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JP2011047977A - 電気光学装置、および電子機器 - Google Patents

電気光学装置、および電子機器 Download PDF

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JP2011047977A JP2009193941A JP2009193941A JP2011047977A JP 2011047977 A JP2011047977 A JP 2011047977A JP 2009193941 A JP2009193941 A JP 2009193941A JP 2009193941 A JP2009193941 A JP 2009193941A JP 2011047977 A JP2011047977 A JP 2011047977A
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Abstract

【課題】狭額縁化を実現し、タイリング方式に好適な電気光学装置を提供すること。
【解決手段】表示パネル18を構成する2枚のガラス基板の厚さは、周縁部にマイクロクラックが発生していない状態で、それぞれ50μm以下に設定されていることから、当該パネルを略直角に折り曲げることが可能となっている。そして、表示パネル18は、表示領域Vの背面が支持枠50の表面に支持された状態で、各辺の額縁領域Fが表示領域Vの周縁部近傍から支持枠50側に折り曲げられ、支持枠50の側面に固定されている。つまり、額縁領域Fが支持枠50側に折り曲げられているため、当該額縁領域の平面的な長さが短くなる。さらに、4辺における額縁領域Fを全て折り曲げる構成としているため、タイリング方式に好適である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気光学装置、および当該電気光学装置を備えた電子機器に関する。
自発光デバイスである有機EL(Electro Luminescence)表示装置は、バックライトなどの照明装置を必要とする液晶表示装置よりも薄型化が容易であるため、その薄さと、軽さとを利用した様々な用途が提案されている。
例えば、特許文献1には、100μm以下にまで薄型化した2枚のガラス基板間に有機EL層を挟持した有機EL表示装置が提案されている。当該表示装置によれば、バリア性に優れた2枚のガラス基板間に有機EL層を挟持する構成としたことにより、有機EL層への水分の浸入を抑制し、耐久性を高めることができるとしている。また、ガラス基板を薄型化したことにより可撓性を持たせることができるとしている。
また、特許文献2には、同様にガラス基板を薄型化して、可撓性を実現した液晶表示装置が開示されている。当該文献によれば、ノートや手帳などに薄型の液晶表示装置を綴じ込んで使用する際に、落下や、曲げなどの外力が加わった場合でも、可撓性を生かして当該外力を逃がすことができるため、割れなどの致命的な損傷を防止できるとしている。また、当該液晶表示装置の可撓性は、これらの記載、および図面の態様などからして、全体をしならせる程度の柔軟性であると推測される。
このような表示装置では、表示領域に形成された複数の画素を表示駆動するための駆動回路や、配線を表示領域の周縁部、いわゆる額縁領域に形成していた。
また、有機EL表示装置の場合は、ガラス基板の周縁部からの水分浸入を防止するために、額縁領域を長くしてシール剤を十分に充填していた。換言すれば、額縁領域をバリア層としても機能させて信頼性(寿命)確保していた。
他方、市場のニーズとしては、狭額縁化が求められていた。これは、表示装置が組み込まれる電子機器では、額縁領域が長いと、その分電子機器の平面サイズが大きくなってしまうからである。また、狭額縁化した表示装置を複数枚並べて、所望のアスペクト比とサイズとを実現できる、いわゆるタイリング方式に対応可能な表示装置のニーズもあった。
特開2005−19082号公報 特許第4131639号公報
しかしながら、従来の表示装置では、狭額縁化を実現することは困難であるという課題があった。詳しくは、狭額縁化と信頼性の確保とは、トレードオフの関係にあり、額縁領域を短くすると信頼性の確保が難しく、他方、一定の額縁領域の長さを確保すると狭額縁にならないという課題があった。換言すれば、従来の表示装置では、信頼性の確保と、狭額縁化とを両立することが困難であるという課題があった。また、表示装置が可撓性を有していたとしても、それによって、額縁領域が短くなる訳ではないため、やはり、狭額縁化を実現することは困難であった。
また、額縁領域が長いと、タイリングを行っても当該額縁領域が障害となって、シームレスな表示を実現することが困難となり、十分な表示品質を得ることが難しかった。換言すれば、継ぎ目を抑制した表示を実現することが可能なタイリング方式に対応した表示装置は提案されていないという課題があった。
また、特許文献2のように、表示装置全体をしならせる程度の可撓性を備えていたとしても、その用途としては、ノートや手帳などへの綴じ込み用途位しか想到されず、可撓性を十分に生かしているとはいい難いものであった。換言すれば、従来の表示装置は、薄型の表示装置に単に可撓性を付け加えただけに過ぎず、可撓性を有するが故の新たな用途を提案するものではなかった。
つまり、可撓性を有することによる有効な用途が見当たらないという課題があった。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例又は形態として実現することが可能である。
(適用例)
複数の画素が形成された表示領域を含む電気光学層を厚さが50μm以下のガラス基板上に形成してなる表示パネルと、平面的なサイズが表示領域と略同じに形成され、表示パネルを支持する支持枠と、を備え、表示パネルは、表示領域の一辺ごとに、一辺から表示領域の外側に張出した額縁領域を有し、額縁領域の各々は、表示領域の周縁部近傍から支持枠側に折り曲げられ、支持枠の側面に固定されていることを特徴とする電気光学装置。
発明者等が行った種々の実験結果からの知見によれば、周縁部にマイクロクラックが発生していない状態で、ガラス基板の厚さを50μm以下とすることにより、直角状態に近い曲げを実現できることが解った。なお、直角状態に近い曲げとは、曲げによる角Rは存在するものの巨視的には、略直角に折り曲げられていると見なせる態様のことをいう。本適用例は、この知見に基づき、創意工夫の末に導出したものであり、この可撓(屈曲)性を生かして、狭額縁化を実現し、タイリング方式に好適な表示装置を提案するものである。
この電気光学装置によれば、電気光学層が形成されたガラス基板の厚さが50μm以下に設定されているため、表示パネルを略直角に折り曲げることが可能となっている。
そして、表示パネルにおける額縁領域の各々は、表示領域の周縁部近傍から支持枠側に折り曲げられ、支持枠の側面に固定されている。
つまり、各額縁領域が支持枠側に折り曲げられているため、当該額縁領域の平面的な長さは短くなる。
従って、狭額縁化を実現した電気光学装置を提供することができる。
また、額縁領域を折り曲げる構成としているため、額縁領域の長さを信頼性確保に必要な長さとすることができる。
従って、信頼性の確保と、狭額縁化とを両立することが可能な電気光学装置を提供することができる。
また、表示パネルに略直角に近い折り曲げが可能な可撓性を持たせることにより、潜在的に市場ニーズの高かった狭額縁化を実現することができる。
従って、可撓性を有することによる電気光学装置の有効な用途を提案することができる。換言すれば、可撓性を利用して、狭額縁化を実現した電気光学装置を提供することができる。
さらに、狭額縁化を実現したことにより、タイリングした際にシームレスな表示を実現することができる。よって、継ぎ目が抑制された十分な表示品質を得ることができるタイリング方式に好適な表示装置を提供することができる。
また、支持枠と、表示領域は、平面的に略同じ面積で形成されていることが好ましい。
また、支持枠は、金属製の板状部材であり、厚さが2mm以上であることが好ましい。
また、支持枠における表示パネル側の面には、表示パネルを固定するための第1接着層が配置されるとともに、支持枠の側面には、額縁領域を固定するための第2接着層が配置されていることが好ましい。
また、額縁領域の折り曲げられた部分には、所定の曲率を有する切欠き部が形成されていることが好ましい。
また、支持枠の側面に折り曲げられた部分を外側から押さえ付けるテープ部材、またはベゼルをさらに備えることが好ましい。
複数の画素が形成された表示領域を含む電気光学層を厚さが50μm以下のガラス基板上に形成してなる表示パネルと、表示パネルを支持する支持枠と、を備え、表示パネルは、表示領域の一辺ごとに、一辺から表示領域の外側に張出した額縁領域を有し、支持枠における表示パネル側の面を表面、表面の反対側の面を裏面としたときに、額縁領域の各々は、表示領域の周縁部近傍から支持枠の裏面側に折り返されていることを特徴とする電気光学装置。
また、支持枠の表面には、表示パネルを接着して支持するための第1接着層が設けられるとともに、裏面には、折り返された一辺を接着するための第3接着層が設けられ、折り返し部分におけるガラス基板の曲げ半径は、支持枠の厚さに第1接着層と第3接着層との厚さを加えた厚さの半分と、略同じ半径となっていることが好ましい。
また、ガラス基板を第1基板としたときに、表示パネルは、第1基板と略同じ厚さのガラス基板からなる第2基板をさらに有し、電気光学層は、第1基板と第2基板との間に挟持されていることが好ましい。
また、表示パネルを第1基板側、および第2基板側から覆い、ラミネートする樹脂フィルムを、さらに備えることが好ましい。
また、表示パネルの額縁領域には、複数の画素を表示駆動するための駆動回路を含む画素回路が形成されており、折り曲げられた部分、または折り返されて曲げられた部分には、画素と画素回路とを接続するための配線部が形成されていることが好ましい。
また、折り曲げられる、または折り返される額縁領域の長さは、2mm以上確保されていることが好ましい。
また、電気光学層は、有機発光層を含む有機EL層であることが好ましい。
上記記載の電気光学装置を表示部として備えたことを特徴とする電子機器。
上記記載の電気光学装置を複数枚有し、複数の電気光学装置をタイリングした表示部を備えることを特徴とする電子機器。
上記記載の電気光学装置を複数備えた電子機器であって、ベゼルを側面における表示パネル側である上側に配置した第1電気光学装置と、ベゼルを側面における上側の反対側の下側に配置した第2電気光学装置と、をそれぞれ複数有し、第1電気光学装置と第2電気光学装置とを並べたときに、それぞれのベゼルが平面方向において重ならないように配置されており、第1電気光学装置と、第2電気光学装置とが交互となるようにタイリング配置してなる表示部を備えたことを特徴とする電子機器。
