JP2011071417A - 配線基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂層にレーザーなどの加工を行わずにビア機能を形成し、基板あるいはモジュールサイズを大きくすることなく、ビアの集積度を向上できる配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】基板1上に第1面内導体2を形成し、基板1に台形状の樹脂ブロック4を接着固定する。樹脂ブロック4の斜面4aに導体配線を形成し、層間接続導体5を第1面内導体2と導通するように形成する。基板1上に樹脂ブロック4の周囲と取り囲む樹脂層3を形成し、その上面に第2面内導体6を層間接続導体5の上端部と導通するように形成する。
【選択図】 図3
【解決手段】基板1上に第1面内導体2を形成し、基板1に台形状の樹脂ブロック4を接着固定する。樹脂ブロック4の斜面4aに導体配線を形成し、層間接続導体5を第1面内導体2と導通するように形成する。基板1上に樹脂ブロック4の周囲と取り囲む樹脂層3を形成し、その上面に第2面内導体6を層間接続導体5の上端部と導通するように形成する。
【選択図】 図3
Description
本発明は配線基板の製造方法に関する。本発明における配線基板とは、少なくとも1つの樹脂層を有し、その下面の第1面内導体と上面の第2面内導体とを層間接続導体により接続した基板のことである。この樹脂層に部品が埋設されていてもよい。また、本配線基板を多層に積層したものや、本配線基板の上面又は下面に薄層(樹脂ブロックが埋設されていない)がビルトアップされている基板も含む。
近年、電子機器の小型化に伴い、ICやチップ部品等の回路部品を実装するための回路基板の小型化が求められている。これを受けて、回路基板内部に回路部品を埋設したモジュール、すなわち部品内蔵モジュールを作製することにより、モジュール製品の小型化を図ることが行われている。なかでも、絶縁樹脂層に回路部品が埋設された部品内蔵モジュールは軽量であり、かつセラミック基板のように高温焼成を伴わないため、内蔵する回路部品に制約が少ないという利点がある。
このような部品内蔵モジュールを製造する場合、部品内蔵層上下の電極間を電気的に接続するため、部品内蔵層にビア導体を形成することが行われている。このビアを形成する方法には、以下の2つがある。
―有底ビアの形成方法−
基板に配線パターン(ランドを含む)を形成した上で、ランドに部品を実装し、未硬化樹脂を部品上方から熱圧着することにより、部品を樹脂中に埋設する。その後、加熱して樹脂を完全硬化させて、樹脂層とした後、樹脂層にレーザーによりビアをあけ、めっきや導電性ペーストを充填してビア導体を形成する方法である。
基板に配線パターン(ランドを含む)を形成した上で、ランドに部品を実装し、未硬化樹脂を部品上方から熱圧着することにより、部品を樹脂中に埋設する。その後、加熱して樹脂を完全硬化させて、樹脂層とした後、樹脂層にレーザーによりビアをあけ、めっきや導電性ペーストを充填してビア導体を形成する方法である。
上述のように、ビアはランドを底面として持つ有底ビアである。このような有底ビアをレーザーにより形成する場合、レーザー照射された樹脂が熱溶解しながら、穴があいていく。そして底面にあるランドに到達するとレーザーは反射される。ただし、レーザー強度が強すぎると底面ランドを突き破り、逆にレーザー強度が弱すぎるとビアがあかない。このため、ビアを確実に形成するための厳密なレーザー強度調整が必要である。またレーザーエネルギーには分布があり、中心部のエネルギーが高くなっている。この影響でビア形状がテーパ状になるという問題がある。テーパ状のビアの場合、ビア底面の口径が小さくなるため、ビア底面での接続不良を防止するためにはビアの開口部の口径Dを大きくする必要がある。その結果、ビア間ピッチを狭ピッチ化できず、製品小型化の妨げになるという問題がある。
―穴あき樹脂によるビア形成方法−
