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JP2011040589A - インプリント装置及び物品の製造方法 - Google Patents

インプリント装置及び物品の製造方法 Download PDF

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JP2011040589A JP2009187032A JP2009187032A JP2011040589A JP 2011040589 A JP2011040589 A JP 2011040589A JP 2009187032 A JP2009187032 A JP 2009187032A JP 2009187032 A JP2009187032 A JP 2009187032A JP 2011040589 A JP2011040589 A JP 2011040589A
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Abstract

【課題】押印工程の迅速化を図ることができるインプリント装置及び物品の製造方法を提供する。
【解決手段】インプリント装置1が、レジスト供給装置22を制御して、モールド2と基板4との間の間隙がレジスト3で満たされるように、レジスト3を基板上に供給する。そして、インプリント装置1が、モールド2と基板4との間の間隙がモールド2で満たされた状態で、モールド2を基板4に押し付けることによって、基板4上にパターンを形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、モールドに形成されたパターンを基板に形成するインプリント装置及び物品の製造方法に関する。
インプリントは、電子ビーム露光等によって微細なパターンが形成されたモールドを、レジストとしての樹脂材料を塗布した基板に押し付ける(押印する)ことによって、レジスト上にパターンを写し取る(転写する)技術である。
インプリントには、転写方法として、熱サイクル法や光硬化法(「UV硬化型」とも言われる)などの方式が提案されている。熱サイクル法は、加工対象の樹脂(熱可塑性材料)をガラス転移温度以上に加熱して、樹脂の流動性を高めて、モールドを押印し、冷却した後に離型する方法である。光硬化法は、紫外線硬化型の樹脂(UV硬化樹脂)を利用し、透明なモールドを樹脂に押印した状態で樹脂を感光及び硬化させてからモールドを剥離する方法である(特許文献1)。
図5は、光硬化法によるインプリントを説明する図である。図5(A)は押印工程を示す。図5(B)はレジストの硬化工程を示す。図5(C)は離型工程を示す。まず、インプリント装置が、紫外線を透過する材料(例えば、石英)からなるモールド2を、図5(A)に示すように、紫外線(UV:Ultra Violet)硬化樹脂であるレジスト3を塗布した基板4に押し付ける。これにより、レジスト3が、モールド2に形成されたパターン30に沿って流動する。次に、インプリント装置が、モールド2を基板4に押し付けた状態で、図5(B)に示すように、紫外光33を照射する。これにより、レジスト3が、モールド2に形成されたパターン形状に硬化する。そして、インプリント装置が、図5(C)に示すように、モールド2を基板4から引き離す。その結果、モールド2の形状が維持された硬化したレジスト36が基板4に残り、基板4にパターンが転写(形成)される。
複数回のパターンの転写を必要とする大きな基板に対しては、インプリント装置が、パターンの転写毎に基板を移動し、上記図5(A)乃至(C)の工程を繰り返して、基板全体にパターンを逐次転写する。転写されたパターンは、投影露光装置で転写されたパターンと同等である。光硬化法では、基板上に転写されたパターンが後工程のエッチング処理による影響を受けないように、感光及び硬化させる際の樹脂の厚さを一定(均一)にすることが重要である。また、モールドを押し付ける際に、樹脂に厚みむらを発生させないことが重要である。従って、モールドを押し付けた時に、モールドのパターンが形成された面と、基板のパターンが形成される対象となる面とが平行に維持された状態となる必要がある。さらに、パターン欠陥の原因となる、パーティクルや気泡が、パターン内のレジストに存在しないことも必要となる。
特開2000−194142号公報
従来のインプリント装置においては、モールドが押し付けられる基板上の領域に、予めレジストをパターンの容積に対応する量だけ塗布機構により塗布する。このインプリント装置は、前述した図5に示すように、モールド2を基板4のレジスト3が塗布された領域に押し付けて(押印して)、パターン内にレジスト3が行き渡った後に紫外線硬化又は熱硬化によりレジスト3を硬化させる。