(a)実施形態1に係る表示装置の一態様を示す平面図、(b)は(a)のe−e断面における側断面図、(c)は(b)におけるi部の拡大図。 表示パネルの平面図。 図2のj−j断面における側断面図。 ガラス基板の厚さと許容曲げ半径(R)との相関関係を示したグラフ図。 電子機器としての第1のマルチディスプレイ装置の一態様を示す斜視図。 (a)実施形態2に係る表示装置の一態様を示す平面図、(b)背面図。 表示パネルの平面図。 (a)は図6(a)のs−s断面における側断面図、(b)は(a)におけるl部の拡大図。 (a)実施形態3に係る表示パネルの一態様を示す平面図、(b)ラミネート工程の製造態様図。 (a)図9(a)のn−n断面における側断面図、(b)ラミネート構造体の作用説明図。 電子機器としての車載メーターを示す平面図。 (a)電子機器としての第2のマルチディスプレイ装置の一態様を示す斜視図、(b)表示装置の側断面図、(c)は(a)のq−q断面における側断面図。 変形例1に係る表示パネルの側断面図。 変形例3に係る表示パネルの側断面図。 (a)変形例4に係る表示パネルの平面図、および当該表示パネルを備えた表示装置のタイリング態様図、(b)異なる形態の表示パネルの平面図、および当該表示パネルを備えた表示装置のタイリング態様図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部位を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部位の縮尺を実際とは異ならしめてある。
(実施形態1)
「表示装置の概要」
図1(a)は、本実施形態に係る表示装置の一態様を示す平面図であり、(b)は(a)のe−e断面における側断面図である。図1(c)は、(b)におけるi部の拡大図である。
まず、本発明の実施形態1に係る電気光学装置としての表示装置100の概要について説明する。
表示装置100は、有機EL表示装置であり、支持枠50と、当該支持枠にセットされた表示パネル18とから構成されている。表示パネル18は、十分に薄型化された一対のガラス基板間に有機EL層を挟持した有機ELパネルであり、略直角に近く曲げることが可能な可撓性を有している。なお、ガラス基板の厚さや、可撓性については後述する。
表示パネル18は、マトリックス状に配置された複数の画素からなる表示領域Vを備えている。表示領域Vには、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色画素が周期的に配置されており、各画素が出射する表示光によりフルカラーの画像が表示される。なお、カラー表示を行う表示パネルに限定するものではなく、モノクロ表示を行う表示パネルであっても良い。表示領域Vは、好適例として略正方形をなしており、図1(a)を正対したときにおける、紙面の縦方向をY軸方向とし、横方向をX軸方向と定義している。なお、正方形に限定するものではなく、例えば、長方形などのように、表示領域Vを隣り合わせて並べたときに、略隙間なく並べることが可能な形状であれば良い。
また、表示パネル18の厚さ方向をZ軸方向としている。また、Y軸(+)、(−)方向を上下方向とし、X軸(−)、(+)方向を左右方向としている。
ここで、図1(a)に示すように、表示装置100の外形は、平面視において表示領域Vの正方形と略同じ態様となっている。詳しくは、表示領域Vの各辺からそれぞれ額縁領域Fが長さk2ずつ張出しているものの、当該張出し長さが僅かであるため、実質的には表示領域Vの正方形と略同様に観察されている。
これは、図1(b)、(c)に示すように、表示パネル18の各辺の額縁領域Fをそれぞれ支持枠50側(Z軸(+)側)に折り曲げたことにより実現している。詳しくは、各額縁領域Fは、辺ごとに、表示領域Vの周縁部からZ軸(+)側に折り曲げられ、支持枠50の側面に接着層61により固定されている。なお、下辺の額縁領域Fについては、支持枠50の側面に折り曲げられた後、さらに支持枠50の裏面に折り曲げられている。ここで、折り曲げた状態とは、表示パネル18の表示領域Vの背面が支持されたX軸方向の基準面に対して0度以上で曲げることを折り曲げた状態とする。
また、このように額縁領域Fを折り曲げることにより、平面的な額縁領域の長さを短くすることを狭額縁化という。
このようにして、額縁領域Fの各辺を略直角に近い角度で折り曲げることにより、表示パネル18の全周における狭額縁化が図れるため、表示装置100はタイリング用途に好適である。
「表示パネルの詳細な構成」
図2は、表示パネルの平面図であり、図1(a)に対応している。
続いて、表示パネル18の詳細な構成について、図1および図2を用いて説明する。
図2は、単品状態における表示パネル18の平面図であり、全ての辺(4辺)における額縁領域Fを伸ばした状態となっている。換言すれば、支持枠50にセットする前の平板状の表示パネル18の形状を示している。
表示パネル18は、共にガラス基板からなる素子基板1と対向基板とを貼り合せた構成となっており、表示領域Vの各辺からは、辺ごとに、表示領域Vの外側に張出した額縁領域Fが形成されている。換言すれば、表示領域Vの周囲には、表示領域Vの各辺を1辺とした長方形状の額縁領域Fが4つ形成されている。また、表示領域Vの4隅(角)の部分には、各額縁領域Fを区画するようにL字状に切り欠かれており、当該切り欠き部の角には、所定の曲率半径を有する角アールRaが形成されている。角アールRaは、例えば、半径約1.0mmに設定されている。
なお、本実施形態では、表示領域Vの外側で、かつ、素子基板1と対向基板とが重なっている部分を額縁領域Fと定義している。
図2に示すように、初期状態においては、上辺、および左右の辺における額縁領域Fの長さは、3辺共に長さk1で同一に設定されている。このうち、左右の2辺を折り曲げて、表示パネル18を支持枠50にセットすると、図1(a)に示すように、左右の2辺における平面的な長さは、共に長さk2となる。なお、上辺についても、同様に長さk2となる。
また、初期状態における下辺の額縁領域Fの長さは、長さk1よりも長い長さk5に設定されている。これは、前述した通り、下辺の額縁領域Fは、支持枠50の裏面に折り返されるため、その分長く設定されているからである。また、当該額縁領域を支持枠50の裏面に折り返えすと、図1(a)に示すように、平面的な長さは、他辺と同様に長さk2となる。
なお、図2において表示パネル18の各辺に沿ってドットハッチで示した部分は、支持枠50にセットする際の折り曲げにともない湾曲する部分であり、湾曲エリアmとしている。
また、下辺の額縁領域Fの下方向(Y軸(−)側)の端部には、素子基板1が対向基板から張出した張出し領域が形成されている。
張出し領域には、フレキシブル基板20が接続されている。なお、フレキシブル基板とは、例えば、ポリイミドフィルムの基材に鉄箔の配線などが形成された柔軟性を有するフレキシブルプリント回路基板の略称である。また、フレキシブル基板20には、駆動用IC(Integrated Circuit)21が実装され、その端部には、専用のコントローラーや、外部機器(いずれも図示せず)と接続するための複数の端子22が形成されている。
表示パネル18は、フレキシブル基板20を介して、外部機器から電力や画像信号を含む制御信号の供給を受けることにより、表示領域Vに画像や文字などを表示する。
図3は、図2の表示パネル18におけるj−j断面における側断面図である。
表示パネル18は、素子基板1、素子層2、平坦化層4、画素電極6、隔壁7、有機EL層8、共通電極9、電極保護層10、緩衝層11、ガスバリア層12、充填剤13、CF層14、対向基板16などから構成されている。また、素子基板1と対向基板16とに挟持された部位のことを電気光学層としての機能層17という。換言すれば、素子層2からCF層14までの積層構造を機能層17という。
素子基板1は、透明な無機ガラスから構成されている。本実施形態では、好適例として、無アルカリガラスを用いている。
素子層2には、各画素をアクティブ駆動するための画素回路が形成されている。画素回路には、TFT(Thin Film Transistor)からなる画素を選択するための選択トランジスターや、有機EL層8に電流を流すための駆動トランジスター3などが含まれており、画素ごとに対応して形成されている。なお、画素回路は、好適例として、活性層に低温ポリシリコンを用いているが、アモルファスシリコンを活性層として用いた構成であっても良い。
素子層2の上層(Z軸(−)方向)には、例えば、アクリル樹脂などからなる絶縁層である平坦化層4が形成されている。
平坦化層4の上層には、画素ごとに区画されて、反射層5と、画素電極6とがこの順番で積層されている。反射層5は、例えば、アルミニウムなどからなる反射層であり、有機EL層8から素子基板1側に向かう光を反射して、表示に寄与する光にする。
画素電極6は、ITO(Indium Tin Oxide)や、ZnOなどの透明電極から構成されており、画素ごとに素子層2の駆動トランジスター3のドレイン端子と平坦化層4を貫通するコンタクトホールにより接続されている。
隔壁7は、光硬化性の黒色樹脂などから構成され、平面的に各画素を格子状に区画している。なお、素子層2における駆動トランジスター3を含む画素回路は、光による誤動作を防止するために、平面的に隔壁と重なるように配置されている。
有機EL層8は、画素電極6、および隔壁7を覆って形成されている。また、図3においては一層の構成となっているが、実際は、それぞれが有機物の薄膜からなる正孔輸送層、発光層、電子注入層などから構成されており、画素電極6上にこの順番に積層されている。正孔輸送層は、芳香族ジアミン(TPAB2Me−TPD,α−NPD)などの昇華性の材料から構成されている。発光層は、赤、緑、青の3色を組み合わせて形成される白色光を放射する多層からなる有機発光材料薄膜から構成されている。電子注入層は、LiF(フッ化リチウム)などから構成されている。
共通電極9は、MgAgなどの金属を、光を透過するようにごく薄く成膜した金属薄膜層である。さらに、抵抗を下げるため、ZnOなどの金属酸化物やTiNなどの金属窒化物層など透明導電膜を積層しても良い。
電極保護層10は、SiO2や、Si34、SiOxNyなどの透明で、かつ、高密度により水分を遮断する機能を有する材質から構成されている。
緩衝層11は、熱硬化性のエポキシ樹脂などの透明な有機緩衝層である。
ガスバリア層12は、SiO2や、Si34、SiOxNyなどの透明で、かつ、高密度により水分を遮断する機能を有する封止層であり、有機EL層8への水分の浸入を防止する機能を担う。
充填剤13は、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂などからなる透明な接着層であり、ガスバリア層12とCF層14との間の凹凸面に充填されるとともに、両者を接着する。また、外部から、有機EL層8への水分の浸入を防ぐ機能も果たす。
