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JP2012164930A - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体発光素子からの光取り出し効率を向上させるとともに、半導体発光素子に設けられた電極におけるクラックの発生を抑制する。
【解決手段】半導体発光素子1は、n型半導体層140上に積層される発光層150およびp型半導体層160と、p型半導体層160の上に積層される透明導電層170と、透明導電層170の上および露出するn型半導体層140上に、テーパ状の貫通孔が複数形成された状態で積層される透明絶縁層180と、透明絶縁層180を介して透明導電層170の上に形成され、透明絶縁層に設けられた各貫通孔を介して透明導電層170に接続されるp電極200と、透明絶縁層180を介してn型半導体層140の上に形成され、透明絶縁層180に設けられた各貫通孔を介してn型半導体層140に接続されるn電極300とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体発光素子に関する。
GaInN、AlInGaP、GaAlAs等の発光層を用いた半導体発光素子は、発光効率の高い発光ダイオードとして利用されている。例えば、GaInN等のIII族窒化物半導体を用いた半導体発光素子は、例えば、サファイア等の基板上に、発光層を含むIII族窒化物半導体層を形成して構成される。そして、このような半導体発光素子として、配線基板に対して半導体発光素子をフリップチップにて実装することで、発光層から出力される光を、基板を介して外部に出射するようにしたものが存在する。
公報記載の従来技術として、p型およびn型窒化物半導体層とその間に形成された活性層を有するフリップチップ型の窒化物半導体発光素子において、p型窒化物半導体層にオーミックコンタクト層を形成し、このオーミックコンタクト層の上に光透過性の伝導性酸化物層を形成し、この伝導性酸化物層の上に高反射性の金属層を形成するものが存在する(特許文献1参照)。
また、他の公報記載の従来技術として、n型半導体層、発光層およびp型半導体層が積層され、さらにp型半導体層上に透明導電層および反射膜が積層されてなる半導体発光素子において、反射膜が、発光層の発光波長において透光性を有し且つ透明導電層に積層される透明層と、高反射率を有し且つ透明層に積層される金属層とを備え、透明層を貫通して透明導電層および金属層を電気的に接続する金属部を設けることで、発光層に通電するための電極として金属層を利用するものが存在する(特許文献2参照)。
特開2006−303430号公報 特開2009−260316号公報
本発明は、半導体発光素子からの光取り出し効率を向上させるとともに、半導体発光素子に設けられた電極におけるクラックの発生を抑制することを目的とする。
本発明によれば、下記[1]〜[16]に係る発明が提供される。
[1]第1導電型を有するIII−V族半導体で構成される第1半導体層と、
第1半導体層上に第1半導体層に接して設けられ、III−V族半導体で構成されるとともに通電により発光する発光層と、
発光層上に発光層に接して設けられ、第1導電型とは逆の第2導電型を有するIII−V族半導体で構成される第2半導体層と、
発光層から出力される光に対する透過性および導電性を有する材料で構成され、第2半導体層に積層される透明導電層と、
発光層から出力される光に対する透過性および絶縁性を有する材料で構成され、厚さ方向に貫通する貫通孔を有するとともに透明導電層に積層される透明絶縁層と、
第1半導体層に接続され、発光層に通電する一方の端子となる第1電極と、
透明絶縁層に積層されるとともに透明絶縁層に設けられる貫通孔を介して透明導電層に接続され、発光層に通電する他方の端子となる第2電極とを備え、
透明絶縁層における透明導電層との接触面と、透明絶縁層に設けられる貫通孔の内壁面との成す角度が、鋭角であることを特徴とする半導体発光素子。
[2]透明絶縁層における透明導電層との接触面とは反対側の面と、透明絶縁層に設けられる貫通孔の内壁面との成す角度が、鈍角であることを特徴とする[1]記載の半導体発光素子。
[3]透明絶縁層に形成される貫通孔は、透明導電層に近い側から遠ざかる側に向かうに連れて、幅が拡大する形状を有していることを特徴とする[1]または[2]記載の半導体発光素子。
[4]透明絶縁層に形成される貫通孔は、略円形状にて形成されるとともに、透明導電層に近い側から遠ざかるにつれて直径が拡大する形状を有していることを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載の半導体発光素子。
[5]透明絶縁層における透明導電層との接触面と、透明絶縁層に設けられる貫通孔の内壁面との成す角度が、15°〜60°であることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載の半導体発光素子。
[6]透明絶縁層に、貫通孔が複数形成されていることを特徴とする[1]乃至[5]のいずれかに記載の半導体発光素子。
[7]第2電極は、
導電性を有し、透明絶縁層および貫通孔を介して露出する透明導電層を覆うように設けられる被覆層と、
発光層から出力される光に対する反射性および導電性を有する金属材料で構成され、被覆層上に被覆層に接して設けられる金属反射層と、
金属反射層を覆うように設けられる他の被覆層と、
他の被覆層上に他の被覆層に接して設けられ、外部との電気的な接続に用いられる接続層と
を有することを特徴とする[1]乃至[6]のいずれかに記載の半導体発光素子。
[8]透明導電層は、発光層が出力する光の波長において第1屈折率を示す材料で構成され、
透明絶縁層は、発光層が出力する光の波長において第1屈折率よりも屈折率が低い第2屈折率を示す材料で構成されることを特徴とする[1]乃至[7]のいずれかに記載の半導体発光素子。
[9]III−V族半導体が、III族窒化物半導体からなることを特徴とする[1]乃至[8]のいずれかに記載の半導体発光素子。
[10]第1電極および第2電極には、それぞれ、外部との電気的な接続に用いられるはんだバンプが取り付けられていることを特徴とする[1]乃至[9]のいずれかに記載の半導体発光素子。
[11]第1導電型を有するIII−V族半導体で構成される第1半導体層と、
第1半導体層上に第1半導体層に接して設けられ、III−V族半導体で構成されるとともに通電により発光する発光層と、
発光層上に発光層に接して設けられ、第1導電型とは逆の第2導電型を有するIII−V族半導体で構成される第2半導体層と、
発光層から出力される光に対する透過性および導電性を有する材料で構成され、第2半導体層に積層される透明導電層と、
発光層から出力される光に対する透過性および絶縁性を有する材料で構成されるとともに透明導電層に積層され、厚さ方向に貫通し且つ透明導電層に近づくにつれて直径が減少する貫通孔を複数個有する透明絶縁層と、
第1半導体層に接続され、発光層に通電する一方の端子となる第1電極と、
複数の貫通孔を介して透明導電層に一端が電気的に接続されるとともに、複数の貫通孔におけるそれぞれの内壁面に沿って設けられる複数の接続導体を有する導体部と、透明絶縁層上に透明絶縁層に接して設けられるとともに、導体部を構成する複数の接続導体におけるそれぞれの他端が電気的に接続される電極部とを有し、発光層に通電する他方の端子となる第2電極と
を含む半導体発光素子。
[12]第2電極は、
導電性を有し、透明絶縁層および貫通孔を介して露出する透明導電層を覆うように設けられる被覆層と、
発光層から出力される光に対する反射性および導電性を有する金属材料で構成され、被覆層上に被覆層に接して設けられる金属反射層と、
金属反射層を覆うように設けられる他の被覆層と、
他の被覆層上に他の被覆層に接して設けられ、外部との電気的な接続に用いられる接続層と
を有することを特徴とする[11]記載の半導体発光素子。
[13]透明導電層はインジウム(In)を含む酸化物で構成され、
金属反射層は、銀(Ag)を含む金属で構成され、
接続層は、金(Au)を含む金属で構成されること
を特徴とする[12]記載の半導体発光素子。
[14]透明導電層は、発光層が出力する光の波長において第1屈折率を示す材料で構成され、
透明絶縁層は、発光層が出力する光の波長において第1屈折率よりも屈折率が低い第2屈折率を示す材料で構成されることを特徴とする[11]乃至[13]のいずれかに記載の半導体発光素子。
[15]III−V族半導体が、III族窒化物半導体からなることを特徴とする[11]乃至[14]のいずれかに記載の半導体発光素子。
[16]第1電極および第2電極には、それぞれ、外部との電気的な接続に用いられるはんだバンプが取り付けられていることを特徴とする[11]乃至[15]のいずれかに記載の半導体発光素子。
本発明によれば、半導体発光素子からの光取り出し効率を向上させるとともに、半導体発光素子に設けられた電極におけるクラックの発生を抑制することができる。
本実施の形態が適用される半導体発光素子の一例を上方から見た上面図である。 図1に示す半導体発光素子のII−II断面図である。 半導体発光素子におけるp電極周辺の断面構成の一例を示す図である。 半導体発光素子におけるn電極周辺の断面構成の一例を示す図である。 (a)は、p電極側の透明絶縁層に設けられた1つの貫通孔の周辺における、透明導電層と透明絶縁層とp電極との境界構造の一例を示す断面図であり、(b)は、n電極側の透明絶縁層に設けられた1つの貫通孔の周辺における、n型半導体層と透明絶縁層とn電極との境界構造の一例を示す断面図である。 半導体発光素子を搭載した発光装置の構成の一例を示す図である。 発光装置における半導体発光素子の実装状態の一例を示す図である。 実施例1に係る半導体発光素子における、透明絶縁層に対するp電極の境界構造を示すSEM写真である。 比較例に係る半導体発光素子における、透明絶縁層に対するp電極の境界構造を示すSEM写真である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される半導体発光素子(発光ダイオード)1の一例を上方からみた上面図を示している。また、図2は、図1に示す半導体発光素子1のII−II断面図を示している。なお、図1においては、後述する保護層400を取り除いた半導体発光素子1を例示している。
この半導体発光素子1は、基板110と、基板110の上に積層される中間層120と、中間層120の上に積層される下地層130とを備える。また、半導体発光素子1は、下地層130の上に積層されるn型半導体層140と、n型半導体層140の上に積層される発光層150と、発光層150の上に積層されるp型半導体層160とを備える。なお、以下の説明においては、必要に応じて、これらn型半導体層140、発光層150およびp型半導体層160を、まとめて積層半導体層100と呼ぶ。
また、この半導体発光素子1においては、上方に向けてn型半導体層140の上面140cが露出するように、積層されたp型半導体層160、発光層150およびn型半導体層140が、一部の領域において厚さ方向に切り欠かれている。
さらに、この半導体発光素子1は、発光層150から出力される光に対する透過性および導電性を有し、p型半導体層160の上に積層される透明導電層170を備えている。
さらにまた、この半導体発光素子1は、発光層150から出力される光に対する透過性および絶縁性を有し、透明導電層170の上面から、p型半導体層160、発光層150およびn型半導体層140の側面を介して、n型半導体層140の上面140cに至るように、一体的に積層される透明絶縁層180を備えている。この透明絶縁層180は、保護膜としての機能もあり、化学的に安定で、耐湿性の優れた材質が適する。