しかし、従来のインプリント装置は、図5(A)に示すように、モールド2とレジスト3との間に気体が存在する状態で、モールド2をレジスト3に押し付ける。従って、モールドに形成されたパターン全域にレジストが回り込んでモールドに形成されたパターン内の空気が抜けるのに時間がかかるという問題がある。
パターン内の空気が存在した箇所は、後にパターン欠陥が生じる原因となる。従って、従来のインプリント装置は、モールドを基板に押し付ける際に、空気が抜けるのを待ってからレジストの硬化工程に移る必要がある。その結果、押印工程に要する時間が長くなって、インプリント装置のスループットが低下するという問題がある。
上記の課題を鑑み、本発明は、押印工程の迅速化を図ることができるインプリント装置の提供を目的とする。
本発明の一実施形態のインプリント装置は、モールドに形成されたパターンを基板上の樹脂に形成するインプリント装置である。前記インプリント装置は、前記基板を移動する基板移動手段と、前記モールドを基板方向に移動するモールド移動手段と、前記基板上に前記樹脂を供給する樹脂供給手段とを備える。前記樹脂供給手段が、前記基板と前記モールドに形成されたパターンとの間隙が前記樹脂で満たされるように該樹脂を前記基板上に供給し、前記モールド移動手段が、前記モールドと前記基板との間隙が前記樹脂で満たされた状態で、前記モールドを前記基板に押し付けることを特徴とする。
本実施形態のインプリント装置は、モールドと基板との間の間隙がレジストで満たされた状態でモールドを基板に押し付けることを通じて、基板上にパターンを形成するので、押印工程において、パターン内の空気が抜けるのを待つ時間を短くすることができる。その結果、押印工程に要する時間を大幅に短縮することができ、スループットを向上させることができる。
本実施形態のインプリント装置の構成例を示す図である。 モールド近傍の拡大図と、レジスト供給回収ノズルの底面図の例である。 本実施形態のインプリント装置の動作処理例を説明する図である。 パターン形成対象面へのパターンの転写動作を説明する図である。 光硬化法によるインプリントを説明する図である。
以下に、添付図面を参照して、本実施形態のインプリント装置について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態のインプリント装置の構成例を示す図である。インプリント装置1は、パターンが形成された型であるモールド2を基板上の光硬化性の樹脂としてのレジスト3に押し付けて、基板4にパターンを転写する加工装置である。この例では、レジスト3は紫外線により硬化する性質を持つ液体の樹脂である。具体的には、インプリント装置1は、基板上のレジスト3にモールド2を押し付け、この状態でレジスト3に紫外線を照射してレジスト3を硬化させた後、基板4を離型して、基板4にパターンを転写する。すなわち、インプリント装置1は、光硬化法の転写方式を用いるインプリント装置であり、パターンが形成された型であるモールドを基板上の樹脂に接触させることを通じてパターンを基板に形成する。
インプリント装置1は、基板チャック5、微動ステージ6、XYステージ7、ベース定盤8、参照ミラー9、レーザー干渉計10a、10b、支柱11、天板12を備える。また、インプリント装置1は、モールドチャック13、モールドチャックステージ14、紫外光光源15、コリメータレンズ16、ガイドバープレート17、ガイドバー18、アクチュエータ19とを備える。インプリント装置1は、レジスト供給装置22、レジスト供給回収ノズル20、レジスト供給管21、レジスト回収装置24、レジスト回収管23、脱気装置37を備える。また、インプリント装置1は、アライメントスコープ25、モールド制御部26、ステージ制御部27、レジスト制御部28、主制御部29を備える。
基板上には、レジスト3が供給される。レジスト3は、紫外線の照射によって硬化する液体の樹脂である。基板チャック5は、基板4を保持する。微動ステージ6は、基板4のθ(z軸回りの回転)方向位置、z位置及び傾きを補正(調整)する機能を有する。微動ステージ6は、XYステージ7に配置される。XYステージ7は、基板4を所定の位置に移動して位置決めする基板移動手段である。ベース定盤8は、XYステージ7を保持する。参照ミラー9は、微動ステージ6の位置を計測するために、レーザー干渉計10aからの光を反射する。参照ミラー9は、微動ステージ6上のx方向及びy方向に配置される。レーザー干渉計10aは、微動ステージ6の位置を検出するために、参照ミラー9に対して光を照射する。レーザー干渉計10bは、モールドチャック13のx方向及びy方向の位置を計測するための光を、モールドチャック13が備える反射面32(図2(A)を参照)に照射する。