対向基板16は、素子基板1と同様な無機ガラスから構成されており、有機EL層8側(Z軸(+)側)には、CF層14が形成されている。
CF層14には、赤色カラーフィルター14r、緑色カラーフィルター14g、青色カラーフィルター14bが画素配置と同様に配置されている。詳しくは、各色のカラーフィルターは、それぞれが対応する画素電極6と重なるように配置されており、各カラーフィルター間には、ハッチングで示した遮光部が形成されている。遮光部は、平面的に隔壁7と重なるように格子状に形成されており、光学的には、ブラックマトリックスの機能を果たす。
そして、対向基板16と素子基板1とは、対向基板16の周縁部に形成されたシール剤15によって接着および封止されている。シール剤15としては、エポキシ系の接着剤や、紫外線硬化樹脂などを用いる。つまり、額縁領域Fには、シール剤15が充填されている。なお、図2における表示領域Vと4隅の角アールRaとの間にも、シール剤15が充填されている。
ここで、有機EL層8を含む機能層17は、その表面を無機物からなるガスバリア層12で覆った上に、バリア性に優れたガラス基板からなる素子基板1と対向基板16とにより挟持した構成であるため、厚さ(Z軸)方向からの水分浸入に対するバリア性は高い。
他方、表示パネル18の周縁部からの水分浸入を防止するバリア構成(層)は、シール剤15と、ガスバリア層12とを主体としたものとなるため、シール剤15の充填長さが長い方がバリア性を高めることができる。換言すれば、額縁領域Fの長さに応じて、表示パネル18の信頼性(寿命)が決定付けられる。
また、額縁領域Fには、複数の画素を表示駆動する際に用いられるシフトレジスター、および検査回路を含む回路部nと、当該回路部と画素回路を結ぶ配線部などが形成されている。なお、回路部nや配線部は、画素回路と同様なプロセスにより、素子基板1に作りこまれている。
ここで、各辺における額縁領域Fでは、湾曲エリアmに配線部が形成され、当該エリアを除いた領域に回路部nが形成されている。換言すれば、配線部が形成された湾曲エリアmの外側に回路部nが形成されている。
なお、図2において、湾曲エリアmが表示領域Vの内部にまで掛かっているのは、表示領域Vの内周部においても、当該エリア内には、駆動トランジスター3などの画素回路が配置されないようにレイアウトされているからである。
図3に戻る。
このように構成された各画素からは、カラーフィルターの色調に対応した表示光が出射される。例えば、赤色画素の場合、有機EL層8で放射された白色光は、赤色カラーフィルター14rによって赤色光が選択されて、赤色の表示光として対向基板16から出射される。また、緑色、青色の画素においても同様である。
これにより、表示領域Vでは、対向基板16から出射される複数のカラー画素からの表示光によりフルカラーの画像が表示されることになる。
なお、表示パネル18の構成は、トップエミッション型に限定するものではなく、2枚のガラス基板間に、電気光学層を挟持した構成であれば良い。例えば、有機EL層8が発する光を素子基板1側から出射するボトムエミッション型の有機EL表示装置であっても良い。また、無機ELを光源として備えた無機EL表示装置であっても良い。
「支持枠の詳細な構成」
図1に戻る。
ここでは、支持枠50の構成について、図1を用いて説明する。
支持枠50は、平面的なサイズ、すなわち面積が表示領域Vと略同じ大きさに形成された板状部材であり、表示パネル18を支持する表面は、平面となっている。また、折り曲げられた額縁領域Fが貼り付けられる側面は、表面から略垂直に形成されている。また、表面から側面に至る角部には、面取り処理が施されている。
表面の反対側の面である裏面には、タイリング時における平面位置を定めるための勘合用の突起部53が形成されている。
突起部53は、平面視において裏面の略中央に形成された正方形状の突起であり、上辺には、半円状の形状が形成されている。この半円状の形状は、表示装置100(表示パネル18)の上下左右の方向を定めるためのものである。
支持枠50には、シート状の表示パネル18を補強するための強度と、表示パネル18が発する熱を吸収して外部に伝達(放出)する放熱性などの機能が必要となる。
本実施形態では、好適例として、アルミニウム板を切削加工したものを支持枠50として用いている。なお、これに限定するものではなく、上述した機能を備えた材質であれば良く、例えば、ステンレスや、鋼、または鉄とニッケルの合金で、常温付近で熱膨張率が小さいインバー(invar)などを用いることであっても良い。
また、金属に限定するものではなく、樹脂で支持枠50を形成しても良い。成形方法としては、射出成形法や、押出し成形法を用いることができる。
具体的な樹脂としては、ABS樹脂などの汎用樹脂を用いることもできるが、薄く、かつ強靭であるという観点から、ポリカーボネイト、ポリアセタール、ポリプチレンテレフタレートなどのエンジニアリングプラスチックを用いることがより好ましい。
また、樹脂を用いる場合には、放熱性を高めるために、支持枠50にメッキ、スパッタリング、または放熱塗装などの表面処理を行うことが好ましい。メッキ処理を行う場合は、例えば、銅、ニッケルの2層メッキや、銅、ニッケル、クロムの3層メッキを全面に施す。スパッタリング処理を行う場合は、アルミや、ニッケルを少なくとも支持枠50の表面にスパッタリングする。放熱塗装を行う場合は、窒化アルミ、アルミナ、炭化ケイ素などの熱伝導性フィラーを含有した塗料を少なくとも表面に塗装する。
「各部の寸法、および製造方法について」
ここでは、表示装置100の信頼性を確保するとともに、額縁領域Fを折り曲げるために必要となる各部の最適な寸法について説明する。
まず、表示パネル18の厚さについて説明する。
図3では、各構成部位の積層関係を明確にするために、特に、機能層17における縮尺を他の部位よりも拡大しているが、実際は、機能層17の部分が最も薄く構成されることになる。機能層17の厚さは、数μm〜20μm程度の厚さである。このうち、緩衝層11が半分以上の厚さを占めている。ちなみに、厚さがnmオーダーの複数の薄膜からなる有機EL層8の厚さは1μmに満たない。
本実施形態では、好適例として、素子基板1および対向基板16の厚さをそれぞれ約30μmとしている。また、表示パネル18の総厚は、好適例として約70μmとしている。発明者等の実験結果によれば、有機ELパネルの信頼性を確保するためには、ガスバリア層12などの封止構造に加えて、素子基板1および対向基板16の厚さが約10μm以上必要であることが解っている。換言すれば、素子基板1および対向基板16の厚さを各々約10μm以上に設定することによって、十分な防湿性を確保することが可能となる。
他方、素子基板1、および対向基板16の厚さが約50μmを超えると、許容曲げ半径が大きくなってしまうため、狭額縁の度合い(効果)が希薄に(小さく)なってしまう。
このため、素子基板1、および対向基板16の厚さは、それぞれ10〜50μmの範囲内に設定することが好ましい。また、10〜30μmの範囲内とすることがより好ましい。さらに、素子基板1と対向基板16とを重ね合せた表示パネル18の総厚は、30〜110μmの範囲内に設定することが好ましい。
なお、素子基板1、および対向基板16は、それぞれが初期段階で0.3〜0.7mm程度の厚さであったものを研磨、またはエッチングして薄くしたものである。好適には、表裏のガラス基板が厚い状態の表示パネルを複数個面付けした大判パネルを製造した後、フッ酸(フッ化水素酸)を溶解したエッチング溶液(水溶液)として用いたエッチングにより、所期の厚さの大判パネルを製造する。そして、当該大判パネルから表示パネル18を切り出す。なお、この方法に限定するものではなく、所期の厚さの表示パネル18を形成可能な方法であれば良く、例えば、機械的研磨法を用いることであっても良い。
ここで、大判パネルから表示パネル18を切り出す際には、周知の切り出し方法を用いることができるが、表示パネル18の周縁部にマイクロクラックが生じないようにする必要がある。これは、表示パネル18を折り曲げた状態で使用するため、折り曲げ時に割れてしまうことを防止するためである。このため、特に、図2の4隅の角アールRa近傍の辺、つまり、湾曲エリアmを含む辺の切断は、レーザー光を用いたレーザースクライブ法を用いることが好ましい。また、切り出した後で、少なくとも湾曲エリアmの端部をフッ酸などの溶液で溶かして、マイクロクラックをなくした状態としておく必要がある。
また、切断後の端面保護のために、表示パネル18の周縁部に樹脂をコーティングしても良い。例えば、ディッピング法により、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、またはシリコン樹脂などを周縁部にコーティングしても良い。
図4は、ガラス基板厚さと許容曲げ半径(R)との相関関係を示したグラフであり、横軸はガラス基板の厚さを示し、縦軸は許容曲げRを示している。
このグラフは、発明者等が行った種々の実験結果から導出したもので、狭額縁化を実現するための重要な指標である。前述したように、発明者等が行った種々の実験結果からの知見によれば、ガラス基板の厚さを50μm以下とすることにより、直角状態に近い曲げを実現できることが解っている。
他方、略直角に近い折り曲げが可能であったとしても、曲げRが大きすぎると、狭額縁化は難しくなってしまう。このため、本実施形態では、許容曲げRを一つの指標として各部の寸法を設定することにより、狭額縁化を実現している。
許容曲げRとは、所定の厚さのガラス基板を略直角に曲げたときに許容される最小の曲げ半径(R)のことである。換言すれば、ガラス基板を略直角に曲げたときに、割れずに屈曲状態を維持することができる最小の曲げ半径(R)のことである。また、ガラス基板を折り返したとき、つまり、図8(b)のように180度曲げした場合における許容曲げRも、図4の許容曲げRと略同等となることを確認している。
図4に示すように、ガラス基板の厚さと許容曲げRとは、略正比例の関係にあり、ガラス基板の厚さが厚くなるにつれて、許容曲げRも大きくなることが解る。換言すれば、ガラス基板の厚さが厚くなるにつれて、狭額縁の度合いが希薄になる。
図4は、マイクロクラックがないガラス基板を用いた場合のグラフであるが、ちなみに、マイクロクラックを含む状態のガラス基板を用いた場合では、同じ厚さであっても許容曲げRが極端に大きくなってしまうことが確認されている。例えば、厚さ30μmで、マイクロクラックを含むガラス基板を用いた場合、その許容曲げRは、約5.5mmとなってしまい、狭額縁化を図ることは困難である。
