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JP2010530881A - ホウ素含有小分子 - Google Patents

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Abstract

本発明は、特に、細菌感染の治療に有用な新規な化合物、そのような化合物を含有する医薬組成物、及びこれらの化合物と少なくとも1つ別の治療上有効な剤との組合わせを提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2007年6月20日出願の米国仮特許出願第60/945,294号ならびに、2008年3月31日出願の米国仮特許出願第61/041,178号(各々についてあらゆる目的でその内容全体を取り入れる)の優先権の利益を主張するものである。
発明の背景
抗生剤及び抗微生物薬全般に耐性のある細菌や他の微生物が世界的に増加することが、大きな脅威となっている。過去60年間にわたって生態圏に大量の抗微生物剤が投入されることで、抗微生物薬耐性病原体の出現と蔓延に強力な選択圧が導入された。よって、微生物、特に多剤耐性のある微生物と闘う上で有用なスペクトルの広い新たな抗微生物薬(抗生剤など)を発見することに需要がある。
抗微生物薬として有用なオキサボロールなどのホウ素含有分子が、米国特許出願公開第20060234981号及び同第20070155699号などにおいて過去に説明されている。一般論として、オキサボロールは以下の構造を有し、以下のとおり置換基の番号付けがなされている。
Figure 2010530881
3位、6位又は7位で一置換されたか、あるいは3位/6位又は3位/7位で二置換された特定クラスのオキサボロールが、意外なことに有効な抗細菌薬であることが見いだされている。これらのオキサボロールのこうした用途及び他の用途を本明細書に記載する。
発明の概要
本発明は、特に、細菌感染を治療するのに有用な新規な化合物、当該化合物を含有する医薬組成物ならびに、これらの化合物と少なくとも1種の別の治療上有効な作用剤との組み合わせを提供するものである。
代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のMICデータを示す。 代表的な本発明の化合物のIC50データを示す。 代表的な本発明の化合物のIC50データを示す。 代表的な本発明の化合物のIC50データを示す。 代表的な本発明の化合物のIC50データを示す。 代表的な本発明の化合物のIC50データを示す。 代表的な本発明の化合物のIC50データを示す。 代表的な本発明の化合物のIC50データを示す。 代表的な本発明の化合物のIC50データを示す。 代表的な本発明の化合物のIC50データを示す。 代表的な本発明の化合物のIC50データを示す。 代表的な本発明の化合物のIC50データを示す。 代表的な本発明の化合物のIC50データを示す。 代表的な本発明の化合物のIC50データを示す。
発明の詳細な説明
I.定義と略語
本明細書で使用する略語は、ほとんどが化学分野及び生物学的分野での慣用となっている意味を有する。
以下の略語を使用した。aq.−水性;HATU−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート;EDCI−N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩;m−CPBA−3−クロロ過安息香酸;equiv−当量;DIAD−ジイソプロピルアゾジカルボキシレート;DMF−N,N−ジメチルホルムアミド;DMSO−ジメチルスルホキシド;AcOH−酢酸;NaCNBH−シアノボロ水素化ナトリウム;Rt−室温;THF−テトラヒドロフラン;BocO−ジ−tert−ブチルジカーボネート;MeOH−メタノール;EtOH−エタノール;TFA−トリフルオロ酢酸;DIPEA−N,N−ジイソプロピルエチルアミン;PrOH−1−プロパノール;i−PrOH−2−プロパノール;mp−融点;NMM−N−メチルモルホリン;Bpin−ビス(ピナコラート)ジボロン;O/N−一晩;BzOOH−過酸化ベンゾイル;THP−テトラヒドロピラニル;Ac−アセチル;PTSA−para−トルエンスルホン酸;Pyr.−ピリジン;Cbz−ベンジルオキシカルボニル;MPM−p−メトキシベンジル;DHP−ジヒドロピラン;CSA−カンファースルホン酸;CTAB−臭化セチルトリメチルアンモニウム;sat.−飽和;Cy−シクロヘキシル。
「本発明の化合物」とは、本明細書で使用する場合、本明細書にて説明する化合物ならびに、これらの化合物の塩(薬学的に許容される塩など)、プロドラッグ、溶媒和物及び水和物を示す。
MIC又は最小発育阻止濃度とは、未処置の対照と比較して、細胞増殖の50%超、好ましくは細胞増殖の60%、好ましくは細胞増殖の70%、好ましくは細胞増殖の80%、好ましくは細胞増殖の90%が化合物によって停止する点である。
置換基を左から右に書く従来の化学式で特定する場合、これには構造を右から左に書いて得られる化学的にみて同一の置換基も等しく包含される。たとえば、−CHO−は−OCH−も示すことを意図している。
「ポリ(多)」という用語は、本明細書で使用する場合、少なくとも2を意味する。たとえば、多価金属イオンとは、価数が少なくとも2の金属イオンのことである。
「部分」とは、分子の基(radical)であって、その分子の残部に結合するものを示す。
記号
Figure 2010530881
は、結合として用いられても、あるいは結合に垂直に表示されても、表示された部分が分子の残部に結合する点を示す。
「アルキル」という用語は、それ自体又は別の置換基の一部として、特に明記しないかぎり、直鎖又は分岐鎖又は環式炭化水素基あるいはこれらの組み合わせを意味する。それらは完全飽和であってもよいし、一価不飽和又は多価不飽和であってもよく、二価基や多価基を含むことが可能であり、表記の数の炭素原子を有する(すなわち、C〜C10は炭素数1から10を意味する)。いくつかの実施形態では、「アルキル」という用語は、完全飽和であってもよいし、一価不飽和又は多価不飽和であってもよく、二価基や多価基を含むことが可能な直鎖又は分岐鎖あるいはこれらの組み合わせを意味する。飽和炭化水素基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチルならびに、たとえばn−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルの相同体及び異性体などの基があげられるが、これに限定されるものではない。不飽和アルキル基とは、1つ以上の二重結合又は三重結合を有するものである。不飽和アルキル基の例としては、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−プロピニル及び3−プロピニル、3−ブチニルならびに、これよりも高級の相同体及び異性体があげられるが、これに限定されるものではない。
「アルキレン」という用語は、それ自体又は別の置換基の一部として、アルカン由来の二価基を意味し、一例として−CHCHCHCH−があげられるがこれに限定されるものではなく、「ヘテロアルキレン」として後述する基をさらに含む。一般に、アルキル(又はアルキレン)基は1から24個の炭素原子を有するが、本発明では炭素原子数が10個以下の基が好ましい。「低級アルキル」又は「低級アルキレン」とは、一般に炭素原子数が8個以下の短鎖のアルキル基又はアルキレン基のことである。
「アルコキシ」、「アルキルアミノ」、「アルキルチオ」(又はチオアルコキシ)という用語は、従来の意味で用いられ、それぞれ、酸素原子、アミノ基又は硫黄原子を介して分子の残部に結合したアルキル基を示す。
「ヘテロアルキル」という用語は、それ自体又は別の用語との組み合わせで、特に明記しないかぎり、規定数の炭素原子と少なくとも1つのヘテロ原子とからなる、安定した直鎖又は分岐鎖又は環式炭化水素基又はこれらの組み合わせを意味する。いくつかの実施形態では、「ヘテロアルキル」という用語は、それ自体又は別の用語との組み合わせで、規定数の炭素原子と少なくとも1つのヘテロ原子とからなる、安定した直鎖又は分岐鎖又はこれらの組み合わせを意味する。例示としての実施形態では、ヘテロ原子は、B、O、N、Sからなる群から選択可能であり、窒素原子と硫黄原子は任意選択により酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は任意選択により四級化されていてもよい。ヘテロ原子であるB、O、N、Sは、ヘテロアルキル基内部のどの位置にあってもよいし、あるいはアルキル基が分子の残部と結合する位置にあってもよい。例として、−CH−CH−O−CH、−CH−CH−NH−CH、−CH−CH−N(CH)−CH、−CH−S−CH−CH、−CH−CH,−S(O)−CH、−CH−CH−S(O)−CH、−CH=CH−O−CH、−CH−CH=N−OCH、−CH=CH−N(CH)−CHがあげられるが、これに限定されるものではない。ヘテロ原子は、−CH−NH−OCHなど、最大2個まで連続していてもよい。同様に、「ヘテロアルキレン」という用語は、それ自体又は別の置換基の一部として、ヘテロアルキル由来の二価基を意味し、一例として−CH−CH−S−CH−CH−及び−CH−S−CH−CH−NH−CH−があげられるが、これに限定されるものではない。ヘテロアルキレン基の場合、ヘテロ原子も鎖の一方又は両方の末端を占めることができる(たとえば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)。さらに、アルキレン架橋基及びヘテロアルキレン架橋基では、架橋基の式が書かれる方向が架橋基の向きを示すものではない。たとえば、式−C(O)R’−は−C(O)R’−と−R’C(O)−の両方を表す。
「シクロアルキル」及び「ヘテロシクロアルキル」という用語は、それ自体又は他の用語との組み合わせで、特に明記しないかぎり、それぞれ「アルキル」及び「ヘテロアルキル」の環状のものを表す。また、ヘテロシクロアルキルの場合、ヘテロ原子が、複素環が分子の残部に結合する位置を占めることができる。シクロアルキルの例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチルなどがあげられるが、これに限定されるものではない。ヘテロシクロアルキルの例としては、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニルなどがあげられるが、これに限定されるものではない。
「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、それ自体又は別の置換基の一部として、特に明記しないかぎり、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。また、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むことを意図したものである。たとえば、「ハロ(C〜C)アルキル」という用語は、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピルなどを含むことを意図したものであるが、これに限定されるものではない。
「アリール」という用語は、特に明記しないかぎり、単環であってもよいし、互いに縮合又は共有結合した多環(好ましくは1から3環)であってもよい多価不飽和の芳香族置換基を意味する。「ヘテロアリール」という用語は、1〜4個のヘテロ原子を含有するアリール基(又は環)を示す。例示としての実施形態では、ヘテロ原子が、B、N、O、Sから選択され、窒素原子と硫黄原子は任意選択により酸化されていてもよく、窒素原子は任意選択により四級化されていてもよい。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を介して分子の残部に結合することができる。アリール基及びヘテロアリール基の非限定的な例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンズイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリル、6−キノリル、ジオキサボロラン、ジオキサボリナン、ジオキサボレパンがあげられる。上述したアリール環系及びヘテロアリール環系各々の置換基は、後述する許容可能な置換基の群から選択される。
便宜上、「アリール」という用語は、他の用語(アリールオキシ、アリールチオキシ、アリールアルキルなど)との組み合わせで用いられる場合、アリール基が隣の部分を介して分子の残りと結合した基を含む。よって、「アリールアルキル」という用語は、アリール基がアルキル基に結合した基(たとえば、ベンジル、1−(3−ニトロフェニル)エチルなど)を含むことを意図したものである。ベンジル又は1−(3−ニトロフェニル)エチルなどの置換基も、エチル基が3−ニトロフェニル部分で置換されている「置換アルキル」で表すことができる。「アリールオキシ」は、アリール基が酸素原子に結合した基を含むことを意図したものである。「アリールオキシアルキル」という用語は、アリール基が酸素原子に結合し、これがさらにアルキル基に結合した基(たとえば、フェノキシメチル、3−(1−ナフチルオキシ)プロピルなど)を含むことを意図したものである。
便宜上、「ヘテロアリール」という用語は、他の用語(ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオキシ、ヘテロアリールアルキルなど)との組み合わせで用いられる場合、ヘテロアリール基が隣の部分を介して分子の残りと結合した基を含む。よって、「ヘテロアリールアルキル」という用語は、ヘテロアリール基がアルキル基に結合した基(たとえば、ピリジルメチルなど)を含むことを意図したものである。「ヘテロアリールオキシ」という用語は、ヘテロアリール基が酸素原子に結合した基を含むことを意図したものである。「ヘテロアリールオキシアルキル」という用語は、アリール基が酸素原子に結合し、これがさらにアルキル基に結合した基(たとえば、2−ピリジルオキシメチルなど)を含むことを意図したものである。
上記の用語(「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」など)は各々、表記の基の置換された形態と非置換の形態の両方を含むことを意図したものである。各タイプの基の好ましい置換基については後述する。
アルキル基及びヘテロアルキル基(アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニルと呼ばれることも多い基を含む)の置換基は、総称的に「アルキル基置換基」と呼ばれ、0から(2m’+1)までの範囲にある数の、−R’、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)R’、−NR’’’’’−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR’’’’−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−NR’’SOR’、−CN、−NO、−N、−CH(Ph)、フルオロ(C〜C)アルコキシ、フルオロ(C〜C)アルキルから選択されるがこれに限定されるものではない、多岐にわたる基のうちの1つ以上であることが可能であり、ここで、m’はこのような基の炭素原子の総数である。R’、R’’、R’’’、R’’’’及びR’’’’’は各々、好ましくは独立して、水素、置換又は非置換のヘテロアルキル、置換又は非置換のアリール、たとえば、1〜3個のハロゲンで置換されたアリール、置換又は非置換のアルキル、アルコキシ又はチオアルコキシ基、あるいはアリールアルキル基を示す。本発明の化合物が2つ以上のR基を含む場合、たとえば、R’基、R’’基、R’’’基、R’’’’基、R’’’’’基が2つ以上存在する場合の各基と同様に、R基も各々独立して選択される。R’とR’’が同じ窒素原子と結合される場合、これらを窒素原子と組み合わせて5員環、6員環又は7員環を形成することができる。たとえば、−NR’R’’は、1−ピロリジニル及び4−モルホリニルを含むことを意図したものであるが、これに限定されるものではない。置換基に関する上述の説明から、当業者であれば、「アルキル」という用語が、ハロアルキル(−CF、−CHCFなど)及びアシル(たとえば、−C(O)CH、−C(O)CF、−C(O)CHOCHなど)など、水素基以外の基に結合した炭素原子を含む基を含むことを意図したものであることを理解できよう。
アルキル基について説明した置換基と同様に、アリール基及びヘテロアリール基の置換基も、総称的に「アリール基置換基」と呼ばれる。この置換基は、たとえば、0から芳香環系の空き原子価の総数までの範囲にある数の、−R’、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)R’、−NR’’’’’−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR’’’’−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−NR’’SOR’、−CN、−NO、−N、−CH(Ph)、フルオロ(C〜C)アルコキシ、フルオロ(C〜C)アルキルから選択され、R’、R’’、R’’’、R’’’’及びR’’’’’は、好ましくは独立して、水素、置換又は非置換のアルキル、置換又は非置換のヘテロアルキル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のヘテロアリールから選択される。本発明の化合物が2つ以上のR基を含む場合、たとえば、R’基、R’’基、R’’’基、R’’’’基、R’’’’’基が2つ以上存在する場合の各基と同様に、R基も各々独立して選択される。
アリール環又はヘテロアリール環の隣接する原子の置換基のうちの2つが、任意選択により、式−T−C(O)−(CRR’)−U−(式中、T及びUは独立して、−NR−、−O−、−CRR’−又は単結合であり、qは0から3の整数である)で表される置換基で置換されていてもよい。あるいは、アリール環又はヘテロアリール環の隣接する原子の置換基のうちの2つが、任意選択により、−A−(CH−B−(式中、A及びBは独立して、−CRR’−、−O−、−NR−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NR’−又は単結合であり、rは1から4の整数である)で表される置換基で置換されていてもよい。このようにして形成された新たな環の単結合のうちの1つが、任意選択により、二重結合で置換されていてもよい。あるいは、アリール環又はヘテロアリール環の隣接する原子の置換基のうちの2つが、任意選択により、式−(CRR’)−X−(CR’’R’’)−(式中、s及びdは独立して、0から3の整数であり、Xは、−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)−又は−S(O)NR’−である)で表される置換基で置換されていてもよい。置換基R、R’、R’’及びR’’’は、好ましくは、水素又は置換又は非置換の(C〜C)アルキルから独立して選択される。
「環」とは、本明細書で使用する場合、置換又は非置換のシクロアルキル、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のアリール又は置換又は非置換のヘテロアリールを意味する。環には縮合環部分を含む。環の原子数は一般に、環員数によって決まる。たとえば、「5員環から7員環」とは、5〜7個の原子が環状の配置で存在することを意味する。特に明記しないかぎり、環には任意選択によりヘテロ原子を含む。よって、「5員環から7員環」という表現は、フェニル、ピリジニル、ピペリジニルなどを含む。一方、「5員環から7員環のヘテロシクロアルキル環」という表現は、ピリジニル及びピペリジニルを含むがフェニルは含まない。「環」という用語はさらに、各「環」が独立して上記のとおり定義される2つ以上の「環」を含む環系も含む。
本明細書で使用する場合、「ヘテロ原子」という用語は、炭素(C)及び水素(H)以外の原子を含む。例として、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)があげられる。
「脱離基」という用語は、求核置換反応などの置換反応で、別の官能基又は原子で置き換え可能な官能基又は原子を意味する。一例として、代表的な脱離基には、トリフレート基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基;メシレート、トシレート、ブロシレート、ノシレートなどのスルホン酸エステル基;アセトキシ、トリフルオロアセトキシなどのアシルオキシ基が含まれる。
「アミノ保護基」という用語は、アミノ態窒素での望ましくない反応を防止するのに適した保護基を意味する。代表的なアミノ保護基としては、ホルミル;アセチル、トリクロロアセチル又はトリフルオロアセチルなどのアシル基(たとえばアルカノイル基);tert−ブトキシカルボニル(Boc)などのアルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル(Cbz)及び9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)などのアリールメトキシカルボニル基;ベンジル(Bn)、トリチル(Tr)、1,1−ジ−(4’−メトキシフェニル)メチルなどのアリールメチル基;トリメチルシリル(TMS)及びtert−ブチルジメチルシリル(TBS)などのシリル基などがあげられるが、これに限定されるものではない。
「ヒドロキシ保護基」という用語は、ヒドロキシ基での望ましくない反応を防止するのに適した保護基を意味する。代表的なヒドロキシ保護基としては、メチル、エチル、tert−ブチルなどのアルキル基;アセチルなどのアシル基(たとえばアルカノイル基);ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、9−フルオレニルメチル(Fm)、ジフェニルメチル(ベンズヒドリル、DPM)などのアリールメチル基;トリメチルシリル(TMS)及びtert−ブチルジメチルシリル(TBS)などのシリル基があげられるが、これに限定されるものではない。
記号「R」は、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のヘテロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換のヘテロアリール基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基から選択される置換基を示す一般的な略語である。
「由来の」という表現は、普通の語での意味を含み、基準分子に対して99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、75%、70%、65%又は60%相同な分子も示す。この定義で示される分子には、任意の長さと組成のRNA又はDNA、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド又はタンパク質の鎖を含む。
「非同種(noncognate)」という用語は、この語の単数形と複数形の両方を包含することを意図したものである。すなわち、「非同種アミノ酸」という表現には、1種以上のアミノ酸が含まれる。
「有効」量の薬剤、製剤又は浸透剤とは、所望の局所作用又は全身作用を得られるだけの十分な量の活性剤を意味する。「局所的に有効な」、「化粧上有効な」、「薬学的に有効な」又は「治療上有効な」量とは、所望の治療結果を発揮するのに必要な薬剤の量を示す。
「局所的に有効な」とは、皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄への塗布時に、材料の有効成分を塗布した場所で局所的に、あるいは材料の有効成分が皮膚を通して運ばれた結果として全身に、所望の薬理学的結果を生じる材料を示す。
「化粧上有効な」とは、皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄への塗布時に、材料の有効成分を塗布した場所で局所的に、所望の化粧上の結果を生じる材料を示す。
「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書に記載の化合物に見られる特定の置換基に応じて比較的無毒の酸又は塩基を用いて調製される本発明の化合物の塩を含むことを意図したものである。本発明の化合物が比較的酸性の官能基を含有する場合、このような化合物を中性の形で、そのままあるいは好適な不活性溶媒中のいずれかで、十分な量の所望の塩基と接触させることによって、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ又はマグネシウム塩あるいは同様の塩があげられる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含有する場合、このような化合物を中性の形で、そのままあるいは好適な不活性溶媒中のいずれかで、十分な量の所望の酸と接触させることで、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸一水素、リン酸、リン酸一水素、リン酸二水素、硫酸、硫酸一水素、ヨウ化水素酸又は亜リン酸などの無機酸に由来する酸付加塩ならびに、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などの比較的無毒の有機酸に由来する塩が含まれる。また、アルギン酸塩などのアミノ酸の塩ならびに、グルクロン酸又はガラクツロン酸などの有機酸の塩も含まれる(たとえば、Berge et al., "Pharmaceutical Salts", Journal of Pharmaceutical Science 66: 1-19 (1977))。本発明の特定の具体的な化合物は、この化合物を塩基付加塩又は酸付加塩に変換できるようにする塩基性の官能基と酸性の官能基の両方を含有する。
化合物の中性の形態は、好ましくは、塩と塩基又は酸と接触させ、親化合物を従来の方法で単離することで再生される。化合物の親の形態は、極性溶媒に対する溶解性などの特定の物性の点で、さまざまな塩の形態とは異なる。
塩の形態に加えて、本発明は、プロドラッグ形態の化合物を提供するものである。本明細書に記載の化合物又は錯体のプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学変化して本発明の化合物となる。また、プロドラッグは、化学的又は生化学的な方法で、ex vivo環境にて本発明の化合物に変換可能なものである。
本発明の特定の化合物は、水和形態をはじめとして、非溶媒和形態と溶媒和形態で存在することができる。通常、溶媒和形態は非溶媒和形態と同等であり、本発明の範囲に包含される。本発明の特定の化合物は、多結晶又は非晶質の形態で存在することもある。通常、物理的な形態はいずれも、本発明で企図される用途に対して同等であり、これらも本発明の範囲に含むことを意図している。
本発明の特定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)又は二重結合を有する。ラセミ酸塩、ジアステレオマー、幾何異性体及び個々の異性体も本発明の範囲に包含される。本明細書で使用するラセミ化合物、アンビスカレミック(ambiscalemic)化合物及びスカレミック(scalemic)化合物又は鏡像異性的に純粋な化合物の図式表現は、Maehr, J. Chem. Ed. 1985, 62: 114-120から得たものである。実線及び破線のくさび形は、特に明記しないかぎり、立体中心の絶対配置を示すのに用いられる。本明細書に記載の化合物がオレフィン性二重結合又は他の幾何学的不斉の中心を含む場合、特に明記しないかぎり、その化合物はE幾何異性体とZ幾何異性体の両方を含むものとする。同様に、すべての互変異性体の形態も含まれる。
本発明の化合物は、特に幾何異性体又は立体異性体の形態で存在し得るものである。本発明では、cis−異性体及びtrans−異性体、(−)−エナンチオマー及び(+)−エナンチオマー、(R)−エナンチオマー及び(S)−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、そのラセミ混合物及び他の混合物(エナンチオマーに富む混合物又はジアステレオマーに富む混合物など)をはじめとして、このような化合物をすべて本発明の範囲に包含されるものとして企図している。アルキル基などの置換基に、他の不斉炭素原子が存在してもよい。このような異性体ならびにその混合物はいずれも本発明に含まれるものとする。
光学活性(R)−異性体及び(S)−異性体ならびに、d異性体及びl異性体については、キラルシントン又はキラル試薬を用いて調製してもよいし、従来の技術を用いて分離してもよい。たとえば、本発明の化合物の特定のエナンチオマーが望まれる場合、不斉合成あるいはキラル補助基を用いる誘導体化によって調製可能であり、後者の方法では、得られるジアステレオマー混合物を分離し、補助基を切断して純粋な所望のエナンチオマーを得る。あるいは、分子にアミノ基などの塩基性官能基又はカルボキシル基などの酸性官能基が含まれる場合、適当な光学活性酸又は塩基を用いてジアステレオマー塩を形成した後、このようにして形成したジアステレオマーを当該技術分野において周知の分別再結晶又はクロマトグラフィによる手段で分離した上で、純粋なエナンチオマーを回収することができる。また、キラル固定相を任意選択により化学誘導体化(アミンからのカルバメートの形成など)と併用したクロマトグラフィを用いて、エナンチオマー及びジアステレオマーを分離することも多い。
本発明の化合物は、このような化合物を構成する1つ以上の原子において、不自然な割合の原子アイソトープを含有するものであってもよい。たとえば、化合物を、たとえばトリチウム(H)、ヨウ素−125(125I)又は炭素−14(14C)などの放射性アイソトープで放射性標識してもよい。本発明の化合物のさまざまなアイソトープはいずれも、放射性であるか否かを問わず、本発明の範囲に包含されることを意図したものである。
「薬学的に許容される担体」又は「薬学的に許容されるビヒクル」という表現は、本明細書に定義するような有効量の活性剤を適切に送達し、活性剤の生物活性の有効性に干渉せず、宿主又は患者にとって十分に無毒なあらゆる製剤又は担体媒質を示す。代表的な担体としては、水、油(植物油と鉱油の両方)、クリーム基剤、ローション基剤、軟膏基剤などがあげられる。これらの基剤には、懸濁化剤、増粘剤、浸透促進剤などが含まれる。その処方については化粧品及び局所用製剤分野の当業者間で周知である。担体に関する別の情報については、参照により本明細書に取り入れるRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Ed., Lippincott, Williams & Wilkins (2005)から見いだすことができる。
「薬学的に許容される局所用担体」と、これに相当する用語は、局所塗布に適した本明細書にて上述したような薬学的に許容される担体を示す。活性剤を懸濁又は溶解させることができ、皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄に塗布したときに無毒かつ非炎症性であるという特性を持つ不活性の液体又はクリーム状のビヒクルが、薬学的に許容可能な局所用担体の一例である。この用語は特に、局所用化粧品での使用が認可された担体材料を包含することを意図したものである。
「薬学的に許容される添加剤」という用語は、創薬分野で周知又は用いられ、活性剤の生物活性の有効性に過度に干渉せず、宿主又は患者にとって十分に無毒な保存剤、酸化防止剤、香料、乳化剤、染料、賦形剤を示す。局所用製剤の添加剤は、当該技術分野において周知であり、薬学的に許容されて上皮細胞又はその機能に悪影響をおよぼさない限りにおいて局所用組成物に添加できるものである。さらに、添加剤は、組成物の安定性を損なわないものでなければならない。たとえば、不活性フィラー、抗刺激剤、粘着付与剤、賦形剤、香料、乳白剤、酸化防止剤、ゲル化剤、安定剤、界面活性剤、皮膚軟化剤、着色剤、保存剤、緩衝剤、他の透過促進剤ならびに、局所送達製剤又は経皮送達製剤の他の従来の成分が当該技術分野において周知である。
「促進」「浸透促進」又は「透過促進」という用語は、薬剤が皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄を透過する速度が高まるように、薬剤に対する皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄の透過性が高まることに関する。このような促進剤で実現される透過促進を観察するには、動物の皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄からの薬剤の拡散速度を拡散セル装置で測定すればよい。拡散セルについては、Merritt et al. Diffusion Apparatus for Skin Penetration, J of Controlled Release, 1 (1984) pp. 161-162に記載されている。「透過促進剤」又は「浸透促進剤」という用語は、単独又は組み合わせで、薬剤に対する皮膚、爪、毛又は蹄の透過性を高めるように作用する作用剤又は作用剤の混合物を意図する。
「賦形剤」という用語は、所望の用途に有効な薬剤組成物を製剤化するのに用いられる担体、希釈剤及び/又はビヒクルを意味することが従来から周知である。
「局所投与」という用語は、皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄の外面を作用剤が通過して内側の組織に到達するように、皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄の外面に製剤を塗布することを示す。局所投与には、無傷の皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄あるいは、皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄の創傷、生傷又は開放創に組成物を塗布することが含まれる。製剤を局所投与することで、作用剤を皮膚や周辺組織に限定して分散させることが可能であり、あるいは、作用剤が処置部分から血流によって取り除かれると、この作用剤を全身に分散させることができる。
「経皮送達」という用語は、組成物を局所投与又は他の形で適用した結果、皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄の障壁を通って作用剤が拡散することを示す。角質層が障壁として作用し、無傷の皮膚に浸透できる製剤はほとんどない。これとは対照的に、表皮と真皮は多くの溶質に対して透過性であるため、削るあるいは角質層を取り除いて表皮を露出させた皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄からの薬剤の吸収は無傷の場合よりも容易に起こる。経皮送達には、注射あるいは、皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄又は粘膜の任意の部分からの他の送達、それ以外の部分からの吸収又は透過が含まれる。薬学的に許容される適当なビヒクルに活性剤を入れてから皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄に塗布することで、無傷の皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄からの吸収を促進することもできる。受動的な局所投与が、皮膚軟化剤又は浸透促進剤との組み合わせで活性剤を処置部位に直接塗布することからなるものであってもよい。本明細書で使用する場合、経皮送達には、外皮すなわち皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄からあるいはこれを通して透過することによる送達を含むことを意図している。
「微生物感染」又は「微生物による感染」という表現は、ウイルス、細菌、マイコバクテリア、真菌及び寄生生物を含むがこれに限定されるものではない感染因子による、宿主組織のあらゆる感染を示す(たとえば、Harrison's Principles of Internal Medicine, pp. 93-98(Wilson et al., eds., 12th ed. 1991);Williams et al., J. of Medicinal Chem. 42:1481-1485 (1999)(各々その内容全体を参照により本明細書に取り入れる)などを参照のこと)。
「生体媒質」とは、本明細書で使用する場合、in vitroとin vivoの両方の生物学的環境を示す。例示としてのin vitroでの「生体媒質」には、細胞培養、組織培養、ホモジネート、血漿、血液があるが、これに限定されるものではない。in vivoでは通常、哺乳動物、好ましくはヒトで適用される。
「阻害」及び「遮断」は、酵素の部分的又は完全な遮断を示すものとして、本明細書では同義に用いられる。例示としての実施形態では、酵素がtRNA合成酵素の修正ドメインである。
本明細書で定義する「ヒトの爪部」には、爪甲、爪床、近位後爪郭、側爪郭及びこれらの組み合わせができる。
ホウ素は、本発明のいくつかの状況下で、酸素又は窒素との間で配位結合を形成することができる。配位結合は通常、共有結合よりも弱い。ホウ素が少なくとも1つの酸素又は窒素と共有結合し、同時にそれぞれが酸素又は窒素と配位結合している状況では、ホウ素と2つの等しいヘテロ原子との間の配位結合及び共有結合が相互変換でき、あるいは共鳴混成体の形態をとることができる。これらの状況では、電子共有の正確な性質と度合いに関する潜在的な不確定要素がある。得られる構造は、ホウ素とこれが結合する原子との間のあらゆる結合状態を含むことを意図したものではない。これらの結合の非限定的な例を以下にあげておく。
Figure 2010530881
炭素と3つのヘテロ原子(この章で説明する3つの酸素など)に結合されるホウ素を含む化合物は、任意選択により、ホウ素と酸素の1つの酸素との間の配位結合の性質に起因して、完全に負に荷電したホウ素又は部分的に負に荷電したホウ素を含有することができる。負電荷が原因で、正に荷電した対イオンがこの化合物に会合し、塩を形成することがある。正に荷電した対イオンの例としては、H、H、カルシウム、ナトリウム、アンモニウム、カリウムがあげられる。これらの化合物の塩も、これらの化合物に関する説明に暗に含まれる。
また、本発明は、たとえば、本発明において用いられる化合物の二量体、三量体、四量体、それ以上重合した相同体などの種又はその反応性類似体を含む多価(polyvalent)又は多価(multi-valent)の種である化合物も包含する。たとえば、以下の条件下で(A1)の二量体を形成できる。
Figure 2010530881
別の例では、以下の条件下で(A46)の二量体を形成できる。
Figure 2010530881
また、本発明は、環状ボロン酸エステルの無水物である化合物も包含するが、それはこれらの化合物を脱水条件に付すことで合成される。これらの無水物の例を以下にあげておく。
Figure 2010530881
本発明の化合物の三量体も生成される。たとえば、非環式ボロン酸エステルの三量体を以下のようにして形成できる。
Figure 2010530881
強酸中で特定の保護基を除去すると、本発明の化合物のポリマーも生成される。たとえば、非環式ボロン酸エステルの三量体を以下のようにして形成できる。
Figure 2010530881
たとえば、本発明において用いられる化合物の二量体、三量体、四量体、それ以上重合した相同体などの種又はその反応性類似体をはじめとして、多価(polyvalent)又は多価(multi-valent)の種である化合物も、本発明において有用である。多価(polyvalent)及び多価(multi-valent)の種を、本発明の単一の種又は2つ以上の種から組み立てることができる。たとえば、二量体のコンストラクトは、「ホモ二量体」又は「ヘテロ二量体」であり得る。さらに、本発明の化合物又はその反応性類似体がオリゴマー又はポリマー骨格(たとえば、ポリリシン、デキストラン、ヒドロキシエチルスターチなど)に結合した多価(polyvalent)及び多価(multi-valent)のコンストラクトも本発明の範囲内である。骨格は、好ましくは多官能性である(すなわち、本発明で用いる化合物を結合するための反応部位のアレイを有する)。さらに、本発明の単一の種又は本発明の2つ以上の種で骨格を誘導体化することもできる。
さらに、本発明は、同じようには官能化されていない類似の化合物よりも高い水溶性を持つ化合物が得られるよう官能化された、本明細書に記載の式で示されるモチーフ内で化合物を使用することも含む。このように、本明細書に記載の置換基はいずれも、水溶性を高めた類似の基で置換できる。たとえば、ヒドロキシル基をジオールで置換すること、あるいはアミンを第4級アミン、ヒドロキシアミン、又は水溶性がさらに高い類似部分で置換することは、本発明の範囲内である。好ましい実施形態では、本明細書に記載の化合物の修正ドメインに対する活性に重要ではない部位で、親化合物の水溶性を高める部分による置換を実施することによって、さらに水溶性を持たせる。有機化合物の水溶性を高める方法は、当該技術分野において周知である。このような方法としては、第4級アンモニウムなどの永続的に荷電した部分あるいは、カルボン酸やアミンなどの生理学的に関連するpHで荷電した基で有機核を官能化することがあげられるが、これに限定されるものではない。他の方法では、有機核に加えて、アルコール、ポリオール、ポリエーテルなどのヒドロキシル含有基又はアミン含有基を含む。代表的な例として、ポリリシン、ポリエチレンイミン、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)があげられるが、これに限定されるものではない。これらの化合物に適した官能化化学と方策については、当該技術分野において周知である。たとえば、Dunn, R. L., et al., Eds. POLYMERIC DRUGS AND DRUG DELIVERY SYSTEMS, ACS Symposium Series Vol. 469, American Chemical Society, Washington, D.C. 1991を参照のこと。
II.導入
本発明は、新規なホウ素化合物を提供する。
III.本化合物
III.a)環式ボロン酸エステル
例示としての実施態様では、本発明の化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、ただし、本化合物は、
Figure 2010530881
ではなく;R、R、R及びRは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーから独立して選択されるメンバーである。
は、H及び負電荷から選択されるメンバーである。
例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
による構造を有し、式中、Rは、本明細書に記載される通りであり、Rは、Hであり、Rは、置換又は非置換アミノアルキル、置換又は非置換ヒドロキシアルキル、置換又は非置換カルボキシアルキルから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
である構造を有し、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。
別の例示としての実施態様では、本化合物は、以下の構造を有する。
Figure 2010530881
別の例示としての実施態様では、RはHである。
別の態様において、本発明は、次式による構造を有する化合物
Figure 2010530881
(式中、Rは、H及び負電荷から選択されるメンバーである。Rは、H、シアノ、置換又は非置換ニトロアルキル及び置換又は非置換アミノアルキから選択されるメンバーである。Rは、H及び−YRから選択されるメンバーであり、ここで、Yは、O及びSから選択されるメンバーである。Rは、H、置換又は非置換アルキル及び置換又は非置換ヘテロアルキルから独立して選択されるメンバーであり;ただし、R及びRは、両方ともHであり得ず;ただし、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、任意選択により結合して6〜10員の置換又は非置換ヘテロシクロアルキル環を形成する)又はその塩、プロドラッグ、水和物若しくは溶媒和物、又はそれらの組み合わせを提供する。例示としての実施態様では、本発明は、本発明の化合物又はその塩、プロドラッグ、水和物若しくは溶媒和物を提供する。
例示としての実施態様では、ただし、RがHであるとき、Rは非置換ベンジルオキシ、−OCHCOOH、メトキシ、エトキシから選択されるメンバーである構造を有さない。例示としての実施態様では、ただし、RがHであるとき、Rは置換ベンジルオキシではない。例示としての実施態様では、ただし、RがHであるとき、Rは非置換アルキルオキシではない。例示としての実施態様では、ただし、RがHであるとき、Rは置換非置換アルキルチオではない。例示としての実施態様では、ただし、RがHであるとき、Rはカルボン酸部分を含まない。
例示としての実施態様では、ただし、RがHであるとき、Rはシアノではない.
