JP2012237403A - 軸受の固定構造および固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸を支持する軸受に大きな軸力が生じた場合でも確実に固定でき、加工精度を良くしなくても加締リングによる軸受の固定を確実にでき、加締リングを取付ける加締設備の大型化を伴わない軸受の固定構造及び固定方法を提供する。
【解決手段】軸1に形成された円環状の溝10に円筒状の加締リング3を加締めて軸受を固定する軸受の固定構造である。溝10は軸方向の溝幅途中にその上端が軸径と略同じ高さに盛り上がる環状隆起部8によって区画される第一溝5と第二溝4とから形成されている。加締リング3はそのリング内側面が第一溝5に対面する第1内側面3bと第二溝4に対面する第2内側面3cとから構成されて、環状隆起部8に係合するように構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】軸1に形成された円環状の溝10に円筒状の加締リング3を加締めて軸受を固定する軸受の固定構造である。溝10は軸方向の溝幅途中にその上端が軸径と略同じ高さに盛り上がる環状隆起部8によって区画される第一溝5と第二溝4とから形成されている。加締リング3はそのリング内側面が第一溝5に対面する第1内側面3bと第二溝4に対面する第2内側面3cとから構成されて、環状隆起部8に係合するように構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、軸受の固定技術に関し、特に、電動式パワーステアリング装置のピニオン軸を軸支する軸受をピニオン軸に固定するための軸受の固定構造および固定方法に関する。
燃費向上を目的として、自動車用のステアリング装置に電動パワーステアリング装置を採用するケースが増えてきており、より大型の自動車へ搭載したいという要求がある。このため、電動パワーステアリングを構成する各部品には、従来よりも高い強度が必要されるようになった。
一般的によく用いられているラック・ピニオン式ステアリング装置において、ピニオン軸を支持する軸受のうち、ステアリングホイール側の軸受の固定方法には、ピニオン軸に形成された円環状の溝に円筒状の加締リングを加締める方法が採用されている。
先行技術の軸受の固定構造としては、例えば特許文献1および特許文献2に示されているものがある。特許文献1には、加締リングにより玉軸受の内輪をピニオン軸に固定する場合に生じやすい、加締リングとピニオン軸との間の隙間が発生しないようにした軸受の固定構造が開示されている。
特許文献2には、軸および軸にその軸方向位置を固定する部品の製造誤差があっても、軸に対して部品を確実に固定することができる軸受の固定構造が開示されている。
特許文献1および特許文献2の軸受の固定構造は、円環状の溝に円筒状の加締リングを加締めたものであり、軸受、軸、加締リングの形状を工夫することにより、軸と加締リングの間に隙間が生じることを防ぎ、軸受を確実に固定するものである。
このような軸受の固定構造は下記のような問題を抱えている。
特許文献1に示された構造では、軸受の内輪に横断面形状が切り欠き状の溝を設けて加締リングを嵌め込むように構成しているために、軸受構造が複雑になることに加えて、軸受が専用設計となり汎用性がなく生産コストを高める大きな要因となっている。また、加締リングを軸の溝と軸受との間に隙間無く確実に加締るためには、加締治具による荷重は大きい必要があり、この結果、加締設備が大型化するため製造コストを高くする大きな要因であった。
特許文献1に示された構造では、軸受の内輪に横断面形状が切り欠き状の溝を設けて加締リングを嵌め込むように構成しているために、軸受構造が複雑になることに加えて、軸受が専用設計となり汎用性がなく生産コストを高める大きな要因となっている。また、加締リングを軸の溝と軸受との間に隙間無く確実に加締るためには、加締治具による荷重は大きい必要があり、この結果、加締設備が大型化するため製造コストを高くする大きな要因であった。
特許文献2に示された構造では、溝の幅(軸線方向の長さ)が大きく形成されてこの幅に対応する加締リングの幅も大きくなるために、加締加工を行うときに必要な荷重が大きくなる。この結果、加締加工において大荷重を可能にする設備が必要となり、設備が大型化するなどの問題があった。
また、前掲の両特許文献1,2等においは、加締リングの両端が溝側壁と軸受の端面との間に所定の長さで入り込んで加締加工が確実にできるように、加締リングの軸方向の長さ及び環状溝の軸方向の長さは精度良い加工が必要であった。
