が入っていく部分において生じる第2の回転部材の回転方向における温度ムラを小さくすることができる。
請求項4に係る発明によれば、磁界生成手段が第2の強度を変化させることができない場合であっても、媒体が領域を通過していない期間の終わりに第1の強度で交流磁界を生成しない構成に比べて、媒体に画像が定着する強さの度合いのムラを小さくすることができる。
第1実施形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。 画像形成部の構成を示す図である。 定着装置の構成を示す図である。 図3の矢視IV-IV方向に見た定着装置の断面を示す図である。 定着ベルトのX部を拡大して示す図である。 定着処理の処理の手順を示すフローチャートである。 励磁コイルへの供給電流量の一例を示したグラフである。 第2実施形態における定着処理の処理の手順を示すフローチャートである。 供給電流量について説明するための図である。 第3実施形態における供給電流量について説明するための図である。 第4実施形態における供給電流量について説明するための図である。 制御部が実現する機能を示すブロック図である。 変形例における供給電流量と時刻との関係の例を示すグラフである。
[第1実施形態]
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態の画像形成装置100の構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、画像データに応じた画像を形成する装置である。画像形成装置100は、制御部110と、表示部120と、操作部130と、通信部140と、記憶部150と、画像形成部160とを備える。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)を含む演算装置やメモリを備えたコンピュータである。制御部110の演算装置は、メモリに記憶されたプログラムを実行して、画像形成装置100の各部を制御したり、データを処理したりする。また、制御部110は、時刻を測定する機能を有し、これらの制御や処理を行ったときの時刻を取得したり、決められた時刻にこれらの制御や処理を行ったりする。
表示部120は、液晶表示画面及び液晶駆動回路を備えており、制御部110から供給されてくる情報に基づいて処理の進行状況やユーザに操作を案内する情報などを表示する。操作部130は、ボタン等の操作子を備え、ユーザの操作に応じてその操作内容を表す操作情報を制御部110に供給する。通信部140は、LAN(Local Area Network)などの通信回線と接続し、その通信回線に接続する外部装置と通信する。この外部装置からは、例えば、画像を形成するための画像データとともに、その画像を用紙に形成するように要求することを示す要求データが送信されてくる。通信部140は、送信されてきたそれらのデータを制御部110に供給する。記憶部150は、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置を備え、例えば、上記の画像データを記憶する。画像形成部160は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナーを用いて電子写真方式で記録媒体である用紙に画像を形成する。
図2は、画像形成部160の構成を示す図である。図2に示す画像形成部160の各符号のうち、その末尾に付されたアルファベットは画像形成装置が扱うトナーの色に対応する。符号の末尾のアルファベットが異なる構成は、扱うトナーの色が異なるが、その構成は互いに共通している。以下の説明において、これら各構成を特に区別する必要がない場合には、符号の末尾のアルファベットを省いて説明する。画像形成部160は、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、露光装置2と、中間転写ベルト3と、給紙部4と、複数の搬送ロール5と、二次転写ロール6と、定着装置7と、排出部8と、用紙検知部21とを有する。
露光装置2は、各画像形成ユニット1に各色の画像データに応じた光(露光光)をそれぞれ出力し、各色の画像の元となる静電潜像をそれぞれ形成する。画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kは、トナーを用いて静電潜像を現像し、各色の画像をそれぞれ形成する。これらの画像形成ユニット1の構成について、画像形成ユニット1Kの構成を例に挙げて説明する。画像形成ユニット1Kは、感光体11Kと、帯電装置12Kと、露光部13Kと、現像装置14Kと、一次転写ロール15Kと、クリーニング装置16Kとを有する。感光体11Kは、表面に光導電膜を積層して軸を中心に回転する円筒状の部材であり、表面に形成された静電潜像を保持する。
帯電装置12Kは、感光体11Kを決められた帯電電位に帯電させる。露光部13Kは、露光装置2から出力された露光光が感光体11Kに至るまでの経路を形成する。帯電装置12Kにより帯電された感光体11Kの表面には、露光装置2が出力した露光光が露光部13Kを通って到達し、画像データに応じた静電潜像が形成される。現像装置14Kは、非磁性体であるトナーと磁性体であるキャリアとを有する現像剤を収容する。現像装置14Kは、この現像剤に含まれるトナーを上記の静電潜像に供給し、この静電潜像を現像して感光体11Kの表面に画像を形成する。一次転写ロール15Kは、この画像を感光体11Kから中間転写ベルト3に一次転写する。クリーニング装置16Kは、一次転写がされた後の感光体11Kの表面に残留するトナーを除去する。
中間転写ベルト3は、駆動ロール31を含む複数のロールに掛け渡されており、これらのロールにより回転可能に支持されている。駆動ロール31は、制御部110により制御される図示せぬ駆動機構により駆動されて、制御部110が定めた回転速度(回転する速度のこと)で回転する。中間転写ベルト3は、駆動ロール31が回転することにより、矢印で示す回転方向A1に回転する。中間転写ベルト3の外周面には、各画像形成ユニットによって形成された画像が重ね合わされるようにして一次転写される。給紙部4には、用紙が複数枚収容されている。
複数の搬送ロール5は、給紙部4から二次転写ロール6、定着装置7を経由して排出部8にまで至る破線の矢印で示す搬送路B1を形成し、この搬送路B1を矢印で示す搬送方向A2に用紙を搬送する搬送手段である。これらの搬送ロール5は、制御部110により制御される図示せぬ駆動機構により駆動されて、制御部110が定めた回転速度で回転する。二次転写ロール6は、中間転写ベルト3と接触し、画像の転写のための領域である転写領域を形成する。二次転写ロール6は、複数の搬送ロール5によってこの転写領域に搬送されてきた用紙に、中間転写ベルト3に一次転写された画像を二次転写する。このように画像が二次転写されることで、用紙に画像が形成されることになる。上述した画像形成ユニット1、露光装置2、中間転写ベルト3及び二次転写ロール6は、用紙に画像を形成する手段であり、本発明に係る「画像形成手段」の一例である。二次転写ロール6は、制御部110により制御される図示せぬ駆動機構により駆動されて、制御部110が定めた回転速度で回転する。転写領域を通過した用紙は、搬送路B1を通って定着装置7に搬送される。
定着装置7は、搬送されてきた用紙に二次転写された画像に対し加熱及び加圧を行うことによって、その画像を用紙に定着させる。定着装置7は、この加熱を行うタイミング等が図1に示す制御部110によって制御されている。定着装置7及び制御部110が協働することで、本発明に係る「定着装置」として機能する。画像が形成された用紙は複数の搬送ロール5により搬送されて排出部8に排出させられる。