例示としての実施態様では、本化合物は、次式による構造を有する:
Figure 2010530881
式中、R、R及びR本明細書に記載される通りであり、Cは炭素原子であり、ただし、RがHではないとき、Cは(R)及び(S)から選択されるメンバーである配置を有する立体中心である。
例示としての実施態様では、YはOである。例示としての実施態様では、YはSである。
別の態様において、本発明は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである式による構造を有する化合物を提供する:式中、Rは、H及び負電荷から選択されるメンバーである。Rは、H及び−SO−Rから選択されるメンバーである。Rは、非置換フェニル及び非置換ピリジニルから選択されるメンバーである。Rは、H、シアノ、置換又は非置換ニトロアルキル及び置換又は非置換アミノアルキから選択されるメンバーである。
例示としての実施態様では、本化合物は、次式による構造を有する:
Figure 2010530881
式中、R、R及びRは、本明細書に記載される通りであり、Cは炭素原子であり、ただし、RがHではないとき、Cは(R)及び(S)から選択されるメンバーである配置を有する立体中心である。例示としての実施態様では、Rは、H、−CHNH及び−CHNOから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、本発明は、以下の構造を有する。
Figure 2010530881
例示としての実施態様では、Rは、−(CR2021NR2223であり、指数nは、1〜10から選択される整数であり;各R20及び各R21はH、R26、OR26、NR2627、SR26、−S(O)R26、−S(O)26、−S(O)NR2627、−C(O)R27、−C(O)OR27、−C(O)NR2627から独立して選択されるメンバーであり;R22及びR23は、H、−S(O)R28、−S(O)28、−S(O)NR2829、−C(O)R28、−C(O)OR28、−C(O)NR2829、ニトロ、ハロゲン、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーであり、ここで、各R26、各R27、各R28及び各R29は、H、ニトロ、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、nは、1〜5から選択される整数である。例示としての実施態様では、nは1である。例示としての実施態様では、R20は置換又は非置換アルキルである。例示としての実施態様では、R20は非置換アルキルである。例示としての実施態様では、R20はC−C非置換アルキルである。例示としての実施態様では、R20はメチルである。例示としての実施態様では、R21はHである。例示としての実施態様では、R23はHである。例示としての実施態様では、Rは、シアノ及び−CHNOから選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、R22は、−C(O)R28及び−C(O)OR28から選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、R28は、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル及び置換又は非置換アリールから選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、R28は、−(CR303132から選択されるメンバーであり、ここで、R32は、置換又は非置換アリール、−NR3334及び/又はOR33から選択されるメンバーであり、ここで、指数mは、0〜10から選択される整数であり;各R33及び各R34はH、ニトロ、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、R28は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。
例示としての実施態様では、R
Figure 2010530881
であり、式中、指数aは、1〜10から選択されるメンバーである。各R10及び各R11は、H、置換又は非置換アルキル、OH及びNHから選択されるメンバーである。R12は、H、R、ハロゲン、シアノ、アミジノ、OR、NR、SR、−N(R)S(O)、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NRから選択されるメンバーである。各R及び各Rは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、指数aは、1〜8から選択される整数である。例示としての実施態様では、指数aは、2〜4から選択される整数である。例示としての実施態様では、各R10及び各R11は、H、置換又は非置換アルキル、OH及びNHから選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、各R10及び各R11は、H、ヒドロキシアルキル及びNHから選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、R10又はR11の少なくとも1つは、ヒドロキシアルキル及びNHから選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、各R10及び各R11は、Hである。例示としての実施態様では、R12は、H、シアノ、アミジノ、−N(R)S(O)、OR、NR、−C(O)OR、−C(O)NRから選択されるメンバーであり、各R及び各Rは、H置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、各R及び各Rは、H、−C(O)R、−C(O)NHR、置換又は非置換C−Cアルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーであり、ここで、Rは、置換又は非置換C−Cアルキルである。例示としての実施態様では、R及びRから選択される少なくとも1つのメンバーは、−C(O)R及び−C(O)NHRから独立して選択されるメンバーであり、ここで、Rは、置換又は非置換C−Cアルキルである。例示としての実施態様では、R12は、OH、NH、メチル、エチル、−NHS(O)CH、シアノ、−NHC(O)CH、−NHC(O)NHCHCH、−C(O)NH、−C(O)OH、4−(メトキシ)フェニル、ベンジル、−NHC(O)OCHPh、−C(O)NHCHCHOH及び−C(NH)(NH)から選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、R12がORを含むとき、Rはヒドロキシ保護基を含み、R12がNRを含むとき、R又はRの少なくとも1つはアミノ保護基を含む。
別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、指数aは、1〜20から選択される整数であり、Rは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、指数aは、1〜10から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜5から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、RはHであり、RはHであり、aは2、3及び4から選択される整数である。
別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、aは、1〜20から選択される整数であり、Rは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜10から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜5から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、RはHであり、RはHであり、aは2、3及び4から選択される整数である。
例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
による構造を有し、式中、Rは、本明細書に記載される通りであり、Rは、置換又は非置換アミノアルキル、置換又は非置換ヒドロキシアルキル、置換又は非置換カルボキシアルキルから選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、Rは、置換又は非置換アルキル及び置換又は非置換ヘテロアルキルから選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、Rは置換又は非置換ヒドロキシアルキルである。例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
である。
別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、aは、1〜20から選択される整数であり、Rは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜10から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜5から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、RはHであり、RはHであり、aは2、3及び4から選択される整数である。
別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、aは、1〜20から選択される整数であり、Rは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜10から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜5から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、RはHであり、RはHであり、aは2、3及び4から選択される整数である。
例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
による構造を有し、式中、Rは、本明細書に記載される通りであり、Rは、置換又は非置換アミノアルキル、置換又は非置換ヒドロキシアルキル、置換又は非置換カルボキシアルキルから選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、Rは、置換又は非置換アルキル及び置換又は非置換ヘテロアルキルから選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、Rは、置換又は非置換ヒドロキシアルキルである。
別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、aは、1〜20から選択される整数であり、Rは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜10から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜5から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、RはHであり、RはHであり、aは2、3及び4から選択される整数である。
別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、aは、1〜20から選択される整数であり、Rは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜10から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜5から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、RはHであり、RはHであり、aは2、3及び4から選択される整数である。
別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、R、R、R及びRは、置換又は非置換アルキル及び置換又は非置換ヘテロアルキルから独立して選択されるメンバーである。R及びRは、本明細書に記載される通りである。例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、Rは本明細書で定義する通りであり、R及びRは、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーから独立して選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、R及びRは、置換又は非置換アルキル置換又は非置換ヘテロアルキルから独立して選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、R及びRは、置換又は非置換ヒドロキシアルキルから独立して選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
式中、Rは本明細書で定義する通りである。
例示としての実施態様では、本発明の化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、Rは、本明細書で定義する通りであり、Rは、置換又は非置換アミノアルキルであり;R、R、R及びRは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーから独立して選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、本発明の化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、Rは本明細書で定義する通りであり、bは、1〜20から選択される整数であり、R、R、R、R、R及びRは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、bは、1〜10から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、bは、1〜5から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、bは1であり、R及びRはHである。別の例示としての実施態様では、R及びRから選択される少なくとも1つのメンバーはアミノ保護基である。
例示としての実施態様では、本化合物は以下の構造を有する:
Figure 2010530881
式中、R、b、R及びRは、本明細書に記載される通りであり、R及びRは各々、置換又は非置換アミノアルキル、置換又は非置換ヒドロキシアルキル、置換又は非置換カルボキシアルキルから独立して選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、bは1であり、R及びRはHである。別の例示としての実施態様では、R及びRから選択される少なくとも1つのメンバーはアミノ保護基である。例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、Rは、本明細書に記載される通りであり、Rは、Hであり、Rは、置換又は非置換アミノアルキル、置換又は非置換ヒドロキシアルキル、置換又は非置換カルボキシアルキルから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、bは1であり、R及びRはHである。例示としての実施態様では、本化合物は以下の構造を有する:
Figure 2010530881
式中、R、b、R及びRは、本明細書に定義される通りである。例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、R、b、R及びRは、本明細書に定義される通りである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、Rは本明細書で定義する通りである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、Rは本明細書で定義する通りであり、aは、1〜20から選択される整数であり、Rは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、指数aは、1〜10から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、指数aは、1〜5から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーであり、式中、Rは本明細書で定義する通りである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーであり、式中、Rは本明細書で定義する通りである。
別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、Rは本明細書で定義する通りである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、Rは、本明細書に記載される通りであり、aは、1〜20から選択される整数であり、Rは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜10から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜5から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、RはHであり、RはHであり、aは2、3及び4から選択される整数である。
別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881

から選択されるメンバーである構造を有し、式中、Rは本明細書で定義する通りである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、Rは本明細書で定義する通りである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、Rは本明細書で定義する通りである。
例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、R、b、R、R及びRは、本明細書に定義される通りである。別の例示としての実施態様では、R及びRから選択される少なくとも1つのメンバーはアミノ保護基である。例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、R、b、R、R及びRは、本明細書に定義される通りであり、Rは、置換又は非置換アミノアルキル、置換又は非置換ヒドロキシアルキル、置換又は非置換カルボキシアルキルから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、R、R及びaは、本明細書に定義される通りである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、Rは、本明細書に記載される通りであり、aは、1〜20から選択される整数であり、Rは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜10から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜5から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、RはHであり、RはHであり、aは2、3及び4から選択される整数である。
別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、R及びRは本明細書に記載される通りである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、Rは、本明細書に記載される通りであり、aは、1〜20から選択される整数であり、Rは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜10から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜5から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、Rは、Hであり、Rは、Hであり、aは、2、3及び4から選択される整数である。
別の例示としての実施態様では、本化合物は以下の構造を有する:
Figure 2010530881
式中、a及びRは、本明細書に定義される通りであり、Rは、H及びヒドロキシル保護基から選択されるメンバーであり、R及びRは、H及びアミノ保護基から独立して選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、R及びRから選択される少なくとも1つのメンバーは、アミノ保護基である。例示としての実施態様では、aは、2、3、及び4から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
以下の構造を有し、式中、a及びRは、本明細書に定義される通りであり、Rは、H及びヒドロキシル保護基から選択されるメンバーであり、R及びRは、H及びアミノ保護基から独立して選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、R及びRから選択される少なくとも1つのメンバーは、アミノ保護基である。例示としての実施態様では、指数aは、2、3、及び4から選択されるメンバーである。
例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
であり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。別の例示としての実施態様では、Rは、Hである。例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
であり、式中、Rは本明細書に記載される通りである。別の例示としての実施態様では、RはHである。
例示としての実施態様では、本化合物は以下の構造を有する:
Figure 2010530881
式中、R、b、R、R及びRは、本明細書に定義される通りである。別の例示としての実施態様では、R及びRから選択される少なくとも1つのメンバーは、アミノ保護基である。例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、R、b、R及びRは、本明細書に記載される通りであり、Rは、置換又は非置換アミノアルキル、置換又は非置換ヒドロキシアルキル、置換又は非置換カルボキシアルキルから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、R、R及びa本明細書に記載される通りである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、Rは、本明細書に記載される通りであり、aは、1〜20から選択される整数であり、Rは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜10から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜5から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、Rは、Hであり、Rは、Hであり、aは、2、3及び4から選択される整数である。
別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、R、R及びa本明細書に記載される通りである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、Rは、本明細書に記載される通りであり、aは、1〜20から選択される整数であり、Rは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜10から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、aは、1〜5から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、Rは、Hであり、Rは、Hであり、aは、2、3及び4から選択される整数である。
別の例示としての実施態様では、本化合物は以下の構造を有する:
Figure 2010530881
式中、Rは本明細書で定義する通りであり、R及びRは、H及びアミノ保護基から独立して選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、R及びRから選択される少なくとも1つのメンバーは、アミノ保護基である。
別の例示としての実施態様では、本化合物は以下の構造を有する:
Figure 2010530881
式中、Rは本明細書で定義する通りであり、R及びRは、H及びアミノ保護基から独立して選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、R及びRから選択される少なくとも1つのメンバーは、アミノ保護基である。
別の例示としての実施態様では、本化合物は以下の構造を有する:
Figure 2010530881
式中、Rは、本明細書に記載される通りである。別の例示としての実施態様では、本化合物は以下の構造を有する:
Figure 2010530881
式中、Rは、本明細書に記載される通りである。別の例示としての実施態様では、RはHである。別の例示としての実施態様では、本化合物は以下の構造を有する:
Figure 2010530881
式中、Rは、本明細書に記載される通りである。別の例示としての実施態様では、RはHである。
例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、Rは、本明細書に記載される通りであり、Rは置換又は非置換アミノアルキルであり;R、R、R及びRは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーから独立して選択されるメンバーである。
例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、Rは、本明細書に記載される通りであり、R及びRは、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーから独立して選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、R及びRは、置換又は非置換アルキル及び置換又は非置換ヘテロアルキルから独立して選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、R及びRは、置換又は非置換ヒドロキシアルキルから独立して選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有する。
例示としての実施態様では、Rは、H、−CHNH及び−CHNOから選択されるメンバーであり;R12は、OH、NH、メチル、エチル、−NHS(O)CH、シアノ、−NHC(O)CH、−NHC(O)NHCHCH、−C(O)NH、−C(O)OH、4−(トリフルオロメチル)フェニル、4−(メトキシ)フェニル、ベンジル、−NHC(O)OCHPh、−C(O)NHCHCHOH及び−C(NH)(NH)から選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、Rは、H、−CHNH及び−CHNOから選択されるメンバーであり;Rは、H、−O(CHNH、−O(CHOH、−OCHCH、−O(CHNHS(O)CH、−O(CHCN、−O(CHNHC(O)CH、−O(CHNHCH、−O(CHOCH、−O(CHOH、−OCH、−O(CHNHC(O)NHCHCH、−O(CHC(O)NH、−O(CHC(O)OH、−C(O)NHCHPh(4−CF)、−O(CHNH、−O(CHNH、−OCHCHCH(NH)CHOH、−OCHPh(4−メトキシ)、−O(CHOCHPh、−O(CHNHC(O)OCHPh、−OCHC(O)NH(CHOH、−O(CHNHC(O)CH、−O(CHC(NH)(NH)、−C(O)OCH、−OCHC(O)OH及び−OCHCH(CHOH)(CH)OHから選択されるメンバーである
例示としての実施態様では、RがHであるとき、Rは−O(CHNH、−O(CHNHS(O)CH、−O(CHCN、−O(CHNHC(O)CH、−O(CHNHCH、−O(CHOH、−O(CHNHC(O)NHCHCH、−O(CHC(O)NH、−O(CHC(O)OH、−O(CHNH、−O(CHNH、−OCHCHCH(NH)CHOH、−OCHPh(4−メトキシ)、−O(CHOCHPh、−OCHC(O)NH(CHOH及び−OCHCH(CHOH)(CH)OHから選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、Rが−CHNHであるとき、RはH、−O(CHOH、−OCHCH、−O(CHOCH、−OCH、−O(CHNH、−O(CHNHS(O)CH、−O(CHNHC(O)OCHPh、−O(CHNHC(O)CH、−O(CHNHから選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、Rが−CHNOであるとき、Rは、−O(CHCN及び−OCHCHから選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、RがHであるとき、Rは−O(CHNH、−O(CHNHS(O)CH、−O(CHCN、−O(CHNHC(O)CH、−O(CHNHCH、−O(CHOH、−O(CHNHC(O)NHCHCH、−O(CHC(O)NH、−O(CHC(O)OH、−O(CHNH、−O(CHNH、−OCHCHCH(NH)CHOHから選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、Rが−CHNHであるとき、RはH、−O(CHOH、−OCHCH、−O(CHOCH、−OCHから選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、RがHであるとき、Rは−O(CHNH、−O(CHCN、−O(CHNHC(O)CH、−O(CHNHCHから選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、Rが−CHNHであるとき、RはH、−O(CHOH及び−OCHCHから選択されるメンバーである。
別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
であり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。
別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
であり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。
別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。
別の例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。
例示としての実施態様では、RはHである。例示としての実施態様では、C立体中心は、(R)及び(S)から選択されるメンバーである配置にある。例示としての実施態様では、C立体中心は、(S)配置にある。例示としての実施態様では、C立体中心は、(S)配置にあり、Rは、−CHNHである。例示としての実施態様では、C立体中心は、(S)配置にあり、Rは、−CHNHであり、Rは、H及び−O(CHOHから選択されるメンバーである。
例示としての実施態様では、本発明は、本明細書に記載の化合物又はその塩、水和物若しくは溶媒和物又はそれらの組み合わせを提供する。例示としての実施態様では、本発明は、本明細書に記載の化合物又はその塩、水和物若しくは溶媒和物を提供する。例示としての実施態様では、本発明は、本明細書に記載の化合物又はその塩を提供する。例示としての実施態様では、塩は、薬学的に許容される塩である。例示としての実施態様では、本発明は、本明細書に記載の化合物又はその水和物を提供する。例示としての実施態様では、本発明は、本明細書に記載の化合物又はその溶媒和物を提供する。例示としての実施態様では、本発明は、本明細書に記載の化合物又はそのプロドラッグを提供する。例示としての実施態様では、本発明は、本明細書に記載の化合物の塩を提供する。例示としての実施態様では、本発明は、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩を提供する。例示としての実施態様では、本発明は、本明細書に記載の化合物の水和物を提供する。例示としての実施態様では、本発明は、本明細書に記載の化合物の溶媒和物を提供する。例示としての実施態様では、本発明は、本明細書に記載の化合物のプロドラッグを提供する。例示としての実施態様では、本発明は、図1又は図2に記載された化合物を提供する。
例示としての実施態様では、アルキルは、直鎖アルキル及び分枝アルキルから選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、ヘテロアルキルは、直鎖ヘテロアルキル及び分枝ヘテロアルキルから選択されるメンバーである。
III.b) 立体異性体を伴う組成物
本明細書で使用する場合、「キラル」、「エナンチオマーに富む」又は「ジアステレオマーに富む」という表現は、鏡像体過剰率(ee)又はジアステレオマー過剰率(de)が約50%を超え、好ましくは約70%を超え、より一層好ましくは約90%を超える組成物を示す。通常、約95%ee又はdeを超える、約97%ee又はdeを超える、約99%ee又はdeを超える組成物など、約90%を上回る鏡像体過剰率又はジアステレオマー過剰率が特に好ましい。
「鏡像体過剰率(enantiomeric excess)」及び「ジアステレオマー過剰率」という用語は、本明細書では同義に用いられる。立体中心が1つの化合物を「鏡像体過剰」で存在すると称し、少なくとも2つの立体中心を有する化合物を「ジアステレオマー過剰」で存在すると称する。
「鏡像体過剰率」という用語は、当該技術分野において周知であり、下記のとおり定義される。
Figure 2010530881
「鏡像体過剰率(enantiomeric excess)」という用語は、同じ現象についての尺度であるという点で、これよりも古い用語の「光学純度」と関連している。eeの値は0から100の範囲であり、0がラセミ体で100が鏡像異性的に純粋である。過去に光学純度98%であるとされていた組成物が、現在では一層厳密に96%eeであるとして特徴付けられている。90%eeとは、該当する材料中に、1つのエナンチオマーが95%と、他のエナンチオマーが5%存在することを表している。
したがって、一実施形態では、本発明は本発明の化合物の第1の立体異性体と少なくとも1つの別の立体異性体とを含む組成物を提供するものである。第1の立体異性体は、ジアステレオマー過剰率又は鏡像体過剰率が少なくとも約80%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約92%又は少なくとも約95%で存在することができる。別の例示としての実施形態では、第1の立体異性体が、ジアステレオマー過剰率又は鏡像体過剰率が少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%又は少なくとも約99.5%で存在する。別の実施形態では、本発明の化合物は、鏡像異性的に又はジアステレオマー的に純粋(ジアステレオマー過剰率又は鏡像体過剰率が約100%)である。鏡像体過剰率又はジアステレオマー過剰率については、厳密に1種類の他の立体異性体を基準にして求めてもよいし、少なくとも2種類の他の立体異性体の合計を基準にして求めてもよい。例示としての実施形態では、鏡像体過剰率又はジアステレオマー過剰率を、混合物中に存在する検出可能な他のすべての立体異性体を基準にして求める。キラルHPLCなどの一般的な分析方法を用いて、分析対象となる混合物中における立体異性体の濃度を求めることが可能であれば、このような立体異性体を検出できる。
本明細書で使用する場合、特に明記しないかぎり、ある化合物を「実質的に含まない」組成物とは、その組成物がその化合物を約20重量%未満又は約15重量%未満、又は約10重量%未満、又は約5重量%未満、又は約3重量%未満、又は約2重量%未満、又は約1重量%未満の量で含有することを意味する。
本明細書で使用する場合、「当該(又はその)エナンチオマーを実質的に含まない」とは、本発明の化合物を含有する組成物が、光学対掌体よりも有意に大きな比率の1つのエナンチオマーで構成されることを意味する。本発明の一実施形態では、「エナンチオマーを実質的に含まない」という表現は、化合物が少なくとも約90重量%の(S)エナンチオマーと約10重量%以下の(R)立体異性体とで構成されることを意味する。本発明の一層好ましい実施形態では、「エナンチオマーを実質的に含まない」という表現は、化合物が少なくとも約95重量%の(S)エナンチオマーと約5重量%以下の(R)立体異性体とで構成されることを意味する。なお一層好ましい実施形態では、「エナンチオマーを実質的に含まない」という表現は、化合物が少なくとも約98重量%の(S)エナンチオマーと約2%以下の(R)立体異性体とで構成されることを意味する。なお一層好ましい実施形態では、「エナンチオマーを実質的に含まない」という表現は、化合物が少なくとも約99重量%の(S)エナンチオマーと約1%以下の(R)立体異性体とで構成されることを意味する。
例示としての実施形態では、本発明は、a)RがHではない本明細書に記載の化合物の第1の立体異性体と、b)第1の立体異性体の少なくとも1つの別の立体異性体と、を含む組成物であって、第1の立体異性体が前記少なくとも1つの別の立体異性体に対して少なくとも80%の鏡像体過剰率で存在する組成物を提供するものである。例示としての実施形態では、鏡像体過剰率が少なくとも92%である。例示としての実施形態では、第1の立体異性体のC立体中心が(S)配置である。例示としての実施形態では、第1の立体異性体のC立体中心が(S)配置であり、Rが−CHNHである。
例示としての実施形態では、本発明は、RがHではなく、C立体中心が(S)配置である本発明の化合物を含む組成物を提供するものであり、前記組成物は、この化合物のエナンチオマーを実質的に含まない。例示としての実施形態では、組成物が、A2、A49又はこれらの組み合わせを含み、組成物がA2又はA49のエナンチオマーを実質的に含まない。例示としての実施形態では、本発明は、RがHではなく、C立体中心が(R)配置である本明細書に記載の化合物を含む組成物を提供するものである。
III.c) 別の治療薬を含む組み合わせ
本発明の化合物を別の治療薬と併用してもよい。よって、本発明は、さらに別の態様において、本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を、少なくとも1種の別の治療薬と一緒に含む組み合わせを提供するものである。例示としての実施形態では、別の治療薬が本発明の化合物である。例示としての実施形態では、別の治療薬がホウ素原子を含む。例示としての実施形態では、別の治療薬がホウ素原子を含有しない。例示としての実施形態では、別の治療薬がIII.c)章に記載の化合物である。
本発明の化合物を同じ疾患状態に対して有効な第2の治療薬と併用する場合、各化合物の用量がその化合物を単独で使用する場合と異なっていてもよい。適切な用量は当業者であれば容易に分かるであろう。治療に必要な本発明の化合物の量は、治療対象となる症状の性質や患者の年齢と症状によって変わるものであって、最終的には担当医又は獣医の判断で決定されることは自明であろう。例示としての実施形態では、別の治療薬が抗生剤である。本願で利用できる抗生剤の内容例としては、アミノグリコシド、アンサマイシン、カルバセフェム、カルバペネム、第一世代セファロスポリン、第二世代セファロスポリン、第三世代セファロスポリン、第四世代セファロスポリン、第五世代セファロスポリン、グリコペプチド、マクロライド、キノロン、スルホンアミド、テトラサイクリンがあげられる。例示としての実施形態では、別の治療薬が、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、パロモマイシンから選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、別の治療薬が、ゲルダナマイシン及びハービマイシンから選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、別の治療薬がロラカルベフである。例示としての実施形態では、別の治療薬が、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム、シラスタチン、メロペネムから選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、別の治療薬が、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン、セファレキシンから選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、別の治療薬が、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシムから選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、別の治療薬が、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソンから選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、別の治療薬がセフェピムである。例示としての実施形態では、別の治療薬がセフトビプロールである。例示としての実施形態では、別の治療薬が、テイコプラニン及びバンコマイシンから選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、別の治療薬が、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン及びスペクチノマイシンから選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、別の治療薬がアズトレオナムである。例示としての実施形態では、別の治療薬が、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリン、ピペラシリン及びチカルシリンから選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、別の治療薬が、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンBから選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、別の治療薬が、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシンから選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、別の治療薬が、マフェニド、プロントシル、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルファニルイミド、スルファサラジン、スルフィソキサゾール、トリメトプリム、スルファメトキサゾールから選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、別の治療薬が、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリンから選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、別の治療薬が、アルスフェナミン、クロラムフェニコール、リンコマイシン、エタンブトール、ホスホマイシン、フシジン酸、フラゾリドン、イソニアジド、リネゾリド、メトロニダゾール、ムピロシン、ニトロフラントイン、プラテンシマイシン、ピラジナミド、キヌプリスチン、リファンピン、チニダゾールから選択されるメンバーである。
本発明の化合物又はその医薬製剤を、たとえば免疫治療剤[たとえば、インターフェロンα−2a(ROFERON(登録商標)-A;Hoffmann-La Roche)、インターフェロンα−2b(INTRON(登録商標)−A;Schering-Plough)、インターフェロンアルファコン−1(INFERGEN(登録商標);Intermune)、ペグインターフェロンα−2b(PEGINTRON(商標);Schering-Plough)又はペグインターフェロンα−2a(PEGASYS(登録商標);Hoffmann-La Roche)などのインターフェロン]、治療用ワクチン、抗線維化薬、抗炎症薬[コルチコステロイド又はNSAIDなど]、気管支拡張薬[β2アドレナリン作動薬及びキサンチン(テオフィリンなど)など]、粘液溶解薬、抗ムスカリン薬、抗ロイコトリエン薬、細胞接着の阻害剤[ICAMアンタゴニストなど]、酸化防止剤[N−アセチルシステインなど]、サイトカインアゴニスト、サイトカインアンタゴニスト、肺表面活性物質及び/又は抗微生物薬などの他の治療薬と併用してもよい。本発明による組成物を遺伝子置換療法と併用してもよい。
このような組み合わせの個々の成分を、同時投与又は単位剤形での順次投与のいずれかで投与すればよい。単位剤形は、単一の単位剤形であってもよいし、複数の単位剤形であってもよい。例示としての実施形態では、本発明は、単一の単位剤形での組み合わせを提供するものである。単一の単位剤形の一例にカプセルがあり、この場合、本発明の化合物と別の治療薬とが同じカプセルに封入されている。例示としての実施形態では、本発明は、2つの単位剤形での組み合わせを提供するものである。2つの単位剤形の一例に、本発明の化合物が封入された第1のカプセルと、別の治療薬が封入された第2のカプセルとがある。よって、「単一の単位」又は「2つの単位」又は「複数の単位」という表現は、物体内部の成分ではなく、患者が摂取する物体を示す。周知の治療薬の適切な用量は、当業者であれば容易に分かるであろう。
本明細書に記載の組み合わせは、適宜、医薬製剤の形で使用できるように提供できるものである。よって、本発明の例示としての実施形態は、a)本発明の化合物と、b)別の治療薬と、c)薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬製剤である。例示としての実施形態では、医薬製剤が単位剤形である。例示としての実施形態では、医薬製剤が単一の単位剤形である。例示としての実施形態では、医薬製剤が2つの単位剤形である。例示としての実施形態では、医薬製剤が、第1の単位剤形と第2の単位剤形とを含む2つの単位剤形であり、第1の単位剤形が、a)本発明の化合物と、b)第1の薬学的に許容される賦形剤とを含み、第2の単位剤形が、c)別の治療薬と、d)第2の薬学的に許容される賦形剤とを含む。
III.d) 本発明の別の化合物
本発明の別の化合物は、核酸、ヌクレオシド又はヌクレオチドのリボース環の2’,3’ジオールと、本明細書に記載の化合物又は本明細書に記載の式で表される化合物との間で形成されるものを含む。例示としての実施形態では、化合物が、本明細書に記載されているものなどの環式又は非環式のボロン酸エステルである。これらの化合物を動物で使用して、本明細書に記載の微生物を殺滅又はその増殖を阻害ならびに、本明細書に記載の疾患を治療することができる。これらの化合物は、in vitroならびにin vivoで形成できる。これらの化合物の製造方法については、実施例の章にあげておく。
別の態様では、本発明は、以下の式で表される構造を有する化合物を提供するものである。
Figure 2010530881
式中、R及びRは本明細書に記載のとおりである。Lは、OR、置換又は非置換のプリン、置換又は非置換のピリミジン、置換又は非置換のピリジン、置換又は非置換のイミダゾールから選択されるメンバーである。Rは、H、置換又は非置換のアルキル、置換又は非置換のヘテロアルキル、置換又は非置換のシクロアルキル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のヘテロアリールから選択されるメンバーである。Aは、OH、置換又は非置換のモノホスフェート、置換又は非置換のジホスフェート、置換又は非置換のトリホスフェート、
Figure 2010530881
及び
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。Aは、1〜100個のヌクレオチドを含む核酸配列である。
例示としての実施形態では、化合物が、式
Figure 2010530881
で表される構造を有し、式中、R、L及びAは、本明細書に記載のとおりである。
例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、L及びAは本明細書に記載のとおりである。例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有し、式中、L及びAは本明細書に記載のとおりである。
III.e) ケラチンを含む製剤
本発明の化合物をヒトの爪の構成要素に塗布すると、化合物が爪に吸収されるか浸透する。ヒトの爪は主に、ケラチン(すなわち、毛ケラチン又はαケラチン)と微量の脂質成分とで構成される。したがって、爪の疾患を治療又は微生物を殺滅又はその増殖を阻害する過程では、ヒトの爪部と本発明の化合物とを含む製剤を形成する。
別の態様では、本発明は、(a)本発明の化合物と、(b)動物のケラチン含有成分とを含む製剤を提供するものである。例示としての実施形態では、本発明の化合物が、本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩である。例示としての実施形態では、本発明の化合物が、本明細書に記載の式で表される化合物である。例示としての実施形態では、本発明の化合物が、本明細書に記載の化合物である。例示としての実施形態では、動物のケラチン含有成分が、動物の爪部、皮膚、毛から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、パート(a)の化合物がパート(b)の成分と接触する。例示としての実施形態では、動物がヒトである。例示としての実施形態では、ケラチン含有成分がヒトの爪部の爪甲である。例示としての実施形態では、ケラチン含有成分がヒトの爪部の爪床である。例示としての実施形態では、ケラチン含有成分がヒトの爪部の近位後爪郭である。例示としての実施形態では、ケラチン含有成分がヒトの爪部の側爪郭である。別の例示としての実施形態では、ヒトの爪部が、ケラチン及び脂質から選択されるメンバーを含む。別の例示としての実施形態では、ケラチンが、皮膚ケラチン及び爪/毛ケラチンから選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、脂質が、コレステロール硫酸、セレブロシド、セラミド、遊離ステロール、遊離脂肪酸、トリグリセリド、ステロールエステル、ワックスエステル、スクアレンから選択されるメンバーである。
例示としての実施形態では、化合物が、約0.001%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.5%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%から選択されるメンバーである濃度で製剤中に存在する。別の例示としての実施形態では、ケラチンが、約99.99%、約99.95%、約99.90%、約99.5%、約99.0%、約98.5%、約98.0%、約97.5%、約97%から選択されるメンバーである濃度で前記製剤中に存在する。別の例示としての実施形態では、本発明の化合物が、本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩である。別の例示としての実施形態では、化合物が本明細書に記載される。別の例示としての実施形態では、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである化合物が、約0.001%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.5%、約1%、約1.5%から選択されるメンバーである濃度で前記製剤中に存在する。
別の態様では、本発明は、ケラチンを含む製剤に前記化合物を適用することで、前記製剤を形成することを含む、前記の製剤を形成する方法を提供するものである。例示としての実施形態では、ケラチンを含む製剤がヒトの爪部である。例示としての実施形態では、ケラチンを含む製剤が、爪甲、爪床、近位後爪郭、側爪郭から選択されるメンバーである。これらの製剤の製造方法については、実施例の章で説明する。
本発明が、本明細書に記載の態様及び/又は実施形態ならびに好適で便利な好ましい群のあらゆる組み合わせを包含することを理解されたい。
III.f)ホウ素を含有する修正ドメイン阻害剤の調製
本発明で使用する化合物は、市販の出発物質、既知中間体を用いて、あるいは本明細書に記載される合成方法及び米国公開公報20060234981、米国20070155699及び米国20070293457などの引用文献によって取り入れられる合成方法を用いることによって調製することができる。
以下の一般手順を具体例の作製に示されているように用い、当業者の知識を用いて他の適当な化合物に適用してさらなるアナログを得ることがができる。
一般手順1:アミノ3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オールのスルホニル化
Figure 2010530881
スルホニル化条件を付すことにより、化合物1を化合物2に変換することができる。
この一般手順のいくつかの適用において、非置換フェニル又は非置換ピリジニル塩化スルホニル(1−1.2等量)及び塩基(NMM、KCO、又はピリジン3−4等量など)をMeCN(20mL/g)中のアミンの溶液に室温で順次添加した。完了後(典型的な期間O/N)、揮発物を真空で除去した。HOを残渣に添加し、混合物を希HClで約pH6に調整した。次いで水層を有機溶媒(EtOAcなど)で抽出し、合わせた有機分画をNaSO又はMgSOなどの乾燥剤で乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。生成物を典型的にはHOからの再結晶化、CHCl又はEtOAcでの粉砕、又はフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
一般手順2:ベンジル保護されたアルコール又はチオールの脱プトロン化
Figure 2010530881
脱プロトン化条件を付すことにより、化合物3を化合物4に変換することができる。
氷AcOH(10mL/g)中のベンジル化されたアルコール又はチオール(1等量)及び20%Pd(OH)−炭素(50重量%−湿性、1:2w/w 基質対触媒)の混合物をH(40−50psi)Parrの雰囲気下で振とう器で振とうした。反応が完了したら(TLC)、混合物をセライトを通して濾過した。濾液を真空で濃縮し、残留AcOHをトルエン(3回)での共蒸発によって除去し、アルコールを得た。必要に応じてフラッシュクロマトグラフィー又は分取HPLCによってさらに精製を行った。
一般手順3:Mitsunobu条件を用いたフェノール又はチオフェノールアルキル化
Figure 2010530881
Mitsunobu条件を付すことにより、化合物5を化合物6に変換することができる。
DIAD(1等量)を無水THF(200mL/7gフェノール)中のフェノール又はチオフェノール(1等量)及びPPh(1等量)の溶液に添加した。反応が完了するまで(TLCによって決定される)、混合物を室温で攪拌した。次いで混合物を真空で濃縮した。EtOを残渣に添加し、次いで混合物を真空で濃縮した。EtOを再度添加し、形成された沈殿物を濾過によって除去した。濾液を2NNaOH及びHOで抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、真空で濃縮した。残渣をさらにフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
一般手順4:臭化アルキル及びアルキルメシレートを用いたフェノール又はチオフェノールアルキル化
Figure 2010530881
DMFなどの非プロトン性溶媒中のハロゲン化アルキル又はメシレート(1−1.5等量)、2−ブロモ−3−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド又は2−ブロモ−3−メルカプト−ベンズアルデヒド(1等量)、及びKCO(1−1.2等量)又はCsCO(1.5−2等量)などの塩基の溶液を反応が完了するまで50−80℃(浴温)で攪拌した(典型的にはO/N)。反応混合物室温に冷却し、HOで希釈し、EtOAcなどの溶媒で抽出した。有機分画をHO、次いで塩水で洗浄し、MgSOなどの乾燥剤で乾燥し、真空で濃縮した。必要な場合、さらに精製をフラッシュクロマトグラフィーにより行った。
一般手順5:ハロゲン化アリール及びトリフレートのホウ素化(borylation)
Figure 2010530881

ホウ素化条件を付すことにより、化合物7を化合物8に変換することができる。
無水1,4−ジオキサン(20mL/1g)中の臭化アリール又はトリフレートの溶液をBpin(2等量)及びKOAc(3等量)に室温で添加した。次いで10〜40分間Nで脱気した。PdCl(dppf)・CHCl(4−8mol%)を添加し、反応が完了するまで(2〜16時間)、得られた溶液を80−100℃で攪拌した。溶液を室温に冷却し、EtOAcで希釈した。次いで有機層をHO、次いで塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空で濃縮した。生成物を典型的にはフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
一般手順6:アリールトリフレートによるフェノール又はチオフェノールのホウ素化
Figure 2010530881
ホウ素化条件を付すことにより、化合物9を化合物8に変換することができる。
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.2等量)をCHCl(40mL/8.6g)中のピリジン(1.2等量)及びフェノールの溶液に0℃(浴温)で滴下して添加した。次いで反応混合物を室温に温め、出発部物質が完全に消費するまで(TLCにより決定)攪拌した。次いでEtO及び2N HClを添加した。有機層を分離し、飽和NaHCO3、次いで塩水でで洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)及び短いシリカゲルプラグを通して濾過しEtOで洗浄した。濾液を真空で濃縮して、所望のトリフレートを得て、一般手順5で直接使用した。
一般手順7:置換2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒドの閉環
Figure 2010530881
閉環条件を付すことにより、化合物8を化合物10に変換することができる。
NaBH(1.5等量)をアルコール中のアルデヒドの氷冷溶液に(典型的には無水EtOH又は無水MeOH(c=0.1M))数回に分けて添加した。反応物を室温に温め、TLCによってモニタリングした。次いで、1N NaHSO又は2M HClを用いて混合物を約pH3に酸性化し、O/Nでの攪拌をした。沈殿物を濾過によって回収し、HOで繰り返し洗浄し、真空で乾燥した。必要のあるとき、フラッシュクロマトグラフィーによりさらに精製を行った。
一般手順8:置換2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒドのHenry反応
Figure 2010530881
Henry反応条件を付すことにより、化合物8を化合物11に変換することができる。
NaOH水溶液(1.0等量)を室温でアルデヒド(HO又はTHF中)に添加し、反応混合物を室温で5分間攪拌した。MeNO(3等量)を滴下して添加し、混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を2N HClで酸性化し、EtOAcで抽出した。有機分画をHOで洗浄し、次いで塩水、乾燥し(MgSO)、真空で濃縮した。精製を、典型的にはフラッシュクロマトグラフィー又は酸性化した反応混合物からの沈殿によって行った。
一般手順9:置換2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒドの相間移動触媒を用いたHenry反応
Figure 2010530881
CTAB又はCTACl(5mol%)を水性NaOH及びTHF(1mL/300mgアルデヒド)中のMeNO及びアルデヒドの混合物に室温で添加した。反応をTLCによってモニタリングした。完了時(典型的には1−1.5時間)、混合物を2N HCl又は1M NaHSOを用いてpH2−3に調整し、次いで混合物を30分間攪拌した。固体を濾過し、乾燥して、所望のニトロ化合物を得て、これを次の工程で直接用いた。沈殿がない場合、有機物質を反応混合物からEtOAcで抽出した。次いで有機分画を乾燥し(MgSO)、真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
一般手順10:N−Boc保護されたアミンへのアルキルニトロ及び/又はアルキル二トリル化合物の還元
Figure 2010530881
還元条件を付すことにより、化合物12を化合物13に変換することができる。
BocO(2等量)及びNiCl・6HO(1等量)を無水MeOH(3mL/mmol)中のアルキルニトロ又はアルキルニトリルの攪拌溶液に室温で添加した。ほとんどのNiClがMeOHに溶解するまで(典型的には〜10分)、攪拌を続けた。次いで反応混合物を0℃(浴温)に冷却し、NaBH(6等量)を10分間にわたって数回に分けて添加した。反応は発熱性であり、沸騰性であり、微粉の黒色の沈殿物が形成された。反応混合物を室温に温め、O/Nで攪拌したままとした。次いで混合物を真空で濃縮し、残渣をEtOAcで希釈した。得られた懸濁液をセライトを通して濾過し、濾液を真空で濃縮した。次いで必要な場合、残渣をさらにフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
一般手順11:Boc−保護されたアミンの脱プロトン化
Figure 2010530881
脱プロトン化条件を付すことにより、化合物13を化合物14に変換することができる。
N−Boc保護されたアミン及びEtO中の1M HCl又はジオキサン(2mL/mmol)中の4M HClの混合物をを室温で攪拌した。出発物質の消費完了後(典型的には3−16時間、TLCによってモニタリングした)、混合物を真空で濃縮し、粗製の残渣をEtOで粉砕し、濾過した。必要な場合、最終生成物を分取HPLCによって精製した。
一般手順12:ラネーニッケルを用いたアルキルニトロ及び/又はアルキル二トリルの還元
Figure 2010530881
還元条件を付すことにより、化合物12を化合物15に変換することができる。
3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール、ラネーNi(2等量w/w)、EtOH(5mL/1g)中の2.0M NH、及び無水EtOH(20mL/1g)の混合物をH(40−50psi)の雰囲気下で室温で3時間振とうした。得られた混合物をセライトのパッドを通して濾過し、EtOHで洗浄した。濾液を真空で濃縮し、遊離アミンを得た。
一般手順13:パールマン触媒を用いた置換−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オールの還元
Figure 2010530881
還元条件を付すことにより、化合物11を化合物16に変換することができる。
氷AcOH(10mL/g)中の3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(1等量)及び20%Pd(OH)−炭素(50重量%−湿性、1:2w/w 基質対触媒)の混合物をH(45−50psi)の雰囲気下でParr振とう器中で振とうした。
反応が完了したら(TLC)、混合物をセライトを通して濾過した。濾液を真空で濃縮し、粘性の物質を得た。残留AcOHをトルエン(3回)での共蒸発によって除去し、アミンを典型的には綿毛状の固体として得た。精製を分取HPLCによって行った。
一般手順14:置換(S)−3−(アミノメチル)−3−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩(A??)の合成
Figure 2010530881
THF中のメチルトリフェニル臭化ホスホニウム(1.2等量)の懸濁液に室温でKOtBu(1.2等量)を数回に分けて添加した。5分間攪拌後、反応混合物をほぼ置換2’ブロモアセトフェノン(1等量)で処理した。反応混合物を室温で3時間攪拌し、次いで飽和アンモニウム塩化でクエンチした。次いでクエンチした混合物をEtOで3回抽出し、合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空下で蒸発した。次いで、層をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、置換1−ブロモ−2−(プロプ−1−エン−2−イル)ベンゼンを得た。
次いで混合物を水及びtBuOHの2相混合物に溶解し、0℃に冷却した。置換1−ブロモ−2−(プロプ−1−エン−2−イル)ベンゼンを添加し、異種混合物を0℃で18時間攪拌し、硫酸ナトリウムでクエンチし、室温に温め、さらに1時間攪拌した。次いで、クエンチした混合物をDCMで5回抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥し、真空下で蒸発した。シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、置換(S)−2−(2−ブロモフェニル)プロパン−1,2−ジオールを得た。
置換(S)−2−(2−ブロモフェニル)プロパン−1,2−ジオールをピリジン(1等量)に溶解し、0℃に冷却した後、塩化メタンスルホニル(1等量)を添加した。反応混合物を室温に温め、2時間攪拌した。ピリジンを真空下で除去し、残渣をDCM及び水性NaHCO間で分配した。有機層をMgSOで乾燥し、真空下で蒸発し、粗製のメシレートを得た。この物質をNaN(4.5等量)と合わせ、DMFに溶解し、80℃で18時間加熱した。水を添加し、EtOで3回抽出し、合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空下で蒸発した。次に混合物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、置換(S)−1−アジド−2−(2−ブロモフェニル)プロパン−2−オールを得た。
置換(S)−1−アジド−2−(2−ブロモフェニル)プロパン−2−オール(1等量)及びホウ酸トリイソプロピル(1.2等量)をトルエン20等量に溶解した。反応混合物をDean/Stark器具で還流してトルエンを除去し、残渣を乾燥THF17等量に溶解した。この溶液を−78℃に冷却し、BuLi(ヘキサン中25M、1.15等量)を滴下して添加し、30分間攪拌した。反応混合物を室温に温め、3時間攪拌した後、6M HClでクエンチし、真空下で濃縮した。これをDCMで3回抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥し、真空下で蒸発した。次の混合物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、置換(S)−3−(アジドメチル)−3−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オールを得た。
置換(S)−3−(アジドメチル)−3−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(1等量)及びトリフェニルホスフィン(2等量)をアセトニトリルに溶解した。5分後、濃塩酸(2等量)を添加し、反応混合物を24時間室温で攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣をDCMに溶解し、2M HClで3回洗浄した。合わせた水層を蒸発し、真空下で乾燥した。得られた固体をEtOHで洗浄し、濾過し、副生成物を除去し、濃縮し、アセトニトリルから結晶化し、置換(S)−3−(アミノメチル)−3−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩を白色固体として得た。
エナンチオマーのキラルHPLC分離の一般手順
Figure 2010530881
キラルHPLC分離条件を付すことにより、化合物17をエナンチオマー18及び19に分離することができる。
2つのエナンチオマーの分離は、物質を好適な溶媒に溶解し、適当なキラルカラム及び溶離系に適用することによって行った。。次いで回収し分離したエナンチオマー試料を濃縮し、さらに精製することなく次の工程で用いた。この技術を用いて、分離されたエナンチオマーの鏡像体過剰の範囲を達成することができる。
3−アミノメチルベンゾオキサボロールのキラル合成の一般手順
Figure 2010530881
3−アミノメチルベンゾオキサボロールの直接の立体特異的合成は5−又は6−置換2−ブロモアセトフェノンから出発して行うことができる。臭素(1.0等量)を、ジエチルエーテル中の適当に置換された2’−ブロモアセトフェノン(1.0等量)に室温でゆっくりと添加し、2時間攪拌した。水を添加し、色がなくなるまで反応混合物を攪拌した。相を分離し、水層をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、及び減圧下で濃縮し、置換2−ブロモ−1−(2−ブロモフェニル)エタノンを得た。(R)−(+)−2−メチル−CBS−オキサザボロリジン[R−異性体]又は(S)−(−)−2−メチル−CBS−オキサザボロリジン[S−異性体](0.11等量)を添加し、THF中の置換2−ブロモ−1−(2−ブロモフェニル)エタノン(1.0等量)の溶液を攪拌した。反応混合物を−10℃に冷却し、BH・THF(THF中1.0M、1.20等量)を4時間にわたって添加した。反応混合物をさらに45分間−10℃で攪拌した後、メタノール(130mL)を添加した。反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、置換キラル2−ブロモ−1−(2−ブロモフェニル)エタノールを得た。DMF中のこのアルコール(1.00等量)の溶液にナトリウムアジドを室温で添加した。次いで、反応混合物を80℃で24時間加熱した。水(150mL)を添加し、この溶液をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を塩水(50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけ、置換2−アジド−1−(2−ブロモフェニル)エタノールを生成した。トルエン中のこの物質(1.00等量)の溶液にホウ酸トリイソプロピル(1.50等量)を添加した。反応フラスコはDean及びStark濃縮器を備え、反応混合物を還流し、ほぼ3/4の体積の溶媒を除去した。dark反応混合物を室温に冷却し、THFを添加し、次いで−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、1.15等量)を−78℃で反応混合物に滴下して添加し、次いで30分間この温度で攪拌した。次いで、反応混合物を室温に温め、3時間攪拌した後、6M HCl(30mL)でクエンチした。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけ、置換3−(アジドメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オールを得た。
メタノール中のこの化合物(1.0等量)の溶液にトリフェニルホスフィン(1.0等量)を添加し、これを3時間室温で攪拌した。濃HClを添加し、反応混合物をさらに2時間攪拌した後、減圧下で濃縮乾燥した。ジクロロメタンを添加し、2M HClで抽出した。合わせた水層をジクロロメタンで洗浄し、減圧下で濃縮した。次いで残渣を温水/アセトニトリル(化合物グラムあたり3mL水/50−80mLアセトニトリル)から再結晶化し、置換キラル(R又はS)3−(アミノメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オールを塩酸塩として得た。
本明細書に記載される方法に類似する方法によって本明細書に記載の化合物を水和物及び溶媒和物に変換する。
IV.tRNA合成酵素修正ドメインの阻害剤のアッセイ
当業界で認知される遺伝学技術及び分子生物学は、tRNA合成酵素の修正ドメインに結合及び/又は阻害する化合物の同定に有用である。さらに、これらの技術は、化合物が合成ドメイン、修正ドメイン、又は修正及び合成ドメインの双方に結合及び/又は阻害するかを識別するのに有用である。
例示的なアッセイにおいて、修正ドメインに対する代表的化合物の活性を確認した。新規なホウ素含有抗菌化合物(A1)の標的を同定するために、化合物(A1)に耐性を示す大腸菌(E.coli)の変異体を単離した。変異体の特性決定により、それらの(A1)への耐性が野生型よりも32〜256倍増加することを示した。変異体は既知の作用様式を有する種々の抗菌剤に対して感受性であることがさらに示され、(A1)の細胞標的が他の抗菌剤の標的とは異なることが示唆された。変異体由来のleuS遺伝子をプラスミドにクローニングし、その耐性をMICによって確認した。これらの変異体由来の修正ドメインをシーケンシングすると、変異体はすべて、この酵素の修正ドメインに位置していた。
特定の化合物が、選択されたtRNA合成酵素の修正ドメインと結合する及び/又はこれを阻害するか否か、またそれがいかに効率的になされるかを決定するためのアッセイも本明細書に記載されており、当業者であれば別のアッセイも容易に利用できる。簡単に言えば、例示としてのアッセイでは、不適切に装填された(improperly charged)tRNAと、この不適切に装填されたtRNAを修正できるtRNA合成酵素とを組み合わせる。このようにして得られる混合物を推定上のインヒビターと接触させ、修正の阻害の度合いを観察する。
別のアッセイでは、遺伝学を用いて、この薬剤が修正ドメインを介して作用することを示す。このアッセイでは、まずtRNA合成酵素遺伝子のコピーを過剰発現している細胞の株に対して化合物を検査する。化合物が過剰発現株に及ぼす影響を対照株と比較し、化合物が合成酵素に対して活性であるか否かを決定する。野生型細胞に対するインヒビターの最小発育阻止濃度(MIC)よりも合成酵素遺伝子のコピーを余分に持つ株のMICのほうが2倍高い場合、さらに遺伝学的スクリーニングを実施し、耐性の増大が修正ドメインでの変異によるものなのか否かを決定する。この2回目のスクリーニングで、対照株を高濃度のインヒビターに曝露する(challenged)。この曝露でも生存しているコロニーを単離し、これらの細胞由来のDNAを単離する。校正PCR酵素と適当なプライマーとを用いて修正ドメインを増幅する。PCR産物は標準的な手法で精製できる。配列増幅変異株DNAを野生型と比較する。変異株DNAの修正ドメインに変異がある場合、このような結果から、化合物が修正ドメインに結合して、このドメインを介して分子の修正機能に影響を及ぼすことが示唆されるであろう。
上述したアッセイは、細菌、真菌、寄生生物、ウイルスなど、本質的にいずれの微生物系でも有用である。
一般に、被検化合物は、アッセイにおいて、約1pMから約100mM、好ましくは約1pMから約1μMの範囲で存在する。他の化合物は、約1nMから約100nM、好ましくは約1nMから約1μMの範囲である。
被検化合物が酵素の機能に対して及ぼす影響を好適な生理学的変化によって測定することもできる。無傷の細胞又は動物を用いて機能の結果を決定する場合、伝達物質の放出、ホルモンの放出、既知及び特性決定されていない遺伝子マーカー両方に対する転写の変化、細胞成長又はpH変化などの細胞代謝の変化、Ca2+又は環状ヌクレオチドなどの細胞内第2メッセンジャーの変化などの種々の効果を併せて測定することもできる。
高スループットスクリーニング(HTS)も本発明の有望な候補を同定する上で役に立つ。
本明細書に記載のアッセイ及び当該技術分野において容易に利用できる他のアッセイにより、当業者であれば、tRNA合成酵素の修正ドメインと結合する及び/又はこれを阻害する他の化合物及び化合物クラスを容易かつ日常的に決定することができる。
別の態様では、本発明は、tRNA合成酵素の修正ドメインに結合する化合物を同定する方法であって、a)結合に適した条件下で、前記修正ドメインを被検化合物と接触させることと、b)前記修正ドメインへの前記被検化合物の結合を検出することとを含む方法を提供する。例示としての実施形態では、前記化合物の結合を検出することが、前記化合物に結合した少なくとも1種の検出可能な元素、アイソトープ又は化学標識を使用することを含む。例示としての実施形態では、元素、アイソトープ又は化学標識が、蛍光、発光、放射能又は吸光度の計測値によって検出される。例示としての実施形態では、前記被検化合物を前記修正ドメインと接触させることには、前記被検化合物及び前記修正ドメインを、AMP及び末端アデノシンを持つ分子から選択されるメンバと接触させることをさらに含む。例示としての実施形態では、前記tRNA合成酵素が、アラニルtRNA合成酵素と、イソロイシルtRNA合成酵素と、ロイシルtRNA合成酵素と、メチオニルtRNA合成酵素と、リジルtRNA合成酵素と、フェニルアラニルtRNA合成酵素と、プロリルtRNA合成酵素と、スレオニルtRNA合成酵素と、バリルtRNA合成酵素と、から選択されるメンバ由来である。例示としての実施形態では、tRNA合成酵素が、ロイシルtRNA合成酵素由来である。例示としての実施形態では、tRNA合成酵素が変異tRNA合成酵素由来であり、前記変異tRNA合成酵素が修正ドメインにアミノ酸変異を含む。例示としての別の実施形態では、tRNA合成酵素の前記修正ドメインが、本明細書に記載のアミノ酸配列を含む。
別の態様では、本発明は、tRNA合成酵素の修正ドメインに結合する化合物を同定する方法であって、前記アッセイが、a)前記化合物とtRNA合成酵素の前記修正ドメインとの結合に適した条件下で、tRNA合成酵素の前記修正ドメインと前記化合物とを接触させることと、b)前記化合物に接触しているtRNA合成酵素の前記修正ドメインの生物活性を前記化合物に接触していない場合と比較することと、c)前記化合物に接触しているときにtRNA合成酵素の前記修正ドメインの前記生物活性が低下する場合、tRNA合成酵素の前記修正ドメインに結合しているとして、前記化合物を同定することとを含む方法を提供する。例示としての実施形態では、生物活性が非同種アミノ酸の加水分解である。例示としての別の実施形態では、非同種アミノ酸の前記加水分解が、1つ以上の標識を用いて検出される。例示としての別の実施形態では、標識は、放射性標識、蛍光マーカー、抗体又はこれらの組み合わせを含む。例示としての別の実施形態では、前記標識は、分光法を用いて検出できる。例示としての別の実施形態では、tRNA合成酵素の修正ドメインは、アラニルtRNA合成酵素と、イソロイシルtRNA合成酵素と、ロイシルtRNA合成酵素と、メチオニルtRNA合成酵素と、リジルtRNA合成酵素と、フェニルアラニルtRNA合成酵素と、プロリルtRNA合成酵素と、スレオニルtRNA合成酵素と、バリルtRNA合成酵素と、から選択されるメンバ由来である。例示としての別の実施形態では、tRNA合成酵素の前記修正ドメインがロイシルtRNA合成酵素由来である。
別の態様では、本発明は、非同種アミノ酸を有するtRNA分子を生成する方法であって、a)変化したアミノ酸修正ドメインを有する変異tRNA合成酵素を作製又は単離することと、b)前記変異tRNA合成酵素及び非同種アミノ酸にtRNA分子を接触させることとを含む方法を提供する。例示としての別の実施形態では、変異tRNA合成酵素が、修正ドメインに1つ以上のアミノ酸変異を含有する。別の例示としての実施態様では、変異tRNA合成酵素は、修正ドメイン中に1つ又は複数のアミノ酸変異を含む。別の例示としての実施態様では、変異tRNA合成酵素は本発明の化合物と結合することができない。別の例示としての実施態様では、変異tRNA合成酵素は、本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と結合することができない。別の例示としての実施態様では、変異tRNA合成酵素は、本明細書に記載される式による化合物又はその薬学的に許容される塩と結合するすることができない。別の例示としての実施態様では、本発明の化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。例示としての実施態様では、本化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。別の例示としての実施態様では、RはHである。
別の態様では、本発明は、非同種アミノ酸に結合した1つ以上のtRNA分子を含む組成物であって、前記tRNA分子が、微生物又は微生物由来の細胞株から単離された1つ以上の変異tRNA合成酵素を用いて合成される組成物を提供する。例示としての実施形態では、前記微生物が細菌である。例示としての実施形態では、前記変異tRNA合成酵素が、その修正ドメインにアミノ酸変異を含有する。例示としての実施態様では、上記変異tRNA合成酵素は、その修正ドメインにアミノ酸変異を含む。
V.アッセイで用いるアミノ酸及びヌクレオチド配列
tRNA合成酵素−本発明の化合物−AMP複合体と相互作用するtRNA配列
トランスファーRNA(tRNA)は、リボソーム上でmRNAをタンパク質に翻訳する。各トランスファーRNAは、mRNAとハイブリダイズするアンチコドン領域と、伸長中のペプチドに結合できるアミノ酸を含有する。tRNAの構造遺伝子は約72から90ヌクレオチド長であり、クローバー葉構造に折り畳むことができる(Sharp S. J., Schaack J., Coolen L., Burke D. J. and Soll D., "Structure and transcription of eukaryotic tRNA genes", Crit. Rev. Biochem, 19:107 144 (1985); Geiduschek E. O., and Tocchini-Valentini, "Transcription by RNA polymerase III", Annu. Rev. Biochem. 57:873 914 (1988))。
一実施態様では、本明細書に記載の化合物は、AMP及びtRNA合成酵素に接触し、tRNA合成酵素は今度はtRNA分子と接触する。別の実施態様では、本明細書に記載の化合物は、RNA分子由来のAMP及びtRNA合成酵素と接触する。tRNA分子のヌクレオチド配列は、関与するtRNA合成酵素の特徴によって決定することができる。例えば、ロイシルtRNA合成酵素では、同種tRNA分子結合は、tRNA−ロイシン(配列番号1)であるが、イソロイシン(配列番号2)などの非同種tRNAは、ある種の条件下で結合し得る。別の実施態様では、tRNA分子は、ロイシルt−RNAである。別の実施態様では、tRNA分子は、本明細書に記載される配列番号によって表される。別の実施態様では、tRNA分子は、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23及び配列番号24によって表される。この実施態様及び他の実施態様では、用語「非同種」は、単語の単称及び複称形式のいずれも包含することを意味する。すなわち、「非同種アミノ酸」は、1つ又は複数のアミノ酸を含む。以下の配列において、4U=sU;4−チオウリジン;Gm=メチルグアニン;Y=ピリミジン;ms2i6A=msA;2−メチルチオ−N−6−イソペンテニルアデノシン及びD=ジヒドロウリジンである。
配列番号1は、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のtRNA−Leu遺伝子のヌクレオチド配列に対応する:
gggagtttgg ccgagtggtt taaggcgtca gatttaggct ctgatatctt cggatgcaagggttcgaatc ccttagctct cacca
配列番号2は、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のtRNA−Ile遺伝子のヌクレオチド配列に対応する:
gaaactataa ttcaattggt tagaatagta ttttgataag gtacaaatat aggttcaatc cctgttagtt tcatcca
配列番号14は、大腸菌(E.coli)由来のtRNA−Leu遺伝子のヌクレオチド配列に対応する:
gcgaaggtggcggaattggtagacgcgctagcttcaggtgttagtgtccttacggacgtgggggttcaagtcccccccctcgcacca
配列番号15は、大腸菌(E.coli)由来のtRNA−Leu遺伝子のヌクレオチド配列に対応する:
gcgggagtggcgaaattggtagacgcaccagatttaggttctggcgccgcaaggtgtgcgagttcaagtctcgcctcccgcacca
配列番号16は、大腸菌(E.coli)由来のtRNA−Leu遺伝子のヌクレオチド配列に対応する:
gccgaagtggcgaaatcggtagacgcagttgattcaaaatcaaccgtagaaatacgtgccggttcgagtccggccttcggcacca
配列番号17は、大腸菌(E.coli)由来のtRNA−Leu遺伝子のヌクレオチド配列に対応する:
gccgaggtggtggaattggtagacacgctaccttgaggtggtagtgcccaatagggcttacgggttcaagtcccgtcctcggtacca
配列番号18は、大腸菌(E.coli)由来のtRNA−Leu遺伝子のヌクレオチド配列に対応する:
gcccggatggtggaatcggtagacacaagggatttaaaatccctcggcgttcgcgctgtgcgggttcaagtcccgctccgggtacca
配列番号19は、大腸菌(E.coli)由来のtRNA−Leu遺伝子のヌクレオチド配列に対応する:
GCCCGGAs4UGGUGGAADCGmGDAGACACAAGGGAYUunkAAAms2i6AAYCCCUCGGCGUUCGCGCUGUGCGGGTYCAAGUCCCGCUCCGGGUACCA
配列番号20は、大腸菌(E.coli)由来のtRNA−Leu遺伝子のヌクレオチド配列に対応する:
GCGAAGGUGGCGGAADDGmGDAGACGCGCUAGCUUCAGunkGYGYUAGUGUCCUUACGGACGUGGGGGTYCAAGUCCCCCCCCUCGCACCA
配列番号21は、大腸菌(E.coli)由来のtRNA−Leu遺伝のヌクレオチド配列に対応する:
GCCGAGGUGGUGGAADDGmGDAGACACGCUACCUUGAGunkGYGGUAGUGCCCAAUAGGGCUUACGGGTYCAAGUCCCGUCCUCGGUACCA
配列番号22は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来のtRNA−Leu遺伝子のヌクレオチド配列に対応する:
gcggacgtggtggaattggtagacacactggatttaggttccagcgccgcaaggcgtgagagttcgagtctctccgtccgcacca
配列番号23は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)由来のtRNA−Leu遺伝子のヌクレオチド配列に対応する:
gccggggtggcggaactggcagacgcacaggacttaaaatcctgcggtgagagatcaccgtaccggttcgattccggtcctcggcacca
配列番号24は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)由来のtRNA−Leu遺伝子のヌクレオチド配列に対応する:
gccggggtggcggaactggcagacgcacaggacttaaaatcctgcggtgagtgatcaccgtaccggttcgattccggtcctcggcacca
結合及び阻害アッセイに用いられるポリペプチド
いくつかの結合及び阻害アッセイでは、tRNA合成酵素分子の一部を使うほうがタンパク質自体の全体を用いるよりも有効である。このようなアッセイでは、tRNA合成酵素由来のポリペプチドを実験に使用する。
好ましい一実施形態では、tRNA合成酵素分子の修正ドメインに対応するポリペプチド断片をアッセイ及び結合実験で使用する。このような断片は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、及び配列番号7によって表される。例示としての実施態様では、断片は配列番号5、配列番号6及び配列番号7によって表される。
配列番号3:
TPQEYIGVKIEALEFADDAAKIIDSSSDLDKSKKFYFVAATLRPETMYGQTCCFVSPTIEYGIFDAGDSYFITTERAFKNMSYQKLTPKRGFYKPIVTVPGKAFIGTKIHAPQSVYPELRILPMETVIATKGTGVVTCVPSNSPDDYITTKDLLHKPEYYGIKPEWIDHEIVPIMHTEKYGDLTAKAIVEEKKIQSPKDKNLLAEAKKIAYKEDYYTGTMIYGPYKGEKVEQAKNKVKADMIAAGEAFVYNEPESQDP
配列番号4:
MTPQEYIGVKIEALEFADDAAKIIDSSSDLDKSKKFYFVAATLRPETMYGQTCCFVSPTIEYGIFDAGDSYFITTERAFKNMSYQKLTPKRGFYKPIVTVPGKAFIGTKIHAPQSVYPELRILPMETVIATKGTGVVTCVPSNSPDDYITTKDLLHKPEYYGIKPEWIDHEIVPIMHTEKYGDLTAKAIVEEKKIQSPKDKNLLAEAKKIAYKEDYYTGTMIYGPYKGEKVEQAKNKVKADMIAAGEAFVYNEPESQDPQDPNSSSVDKLAAALEHHHHH
配列番号5:
TCTPEYYRWEQKFFTELYKKGLVYKKTSAVNWCPNDQTVLANEQVIDGCCWRCDTKVERKEIPQWFIKITAYADELLNDLDKLDHWPDTVKTMQRNWIGRSEGVEITFNVNDYDNTLTVYTTRPDTFMGCTYLAVAAGHPLAQKAAENNPELAAFIDECRNTKVAEAEMATMEKKGVDTGFKAVHPLTGEEIPVWAANFVLMEYGTGAVMAVPGHDQRDYEFASKYGLNIKPVILAADGSEPDLSQQALTEKGVLFNSGEFNGLDHEAAFNAIADKLTAMGVGERKVNYRLRDWGVSRQRYWG
配列番号6:
TCKPDYYRWEQWLFTRLFEKGVIYRKNGTVNWDPADQTVLANEQVIDGRGWRSGALIEKREIPMYYFRITDYADELLESLDELPGWPEQVKTMQRNWIGKSRGMEVQFPYDQASIGHEGTLKVFTTRPDTLMGATYVAVAAEHPLATQAAQGNAALQAFIDECKSGSVAEADMATQEKKGMATSLFVEHPLTGEKLPVWVANYVLMHYGDGAVMAVPAHDERDFEFAHKYNLPVKAVVRTSAGDDVGSEWLAAYGEHGQLINSGEFDGLDFQGAFDAIEAALIRKDLGKSRTQFRLRDWGISRQRYWG
配列番号7:
TTDPEYYKWTQWIFIQLYNKGLAYVDEVAVNWCPALGTVLSNEEVIDGVSERGGHPVYRKPMKQWVLKITEYADQLLADLDDLDWPESLKDMQRNWIGRSEGAKVSFDVDNTEGKVEVFTTRPDTIYGASFLVLSPEHALVNSITTDEYKEKVKAYQTEASKKSDLERTDLAKDKSGVFTGAYAINPLSGEKVQIWIADYVLSTYGTGAIMAVPAHDDRDYEFAKKFDLLIIEVIEGGNVEEAAYTGEGKHINSGELDGLENEAAITKAIQLLEQKGAGEKKVYKLRDWLFSRQRYWG
配列番号8は、大腸菌(Escherichia coli)のleu−tRNA合成酵素修正ドメインのペプチド配列に対応する:
GRSEGVEITFNVNDYDNTLTVYTTRPDTFMGCTYLAVAAGHPLAQKAAENNPELAAFIDECRNTKVAEAEMATMEKKGVDTGFKAVHPLTGEEIPVWAANFVLMEYGTGAVMAVPGHDQRDYEFASKYGLNIKPVILAADGSEPDLSQQALTEKGVLFNSGEFNGLDHEAAFNAIADKLTAMGVGERKVNYR
配列番号9は、シュードモナス(Pseudomonas)のleu−tRNA合成酵素修正ドメインのペプチド配列に対応する:
GKSRGMEVQFPYDQASIGHEGTLKVFTTRPDTLMGATYVAVAAEHPLATQAAQGNAALQAFIDECKSGSVAEADMATQEKKGMATSLFVEHPLTGEKLPVWVANYVLMHYGDGAVMAVPAHDERDFEFAHKYNLPVKAVVRTSAGDDVGSEWLAAYGEHGQLINSGEFDGLDFQGAFDAIEAALIRKDLGKSRTQFR
配列番号10は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のleu−tRNA合成酵素修正ドメインのペプチド配列に対応する:
GRSEGAKVSFDVDNTEGKVEVFTTRPDTIYGASFLVLSPEHALVNSITTDEYKEKVKAYQTEASKKSDLERTDLAKDKSGVFTGAYAINPLSGEKVQIWIADYVLSTYGTGAIMAVPAHDDRDYEFAKKFDLLIIEVIEGGNVEEAAYTGEGKHINSGELDGLENEAAITKAIQLLEQKGAGEKKVYK
好ましい一実施態様では、tRNA合成酵素分子に対応するポリペプチドは、アッセイ及び結合実験で用いる。このようなポリペプチドは、配列番号11、配列番号12、及び配列番号13によって表される.