上述した好適例では、ガラス基板の厚さを30μmとしている。この場合、1枚のガラス基板における許容曲げRは約0.8mmとなっている。なお、実際の表示パネル18は2枚のガラス基板を重ねた構成となっているが、この構成の場合の許容曲げRは、発明者等の実験結果からすると、厚さが60μmのときの許容曲げRではなく、1枚のガラス基板における許容曲げRと略同等な半径となることが確認されている。これは、2枚のガラス基板間に介在する機能層17(図3)の主体がシール剤15などの樹脂から構成されているため、当該層が緩衝層として機能するためであると考察している。
これにより、図1(c)に示すように、表示パネル18の額縁領域の右側の一辺は、素子基板1の内側の曲げアールRbが約1.0mmで支持枠50側に折り曲げられている。なお、好適例では、折り曲げの開始点を湾曲エリアmからとしているが、湾曲エリアmから湾曲させる構成に限定するものではなく、表示領域Vと額縁領域Fとの境界で折り曲げても良いし、実際に表示に使用する領域が表示パネル18の表面(対向基板16の外面)で視認できれば表示領域V内で折り曲げても良い。また、従来よりも見かけ上の額縁領域が小さくなる程度であれば、額縁領域F内で折り曲げても良い。いずれの場合でも、額縁領域Fを裏面に折り返すので、表示パネル18の狭額縁化を実現することができる。
図2に戻る。
続いて、表示パネル18の初期状態における平面的な寸法関係について説明する。
好適例における表示パネル18の上辺、および左右の辺における額縁領域Fの長さk1は、3辺ともに約3.0mmに設定されている。
また、好適例における表示パネル18の下辺における額縁領域Fの長さk5は、約6.0mmに設定されている。なお、これらの数値に限定するものではなく、要求仕様(信頼性)に応じて、2.0mm以上の長さで適宜設定すれば良い。
続いて、上述した表示パネル18を支持枠50にセットして、表示装置100を形成するための製造方法と、関連部位の寸法について説明する。
まず、支持枠50の表面に両面テープからなる接着層60を貼り付ける。好適例における両面テープの厚さは、0.3mmとしている。なお、この厚さに限定するものではなく0.1〜0.5mmの範囲内であれば良い。
また、支持枠50の表面全面に両面テープを貼ることに限定するものではなく、表示領域Vを略平坦な状態で支持(固定)可能に配置すれば良い。例えば、X軸方向に延在する帯状の両面テープをY軸方向において、表示領域Vの両端と略中央に位置するように、ストライプ状に3本配置しても良い。この構成によれば、表示パネル18貼り付けの際における気泡の発生を低減することができる。
また、放熱性向上のために、前述の熱伝導性フィラーを含有した両面テープを用いても良い。また、両面テープに限定するものではなく、同様な接着性を有する接着剤を用いても良い。
続いて、図1(a)に示すように、表示パネル18の表示領域Vの背面を支持枠50の表面に貼り付ける。なお、好適例における支持枠50の平面サイズは、表示領域Vよりも一回り大きくしている。詳しくは、長さu1分、表示領域Vよりも一回り大きくしている。換言すれば、縦横長さともに「2×長さu1」分大きく設定している。なお、好適例における長さu1は、約0.5mmとしている。
これは、額縁領域Fを支持枠50の側面に貼り付けたときに、表示パネル18や、接着層60の厚さなどを勘案した上で、額縁領域Fが支持枠50の表面に対して略直角となるようにするためである。
また、好適例における支持枠50の厚さは約3.5mmとし、表面から側面に至る角部には、例えば、C0.5〜1.0mmの範囲内の面取りが施されている。また、裏面からの突起部53の高さは約5.0mmとしている。
そして、図1(b)、(c)に示すように、左右の辺における額縁領域FをZ軸(+)側に折り曲げて、支持枠50の側面に両面テープからなる接着層61で貼り付ける。なお、好適例における両面テープの厚さは、0.5mmとしている。なお、この厚さに限定するものではなく0.1〜1.0mmの範囲内であれば良い。また、同様に、上辺の額縁領域Fを折り曲げて、支持枠50の側面に接着層61で貼り付ける。
また、下辺の額縁領域Fについては、Z軸(+)側に折り曲げて、支持枠50の側面に接着層61で貼り付けた後、さらに支持枠50の裏面に折り曲げて当該額縁領域の端部を裏面に両面テープで貼り付ける。
なお、図1(c)に点線で示すように、貼り付けた額縁領域Fを外側からテープ部材85で、さらに押さえ付けても良い。テープ部材85は、樹脂製のテープであっても良いし、スチールベルトをリング状に形成したもの(ベゼル)であっても良い。テープ部材85を設ければ、より確実に額縁領域Fを支持枠50の側面に固定することができる。また、テープ部材85が、取り扱い時や、タイリングする際に、側面が当たったときの衝撃緩衝部材として機能する。
上述した工程を経て、図1(b)、(c)に示すように、各辺の額縁領域Fが略直角に折り曲げられて、支持枠50の側面に固定された状態となる。
まず、好適例における額縁領域Fの平面的な長さk2は、約1.1mmとなる。
つまり、表示装置100の平面サイズは、表示領域Vよりも額縁領域F分一回り大きくなっているが、好適例における額縁領域Fの幅(長さk2)は、全周約1.1mmに抑えられている。
また、好適例における支持枠50の総厚(突起部53を除く)は約3.9mmとなる。
なお、上記好適例の寸法は、発明者等が実験結果や、物性データなどから創意工夫の末に導出した好適事例の一つであり、これに限定するものではなく、本実施形態の技術的思想を逸脱しない範囲内で、表示パネルのサイズや、用途に応じて適宜寸法設定をすることができる。
「タイリング態様」
図5は、本実施形態の表示装置を搭載したマルチディスプレイ装置の一態様を示す斜視図である。
ここでは、上述した表示装置100を複数用いてタイリングを行う場合の一態様について説明する。
電子機器としてのマルチディスプレイ装置200は、複数の表示装置100をタイリングして、アクセプト比5:3の横長の大型画面を形成可能な構成を備えている。
電子機器としてのマルチディスプレイ装置200は、台座部201、複数の表示装置100などから構成されている。
台座部201は、横3行×縦5列にマトリックス状に区画されており、各区画領域には、図5の左上側に示すように、表示装置100の突起部53が嵌め込まれる勘合穴202と、接続基板23を収納する収納穴203とが形成されている。
勘合穴202は、突起部53の平面形状を一回り大きくした平面形状となっている。また、各勘合穴202の半円形状が上方向(Y軸(+)方向)に揃えられている。
また、各表示装置100におけるフレキシブル基板20の端子22(図2)には、フレキシブルプリント基板からなる接続基板23が接続されている。
収納穴203は、内部のソケットに接続基板23の端子部を挿入した状態で、当該接続基板を収納する。また、台座部201の裏面には、各区画領域のソケットに接続する配線や、当該配線が集約されるコントローラー(いずれも図示せず)が配置されており、当該コントローラーによって、各表示装置100を表示駆動可能に構成されている。
そして、全ての区画領域に15個の表示装置100をセットすることにより、アクセプト比5:3の横長の大型画面が形成される。なお、好適例において、隣り合う2つの表示装置100における表示領域Vと表示領域Vとの間隙は、取り付け誤差などのマージンを勘案して、縦横方向ともに約3.0mmに設定されている。
上述した通り、本実施形態に係る表示装置100によれば、以下の効果を得ることができる。
表示装置100によれば、表示パネル18における各辺の額縁領域Fが表示領域Vの周縁部から支持枠50側に折り曲げられ、支持枠50の側面に固定されている。
つまり、各額縁領域Fが支持枠50側に折り曲げられているため、当該額縁領域の平面的な長さk2が短くなる。
従って、狭額縁化を実現した表示装置100を提供することができる。
さらに、好適例における2枚のガラス基板の厚さをそれぞれ約30μmとしているため、表示パネル18としての許容曲げRは約0.8mmとなるが、表示装置100では、耐久性を考慮して、曲げアールRbを許容曲げRよりも大きい約1.0mmに設定している。よって、狭額縁化を図りながらも、耐久性も確保している。
また、額縁領域Fを折り曲げる構成としているため、額縁領域Fの長さを信頼性確保に必要な長さとすることができる。
従って、信頼性の確保と、狭額縁化とを両立することが可能な表示装置100を提供することができる。
また、表示パネルに略直角に近い折り曲げが可能な可撓性を持たせることにより、潜在的に市場ニーズの高かった狭額縁化を実現することができる。
従って、可撓性を利用して、狭額縁化を実現した表示装置100を提供することができる。
さらに、狭額縁化を実現したことにより、タイリングした際にシームレスな表示を実現することができる。よって、継ぎ目が抑制された十分な表示品質を得ることができるタイリング方式に好適な表示装置100を提供することができる。
特に、マルチディスプレイ装置200によれば、好適例において、隣り合う2つの表示装置100における表示領域Vと表示領域Vとの間隙を縦横方向ともに約3.0mmとすることができる。
このような大画面を適視距離で観察する場合、約3.0mmの間隙を視認することは実質的に困難となるため、シームレスな表示を実現することができる。
また、額縁領域Fの湾曲エリアmには配線部が選択的に形成され、当該エリアを除いた領域に回路部nが形成されているため、折り曲げによる回路部nの損傷を防止することができる。
従って、信頼性が高い表示装置100を提供することができる。
また、樹脂やガラスよりも熱伝導率に優れたアルミニウムを用いて支持枠50を形成しているため、表示パネル18が発する熱を効率良く吸収して外部に放熱することができる。従って、放熱性に優れた狭額縁の表示装置100を提供することができる。
(実施形態2)
図6(a)は、実施形態2に係る表示装置の一態様を示す平面図(正面図)であり、図1(a)に対応している。図6(b)は、表示装置の背面図である。図7は、表示パネルの平面図であり、図2に対応している。図8(a)は、図6(a)のs−s断面における側断面図であり、図1(b)に対応している。図8(b)は、図8(a)のl部の拡大図であり、図1(c)に対応している。
以下、本発明の実施形態2に係る表示装置110について説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態の表示装置110は、実施形態1の表示パネル18における上辺、および左右の辺の額縁領域Fを長くした表示パネル19を用いて、各辺の額縁領域Fを折り返す構造を採用した表示装置である。
表示装置110は、支持枠55(図8)、表示パネル19、スペーサー65、マグネットシート66などから構成されている。
支持枠55は、平面サイズが表示パネル19の表示領域Vと略同じに形成された金属製の平板である。本実施形態では、好適例として、アルミニウム板を用いている。また、表裏面における周縁部には、面取り処理が施されている。
なお、アルミニウムに限定するものではなく、実施形態1で説明した各種金属を用いても良い。また、実施形態1で説明した各種樹脂を用いても良いし、メッキなどの各種表面処理を施した樹脂板を用いても良い。
