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JP2011168899A - 紙用添加剤 - Google Patents

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JP2011168899A JP2010031071A JP2010031071A JP2011168899A JP 2011168899 A JP2011168899 A JP 2011168899A JP 2010031071 A JP2010031071 A JP 2010031071A JP 2010031071 A JP2010031071 A JP 2010031071A JP 2011168899 A JP2011168899 A JP 2011168899A
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【課題】紙に十分なサイズ性と良好な柔軟性を同時にバランスよく付与することが可能な紙用添加剤の提供。
【解決手段】本発明の紙用添加剤は、式(1)で表されるポリアミン化合物A10〜40モル%、式(2)で表されるポリアミン化合物B60〜90モル%からなるポリアミン混合物1モルに対し、炭素数12〜24の脂肪族モノカルボン酸2〜5モルを反応させて得られ、かつアミン価が40〜280mgKOH/gのアミドアミン化合物からなる。
【化1】
Figure 2011168899

(式中、x+yは0〜2の整数である。)
【化2】
Figure 2011168899

(式中、zは3〜5の整数である。)
【選択図】なし

Description

本発明は紙用添加剤に関する。より詳細には、紙に十分なサイズ性と良好な柔軟性を同時にバランスよく付与することが可能な紙用添加剤に関する。
印刷物のビジュアル化およびカラー化が進むにつれて、印刷適正向上の観点から、より優れた柔軟性を有する印刷用紙が求められている。また、書籍などの印刷物のページのめくり易さの点からも、より柔軟な印刷用紙が求められている。
紙の柔軟性を向上させる方法として、これまでに、第4級アンモニウム塩、炭素数8〜24の脂肪酸又はその塩、炭素数10〜24の脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル化物を所定の重量比で含有する柔軟剤を使用する方法(特許文献1)、ポリアルキレンポリアミンとカルボン酸から得られるアミド化物またはその塩を柔軟剤として用いる方法(特許文献2)等が知られている。しかし、これらの柔軟剤は、柔軟性の向上に効果があるものの、印刷時の滲みを防止するために添加されるサイズ剤の効果を阻害する場合がある。
サイズ性と柔軟性向上を両立させる方法として、融点が50℃以下でHLB価が8以下である柔軟剤と、多価アルコールと飽和脂肪酸とのエステル化合物であるサイズ剤とを使用する方法(特許文献3)、炭素数が14〜24でありヨウ素価が50以下であるカルボン酸とポリアルキレンポリアミンとを反応させて得られるアミド化物と、アルキルケテンダイマーとを所定の重量比で用いる方法(特許文献4)等が知られている。しかしながら、サイズ剤を併用せずとも十分なサイズ性およびより優れた柔軟性向上効果を付与する方法が求められている。
特開平7−189171号公報 特開2002−275786号公報 特開2004−324024号公報 特開2004−11058号公報
本発明は、上記実情に鑑み、紙に十分なサイズ性と良好な柔軟性を同時にバランスよく付与することが可能な紙用添加剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のポリアミン混合物と特定の脂肪酸とを所定比で反応させて得られ、かつ所定のアミン価を有するアミドアミン化合物が上記目的を達成することを見出した。
すなわち、本発明の紙用添加剤は、式(1)で表されるポリアミン化合物A10〜40モル%、式(2)で表されるポリアミン化合物B60〜90モル%からなるポリアミン混合物1モルに対し、炭素数12〜24の脂肪族モノカルボン酸2〜5モルを反応させて得られ、かつアミン価が40〜280mgKOH/gのアミドアミン化合物からなることを特徴とするものである。
Figure 2011168899
(式中、x+yは0〜2の整数である。)
Figure 2011168899
(式中、zは3〜5の整数である。)
本発明の紙用添加剤は、サイズ性と柔軟性を併せて紙に付与することが可能なアミドアミン化合物からなるので、サイズ剤と柔軟剤を併用せずとも、紙に十分なサイズ性と良好な柔軟性を同時にバランスよく付与することができる。
本発明の紙用添加剤は、特定のポリアミン混合物と特定の脂肪酸を特定の比率で反応させて得られるアミドアミン化合物からなることを特徴とする。以下、このアミドアミン化合物を製造するための各成分について説明する。