配列番号11は、大腸菌(Escherichia coli)のleu−tRNA合成酵素のペプチド配列に対応する:
MQEQYRPEEIESKVQLHWDEKRTFEVTEDESKEKYYCLSMLPYPSGRLHMGHVRNYTIGDVIARYQRMLGKNVLQPIGWDAFGLPAEGAAVKNNTAPAPWTYDNIAYMKNQLKMLGFGYDWSRELATCTPEYYRWEQKFFTELYKKGLVYKKTSAVNWCPNDQTVLANEQVIDGCCWRCDTKVERKEIPQWFIKITAYADELLNDLDKLDHWPDTVKTMQRNWIGRSEGVEITFNVNDYDNTLTVYTTRPDTFMGCTYLAVAAGHPLAQKAAENNPELAAFIDECRNTKVAEAEMATMEKKGVDTGFKAVHPLTGEEIPVWAANFVLMEYGTGAVMAVPGHDQRDYEFASKYGLNIKPVILAADGSEPDLSQQALTEKGVLFNSGEFNGLDHEAAFNAIADKLTAMGVGERKVNYRLRDWGVSRQRYWGAPIPMVTLEDGTVMPTPDDQLPVILPEDVVMDGITSPIKADPEWAKTTVNGMPALRETDTFDTFMESSWYYARYTCPQYKEGMLDSEAANYWLPVDIYIGGIEHAIMHLLYFRFFHKLMRDAGMVNSDEPAKQLLCQGMVLADAFYYVGENGERNWVSPVDAIVERDEKGRIVKAKDAAGHELVYTGMSKMSKSKNNGIDPQVMVERYGADTVRLFMMFASPADMTLEWQESGVEGANRFLKRVWKLVYEHTAKGDVAALNVDALTENQKALRRDVHKTIAKVTDDIGRRQTFNTAIAAIMELMNKLAKAPTDGEQDRALMQEALLAVVRMLNPFTPHICFTLWQELKGEGDIDNAPWPVADEKAMVEDSTLVVVQVNGKVRAKITVPVDATEEQVRERAGQEHLVAKYLDGVTVRKVIYVPGKLLNLVVG
配列番号12は、シュードモナス(Pseudomonas)のleu−tRNA合成酵素のペプチド配列に対応する:
MHEQYTPRDVEAAAQNAWDEQQSFAVTEQPGKETYYCLSMFPYPSGKLHMGHVRNYTIGDVIARYQRMLGKNVLQPMGWDAFGMPAENAAMKNNVAPAKWTYENIDYMKTQLKSLGLAIDWSREVTTCKPDYYRWEQWLFTRLFEKGVIYRKNGTVNWDPADQTVLANEQVIDGRGWRSGALIEKREIPMYYFRITDYADELLESLDELPGWPEQVKTMQRNWIGKSRGMEVQFPYDQASIGHEGTLKVFTTRPDTLMGATYVAVAAEHPLATQAAQGNAALQAFIDECKSGSVAEADMATQEKKGMATSLFVEHPLTGEKLPVWVANYVLMHYGDGAVMAVPAHDERDFEFAHKYNLPVKAVVRTSAGDDVGSEWLAAYGEHGQLINSGEFDGLDFQGAFDAIEAALIRKDLGKSRTQFRLRDWGISRQRYWGCPIPIIHCPSCGDVPVPEDQLPVTLPENVVPDGAGSPLARMPEFYECTCPKCGTAAKRETDTMDTFVESSWYFARYASPNYDKGLVDPKAANHWLPVDQYIGGIEHAILHLLYARFFHKLMRDEGLVTSNEPFKNLLTQGMVVAETYYRVASNGGKDWFNPADVEIERDAKAKIIGARLKTDGLPVEIGGTEKMSKSKNNGVDPQSMIEQYGADTCRLFMMFASPPDMSLEWSDSGVEGASRFLRRVWRLAQAHVAQGLPGQLDIAALSDEQKVIRRAIHAAIKQASTDVGQFHKFNTAIAQVMTVMNVLEKAPQVTAQDRALLQEGLEAVTLLLAPITPHISHELWKQLGHEQAVIDATWPSVDESALVQDTVTLVVQVNGKLRGQVEMPAAASREEIEAAARNNENVLRFTDGLTIRKVIVVPGKLVNIVAN
配列番号13は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のleu−tRNA合成酵素のペプチド配列に対応する:
MNYNHNQIEKKWQDYWDENKTFKTNDNLGQKKFYALDMFPYPSGAGLHVGHPEGYTATDIISRYKRMQGYNVLHPMGWDAFGLPAEQYALDTGNDPREFTKKNIQTFKRQIKELGFSYDWDREVNTTDPEYYKWTQWIFIQLYNKGLAYVDEVAVNWCPALGTVLSNEEVIDGVSERGGHPVYRKPMKQWVLKITEYADQLLADLDDLDWPESLKDMQRNWIGRSEGAKVSFDVDNTEGKVEVFTTRPDTIYGASFLVLSPEHALVNSITTDEYKEKVKAYQTEASKKSDLERTDLAKDKSGVFTGAYAINPLSGEKVQIWIADYVLSTYGTGAIMAVPAHDDRDYEFAKKFDLLIIEVIEGGNVEEAAYTGEGKHINSGELDGLENEAAITKAIQLLEQKGAGEKKVNYKLRDWLFSRQRYWGEPIPVIHWEDGTMTTVPEEELPLLLPETDEIKPSGTGESPLANIDSFVNVVDEKTGMKGRRETNTMPQWAGSCWYYLRYIDPKNENMLADPEKLKHWLPVDLYIGGVEHAVLHLLYARFWHKVLYDLGIVPTKEPFQKLFNQGMILGEGNEKMSKSKGNVINPDDIVQSHGADTLRLYEMFMGPLDAAIAWSEKGLDGSRRFLDRVWRLIVNEDGTLSSKIVTTNNKSLDKVYNQTVKKVTDDFETLGFNTAISQLMVFINECYKVDEVYKPYIEGFVKMLAPIAPHIGEELWSKLGHEESITYQPWPTYDEALLVDDEVEIVVQVNGKLRAKIKIAKDTSKEEMQEIALSNDNVKASIEGKDIMKVIAVPQKLVNIVAK。
VI. 酵素を阻害するための方法
本発明の化合物を利用して、酵素を阻害することができる。例示としての実施形態では、本発明の化合物は、細菌などの微生物のロイシルtRNA合成酵素などのtRNA合成酵素の修正ドメインを阻害する機能を呈するため、微生物tRNA合成酵素の修正ドメイン阻害剤として使用できる可能性を示している。
本発明の別の態様によれば、tRNA合成酵素がその基質と相互作用してアミノアシルアデニレート中間体を形成し、好ましくは、装填された(charged)tRNAを形成する条件下で修正ドメインを阻害する本発明の化合物とtRNA合成酵素とを接触させることを含む、tRNA合成酵素の修正ドメインに結合及び/又はこれを阻害するための方法が得られる。このような条件は当業者間で周知である。例示としての実施形態では、化合物が本明細書に記載されるか、あるいはその塩、水和物若しくは溶媒和物又はそれらの組み合わせである。例示としての実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物又はその塩、水和物若しくは溶媒和物を提供するものである。例示としての実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物又はその塩を提供するものである。例示としての実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物又はその塩を提供するものである。tRNA合成酵素は、検出可能な量のtRNA合成酵素阻害が得られるだけの十分な量の本発明の化合物と接触される。この方法は、生物体内に含まれるtRNA合成酵素又は生物体の外にあるtRNA合成酵素で実施できる。例示としての実施形態では、この方法を、動物の体内又は表面にいる微生物又は微生物細胞内に含まれるtRNA合成酵素で実施する。例示としての実施形態では、動物がヒトである。この方法によって、修正ドメインが阻害されたtRNA合成酵素によって産生される装填tRNAの量が減少する。例示としての実施形態では、阻害が微生物細胞などの細胞で起こる。別の例示としての実施形態では、微生物細胞が、細菌、真菌、酵母又は寄生生物である。別の例示としての実施形態では、tRNA合成酵素が、ミトコンドリアtRNA合成酵素又は細胞質tRNA合成酵素である。別の例示としての実施形態では、tRNA合成酵素が、アラニルtRNA合成酵素、イソロイシルtRNA合成酵素、ロイシルtRNA合成酵素、メチオニルtRNA合成酵素、リジルtRNA合成酵素、フェニルアラニルtRNA合成酵素、プロリルtRNA合成酵素、スレオニルtRNA合成酵素、バリルtRNA合成酵素から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、tRNA合成酵素がロイシルtRNA合成酵素である。
例示としての実施形態では、本発明は、tRNA分子から装填tRNA分子への変換を阻害する方法を提供するものである。この方法では、前記tRNA合成酵素の修正ドメインの活性を阻害するのに有効な本発明の化合物とtRNA合成酵素とを、前記活性を阻害するのに十分な条件下で、接触させることで、前記変換を阻害する。例示としての実施形態では、本発明の化合物が、本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩である。例示としての実施形態では、阻害が細胞内で起こり、細胞が微生物細胞である。別の例示としての実施形態では、微生物細胞が、細菌、真菌、酵母、寄生生物から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、tRNA合成酵素が、ミトコンドリアtRNA合成酵素及び細胞質tRNA合成酵素から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、tRNA合成酵素が、アラニルtRNA合成酵素、イソロイシルtRNA合成酵素、ロイシルtRNA合成酵素、メチオニルtRNA合成酵素、リジルtRNA合成酵素、フェニルアラニルtRNA合成酵素、プロリルtRNA合成酵素、スレオニルtRNA合成酵素、バリルtRNA合成酵素から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、tRNA合成酵素がロイシルtRNA合成酵素である。別の例示としての実施形態では、前記tRNA合成酵素の合成ドメインに対する化合物のKD,合成が100μMを超える。
特定の実施形態では、本発明の化合物の作用機序は、少なくとも合成酵素の修正ドメインに結合及び/又はこれを阻害することによって、tRNA分子から装填tRNA分子への変換を阻害することにある。この方法に用いられる化合物は、合成ドメイン(合成ドメインの活性部位など)も阻害するか、そうでなければこれと相互作用し得る。現時点で好ましい実施形態では、合成ドメインの存在下にて修正ドメインを選択的に阻害する。好ましい実施形態では、合成ドメインは本質的に阻害されないのに対し、修正ドメインは、tRNA合成酵素の活性の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、一層好ましくは少なくとも70%、なお一層好ましくは少なくとも80%、さらになお一層好ましくは少なくとも90%阻害される。別の好ましい実施形態では、合成ドメインが、最大で50%、好ましくは最大で30%、好ましくは最大で20%、10%、好ましくは最大で8%、一層好ましくは最大で5%、なお一層好ましくは最大で3%、さらになお一層好ましくは最大で1%阻害される。修正ドメインを阻害することで、適切に装填されたtRNAの量が減少し、これにより細胞の増殖と分裂が減速あるいは停止される。
別の例示としての実施形態では、前記修正ドメインを阻害する前記化合物の最小濃度と前記tRNA合成酵素の前記合成ドメインを阻害する前記化合物の最小濃度との比(KD,修正/D,合成で表される)が1未満である。別の例示としての実施形態では、化合物のKD,修正/D,合成が、0.5未満、0.1未満、0.05未満から選択されるメンバーである。
VII. 微生物の増殖を阻害又は微生物を殺滅させる方法
本発明の化合物は、細菌などの微生物に対する効力を示すため、微生物を殺滅させる及び/又はその増殖を阻害する可能性を示している。
さらに別の態様では、本発明は、微生物を殺滅させる及び/又はその増殖を阻害する方法であって、前記微生物を有効量の本発明の化合物と接触させることで、微生物を殺滅させる及び/又はその増殖を阻害することを含む前記方法を提供するものである。例示としての実施形態では、微生物が、細菌、真菌、ウイルス、酵母又は寄生生物から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、化合物が、本明細書に記載されるか、あるいはその塩、プロドラッグ、水和物若しくは溶媒和物又はそれらの組み合わせである。例示としての実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物又はその塩、水和物若しくは溶媒和物を提供するものである。例示としての実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物又はそのプロドラッグを提供するものである。例示としての実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物又はその塩を提供するものである。別の例示としての実施形態では、本発明の化合物が、本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩である。別の例示としての実施形態では、化合物が本明細書に列挙した式によって記載されるか、あるいはその薬学的に許容される塩である。例示としての実施形態では、化合物が、本明細書に記載の医薬製剤の一部である。別の例示としての実施形態では、接触が、生物体に化合物が進入できる条件下でなされる。例示としての実施形態では、化合物が、合成酵素の修正ドメインによってtRNA合成酵素を阻害する。このような条件は当業者間で周知であり、本明細書に記載の実施例にその特定の条件を記載してある。この方法は、微生物細胞を治療有効量の修正ドメイン阻害剤と接触させてtRNA合成酵素をin vivo又はin vitroで阻害するものである。別の例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、RがHである。
別の態様では、微生物が動物の体内又は表面にいる。例示としての実施形態では、動物が、ヒト、ウシ、シカ、トナカイ、ヤギ、ミツバチ、ブタ、ヒツジ、ウマ、雌ウシ、雄ウシ、イヌ、モルモット、アレチネズミ、ウサギ、ネコ、ラクダ、ヤク、ゾウ、ダチョウ、カワウソ、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、ホロホロチョウ、ハト、ハクチョウ、シチメンチョウから選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、動物がヒトである。
例示としての実施形態では、本発明の化合物を経口投与することで微生物を殺滅させる又はその増殖を阻害する。例示としての実施形態では、本発明の化合物を静脈内投与して微生物を殺滅させる又はその増殖を阻害する。
例示としての実施形態では、微生物が細菌である。例示としての実施形態では、細菌がグラム陽性菌である。別の例示としての実施形態では、グラム陽性菌が、スタフィロコッカス(Staphylococcus)種、ストレプトコッカス(Streptococcus)種、バシラス(Bacillus)種、マイコバクテリウム(Mycobacterium)種、コリネバクテリウム(Corynebacterium)種(プロピオン酸菌(Propionibacterium)種)、クロストリジウム(Clostridium)種、アクチノマイセス(Actinomyces)種、エンテロコッカス(Enterococcus)種及びストレプトマイセス(Streptomyces)種から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、グラム陽性菌が、アクネ菌(Propionibacterium acnes);黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus);表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、腐性ブドウ球菌(Staphylococcus saprophyticus);スタフィロコッカス・ヘモリチカス(Staphylococcus haemolyticus);化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes);ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae);肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae);大便連鎖球菌(Enterococcus faecalis);フェシウム菌(Enterococcus faecium);炭疽菌(Bacillus anthracis);マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレ(Mycobacterium avium-intracellulare);結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii);ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheria);ウェルシュ菌(Clostridium perfringens);ボツリヌス菌(Clostridium botulinum);破傷風菌(Clostridium tetani);クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、グラム陽性細菌は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、大便連鎖球菌(Enterococcus faecalis)、フェシウム菌(Enterococcus faecium)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)及びプロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、細菌がグラム陰性菌である。別の例示としての実施形態では、グラム陰性菌が、アシネトバクター(Acinetobacter)種、ナイセリア(Neisseria)種、シュードモナス(Pseudomonas)種、ブルセラ(Brucella)種、アグロバクテリウム(Agrobacterium)種、ボルデテラ(Bordetella)種、エシェリキア(Escherichia)種、シゲラ(Shigella)種、エルシニア(Yersinia)種、サルモネラ(Salmonella)種、クレブシエラ(Klebsiella)種、エンテロバクター(Enterobacter)種、ヘモフィルス(Haemophilus)種、パスツレラ(Pasteurella)種、ストレプトバチルス(Streptobacillus)種、スピロヘータ(Spirochaeta)種、カンピロバクター(Campylobacter)種、ビブリオ(Vibrio)種、ヘリコバクター(Helicobacter)種、バクテロイデス(Bacteroides)種、シトロバクター(Citrobacter)種、プロテウス(Proteus)種、プロビデンシア(Providencia)種、セラチア(Serratia)種、ステノトロホモナス(Stenotrophomonas)種、バークホルデリア(Burkholderia)種から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、グラム陰性菌が、アシネトバクター(Acinetobacter)種、シュードモナス(Pseudomonas)種、エシェリキア(Escherichia)種、クレブシエラ(Klebsiella)種、エンテロバクター(Enterobacter)種、バクテロイデス(Bacteroides)種、シトロバクター(Citrobacter)種、プロテウス(Proteus)種、プロビデンシア(Providencia)種、セラチア(Serratia)種、ステノトロホモナス(Stenotrophomonas)種、バークホルデリア(Burkholderia)種から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、グラム陰性菌が、淋菌(Neisseria gonorrhoeae);髄膜炎菌(Neisseria meningitidis);緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa);在郷軍人病菌(Legionella pneumophila);大腸菌(Escherichia coli);ペスト菌(Yersinia pestis);インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae);ピロリ菌(Helicobacter pylori);カンピロバクター・フィタス(Campylobacter fetus);ジェジュニ菌(Campylobacter jejuni);コレラ菌(Vibrio cholerae);腸炎ビブリオ菌(Vibrio parahaemolyticus);梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum);アクチノマイセス・イスラエリイ(Actinomyces israelii);発疹チフスリケッチア(Rickettsia prowazekii);リケッチア・リケッチイ(Rickettsia rickettsii);トラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis);オウム病クラミジア(Chlamydia psittaci);ウシ流産菌(Brucella abortus);アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens);野兎病菌(Francisella tularensis)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、シトロバクター・フロインデイ(Citrobacter freundii)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロビデンシア・スチュアルティイ(Providencia stuartii)、霊菌(Serratia marcescens)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、セパシア菌(Burkholderia cepacia)から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、グラム陰性菌は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa);大腸菌(Escherichia coli);インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、シトロバクター・フロインデイ(Citrobacter freundii)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロビデンシア・スチュアルティイ(Providencia stuartii)、霊菌(Serratia marcescens)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、セパシア菌(Burkholderia cepacia)から選択されるメンバーである。
別の例示としての実施形態では、細菌がシュードモナス(Pseudomonas)種である。別の例示としての実施形態では、細菌が、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)である。別の例示としての実施形態では、細菌が、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa);アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、セパシア菌(Burkholderia cepacia)から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、細菌が、アシネトバクター(Acinetobacter)種である。別の例示としての実施形態では、細菌がアシネトバクター・アニトラタス(Acinetobacter anitratus)である。別の例示としての実施形態では、細菌が、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、エンテロバクター・サカザキ(Enterobacter sakazakii)、大腸菌(E. coli)、肺炎桿菌(K. pneumoniae)、プロテウス・ミラビリス(P. mirabilis)、霊菌(Serratia marcescens)、シトロバクター・フロインデイ(Citrobacter freundii)、プロビデンシア属(Providencia spp)から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、細菌が、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、エンテロバクター・サカザキ(Enterobacter sakazakii)、大腸菌(E. coli)、肺炎桿菌(K. pneumoniae)、プロテウス・ミラビリス(P. mirabilis)、霊菌(Serratia marcescens)、シトロバクター・フロインデイ(Citrobacter freundii)、プロビデンシア属(Providencia spp.)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、肺炎球菌(S. pneumonia)、化膿性連鎖球菌(S. pyogenes)、大便連鎖球菌(E. faecalis)、フェシウム菌(E. faecium)から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、細菌が、緑色連鎖球菌群(Viridans group Strep.)から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、細菌が、ストレプトコッカス・ミティス(Strep. mitis)、ストレプトコッカス・ミュータンス(Strep. mutans)、ストレプトコッカス・オラリス(Strep. oralis)、ストレプトコッカス・サンギス(Strep. sanguis)、ストレプトコッカス・ソブリナス(Strep. sobrinus)、ストレプトコッカス・ミレリ(Strep. milleri)から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、細菌が、肺炎球菌(S. pneumoniae)、インフルエンザ菌(H. influenzae)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、カタル球菌(M. catarrhalis)、肺炎マイコプラズマ(M. pneumoniae)、レジオネラ肺炎(L. pneumoniae)、肺炎クラミジア(C. pneumoniae)から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、細菌が黄色ブドウ球菌(S. aureus)である。別の例示としての実施形態では、細菌が嫌気性菌である。別の例示としての実施形態では、細菌がアルカリゲネス(Alcaligenes)種である。別の例示としての実施形態では、細菌がセパシア菌(B. cepacia)である。別の例示としての実施形態では、細菌がエンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、大腸菌(Escherichia coli);肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロビデンシア・スチュアルティイ(Providencia stuartii)、霊菌(Serratia marcescens)、シトロバクター・フロインデイ(Citrobacter freundii)から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、細菌がメチシリン耐性である。別の例示としての実施形態では、細菌がメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(staphylococcus aureus)である。別の例示としての実施形態では、細菌が、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae);インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae);黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus);マイコバクテリウム・カタラーリス(Mycobacterium catarrhalis);マイコバクテリウム・ニューモニエ(Mycobacterium pneumoniae);在郷軍人病菌(Legionella pneumophila)、肺炎クラミジア(Chlamydia pneumoniae)から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、細菌は、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、大腸菌(Escherichia coli);肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、霊菌(Serratia marcescens)、シトロバクター・フロインデイ(Citrobacter freundii)、プロビデンシア・スチュアルティイ(Providencia stuartii)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa);アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、セパシア菌(Burkholderia cepacia)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus);肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae);化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes);大便連鎖球菌(Enterococcus faecalis);フェシウム菌(Enterococcus faecium)から選択されるメンバーである。
例示としての実施形態では、微生物が、マイコバクテリア(Mycobacterium)種をはじめとする抗酸菌;バチルス(Bacillus)種、コリネバクテリウム(Corynebacterium)種(プロピオニバクテリウムとも呼ばれる)、クロストリジウム(Clostridium)種をはじめとする桿菌;アクチノミセス(Actinomyces)種及びストレプトマイセス(Streptomyces)種をはじめとする糸状性細菌;シュードモナス(Pseudomonas)種、ブルセラ(Brucella)種、アグロバクテリウム(Agrobacterium)種、ボルデテラ(Bordetella)種、エシェリキア(Escherichia)種、シゲラ(Shigella)種、エルシニア(Yersinia)種、サルモネラ(Salmonella)種、クレブシエラ(Klebsiella)種、エンテロバクター(Enterobacter)種、ヘモフィルス(Haemophilus)種、パスツレラ(Pasteurella)種、ストレプトバチルス(Streptobacillus)種などの桿菌;スピロヘータ(Spirochaeta)種、カンピロバクター(Campylobacter)種、ビブリオ(Vibrio)種;リケッチア(Rickettsiae)種及びクラミジア(Chlamydia)種などの細胞内細菌から選択されるメンバーである細菌である。例示としての実施形態では、微生物が本明細書に添付の図面に記載されている。
例示としての実施形態では、微生物が、真菌及び酵母から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、真菌又は酵母が、カンジダ(Candida)種、トリコフィトン(Trichophyton)種、ミクロスポルム(Microsporum)種、アスペルギルス(Aspergillus)種、クリプトコッカス(Cryptococcus)種、ブラストミセス(Blastomyces)種、コクシジオイデス(Coccidioides)種、ヒストプラズマ(Histoplasma)種、パラコクシジオイデス(Paracoccidioides)種、藻菌類(Phycomycetes)種、マラセチア(Malassezia)種、フザリウム(Fusarium)種、エピデルモフィトン(Epidermophyton)種、スキタリジウム(Scytalidium)種、スコプラリオプシス(Scopulariopsis)種、アルテルナリア(Alternaria)種、ペニシリウム(Penicillium)種、フィアロフォラ(Phialophora)種、リゾプス(Rhizopus)種、スケドスポリウム(Scedosporium)種、接合菌(Zygomycetes)綱から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、真菌又は酵母が、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)(A. fumigatus)、ブラストミセス・デルマチチジス(Blastomyces dermatitidis)、カンジダ・アルビカンス(Candida Albicans)(C. albicans、フルコナゾール感受性株とフルコナゾール耐性株の両方)、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)(C. glabrata)、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)(C. krusei)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)(C. neoformans)、カンジダ・パラプローシス(Candida parapsilosis)(C. parapsilosis)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)(C. tropicalis)、コクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)、エピデルモフィトン・フロッコーサム(Epidermophyton floccosum)(E. floccosum)、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)(F. solani)、ヒストプラズマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、マラセチア・フルフル(Malassezia furfur)(M. furfur)、マラセチア・パチデルマティス(Malassezia pachydermatis)(M. pachydermatis)、マラセチア・シンポジアリス(Malassezia sympodialis)(M. sympodialis)、ミクロスポルム・オーズアニー(Microsporum audouinii)(M. audouinii)、ミクロスポルム・カニス(Microsporum canis)(M. canis)、ミクロスポルム・ギプセウム(Microsporum gypseum)(M. gypseum)、南アメリカ分芽菌(Paracoccidioides brasiliensis)及び藻菌類(Phycomycetes)spp)、トリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)(T. mentagrophytes)、トリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)(T. rubrum)、トリコフィトン・トンズランス(Trichophyton tonsurans)(T. tonsurans)から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、真菌又は酵母が、トリコフィトン・コンセントリクム(Trichophyton concentricum)、紫色白癬菌(T. violaceum)、シェンライン白癬菌(T. schoenleinii)、トリコフィトン・ベルコースム(T. verrucosum)、トリコフィトンスーダネンセ(T. soudanense)、ミクロスポルム・ジプセウム(Microsporum gypseum)、ミクロスポルム・エクイヌム(M. equinum)、カンジダ・ギリエルモンディ(Candida guilliermondii)、マラセチア・グロボーサ(Malassezia globosa)、マラセチア・オブツセ(M. obtuse)、マラセチア・レストリクタ(M. restricta)、マラセチア・スルーフィアエ(M. slooffiae)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、真菌又は酵母が、皮膚糸状菌、白癬菌(Trichophyton)、小胞子菌(Microsporum)、表皮菌(Epidermophyton)、酵母様真菌から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、真菌又は酵母がカンジダ・アルビカンス(Candida Albicans)である。
例示としての実施形態では、微生物がウイルスである。例示としての実施形態では、ウイルスが、A型肝炎、B型肝炎、ヒトライノウイルス、黄熱病ウイルス、ヒト呼吸器コロナウイルス、重症急性呼吸器症候群(SARS)、呼吸器合胞体ウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス1型〜4型、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)、ヒト免疫不全ウイルス2型(HIV−2)、単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタイン・バー(EBV)、ポリオウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、風疹ウイルス、神経皮膚炎ウイルス、痘瘡ウイルス、パポウイルス、狂犬病ウイルス、デングウイルス、ウエストナイルウイルス、SARSウイルスから選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、ウイルスが、ピコルナウイルス科(picornaviridae)、フラビウイルス科(flaviviridae)、コロナウイルス科(coronaviridae)、パラミクソウイルス科(paramyxoviridae)、オルトミクソウイルス科(orthomyxoviridae)、レトロウイルス科(retroviridae)、ヘルペスウイルス科(herpesviridae)、ヘパドナウイルス科(hepadnaviridae)から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、ウイルスが、以下の表に含まれるウイルスから選択されるメンバーである。
Figure 2010530881
別の例示としての実施形態では、微生物が寄生生物である。例示としての実施形態では、寄生生物が、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、三日熱マラリア原虫(P. vivax)、卵形マラリア原虫(P. ovale)、四日熱マラリア原虫(P. malariae)、ネズミマラリア原虫(P. berghei)、ドノバンリーシュマニア(Leishmania donovani)、幼児リーシュマニア(L. infantum)、シャーガスリーシュマニア(L. chagasi)、メキシコリーシュマニア(L. mexicana)、アマゾンリーシュマニア(L. amazonensis)、ベネズエラリーシュマニア(L. venezuelensis)、熱帯リーシュマニア(L. tropica)、大形リーシュマニア(L. major)、小形リーシュマニア(L. minor)、エチオピアリーシュマニア(L. aethiopica)、ブラジルリーシュマニア(L. Vianna braziliensis)、ガイアナリーシュマニア(L.(V.) guyanensis)、パナマリーシュマニア(L.(V.) panamensis)、ペルーリーシュマニア(L.(V.) peruviana)、ローデシアトリパノソーマ(Trypanosoma brucei rhodesiense)、ガンビアトリパノソーマ(T. brucei gambiense)、クルーズトリパノソーマ(T. cruzi)、腸鞭毛虫(Giardia intestinalis)、ランブル鞭毛虫(G. lamblia)、トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、腟トリコモナス(Trichomonas vaginalis)、ニューモシスチス・カリニ(Pneumocystis carinii)、クリプトスポリジウム・パルバム(Cryptosporidium parvum)から選択されるメンバーである。
VIII. 疾患の治療及び/又は予防方法
本発明の化合物は、細菌などの微生物に効力を発揮するため、本明細書に記載の動物で治療効果を達成できる可能性を示している。
別の態様では、本発明は、疾患の治療方法及び/又は予防方法を提供するものである。この方法は、疾患を治療及び/又は予防するのに十分な治療有効量の本発明の化合物を動物に投与することを含む。例示としての実施形態では、本発明の化合物を、人間又は動物の医療、特に細菌関連疾患の治療又は予防に用いることができる。例示としての実施形態では、この化合物は本明細書に記載されるか、その塩、プロドラッグ、水和物若しくは溶媒和物又はそれらの組み合わせである。例示としての実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物又はそのプロドラッグを提供するものである。例示としての実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物又はその塩、水和物若しくは溶媒和物を提供するものである。例示としての実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物又はその塩を提供するものである。別の例示としての実施形態では、本発明の化合物は、本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩である。例示としての実施形態では、化合物が、本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩である。例示としての実施形態では、化合物が本明細書に記載の式で表されるものであるか、その薬学的に許容される塩である。例示としての実施形態では、化合物が本明細書に記載の医薬製剤の一部である。別の例示としての実施形態では、動物が、ヒト、ウシ、シカ、トナカイ、ヤギ、ミツバチ、ブタ、ヒツジ、ウマ、雌ウシ、雄ウシ、イヌ、モルモット、アレチネズミ、ウサギ、ネコ、ラクダ、ヤク、ゾウ、ダチョウ、カワウソ、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、ホロホロチョウ、ハト、ハクチョウ、シチメンチョウから選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、動物がヒトである。別の例示としての実施形態では、動物が、ヒト、ウシ、ヤギ、ブタ、ヒツジ、ウマ、雌ウシ、雄ウシ、イヌ、モルモット、アレチネズミ、ウサギ、ネコ、ニワトリ、シチメンチョウから選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、疾患が、全身疾患、皮膚疾患ならびに、爪、爪周囲又は爪下の疾患から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、疾患が全身患である。別の例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、RがHである。
別の例示としての実施形態では、機能障害又は症状の治療が、アミノアシルtRNA合成酵素の修正ドメインを阻害することで発生する。例示としての実施形態では、本発明の化合物を経口投与して疾患を治療する。例示としての実施形態では、本発明の化合物を静脈内投与して疾患を治療する。
VIII.a) 全身疾患の治療方法
別の態様では、本発明は、全身疾患の治療方法を提供するものである。この方法は、動物に本発明の化合物を接触させるものである。
例示としての実施形態では、疾患が、カンジダ症、アスペルギルス症、コクシジオイデス症、クリプトコッカス症、ヒストプラズマ症、ブラストミセス症、パラコクシジオイデス症、接合真菌症、フェオフィホ真菌症、リノスポリジウム症から選択されるメンバーである。
例示としての実施形態では、疾患が本明細書に記載の微生物による感染と関連している。例示としての実施形態では、疾患が本明細書に記載の細菌による感染と関連している。
別の例示としての実施形態では、疾患がグラム陽性菌による感染と関連している。例示としての実施形態では、疾患がスタフィロコッカス(Staphylococcus)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、肺炎、胃腸炎、毒素ショック症候群、CAP、髄膜炎、化膿性関節炎、尿路感染症、菌血症、心内膜炎、骨髄炎、皮膚及び皮膚構造感染から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、疾患がストレプトコッカス(Streptococcus)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、連鎖球菌性咽頭炎、皮膚感染、壊死性筋膜炎、毒素ショック症候群、肺炎、中耳炎、副鼻腔炎から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、疾患がアクチノミセス(Actinomyces)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が放線菌症である。例示としての実施形態では、疾患がノルカルジア(Norcardia)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が肺炎である。例示としての実施形態では、疾患がコリネバクテリウム(Corynebacterium)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患がジフテリアである。例示としての実施形態では、疾患がリステリア(Listeria)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が髄膜炎である。例示としての実施形態では、疾患がバチルス(Bacillus)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、炭疽及び食中毒から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、疾患がクロストリジウム(Clostridium)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、ボツリヌス中毒、破傷風、ガス壊疽、下痢症から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、疾患がマイコバクテリア(Mycobacterium)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、結核及びライ病から選択されるメンバーである。
別の例示としての実施形態では、疾患がグラム陰性菌による感染と関連している。例示としての実施形態では、疾患がナイセリア(Neisseria)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、髄膜炎、淋病、外耳道炎、毛包炎から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、疾患がエシェリキア(Escherichia)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、下痢症、尿路感染症、髄膜炎、敗血症、HAPから選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、疾患がシゲラ(Shigella)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、下痢症、菌血症、心内膜炎、髄膜炎、胃腸炎から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、疾患がサルモネラ(Salmonella)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、腸チフス、敗血症、胃腸炎、心内膜炎、副鼻腔炎、髄膜炎から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、疾患がエルシニア(Yersinia)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、腸チフス、腺ペスト、腸チフス、胃腸炎から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、疾患がクレブシエラ(Klebsiella)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、敗血症及び尿路感染症から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、疾患がプロテウス(Proteus)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が尿路感染症である。例示としての実施形態では、疾患がエンテロバクター(Enterobacter)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が院内感染である。例示としての実施形態では、疾患がセラチア(Serratia)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、尿路感染症、皮膚及び皮膚構造感染、肺炎から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、疾患がビブリオ(Vibrio)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、コレラ及び胃腸炎から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、疾患がカンピロバクター(Campylobacter)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が胃腸炎である。例示としての実施形態では、疾患がヘリコバクター(Helicobacter)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が慢性胃炎である。例示としての実施形態では、疾患がシュードモナス(Pseudomonas)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、肺炎、骨髄炎、火傷感染症、敗血症、UTI、心内膜炎、耳炎、角膜感染症から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、疾患がバクテロイデス(Bacteroides)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、歯周病及び誤嚥性肺炎から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、疾患がヘモフィルス(Haemophilus)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、髄膜炎、喉頭蓋炎、化膿性関節炎、敗血症、軟性下疳、腟炎から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、疾患がボルデテラ(Bordetella)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が百日咳である。例示としての実施形態では、疾患がレジオネラ(Legionella)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、肺炎及びポンティアック熱から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、疾患がフランシセラ(Francisella)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が野兎病である。例示としての実施形態では、疾患がブルセラ(Brucella)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患がブルセラ症である。例示としての実施形態では、疾患がパスツレラ(Pasteurella)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が皮膚感染である。例示としての実施形態では、疾患がガードネレラ(Gardnerella)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が腟炎である。例示としての実施形態では、疾患がスピロヘータ(Spirochetes)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が梅毒及びライム病である。例示としての実施形態では、疾患がクラミジア(Chlamydia)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患がクラミジアである。例示としての実施形態では、疾患がリケッチア(Rickettsiae)種と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、ロッキー山紅斑熱及びチフスから選択されるメンバーである。
例示としての実施形態では、疾患が肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が、気管気管支炎及びマイコプラズマ肺炎から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、疾患がウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum)と関連している。別の例示としての実施形態では、疾患が尿道炎である。別の例示としての実施形態では、疾患が腎盂腎炎である。別の例示としての実施形態では、疾患が腹腔内感染症である。別の例示としての実施形態では、疾患が発熱性好中球減少症である。別の例示としての実施形態では、疾患が骨盤内感染症である。別の例示としての実施形態では、疾患が菌血症である。別の例示としての実施形態では、疾患が敗血症(septicaemia)である。
