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JP2012048396A - 医用レポート作成支援装置、医用レポート作成支援方法、並びに医用レポート作成支援プログラム - Google Patents

医用レポート作成支援装置、医用レポート作成支援方法、並びに医用レポート作成支援プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】病変に関する所見文記述の円滑化、迅速化を図る。
【解決手段】レポート作成端末13のディスプレイ37bに表示される病変記述テンプレート60には、病変記述テンプレート60の新規追加・コピーの選択用のプルダウンメニュー62と病変追加ボタン63が設けられている。新規追加が選択されて病変追加ボタン63がクリックされると、コンソール制御部40は、ストレージデバイス32の描画データ70から何も入力されていない病変記述テンプレート60の描画データを読み出し、これを新規追加タブ75としてディスプレイ37bに表示させる。コピーが指示された場合は、メモリ31からコピー元の病変記述テンプレート60の選択状態が記憶された一時記憶データ71を読み出し、選択状態を再現した病変記述テンプレート60をコピー追加タブ76として表示させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、複数の語句から所望の語句を選択させ、これを元に文を作成する医用レポート作成支援装置、医用レポート作成支援方法、並びに医用レポート作成支援プログラムに関する。
最近の医療現場には、カルテや医用レポート等の医用文書を電子データとして扱い、医用文書の作成や管理を容易ならしめ、医用レポートを作成する読影医等の医師の負担を減らすための様々なコンピュータシステムが導入されつつある(特許文献1〜3参照)。
特許文献1は、医用レポートの所見文に使用される複数の語句を登録した辞書を用い、テンプレート入力形式で所見文を作成している。テンプレート式操作ツールのボタンを機械的に選択入力すれば所見文が作成されるため、読影医の負担軽減に役立つ。
特許文献2には、電子カルテの入力を簡素化するため、電子カルテの診療内容の入力を定型化したシート毎に複数のタブを設定し、タブの追加・コピーを行うことが記載されている。特許文献3には、電子カルテの患者の病歴、薬物アレルギーの項目を追加するための追加ボタンを設け、追加ボタンのクリックに応じて項目をポップアップ表示して選択させる態様が記載されている。
特開2009−271620号公報 特開2008−176596号公報 特開2002−203045号公報
医用レポートの所見文を作成する際に読影医にとって面倒な作業の一つは、多発性病変の記述である。多発性病変には様態が全く異なるものと一部異なるもの、あるいは様態は略同じであるが部位や大きさが異なるものがあり、病変毎に所見文を記述しなければならず、各病変の所見文を一から入力しようとすると多大な労力が掛かる。
特許文献1に記載の発明は、テンプレート式操作ツールで読影医の負担軽減を図っているが、多発性病変の所見文入力については一切言及していない。特許文献2、3に記載の発明も同様に、タブの追加・コピーや追加ボタンで操作性を改善しているが、多発性病変の所見文入力に関する記載はない。そのうえ、特許文献2、3は電子カルテに関する発明であり、医用レポートの所見文作成を支援するものではない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、その目的は、病変に関する所見文記述の円滑化、迅速化を図ることにある。
上記目的を達成するために、本発明の医用レポート作成支援装置は、病変に関する所見文を分解した複数の語句の一部を入力語句として選択入力させるための病変記述テンプレート、および病変記述テンプレートの追加を指示するための追加用GUIをディスプレイに表示させる表示制御手段と、各種病変記述テンプレートの描画データを記憶する第一記憶手段と、追加用GUIを選択させるための操作入力手段とを備え、前記表示制御手段は、前記操作入力手段により追加用GUIが選択されたときに、選択指示に応じた病変記述テンプレートの描画データを前記第一記憶手段から読み出し、病変記述テンプレートを追加した画面を表示させることを特徴とする。
追加用GUIは、病変記述テンプレートの全体の新規追加を指示するものである。あるいは、入力状態をコピーして病変記述テンプレートの全体を追加する指示をするものであってもよい。後者の場合、病変記述テンプレートの入力状態のデータを記憶する第二記憶手段を備え、前記表示制御手段は、前記第二記憶手段から入力状態のデータを読み出し、入力状態を再現した病変記述テンプレートを追加した画面を表示させる。
前記表示制御手段は、追加した病変記述テンプレートをタブ形式で表示させる。
病変記述テンプレートは複数の記述領域に分れており、追加用GUIは、複数の記述領域のうちの一部の記述領域の新規追加を指示するものである。この場合、記述領域は、病変の部位、大きさを記述するための第一記述領域と、病変の様態を記述するための第二記述領域とを含み、第一記述領域が新規追加可能である。
前記表示制御手段は、追加した病変記述テンプレートを削除するための削除用GUIをさらに表示させる。
本発明の医用レポート作成支援方法は、病変に関する所見文を分解した複数の語句の一部を入力語句として選択入力させるための病変記述テンプレート、および病変記述テンプレートの追加を指示するための追加用GUIを表示制御手段によりディスプレイに表示させる第一表示ステップと、操作入力手段により追加用GUIが選択されたときに、各種病変記述テンプレートの描画データを記憶する記憶手段から、選択指示に応じた病変記述テンプレートの描画データを読み出し、病変記述テンプレートを追加した画面を表示制御手段により表示させる第二表示ステップとを備えることを特徴とする。
本発明の医用レポート作成支援プログラムは、病変に関する所見文を分解した複数の語句の一部を入力語句として選択入力させるための病変記述テンプレート、および病変記述テンプレートの追加を指示するための追加用GUIをディスプレイに表示させる第一表示制御機能と、操作入力手段により追加用GUIが選択されたときに、各種病変記述テンプレートの描画データを記憶する記憶手段から、選択指示に応じた病変記述テンプレートの描画データを読み出させ、病変記述テンプレートを追加した画面を表示させる第二表示制御機能とを、コンピュータに実現させることを特徴とする。