図7は、支持枠55にセットする前の単品状態における表示パネル19の平面形状を示している。
表示パネル19は、上辺、および左右の辺の額縁領域Fが長くなっていることのみ実施形態1の表示パネル18と異なる。詳しくは、上辺、および左右の辺の額縁領域Fの長さが、長さk1よりも長い長さk6となっている。また、湾曲エリアmの幅が実施形態1の表示パネル18の倍以上確保されている。また、下辺の額縁領域Fの長さは、実施形態1の表示パネル18と同じ長さk5のままとなっている。
なお、上辺、および左右の辺の額縁領域Fの長さk6は、下辺の長さk5よりも若干長くしている。これは、下辺の張出し領域に相当する分、支持枠55の裏面への糊しろを長く取っているからである。
スペーサー65は、樹脂フィルムからなるシート部材である。
マグネットシート66は、ゴムやエラストマーなどのバインダー樹脂に、磁性粉末を混ぜ合せて形成した磁性を有する柔軟なシート部材である。
「製造方法、および各部の寸法について」
実施形態2では、表示パネル19における各辺の額縁領域Fを支持枠55の裏面に折り返すことにより、狭額縁化を実現している。
詳しくは、表示パネル19の表示領域Vの背面が支持枠55の表面に固定された状態で、図6(b)に示すように、左右の辺の額縁領域Fが支持枠55の裏面に折り返され、折り返された左右の辺の額縁領域F間の間に高さを補完するスペーサー65が貼り付けられる。そして、折り返された左右の辺の額縁領域F、およびスペーサー65の上に上下辺の額縁領域Fが折り返されて貼り付けられている。
また、露出したスペーサー65の上には、略正方形をなしたマグネットシート66が貼り付けられている。
続いて、具体的な各部の寸法について説明する。
まず、表示パネル19の厚さ関係は、実施形態1の表示パネル18と同一である。
また、好適例における上辺、および左右の辺の額縁領域Fの長さk6は、約8.0mmとしている。なお、この寸法に限定するものではなく、折り返えした状態を維持可能な糊しろが確保できる長さであれば良い。
また、好適例における支持枠55は、平面サイズが表示パネル19の表示領域Vと同一に設定されており、厚さが約1.6mmに設定されている。また、周縁部の面取り処理は、約C0.2mmとしている。
図8(b)は、右辺の額縁領域Fを折り返した部分における側断面図である。
好適例における接着層60,62,63は、共に両面テープからなり、その厚さは、共に0.2mmとしている。なお、図8(b)の最下層には、折り返された上辺の額縁領域Fの端部が観察されている。なお、この厚さに限定するものではなく0.1〜0.5mmの範囲内であれば良い。また、実施形態1での説明と同様に、接着剤を用いても良い。
また、好適例における支持枠55に接着層60,62を加えた厚さは、約2.0mmとなる。
また、好適例におけるスペーサー65の厚さは、約0.27mmとしている。
これらを組み合わせると、図8(b)に示すように、支持枠55の端面の略中央を中心として、額縁領域Fが湾曲し、折り返された部分が支持枠55の裏面に固定された状態となる。このときの、表示パネル19における右辺の額縁領域Fは、素子基板1の内側の曲げアールRbが約1.0mmとなっている。この値は、図4で説明した許容曲げRよりも大きくなっている。なお、好適例では、折り曲げの開始点を湾曲エリアmからとしているが、湾曲エリアmから湾曲させる構成に限定するものではなく、表示領域Vと額縁領域Fとの境界で折り曲げても良いし、実際に表示に使用する領域が表示パネル19の表面(対向基板16の外面)で視認できれば表示領域V内で折り曲げても良い。また、従来よりも見かけ上の額縁領域が小さくなる程度であれば、額縁領域F内で折り曲げてもよい。いずれの場合でも、額縁領域Fを裏面に折り返すので、表示パネル19の狭額縁化を実現することができる。
また、この完成状態における表示装置110(表示パネル19)の各辺の額縁領域Fの長さk2は、実施形態1と同様に約1.1mmとなる。
また、表示装置110の総厚(マグネットシート66を除く)は、約2.4mmとなり、実施形態1の表示装置100の総厚(約3.9mm)よりも薄くなっている。
なお、上記好適例の寸法は、発明者等が実験結果や、物性データなどから創意工夫の末に導出した好適事例の一つであり、これに限定するものではなく、本実施形態の技術的思想を逸脱しない範囲内で、表示パネルのサイズや、用途に応じて適宜寸法設定をすることができる。
上述した通り、本実施形態の表示装置110によれば、実施形態1における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
表示装置110によれば、支持枠55を芯材として、表示パネル19の表示領域Vの背面を固定した状態で、各辺の額縁領域Fを支持枠55の裏面に折り返して、折り返した部分を固定することにより、狭額縁化と、薄型化とを実現している。
従って、狭額縁化を実現した表示装置110を提供することができる。換言すれば、可撓性を利用して、狭額縁化を実現した表示装置110を提供することができる。
また、表示パネル19の額縁領域Fの長さk6が、実施形態1の長さk1よりも長くなっているため、その分、バリア層が長くなり、信頼性を向上させることができる。
また、額縁領域Fの湾曲エリアmには配線部が選択的に形成され、当該エリアを除いた領域に回路部nが形成されているため、折り曲げによる回路部nの損傷を防止することができる。
従って、信頼性の確保と、狭額縁化とを両立した表示装置110を提供することができる。
また、熱伝導率に優れたアルミニウム板を用いて支持枠55を形成しているため、表示パネル19が表示時に発する熱を効率良く吸収して外部に放熱することができる。
従って、放熱性に優れた狭額縁の表示装置110を提供することができる。
さらに、支持枠55は単純な平板であるため、プレス加工によって効率的に製造することが可能であり、部品コストを抑制することができる。
また、好適例における支持枠55に接着層60,62を加えた総厚は、約2.0mmとなり、この総厚の半分(約1.0mm)と、素子基板1の内側の曲げアールRb(約1.0mm)とが略同じになっている。
よって、当該総厚により素子基板1が許容曲げRを超えて曲がってしまうことを防止することができる。換言すれば、支持枠55に接着層60,62を加えた総厚を素子基板1の許容曲げRに合せることにより、素子基板1の許容曲げRの範囲内で、簡便に狭額縁化を実現することができる。
また、表示装置110の総厚(マグネットシート66を除く)は、約2.4mmとなり、実施形態1の表示装置100の総厚(約3.9mm)よりも薄くなっている。
従って、薄型化と、狭額縁化とを両立した表示装置110を提供することができる。
(実施形態3)
図9(a)は、実施形態3に係る表示パネルの一態様を示す平面図であり、図2に対応している。図9(b)は、表示パネルのラミネート工程の製造態様を示す図である。図10(a)は、図9(a)のn−n断面における側断面図である。
以下、本発明の実施形態3に係る表示パネルについて説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
上記各実施形態では、ガラス基板剥き出し状態の表示パネルを用いて、折り曲げ、または折り返しを行っていたが、樹脂フィルムで表裏面をラミネートした表示パネルを用いることであっても良い。
実施形態3に係る表示パネル28は、図10(a)に示すように、実施形態1の表示パネル18を対向基板16側の面、および素子基板1の面から、樹脂フィルム25a,25bによりラミネートした構成となっている。換言すれば、表示パネル18を表裏面からラミネートする樹脂フィルム25a,25bを備えている。なお、ラミネート後の樹脂フィルム25a,25bは、表示パネル18と一体となっているため、この2枚の樹脂フィルムによる積層体をラミネート構造体25という。
図9(a)は、単品状態における表示パネル28の平面図である。
表示パネル28は、基本的に実施形態1の表示パネル18と同一であるが、フレキシブル基板20の長さが若干長くなっている。詳しくは、糊しろ(ラミネートしろ)長さu2分、Y軸(−)方向に長くなっている。詳しくは後述するが、これは、駆動用IC21をラミネート構造体25から露出させるためである。
ラミネート構造体25の平面的な大きさは、糊しろ(ラミネートしろ)分、表示パネル18よりも一回り大きくなっている。詳しくは、4辺ともに、表示パネル18の外形から長さ(幅)u2分、大きくなっている。つまり、各辺の額縁領域Fの長さが、長さu2ずつ長くなっている。
また、表示領域Vの4隅の角アールRa部分(切り欠き部含む)についてはラミネートされておらず、表示パネル18の外形と同じ形状となっている。
「樹脂フィルムの材質、および寸法について」
図10(a)に戻る。
ここでは、ラミネート構造体25を構成する2枚の樹脂フィルム25a,25bの材質について説明する。
表示パネル18を覆いラミネートする樹脂フィルム25a,25bには、ガラス基板との接着性、柔軟性、透明性(光取り出し性)、フレキシブル基板20のモールド性(絶縁性と耐熱性)、および内部への水分侵入を防ぐ耐水性などの機能が必要となる。
これらの機能を満たすため、樹脂フィルム25a,25bの材料としては、耐水性(低吸水率)や絶縁性、柔軟性、透明性、低温溶着性を有するポリエチレンをベースとした樹脂が好ましい。また、接着性を向上させるため一部極性基を持たせた共重合体であることがより好ましい。
本実施形態では、好適例として、ポリエチレン系共重合体の一種であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を樹脂フィルム25a,25bの材料に採用している。
なお、EVAに限定するものではなく、同様な機能を有するポリエチレン系共重合体であれば良い。
例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、エチレン−メタクリル酸ヒドロキシアルキル共重合体、エチレン−メタクリル酸アルコキシエチル共重合体、エチレン−メタクリル酸アミノエチル共重合体、エチレン−メタクリル酸ヒドロキシグリシジル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸アルキル共重合のうち、いずれかを用いることが好ましい。または、これらを2つ以上組み合わせた共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体などはガラスとCFRP双方の接着性に優れた共重合体である)、または混合物を用いることであっても良い。