また、図7に示す従来の軸受200の固定構造においては、加締リング300が溝500の隅の丸み部600と接触している。このような構造において、軸受200に軸力F0が生じた場合に、加締リング300が軸100から受ける反力F1の方向は、接触面の法線方向であることから、溝500の隅の丸み部600と接触している部分には、軸径方向の分力F2が生じる。そして、この分力F2により加締リング300の径が拡げられた場合には、加締リング300は、溝500の隅の丸み部600をすべるように軸方向に移動するため、軸受200を軸方向に保持する能力が低い。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電動パワーステアリング装置のモータの出力や路面からの外力によりピニオン軸を支持する軸受に大きな軸力が生じた場合でも確実に固定でき、更に、加工精度を良くしなくても加締リングによる軸受の固定を確実にでき、合わせて加締リングを取付ける加締設備の大型化を伴うことなくこれらの目的を達成できる軸受の固定構造および固定方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)軸に形成された円環状の溝に円筒状の加締リングを加締めて軸受を固定する軸受の固定構造において、
前記溝は軸方向の溝幅途中に形成された環状隆起部によって区画される第一溝と第二溝とから形成されており、前記加締リングはそのリング内側面が前記第一溝に対面するリング第1内側面と前記第二溝に対面するリング第2内側面とから構成されて、前記環状隆起部に係合するように構成されたことを特徴とする軸受の固定構造。
(2)前記環状隆起部はその上端が軸径と略同じ高さに盛り上がるように構成されたことを特徴とする(1)に記載の軸受の固定構造。
(3)前記環状隆起部に対して前記軸受側に位置する前記第一溝よりも反軸受側に位置する前記第二溝の深さが浅く構成されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の軸受の固定構造。
(4)前記加締リングは前記リング内側面が前記環状隆起部により保持されて、前記環状隆起部に対して前記軸受側に位置する前記第一溝の溝底に接触しないように構成されたことを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の軸受の固定構造。
(5)軸に形成された円環状の溝に円筒状の加締リングを加締めて軸受を固定する軸受の固定方法において、
前記溝を、軸方向の溝幅途中に形成した環状隆起部にて第一溝と第二溝に区画しておき、前記加締リングを加締るときに、前記加締リングの一端面を前記軸受に接触させ且つリング内側面を前記環状隆起部に対面させる状態で加締圧力を加え、前記環状隆起部を前記リング内側面に食い込ませるようにすることを特徴とする軸受の固定方法。
(1)軸に形成された円環状の溝に円筒状の加締リングを加締めて軸受を固定する軸受の固定構造において、
前記溝は軸方向の溝幅途中に形成された環状隆起部によって区画される第一溝と第二溝とから形成されており、前記加締リングはそのリング内側面が前記第一溝に対面するリング第1内側面と前記第二溝に対面するリング第2内側面とから構成されて、前記環状隆起部に係合するように構成されたことを特徴とする軸受の固定構造。
(2)前記環状隆起部はその上端が軸径と略同じ高さに盛り上がるように構成されたことを特徴とする(1)に記載の軸受の固定構造。
(3)前記環状隆起部に対して前記軸受側に位置する前記第一溝よりも反軸受側に位置する前記第二溝の深さが浅く構成されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の軸受の固定構造。
(4)前記加締リングは前記リング内側面が前記環状隆起部により保持されて、前記環状隆起部に対して前記軸受側に位置する前記第一溝の溝底に接触しないように構成されたことを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の軸受の固定構造。
(5)軸に形成された円環状の溝に円筒状の加締リングを加締めて軸受を固定する軸受の固定方法において、
前記溝を、軸方向の溝幅途中に形成した環状隆起部にて第一溝と第二溝に区画しておき、前記加締リングを加締るときに、前記加締リングの一端面を前記軸受に接触させ且つリング内側面を前記環状隆起部に対面させる状態で加締圧力を加え、前記環状隆起部を前記リング内側面に食い込ませるようにすることを特徴とする軸受の固定方法。
本発明の軸受の固定構造によれば、加締リングが加締装着されたときに、加締リングのリング内側面と環状隆起部とが対応して加締められて溝に係合された構造であり、加締加工自体の加締動作によって加締リングが食い込むように取付けられているので、加締リング取付け部位の加工精度に関係なく軸受を精度良く固定することができる。
また、本発明の軸受の固定構造によれば、第二溝によって加締リングの反軸受側端の塑性変形の部位が変形し易い空間を確保することができるので、塑性変形時の圧力が効果的に逃がされる構造である。この結果、加締時の荷重は小さく抑えられ、加工設備の小型化が可能になる。