用紙の搬送速度は、複数の搬送ロール5、中間転写ベルト3及び二次転写ロール6の回転速度によって決まる。これらの回転速度は、上記のとおり、制御部110が決めるようになっている。つまり、制御部110は、これらの回転速度を決めることで、用紙の搬送速度を、例えば、150mm/毎秒以上200mm/毎秒以下の範囲で制御している。詳細には、制御部110は、上述した各駆動機構に対して搬送速度に応じた制御信号を供給することで、その搬送速度で用紙が搬送されるようにこれらの駆動機構を制御している。
用紙検知部21は、搬送路B1上の或る位置に用紙があるか否か(用紙の有無)を検知するためのものである。以下では、用紙検知部21が用紙の有無を検知する位置を「用紙検知位置」という。用紙検知部21は、この用紙検知位置が搬送路B1における転写領域から定着装置7までの範囲にくるように配置されている。用紙検知部21は、例えば光センサであり、用紙検知位置に対して光を発信し、その用紙検知位置からの光を受信する。用紙検知部21が受信する光の強度は、用紙検知位置に用紙があるときとないときとで異なる。例えば、この強度が或る閾値以上であるときには用紙検知位置に用紙があることが示され、その閾値未満であるときには用紙がないことが示される。用紙検知部21は、検知した結果を示す検知データを制御部110に供給する。この検知データは、例えば受信した光の強度を示すデータである。制御部110は、検知データが示す強度が上記の閾値以上である場合に、用紙検知位置に用紙があることを検知し、閾値未満である場合に、用紙がないことを検知する。
図3は、定着装置7の構成を示す図である。図3では用紙の搬入側から見た定着装置7を示している。定着装置7は、支持体71を有し、その支持体71の内部に、IH(Induction Heating)ヒータ72と、定着部材73と、加圧ロール74とを備えている。加圧ロール74は、一点鎖線の矢印で示す軸C1を中心に回転するロールであり、支持体71に回転可能に支持されている。軸C1は、矢印で示す軸方向A3に沿っている。加圧ロール74は、図示せぬ接離機構により、定着部材73と接触または離間するようになっている。図3では、加圧ロール74が定着部材73に接触した状態を示している。この状態において、定着部材73及び加圧ロール74は、ニップ領域R1を形成している。ニップ領域R1は、用紙が通過する領域である。
IHヒータ72は、電力が供給されると定着部材73を含む空間に交流磁界を生成するものである。定着部材73は、ニップ領域R1において画像を用紙に定着させる部材である。定着部材73は、定着ベルト731と、ベルト支持部材732と、ホルダ733とを有する。定着ベルト731は、円筒状に形成された無端のベルトであり、外周面を加圧ロール74と接触させて上記のニップ領域R1を形成している部材である。定着ベルト731は、IHヒータ72が生成した交流磁界によって引き起こされる電磁誘導により熱を発生する。定着ベルト731は、このように発生させた熱により、ニップ領域R1を通過する用紙に熱を加え、その用紙に形成されている画像を定着させる。定着装置7においては、このように画像を定着させるときの定着ベルト731の温度が予め設定されており、この温度を「定着設定温度」という。ホルダ733は、上記の軸方向A3に延伸する棒状の部材であり、軸方向A3の両端が支持体71に固定されている。ベルト支持部材732は、定着ベルト731の上記の軸方向A3の両端部を、定着ベルト731の断面の形状を円形に維持しながら支持する部材である。ベルト支持部材732は、定着ベルト731の軸を中心に回転可能な状態でホルダ733に支持されており、図示せぬ駆動機構により定着ベルト731の周方向に回転する。これにより、定着ベルト731は、一点鎖線で示した軸C2を中心に回転する。軸C2も、軸C1のように、軸方向A3に沿っている。軸C1は、本発明に係る「第1の軸」の一例であり、軸C2は、本発明に係る「第2の軸」の一例である。
図4は、図3の矢視IV-IV方向に見た定着装置7の断面を示す図である。この図では、支持体71を省いている。IHヒータ72は、励磁回路721と、励磁コイル722と、磁心723と、シールド724とを有する。励磁回路721は、定められた周波数の交流電流を励磁コイル722に供給する。この周波数は、例えば、一般的な汎用電源により生成される交流電流の周波数であり、例えば20kHz以上100kHz以下の周波数である。この交流電流の電流量は、制御部110によって制御される。励磁コイル722は、相互に絶縁された銅線材を束ねたリッツ線が、楕円形状または長方形状等の中空きの閉ループ状に巻かれて形成されているコイルである。励磁コイル722に励磁回路721から上記の交流電流が供給されることにより、励磁コイル722の周囲には、上記のリッツ線を中心とする交流磁界が生成される。上記の電流量が大きいほど、生成される交流磁界の強度が大きくなる。
磁心723は、例えば焼成フェライト、フェライト樹脂、パーマロイや感温磁性合金等を材料に形成された円弧形状の強磁性体である。これらの材料は、透磁率が比較的高い酸化物や合金材質である。磁心723は、励磁コイル722の周囲に生成された交流磁界の磁力線(磁束)を内部に誘導し、磁心723から定着部材73を透過して磁心723と同様の強磁性体からなる誘導部材735から磁心723に戻る磁力線の通路(磁路)を形成する。磁心723と誘導部材735の強磁性体で挟み込む磁路を形成することにより、上記の交流磁界の磁力線が、定着部材73のうち磁心723と対向する部分に集中し、高磁束密度の磁界を形成して高効率な誘導加熱を実現できる。シールド724は、磁界を遮蔽して外部への漏洩を抑制する。
定着部材73は、上述した定着ベルト731及びホルダ733に加え、パッド734と、誘導部材735とを有する。定着ベルト731は、上記のとおり、加圧ロール74と接触してニップ領域R1を形成している。ニップ領域R1には、図2に示す複数の搬送ロール5により用紙P1が搬送路B1を通って搬送されてくる。複数の搬送ロール5は、画像が形成された用紙をニップ領域R1に搬送する手段であり、本発明に係る「搬送手段」の一例である。加圧ロール74は、矢印で示す回転方向A4に回転し、定着ベルト731は、矢印で示す回転方向A5に回転する。加圧ロール74及び定着ベルト731がこれらの方向に回転することで、ニップ領域R1まで搬送された用紙P1は、この領域を通過して、再び搬送路B1を搬送される。加圧ロール74は、本発明に係る「第1の回転部材」の一例であり、定着ベルト731は、本発明に係る「第2の回転部材」の一例である。定着ベルト731の詳細な構成について、図5を参照しながら説明する。
図5は、定着ベルト731のX部を拡大して示す図である。定着ベルト731は、基材層731aと、導電発熱層731bと、弾性層731cと、表面離型層731dとを有する。基材層731aは、耐熱性のシート状部材で形成され、導電発熱層731bを支持するとともに、定着ベルト731全体としての機械的強度を形成する。また、基材層731aは、磁界を通過させる物性(比透磁率、固有抵抗)を持った材質及び厚さで形成されている。基材層731aは、磁界の作用により発熱しない、または導電発熱層731bよりも発熱しにくくなっている。基材層731aは、例えば、厚さ30μm以上200μm以下の非磁性ステンレススチール等の非磁性金属や、厚さ60μm以上200μm以下の樹脂材料等を用いて形成されている。
導電発熱層731bは、例えば、Au、AgまたはCu等の非磁性金属やこれらの金属合金を材料に用いて、厚さが2μm以上20μm以下となるように形成されている。これらの材料は、比透磁率が概ね1の常磁性体であり、固有抵抗が2.7×10−8Ω・m以下のものである。導電発熱層731bの厚さ方向にIHヒータ72が生成した交流磁界が通過すると、電磁誘導が生じて導電発熱層731bの内部に渦電流が流れる。導電発熱層731bは、この渦電流が流れることにより、熱を発生する。このように、導電発熱層731bは、IHヒータ72が生成する交流磁界によって加熱される。以下では、このように交流磁界における電磁誘導により導電発熱層731bを有する定着ベルト731が熱を発する、すなわち加熱されることを、「電磁誘導加熱」という。