例示としての実施形態では、投与される化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有する。例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、RがHである。
VIII.b) 爪及び/又は爪周囲の疾患を治療又は予防する方法
別の態様では、本発明は、爪及び/又は爪周囲の疾患を治療又は予防する方法を提供するものである。この方法は、前記疾患を治療又は予防するのに十分な治療有効量の本発明の化合物又は医薬製剤を動物に投与することを含む。別の例示としての実施形態では、この方法は、皮膚、爪、毛、蹄、鉤爪、爪周囲の皮膚、毛周囲の皮膚、蹄周囲の皮膚、鉤爪周囲の皮膚から選択されるメンバーである部位に、本発明の化合物又は医薬製剤を投与することを含む。別の例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、RがHである。
VIII.b)1) 爪真菌症
酵母、皮膚糸状菌又は他のカビ類によって引き起こされる爪の疾患の1つに爪真菌症があり、すべての爪の機能障害の約50%を占めている。足指爪の感染が爪真菌症の出現率の80%前後を占めるのに対し、症例の約20%では指の爪が罹患している。特に足指爪での爪真菌症で爪甲の侵襲の最も多い原因は皮膚糸状菌である。皮膚糸状菌によって引き起こされる爪真菌症は爪白癬と呼ばれる。紅色白癬菌が最も多く単離される皮膚糸状菌であり、毛瘡白癬菌がこれに続いている。最も一般的な爪白癬は遠位部爪甲下爪真菌症であって、下爪皮(爪の遠位端の下にある厚い表皮)がその主な侵入部位となり、次第に進行して爪床と爪甲が侵食される。変色、爪甲離床症、爪甲下の腐生組織の蓄積、爪甲のジストロフィがこの疾患の特徴である。この疾患は被害者の生活の質に悪影響をおよぼし、被験者の不満は、爪の見た目の悪さや履物に対する不快感、二次細菌感染を含むさらに深刻な合併症にまでおよぶ。
抗生剤(ナイスタチン及びアムホテリシンBなど)、ミコナゾール、クロトリマゾール、フルコナゾール、エコナゾール、スルコナゾールなどのイミダゾール抗真菌薬、アリルアミン誘導体テルビナフィン及びナフチフィンなどの非イミダゾール真菌薬、ベンジルアミンブテナフィンなどの経口使用や局所使用をはじめとして、真菌感染を治療するための多くの方法が周知である。
しかしながら、爪真菌症は、ほとんどの治療に対する耐性が証明されている。爪真菌感染は、従来の局所用治療薬が届きにくい部分に生じ、抗真菌薬が爪甲に浸透して爪の下にある感染部位まで到達するのは容易ではない。このため、かつては爪真菌症の治療には抗真菌薬が経口投与されていた。しかしながら、このような方法には、薬剤による副作用、特にイトラコナゾールやケトコナゾールなどの強力な薬剤による副作用の可能性を伴うため、明らかに望ましくない。これに代わる爪真菌症の治療方法に、局所的に有効な抗真菌薬で治療する前に爪を取り除く方法がある。このような治療方法も同じく望ましくない。全身用の抗真菌剤は長期にわたって使用する必要があり、重大な副作用を引き起こす可能性がある。一方、主に抗真菌薬が爪全体に浸透しにくいことから、局所用の作用剤には利点が少ないのが普通である。
例示としての実施形態では、本発明は、爪真菌症を治療又は予防する方法を提供するものである。この方法は、爪真菌症を治療又は予防するのに十分な治療有効量の本発明の化合物を動物に投与することを含む。別の例示としての実施形態では、この方法は、皮膚、爪、毛、蹄、鉤爪、爪周囲の皮膚、毛周囲の皮膚、蹄周囲の皮膚、鉤爪周囲の皮膚から選択されるメンバーである部位で、本発明の化合物を投与することを含む。別の例示としての実施形態では、動物がヒトである。別の例示としての実施形態では、本発明の化合物が本明細書に記載の化合物である。別の例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。
VIII.b)2) その他の爪疾患及び爪周囲疾患
例示としての実施形態では、本発明は、動物における爪又は爪周囲の疾患を治療又は予防する方法を提供する。この方法は、治療有効量の本発明の化合物を動物に投与することで、爪又は爪周囲の疾患を治療又は予防することを含む。例示としての実施形態では、爪又は爪周囲の疾患が、緑色爪症候群、爪周囲炎、類丹毒、爪裂症、淋病、プール肉芽腫、幼虫移行症、ライ病、伝染性膿痂疹の小結節、搾乳者小結節、ヘルペス性ひょう疽、急性細菌性爪囲炎、慢性爪囲炎、スポロトリクム症、梅毒、皮膚疣状結核、野兎病、スナノミ症、爪囲・爪下疣贅、帯状疱疹、爪ジストロフィ(粗造爪)ならびに、乾癬、膿疱性乾癬、円形脱毛症、膿疱性不全角化症、接触皮膚炎、ライター症候群、乾癬性肢端皮膚炎、扁平苔癬、爪の特発性萎縮、光沢苔癬、線状苔癬、炎症性線状疣贅状表皮母斑(ILVEN)、脱毛症、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、後天性表皮水疱症、ダリエー病、毛孔性紅色秕糠疹、掌蹠角化症、接触性湿疹、多型紅斑、疥癬、バゼックス症候群、全身強皮症、全身紅斑性狼瘡、慢性紅斑性狼瘡、皮膚筋炎などの爪に影響する皮膚科学的疾患から選択されるメンバーである。
爪及び爪周囲に塗布するのに有用な本発明の化合物及び医薬製剤には、化粧分野、特に不規則な形の爪、匙状爪、ボー線、縦筋、陥入爪の治療における用途もある。
例示としての実施形態では、疾患が、皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄、毛、耳、目のものであり、スポロトリクム症、角膜真菌症、伸長(extension)真菌性眼内炎、内因性真菌性眼内炎、ロボ真菌症、菌腫、砂毛症、癜風、体部白癬、股部白癬、足部白癬、白癬性毛瘡、頭部白癬、黒癬、耳真菌症、黄癬、黒色真菌症、渦状癬から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、これらの疾患の治療に化合物が本発明の化合物である。別の例示としての実施形態では、本発明の化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有する。別の例示としての実施形態では、RがHである。
VIII.c) ウイルスが関与する疾患の治療方法
本発明の化合物は、ウイルスが関与する動物(ヒトなど)の疾患の治療に有用である。例示としての実施形態では、疾患が、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、黄熱病、呼吸器合胞体、インフルエンザ、AIDS、単純ヘルペス、水疱、水痘帯状疱疹、エプスタイン・バー疾患から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、RがHである。
VIII.d)寄生生物が関与する疾患の治療方法
本発明の化合物は、寄生生物が関与する動物(ヒトなど)の疾患の治療に有用である。例示としての実施形態では、疾患が、マラリア、シャーガス病、レーシュマニア症、アフリカ睡眠病(ヒトアフリカトリパノソーマ症)、ジアルジア症、トキソプラズマ症、アメーバ症、クリプトスポリジウム症から選択されるメンバーである。
上述した本発明による方法のいずれにおいても、アミノアシルtRNA合成酵素が修正ドメインを含むアミノアシルtRNA合成酵素であると好ましい。修正ドメインは、プルーフリーディングに関与するアミノアシルtRNA合成酵素の一部によってコードされる。修正ドメインは、好ましくは、ロイシル−tRNA合成酵素、バリル−tRNA合成酵素、イソロイシル−tRNA合成酵素の修正部位とのアライメント後に比較される、少なくとも保存された残基を有するDNA部分によってコードされる。一層好ましくは、合成酵素が、修正部位又はドメインを有することが周知のバリル−tRNA合成酵素、イソロイシル−tRNA合成酵素、ロイシル−tRNA合成酵素、アラニル−tRNA合成酵素、プロリル−tRNA合成酵素、スレオニル−tRNA合成酵素、フェニル−tRNA合成酵素、リジル−tRNA合成酵素からなる群から選択される(Ile RSについては、Baldwin, A. N. and Berg, P. (1966) J. Biol. Chem. 241, 839-845 and Eldred, E. W. and Schimmel, P. R. (1972) J. Biol. Chem. 247, 2961-2964; Val RSについてはFersht, A. R. and Kaethner, M. M. (1976) Biochemistry. 15 (15), 3342-3346;Leu RSについては、English, S. et al., (1986) Nucleic Acids Research. 14 (19), 7529-7539;Ala RSについては、Tsui, W. C. and Fersht, A. R. (1981) Nucleic Acids Research. 9, 7529-7539;Pro RSについては、Beuning, P. J. and Musier-Forsyth, K. (2000) PNAS. 97 (16), 8916-8920;Thr RSについては、Sankaranarayanan, R. et al., (2000) Nat. Struct. Biol. 7, 461-465 and Musier-Foryth, K. and Beuning, P. J. (2000) Nat. Struct. Biol. 7, 435-436;PheRSについては、Yarus, M. (1972) PNAS. 69, 1915-1919 and for LysRS, Jakubowski, H. (1997) Biochemistry. 36, 11077-11085を参照のこと。別の例示としての実施形態では、本発明の化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、RがHである。
IX. 爪への浸透方法
蹄又は爪甲に対する活性剤の浸透しにくさ及び/又はケラチン(爪や毛の主なタンパク質)との過剰な結合が、治験に通らなかった市販のラッカーや他の局所用治療薬における8%シクロピロクスw/wの薬効が低い理由であると考えられる。爪真菌症の軽症症例では、病原体である真菌は爪甲にしか存在しない。中程度から重症の症例では、病原体である真菌が爪甲と爪床に存在する。爪床ではなく爪甲から感染を取り除いていくと、真菌の病原体が爪甲に再感染することがある。したがって、爪真菌症を有効に治療するためには、爪甲と爪床から感染をなくさなければならない。このために、活性剤が実質的に爪甲と爪床の全体に浸透して散在している必要がある。
感染部位全体に散在後に活性剤を有効にするには、この活性剤が真菌病原体にとって生物利用可能であって、なおかつ薬剤が感染性真菌の増殖又は殺滅を阻害できないほどケラチンと密に結合できないことが必要であると考えられる。
爪甲の形態学を理解すると、爪甲の浸透を容易にする活性剤の特定の物理化学的特性が分かってくる。所望の物理化学的特性は至る所で説明されている。本発明の被験化合物は、爪甲に浸透でき、紅色白癬菌及び毛瘡白癬菌ならびに他の種に対して活性であった。また、被験化合物は、5%ケラチン末の存在下でも紅色白癬菌に対して活性であった。
例示としての実施形態では、本発明は、爪甲を含むヒトの爪部に存在する微生物を殺滅させるかその増殖を阻害する方法を提供するものである。この方法は、爪甲に浸透できる本発明の化合物を爪甲の外側の層に接触させ、爪甲を介して前記爪甲の下にある爪床まで移動させ、前記化合物を前記爪甲に浸透させるのに十分な条件下で前記微生物と接触させることを含む。この実施形態では、化合物の分子量が約100Daから約200Daであり、log P値が約1.0から約2.6、水溶性が約0.1mg/mLオクタノール/飽和水より大きく、前記微生物に対するMICが16μg/mL未満であることで、前記微生物を殺滅させる又はその増殖を阻害する。別の例示としての実施形態では、本発明の化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有する。例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、RがHである。
別の例示としての実施形態では、本発明は、爪甲を含むヒトの爪部に存在する微生物によって生じる疾患を治療する方法であって、爪甲に浸透できる本発明の化合物を爪甲の外側の層に接触させ、爪甲を介して前記爪甲の下にある爪床まで移動させ、前記化合物を前記爪甲に浸透させて前記疾患を治療するのに十分な条件下で前記微生物と接触させることを含む方法を提供するものである。この実施形態では、化合物の分子量が約100Daから約200Daであり、log P値が約1.0から約2.6、水溶性が約0.1mg/mLオクタノール/飽和水より大きく、前記微生物に対するMICが16μg/mL未満であることで、前記疾患を治療する。例示としての実施形態では、化合物が本明細書に記載のものである。
別の態様では、本発明は、爪甲の外側の層から爪床まで化合物を送達させる方法を提供するものである。この方法は、爪に浸透するのに十分な条件下で爪甲に浸透できる本発明の化合物を細胞と接触させることを含む。化合物の分子量は約100から約200Daである。化合物のlog P値は約1.0から約2.6である。この化合物はさらに、水溶性が約0.1mg/mLから1g/mLオクタノール/飽和水であり、これによって前記化合物を送達させる。
好ましい実施形態では、分子量、log P及び水に対する溶解性などを含むがこれに限定されるものではない、爪甲を介しての化合物の移行を推測できる量によって説明される本発明の化合物の物理化学的特性が、爪甲の実質的な浸透を得る上で有効である。
分子量200Da未満の化合物は、市販の爪真菌症治療薬よりも優れた方法で爪甲に浸透する。本発明の一実施形態では、化合物の分子量が130から200である。本発明の別の実施形態では、化合物の分子量が約140から約200Daである。本発明の別の実施形態では、化合物の分子量が約170から約200Daである。本発明の別の実施形態では、化合物の分子量が約155から約190Daである。本発明の別の実施形態では、化合物の分子量が約165から約185Daである。本発明の別の実施形態では、化合物の分子量が約145から約170Daである。さらに別の実施形態では、分子量が151.93又は168.39Daである。
本発明の一実施形態では、化合物のlog P値が約−3.5から約2.5である。例示としての別の実施形態では、化合物のlog P値が約−1.0から約2.5である。例示としての別の実施形態では、化合物のlog P値が約−1.0から約2.0である。例示としての別の実施形態では、化合物のlog P値が約−0.5から約2.5である。例示としての別の実施形態では、化合物のlog P値が約−0.5から約1.5である。例示としての別の実施形態では、化合物のlog P値が約0.5から約2.5である。例示としての別の実施形態では、化合物のlog P値が約1.0から約2.5である。さらに例示としての別の実施形態では、化合物のlog P値が1.9又は2.3である。
また、log P値が2.5未満、分子量200Da未満で、依然として爪甲に浸透する化合物も本発明に企図される。
本発明の一実施形態では、オクタノール飽和水における化合物の水溶性が約0.1mg/mLから1g/mLである。本発明の一実施形態では、化合物の水溶性が0.1mg/mLから100mg/mLである。本発明の別の実施形態では、化合物の水溶性が約0.1mg/mLから10mg/mLである。本発明の別の実施形態では、化合物の水溶性が約0.1mg/mLから1mg/mLである。本発明の別の実施形態では、化合物の水溶性が約5mg/mLから1g/mLである。本発明の別の実施形態では、化合物の水溶性が約10mg/mLから500g/mLである。本発明の別の実施形態では、化合物の水溶性が約80mg/mLから250mg/mLである。
例示としての実施形態では、本発明は、log P値が上述した範囲から選択され、分子量が上述した範囲から選択された状態で、依然として爪甲に浸透できる化合物を提供するものである。
例示としての実施形態では、本発明は、分子量が上述した範囲から選択され、水溶性が上述した範囲から選択された状態で、依然として爪甲に浸透できる化合物を提供するものである。
例示としての実施形態では、本発明は、log Pが上述した範囲から選択され、水溶性が上述した範囲から選択された状態で、依然として爪甲に浸透できる化合物を提供するものである。
例示としての実施形態では、本発明は、分子量が上述した範囲から選択され、log Pが上述した範囲から選択され、水溶性が上述した範囲から選択された状態で、依然として爪甲に浸透できる化合物を提供するものである。
有効成分の爪への浸透は、製剤の極性によって生じるものであってもよい。しかしながら、製剤の極性は有効成分の分子量やlog Pなどの他の要因ほどは爪への浸透に大きく影響すると思えない。浸透促進剤が製剤中に含まれていると、浸透促進剤を含有しない同様の製剤に比して活性剤の浸透が高まることが多い。
最適な物理化学的特性を有する分子の例をいくつか以下の表にあげておく。
Figure 2010530881
以下の化合物3は、分子量がシクロピロクスに近く、シクロピロクスと同じように爪甲には浸透しにくい化合物の一例である。
Figure 2010530881
好ましい実施形態では、本発明の化合物を含む局所用製剤は、総分子量が200Da未満、Log Pが2.5未満であり、紅色白癬菌に対する最小発育阻止濃度が5%ケラチンの存在下でも実質的に変化しない。
微生物を殺滅させる、微生物の増殖を阻害する、あるいは爪甲を含むヒトの爪部に存在する微生物によって生じる疾患を治療するにあたって、化合物が有効であるか否かに関する情報を、当業者であれば化合物の効果係数(MICに対する流束(flux)として定義される)からも得られる。この方法は、爪甲に浸透できる本発明の化合物を爪甲の外側の層に接触させ、爪甲を介して前記爪甲の下にある爪床まで移動させ、化合物を前記爪甲に浸透させて前記疾患を治療するのに十分な条件下で前記微生物と接触させることを含み、化合物の効果係数が10を超える方法を提供する。
例示としての実施形態では、化合物の効果係数が約10から約1000である。例示としての実施形態では、化合物の効果係数が約30から約100である。例示としての実施形態では、化合物の効果係数が約100から約500である。例示としての実施形態では、化合物の効果係数が約25から約200である。
本発明のこの態様に記載の方法は、爪や蹄の浸透ならびに爪や爪周囲の症状の治療に有用である。
X. 医薬製剤
別の態様では、本発明は、(a)薬学的に許容される賦形剤と、(b)本発明の化合物とを含む医薬製剤である。別の態様では、医薬製剤が、(a)薬学的に許容される賦形剤と、(b)本明細書に記載の式で表される化合物とを含む。別の態様では、医薬製剤が、(a)薬学的に許容される賦形剤と、(b)本明細書に記載の化合物又はその塩、プロドラッグ、水和物若しくは溶媒和物又はそれらの組み合わせとを含む。別の態様では、医薬製剤が、(a)薬学的に許容される賦形剤と、(b)本明細書に記載の化合物又はその塩、水和物若しくは溶媒和物又はそれらの組み合わせとを含む。別の態様では、医薬製剤が、(a)薬学的に許容される賦形剤と、(b)本明細書に記載の化合物又はその塩、水和物若しくは溶媒和物とを含む。別の態様では、医薬製剤が、(a)薬学的に許容される賦形剤と、(b)本明細書に記載の化合物の塩とを含む。例示としての実施形態では、塩が薬学的に許容される塩である。別の態様では、医薬製剤が、(a)薬学的に許容される賦形剤と、(b)本明細書に記載の化合物のプロドラッグとを含む。別の態様では、医薬製剤が、(a)薬学的に許容される賦形剤と、(b)本明細書に記載の化合物とを含む。例示としての実施形態では、医薬製剤が単位剤形である。例示としての実施形態では、医薬製剤が単一の単位剤形である。
別の例示としての実施形態では、本発明は、(a)薬学的に許容される賦形剤と、(b)
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有する化合物とを含む医薬製剤である。別の例示としての実施形態では、本発明は、(a)薬学的に許容される賦形剤と、(b)
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造を有する化合物と、を含む医薬製剤である。例示としての実施形態では、化合物は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、RがHである。
本発明の医薬製剤は、選択した投与経路に合ったさまざまな形態をとり得る。当業者であれば、本明細書に記載の化合物を取り入れた無毒の医薬製剤を調製するのに使用できるさまざまな合成方法論が分かるであろう。また、当業者であれば、水、エタノール、プロピレングリコール、鉱油、植物油、ジメチルスルホキシド(DMSO)など、本発明の化合物の溶媒和物を調製するのに使用できる、多岐にわたる無毒の薬学的に許容される溶媒が分かるであろう。
本発明の医薬製剤は、従来の無毒の薬学的に許容される担体、アジュバント、ビヒクルを含有する単位剤形で、経口的に、局所的に、非経口的に、吸入又はスプレーにより、あるいは経直腸的に投与できるものである。さらに、最適な投与方法が複数の方法の組み合わせの場合もある旨を理解されたい。丸剤、カプセル、エリキシル剤、シロップ、薬用キャンディ、トローチなどの形での経口投与が特に好ましい。非経口という用語は、本明細書で使用する場合、皮下注射、皮内、血管内(静脈内など)、筋肉内、脊髄、くも膜下腔内注射又は同様の注射あるいはこれらを融合させた技術を含む。例示としての実施形態では、本発明の医薬製剤を経口投与する。例示としての実施形態では、本発明の医薬製剤を静脈内投与する。
本発明の化合物を含有する医薬製剤は、好ましくは、たとえば錠剤、トローチ、薬用キャンディ、水性懸濁剤又は油性懸濁剤、分散可能な散剤又は顆粒剤、乳化剤、硬質カプセル又は軟質カプセルあるいはシロップ又はエリキシル剤などの経口服用に適した形態である。
経口服用が想定される組成物は、医薬製剤製造の技術分野において周知のどのような方法で調製してもよく、このような組成物は、薬学的に優れた口当たりのよい調製物を提供するために、甘味料、香味料、着色料及び保存料からなる群から選択される1種以上の作用剤を含むものであってもよい。錠剤は、その錠剤の製造に適した薬学的に許容される無毒の賦形剤と混合して、有効成分を含有するものであってもよい。これらの賦形剤は、たとえば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;造粒剤及び崩壊剤、たとえば、コーンスターチ又はアルギン酸;結合剤、たとえばスターチ、ゼラチン又はアカシア;滑沢剤、たとえばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクであってもよい。錠剤は、コーティングされていないものであってもよいし、消化管での崩壊と吸収を遅らせることで、長期間にわたって持続的な作用を得るように周知の技術でコーティングをほどこしたものであってもよい。たとえば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を用いてもよい。
経口服用向けの製剤を、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンなどの不活性固体希釈剤と有効成分とが混合されている硬質ゼラチンカプセルとして、あるいは、落花生油、流動パラフィン又はオリーブ油などの油又は水の媒質と有効成分とが混合されている軟質ゼラチンカプセルとして提供することもできる。
水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造に適した賦形剤との混合状態で活性材料を含有する。このような賦形剤としては、懸濁化剤、たとえばナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガントガム及びアカシアガム、分散剤又は湿潤剤があげられる。これらは、天然に生じるホスファチド、たとえば、レシチンであってもよいし、ステアリン酸ポリオキシエチレンなどの脂肪酸と酸化アルキレンとの縮合物あるいは、ヘプタデカエチレンオキシセタノールなどの長鎖脂肪族アルコールとエチレンオキシドとの縮合物あるいは、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールなどの脂肪酸及びヘキシトール由来の部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物あるいは、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタンなどの脂肪酸及びヘキシトール無水物に由来する部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物であってもよい。水性懸濁剤は、1種以上の保存剤、たとえばエチル又はn−プロピル、p−ヒドロキシベンゾエート、1種以上の着色料、1種以上の香味料、スクロース又はサッカリンなどの1種以上の甘味料などを含むものであってもよい。
落花生油、オリーブ油、ゴマ油又はヤシ油などの植物油あるいは流動パラフィンなどの鉱油に有効成分を懸濁させて、油性懸濁剤を製剤化してもよい。油性懸濁剤は、蜜ろう、硬質パラフィン又はセチルアルコールなどの増粘剤を含むものであってもよい。上述したものなどの甘味料や着香料を添加して口当たりのよい経口調製物を得るようにしてもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤を添加することで保存される。
水を加えて水性懸濁剤を調製するのに適した分散可能な粉末及び顆粒は、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤、1種以上の保存剤との混合状態で、有効成分を提供するものである。好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤については、その一例を上述したとおりである。甘味料、着香料、着色料などの別の賦形剤が存在していてもよい。
本発明の医薬製剤は、水中油型乳濁剤及び油中水型乳濁剤の形であってもよい。油相は、オリーブ油又は落花生油などの植物油あるいは流動パラフィンなどの鉱油又はこれらの混合物であってもよい。好適な乳化剤は、アカシアガム又はトラガントガムなどの天然に生じるガム;ダイズ、レシチン、エステルあるいは、脂肪酸及びヘキシトール由来のエステル又は部分エステルなどの天然に生じるホスファチド;モノオレイン酸ソルビタンなどの無水物;モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのエチレンオキシドと前記部分エステルとの縮合物などであってもよい。乳濁剤に甘味料及び香味料を含むようにしてもよい。
シロップ及びエリキシル剤を、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロースなどの甘味料と一緒に製剤化してもよい。このような製剤は、粘滑剤、保存剤、着香料、着色料を含有するものであってもよい。医薬製剤は、滅菌注射可能な水性又は油性懸濁剤の形であってもよい。この懸濁剤は、上述した好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を用いて、周知の技術で製剤化できるものである。この滅菌注射可能な調製物は、1,3−ブタンジオール溶液などとして、非経口的に許容される無毒の希釈剤又は溶媒中の滅菌注射可能な溶液又は懸濁剤であってもよい。使用できる許容可能なビヒクル及び溶媒には、水、リンゲル液、生理食塩水がある。さらに、無菌の固定油が溶媒又は懸濁化剤として従来から用いられている。この目的のため、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含むどのブランドの固定油を使用してもよい。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射可能なものを調製する上での用途がある。
本発明の組成物を、薬剤の直腸投与用などの坐剤の形で投与してもよい。これらの組成物は、常温では固体であるが直腸の温度では液体になるため直腸で溶けて薬剤を放出する好適な非刺激性賦形剤に、薬剤を混合することによって調製できる。このような材料は、カカオバター及びポリエチレングリコールである。
あるいは、組成物を滅菌媒質に入れて非経口的に投与することができる。使用するビヒクルと濃度に応じて、薬剤をビヒクルに懸濁させるか、溶解させることができる。好都合なことに、局所麻酔、保存剤、緩衝剤などのアジュバントをビヒクルに溶解させることもできる。
非ヒト動物への投与については、治療用化合物を含有する組成物を、動物の飼料又は飲料水に加えてもよい。また、動物が食餌で適切な量の化合物を摂取するように、動物の飼料と飲料水の製品を配合すると都合がよい。飼料又は飲料水への添加用プレミックスとして組成物に化合物を存在させておくと、さらに都合がよいであろう。また、人間用の食物又は飲料サプリメントに組成物を添加することもできる。
上述した症状の治療には、体重1キログラムあたり1日量で約5mgから約250mg程度、一層好ましくは体重1キログラムあたり1日量で約25mgから約150mgの投与レベルが有用である。単位剤形を製造するのに担体材料と合わせることのできる有効成分の量は、治療対象となる症状や特定の投与モード次第で異なる。単位剤形は通常、約1mgから約500mgの有効成分を含む。
投与頻度についても、使用する化合物や治療対象となる特定の疾患に応じて変えてもよい。しかしながら、ほとんどの機能障害の治療では、1日4回以下の投与計画が好ましい。しかしながら、特定の患者に対する具体的な用量レベルは、使用する具体的な化合物の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路と排泄速度、薬剤の組み合わせ、治療を受ける特定の疾患の重篤度を含むさまざまな要因に左右される旨を理解されたい。
好ましい本発明の化合物は、経口バイオアベイラビリティ、毒性の低さ、低血清タンパク質結合、in vitro及びin vivoでの望ましい半減期を含むがこれに限定されるものではない、望ましい薬理学的特性を持つ。CNS障害の治療に用いる化合物では血液脳関門を通過する必要があるのに対し、末梢障害の治療に用いる化合物では脳中濃度が低いと好ましいことが多い。
これらの望ましい薬理学的特性を予測するには、アッセイを用いればよい。バイオアベイラビリティの予測に用いるアッセイには、Caco−2細胞単層膜を含むヒト腸細胞単層膜を介した輸送を含む。培養肝細胞に対する毒性を用いて、化合物の毒性を予測してもよい。ヒトでの化合物の血液脳関門の通過を、この化合物を静脈内注射した実験動物の脳中濃度から予測してもよい。
血清タンパク質結合率は、アルブミン結合アッセイで予測できる。このようなアッセイは、Oravcova, et al.による総説(Journal of Chromatography B (1996) volume 677, pages 1-27)に説明されている。
化合物の半減期は化合物の投与頻度に反比例する。化合物のin vitroでの半減期は、Kuhnz及びGieschen(Drug Metabolism and Disposition, (1998) volume 26, pages 1120-1127)に記載されているように、ミクロソームでの半減期アッセイで予測できる。
治療で使用するのに必要な組成物の量は、選択する特定の化合物だけでなく、投与経路、治療対象となる症状の性質、患者の年齢と症状によっても変わるものであり、最終的には担当医又は臨床医の判断で決定される。
例示としての実施形態では、医薬製剤の賦形剤がエタノールを含み、医薬製剤の化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、RがHである。別の例示としての実施形態では、医薬製剤の賦形剤がプロピレングリコールを含み、医薬製剤の化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、RがHである。例示としての実施形態では、医薬製剤が、約1:4の割合でプロピレングリコール:エタノールに、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである1:10wt/容量の化合物を含む。例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、RがHである。例示としての実施形態では、医薬製剤が、エタノール約70%と、ポリ(ビニルメチルエーテル−alt−マレイン酸モノブチルエステル)約20%と、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである化合物約10%と、を含む。例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、RがHである。例示としての実施形態では、医薬製剤が、エタノール約56%と、水約14%と、ポリ(2−ヒドロキシメタクリル酸)約15%と、セバシン酸ジブチル約5%と、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである化合物約10%と、を含む。例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、RがHである。例示としての実施形態では、医薬製剤が、エタノール約55%と、酢酸エチル約15%と、ポリ(酢酸ビニル)約15%と、セバシン酸ジブチル約5%と、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである化合物約10%と、を含む。例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、RがHである。別の例示としての実施形態では、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである化合物が、医薬製剤中に、1%、2.5%、5%、7.5%、10%、15%w/vから選択されるメンバーである濃度で存在する。別の例示としての実施形態では、医薬製剤がラッカーである。
例示としての実施形態では、医薬製剤の賦形剤がエタノールを含み、医薬製剤の化合物が本明細書に記載の化合物である。別の例示としての実施形態では、医薬製剤の賦形剤がプロピレングリコールを含み、医薬製剤の化合物が本明細書に記載の化合物である。例示としての実施形態では、医薬製剤がプロピレングリコール約20%と、エタノール約70%と、本明細書に記載の化合物約10%とを含む。例示としての実施形態では、医薬製剤が、エタノール約70%と、ポリ(ビニルメチルエーテル−alt−マレイン酸モノブチルエステル)約20%と、本明細書に記載の化合物約10%とを含む。例示としての実施形態では、医薬製剤が、エタノール約56%と、水約14%と、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)約15%と、セバシン酸ジブチル約5%と、本明細書に記載の化合物約10%と、を含む。例示としての実施形態では、医薬製剤が、エタノール約55%と、酢酸エチル約15%と、ポリ(酢酸ビニル)約15%と、セバシン酸ジブチル約5%と、本明細書に記載の化合物約10%と、を含む。別の例示としての実施形態では、本明細書に記載の化合物が、医薬製剤中に、1%、2.5%、5%、7.5%、10%、15%w/vから選択されるメンバーである濃度で存在する。別の例示としての実施形態では、医薬製剤がラッカーである。
X.a) 局所用製剤
好ましい実施形態では、本発明の方法を本明細書に記載の化合物の局所塗布で使用することができる。別の例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。例示としての実施形態では、化合物が、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。別の例示としての実施形態では、RがHである。
本発明の組成物は、ポリマー、増粘剤、緩衝液、中和剤、キレート化剤、保存剤、界面活性剤又は乳化剤、酸化防止剤、ワックス又は油、皮膚軟化剤、サンスクリーン製剤、溶媒又は混合溶媒系であってもよいがこれに限定されるものではない、流体又は半固体のビヒクルを含む。溶媒又は混合溶媒系は、主に薬剤の溶解を担うため構成上重要である。最適な溶媒又は混合溶媒系は、製剤に貧溶媒を加える場合であっても臨床的に関連する濃度の薬剤を溶液中に維持することができる。本発明において有用な局所用組成物は、多岐にわたる製品タイプに製造可能なものである。これには、ローション、クリーム、ゲル、粘着剤、スプレー、軟膏、ペースト、フォーム、ムース、洗浄剤が含まれるが、これに限定されるものではない。これらの製品タイプは、粒子、ナノ粒子、リポソームを含むがこれに限定されるものではない、いくつかのタイプの担体系を含むことができる。必要があれば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸又はそれらの塩(アルギン酸ナトリウムなど)などの崩壊剤を添加することもできる。製剤化と投与の技術については、上掲のRemington: The Science and Practice of Pharmacyに記載されている。製剤については、体内の所望の標的部位への送達を最大限にするよう選択すればよい。
ローションは、摩擦なしで皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄の表面に塗布される調製物であり、一般に、微粉砕した固体、ワックス又は液体が分散した液体又は半液体の調製物である。ローションは一般に、分散性を高めるための懸濁化剤と、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースなど、皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄と接触した状態で活性剤を局在化して保持するのに有用な化合物とを含有することになる。
本発明による送達用の活性剤を含有するクリームは、粘性の液体又は半固体の乳濁剤であり、水中油型又は油中水型のいずれかである。クリーム基剤は水で洗い流すことが可能であり、油相と、乳化剤と、水性相とを含む。油相は通常、ワセリンあるいは、セチルアルコール又はステアリルアルコールなどの脂肪族アルコールからなる。水性相は通常、必ずしもそうとはかぎらないが、油相よりも容積が大きく、通常は湿潤剤を含有する。クリーム製剤中の乳化剤は、上掲のRemington: The Science and Practice of Pharmacyに説明されているように、通常は非イオン性、アニオン性、カチオン性又は両性の界面活性剤である。
本発明に関連して、ゲル製剤も用いることができる。局所用創薬の分野で働いている人々には自明なように、ゲルは半固体である。単相ゲルは、一般に水性であるが溶媒又は溶媒のブレンドであってもよい担体の液体全体に実質的に均一に分散された有機巨大分子を含有する。
軟膏は半固体の調製物であり、一般にワセリン又は他の石油系誘導体を主成分とする。当業者であれば理解しているように、使用する具体的な軟膏基剤は、特定の製剤用に選択された活性剤のための最適な送達が得られるようなものであり、好ましくは、皮膚軟化作用などの他の所望の特徴も得られるようなものである。他の担体又はビヒクルと同様に、軟膏基剤も、不活性かつ安定で、刺激がなく、非感作性(non-sensitizing)でなければならない。Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th Ed. (Easton, Pa.: Mack Publishing Co., 1995), pages 1399-1404に説明されているように、軟膏基剤は、油性基剤、乳化可能な基剤、乳濁基剤、水溶性基剤の4つのクラスに分けられる。油性の軟膏基剤には、たとえば、植物油、動物から得られる脂肪、石油から得られる半固体炭化水素が含まれる。乳化可能な軟膏基剤は、吸収性軟膏基剤しても知られており、水をほとんど含有しないかまったく含有せず、たとえば、ヒドロキシステアリンスルフェート、無水ラノリン及び親水性ワセリンを含む。乳濁軟膏基剤は、油中水型(W/O)乳濁液又は水中油型(O/W)乳濁液のいずれかであり、たとえば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラノリン及びステアリン酸を含む。好ましい水溶性軟膏基剤は、さまざまな分子量のポリエチレングリコールから調製される。繰り返すが、上掲のRemington: The Science and Practice of Pharmacyを参照すれば、さらに情報を得ることができる。
本発明の有用な製剤は、スプレーも包含する。スプレーは通常、皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄に噴霧して送達可能な水溶液及び/又はアルコール溶液で活性剤を提供する。このようなスプレーには、送達後に投与部位で活性剤溶液の濃縮が得られるように製剤化されたものが含まれる。たとえば、スプレー溶液は主に、薬剤又は活性剤を溶解可能なアルコール又は他の同様の揮発性の液体からなるものであればよい。皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄への送達時、担体が蒸発し、濃縮された活性剤が投与部位に残る。
局所用医薬組成物は、好適な固体又はゲル相担体を含むものであってもよい。このような担体の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、さまざまな糖類、スターチ、セルロース誘導体、ゼラチンならびに、ポリエチレングリコールなどのポリマーがあげられるが、これに限定されるものではない。
また、局所用医薬組成物は、水中油型又は油中水型の混合及び懸濁化を促進又は容易にする作用剤である好適な乳化剤を含むものであってもよい。本明細書で使用する乳化剤は、単一の乳化剤からなるものであってもよいし、非イオン性、アニオン性、カチオン性又は両性の界面活性剤又は2種類以上の界面活性剤のブレンドであってもよい。本明細書で使用するのに好ましいのは、非イオン性又はアニオン性の乳化剤である。このような界面活性剤が、“McCutcheon’s Detergent and Emulsifiers,” North American Edition, 1980 Annual published by the McCutcheon Division, MC Publishing Company, 175 Rock Road, Glen Rock, N.J. 07452, USAに記載されている。
本明細書で用いるのに好ましいのは、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、乳化ロウ、モノステアリン酸グリセリルなどの高分子量のアルコールである。他の例として、ジステアリン酸エチレングリコール、トリステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン(SPAN 60)、モノラウリン酸ジエチレングリコール、モノパルミチン酸ソルビタン、ジオレイン酸スクロース、ステアリン酸スクロース(CRODESTA F-160)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(BRIJ 30)、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(BRIJ 72)、ポリオキシエチレン(21)ステアリルエーテル(BRIJ 721)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(Myrj 45)、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(TWEEN 60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(TWEEN 80)、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(TWEEN 20)、オレイン酸ナトリウムがあげられる。外用の乳濁剤にはコレステロール及びコレステロール誘導体を用いてw/o乳濁剤を促進することもできる。
特に好適な非イオン性乳化剤は、Paul L. Lindner in “Emulsions and Emulsion”, edited by Kenneth Lissant, published by Dekker, New York, N.Y., 1974, pages 188-190に記載の方法で求めた場合の親水性親油性バランス(HLB)がw/o系で約3から6、o/w系で8から18のものである。本明細書で用いるのに一層好ましいのが、HLB約8から約18の系が得られる1種以上の非イオン性界面活性剤である。
このような非イオン性乳化剤の例としては、HLBが4.9のポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテルの商品名「BRIJ 72」、HLBが15.5のポリオキシエチレン(21)ステアリルエーテルの商品名「BRIJ 721」、HLBが9.7のポリオキシエチレンラウリルエーテルの商品名「Brij 30」、HLBが8.0の乳化ロウの商品名「Polawax」、HLBが4.7のモノステアリン酸ソルビタンの商品名「Span 60」、HLBが14.5のステアリン酸スクロースの商品名「Crodesta F-160」があげられるが、これに限定されるものではない。これらの材料はいずれも、Ruger Chemicals Inc.、Croda、ICI Americas, Inc.、Spectrum Chemicals、BASFから入手できる。本発明の局所用製剤が少なくとも1種の乳化剤を含有する場合、各乳化剤が約0.5から約2.5wt%、好ましくは0.5から2.0%、一層好ましくは1.0%又は1.8%の量で存在する。好ましくは、乳化剤がsteareth 21(約1.8%)とsteareth 2(約1.0%)との混合物を含む。
局所用医薬組成物は、好適な皮膚軟化剤も含むものであってもよい。皮膚軟化剤は、皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄の乾燥の予防又は緩和ならびに、保護を目的として用いられる材料である。有用な皮膚軟化剤としては、セチルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリルアルコールなどがあげられるが、これに限定されるものではない。多岐にわたる好適な皮膚軟化剤が周知であり、本明細書で使用できる。たとえば、Sagarin, Cosmetics, Science and Technology, 2nd Edition, Vol. 1, pp. 32-43 (1972)ならびに、Decknerらに付与された1990年4月24日発行の米国特許第4,919,934号(いずれも全体を参照により本明細書に取り入れる)を参照のこと。これらの材料は、Ruger Chemical Co(Irvington, NJ)から入手できる。
本発明の局所用製剤が少なくとも1種の皮膚軟化剤を含有する場合、各皮膚軟化剤は、約0.1から15%、好ましくは0.1から約3.0、一層好ましくは0.5、1.0又は2.5wt%の量で存在する。好ましくは、皮膚軟化剤は、セチルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリルアルコールを1/5/2の比で混合した混合物である。皮膚軟化剤は、セチルアルコールとステアリルアルコールとを1/2の比で混合した混合物であってもよい。
また、局所用医薬組成物は、酸化を阻害することが知られている物質である好適な酸化防止剤を含むものであってもよい。本発明に準じて使用するのに適した酸化防止剤としては、ブチル化ヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸パルミタート、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、エリソルビン酸、グアヤク脂、没食子酸プロピル、チオジプロピオン酸、チオジプロピオン酸ジラウリル、tert−ブチルヒドロキノンならびに、ビタミンEなどのトコフェロールなどが、これらの化合物の薬学的に許容される塩及びエステルを含めてあげられるが、これに限定されるものではない。好ましくは、酸化防止剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、これらの薬学的に許容される塩もしくはエステル又はこれらの混合物である。最も好ましくは、酸化防止剤はブチル化ヒドロキシトルエンである。これらの材料は、Ruger Chemical Co(Irvington, NJ)から入手できる。
本発明の局所用製剤が少なくとも1種の酸化防止剤を含有する場合、存在する酸化防止剤の総量は、約0.001から0.5wt%、好ましくは0.05から約0.5wt%、一層好ましくは0.1%である。
また、局所用医薬組成物は、好適な保存剤を含むものであってもよい。保存剤は、抗微生物剤として作用するよう医薬製剤に添加される化合物である。有効かつ非経口製剤で許容される当該技術分野において周知の保存剤は、塩化ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、クロロヘキシジン、フェノール、m−クレゾール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、o−クレソール、p−クレソール、クロロクレソール、硝酸フェニル水銀、チメロサール、安息香酸ならびに、これらのさまざまな混合物である。たとえば、Wallhausser, K.-H., Develop. Biol. Standard, 24:9-28 (1974)(S. Krager, Basel)を参照のこと。好ましくは、保存剤は、メチルパラベン、プロピルパラベン、これらの混合物から選択される。これらの材料はInolex Chemical Co(Philadelphia, PA)又はSpectrum Chemicalsから入手できる。
本発明の局所用製剤が少なくとも1種の保存剤を含有する場合、存在する保存剤の総量は、約0.01から約0.5wt%、好ましくは約0.1から0.5%、一層好ましくは約0.03から約0.15である。好ましくは、保存剤は、メチルパラベンとプロピルバラベンとを5/1の比で混合した混合物である。保存剤としてアルコールを利用する場合、その量は通常、15から20%である。
局所用医薬組成物は、脂質二重層とクロスしない金属陽イオンと錯体を形成するための好適なキレート化剤を含むものであってもよい。好適なキレート化剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)、8−アミノ−2−[(2−アミノ−5−メチルフェノキシ)メチル]−6−メトキシキノリン−N,N,N’,N’−四酢酸、テトラカリウム塩(QUIN-2)が含まれる。好ましくは、キレート化剤はEDTA及びクエン酸である。これらの材料は、Spectrum Chemicalsから入手できる。
本発明の局所用製剤が少なくとも1種のキレート化剤を含有する場合、存在するキレート化剤の総量は、約0.005%から2.0重量%、好ましくは約0.05%から約0.5wt%、一層好ましくは約0.1重量%である。
また、局所用医薬組成物は、製剤のpHを薬学的に許容される範囲に調整するのに用いられる好適な中和剤を含むものであってもよい。中和剤の例としては、トロラミン、トロメタミン、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、酢酸があげられるが、これに限定されるものではない。このような材料は、Spectrum Chemicals(Gardena, CA)から入手できる。
本発明の局所用製剤が少なくとも1種の中和剤を含有する場合、存在する中和剤の総量は、約0.1wtから約10wt%、好ましくは0.1wt%から約5.0wt%、一層好ましくは約1.0wt%である。中和剤は通常、製剤を所望のpHにするのに必要な適量で添加される。
局所用医薬組成物は、好適な粘度増加剤を含むものであってもよい。これらの成分は、作用剤とポリマーとの相互作用によってポリマー含有溶液の粘度を高めることのできる拡散可能な化合物である。CARBOPOL ULTREZ 10を粘度増加剤として用いることができる。これらの材料は、Noveon Chemicals, Cleveland, OHから入手できる。
本発明の局所用製剤が少なくとも1種の粘度増加剤を含有する場合、存在する粘度増加剤の総量は、約0.25%から約5.0重量%、好ましくは約0.25%から約1.0wt%、一層好ましくは約0.4%から約0.6重量%である。
局所用医薬組成物は、好適な爪浸透促進剤を含むものであってもよい。爪浸透促進剤の例としては、メルカプタン化合物、亜硫酸塩及び重亜硫酸塩、角質溶解薬及び界面活性剤があげられる。本発明で用いるのに適した爪浸透促進剤が、Malhotra et al., J. Pharm. Sci., 91:2, 312-323 (2002)(その全体を参照により本明細書に取り入れる)に詳細に記載されている。
局所用医薬組成物は、1種以上の好適な溶媒を含むものであってもよい。固体物質(溶質)が液体物質(溶媒)に溶解する能力は、溶質と溶媒の物性に左右される。溶質と溶媒が似たような物性を持つときに、溶媒に対する溶質の溶解性が最大になる。これは「似たもの同士は溶け合う」という従来の理解につながる。溶媒は、一方では非極性の親油性油として、他方では極性の親水性溶媒として特徴付けできるものである。油性の溶媒がファン・デル・ワールスの相互作用によって他の非極性物質を溶解させるのに対し、水や他の親水性溶媒はイオン相互作用、双極子相互作用又は水素結合相互作用によって極性物質を溶解させる。溶媒はすべて、最も極性の低いデカンなどの炭化水素から、最も極性の高い溶媒である水まで、連続して列挙できる。溶質は、溶媒との極性が同等のときに溶媒への溶解性が最大になる。よって、水に対する溶解性が最も低い薬剤の場合、これよりも極性の低い溶媒を用いると溶解性が改善され、極性が溶質とほぼ等しい溶媒で溶解性が最大になる。ほとんどの薬剤は中間の極性を持つため、水よりも極性がかなり低いプロピレングリコール又はエタノールなどの溶媒への溶解性が最大になる。薬剤の溶解性が水に対して(たとえば0.1%(w/w))よりもプロピレングリコールに対する(たとえば8%(w/w))のほうが高い場合、プロピレングリコールに水を加えると、純粋なプロピレングリコールを用いる場合よりもその溶媒混合物への薬剤溶解性の最大量が少なくなる。優れた溶媒に貧溶媒を加えると、その優れた溶媒に対する最大溶解性に比してブレンドの最大溶解性が低くなる。
局所用製剤に化合物を取り入れる場合、選択した溶媒及び/又は担体への有効成分の溶解性によって製剤中の有効成分の濃度を制限してもよい。非親油性の薬剤は一般に、薬学的に許容される溶媒及び/又は担体に対して極めて低い溶解性を示す。たとえば、本発明におけるいくつかの化合物の水に対する溶解性は0.00025%wt/wt未満である。本発明における同じ化合物の溶解性を、プロピレングリコール又はミリスチン酸イソプロピルのいずれかに対して約2%wt/wt未満にすることができる。本発明の一実施形態では、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)が本発明の化合物を溶解させるのに使用する溶媒である。本製剤に有用な本発明における化合物は、DGMEに対して約10%wt/wtから約25%wt/wtの溶解性を持つと考えられている。別の実施形態では、DGME水共溶媒系を用いて本発明の化合物を溶解させる。水を加えるとDGMEの溶媒容量が低下する。しかしながら、有効成分が約0.1%から約5%wt/wtという所望の濃度を維持するようにDGME/水共溶媒系を設計することができる。好ましくは、有効成分は、そのままで塗布できる局所用製剤中に約0.5%から約3%wt/wtで存在し、一層好ましくは約1%wt/wtで存在する。DGMEは水よりも揮発性が低いため、塗布時に局所用製剤が揮発すると、活性剤はクリーム製剤に溶解しやすくなる。このように溶解性が高まることで、皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄の表面で沈殿する薬剤によって引き起こされるバイオアベイラビリティ減少の尤度が低下する。