本発明によれば、病変記述テンプレートの追加を指示するための追加用GUIを設け、追加用GUIの選択指示に応じて病変記述テンプレートを追加するので、病変記述の円滑化、迅速化を図ることができる。
医療情報システムの構成図である。 各端末およびサーバを構成するコンピュータの概略を示す構成図である。 レポート作成端末の概略構成、およびレポート編集画面を示す図である。 病変記述テンプレートを示す図である。 病変記述テンプレートの新規追加・コピー処理の概略を示す説明図である。 病変記述テンプレートを新規追加した場合の表示形態を示す図である。 病変記述テンプレートをコピーした場合の表示形態を示す図である。 レポート作成処理の流れを示すフローチャートである。 病変記述テンプレートの新規追加・コピー処理の流れを示すフローチャートである。 病変記述テンプレートの一部を新規追加する例を示す図である。
図1において、医療情報システム2は、病院等の医療施設に構築され、診療科10に設置される診療科端末11、放射線検査科(以下、単に検査科という)12に設置されるレポート作成端末13、データベース(以下、DBと略す)サーバ14、およびこれらを通信可能に接続するネットワーク15を備える。ネットワーク15は、例えば、院内に敷設されたLAN(Local Area Network)である。
診療科端末11は、検査や読影を依頼する診療科10の医師(以下、依頼医という)によって操作される。診療科端末11は、カルテ16の閲覧や入力の他、検査科12に対して検査を依頼するためのオーダを発行する際に利用される。診療科端末11は、検査科12から提供される検査画像17やレポート18を表示して、依頼医の閲覧に供する。
レポート作成端末13は、読影を専門とする検査科12の医師(以下、読影医という)によって操作される。レポート作成端末13は、読影医がオーダを確認したり、レポート18を作成したりするときに利用される。レポート作成端末13は、画像表示画面やレポート編集画面44(図3参照)を表示して、レポート18の作成を支援する。
DBサーバ14には、カルテDB19、画像DB20、レポートDB21等の複数のDBが構築されている。カルテDB19は、患者毎のカルテ16のデータ等を格納する。画像DB20は、CR装置、CT装置、MRI装置といった検査科12のモダリティ22によって撮影された検査画像17のデータを格納する。レポートDB21は、レポート作成端末13によって作成されたレポート18のデータを格納する。
DBサーバ14は、ネットワーク15を通じて、モダリティ22から検査画像17のデータを受信して、受信した検査画像17のデータを画像DB20に格納する。つまり、DBサーバ14は、いわゆるPACS(Picture Archiving and Communication Systems)サーバとして機能し、モダリティ22とともにPACSを構成する。
検査画像17のデータは、個々の検査画像17を識別するための画像IDを有する。検査画像17のデータは、例えば、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)に準拠したファイル形式で、画像DB20に格納される。検査画像17のファイルには、患者ID、検査ID、検査日、検査種等の項目を含む付帯情報を記録したDICOMタグが付与される。画像DB20に格納された検査画像17のデータは、DICOMタグの各種項目を検索キーとして、検索が可能である。
DBサーバ14は、診療科端末11およびカルテDB19とともにカルテシステムを構成する。また、DBサーバ14は、レポート作成端末13、画像DB20、並びにレポートDB21とともにレポート作成支援システムを構成する。レポート18のデータは、検査画像17のデータと同様、検査ID、患者ID、患者名等の検索キーによって検索が可能である。なお、本例では、各DB19〜21を一つのDBサーバ14に構築した例で説明しているが、各DB19〜21を別々のDBサーバに構築してもよい。
診療科端末11が発行するオーダは、患者ID、患者名、依頼日、依頼元、検査種(CTやMRI等)、検査目的、読影の要否等の情報を記録する各種項目を有する。依頼元の項目には、内科、脳外科等の依頼医の所属、氏名、医師IDといった情報が記録される。検査目的の項目には、治療中の病巣に対する治療効果を判定する治療効果判定、転移巣の有無を調べる転移検索等の情報が記録される。
診療科端末11が発行したオーダは、検査科12に設置されたオーダ受付端末(図示せず)に送信されて、検査科12に受け付けられる。オーダ受付端末は、受信したオーダに検査IDを付与して、オーダのデータを管理する。検査IDは、受付完了通知とともにオーダ受付端末から診療科端末11に送信される。検査科12のスタッフ(検査技師)は、オーダ受付端末で受信したオーダに基づいて、モダリティ22による撮影を行う。
読影が必要な場合(オーダの読影の要否の項目が要の場合)には、検査IDが付与されたオーダが、オーダ受付端末からレポート作成端末13に送信される。読影医は、レポート作成端末13を介してオーダを確認し、画像DB20から読影の対象となる検査画像17のデータを読み出す。そして、読み出した検査画像17の読影結果をレポート18にまとめる。
レポート18の作成が完了すると、読影医は、オーダ発行元の診療科端末11に対して、レポート作成端末13を通じて作成完了通知を送信する。作成完了通知には、検査画像17やレポート18が格納される各DB20、21内のアドレスが含まれている。依頼医は、診療科端末11を通じて作成完了通知に含まれるアドレスにアクセスして、検査画像17やレポート18を閲覧する。
各端末11、13およびDBサーバ14は、それぞれ、パーソナルコンピュータ、サーバ用コンピュータ、ワークステーションといったコンピュータをベースに、オペレーティングシステム等の制御プログラムや、クライアントプログラム又はサーバプログラムといったアプリケーションプログラムをインストールして構成される。