弾性層731cは、例えばシリコーンゴムなど、圧力を加えられると変形し、加えられた圧力がなくなると元の形状に戻る材料を用いて形成されている。例えば、弾性層731cは、硬度が10°以上30°以下(JIS−A)のシリコーンゴムを材料に用いて、厚みが100μm以上600μm以下となるように形成されている。上記二次転写ロール6により用紙に二次転写された画像は、粉体である各色トナーが積層して形成されているため、微細な出っ張りや窪みがある。弾性層731cは、この画像の出っ張りや窪みに合わせて変形するようになっている。定着部材73がこのように変形しなければ、画像において定着部材73と接触する部分としない部分とで供給される熱量にばらつきが生じてしまい、その画像が定着される度合いにムラが生じてしまう。弾性層731cが上記のとおり変形することで、このムラが低減される。
表面離型層731dは、用紙に形成された画像(トナー)と直接接触するため、トナーに対する離型性が高いほど望ましい。表面離型層731dは、トナーに対する離型性が比較的高いものとして、例えば、PFA(Tetrafluoroetylene- Perfluoroalkylvinylether Copolymer:テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)、PTFE(polytetrafluoroethylene:ポリテトラフルオロエチレン)、シリコーン共重合体、またはこれらの複合層等を材料に用いて形成されている。また、表面離型層731dの厚みが小さいほど、摩耗により層が薄くなって離型層としての機能を果たせなくなるまでに要する期間が短くなる、すなわち定着ベルト731の寿命が短くなる。一方、この厚みが大きいほど、定着ベルト731の熱容量が大きくなり、定着ベルト731が決められた温度となるまで加熱するために要する時間が長くなる。表面離型層731dは、これらの寿命及び時間が定められた範囲に収まるものとして、厚みが1μm以上50μm以下となるように形成されている。
図4に戻る。パッド734は、シリコーンゴムやフッ素ゴムなどの圧力により変形するものを材料に形成され、定着ベルト731の内側で加圧ロール74と対向する位置に配置されている。パッド734は、ニップ領域R1において加圧ロール74から押圧される定着ベルト731を支持する。ホルダ733は、例えば、ガラス混入PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性樹脂や、Au、Ag、Cu等の非磁性金属等を材料に用いて形成されている。これにより、ホルダ733は、他の材料を用いる場合に比べて比較的、誘導磁界に影響を与えにくくなっており、且つ、誘導磁界から影響を受けにくくなっている。
誘導部材735は、定着ベルト731の内周面に沿って円弧を描く形状で形成された強磁性体からなる部材であり、本実施の形態では感温磁性合金を用いており、ホルダ733に支持されて定着ベルト731の内側に配置されている。誘導部材735は、IHヒータ72が生成して定着ベルト731の一部を透過した磁力線を内部に誘導し、IHヒータ72に戻る磁路を形成する。こうして形成された磁路により、定着ベルト731のうち、二点鎖線の矢印で示す範囲に位置する部分において電磁誘導が生じて、この部分に熱が発生する。以下では、この領域を加熱範囲Yという。このように、定着ベルト731の一部、すなわち加熱範囲Yにある部分を含む空間には、IHヒータ72によって交流磁界が生成される。また、誘導部材735は、定着ベルト731の内周面とは予め定められた大きさ(例えば、0.5mm以上1.5mm以下)の隙間を開けて配置されている。これにより、定着ベルト731が加熱されるときには、この隙間が開いていない場合に比べて、定着ベルト731の熱が誘導部材735に流入することが抑制されてウォームアップタイムが高速化され、極めて迅速な立上げが実現できるようになっている。
誘導部材735と定着ベルト731との隙間には、2つの温度センサ75が設けられている。これらの温度センサ75は、図3に示すように、上記の軸方向A3の位置が異なる2つの場所に設けられている。これらの温度センサ75は、図4に示すように、上記の加熱範囲Yにおける回転方向A5の下流側の端部、すなわち定着ベルト731への加熱が終わるところに、定着ベルト731の内周に接触するようにして固定されている。これにより、温度センサ75は、定着ベルト731において、IHヒータ72による加熱が概ね終了した部分の温度を測定する。温度センサ75は、測定した温度を示すデータを、図1に示す制御部110に供給する。
画像形成装置100に対して複数の用紙に画像を形成するという要求があった場合、定着装置7に対して搬送されてくるそれらの用紙が、上記のニップ領域R1を断続して通過することになる。この場合に、画像形成装置100においては、制御部110が各部を制御することで、ニップ領域R1を用紙が通過していないとき、すなわち画像の用紙への定着が行われていないときに、励磁回路721により励磁コイル722に供給される電流量が低減するように定着処理(画像を用紙に定着させる処理)が行われる。
図6は、定着処理の処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、画像形成装置100に電源が投入されることを契機に開始される。まず、制御部110は、外部装置から画像形成の要求があるか否かを判断する(ステップS11)。具体的には、制御部110は、上述した要求データ及び画像データが通信部140を介して供給されている場合は、要求がある(YES)と判断し、供給されていない場合は、要求がない(NO)と判断する。以下では、この画像データが複数の画像を示すものであり、これらの画像を複数の用紙にそれぞれ形成する場合を例にとって説明する。制御部110は、この要求がない(NO)と判断した場合は、ステップS11の処理を再び行い、要求があるまでこの処理を繰り返す。制御部110は、この要求がある(YES)と判断した場合、画像形成部160の各部を制御して、送信されてきた画像データが示す画像を中間転写ベルト3に形成し、給紙部4から転写領域まで用紙を搬送し、その用紙に画像を二次転写する(ステップS12)。この処理は、画像データが示す複数の画像に対して順次行われる。これにより、ニップ領域R1には、画像が形成された用紙が、上記の画像データが示す複数の画像の数だけ、断続して搬送されてくることになる。
次に、制御部110は、ニップ領域R1を用紙が通過している状態か否かを判断する(ステップS13)。以下では、このようにニップ領域R1を用紙が通過している状態のことを「通過状態」という。この通過状態は、本発明に係る「状態」の一例である。制御部110は、用紙検知部21から供給される検知データに基づいてこの判断を行う。この判断のため、記憶部150は、用紙検知部21が用紙の有無を検知する用紙検知位置からニップ領域R1までの搬送路B1に沿った第1距離と、第1距離にニップ領域R1の搬送路B1に沿った距離を加えた第2距離とを記憶しておく。まず、制御部110は、用紙検知位置に用紙があるか否かを、上述したとおり検知データが示す光の強度が閾値以上か否かによって、決められた間隔(例えば1msec毎)で繰り返し検知する。そして、制御部110は、検知した結果が用紙がないというものから用紙があるというものに変化したときに、用紙の先端、すなわち用紙の搬送方向A2の前側の縁の部分が用紙検知位置に到達したことを検知し、検知した結果が用紙があるというものから用紙がないというものに変化したときに、用紙の後端、すなわち用紙の搬送方向A2の後側の縁の部分が用紙検知位置に到達したことを検知する。