また、耐熱性を高めるためにエポキシ化合物やイソシアネート化合物、ポリエチレンイミンなどのアミン化合物などの硬化成分を架橋剤として含んでいても良い。なお、エチレン共重合体の中でも、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)やエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)などエステル化されていないカルボキシル基を有する材料を用いる場合には、低温溶着性や接着性に優れるもののフレキシブル基板20の鉄配線などを腐食する可能性があるため、エポキシ系硬化剤などの架橋成分と組み合わせて熱により架橋させ、アクリル酸が残留しないようにすることが好ましい。
次に、ラミネート構造体25を構成する樹脂フィルム25a,25bの厚さについて説明する。
本実施形態では、好適例として、厚さが約50μmのEVAフィルムを樹脂フィルム25a,25bに用いている。発明者等の実験結果によれば、表示パネル18の周縁部における隙間を含む段差の被覆性(充填性)を満たすとともに、収縮応力を確保するためには、約20μm以上の厚さが必要となることが解っている。
これらの特性と、表示装置110としての総厚とのバランスを考慮すると20〜100μmの範囲内であることが好ましい。また、樹脂フィルムのコストや、ラミネートのし易さ(作業性)を加味すると、40〜80μmの範囲内であることがより好ましい。
「表示パネルのラミネート方法」
図9(b)は、ラミネート工程の製造態様を示す図である。
続いて、表示パネル28の製造方法について詳細に説明する。
まず、各部材を重ね合わせた状態(準備体)とし、ラミネート装置にセットする。詳しくは、樹脂フィルム25b上に、表示パネル18と、樹脂フィルム25aとを、この順番で重ね合わせる。この工程は、好適例としては、通常環境下で行うが、後述の減圧環境下で行っても良い。
なお、樹脂フィルム25a,25bの内面(表示パネル18側の面)に、あらかじめ透明な接着剤を塗布しておいても良い。接着剤としては、例えば、エポキシ系、ウレタン系、ナイロン系などの熱硬化型接着剤や、SBR系、クロロプレン系、ニトリルゴム系などのゴム柔接着剤、またはアクリル系、合成ゴム系の感圧性接着剤などを用いることができる。
そして、準備体をラミネート装置にセットする。なお、図9(b)では、ラミネート装置の加圧ローラー81,82のみを図示している。
続いて、ラミネート装置および準備体が設置された環境を減圧し、減圧環境とする。なお、ラミネート装置は、内部環境を所望の気圧環境に設定可能なチャンバー装置(室)内に設置してある。この工程によって、準備体内部の空気(気泡)が除去(脱泡)される。
また、平行して、加圧ローラー81,82の加熱が行われ、伝熱性のあるエラストマーから構成されたローラー面が80〜120℃の温度に熱せられる。
続いて、図9(b)の矢印で示すように、準備体におけるフレキシブル基板20の反対側の一辺から、一対の加圧ローラー81,82の間に準備体が挿入されて、ラミネートが行われる。加圧ローラー81,82に挟持された部分では、ローラーの熱によって樹脂フィルム25a,25bが溶解し、さらに加圧されて相互に接着される。また、溶解した樹脂フィルムは、接着剤(充填剤)として機能し、表示パネル18、およびフレキシブル基板20を覆って接着する。換言すれば、被着面が溶解した樹脂フィルムは、各部を一体にラミネートする。
また、準備体の一辺から他端に向かってラミネートが行われるため、各部材に気泡(空気)が残っていたとしても、気泡は、ラミネート順に沿って他端側に押し出されることになる。そして、当該図面に示すように、ラミネートされた表示パネル28が加圧ローラー81,82間から押し出されてラミネートが完了する。
なお、図9(b)にハッチングで示した、表示領域Vの4隅の角アールRa部分(切り欠き部含む)についてはラミネート後に切り取る。または、初期段階から当該部分が切り欠かれた状態の樹脂フィルム25a,25bを用いても良い。
また、ラミネート装置は、一対の加圧ローラー81,82を備えたロールラミネート方式に限定するものではなく、準備体を表示パネル28の完成状態にラミネート可能な装置であれば良い。例えば、1枚の板状加熱板(ホットプレート)上に準備体をセットし、変形するゴムシートを気圧差により当該準備体に押し当てて、加熱および加圧するダイアフラム方式による真空ラミネート装置を用いても良い。
「ラミネート構造体の作用」
図10(a)は、ラミネート構造体の作用説明図も兼ねている。また、図10(b)は、図8(b)の折り返し構造にラミネート構造の表示パネルを適用した場合の作用説明図である。
ここでは、表示パネル18をラミネート構造体25でラミネートしたことによる曲げ耐性に関する作用について説明する。
ラミネート構造体25は、表示パネル18を包み込むことにより外部からの水分浸入を防いだり、機械的衝撃を柔らげるといった作用に加えて、曲げ耐性を向上させる作用を有している。
詳しくは、ラミネート構造体25は、ラミネートする際に加熱され、その後、自然冷却されることになるため、冷却後の常温下においては、図10(a)の矢印で示すように、常に縮もうとする収縮応力が働いている状態となっている。
ラミネート後においては、ラミネート構造体25の周縁部の糊しろ部で固定された状態で、表裏面における収縮応力が相殺されている。換言すれば、表裏面における収縮応力が均衡しているため、表示パネル28をフラットな状態に保っている。
発明者等の実験結果からの知見によれば、この収縮応力は、強化ガラスの表裏に形成された圧縮応力層と同様な作用を持つことが確認されている。つまり、強化ガラス(表示パネル)を破壊しようとする引張力が加わったとき、表面の圧縮応力層(ラミネート構造体)がこれを打ち消す働きをすることで、当該層が形成されていない場合と比較して倍以上の強度性能を実現できる。
また、この作用は、特に曲げ部分において、効果的に働くことが解っている。
例えば、図10(b)は、実施形態2の折り返し構造に本実施形態におけるラミネート構造の表示パネル28を適用した場合を示している。
図10(b)に示すように、表示パネル28が折り曲げられている場合、内部の表示パネル18の湾曲部分には、内側の矢印で示すように、引張り応力が発生している。この引張り応力は、例えば、当該湾曲部分の端部にマイクロクラックがあった場合、そのマイクロクラックを広げる方向に作用する。
これに対して、ラミネート構造体25の当該湾曲部分においては、外側の矢印で示すように、収縮応力が働いている。この収縮応力は、内部の表示パネル18が曲がり過ぎることを抑制する方向に作用する。例えば、表示パネル18の湾曲部分の端部にマイクロクラックがあった場合、そのマイクロクラックが拡大しないように作用する。
ここで、表示パネル28における各部の材質や厚さは、引張り応力よりも収縮応力の方が大きくなるように設定されているため、表示パネル18単品の場合よりも、ラミネート構造体25でラミネートした表示パネル28の方が、曲げ耐性に優れている。換言すれば、表示パネル28は、優れた曲げ耐性を有しているため、図10(b)のような、180度の曲げ(折り返し)用途にも使用することができる。
なお、実施形態1の折り曲げ構造に本実施形態の表示パネル28を適用した場合においても、同様な作用効果を得ることができる。
また、本実施形態の表示パネル28を実施形態1の折り曲げ構造、または実施形態2の折り返し構造に適用する場合には、支持枠50,55の厚さや、表示パネル18,19の額縁領域Fの長さなどを、表示パネルのサイズや用途、要求仕様などに応じて適宜調整すれば良い。
上述した通り、実施形態1の折り曲げ構造、または実施形態2の折り返し構造に本実施形態のラミネート構造の表示パネルを用いた場合、各実施形態における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
表示パネル18をラミネート構造体25でラミネートした構成の表示パネル28を実施形態1の折り曲げ構造、または実施形態2の折り返し構造に適用することにより、曲げ耐性を向上させることができる。
また、外部からの水分浸入防止性をより高めることができる。さらに、機械的衝撃を柔らげるため、取り扱い性を向上させることができる。
従って、信頼性の確保と、狭額縁化とを両立した表示装置を提供することができる。
また、一般的に、表示パネル18の張出し領域とフレキシブル基板20との接続部は、当該接続部を覆うシリコン樹脂(接着剤)などのモールド剤によって補強されていたが、剥離し易いという問題があった。
これに対して、表示パネル28によれば、樹脂フィルム25a,25bによるラミネートによって、当該補強構成を兼ねているため、製造効率が良い。また、当該接続部、および表示パネル19を含めて同一の樹脂によって接着(充填)されるため、柔軟性を損なわずに、十分な実用強度(強靭さ)を確保することができる。
さらに、樹脂フィルム25a,25bに用いられるポリエチレン系接着層は、絶縁性、耐水性、耐熱性に優れるため、十分な電気的信頼性を確保することができる。
(電子機器1)
図11は、上記表示装置を搭載した車載メーターを示す平面図である。
上述の実施形態2に係る表示装置110は、例えば、電子機器としての自動車用の車載メーター210に搭載して用いることができる。
車載メーター210は、横に並べた3枚の表示装置110を備えている。詳しくは、左から表示装置111、表示装置112、表示装置113の順番で配置されている。なお、表示装置の外形を点線で示している。
真ん中に位置する表示装置112は、左右の表示装置111,113よりも一回り大きいパネルサイズとなっており、この3枚の表示装置によって、ダッシュボードの開口部212から露出する1つの車載メーターを構成している。換言すれば、底辺を直線でカットした横長で楕円形状の開口部212から露出する1つの車載メーターを表示装置111,112,113の3枚の表示装置を横方向にタイリングして構成している。
左側の表示装置111には、例えば、燃料計、水温計などが表示される。
中央の表示装置112には、例えば、速度計や、方向指示器などが表示される。
右側の表示装置113には、例えば、回転計などが表示される。なお、図11では、アナログ表示をしている状態を示しているが、不図示のスイッチを操作することにより、デジタル表示とすることもできる。
ここで、3枚の表示装置による合成表示は、密接していることと、シームレスであることが求められている。このため、狭額縁対応が可能な表示装置110が採用され、狭額縁化が実現されている。
なお、表示装置110の代わりに、実施形態1の表示装置100を用いても良い。また、これらを組み合わせて用いても良い。この構成であっても、同様にタイリング可能であり、狭額縁化を実現することができる。
また、複数の表示装置をタイリングする用途に限定するものではなく、1枚の表示パネルを用いた構成であっても、狭額縁化が求められる電子機器に適用することもできる。
例えば、コンパクトでありながらも相対的に大きな表示画面が求められる携帯電話に好適に用いることができる。また、携帯電話の形態も、本体部に対して表示部が折畳み可能な折畳み式や、折畳みに加えて旋回可能に設けられた携帯電話であっても良い。または、一体型の携帯電話や、一体型の本体部に操作部が収納されているスライド式の携帯電話であっても良い。