ここで、発光層150の発光波長λ(nm)における、透明導電層170の屈折率を第1屈折率n1とし、透明絶縁層180の屈折率を第2屈折率n2としたとき、両者はn1>n2の関係を有している。そして、両者の屈折率の大きさの差(n1−n2)により、透明導電層170と透明絶縁層180との界面での反射が増大し、半導体発光素子1からの光取り出し効率が向上する。この屈折率の大きさの差は、0.4以上であることが望ましい。
また、透明絶縁層180には、透明絶縁層180の厚さ方向に貫通する複数の貫通孔が設けられている。本実施の形態において、複数の貫通孔は、例えば透明導電層170の上方に複数個(図1に示す例では28個)配置されるとともに、例えばn型半導体層140の上面140cの上方にも複数個(図1に示す例では4個)配置されている。これにより、例えば透明導電層170の上に透明絶縁層180を積層した状態では、複数の貫通孔を介して透明導電層170の一部が露出することになり、また、例えばn型半導体層140の上面140cの上に透明絶縁層180を積層した状態では、複数の貫通孔を介してn型半導体層140の一部が露出することになる。ここで、透明絶縁層180に設けられる複数の貫通孔は、上方から見たときにそれぞれが円形状を有しており(図1参照)、しかも、透明導電層170に近づくにつれてその直径が減少する所謂テーパ状の断面を有している(図2参照)。なお、透明絶縁層180に形成される貫通孔の形状は、応力集中がない円形が最適であるが、角部に、大きな曲率半径を有する多角形、楕円などの形状であってもよい。また、図2に示す例では、貫通孔が、透明絶縁層180と透明導電層170との境界部まで到達しているが、透明導電層170を貫通するものでなければ、その一部が透明導電層170内に入り込んでいてもかまわない。
さらに、この半導体発光素子1は、p型半導体層160上に積層された透明導電層170および透明絶縁層180の上にさらに積層され、発光層150を発光させる際に一方の電極(正電極)として機能するp電極200を備える。ここで、p電極200は、透明絶縁層180に設けられた複数の貫通孔をそれぞれ貫通し、その一端が透明導電層170と接するように設けられる複数(図1に示す例では28個)のp接続導体211(複数の接続導体に対応)からなるp導体部210(導体部に対応)と、透明絶縁層180上に形成され、複数のp接続導体211のそれぞれの他端が接続されるとともに、外部との電気的な接続に用いられるpパッド部220(電極部に対応)とを有している。これらの複数の貫通孔は、電気的には、発光層150に均一な電流密度で電流を流すことにより、発光層150全体の発光効率、発光素子の取り出し効率を向上させる。また、透明絶縁層180には、微小な貫通孔を多数配置するのが望ましいが、貫通孔の形成上のばらつき、微細加工技術の難しさから、貫通孔のサイズは、1〜20μmが好適な範囲である。なお、本実施の形態では、p電極200においてp導体部210およびpパッド部220が一体化した構造を有しているのであるが、このことについては後述する。
さらにまた、この半導体発光素子1は、n型半導体層140の上面140c上に積層された透明絶縁層180の上にさらに積層され、発光層150を発光させる際に他方の電極(負電極)として機能するn電極300をさらに備える。ここで、n電極300は、透明絶縁層180に設けられた複数の貫通孔をそれぞれ貫通し、その一端がn型半導体層140の上面140cと接するように設けられる複数(図1に示す例では4個)のn接続導体311からなるn導体部310と、複数のn接続導体311のそれぞれの他端が接続されるとともに、外部との電気的な接続に用いられるnパッド部320とを有している。なお、本実施の形態では、上述したp電極200と同様に、n電極300においてn導体部310およびnパッド部320が一体化した構造を有しているのであるが、このことについては後述する。
そして、この半導体発光素子1は、p電極200、p電極200の周縁、p型半導体層160、発光層150およびn型半導体層140の側面、n電極300およびn電極300の周縁にわたって一体的に積層されることで、p電極200およびn電極300を保護する保護層400を有している。ただし、保護層400は、p電極200の上面のうちほぼ中央部となる部位(この例では円形の領域)およびn電極300の上面のうちほぼ中央部となる部位(この例では円形の領域)には設けられていない。これにより、この半導体発光素子1では、p電極200の上面の一部が外部に露出し、また、n電極300の上面の一部が外部に露出している。なお、これらの露出部位は、半導体発光素子1の実装において、外部との電気的な接続に用いられる。
また、この半導体発光素子1を、後述する図7に示すようにフリップチップ接続で使用する場合、図2に示すp電極200の露出部位およびn電極300の露出部位に、それぞれ、予めはんだバンプを形成することがある。はんだバンプは、例えばAuSnなど、低融点(400℃未満)の共晶金属が好適な材料である。そして、このような目的で使用するはんだバンプは、1μm以上の厚膜が望ましく、例えばメッキ法で形成することが、生産性の観点からは望ましい。
このように、本実施の形態の半導体発光素子1は、基板110とは反対側となる一方の面側に、p電極200およびn電極300が形成された構造を有している。そして、この半導体発光素子1においては、p電極200を正電極、n電極300を負電極とし、両者を介して積層半導体層100(より具体的にはp型半導体層160、発光層150およびn型半導体層140)に電流を流すことで、発光層150が発光するようになっている。
以下、本実施の形態における半導体発光素子1の各構成を説明する。
<基板>
基板110としては、III族窒化物半導体結晶が表面にエピタキシャル成長される基板であれば、特に限定されず、各種の基板を選択して用いることができる。
本実施の形態の半導体発光素子1は、後述するように、基板110側から光を取り出すようにフリップチップ実装される。したがって、発光層150から出射される光に対して光透過性を有していることが、光取出し効率を高めるために好ましく、特に、C面を主面とするサファイアを基板110として用いることが好ましい。サファイアを基板110として用いる場合は、サファイアのC面上に中間層120(バッファ層)を形成するとよい。
<中間層>
中間層120は、多結晶のAlxGa1-xN(0≦x≦1)からなるものが好ましく、単結晶のAlxGa1-xN(0≦x≦1)のものがより好ましく、例えば、多結晶のAlxGa1-xN(0≦x≦1)からなる厚さ10〜500nmのものとすることができる。なお、中間層120は、基板110と下地層130との格子定数の違いを緩和し、基板110の(0001)面(C面)上にc軸配向した単結晶層の形成を容易にする働きがある。したがって、中間層120の上に単結晶の下地層130を積層すると、より一層結晶性の良い下地層130が積層できる。
<下地層>
下地層130としては、AlxGayInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)を用いることができるが、AlxGa1-xN(0≦x<1)を用いると、結晶性の良い下地層130を形成しやすくなる。
下地層130の膜厚は0.1μm以上が好ましく、この膜厚以上にした方が結晶性の良好なAlxGa1-xN層が得られやすい。また、下地層130の膜厚は10μm以下が好ましい。
<積層半導体層>
III族窒化物半導体を含んで構成される積層半導体層100は、図2に示すように、基板110上に、n型半導体層140、発光層150およびp型半導体層160の各層が、この順で積層されて構成されている。また、n型半導体層140、発光層150およびp型半導体層160の各層は、それぞれ、複数の半導体層から構成してもよい。
ここで、n型半導体層140は、電子をキャリアとして電気伝導を行うものであり、p型半導体層160は、正孔をキャリアとして電気伝導を行うものである。この例においては、電子をキャリアとするn型が第1導電型に対応しており、正孔をキャリアとするp型が第2導電型に対応している。
<n型半導体層>
第1導電型を有する第1半導体層の一例としてのn型半導体層140は、基板110側(この例では下地層130)に積層されるnコンタクト層と、nコンタクト層に積層されるnクラッド層とで構成することが好ましい。なお、nコンタクト層はnクラッド層を兼ねることも可能である。また、前述の下地層130をn型半導体層140に含めてもよい。
nコンタクト層は、n電極300を設けるための層である。したがって、n型半導体層140における上面140cには、nコンタクト層を露出させておくとよい。nコンタクト層としては、AlxGa1-xN層(0≦x<1、好ましくは0≦x≦0.5、さらに好ましくは0≦x≦0.1)を用いるとよい。
nクラッド層は、発光層150へのキャリアの注入とキャリアの閉じ込めとを行なう層である。なお、本明細書では、AlGaN、GaN、GaInNについて、各元素の組成比を省略した形で記述する場合がある。nクラッド層はAlGaN、GaN、GaInNなどで形成することが可能である。また、これらの構造のヘテロ接合や複数回積層した超格子構造としてもよい。nクラッド層をGaInNで形成する場合には、発光層150のGaInNのバンドギャップよりも大きくすることが望ましい。
なお、nクラッド層を、超格子構造を含む層とする場合には、10nm以下の膜厚を有したIII族窒化物半導体からなるn側第1層と、n側第1層と組成が異なるとともに10nm以下の膜厚を有したIII族窒化物半導体からなるn側第2層とが積層された構造を含むものであってもよい。
また、nクラッド層は、n側第1層とn側第2層とが交互に繰返し積層された構造を含んだものであってもよく、この場合には、GaInNとGaNとの交互構造又は組成の異なるGaInN同士の交互構造とすることが好ましい。
<発光層>
発光層150としては、単一量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造などを採用することができる。
量子井戸構造の井戸層としては、通常、Ga1-yInyN(0<y<0.4)からなるIII族窒化物半導体層が用いられる。井戸層の膜厚としては、量子効果の得られる程度の膜厚、例えば1〜10nmとすることができ、好ましくは2〜6nmとすると発光出力の点で好ましい。
また、多重量子井戸構造の発光層150の場合は、上記Ga1-yInyNを井戸層とし、井戸層よりバンドギャップエネルギーが大きいAlzGa1-zN(0≦z<0.3)を障壁層とする。井戸層および障壁層には、不純物をドープしてもよいし、しなくてもよい。
<p型半導体層>
第2導電型を有する第2半導体層の一例としてのp型半導体層160は、発光層150に積層されるpクラッド層と、pクラッド層に積層されるpコンタクト層とで構成することが好ましい。ただし、pコンタクト層がpクラッド層を兼ねることも可能である。
pクラッド層は、発光層150へのキャリアの閉じ込めとキャリアの注入とを行なう層である。pクラッド層としては、発光層150のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、発光層150へのキャリアの閉じ込めができるものであれば特に限定されないが、例えばAlxGa1-xN(0<x≦0.4)を用いることができる。