制御部110は、用紙の先端及び後端の検知を行ったときに、それぞれの検知を行ったときの時刻(それぞれ先端検知時刻及び後端検知時刻という)を取得する。制御部110は、取得した先端検知時刻に、現在制御している搬送速度で上記の第1距離を除した結果得られる時間を加えた時刻を、用紙がニップ領域R1に到達する時刻(到達時刻という)として算出する。ここで加えた時間は、この搬送速度で搬送された用紙の先端がニップ領域R1に到達するまでに要する時間を示している。また、制御部110は、取得した後端検知時刻に、現在制御している搬送速度で上記の第2距離を除した結果得られる時間を加えた時刻を、用紙がニップ領域R1から離脱する時刻(離脱時刻という)として算出する。ここで加えた時間は、この搬送速度で搬送された用紙の後端がニップ領域R1を離脱するまでに要する時間を示している。制御部110は、現在の時刻が、上記のとおり算出した到達時刻から離脱時刻までの範囲に含まれている場合に、通過状態である(ステップS13:YES)と判断し、含まれていない場合に、通過状態ではない(ステップS13:NO)と判断する。このように、用紙検知部21が検知した結果に基づき制御部110が上記の判断をすることで、用紙検知部21及び制御部110は、通過状態であるか否かを検知する検知手段として機能する。
制御部110は、ステップS13においてYESと判断した場合、励磁回路721を制御して、励磁コイル722に定められた電流量の電流を供給させる(ステップS14)。制御部110は、この電流を供給することにより、IHヒータ72に予め定められた強度の交流磁界を生成させる。この強度は、定着ベルト731が図4に示す加熱範囲Yを通過するまでに上記の定着設定温度まで加熱されるように、定着ベルト731の回転速度に応じて定められている。以下では、この強度を「定着強度」という。この定着強度の交流磁界をIHヒータ72が生成するときに、励磁回路721が励磁コイル722に供給する電流量を「定着電流量」という。つまり、ステップS14における電流量は、定着電流量となるように定められている。ステップS14の処理の後、制御部110は、ステップS13の処理を再び行い、ステップS13においてNOと判断するまで、これらの処理を繰り返す。
制御部110は、ステップS13においてNOと判断した場合、励磁コイル722に電流を供給しないように励磁回路721を制御する(ステップS15)。次に、制御部110は、ステップS11において画像形成の要求があると判断したとき以降のニップ領域R1を通過した用紙の枚数を計数する(ステップS16)。例えば、制御部110は、最初に「0」という値を示すデータを記憶部150に記憶させておき、ステップS16の処理を行う度にこのデータが示す数に1を加えて上書きすることで、通過した用紙の枚数としてその上書きしたデータが示す数を計数する。続いて、制御部110は、ステップS11において要求された画像形成が終了したか否かを判断する(ステップS17)。具体的には、制御部110は、ステップS16において計数した枚数が、ステップS11において供給された画像データが示す複数の画像の数に達している場合に、画像形成が終了した(YES)と判断し、達していない場合に、終了していない(NO)と判断する。
制御部110は、ステップS17においてNOと判断した場合、ステップS13の処理を再び行う。これにより、次にニップ領域R1に到達する用紙に画像が定着される。一方、制御部110は、ステップS17においてYESと判断した場合、ステップS11の処理を再び行う。これにより、ステップS11において要求された画像形成が終了する。以上のとおり、制御部110がステップS13からS15までの各処理を行うことで、画像が形成された複数の用紙がニップ領域R1を断続して通過する場合に、上記の通過状態であると制御部110により判断された、すなわち通過状態であることが検知されている期間は、励磁コイル722に定着電流量の電流が供給されて、IHヒータ72が交流磁界を生成することになる。一方、この場合に、通過状態ではないと制御部110により判断された、すなわち通過状態であることが検知されていない期間は、励磁コイル722に電流が供給されず、IHヒータ72が交流磁界を生成しないことになる。このように、IHヒータ72及び制御部110が協働することで、本発明に係る「磁界生成手段」として機能する。
図7は、上述した定着処理において、ニップ領域R1を用紙が通過するタイミング(用紙通過タイミング)と、励磁コイル722に供給される電流量(供給電流量)との一例を示したグラフである。図7(a)のグラフでは、縦軸に用紙が通過状態か通過状態ではないかが示され、横軸に時刻が示されている。この例では、時刻t1、t3、t5が用紙がニップ領域R1を離脱する時刻を示し、時刻t2、t4、t6が用紙がニップ領域R1に到達する時刻を示している。つまり、この例に示す時刻の範囲では、時刻t1からt2まで、t3からt4まで、t5からt6までは通過状態ではない期間(以下「非通過中期間」という)であり、時刻t1以前、t2からt3まで、t4からt5まで、t6以降は通過状態である期間(以下「通過中期間」という)であることを示している。
図7(b)のグラフでは、供給電流量と時刻との関係が示されている。このグラフの縦軸は供給電流量を示し、横軸は時刻を示している。この例では、供給電流量は、通過中期間には定着電流量となっており、非通過中期間には0となっている。励磁コイル722に電流が供給されてから、交流磁界が生成され、電磁誘導加熱により定着ベルト731の温度が定着設定温度まで上昇するまでに要する時間は、IHヒータ72が生成する交流磁界の強度及び周波数と、定着ベルト731が有する導電発熱層731bの熱容量とに応じたものとなり、特にこの熱容量が小さいほど短くなる。また、定着ベルト731のうち、図4に示す加熱範囲Yで加熱された部分がニップ領域R1に到達するまでに要する時間は、加熱範囲Yからニップ領域R1までの定着ベルト731の外周面に沿った距離及び定着ベルト731の回転速度に応じたものとなる。本実施形態では、これらの時間を加えたものが通過中期間及び非通過中期間に対して十分小さくて無視できるくらい、導電発熱層731bの熱容量が小さく、前述の外周面に沿った距離が短いものとする。
本実施形態においては、制御部110が非通過中期間には励磁コイル722に電流を供給しないようにすることで、この期間に交流磁界が生成されず、定着ベルト731も加熱されないようになっている。一方、非通過中期間にも定着電流量の電流を供給する構成(比較構成1という)では、この期間にも定着強度の交流磁界を生成し続けて、定着ベルト731を加熱し続けることになる。つまり、本実施形態によれば、比較構成1に比べて、非通過中期間、すなわち定着が行われていない期間に加熱を行わない分、この期間における発熱量が少なくなる。また、これにより、この期間の電力の消費量も比較構成1に比べて少なくなる。
なお本発明は、定着装置において、定着部材に剛体ロール基材を使ったり、定着部材全体をIHヒーターやハロゲンランプなどで加熱する形態としたりする場合に比べて、本実施形態の定着ベルト731のようにフレキシブルな定着ベルトを用いる場合に、より効果的である。熱容量が大きい剛体ロール基材を使った場合は熱応答性が悪くなり、定着部材全体を加熱する形態とした場合は熱エネルギーが定着部材全体に分散してしまう。これに対し、定着部材をフレキシブルな定着ベルトにして熱容量を小さくすることで、これらの場合に比べて熱応答性が良くなり、トナーを用紙に定着させるために必要な温度に急速に到達させることができるようになる。また、定着部材の一部を局部的に加熱して熱エネルギーを集中させる構成としてもよい。いずれにしても、トナーを用紙に定着させるために必要な温度に急速に到達できるように、熱応答性を良くすることが重要となる。なお、定着部材の熱容量は、45J/K(ジュール毎ケルビン)以下であることが望ましい。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態における画像形成装置は、上述した第1実施形態の画像形成装置100と共通する構成を備えるものである。よって、第1実施形態と共通する構成については、共通する符号を付し、その説明を省く。第1実施形態では、制御部110が非通過中期間には励磁コイル722に電流を供給しないような制御を行ったが、本実施形態では、非通過中期間にも励磁コイル722に電流が供給され、IHヒータ72が交流磁界を生成するという点が第1実施形態と異なる。上述したとおり、通過中期間には、定着強度の交流磁界が生成された。以下では、この定着強度を第1の強度といい、非通過中期間にIHヒータ72が生成する交流磁界の強度を第2の強度というものとする。