図2において、各端末11、13およびDBサーバ14を構成するコンピュータは、基本的な構成は略同じであり、それぞれ、CPU30、メモリ31、ストレージデバイス32、LANポート33、およびコンソール34を備えている。これらはデータバス35を介して相互接続されている。
ストレージデバイス32は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)である。ストレージデバイス32には、制御プログラムやアプリケーションプログラム(以下、APという)36が格納される。また、レポート作成端末13のストレージデバイス32には、用語選択ボタン51の選択状態に応じて所見文を作成するための所見文作成用定義(図示せず)や描画データ70(図5参照)が格納される。描画データ70は、ディスプレイ37に表示する各種操作画面のGUI(Graphical User Interface)の種類、配置、大きさ、色等を規定したものである。すなわちストレージデバイス32は第一記憶手段に相当する。
さらに、DBサーバ14には、プログラムを格納するHDDとは別に、DB用のストレージデバイス32として、例えば、HDDを複数台連装したディスクアレイが設けられる。ディスクアレイは、DBサーバ14の本体に内蔵されるものでもよいし、本体とは別に設けられ、本体にケーブルやネットワークを通じて接続されるものでもよい。
メモリ31は、CPU30が処理を実行するためのワークメモリである。CPU30は、ストレージデバイス32に格納された制御プログラムをメモリ31へロードして、プログラムに従った処理を実行することにより、コンピュータの各部を統括的に制御する。メモリ31には、用語選択ボタン51(図3参照)の選択状態を表す一時記憶データ71(図5参照)が一時記憶される。すなわちメモリ31は第二記憶手段に相当する。
LANポート33は、ネットワーク15との間の伝送制御を行うネットワークインタフェースである。コンソール34は、ディスプレイ37と、キーボードやマウス等の入力デバイス38とからなる。
診療科端末11には、AP36として、カルテ16の閲覧や編集を行うカルテ用ソフトウエア、検査画像17やレポート18の閲覧を行うビューアソフトウエアといったクライアントプログラムがインストールされる。クライアントプログラムが起動されると、診療科端末11のディスプレイ37には、GUIによる操作画面が表示される。操作画面には、カルテDB19、画像DB20、レポートDB21から、それぞれ読み出されたカルテ16、検査画像17、レポート18を表示する表示画面が含まれる。
診療科端末11には、入力デバイス38を通じて、カルテ16の入力・編集の指示や、オーダの入力・発行の指示といった操作指示が入力される。入力されたカルテ16やオーダのデータは、カルテDB19に格納される。
レポート作成端末13には、AP36として、レポート作成支援を行うレポート編集用のクライアントプログラムがインストールされている。レポート作成端末13は、レポート編集用のクライアントプログラムによって、検査画像17の表示処理と、レポート18の編集処理とを行う。DBサーバ14には、AP36として、クライアントである各端末11、13からの要求に応じて処理を実行し、処理結果を応答するサーバプログラムがインストールされている。
図3において、レポート作成端末13のCPU30は、レポート編集用のクライアントプログラムを起動すると、コンソール制御部(表示制御手段に相当)40、DBアクセス部41、編集処理部42、およびオーダ取得部43として機能する。オーダ取得部43は、オーダ受付端末からネットワーク15を介してオーダを取得する。取得したオーダは、例えば、レポート作成端末13のストレージデバイス32に設けられたオーダテーブル(図示せず)に登録される。
レポート作成端末13は、CPU30が設けられた端末本体に、二台のディスプレイ37a、37bを接続した構成である。一台のディスプレイ37aには、検査画像17の観察用に使用される画像表示画面が出力される。もう一台のディスプレイ37bには、レポート18の作成に使用されるレポート編集画面44が出力される。
画像表示画面およびレポート編集画面44は、GUIによる操作画面を構成する。コンソール制御部40は、入力デバイス38の操作に応じた描画データ70をストレージデバイス32から読み出し、読み出した描画データ70に基づいてこれらの操作画面を各ディスプレイ37a、37bに出力する。コンソール制御部40は、操作画面を通じて、入力デバイス38からの操作指示の入力を受け付ける。
画像表示画面およびレポート編集画面44は、連動して起動する。レポート編集画面44から、読影対象の検査画像17が含まれる検査IDが入力されると、コンソール制御部40は、DBアクセス部41を通じて、検査IDに対応する検査画像17のデータを画像DB20から取得する。コンソール制御部40は、取得した検査画像17をディスプレイ37aに出力する際に、画像表示画面を起動する。
画像表示画面には、超音波診断装置で撮影された超音波画像、あるいはCR装置で撮影された放射線による透視画像や、CT装置やMRI装置で撮影された断層画像、断層画像に基づいて生成される三次元画像といった各種の検査画像17が表示される。画像表示画面は、一画面に六コマの断層画像を配列して表示するというように、複数の検査画像17を同時に表示することが可能である。画像表示画面には、操作ボタン、リストボックス、アイコンといった、GUIを構成する各種の操作ツールが設けられている。こうした操作ツールを通じて、入力デバイス38からの各種の操作指示が入力される。
レポート編集画面44には、基本情報表示領域45、所見文入力領域46、用語選択入力領域47、および操作ボタン領域48が設けられている。これら各領域は、GUIを構成する各種の操作ツールである。こうした操作ツールを通じて、入力デバイス38からの各種の操作指示が入力される。操作指示には、レポートDB21からレポート18のデータを読み出す指示、レポートDB21へレポート18のデータを保存する指示、所見文入力領域46を選択してアクティブ(入力が可能な状態)にする指示等が含まれる。
