JP2013038117A - 微細パターンを転写するための転写ヘッド及びそれを用いた微細パターンの形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 転写ヘッド10は、光硬化性樹脂を硬化させるための光を照射する光源12と、光透過性の基部14と、基部14の光出射面に取り付けられ、遮光部16cにより区画された開口16bを有するマスク板16と、微細パターンMPを有し、前記開口16bを透過した光を透過するモールド18とを備える。マスク板16の開口16bが微細パターンMPよりも小さい。
【選択図】 図1
Description
図1に示すように、転写装置50は、基板102上に塗布された光硬化性樹脂104に微細パターンをナノインプリントにより転写して形成するための装置であり、主に、転写ヘッド10と、鉛直方向に延在するガイドバー22を通じて転写ヘッド10を鉛直方法(Z方向)に移動させるための駆動部40と、基板102を保持しつつ、ステージベース21上を水平方向(図中、XまたはY方向)にステップ移動可能な移動ステージ20とを備える。転写装置50は、真空チャンバ50a内に収容されている。転写ヘッド10は、光源12と、光源12から照射された光を透過する基部14と、マスク板16と、微細パターンMPが形成されたモールド18とを主に有する。ガイドバー22はステージベース21上に支持されている。
次に、転写装置50を用いてステップアンドリピート法により基板102上に所定面積のパターンを形成する方法について図1及び図4を参照しながら説明する。
上記のようなパターン形成プロセスにおいて、隣り合って形成された転写領域のつなぎ目幅は、移動ステージ20のステップ移動量に依存するために、ステップ移動量を適切に設定する必要がある。ステップアンドリピート法により、例えば、有機EL素子の回折基板(回折格子基板)のような大面積のパターンを得るためには、隣接する転写領域間のつなぎ目が殆ど無いことが望ましい。一方で、半導体素子のような回路パターンの場合には、一定のマージンを残して複数のパターン(ダイ)が配列した方が望ましい。いずれにしても、図8(c)に示したような隣合う転写領域間の樹脂盛り上がり部の存在などにより、つなぎ目幅はかなり影響すると考えられる。それゆえ、移動ステージ20の移動量に対する目標とするつなぎ目幅の関係を予め測定しておき、その結果に応じて、目標つなぎ目幅に対する移動ステージの移動量(ステップ量)を決定するのが製造上好ましい。そこで、図5に示すように、基板102上で、所定のパターンを異なるステップ量で移動しながら異なる領域81〜85に予備転写を行う。こうして予備転写された異なる転写領域間のつなぎ目幅t1〜t4を実測して、その転写領域間を移動した移動ステージのステップ移動量とを比較する。こうすることによって、目標つなぎ目幅に応じたステップ移動量を求めることができ、上記のような実際のパターン形成プロセスにおいて目標つなぎ目幅に対する移動ステージのステップ移動量を制御することができる。
図1に示したような転写ヘッド10に装着するモールド(母型)18を以下のようにBCP法を用いて作製した。なお、このモールドは、有機EL素子の輝度向上用回折格子基板を製造するためのものである。
モールドとマスクの間の接合並びにマスクと基部との間の接合に、それぞれ、実施例1で用いた貯蔵弾性率1.5×10−2MPa(25℃)のアクリル系透明粘着剤を用いる代わりに、それらの間の接合を貯蔵弾性率1.0×103MPa(25℃)のアクリル系UV硬化型接着剤で行った以外は、実施例1で作製したモールド(うねりが7μm)を用い、実施例1と同様にして転写ヘッドを組み立てた。この転写ヘッドを用いて、実施例1と同様にして、基板上の光硬化性樹脂に対して、真空チャンバの減圧、モールドによる加圧、大気開放、光照射及び離型の工程を、移動ステージのステップ移動を繰り返しながら4回実施した。最後に、実施例1と同様にして基板102を移動ステージ20から取り外し、イソプロピルアルコールで洗浄した。こうして得られた基板102を観察したレーザ顕微鏡で観察したところ、それぞれの転写されたパターンのつなぎ目幅は1μmであり、つなぎ目の高さは0μmであった。
マスクの遮光部に囲まれた開口部(光出射部)の寸法をモールドのパターンの外形寸法(15mm)と同一にすることにより、マスクの開口部を完全にパターンと重なるようにした以外は、実施例1と同様にして転写ヘッドを組み立てた。この転写ヘッドを用いて、実施例1と同様にして、基板上の光硬化性樹脂に対して、真空チャンバの減圧、モールドによる加圧、大気開放、光照射及び離型の工程を、移動ステージのステップ移動を繰り返しながら4回実施した。つなぎ目幅と移動量の予備測定において、ステージの移動量を実施例1と同様にして、予めつなぎ目幅とステージ移動量を予備測定したが、15.001mmのステージ移動量でつなぎ目幅が1μmを達成することができなかった。これは、モールドにより転写された領域の両側に硬化した盛り上がり部が残留したため、ステップ移動量15.001mmでは硬化した盛り上がり部にモールドが乗り上げてしまい、モールドの均一な加圧ができなくなるためである(図8(c)参照)。それゆえ、ステップアンドリピートにおけるステージのステップ移動量を15.005mmに変更した。最後に、実施例1と同様にして基板102を移動ステージ20から取り外し、イソプロピルアルコールで洗浄した。こうして得られた基板102を観察したレーザ顕微鏡で観察したところ、それぞれの転写されたパターンのつなぎ目幅は5μmであり、つなぎ目の高さが25μmであり、盛り上がり部が残留していたことが分かった。このため、微細パターンが基板面内に渡って均等には転写されていなかった。