図8は、第2実施形態における定着処理の処理の手順を示すフローチャートである。この処理の手順では、制御部110は、まず、図6に示すステップS11からS14までの処理を行う。このうちのステップS13において通過状態ではない(NO)と判断した場合、制御部110は、次に、ステップS16及びS17の処理を行う。そして、ステップS17において、画像形成が終了していない(NO)と判断した場合、制御部110は、ニップ領域R1と次にニップ領域R1に到達する用紙との搬送路B1に沿った距離(以下「次用紙距離」という)を算出する(ステップS21)。詳細には、制御部110は、まず、ステップS13の説明で述べた先端検知時刻を取得し、続いて、到達時刻を算出する。
次に、制御部110は、先端検知時刻から到達時刻までの時間で、この説明においてともに述べた第1距離を除し、その値に現在の時刻から到達時刻までの時間を乗じた値を算出する。以上の計算は、先端検知時刻をta1、到達時刻をta2、現在の時刻をta3、第1距離をL1、次用紙距離をL2とすると、以下の式(1)のように表される。
L2=L1÷(ta2−ta1)×(ta2−ta3) ・・・(1)
制御部110がL2を算出することで、次用紙距離(すなわちL2)が検出されることになる。このように、制御部110及び用紙検知部21が協働することで、搬送される用紙のうちニップ領域R1を次に通過するものとこの領域との距離、すなわち次用紙距離を検出する検出手段として機能する。
続いて、制御部110は、ステップS21において算出した次用紙距離に応じた電流量の電流を励磁コイル722に供給する(ステップS22)。
図9は、ステップS22において励磁コイル722に供給される電流量について説明するための図である。図9(a)では、図7(a)と共通の用紙通過タイミングを表したグラフが示されている。図9(b)では、図7(b)のように、供給電流量と時刻との関係の一例がグラフで示されている。この例では、制御部110は、通過中期間から非通過中期間になった時刻、例えば時刻t1において、供給電流量を定着電流量から0に変化させている。そして、制御部110は、時刻t1において0であったものが、通過中期間が始まる時刻、すなわち時刻t2では定着電流量となるように、供給電流量を或るペース(つまり単位時間当たりの変化量が或る値となるように)で増加させている。これにより、IHヒータ72は、時刻t1から時刻t2、すなわち次用紙距離が0になるときにかけて上記の第2の強度を増加させながら交流磁界を生成することになる。制御部110は、他の非通過中期間でも、このように供給電流量を増加させている。
図9(c)では、次用紙距離と時刻との関係がグラフで示されている。次用紙距離は、用紙がニップ領域R1に近づくにつれて或るペースで小さくなり、その用紙がニップ領域R1に到達したときに0となる。次用紙距離が0になると、この距離を表していた用紙が次にニップ領域R1に到達する用紙に切り替わることになる。このように用紙が切り替わったとき、すなわち時刻t2、t4、t6における次用紙距離は、用紙間隔(搬送される用紙の間隔のこと)を示すことになる。制御部110は、上述した画像データが示す複数の画像を形成するため、或るサイズの複数の用紙を断続して搬送させる場合に、用紙間隔が共通するように各部を制御する。これにより各用紙が等間隔で並ぶため、或る用紙がニップ領域R1に到達したときにおける次の用紙の先端の位置が共通するようになっている。この例では、時刻t1、t3、t5における次用紙距離がいずれもL3である。以上のことから、定着電流量をE1とし、例えば時刻t1からt2までの供給電流量をE2すると、このE2は、次用紙距離L2及びL3とを用いて、次の式(2)により算出される。
E2=E1−E1×L3÷L2 ・・・(2)
制御部110は、ステップS21において或る次用紙の次用紙距離を初めて算出したときに、その距離を上記の次用紙距離L3として記憶部150に記憶させておく。次に、制御部110は、ステップS22において、その直前のステップS21において算出した次用紙距離L2を用いて、式(2)により供給電流量E2を算出する。そして、制御部110は、算出した供給電流量E2の電流を励磁コイル722に供給する。このようにして、制御部110は、上述したとおり、ステップS21において算出した次用紙距離に応じた電流量の電流を励磁コイル722に供給する。
次に、制御部110は、ニップ領域R1に次用紙が到達したか否かを判断する(ステップS23)。制御部110は、例えば、ステップS21において算出した次用紙距離が0である場合に到達した(YES)と判断し、0より大きい場合に到達していない(NO)と判断する。制御部110は、ステップS23においてNOと判断した場合、ステップS21の処理を再び行うことで、ステップS21からS23までの処理を、ステップS23においてYESと判断するまで繰り返し行う。これにより、次用紙がニップ領域R1に到達するまで、すなわち、非通過中期間において、次用紙距離に応じた電流量の電流が励磁コイル722に供給されることになる。一方、制御部110は、ステップS23においてYESと判断した場合、ステップS14の処理を行う。これにより、非通過中期間が終了して通過中期間になると、励磁コイル722に定着電流量の電流が供給されて、定着設定温度での定着が行われるようになる。
図9(d)では、図4等に示す温度センサ75により測定される定着ベルト731の温度(ベルト温度という)と時刻との関係がグラフで示されている。このグラフの縦軸はベルト温度を、横軸は時刻を示している。このグラフでは、本実施形態におけるベルト温度が実線で示されており、第1実施形態のように非通過中期間の始まりから終わりまで電流を励磁コイル722に供給しない構成(比較構成2という)におけるベルト温度が二点鎖線で示されている。比較構成2においては、非通過中期間において電磁誘導加熱が行われないため、ベルト温度が時刻t1から或るペースで下降し、電磁誘導加熱が始まる時刻t2においてベルト温度が瞬間的に上昇している。このとき、比較構成2では、グラフにおいてW部に示すように、通過中期間の始まりにおいてベルト温度が定着設定温度まで上昇していないことがある。W部は、定着ベルト731に回転方向A5におけるベルト温度のムラが生じていることを示している。このムラは、比較構成2において、時刻t2に瞬間的に定着電流量の電流が励磁コイル722に供給された結果、そのときに加熱範囲Yに位置する部分のうち、回転方向A5の下流側は、上流側に比べて加熱される時間が短くなる。このため、この下流側のベルト温度が上流側のベルト温度よりも低くなった状態、すなわちベルト温度の回転方向A5におけるムラが生じる。このムラは、この部分が次に加熱されるときには解消されるが、解消される前にこのムラが生じた部分がニップ領域R1に位置すると、ベルト温度がW部のようになることがある。この場合、用紙に定着された画像にも、搬送方向A2における定着率のムラが生じることになる。