局所投与に適しているか、化粧用途に適したローションなどの液体の形態は、緩衝液、懸濁剤及び予製剤(dispensing agent)、増粘剤、浸透促進剤などを含む好適な水性又は非水性ビヒクルを含むものであってもよい。クリーム又はペーストなどの固体の形態は、たとえば、以下の成分すなわち界面活性剤を用いる場合の基剤としての水、油、アルコール又はグリース、ポリエチレングリコールなどのポリマー、増粘剤、固体などのうちのどれを含むものであってもよい。液体又は固体の製剤は、リポソーム、ミクロソーム、マイクロスポンジなどの強化された送達技術を含むものであってもよい。
また、治療薬を含有する固体の疎水性ポリマーの半透過性マトリクスなどの徐放系を用いて、化合物を送達させることができる。さまざまな徐放材料がすでに確立されており、当業者間で周知である。
本発明を実施する際の局所治療計画には、皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄の塗布部位に、1日1回から数回にわたって組成物を直接塗布することを含む。
本発明の製剤は、細菌感染、座瘡、炎症などに関連する症状又は症候を治療、寛解又は予防するのに使用できる。
例示としての実施形態では、医薬製剤は単純溶液を含む。例示としての実施形態では、単純溶液がアルコールを含む。例示としての実施形態では、単純溶液がアルコールと水を含む。例示としての実施形態では、アルコールが、エタノール、エチレングリコール、プロパノール、ポリプロピレングリコール、イソプロパノール又はブタノールである。別の例示としての実施形態では、単純溶液が、ポリプロピレングリコール約10%とエタノール約90%、ポリプロピレングリコール約20%とエタノール約80%、ポリプロピレングリコール約30%とエタノール約70%、ポリプロピレングリコール約40%とエタノール約60%、ポリプロピレングリコール約50%とエタノール約50%、ポリプロピレングリコール約60%とエタノール約40%、ポリプロピレングリコール約70%とエタノール約30%、ポリプロピレングリコール約80%とエタノール約20%、ポリプロピレングリコール約90%とエタノール約10%から選択されるメンバーである。
例示としての実施形態では、医薬製剤がラッカーである。ラッカーの製造に関するさらなる情報については、上掲のRemingtonの資料を参照のこと。
例示としての実施形態では、化合物が約0.5%から約15%の濃度で前記医薬製剤に存在する。例示としての実施形態では、化合物が約0.1%から約12.5%の濃度で前記医薬製剤に存在する。例示としての実施形態では、化合物が約1%から約10%の濃度で前記医薬製剤に存在する。例示としての実施形態では、化合物が約1%から約5%の濃度で前記医薬製剤に存在する。例示としての実施形態では、化合物が約0.5%から約5%の濃度で前記医薬製剤に存在する。例示としての実施形態では、化合物が約0.5%から約7.5%の濃度で前記医薬製剤に存在する。例示としての実施形態では、化合物が約5%から約7.5%の濃度で前記医薬製剤に存在する。例示としての実施形態では、化合物が約2%から約8%の濃度で前記医薬製剤に存在する。例示としての実施形態では、化合物が約4%から約9%の濃度で前記医薬製剤に存在する。
X.b) 別の活性剤
以下、本発明の局所用医薬製剤に添加可能な化粧料と製剤の例をあげておく。以下の作用剤は周知の化合物であり、容易に商業入手できる。
抗炎症薬として、ビサボロール、メンソレータム、ダプソン、アロエ、ヒドロコルチゾンなどがあげられるが、これに限定されるものではない。
ビタミンとして、ビタミンB、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンDなどならびに、タザロテン、カルシポトリエン、トレチノイン、アダパレンなどのビタミン誘導体があげられるが、これに限定されるものではない。
老化防止剤として、ナイアシンアミド、レチノール及びレチノイド誘導体、AHA、アスコルビン酸、リポ酸、コエンザイムQ10、β−ヒドロキシ酸、サリチル酸、銅結合ペプチド、ジメチルアミノエチル(DAEA)などがあげられるが、これに限定されるものではない。
サンスクリーン製剤及び/又は日焼け緩和剤として、PABA、ホホバ、アロエ、パジマート−O、メトキシ桂皮酸塩、プロキサミンHCl、リドカインなどがあげられるが、これに限定されるものではない。サンレスタンニング剤として、ジヒドロキシアセトン(DHA)があげられるが、これに限定されるものではない。
乾癬治療剤及び/又は座瘡治療剤として、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、コールタール、硫化セレン、酸化亜鉛、ピリチオン(亜鉛及び/又はナトリウム)、タザロテン、カルシポトリエン、トレチノイン、アダパレンなどがあげられるが、これに限定されるものではない。
角化を制御又は調節するのに有効な作用剤として、限定することなく、トレチノイン、タザロテン、アダパレンがあげられる。
本発明の化合物/活性剤と、任意選択によりこれらの別の作用剤を少なくとも1種とを含む組成物を、局所投与する。最初の適用時には、本発明の化合物と他の活性剤が作用して、皮膚、爪、毛、鉤爪又は蹄を治療する。あるいは、局所的に適用される活性剤のうちのいずれかを、経皮的な経路で全身送達させてもよい。
このような組成物では、抗炎症薬、ビタミン、老化防止剤、サンスクリーン製剤及び/又は座瘡治療剤などの化粧上又は薬学的に有効な別の作用剤は通常、微量成分(約0.001%から約20重量%又は好ましくは約0.01%から約10重量%)であり、残りはさまざまなビヒクル又は担体と所望の投与形態にする助けとなる加工助剤である。
X.c)試験
本明細書書に記載の医薬組成物での使用に好ましい化合物は、特定の薬理学的特性を持つ。このような特性として、毒性の低さ、血清タンパク質結合率の低さ、望ましいin vitroおよびin vivo半減期が含まれるが、これに限定されるものではない。アッセイを用いてこれらの望ましい薬理学的特性を予測することができる。バイオアベイラビリティの予測に用いるアッセイには、Caco−2細胞単層膜を含むヒトの腸の細胞単層膜を通る輸送を含む。血清タンパク質結合率は、アルブミン結合アッセイで予測できる。このようなアッセイについては、Oravcovaら(1996, J. Chromat. B677: 1-27)の概説に記載されている。化合物の半減期は化合物の投薬頻度に反比例する。化合物のin vitroでの半減期は、Kuhnz and Gleschen (Drug Metabolism and Disposition, (1998) volume 26, pages 1120-1127)に記載されているようにしてミクロソーム半減期のアッセイで予測できる。
このような化合物の毒性および治療有効性を、LD50(個体群の50%で致死量)とED50(個体群の50%で治療上有効)を求める手法など、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手法で求めることができる。毒性と治療効果との間の用量比が治療係数であり、LD50とED50との比で表される。治療係数の大きい化合物が好ましい。ヒトでの場合の投薬量の範囲で処方する際に、これらの細胞培養アッセイおよび動物実験で得られたデータを利用することができる。このような化合物の投薬量は、好ましくは毒性がわずかであるかまったくないED50を含む循環濃度範囲内である。投薬量は、使用する単位剤形や利用する投与経路に応じてこの範囲内で可変である。厳密な処方、投与経路および投与量については、患者の状態をみながら個々の医師が選択できる(たとえば、Fingl et al., 1975, in “The Pharmacological Basis of Therapeutics”, Ch. 1, p. 1を参照のこと)。
X.d)投与
本明細書に開示するように、本発明の方法に用いられるいずれの化合物についても、最初に細胞培養アッセイから治療上有効な用量を推定することができる。たとえば、細胞培養で求めたEC50(50%増加の有効用量)を含む循環濃度範囲を達成する用量すなわち、細菌細胞の成長の半値幅阻害を達成する被検化合物濃度を動物モデルで決めることができる。このような情報を利用すれば、ヒトでの有効用量をより一層正確に求めることができる。
通常、この方法によって、ならびに、本明細書に記載の中間体から調製される化合物は、同様の有用性が得られる作用剤ごとの適当な投与様式で、治療上または化粧上有効な量で投与されることになる。しかしながら、特定の患者の具体的な用量レベルが、利用する具体的な化合物の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄速度、薬剤の組み合わせ、治療を受ける特定の疾患の重症度、処方医師の判断を含む様々な要因に左右されることは、理解できよう。この薬剤は、1日1回から2回投与可能であり、あるいは、1日最大3回または4回まで投与できる。
投与量と投与間隔を個々に調節し、細菌細胞の成長阻害効果を維持するのに十分な活性部分の血漿濃度を得ることができる。通常の患者の投与量は全身投与の場合で0.1から1000mg/日、好ましくは、1〜500mg/日、より好ましくは10〜200mg/日、なお一層好ましくは100〜200mg/日の範囲である。患者の体の表面積に関して言えば、通常の投与量は50〜91mg/m/日の範囲である。
製剤中の化合物の量は、当業者が用いるあらゆる範囲内で可変である。一般に、製剤は、製剤の総量に対して重量パーセント(wt%)ベースで、約0.01〜10wt%の薬剤を含有し、残りが1つ以上の好適な薬剤用賦形剤である。好ましくは、化合物は約0.1〜3.0wt%の濃度で存在し、より好ましくは、約1.0wt%の濃度で存在する。
例示としての実施態様を以下に纏める。
例示としての実施態様では、本発明は、次式による構造を有する化合物
Figure 2010530881
(式中、Rは、H及び負電荷から選択されるメンバーであり;Rは、H、シアノ、置換又は非置換ニトロアルキル及び置換又は非置換アミノアルキルから選択されるメンバーであり;Rは、H及び−YRから選択されるメンバーであり;ここで、Yは、O及びSから選択されるメンバーであり;Rは、H、置換又は非置換アルキル及び置換又は非置換ヘテロアルキルから選択されるメンバーであり;ただし、R及びRは、両方ともHであり得ず;ただし、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、任意選択により結合して6〜10員の置換又は非置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;ただし、RがHであるとき、Rは、非置換ベンジルオキシ、−OCHCOOH、メトキシ、エトキシから選択されるメンバーである構造を有さず、ただし、RがHであるとき、Rはシアノではない)又はその塩を提供する。
上記のパラグラフによる例示としての実施態様では、次式による構造を有する:
Figure 2010530881
式中、Cは、炭素原子であり、ただし、RがHではないとき、Cは(R)及び(S)から選択されるメンバーである配置を有する立体中心である。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、Rは、−(CR2021NR2223であり、ここで、nは、1〜10から選択される整数であり;各R20及び各R21は、H、R26、OR26、NR2627、SR26、−S(O)R26、−S(O)26、−S(O)NR2627、−C(O)R27、−C(O)OR27、−C(O)NR2627から独立して選択されるメンバーであり;R22及びR23は、H、−S(O)R28、−S(O)28、−S(O)NR2829、−C(O)R28、−C(O)OR28、−C(O)NR2829、ニトロ、ハロゲン、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーであり;ここで、各R26、各R27、各R28、及び各R29は、H、ニトロ、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである)。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、nは、1〜5から選択される整数である。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、nは、1である。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、R20は、置換又は非置換アルキルである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、R20は、非置換アルキルである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、R20は、C−C非置換アルキルである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、R20は、メチルである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、R21は、Hである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、R23は、Hである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、Rは、シアノ及び−CHNOから選択されるメンバーである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、R22は、−C(O)R28及び−C(O)OR28から選択されるメンバーである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、R28は、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、及び置換又は非置換アリールから選択されるメンバーである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、R28は、−(CR303132から選択されるメンバーであり、ここで、R32は、置換又は非置換アリール、−NR3334及び/又はOR33から選択されるメンバーであり、ここで、mは、0〜10から選択される整数であり;各R33及び各R34は、H、ニトロ、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、R28は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、Rは、
Figure 2010530881
であり、式中、aは、1〜10から選択されるメンバーであり;各R10及び各R11は、H、置換又は非置換アルキル、OH及びNHから選択されるメンバーであり;R12は、H、R、ハロゲン、シアノ、アミジノ、OR、NR、SR、−N(R)S(O)、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NRから選択されるメンバーであり;ここで、各R及び各Rは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、aは、1〜5から選択される整数である。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、aは、2〜4から選択される整数である。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、各R10及び各R11は、H、置換又は非置換アルキル、OH及びNHから選択されるメンバーである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、各R10及び各R11は、H、ヒドロキシアルキル及びNHから選択されるメンバーである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、少なくとも1つR10又はR11は、ヒドロキシアルキル及びNHから選択されるメンバーである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、各R10及び各R11は、Hである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、R12は、H、シアノ、アミジノ、−N(R)S(O)、OR、NR、−C(O)OR、−C(O)NRから選択されるメンバーであり;各R及び各RはH置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、各R及び各Rは、H、−C(O)R、−C(O)NHR、置換又は非置換C−Cアルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーであり;ここで、Rは、置換又は非置換C−Cアルキルである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、R及びRから選択される少なくとも1つのメンバーは、−C(O)R及び−C(O)NHRから独立して選択されるメンバーであり;ここで、Rは、置換又は非置換C−Cアルキルである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、R12は、OH、NH、メチル、エチル、−NHS(O)CH、シアノ、−NHC(O)CH、−NHC(O)NHCHCH、−C(O)NH、−C(O)OH、4−(メトキシ)フェニル、ベンジル、−NHC(O)OCHPh、−C(O)NHCHCHOH及び−C(NH)(NH)から選択されるメンバーである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、R12がORを含むとき、上記Rはヒドロキシ保護基を含み;R12がNRを含むとき、上記R又はRの少なくとも1つはアミノ保護基を含む。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、Rは、H、−CHNH及び−CHNOから選択されるメンバーであり;R12は、OH、NH、メチル、エチル、−NHS(O)CH、シアノ、−NHC(O)CH、−NHC(O)NHCHCH、−C(O)NH、−C(O)OH、4−(メトキシ)フェニル、ベンジル、−NHC(O)OCHPh、−C(O)NHCHCHOH及び−C(NH)(NH)から選択されるメンバーである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、Rは、H、−CHNH及び−CHNOから選択されるメンバーであり;Rは、H、−O(CHNH、−O(CHOH、−OCHCH、−O(CHNHS(O)CH、−O(CHCN、−O(CHNHC(O)CH、−O(CHNHCH、−O(CHOCH、−O(CHOH、−OCH、−O(CHNHC(O)NHCHCH、−O(CHC(O)NH、−O(CHC(O)OH、−O(CHNH、−O(CHNH、−OCHCHCH(NH)CHOH、−OCHPh(4−メトキシ)、−O(CHOCHPh、−O(CHNHC(O)OCHPh、−OCHC(O)NH(CHOH、−O(CHNHC(O)CH、−O(CHC(NH)(NH)、−C(O)OCH、−OCHC(O)OH、及び−OCHCH(CHOH)(CH)OHから選択されるメンバーである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、RがHであるとき、Rは−O(CHNH、−O(CHNHS(O)CH、−O(CHCN、−O(CHNHC(O)CH、−O(CHNHCH、−O(CHOH、−O(CHNHC(O)NHCHCH、−O(CHC(O)NH、−O(CHC(O)OH、−O(CHNH、−O(CHNH、−OCHCHCH(NH)CHOH、−OCHPh(4−メトキシ)、−O(CHOCHPh、−OCHC(O)NH(CHOH、及び−OCHCH(CHOH)(CH)OHから選択されるメンバーであり;Rが−CHNHであるとき、Rは、H、−O(CHOH、−OCHCH、−O(CHOCH、−OCH、−O(CHNH、−O(CHNHS(O)CH、−O(CHNHC(O)OCHPh、−O(CHNHC(O)CH、−O(CHNHから選択されるメンバーであり;Rが−CHNOであるとき、Rは−O(CHCN及び−OCHCHから選択されるメンバーである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、RがHであるとき、Rは−O(CHNH、−O(CHNHS(O)CH、−O(CHCN、−O(CHNHC(O)CH、−O(CHNHCH、−O(CHOH、−O(CHNHC(O)NHCHCH、−O(CHC(O)NH、−O(CHC(O)OH、−O(CHNH、−O(CHNH、−OCHCHCH(NH)CHOHから選択されるメンバーであり;Rが−CHNHであるとき、RはH、−O(CHOH、−OCHCH、−O(CHOCH、−OCHから選択されるメンバーである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、RがHであるとき、Rは、−O(CHNH、−O(CHCN、−O(CHNHC(O)CH、−O(CHNHCHから選択されるメンバーであり;Rが−CHNHであるとき、RはH、−O(CHOH、及び−OCHCHから選択されるメンバーである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである構造である。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、本発明は、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである式による構造を有する化合物(Rは、H及び負電荷から選択されるメンバーであり;Rは、H及び−SO−Rから選択されるメンバーであり;Rは、非置換フェニル及び非置換ピリジニルから選択されるメンバーであり;Rは、H、シアノ、置換又は非置換ニトロアルキル及び置換又は非置換アミノアルキルから選択されるメンバーである)又はその塩を提供する。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、
Figure 2010530881
から選択されるメンバーである式による構造を有し、式中、Cは、炭素原子であり;ただし、RがHではないとき、Cは(R)及び(S)から選択されるメンバーである配置を有する立体中心である。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、Rは、H、−CHNH及び−CHNOから選択されるメンバーである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、Rは、Hである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、RがHではなく、前記C立体中心は(S)配置である。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、Rは−CHNHである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、上記アルキルは、直鎖アルキル及び分枝アルキルから選択されるメンバーであり、ここで、上記ヘテロアルキルは、直鎖ヘテロアルキル及び分枝ヘテロアルキルから選択されるメンバーである。上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、本発明は、a)本明細書に記載の化合物の第1の立体異性体(式中、RはHではない);b)上記第1の立体異性体の少なくとも1つ別の立体異性体を含有する組成物であって、前記第1の立体異性体が前記少なくとも1つ別の立体異性体に対して少なくとも80%の鏡像体過剰で存在する、組成物を提供する。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、上記鏡像体過剰は、少なくとも92%である。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、第1の立体異性体のC立体中心は、(S)配置である。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、Rは、−CHNHである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、本発明は、RはHではなく、前記C立体中心が(S)配置である本明細書に記載の化合物を含有する組成物であって、当該化合物のエナンチオマーを実質的に含まない組成物を提供する。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、本発明は、本明細書に記載の化合物を含有する組成物であって、当該化合物のエナンチオマーを実質的に含まない組成物を提供する。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、本発明は、
本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩とともに少なくとも1つ他の治療活性剤を含有する組み合わせを提供する。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、組み合わせは単位剤形である。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、本発明は、a)本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;及びb)薬学的に許容される賦形剤を含有する医薬製剤を提供する。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、医薬製剤は、単位剤形である。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、本発明は、酵素を本明細書に記載の化合物と接触させることによって酵素を阻害することを含む酵素の阻害方法を提供する。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、本発明は、酵素を本明細書に記載される医薬製剤と接触させることによって酵素を阻害することを含む酵素の阻害方法を提供する。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、酵素は、修正ドメイン含むt−RNA合成酵素である。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、酵素は、ロイシルt−RNA合成酵素である。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、本発明は、微生物を有効量の本明細書に記載の化合物と接触させることによって微生物を殺滅及び/又は防止することを含む、微生物を殺滅及び/又は防止する方法を提供する。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、本発明は、微生物を有効量の本明細書に記載される医薬製剤と接触させることによって微生物を殺滅及び/又は防止することを含む、微生物を殺滅及び/又は防止する方法を提供する。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、微生物は、細菌である。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、本発明は、動物に治療上有効な量の本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することによって疾患を治療及び/又は防止することを含む、疾患動物における治療及び/又は防止方法を提供する。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、本発明は、動物に治療上有効な量の本明細書に記載される医薬製剤又はその薬学的に許容される塩を投与することによって疾患を治療及び/又は防止することを含む、疾患動物における治療及び/又は防止方法を提供する。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、疾患は、肺炎である。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、動物は、ヒトである。
上記のパラグラフのいずれかによる例示としての実施態様では、塩は、薬学的に許容される塩である。
本発明はさらに以下の実施例によって例示される。実施例は、本発明の範囲を規定又は限定するものではない。
使用した溶媒はいずれも市販のものであり、さらに精製することなく使用した。反応は主に無水溶媒を用いてNの不活性雰囲気下にて実施した。
H、13C、19F NMRスペクトルについては、Varian 400 ATB PFGプローブを備えたOxford AS400 Spectrometerを用いて、Varian 300 MercuryPlusステーションにて、プロトンでは400MHz、炭素−13では100MHz、フッ素−19では376MHzで記録した。重水素化溶媒にはいずれも、主に0.03%から0.05%v/vのテトラメチルシランを含有するものを基準シグナルとして用いた(H及び13Cの両方でδ0.00に設定)。
化合物の名前は、ChemDraw 7.0を用いて名付けるか、商業利用可能なカタログ名がある場合はそれを使用した。
Alliance 2795 (LC)及びWaters Micromass ZQ検出器からなるWaters MSで120℃にて質量スペクトルを記録した。質量分析計には、陽モード又は陰モードで動作させるエレクトロスプレーイオン源(ESI)を取り付けた。この質量分析計で、走査時間を0.3sとしてm/z=100〜1000での走査を実施した。
C、H及びN組成物の元素分析は、Costech Instrument Elemental Combustion System ECS4010を用いて、ヘリウムフロー100mL/分(14psi)、酸素20mL/分(10psi)、空気25psi、パージ50mL/分で実施した。報告した分析結果は、2回の分析の平均である。
Water 600 ControllerシステムでWaters 717 Plus AutosamplerとWaters 2996 Photodiode Array Detectorを用いてHPLC分析を実施した。使用したカラムは、ACE C18、5μm、4.6×150mmであった。95%A(A:0.1%HPO水溶液)で開始して90%B(B:MeCN)で終わる6分間の直線勾配を適用し、続いて10分間のマークまで90%Bに維持した。次に、3分の間に95:5までカラムを再平衡化し、合計の実施時間を20分とした。カラム温度はrt、流量は1.0mL/分とした。Diode Array Detectorを200〜400nmで走査した。ベースラインサブトラクションが必要な高純度試料では、99%A(A:0.1%HPO水溶液)で開始して90%B(B:MeCN)で終わる15分間の直線勾配を適用した。次に、3分の間にカラムを99%Aまで再平衡化し、合計の実施時間を23分とした。カラム温度はrt、流量は1.0mL/分とした。Diode Array Detectorを200〜400nmで走査した。純度の測定対象となる試料の直前にブランクのMeOH試料を流した。続いて、これを差し引きしてベースライン差し引き後のクロマトグラムを得た。
Mancherey-Nagelから入手したAlugram(登録商標)(シリカゲル60 F254)で薄層クロマトグラフィ(TLC)を実施し、主にUVを用いてスポットを可視化した。場合によっては別の可視化方法も採用した。これらの事例では、TLCプレートを、ヨウ素(約1gのIを10gのシリカゲルに加え、十分に混合して生成)、バニリン(約1gのバニリンを100mLの10%HSOに溶解させて生成)、過マンガン酸カリウム(1.5gのKMnO及び10gのKCOを1.25mLのNaOH及び200mLのHOに溶解させて生成)、ニンヒドリン(Aldrichから業務入手)又はMagic Stain(25gの(NHMo24・4HO、5gの(NHCe(IV)(NOを450mLのHO及び50mLの濃HSO中にて十分に混合して生成)で発色させて、化合物を可視化した。主にSilicycle製の40〜63μm(230〜400メッシュ)のシリカゲルを使用し、Stillらによって開示された技術と同様の技術に準じて、フラッシュクロマトグラフィを実施した。フラッシュクロマトグラフィ又は薄層クロマトグラフィ(TLC)で用いた主な溶媒は、CHCl/MeOH、CHCl/MeOH、EtOAc/MeOH及びヘキサン/EtOAcの混合物であった。Biotage C18カートリッジ及びHO/MeOH勾配(主に5%MeOH/HOから90%MeOH/HOで溶出)を用いて、Biotage(登録商標)で逆相フラッシュクロマトグラフィを実施した。
Waters 2487 Diode Arrayを用いるWaters Prep LC 4000 System又はWaters LC Module 1 plusのいずれかで、分取クロマトグラフィを実施した。カラムには、Waters×Terra Prep C18、5μm、30×100mm、Phenomenex Luna C18、5μm、21.6×250mm又はPhenomenex Gemini C18、5μm、100×30mmのいずれかを用いた。MeCN/HO(0.1%TFA、0.1%AcOH、0.1%HCOH又は0.1%NHOAcのいずれかを含有する水)での狭い勾配を用いて、流量約20mL/分、合計実施時間20〜30分で化合物を溶出させた。
A2及びA49などの鏡像体過剰率を判断するために、Waters 600 Controller及びMultisolvent Delivery SystemにてWaters 717+ Autosampler及びWaters 996 Photodiode Array Detectorを使用して、Crownpak CR(+)カラムでキラルHPLC分析を実施し、pH1の過塩素酸とHO/MeOHが85:15の移動相で溶出させた。pH1の過塩素酸については、16.3gの70%過塩素酸を1Lの蒸留HOに加えて生成した。
出発物質には、商業的な供給源から入手可能なものか文献に記載の手順で調製したものを使用し、報告内容に基づいて実験データを得た。たとえば6−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C50)を、米国特許出願公開第20060234981号及び同第20070155699号に記載の方法に基づいて合成できる。
実施例1
3−アミノメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール)塩酸塩(A1)
3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
Figure 2010530881
2−ホルミルフェニルボロン酸(3g、20.0mmol)を10℃で水10mL中の水酸化ナトリウム(850mg、1.05等量)の溶液に添加した。この懸濁液にニトロメタン(1.1mL、1等量)を添加し、次いで攪拌しながら室温に温めた。30分後、反応物を冷浴中で冷却し、3M HClで酸性化した。白色沈殿物を濾過し、空気乾燥して、3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール3.2g(82.9%)となった。
融点122−127℃。HNMR300MHz(DMSO−d)δ9.48(s、1H)、7.71−7.74(d、J=6.9Hz、1H)、7.47−7.54(m、2H)7.39(t、J=7.65Hz、1H)5.73−7.78(dd、J=2.7、J=9.0Hz、1H)、5.30−5.35(dd、J=3.0、J=13.5Hz、1H)、4.52−4.59(dd、J=13.5、J=9.3Hz、1H)。MSESI(−)192[M−H]。
Figure 2010530881
10%パラジウム−炭素を用いた3−アミノメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール)塩酸塩(A1)の合成
3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(0.5g、2.59mmol)を無水エタノールに溶解し、Nでフラッシングした。触媒量の10%パラジウム−炭素を添加し、バルーンを介して反応混合物をHで3回フラッシングした。Hの雰囲気下で24時間攪拌し、次いでセライトを通して濾過し、水2mLを添加し、真空で濃縮し、灰色の固体となった。この物質を最小量の無水エタノールに溶解し、中和し、塩酸で濃縮し、次いでエーテルを添加して、表題化合物を白色固体として沈殿させた。空気乾燥して295mg(57.1%)となった。
融点201−205℃.HNMR300MHz(DMSO−d)δ9.59(bs、1H)、8.33(bs、3H)、7.81−7.83(d、J=7.5Hz、1H)、7.35−7.50(m、3H)、5.34−5.37(d、J=10.2Hz、1H)、3.46(m、1H)、2.71(m、1H)。MSESI(−)162[M−H]、ESI(+)164[M+H]。
ラネーニッケルを用いた3−アミノメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール)塩酸塩(A1)の合成
エタノール(30mL)中の3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(965mg、5mmol)の溶液にアンモニア(エタノール中の2M溶液、18mL、36mmol)及びラネー2800ニッケル(小さじ1/3杯の水中スラリー)を添加した。反応混合物を45雰囲気で2時間、室温で水素化した。得られた混合物をセライトを通して濾過し、濾液を真空で濃縮し、粗製のアミンを生成した。アミンをジオキサン(10mL)に溶解し、HCl(ジオキサン中4M、5mL、20mmol)を添加した。1時間後、懸濁液を濃縮し、得られた固体をヘキサン、続いてエーテルで洗浄して、3−(アミノメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩(917mg、4.6mmol、92%収率)を白色固体として生成した。
3−(アミノメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩の再結晶化
3−(アミノメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩(1.0g)を水(3mL)に溶解し、次いで、乳濁の懸濁液が維持されるまで温かいアセトニトリル(約25〜30mL)を添加した。乳濁の溶液を室温に冷却し、さらにアセトニトリル70−80mLを添加した。30分後、綿毛状の白色懸濁液を濾過し、CHClで洗浄し、680mgの透明な3−(アミノメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩を生成した。
水酸化パラジウムを用いた3−アミノメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール)塩酸塩(A1)の合成
3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(25g、130mmol)を酢酸に溶解し、500mLのParrフラスコに入れた。20wt%水酸化パラジウム−炭素4gを添加し、反応混合物をHガスで3回フラッシングした。50psiのHに充填し、36時間浸透し、次いで触媒なしで濾過し、真空で蒸発した。この残渣をジクロロメタン100mLに溶解し、ジオキサン中の4M HCl50mLで酸性化して、粗製の塩酸塩を沈殿させた。30mLのメチルtert−ブチルエーテルの添加により、残留生成物が沈殿した。粗製物を1:2HO/ACN中で60℃で溶解することによって再結晶化し、次いで、飽和点が達成するまでACNを添加した。室温まで冷却することによって、白色結晶としての3−(アミノメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩13gが生成した(50.3%)。
触媒選択のための考察
3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オールの合成は、種々の水素化条件下で行うことができる。バルーン下での10%Pd/Cを用いた触媒水素化は非常に可変的であり、いくつかの場合では成功しなかった。一般に、高圧の水素が還元を完了させるのに必要である。ニトロ部分がホウ素原子との複合体を形成することが見出され、これがアミンへの還元を複雑化すると推測される。共溶媒としてアンモニアを用いることにより、この複合体が破壊し、大気圧又は高圧での還元が容易になる。
ラネーニッケルを触媒としてを用いることは、反応時間を劇的に加速する利点があるが、自然性が高く、火災危険を避けるために、湿気を維持することが必要である。大規模(25g)な還元を水酸化パラジウム触媒および溶媒としての酢酸を含むParr器具において行う。この方法論は良好な収率を与え、ラネーニッケルの速度及びパラジウム−炭素の各々の使用の間のバランスをとる。
(R)−3−アミノメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール)塩酸塩(A60)
2−ブロモ−1−(2−ブロモフェニル)エタノン
Figure 2010530881
Chem.Pharm.Bull.,1992,40(5),1170-1176を参照。臭素(12.6mL、0.246mol、1.0等量)をジエチルエーテル(250mL)中の2’−ブロモアセトフェノン(48.9g、0.246mol、1.0等量)に室温でゆっくりと添加し、2時間攪拌した。水(500mL)を添加し、橙色がなくなるまで反応混合物を攪拌した。相を分離し、水層をジエチルエーテル(3×250mL)で抽出した。合わせた有機相を塩水(250mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、(1)を橙色のオイル(65g、95%)として得た。
TLC、(20%EtO:石油)R=0.61;δ(300MHz、CDCl)7.62(1H、dd、J=7.7、1.2Hz)、7.49−7.31(3H、m)、4.49(2H、s)。
(R)−2−ブロモ−1−(2−ブロモフェニル)エタノール
Figure 2010530881
(R)−(+)−2−メチル−CBS−オキサザボロリジン(10.3mL、1.0Minトルエン、10.3mmol、0.11等量)をTHF(250mL)中のの攪拌溶液(1)(26.0g、93.5mmol、1.0等量)に添加した。反応混合物を−10℃に冷却し、BH・THF(112mL、THF中の1.0M、112.3mmol、1.20等量)を4時間にわたって添加した。反応混合物をさらに45分間−10℃で攪拌した後、メタノール(130mL)を添加した。反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%EtO:石油エーテル)にかけ、淡黄色のオイルとして生成物(2)を得た(25.1g、96%)。
TLC、(10%EtO:石油)R=0.20;δ(300MHz、CDCl)7.40(1H、d、J=7.78Hz)、7.32(1H、d、J=7.9Hz)、7.15(1H、t、J=7.5Hz)、6.97(1H、t、J=7.6Hz)、5.05(1H、td、J=8.6、3.0Hz)、3.56(1H、dd、J=10.5、2.6Hz)、3.20(1H、dd、J=10.5、8.8Hz)、3.01−2.92(1H、m)。
(R)−2−アジド−1−(2−ブロモフェニル)エタノール
Figure 2010530881
Tetrahedron: Asymmetry 2005, 16, 3633-3639を参照。ナトリウムアジド(3.5g、54.4mmol、1.05等量)をDMF(55mL)中の(2)(14.5g、51.8mmol、1.00等量)の溶液に室温で添加した。次いで反応混合物を24時間80℃に加熱した。水(150mL)を添加し、次いでこの溶液をジエチルエーテル(3x150mL)で抽出した。合わせた有機相を塩水(50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(15%EtO:石油エーテル)にかけ、(4)を黄色のオイルとして生成した(9.5g、76%)。
TLC、(15%EtO:石油)R=0.36;δ(300MHz、CDCl)7.64(1H、dd、J=7.8、1.4Hz、)、7.56(1H、dd、J=7.9、1.1Hz)、7.40(1H、dt、J=7.6、0.8Hz)、7.21(1H、dt、J=7.7、1.7Hz)、5.28(1H、d、J=8.0Hz)、3.60(1H、dd、J=12.7、2.8Hz)、3.37(1H、dd、J=12.7、8.2Hz)、2.68(1H、bs)。
Figure 2010530881
トルエン(300mL)中の(4)(9.3g、38.4mmol、1.00等量)の溶液にホウ酸トリイソプロピル(13.3mL、57.6mmol、1.50等量)を添加した。反応フラスコはDean及びStark濃縮器を具備し、反応混合物を還流して、約300mLの液体を除去した。dark反応混合物を室温に冷却し、THF(250mL)を添加し、次いで−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(17.7mL、ヘキサン中2.5M、44.2mmol、1.15等量)を−78℃で反応混合物に滴下して添加し、次いでこの温度で30分間攪拌した。次いで反応混合物を室温に温め、これを3時間攪拌した後、6M HCl(30mL)でクエンチした。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20%EtO:石油エーテルから30%EtO:石油エーテルへ)にかけ、生成物(5)を黄色の粘性オイルとして得た。(4.9g、67%)。
TLC、(40%EtO:石油)R=0.47;δ(300MHz、DMSO)9.39(1H、s)、7.74(1H、d、J=7.1Hz)、7.47(2H、s)、7.43−7.33(1H、m)、5.35(1H、dd、J=5.8、2.8Hz)、3.83(1H、dd、J=13.1、2.9Hz)、3.49(1H、dd、J=13.1、6.2Hz)。
Figure 2010530881
メタノール(150mL)中の(5)(2.75g、14.6mmol、1.0等量)の溶液にトリフェニルホスフィン(3.82g、14.6mmol、1.0等量)を添加し、これを3時間室温で攪拌した。濃縮しHCl(7.0mL)を添加し、反応混合物をさらに2時間攪拌した後、濃縮して減圧下で乾燥した。ジクロロメタンを添加し、これを2M HCl(5x10mL)で抽出した。合わせた水層をジクロロメタン(10mL)で洗浄した後、減圧下で濃縮した。次いで残渣を温水/アセトニトリル(化合物グラムあたり3mL水/50−80mLアセトニトリル)から再結晶化し、生成物(6)を白色固体(1.2g、41%)として得た。
融点224−228℃;[α] 27=−47.5°(c1.9、HO)δ(300MHz、DMSO+DO)7.76(1H、d、J=7.0Hz)、7.58−7.36(3H、m)、5.31(1H、d、J=9.0Hz)、3.47(1H、d、J=1,3,2Hz)、2.73(1H、dd、J=12.8、10.0Hz)δ(75.5MHz、CDCl)131.67、131.22、128.63、122.05、77.06、44.11;HRMS(ESI):C13BNO[M+CHについての計算値178.1039、実験値178.1036.
(S)−3−アミノメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール)塩酸塩(A2)
(S)−2−ブロモ−1−(2−ブロモフェニル)エタノール
Figure 2010530881
(S)−(−)−2−メチル−CBS−オキサザボロリジン(15.8mL、トルエン中1.0M、15.8mmol、0.11等量)をTHF(400mL)中の(1)(40.0g、143mmol、1.0等量)の攪拌溶液に添加した。反応混合物を−10℃に冷却し、BH・THF(172mL、THF中1.0M、172mmol、1.20等量)を4時間にわたって添加した。反応混合物をさらに45分間−10℃で攪拌した後、メタノール(180mL)を添加した。反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%EtO:石油エーテル)にかけ、生成物(7)を無色のオイル(37.3g、93%)として得た。
TLC、(10%EtO:石油)R=0.25;δ(300MHz、CDCl)7.62(1H、dd、J=7.8、1.4Hz)、7.54(1H、dd、J=7.9、1.0Hz)、7.37(1H、dt、J=7.6、0.9Hz)、7.19(1H、dt、J=7.7、1.5Hz)、5.26(1H、td、J=8.8、3.0Hz)、3.80(1H、dd、J=10.5、2.8Hz)、3.42(1H、dd、J=10.5、8.9Hz)、2.89−2.84(1H、m)。
(S)−2−アジド−1−(2−ブロモフェニル)エタノール
Figure 2010530881
Tetrahedron: Asymmetry 2005, 16, 3633-3639を参照。ナトリウムアジド(9.7g、149.5mmol、1.2等量)を、DMF(140mL)中の(7)(35.0g、124.5mmol、1.0等量)の溶液に室温で添加した。次いで反応混合物を80℃に24時間加熱した。水(450mL)を添加し、次いでこの溶液をジエチルエーテル(3×500mL)で抽出した。合わせた有機相を塩水(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(15%EtO:石油エーテル)にかけ、(8)を橙色オイルとして生成した(24.3g、80%)。
TLC、(10%EtO:石油)R=0.18;δ(300MHz、CDCl)7.60(1H、dd、J=7.8、1.4Hz、)、7.52(1H、dd、J=7.9、1.1Hz)、7.36(1H、dt、J=7.6、0.8Hz)、7.17(1H、dt、J=7.7、1.7Hz)、5.28−5.19(1H、m)、3.55(1H、dd、J=12.7、2.8Hz)、3.33(1H、dd、J=12.7、8.2Hz)、2.94(1Hd、J=3.5Hz)。
Figure 2010530881
トルエン(460mL)中の(8)(23g、94.6mmol、1.00等量)の溶液にホウ酸トリイソプロピル(32mL、142.0mmol、1.50等量)を添加した。反応フラスコはDean及びStark濃縮器を具備し、反応混合物を還流して、液体約450mLを除去した。dark反応混合物を室温に冷却し、THF(400mL)を添加し、次いで−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(43.5mL、ヘキサン中2.5M、108.8mmol、1.15等量)を−78℃で反応混合物に滴下して添加し、次いで30分間この温度で攪拌した。次いで反応混合物を室温に温め、それを3時間攪拌した後、6M HCl(70mL)でクエンチした。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20%EtO:石油エーテルから30%EtO:石油エーテルへ)にかけ、生成物(9)を橙色の粘性オイル(6.1g、34%)として得た。
TLC、(30%EtO:石油)R=0.34;δ(300MHz、DMSO)9.39(1H、s)、7.74(1H、d、J=7.1Hz)、7.52−7.43(2H、m)、7.43−7.33(1H、m)、5.35(1H、dd、J=5.8、2.8Hz)、3.83(1H、dd、J=13.1、2.8Hz)、3.49(1H、dd、J=13.1、6.2Hz)。
Figure 2010530881
アセトニトリル(50mL)中のアジド(9)(1.0g、5.3mmol、1.0等量)の溶液に、トリフェニルホスフィン(2.7g、10.5mmol、2.0等量)、次いで濃HCl(1mL、10.5mmol、2.0等量)を添加した。橙色溶液を18時間攪拌し、次いで濾過した。沈殿物をジクロロメタンで洗浄し、生成物(10)を白色固体として生成した(680mg、65%)。
融点227−230℃;[α] 27=+48.6°(c2.0、HO)δ(300MHz、DMSO+DO)7.76(1H、d、J=6.9Hz)、7.57−7.35(3H、m)、5.31(1H、d、J=8.1Hz)、3.47(1H、d、J=13.4Hz)、2.72(1H、dd、J=12.8、9.9Hz)δ(75.5MHz、CDCl)152.39、131.63、131.23、128.59、122.07、77.09、44.11;HRMS(ESI):C11BNO[M+H]についての計算値164.0882、実験値164.0868。
(S)−3−アミノメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール)塩酸塩(A2)の代替合成
3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
Figure 2010530881
2−ホルミルフェニルボロン酸(25g、0.167mol)を83mL中の水酸化ナトリウム(7.0g、0.175mol、1.05等量)の溶液水に10℃で添加し、冷却した。ニトロメタン(10.17g、1等量)をこの溶液に添加し、次いで攪拌しながら室温に温めた。この混合物を3.5時間攪拌した。次いで反応物を冷浴中で冷却し、3M HClで酸性化してpH2とした。白色沈殿物を回収し、濾過し、水で洗浄し、空気乾燥して、3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(オフホワイト固体)28g(87%)を得た。
水酸化パラジウムを用いた3−アミノメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール)塩酸塩(A1)の合成
Figure 2010530881
3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(20g、103mmol)を氷酢酸(200mL)に溶解し、500mLParrフラスコに入れた。フラスコをNで20分間パージした。20wt%水酸化パラジウム−炭素(パールマン触媒)4.2gを添加し、反応混合物を水素で3回フラッシングし、45〜55psiで36時間水素化した。混合物をセライトを通して濾過し、触媒を除去した。次いで、酢酸溶媒を真空下で40−50℃蒸発し、粗製のオイルとなった。粗製のオイルをジクロロメタン250mLに溶解し、0−5℃に冷却した。次いで、HClガスを溶液を通して25分間バブリングした。エーテル(150mL)を添加し、さらに黄色固体を沈殿させ、これを濾過し、エーテルで洗浄し、蒸発して乾燥した。黄色固体(37%)7.8gを得た。
(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(Boc−A1)
Figure 2010530881
粗製のアミン(7.4グラム、0.037moles)をtert−ブタノール40ml中で室温で懸濁した。水50mL中のKOH(5.4グラム、0.82moles)を添加した。懸濁液を冷浴で冷却し、次いで固体BOCO(8.51グラム、0.039moles)を数回に分けて10分間にわたって添加した。反応混合物を室温で24時間攪拌した。次いで、ジクロロメタン150mLを添加した。次いで形成した有機層を分離し、水層をジクロロメタン100mで2回抽出した。抽出液を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発した。ジクロロメタン/メタノール95:5を用いたフラッシングしリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、4.4グラム(45%収率)を生成した。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.20(s、1H)、7.72(d、J=7.0Hz、1H)、7.46(t、J=7.2Hz、1H)、7.42−7.31(m、2H)、7.00(t、J=5.5Hz、1H)、5.13(dd、J=6.8、4.5Hz、1H)、3.45−3.29(m、1H)、3.05(ddd、J=13.7、6.6、6.2Hz、1H)、1.37(s、9H);MS(ESI):m/z=262(M−1、負);HPLC純度:99.20%(MaxPlot200〜400nm);C1318BNOについての分析値:C59.35%;H6.90%;N5.32%、実験値%:C59.37%;H7.14%;N5.58%.
