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JP2010269580A - インプリント装置及び物品の製造方法 - Google Patents

インプリント装置及び物品の製造方法 Download PDF

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JP2010269580A
JP2010269580A JP2009125750A JP2009125750A JP2010269580A JP 2010269580 A JP2010269580 A JP 2010269580A JP 2009125750 A JP2009125750 A JP 2009125750A JP 2009125750 A JP2009125750 A JP 2009125750A JP 2010269580 A JP2010269580 A JP 2010269580A
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英悟 川上
Kazuyuki Harumi
和之 春見
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Abstract

【課題】離型に有利なインプリント装置を提供する。
【解決手段】
本発明のインプリント装置は、パターンが形成されたモールド10をレジストMpが塗布されたウエハ100に押し付け、モールド10をウエハ100から離型することによってパターンをウエハ100に転写する押印装置であって、ウエハ100をその端部において吸着保持するウエハチャック21と、ウエハチャック21とは分離して形成され、ウエハ100を吸着保持するウエハチャック22と、ウエハチャック21及びウエハチャック22をモールド10に対して相対的に移動させる駆動部とを有し、ウエハチャック22は、ウエハチャック21より可撓性の高い材質で形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、基板上の樹脂を型により成形してパターンを基板に形成するインプリント装置に関する。
紫外線やX線、電子ビームを用いたフォトリソグラフィーに代わる技術として、ナノインプリント技術が知られている。
ナノインプリント技術は、電子ビーム露光等によって微細なパターンが形成された型(モールド)により、ウエハ等の基板上に塗布された樹脂を成形して、基板上に樹脂(レジスト)のパターンを形成する。
ナノインプリント技術にはいくつかの種類があり、その一つの方法として、光硬化法がある。光硬化法は、紫外線硬化型の樹脂(レジスト)に透明なモールドを押し付けた状態で、この樹脂を感光及び硬化させ、その後、モールドを剥離(離型)する方法である。
光硬化法によるナノインプリント技術では、硬化後の樹脂によりモールドと基板とが接着状態になる。このため、離型に大きな力が必要となるとともに、離型時にパターンの損壊が発生するおそれがある。特に、形成すべきパターンが大きくなると、離型に必要な力が面積に比例するため、パターン転写装置(押印装置)の大型化を招くことになる。また、パターンの損壊を低減させるため、離型時の速度を低くすると、パターン転写装置のスループットも低くなってしまう。
このため、特許文献1には、モールドと基板との間にナイフを入れ、機械的に剥離する方法が開示されている。また、特許文献2には、モールドを傾けて離型させる方法が開示されている。さらに、特許文献3には、基板の保持力(吸着圧)を局所的に変化させて、離型時に基板を撓ませることで離型を容易にする方法が開示されている。
特開2007−118552号公報 特開2007−19485号公報 特開2007−83626号公報
しかし、特許文献1の方法では、ナイフとの接触と摩擦とにより、モールドや基板の損傷やゴミの発生が起こりうる。
また、特許文献2の方法では、離型開始時点で必要となる力は低減されず、装置が大きくなってしまう。
さらに、特許文献3の方法では、基板をモールドの引上げ力に抗して保持しつつ、基板を撓ませるように基板の保持力を局所的に調整するのは容易ではない。この場合、基板がモールドと一体になって基板保持手段から外れてしまうおそれがある。また、基板を撓ませる方法は、基板の曲げが拘束された個所で基板が破損するおそれもある。
本発明は、例えば、離型に有利なインプリント装置を提供する。
本発明の一側面としてのインプリント装置は、型による基板上の樹脂の成形と、前記基板からの離型とを行って、前記樹脂のパターンを前記基板上に形成するインプリント装置であって、前記基板の裏面をその端部において保持する第1保持部と、前記基板の裏面を前記端部とは異なる部分において保持する第2保持部と、前記第1保持部及び前記第2保持部を互いに相対的に移動させる駆動部とを有し、前記第2保持部の可撓性は、前記第1保持部の可撓性より高い。