前記方法とは異なり、特許文献1のように、所定の位置に予めビアを形成した樹脂シートを用意し、部品実装した基板の上方から熱圧着することにより、樹脂層にビアを形成することも可能である。この場合、有底ビア形成の時とは違い、レーザー強度の調整は必要なく、強いレーザー強度で穴をあけられる。このためビアはストレート形状となる。しかしながら、この穴あき樹脂シートに導電性ペーストを充填して、部品実装された基板に熱圧着で積層して、部品を樹脂中に埋設させるためには、未硬化樹脂を流動させる必要がある。これにより、ビア形状が変形したり、導電性ペーストが充填したビアからにじみ出るという問題がある。
前記方法とは異なり、特許文献1のように、所定の位置に予めビアを形成した樹脂シートを用意し、部品実装した基板の上方から熱圧着することにより、樹脂層にビアを形成することも可能である。この場合、有底ビア形成の時とは違い、レーザー強度の調整は必要なく、強いレーザー強度で穴をあけられる。このためビアはストレート形状となる。しかしながら、この穴あき樹脂シートに導電性ペーストを充填して、部品実装された基板に熱圧着で積層して、部品を樹脂中に埋設させるためには、未硬化樹脂を流動させる必要がある。これにより、ビア形状が変形したり、導電性ペーストが充填したビアからにじみ出るという問題がある。
特許文献2には、樹脂層にビアを形成する方法に代えて、接続部材を用いて部品内蔵層の上下の配線層を相互に接続するものが開示されている。すなわち、上側表面および下側表面ならびにこれらを接続する側面を有した絶縁性基体に、側面の少なくとも一部に側面配線部とその側面配線部と相互に接続する上側表面配線部、下側側面配線部を有する少なくとも1本の配線が形成された接続部材である。この接続部材は、基板のランドに実装される。
この場合には、1個の接続部材に多数の配線を形成できる利点があるが、製品毎に必要な接続本数に合わせた接続部材を製造する必要があり、多品種の接続を準備しなければならず、コスト上昇を招く。また、接続部材の下側表面に形成された配線と、この接続部材を実装する基板のランドとを電気的に接続する必要があり、接続本数が増えるに従い接続が困難になると共に、ランド導体配線パターンを微細化するのが難しい。このことから、上下配線層を接続する、いわゆるビア機能の高密度化が難しいという問題がある。
特許文献3には、基板内蔵用電子部品を兼ねる接続部材が開示されている。すなわち、絶縁性樹脂によるパッケージ体の端面部の表面に回路接続用の電極導体部を設け、パッケージ体の周面に両端面部を導通接続する層間導通用導体部を設け、これによりビア個数の削減と電子部品の高密度実装化を図るものが開示されている。
しかし、パッケージ体の表面に予め電極導体部と導通用導体部とを形成しておかなければならないので、特許文献2と同様に、接続本数に合わせたパッケージ体を製造する必要があり、多品種のパッケージ体を準備しなければならず、コスト上昇を招く。また、パッケージ体の下側表面に形成された導体部と、このパッケージ体を実装する基板のランドとを電気的に接続する必要がある。接続本数が増えるに従い接続が困難になると共に、ランド導体配線パターンを微細化するのが難しい。さらに、パッケージ体が基板内蔵用電子部品としての機能も有していることから、部品サイズが大きくなり、ビア機能の高密度化が難しいという欠点がある。
本発明の目的は、上述のような課題を解消できる配線基板の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、基板上に第1の面内導体を形成する第1の工程と、前記基板上に樹脂ブロックを固定する第2の工程と、前記基板に固定された樹脂ブロックの側面に、前記第1の面内導体と接続された上下方向に連続する層間接続導体を形成する第3の工程と、前記層間接続導体の上端部が露出するように、前記樹脂ブロックの周囲に樹脂層を形成する第4の工程と、前記樹脂層上に前記層間接続導体の上端部と接続された第2の面内導体を形成する第5の工程と、を備える配線基板の製造方法を提供する。