支柱11は、ベース定盤8上に屹立し、天板12を支持する。天板12にはレジスト供給回収ノズル20が取り付けられている。モールドチャック13は、モールド2を保持する。モールド2は、パターンが形成されており、紫外線を透過する材料(例えば、石英)からなる。モールドチャック13は、モールドチャックステージ14に載置される。モールドチャックステージ14は、モールドチャックステージ14に載置されたモールドチャック13を固定する。紫外光光源15は、紫外光33を照射する。コリメータレンズ16は、照射された紫外光33を導光する。ガイドバープレート17は、ガイドバー18を固定する。ガイドバー18は、天板12を貫通し、一端がモールドチャックステージ14に固定され、他端がガイドバープレート17に固定される。アクチュエータ19は、エアシリンダ又はリニアモータからなるリニアアクチュエータであり、ガイドバー18をz方向に駆動する。ガイドバー18がz方向に駆動することによって、モールドチャック13に保持されたモールド2を基板4に押し付けたり、モールド2を基板4から離したりすることができる。すなわち、アクチュエータ19、ガイドバー18、及びモールドチャック13は、型であるモールド2を基板方向に移動するモールド移動手段としての機能を有する。モールド2を基板方向に移動させ、基板4に押し付ける工程を押印工程という。また、モールド2を基板4から離す工程を離型工程という。
レジスト供給装置22は、レジスト制御部28からの指示に従って、レジスト供給管21、レジスト供給回収ノズル20を介して、レジスト3を基板上に供給する樹脂供給手段である。レジスト供給装置22は、例えば、レジスト3を貯めるタンク、レジスト3を送り出す圧送装置、レジスト供給流量の制御を行う流量制御装置を備える。レジスト供給装置22が、更に、レジスト3の供給温度を制御するための温度制御装置を備えるようにしてもよい。レジスト供給管21は、レジスト供給装置22から供給されるレジスト3をレジスト供給回収ノズル20に導く。レジスト回収装置24は、レジスト制御部28からの指示に従って、レジスト回収管23、レジスト供給回収ノズル20を介して、基板上のレジスト3を回収する樹脂回収手段である。レジスト回収装置24は、例えば、回収したレジスト3を一時的に貯めるタンク、レジスト3を吸い取る吸引装置、レジスト3の回収流量を制御するための流量制御装置を備える。レジスト回収管23は、レジスト供給回収ノズル20によって基板上から回収されるレジスト3をレジスト回収装置24に導く。
レジスト供給回収ノズル20は、基板4の上方かつモールド2の近傍に配置されている。また、レジスト供給回収ノズル20は、レジスト供給管21を介してレジスト供給装置22と接続している。また、レジスト供給回収ノズル20は、レジスト回収管23を介してレジスト回収装置24と接続している。レジスト供給回収ノズル20は、レジスト供給管21によって導かれるレジスト3を、図2(B)を参照して後述するレジスト供給口を通じて基板上に供給する。また、レジスト供給回収ノズル20は、図2(B)を参照して後述するレジスト回収口を通じて、基板上のレジスト3を回収する。
脱気装置37は、レジスト供給装置22が供給する樹脂内すなわちレジスト3内の気体をレジスト3から除去する脱気手段としての機能を有する。脱気装置37によって、レジスト3における気泡の発生を抑制することができ、また、気泡が発生しても即座にレジスト中に吸収できる。例えば、気体中に多く含まれる窒素、酸素を対象とし、レジスト3に溶存可能なガス量の80%以上を除去すれば、十分に気泡の発生を抑制することができる。脱気装置37としては、例えば、真空脱気装置が好適である。この真空脱気装置は、2つの領域をパーティクルフィルタ、ケミカルフィルタ等のガス透過性の膜で隔て、一方の領域にレジスト3を流し、他方の領域を真空にして、レジスト3中の溶存ガスをその膜を介して真空中に追い出す。