また、携帯電話に限定するものではなく、表示パネルを備えた電子機器であれば良い。例えば、カーナビゲーションシステム用の表示装置や、PDA(Personal Digital Assistants)、モバイルコンピューター、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、車載機器、オーディオ機器などの各種電子機器に用いることができる。
(電子機器2)
図12(a)は、上記表示装置を搭載したマルチディスプレイ装置の一態様を示す斜視図であり、図5に対応している。図12(b)は、表示装置の側断面図であり、図1(c)に対応している。図12(c)は、(a)のq−q断面における側断面図である。
ここでは、上述したマルチディスプレイ装置200とは異なる表示装置の連結構成を有するマルチディスプレイ装置220について説明する。
電子機器としてのマルチディスプレイ装置220は、複数の表示装置100をタイリングして、アクセプト比4:3の横長の大型画面を形成可能な構成を備えている。
マルチディスプレイ装置220の台座部201は、実施形態1の台座部201と同一であり、複数の表示装置100の構成が実施形態1と異なる。
詳しくは、図12(b)に示すように、各表示装置100は額縁領域Fを外側から支持枠50側に押し付けるベゼル86,87を備えている。このベゼル86,87は、実施形態1で説明したテープ部材85と同様な働きをする部材であるが、厚さ方向(Z軸方向)における当該ベゼルの取り付け位置によって名称を変えている。
図12(b)において、支持枠50側面の上側(Z軸(−)方向)に配置されたベゼルをベゼル86とし、当該ベゼルが取り付けられた表示装置を表示装置101としている。
また、支持枠50側面の下側(Z軸(+)方向)に配置されたベゼルをベゼル87とし、当該ベゼルが取り付けられた表示装置を表示装置102としている。
また、好適例におけるベゼル86,87を金属製のリングとしているが、実施形態1で説明した他の部材を用いても良い。また、ベゼル86,87のZ軸方向の高さは、それぞれ支持枠50の厚さの約半分に設定している。ベゼル86,87の内周側(額縁領域F側)の角部には、面取り処理が施されている。
図12(c)は、台座部201にタイリングされた隣り合う表示装置101と表示装置102との間における側断面図である。当該図面に示されるように、タイリングされた表示装置101と表示装置102との間においては、ベゼル86とベゼル87とが、左右方向(水平方向)において重ならずに、上下方向(垂直方向)に並ぶことになる。よって、隣り合う表示装置間における間隙を小さくすることができる。換言すれば、狭額縁化を図ることができる。
また、図12(a)に示すように、表示装置101,102をタイリングする際には、行方向および列方向において、両者が交互となるように配置する。また、台座部201にセットする際には、全ての表示装置102をセットした後に、表示装置101をセットする。
このように、表示装置101,102によれば、それぞれベゼル86,87を備えているため、より確実に額縁領域Fを支持枠50の側面に固定することができる。また、ベゼル86,87が取り扱い時や、タイリングする際に、側面が当たったときの衝撃緩衝部材として機能するため、使い勝手が良く、信頼性に優れている。
従って、マルチディスプレイ装置220によれば、表示装置101,102を備えていることから、狭額縁化と、高信頼性とを両立することができる。
また、図12(a)では、アクセプト比4:3を形成する場合について説明したが、マルチディスプレイ装置220によれば、台座部201のマトリックス状の区画設定により、所望のアクセプト比の大型画面を簡便に構成することができる。
また、実施形態1では、各表示装置におけるフレキシブル基板20の端子22(図2)には、フレキシブルプリント基板が接続され、当該基板からさらに配線を介して台座部201内部のコントローラーに接続される構成として説明したが、無線によってコントローラーと接続される構成であっても良い。
詳しくは、表示装置ごとに、小型のコントローラーと、電源回路と、無線LAN端末と、当該端末用のアンテナとを装備する。なお、電源回路には、受電用コイルや、二次電池を含む受電モジュールが含まれている。
また、台座部201には、メインコントローラーと、無線LAN端末と、当該端末用のアンテナとを装備し、区画領域ごとに、表示装置の電源回路に電磁誘導により非接触で電力を伝達する送電用コイルを含む送電モジュールを配置する。
この構成によれば、画像信号などを含む制御信号は、無線LANによってメインコントローラーから各表示装置に無線送信され、また、各表示装置の電力は、区画領域ごとに設置された送電モジュールから非接触で給電されることになる。
よって、台座部に表示装置をセットする際には、区画領域ごとに表示装置を固定するだけで良いため、配線などの煩わしい作業を削減することができる。
また、無線LANの通信エリア内であれば通信可能であるため、例えば、メインコントローラーをマルチディスプレイ装置と離れた場所に設置しても良い。
この構成によれば、通信エリア内において、どこにマルチディスプレイ装置を設置した場合であっても、配線処理などを必要とせずに、所望の情報を表示することができる。
従って、使い勝手が良いマルチディスプレイ装置を提供することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
図13は、変形例1に係る表示パネルの側断面図であり、図3に対応している。
上記各実施形態では、表示パネルを2枚のガラス基板を用いた構成として説明したが、これに限定するものではなく、少なくとも1枚のガラス基板を用いた構成であれば良い。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
変形例1の表示パネル118は、ガラスからなる素子基板1上に、有機EL層とバリア層とを積層した構成のボトムエミッション型の有機EL表示パネルである。このため、図3の表示パネル18と比べて、積層順(天地)が反転しており、最上部(Z軸(−)側)に素子基板1が位置している。また、この素子基板1が表示面となり、白抜きの矢印で示すように、素子基板1側から表示光を出射する。
表示パネル118は、素子基板1、素子層2、平坦化層4、画素電極6、隔壁7、電気光学層としての有機EL層8、共通電極9、電極保護層10、緩衝層11、ガスバリア層12などから構成されている。なお、各部の材質や構成などについては、実施形態1での説明と同様である。
また、本変形例では、好適例として、高分子材料を用いたインクジェット法による3色塗り分け方式によって、赤、緑、青の各色の有機EL層8r,8g,8bを形成している。例えば、青色の有機EL層8bにおいては、正孔注入層としてPEDOT/PSSを用い、正孔輸送層としてTFBを用い、発光層としてポリフルオレン誘導体を用いる。また、赤、および緑色の有機EL層8r,8gにおいては、赤、または緑色を発する高分子材料が、それぞれ用いられる。
この表示パネル118を上記各実施形態に適用する場合、ガスバリア層12側が支持枠50,55に面することになるため、当該支持枠および支持基板に対向基板の機能を担わせるために、接着層60を全面に貼り付けて接着することが好ましい。
この表示パネル118を上記各実施形態に適用する場合であっても、同様に折り曲げが可能なことから、上記各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、支持枠および支持基板に対向基板の機能を担わせることができるため、上記各実施形態と同様の信頼性も確保することができる。
また、上記各実施形態の表示パネルの構成からカラーフィルターを削除して、RGBの色画素ごとに、RGBの各色の発光層を形成した、いわゆる3色塗り分け方式による構成の表示パネルとしても良い。
また、上記各実施形態の表示パネルは、アクティブマトリックス型であるものとして説明したが、パッシブ(単純)マトリックス型であっても良い。
この場合、素子層2は不要となり、有機EL層8を走査電極とデータ電極とで挟持する構成となる。例えば、走査電極は素子基板1側に形成し、データ電極は対向基板16側に形成する。なお、走査電極とデータ電極とは、平面視において格子状になるように、交差する方向にそれぞれ延在して形成される。
これらの構成であっても、上記各実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
(変形例2)
図1(c)を用いて説明する。
上記各実施形態では、表示領域Vは、平面部に形成されるものとして説明したが、表示領域Vが曲げアールRbに掛かっていても良い。換言すれば、表示領域Vに曲げ部が含まれていても良い。
この構成によれば、額縁領域Fの端部が図1(c)における曲げアールRbの曲面部分を含むことになるため、その分、額縁領域Fの長さk2が短くなり、より狭額縁とすることができる。また、図8(b)の構成にも適用可能であり、同様に狭額縁化を図ることができる。
また、曲げアールRbの曲面部分に掛かった表示領域Vの部分では、例えば、平面部分よりも画素の表示輝度を上げることにより、平面的な表示態様の均一化を図ることができる。換言すれば、曲げアールRbの曲面部分に掛かった表示領域V部分における表示駆動条件を平面部分と異ならせることにより、表示画像の均一化を図ることができる。また、曲げアールRbの曲面部分において、表示領域V(平面部分)に近い部分から離れるにつれてグラデーションをつけて、画素の表示輝度を除々に上げるように表示駆動することであっても良い。
つまり、表示領域Vの周縁部近傍から折り曲げられる、または、折り返される構成であれば、狭額縁化を実現することができる。
(変形例3)
図14は、変形例3に係る表示パネルの断面図であり、図3に対応している。
上記各実施形態では、表示パネルは、有機ELパネルであるものとして説明したが、これに限定するものではなく、少なくとも1枚のガラス基板を用いた構成であれば良い。また、電気光学層を備えた薄型の表示パネルであれば良い。例えば、電気光学層として、電気泳動層を備えた電気泳動パネルであっても良い。
以下、変形例3に係る表示パネル128について説明する。なお、図3と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態の表示パネル128は、電気光学層として電気泳動層97を備えた反射型の電気泳動パネルである。
表示パネル128は、素子基板1と対向基板95との間に電気泳動層97を挟持した構成となっている。また、素子基板1から画素電極6までの積層構造は、図3の構成と同一である。