本発明では、第1の面内導体が形成された基板上に樹脂ブロックを固定する。基板としては、第1の面内導体がパターン形成されたプリント配線板を用いてもよいし、上面に第1の面内導体がパターン形成された転写板を用いてもよい。樹脂ブロックの固定方法としては、接着剤や接着シートを用いて接着固定してもよいし、未硬化の樹脂ブロックを熱圧着するなど、任意の方法を採用できる。固定にあたって、樹脂ブロックの下端部周縁が第1の面内導体にできるだけ近接するように固定するのがよい。樹脂ブロックの表面には層間接続導体が未だ形成されていないので、接続本数に合わせた樹脂ブロックを製造する必要がなく、多品種の樹脂ブロックを準備する必要がない。樹脂ブロックを基板に固定した後で、樹脂ブロックの側面に第1の面内導体と接続された上下方向に連続する層間接続導体を形成する。樹脂ブロックを固定した後で層間接続導体を形成するため、層間接続導体と第1の面内導体とが正確に対応するように樹脂ブロックを位置合わせする必要がなく、樹脂ブロックの固定作業が簡単になる。しかも、層間接続導体の形成と同時に第1の面内導体との接続も行われるので、作業工程が簡素化される。
層間接続導体を形成した後、層間接続導体の上端部が露出するように、樹脂ブロックの周囲に樹脂層を形成する。樹脂層の形成方法としては、例えば樹脂ブロックより厚みの厚い未硬化の樹脂層を準備し、この樹脂層を基板の上に熱圧着することにより、樹脂ブロックを樹脂層の中に埋設し、樹脂層の硬化後に樹脂層の表面を研削または研磨することにより層間接続導体の上端部を露出させてもよい。また、圧着段階で層間接続導体の上端部が露出するように厚み制御して、樹脂ブロックの周囲に樹脂層を圧着固定してもよい。樹脂層の形成後、樹脂層上に層間接続導体の上端部と接続された第2の面内導体を形成する。第2の面内導体の形成方法は、めっき法やスクリーン印刷法を用いてもよいし、インクジェット法を用いてもよい。さらに、第2の面内導体を底面に有する別の樹脂層を、前記樹脂層の上に圧着してもよい。第2の面内導体を形成することによって、樹脂層の両主面の面内導体が樹脂ブロックの層間接続導体によって相互に接続される。
樹脂ブロックの側面に層間接続導体を形成する際にはインクジェット法を用いることが好ましい。インクジェット法は非接触型の印刷法であるから、立体的な樹脂ブロックの側面にも簡単に層間接続導体を描画することができる。また、インクジェット印刷による配線描画によると上下の面内導体を接続する層間接続導体の配線パターンを微細にすることができる。このことから、ビア機能の集積度が向上する。また、インクジェット印刷の仕様範囲内であれば、層間接続導体の配線パターンを自由に描画できる(例えば斜め配線など)。このことから3次元配線の自由度が増し、配線基板を小型化できる。さらに、インクジェット印刷により配線幅や配線厚みを変化させることが可能であるため、電流容量に合わせた配線パターンを設計できる。このことから樹脂ブロックの個数を増やす必要がなく、配線基板を小型化できる。また、第1面内導体と第2面内導体との接続信頼性が向上する。
樹脂層としては、例えば熱硬化性樹脂のみからなる樹脂シートを用いてもよいし、無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む樹脂シートを用いてもよい。樹脂ブロックは、樹脂層と同じ材質で形成するのが好ましい。この場合には、樹脂ブロックと樹脂層との線膨張係数を等しくすることができ、温度変化による応力や歪みが発生しにくく、面内導体と層間接続導体との接続信頼性が向上する。基板としては、セラミック基板や樹脂基板などのプリント基板のほか、SUS板等の転写板であってもよい。転写板を用いた場合には、樹脂層の硬化後又は基板全体あるいはモジュール完成後に樹脂層から剥離すればよい。
好ましい実施の形態によれば、樹脂ブロックは、基板上に固定される面の方が対向する面よりも面積が大きく、側面に傾斜を有しているものがよく、その樹脂ブロックの傾斜した側面に層間接続導体を形成するのがよい。傾斜した側面があれば、基板と対向する上面からインクジェット法による導体描画が容易に行える。ただし、基板の角度やインクジェットノズルの向きを変えて斜め方向から行ったり、インクジェット法以外の方法で垂直面に導体描画可能な方法を採用するなど、導体描画の方法を工夫することで、垂直側面を持つ直方体形状や円柱形状の樹脂ブロックも使用できる。