基本情報表示領域45には、患者名(「富永士郎」)、検査ID(「CT0803」)、検査画像17の撮影日(「10/7/30(2010年7月30日)」)といった基本情報が表示される。これらの基本情報は、オーダから読み出される。
所見文入力領域46には、読影医が検査画像17を観察して認識した、病変の状態等の観察記録、すなわち所見を表す文(以下、所見文という)が入力される。図においては、所見文入力領域46は一つだけ表示されているが、所見文入力領域46は追加することも可能である。所見文入力領域46を追加する際には、検査目的が複数ある場合(例えば、治療効果判定と転移検索等)に、検査目的毎に所見を分けて入力するといった使い方がされる。また、研修医と指導医、一次読影を行う読影医と二次読影を行う読影医等、複数の読影医が所見をそれぞれ入力するという使い方も可能である。
用語選択入力領域47は、マウスのクリック操作によって、所見文入力領域46へ所見文を入力するための操作ツールであり、テンプレート式操作ツールとも呼ばれる。用語選択入力領域47は、「肝臓」、「胆管」といった臓器別の大分類パネル49と、小分類パネル50とを有する。小分類パネル50は、「肝臓の形態」、「腫瘤性病変」といった、臓器毎に所見として記入されるべき項目を類型化した所見項目を有する。各パネル49、50は、タブによって切り替え選択が可能である。大分類パネル49として選択された臓器名は、所見文入力領域46の横に表示される。図3では、大分類パネル49として「肝臓」が、小分類パネル50として「肝臓の形態」がそれぞれ選択されている。
小分類パネル50には、さらに、複数の用語選択ボタン51が設けられている。用語選択ボタン51は、所見項目をさらに細分化した、「辺縁」、「表面」、「腫大」、「萎縮」等々の観察項目毎に、横並びに配列されている。例えば、「辺縁」の観察項目には、「鋭」、「やや鈍」、「鈍」、「表面」の観察項目には、「平滑」、「やや凹凸」、「凹凸」といった入力語句がある。「腫大」および「萎縮」の観察項目には、さらに「腫大程度」、「腫大部位」、「萎縮程度」、「萎縮部位」という従属項目がある。以下の説明では、特に区別する必要がない限り、観察項目と従属項目をまとめて観察項目という。用語選択ボタン51の用語には、各観察項目で使用される頻度が高い医療用語が使用されている。また、用語選択ボタン51の用語は全て、観察項目の程度や形状を表し、観察項目を修飾する語句である。
用語選択ボタン51は、各観察項目について一つだけ選択することが可能である。このため、例えば「辺縁−鋭」が選択されていて、「辺縁−鈍」を選択し直した場合は、「辺縁−鋭」の選択が自動的に解除される。
所見文入力領域46をアクティブにした状態で、所望の用語選択ボタン51にポインタ52を合わせて、マウスでクリック操作を行うと、選択された用語に基づいた所見文が所見文入力領域46に表示される。所見文入力領域46に入力された所見文には、キーボードを操作することで、修正加筆することも可能である。
所見文は、一個以上の用語選択ボタン51を選択したときに表示される。所見文は、用語選択ボタン51が追加選択される毎に表示が更新される。また、用語選択ボタン51の選択状態を表すメモリ31の一時記憶データ71も、用語選択ボタン51が追加選択される毎に更新される。追加選択は、例えば、二つの観察項目の用語選択ボタン51が選択されていて、三つ目の観察項目の用語選択ボタン51を選択する場合と、同一の観察項目で用語選択ボタン51の選択をし直す場合とを含む。
図3では、用語選択ボタン51として、斜線で示すように「辺縁−鈍」、「表面−凹凸」、「腫大程度−軽度」、「腫大部位−左葉」、「萎縮程度−高度」、「萎縮部位−右葉」、「実質均一度−不均一」、「実質濃度−低い」がそれぞれ選択されている。また、所見文として、「肝は辺縁鈍、表面凹凸、左葉の腫大は軽度、右葉の萎縮は高度、実質は不均一で低濃度です。」が所見文入力領域46に表示された状態を図示している。
操作ボタン領域48には、各種操作ボタン53〜56が設けられている。所見追加ボタン53は、所見文入力領域46を追加するためのものである。所見追加ボタン53にポインタ52を合わせてマウスをクリック操作すると、レポート編集画面44に所見文入力領域46が追加表示される。
所見文入力領域46に入力された所見文のデータ(以下、所見データという)は、個々を識別する所見IDを有する。所見IDは、検査画像17やレポート18と所見文との対応をとるためのものであり、所見文入力領域46の追加された順に付された番号を含む。N個目(Nは1以上の自然数)の所見文入力領域46に入力される所見文には、「F−N」の所見IDが割り当てられる。図3では、一個目の所見文入力領域46に所見文を入力する際を示しており、所見文入力領域46の上部に所見IDの「F−1」が表示されている。
終了ボタン54は、レポート18の編集を終了するためのものである。終了ボタン54が選択されると、レポート18のデータが確定保存される。確定保存されたレポート18は、不正な改ざんを防止するために、編集が禁止される。中断ボタン55は、レポート18の作成を一時中断するためのものである。中断ボタン55が選択されると、作成途中のレポート18のデータが一時保存される。キャンセルボタン56は、レポート編集画面44を閉じる際に選択される。
DBアクセス部41は、コンソール制御部40や編集処理部42からの指令に基づいて、DBサーバ14に対する処理要求の送信と処理結果の受信とを行う。画像DB20に対する処理要求には、検査IDや画像IDといった情報を検索キーとして、検査画像17を検索するための検索要求がある。レポートDB21に対する処理要求には、作成したレポート18のデータを格納するための格納要求と、作成したレポート18のデータや、作成途中のレポート18のデータの検索要求とがある。
DBアクセス部41は、格納要求の対象となるデータを、編集処理部42から受け取り、DBサーバ14へ送信する。また、検索要求の対象となるデータを、DBサーバ14から受信して、コンソール制御部40に引き渡す。
DBサーバ14のCPU30は、サーバプログラムを実行することにより、検査画像17、およびレポート18のデータの格納処理部および検索処理部として機能する。格納処理部は、レポート作成端末13やモダリティ22といったクライアントからの各データの格納要求に応じて、各DB20、21へのデータの格納処理を実行する。検索処理部は、診療科端末11、レポート作成端末13からの各データの配信要求に応答して、要求されたデータを各DB20、21から検索して、検索したデータを要求元へ配信する。