本発明の他の側面としての物品の製造方法は、前記インプリント装置を用いて樹脂のパターンを基板上に形成する工程と、前記工程で前記パターンを形成された基板を加工する工程とを有する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、例えば、離型に有利なインプリント装置を提供することができる。
実施例1の押印装置におけるウエハチャック周辺(離型前の状態)の概略構成図である。 実施例1の押印装置におけるウエハチャックの平面図である。 実施例1の押印装置におけるウエハチャックによる離型動作を示すフローチャートである。 実施例1の押印装置におけるウエハチャック周辺(離型途中の状態)の概略構成図である。 実施例1の押印装置におけるウエハチャック周辺(離型後の状態)の概略構成図である。 実施例2における押印装置としてのパターン転写装置の構成図である。 実施例2におけるパターン転写装置の動作を示すフローチャートである。 実施例3における押印装置としてのパターン転写装置の構成図である。 実施例3における押印装置としてのパターン転写装置の構成図である。 実施例3におけるパターン転写装置の動作を示すフローチャートである。 実施例3におけるパターン転写装置の動作を示すフローチャートの続きである。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
まず、本発明の実施例1における押印装置について説明する。
本実施例の押印装置(インプリント装置)は、モールド(型)による基板上の樹脂の成形と、基板からの離型とを行って、樹脂のパターンを基板上に形成する押印装置である。例えば、本実施例の押印装置は、半導体やMEMS(Micro Electro−Mechanical Systems)等のデバイスを製造する際にナノインプリント技術を実行するパターン転写装置である。
図1は、本実施例の押印装置におけるウエハチャック周辺の概略構成図であり、離型前の状態を示している。図1において、10はモールド(型)である。モールド10の一方の面(ウエハ100を押し付ける面)には、ウエハ100(基板)に転写するための凹凸パターンが形成されている。モールド10は、紫外線等の光線に対して光学的に透明である。
図1に示されるように、ウエハ100の上にはレジストMp(樹脂)が塗布されており、モールド10は、ウエハ100上のレジストMpを押印している。11はモールドチャックである。モールドチャック11は、モールド10を真空吸着等により吸着保持する。
21はウエハチャック(第1保持部)である。ウエハチャック21は、ウエハ100の裏面を少なくともその端部において吸着保持する。22はウエハチャック(第2保持部)である。ウエハチャック22は、ウエハチャック21とは分離して形成され、ウエハ100の裏面を前記端部とは異なる部分において、ウエハチャック21と同様にウエハ100を吸着保持する。
本実施例において、ウエハチャック21、22は、可撓性(微弾性)の高い材質で構成されている。ウエハチャック22の可撓性は、ウエハチャック21の可撓性より高いことが好ましい。また、ウエハチャック21、22の可撓性は、ウエハ100の可撓性より高いことが好ましい。
図2は、本実施例の押印装置におけるウエハチャック21、22の平面図である。ウエハチャック21、22は、それぞれ、ウエハ100を吸着保持するための吸着面S1、S2を有する。ウエハチャック21、22(吸着面S1、S2)は所定の距離だけ離れて配置されており、吸着面S1、S2の間には隙間Gが設けられている。
図2に示されるように、ウエハチャック21の吸着面S1の面積は、ウエハチャック22の吸着面S2の面積より小さい。吸着面S1の面積を吸着面S2より小さくすることにより、離型をより容易に行うことが可能となる。ただし、本実施例はこれに限定されるものではなく、例えば吸着面S1、S2の面積を同一にしてもよい。また、吸着面S1の面積を吸着面S2より大きくすることも可能である。
本実施例では、ウエハチャック21、22のように、ウエハチャックは2つのウエハチャックに分離されている。しかし、本実施例はこれに限定されるものではなく、ウエハチャックが3つ以上のウエハチャックに分離された構成でも適用可能である。3つのウエハチャックを設ける場合には、例えば、y軸に関してウエハチャック21の対称位置に、ウエハチャック21と同一材料で形成されたウエハチャックが配置される。このとき、ウエハチャック21及び対称位置に設けられたウエハチャックを用いて両側から同時に離型を開始することにより、スループットをさらに向上させることができる。