好ましい実施の形態によれば、第3の工程において、層間接続導体を第1の面内導体に重なるように形成するのがよい。従来のように層間接続導体を予め形成した樹脂ブロックを基板上に実装する場合には、個々の層間接続導体と基板の第1の面内導体とが正確に接続されるように実装する必要があり、実装作業に高い精度が求められると共に、配線の微細化が難しい。これに対し、層間接続導体を持たない樹脂ブロックの場合、第1の面内導体の位置に厳密に合わせて実装しなくてもよい。第1の面内導体に合わせて後からインクジェット法により導体形成するので、両者の接続を確実に行うことができる。また後から導体を描画するため、インクジェット装置の描画精度に合わせて、導体配線の微細化ができ、ビア機能の高密度化が実現できる。さらに、第1の面内導体に重なるように層間接続導体を形成することによって、第1の面内導体と層間接続導体との接続信頼性を向上させることができる。
好ましい実施の形態によれば、第3の工程において、層間接続導体を樹脂ブロックの上面にまで連なるように形成するのがよい。この場合には、樹脂層を形成する際に、樹脂ブロックの上面に層間接続導体が露出するので、樹脂層の上面に形成される第2の面内導体と層間接続導体との接続面積が増え、接続信頼性が向上する。
好ましい実施の形態によれば、単一の樹脂ブロックの側面に、複数の層間接続導体を形成するのがよい。樹脂層に穴をあけ、ここに層間接続導体を充填する従来のビア形成方法の場合、1穴に対して1導体しか形成できない。これに対し、本発明では樹脂ブロックの側面を利用してインクジェット法により微細な層間接続導体を形成できるので、1個の樹脂ブロックに複数の層間接続導体を容易に形成でき、高密度なビア形成を実現できる。
好ましい実施の形態によれば、第4の工程において、樹脂層をインクジェット法により形成してもよい。樹脂層を形成するには、一般に未硬化樹脂つまり軟化状態又は半硬化状態(例えばBステージ)の樹脂を基板の上に重ねて熱圧着する方法が用いられるが、圧着時に樹脂が流動し、基板上に実装された部品が移動したり、接続が外れる可能性がある。これに対し、インクジェット法により樹脂層を形成する方法では、細かい液滴状の樹脂が基板上に積層されて樹脂層を形成するため、樹脂の流動がなく、基板上に実装された部品などに負荷がかからない。
好ましい実施の形態によれば、第4の工程において、樹脂ブロックより厚みの厚い樹脂層を形成した後、当該樹脂層の上面を研削または研磨することにより層間接続導体を露出させる方法を用いてもよい。樹脂層の硬化後に樹脂層を研削または研磨すると、樹脂層から層間接続導体の上端部が露出する。樹脂層の研削または研磨された上面に第2の面内導体を形成すると、層間接続導体と第2の面内導体とを確実に接続させることができる。樹脂層の表面と樹脂ブロックの上面とが面一であるから、第2の面内導体の形成方法として、めっき法、スクリーン印刷法、インクジェット法など種々の方法を採用でき、接続信頼性も高い。
好ましい実施の形態によれば、第4の工程において、樹脂ブロックより厚みの薄い樹脂層を形成してもよい。この構造はインクジェット法により樹脂層を形成することで実現できる。この場合には、樹脂層の表面が樹脂ブロックの上面より低い位置にあるが、インクジェット法を使用すれば、凹凸のある面でも層間接続導体と第2の面内導体とを簡単に接続させることができる。このように樹脂層を樹脂ブロックよりあえて低く形成しても、樹脂ブロック側面の層間接続導体と接続されるように樹脂層上面に第2の面内導体を形成することができる。これによって樹脂層の無駄を省ける上、基板あるいはモジュールを低背化させることができる。なお、樹脂層の表面から突出した樹脂ブロックの上面を研磨して面一状としてもよい。
また、第4の工程において、樹脂ブロックと同じあるいは厚く樹脂層を形成し、その後全体を研削または研磨することで、元の樹脂ブロックを薄くしてもよい。この場合、樹脂ブロックの上面に形成された層間接続導体は消失し、樹脂ブロック側面に形成された層間接続導体の研削または研磨された断面が露出する。この露出した層間接続導体に合わせて、インクジェット法により第2の面内導体を描画することで、容易に電気的接続が得られる。このようにすることで、基板あるいはモジュールをより低背化することができる。