また、本発明の軸受の固定構造によれば、第二溝によって加締リングの反軸受側端の塑性変形の部位が変形し易い空間を確保することができるので、塑性変形時の圧力が効果的に逃がされる構造である。この結果、加締時の荷重は小さく抑えられ、加工設備の小型化が可能になる。
本発明の軸受の固定方法によれば、加締リングを加締めて装着するときに、加締リングのリング内側面と環状隆起部とが対面した状態で加締められることで、環状隆起部によってリング内側面が塑性変形して軸受と環状隆起部の一方の側壁との間に押し込まれ、この押し込まれた部分を、軸受と環状隆起部の一方の側壁との実際の寸法に一致した加工が行われるので、加締リングの長さ寸法、溝寸法精度等に依存することなく軸受を確実に係止することができる。
また、本発明の軸受の固定方法によれば、加締時に、第二溝によって加締リングの反軸受側端の塑性変形の部位が変形し易い空間を確保されながら変形するので、塑性変形時の変形抵抗を小さくでき、加締時の荷重を小さく抑えることができる。
また、本発明の軸受の固定方法によれば、加締時に、第二溝によって加締リングの反軸受側端の塑性変形の部位が変形し易い空間を確保されながら変形するので、塑性変形時の変形抵抗を小さくでき、加締時の荷重を小さく抑えることができる。
以下、図面に基づいて本発明にかかる軸受の固定構造の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態における加締め後の軸受の固定構造を示し、図2は図1の一部拡大図であり、図3および図4は加締め前の状態を示し、図5は加締途中を示している。なお、図3においては、軸受および加締リングを断面として示してある。
図1は本発明の第1実施形態における加締め後の軸受の固定構造を示し、図2は図1の一部拡大図であり、図3および図4は加締め前の状態を示し、図5は加締途中を示している。なお、図3においては、軸受および加締リングを断面として示してある。
本実施形態においては、玉軸受(以後、単に「軸受」という)をピニオン軸(以後、単に「軸」という)への組み付け状態を示す。すなわち、図1に示すように、軸1(図3参照)に形成された円環状の溝10に円筒状の加締リング3を加締めて軸受2を、軸方向に移動できないように固定する軸受の固定構造である。
そして、本実施形態における1つの特徴としては、溝10は軸方向の溝幅途中にその上端8aが軸径と略同じ高さに盛り上がる環状隆起部8が設けられており、この環状隆起部8によって軸受側の第一溝5と反軸受側の第二溝4とに区画された構造となっている。
そして、本実施形態における1つの特徴としては、溝10は軸方向の溝幅途中にその上端8aが軸径と略同じ高さに盛り上がる環状隆起部8が設けられており、この環状隆起部8によって軸受側の第一溝5と反軸受側の第二溝4とに区画された構造となっている。
また、環状隆起部8から軸受2側にかけて形成された第一溝5は、軸受2とは反対側で環状隆起部8の基部に円環状の溝丸み部6が形成されており、この溝丸み部6の溝底6aに向って溝深さが深くなるように構成されている。また、環状隆起部8は、溝丸み部6から軸外径方向(上端8aの方向)に急傾斜で立ち上がった側面7が設けられている。
この側面7の上端8a寄りの部分は、図2に示すように、側面7が軸受2側に若干膨らむように構成されたクラウニング部7aが設けられている。このクラウニング部7aが設けられたことにより、軸受2の軸力が加締リング3に負荷された場合、加締リング3のリング第1内側面3bのうち側面7と接触する部分においてエッジロードの発生を低減し、軸受2を軸方向に保持する能力を高めることができる。
なお、環状隆起部8の上端8aの形状は、リング溝9における応力集中を避けるため、丸みを持ったものとすることが好ましい。
この側面7の上端8a寄りの部分は、図2に示すように、側面7が軸受2側に若干膨らむように構成されたクラウニング部7aが設けられている。このクラウニング部7aが設けられたことにより、軸受2の軸力が加締リング3に負荷された場合、加締リング3のリング第1内側面3bのうち側面7と接触する部分においてエッジロードの発生を低減し、軸受2を軸方向に保持する能力を高めることができる。
なお、環状隆起部8の上端8aの形状は、リング溝9における応力集中を避けるため、丸みを持ったものとすることが好ましい。
一方、加締リング3は、図1に示すように、そのリング内側面が第一溝5に対面するリング第1内側面3bと第二溝4に対面するリング第2内側面3cとから構成されている。