編集処理部42は、レポート編集画面44の所見文入力領域46に入力された所見データ、および各パネル49、50、用語選択ボタン51の選択状態を、コンソール制御部40を通じて受け付ける。編集処理部42は、受け付けた所見データを、所見文入力領域46毎に区別してブロック化する。
編集処理部42は、ブロック化した所見データのそれぞれに「F−1」、「F−2」等の所見IDを付加して、これらをレポート18のデータに記録する。編集処理部42は、所見データの他に、オーダから読み出された検査ID、患者ID、患者名といった情報を、レポート18のデータに付加する。
編集処理部42は、所見IDに加えて、各所見データに対して、その所見文を入力した読影医を識別するための医師IDを付加する。医師IDは、レポート作成端末13の起動時のユーザ認証の際等に読影医によって入力される。所見データは、所見IDや医師IDによって検索することが可能である。
編集処理部42は、ストレージデバイス32に格納された所見文作成用定義に基づいて、各パネル49、50、用語選択ボタン51の選択状態に応じた所見文を作成する。所見文作成用定義は、臓器の項目を頂点として、所見項目、観察項目、観察項目毎の語句の順にデータを階層構造でもち、各観察項目の節の所見文中の位置、および各観察項目の節内の語句の並び順を規定する。所見文作成用定義は、例えば、観察項目毎に所見文を主部および述部に分類し、主部および述部を本体部および本体部を修飾する修飾部に分類して、所見文を構成する語句をそれぞれの部に振り分けたものである。所見文作成用定義は、所見文の途中であるか末尾であるかによる使用位置、および肯定形であるか否定形であるかによる使用形式によって述部の本体部がさらに分類されている。図3では、観察項目「腫大程度」、「萎縮程度」において、用語選択ボタン51で「なし」を選択した場合のみ使用形式が否定である。それ以外は全て肯定を表す。
観察項目「腫大」を例に挙げると、主部の修飾部には従属項目「腫大部位」の入力語句である「肝全体の」、「右葉の」、「左葉の」、主部の本体部には観察項目の「腫大は」、述部の修飾語には従属項目「腫大程度」の入力語句である「軽度」、「中等度」、「高度」、述部の本体部には使用位置が途中、使用形式が肯定である「、」、使用位置が末尾、使用形式が肯定である「です。」、使用位置が途中、使用形式が否定である「なく、」、使用位置が末尾、使用形式が否定である「ありません。」がそれぞれ登録されている。
用語選択ボタン51のいずれかが選択された場合、編集処理部42は、まず、各パネル49、50の選択状態に対応する、所見文作成用定義の臓器の項目、所見項目の階層を辿る。そして、選択された用語選択ボタン51に対応する観察項目(以下、アクティブな観察項目という)の語句を、所見文作成用定義から読み出す。
続いて、編集処理部42は、アクティブな観察項目の述部の本体部を決定する。編集処理部42は、アクティブな観察項目に関する節の使用位置、および使用形式を調べる。編集処理部42は、アクティブな観察項目と同じ階層レベル(兄弟関係)にある観察項目がアクティブであるか否かを、所見文作成用定義の登録順に見ていく。使用位置、および使用形式の判定対象となるアクティブな観察項目の後に、別のアクティブな観察項目がある場合は、使用位置は「途中」、そうでなければ「末尾」となる。
選択された用語選択ボタン51に対応する語句の使用形式が「否定」であった場合、すなわち図3の例で「腫大程度−なし」、「萎縮程度−なし」が選択された場合、編集処理部42は、「腫大」、「萎縮」の使用形式を「否定」と断じる。それ以外は全て「肯定」と断じる。編集処理部42は、以上のようにして所見文作成用定義から読み出した各部の語句を、主部の修飾部、本体部、述部の修飾部、本体部の順(所見文作成用定義の並び(登録)順)に従って連結し、所見文を作成する。
図3の各パネル49、50、用語選択ボタン51の選択状態を例に挙げて、編集処理部42の所見文の作成処理を説明する。各パネル49、50として「肝臓」、「肝臓の形態」が選択されているので、編集処理部42は、所見文作成用定義の「肝臓」、その下層の「肝臓の形態」を辿る。そして、アクティブな観察項目(この場合は「辺縁」〜「実質」まで全て)の主部の本体部、および主部と述部の修飾部等を所見文作成用定義から読み出す。
この場合、全ての観察項目がアクティブであるため、観察項目「辺縁」〜「実質均一度」までは、使用位置が「途中」である。また、「腫大程度−なし」、「萎縮程度−なし」が選択されていないため、観察項目の使用形式は全て「肯定」である。従って、編集処理部42は、観察項目「実質濃度」以外は述部の本体部として使用位置が途中、使用形式が肯定の語句を所見文作成用定義から選択的に読み出す。このようにして読み出した各種語句を、予め定められた順序に従って連結すると、図3および段落[0062]に記載した所見文となる。
他の例を挙げると、「辺縁−鈍」のみが選択された場合、所見文は「辺縁鈍です。」となる。また、「腫大程度−なし」のみが選択された場合は、所見文は「腫大はありません。」、「萎縮程度−中等度」、「萎縮部位−肝全体」のみが選択された場合は、所見文は「肝全体の萎縮は中等度です。」となる。「実質−不均一」のみが選択された場合は、所見文は「実質は不均一です。」である。アクティブな観察項目が一つである場合は、所見文は単文となり、アクティブな観察項目が複数である場合は、所見文は各観察項目に関する節からなる重文となる。
図4は、小分類パネル50のタブを「腫瘤性病変」に切り替えたときの用語選択入力領域47を示す。以下、「腫瘤性病変」の用語選択入力領域47を特に病変記述テンプレート60と呼ぶ。