好ましい実施の形態によれば、第1の工程の後、第1の面内導体に回路部品を実装する工程を含み、第4の工程において、樹脂層の中に樹脂ブロックと共に回路部品を埋設するようにしてもよい。この場合には、部品内蔵基板を簡単に形成できる。樹脂ブロックの埋設と回路部品の埋設とを同時に行うので、製造工程を簡素化できる。この場合、樹脂ブロックの厚みを回路部品の厚みより厚くするのがよい。
以上のように、本発明によれば、基板に樹脂ブロックを固定した後で、インクジェット法により樹脂ブロックの側面に層間接続導体を形成するため、基板の第1の面内導体が微細配線であっても、層間接続導体との接続が簡単かつ確実であり、ビア機能の高密度化が可能になる。また、層間接続導体パターンの異なる多種類の樹脂ブロックを準備する必要がなく、かつ高精度な実装作業が不要になり、製造コストを低減できる。さらに、層間接続導体を形成した後、層間接続導体の上端部が露出するように樹脂ブロックの周囲に樹脂層を形成し、樹脂層の上に層間接続導体の上端部と接続された第2の面内導体を形成することで、上下の面内導体を層間接続導体によって確実に接続することができる。
〔実施形態1〕
本発明に係る配線基板の第1実施形態について、図1〜図3を参照しながら説明する。
本発明に係る配線基板の第1実施形態について、図1〜図3を参照しながら説明する。
図1において、本配線基板Aは、基板1と、基板1の上に積層されたエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂よりなる樹脂層3と、樹脂層3中に埋設された樹脂ブロック4とを備えている。基板1の上面には複数の第1面内導体2がパターン形成されている。第1面内導体2の形成方法としては、基板1の上に貼り付けた銅箔をエッチングしてパターン形成してもよいし、めっき法、スクリーン印刷法、インクジェット法などを用いてパターン形成してもよい。基板1は、プリント基板のような樹脂基板、セラミック基板のほか、転写板を用いてもよい。転写板の場合には、基板1の上に樹脂層3を形成した後、樹脂層3から転写板1を剥離して第1面内導体2を樹脂層3に転写すればよい。
樹脂ブロック4は、図2に示すように基板1に対して底面が接着固定されている。この樹脂ブロック4は基板1に固定される面の方が、対向する面よりも面積が大きく、側面には傾斜を有したものである。図2では一例として角錐形状を示している。樹脂ブロック4は絶縁性樹脂で一体成形されたものであり、望ましくは樹脂層3と同じ材質で形成するのがよい。樹脂ブロック4は、図2のように4つの斜面4aを有する角錐台形状に限らず、円錐台形状など、上側表面の方が下側表面よりも面積が小さく、側面に少なくとも1つの斜面を有しているものであればよい。樹脂ブロック4の側面つまり斜面4aには、インクジェット法により上下方向に連続する複数の層間接続導体5が形成されている。層間接続導体5は導電ペーストをインクジェットプリンタにより噴射して配線描画した後、当該導電ペーストを焼成したものである。層間接続導体5の下端部5aは第1面内導体2の上に重なるように形成され、第1面内導体2と電気的に接続されている。層間接続導体5の上端部5bは樹脂ブロック4の上面4bまで連なるように形成されている。樹脂ブロック4の上面4bは樹脂層3の上面とほぼ面一状に形成されており、樹脂層3の上面には、層間接続導体5の上端部5bと接続される第2面内導体6がパターン形成されている。このように、樹脂層3にレーザー加工などでビアを形成しなくても、第1面内導体2と第2面内導体6とを層間接続導体5を介して接続できる。
ここで、配線基板Aの製造方法の一例について、図3を参照しながら説明する。なお、図3では単一の配線基板Aの製造方法について説明するが、実際の製造工程では親基板状態の配線基板が作製され、その後で子基板状態にカットされる。