したがって、加締リング3は、環状隆起部8に対してリング第1内側面3bの一端が側面7に当接していると共にリング第2内側面3cが環状隆起部8の上端8aから反軸受側(図1において左側)に向って第二溝4の長さの例えば2/3程度の部分まで伸びるように構成されている。なお、リング外表面3aの形状は、特に限定するものではないが、例えば、図1に示すように、反軸受側端3fに向ってリング径内方に絞り込むような構造にすることができる。また、加締リング3を第一溝5に押し込むときに、側面7と加締リング3の間にすき間が発生し難くするためには、側面7とリング外表面3aは略直角であることが好ましい。
したがって、加締リング3は、環状隆起部8に対してリング第1内側面3bの一端が側面7に当接していると共にリング第2内側面3cが環状隆起部8の上端8aから反軸受側(図1において左側)に向って第二溝4の長さの例えば2/3程度の部分まで伸びるように構成されている。なお、リング外表面3aの形状は、特に限定するものではないが、例えば、図1に示すように、反軸受側端3fに向ってリング径内方に絞り込むような構造にすることができる。また、加締リング3を第一溝5に押し込むときに、側面7と加締リング3の間にすき間が発生し難くするためには、側面7とリング外表面3aは略直角であることが好ましい。
このように本実施形態においては、加締リング3が加締装着されたときに、加締リング3のリング内側面(リング第1内側面3bおよびリング第2内側面3c)と環状隆起部8とが対応して加締められて溝10に係合された構造である。これは後述する加締方法にて詳細に説明するが、加締加工自体の加締動作によって他端面35と側面7との間の寸法に合わせて加締リング3が食い込むように取付けられる。しがたって、例えば加締リング3は、軸受側端3eが他端面35に接する状態で反軸受側端3fが第二溝4の側に位置すればよく、その寸法精度が比較的ラフな加工精度で良い。
また、本実施形態においては、加締リング3の反軸受側端3fは溝10の側面(反軸受側の側面4a)と当接しない。これは、加締リング3の反軸受側端3fの塑性変形を阻害する壁面からの反力を受けずに塑性変形ができるので、塑性変形時の圧力が効果的に逃がされた構造である。この結果、加締時の荷重は小さく抑えられ、加工設備の小型化が可能になる。
本実施形態では、環状隆起部8に対して軸受2側に位置する第一溝5よりも反軸受側に位置する第二溝4の深さが浅く構成されている。
このように、第二溝が浅く形成されたことにより、軸の削り量を必要最低限にできる。更に、環状隆起部8の反軸受方向の力(軸受2を軸方向に移動させようとする力)に対して剛性を強くできる。また、加締加工の時においては、加締リング3のリング内側面が第一溝5よりも第二溝4に先に接触するので、図1に示すように、加締リング3は第一溝5の溝底6aに接触しない状態に容易にできる。
このように、第二溝が浅く形成されたことにより、軸の削り量を必要最低限にできる。更に、環状隆起部8の反軸受方向の力(軸受2を軸方向に移動させようとする力)に対して剛性を強くできる。また、加締加工の時においては、加締リング3のリング内側面が第一溝5よりも第二溝4に先に接触するので、図1に示すように、加締リング3は第一溝5の溝底6aに接触しない状態に容易にできる。
前掲のように、加締リング3が第一溝5の底面に対して浮いて接しないように構成されているので、軸受2に大きな軸方向の力が生じた場合において、加締リング3にかかる荷重の径方向分力(図7におけるF2)を低く抑えることができる。この結果、加締リング3の変形を効果的に抑え、軸受2を保持する力が従来よりも向上する。
図3〜図5を用いて、加締リング3の加締方法について説明する。
先ず、溝10には、軸2の軸方向の溝幅途中にその上端8aが軸径と略同じ高さに盛り上がる環状隆起部8を設けて置く。
そして、加締め加工においては、図3に示すように、軸1に、軸受2、加締リング3の順序に外嵌する。このとき、軸受2の一端面34は、第1の段差面25に当接して停止する。また、加締リング3の軸受側端3eは、軸受2の他端面35に当接する。
先ず、溝10には、軸2の軸方向の溝幅途中にその上端8aが軸径と略同じ高さに盛り上がる環状隆起部8を設けて置く。
そして、加締め加工においては、図3に示すように、軸1に、軸受2、加締リング3の順序に外嵌する。このとき、軸受2の一端面34は、第1の段差面25に当接して停止する。また、加締リング3の軸受側端3eは、軸受2の他端面35に当接する。
このとき、溝10に対する加締リング3の位置は、図4に示すように、加締リング3のリング内側面3d(加締前のリング内側面)が環状隆起部8に対面した状態で且つ加締リング3の反軸受側端3fが第二溝4内に位置するようにする。
この状態において、加締治具(図示せず)により、加締リング3の加締リング外表面3aおよび反軸受側端3fを押圧するように、例えば、略円すい形の穴を持つ加締治具を用いた軸方向の加締めや、径方向の加締めやローリングによる加締め等で、加締リング3を軸径方向に加締める。