主制御部29は、ステージ制御部27、レジスト制御部28、モールド制御部26の動作を制御する。レジスト制御部28は、レジスト供給装置22に指示して、レジスト3の基板上への供給を制御する。また、レジスト制御部28は、レジスト回収装置24に指示して、基板上からのレジスト3の回収を制御する。具体的には、主制御部29が、モールド2の現在位置、移動速度に関する情報をモールド制御部26から取得する。また、主制御部29が、基板4を移動するXYステージ7の現在位置、速度、加速度、目標位置、移動方向に関する情報をステージ制御部27から取得する。主制御部29は、モールド制御部26から取得した情報とステージ制御部27から取得した情報とに基づいて、レジスト制御部28に指示して、レジスト制御部28によるレジスト3の供給又は回収動作を制御させる。すなわち、主制御部29及びレジスト制御部28は、XYステージ7による基板の移動動作に応じて、レジスト供給装置22によるレジスト3の供給とレジスト回収装置24によるレジスト3の回収を制御する制御手段としての機能を有する。また、主制御部29及びレジスト制御部28は、モールドの移動動作に応じて、レジスト3の供給とレジスト3の回収を制御する制御手段としての機能も有する。
例えば、レジスト制御部28は、主制御部29からの指示に従って、レジスト供給の開始又は中止、レジスト供給口の切り替え、供給するレジスト3の流量の制御指示をレジスト供給装置22に与える。すなわち、主制御部29及びレジスト制御部28は、レジスト供給装置22によるレジスト3の供給量を制御する。また、レジスト制御部28は、主制御部29からの指示に従って、レジスト回収の開始又は中止、レジスト回収口の切り替え、回収するレジスト3の流量の制御指示をレジスト回収装置24に与える。すなわち、主制御部29及びレジスト制御部28は、レジスト回収装置24によるレジスト3の回収量を制御する。
アライメントスコープ25は、基板4及びモールド2に配置された、図示を省略するアライメントマークを観察する。アライメントマークの観察結果に基づいて、アライメント計測系(図示を省略)が、基板4とモールド2の位置合わせを行う。モールド制御部26は、モールドチャックステージ14に指示して、モールド2の姿勢を制御させる。モールド制御部26からの指示を受けたモールドチャックステージ14は、モールド2のθ方向位置及び傾きを補正して、モールド2の姿勢を制御する。ステージ制御部27は、主制御部29の指示に従って、基板4の姿勢を制御する。具体的には、主制御部29から指示を受けたステージ制御部27は、微動ステージ6に指示して、基板4のθ(z軸回りの回転)方向位置、z位置及び傾きを補正させる。また、ステージ制御部27は、XYステージ7に指示して、基板4をXY方向に移動させて、基板を位置決めする。
図2は、モールド近傍の拡大図と、レジスト供給回収ノズルの底面図の例である。図2(A)は図1に示すモールド2近傍の拡大図の例を示す。モールド2は、基板4に転写される凹凸のパターン30が形成された面であるパターン面を有する。モールド2は、真空吸着などの機械的保持手段(図示を省略)によって、モールドチャック13に固定される。同様に、モールドチャック13は、真空吸着などの機械的保持手段(図示を省略)によって、モールドチャックステージ14に載置される。モールドチャック13は、モールド2を固定する際にモールド2の位置を規制する複数の位置決めピン31を有する。また、モールドチャック13は反射面32を有し、この反射面32が、図1中のレーザー干渉計10bからの光を反射する。モールドチャック13とモールドチャックステージ14とは、それぞれ、紫外光光源15からコリメータレンズ16を介して照射される紫外光を、モールド2に導光するための開口部を有する。モールド2の側面部は、パターンが形成された部分の外部に紫外光が漏れないように、遮光部材又は遮光膜で覆われている。モールド2と基板4との間の間隙へのレジスト3の供給は、レジスト供給回収ノズル20によって実現される。レジスト供給回収ノズル20には、内側にレジスト供給口34が設けられており、外側にレジスト回収口35が設けられている。
図2(B)は、レジスト供給回収ノズル20の底面図(図2(A)において下から見た図)の例を示す。図2(B)に示すように、レジスト供給口34とレジスト回収口35とが、モールド2を取り囲むように、それぞれ複数設けられている。レジスト制御部28が、主制御部29からの指示に従って、これら複数のレジスト供給口34、レジスト回収口35からのレジスト3の供給流量、回収流量を制御する。例えば、レジスト制御部28が主制御部29からレジスト3の供給流量を変更する指示を受けると、レジスト供給装置22が備える流量制御装置が、レジスト供給口34からのレジスト3の供給量を変更する。この流量制御装置が、レジスト3を供給するレジスト供給口34を切り替えるように制御してもよい。また、この流量制御装置が、図2(B)に示す各々のレジスト供給口34からのレジスト3の供給量を別個に制御するようにしてもよい。また、例えば、レジスト制御部28が主制御部29からレジスト3の回収流量を変更する指示を受けると、レジスト供給装置22が備える流量制御装置が、レジスト回収口35からのレジスト3の回収量を変更する。この流量制御装置が、レジスト3を回収するレジスト回収口35を切り替えるように制御してもよい。また、この流量制御装置が、図2(B)に示す各々のレジスト回収口35からのレジスト3の供給量を別個に制御するようにしてもよい。