一方、本実施形態においては、時刻t1に一旦電磁誘導加熱が停止するものの、その後非通過中期間でも電磁誘導加熱を行うため、ベルト温度は、時刻t1の後一旦低下するが、時刻t2よりも前に上昇に転じ、時刻t2には定着設定温度まで上昇するようになっている。また、比較構成2では、供給電流量を0から定着電流量に瞬間的に変化させたが、本実施形態では、0から定着電流量まで徐々に増加させている。従って、IHヒータ72が生成する交流磁界も、定着強度まで徐々に増加することになる。このように、本実施形態によれば、ベルト温度も、図9(d)に示すように定着設定温度になるまでなだらかに上昇し、比較構成2に比べて、W部に一例を示したベルト温度のムラが小さくなるようになっている。これにより、本実施形態によれば、上記の搬送方向A2における定着率のムラも比較構成2に比べて小さくなる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態における画像形成装置は、上述した第1実施形態の画像形成装置100と共通する構成を備えるものである。よって、第1実施形態と共通する構成については、共通する符号を付し、その説明を省く。本実施形態は、制御部110が非通過中期間にも励磁コイル722に電流を供給するという点で第2実施形態と共通しており、図8に示すフローチャートの手順で定着処理が行われるという点でも第2実施形態と共通している。本実施形態が第2実施形態と異なるのは、ステップS22において、次用紙距離に応じた電流量を算出する方法である。
図10は、第3実施形態において、ステップS22で励磁コイル722に供給される電流量について説明するための図である。図10(a)及び(c)では、図9(a)及び(c)と共通するグラフが示されている。図10(b)では、図9(b)のように、供給電流量と時刻との関係の一例がグラフで示されている。この例では、制御部110は、時刻t1から供給電流量を或るペースで徐々に減少させ、時刻t1及びt2の中間の時刻である時刻t7となったところで、今度は時刻t2にかけて或るペースで徐々に増加させている。このとき、制御部110は、時刻t7では供給電流量が0となり、時刻t2では供給電流量が定着電流量となるように、供給電流量を増減させている。制御部110は、他の非通過中期間でも、このように供給電流量を増加させている。この場合、制御部110は、時刻t1以降で時刻t7までの供給電流量をE3とすると、上述した次用紙距離L2、L3を用いて、次の式(3)のようにE3を算出し、時刻t7以降で時刻t2までの供給電流量をE4とすると、次の式(4)のようにE4を算出する。
Figure 2013148616
このようにして、制御部110は、上述したとおり、ステップS21において算出した次用紙距離に応じた電流量の電流を励磁コイル722に供給する。図10(d)では、図9(d)に示したもののようにベルト温度と時刻との関係がグラフで示されている。このグラフでは、本実施形態におけるベルト温度が実線で示されており、上述した比較構成2及び第2実施形態のように供給電流量を制御する構成(比較構成3という)におけるベルト温度が二点鎖線で示されている。本実施形態では、時刻t1からt7にかけて徐々に供給電流量を減少させているため、比較構成2及び3に比べて、ベルト温度がなだらかに低下している。例えば時刻t1において供給電流量を定着電流量から0に変化させると、その時刻に加熱範囲Yに位置していて加熱されている部分と、加熱範囲Yに至る直前で最も温度が下がっている部分とで温度差が生じる。この温度差は、加熱が続けられるとベルト温度が全体的に定着設定温度まで上昇するため解消されるが、解消される前にこのムラが生じた部分がニップ領域R1に位置する場合がある。この場合、用紙に定着された画像にも、搬送方向A2における定着率のムラが生じることになる。本実施形態では、時刻t1において加熱を停止せずにそこから供給電流量、すなわち加熱の度合いを徐々に減少させることで、ベルト温度がなだらかに低下して、上記の温度差、すなわち温度ムラが小さくなる。このように、本実施形態によれば、上記の搬送方向A2における画像の用紙への定着率のムラが比較構成2及び3に比べて小さくなるようになっている。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態における画像形成装置は、上述した第1実施形態の画像形成装置100と共通する構成を備えるものである。よって、第1実施形態と共通する構成については、共通する符号を付し、その説明を省く。本実施形態は、制御部110が非通過中期間にも励磁コイル722に電流を供給するという点で第2及び第3実施形態と共通しており、図8に示すフローチャートの手順で定着処理が行われるという点でも第2及び第3実施形態と共通している。本実施形態が第2及び第3実施形態と異なるのは、ステップS22において、次用紙距離に応じた電流量を算出する方法である。
図11は、第4実施形態において、ステップS22で励磁コイル722に供給される電流量について説明するための図である。図11(a)及び(c)では、図9(a)及び(c)と共通するグラフが示されている。図11(b)では、図9(b)のように、供給電流量と時刻との関係の一例がグラフで示されている。この例では、制御部110は、時刻t1において供給電流量を0に変化させ、時刻t2よりも時間u1だけ前の時刻t8となったところで、供給電流量を定着電流量に変化させている。制御部110は、他の非通過中期間でも、このように供給電流量を増加させている。時刻t8における次用紙距離をL4とすると、この場合、制御部110は、ステップS21において算出した次用紙距離がL4より大きい場合は、ステップS22において供給する電流量を0とし、L4以下である場合は、定着電流量の電流を供給する。このようにして、制御部110は、次用紙距離に応じた電流量の電流を励磁コイル722に供給する。
図11(d)では、図9(d)に示したもののようにベルト温度と時刻との関係がグラフで示されている。このグラフでは、本実施形態におけるベルト温度が実線で示されており、上述した比較構成2におけるベルト温度が二点鎖線で示されている。本実施形態では、供給電流量を時刻t2よりも時間u1だけ早く定着電流量を供給しているため、W部に示したもののようにベルト温度が定着設定温度まで上昇していない部分が生じたとしても、時刻t8において生じることになる。そして、時刻t8以降も加熱が続けられることで、時間u1が経過するまでにベルト温度が全体的に定着設定温度となって解消されるようになっている。また、本実施形態では、制御部110は、供給電流量を上述した第2及び第3実施形態のように増減させていない。つまり、例えば制御部110が供給電流量を増減させるように制御することができない場合であっても、本実施形態によれば、比較構成2に比べて、ベルト温度の回転方向A5におけるムラが小さくなり、その結果、搬送方向A2における画像の用紙への定着率のムラが小さくなる。
[実施形態のまとめ]
上述した各実施形態においては、画像形成装置100の制御部110は、プログラムを実行することで、次のような機能を実現する。
図12は、制御部110が実現する機能を示す機能ブロック図である。制御部110は、検知部111と、検出部112と、磁界制御部113とを備える。検知部111は、図6及び図8に示すステップS13で示した処理を実行することで、通過状態か否かを検知する。検知部111は、検知した結果を示すデータを磁界制御部113に供給する。検出部112は、図8に示すステップS21で示した処理を実行することで、ニップ領域R1に次に到達する用紙と、ニップ領域R1との距離を検出する。検出部112は、検出した結果を示すデータを磁界制御部113に供給する。