pクラッド層が、このようなAlGaNからなると、発光層150へのキャリアの閉じ込めの点で好ましい。pクラッド層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは1〜400nmであり、より好ましくは5〜100nmである。
また、pクラッド層は、複数回積層した超格子構造としてもよく、この場合には、AlGaNとAlGaNとの交互構造又はAlGaNとGaNとの交互構造とすることが好ましい。
pコンタクト層は、透明導電層170を介してp電極200を設けるための層である。pコンタクト層は、AlxGa1-xN(0≦x≦0.4)とすることが好ましい。pコンタクト層におけるAl組成が上記範囲であると、良好な結晶性の維持および透明導電層170との良好なオーミック接触の維持が可能となる点で好ましい。
pコンタクト層の膜厚は、特に限定されないが、10〜500nmが好ましく、より好ましくは50〜200nmである。pコンタクト層の膜厚をこの範囲とすると、順方向電圧Vfを低減できる点で好ましい。
<透明導電層>
透明導電層170は、p型半導体層160の上面のうち周縁部を除くほぼ全面を覆うように形成されている。
透明導電層170は、p型半導体層160とオーミックコンタクトがとれ、しかもp型半導体層160との接触抵抗が小さいものを用いることが好ましい。また、この半導体発光素子1では、発光層150からの光を、透明導電層170および透明絶縁層180等を介して基板110側に取り出すことから、透明導電層170は光透過性に優れたものを用いることが好ましい。さらにまた、p型半導体層160の全面に渡って均一に電流を拡散させるために、透明導電層170は優れた導電性を有し、且つ、抵抗分布が少ないものを用いることが好ましい。
なお、透明導電層170の厚さは2nm〜500nmの範囲より選択することができる。ここで、透明導電層170の厚さが2nmよりも薄いと、p型半導体層160とオーミックコンタクトが取れにくい場合があり、また、透明導電層170の厚さが500nmよりも厚いと、発光層150から出力される光および透明絶縁層180等からの反射光に対する光透過性の点で好ましくない場合がある。
透明導電層170としては、例えば酸化物の導電性材料であって、発光層150から出射される波長の光に対する光透過性のよいものを用いることができる。発光層150から出力される波長の光に対する透過率は、90%以上、望ましくは95%以上である。特に、Inを含む酸化物の一部は、他の透明導電膜と比較して光透過性および導電性の両者がともに優れている点で好ましい。Inを含む導電性の酸化物としては、例えばIZO(酸化インジウム亜鉛(In23−ZnO))、ITO(酸化インジウム錫(In23−SnO2))、IGO(酸化インジウムガリウム(In23−Ga23))、ICO(酸化インジウムセリウム(In23−CeO2))等が挙げられる。なお、これらの中に、例えばフッ素などのドーパントが添加されていてもかまわない。また、例えばInを含まない酸化物、例えばキャリアをドープしたSnO2、ZnO2、TiO2等の導電性材料を用いてもよい。
これらの材料を、この技術分野でよく知られた慣用の手段によって設けることで、透明導電層170を形成することができる。そして、透明導電層170を形成した後に、熱処理を施して結晶化を促進させることにより、透明導電層170の光透過率が上がるとともに、シート抵抗が下がることでオーミックコンタクトが取りやすくなる。
本実施の形態において、透明導電層170は、結晶化された構造のものを使用してよく、特に六方晶構造又はビックスバイト構造を有するIn23結晶を含む透光性材料(例えば、IZOやITO等)を好ましく使用することができる。
また、透明導電層170に用いる膜としては、比抵抗が低くなる組成を使用することが好ましい。例えば、IZO中のZnO濃度は1〜20質量%であることが好ましく、5〜15質量%の範囲であることが更に好ましく、10質量%であると特に好ましい。
さらに、透明導電層170は、得られた膜の密着性を高めるという観点からすれば、例えばスパッタ法で形成することが望ましい。
<透明絶縁層>
透明絶縁層180は、例えば図2に示すように、透明導電層170、透明導電層170が積層されていないp型半導体層160、および発光層150が積層されていないn型半導体層140をそれぞれ覆うように積層されている。また、透明絶縁層180は、各層の表面を覆うだけでなく、発光層150およびp型半導体層160の側面、すなわちp型半導体層160とn型半導体層140とで形成される段差の壁部にあたる部分を覆い、さらに透明導電層170の側面も覆う。
そして、透明絶縁層180は、上述のように、発光層150から出力される光に対する透過性、透明導電層170の屈折率(第1屈折率n1)よりも低い屈折率(第2屈折率n2)、および絶縁性を有する材質から構成される。透明絶縁層180を構成する材料としては、例えばSiO(酸化珪素)やMgF(フッ化マグネシウム)、CaF(フッ化カルシウム)、Si(窒化珪素)、Al(酸化アルミニウム)を使用することができる。なお、この例では、透明絶縁層180として、絶縁性が高く、屈折率が小さく(1.4〜1.5)、耐湿性に優れた、最適な材料であるSiO(二酸化珪素)を用いた。
また、本実施の形態において、透明絶縁層180の膜厚をHとし、発光層150の発光波長λ(nm)を、透明絶縁層180の屈折率である第2屈折率n2の4倍で除したものをQとしたとき、膜厚Hは、以下に示す式(1)の関係で設定される。但しAは整数である。
H=AQ …(1)
そして、透明絶縁層180の膜厚Hは、以下の式(2)に基づいて設定されていること、すなわち、膜厚Hが3λ/4n2以上となる範囲にあること(膜厚Hが3Q以上であること)がより好ましい。更に、発光出力の向上には望ましくは5Q以上である。ただし、生産コストの制約および、膜厚の増加に伴い本発明の課題であるクラック発生がしやすくなる点から、膜厚Hは20Q以下、望ましくは、10Q以下が好適である。透明絶縁層180の膜厚Hをこの範囲から選択した場合、発光層150から出力される光に対する光学的な反射率が増大し、結果として高い発光出力が得られる。この例において、透明絶縁層180の膜厚Hは、例えばA=5、λ=460nm、n2=1.5とした場合、H=375nmである。なお、透明絶縁層180に設けられる複数の貫通孔の形状や大きさ等の詳細については後述する。
3λ/4n2≧H …(2)
<p電極>
図3は、本実施の形態の半導体発光素子1におけるp電極200周辺の断面構成の一例を示す図である。ここで、図3は、図2におけるp電極200周辺の断面を拡大したものとなっている。
第2電極の一例としてのp電極200は、最も透明導電層170および透明絶縁層180に近い側において、これら透明導電層170および透明絶縁層180と接するように積層されるp密着層201と、p密着層201に積層されるp金属反射層202と、p金属反射層202に積層されるp拡散防止層203と、p拡散防止層203に積層されるpボンディング層204と、pボンディング層204に積層され、さらにその上に保護層400が積層されるp保護密着層205とを有する。そして、本実施の形態では、p密着層201、p金属反射層202、p拡散防止層203、pボンディング層204およびp保護密着層205によって、複数のp接続導体211を含むp導体部210とpパッド部220とが一体化した、p電極200を構成している。
以下、本実施の形態におけるp電極200の各構成を説明する。
[p密着層]
被覆層の一例としてのp密着層201は、図3に示したように、透明絶縁層180および透明絶縁層180に設けられた各貫通孔を介して露出する透明導電層170の上に積層され、且つ、その上にはp金属反射層202が積層される。このp密着層201は、これら3つの層を構成する材料の物理的な密着性を高めるために設けられている。ただし、透明絶縁層180とp金属反射層202との密着性が良好な場合は、p密着層201を省略することできる。
また、本実施の形態の半導体発光素子1では、発光層150から出力される光のうち、p電極200側に入射してきた光を、透明導電層170、透明絶縁層180およびp金属反射層202などを介して基板110側に反射させることから、p密着層201として光透過性に優れた材料を用いることが好ましい。さらにまた、p電極200からp型半導体層160の全面に渡って均一に電流を拡散させるために、p密着層201として、導電性に優れ、面方向における抵抗分布が少なく、しかも透明導電層170との接触抵抗が低く抑えられたものを用いることが好ましい。
これらの点から、p密着層201として透明導電層を用いることが好ましい。この例では、p密着層201として、導電性を有する金属酸化物であって、発光層150から出射される波長の光に対する光透過性のよいものが用いられる。特に、Inを含む金属酸化物は、他の透明導電膜と比較して光透過性および導電性の両者がともに優れている点で好ましい。Inを含む導電性の金属酸化物としては、例えばITO(酸化インジウム錫(In−SnO))、IZO(酸化インジウム亜鉛(In−ZnO))、IGO(酸化インジウムガリウム(In−Ga))、ICO(酸化インジウムセリウム(In−CeO))等が挙げられる。特に好ましくはIZO(酸化インジウム亜鉛(In23−ZnO))が挙げられる。
このp密着層201の膜厚は、上述した理由により、好ましくは1nm〜50nmの範囲から選ばれる。p密着層201の膜厚が1nm未満の場合には、透明導電層170との密着性が低下し、接触抵抗が高くなる恐れがある。一方、p密着層201の膜厚が50nmを越える場合には、光透過性が低下することになってしまい、得られる半導体発光素子1における発光出力の低下を招く。この例において、p密着層201の膜厚は例えば、1〜5nmが望ましい。
[p金属反射層]
金属反射層の一例としてのp金属反射層202は、図3に示したように、p密着層201の上に積層され、且つ、その上にはp拡散防止層203が積層される。p金属反射層202は、発光層150から出射され、透明導電層170および透明絶縁層180を通過してきた光を、基板110側に向けて反射させるために設けられている。ここで、本実施の形態では、p密着層201を介して透明絶縁層180とp金属反射層202とを配置することにより、これら透明絶縁層180およびp金属反射層202が直接には接触しない構造となっている。また、p金属反射層202は、p電極200の構成要素の1つとなっていることから、自身の抵抗が低く且つp密着層201との接触抵抗が低く抑えられるものを用いることが好ましい。
本実施の形態のp金属反射層202は、銀、パラジウム、銅、アルミニウム、ニッケル、金、白金などの金属および少なくともこれらのうちの1つを含む合金で構成されている。特に、p金属反射層202として銀または銀合金を用いることは、発光層150から出力される可視光領域の全波長の光に対して、高い光反射性を有している点で好ましい。ここで、p金属反射層202として銀を用いると、使用環境によっては耐熱性、耐高温高湿性(所謂マイグレーションの抑制)が十分でない場合があることから、銀合金が好ましく使用される。特に、パラジウム、銅を含む銀合金を用いることが望ましい。
p金属反射層202として銀あるいは銀合金を用いた場合、p密着層201の材質としては、Inを含む酸化物、例えばIZOやITO等の透明導電性材料を用いることが好ましい。ここで、p密着層201を設けずに透明絶縁層180の上にp金属反射層202を直接に積層した場合、p密着層201を設けた場合と比較して、密着性は著しく低下する。