(S)−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(BocA2)
Figure 2010530881
BocA12.1gを、キラルPAKAYカラム及び溶離剤としての10%エタノール/ヘキサンを用いて25℃でキラルHPLCにより分解した。UV検出を265nmでモニタリングした。2つのピーク物(BocA2及びBocA60)を回収し、蒸発し、黄色のオイルとした。キラルPAKAY4.6mmID×250mm分析カラム及び同じ移動相を用いたプールした分画の分析では、保持時間3.998分及び99.8%eeであるBocA2[910mg(86.7%収率)]が示された。BocA60[600mg(57.1%収率)]は、保持時間4.889分及び97.5%eeであった。
(S)−3−アミノメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール)塩酸塩(A2)
Figure 2010530881
BocA2(910mg)をEtOAc(200mL)に溶解し、濃HClで処理し、沈殿物が形成されるまで3時間音波処理した。反応物を−10℃に一晩冷却し、次いで濾過した。オフホワイト固体を回収し、空気乾燥して340mgとした。この物質を水性アセトニトリルから再結晶化し、乾燥後、白色固体242mgを生成した。
MP214−216℃;HNMR300MHz(DMSO−d)δ9.59(bs、1H)、8.33(bs、3H)、7.81−7.83(d、J=7.5Hz、1H)、7.35−7.50(m、3H)、5.34−5.37(d、J=10.2Hz、1H)、3.46(m、1H)、2.71(m、1H);MSESI(−)162[M−H]、ESI(+)164[M+H];[α]D31=+71.0°(c2.0、HO)[絶対配置(S)]
ピリジン−2−スルホン酸(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)−アミド(A3)
Figure 2010530881
一般手順1:C50(0.843g、5.66mmol)、MeCN(20mL)、KCO(3.13g、22.6mmol)、及びピリジン−2−塩化スルホニル(1.21g、5.66mmol)。反応物をNMM(0.249mL、22.6mmol)を用いて再出発し、すべてのC50を消費した。精製:酸性HOからの沈殿。A3を淡クリーム色の固体として単離した:収量462mg(28%)。
融点252−255℃;HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):10.50(s、1H)、9.18(s、1H)、8.70(ddd、J=4.7、2.0、1.2Hz、1H)、8.03(td、J=7.8、1.6Hz、1H)、7.91(dt、J=7.8、1.2Hz、1H)、7.62(ddd、J=7.8、4.7、1.2Hz、1H)、7.50(bs、1H)、7.26−7.20(m、2H)、4.87(s、2H);MS(ESI)m/z=291(M+1、正);HPLC純度:95.63%(MaxPlot200〜400nm)、95.50%(220nm)、95.02%(254nm)。C1211BNSについての分析値:C49.68%;H3.82%;N9.66%、実験値:C50.13%;H3.89%;N9.88%.
ピリジン−3−スルホン酸(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)−アミド(A4)
Figure 2010530881
一般手順1:C50(0.800g、5.37mmol)、MeCN(30mL)、KCO(3.13g、22.6mmol)、及びピリジン−3−塩化スルホニル(1.21g、5.66mmol)。反応物をNMM(0.249mL、22.6mmol)を用いて再出発し、すべてのC50を消費した。精製:HOからの沈殿、フラッシュクロマトグラフィー(95:5CHCl/MeOH)、次いでHOからの沈殿。A4を淡黄色固体として単離した:収量343mg(22%)。
融点197−199℃;HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):10.46(s、1H)、9.22(s、1H)、8.56(dd、J=2.3、0.8Hz、1H)、8.77(dd、J=5.1、1.6Hz、1H)、8.07(ddd、J=8.2、2.3、1.6Hz、1H)、7.59(ddd、J=8.2、5.1、0.8Hz、1H)、7.49(d、J=2.0Hz、1H)、7.29(dd、J=8.2、0.8Hz、1H)、7.18(dd、J=8.2、2.3Hz、1H)、4.89(s、2H);MS(ESI)m/z=291(M+1、正);HPLC純度:98.87%(MaxPlot200〜400nm)、98.30%(220nm)、97.33%(254nm)。C1211BNS・0.33HOについての分析値:C48.68%;H3.97%;N9.46%、実験値:C48.76%;H3.83%;N9.89%.
4−(3−アミノメチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−ブチルアミド酢酸塩(A5)
Figure 2010530881
4−[2−(5,5−ジメチル[1,3,2]ジオキサボリナン−2−イル)−3−ホルミル−フェノキシ]−酪酸エチルエステル
Figure 2010530881
無水THF(600mL)中の4−(2−ブロモ−3−ホルミル−フェノキシ)−酪酸エチルエステル(5.50g、17.5mmol)、ビス(ネオペンチルグルコネート)ジボロン(6.80g、30.1mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(1.30g、1.79mmol)、及びKOAc(5.30g、54.1mmol)の混合物を攪拌しながらNの雰囲気下でO/Nで80℃(浴温)に加熱した。次いで混合物をセライトを通して濾過し、真空で濃縮し、元の体積のほぼ4分の1となった。得られた沈殿物を濾過によって単離した。沈殿物をTHF及びEtOAcで洗浄し、合わせた濾液を真空で濃縮し、オイルの残渣を得て、これを次の反応でさらに精製することなく直接用いた。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):9.95(s、1H)、7.47−7.39(m、2H)、7.09−7.07(m、1H)、4.14(q、J=7.2Hz、2H)、4.09−4.01(m、2H)、3.83(s、3H)、3.66(s、3H)、2.53(t、J=8.0Hz、2H)、2.19−2.07(m、2H)、1,3,2−1.22(m、3H)、0.98(s、6H)。
4−(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−酪酸エチルエステル
Figure 2010530881
MeNO(1.3mL、25mmol)を粗製4−[2−(5,5−ジメチル[1,3,2]ジオキサボリナン−2−イル)−3−ホルミル−フェノキシ]−酪酸メチルエステル(9.4g)、NaOH(1.0g、25mmol)及びMeCN(90mL)中のHO(35mL)の攪拌溶液に室温で滴下して添加した。混合物を室温でO/Nで攪拌し、次いで4M HClを用いて酸性化した(pH2)。THFを真空で除去し、水層をEtOAcで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10%から30%EtOAcへ)によって精製し、表題化合物を黄色のオイルとして得た:収量2.52g(45%、2工程)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.04(s、1H)、7.46−7.42(m、1H)、7.07−7.05(m、1H)、6.88−6.86(m、1H)、5.87(d、J=8.2Hz、1H)、5.69(dd、J=9.2、2.5Hz、1H)、5.29(dd、J=13.3、2.7Hz、1H)、4.14−3.94(m、5H)、2.55−2.44(m、2H)、2.02−1.88(m、2H)、1.16(t、J=7.2Hz、3H);MS(ESI)m/z=322(M−1、負)。
4−(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−酪酸
Figure 2010530881
4−(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−酪酸エチルエステル(2.51g、7.78mmol)、10%NaOH(17mL)、及び1:1 MeOH/HO(70mL)の混合物を室温で5時間攪拌した。MeOHを真空で除去し、残留水層を2M HClを用いてpH1に酸性化した。次いで水層をEtOAcで抽出した。有機分画を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空で濃縮し、表題化合物を淡黄色フォームとして得た:収量1.85g(81%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):12.08(bs、1H)、9.01(bs、1H)、7.46−7.41(m、1H)、7.06−7.04(m、1H)6.89−6.87(m、1H)、5.70(dd、J=7.0、2.3Hz、1H)、5.30(dd、J=13.3、2.3Hz、1H)、4.55(dd、J=13.6、4.2Hz、1H)、4.03(t、J=6.6Hz、2H)、2.40(t、J=7.5Hz、2H)、1.95−1.89(m、2H);MS(ESI)m/z=296(M+1、正)。
4−(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−ブチルアミド
Figure 2010530881
クロロギ酸エチル(80μL、0.83mmol)をTHF(4mL)中のEtN(0.35mL、4.7mmol)及び4−(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−酪酸(111mg、0.38mmol)の溶液に0℃(浴温)で滴下して添加した。混合物を0℃(浴温)で15分間攪拌し、次いで28%NHOH(0.5mL)を0℃(浴温)で滴下して添加した。混合物を20分間にわたって室温に温めた。沈殿物を濾過によって単離し、THF及びHOで洗浄し、表題化合物を淡黄色固体として得た:収量52mg(45%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):7.43−7.39(m、1H)、7.33(bs、1H)、7.04−7.02(m、1H)、6.86−6.84(m、1H)、6.61(bs、1H)、5.67(d、J=9.0Hz、1H)、5.26(dd、J=13.7、2.7Hz、1H)、4.52(dd、J=13.5、9.2Hz、1H)、4.00(t、J=6.2Hz、2H)、2.22(t、J=7.0Hz、2H)、1.93−1.90(m、2H);MS(ESI)m/z=295(M+1、正)。
4−(3−アミノメチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−ブチルアミド酢酸塩(A5)
Figure 2010530881
4−(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−ブチルアミド(50mg、0.17mmol)、ラネーNi(約20mg)、EtOH中の2M NH(1mL)、及びEtOH(100mL)の混合物をH(42psi)の雰囲気下で室温で4.5時間振とうした。混合物をセライトのパッドを通して濾過し、濾液を真空で濃縮した。MeOH(1mL)中の3N HClをすぐに添加し、残渣得られた混合物を真空で濃縮した。次いで残渣をによって精製し、分取HPLC(AcOH)。表題化合物を白色の凍結乾燥物として単離した:収量5mg(11%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d+DO+HCl)δ(ppm):8.14(bs、1H)、7.49−7.45(m、1H)、7.06−7.04(m、1H)、6.90−6.88(m、1H)、5.27(d、J=8.2Hz、1H)、4.04−4.01(m、2H)、2.81−2.76(m、1H)、2.25(t、J=7.0Hz、2H)、1.98−1.94(m、2H);MS(ESI)m/z=265(M+1、正)。
(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−酢酸(A6)
Figure 2010530881
(2−ブロモ−3−ホルミル−フェノキシ)−アセトニトリル
Figure 2010530881
一般手順4:2−ブロモ−3−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(20.1g、0.10mol)、BrCHCN(8.7mL、0.13mol)、KCO(20.73g、0.15mol)、及びDMF(60mL)。精製EtOAcからの沈殿により、表題化合物を白色結晶として得た(16.2g)。濾液を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン1:3)によって精製し、さらに3.68gを得た:収量19.88g(83%)。
[0466]HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):10.41(s、1H)、7.77−7.60(m、1H)、7.47(t、J=7.6Hz、1H)、7.34−7.19(m、1H)、4.91(s、2H)。
3−ホルミル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェノキシ]−アセトニトリル
Figure 2010530881
一般手順5:(2−ブロモ−3−ホルミル−フェノキシ)−アセトニトリル(14.4g、60.0mmol)、Bpin(30.47g、0.12mol)、KOAc(17.68g、0.18mol)、PdCl(dppf)・CHCl(3.51g、4.8mmol)、及びジオキサン(150mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%、次いで40%EtOAc)により、表題化合物を淡黄色固体として得た:収量11.38g(66%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):9.97(s、1H)、7.60−7.56(m、2H)、7.22−7.17(m、1H)、4.78(s、2H)、1.47(s、12H)。
1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−アセトニトリル
Figure 2010530881
一般手順7:3−ホルミル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェノキシ]−アセトニトリル(1.02g、4.0mmol)、NaBH(182mg、4.8mmol)、及びMeOH(10mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中2%MeOH)。表題化合物を白色固体として単離した:収量260mg(34%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.11(s、1H)、7.51(t、J=7.8Hz、1H)、7.11(d、J=7.4Hz、1H)、6.97(d、J=8.2Hz、1H)、5.25(s、2H)、4.97(s、2H);MS(ESI):m/z=188(M−1、負)。
(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−酢酸(A6)
Figure 2010530881
HCl(ガス)を4:1MeOH/HO(25mL)中の1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−アセトニトリル(1,3,2mg、0.67mmol)の溶液を通して0℃(浴温)で5分間バブリングした。反応混合物を0℃(浴温)で10分間、次いで室温で1時間攪拌した。MeOHを真空で除去し、水層を飽和NaHCOを用いてpH6に調整した。得られた沈殿物を濾過によって単離し、EtOで洗浄し、A6を白色固体として得た:収量105mg(76%)。
融点258−260℃;HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):7.35(t、J=7.6Hz、1H)、6.97(d、J=7.0Hz、1H)、6.77(d、J=7.8Hz、1H)、5.10(s、2H)、4.70−4.50(m、1H)、4.40−4.00(m、3H);MS(ESI):m/z=207(M−1、負);HPLC純度95.52%(MaxPlot)及び92.77%(220nm)。
2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−N−(2−ヒドロキシ−エチル)−アセトアミド(A7)
Figure 2010530881
N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−アセトアミド
Figure 2010530881
クロロギ酸イソブチル(250mg、1.83mmol)を無水THF(10mL)中のNMM(184mg、1.82mmol)及びA6(190mg、0.91mmol)の溶液にN下で0℃(浴温)で添加した。反応混合物を0℃(浴温)で40分間攪拌した。DMF(5mL)中の2−ベンジルオキシエチルアミン塩酸塩(171mg、0.91mmol)及びNMM(92mg、0.91mmol)の混合物を添加した。混合物を0℃(浴温)で20分間、次いで室温でO/Nで攪拌した。混合物を真空で濃縮し、残渣をEtOAc(100mL)に溶解した。有機層をHO(2×30mL)で洗浄し、次いで塩水、乾燥し(NaSO)、真空で濃縮し、表題化合物を得た:収量260mg(84%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):7.44(m、1H)、7.37−7.18(m、5H)、7.06−6.94(m、1H)、6.78−6.66(m、1H)、5.28(bs、1H)、5.03(bs、2H)、4.60(bs、2H)、4.49(bs、2H)、3.60(bs、4H)。
2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−N−(2−ヒドロキシ−エチル)−アセトアミド(A7)
Figure 2010530881
一般手順2:N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−アセトアミド(0.26g、0.76mmol)、氷AcOH(20mL)、及び20%Pd(OH)/C(50重量%−湿性)(50mg)。精製:分取HPLC(0.1%AcOH)、続いてHO(5mL)、MeOH(1mL)、及び2N HCl(2drops)の混合物中での溶解、濾過、及び濾液の凍結乾燥:収量55mg(29%)。
融点248−249℃;HNMR{400MHz、DMSO−d+DO(0.01mL)}δ(ppm):9.00(s、1H)、7.96(bs、1H)、7.43(t、J=7.8Hz、1H)、7.02(d、J=7.6Hz、1H)、6.84(d、J=8.2Hz、1H)、4.95(s、2H)、4.73(t、J=5.3Hz、1H)、4.56(s、2H)、3.44(t、J=5.9Hz、2H)、3.23(t、J=6.1Hz、2H);MS(ESI)m/z=250(M−1、負);HPLC純度:98.14%(MaxPlot)及び96.08%(220nm)。
7,8−ジヒドロ−2H−1,6,9−トリオキサ−9a−ボラ−ベンゾ[cd]アズレン(A8)
Figure 2010530881
2−ブロモ−3−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
一般手順3:2−ブロモ−3−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(7.04g;35mmol)、2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エタノール(5.0mL;35mmol)、PPh(9.18g;35mmol)、無水THF(200mL)、及びDIAD(6.9mL;35mmol)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン、次いで5%EtOAc/ヘキサン):収量7.22g(66%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):10.41(s、1H)、7.49(d、J=7.2Hz、1H)、7.32−7.25(m、6H)、7.08(d、J=8.0Hz、1H)、4.54(s、2H)、4.16(t、J=6.0Hz、2H)、3.74(t、J=5.8Hz、2H)、2.19−2.14(m、2H)。
3−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
一般手順5:2−ブロモ−3−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−ベンズアルデヒド(6.0g、19mmol)、KOAc(5.65g、57.5mmol)、Bpin(6.35g、25mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(0.70g、0.96mmol)、及び無水DMF(70mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン、次いで30%EtOAc/ヘキサン):収量2.07g(29%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):9.92(s、1H)、7.53−7.33(m、2H)、7.11(d、J=7.9Hz、1H)、4.65(bs、1H)、4.17−3.71(m、2H)、3.59−3.38(m、1H)、1.90−1.40(m、6H)、1.43(s、12H)、1.40−1.29(m、2H)。
7,8−ジヒドロ−2H−1,6,9−トリオキサ−9a−ボラ−ベンゾ[cd]アズレン(A8)
Figure 2010530881
一般手順7:3−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(0.93g、2.58mmol)、NaBH(195mg、5.16mmol)、及び無水MeOH(5mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン):収量230mg(51%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):7.40(t、J=7.8Hz、1H)、6.96(d、J=7.3Hz、1H)、6.84(d、J=8.2Hz、1H)、5.15(d、J=3.5Hz、2H)、4.62(d、J=12.9Hz、1H)、4.38(bs、2H)、4.21(d、J=9.7Hz、1H);MS(ESI)m/z=177(M+1、正);HPLC純度99.36%(MaxPlot)及び95.84%(220nm)。
4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−酪酸(A9)
Figure 2010530881
4−(2−ブロモ−3−ホルミル−フェノキシ)−酪酸エチルエステル
Figure 2010530881
一般手順1:2−ブロモ−3−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(0.30g、1.5mmol)、4−ブロモ酪酸エチルエスエル(0.30g、1.5mmol)、KCO(0.42g、3.0mmol)、及びDMF(5mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(2:8EtOAc/ヘキサン)。表題化合物を赤色の液体として単離した:収量0.23g(50%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):10.44(s、1H)7.52(d、J=7.8Hz、1H)7.36(t、J=8.0Hz、1H)7.12(d、J=7.8Hz、1H)4.20−4.02(m、4H)2.61(m、2H)2.2(dq、J=6.8、6.6Hz、2H)1.27(t、J=7.2Hz、3H);MS(ESI)m/z=317(M+1、正)。
3−[3−ホルミル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェノキシ]−プロピオン酸エチルエステル
Figure 2010530881
一般手順5:4−(2−ブロモ−3−ホルミル−フェノキシ)−酪酸エチルエステル(0.20g、6.3mmol)、Bpin(0.177g、6.9mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(0.025g、0.25mmol)、KOAc(0.185g、18.9mmol)、及び1,4−ジオキサン(5mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(1:5EtOAc/ヘキサン)。表題化合物を白色固体として単離した:収量0.13g(57%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):9.94(s、1H)、7.56−7.33(m、2H)、7.07(d、J=8.2Hz、1H)、4.14(q、J=7.2Hz、2H)、4.04(t、J=6.1Hz、2H)、2.55(t、J=7.4Hz、2H)、2.24−1.96(m、2H)、1.46(s、12H)、1.25(t、J=7.0Hz、3H);MS(ESI)m/z=361(M−1、負)。
3−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ−プロピオン酸エチルエステル
Figure 2010530881
一般手順7:3−[3−ホルミル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェノキシ]−プロピオン酸エチルエステル(2.2g、6.0mmol)、NaBH(0.40g、10mmol)、及びMeOH(25mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(1:10EtOAc/ヘキサン)。表題化合物を黄色液体として単離した:収量0.6g(40%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):8.7(s、1H)、7.44−7.40(m、1H)、6.90(d、J=7.6Hz、1H)、6.78(d、J=7.2Hz、1H)、4.91(s、2H)、4.11(t、J=6.7Hz、4H)、2.46(t、J=7.3Hz、2H)、2.10−1.96(m、2H)、1.22(t、J=7.1Hz、3H);MS(ESI)m/z=296(M+1、正)。
3−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ−プロピオン酸(A9)
Figure 2010530881
10%NaOH(2mL)を1:1 MeOH/HO(4mL)中の3−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ−プロピオン酸エチルエステル(0.20g、0.75mmol)の溶液に0℃で滴下して添加した。次いで混合物を室温に温め、2時間を攪拌した。次いでMeOHを真空で除去し、HO(3mL)を添加した。混合物をpH3に調整し、次いでEtOAcで抽出した。有機相をHO(5mL)で洗浄し、次いで塩水(5mL)、乾燥し、濃縮し、A9を白色粉末として得た:収量0.15g(85%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):11.35(s、1H)、9.08(s、1H)、7.44(t、J=7.1Hz、1H)、6.96(d、J=7.1Hz、1H)、6.85(d、J=7.2Hz、1H)、4.92(s、2H)、4.12(t、J=7.0Hz、2H)、2.36(t、J=7.0Hz、2H)1.95−1.86(m、2H);MS(ESI)m/z=237(M+1、正);HPLC純度:95.81%(MaxPlot200〜400nm)、95.20%(220nm)。
4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−ブチルアミド(A10)
Figure 2010530881
クロロギ酸エチル(80μL、0.84mmol)を無水THF(4mL)中のA9(105mg、0.44mmol)及びEtN(0.32mL、2.3mmol)の溶液に0℃(浴温)で滴下して添加した。溶液を0℃(浴温)で15分間攪拌し、次いで28%NHOH(0.5mL)を添加すると、白色沈殿物が形成した。懸濁液をさらに20分間室温で攪拌した。固体を濾過によって単離し、次いでHOに溶解し、凍結乾燥し、A10(48mg、46%)を白色固体として得た。HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):7.40−7.36(m、3H)、7.26(s、1H)、7.13(s、1H)、6.92−6.90(m、1H)、6.79−6.77(m、1H)、4.89(s、2H)、4.01(t、J=6.3Hz、2H)、2.22(t、J=7.0Hz、2H)、1.92−1.88(m、2H);MS(ESI)m/z=236(M+1、正);HPLC純度:95.14%(MaxPlot200〜400nm)、95.19%(220nm)。
7−(3−アミノ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール酢酸塩(A11)
Figure 2010530881
2−ブロモ−3−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドル−2−イル)−プロポキシ]−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
一般手順4:2−ブロモ−3−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(10.05g、50.0mmol)、2−(3−ブロモ−プロピル)−イソインドール−1,3−ジオン(16.1g、60.0mmol)、CsCO(40.7g、0.125mol)及びDMF(100mL):収量13.93g(72%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):10.22(s、1H)、7.89−7.73(m、4H)、7.46(t、J=7.8Hz、1H)、7.40−7.33(m、2H)、4.16(t、J=5.7Hz、2H)、3.81(t、J=6.4Hz、2H)、2.11(quin、J=6.1Hz、2H);MS(ESI):m/z=388(M+1、正);HPLC純度:94.74%(MaxPlot200〜400nm)、95.36%(220nm)、94.50%(254nm)。
3−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドル−2−イル)−プロポキシ]−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
一般手順5:2−ブロモ−3−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドル−2−イル)−プロポキシ]−ベンズアルデヒド(2.42g、6.23mmol)、Bpin(3.16g、12.5mmol)、KOAc(1.85g、18.7mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(0.137g、0.187mmol)、及びDMSO(25mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー[3:1〜2:1ヘキサン/EtOAc(シカリ51gに予め吸着させた試料)]:収量1.43g(53%)−いくらかのピナコール汚染物。化合物をさらに精製することなく用いた。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.90(s、1H)、7.89−7.76(m、4H)、7.63−7.46(m、2H)、7.24(d、J=7.9Hz、1H)、4.03(t、J=6.0Hz、2H)、3.74(t、J=7.0Hz、2H)、2.15−1.93(m、2H)、1.34(s、12H);MS(ESI):m/z=436(M+1、正);HPLC純度:97.71%(MaxPlot200〜400nm)、97.49%(220nm)、98.20%(254nm)。
7−(3−アミノ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール酢酸塩(A11)
Figure 2010530881
一般手順7:3−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドル−2−イル)−プロポキシ]−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(1.77g、4.07mmol)、NaBH(0.769g、20.3mmol)、i−PrOH(37mL)、及びHO(6.2mL)。16時間後、AcOH(4.3mL)をゆっくり添加し、混合物を80℃(浴温)に5時間加熱した。室温に冷却後、揮発物を真空で除去した。EtOH及びEtOを添加し、混合物を濾過した。濾液を真空で濃縮し、残渣をHOに溶解した。水層をEtOで洗浄し、次いで凍結乾燥した。分取HPLCによる精製(0.1%AcOH)により、A11を白色の凍結乾燥物として得た:収量0.140g(13%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):7.22(t、J=7.6Hz、1H)、6.80(d、J=7.0Hz、1H)、6.66(d、J=7.8Hz、1H)、4.81(s、2H)、4.31(bs、2H)、2.79(t、J=5.9Hz、2H)、1.91−1.82(m、2H)、1.80(s、3H);MS(ESI):m/z=208(M+1、正);HPLC純度:99.19%(MaxPlot200〜400nm)、98.46%(220nm)。
7−(3−アミノ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A11)
Figure 2010530881
[3−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2010530881
一般手順7:{3−[3−ホルミル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェノキシ]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.38g、8.33mmol)、無水EtOH(65mL)、及びNaBH(0.451g、11.9mmol)。精製:結晶化(1:2EtOH/HO)。表題化合物を白色固体として単離した:収量1.18g(46%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.65(s、1H)、7.40(t、J=7.8Hz、1H)、6.9(d、J=7.4Hz、1H)、6.90−6.84(m、1H)、6.8(d、J=8.2Hz、1H)、4.91(s、2H)、4.04(t、J=6.3Hz、2H)、3.16−3.01(m、2H)、1.83(t、J=6.5Hz、2H)、1.37(s、9H)。
7−(3−アミノ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A11)
Figure 2010530881
一般手順11:ジオキサン(10mL)中の[3−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.50g、1.6mmol)及び4N HClを室温でO/Nで攪拌した。精製:EtOAcで粉砕。A11を白色固体として単離した:収量0.39g(98%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):7.83(bs、1H)、7.44(t、J=7.8Hz、1H)、6.98(d、J=7.4Hz、1H)、6.83(d、J=8.2Hz、1H)、4.94(s、2H)、4.15(t、J=5.7Hz、2H)、3.03(t、J=6.8Hz、2H)、2.14−1.92(m、2H)。
N−[3−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−アセトアミド(A12)
Figure 2010530881
DMF(1.0mL)中のNMM(0.114mL、1.04mmol)をA11(0.120g、0.493mmol)の溶液に0℃(浴温)で添加した。1時間後、AcO(56μL、0.59mmol)を添加し、混合物室温に温め、6時間攪拌した。HO(5mL)を添加し、混合物をEtOAc(50mL)で抽出した。水層を2N HClを用いてpH5に酸性化し、EtOAc(50mL)で抽出した。合わせた有機分画を塩水(10mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、真空で濃縮した。残渣を1:1 EtOH/HOから沈殿させ、表題化合物を白色固体として得た:収量45mg(37%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.75(bs、1H)、7.84(bs、1H)、7.39(t、J=7.8Hz、1H)、6.93(d、J=7.4Hz、1H)、6.79(d、J=8.2Hz、1H)、4.91(s、2H)、4.03(t、J=5.9Hz、2H)、3.20(q、J=6.2Hz、3H)、1.90−1.80(m、2H)、1.79(s、3H);MS(ESI):m/z=248(M−1、負);HPLC純度:99.12%(MaxPlot200〜400nm)、97.88%(220nm)。
7−(3−メチルアミノ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A13)
Figure 2010530881
[3−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2010530881
NaH(鉱油中の60%分散液、0.082g、2.05mmol)を無水DMF(5mL)中の[3−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.212g、0.690mmol)及びMeI(1.03mL、2.07mmol)の溶液に0℃で添加した次いで。反応物を室温で2時間攪拌した。混合物を0℃に冷却し、飽和NHClを用いてpH6に酸性化し、次いでEtOAcで抽出した。有機分画を乾燥し(NaSO)、真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(40%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、表題化合物を無色のオイルとして得た:収量0.17g(77%)。
HNMR(400MHz、CDCl)(ロトマー(rotomer)の混合物)δ(ppm):7.40(t、J=7.6Hz、1H)、6.93(d、J=7.0Hz、1H)、7.40(t、J=7.6Hz、1H)、6.93(d、J=7.0Hz、1H)、6.72(d、J=8.2Hz、0.5H)、6.64(d、J=7.4Hz、0.5H)、5.10(s、1H)、5.04(s、1H)、4.07(bs、1H)、3.75(t、J=6.5Hz、1H)、3.46(bs、1H)、3.06(bs、1H)、2.88(s、1.5H)、2.66(bs、1.5H)、2.00(bs、1H)、1.44(d、J=17.6Hz、12H);MS(ESI):m/z=322(M+1、正)。
7−(3−メチルアミノ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A13)
Figure 2010530881
一般手順11:ジオキサン(10mL)中の[3−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.160g、0.498mmol)及び4N HCl。A13を白色固体の凍結乾燥物として単離した:収量90mg(70%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.74(bs、2H)、7.44(t、J=7.8Hz、1H)、6.99(d、J=7.4Hz、1H)、6.84(d、J=8.2Hz、1H)、4.95(s、2H)、4.15(t、J=5.5Hz、2H)、3.11(t、J=6.4Hz、2H)、2.57(s、3H)、2.10(t、J=6.1Hz、2H);MS(ESI):m/z=222(M+1、正);HPLC純度:99.52%(MaxPlot200〜400nm)、98.59%(220nm)。
1−エチル−3−[3−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−尿素(A14)
Figure 2010530881
エチルイソシナネート(0.081mL、1.04mmol)をTHF(5mL)中のNMM(0.170mL、1.56mmol)及びA11(0.126g、0.518mmol)の懸濁液に室温で添加した。混合物をO/Nで攪拌し、次いでDMF(3mL)を添加した。次いで濁った溶液をさらに24時間攪拌した。混合物を2N HClを用いて約pH4に酸性化し、次いでEtOAcで抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、真空で濃縮した。残渣をによって精製し、分取HPLC、A14を淡黄色固体として得た:収量45mg(31%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.80(s、1H)、7.41(t、J=7.8Hz、1H)、6.94(d、J=7.4Hz、1H)、6.81(d、J=8.2Hz、1H)、6.01−5.80(m、1H)、5.80−5.58(m、1H)、4.04(t、J=6.1Hz、2H)、3.16(q、J=6.2Hz、2H)、3.07−2.91(m、2H)、1.91−1.72(m、2H)、0.97(t、J=7.0Hz、3H);MS(ESI):m/z=279(M+1、正);HPLC純度:95.99%(MaxPlot200〜400nm)、94.68%(220nm)。
N−[3−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−メタンスルホンアミド(A15)
Figure 2010530881
NMM(0.190mL、1.75mmol)をDMF(3mL)中の塩化メタンスルホニル(0.081mL、1.05mmol)及びA11(0.170g、0.700mmol)の溶液に室温で添加した。混合物をO/Nで攪拌し、次いでHOを添加し、混合物をEtOAcで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(50%EtOAc/ヘキサン、次いで5%MeOH/EtOAc)によって精製した。残渣をEtOAcから結晶化し、EtOで洗浄し、A15を白色結晶として得た:収量60mg(30%)。
融点135−140℃;HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.74(s、1H)、7.41(t、J=7.6Hz、1H)、7.01(bs、1H)、6.95(d、J=7.4Hz、1H)、6.82(d、J=8.2Hz、1H)、4.92(s、2H)、4.09(t、J=6.1Hz、2H)、3.14(d、J=5.5Hz、2H)、2.89(s、3H)、1.99−1.84(m、2H);MS(ESI):m/z=284(M−1、負);HPLC純度:98.27%(MaxPlot200〜400nm)、98.37%(220nm)。
4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−ブチロニトリル(A16)
Figure 2010530881
4−(2−ブロモ−3−ホルミル−フェノキシ)−ブチロニトリル
Figure 2010530881
一般手順4:2−ブロモ−3−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(5.0g、25mmol)、4−ブロモ−ブチロニトリル(2.95mL、29.8mmol)、CsCO(12.15g、37.30mmol)、及びDMF(50mL):収量3.94g(59%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):10.43(s、1H)、7.56(dd、J=7.8、1.6Hz、1H)、7.39(t、J=8.0Hz、1H)、7.16−7.10(m、1H)、4.20(t、J=5.5Hz、2H)、2.73(t、J=7.0Hz、2H)、2.30−2.21(m、2H)。
4−[3−ホルミル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェノキシ]−ブチロニトリル
Figure 2010530881
一般手順5:4−(2−ブロモ−3−ホルミル−フェノキシ)−ブチロニトリル(3.94g、14.69mmol)、Bpin(4.47g、17.63mmol)、KOAc(5.76g、58.76mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(0.537g、0.73mmol)、及びジオキサン(100mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20%EtOAc)。表題化合物を白色のフォームとして単離した:収量1.4g(30%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):9.96(s、1H)、7.54−7.47(m、1H)、7.46−7.41(m、1H)、7.09(d、J=7.0Hz、1H)、4.13(t、J=5.7Hz、2H)、2.63(t、J=7.2Hz、2H)、2.20−2.11(m、2H)、1.49−1.40(m、12H)。
4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−ブチロニトリル(A16)
Figure 2010530881
一般手順7:4−[3−ホルミル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェノキシ]−ブチロニトリル(1.40g、4.44mmol)、NaBH(219mg、5.77mmol)、及びMeOH(10mL)。A16を淡橙色固体として単離した:収量600mg(62%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.69(s、1H)、7.39(dd、J=7.4Hz、1H)、6.95(d、J=7.4Hz、1H)、6.82(d、J=8.2Hz、1H)、4.90(s、2H)、4.08(t、J=5.9Hz、2H)、2.68(t、J=7.2Hz、2H)、2.13−1.91(m、2H);MS(ESI):m/z=216(M−1、負);HPLC純度:99.37%(MaxPlot200〜400nm)、98.27%(220nm)。
7−(4−アミノ−ブトキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A17)
Figure 2010530881
[4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2010530881
一般手順10:MeOH(50mL)中のA16(600mg、2.76mmol)、NiCl・6HO(65mg、0.276mmol)、NaBH(540mg、19.32mmol)、及びBocO(1.20g、5.52mmol)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)。表題化合物を白色のフォームとして単離した:収量200mg(22%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):7.51−7.34(m、1H)、7.02−6.84(m、1H)、6.73(d、J=8.2Hz、1H)、5.05(s、2H)、4.13−3.99(m、2H)、3.30−3.12(m、2H)、1.97−1.77(m、2H)、1.77−1.61(m、2H)、1.45(s、9H);MS(ESI):m/z=320(M−1、負)。
7−(4−アミノ−ブトキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A17)
Figure 2010530881
一般手順11:[4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(200mg、0.62mmol)及びEtO(4mL)中の1M HCl。A17を白色固体として単離した:収量72mg(45%)。
融点140−141℃;HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.74(s、1H)、7.80(bs、3H)、7.41(t、J=7.8Hz、1H)、6.95(d、J=7.8Hz、1H)、6.82(d、J=8.2Hz、1H)、4.93(s、2H)、4.11−3.99(m、2H)、2.97−2.78(m、2H)、1.95−1.52(m、4H);MS(ESI):m/z=222(M+1、正);HPLC純度:97.72%(MaxPlot200〜400nm)、96.62%(220nm)。
7−(2−アミノ−エトキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A18)
Figure 2010530881
[2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2010530881
一般手順10:MeOH(20mL)中の(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−アセトニトリル(360mg、1.90mmol)、NiCl・6HO(90mg、0.38mmol)、NaBH(505mg、13.3mmol)、及びBocO(829mg、3.8mmol)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)。表題化合物を白色のフォームとして単離した:収量100mg(18%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.32(s、1H)、7.39(t、J=7.8Hz、1H)、7.14(bs、1H)、6.94(d、J=7.4Hz、1H)、6.79(d、J=8.2Hz、1H)、4.90(s、2H)、3.99−3.82(m、2H)。
7−(2−アミノ−エトキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A18)
Figure 2010530881
一般手順11:[2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(100mg、0.34mmoL)、EtO(2mL)中の1M HCl、及びCHCl(2mL)。A18を白色固体として単離した:収量58mg(74%)。
融点217−218℃;HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.65(bs、1H)、8.08−7.97(m、3H)、7.44(t、J=7.8Hz、1H)、7.01(d、J=7.4Hz、1H)、6.86(d、J=8.2Hz、1H)、4.92(s、2H)、4.20(t、J=3.90Hz、2H)、3.26−3.20(m、2H);MS(ESI):m/z=194(M+1、正);HPLC純度:97.69%(MaxPlot200〜400nm)、96.84%(220nm)。
4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−ブチルアミジン(A19)
Figure 2010530881
HCl(ガス)をMeOH(20mL)及びEtO(10mL)中の4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−ブチロニトリル(300mg、1.38mmol)の溶液を通して0℃(浴温)で1時間バブリングした。混合物を閉じた系でO/Nとし、次いで真空で濃縮し、表題化合物を白色固体とし得た:収量310mg。これさらに精製又は特性決定することなく次の工程で用いた。
4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−ブチルイミド酸メチルエステル塩酸塩(310mg粗製)、MeOH(10mL)中の7M NH、及びMeOH(5mL)の混合物を密封管で1.5時間50℃(浴温)に加熱し、混合物を冷却し、真空で濃縮した。分取HPLC(0.1%NHOH)により精製し、A19を得た:収量35mg(2工程で11%)。
HNMR(400MHz、CDOD−d)δ(ppm):7.08(t、J=7.6Hz、1H)、6.70(d、J=7.0Hz、1H)、6.62(d、J=7.8Hz、1H)、4.81(s、2H)、4.04(t、J=5.5Hz、2H)、2.73(t、J=7.0Hz、2H)、2.13(quin、J=6.2Hz、2H);MS(ESI):m/z=235(M+1、正);HPLC純度:86.89%(MaxPlot200〜400nm)、86.19%(220nm)。
7−(3−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール[A20]
Figure 2010530881
DMF(60mL)中の2−ブロモ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(5.18g、25.0mmol)及び2−(3−ブロモプロポキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(5.1mL、30mmol)の溶液に窒素雰囲気下で水素化ナトリウム(1.20g、30.0mmol)を0℃で添加し、混合物を室温で一晩攪拌した。反応物を水でクエンチし、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(9:1〜3:1ヘキサン/酢酸エチル)によって精製し、2−ブロモ−3−[3−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)プロポキシ]ベンズアルデヒド(8.75g、定量)を得た。
メタノール(60mL)中の上記で得られた化合物(8.75g、25.0mmol)の溶液に水素化ホウ素ナトリウム(475mg、12.5mmol)を0℃で添加し、混合物を15分間攪拌した。反応物をアセトン及び水でクエンチし、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧下で除去した。ジクロロメタン(100mL)中の残渣の溶液に3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(3.40mL、37.5mmol)及びカンファースルホン酸(116mg、2mol%)を添加し、混合物を室温で一晩攪拌した。炭酸ナトリウム(1g)を添加し、混合物をクロロホルム及び水に注ぎ込んだ。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(9:1ヘキサン/酢酸エチル)によって精製し、2−(2−(2−ブロモ−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)メチル)フェノキシ)エトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(9.98g、93%)を得た。
テトラヒドロフラン(50mL)中の上記で得られた化合物(9.98g、23.3mmol)の溶液にn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6mol/L;18mL)及びホウ酸トリイソプロピル(8.0mL、35mmol)を窒素雰囲気下で−78℃で添加し、混合物を室温に温め、一晩攪拌した。次いで塩酸(6mol/L、10mL)を添加し、混合物を30分間室温で攪拌した。混合物を酢酸エチル及び水に注ぎ込んだ。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(7:3〜6:4ヘキサン/酢酸エチル)によって精製し、7−(3−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(2.06g、43%)を得た。
H−NMR(300MHz、DMSO−d+DO)δ(ppm)1.84(quint、J=6.2Hz、2H)、3.55(t、J=6.2Hz、2H)、4.07(t、J=6.2Hz、2H)、4.89(s、2H)、6.79(d、J=8.2Hz、1H)、6.91(d、J=7.3、1H)、7.38(t、J=7.8Hz、1H)。
7−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A21)
Figure 2010530881
メタンスルホン酸4−ベンジルオキシ−ブチルエステル
Figure 2010530881
MsCl(2.48mL、32.1mmol)をCHCl(100mL)中の4−ベンジルオキシ−ブタン−1−オール(5.26g、29.2mmol)及びEtN(6.1mL、43mmol)の溶液に0℃(浴温)でゆっくりと添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌し、次いでHO(100mL)でクエンチした。水層をCHClで抽出し、乾燥し(MgSO)、真空で濃縮し、表題化合物を無色の液体として得た:収量7.5g(99%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):7.39−7.25(m、5H)、4.50(s、2H)、4.26(t、J=6.5Hz、2H)、3.52(t、J=6.1Hz、2H)、2.98(s、3H)、1.92−1.84(m、2H)、1.78−1.69(m、2H)。
3−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−2−ブロモ−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
一般手順4:2−ブロモ−3−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(4.86g、24.2mmol)、メタンスルホン酸4−ベンジルオキシ−ブチルエステル(7.5g、29mmol)、CsCO(11.82g、36.3mmol)及びDMF(100mL)。表題化合物を粘性の液体として単離した:収量6.4g(73%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):10.44(s、1H)、7.51(d、J=7.8Hz、1H)、7.38−7.24(m、6H)、7.09(d、J=8.2Hz、1H)、4.53(s、2H)、4.09(t、J=6.1Hz、2H)、3.59(t、J=6.2Hz、2H)、2.03−1.95(m、2H)、1.93−1.82(m、2H)。
3−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
一般手順5:3−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−2−ブロモ−ベンズアルデヒド(6.4g、17mmol)、Bpin(8.94g、35.2mmol)、KOAc(6.91g、70.4mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(0.64g、0.88mmol)、及びジオキサン(200mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20%EtOAc)。表題化合物を白色のフォームとして単離した:収量4.0g(55%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):9.92(s、1H)、7.44(t、J=7.8Hz、1H)、7.39−7.24(m、6H)、7.04(d、J=8.2Hz、1H)、4.50(s、2H)、3.99(t、J=6.2Hz、2H)、3.52(t、J=6.1Hz、2H)、1.96−1.75(m、4H)、1.44(s、12H)。
7−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A21)
Figure 2010530881
一般手順7:3−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(2.0g、4.8mmol)、NaBH(239mg、6.3mmol)、及びMeOH(10mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc):収量650mg(43%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.66(s、1H)、7.43−7.22(m、6H)、6.91(d、J=7.4Hz、1H)、6.77(d、J=8.2Hz、1H)、4.89(s、2H)、4.44(s、2H)、4.03(t、J=6.3Hz、2H)、3.48(t、J=6.1Hz、2H)、1.85−1.61(m、4H);MS(ESI):m/z=313(M+1、正);HPLC純度:93.49%(MaxPlot200〜400nm)、92.07%(220nm)。
7−(4−ヒドロキシ−ブトキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A22)
Figure 2010530881
一般手順2:H(50psi)、A21(600mg、1.92mmol)、Pd(OH)(600mg)、及びAcOH(20mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中50%EtOAc)。A22を白色固体として単離した:収量90mg(21%)。
融点141−142℃;HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.68(bs、1H)、7.52−7.29(m、1H)、6.92(d、J=7.4Hz、1H)、6.80(d、J=7.4Hz、1H)、4.91(s、2H)、4.55−4.35(m、1H)、4.12−3.95(m、2H)、3.54−3.54(m、2H)、1.91−1.67(m、2H)、1.63−1.50(m、2H);MS(ESI):m/z=221(M−1、負);HPLC純度:95.71%(MaxPlot200〜400nm)、93.02%(220nm)。
(3S)−7−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−ブトキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A23)
Figure 2010530881
(2S)−2−アミノ−4−ブロモ−酪酸メチルエステル臭化水素酸塩
Figure 2010530881
SOCl(7.0mL)をMeOH(100mL)に−20℃(浴温)でゆっくりと添加し、30分間攪拌した。次いで2−アミノ−4−ブロモ−酪酸臭化水素酸塩(5.0g、19mmol)を添加し、反応混合物を室温でO/Nで攪拌した。真空での濃縮により、表題化合物を粘性の液体として得て、これを放置して固体とした:収量5.2g(99%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.57(bs、3H)、4.11(t、J=6.2Hz、1H)、3.75(s、3H)、3.71−3.53(m、2H)、2.40−2.22(m、2H)。
(2S)−4−ブロモ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−酪酸メチルエステル
Figure 2010530881
EtN(6.5mL、47mmol)、続いてBocO(4.09g、18.8mmol)をCHCl(100mL)中の2−アミノ−4−ブロモ−酪酸メチルエステル臭化水素酸塩(5.2g、19mmol)の溶液に室温で添加した。反応混合物を室温でO/Nで攪拌し、次いでHO(100mL)でクエンチした。水層をCHClで抽出し、乾燥し(MgSO)、真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20%EtOAc)によって精製し、表題化合物を無色の液体として得た:収量3.1g(56%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):5.19−5.00(m、1H)、4.51−4.37(m、1H)、3.77(s、3H)、3.44(t、J=7.0Hz、2H)、2.47−2.32(m、1H)、2.27−2.13(m、1H)、1.45(s、9H)。
(2S)−4−(2−ブロモ−3−ホルミル−フェノキシ)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−酪酸メチルエステル
Figure 2010530881
一般手順4:2−ブロモ−3−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(2.31g、11.5mmol)、4−ブロモ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−酪酸メチルエステル(3.1g、10mmol)、CsCO(5.11g、15.7mmol)、及びDMF(100mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%EtOAc)。表題化合物を粘性の液体として単離した:収量3.01g(69%)
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):10.43(s、1H)、7.54(d、J=8.2Hz、1H)、7.37(t、J=7.8Hz、1H)、7.10(d、J=8.2Hz、1H)、5.74−5.60(m、1H)、4.58(t、J=8.6Hz、1H)、4.25−4.03(m、2H)、3.77(s、3H)、2.53−2.26(m、2H)、1.44(s、9H)。
(2S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[3−ホルミル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)−フェノキシ]−酪酸メチルエステル
Figure 2010530881