加締リング3は、この加締力が作用することによって実際には塑性変形が一瞬で行われるが、例えば加締めの初期段階では、図5に示すように、リング内側面3dは環状隆起部8が食い込むように変形し始める。そして、この環状隆起部8の上端部分の形状に一致するリング溝9が加締リング3に形成されていく。
加締リング3は、この加締力が作用することによって実際には塑性変形が一瞬で行われるが、例えば加締めの初期段階では、図5に示すように、リング内側面3dは環状隆起部8が食い込むように変形し始める。そして、この環状隆起部8の上端部分の形状に一致するリング溝9が加締リング3に形成されていく。
このように、本実施形態では、加締リング3を加締めて装着するときに、加締リング3のリング内側面3dと環状隆起部8とが対面した状態で加締められることで、環状隆起部8によってリング内側面が塑性変形して軸受2と第一溝5との間に押し込まれ、軸受2と第一溝5との実際の寸法に一致した加工が行われることとなる。すなわち、加締リング3の軸受2を係止する機能を有する部分の寸法は、加締加工によって決定されるので、加締リング3の長さ寸法、溝10の寸法精度等に依存することなく軸受2を確実に係止することができる。
また、加締られるリング内側面3dが第一溝5及び第二溝4に分れるように変形するときに、加締リング3の反軸受側端3fは、溝10の側面4aと当接しない。すなわち、加締加工のときに加締リング3の反軸受側端3fの塑性変形は、軸方向(反軸受方向)への変形がし易いので、従来のような溝側面による塑性変形を阻害する変形時の大きな抵抗を受けることなく、加締時の荷重を小さく抑えることができる。
また、第二溝4がない従来の構造、すなわち、図7に示すような従来のように加締リング300全体を溝500の中に押し込む時の加締力に比べて、主な塑性変形部位を環状隆起部8の近傍に集中させると共に環状隆起部8の比較的尖った形状によっても加締時の荷重を小さく抑えることができる。
また、リング外表面3aの形状は、側面7と略直角である場合に、加締リング3を軸径方向に効率よく加締めることができる。リング外表面3aは略円すい形とするか、多少湾曲していてもよい。
また、環状隆起部8の上端8aの形状は、リング溝9における応力集中を避けるため、丸みを持たせることが好ましい。
また、第二溝4がない従来の構造、すなわち、図7に示すような従来のように加締リング300全体を溝500の中に押し込む時の加締力に比べて、主な塑性変形部位を環状隆起部8の近傍に集中させると共に環状隆起部8の比較的尖った形状によっても加締時の荷重を小さく抑えることができる。
また、リング外表面3aの形状は、側面7と略直角である場合に、加締リング3を軸径方向に効率よく加締めることができる。リング外表面3aは略円すい形とするか、多少湾曲していてもよい。
また、環状隆起部8の上端8aの形状は、リング溝9における応力集中を避けるため、丸みを持たせることが好ましい。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態における要部断面図を示している。
図6は本発明の第2実施形態における加締め後の軸受の固定構造を示した断面図である。
なお、図6においては、前掲の第1実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態における加締構造は、第1実施形態と基本的には同じ構造であるが、第1実施形態に比べて、環状隆起部8が軸受2側に移動して第二溝4の幅が大きく形成されている。また、第二溝4の深さも第1実施形態の場合よりも若干深く構成されている。また、リング外表面3aの形状においても、反軸受側端3fに向ってリング径内方に絞り込まれていない構造である。したがって、第二溝4に入り込んだ加締リング3の部分の体積が大きくなった構造である。なお、加締リング3の軸受側端3eにはテーパ面30eが、反軸受側端3fにはテーパ面30fが設けられている。
図6は、本発明の第2実施形態における要部断面図を示している。
図6は本発明の第2実施形態における加締め後の軸受の固定構造を示した断面図である。
なお、図6においては、前掲の第1実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態における加締構造は、第1実施形態と基本的には同じ構造であるが、第1実施形態に比べて、環状隆起部8が軸受2側に移動して第二溝4の幅が大きく形成されている。また、第二溝4の深さも第1実施形態の場合よりも若干深く構成されている。また、リング外表面3aの形状においても、反軸受側端3fに向ってリング径内方に絞り込まれていない構造である。したがって、第二溝4に入り込んだ加締リング3の部分の体積が大きくなった構造である。なお、加締リング3の軸受側端3eにはテーパ面30eが、反軸受側端3fにはテーパ面30fが設けられている。