このp金属反射層202の膜厚は、好ましくは80nm〜200nmの範囲から選ばれる。p金属反射層202の膜厚が80nm未満の場合には、p金属反射層202による光反射率が低下する。また、p金属反射層202の膜厚が200nmを越える場合には、半導体発光素子1の製造にかかるコストが上昇する。なお、この例において、p金属反射層202の膜厚は100nmである。
[p拡散防止層]
他の被覆層の一例としてのp拡散防止層203は、図3に示したように、p金属反射層202の上に積層され、且つ、その上にはpボンディング層204が積層される。p拡散防止層203は、接触状態にあるp金属反射層202を構成する金属(この例では銀合金)、および、接触状態にあるpボンディング層204を構成する金属(この例では金(詳細は後述))の拡散を、それぞれ抑制するために設けられている。ここで、本実施の形態では、p拡散防止層203を介してp金属反射層202とpボンディング層204とを配置することにより、これらp金属反射層202およびpボンディング層204が直接には接触しない構造となっている。また、p拡散防止層203は、p電極200の構成要素の1つとなっていることから、自身の抵抗が低く且つp金属反射層202およびpボンディング層204との接触抵抗がそれぞれ低く抑えられるものを用いることが好ましい。なお、p拡散防止層203は、発光層150からの光を透過させる機能を基本的に必要としないので、上述したp密着層201とは異なり、光透過性を有している必要はない。p拡散防止層203には、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、白金、パラジウム、ニッケル等の、高温で安定な高融点金属を用いることが望ましい。また、p拡散防止層203は単層構成としてもよいが、p金属反射層202およびpボンディング層204の両者に対して、良好な密着性が得られるとともにこれらと合金化しない適切な材料がない場合には、以下に説明するように多層構造を用いるのが望ましい。
本実施の形態におけるp拡散防止層203は、p金属反射層202に積層されるp第1拡散防止層203aと、p第1拡散防止層203aに積層されるp第2拡散防止層203bと、p第2拡散防止層203bに積層され、さらにその上にpボンディング層204が積層されるp第3拡散防止層203cとを備える。
本実施の形態では、p第1拡散防止層203aとしてタンタルを、p第2拡散防止層203bとしてチタンを、p第3拡散防止層203cとして白金を、それぞれ用いている。なお、p第2拡散防止層203bとして、チタンに代えてニッケルを用いてもよい。
ここで、p第1拡散防止層203aおよびp第2拡散防止層203bは、上述したp金属反射層202を構成する金属(この例では銀合金)の拡散を抑制するだけでなく、p第3拡散防止層203cを構成する金属(この例では白金)の拡散を抑制する機能も有している。また、p第3拡散防止層203cは、上述したpボンディング層204を構成する金属(この例では金)の拡散を抑制するだけでなく、p第2拡散防止層203bを構成する金属(この例ではチタン)の拡散を抑制する機能も有している。
そして、p第1拡散防止層203aの膜厚は、好ましくは20nm〜200nmの範囲から選ばれる。p第1拡散防止層203aの膜厚が20nm未満の場合には、p金属反射層202(この例では銀合金)とp第3拡散防止層203c(この例では白金)とのバリア性が不十分となり、この例では銀と白金とが反応するおそれがある。また、p第1拡散防止層203aの膜厚が200nmを越える場合には、半導体発光素子1の製造にかかるコストが上昇する。なお、この例において、p第1拡散防止層203aの膜厚は50nmである。
また、p第2拡散防止層203bの膜厚は、好ましくは20nm〜500nmから選ばれる。p第2拡散防止層203bの膜厚が20nm未満の場合には、p第2拡散防止層203bとp第3拡散防止層203cとの密着性が低下する懸念がある。さらに、p金属反射層202(この例では銀合金)とp第3拡散防止層203c(この例では白金)とのバリア性が不十分となり、この例では銀と白金が反応するおそれがある。また、p第2拡散防止層203bの膜厚が500nmを越える場合には、半導体発光素子1の製造にかかるコストが上昇する。なお、この例において、p第2拡散防止層203bの膜厚は40nmである。
さらに、p第3拡散防止層203cの膜厚は、好ましくは50nm〜200nmの範囲から選ばれる。p第3拡散防止層203cの膜厚が50nm未満の場合には、p第2拡散防止層203b(この例ではチタン)とpボンディング層204(この例では金)とが反応するおそれがある。また、p第3拡散防止層203cの膜厚が200nmを越える場合には、半導体発光素子1の製造にかかるコストが上昇する。なお、この例において、p第3拡散防止層203cの膜厚は100nmである。
[pボンディング層]
接続層の一例としてのpボンディング層204は、図3に示したように、p拡散防止層203の上に積層され、且つ、その上には最終的に外部に露出させる一部の領域を除いてp保護密着層205が積層される。pボンディング層204は、外部と電気的に接続されることによりp電極200に給電を行うために設けられている。ここで、本実施の形態では、p拡散防止層203を介してp金属反射層202とpボンディング層204とを配置することにより、これらp金属反射層202とpボンディング層204が直接には接触しない構造となっている。また、pボンディング層204は、p電極200の構成要素の1つとなっていることから、自身の抵抗が低く且つp拡散防止層203との接触抵抗がそれぞれ低く抑えられるものを用いることが好ましい。なお、pボンディング層204は、p拡散防止層203と同様、発光層150からの光を透過させる機能を基本的に必要としないので、光透過性を有している必要はない。
本実施の形態におけるpボンディング層204は、最上位すなわち外部に露出する最表層が金であれば、金属の多層構造を有するものであってもよいし、金の単層構造を有するものであってもよい。なお、本実施の形態では、pボンディング層204として、金の単層膜を採用している。
このpボンディング層204の膜厚は、好ましくは100nm〜2μmの範囲から選ばれる。pボンディング層204の膜厚が100nm未満の場合には、ボンディング時における衝撃吸収性が低下する。また、pボンディング層204の膜厚が2μmを越える場合には、半導体発光素子1の製造にかかるコストが上昇する。なお、この例において、pボンディング層204の膜厚は550nmである。
[p保護密着層]
p保護密着層205は、図3に示したように、pボンディング層204のうち最終的に外部に露出させる一部の領域を除く部位に積層され、且つ、その上には保護層400が積層される。このp保護密着層205は、これら2つの層を構成する材料の物理的な密着性を高めるために設けられている。
本実施の形態のp保護密着層205は、チタンで構成されている。なお、p保護密着層205として、チタンに代えてタンタルを用いてもよい。
そして、p保護密着層205の膜厚は、好ましくは5nm〜50nmの範囲から選ばれる。p保護密着層205の膜厚が5nm未満の場合には、pボンディング層204と保護層400との密着性が低下する。また、p保護密着層205の膜厚が20nmを越える場合には、エッチング工程における作業時間が長くなり、半導体発光素子1の製造にかかるコストが上昇する。なお、この例において、p保護密着層205の膜厚は15nmである。
また、本実施の形態では、p密着層201、p金属反射層202、p第1拡散防止層203aおよびp第2拡散防止層203bの周囲(側面も含む)を覆うようにp第3拡散防止層203cが積層され、このp第3拡散防止層203cの周囲(側面も含む)を覆うようにpボンディング層204が積層され、さらに、上記一部の領域を除いてこのpボンディング層204の周囲(側面も含む)を覆うようにp保護密着層205が積層されている。そして、上記一部の領域を除いて透明導電層170および透明絶縁層180に対しp電極200の周囲を覆うように、保護層400が積層されている。
<n電極>
図4は、本実施の形態の半導体発光素子1におけるn電極300周辺の断面構成の一例を示す図である。ここで、図4は、図2におけるn電極300周辺の断面を拡大したものとなっている。
第1電極の一例としてのn電極300は、最もn型半導体層140および透明絶縁層180に近い側において、これらn型半導体層140および透明絶縁層180と接するように積層されるn密着層301と、n密着層301に積層されるn金属反射層302と、n金属反射層302に積層されるn拡散防止層303と、n拡散防止層303に積層されるnボンディング層304と、nボンディング層304に積層され、さらにその上に保護層400が積層されるn保護密着層305とを有する。そして、本実施の形態では、n密着層301、n金属反射層302、n拡散防止層303、nボンディング層304およびn保護密着層305によって、複数のn接続導体311を含むn導体部310とnパッド部320とが一体化した、n電極300を構成している。
以下、本実施の形態におけるn電極300の各構成を説明する。
[n密着層]
n密着層301は、図4に示したように、透明絶縁層180および透明絶縁層180に設けられた各貫通孔を介して露出するn型半導体層140の上に積層され、且つ、その上にはn金属反射層302が積層される。このn密着層301は、これら3つの層を構成する材料の物理的な密着性を高め、n型半導体層140と接触抵抗の低いオーミック接触を得るために設けられている。
また、本実施の形態の半導体発光素子1では、発光層150から出力される光のうち、n電極300側に入射してきた光を、透明絶縁層180およびn金属反射層302などを介して基板110側に反射させることから、n密着層301として光透過性に優れた材料を用いるか、光の吸収が少ないとともに光反射性の高い材料を用いることが好ましい。さらにまた、n電極300からn型半導体層140に電流を拡散させるために、n密着層301として、導電性に優れ、面方向における抵抗分布が少なく、しかもn型半導体層140との接触抵抗が低く抑えられたものを用いることが好ましい。
これらの点から、n密着層301として透明導電層を用いることが好ましい。この例では、n密着層301として、導電性を有し且つ極めて薄く形成された金属からなる透光性金属薄膜を用いている。本実施の形態では、n密着層301がチタンで構成されている。ただし、上述したp密着層201と同様に、金属酸化物からなる透明導電層を用いてもよい。また、n金属反射層302が、n密着層301と同等の機能を果たす材質で構成される場合は、n密着層301を省略することができる。
このn密着層301の膜厚は、上述した理由により、好ましくは1nm〜50nmの範囲から選ばれる。n密着層301の膜厚が1nm未満の場合には、n型半導体層140との密着性が低下し、接触抵抗が高くなる恐れがある。一方、n密着層301の膜厚が50nmを越える場合には、光透過性が低下するとともに、厚さ方向の抵抗(直列抵抗)が高くなるため、得られる半導体発光素子1における順方向電圧Vfの増加を招く。この例において、n密着層301の膜厚は例えば2nmである。
[n金属反射層]
n金属反射層302は、図4に示したように、n密着層301の上に積層され、且つ、その上にはn拡散防止層303が積層される。n金属反射層302は、発光層150から出射され、内部反射等に伴ってn型半導体層140および透明絶縁層180を通過してきた光を、基板110側に向けて反射させるために設けられている。ここで、本実施の形態では、n密着層301を介して透明絶縁層180とn金属反射層302とを配置することにより、これら透明絶縁層180およびn金属反射層302が直接には接触しない構造となっている。また、n金属反射層302は、n電極300の構成要素の1つとなっていることから、自身の抵抗が低く且つn密着層301との接触抵抗が低く抑えられるものを用いることが好ましい。