一般手順5:(2S)−4−(2−ブロモ−3−ホルミル−フェノキシ)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−酪酸メチルエステル(3.01g、7.23mmol)、Bpin(3.67g、14.5mmol)、KOAc(2.83g、28.9mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(0.37g、0.51mmol)inジオキサン(50mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10%EtOAc)。表題化合物を白色のフォームとして単離した:収量1.2g(35%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):9.96(s、1H)、7.51−7.39(m、2H)、7.09(d、J=7.8Hz、1H)、5.32(d、J=9.4Hz、1H)、4.49−4.39(m、1H)、4.17−3.99(m、2H)、3.75(s、3H)、2.45−2.31(m、1H)、2.21−2.10(m、1H)、1.45(s、12H)、1.42(s、9H)。
(3S)−[3−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−1−ヒドロキシ−メチル−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2010530881
一般手順7:(2S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[3−ホルミル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)−フェノキシ]−酪酸メチルエステル(1.10g、2.3mmol)、NaBH(113mg、2.99mmol)、及びMeOH(25mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(10%−50%EtOAc/ヘキサン):収量70mg(9%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.59(bs、1H)、7.38(t、J=7.6Hz、1H)、6.91(d、J=7.4Hz、1H)、6.77(d、J=7.8Hz、1H)、6.63(d、J=8.2Hz、1H)、4.89(s、2H)、4.70(t、J=4.9Hz、1H)、4.10−3.96(m、2H)、3.64−3.52(m、1H)、3.41−3.35(m、1H)、2.02−1.90(m、1H)、1.82−1.67(m、1H)、1.33(s、9H);MS(ESI):m/z=336(M−1、負)。
(3S)−7−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−ブトキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩;(A23)
Figure 2010530881
一般手順11:4N HClジオキサン(2mL)中の(3S)−[3−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−1−ヒドロキシ−メチル−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(70mg、0.21mmol)。A23を白色固体の凍結乾燥物として単離した:収量35mg(61%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.89(s、1H)、7.90(bs、3H)、7.42(t、J=7.8Hz、1H)、6.96(d、J=7.4Hz、1H)、6.82(d、J=8.2Hz、1H)、5.34(bs、1H)、4.92(s、2H)、4.24−4.03(m、2H)、3.70−3.60(m、1H)、3.57−3.47(m、1H)、2.06−1.94(m、2H);MS(ESI):m/z=238(M+1、正);HPLC純度:94.91%(MaxPlot200〜400nm)、94.63%(220nm)。
7−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A24)
Figure 2010530881
3−(3−ベンジルオキシ−エトキシ)−2−ブロモ−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
一般手順3:2−ブロモ−3−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(7.0g、35mmol)、2−ベンジルオキシ−エタノール(5.0mL、35mmol)、PPh(9.2g、35mmol)、無水THF(200mL)、及びDIAD(6.9mL、35mmol)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン、次いで5%EtOAc/ヘキサン):収量7.6g(65%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):10.44(s、1H)、7.53(d、J=7.9Hz、1H)、7.44−7.26(m、6H)、7.15(d、J=7.9Hz、1H)、4.70(s、2H)、4.26(t、J=4.7Hz、2H)、3.93(t、J=4.7Hz、2H)。
3−(3−ベンジルオキシ−エトキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
一般手順5:3−(3−ベンジルオキシ−エトキシ)−2−ブロモ−ベンズアルデヒド(7.2g、23mmol)、KOAc(6.3g、64mmol)、Bpin(10.9g、43mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(0.79g、1.1mmol)、及び無水DMF(50mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン、次いで30%EtOAc/ヘキサン):収量4.93g(60%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):9.91(s、1H)、7.49−7.24(m、7H)、7.09(d、J=8.20Hz、1H)、4.57(s、2H)、4.18(t、J=5.0Hz、2H)、3.84(t、J=5.0Hz、2H)、1.43(s、12H)
7−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A24)
Figure 2010530881
一般手順7:3−(3−ベンジルオキシ−エトキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(0.76g、2.0mmol)、NaBH(38mg、1.0mmol)、及びMeOH(5mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc):収量0.55g(96%)。
HNMR{400MHz、DMSO−d+DO(0.01mL)}δ(ppm):8.80(s、1H)、7.40−7.20(m、6H)、6.97(d、J=7.4Hz、1H)、6.80(d、J=7.4Hz、1H)、4.85(s、2H)、4.60(s、2H)、4.25−4.18(m、2H)、3.80−3.72(m、2H);MS(ESI)m/z=283(M−1、負);HPLC純度96.23%(MaxPlot)及び95.11%(220nm)。
7−(4−Mエトキシ−ベンジルオキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A25)
Figure 2010530881
2−ブロモ−3−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
一般手順4:2−ブロモ−3−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(1.0g、7.2mmol)KCO(1.09g、7.95mmol)、1−クロロメチル−4−メトキシ−ベンゼン(1.03mL、7.95mmol)、及びDMSO(14mL)、50℃(浴温)、O/N。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中25%EtOAc)。表題化合物を白色固体として単離した:収量1.59g(96%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):10.42(s、1H)、7.49(d、J=1.6Hz、1H)、7.39(d、J=9.0Hz、2H)、7.16(s、1H)、7.02−6.84(m、3H)、5.11(s、2H)、3.80(s、3H);MS(ESI)m/z=323(M+1、正)。
[2−ブロモ−3−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−フェニル]−メタノール
Figure 2010530881
NaBH(0.38g、10mmol)をEtOH(15mL)中の2−ブロモ−3−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−ベンズアルデヒド(1.59g、4.95mmol)の溶液に0℃(浴温)で添加した。混合物を0℃(浴温)で1.5時間攪拌し、次いで真空で濃縮した。HO(10mL)を添加し、水層をEtOAc(2×50mL)で抽出した。有機分画を塩水(20mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、真空で濃縮し、表題化合物として白色固体を得た:収量1.50g(94%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):7.40(d、J=8.6Hz、2H)、7.26(s、1H)、7.10(d、J=9.0Hz、1H)、6.98−6.84(m、3H)、5.10(s、2H)、4.78(d、J=6.6Hz、2H)、3.83(bs、3H)。
2−[2−ブロモ−3−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−ベンジルオキシ]−テトラヒドロ−ピラン
Figure 2010530881
DHP(0.67mL、7.4mmol)及びCSA(30mg、0.12mmol)をCHCl(15mL)中の[2−ブロモ−3−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−フェニル]−メタノール(2.0g、6.1mmol)の溶液に添加した。得られた混合物を室温でO/N攪拌した。4オングストロームのモレキュラーシーブ(1.0g)を添加し、混合物を1時間攪拌した。飽和NaHCOを添加し、混合物をCHCl(2×50mL)で抽出した。有機分画をHO(2×25mL)、次いで塩水(50mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中25%EtOAc)によって精製し、表題化合物を黄色のオイルとして得た:収量1.30g(96%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):7.40(d、J=9.0Hz、2H)、7.32−7.19(m、1H)、7.15(dd、J=7.8、1.2Hz、1H)、6.96−6.81(m、3H)、5.08(s、2H)、4.94−4.73(m、2H)、4.62(d、J=13.3Hz、1H)、4.12−3.86(m、1H)、3.81(s、3H)、3.65−3.42(m、1H)、1.99−1.44(m、6H)。
7−(4−Mエトキシ−ベンジルオキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A25)
Figure 2010530881
ヘキサン中の2.5Mn−BuLi(1.53mL、3.83mmol)をTHF(14mL)中の2−[2−ブロモ−3−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−ベンジルオキシ]−テトラヒドロ−ピラン(1.3g、3.2mmol)の溶液にN下で−78℃(浴温)で滴下して添加した。混合物を−78℃(浴温)で2時間攪拌し、次いでホウ酸トリイソプロピル(0.90mL、3.8mmol)をゆっくりと添加し、−78℃(浴温)で4時間攪拌した。混合物を0℃(浴温)に温め、次いで3M HClで酸性化してpH5とした。混合物を3時間攪拌し、得られた沈殿物を濾過によって単離し、1:9CHCl/EtOで洗浄し、A25を黄色固体として得た:収量0.10g(12%)。
HNMR400MHz(DMSO−d)δ(ppm):8.81(s、1H)、7. 48−7.28(m、3H)、6.96−6.91(m、3H)、6.87(d、J=8.2Hz、1H)、5.12(s、2H)、4.93(s、2H)、3.75(s、3H);MS(ESI)m/z=271(M+1、正);HPLC純度:97.79%(220nm)。
3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1、7−ジオール(A26)
Figure 2010530881
A25(0.65g、2.40mmol)10%Pd/C(1:1w/w)及び2:1EtOAc/EtOH(30mL)の混合物をH(40psi)の雰囲気下でO/Nで振とうした。混合物をセライトを通して濾過し、濾液を真空で濃縮した。残渣を逆相分取HPLCによって精製し、凍結乾燥し、表題化合物を白色固体として生成した:収量20mg、(6%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.39(bs、1H)、8.69(bs、1H)、7.25(t、J=8.2Hz、1H)、6.77(d、J=6.2Hz、1H)、6.63(d、J=6.6Hz、1H)、4.85(bs、2H);MS(ESI)m/z=149(M−1、負);HPLC純度:94.82%(220nm)、(254nm)。
2,6−ジアミノヘキサン酸(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル)−アミド塩酸塩(A27)
Figure 2010530881
{5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−[(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル)−カルバモイル]−ペンチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2010530881
DIPEA(0.96mL、5.5mmol)、HATU(1.05g、2.76mmol)及びA1(0.50g、2.5mmol)をDMF(10mL)中の2,6−bis−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ヘキサン酸(0.79g、2.3mmol)の溶液に室温で順次添加した。浴を除去し、溶液を室温でO/Nで攪拌した。混合物を真空で濃縮し、残渣をEtOAc中に溶解し、HO(3×30mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(2%MeOHinEtOAc)によって精製し、表題化合物を得た:収量0.67g(55%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.24(d、J=7.8Hz、1H)、7.95(q、J=6.8Hz、1H)、7.71(t、J=6.5Hz、1H)、7.50−7.28(m、3H)、6.89−6.60(m、2H)、5.23−5.06(m、1H)、3.94−3.73(m、2H)、3.60−3.47(m、1H)、3.47−3.37(m、1H)、2.85(dd、J=15.4、5.7Hz、3H)、1.37(s、18H)。
2,6−ジアミノヘキサン酸(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル)−アミド塩酸塩(A27)
Figure 2010530881
一般手順11:{5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−[(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル)−カルバモイル]−ペンチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.66g、1.3mmol)及びEtO(25mL)中の1M HCl。A27を白色固体として単離した:収量0.33g(69%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.36(bs、1H)、8.68−8.50(m、1H)、8.13(bs、6H)、7.81(dd、J=7.2、4.1Hz、1H)、7.55−7.29(m、3H)、5.30−5.13(m、1H)、3.90−3.61(m、2H)、3.54−3.43(m、1H)、3.13(dd、J=18.4、7.0Hz、1H)、2.75(t、J=7.6Hz、1H)、2.63(t、J=7.6Hz、1H)、1.81−1.47(m、2H)、1.46−1.25(m、3H);MS(ESI):m/z=292(M+1、正);HPLC純度:97.80%(MaxPlot200〜400nm)、97.62%(220nm)。
酢酸2−{2−[(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル)−カルバモイル]−1、1−ジメチルエチル}−3、5−ジメチルフェニルエステル(A27a)
Figure 2010530881
塩化オキサリル(0.50mL、5.7mmol)を無水CHCl(15mL)中の3−(2−アセトキシ−4、6−ジメチルフェニル)−3−メチル−酪酸(1.00g、3.60mmol)(Kent, L.; Amsberry, A.; Gerstenberger, E.; Borchardt, R. T.; Pharm. Res., 1991, 8, 455-460 and Michalis, G.; Nicolaou, C.-S. Y.; Borchardt, R. T.; J. Org. Chem., 1996, 61, 8636-8641での手順に従って生成したもの)の氷冷溶液に室温で添加した。混合物を1時間攪拌し、次いで過剰の塩化オキサリルを真空で除去した。残渣を無水CHCl(15mL)に溶解し、0℃(浴温)に冷却した。DIPEA(2.0mL、10mmol)及びA1(0.70g、3.6mmol)を添加し、反応混合物を室温で12時間攪拌した。次いで混合物を塩水(50mL)で希釈し、CHCl(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をHO、次いで塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、真空で濃縮した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/MeOH)によって精製し、(A27a)を得た(収率0.50g(24%))。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.22(s、1H)、7.88(t、J=5.7Hz、1H)、7.73−7.69(m、1H)、7.47−7.41(m、1H)、7.38−7.31(m、4H)、6.77(d、J=2.0Hz、1H)、6.57(d、J=2.0Hz、1H)、5.09(dd、J=6.8、4.1Hz、1H)、3.50−3.41(m、1H)、3.19(m、1H)、2.53(s、2H)、2.45(s、3H)、2.25(s、3H)、2.16(s、3H)、1.36(d、J=5.1Hz、6H);MS(ESI)m/z=410(M+1、正);HPLC純度:97.73%(MaxPlot200〜400nm)、96.90%(220nm);についての分析値。C2328BNO:C67.50%;H6.90%;N3.42%。実験値:C67.65%;H6.91%;N3.28%.
酢酸3−[(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル)−カルバモイル]−プロピルエステル(A28)
Figure 2010530881
4−アセトキシ−酪酸
Figure 2010530881
MeOH(50mL)中のジヒドロ−フラン−2−オン(5.2g、60mmol)及びNaOH(2.9g、73mmol)の混合物を19時間還流した。溶液を冷却し、濃縮し、ガラス質の粉末を得て、これを精製することなく次の工程で使用した。粗製の塊を過剰のAcO(100mL)に溶解し、65℃(浴温)でO/Nで加熱した。混合物を真空で濃縮し、残渣をEtOに溶解した。有機層をHOで洗浄し、真空で濃縮し、表題化合物として無色のオイルを得た:収量0.92g(11%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):4.14(t、J=6.1Hz、2H)、2.69−2.37(m、2H)、2.06(s、3H)、2.05−1.97(m、2H)。
酢酸3−[(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル)−カルバモイル]−プロピルエステル(A28)
Figure 2010530881
DIPEA(1.27mL、7.28mmol)、HATU(1,3,2g、3.48mmol)及びA1(0.63g、3.2mmol)をDMF(10mL)中の4−アセトキシ−酪酸(0.38g、2.6mmol)の溶液に0℃で添加した。冷却した浴を除去し、溶液を室温で19時間攪拌した。混合物を真空で濃縮し、残渣をEtOAcに溶解した。有機層を1N NaHSO(2×20mL)、HO、及び塩水で順次洗浄した。次いで有機層を乾燥し(NaSO)、真空で濃縮した。粘性の白色残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)によって精製し、A28を固体として得た。:収量0.39g(42%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.23(s、1H)、8.09(t、J=5.5Hz、1H)、7.70(d、J=7.4Hz、1H)、7.54−7.16(m、3H)、5.19−4.98(m、1H)、3.90(t、J=6.6Hz、2H)、3.62−3.45(m、1H)、3.24−3.05(m、1H)、2.13(t、J=7.4Hz、2H)、1.97(s、3H)、1.71(qd、J=7.1、6.8Hz、2H);MS(ESI):m/z=292(M+1、正);HPLC純度:99.28%(MaxPlot200〜400nm)、98.21%(220nm)。
(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル)−カルバミン酸フェニルエステル(A29)
Figure 2010530881
無水THF中のA1(0.50g、2.5mmol)、DIPEA(0.50mL、2.5mmol)及びクロロギ酸フェニル(0.50mL、2.5mmol)の混合物を室温で12時間攪拌した。次いで混合物を塩水(50mL)で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をHO、次いで塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(8:2ヘキサン/EtOAc)によって精製し、A29を得た。:収量0.27g(20%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.25(s、1H)、7.98(t、J=5.3Hz、1H)、7.73(d、J=7.4Hz、1H)、7.53−7.29(m、5H)、7.18(t、J=7.4Hz、1H)、7.02(d、J=7.8Hz、2H)、5.28−5.15(m、1H)、3.59−3.45(m、1H)、3.27−3.13(m、1H);MS(ESI)m/z=284(M+1、正);HPLC純度:99.31%(MaxPlot200〜400nm)、99.31%(220nm)。
3−アミノメチル−6−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール,酢酸塩(A30)
Figure 2010530881
4−(2−ベンジルオキシエトキシ)−2−ブロモベンズアルデヒド
Figure 2010530881
無水DMSO(300mL)中の2−ブロモ−4−フルオロ−ベンズアルデヒド(32.0g、157mmol)、NaCO(85.5g、788mmol)、及び2−ベンジルオキシエタノール(24.0g、158mmol)の混合物をN下において130℃(浴温)で18時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、HO(100mL)で希釈し、EtOAcで抽出し、有機層をHO、次いで塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサンからヘキサン中10%EtOAcとした)によって精製し、表題化合物を粘性の液体として得た:収量11.8g(22%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):10.22(s、1H)、7.88(d、J=8.6Hz、1H)、7.45−7.29(m、5H)、7.17(d、J=2.3Hz、1H)、6.96(dd、J=8.8、2.2Hz、1H)、4.63(s、2H)、4.32−4.14(m、2H)、3.92−3.78(m、2H);MS(ESI):m/z=334(M+1、正)。
4−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
一般手順5:4−(2−ベンジルオキシエトキシ)−2−ブロモベンズアルデヒド(1.37g、4.10mmol)Bpin(1.56g、6.15mmol)、KOAc(1.20g、12.3mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(240mg、8mol%)及び無水1,4−ジオキサン(13mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサンからヘキサン中20%EtOAcへ)。表題化合物を白色固体として単離した:収量900mg(70%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):10.37(s、1H)、7.93(d、J=8.6Hz、1H)、7.47−7.28(m、6H)、7.05(dd、J=8.6、2.3Hz、1H)、4.64(s、2H)、4.25(t、J=4.7Hz、2H)、3.85(t、J=4.7Hz、2H)、1.39(s、12H);MS(ESI):m/z=383(M+1、正)。
6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
Figure 2010530881
一般手順8:4−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(900mg、2.35mmol)、MeNO(172mg、2.82mmol)、NaOH(113mg、2.82mmol)、及びHO(3mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサンから40%EtOAcへ)。表題化合物を褐色の液体として単離した:収量300mg(38%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.45(bs、1H)、7.43(d、J=8.6Hz、1H)、7.38−7.18(m、6H)、7.10(dd、J=8.6、2.3Hz、1H)、5.70(dd、J=9.2、2.5Hz、1H)、5.29(dd、J=13.5、2.5Hz、1H)、4.61−4.38(m、3H)、4.23−4.06(m、2H)、3.88−3.68(m、3H)MS(ESI):m/z=342(M−1、負)。
3−アミノメチル−6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
Figure 2010530881
一般手順12:6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(500mg、16.0mmol)、ラネーNi(1.1g、2等量w/w)及び2M NHEtOH(12mL):収量438mg(96%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.28(bs、3H)、7.44−7.33(m、2H)、7.33−7.17(m、5H)、7.07(d、J=2.3Hz、1H)、5.27(d、J=7.4Hz、1H)、4.51(s、2H)、4.18−4.02(m、2H)、3.81−3.63(m、2H)、2.64−2.60(m、1H);MS(ESI):m/z=314(M+1、正)。
3−アミノメチル−6−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール、酢酸塩(A30)
Figure 2010530881
3−アミノメチル−6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(334mg、1.06mmol)、10%Pd/C(330mg、1等量w/w)、及びAcOH(15mL)の混合物をH(50psi)の雰囲気下で室温で3時間振とうした。混合物をセライトパッドを通して濾過し、EtOHで洗浄した。濾液を真空で濃縮し、残渣をEtOで粉砕した。固体を分取HPLC(AcOH)によって精製し、A30を白色固体として得た:収量50mg(17%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):7.30(bs、1H)、7.22(bs、1H)、7.02(bs、1H)、4.98(bs、1H)、3.98(bs、2H)、3.71(bs、2H)、2.98−2.96(m、1H)、2.65−2.63(m、1H)、1.87(s、3H);MS(ESI):m/z=224(M+1、正);HPLC純度:98.29%(MaxPlot200〜400nm)、96.81%(220nm)。
3−アミノメチル−6−(2−ヒドロキシ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール酢酸塩(A31)
Figure 2010530881
4−(2−ベンジルオキシプロポキシ−2−ブロモベンズアルデヒド
Figure 2010530881
無水DMSO(300mL)中の2−ブロモ−4−フルオロ−ベンズアルデヒド(30.0g、148mmol)、Na2CO3(78.31g、738.8mmol)及び2−ベンジルオキシプロパノール(24.56g、147.8mmol)の混合物を攪拌しながら130℃(浴温)でN下で72時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、HOで希釈し、EtOAcで抽出した。有機層をHO、次いで塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサンからヘキサン中30%EtOAcとした)によって精製し、表題化合物を得た:収量3.84g(7%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):10.22(s、1H)、7.88(d、J=8.6Hz、1H)、7.42−7.20(m、5H)、7.12(d、J=2.3Hz、1H)、6.92(dd、J=8.8、2.2Hz、1H)、4.52(s、2H)、4.16(t、J=6.2Hz、2H)、3.65(t、J=6.1Hz、2H)、2.10(q、J=6.2Hz、2H)。
4−(2−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
一般手順5:4−(2−ベンジルオキシプロポキシ−2−ブロモベンズアルデヒド(4.84g、13.9mmol)、Bpin(5.27g、20.8mmol)、KOAc(4.08g、41.6mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(811mg、8mol%)、及び1,4−ジオキサン(50mL)。精製:Biotage(2%EtOAc/ヘキサンから20%EtOAc/ヘキサンへの勾配):収量4.0g(70%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):10.36(s、1H)、7.93(d、J=8.6Hz、1H)、7.43−7.14(m、6H)、7.01(dd、J=8.6、2.7Hz、1H)、4.53(s、2H)、4.18(t、J=6.2Hz、2H)、3.66(t、J=6.1Hz、2H)、2.11(q、J=6.1Hz、2H)、1.40(s、12H)。
6−(2−ベンジルオキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
Figure 2010530881
一般手順8:4−(2−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(3.0g、7.6mmol)、MeNO(924mg、15.1mmol)、NaOH(605mg、15.1mmol)、及びHO(10mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサンから40%EtOAcへ):収量820mg(30%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.46(bs、1H)、7.45(d、J=8.2Hz、1H)、7.41−7.18(m、6H)、7.09(dd、J=8.6、2.3Hz、1H)、5.71(dd、J=9.2、2.5Hz、1H)、5.31(dd、J=13.3、2.7Hz、1H)、4.58−4.40(m、3H)、4.08(t、J=6.2Hz、2H)、3.60(t、J=6.2Hz、2H)、2.08−1.94(m、2H)。
3−アミノメチル−6−(2−ヒドロキシ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール酢酸塩(A31)
Figure 2010530881
一般手順13:6−(2−ベンジルオキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(820mg、2.29mmol)、20%Pd(OH)(850mg、1等量w/w)、及びAcOH(40mL)。精製:分取HPLC:収量120mg(22%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):7.32(d、J=8.2Hz、1H)、7.22(s、1H)、7.02(d、J=7.8Hz、1H)、4.98(bs、1H)、4.04(t、J=6.2Hz、2H)、3.56(t、J=6.2Hz、2H)、3.03−2.85(m、1H)、2.61(dd、J=12.9、7.0Hz、1H)、1.89(s、3H)、1.97−1.67(m、2H);MS(ESI):m/z=238(M+1、正);HPLC純度:97.44%(MaxPlot200〜400nm)、97.77%(220nm)。
6−アミノ−3−アミノメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A32)
Figure 2010530881
6−ニトロ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
Figure 2010530881
3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(20.0g、104mmol)を分けて攪拌しながら2時間にわたって発煙HNO(200mL)に−45℃(浴温)で添加した。次いで冷たい反応混合物を粉砕した氷に注ぎ込み、室温に温めた。水相をEtOAcで抽出した。EtOAc相を真空で濃縮し、残渣を粉砕した氷に注ぎ込んだ。沈殿物を濾過し、HOで洗浄した。固体をEtOAcに溶解し、乾燥し(NaSO)、真空で濃縮し、表題化合物を生成した:収量(14.3g、58%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ9.87(bs、1H)、8.57(s、1H)、8.40(dd、J=8.4、2.4Hz、1H)、7.85(d、J=8.0Hz、1H)、5.92(dd、J=8.0、2.8Hz、1H)、5.42(dd、J=13.6、2.8Hz、1H)、4.82(dd、J=13.6、8.0Hz、1H);MS(ESI)m/z=237(M−1、負)。
(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2010530881
EtOAc(50mL)中の6−ニトロ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(2.38g、10mmol)、10%Pd/C(250mg)、及び(Boc)O(10.9g、50mmol)の混合物をH(50psi)の雰囲気下で室温で1時間振とうした。反応混合物をセライトを通して濾過し、濾液を真空で濃縮した。粗製の生成物をBiotageフラッシュクロマトグラフィー(CHCl中MeOHを増加させる勾配)によって精製した:収量2.0g(65%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ9.47(s、1H)、9.43(s、1H)、7.88(s、1H)、7.49(dd、J=8.0、2.0Hz、1H)、7.37(d、J=8.4Hz、1H)、5.69(dd、J=8.8、2.8Hz、1H)、5.26(dd、J=14.0、3.2Hz、1H)、4.49(dd、J=13.6、9.2Hz、1H)、1.44(s、9H);MS(ESI)m/z=307(M−1、負)。
6−アミノ−3−アミノメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A32)
Figure 2010530881
一般手順12:(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.25g、4.06mmol)、HO中のラネーNiスラリー(小さじ1杯)、EtOH中の2M NH(14.21mL、28.42mmol)、及びEtOH(20mL)。残渣をジオキサン(30mL)及びMeOH(数滴)混合物に溶解し、ジオキサン(10mL、40mmol)中の4N HClを添加し、16時間室温で攪拌した。沈殿物を濾過し、CHClで洗浄し、乾燥し、粗製の化合物900mgを生成した。粗製物を温HOに溶解し、MeCNを添加した。添加中、溶液は2つの層に分離した。MeOHをこの溶液に添加して透明な溶液とし、過剰のCHCNを添加した。沈殿物を沈下させ、液体をデカントし、フレッシュなMeCNを添加し、同じ手順を繰り返し、A32を淡黄色固体として得た:収量400mg(39%)。
融点190−200℃(dec.);HNMR(400MHz、DMSO−d):δ(ppm)8.29(bs、3H)、7.79(d、J=2.0Hz、1H)、7.62(d、J=8.4Hz、1H)、7.49(dd、J=8.0、2.0Hz、1H)、5.40(dd、J=8.8、2.8Hz、1H)、3.51−3.49(m、1H)、2.84−2.77(m、1H);MS(ESI)m/z=163(M+1、正);HPLC93.40%(MaxPlot200〜400nm)、96%(220nm)。
N−(3−アミノメチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)−ベンゼンスルホンアミド,塩酸塩(A33)
Figure 2010530881
6−ニトロ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
Figure 2010530881
3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(20.0g、104mmol)を2時間にわたって攪拌しながら−45℃(浴温)で発煙HNO(200mL)に小さく分けて添加した。を次いで冷たい反応混合物を粉砕した氷に注ぎ込み、室温に温めた。水相をEtOAcで抽出した。EtOAc相を真空で濃縮し、残渣を粉砕した氷に注ぎ込んだ。沈殿物を濾過し、HOで洗浄した。固体をEtOAcに溶解し、乾燥し(NaSO)、真空で濃縮し、表題化合物を生成した:収量(14.3g、58%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ9.87(bs、1H)、8.57(s、1H)、8.40(dd、J=8.4、2.4Hz、1H)、7.85(d、J=8.0Hz、1H)、5.92(dd、J=8.0、2.8Hz、1H)、5.42(dd、J=13.6、2.8Hz、1H)、4.82(dd、J=13.6、8.0Hz、1H);MS(ESI)m/z=237(M−1、負)。
(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2010530881
EtOAc(50mL)中の6−ニトロ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(2.38g、10mmol)、10%Pd/C(250mg)、及び(Boc)O(10.9g、50mmol)の混合物をH(50psi)の雰囲気下で室温で1時間振とうした。反応混合物をセライトを通して濾過し、濾液を真空で濃縮した。粗製の生成物をBiotageフラッシュクロマトグラフィー(CHCl中MeOHを増加させる勾配)によって精製した:収量2.0g(65%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ9.47(s、1H)、9.43(s、1H)、7.88(s、1H)、7.49(dd、J=8.0、2.0Hz、1H)、7.37(d、J=8.4Hz、1H)、5.69(dd、J=8.8、2.8Hz、1H)、5.26(dd、J=14.0、3.2Hz、1H)、4.49(dd、J=13.6、9.2Hz、1H)、1.44(s、9H);MS(ESI)m/z=307(M−1、負)。
6−アミノ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
Figure 2010530881
一般手順11:ジオキサン(16mL)中の(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2.0g、6.5mmol)及び4N HCl。反応混合物を真空で濃縮し、残渣を飽和NaHCOで中和した(pH7)。反応混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機相を乾燥し(NaSO)、濃縮し、表題化合物を得た:収量1.06g(78%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ9.25(s、1H)、7.13(d、J=8.0Hz、1H)、6.85(d、J=1.6Hz、1H)、6.68(dd、J=8.0、1.6Hz、1H)、5.58(dd、J=9.2、2.4Hz、1H)、5.21−5.16(m、3H)、4.36(dd、J=1,3,2、9.6Hz、1H);MS(ESI)m/z=309(M+1、正)。
N−(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2010530881
一般手順1:6−アミノ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(1.06g、5.1mmol)、塩化フェニルスルホニル(0.64mL、5.1mmol)、ピリジン(1.23mL、15.3mmol)、及びMeCN(50mL):収量1.6g(90%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ10.40(s、1H)、9.52(s、1H)、7.75(d、J=8.0Hz、2H)、7.61−7.50(m、3H)、7.47(d、J=2.0Hz、1H)、7.37(d、J=8.0Hz、1H)、7.19(dd、J=8.4、2.4Hz、1H)、5.66(dd、J=8.8、2.8Hz、1H)、5.23(dd、J=1,3,2、2.8Hz、1H)、4.48(dd、J=1,3,2、8.8Hz、1H);MS(ESI)m/z=347(M−1、負)。
N−(3−アミノメチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)−ベンゼンスルホンアミド,塩酸塩(A33)
Figure 2010530881
一般手順12:N−(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)−ベンゼンスルホンアミド(1.6g、4.6mmol)、HO中のラネーNiスラリー(小さじ1.5杯)、2M NH/EtOH(16.1mL、32.2mmol)、及びEtOH(50mL)。精製:残渣をジオキサン(30mL)及びMeOH(数滴)の混合物に溶解し、ジオキサン(5.6mL、22.4mmol)中の4N HClを添加し、16時間室温で攪拌した。混合物を濃縮し、残渣をMeOHに溶解した。溶液をEtOに滴下して添加し、沈殿物をデカントによって単離した。次いで固体をHOに一部溶解し、混合物を濾過した。濾液を凍結乾燥し、A33を淡黄色固体として得た:収量150mg(9%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d):δ10.48(s、1H)、9.58(s、1H)、8.17(bs、3H)、7.79(d、J=8.4Hz、2H)、7.63−7.53(m、4H)、7.38(d、J=8.0Hz、1H)、7.21(dd、J=8.0、2.0Hz、1H)、5.25(dd、J=8.8、1.6Hz、1H)、3.42−3.35(m、1H)、2.80−2.70(m、1H);MS(ESI)m/z319(M+1);HPLC純度:90%(220nm)。
ピリジン−2−スルホン酸(3−アミノメチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)−アミド塩酸塩(A34)
Figure 2010530881
ピリジン−2−スルホン酸(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)−アミド
Figure 2010530881
一般手順1:MeCN(3mL)中の2−ピリジン塩化スルホニル塩酸塩(905mg、4.23mmol)及びピリジン(0.34mL、4.23mmol)の溶液を6−アミノ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(0.88g、4.23mmol)、ピリジン(1.03mL、12.7mmol)、及びMeCN(50mL)に添加した:収量380mg(26%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ10.67(s、1H)、9.53(s、1H)、8.71(d、J=4.8Hz、1H)、8.05(td、J=7.6、1.6Hz、1H)、7.97(d、J=8.0Hz、1H)、7.66−7.63(m、1H)、7.51(d、J=1.6Hz、1H)、7.39(d、J=8.0Hz、1H)、7.26(dd、J=8.0、2.0Hz、1H)、5.68(dd、J=9.2、2.4Hz、1H)、5.25(dd、J=13.6、2.8Hz、1H)、4.51(dd、J=13.6、9.6Hz、1H);MS(ESI)m/z=350(M−1、負)。
ピリジン−2−スルホン酸(3−アミノメチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)−アミド塩酸塩(A34)
Figure 2010530881
一般手順12:ピリジン−2−スルホン酸(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)−アミド(349mg、1.0mmol)、HO中のラネーNiスラリー(小さじ0.5杯)、EtOH(3.5mL、7.0mmol)中の2M NH、及びEtOH(10mL)。精製:残渣をジオキサン(30mL)及びMeOH(数滴)の混合物に溶解し、ジオキサン(5.6mL、22.4mmol)中の4N HClを添加し、16時間室温で攪拌し、混合物を濃縮し、粗製の残渣をMeOHに溶解した。この溶液をEtOに滴下して添加し、得られた沈殿物をデカントによって単離した。固体をHOに一部溶解し、混合物濾過した。濾液を凍結乾燥し、A34を淡黄色固体として得た:収量100mg(31%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d):δ10.68(s、1H)、9.58(bs、1H)、8.71(d、J=4.4Hz、1H)、8.10−8.04(m、4H)、7.98(d、J=7.6Hz、1H)、7.67−7.63(m、1H)、7.59(d、J=2.0Hz、1H)、7.37(d、J=8.0Hz、1H)、7.26(dd、J=8.4、2.4Hz、1H)、5.24(dd、J=9.2、2.4Hz、1H)、3.50−3.25(m、1H)、2.78−2.68(m、1H);MS(ESI)m/z=320(M+1、正);HPLC純度:88.76%(220nm)。
N−[3−(3−アミノメチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−アセトアミド塩酸塩(A35)
Figure 2010530881
メタンスルホン酸3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピルエステル
Figure 2010530881
CHCl(200mL)中のMsCl(6.5mL、84mmol)をEtN(16.0mL、114mmol)及び(3−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(13.4g、76.5mmol)の溶液に0℃(浴温)でゆっくりと添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌し、次いでHO(100mL)でクエンチした。水層をCHClで抽出し、次いで有機分画を乾燥し(MgSO)、真空で濃縮した。表題化合物を無色ののオイルとして単離した:収量18.9g(98%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):4.73(bs、1H)、4.30(t、J=5.9Hz、2H)、3.31,3,24(m、2H)、3.04(s、3H)、1.94(t、J=6.1Hz、2H)、1.44(s、9H)。
[3−(2−ブロモ−3−ホルミル−フェノキシ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2010530881
一般手順4:2−ブロモ−3−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(15.0g、74.6mmol)、メタンスルホン酸3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピルエステル(18.9g、74.6mmol)、CsCO(36.5g、112mmol)、及びDMF(300mL)。表題化合物を粘性の液体として単離した:収量22.0g(82%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):10.43(s、1H)、7.53(dd、J=7.8、1.6Hz、1H)、7.37(t、J=7.8Hz、1H)、7.12(dd、J=8.2、1.6Hz、1H)、5.16(bs、1H)、4.15(t、J=5.9Hz、2H)、3.42(q、J=6.1Hz、2H)、2.1,3,2.05(m、2H)、1.44(s、9H)。
{3−[3−ホルミル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェノキシ]−プロピル}−カルバミン酸ベンジルエステル
Figure 2010530881
一般手順5:[3−(2−ブロモ−3−ホルミル−フェノキシ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(22.0g、61.4mmol)、Bpin(31.2g、123mmol)、KOAc(24.1g、246mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(6.73g、9.21mmol)、及びジオキサン(300mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%EtOAc)。表題化合物を白色のフォームとして単離した:収量11.0g(44%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):9.95(s、1H)、7.48(t、J=7.8Hz、1H)、7.43−7.39(m、1H)、7.09(d、J=8.2Hz、1H)、4.76(bs、1H)、4.05(t、J=6.3Hz、2H)、3.32(q、J=6.0Hz、2H)、2.03−1.95(m、2H)、1.45(s、12H)、1.43(s、9H)。
[3−(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2010530881
一般手順9:{3−[3−ホルミル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェノキシ]−プロピル}−カルバミン酸ベンジルエステル(11.0g、27.1mmol)、MeNO(2.9mL、54mmol)、CTAB(494mg、1.35mmol)、25mM NaOH(100mL)、及びTHF(5mL)。混合物を1M NaHSOHCl(100mL)を用いて酸性化した:収量6.0g(60%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.05(s、1H)、7.46(t、J=7.8Hz、1H)、7.07(d、J=7.4Hz、1H)、6.94−6.85(m、2H)、5.71(dd、J=9.0、2.7Hz、1H)、5.31(dd、J=13.3、2.7Hz、1H)、4.55(dd、J=13.3、9.4Hz、1H)、4.05(t、J=6.3Hz、2H)、3.09(q、J=6.6Hz、2H)、1.83(quin、J=6.6Hz、2H)、1.37(s、9H)。
7−(3−アミノ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩
Figure 2010530881
一般手順11:[3−(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.0g、8.2mmol)及びジオキサン(20mL)中の4M HCl。精製:EtOで粉砕。表題化合物を白色固体として単離した:2.32g(93%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.24(bs、1H)、7.91(bs、3H)、7.47(t、J=7.8Hz、1H)、7.10(d、J=7.4Hz、1H)、6.90(d、J=8.2Hz、1H)、5.72(dd、J=9.2、2.5Hz、1H)、5.31(dd、J=13.5、2.9Hz、1H)、4.54(dd、J=13.5、9.2Hz、1H)、4.13(t、J=5.9Hz、2H)、3.06−2.94(m、2H)、2.02(quin、J=5.9Hz、2H)。
N−[3−(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−アセトアミド
Figure 2010530881
AcO(1.16mL、12.3mmol)をCHCl(50mL)中のEtN(2.33mL、16.5mmol)及び7−(3−アミノ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(1.69g、76.5mmol)の溶液に0℃(浴温)でゆっくりと添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌し、次いでHO(50mL)でクエンチした。混合物をCHClで抽出し、有機分画を乾燥し(MgSO)、真空で濃縮し、表題化合物を粘性の液体として得た:収量1.29g(75%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.13(s、1H)、7.89−7.78(m、1H)、7.45(t、J=7.8Hz、1H)、7.06(d、J=7.4Hz、1H)、6.88(d、J=8.2Hz、1H)、5.70(dd、J=9.6、2.5Hz、1H)、5.29(dd、J=13.3、2.7Hz、1H)、4.54(dd、J=13.7、9.4Hz、1H)、4.04(t、J=6.6Hz、2H)、3.23−3.15(m、2H)、2.20(s、3H)、1.82(t、J=6.5Hz、2H);MS(ESI):m/z=307(M−1、負)。
7−(3−アセチルアミノ−プロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2010530881
一般手順10:N−[3−(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−アセトアミド(1.29g、4.18mmol)、NiCl・6HO(995mg、4.18mmol)、NaBH(953mg、25.2mmol)、BocO(1.82g、8.36mmol)、及びMeOH(100mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中の5%MeOH)。表題化合物を白色のフォームとして単離した:収量600mg(38%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.81(s、1H)、7.86(t、J=5.5Hz、1H)、7.40(t、J=7.8Hz、1H)、7.01−6.90(m、2H)、6.84(d、J=8.2Hz、1H)、5.11−5.04(m、1H)、4.05(t、J=6.1Hz、2H)、3.22(q、J=6.4Hz、2H)、3.10−2.96(m、1H)、1.88−1.81(m、2H)、1.80(s、3H)、1.37(s、9H);MS(ESI):m/z=377(M−1、負)。
N−[3−(3−アミノメチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−アセトアミド塩酸塩(A35)
Figure 2010530881
一般手順11:[7−(3−アセチルアミノ−プロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(600mg、1.58mmol)、EtO(3mL)中の1M HCl、及びCHCl(5mL)。精製:EtOで粉砕、続いて分取HPLC。A35を白色固体として単離した:収量35mg(7%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d+1dropconc.HCl)δ(ppm):8.32(bs、3H)、7.42(t、J=7.8Hz、1H)、7.01(d、J=7.4Hz、1H)、6.85(d、J=8.2Hz、1H)、5.28(dd、J=9.0、2.3Hz、1H)、4.01(t、J=6.3Hz、2H)、3.45−3.32(m、1H)、3.18(t、J=5.8Hz、2H)、2.78−2.63(m、1H)、1.84−1.76(m、5H);MS(ESI):m/z=279(M+1、正);HPLC純度:99.03%(MaxPlot200〜400nm)、97.82%(220nm)。
3−アミノメチル−7−(3−アミノ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オールトリフルオロ酢酸塩(A36)
Figure 2010530881
[3−(3−アミノメチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2010530881
一般手順12:[3−(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.0g、2.7mmol)、ラネーNi(2.0g、2等量w/w)、EtOH(5mL)中の2M NH、及び無水EtOH(20mL):収量800mg(88%)。
MS(ESI):m/z=337(M+1、正)。
3−アミノメチル−7−(3−アミノ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール;TF塩、(A36)
Figure 2010530881
一般手順11:[3−(3−アミノメチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(700mg、2.08mmol)及び1,4−ジオキサン(10mL)中の4N HClを室温で18時間攪拌した。精製:分取HPLC(TFA):収量159mg(14%)。
融点136−138℃;HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.11(bs、1H)、8.13(bs、3H)、7.90(bs、3H)、7.50(t、J=7.8Hz、1H)、7.09(d、J=7.4Hz、1H)、6.92(d、J=8.2Hz、1H)、5.28(d、J=7.0Hz、1H)、4.26−4.04(m、2H)、3.04(d、J=5.1Hz、2H)、2.82(bs、1H)、2.17−1.94(m、2H);19FNMR(376MHz、DMSO−d)δ(ppm):−74.08(s);MS(ESI):m/z=237(M+1、正);HPLC純度:98.44%(MaxPlot200〜400nm)、94.39%(220nm)。
3−アミノメチル−7−(3−メトキシ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A38)
Figure 2010530881
2−ブロモ−3−(3−メトキシ−プロポキシ)−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
一般手順4:2−ブロモ−3−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(10.0g、49.7mmol)、CsCO(32.41g、99.42mmol)、1−ブロモ−3−メトキシプロパン(7.61g、49.7mmol)、及び無水DMF(100mL)。反応条件:60℃(浴温)で20時間。表題化合物を無色の液体として単離した:収量10.5g(77%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):10.54(s、1H)、7.51(d、J=6.2Hz、1H)、7.35(t、J=7.8Hz、1H)、7.14(d、J=8.2Hz、1H)、4.17(t、J=6.1Hz、2H)、3.64(t、J=6.1Hz、2H)、3.37(s、3H)、2.13(qd、J=6.1、5.9Hz、2H)。
3−(3−Mエトキシ−プロポキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
一般手順5:2−ブロモ−3−(3−メトキシ−プロポキシ)−ベンズアルデヒド(13.44g、49.22mmol)、Bpin(18.74g、73.83mmol)、KOAc(14.49g、147.66mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(2.88g、8mol%)、及び無水1,4−ジオキサン(130mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサンから20%EtOAcへ)。表題化合物を白色固体として単離した:収量7.04g(50%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):9.94(s、1H)、7.59−7.45(m、1H)、7.45−7.32(m、1H)、7.09(d、J=8.2Hz、1H)、4.08(t、J=6.2Hz、2H)、3.56(t、J=6.2Hz、2H)、3.34(s、3H)、2.06(qd、J=6.2Hz、2H)、1.45(s、12H)。
7−(3−メトキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
Figure 2010530881
一般手順8:3−(3−メトキシ−プロポキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(7.04g、22.0mmol)、MeNO(4.03g、66.0mmol)、NaOH(880mg、22.1mmol)、及びHO(30mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサンから20%EtOAc/ヘキサンへ):収量4.8g(78%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.03(s、1H)、7.44(t、J=7.8Hz、1H)、7.05(d、J=7.4Hz、1H)、6.87(d、J=8.2Hz、1H)、5.69(dd、J=9.2、2.5Hz、1H)、5.28(dd、J=13.3、2.7Hz、1H)、4.54(dd、J=13.5、9.2Hz、1H)、4.06(t、J=6.2Hz、2H)、3.47(t、J=6.2Hz、2H)、3.22(s、3H)、2.04−1.86(m、2H);MS(ESI):m/z=280(M−1、負)。
[1−ヒドロキシ−7−(3−メトキシ−プロキシ)−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2010530881
一般手順10:7−(3−メトキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(1.30g、4.62mmol)、BocO(2.01g、9.25mmol)、NiCl・6HO(1,3,2g、5.55mmol)、NaBH(1.04g、27.5mmol)、及び無水MeOH(10mL)。粗製の残渣をさらに精製することなく次の反応で直接使用した。
3−アミノメチル−7−(3−メトキシ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A38)
Figure 2010530881
一般手順11:[1−ヒドロキシ−7−(3−メトキシ−プロキシ)−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2.0g、5.5mmol)及び1,4−ジオキサン(20mL)中の4N HCl。精製:分取HPLC:収量540mg(2工程で37%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.85(s、1H)、8.29(bs、3H)、7.44(t、J=7.8Hz、1H)、7.03(d、J=7.8Hz、1H)、6.87(d、J=7.8Hz、1H)、5.30(dd、J=8.6、2.3Hz、1H)、4.06(t、J=6.2Hz、2H)、3.48(t、J=6.2Hz、2H)、3.22(s、3H)、2.76−2.74(m、1H)、1.94(q、J=6.2Hz、2H);MS(ESI):m/z=252(M+1、正);HPLC純度:98.90%(MaxPlot200〜400nm)、97.04(220nm);についての分析値。C1219BClNO:C50.12%;H6.66%;N4.87%実験値:C50.30%;H6.63%;N5.21%.