レジスト供給回収ノズル20が、複数個のレジスト供給口34を備える代わりに、モールド2の周囲を取り囲むように全周に渡った一つのレジスト供給口を備えるようにしてもよい。また、レジスト供給回収ノズル20が、複数個のレジスト回収口35を備える代わりに、モールド2の周囲を取り囲むように全周に渡った一つのレジスト回収口を備えるようにしてもよい。
図3は、本実施形態のインプリント装置の動作処理例を説明する図である。なお、図3の説明において、基板4の移動方向は、図3中の右から左であるものとする。まず、図3(A)に示すように、インプリント装置1のレジスト供給装置22が、基板4が静止した状態又は移動している状態で、基板上にレジスト3を供給する。具体的には、レジスト供給装置22が、基板4の移動方向上流側のレジスト供給口34からレジスト3を供給し、レジスト供給口34の下面と基板4の上面にレジスト3を密着させる。これによって、レジスト3の液膜が形成される。
次に、図3(B)、(C)に示すように、レジスト供給装置22が、レジスト供給口34からレジスト3を供給し続けたまま、XYステージ7が、基板4を矢印の方向に移動させる。すなわち、インプリント装置1は、レジスト3の液膜を途切れさせることなく、基板4の移動を利用して、レジスト3をモールド2のパターン面まで導く。基板4の移動に伴って、基板上のパターン形成対象位置とモールド2のパターン面との間の間隙に、レジスト3の液膜が途切れることなく供給される。パターン形成対象位置は、パターンをレジスト3に形成する基板4上の位置である。すなわち、基板上のパターン形成対象位置とモールド2のパターン面との間隙が常にレジスト3の液膜で満たされたまま基板4が移動する。
図3(D)は、レジスト3の液膜が、基板4の移動方向下流側のレジスト回収口35に到達した状態を示す。この状態においては、基板上のパターン形成対象位置が、モールド2のパターン面と対向する位置に配置されている。インプリント装置1が、基板4の移動方向下流側のレジスト回収口35から所定の量のレジスト3を回収する。これによって、基板上のパターン形成対象位置とモールド2のパターン面との間の間隙に、レジスト3の液膜が所定の幅で安定して満たされる。次に、インプリント装置1が、モールド2のパターンを基板上のパターン形成対象位置に転写する。パターン形成対象位置へのパターンの転写が完了すると、インプリント装置1が、基板4を移動して、次のパターン形成対象位置をモールドのパターン面に対向する位置に配置し、該パターン形成対象位置へのパターンの転写を行う。パターン形成対象位置へのパターンの転写動作については図4を参照して後述する。
図3(E)は、基板上の全てのパターン形成対象位置へのパターンの転写が完了し、基板4の移動によってレジスト3の液膜が基板4の移動方向上流側のレジスト供給口34に到達した状態を示す。この状態になると、インプリント装置1が、基板4の移動方向上流側のレジスト供給口34からのレジスト3の供給を停止する。インプリント装置1は、図3(F)に示すように、基板4を左方向に移動しながら、基板上に残ったレジスト3の液膜を基板4の移動方向下流側のレジスト回収口35から回収していく。図3(G)は、基板上の液膜の回収が完了した状態を示す。
本実施形態のインプリント装置1は、上記図3(A)乃至(D)に示すように、基板4の移動に伴ってレジスト3の液膜がモールド2と基板4との間に広がる(流入する)ように、基板4を移動させながら基板上に連続的にレジスト3を供給する。従って、モールド2と基板4との間の間隙に空気が入らないように、この間隙にレジスト3を満たしていくことができる。
基板4の移動方向が図3に示す例における基板4の移動方向と逆である場合にも、インプリント装置1は基板4の移動方向上流側のレジスト供給口34からレジスト3を供給し続けたまま、基板4の移動を利用してレジスト3をモールド2のパターン面まで導く。これにより、基板4の移動に伴って、基板上のパターンの形成対象となる位置であるパターン形成対象位置とモールド2のパターン面との間の間隙に、レジスト3の液膜を途切れることなく供給することができる。