病変記述テンプレート60には、図3に示す例と同様に、「形状」、「内部エコー」等の複数の観察項目毎に、「不整形」、「低エコー」等の用語選択ボタン51が配されている。観察項目「部位」、「大きさ」、「浸潤先」には用語選択ボタン51は配されておらず、代わりにキーボード入力を受け付ける入力ボックス61が設けられている。入力ボックス61は、観察項目「個数」の右端にも設けられている。入力ボックス61には、「右葉」、「左葉」、「S1」〜「S8」等の腫瘤性病変の場所を示す語句、「15」、「10」、「3」等の大きさ、箇所を表す数値がキーボード操作により入力可能である。観察項目「個数」の右端の入力ボックス61は、検査画像17に写る病変が多数あり、各病変の部位、大きさ、様態が全く同じ場合に使用される。この病変記述テンプレート60の所見文作成用定義は、キーボード入力される部分を空欄として登録している。
図4では、用語選択ボタン51として、斜線で示すように「形状−不整形」、「内部エコー−低エコー」、「エコーパターン−混合性」、「均一性−不均一」、「後方エコー−不変」、「血流信号−僅か」、「石灰化−なし」がそれぞれ選択されている。また、「部位−S2」、「大きさ−30mm×20mm」が入力ボックス61にキーボード入力されている。用語選択ボタン51の選択の仕方や所見文の作成手順は図3の例と同様であるため説明を省略する。
病変記述テンプレート60の上部には、プルダウンメニュー62と病変追加ボタン63が設けられている。プルダウンメニュー62は、病変記述テンプレート60の新規追加、またはコピーを選択指定するためのものである。プルダウンメニュー62の横の逆三角の印をクリックすると、新規、コピーの選択肢がプルダウン表示される。病変追加ボタン63は、プルダウンメニュー62で選択指定された新規追加、またはコピーの指示信号を入力する際に操作される。
プルダウンメニュー62で新規が指定され、病変追加ボタン63がクリックされると、図5に示すように、新規追加指示信号がコンソール制御部40に送信される。コンソール制御部40は、新規追加指示信号を受けて、ストレージデバイス32の描画データ70から病変記述テンプレート60の描画データを読み出す。この描画データは、用語選択ボタン51が選択されておらず、入力ボックス61に何も入力されていないプレーンな状態の病変記述テンプレート60を表すものである。
コンソール制御部40は、読み出した描画データ70に基づいて、ディスプレイ37bの画面の表示を図4から図6に示す状態に切り替える。図6において、コンソール制御部40は、小分類パネル50の「腫瘤性病変」のタブの後に、新規追加した病変記述テンプレート60のタブ「#2」(新規追加タブ75)を表示させる。
一方、プルダウンメニュー62でコピーが指定され、病変追加ボタン63がクリックされると、図5に示すように今度はコピー指示信号がコンソール制御部40に送信される。コンソール制御部40は、新規追加指示信号を受けたときと同様に、プレーンな状態の病変記述テンプレート60を表す描画データ70をストレージデバイス32から読み出す。また、コンソール制御部40は、コピー元である「腫瘤性病変」のタブの用語選択ボタン51の選択状態を表す一時記憶データ71をメモリ31から読み出す。
コンソール制御部40は、一時記憶データ71を用いて用語選択ボタン51の選択状態をプレーンな病変記述テンプレート60に再現し、ディスプレイ37bの画面の表示を図4から図7に示す状態に切り替える。図7に示すタブ「#2」(コピー追加タブ76)は、用語選択ボタン51が選択されていないプレーンな状態の新規追加タブ75とは異なり、「腫瘤性病変」のタブの用語選択ボタン51の選択状態がそのまま保持されている。図7では図4に示す病変記述テンプレート60と同じ選択状態である。
各追加タブ75、76の名称「#2」は、元々ある「腫瘤性病変」のタブの二個目という意味である。さらに病変記述テンプレート60を追加・コピーした場合は、「#3」、「#4」、・・・の各追加タブ75、76が「腫瘤性病変」のタブの後に順次追加されていく。新規追加タブ75の用語選択ボタン51を選択入力した後、これをコピーしたり、コピー追加タブ76をさらにコピーしたりすることも可能である。
新規追加タブ75またはコピー追加タブ76を追加した場合、病変記述テンプレート60の病変追加ボタン63の横には削除ボタン64が生成される。削除ボタン64は、新規追加タブ75またはコピー追加タブ76を削除する際にクリックされる。
以下、上記構成による作用について、図8および図9に示すフローチャートを参照して説明する。依頼医は、診療科端末11を使用してオーダを発行する。レポート作成端末13は、診療科端末11から発行されたオーダを、検査科12のオーダ受付端末を経由して受信する。
読影医は、レポート作成端末13にアクセスしてオーダを確認し、レポート18の作成を開始する。レポート編集画面44がディスプレイ37bに表示されると、これと連動して画像表示画面がディスプレイ37aに表示される。読影医は、画像表示画面で検査画像17を観察しながら、レポート編集画面44の所見文入力領域46に、それぞれ臓器別の所見文を入力する。
所見文の入力は、用語選択ボタン51を選択することにより行われる。図8において、用語選択ボタン51が選択されると(ステップ(以下、Sと略す)10でyes)、コンソール制御部40から編集処理部42に、各パネル49、50、用語選択ボタン51の選択状態が通知される。また、用語選択ボタン51の選択状態は、コンソール制御部40を通じてメモリ31に送られ、メモリ31に一時記憶データ71が記憶される(S11)。
次いで、編集処理部42によって、各パネル49、50、用語選択ボタン51の選択状態を元にした所見文作成用定義の検索が編集処理部42で実行され、各観察項目の語句が所見文作成用定義から読み出される(S12)。
続いて、各観察項目に関する節の使用位置、使用形式が編集処理部42で判定される(S12)。具体的には、判定対象の観察項目と同じ階層レベルで、且つ判定対象の観察項目の後の観察項目がアクティブであった場合、使用位置が「途中」と判定され、そうでなければ「末尾」と判定される。また、選択された用語選択ボタン51に対応する入力語句の使用形式が「否定」であった場合、使用形式が「否定」と判定される。それ以外は全て「肯定」と判定される。この使用位置、使用形式の判定結果に基づいた述部の本体部の語句が所見文作成用定義から読み出される。