本実施の形態のn金属反射層302は、アルミニウム、パラジウム、銅、ニッケル、銀、金、白金などの金属および少なくともこれらのうちの1つを含む合金で構成されている。特に、n金属反射層302としてアルミニウム合金を用いることは、n密着層301を介したn型半導体層140との接触抵抗を低く抑えられる点で好ましい。
n金属反射層302としてアルミニウムあるいはアルミニウム合金を用いた場合、n密着層301の材質としては、n型半導体層140との接触抵抗が低い、チタン等の透光性金属薄膜材料を用いることが好ましい。ここで、n密着層301を設けずに透明絶縁層180の上にn金属反射層302を直接に積層した場合、n密着層301を設けた場合と比較して、密着性が低下する。
このn金属反射層302の膜厚は、好ましくは80nm〜200nmの範囲から選ばれる。n金属反射層302の膜厚が80nm未満の場合には、n金属反射層302による光反射率が低下する。また、n金属反射層302の膜厚が200nmを超える場合には、半導体発光素子1の製造にかかるコストが上昇してしまう。なお、この例において、n金属反射層302の膜厚は100nmである。
[n拡散防止層]
n拡散防止層303は、図4に示したように、n金属反射層302の上に積層され、且つ、その上にはnボンディング層304が積層される。n拡散防止層303は、接触状態にあるn金属反射層302を構成する金属(この例ではアルミニウム合金)、および、接触状態にあるnボンディング層304を構成する金属(この例では金(詳細は後述))の拡散を、それぞれ抑制するために設けられている。ここで、本実施の形態では、n拡散防止層303を介してn金属反射層302とnボンディング層304とを配置することにより、これらn金属反射層302およびnボンディング層304が直接には接触しない構造となっている。また、n拡散防止層303は、n電極300の構成要素の1つとなっていることから、自身の抵抗が低く且つn金属反射層302およびnボンディング層304との接触抵抗がそれぞれ低く抑えられるものを用いることが好ましい。なお、n拡散防止層303は、発光層150からの光を透過させる機能を基本的に必要としないので、上述したn密着層301とは異なり、光透過性を有している必要はない。n拡散防止層303には、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、白金、パラジウム、ニッケル等の、高温で安定な高融点金属をもちいることが望ましい。また、n拡散防止層303は単層構成としてもよいが、n金属反射層302およびnボンディング層304の両者に対して、良好な密着性が得られるとともにこれらと合金化しない適切な材料がない場合には、以下に説明するように多層構造を用いるのが望ましい。
本実施の形態におけるn拡散防止層303は、n金属反射層302に積層されるn第1拡散防止層303aと、n第1拡散防止層303aに積層されるn第2拡散防止層303bと、n第2拡散防止層303bに積層され、さらにその上にnボンディング層304が積層されるn第3拡散防止層303cとを備える。
そして、本実施の形態では、n第1拡散防止層303aおよびp第1拡散防止層203a、n第2拡散防止層303bおよびp第2拡散防止層203b、そしてn第3拡散防止層303cおよびp第3拡散防止層203cが、それぞれ、同一材料且つ同一厚さで構成されている。
ここで、n第1拡散防止層303aおよびn第2拡散防止層303bは、上述したn金属反射層302を構成する金属(この例ではアルミニウム合金)の拡散を抑制するだけでなく、n第3拡散防止層303cを構成する金属(この例では白金)の拡散を抑制する機能も有している。また、n第3拡散防止層303cは、上述したnボンディング層304を構成する金属(この例では金)の拡散を抑制するだけでなく、n第2拡散防止層303bを構成する金属(この例ではチタン)の拡散を抑制する機能も有している。
[nボンディング層]
nボンディング層304は、図4に示したように、n拡散防止層303の上に積層され、且つ、その上には最終的に外部に露出させる一部の領域を除いてn保護密着層305が積層される。nボンディング層304は、外部と電気的に接続されることによりn電極300に給電を行うために設けられている。ここで、本実施の形態では、n拡散防止層303を介してn金属反射層302とnボンディング層304とを配置することにより、これらn金属反射層302とnボンディング層304が直接には接触しない構造となっている。また、nボンディング層304は、n電極300の構成要素の1つとなっていることから、自身の抵抗が低く且つn拡散防止層303との接触抵抗がそれぞれ低く抑えられるものを用いることが好ましい。なお、nボンディング層304は、n拡散防止層303と同様、発光層150からの光を透過させる機能を基本的に必要としないので、光透過性を有している必要はない。
そして、本実施の形態では、nボンディング層304およびpボンディング層204が、同一材料且つ同一厚さで構成されている。
[n保護密着層]
n保護密着層305は、図4に示したように、nボンディング層304のうち最終的に外部に露出させる一部の領域を除く部位に積層され、且つ、その上には保護層400が積層される。このn保護密着層305は、これら2つの層を構成する材料の物理的な密着性を高めるために設けられている。
そして、本実施の形態では、n保護密着層305およびp保護密着層205が、同一材料且つ同一厚さで構成されている。
また、本実施の形態では、n密着層301、n金属反射層302、n第1拡散防止層303aおよびn第2拡散防止層303bの周囲(側面も含む)を覆うようにn第3拡散防止層303cが積層され、このn第3拡散防止層303cの周囲(側面も含む)を覆うようにnボンディング層304が積層され、さらに、上記一部の領域を除いてこのnボンディング層304の周囲(側面も含む)を覆うようにn保護密着層305が積層されている。そして、上記一部の領域を除いてn型半導体層140および透明絶縁層180に対しn電極300の周囲を覆うように、保護層400が積層されている。
なお、本実施の形態では、p拡散防止層203およびn拡散防止層303を、それぞれ3層構成としていたが、これらの構成層数については、適宜設計変更して差し支えない。
続いて、透明絶縁層180に設けられた各貫通孔の形状、各貫通孔とp電極200との関係、そして各貫通孔とn電極300との関係について、より詳細に説明する。
図5(a)は、p電極200側の透明絶縁層180に設けられた1つの貫通孔の周辺における、透明導電層170と透明絶縁層180とp電極200(ここではp密着層201、p金属反射層202およびp拡散防止層203のみを示す)との境界構造の一例を示す断面図である。また、図5(b)は、n電極300側の透明絶縁層180に設けられた1つの貫通孔の周辺における、n型半導体層140と透明絶縁層180とn電極300(ここではn密着層301、n金属反射層303およびn拡散防止層303のみを示す)との境界構造の一例を示す断面図である。ここで、図5(a)は図3の要部を拡大したものとなっており、図5(b)は図4の要部を拡大したものとなっている。
まず、図5(a)を参照しつつ、p電極200側における境界構造について説明を行う。本実施の形態において、透明導電層170の上面すなわち透明絶縁層180等の積層面は、ほぼ平坦な断面形状を有している。そして、この透明導電層170の上面に、透明絶縁層180がほぼ平坦となるように積層された後、目的とする位置に、エッチング等によって貫通孔が形成される。
本実施の形態では、上述したように、透明絶縁層180を厚さ方向に貫通して形成される貫通孔が、上方から見たときに円形状であり、且つ、p電極200側から透明導電層170に近づくにつれてその直径が減少する、所謂テーパ状の断面を有している。このため、貫通孔における透明導電層170側の開口部(一方の開口部)の直径をp第1直径Dp1とし、貫通孔における透明導電層170とは反対側の開口部(他方の開口部)の直径をp第2直径Dp2としたとき、両者はDp1<Dp2の関係を有している。
ここで、透明絶縁層180における透明導電層170との接触面と、透明絶縁層180に設けられる貫通孔の内壁面のうち透明導電層170と接する領域との成す角度を、p第1傾斜角度θp1とする。また、透明絶縁層180における透明導電層170との接触面とは反対側の面と、透明絶縁層180に設けられる貫通孔の内壁面のうちこの反対側の面と接する領域との成す角度を、p第2傾斜角度θp2とする。本実施の形態では、両者がθp1<θp2の関係を有しており、しかも、p第1傾斜角度θp1が鋭角であるのに対し、p第2傾斜角度θp2は鈍角である。
また、本実施の形態では、透明絶縁層180の膜厚Hに比べてp密着層201の膜厚が著しく薄いことから、p密着層201が、透明絶縁層180の上面、透明絶縁層180に設けられた貫通孔の内壁面、そして貫通孔の底部に位置する透明導電層170の上面にそれぞれ沿って積層されている。したがって、p密着層201は、透明絶縁層180に設けられた各貫通孔の一方の開口部側および他方の開口部側のそれぞれにおいて屈曲した状態となっており、p密着層201における各屈曲部の成す角度は、それぞれ鈍角となっている。
さらに、本実施の形態では、p密着層201の上に積層されるp金属反射層202も、p密着層201にならって屈曲した状態となっており、p金属反射層202における各屈曲部の成す角度も、それぞれ鈍角となっている。さらにまた、p金属反射層202の上に積層されるp拡散防止層203やpボンディング層204等も、透明絶縁層180に設けられた貫通孔の影響を受けるため、それぞれの層において凹凸が生じる。
次に、図5(b)を参照しつつ、n電極300側における境界構造について説明を行う。本実施の形態において、n型半導体層140の上面140cすなわち透明絶縁層180等の積層面は、ほぼ平坦な断面形状を有している。そして、このn型半導体層140の上面140cに、透明絶縁層180がほぼ平坦となるように積層された後、目的とする位置に、エッチング等によって貫通孔が形成される。
本実施の形態では、上述したように、透明絶縁層180を厚さ方向に貫通して形成される貫通孔が、上方から見たときに円形状であり、且つ、n電極300側からn型半導体層140に近づくにつれてその直径が減少する、所謂テーパ状の断面を有している。このため、貫通孔におけるn型半導体層140側の開口部(一方の開口部)の直径をn第1直径Dn1とし、貫通孔におけるn型半導体層140とは反対側の開口部(他方の開口部)の直径をn第2直径Dn2としたとき、両者はDn1<Dn2の関係を有している。
ここで、透明絶縁層180におけるn型半導体層140との接触面と、透明絶縁層180に設けられる貫通孔の内壁面のうちn型半導体層140と接する領域との成す角度を、n第1傾斜角度θn1とする。また、透明絶縁層180におけるn型半導体層140との接触面とは反対側の面と、透明絶縁層180に設けられる貫通孔の内壁面のうちこの反対側の面と接する領域との成す角度を、n第2傾斜角度θn2とする。本実施の形態では、θn1<θn2の関係を有しており、しかも、n第1傾斜角度θn1が鋭角となるのに対し、n第2傾斜角度θn2は鈍角である。