図2において、D1及びD2は、それぞれの吸着面S1及びS2に設けられた吸着用の溝である。溝D1、D2は、不図示の真空排気手段に接続され、ウエハ100に対する吸着力を発生させる。
なお、ウエハチャック21、22は、いずれも、ウエハチャック全体を可撓性の高い材質で構成する必要はない。少なくとも、吸着面S1、S2を含み、かつ、最上部の厚さ数mmから十数mm程度の範囲内において可撓性の高い材質で構成されていればよい。
図1において、Mpはレジストである。レジストMpは、例えば、紫外線照射により硬化する紫外線硬化樹脂である。ただし、本実施例はこれに限定されるものではなく、他の性質を有するレジストを用いてもよい。
上述のとおり、図1は、ウエハチャック21、22に吸着保持されたウエハ100上のレジストMpに対して、モールド10の押印が完了した状態(離型前の状態)を示している。すなわち、レジストMpに対する紫外線の照射が終了して硬化が完了した状態である。このとき、モールド10とウエハ100は、レジストMpを介して接着状態にある。
次に、本実施例の押印装置において、図1に示される状態からの離型動作について、図3乃至図5を参照しながら説明する。図3は、本実施例の押印装置におけるウエハチャックによる離型動作を示すフローチャートである。また、図4(a)、(b)は、本実施例の押印装置におけるウエハチャック周辺の概略構成図であり、離型途中の状態を示している。図5は、本実施例の押印装置におけるウエハチャック周辺の概略構成図であり、離型後の状態を示している。
まず、図3のステップS141において、ウエハチャック21を、図1に示される矢印(1)の方向(−z方向)に下降させる。図4(a)に示されるように、ウエハチャック21が下降すると、ウエハ100の端部(ウエハチャック21の吸着面S1に吸着されている部位)に離型開始点Dsが形成される。同時に、図4(a)に示される位置Ptを通るy方向の軸を回転中心として、矢印(1’)の方向にウエハチャック21をチルト(傾斜)させる。
このとき、ウエハチャック21は、押印装置の制御部(不図示)からの指示に基づいて、駆動部(不図示)により駆動される。具体的には、駆動部は、ウエハチャック21をウエハ100の主面に対して垂直方向(−z方向)に移動させながら、ウエハチャック21をウエハチャック22に近接する方向(−x方向)に回転移動させる。このように、駆動部は、ウエハチャック22に対してウエハチャック21を移動させるが、この移動は、ウエハチャック21とウエハチャック22との境界線(隙間G)に平行な軸の周りのウエハチャック21の回転を含む。
ウエハチャック21の側面Ts(ウエハチャック22に対向する面)は、z方向に対して傾斜しており、ウエハチャック21の回転移動がウエハチャック22により妨げられないように構成されている。なお、本実施例ではウエハチャック21の側面Tsが傾斜しているが、これに代えて、ウエハチャック22の側面(ウエハチャック21に対向する面)をz方向に対して傾斜させるように構成することができる。また、ウエハチャック21、22の両方の側面を傾斜させてもよい。
この結果、モールド10に対して、図4(a)の右手方向から、レジストMpの剥離が開始される。上述のとおり、ウエハチャック22は可撓性の高い材質で構成されている。このため、図4(a)に示されるように、ウエハチャック22は、ウエハチャック21の近傍部分において、ウエハチャック21の下降に応じて圧縮変形する。
このため、ウエハ100はウエハチャック21、22の境界で折れ曲がり、ウエハ100が機械的に折損することを抑制することができる。ウエハ100の折損は、ウエハチャック21をチルト(回転移動)させることで、より効果的に抑制可能となる。
次に、図3のステップS142において、図4(b)に示される矢印(2)の方向(−z方向)に、ステップS141におけるウエハチャック21と同じ量だけウエハチャック22を下降させる。ウエハチャック22の下降により、図4(a)に示される離型領域Da(剥離領域)が、図4(b)に示されるように左手方向に拡大する。同時に、図4(b)に示される矢印(3)の方向にウエハチャック21を移動する。すなわち、チルト(回転移動)したウエハチャック21を逆に回転させ、ウエハチャック21のチルトを解除する。ウエハチャック21、22は、押印装置の制御部(不図示)からの指示に基づいて、駆動部(不図示)により駆動される。
この結果、ウエハチャック22の圧縮変形した部分が元に戻り、ウエハチャック21、22の吸着面S1、S2が再び同一面上に配置される。このように、押印装置における離型動作は完了して、本実施例の押印装置におけるウエハチャック周辺は、図5に示される離型後の状態となる。