そして、読み出された各種語句が所見文作成用定義の並び順に連結され、所見文が作成される(S13)。作成された所見文は、編集処理部42からコンソール制御部40に引き渡され、コンソール制御部40の制御の下、所見文入力領域46に表示される(S14)。このように、読影医は、用語選択ボタン51を選択しながら、所見文の入力を行う。これら一連の処理は、用語選択ボタン51が追加選択される度に繰り返し実行される。
読影医は、所見文の入力を終えると、終了ボタン54を選択する(S15でyes)。終了ボタン54が選択されると、レポート18のデータの格納要求がDBアクセス部41からDBサーバ14に送信される。レポート作成端末13から格納要求を受信すると、DBサーバ14では、格納処理部によって、レポート18のデータの格納処理が実行される。レポート18のデータは、レポートDB21に格納される。以上をもって、一回のレポート18の作成処理を終了する。
レポート18の作成が完了すると、レポート作成端末13から、依頼医の診療科端末11に対して、作成完了通知が送信される。依頼医は、診療科端末11を通じてレポートDB21にアクセスして、作成完了通知に含まれるレポート18のアドレスに基づいて、レポート18を読み出す。診療科端末11のディスプレイ37には、レポート表示画面と、レポート18に関連する検査画像17を表示する画像表示画面が出力される。依頼医は、これらの画面を閲覧して、レポート18の内容を確認する。
図9において、検査画像17に写る病変が多数あり、一方は充実性、他方は嚢胞性の腫瘤性病変等、各病変の様態が全く異なると認められる場合、読影医は、病変記述テンプレート60のプルダウンメニュー62の新規を選択し、病変追加ボタン63をクリックする(S20、S21でyes)。これによりコンソール制御部40に新規追加指示信号が送信され、ストレージデバイス32の描画データ70からプレーンな病変記述テンプレート60の描画データが読み出される(S22)。読み出されたプレーンな病変記述テンプレート60の描画データは、コンソール制御部40により新規追加タブ75としてディスプレイ37bの画面に表示される(S23)。
一方、検査画像17に写る多数の病変の様態が一部異なると認められる場合、読影医は、プルダウンメニュー62のコピーを選択し、病変追加ボタン63をクリックする(S20、S21でno)。これによりコンソール制御部40にコピー追加指示信号が送信され、ストレージデバイス32からプレーンな病変記述テンプレート60の描画データ、およびメモリ31からコピー元のタブの用語選択ボタン51の選択状態を表す一時記憶データ71がそれぞれ読み出される(S24)。そして、コンソール制御部40により、一時記憶データ71に基づいて用語選択ボタン51の選択状態が再現されたコピー追加タブ76がディスプレイ37bの画面に表示される(S25)。
以上説明したように、本発明は、病変記述テンプレート60の新規追加・コピーを指示するためのプルダウンメニュー62および病変追加ボタン63を備え、これらの操作に応じて各追加タブ75、76を表示させるので、テンプレート式操作ツールによる病変の所見文入力を円滑且つ迅速に行うことができる。
病変記述テンプレート60の新規追加・コピーが選択可能であるため、各病変の様態が全く異なる場合は新規追加、一部異なる場合はコピーというように、それぞれの状況に適した選択をすることが可能である。特にコピーを利用した場合は、異なる様態の観察項目の用語選択ボタン51を選択し直すだけで所見文の入力が可能となるため、一から入力する場合と比べて格段に入力時間を短縮することができる。
病変記述テンプレート60をタブ形式で表示させるので、簡単な操作で病変記述テンプレート60の表示切り替えができ、病変の所見文入力がより円滑になる。
上記実施形態では、コピー追加タブ76を追加する際に用語選択ボタン51の選択状態のみをコピーしているが、入力ボックス61の入力内容をコピーしてもよい。また、病変記述テンプレート60の全体を新規追加・コピーするのではなく、病変記述テンプレート60の一部を新規追加・コピー可能に構成してもよい。例えば図8の上側に示すように、病変記述テンプレート60のうち観察項目「部位」と「大きさ」(第一記述領域に相当)のみ追加可能とする追加ボタン80を設ける。
追加ボタン80がクリックされると、コンソール制御部40は、観察項目「部位」と「大きさ」を元々の項目の下段に追加した描画データ70をストレージデバイス32から読み出し、下側に示すようにディスプレイ37bに表示させる。追加された観察項目「部位」、「大きさ」(追加項目81)には、上記実施形態の各追加タブ75、76と同様に削除ボタン82が設けられ、観察項目「部位」、「大きさ」を自由に追加、削除することが可能である。
多発性病変では、主に部位、大きさが異なり、他の様態は略同じであることが多い。このため、図10の例の如く、多発性病変の場合に複数入力が必要であると想定される一部の観察項目を追加可能とすれば、より病変の所見文入力の円滑化、迅速化に資することができる。なお、一部追加可能とする観察項目は、上記例の「部位」、「大きさ」に限らず、「形状」等でもよい。
病変記述テンプレートとしては、上記実施形態の「腫瘤性病変」に限らず、例えば脳内出血やくも膜下出血等の「出血性病変」の病変記述テンプレートに適用しても可である。
上記実施形態では、入力デバイスとして、キーボードやマウスを例に説明したが、入力デバイスとしてマイクを用いて、用語選択ボタン51の選択を音声によって受け付けてもよい。
上記実施形態では、検査科12で実施される検査を例示して説明したが、検査種はこれらに限定されるものではなく、PET(Positron Emission Tomography)検査、内視鏡検査等でもよい。要するに病変記述テンプレートを用いて病変の所見文を入力するものであれば、本発明を適用可能である。
上記実施形態では、本発明の医用レポート作成支援装置を構成する、レポート作成端末が一台の例で説明したが、レポート作成端末は複数台でもよい。また、レポート作成端末のストレージデバイスに描画データを格納する態様を例示したが、描画データの格納先は上記に限らず、DBサーバに格納しておいてもよい。この場合、レポート作成端末のDBアクセス部がDBサーバにアクセスして、描画データの検索要求の送信とその検索結果の受信とを行う。