なお、本実施の形態では、透明絶縁層180に設けられる複数の貫通孔が共通の形状および大きさを有していることから、Dp1=Dn1、Dp2=Dn2、θp1=θn1、そしてθp2=θn2に設定されている。
また、本実施の形態では、透明絶縁層180の膜厚Hに比べてn密着層301の膜厚が著しく薄いことから、n密着層301が、透明絶縁層180の上面、透明絶縁層180に設けられた貫通孔の内壁面、そして貫通孔の底部に位置するn型半導体層140の上面140cにそれぞれ沿って積層されている。したがって、n密着層301は、透明絶縁層180に設けられた各貫通孔の一方の開口部側および他方の開口部側のそれぞれにおいて屈曲した状態となっており、n密着層301における各屈曲部の成す角度は、それぞれ鈍角となっている。本実施の形態のように、薄膜を含む電極構造は、屈曲部位において薄膜が断裂しやすい(クラックが発生しやすい)ので、このようなテーパ構造を採用する効果が大きい。
また、本実施の形態では、n密着層301の上に積層されるn金属反射層302も、n密着層301にならって屈曲した状態となっており、n金属反射層302における各屈曲部の成す角度も、それぞれ鈍角となっている。さらにまた、n金属反射層302の上に積層されるn拡散防止層303やnボンディング層304等も、透明絶縁層180に設けられた貫通孔の影響を受けるため、それぞれの層において凹凸が生じる。
次に、上述した半導体発光素子1の製造方法の一例について、簡単に説明する。
図1および図2等に示す半導体発光素子1の製造にあたっては、まず、基板110の一方の面に、中間層120、下地層130、n型半導体層140、発光層150、p型半導体層160および透明導電層170を、公知の成膜方法にて順次積層する。続いて、積層された透明導電層170、p型半導体層160、発光層150およびn型半導体層140に対し、一部領域(この例では上方からみたときの四隅のうちの1つの領域)を除去することで、n型半導体層140の上面140cを、公知のリソグラフィー方法および公知のエッチング方法により露出させる。それから、透明導電層170の上やn型半導体層140の上面140cの上などを覆うように、公知の成膜方法により透明絶縁層180を積層した後、公知のリソグラフィー方法および公知のエッチング方法により、透明絶縁層180に複数の貫通孔を形成する。このとき、透明絶縁層180に形成される複数の貫通孔は、上述した図5に示す断面形状を有することになる。なお、このようなテーパ形状を有する貫通孔の形成に際しては、形状制御がしやすいドライエッチング法を採用することが望ましい。
そして、透明導電層170上の透明絶縁層180の上にp電極200を形成するとともに、n型半導体層140上の透明絶縁層180の上にn電極300を形成する。ここで、p電極200の形成においては、まず、透明絶縁層180に形成された複数の貫通孔を介して外部に露出する透明導電層170および透明絶縁層180の上に、公知の成膜手法にてp密着層201を積層した後、さらに、p金属反射層202、p拡散防止層203(p第1拡散防止層203a、p第2拡散防止層203bおよびp第3拡散防止層203c)、pボンディング層204およびp保護密着層205を、公知の成膜手法にて積層する。一方、n電極300の形成においては、まず、透明絶縁層180に形成された複数の貫通孔を介して外部に露出するn型半導体層140および透明絶縁層180の上に、公知の成膜手法にてn密着層301を積層した後、さらに、n金属反射層302、n拡散防止層303(n第1拡散防止層303a、n第2拡散防止層303bおよびn第3拡散防止層303c)、nボンディング層304およびn保護密着層305を、公知の成膜手法にて積層する。なお、本実施の形態では、p電極200におけるp拡散防止層203、pボンディング層204およびp保護密着層205と、n電極300におけるn拡散防止層303、nボンディング層304およびn保護密着層305とが、それぞれ同じ構成を有している。このため、p電極200を構成するp密着層201およびp金属反射層202の積層と、n電極300を構成するn密着層301およびn金属反射層302の積層とを別工程で行った後、p拡散防止層203およびn拡散防止層303の積層と、pボンディング層204およびnボンディング層304の積層と、p保護密着層205およびn保護密着層305の積層とを、それぞれ同一工程で行うことができる。
その後、p電極200およびn電極300を含む半導体発光素子1の上面を覆うように、公知の成膜方法を用いて保護層400を積層する。それから、p電極200上に位置する保護層400のほぼ中央部およびその直下に位置するp保護密着層205と、n電極300上に位置する保護層400のほぼ中央部およびその直下に位置するn保護密着層305とを、公知のリソグラフィー技術および公知のエッチング手法を用いて除去することで、p電極200におけるpボンディング層204の一部領域を外部に露出させ、n電極300におけるnボンディング層304の一部領域を外部に露出させる。
そして、例えばフリップチップ接続で使用する場合は、p電極200に設けられた露出部位およびn電極300に設けられた露出部位に、それぞれ、はんだバンプを形成する。その後、例えばサファイアからなる基板110を有している場合は、基板110の裏面を削ってその厚さを200μm以下に加工した後、レーザスクライブ法等の公知の手法で、個々の素子に分離する。なお、必要に応じて、基板110を取り除いてもかまわない。
以上により、半導体発光素子1が得られる。
図6は、上述した半導体発光素子1を搭載した発光装置30の構成の一例を示す図である。ここで、図6(a)は発光装置30の上面図を示しており、図6(b)は図6(a)のVIB−VIB断面図である。なお、図6に示す発光装置30は、「発光チップ」あるいは「ランプ」と呼ばれることもある。
この発光装置30は、一方の側に凹部31aが形成された筐体31と、筐体31に形成されたリードフレームからなるpリード部32およびnリード部33と、凹部31aの底面に取り付けられた半導体発光素子1と、凹部31aを覆うように設けられた封止部34とを備えている。なお、図6(a)においては、封止部34の記載を省略している。
筐体31は、pリード部32およびnリード部33を含む金属リード部に、白色の熱可塑性樹脂を射出成型することによって形成されている。
pリード部32およびnリード部33は、0.1〜0.5mm程度の厚みをもつ金属板であり、加工性、熱伝導性に優れた金属として例えば鉄/銅合金をベースとし、その上にめっき層としてニッケル、チタン、金、銀などを数μm積層して構成されている。そして、本実施の形態では、pリード部32およびnリード部33の一部が、凹部31aの底面に露出するようになっている。また、pリード部32およびnリード部33の一端部側は筐体31の外側に露出し、且つ、筐体31の外壁面から裏面側に折り曲げられている。
また、半導体発光素子1は、凹部31aに、pリード部32とnリード部33とに跨って取り付けられている。なお、pリード部32およびnリード部33に対する半導体発光素子1の取り付け手法の詳細については後述する。
そして、封止部34は、可視領域の波長において光透過率が高い透明樹脂にて構成される。封止部34を構成する耐熱性、耐候性、及び機械的強度が高い特性を満たす樹脂としては、例えばエポキシ樹脂やシリコン樹脂を用いることができる。そして、本実施の形態では、封止部34を構成する透明樹脂に、半導体発光素子1から出射される光の一部を、緑色光および赤色光に変換する蛍光体を含有させている。なお、このような蛍光体に代えて、青色光の一部を黄色光に変換する蛍光体、あるいは、青色光の一部を黄色光および赤色光に変換する蛍光体を含有させるようにしてもよい。
なお、本実施の形態の発光装置30を組み込んだバックライト、携帯電話、ディスプレイ、各種パネル類、コンピュータ、ゲーム機、照明などの電子機器や、それらの電子機器を組み込んだ自動車などの機械装置は、優れた発光特性を有する半導体発光素子1を備えたものとなる。特に、バックライト、携帯電話、ディスプレイ、ゲーム機、照明などのバッテリ駆動させる電子機器において、優れた発光特性を有する半導体発光素子1を具備した優れた製品を提供することができ、好ましい。また、半導体発光素子1を備えた発光装置30の構成は、図6に示すものに限られるわけではなく、例えば砲弾型と呼ばれるパッケージ構成を採用したものであってもよい。
図7は、図6に示す発光装置30における半導体発光素子1の実装状態の一例を示す図である。ただし、図7においては、発光装置30に設けられる筐体31および封止部34の記載を省略している。
本実施の形態では、図2に示す半導体発光素子1の上下を反転させることで,半導体発光素子1に設けられたp電極200における露出部をpリード部32に対向させ、且つ、半導体発光素子1に設けられたn電極300における露出部をnリード部33に対向させている。そして、pリード部32とp電極200における露出部とをはんだ35にて接続し、且つ、nリード部33とn電極300における露出部とをはんだ35にて接続している。これにより、半導体発光素子1は、pリード部32およびnリード部33と電気的に接続され、且つ、pリード部32およびnリード部33を介して筐体31(図6参照)に対し機械的に固定されている。このような半導体発光素子1の接続手法は、一般にフリップチップ接続と呼ばれる。フリップチップ接続においては、半導体発光素子1の基板110側が、発光層150よりもリード部から遠い側に配置されることになる。
では、図6に示す発光装置30による発光動作を、図1〜図7を参照しつつ説明する。
発光装置30に設けられたpリード部32およびnリード部33を介して、半導体発光素子1にpリード部32からnリード部33に向かう電流を流すと、半導体発光素子1では、p電極200から透明導電層170、p型半導体層160、発光層150、n型半導体層140を介してn電極300に向かう電流が流れる。その結果、発光層150が例えば青色の光を出力する。このとき、発光層150から出力される光は、主として、基板110側と、p電極200側とに向かう。
ここで、本実施の形態では、半導体発光素子1に透明絶縁層180が設けられているが、透明絶縁層180に設けられた複数の貫通孔を介して、p電極200(より具体的には複数のp接続導体211)と透明導電層170とが導通し、且つ、n電極300(より具体的には複数のn接続導体311)とn型半導体層140とが導通することで、発光層150に対する給電が行われる。
続いて、半導体発光素子1における、発光層150から出力された光の挙動について説明する。
発光層150から出射される光のうち基板110側に向かう光の大部分は、n型半導体層140、下地層130、中間層120および基板110を通過し、半導体発光素子1の外部(図7における上方)に出射される。しかしながら、基板110側に向かう光の一部は、例えば中間層120と基板110との境界部において中間層120および基板110の屈折率差によって反射し、発光層150側に戻ってくる。
また、発光層150から出射される光のうち基板110とは反対側に向かう光および基板110側から戻ってきた光の一部は、p型半導体層160および透明導電層170を介して、p電極200が設けられている側の透明絶縁層180との境界部(透明絶縁層180のうち貫通孔が形成されていない部位)に到達する。そして、この境界部に到達した光の一部は、透明導電層170および透明絶縁層180の屈折率差によって反射し、透明導電層170を介してp型半導体層160側へと向かう。また、透明導電層170と透明絶縁層180との境界部を通過した光は、透明絶縁層180を介してp電極200との境界部に到達する。そして、この境界部に到達した光は、p電極200に設けられたp金属反射層202によって反射し、透明絶縁層180および透明導電層170を介してp型半導体層160側へと向かう。