対向基板95は、例えばガラスやプラスチック等からなる透明な基板である。対向基板95における素子基板1側には、対向電極94が複数の画素電極6と対向して全面(ベタ状)に形成されている。対向電極94は、ITO等の透明導電材料から形成されている。
電気泳動層97は、複数のマイクロカプセル90、当該マイクロカプセルを保持するバインダー92、および接着層91などから構成されている。なお、表示パネル128は、電気泳動層97が予め対向基板95側にバインダー92によって固定されてなる電気泳動シートと、当該シートとは別途製造され、画素電極6などが形成された素子基板1とを、接着層91により接着することによって形成されている。
マイクロカプセル90は、画素電極6、および対向電極94間に挟持され、1つの画素内に(言い換えれば、1つの画素電極6に対して)1つ又は複数配置されている。
図14の右上の拡大図に示すように、マイクロカプセル90は、被膜75の内部に分散媒78と、複数の白色粒子76と、複数の黒色粒子77とを封入した構成となっている。マイクロカプセル90は、例えば、50μm程度の粒径を有する球状に形成されている。
被膜75は、アクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアガム、ゼラチン等の透光性を有する高分子樹脂から形成されている。
分散媒78は、白色粒子76及び黒色粒子77をマイクロカプセル90内(言い換えれば、被膜75内)に分散させる媒質である。
白色粒子76は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば負に帯電されている。
黒色粒子77は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば正に帯電されている。
これにより、白色粒子76および黒色粒子77は、画素電極6と対向電極94との間の電位差によって発生する電場(電位差)によって分散媒78中を移動するため、対向電極94側に集まった粒子の色調が表示されることになる。
なお、白色粒子76、黒色粒子77に用いる顔料を、例えば赤色、緑色、青色等の顔料に代えることによって、赤色、緑色、青色などのカラー表示をすることもできる。
また、上述したマイクロカプセル方式に限定するものではなく、帯電性を有する電子粉流体を画素内に入れ、プラス・マイナスを切り替えることで表示の切り替え・オンオフを制御する電子粉流体方式の電気泳動パネルであっても良い。または、コレステリック液晶を用いた電気泳動パネルであっても良い。
これらの構成であっても、上記各実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
(変形例4)
図15(a)は、変形例4に係る表示パネルの平面図、および当該表示パネルを備えた表示装置のタイリング態様図である。図15(b)は、変形例4に係る異なる形態の表示パネルの平面図、および当該表示パネルを備えた表示装置のタイリング態様図である。
上記各実施形態では、表示領域V(表示装置の平面形状)は、正方形を含む長方形であるものとして説明したが、これに限定するものではなく、タイリング可能な多角形であれば良い。
以下、図15(a)、(b)を用いて、変形例4に係る表示パネル、および表示装置のタイリング態様について説明する。なお、上記各実施形態と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
図15(a)の表示パネル30は、略正三角形の表示領域Vを備えている。また、この表示パネル30を実施形態1の折り曲げ構造、または実施形態2の折り返し構造に適用した表示装置130の外形も、略正三角形となる。なお、表示パネル30に実施形態3のラミネート構造を適応しても良い。
これらの構成であっても、図15(a)の右下に示すように、複数の表示装置130をタイリングすることにより、シームレスな大画面を構成することができる。なお、表示領域Vの形状は、正三角形に限定するものではなく、例えば、二等辺三角形などのように、図形として隙間なく並べることが可能な三角形であれば良い。
図15(b)の表示パネル31は、略正六角形の表示領域Vを備えている。また、この表示パネル31を実施形態1の折り曲げ構造、または実施形態2の折り返し構造に適用した表示装置131の外形も、略正六角形となる。なお、表示パネル31に実施形態3のラミネート構造を適応しても良い。
これらの構成であっても、図15(b)の右下に示すように、複数の表示装置131をタイリングすることにより、シームレスな大画面を構成することができる。なお、表示領域Vの形状は、長方形、三角形、正六角形に限定するものではなく、例えば、菱形や台形などのように、図形として隙間なく並べることが可能な形状であれば良い。
このような多角形であれば、表示パネルの各辺の額縁領域Fを表示領域Vの周縁部近傍から支持枠側に折り曲げて支持枠の側面に固定するか、または、折り返して支持枠の裏面に固定することにより、狭額縁化を実現できるとともに、タイリングによりシームレスな大画面を構成することができる。
つまり、上記各実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
1…ガラス基板としての素子基板、8…有機EL層、16…ガラス基板としての対向基板、17…電気光学層としての機能層、18,19,28…表示パネル、20…フレキシブル基板、25…ラミネート構造体、25a,25b…樹脂フィルム、50,55…支持枠、60,61,62…接着層、85…テープ部材、86,87…ベゼル、100,110…電気光学装置としての表示装置、200,220…電子機器としてのマルチディスプレイ装置、210…電子機器としての車載メーター、F…額縁領域、V…表示領域。

Claims (16)

  1. 複数の画素が形成された表示領域を含む電気光学層を厚さが50μm以下のガラス基板上に形成してなる表示パネルと、
    平面的なサイズが前記表示領域と略同じに形成され、前記表示パネルを支持する支持枠と、を備え、
    前記表示パネルは、前記表示領域の一辺ごとに、前記一辺から前記表示領域の外側に張出した額縁領域を有し、
    前記額縁領域の各々は、前記表示領域の周縁部近傍から前記支持枠側に折り曲げられ、前記支持枠の側面に固定されていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記支持枠と、前記表示領域は、平面的に略同じ面積で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記支持枠は、金属製の板状部材であり、厚さが2mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
  4. 前記支持枠における前記表示パネル側の面には、前記表示パネルを固定するための第1接着層が配置されるとともに、前記支持枠の前記側面には、前記額縁領域を固定するための第2接着層が配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 前記額縁領域の前記折り曲げられた部分には、所定の曲率を有する切欠き部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記支持枠の前記側面に前記折り曲げられた部分を外側から押さえ付けるテープ部材、またはベゼルをさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 複数の画素が形成された表示領域を含む電気光学層を厚さが50μm以下のガラス基板上に形成してなる表示パネルと、
    前記表示パネルを支持する支持枠と、を備え、
    前記表示パネルは、前記表示領域の一辺ごとに、前記一辺から前記表示領域の外側に張出した額縁領域を有し、
    前記支持枠における前記表示パネル側の面を表面、前記表面の反対側の面を裏面としたときに、
    前記額縁領域の各々は、前記表示領域の周縁部近傍から前記支持枠の前記裏面側に折り返されていることを特徴とする電気光学装置。
  8. 前記支持枠の前記表面には、前記表示パネルを接着して前記支持するための第1接着層が設けられるとともに、前記裏面には、前記折り返された前記一辺を接着するための第3接着層が設けられ、
    前記折り返し部分における前記ガラス基板の曲げ半径は、前記支持枠の厚さに前記第1接着層と前記第3接着層との厚さを加えた厚さの半分と、略同じ半径となっていることを特徴とする請求項7に記載の電気光学装置。
  9. 前記ガラス基板を第1基板としたときに、
    前記表示パネルは、前記第1基板と略同じ厚さのガラス基板からなる第2基板をさらに有し、前記電気光学層は、前記第1基板と前記第2基板との間に挟持されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  10. 前記表示パネルを前記第1基板側、および前記第2基板側から覆い、ラミネートする樹脂フィルムを、さらに備えることを特徴とする請求項9に記載の電気光学装置。
  11. 前記表示パネルの前記額縁領域には、前記複数の画素を表示駆動するための駆動回路を含む画素回路が形成されており、
    前記折り曲げられた部分、または前記折り返されて曲げられた部分には、前記画素と前記画素回路とを接続するための配線部が形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  12. 前記折り曲げられる、または前記折り返される額縁領域の長さは、2mm以上確保されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  13. 前記電気光学層は、有機発光層を含む有機EL層であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の電気光学装置を表示部として備えたことを特徴とする電子機器。
  15. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の電気光学装置を複数枚有し、
    前記複数の前記電気光学装置をタイリングした表示部を備えることを特徴とする電子機器。
  16. 請求項6に記載の電気光学装置を複数備えた電子機器であって、
    前記ベゼルを前記側面における前記表示パネル側である上側に配置した第1電気光学装置と、前記ベゼルを前記側面における上側の反対側の下側に配置した第2電気光学装置と、をそれぞれ複数有し、
    前記第1電気光学装置と前記第2電気光学装置とを並べたときに、それぞれの前記ベゼルが平面方向において重ならないように配置されており、
    前記第1電気光学装置と、前記第2電気光学装置とが交互となるようにタイリング配置してなる表示部を備えたことを特徴とする電子機器。
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