磁界制御部113は、第1実施形態においては、図6に示すステップS14及びS15の処理を実行することで、検知部に111よって通過状態であることが検知されている期間は、第1の強度の交流磁界を生成し、検知部111によって通過状態であることが検知されていない期間は、第1の強度よりも小さい第2の強度の交流磁界を生成するかまたは交流磁界を生成しないようにIHヒータ72を制御する。また、磁界制御部113は、第2実施形態においては、図8に示すステップS14、S21、S22、S23の処理を実行することで、検出部112によって検出される距離が閾値未満になったときから0になるときにかけて第2の強度を増加させながら交流磁界を生成する。また、磁界制御部113は、第3実施形態においては、図8に示すこれらの処理を実行することで、検知部111によって通過状態であることが検知されなくなったときから検出部112により検出される距離が閾値未満になるまで、第2の強度を減少させながら交流磁界を生成する。また、磁界制御部113は、第4実施形態においては、図8に示すこれらの処理を実行することで、検知部111によって通過状態であることが検知されていない期間において、検出部112により検出される距離が閾値未満になったときに第1の強度の交流磁界を生成する。
[変形例]
上述した各実施形態は、本発明の実施の一例に過ぎず、次のように様々に変形させてもよい。また、上述した各実施形態及び以下の各変形例は、必要に応じて組み合わせてもよい。
(変形例1)
制御部110は、上述した各実施形態においては、ステップS13において通過状態か否かを判断したが、これに限らず、例えば用紙に形成された画像がニップ領域R1を通過している状態か否かを判断してもよい。この場合、画像形成装置100は、図2に破線で示した画像検知部22を備える。画像検知部22は、搬送路B1上の或る位置を通過する用紙上に画像があるか否か(画像の有無)を検知するためのものである。以下では、画像検知部22が画像の有無を検知する位置を「画像検知位置」という。画像検知部22は、この画像検知位置が搬送路B1における転写領域から定着装置7までの範囲にくるように配置されており、例えば、用紙検知部21とは搬送路B1を挟んで反対側に配置される。画像検知部22は、例えば光センサであり、画像検知位置に対して光を発信し、その画像検知位置からの光を受信する。画像検知部22が受信する光の強度は、画像検知位置に画像があるときとないときとで異なる。例えば、この強度が或る閾値未満であるときには画像検知位置に画像があることが示され、その閾値以上であるときには画像がないことが示される。画像検知部22は、検知した結果を示す検知データを制御部110に供給する。この検知データは、例えば受信した光の強度を示すデータである。制御部110は、検知データが示す強度が上記の閾値未満である場合に、画像検知位置に画像があることを検知し、閾値以上である場合に、画像がないことを検知する。
制御部110は、図6等に示すステップS13において、ニップ領域R1を画像が通過している状態か否かを判断する。制御部110は、ステップS13の処理において、用紙検知部21から供給された検知データを用いる代わりに、画像検知部22から供給された検知データを用いることで、この判断を行う。これ以外のステップにおいては、制御部110は、上述した各実施形態と共通の処理を行うことで、ニップ領域R1を画像が通過していない期間における供給電流量を例えば上述した比較構成1に比べて少なくする。また、画像の搬送方向A2のサイズは、この画像が形成されている用紙の搬送方向A2のサイズに比べて小さくなることが多い。この場合、ニップ領域R1を用紙が通過していない期間よりも、画像が通過していない期間の方が長くなる。つまり、本変形例によれば、上述した各実施形態のようにニップ領域R1を用紙が通過している状態か否かという判断に基づいて供給電流量を制御する場合に比べて、定着に用いる電流量が少なくなる。
(変形例2)
制御部110は、上述した第2及び第3実施形態において、或るペースで供給電流量を増減させたが、増減のペースを変化させてもよい。
図13は、本変形例における供給電流量と時刻との関係の例を示すグラフである。図13(a)では、第2実施形態において、供給電流量を増加させるときのペースを最初は小さくし、徐々に大きくしていった場合を示している。また、図13(b)では、第3実施形態において、供給電流量を減少させるときのペースを最初は大きくしてから徐々に小さくしていき、供給電流量を増加させるときのペースを図13(a)のように変化させた場合を示している。これらの例では、供給電流量を或るペースから変化させずに増減させる場合に比べて、非通過中期間における電力の消費量が少なくなっている。また、これらの場合も、供給電流量を徐々に増減させることで、ベルト温度が定着設定温度からなだらかに減少したり、定着設定温度になるまでなだらかに上昇したりする。これにより、比較構成2に比べて、上述したとおりベルト温度の回転方向A5におけるムラが小さくなり、搬送方向A2における定着率のムラも小さくなる。
(変形例3)
制御部110は、上述した第2実施形態では、例えば図9(b)に示したうちの最初の非通過中期間であれば、時刻t1から供給電流量を増加させ始めることで、非通過中期間の交流磁界の強度である上記の第2の強度を増加させ始めたが、時刻t1に限らず、非通過中期間における他の時刻にこれらを増加させ始めるようにしてもよい。要するに、制御部110は、ステップS21において算出する距離が閾値未満になったときから0になるときにかけて上記の第2の強度を増加させながら交流磁界が生成されるように各部を制御すればよい。この距離は、ステップS21の説明で述べた検出手段(制御部110及び用紙検知部21)によって検出される距離である。なお、この距離が閾値未満になるよりも前にも、励磁コイル722に電流が供給されていても構わない。また、この距離が閾値未満になったときに、供給電流量が0となっていなくてもよい。それらの場合であっても、制御部110が供給電流量を定着電流量まで徐々に増加させることで、IHヒータ72が生成する交流磁界が定着強度まで徐々に増加することになる。従って、ベルト温度も、図9(d)に示すものに比べると上昇に転じるタイミングは遅くなるが、定着設定温度になるまでなだらかに上昇することになる。これにより、比較構成2に比べて、上述したとおりベルト温度の回転方向A5におけるムラが小さくなり、搬送方向A2における定着率のムラも小さくなる。
(変形例4)
制御部110は、上述した第3実施形態では、例えば図10(b)に示したうちの最初の非通過中期間であれば、時刻t1から時刻t7まで供給電流量を減少させた後、時刻t7からは供給電流量を増加させたが、この増加を行わないようにしてもよい。その場合であっても、加熱範囲Yの回転方向A5における上流側で生じる温度差に基づく定着率のムラについては、上述したとおりに小さくなる。
また、制御部110は、上記の例では時刻t1から時刻t7まで供給電流量を減少させ続けたが、時刻t7以外の時刻まで減少させ続けてもよい。その時刻は、非通過中期間のいずれかの時刻(この例の場合、時刻t1よりも後で、時刻t2までのいずれかの時刻)であればよく、例えば、次用紙距離が閾値未満になる時刻とすればよい。この場合、制御部110は、時刻t1、すなわちステップS13において通過状態であると判断されなくなったとき、すなわち通過状態であることが検知されなくなったときから、次用紙距離が閾値未満になるまで、IHヒータ72が上記の第2の強度を減少させながら交流磁界を生成するように、各部を制御する。これらの状態は、ステップS13の説明で述べた検知手段によって検知される状態である。
(変形例5)
制御部110は、上述した第4実施形態では、例えば図11(b)に示したうちの最初の非通過中期間であれば、時刻t8から定着電流量の電流を供給したが、時刻t8以外の時刻に定着電流量の電流を供給するようにしてもよい。その時刻は、上記の変形例4のように、例えば、次用紙距離が閾値未満になる時刻とすればよい。この場合、制御部110は、時刻t1において供給電流量を0に変化させ、次用紙距離が閾値未満になったときに第1の強度(つまり定着強度)の交流磁界を生成するように各部を制御する。なお、制御部110は、時刻t1から次用紙距離が閾値未満になったときまでの期間において、供給電流量を0より大きくしてもよく、さらに、その供給電流量を或る電流量のまま変化させないようにしてもよいし、増減させるようにしてもよい。要するに、次用紙距離が閾値未満になったとき以降、第1の強度の交流磁界が生成されるようになっていればよい。