このように、本実施例の押印装置において、駆動部は、モールド10をレジストMpが塗布されたウエハ100から離型する際、ウエハチャック21を移動させてからウエハチャック22を移動させる。すなわち、駆動部は、ウエハチャック22に対してウエハチャック21を移動させてウエハ100からの離型を一部行った後に、ウエハチャック21、22を移動させてウエハ100からの離型を完了する。
なお、駆動部は、ウエハチャック21、22のみを駆動するのではなく、モールド10を駆動するように構成可能である。すなわち、駆動部は、ウエハチャック21及びウエハチャック22を互いに相対的に移動させることにより、モールド10をウエハ100から離型させてもよい。
本実施例では、例えば、ウエハ100の外径は300mmであり、ウエハチャック21のx軸方向の最大幅は30mmである。このとき、図4(a)に示されるウエハチャック21の右端(離型開始点Ds)の下降量を0.3mmとすると、ウエハチャック21に必要なチルト量は1mrad程度となる。
また、ウエハチャック21、22に用いられる材料としては、シリコンゴム等の可撓性(微弾性)の高い材料が好適である。ウエハチャック21は、離型動作時に、ウエハ100の端部をしっかり吸着保持して下降する必要がある。このため、ウエハチャック21は、ウエハチャック22とは異なる可撓性を有する材料を用いて構成される。具体的には、ウエハチャック21は、ウエハチャック22より可撓性の低い材料であることが好ましい。
以上のとおり、本実施例の押印装置では、モールド10の全面を一度に離型するのではなく、ウエハ100の端部に離型開始点Dsを形成し、ウエハ100側を端部から徐々に剥離させていく。そして、剥離面積を徐々に拡大することにより、小さな力で離型させることが可能となる。また、小さな力で剥離させることができるため、離型時の転写パターンの破壊を抑制することが可能となる。
したがって、本実施例によれば、スループットと歩留りを向上させた押印装置を提供することができる。
次に、本発明の実施例2における押印装置について説明する。図6は、本実施例における押印装置としてのパターン転写装置の構成図である。
図6において、101、102はウエハである。20は、ウエハ101を保持するためのウエハチャックである。21及び22は、ウエハ102を保持するためのウエハチャックである。本実施例では、20を押印チャック、21及び22を離型チャックと称する。なお、離型チャック21、22は、図2で説明したウエハチャックと同一のものである。
31、32は、それぞれ、ウエハ101、102のθ方向(z軸回りの回転方向)における位置の補正機能、ウエハ101、102のz位置の調整機能、及び、ウエハ101、102の傾きを補正するためのチルト機能を有する微動ステージである。微動ステージ31、32は、それぞれ、ウエハ101、102を所定の位置に位置決めするためのXYステージ41、42の上に配置される。
5は、XYステージ41、42が載置されるベース定盤である。6は、微動ステージ31上において、x方向及びy方向(y方向は不図示)に取り付けられた参照ミラーである。参照ミラー6は、押印チャック20を搭載する微動ステージ31の位置を計測するため、レーザ干渉計7からの光を反射する。なお、離型チャック21、22を搭載する微動ステージ32についても、同様のレーザ干渉計と参照ミラーの組合せ(不図示)が配置される。
8及び8’は支柱である。支柱8、8’は、ベース定盤5上に屹立し、天板9を支える。10は、ウエハ101に転写される凹凸パターンが形成されたモールドである。11は、モールドチャックステージ12に載置されるモールドチャックである。モールドチャック11は、図示しない真空吸着部等の吸着手段を用いて、モールド10を吸着保持する。
モールドチャックステージ12は、モールド10(モールドチャック11)のθ方向(z軸回りの回転方向)における位置の補正機能、及び、モールド10の傾きを補正するためのチルト機能を有する。13はガイドバープレートである。14、14’はガイドバーである。ガイドバー14、14’は、天板9を貫通しており、その一端がモールドチャックステージ12に固定され、他端がガイドバープレート13に固定されている。
15、15’は、エアシリンダ又はリニアモータから構成されるリニアアクチュエータである。リニアアクチュエータ15、15’は、ガイドバー14、14’を図6のz方向に駆動して、モールドチャック11に保持されたモールド10を、押印位置Piに配置されるウエハに対して押し付け又は引き離す。
16はUV光源である。UV光源16は、コリメータレンズ17を通して、光硬化型の樹脂を感光させるための紫外線であるUV光を照射する。なお、モールドチャック11及びモールドチャックステージ12は、それぞれ、UV光源16から照射されるUV光をモールド10へ通過させる図示しない開口を有する。