一方、発光層150から出射される光のうち基板110とは反対側に向かう光および基板110側から戻ってきた光の一部は、p型半導体層160および透明導電層170を介して、p電極200との境界部(透明絶縁層180に貫通孔が形成されている部位)に到達する。そして、この境界部に到達した光は、p電極200に設けられたp金属反射層202によって反射し、透明導電層170を介してp型半導体層160側へと向かう。
このようにしてp電極200側で反射した光は、発光層150、n型半導体層140、下地層130、中間層120および基板110をさらに通過し、半導体発光素子1の外部(図7における上方)に出射される。
これに対し、基板110側から戻ってきた光の一部は、n型半導体層140を介して、n電極300が設けられている側の透明絶縁層180との境界部(透明絶縁層180のうち貫通孔が形成されていない部位)に到達する。そして、この境界部に到達した光の一部は、n型半導体層140および透明絶縁層180の屈折率差によって反射し、n型半導体層140を介して下地層130側へと向かう。また、n型半導体層140と透明絶縁層180との境界部を通過した光は、透明絶縁層180を介してn電極300との境界部に到達する。そして、この境界部に到達した光は、n電極300に設けられたn金属反射層302によって反射し、透明絶縁層180およびn型半導体層140を介して下地層130側へと向かう。
一方、基板110側から戻ってきた光の一部は、n型半導体層140を介して、n電極300との境界部(透明絶縁層180に貫通孔が形成されている部位)に到達する。そして、この境界部に到達した光は、n電極300に設けられたn金属反射層302によって反射し、n型半導体層140を介して下地層130側へと向かう。
このようにしてn電極300側で反射した光は、中間層120および基板110をさらに通過し、半導体発光素子1の外部(図7における上方)に出射される。
その後、半導体発光素子1から出力された光(青色光)は、封止部34内すなわち凹部31a内を進行し、直接あるいは凹部31aの内壁(底面や壁面)で反射した後に、封止部34の上部側に設けられた出射面から外部に出射される。但し、出射面に向かう光の一部は、出射面で反射し、再び封止部34内を進行する。この間、封止部34内において、青色光の一部は蛍光体によって緑色光および赤色光に変換され、変換された緑色光および赤色光は、直接あるいは底面や壁面で反射した後、青色光と共に出射面から外部に出射される。したがって、発光装置30からは、青色光、緑色光および赤色光を含む白色光が出射されることになる。
本実施の形態では、半導体発光素子1に、透明絶縁層180と隣接する他の層(p電極200においては透明導電層170、n電極300においてはn型半導体層140)との屈折率差を利用した光の反射構造を設けるとともに、透明絶縁層180の上にさらに金属反射層(p電極200においてはp金属反射層202、n電極300においてはn金属反射層302)を設けるようにした。これにより、半導体発光素子1をフリップチップ実装した場合に、目的とする光の取り出し方向(発光層150から基板110側に向かう方向)と反対側に出力される光を、より多く基板110側に向けて反射させることが可能となり、結果として、半導体発光素子1からの光の取り出し効率を向上させることができる。
また、本実施の形態では、p電極200内にp金属反射層202を設けるとともに、n電極300内にn金属反射層302を設けるようにしたので、各電極と各金属反射層とを別々に設ける場合と比較して、半導体発光素子1の構成を簡易にすることができ、且つ、半導体発光素子1が大型化するのを抑制することができる。
ここで、本実施の形態では、p金属反射層202をp電極200の構成要素とするために、透明導電層170とp電極200との間に配置される透明絶縁層180に貫通孔を複数設け、これら複数の貫通孔を介して透明導電層170とp電極200(より具体的にはp電極200に設けられた複数のp接続導体211からなるp導体部210)とを、電気的に接続した。このとき、p電極200を構成する各層は、透明絶縁層180に設けられた各貫通孔における一方の開口部(透明導電層170側)および他方の開口部(透明導電層170とは反対側)に起因して、それぞれ屈曲する部位が生じる。このような屈曲部位では、p電極200を構成する各層のそれぞれにストレスがかかりやすくなり、この屈曲部位において各層に割れ(クラック)が生じる懸念がある。
また、本実施の形態では、p金属反射層202とpボンディング層204との間にp拡散防止層203を設けることで、p金属反射層202を構成する材料のマイグレーションおよびpボンディング層204を構成する材料のマイグレーションを抑制している。ただし、p電極200において上述したクラックが発生すると、このクラックを介したマイグレーションが生じやすくなってしまう。
これに対し、本実施の形態では、透明絶縁層180に形成される貫通孔の形状に工夫を施すことにより、貫通孔の周辺に積層される、p電極200を構成する各層の屈曲の度合いを低減することができる。これにより、複数の貫通孔が形成された透明絶縁層180の上にp電極200を形成する場合に、p電極200を構成する各層にクラックが生じるのを抑制することができ、その結果、半導体発光素子1を構成するp電極200におけるマイグレーションの発生を抑制することができる。
また、本実施の形態では、n金属反射層302をn電極300の構成要素とするために、n型半導体層140とn電極300との間に配置される透明絶縁層180に貫通孔を複数設け、これら複数の貫通孔を介してn型半導体層140とn電極300(より具体的にはn電極300に設けられた複数のn接続導体311からなるn導体部310)とを、電気的に接続した。このとき、n電極300を構成する各層は、透明絶縁層180に設けられた各貫通孔における一方の開口部(n型半導体層140側)および他方の開口部(n型半導体層140とは反対側)に起因して、それぞれ屈曲する部位が生じる。このような屈曲部位では、n電極300を構成する各層のそれぞれにストレスがかかりやすくなり、この屈曲部位において各層に割れ(クラック)が生じる懸念がある。
また、本実施の形態では、n金属反射層302とnボンディング層304との間にn拡散防止層303を設けることで、n金属反射層302を構成する材料のマイグレーションおよびnボンディング層304を構成する材料のマイグレーションを抑制している。ただし、n電極300において上述したクラックが発生すると、このクラックを介したマイグレーションが生じやすくなってしまう。
これに対し、本実施の形態では、透明絶縁層180に形成される貫通孔の形状に工夫を施すことにより、貫通孔の周辺に積層される、n電極300を構成する各層の屈曲の度合いを低減することができる。これにより、複数の貫通孔が形成された透明絶縁層180の上にn電極300を形成する場合に、n電極300を構成する各層にクラックが生じるのを抑制することができ、その結果、半導体発光素子1を構成するn電極300におけるマイグレーションの発生を抑制することができる。
特に、本実施の形態のように、フリップチップ接続で使用される半導体発光素子1では、半導体発光素子1の製造段階で、p電極200およびn電極300に対し、予め、それぞれはんだバンプを形成することがある。ここで、はんだバンプは、通常のはんだ等に比べて融点が高い材料(AuSn等)を用いる場合が多いため、半導体発光素子1をフリップチップ実装する際、p電極200およびn電極300に、熱膨張・熱収縮による応力や熱衝撃などがかかりやすくなる。ここで、本実施の形態では、p電極200における複数のp接続導体211とpパッド部220との境界に、上述した構造を採用したため、実装においてp電極200に熱ストレスがかかった場合であっても、熱に起因するクラックは生じにくくなる。また、本実施の形態では、n電極300における複数のn接続導体311とnパッド部320との境界部に、上述した構造を採用したため、実装においてn電極300に熱ストレスがかかった場合であっても、熱に起因するクラックは生じにくくなる。
以下に、本発明の実施例について説明を行うが,本発明は実施例に限定されない。
本発明者は、透明絶縁層180に設けられる貫通孔の形状を異ならせた半導体発光素子1の製造を行った。この例においては、III−V族半導体としてIII族窒化物半導体の一種であるGaInNを用い、その発光波長λを450nm(青色光)とした。そして、得られた各半導体発光素子1において、透明絶縁層180に対するp電極200の境界構造、および、透明絶縁層180に対するn電極300の境界構造について、それぞれ評価を行った。なお、ここでは、透明導電層170としてIZOを用い、透明絶縁層180としてSiO(二酸化珪素)を用いた。また、透明導電層170の厚さを約250nmとし、透明絶縁層180の膜厚Hを380nm(H≒5Q)とした。
ここで、以下に示す表1は、実施例1〜4および比較例のそれぞれにおける、透明絶縁層180のp第1傾斜角度θp1、p第2傾斜角度θp2、n第1傾斜角度θn1、n第2傾斜角度θn2を示している。また、以下に示す表2は、実施例1〜4および比較例で用いたp電極200の層構成を示しており、以下に示す表3は、実施例1〜4および比較例で用いたn電極300の層構成を示している。なお、ここでは、実施例1〜4および比較例において、p電極200およびn電極300の層構成を共通にした。なお、表3に示す「APC」は、Ag(銀)、Pd(パラジウム)およびCu(銅)を含む合金である。
Figure 2012164930
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実施例1〜4の各半導体発光素子1では、透明絶縁層180とp電極200との境界部においてクラックは発生せず、また、透明絶縁層180とn電極300との境界部においてクラックは発生しなかった。これに対し、比較例の半導体発光素子1では、透明絶縁層180とp電極200との境界部においてクラックが発生し、また、透明絶縁層180とn電極300との境界部においてクラックが発生した。
図8は、実施例1に係る半導体発光素子1における、透明絶縁層180に対するp電極200の境界構造を示すSEM(Scanning Electron Microscope)写真である。一方、図9は、比較例に係る半導体発光素子1における、透明絶縁層180に対するp電極200の境界構造を示すSEM写真である。
ここで、図8を参照すると、透明絶縁層180に設けられる貫通孔の断面をテーパ状とすることにより、貫通孔の周囲に積層される、p電極200を構成する各層がなめらかに連続していることがわかる。
これに対し、図9を参照すると、透明絶縁層180に設けられる貫通孔の断面をテーパ状にせず、透明導電層170に対し垂直に立ち上がるように構成した場合(この例では貫通孔を円筒状とした場合)には、貫通孔の周囲に積層される、p電極200を構成する各層に、それぞれの屈曲部位に対応したクラックが生じていることがわかる。
なお、本実施の形態では、p電極200およびn電極300の双方に、貫通孔を形成した透明絶縁層180を設けていた。ただし、これに限られるものではなく、少なくともp電極200側に透明絶縁層180が設けられていればよい。