上記図3(D)を参照して説明したように、レジスト3の液膜が、基板4の移動方向下流側のレジスト回収口35に到達した状態においては、インプリント装置1は、基板4の移動方向下流側のレジスト回収口35から所定の量のレジスト3を回収する。すなわち、本実施形態のインプリント装置1は、基板4の移動方向に応じて、レジスト3を回収するレジスト回収口35を切り替える。なお、誤動作などの不測の事態に備えて、少なくともレジスト3を供給している間は全てのレジスト回収口35を同時に作動させて、レジスト3の飛散やこぼれをより確実に防止するようにしてもよい。
また、インプリント装置1が、XYステージ7の移動方向、速度に応じて、各々のレジスト供給口34のレジスト供給量、各々のレジスト回収口35のレジスト回収量を制御するようにしてもよい。
上記図3(A)に示すように、基板4とモールド2との間隙がレジスト3で満たされていない場合には、基板4の移動方向上流側からレジスト3を供給することが好ましい。また、上記図3(B)に示すように、レジスト3の満たし方が不完全で、基板上のパターン形成対象位置とモールド2のパターン面との間の間隙に気体が存在する場合にも、基板4の移動方向上流側からレジスト3を供給することが好ましい。一方、図3(D)に示すように、モールド2と基板4との間の間隙がレジスト3で満たされた後は、基板4の移動方向に拘わらず、レジスト供給口34、レジスト回収口35からレジスト3を供給、回収するように制御してもよい。このように制御した場合、供給するレジスト3の流量や回収するレジスト3の流量が増え、ランニングコストが高くなる欠点がある反面、レジスト供給口34の切り替えを頻繁に行う必要がなくなる。その結果、切り替えに要する時間が減少し、インプリント装置の生産性が向上する。また、レジスト供給口34を高速で切り替える駆動装置が不要となり、レジスト供給装置22を小型化できるという利点もある。
図4は、基板上のパターン形成対象位置へのパターンの転写動作を説明する図である。図4(A)は、基板上のパターン形成対象位置が、モールド2のパターン面と対向する位置に配置された状態を示す。図4(A)に示す状態は、前述した図3(D)に示す状態に対応しており、この状態においては、基板上のパターン形成対象位置とモールド2のパターン面との間隙がレジスト3の液膜で満たされている。
図4(A)に示す状態から、図1に示すインプリント装置1が、モールド2を基板上のパターン形成対象位置に押し付ける。モールド2をパターン形成対象位置に押し付ける前に、インプリント装置1は、図示を省略するアライメント計測系によって、基板4とモールド2との位置合わせを行う。具体的には、インプリント装置1は、アライメントスコープ25によるアライメントマークの観察結果に基づいて、基板4とモールド2とのx方向及びy方向の位置ずれを計測する。そして、上記位置ずれ量を、モールドチャックステージ14、微動ステージ6、及びXYステージ7によって修正する。
モールド2と基板4を正確に位置合わせした後に、インプリント装置1が、図4(B)に示すように、モールド2を基板4に押し付ける。すなわち、インプリント装置1が、アクチュエータ19の駆動を通じて、モールドチャック13及びモールド2を基板4方向に移動し、モールド2を基板4に押し付ける。これによって、モールド2と基板4との間の間隙がレジスト3で満たされた状態で、モールド2が基板4に押し付けられる。その結果、モールド2と基板4とで挟まれた領域にレジスト3が密閉され、密閉された空間内のレジスト3の流れが止まる。
ここで、インプリント装置1が、モールド2のパターン面と基板4のパターン形成対象面とを平行に保ったままモールド2を基板4に押し付けると、パターンの形成に不要なレジストがモールド2と基板4との間の間隙から排出されるのに時間がかかる。ここで、パターン形成対象面とは基板4のパターン対象となる面のことである。従って、インプリント装置1が、モールド移動手段として機能するアクチュエータ19の駆動によって、モールド2のパターン形成面と基板4のパターン形成対象面とが所定の角度をなすようにモールド2を基板4に接近させるようにしてもよい。そして、インプリント装置1が、モールド2のパターン形成面の一端が基板4のパターン形成対象面に接触した後に、パターン形成面の全面をパターン形成対象面に押し付けるようにモールド2を移動させる。このような押し付け方法は、インプリント装置1が、図1中の2台のアクチュエータ19の動作を独立して制御することによって実現される。