〔ポリアミン混合物〕
本発明に用いるポリアミン混合物は、式(1)で表されるポリアミン化合物Aを10〜40モル%、好ましくは20〜35モル%と、式(2)で表されるポリアミン化合物Bを60〜90モル%、好ましくは65〜80モル%とからなる。ポリアミン化合物Aとポリアミン化合物Bの含有率がこれらの範囲を超えると、十分なサイズ性が得られない虞がある。
〔ポリアミン化合物A〕
本発明に用いるポリアミン化合物Aは、式(1)で表されるように分岐骨格を有するポリエチレンポリアミンである。
Figure 2011168899
式中、x+yは0〜2の整数である。本発明においては、式(1)で表される1種又は2種以上のポリアミン化合物Aを用いることができる。
〔ポリアミン化合物B〕
本発明に用いるポリアミン化合物Bは、式(2)で表されるように直鎖状のポリエチレンポリアミンである。
Figure 2011168899
式中、zは3〜5の整数である。本発明においては、式(2)で表される1種又は2種以上のポリアミン化合物Bを用いることができる。
〔脂肪族モノカルボン酸〕
本発明に用いる脂肪族モノカルボン酸は、炭素数が12〜24の脂肪酸である。具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リグノセリン酸が挙げられる。この中で炭素数が16〜20の飽和脂肪酸が好ましい。これら脂肪族モノカルボン酸は単独または混合物で用いてもよい。
〔アミドアミン化合物〕
本発明に用いるアミドアミン化合物は、上記ポリアミン混合物1モルに対して、上記脂肪族モノカルボン酸2〜5モルを縮合反応させて得られる。ポリアミン混合物1モルに対して反応させる脂肪族モノカルボン酸のモル数が2モル未満では、十分なサイズ性が得られない虞がある。なお、ポリアミン混合物1モルと反応させる脂肪族モノカルボン酸のモル数を、以下、反応モル比ともいう。
本発明に用いるアミドアミン化合物はアミン価が40〜280mgKOH/gである。アミン価が40mgKOH/g未満の場合は、良好な柔軟性が得られない虞があり、280mgKOH/gを超える場合は、十分なサイズ性が得られない虞がある。なお、アミドアミン化合物のアミン価は、公知の手法、例えばAmerican Oil Chemists' Society (AOCS) のTf
1b-64(indicator method) に従って測定することができる。
本発明に用いるアミドアミン化合物は、上記ポリアミン混合物と上記脂肪族モノカルボン酸とを無溶媒で混合し、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で攪拌しながら160〜230℃に昇温し、反応と共に副生する生成水を反応系外へ除去しながら反応させることにより製造することができる。
また、本発明に用いるアミドアミン化合物のアミン価は、上記ポリアミン混合物の1モル当たりのアミノ基数、脂肪族カルボン酸の反応モル比や脂肪族モノカルボン酸の炭素数を変えることにより調整することができる。例えば、1モル当たりのアミノ基が多いポリアミン混合物を用いたり、反応モル比を下げたり、炭素数が少ない脂肪族モノカルボン酸を用いたりすることにより、アミン価を上昇させることができる。
〔紙用添加剤〕
上記アミドアミン化合物からなる本発明の紙用添加剤は、典型的には、上記アミドアミン化合物を分散媒中に分散させ、分散液として使用することができる。なお、分散媒としては水が好ましい。
本発明の紙用添加剤を分散液として使用する場合、分散液の調製を容易にするために、上記アミドアミン化合物を酸で中和して塩とすることが好ましい。この際に使用する酸としては、種々の無機酸あるいは有機酸が挙げられ、具体的には、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸、リン酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、グルコン酸、サリチル酸、ヒドロキシ吉草酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、タウリン、スルファミン酸等が挙げられる。好ましくは、蟻酸、酢酸、グリコール酸、乳酸およびグルコン酸である。塩を形成するために酸を使用する場合、得られたアミドアミン化合物のアミン価を測り、測定されたアミン価と略当量の酸価となる酸の添加量を算出し、添加して、アミドアミン化合物の塩とすることが好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
〔アミドアミン化合物の合成〕