また、上記実施形態のように、クライアント(レポート作成端末)と、サーバ(DBサーバ)とからなるクライアントサーバ型の情報システムの場合には、レポート編集用のクライアントプログラムは、専用のプログラムを使用してもよいし、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)といった、WWW(World Wide Web)のプロトコルに対応した汎用的なブラウザを使用してもよい。
専用のプログラムを使用する場合には、レポート編集画面は、専用のプログラムで定義された画面データに基づいて生成される。汎用的なブラウザを使用する場合には、例えば、Webサーバにレポート編集画面のデータを格納しておき、クライアントはWebサーバにアクセスして、Webページの形式に加工されたレポート編集画面のデータをダウンロードする。クライアントのブラウザは、受信したWebページのソースコードを解釈してレポート編集画面を生成する。Webサーバは、DBサーバ14が兼用してもよいし、DBサーバとは別のサーバでもよい。汎用的なブラウザを使用する場合には、WebサーバのCPUが、クライアントのCPUと協働して、または単独で、編集処理部、コンソール制御部等を構成する。
また、DBが構築されるデータ格納装置としては、DBサーバ以外でもよく、例えば、NAS(Network Attached Storage)、SAN(Storage Area Network)といったネットワークを介して接続するストレージデバイスを使用してもよい。このように、コンピュータシステムの物理構成は適宜変更が可能である。
上記実施形態では、ネットワークとしてLANを例に説明しているが、診療科と検査科が複数の拠点に分散しているような場合には、ネットワークとしてLANとWAN(Wide Area Network)を組み合わせて使用してもよい。
なお、上記実施形態で示したとおり、本発明は、プログラムの形態、さらにはプログラムを記憶する記憶媒体にもおよぶことはもちろんである。
2 医療情報システム
13 レポート作成端末
30 CPU
31 メモリ
32 ストレージデバイス
34 コンソール
36 アプリケーションプログラム(AP)
37 ディスプレイ
38 入力デバイス
40 コンソール制御部
44 レポート編集画面
47 用語選択入力領域
51 用語選択ボタン
60 病変記述テンプレート
62 プルダウンメニュー
63 病変追加ボタン
64、82 削除ボタン
70 描画データ
71 一時記憶データ
75 新規追加タブ
76 コピー追加タブ
80 追加ボタン
81 追加項目

Claims (9)

  1. 病変に関する所見文を分解した複数の語句の一部を入力語句として選択入力させるための病変記述テンプレート、および病変記述テンプレートの追加を指示するための追加用GUIをディスプレイに表示させる表示制御手段と、
    各種病変記述テンプレートの描画データを記憶する第一記憶手段と、
    追加用GUIを選択させるための操作入力手段とを備え、
    前記表示制御手段は、前記操作入力手段により追加用GUIが選択されたときに、選択指示に応じた病変記述テンプレートの描画データを前記第一記憶手段から読み出し、病変記述テンプレートを追加した画面を表示させることを特徴とする医用レポート作成支援装置。
  2. 追加用GUIは、病変記述テンプレートの全体の新規追加を指示するものであることを特徴とする請求項1に記載の医用レポート作成支援装置。
  3. 追加用GUIは、入力状態をコピーして病変記述テンプレートの全体を追加する指示をするものであり、
    病変記述テンプレートの入力状態のデータを記憶する第二記憶手段を備え、
    前記表示制御手段は、前記第二記憶手段から入力状態のデータを読み出し、入力状態を再現した病変記述テンプレートを追加した画面を表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の医用レポート作成支援装置。
  4. 前記表示制御手段は、追加した病変記述テンプレートをタブ形式で表示させることを特徴とする請求項2または3に記載の医用レポート作成支援装置。
  5. 病変記述テンプレートは複数の記述領域に分れており、追加用GUIは、複数の記述領域のうちの一部の記述領域の新規追加を指示するものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の医用レポート作成支援装置。
  6. 記述領域は、病変の部位、大きさを記述するための第一記述領域と、病変の様態を記述するための第二記述領域とを含み、第一記述領域が新規追加可能であることを特徴とする請求項5に記載の医用レポート作成支援装置。
  7. 前記表示制御手段は、追加した病変記述テンプレートを削除するための削除用GUIをさらに表示させることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の医用レポート作成支援装置。
  8. 病変に関する所見文を分解した複数の語句の一部を入力語句として選択入力させるための病変記述テンプレート、および病変記述テンプレートの追加を指示するための追加用GUIを表示制御手段によりディスプレイに表示させる第一表示ステップと、
    操作入力手段により追加用GUIが選択されたときに、各種病変記述テンプレートの描画データを記憶する記憶手段から、選択指示に応じた病変記述テンプレートの描画データを読み出し、病変記述テンプレートを追加した画面を表示制御手段により表示させる第二表示ステップとを備えることを特徴とする医用レポート作成支援方法。
  9. 病変に関する所見文を分解した複数の語句の一部を入力語句として選択入力させるための病変記述テンプレート、および病変記述テンプレートの追加を指示するための追加用GUIをディスプレイに表示させる第一表示制御機能と、
    操作入力手段により追加用GUIが選択されたときに、各種病変記述テンプレートの描画データを記憶する記憶手段から、選択指示に応じた病変記述テンプレートの描画データを読み出させ、病変記述テンプレートを追加した画面を表示させる第二表示制御機能とを、コンピュータに実現させることを特徴とする医用レポート作成支援プログラム。
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