また、本実施の形態では、p電極200側に設けられる貫通孔およびn電極300側に設けられる貫通孔において、p第1直径Dp1とn第1直径Dn1とを同じ大きさとし、且つ、p第2直径Dp2とn第2直径Dn2とを同じ大きさとしていた。ただし、これに限られるものではなく、Dp1<Dp2およびDn1<Dn2の関係を満たすものであれば、p電極200側とn電極300側とで、それぞれの貫通孔の大きさを変えてもよい。
さらに、本実施の形態では、p電極200側に設けられる貫通孔およびn電極300側に設けられる貫通孔において、p第1傾斜角度θp1とn第1傾斜角度θn1とを同じ大きさとし、且つ、p第2傾斜角度θp2とn第2傾斜角度θn2とを同じ大きさとしていた。ただし、これに限られるものではなく、θp1<θp2およびθn1<θn2の関係を満たすものであれば、p電極200側とn電極300側とで、それぞれの貫通孔の断面形状を変えてもよい。
さらにまた、本実施の形態では、p電極200側に設けられる貫通孔およびn電極300側に設けられる貫通孔において、円形状の構造を採用していた。ただし、これに限られるものではなく、例えば多角形状や楕円形状などを採用してもよい。ここで、多角形状を採用する場合にあっては、それぞれの角部に曲率を持たせることが望ましい。さらに、p電極200側とn電極300側とで、貫通孔の形状を異ならせてもよい。
また、透明絶縁層180を介して透明導電層170に至るまで貫通孔を形成する場合にあっては、その掘り込み深さは、透明導電層170の厚さの10〜50%とすることが望ましく、15〜30%とすることがさらに望ましい。ここで、貫通孔を透明導電層170まで掘り込まないで形成しようとした場合、貫通孔の形成部位において、貫通孔の底部に透明絶縁層180が残留してしまうおそれがある。そして、貫通孔の底部に透明絶縁層180が残留してしまった場合には、半導体発光素子1における順方向電圧Vfが増大することになってしまう。一方、貫通孔を透明絶縁層180および透明導電層170の両者を貫通して形成した場合(貫通孔を介してp型半導体層160を露出させた場合)には、p密着層201がp型半導体層160と直接接触することになる。この場合に、直接に接触するp密着層201およびp型半導体層160がオーミック接触にならないことから、電流は、p密着層201からp型半導体層160に直接には供給されず、p密着層201と接触する透明導電層170(透明導電層170に設けられた貫通孔の内壁面)から、透明導電層170を介してp型半導体層160に間接的に供給されることになる。したがって、透明絶縁層180に設けられた貫通孔が透明導電層170まで貫通している場合には、p電極200と透明導電層170との接触面積が非常に小さくなることになり、半導体発光素子1における順方向電圧Vfが大幅に上昇する。
また、本実施の形態では、p電極200側に設けられる貫通孔およびn電極300側に設けられる貫通孔の双方において、貫通孔の内壁面の断面形状を直線状としていた。ただし、これに限られるものではなく、p第1傾斜角度θp1あるいはn第1傾斜角度θn1が鋭角となるものであれば、貫通孔の内壁面の断面形状が例えば曲線状であってもよいし、例えば段差等を有するものであってもかまわない。
さらに、本実施の形態では、p電極200側に設けられる貫通孔およびn電極300側に設けられる貫通孔の双方において、p第2傾斜角度θp2およびn第2傾斜角度θn2を鈍角としていた。ただし、これに限られるものではなく、こちらについては例えば直角であってもよい。
さらにまた、本実施の形態では、III族窒化物半導体を含む半導体発光素子1を例として説明を行ったが、これに限られるものではなく、III−V属半導体を含むものであればよい。
1…半導体発光素子、110…基板、120…中間層、130…下地層、140…n型半導体層、150…発光層、160…p型半導体層、170…透明導電層、180…透明絶縁層、200…p電極、201…p密着層、202…p金属反射層、203…p拡散防止層、204…pボンディング層、205…p保護密着層、210…p導体部、211…p接続導体、220…pパッド部、300…n電極、301…n密着層、302…n金属反射層、303…n拡散防止層、304…nボンディング層、305…n保護密着層、310…n導体部、311…n接続導体、320…nパッド部、400…保護層

Claims (16)

  1. 第1導電型を有するIII−V族半導体で構成される第1半導体層と、
    前記第1半導体層上に当該第1半導体層に接して設けられ、III−V族半導体で構成されるとともに通電により発光する発光層と、
    前記発光層上に当該発光層に接して設けられ、前記第1導電型とは逆の第2導電型を有するIII−V族半導体で構成される第2半導体層と、
    前記発光層から出力される光に対する透過性および導電性を有する材料で構成され、前記第2半導体層に積層される透明導電層と、
    前記発光層から出力される光に対する透過性および絶縁性を有する材料で構成され、厚さ方向に貫通する貫通孔を有するとともに前記透明導電層に積層される透明絶縁層と、
    前記第1半導体層に接続され、前記発光層に通電する一方の端子となる第1電極と、
    前記透明絶縁層に積層されるとともに当該透明絶縁層に設けられる前記貫通孔を介して前記透明導電層に接続され、前記発光層に通電する他方の端子となる第2電極とを備え、
    前記透明絶縁層における前記透明導電層との接触面と、当該透明絶縁層に設けられる前記貫通孔の内壁面との成す角度が、鋭角であることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記透明絶縁層における前記透明導電層との接触面とは反対側の面と、当該透明絶縁層に設けられる前記貫通孔の内壁面との成す角度が、鈍角であることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 前記透明絶縁層に形成される前記貫通孔は、前記透明導電層に近い側から遠ざかる側に向かうに連れて、幅が拡大する形状を有していることを特徴とする請求項1または2記載の半導体発光素子。
  4. 前記透明絶縁層に形成される前記貫通孔は、略円形状にて形成されるとともに、当該透明導電層に近い側から遠ざかるにつれて直径が拡大する形状を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の半導体発光素子。
  5. 前記透明絶縁層における前記透明導電層との接触面と、当該透明絶縁層に設けられる前記貫通孔の内壁面との成す角度が、15°〜60°であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の半導体発光素子。
  6. 前記透明絶縁層に、前記貫通孔が複数形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の半導体発光素子。
  7. 前記第2電極は、
    導電性を有し、前記透明絶縁層および前記貫通孔を介して露出する前記透明導電層を覆うように設けられる被覆層と、
    前記発光層から出力される光に対する反射性および導電性を有する金属材料で構成され、前記被覆層上に当該被覆層に接して設けられる金属反射層と、
    前記金属反射層を覆うように設けられる他の被覆層と、
    前記他の被覆層上に当該他の被覆層に接して設けられ、外部との電気的な接続に用いられる接続層と
    を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の半導体発光素子。
  8. 前記透明導電層は、前記発光層が出力する光の波長において第1屈折率を示す材料で構成され、
    前記透明絶縁層は、前記発光層が出力する光の波長において前記第1屈折率よりも屈折率が低い第2屈折率を示す材料で構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の半導体発光素子。
  9. 前記III−V族半導体が、III族窒化物半導体からなることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の半導体発光素子。
  10. 前記第1電極および前記第2電極には、それぞれ、外部との電気的な接続に用いられるはんだバンプが取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載の半導体発光素子。
  11. 第1導電型を有するIII−V族半導体で構成される第1半導体層と、
    前記第1半導体層上に当該第1半導体層に接して設けられ、III−V族半導体で構成されるとともに通電により発光する発光層と、
    前記発光層上に当該発光層に接して設けられ、前記第1導電型とは逆の第2導電型を有するIII−V族半導体で構成される第2半導体層と、
    前記発光層から出力される光に対する透過性および導電性を有する材料で構成され、前記第2半導体層に積層される透明導電層と、
    前記発光層から出力される光に対する透過性および絶縁性を有する材料で構成されるとともに前記透明導電層に積層され、厚さ方向に貫通し且つ前記透明導電層に近づくにつれて直径が減少する貫通孔を複数個有する透明絶縁層と、
    前記第1半導体層に接続され、前記発光層に通電する一方の端子となる第1電極と、
    複数の前記貫通孔を介して前記透明導電層に一端が電気的に接続されるとともに、複数の当該貫通孔におけるそれぞれの内壁面に沿って設けられる複数の接続導体を有する導体部と、前記透明絶縁層上に当該透明絶縁層に接して設けられるとともに、当該導体部を構成する複数の当該接続導体におけるそれぞれの他端が電気的に接続される電極部とを有し、前記発光層に通電する他方の端子となる第2電極と
    を含む半導体発光素子。
  12. 前記第2電極は、
    導電性を有し、前記透明絶縁層および前記貫通孔を介して露出する前記透明導電層を覆うように設けられる被覆層と、
    前記発光層から出力される光に対する反射性および導電性を有する金属材料で構成され、前記被覆層上に当該被覆層に接して設けられる金属反射層と、
    前記金属反射層を覆うように設けられる他の被覆層と、
    前記他の被覆層上に当該他の被覆層に接して設けられ、外部との電気的な接続に用いられる接続層と
    を有することを特徴とする請求項11記載の半導体発光素子。
  13. 前記透明導電層はインジウム(In)を含む酸化物で構成され、
    前記金属反射層は、銀(Ag)を含む金属で構成され、
    前記接続層は、金(Au)を含む金属で構成されること
    を特徴とする請求項12記載の半導体発光素子。
  14. 前記透明導電層は、前記発光層が出力する光の波長において第1屈折率を示す材料で構成され、
    前記透明絶縁層は、前記発光層が出力する光の波長において前記第1屈折率よりも屈折率が低い第2屈折率を示す材料で構成されることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項記載の半導体発光素子。
  15. 前記III−V族半導体が、III族窒化物半導体からなることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項記載の半導体発光素子。
  16. 前記第1電極および前記第2電極には、それぞれ、外部との電気的な接続に用いられるはんだバンプが取り付けられていることを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項記載の半導体発光素子。
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