表1および表2記載のポリアミン混合物(1〜4)と、表2記載の脂肪族モノカルボン酸を表2記載の反応モル比(対ポリアミン混合物1モル)で縮合反応させ(合成例1〜4,比較合成例1〜3)、アミドアミン化合物(AA−1〜AA−4,AA’−1〜AA’−3)を得た。
〔アミン価の測定〕
表2記載のアミドアミン化合物(AA−1〜AA−4,AA’−1〜AA’−3)のそれぞれについて、AOCSのTf 1b-64(indicator method) に従ってアミン価を測定し、表2に記載した。
〔実施例1〜4及び比較例1〜3〕
表2記載のアミドアミン化合物(AA−1〜AA−4,AA’−1〜AA’−3)それぞれの分散液(1〜7)を調製して、順次、実施例1〜4及び比較例1〜3とした。分散液の調製に際しては、各々のアミドアミン化合物のアミン価に対して1当量に相当する酢酸をイオン交換水に加え、アミドアミン化合物の酢酸塩として1.0質量%となるようにアミドアミン化合物を分散させた。
〔紙用添加剤の評価〕
上記で得られた紙用添加剤の分散液(実施例1〜4及び比較例1〜3)を用いて、以下のようにして手すきシートを製造した。得られた手すきシートについて、サイズ性及び柔軟性(曲げ剛度)を評価した。
(1)手すきシートの調製
フリーネスが430mlであるLBKP(広葉樹晒パルプ)を1質量%含有するパルプスラリーを調製した。このパルプスラリーをビーカーに400g(パルプ量4g)とり、予め糊化したカチオン化でんぷん(王子コーンスターチ(株)製:エースK-100)を有効分として対パルプ1.0質量%、上記アミドアミン化合物の分散液を有効分として対パルプ0.5質量%添加して、タービン羽根にて1分間攪拌した。この攪拌後のパルプスラリー100gを用いてTAPPIスタンダードシートマシン(安田精機(株)製)により抄紙し、油圧プレス機(安田精機(株)製)で0.35MPa、5分間プレスした後、ドラム式ドライヤー(安田精機(株)製)により105℃、2分の乾燥を行い、坪量50g/m2の手すきシートを3枚調製した。この手すきシートを恒温恒湿室(温度23℃、湿度50%)にて17時間調湿させた。
(2)サイズ性の評価
JIS P8122:2004に準じて、手すきシートのステキヒトサイズ度を各例で6回測定し、サイズ度の合計を求め、表3にまとめて記載した。さらに、サイズ性を以下の基準に従って評価し、その評価を同じく表3にまとめて記載した。
(評価基準) サイズ度の合計が60秒以上:サイズ性が良好である ○
サイズ度の合計が60秒未満:サイズ性が不十分である ×
(3)柔軟性の評価
調湿した手すきシートの曲げ剛度を純曲げ試験機(カトーテック(株)製:KES−FB2)にて測定した。各例で6回の測定を行い、曲げ剛度の平均値を求め、表3にまとめて記載した。さらに、柔軟性を以下の基準に従って評価し、その評価を同じく表3にまとめて記載した。
(評価基準)3.5×10-5N・m2/m未満:柔軟性が良好である ○
3.5×10-5N・m2/m以上:柔軟性が不十分である ×
Figure 2011168899
Figure 2011168899
Figure 2011168899
本発明の紙用柔軟剤を使用した実施例1〜4では、いずれもサイズ度が60秒以上かつ曲げ剛度が3. 5×10-5N・m2/m未満であり、紙に十分なサイズ性と良好な柔軟性が得られた。
一方、比較例1はアミン化合物Aを含まないアミドアミン化合物(AA’−1)を使用しているので、本発明の実施例1〜4と比較して、柔軟性については同等であるが、サイズ性が不十分であった。また、比較例2はアミドアミン化合物のアミン価が本発明で規定する上限値を超えているので、サイズ性や柔軟性が不十分であった。さらに比較例3はアミドアミン化合物(AA’−3)を合成する際に、炭素数10の脂肪族モノカルボン酸であるカプリン酸を用いているので、サイズ性が不十分であった。
本発明の紙用添加剤は、紙に十分なサイズ性と良好な柔軟性を同時にバランスよく付与することができるので、製本用紙、新聞用紙、印刷・情報用紙、ダンボール用紙、板紙、ティシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンタオル等の各種紙に広く利用することができる。

Claims (1)

  1. 式(1)で表されるポリアミン化合物A10〜40モル%、式(2)で表されるポリアミン化合物B60〜90モル%からなるポリアミン混合物1モルに対し、炭素数12〜24の脂肪族モノカルボン酸2〜5モルを反応させて得られ、かつアミン価が40〜280mgKOH/gのアミドアミン化合物からなる紙用添加剤。
    Figure 2011168899
    (式中、x+yは0〜2の整数である。)
    Figure 2011168899
    (式中、zは3〜5の整数である。)
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