181はウエハ供給用のウエハ搬送ロボットである。ウエハ搬送ロボット181は、図示しないウエハカセットから押印チャック20に転写用のウエハを供給する。182はウエハ回収用のウエハ搬送ロボットである。ウエハ搬送ロボット182は、離型チャック21、22から転写済みのウエハを図示しないウエハカセットへ回収する。
次に、本実施例におけるパターン転写装置(押印装置)の動作について説明する。図7は、本実施例におけるパターン転写装置の動作を示すフローチャートである。以下、図6及び図7を参照して、押印、硬化、離型の一連のパターン転写動作について説明する。なお、以下のパターン転写動作は、パターン転写装置の制御部(不図示)からの指示により実行される。
まず、図7のステップS1において、ウエハ搬送ロボット181により、ウエハ供給位置Psに位置する押印チャック20上に、転写用のウエハ101が供給される。
ステップS2において、押印チャック20の吸着をオン状態にして、転写用のウエハ101を吸着保持する。そして、ステップS3において、XYステージ41を+x方向に駆動して、押印チャック20をウエハ供給位置Psからモールド10と対向する押印位置Piへ移動させる。さらに、微動ステージ31を駆動して、押印チャック20のz方向の高さと傾きを調整する。また、ウエハ101の表面を、パターン転写装置の基準平面(不図示)に合わせる。押印位置Piは、レジストの成形を行う成形ステーションにある。本実施例において、押印位置Pi(成形ステーション)は、離型位置(ウエハからの離型を行う離型ステーション)を兼ねている。
次に、ステップS4において、リニアアクチュエータ15、15’を−z方向に駆動して、モールドチャック11(即ち、モールド10)を所定位置まで下降させる。ステップS5では、微動ステージ31を駆動して、モールド10及びウエハ101に予め用意されたアライメントマーク(不図示)を、アライメント計測系(不図示)を用いて観察する。この観察結果に応じて、モールド10に対するウエハ101のxy平面内の位置が調整される。
ステップS6では、リニアアクチュエータ15、15’を−z方向に駆動して、モールド10をウエハ101上にスピンコート等で塗布されているレジスト(不図示の紫外線硬化樹脂)に押し付ける。
押し付け完了の判断は、モールドチャック11の内部に設置された不図示の荷重センサによって行われる。荷重センサの出力に基づく押し付け力が所定の範囲にない場合には、モールドチャックステージ12がモールドチャック11のz方向の位置と傾きを変える。または、微動ステージ31が押印チャック20のz方向の位置と傾きを変えることにより、モールド10の押し付け力の調整が行われる。モールド10が所定の押し付け状態になると、ステップS7において、UV光源16を用いて所定時間だけUV光を照射する。UV光は、モールド10を介してレジストに照射され、レジストを硬化させる。
次に、ステップS8において、押印チャック20の吸着をオフ状態にする。ステップS9では、リニアアクチュエータ15、15’を+z方向に駆動して、モールド10及びレジストを介してモールド10と接着状態にある転写済みのウエハ101を上昇させる。
ステップS10では、XYステージ41を−x方向に駆動して、転写済みのウエハ101が除去された押印チャック20を、ウエハ供給位置Psに戻す。ステップS11では、XYステージ42を−x方向に駆動して、ウエハ回収位置Prにある離型チャック21、22を押印位置Piへ移動させる。このとき、離型チャック21、22上には、ウエハは存在しない。
ステップS12では、リニアアクチュエータ15、15’を−z方向に駆動して、モールド10と転写済みのウエハ101を下降させる。そして、モールド10と接着状態にある転写済みのウエハ101(以降、「ウエハ102」と表記する。)の裏面を離型チャック21、22に接触させる。
ステップS13では、離型チャック21、22の吸着をオン状態にし、転写済みのウエハ102を吸着保持する。続いて、ステップS14では、実施例1の図3を参照して説明した手順で、離型チャック21、22による離型動作が行われる。
ステップS15では、リニアアクチュエータ15、15’を+z方向(図5の矢印(4)の方向)に駆動することにより、離型が完了したモールド10を初期位置まで上昇させる。次に、ステップS16において、XYステージ42を+x方向に駆動して、離型チャック21、22を押印位置Piからウエハ回収位置Prまで移動させる。
ステップS17では、離型チャック21、22の吸着をオフ状態にする。最後に、ステップS18において、ウエハ搬送ロボット182により、離型チャック21、22上の転写済みのウエハ102を回収し、図示しないウエハカセットに収納する。
以上のようにして、本実施例のパターン転写装置において、1枚のウエハのパターン転写動作が行われる。