実施例1、実施例2及び比較例で微細パターンMPのつなぎ合わせでできた転写基板を有機EL素子の輝度向上用回折基板として用いて、有機EL素子を以下のようにして作製した。転写基板の樹脂層上に、透明電極(ITO、厚み:120nm)をスパッタ法にて、正孔輸送層[N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン、厚み:40nm]、電子輸送層(8−ヒドロキシキノリンアルミニウム、厚み:30nm)、フッ化リチウム層(厚み:1.5nm)、及び金属電極(アルミニウム、厚み:150nm)を、硬化樹脂層の表面に形成されている凹凸の形状が維持されるようにして、それぞれ蒸着法により積層して有機EL素子を作製した。有機EL素子の金属電極側に負電圧、透明電極側に正電圧が印加されるように直流電源を接続し、3Vの電圧を印加し、発光状態をデジタルカメラにて撮像した。
12 光源、12a 光源枠
14 基部
15a、15b 弾性部材
16 マスク板、16a 透明基板、16b 開口、 16c 遮光部
18 モールド、18a パターン面、18b 平坦面、18c 外縁
20 移動ステージ
22 ガイドバー
50 転写装置
81〜85、91〜94 転写領域
102 基板
104 光硬化性樹脂、104a,104b 盛り上がり部
106 転写ヘッド
203 パターン面、MP 微細パターン
Claims (12)
- 光硬化性樹脂に微細パターンを転写するために用いられる転写ヘッドであって、
前記光硬化性樹脂を硬化するための光を透過するとともに、当該光を出射する面を有する基部と、
一面に微細パターンが設けられ、前記光を透過するモールドと、
前記基部の前記光出射面と前記モールドとの間に設けられ、遮光部と当該遮光部により区画された光透過部を有するマスク板とを備え、
前記マスク板の前記光透過部が前記微細パターンよりも小さく、前記マスク板の光入射側から見て前記マスク板の前記光透過部が前記微細パターンの内側に存在するようにマスク板がモールドに対して配置されていることを特徴とする転写ヘッド。 - 前記マスク板とモールドとの間及び/または前記基部と前記マスク板との間に、弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の転写ヘッド。
- 前記マスク板の前記光透過部が前記微細パターンよりも0.1〜3mm小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の転写ヘッド。
- 前記モールドの微細パターンが樹脂から形成されており、前記微細パターン上の凹凸の平均ピッチが100〜600nmの範囲であり、凹凸の平均高さは、20〜200nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の転写ヘッド。
- 前記モールドの厚みが0.2mm〜5.0mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の転写ヘッド。
- さらに前記光を照射する光源を備え、前記光源が前記基部の光出射面と反対側に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の転写ヘッド。
- 請求項1に記載の転写ヘッドを用いたパターンの形成方法であって、
前記光硬化性樹脂を基板に塗布する工程と、
前記転写ヘッドのモールドの前記微細パターン面を基板上の光硬化性樹脂の所定領域に押し付ける加圧工程と、
前記光源からの光を前記モールドを通じて光硬化性樹脂に照射して前記光硬化性樹脂を硬化する光照射工程と、
前記転写ヘッドを光硬化性樹脂から離して前記モールドを光硬化性樹脂から離型する離型工程と、
前記転写ヘッドを前記所定領域から該所定領域に隣設する領域に対向するように移動する工程とを備え、
前記加圧工程、光照射工程、離型工程及び移動工程を、複数回繰り返すことによって、前記基板上の光硬化性樹脂に、前記微細パターンが複数転写されたパターンを形成した後、前記基板を有機溶剤にて洗浄する洗浄工程を有することを特徴とするパターン形成方法。 - 前記所定領域から該所定領域に隣設する領域に移動する移動量が、前記微細パターンのサイズ+1μm以内であることを特徴とする請求項7に記載のパターン形成方法。
- 前記光硬化性樹脂が酸素阻害性を有する樹脂であることを特徴とする請求項7または8に記載のパターン形成方法。
- 前記光照射工程を大気雰囲気下で実行することを特徴とする請求項9に記載のパターン形成方法。
- 前記加圧工程を減圧雰囲気下で実行することを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
- 前記転写ヘッドのモールドのパターンはブロック共重合体の自己組織化により形成することを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
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