図3の(a)は第1工程であり、基板1の上面に第1面内導体2をパターン形成する。基板1としては樹脂からなるプリント基板やセラミック基板でもよいが、SUS等の金属板よりなる転写板を用いてもよい。図3の(b)は第2工程であり、第1面内導体2近傍の基板1上に樹脂ブロック4を固定する。固定方法としては、接着剤又は接着シートを用いて固定してもよいし、樹脂ブロック4が未硬化状態の樹脂である場合には、熱圧着してもよい。樹脂ブロック4は第1面内導体2の一部を覆うように実装してもよい。
図3の(c)は第3工程であり、基板1に固定された樹脂ブロック4の上から、インクジェットプリンタ7を用いて導電ペーストを噴射し、樹脂ブロック4の上面4bから斜面4aを介して第1面内導体2まで連続的に塗布する。導電ペーストを塗布した後、焼成することにより、層間接続導体5が形成される。層間接続導体5の下端部5aは第1面内導体2の上に形成されており、上端部5bは樹脂ブロック4の上面4bに形成されている。
図3の(d)は第4工程であり、層間接続導体5を形成した基板1の上に未硬化の樹脂層3を重ねて熱圧着する。樹脂層3を熱圧着すると、軟化した樹脂が基板1の表面や樹脂ブロック4の表面に密着し、樹脂ブロック4の周囲に樹脂層3が形成される。その後、樹脂層3を完全に熱硬化させる。樹脂層3は、例えば無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含有する未硬化のシート又は無機フィラーを含まない熱硬化性樹脂からなる未硬化のシート、さらにはプリプレグを用いることができる。なお、未硬化状態とは、半硬化(例えばBステージ)状態あるいはそれより柔らかい状態のことを指す。
なお、図3の(d)では樹脂層3の上面と樹脂ブロック4の上面とが面一状であり、樹脂層3の表面に層間接続導体5の上端部5bが露出している。樹脂層3の形成段階においては、樹脂ブロック4が樹脂層3の中に完全に埋没するようにし、その後で樹脂層3の表面を研磨することにより、層間接続導体5の上端部を樹脂層3の表面から露出させてもよい。また、樹脂層3の研削または研磨時、樹脂ブロック4の上部も同時に研磨することにより、層間接続導体5が樹脂ブロック4の斜面に露出するようにしてもよい。樹脂層3の研磨は、グラインダやラップ盤などの公知の研削または研磨装置によって簡単に実施できる。なお、樹脂層3の圧着時に、樹脂層3の上面と樹脂ブロック4の上面とが面一状となるように厚み出し制御により形成してもよい。
図3の(e)は第5工程であり、層間接続導体5の上端部5bが露出した樹脂層3の表面に第2面内導体6をパターン形成した状態を示す。第2面内導体6の形成方法としては、層間接続導体5と確実に接続できる方法であれば、めっき法、スクリーン印刷法、インクジェット法など任意の方法を用いることができる。このようにして、本配線基板Aを完成する。
〔実施形態2〕
次に、本発明を用いた部品内蔵モジュールの製造方法について、図4,図5を参照しながら説明する。図4は製造工程の前半、図5は製造工程の後半を示す。
次に、本発明を用いた部品内蔵モジュールの製造方法について、図4,図5を参照しながら説明する。図4は製造工程の前半、図5は製造工程の後半を示す。
図4の(a)は、第1面内導体11をパターン形成した基板の一例である転写板10を準備した様子を示す。なお、第1面内導体11はCuめっき、Cu箔エッチング、インクジェット印刷などで形成することができる。
図4の(b)は、第1面内導体11上に回路部品12を実装すると共に、樹脂ブロック14を接着固定した状態を示す。回路部品12はバンプ13やはんだ印刷工法などを用いて実装される。樹脂ブロック14は断面が台形状の樹脂部品であり、その底面が接着剤15、接着シート、粘着シート等を用いて転写板10に固定される。なお、実装方法及び固定方法は、後述する樹脂層の圧着時の加熱/加圧状態でも回路部品12及び樹脂ブロック14の実装状態が保持されていれば、任意に選定できる。
図4の(c)は、インクジェット印刷により樹脂ブロック14の斜面、または上面と斜面両方に層間接続導体16を描画する様子を示す。このとき、併せて転写板10上の第1面内導体11上にも連続的に描画して電気的接続を取る。