上記の押し付け方法によれば、パターンの形成に不要なレジストがモールド2と基板4との間の間隙から早く排出されるので、押印工程を迅速に行うことができる。上記のようにモールド2のパターン面をパターン形成対象面に対して斜めに傾けた状態で基板4に近づけていく押し付け方法をとる場合には、一時的にレジスト3の供給量、回収量を変化させることが有効である。例えば、主制御部29が、モールド制御部26からモールド2の位置情報、移動速度を取得し、取得した情報に基づいて、レジスト制御部28にレジスト3の供給量、回収量を変化させるように指示する。主制御部29から指示を受けたレジスト制御部28が、レジスト供給装置22、レジスト回収装置24に指示を与えて、レジスト3の供給量、回収量を変化させる。インプリント装置1が、一時的にレジスト3の供給量を減らすか、又はレジスト3の回収量を増やすか、あるいはその両方を行うことにより、レジスト3の飛散やこぼれを防ぐことができる。また、インプリント装置1がモールド2を基板4に押し付けている間は、レジスト3が流れる経路はモールド2の外部の領域にのみ存在する。従って、モールド2が基板4に押し付けられた状態では、レジスト3の供給量とレジスト3の回収量とを減少させることが望ましい。
上記のようにしてモールド2が基板4に押し付けられた状態で、図4(B)に示すように、インプリント装置1が、紫外光光源15から紫外光33を照射する。照射された紫外光33は、コリメータレンズ16、モールドチャック13の開口部、及びモールド2を介してレジスト3に導光される。これによって、モールド2と基板4とで挟まれた領域のレジスト3が硬化する。モールド2の側面部は、パターンが形成された部分の外に紫外光が漏れないように、遮光部材又は遮光膜で覆われているので、モールド2の外側のレジスト3は硬化しない。
モールド2と基板4とで挟まれた領域にあるレジスト3が硬化した後、図4(C)に示すように、インプリント装置1が、アクチュエータ19の駆動によって、モールド2を持ち上げる。モールド2が持ち上がると、レジスト36が基板上に形成されている。レジスト36は、紫外線の照射によって硬化したレジストである。そして、図4(D)に示すように、インプリント装置1が、XYステージ7を駆動して、基板上の次のパターン形成対象位置がモールド2のパターン面と対向する位置に配置されるように基板4を移動する。すなわち、基板4上のパターン形成対象位置にパターンを形成した後、次のパターン形成対象位置にパターンを形成するまで、レジスト供給装置22が、基板4とモールド2に形成されたパターンとの間隙がレジストで満たされるようにレジストを供給する。
本実施形態のインプリント装置1によれば、モールド2の基板4への押し付け工程(押印工程)、レジスト3の硬化工程、次のパターン形成のための基板4の移動工程を、モールド2と基板4との隙間を常にレジスト液膜で満たしたまま行うことができる。特に、図3及び図4を参照して説明したように、本実施形態のインプリント装置1は、モールド2と基板4との間の間隙がレジスト3で満たされた状態でモールド2を基板4に押し付けることを通じて、基板上にパターンを形成する。すなわち、基板4の移動に伴ってモールド2と基板4との間の間隙にレジスト3が流入するので、基板4のパターン形成対象面がモールド2のパターン面と対向する位置に配置された時には、既に上記間隙にレジスト3が満たされた状態となっている。従って、押印工程において、パターン30内の空気が抜けるのを待つ必要がなくなる。その結果、押印工程に要する時間を大幅に短縮することができ、スループットを向上させることができる。また、本実施形態のインプリント装置によれば、硬化したレジスト3以外のレジスト3は、レジスト回収口35を通して回収されて再利用される。従って、余分なレジスト3の消費(廃棄)が減り、レジスト3を無駄なく有効に使うことができるようになる。本実施形態では、転写方式として光硬化法を用いるインプリント装置について説明した。しかし、本発明のインプリント装置が、光硬化法以外の転写方式を用いるインプリント装置であってもよい。例えば、本発明のインプリント装置は、前述の熱サイクル法による転写方式にも適用することができる。
本実施例では、モールド2を基板4に押し付けるとはレジスト3を介して押し付けることであり、パターンの形成はパターンがレジストに転写されることである。また、図面を含め、モールド2をレジスト3に押し付けた様子は基板4の表面にパターン30の凸部が接触しているように書かれているが、パターン30の凸部が基板4の表面に接触しなくても良い。その場合には、基板4の表面にパターンの凸部に対応する箇所にレジスト3が膜として形成されることになる。この膜のことを残膜と呼ぶことがある。この場合には、酸素ガスによる反応性イオンエッチング(RIE)などによりこれを除去する。