なお、ステップS11以降の転写済みのウエハの離型動作を行う間、並行して次の転写用のウエハをウエハ供給位置Psに戻っている押印チャック20に供給するように構成すれば、装置のスループットを向上させることが可能である。
また、レジスト(紫外線硬化樹脂)を予め転写用のウエハにスピンコート等で塗布せず、上述の離型動作と並行して、装置内に設置したディスペンサ等によって押印直前に転写用ウエハにレジストを滴下するようにしてもよい。
次に、本発明の実施例3におけるパターン転写装置(押印装置)について説明する。
図8及び図9は、本実施例におけるパターン転写装置の構成図である。また、図10及び図11は、本実施例におけるパターン転写装置の動作を示すフローチャートである。
図8及び図9において、離型チャックとステージの組合せを2基用意し、交互にパターン転写動作が可能となるように構成した点、及び、モールドの供給及び回収と離型のためにモールド搬送ロボットを用意した点が、図6の実施例2の構成とは異なる。図8及び図9において、図6と同じ機能を有するものは同じ番号を付し、その説明を省略する。
図8及び図9において、21A、22A、及び、21B、22Bは、図1及び図6のウエハチャック21、22と同じ離型動作の機能を有するウエハチャックである。本実施例では、21A及び22AをチャックAと呼び、21B及び22BをチャックBと呼ぶ。
3A、3Bは、それぞれのウエハチャック(チャックA、チャックB)の微動ステージであり、同様に、4A、4BはそれぞれのXYステージである。6A、6Bは、チャックA及びチャックBそれぞれの微動ステージ用の参照ミラーであり、7Aはレーザ干渉計(7Bは不図示)である。
また、10Aはモールド、19はモールド搬送ロボット(型搬送部)、19Hはモールド搬送ロボットのモールド保持用ハンド(型保持部)である。モールド保持用ハンド19Hはモールド10Aを保持し、モールド搬送ロボット19はモールド10Aを搬送する。モールド保持用ハンド19Hは、モールド搬送ロボット19の一部として構成されている。
以上のように構成されたパターン転写装置の動作について、図10及び図11のフローチャートも参照して説明する。
図10において、ステップS101からステップS107までは、図7のステップS1からステップS7までと同じである。すなわち、ウエハ供給位置Psでウエハ搬送ロボット181によりチャックA(21A、22A)上に転写用のウエハ101が載置され、押印位置Pi(成形ステーション)まで移動する。そして、モールド10Aにより押印された後、ウエハ101上のレジストに、UV光が照射される。
続いて、ステップS108では、モールドチャック11の吸着をオフ状態にする。ステップS109においては、リニアアクチュエータ15、15’を+z方向に駆動して、モールドチャック11を上昇させる。この結果、モールド10Aはモールドチャック11から外れ、UV光の照射により硬化したレジストを介して、接着状態で転写済みのウエハ(以降、「ウエハ102」と表記する)上に載置された状態となる。
次に、ステップS110において、XYステージ4Aを+x方向に駆動して、チャックA(21A、22A)を離型位置Pdに移動させる。
離型位置Pdは、ウエハからの離型を行う離型ステーションにある。
ステップS111では、モールドMa(モールド10A)とは異なるモールドMb(モールド10B)を、モールド搬送ロボット19を用いて、図示しないモールド収納ケースからモールドチャック11まで搬送して設置する。これは、次のウエハへのパターン転写用であり、モールドMa(モールド10A)とモールドMb(モールド10b)の被転写パターンは、同一のパターン又は異なるパターンのいずれでもよい。
図10に示されるフローは、ここで2つに別れる。一方のフローにおけるステップS190では、次のウエハを転写するか否かの判定を行う。
ステップS190において次のウエハを転写すると判定された場合、図10に示される分岐Bに進む。分岐B以降のステップは、ステップS112以降のもう一方のフローと並列して実行される。
ステップS190において次のウエハを転写しないと判定された場合、分岐Bに進まずに何もすることなく、もう一方のフローに戻る。もう一方のフローでは、ステップS112において、モールド搬送ロボット19のモールド保持用ハンド19Hにより、モールドMa(モールド10A)が保持される。すなわち、図9に示されるように、モールド10Aを、モールド搬送ロボット19のモールド保持用ハンド19Hと、レジスト及びウエハ102を介したチャックA(21A、22A)とで同時に保持する。
続いて、ステップS113では、図7のステップS14と同様の動作により、離型動作が行われ、モールドMa(モールド10A)とウエハ102とが分離される。ステップS114では、モールド搬送ロボット19により、モールドMa(モールド10A)が図示しないモールド収納ケースに回収される。そしてステップS115では、XYステージ4Aを+x方向に駆動して、チャックA(21A、22A)を離型位置Pdからウエハ回収位置Prに移動させる。