図4の(d)は、転写板10上に未硬化の絶縁樹脂を熱圧着し、回路部品12や樹脂ブロック14を樹脂層17に埋設する。なお、ここでは樹脂層17の厚みを回路部品12や樹脂ブロック14の厚みより厚くしたが、樹脂ブロック14の上面に形成した層間接続導体16の上端部が露出するように、樹脂層17の厚みを制御してもよい。
図4の(e)は、樹脂ブロック14の上面に形成した層間接続導体16の上端部が露出するまで、樹脂層17の上面をグラインダなどの研削/研磨工法によって研磨した様子を示す。これによって層間接続導体16が表面に露出する。なお、回路部品12の高さが樹脂ブロック14より低いので、回路部品12は樹脂層17から露出しない。
図5の(a)は、樹脂層17の硬化後に転写板10を剥離した状態を示す。この状態において、樹脂層17の底面には第1面内導体11が露出する。
図5の(b)は、樹脂層17の上面に第2面内導体18をパターン形成した状態を示す。第2面内導体18の形成方法としては、めっき法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法などを用いることができる。その際、第2面内導体18と層間接続導体16の上端部とが接続されるように、第2面内導体18を形成する。
図5の(c)は、第2面内導体18の上に回路部品19,20,21を実装すると共に、これら回路部品を埋設するように樹脂層17の上に樹脂層22を形成し、樹脂層17の下に複数の配線層23,24をビルドアップ積層して、部品内蔵モジュールBとしたものである。樹脂層22及び配線層23,24の形成方法は樹脂層17と同様であってもよい。なお、配線層23,24の間及び配線層24の下面にはそれぞれ層間電極25、下面電極26が形成され、第1面内導体11、層間電極25、下面電極26を相互に接続するためのビア27,28が配線層23,24にそれぞれ形成されている。
〔実施形態3〕
図6は本発明を用いた部品内蔵モジュールの他の製造方法を示し、第2実施形態における製造工程を一部変更したものである。第2実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
図6は本発明を用いた部品内蔵モジュールの他の製造方法を示し、第2実施形態における製造工程を一部変更したものである。第2実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
図6の(a)は、図5の(a)における樹脂層17を研削または研磨するにあたって、樹脂ブロック14と回路部品12の一部も同時に研磨したものである。なお、回路部品12を研削または研磨する必要は必ずしもない。そのため、樹脂ブロック14の上面に形成された層間接続導体16の上端部が除去され、側面に形成された層間接続導体16の断面が露出する。
図6の(b)は、研削または研磨後の樹脂層17の上に第2面内導体18をパターン形成した状態を示す。第2面内導体18と研削または研磨によって露出した層間接続導体16の断面とが接続される。
図6の(c)は、図5の(c)と同様に、樹脂層17の上に部品内蔵層22を形成すると共に、配線層23,24をビルドアップ積層して、部品内蔵モジュールCとしたものである。
この実施形態の場合、樹脂層17だけでなく、樹脂ブロック14及び回路部品12も部品特性に影響を与えない厚みまで研削/研磨することによって、部品内蔵層17を薄型化できる。また、樹脂ブロック14の側面にインクジェット印刷で形成した層間接続導体16の研削/研磨断面が必ず露出するので、研磨断面と樹脂層17の上面に形成される第2面内導体18とを接続することで、確実な電気的接続が可能になる。第2実施形態の場合、層間接続導体16の上端部の高さにバラツキがあると、研削量または研磨量の設定が難しくなるが、第3実施形態では層間接続導体16の上端部の高さを揃える必要がないので、研削量または研磨量の設定が簡単になる。