(変形例6)
制御部110は、上述した各実施形態及び変形例1において、図8に示すステップS21で、ニップ領域R1と次にニップ領域R1に到達する用紙または用紙に形成された画像との搬送路B1に沿った距離を算出したが、次に到達するものに限らず、ニップ領域R1にまだ到達していない用紙または画像とニップ領域R1との距離を算出してもよい。そして、制御部110は、ステップS22において、算出した距離が閾値未満である場合に、上述した各実施形態及び変形例1のように供給電流量を算出し、その算出した供給電流量の電流を励磁コイル722に供給する。このときに算出された距離が閾値未満となるのは、ニップ領域R1に次に到達する用紙である。従って、本変形例においても、上述した各実施形態及び変形例1のように定着処理が行われることになる。
(変形例7)
画像形成装置100は、上述した各実施形態では、用紙に画像を形成したが、これに限らず、OHPシートなどのプラスチックや、その他の材質のシートなどに画像を形成してもよい。要するに、画像形成装置100は、表面に画像を記録し得る媒体に画像を形成すればよい。
(変形例8)
定着装置は、高生産性を実現するために蓄熱板を有していてもよい。ここにおいて、蓄熱板とは、感温磁性合金部材を材料に用いて、定着ベルト731の内周面に沿うように接触配置された部材である。蓄熱板は、加熱範囲Yに配置され、IHヒータ72が生成する交流磁界における電磁誘導により熱を発生するように厚さや材質が調整されている。蓄熱板で発生した熱は、定着ベルト731に供給される。このように、蓄熱板が設けられることで、定着ベルト731が発生した熱に加えて蓄熱板が発生した熱で定着ベルト731を暖めるため、IHヒータ72による電磁誘導加熱の効率を高めながら定着ベルトの温度低下を抑制し、高生産性を実現する定着装置が提供できる。
(変形例9)
本発明は、制御部110及び定着装置7が協働して実現する定着装置の他、画像形成装置や、前述の定着装置を制御するコンピュータ、すなわち制御部110に図6または図8で示した処理を実行させるためのプログラムとしても把握されるものである。かかるプログラムは、これを記憶させた光ディスク等の記録媒体の形態で提供されたり、インターネット等の通信回線を介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用可能にするなどの形態でも提供されたりするものであってもよい。
1Y、1M、1C、1K…画像形成ユニット、2…露光装置、3…中間転写ベルト、4…収容部、5…搬送ロール、6…二次転写装置、7…定着装置、8…排出部、21…用紙検知部、22…画像検知部、11…感光体、12…帯電装置、13…露光装置、14…現像装置、15…一次転写ロール、16…クリーニング装置、100…画像形成装置、110…制御部、120…表示部、130…操作部、140…通信部、150…記憶部、160…画像形成部、111…検知部、112…検出部、113…磁界制御部、71…支持体、72…IHヒータ、73…定着部材、74…加圧ロール、75…温度センサ、721…励磁回路、722…励磁コイル、723…磁心、724…シールド、731…定着ベルト、732…ベルト支持部材、733…ホルダ、734…パッド、735…誘導部材

Claims (6)

  1. 第1の軸を中心に回転する第1の回転部材と、
    前記第1の回転部材と接触して前記第1の軸に沿った第2の軸を中心に回転し、且つ、交流磁界における電磁誘導によって熱を発生する第2の回転部材を有し、前記第1の回転部材及び前記第2の回転部材が接触する領域において画像を媒体に定着させる定着部材と、
    前記媒体または前記媒体に形成された画像が前記領域を通過している状態か否かを検知する検知手段と、
    前記第2の回転部材を含む空間に交流磁界を生成する磁界生成手段であって、画像が形成された複数の媒体が前記領域を断続して通過する場合に、前記検知手段によって前記状態であることが検知されている期間は、第1の強度の交流磁界を生成し、前記検知手段によって前記状態であることが検知されていない期間は、前記第1の強度よりも小さい第2の強度の交流磁界を生成するかまたは交流磁界を生成しない磁界生成手段と
    を備えることを特徴とする定着装置。
  2. 前記第2の回転部材は、無端のベルトであり、
    前記領域にまだ到達していない前記媒体または当該媒体に形成された画像と、当該領域との距離を検出する検出手段を備え、
    前記磁界生成手段は、前記ベルトの一部を透過する交流磁界を生成し、且つ、前記検出手段によって検出される距離が閾値未満になったときから0になるときにかけて前記第2の強度を増加させながら交流磁界を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記第2の回転部材は、無端のベルトであり、
    前記領域にまだ到達していない前記媒体または当該媒体に形成された画像と、当該領域との距離を検出する検出手段を備え、
    前記磁界生成手段は、前記ベルトの一部を透過する交流磁界を生成し、且つ、前記検知手段によって前記状態であることが検知されなくなったときから前記検出手段により検出される距離が前記閾値未満になるまで、前記第2の強度を減少させながら交流磁界を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記第2の回転部材は、無端のベルトであり、
    前記領域にまだ到達していない前記媒体または当該媒体に形成された画像と、当該領域との距離を検出する検出手段を備え、
    前記磁界生成手段は、前記ベルトの一部を透過する交流磁界を生成し、且つ、前記検知手段によって前記状態であることが検知されていない期間において、前記検出手段により検出される距離が閾値未満になったときに前記第1の強度の交流磁界を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. 媒体に画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段により画像が形成された媒体を前記領域に搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段によって搬送されてくる媒体に画像を定着する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の定着装置と
    を具備することを特徴とする画像形成装置。
  6. 第1の軸を中心に回転する第1の回転部材と、前記第1の回転部材と接触して前記第1の軸に沿った第2の軸を中心に回転し、且つ、交流磁界における電磁誘導によって熱を発生する第2の回転部材を有し、前記第1の回転部材及び前記第2の回転部材が接触する領域において画像を媒体に定着させる定着部材と、前記媒体または前記媒体に形成された画像が前記領域を通過している状態か否かを検知する検知手段と、前記第2の回転部材を含む空間に交流磁界を生成する磁界生成手段とを備える定着装置を制御するコンピュータに、
    画像が形成された複数の媒体が前記領域を断続して通過する場合に、前記検知手段によって前記状態であることが検知されている期間は、第1の強度の交流磁界を生成し、前記検知手段によって前記状態であることが検知されていない期間は、前記第1の強度よりも小さい第2の強度の交流磁界を生成するかまたは交流磁界を生成しないように前記磁界生成手段を制御する制御ステップ
    を実行させるためのプログラム。
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