このように環状隆起部8が軸受2側に移動していることで、加締リング3において、環状隆起部8よりも反軸受側端3fの側の部分の体積を大きくすることができ、反軸受側端3fの側の部分の強度を向上させることができる。
以上、本発明について、第1及び第2実施形態について説明したが、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜、変形、改良等が可能である。すなわち、環状隆起部の形状や加締リングの形状などは適宜変更することができる。
また、上記実施形態では、軸受内輪を軸に固定する場合について説明したが、軸受外輪をハウジングに固定する場合にも、同様の固定構造を用いることができる。
また、上記実施形態では、軸受内輪を軸に固定する場合について説明したが、軸受外輪をハウジングに固定する場合にも、同様の固定構造を用いることができる。
1 軸
2 軸受
3 加締リング
3a リング外表面
3b リング第1内側面
3c リング第2内側面
4 第二溝
5 第一溝
6 溝丸み部
6a 溝底
7 側面
7a クラウニング部
8 環状隆起部
8a 上端
9 リング溝
10 溝
2 軸受
3 加締リング
3a リング外表面
3b リング第1内側面
3c リング第2内側面
4 第二溝
5 第一溝
6 溝丸み部
6a 溝底
7 側面
7a クラウニング部
8 環状隆起部
8a 上端
9 リング溝
10 溝
Claims (5)
- 軸に形成された円環状の溝に円筒状の加締リングを加締めて軸受を固定する軸受の固定構造において、
前記溝は軸方向の溝幅途中に形成された環状隆起部によって区画される第一溝と第二溝とから形成されており、前記加締リングはそのリング内側面が前記第一溝に対面するリング第1内側面と前記第二溝に対面するリング第2内側面とから構成されて、前記環状隆起部に係合するように構成されたことを特徴とする軸受の固定構造。 - 前記環状隆起部はその上端が軸径と略同じ高さに盛り上がるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の軸受の固定構造。
- 前記環状隆起部に対して前記軸受側に位置する前記第一溝よりも反軸受側に位置する前記第二溝の深さが浅く構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の軸受の固定構造。
- 前記加締リングは前記リング内側面が前記環状隆起部により保持されて、前記環状隆起部に対して前記軸受側に位置する前記第一溝の溝底に接触しないように構成されたことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の軸受の固定構造。
- 軸に形成された円環状の溝に円筒状の加締リングを加締めて軸受を固定する軸受の固定方法において、
前記溝を、軸方向の溝幅途中に形成した環状隆起部にて第一溝と第二溝に区画しておき、前記加締リングを加締るときに、前記加締リングの一端面を前記軸受に接触させ且つリング内側面を前記環状隆起部に対面させる状態で加締圧力を加え、前記環状隆起部を前記リング内側面に食い込ませるようにすることを特徴とする軸受の固定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011107493A JP2012237403A (ja) | 2011-05-12 | 2011-05-12 | 軸受の固定構造および固定方法 |
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JP2011107493A JP2012237403A (ja) | 2011-05-12 | 2011-05-12 | 軸受の固定構造および固定方法 |
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ID=47460477
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015055289A (ja) * | 2013-09-11 | 2015-03-23 | 日本精工株式会社 | 軸受の固定構造 |
JP2015124787A (ja) * | 2013-12-25 | 2015-07-06 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受用内輪の固定方法及び転がり軸受用内輪の固定構造物 |
-
2011
- 2011-05-12 JP JP2011107493A patent/JP2012237403A/ja not_active Withdrawn
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