樹脂ブロックの形状としては、図2に示すような角錐台形に限るものではなく、図7のような種々の形状を採用できる。図7の(a)は円錐台形の樹脂ブロック30、(b)は平面視L型の樹脂ブロック31、(c)は枠型(ロ字形)の樹脂ブロック32の例である。そのほか、平面視コ字形など如何なる形状の部品であってもよい。いずれの場合も、少なくとも1つの斜面30a,31a,32aを有するので、これら斜面に対してインクジェット法による層間接続導体の形成が簡単であり、かつ多数の層間接続導体を形成できるので望ましい。
A 配線基板
B,C 部品内蔵モジュール
1 基板
2 第1面内導体
3 樹脂層
4 樹脂ブロック
5 層間接続導体
5a 下端部
5b 上端部
6 第2面内導体
7 インクジェット装置
10 基板(転写板)
11 第1面内導体
12 回路部品
14 樹脂ブロック
15 接着剤
16 層間接続導体
17 樹脂層
18 第2面内導体
B,C 部品内蔵モジュール
1 基板
2 第1面内導体
3 樹脂層
4 樹脂ブロック
5 層間接続導体
5a 下端部
5b 上端部
6 第2面内導体
7 インクジェット装置
10 基板(転写板)
11 第1面内導体
12 回路部品
14 樹脂ブロック
15 接着剤
16 層間接続導体
17 樹脂層
18 第2面内導体
Claims (11)
- 基板上に第1の面内導体を形成する第1の工程と、
前記基板上に樹脂ブロックを固定する第2の工程と、
前記基板に固定された樹脂ブロックの側面に、前記第1の面内導体と接続された上下方向に連続する層間接続導体を形成する第3の工程と、
前記層間接続導体の上端部が露出するように、前記樹脂ブロックの周囲に樹脂層を形成する第4の工程と、
前記樹脂層上に前記層間接続導体の上端部と接続された第2の面内導体を形成する第5の工程と、を備える配線基板の製造方法。 - 前記第3の工程において、前記層間接続導体はインクジェット法により形成することを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。
- 前記樹脂ブロックは、前記基板上に固定される面が対向する面よりも面積が大きく、前記第3の工程において、前記樹脂ブロックの傾斜した側面に前記層間接続導体を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板の製造方法。
- 前記樹脂ブロックは前記樹脂層と同じ材料で形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
- 前記第3の工程において、前記層間接続導体を前記第1の面内導体に重なるように形成することを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の配線基板の製造方法。
- 前記第3の工程において、前記層間接続導体を前記樹脂ブロックの上面にまで連なるように形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
- 単一の前記樹脂ブロックの側面に、複数の層間接続導体を形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
- 前記第4の工程において、前記樹脂層をインクジェット法により形成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
- 前記第4の工程において、前記樹脂ブロックより厚みの厚い樹脂層を形成した後、当該樹脂層の上面を研削又は研磨することにより前記層間接続導体を露出させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
- 前記第4の工程において、前記樹脂ブロックより厚みの薄い樹脂層を形成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
- 前記第1の工程の後、前記第1の面内導体に回路部品を実装する工程を含み、
前記第4の工程において、前記樹脂層の中に前記樹脂ブロックと共に前記回路部品を埋設することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
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