ステップS116において、チャックA(21A・22A)の吸着をオフ状態にする。最後に、ステップS117において、チャックA(21A、22A)上の転写済みのウエハ102をウエハ搬送ロボット182を用いて図示しないウエハカセットに回収し、1枚のウエハのパターン転写が終了する。
2枚目のウエハ201については、上述のモールドMb(モールド10B)を使用して、図11に示されるように、図10と同様のフローによりパターンの転写が行われる。3枚目以降のパターン転写は、分岐Dへと続くが、上述と同様のフローで転写が行われるため、フローの図示と説明は省略する。
このように、本実施例の押印装置(パターン転写装置)は、押印及び硬化後の離型を押印位置とは別の位置で行うことにより、次のウエハへのパターン転写を並行して行うことができる。このため、本実施例によれば、押印装置のスループットを向上させることが可能となる。
[物品の製造方法の実施形態]
物品としてのデバイス(半導体集積回路素子、液晶表示素子等)の製造方法は、前述したインプリント装置(押印装置)を用いて基板(ウエハ、ガラスプレート、フィルム状基板等)にパターンを転写(形成)するステップを含む。さらに、パターンを転写された前記基板をエッチングするステップを含みうる。なお、パターンドメディア(記録媒体)や光学素子などの他の物品を製造する場合には、エッチングステップの代わりに、パターンを転写された前記基板を加工する他の加工ステップを含みうる。
本実施形態のデバイス製造方法は、デバイスの性能、品質、生産性および生産コストの少なくとも一つにおいて従来よりも有利である。
以上のとおり、上記各実施例の押印装置によれば、石英のような剛性の高いモールドを使用し、かつ、大面積を一括転写するナノインプリントであっても、パターン転写後のモールドの離型に必要とされる力が小さくて済む。このため、離型時のパターン損壊の発生は抑制され、スループットと歩留りを向上させた押印装置を提供することができる。また、スループットと歩留りを向上させたデバイス製造方法を提供することができる。
以上、本発明の実施例について具体的に説明した。ただし、本発明は上記実施例として記載された事項に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
100、101、102、201:ウエハ
20、21、22、21A、22A、21B、22B:ウエハチャック
10、10A、10B:モールド
Mp:レジスト

Claims (6)

  1. 型による基板上の樹脂の成形と、前記基板からの離型とを行って、前記樹脂のパターンを前記基板上に形成するインプリント装置であって、
    前記基板の裏面をその端部において保持する第1保持部と、
    前記基板の裏面を前記端部とは異なる部分において保持する第2保持部と、
    前記第1保持部及び前記第2保持部を互いに相対的に移動させる駆動部と、
    を有し、
    前記第2保持部の可撓性は、前記第1保持部の可撓性より高い、
    ことを特徴とすることを特徴とするインプリント装置。
  2. 前記駆動部は、前記第2保持部に対して前記第1保持部を移動させて前記基板からの離型を一部行った後に、前記第1保持部および前記第2保持部を移動させて前記基板からの離型を完了する、ことを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記第2保持部に対する前記第1保持部の移動は、前記第1保持部と前記第2保持部との境界線に平行な軸の周りの前記第1保持部の回転を含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインプリント装置。
  4. 前記第1保持部の可撓性及び前記第2保持部の可撓性は、前記基板の可撓性より高い、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインプリント装置。
  5. 前記成形を行う成形ステーションと、
    前記離型を行う離型ステーションと、
    を有する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインプリント装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のインプリント装置を用いて樹脂のパターンを基板上に形成する工程と、
    前記工程で前記パターンを形成された基板を加工する工程と、
    を有することを特徴とする物品の製造方法。
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