(物品の製造方法)
次に、本発明のインプリント装置を用いた物品の製造方法の実施形態について説明する。物品としてのデバイス(半導体集積回路素子、液晶表示素子等)の製造方法は、前述したインプリント(押印)装置を用いて基板(ウエハ、ガラスプレート、フィルム状基板等)にパターンを転写(形成)するステップを含む。さらに、パターンを転写された前記基板をエッチングするステップを含みうる。なお、パターンドメディア(記録媒体)や光学素子などの他の物品を製造する場合には、エッチングステップの代わりに、パターンを転写された前記基板を加工する他の加工ステップを含みうる。
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内において様々な変形及び変更が可能である。
1 インプリント装置
2 モールド
3 レジスト
4 基板
22 レジスト供給装置
24 レジスト回収装置
26 モールド制御部
27 ステージ制御部
28 レジスト制御部
29 主制御部

Claims (8)

  1. モールドに形成されたパターンを基板上の樹脂に形成するインプリント装置であって、
    前記基板を移動する基板移動手段と、
    前記モールドを基板方向に移動するモールド移動手段と、
    前記基板上に前記樹脂を供給する樹脂供給手段とを備え、
    前記樹脂供給手段が、前記基板と前記モールドに形成されたパターンとの間隙が前記樹脂で満たされるように該樹脂を前記基板上に供給し、
    前記モールド移動手段が、前記モールドと前記基板との間隙が前記樹脂で満たされた状態で、前記モールドを前記基板に押し付ける
    ことを特徴とするインプリント装置。
  2. 前記パターンを前記樹脂に形成する前記基板上のパターン形成対象位置に、前記パターンを形成した後、次のパターン形成対象位置に前記パターンを形成するまで、前記樹脂供給手段は前記基板と前記モールドに形成されたパターンとの間隙が前記樹脂で満たされるように前記樹脂を供給する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記基板上に供給された前記樹脂を回収する樹脂回収手段と、
    前記基板移動手段による前記基板の移動に応じて、前記樹脂供給手段による前記樹脂の供給と前記樹脂回収手段による前記樹脂の回収を制御する制御手段とを備える
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインプリント装置。
  4. 前記制御手段は前記樹脂供給手段による樹脂の供給量を制御することを特徴とする請求項3に記載のインプリント装置。
  5. 前記制御手段は前記樹脂回収手段による樹脂の回収量を制御することを特徴とする請求項3に記載のインプリント装置。
  6. 前記モールド移動手段が、前記モールドの前記パターンが形成されたパターン形成面と前記基板の前記パターンの形成対象となるパターン形成対象面とが所定の角度をなすように前記モールドを前記基板に接近させ、前記パターン形成面の一端が前記パターン形成対象面に接触した後に、前記パターン形成面の全面を前記パターン形成対象面に押し付けるように前記モールドを移動させる
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のインプリント装置。
  7. 前記樹脂供給手段が供給する前記樹脂内の気体を該樹脂から除去する脱気手段を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のインプリント装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のインプリント装置を用いて前記パターンを前記基板に形成する工程と、
    前記パターンが形成された基板を加工する工程とを有する
    ことを特徴とする物品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013038117A (ja) * 2011-08-04 2013-02-21 Jx Nippon Oil & Energy Corp 微細パターンを転写するための転写ヘッド及びそれを用いた微細パターンの形成方法

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