C−(7,8−ジヒドロ−2H−1,6,9−トリオキサ−9a−ボラ−ベンゾ[cd]アズレン−2−イル)−メチルアミン酢酸塩(A39)
Figure 2010530881
7−(3−ベンジルオキシ−エトキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
Figure 2010530881
一般手順8:3−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(1.15g、30mmol)、MeNO(0.39mg、6mmol)、NaOH(50mg、0.15mmol)、THF(5mL)及びHO(50mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサンから30%EtOAc/ヘキサンとした):収量3.7g(61%)。
HNMR{400MHz、DMSO−d+DO(0.01mL)}δ(ppm):7.49(t、J=7.8Hz、1H)、7.34−7.25(m、5H)、7.08(d、J=7.6Hz、1H)、6.92(d、J=8.0Hz、1H)、5.71(d、J=6.4Hz、1H)、5.30(d、J=6.4Hz、1H)、4.58−4.53(m、1H)、4.47(s、2H)、4.21(t、J=6.2Hz、2H)、3.80(t、J=6.0Hz、2H);MS(ESI)m/z=342(M−1、負);MS(ESI):HPLC純度97.89%(MaxPlot)及び95.57%(220nm)。
C−(7,8−ジヒドロ−2H−1,6,9−トリオキサ−9a−ボラ−ベンゾ[cd]アズレン−2−イル)−メチルアミン酢酸塩(A39)
Figure 2010530881
一般手順13:7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(0.45g、0.013mol)、20%Pd(OH)/C(50重量%−湿性)(50mg)、及び氷AcOH(30mL)。精製:分取HPLC(0.1%AcOH)。A39を0.75mol%AcOHをを含む灰色固体として単離した:収量0.1g(34%)。
融点69−71℃;HNMR{400MHz、DMSO−d+DO(0.01mL)}δ(ppm):7.43(t、J=7.6Hz、1H)、7.05(d、J=7.3Hz、1H)、6.84(d、J=8.2Hz、1H)、5.19(bs、1H)、4.65(bs、1H)、4.40−4.10(m、3H)、3.05−2.90(m、1H)、2.80−2.60(m、1H);MS(ESI)m/z=206(M+1、正);HPLC純度:99.26%(MaxPlot)及び98.26%(220nm)。
4−(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−ブチロニトリル(A40)
Figure 2010530881
一般手順9:4−[3−ホルミル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェノキシ]−ブチロニトリル(2.0g、6.3mmol)、MeNO(0.68mL、12mmol)、CTAB(116mg、0.32mmol)、0.025M NaOH(20mL)、及びTHF(5mL)。精製:沈殿:収量560mg(32%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.08(s、1H)、7.48(t、J=7.8Hz、1H)、7.11(d、J=7.4Hz、1H)、6.93(d、J=8.2Hz、1H)、5.72(dd、J=9.4、2.7Hz、1H)、5.31(dd、J=1,3,2、2.7Hz、1H)、4.65−4.48(m、1H)、4.10(t、J=5.5Hz、2H)、2.69(t、J=7.4Hz、2H)、2.04(quin、2H);MS(ESI):m/z=275(M−1、負);HPLC純度:97.72%(MaxPlot200〜400nm)、96.62%(220nm)。
7−(4−アミノ−ブトキシ)−3−アミノメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A41)
Figure 2010530881
{4−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ]−ブチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2010530881
一般手順10:A40(490mg、1.77mmol)、NiCl・6HO(632mg、2.66mmol)、NaBH(807mg、21.3mmol)、BocO(1.54g、7.08mmol)、及びMeOH(20mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)。表題化合物を白色のフォームとして単離した:収量420mg(53%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.76(s、1H)、8.73−8.66(m、1H)、8.82−8.65(m、2H)、7.42−7.33(m、1H)、7.43−7.32(m、1H)、6.92(dd、J=17.8、7.2Hz、1H)、6.85−6.76(m、1H)、5.21−4.99(m、1H)、3.99(t、J=6.1Hz、2H)、3.01−2.89(m、2H)、1.73−1.61(m、2H)、1.57−1.46(m、2H)、1.39−1.29(m、18H);MS(ESI):m/z=449(M−1、負)。
7−(4−アミノ−ブトキシ)−3−アミノメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A41)
Figure 2010530881
一般手順11:{4−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ]−ブチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(420mg、0.93mmol)、及びEtO(5mL)中の1M HCl。精製:分取HPLC。A41を白色固体として単離した:収量260mg(86%)。
融点145−146℃;HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.93(bs、1H)、8.23(bs、3H)、8.01(bs、3H)、7.48(t、J=7.6Hz、1H)、7.07(d、J=7.4Hz、1H)、6.92(d、J=7.8Hz、1H)、5.30(d、J=7.8Hz、1H)、4.21−3.95(m、2H)、2.95−2.72(m、2H)、1.92−1.60(m、4H);MS(ESI):m/z=251(M+1、正);HPLC純度:87.79%(MaxPlot200〜400nm)、85.7%(220nm)。
3−アミノメチル−7−(4−ヒドロキシ−ブトキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール酢酸塩(A42)
Figure 2010530881
7−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
Figure 2010530881
一般手順9:3−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(2.0g、4.8mmol)、MeNO(0.51mL、9.6mmol)、CTAB(87mg、0.24mmol)、0.025M NaOH(20mL)、及びTHF(5mL)。精製:沈殿により白色固体を得た。:収量1.2g(67%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.07(s、1H)、7.45(t、J=7.8Hz、1H)、7.38−7.24(m、5H)、7.06(d、J=7.4Hz、1H)、6.88(d、J=8.2Hz、1H)、5.71(dd、J=9.6、2.5Hz、1H)、5.31(dd、J=13.3、2.7Hz、1H)、4.55(dd、J=13.5、9.6Hz、1H)、4.46(s、2H)、4.13−3.97(m、2H)、3.56−3.45(m、2H)、1.85−1.65(m、4H);MS(ESI):m/z=370(M−1、負)。
3−アミノメチル−7−(4−ヒドロキシ−ブトキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール酢酸塩(A42)
Figure 2010530881
一般手順13:7−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(1.0g、2.7mmol)、Pd(OH)(1.0g)、及びAcOH(20mL)。精製:分取HPLC(0.1%AcOH)。A42を白色固体として単離した:収量250mg(33%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d+濃HCl1滴)δ(ppm):8.38(bs、2H)、7.47(t、J=7.8Hz、1H)、7.06(d、J=7.4Hz、1H)、6.90(d、J=8.2Hz、1H)、5.33(d、J=9.0Hz、1H)、4.05(t、J=6.2Hz、1H)、3.49−3.46(m、J=6.4Hz、4H)、2.77−2.62(m、1H)、1.98(s、3H)、1.78−1.70(m、2H)、1.65−1.45(m、2H);MS(ESI):m/z=252(M+1、正);HPLC純度:98.13%(MaxPlot200〜400nm)、96.65%(220nm)。
[3−(3−アミノメチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−カルバミン酸ベンジルエステル塩酸塩(A43)
Figure 2010530881
メタンスルホン酸3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−プロピルエステル
Figure 2010530881
MsCl(2.03mL、26.3mmol)をCHCl(100mL)中のEtN(4.9mL、36mmol)及び4−ベンジルオキシ−ブタン−1−オール(5.0g、24mmol)の溶液に0℃(浴温)でゆっくりと添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌し、次いでHO(100mL)でクエンチした。混合物をCHClで抽出し、有機層を乾燥し(MgSO)、真空で濃縮し、表題化合物を無色の液体として得た:収量6.58g(96%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):7.43−7.24(m、5H)、5.36(bs、1H)、5.09(s、2H)、4.29(t、J=5.9Hz、2H)、3.39−3.26(m、2H)、3.01(s、3H)、2.01−1.89(m、2H)。
[3−(2−ブロモ−3−ホルミル−フェノキシ)−プロピル]−カルバミン酸ベンジルエステル
Figure 2010530881
一般手順4:2−ブロモ−3−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(3.81g、19mmol)、メタンスルホン酸3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−プロピルエステル(6.55g、22.8mmol)、CsCO(9.28g、28.5mmol)及びDMF(100mL)。表題化合物を粘性の液体として単離した:収量6.93g(93%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):10.41(s、1H)、7.52(d、J=8.6Hz、1H)、7.41−7.30(m、6H)、7.12(d、J=7.8Hz、1H)、5.56(bs、1H)、5.11(s、2H)、4.20−4.12(m、2H)、3.54−3.46(m、2H)、2.17−2.07(m、2H)。
{3−[3−ホルミル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェノキシ]−プロピル}−カルバミン酸ベンジルエステル
Figure 2010530881
一般手順5:[3−(2−ブロモ−3−ホルミル−フェノキシ)−プロピル]−カルバミン酸ベンジルエステル(6.9g、18mmol)、Bpin(8.93g、35.2mmol)、KOAc(6.90g、70.4mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(0.64g、0.87mmol)、及びジオキサン(200mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20%EtOAc)。表題化合物を白色のフォームとして単離した:収量1.98g(26%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):9.94(s、1H)、7.52−7.31(m、7H)、7.07(d、J=7.8Hz、1H)、5.13−5.04(m、3H)、4.06(t、J=5.7Hz、2H)、3.41(q、J=5.9Hz、2H)、2.07−2.01(m、2H)、1.43(s、12H)。
[3−(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−カルバミン酸ベンジルエステル
Figure 2010530881
一般手順9:{3−[3−ホルミル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェノキシ]−プロピル}−カルバミン酸ベンジルエステル(1.98g、4.50mmol)、MeNO(0.48mL、9.0mmol)、CTAB(82mg、0.32mmol)、0.025M NaOH(20mL)、及びTHF(5mL)。精製:沈殿により白色固体を得た。:収量1.3g(75%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.06(s、1H)、7.50−7.42(m、1H)、7.40−7.25(m、6H)、7.07(d、J=7.4Hz、1H)、6.88(d、J=9.4Hz、1H)、5.71(d、J=8.2Hz、1H)、5.36−5.25(m、1H)、5.01(s、2H)、4.61−4.46(m、1H)、4.11−3.99(m、2H)、3.24−3.14(m、2H)、1.93−1.80(m、2H)。
{3−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ]−プロピル}−カルバミン酸ベンジルエステル
Figure 2010530881
一般手順10:[3−(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−カルバミン酸ベンジルエステル(1.3g、3.4mmol)、NiCl・6HO(804mg、3.38mmol)、NaBH(770mg、20.3mmol)、BocO(1.47g、6.76mmol)、及びMeOH(20mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)。表題化合物を白色のフォームとして単離した:収量300mg(19%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.73(s、1H)、7.43−7.24(m、7H)、7.02−6.94(m、1H)、6.90(d、J=7.4Hz、1H)、6.80(d、J=8.6Hz、1H)、5.09−5.01(m、1H)、4.99(s、2H)、4.02(t、J=5.9Hz、2H)、3.20−3.11(m、3H)、3.05−2.93(m、1H)、1.89−1.78(m、2H)、1.35(s、9H);MS(ESI):m/z=469(M−1、負)。
[3−(3−アミノメチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−カルバミン酸ベンジルエステル塩酸塩(A43)
Figure 2010530881
一般手順11:{3−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ]−プロピル}−カルバミン酸ベンジルエステル(300mg、0.63mmoL)、EtO(2mL)中の1M HCl、及びCHCl(2mL)。精製:分取HPLC。A43を白色固体70mg(29%)として単離した。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):7.40−7.22(m、9H)、7.04(d、J=7.4Hz、1H)、6.87(d、J=7.8Hz、1H)、5.02−4.96(m、3H)、4.08−3.98(m、2H)、3.23−3.12(m、2H)、3.06−2.92(m、1H)、2.71−2.60(m、1H)、1.92−1.82(m、3H);MS(ESI):m/z=371(M+1、正);HPLC純度:97.01%(MaxPlot200〜400nm)、95.99%(220nm)。
N−[3−(3−アミノメチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−メタンスルホンアミド塩酸塩(A44)
Figure 2010530881
N−[3−(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−メタンスルホンアミド
Figure 2010530881
MsCl(0.99mL、13mmol)をCHCl(50mL)中のEtN(2.85mL、20.5mmol)及び7−(3−アミノ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(1.55g、5.12mmol)の溶液に0℃(浴温)でゆっくりと添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌し、次いでHO(50mL)でクエンチした。混合物をCHClで抽出し、有機分画を乾燥し(MgSO)、真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)によって精製し、表題化合物として粘性の液体を得た:収量500mg(28%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):7.47(t、J=7.8Hz、1H)、7.12−7.05(m、1H)、7.05−6.97(m、1H)、6.91(d、J=7.8Hz、1H)、5.71(dd、J=9.4、2.7Hz、1H)、5.31(dd、J=13.7、2.7Hz、1H)、4.56(dd、J=13.5、9.2Hz、1H)、4.10(t、J=6.1Hz、2H)、3.16−3.08(m、2H)、2.88(s、3H)、1.99−1.86(m、2H);MS(ESI):m/z=343(M−1、負)。
[1−ヒドロキシ−7−(3−メタンスルホニルアミノ−プロポキシ)−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2010530881
一般手順10:N−[3−(1−ヒドロキシ−3−ニトロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−メタンスルホンアミド(500mg、1.45mmol)、NiCl・6HO(345mg、1.45mmol)、NaBH(330mg、8.7mmol)、BocO(632mg、2.90mmol)、及びMeOH(50mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中5%MeOH)。表題化合物を白色のフォームとして単離した:収量140mg(23%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.77(s、1H)、7.40(t、J=7.6Hz、1H)、7.07−6.80(m、4H)、5.13−5.00(m、1H)、4.13−4.03(m、2H)、3.21−2.97(m、3H)、2.88(s、3H)、1.97−1.87(m、2H)、1.37(s、9H);MS(ESI):m/z=413(M−1、負)。
N−[3−(3−アミノメチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピル]−メタンスルホンアミド塩酸塩(A44)
Figure 2010530881
一般手順11:[1−ヒドロキシ−7−(3−メタンスルホニルアミノ−プロポキシ)−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(140mg、0.33mmol)、EtO(2mL)中の1M HCl及びCHCl(2mL)。精製:EtOで粉砕、続いて分取HPLC。A44を白色固体として単離した:収量30mg(25%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d+1dropconc.HCl)δ(ppm):8.13(bs、3H)、7.46(t、J=7.6Hz、1H)、7.04(d、J=7.4Hz、1H)、6.90(d、J=8.6Hz、1H)、5.26(d、J=8.6Hz、1H)、4.08(t、J=5.5Hz、2H)、3.16−3.07(m、3H)、2.87(s、3H)、2.84−2.74(m、1H)、1.95−1.86(m、2H);MS(ESI):m/z=315(M+1、正);HPLC純度:84.60%(MaxPlot200〜400nm)、82.29%(220nm)。
2−(3−アミノメチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシメチル)−プロパン−1,3−ジオール塩酸塩(A45)
Figure 2010530881
(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル)−メタノール
Figure 2010530881
THF(100mL)中の2,2−ジメトキシプロパン(5.88g、56.5mmol)、2−メチル−プロパン−1,3−ジオール(5.0g、47mmol)、及びPTSA一水和物(0.48g、2.3mmol)の溶液を室温でO/Nで攪拌した。混合物を真空で濃縮し、表題化合物を無色の液体として得た:収量6.87g(99%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):4.03(dd、J=11.7、3.5Hz、2H)、3.84−3.73(m、4H)、2.49−2.39(m、1H)、1.90−1.80(m、1H)、1.45(s、3H)、1.40(s、3H)。
メタンスルホン酸2,2−ジメチル[1,3]ジオキサン−5−イルメチルエステル
Figure 2010530881
CHCl(100mL)中のMsCl(4.4mL、56mmol)をEtN(9.8mL、71mmol)及び(2,2−ジメチル[1,3]ジオキサン−5−イル)−メタノール(6.87g、47.0mmol)の溶液に0℃(浴温)でゆっくりと添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌し、次いでHO(100mL)でクエンチした。混合物をCHClで抽出し、有機分画を乾燥し(MgSO)、真空で濃縮し、表題化合物として無色の液体を得た:収量10.02g(95%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):4.42(d、J=7.4Hz、2H)、4.13−4.04(m、2H)、3.82−3.74(m、2H)、3.05(s、3H)、2.05−1.95(m、1H)、1.46(s、3H)、1.40(s、3H)。
2−ブロモ−3−(2,2−ジメチル[1,3]ジオキサン−5−イルメトキシ)−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
一般手順4:2−ブロモ−3−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(8.98g、44.7mmol)、メタンスルホン酸2,2−ジメチル[1,3]ジオキサン−5−イルメチルエステル(10.02g、44.68mmol)、CsCO(21.8g、67.0mmol)、及びDMF(100mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20%EtOAc)。表題化合物を粘性の液体として単離した:収量4.20g(29%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):10.43(s、1H)、7.53(d、J=7.4Hz、1H)、7.38(t、J=7.6Hz、1H)、7.15(d、J=8.2Hz、1H)、4.26−4.08(m、4H)、4.01(dd、J=11.5、4.5Hz、2H)、2.22(dt、J=11.2、5.5Hz、1H)、1.50(s、3H)、1.45(s、3H)。
3−(2,2−ジメチル[1,3]ジオキサン−5−イルメトキシ)−2−(4−メチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
一般手順5:2−ブロモ−3−(2,2−ジメチル[1,3]ジオキサン−5−イルメトキシ)−ベンズアルデヒド(4.10g、12.5mmol)、Bpin(6.34g、25.0mmol)、KOAc(4.90g、50.0mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(0.91g、1.3mmol)、及びジオキサン(200mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)。表題化合物を白色のフォームとして単離した:収量2.0g(42%)
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):9.95(s、1H)、7.49(t、J=7.8Hz、1H)、7.44−7.38(m、1H)、7.13(d、J=8.2Hz、1H)、4.17−4.06(m、4H)、3.86(dd、J=11.9、4.5Hz、2H)、2.12(d、1H)、1.27(s、15H)、1.24(s、3H);MS(ESI):m/z=377(M+1、正)。
7−(2,2−ジメチル[1,3]ジオキサン−5−イルメトキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−1−オール
Figure 2010530881
一般手順9:3−(2,2−ジメチル[1,3]ジオキサン−5−イルメトキシ)−2−(4−メチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(2.0g、5.3mmol)、MeNO(0.57mL、11mmol)、CTAB(97mg、0.26mmol)、0.025M NaOH(50mL)、及びTHF(5mL)。精製:沈殿:収量0.45g(25%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.09(s、1H)、7.47(t、J=7.8Hz、1H)、7.09(d、J=7.4Hz、1H)、6.92(d、J=8.2Hz、1H)、5.71(d、J=9.0Hz、1H)、5.31(d、J=13.3Hz、1H)、4.57(dd、J=13.7、9.4Hz、1H)、4.07(d、J=6.6Hz、2H)、4.01−3.91(m、2H)、3.86−3.75(m、2H)、2.08(m、1H)、1.35(s、3H)、1.33(s、3H);MS(ESI):m/z=336(M−1、負)。
[7−(2,2−ジメチル[1,3]ジオキサン−5−イルメトキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2010530881
一般手順10:7−(2,2−ジメチル[1,3]ジオキサン−5−イルメトキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−1−オール(0.45g、1.3mmol)、NiCl・6HO(317mg、1.33mmol)、NaBH(271mg、7.98mmol)、BocO(580mg、2.66mmol)、及びMeOH(30mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(5%MeOHinCHCl)。表題化合物を白色のフォームとして単離した:収量150mg(28%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.75(s、1H)、7.45−7.36(m、1H)、6.98−6.91(m、2H)、6.85(d、J=7.8Hz、1H)、5.10−5.04(m、1H)、4.08−3.93(m、4H)、3.80(dd、J=12.1、6.6Hz、2H)、3.09−2.98(m、1H)、2.12−2.06(m、1H)、1.37(s、9H)、1.35−1.31(m、6H)。
2−(3−アミノメチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシメチル)−プロパン−1,3−ジオール塩酸塩(A45)
Figure 2010530881
一般手順11:[7−(2,2−ジメチル[1,3]ジオキサン−5−イルメトキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(150mg、0.37mmol)、2N HCl(10mL)、及びMeOH(5.0mL)。精製:分取HPLC。A45を白色固体として単離した:収量80mg(71%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.29(bs、3H)、7.39(t、J=7.8Hz、1H)、6.99(d、J=7.4Hz、1H)、6.83(d、J=8.2Hz、1H)、6.15(d、J=10.9Hz、1H)、5.30−5.23(m、1H)、4.01−3.95(m、2H)、3.53−3.50(m、5H)、2.74−2.63(m、1H)、2.01−1.93(m、1H);MS(ESI):m/z=250(M−18、正);HPLC純度:96.01%(MaxPlot200〜400nm)、95.07%(220nm)。
3−アミノメチル−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A46)
Figure 2010530881
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−ブロモ−ベンズアルデヒド(C)の合成
Figure 2010530881
無水THF200ml中の化合物A(15.0g、0.075mol)、B(12.0ml、0.075mol)及びトリフェニルホスフィン(19.6g、0.075mol)の5℃の溶液にDIAD(14.8ml、0.075mol)を15分にわたって一滴ずつ添加した。得られた溶液を5時間にわたって室温に温め、溶媒を真空で蒸発した。残渣をEtOAc150mlに溶解し、有機層を水、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンから5%EtOAc/ヘキサンへの勾配)によって精製し、C[3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−ブロモ−ベンズアルデヒド]13.0g(50%収率)を生成した。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm)10.41(s、1H)、7.49(d、J=7.2Hz、1H)、7.32−7.25(m、6H)、7.08(d、J=8.0Hz、1H)、4.54(s、2H)、4.16(t、J=6.0Hz、2H)、3.74(t、J=5.8Hz、2H)、2.19−2.14(m、2H)。
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(D)
Figure 2010530881
化合物C(8.9g、0.025mol)、KOAc(7.5g、0.076mol)、及びビス(ピナコラト)ジボロン(12.9g、0.051mol)を乾燥DMF50mlに溶解し、30分間脱気した。これにPdCl(dppf)。DCM(0.56g、0.76mmol)を添加し、内容物を10分間再度脱気し、次いで90℃に4時間加熱した。追加量のPdCl(dppf)DCM(0.2g、0.27mmol)を添加し、加熱をさらに2時間に続けた。反応物を室温に冷却し、セライトを通して濾過し、溶媒を真空で蒸発した。残渣をDCMに溶解し、塩水で洗浄し、有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンから5%EtOAc/ヘキサンへの勾配)によって精製し、D[3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド]5.4g(53%収率)を得た。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm)9.91(s、1H)、7.43(t、J=7.8Hz、1H)、7.36(d、J=7.2Hz、1H)、7.32−7.27(m、5H)、7.06(d、J=8.4Hz、1H)、4.49(s、2H)、4.08(t、J=6.0Hz、2H)、3.67(t、J=6.2Hz、2H)、2.11−2.08(m、2H)、1.44(s、12H)。ESI+MSm/z、397(M+H)
7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(E)
Figure 2010530881
水10ml中のNaOH(0.68g、0.017mol)の氷冷溶液をTHF5mlに溶解した化合物D(6.8g、0.017mol)の溶液に添加した。15分後、ニトロメタン(0.93ml、0.017mol)を一滴づつ添加し、内容物を室温で一晩攪拌した。THFを減圧下で蒸発し、内容物を2N HClで酸性化してpH−3とした。水層をEtOAcで数回抽出し、合わせた酢酸エチル層を塩水で洗浄し、NaSO、で乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサンから30%EtOAc/ヘキサンへの勾配)によって精製し、E[7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール]3.7g(55%収率)を得た。
HNMR(400MHz、DMSO−d+DO(0.01ml))δ(ppm)7.49(t、J=7.8Hz、1H)、7.34−7.25(m、5H)、7.08(d、J=7.6Hz、1H)、6.92(d、J=8.0Hz、1H)、5.71(d、J=6.4Hz、1H)、5.23(dd、J=1,3,2、2.4Hz、1H)、4.58−4.53(m、1H)、4.47(s、2H)、4.12(t、J=6.2Hz、2H)、3.63(t、J=6.0Hz、2H)、2.04−2.00(m、2H)。ESI−MSm/z、356[M−H].HPLC純度:97.12%(MaxPlot200〜400nm)。
3−アミノメチル−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A46)
Figure 2010530881
化合物E(6.0g、0.016mol)を氷酢酸50mlに溶解し、これにPd(OH)−炭素(20%金属含量、50重量%−湿性)(5.2g)を添加し、内容物をParr振とう器中で45psiで2時間水素化させた。反応が完了したかを確認し、内容物をセライトを通して濾過した。溶媒を周囲温度で減圧下にて蒸発し、粘性の物質を生成した。これに乾燥トルエン15mlを3回添加し、蒸発し、綿毛状の固体を生成した。精製を分取HPLCによって行い(C18カラム、アセトニトリル及び0.1%AcOH/水溶液を用いる)、0.33mol%酢酸とともに化合物A46[3−アミノメチル−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール]1.5g(45%収率)を生成した(HNMRによる)。
HNMR(400MHz、DMSO−d+DO(0.01ml))δ(ppm)7.52(t、J=7.8Hz、1H)、7.05(d、J=7.2Hz、1H)、6.95(d、J=8.4Hz、1H)、5.29(dd、J=9.2、2.4、1H)、4.12(t、J=6.2Hz、2H)、3.62(t、J=6.2Hz、2H)、3.48(dd、J=1,3,2、2.8Hz、1H)、2.80−2.74(m、1H)、1.92(t、J=6.2Hz、2H)。ESI+MSm/z、238[M+H].HPLC純度:95.67%(MaxPlot200〜400nm)及び96.22%(220単一波長)。
7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A47)
Figure 2010530881
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
NaH(2.95g、72.4mmol)を無水DMSO(45mL)中の2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g、36mmol)の氷冷溶液に添加した。次いでベンジル−3−ブロモプロピルエーテル(6.45mL、36.2mmol)を添加し、混合物を12時間室温で攪拌した。混合物を1N HClを用いて中和し、次いでEtOAcで抽出した。有機分画をHOで洗浄し、真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(8:2ヘキサン/EtOAc)によって精製し、表題化合物として褐色のオイルを得た:収量8.40g(81%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):9.93(s、1H)、7.36−7.23(m、6H)、7.20−7.16(m、2H)、6.98−6.91(m、1H)、4.53(s、2H)、4.19(t、J=6.2Hz、2H)、3.70(t、J=6.1Hz、2H)、2.19−2.16(m、2H)。
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
一般手順6:3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(7.6g、26mmol)、ピリジン(3.42mL、42.5mmol)、TfO(4.60mL、27.9mmol)、及びCHCl(200mL):収量8.60g(77%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):10.23(s、1H)、7.54−7.47(m、1H)、7.43(t、J=8.0Hz、1H)、7.36−7.22(m、6H)、4.52(s、2H)、4.23(t、J=6.3Hz、2H)、3.71(t、J=6.1Hz、2H)、2.21−2.17(m、2H)。
一般手順5:トリフルオロ−メタンスルホン酸2−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−6−ホルミル−フェニルエステル(8.0g、19mmol)、Bpin(9.71g、38.2mmol)、KOAc(5.71g、57.4mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(1.39g、1.89mmol)、及び無水ジオキサン(160mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(9:1ヘキサン/EtOAc):収量4.80g(43%)−いくつかのピナコール汚染物をさらに精製することなく用いた。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):9.93(s、1H)、7.46(t、J=7.8Hz、1H)、7.41−7.36(m、1H)、7.35−7.24(m、5H)、7.08(d、J=7.8Hz、1H)、4.50(s、2H)、4.10(t、J=6.3Hz、2H)、3.67(t、J=6.3Hz、2H)、2.11(quin、J=6.2Hz、2H)、1.43(s、12H)。
7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A47)
Figure 2010530881
一般手順8:3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(36g、91mmol)、MeNO(16.6g、273mmol)、NaOH(3.64g、83mmol)、HO(180mL)、及びTHF(50mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(1:1ヘキサン/EtOAc)。A47を淡黄色のオイルとして単離した:収量15.9g(50%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.05(s、1H)、7.44(t、J=7.8Hz、1H)、7.35−7.20(m、5H)、7.06(d、J=7.4Hz、1H)、6.88(d、J=8.2Hz、1H)、5.70(dd、J=9.4、2.3Hz、1H)、5.29(dd、J=13.7、2.7Hz、1H)、4.53(dd、J=13.3、9.4Hz、1H)、4.45(s、2H)、4.11(t、J=6.1Hz、2H)、3.60(t、J=6.3Hz、2H)、2.04−1.91(m、2H);MS(ESI):m/z=356(M−1、負);HPLC純度:99.35%(MaxPlot200〜400nm)、97.32%(220nm)。
3−アミノメチル−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A46)の代替合成
Figure 2010530881
一般手順13:A47(0.50g、1.4mmol)、20%Pd(OH)/C(0.5g、1:1w/w)、AcOH(20mL)、及びHO(0.24mL)。。濾液を濃縮し、4N HClで処理し、表題化合物として無色の固体を得た:収量0.22g(47%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):7.42(t、J=7.8Hz、1H)、6.97−6.90(m、1H)、6.86(d、J=8.2Hz、1H)、5.20(dd、J=9.2、2.5Hz、1H)、4.02(t、J=6.2Hz、2H)、3.54(t、J=6.2Hz、2H)、3.40(dd、J=13.3、2.7Hz、1H)、2.68(dd、J=13.1、9.2Hz、1H)、1.88−1.78(m、2H);MS(ESI):m/z=238(M+1、正)。
[1−ヒドロキシ−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(A48)
Figure 2010530881
O(3.0mL)中のNaOH(0.13g、3.2mmol)の溶液をtert−ブタノール(2.0mL)中のA46(0.40g、1.5mmol)に5〜10℃(浴温)の溶液で添加し、次いで20分間攪拌した。BocO(0.31g、1.4mmol)を5〜10℃(浴温)で添加し、次いで混合物を室温に温め、5時間攪拌した。反応混合物を塩水(50mL)で希釈し、CHCl(2×50mL)で抽出した。有機分画を合わせ、HO(2×50mL)、次いで塩水(50mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、真空で濃縮した。褐色の粘性残渣を逆相分取HPLC(AcOH)によって精製し、(凍結乾燥後)A48を白色の凍結乾燥物として得た:収量151mg(65%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):7.47−7.26(m、1H)、6.88(d、J=7.4Hz、1H)、6.79(d、J=7.8Hz、1H)、5.00(bs、1H)、4.01(t、J=6.1Hz、2H)、3.55(t、J=6.1Hz、2H)、3.65−3.47(m、2H)、3.38(d、J=13.7Hz、1H)、3.02(dd、J=13.1、6.1Hz、1H)、1.24(s、9H);MS(ESI):m/z=336(M+1、正);HPLC純度:98.48%(MaxPlot200〜400nm)、98.01%(220nm)。
(S)−3−アミノメチル−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A49)
(3−ベンジルオキシ)−1−ブロモ−プロパン(2)
Figure 2010530881
1(160g、962.58mmol)及びトリフェニルホスフィン(277.72g、1.1等量、1058.83mmol)の溶液をジクロロメタン(800mL)に溶解し、0℃(氷/水)に冷却した。ジクロロメタン(200mL)中の四臭化炭素(351.16g、1.1等量、1058.83mmol)の溶液を滴下して添加し、混合物を室温で18時間攪拌したままとした。ジクロロメタン溶媒を蒸発して、白色固体を得た。固体を過剰のヘキサンで処理し、1時間攪拌し、濾過して除去し、溶媒を蒸発し、粗製の生成物を生成した。粗製の生成物を5〜10%酢酸エチル及びヘキサンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、2(199g、91%)を無色の液体として得た。
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(4)
Figure 2010530881
無水DMSO0.5L中のアルデヒド3(27.47g、1等量、198.88mmol)の溶液に第3級ブトキシドナトリウム(42.3g、2.2等量、440.31mmol)を数回で添加した。反応混合物を室温で30分間攪拌した。褐色の溶液が形成された。反応混合物を0℃に冷却し、臭化物を滴下して添加した(56g、1.2等量、244.41mmol)。混合物を室温でO/Nで攪拌した。90%のアルデヒド3を生成物に変換した。反応混合物を、pH約3に酸性化し、次いでEtOAcに抽出し、水で洗浄した。有機層を濃縮し、生成物をシリカゲルカラム(EtOAc:ヘキサン80:20)上で精製し、化合物4として生成した(48g、84.31%収率)(粘性のオイル)。
トリフルオロ−メタンスルホン酸2−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−6−ホルミル−フェニルエステル(5)
Figure 2010530881
乾燥DCM200mL中の4(48g、1.0等量、167.72mmol)の氷冷溶液にピリジン(22mL、1.62等量、272.11mmol)を添加した。反応混合物にトリフルオロメタンスルホン酸無水物(33mL、1.16等量、196.14mol)を一滴づつ添加した。混合物を3時間0℃で攪拌した。混合物を1N HCl500mLでクエンチした。次いで本化合物をDCM(300mL)に抽出し、小さいシリカゲルカラムを通過させ、濃縮し、化合物5(57g、82%収率)を淡黄色の高粘度のオイルとして得た。
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(6)
Figure 2010530881
化合物5(65g、1.0等量、155.5mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(86.9g、2.2等量、342.11mmol)、KOAc(45.7g、3.0等量、466.5mmol)を一緒に混合し、ジオキサン600mLを添加した。混合物をNで30分間脱気し、PdCl(dppf)DCM(5.7g、0.05等量、7.77mmol)を添加した。得られたスラリーを90℃に一晩加熱した。溶媒を蒸発し、EtOAcを添加し、次いでセライトのパッドを通して濾過した。次いで有機層を水(2X150mL)で洗浄し溶媒を蒸発した。15%EtOAc/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーにより、化合物6(37.1g、61%収率)を得た。
7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A47)
Figure 2010530881
THF50mL中の化合物6(36g、1.0等量、90.91mmol)の溶液を0℃で冷却した。ニトロメタン(16.6g、3.0等量、272.72mmol)、続いてNaOH(3.64g、HO180m中)の水溶液を添加した。反応混合物を室温で一晩攪拌した。出発物質はなくなった。溶液が酸性になるまで1N HClの添加によって結晶化を行い、次いでEtOAcに抽出した。EtOAcを蒸発し、混合物を水で粉砕し、デカントした。50%EtOAc/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーにより、化合物A47(15.9g、50%収率)を得た。
(R)及び(S)7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
Figure 2010530881
(A47)4.82gをキラルHPLCによりキラルPAKADHカラム及びCO:メタノール(86:14)を溶出剤として用いて25℃で溶解し、UV検出を230nmでモニタリングした。2つのピークである(S)−7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール及び(R)−7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オールを回収し、蒸発して黄色のオイルとなった。キラルPAK ADH4.6mmID×250mm分析カラム及び同じ移動相を用いたプールした分画の分析により、保持時間6.11分及び98.2%eeの(S)エナンチオマー[0.7g(29%収率)]を得た。(R)エナンチオマー[1.0g(41%収率)]は、保持時間8.86分及び99.6%eeであった。
(S)−3−アミノメチル−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A49)
Figure 2010530881
(A47)(550mg、1.57mmol)を氷酢酸15mLに溶解した。20wt%水酸化パラジウム−炭素(パールマン触媒)280mgを添加し、反応混合物を水素で3回フラッシングし、55psiで3.5時間水素化した。混合物をセライトを通して濾過し、触媒を除去し、メタノールですすいだ。酢酸を蒸発して、粗製の生成物を得た。HPLC精製により、(A49)の酢酸塩128mgを得た。酢酸塩を2N HCl10mLで処理し、3時間攪拌した。物質を一晩凍結乾燥し、(A49)の塩酸塩93mgを得た(収率22%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):7.48(t、J=7.8Hz、1H)、7.05(d、J=7.4Hz、1H)、6.92(d、J=8.2Hz、1H)、5.27(d、J=9.4Hz、1H)、4.11(t、J=6.3Hz、2H)、3.58(t、J=5.9Hz、2H)、2.82(dd、J=13.3、9.0Hz、1H)、1.95−1.83(m、2H);MS(ESI):m/z=238(M+1、正);HPLC純度:98.74%(MaxPlot200〜400nm)、98.38%(220nm);キラルHPLC=95.14%ee.
(R)−3−アミノメチル−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A50)
Figure 2010530881
(R)−7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(0.70g、2.0mmol)を氷酢酸20mLに溶解した。20wt%水酸化パラジウム−炭素(パールマン触媒)350mgを添加し、反応混合物を水素で3回フラッシングし、55psiで3.5時間水素化した。混合物をセライトを通して濾過して触媒を除去し、メタノールですすいだ。酢酸を蒸発し、粗製の生成物を得た。HPLC精製により、純粋な化合物65mgを得た。精製後、この酢酸塩を別の反応から得た物質と合わせた。この生成物を2N HCl(10mL)で処理し、室温で3時間攪拌した。物質を一晩凍結乾燥し、(A50)74mgの塩酸塩を得た(収率14%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):7.48(t、J=7.8Hz、1H)、7.05(d、J=7.4Hz、1H)、6.92(d、J=8.2Hz、1H)、5.27(d、J=9.4Hz、1H)、4.11(t、J=6.3Hz、2H)、3.58(t、J=5.9Hz、2H)、2.83(dd、J=13.3、8.6Hz、1H)、1.94−1.82(m、2H);MS(ESI):m/z=238(M+1、正);HPLC純度:99.12%(MaxPlot200〜400nm)、98.74%(220nm);キラルHPLC=98.82%ee.
7−エトキシ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A51)
Figure 2010530881
3−エトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
一般手順5:トリフルオロ−メタンスルホン酸2−エトキシ−6−ホルミル−フェニルエステル(2.0g、6.7mmol)、Bpin(5.11g、20.1mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(0.98g、1.3mmol)、KOAc(1.97g、20.1mmol)、及びジオキサン(100mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン):収量1.05g(57%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):9.93(s、1H)、7.46(t、J=7.8Hz、1H)、7.40−7.36(m、1H)、7.07(d、J=7.8Hz、1H)、4.05(q、J=7.0Hz、2H)、1.46(s、12H)、1.42(t、3H)
7−エトキシ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A51)
Figure 2010530881
一般手順9:3−エトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(1.05g、3.8mmol)、MeNO(0.26g、4.2mmol)、0.5%NaOH(2mmol)、及びCTACl(8mg)。反応物を室温でO/Nで攪拌した。塩水(20mL)を添加し、溶液をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機分画を1M HCl(3×10mL)で洗浄した。有機層を乾燥し、濾過し、真空で濃縮し、A51を得た:収量0.6g(67%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.08(s、1H)、7.45(t、J=7.6Hz、1H)、7.07(d、J=7.4Hz、1H)、6.89(d、J=8.2Hz、1H)、5.71(dd、J=9.4、2.7Hz、1H)、5.31(dd、J=13.3、2.7Hz、1H)、4.55(dd、J=13.7、9.4Hz、1H)、4.16−4.05(m、2H)、1.33(t、J=7.0Hz、3H);MS(ESI)m/z=236(M+1、正);HPLC:99.14%(MaxPlot)、98.05%(220nm)。
3−アミノメチル−7−エトキシ−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A52)
Figure 2010530881
一般手順13:A51(1.0g、4.2mmol)Pd(OH)(0.3g)、及びAcOH(20mL)。精製:分取HPLC:収量103mg(10%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.86(bs、1H)、7.59(bs、1H)、7.46(t、J=7.8Hz、1H)、7.03(d、J=7.4Hz、1H)、6.89(d、J=8.2Hz、1H)、5.23(dd、J=8.2、2.7Hz、1H)、4.14−4.07(m、2H)、2.80(dd、J=13.3、8.6Hz、1H)、1.34(t、J=6.8Hz、3H);MS(ESI)m/z=208(M+1、正);HPLC:97.28%(MaxPlot)、97.88%(220nm)。
3−アミノメチル−7−メトキシ−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A53)
Figure 2010530881
3−Mエトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
Figure 2010530881
一般手順6:2−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズアルデヒド(20g、0.13mol)、TfO(33.2mL、0.20mol)、ピリジン(21mL、0.26mol)、及びCHCl(300mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(2.5%EtOAc/ヘキサン):収量10.3g(28%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):10.26(s、1H)、7.56−7.51(m、1H)、7.47(t、J=7.6Hz、1H)、7.31(dd、J=8.2、1.6Hz、1H)、3.97(s、3H)
一般手順5:トリフルオロ−メタンスルホン酸2−ホルミル−6−メトキシ−フェニルエステル(5.75g、20.2mmol)、Bpin(15.4g、60.7mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(2.96g、4.05mmol)、KOAc(5.96g、60.7mmol)、及び1,4−ジオキサン(200mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン):収量4.5g(85%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):9.97(s、1H)、7.48(t、J=7.6Hz、1H)、7.40(d、J=7.6Hz、1H)、7.08(d、J=7.9Hz、1H)、3.92(s、3H)、1.42(s、12H)。
7−Mエトキシ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
Figure 2010530881
一般手順9:3−メトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(4.5g、17mmol)、MeNO(1.36g、22.3mmol)、0.5%NaOH(0.2mmol)、及びCTACl(8mg)。反応物を室温でO/Nで攪拌し、次いで塩水(20mL)を添加した。溶液をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を1M HCl(3×10mL)で洗浄した。有機層を乾燥し、濾過し、真空で濃縮し、表題化合物を得た:収量2.5g(61%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):7.51(t、J=8.0Hz、1H)、6.91(d、J=7.8Hz、1H)、6.85(d、J=8.2Hz、1H)、5.86(dd、J=9.8、3.1Hz、1H)、5.10(s、1H)、4.75(dd、J=13.5、3.3Hz、1H)、4.46(dd、J=12.9、8.9Hz、1H)、3.9(s、3H)。
3−アミノメチル−7−メトキシ−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A53)
Figure 2010530881
一般手順13:7−メトキシ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(1.0g、4.5mmol)、Pd(OH)(0.3g)、及びAcOH(20mL)。精製:分取HPLC。A53を白色固体として単離した:収量86mg(10%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.99(bs、1H)、8.12(bs、1H)、7.49(t、1H)、7.08(d、1H)、6.92(d、1H)、5.23(dd、1H)、3.80(s、3H)、3.50−3.39(m、1H)、2.85−2.75(m、1H);MS(ESI)m/z=194(M+1、正);HPLC:95.13%(220nm)、98.79%(MaxPlot)。
3−(1−アミノ−エチル)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A54)
Figure 2010530881
3−(1−ニトロ−エチル)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
Figure 2010530881
O(20mL)中のNaOH(1.6g、41mmol)の溶液を室温で2−ホルミルフェニルボロン酸(5.1g、34mmol)に添加した。混合物を15分間攪拌し、次いでニトロエタン(2.9mL、41mmol)を滴下して添加した。混合物を30分間攪拌し、次いで透明な反応溶液を2N HClで酸性化し、EtOAcを添加した。有機層を分離し、HO、次いで塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(2:1ヘキサン/EtOAc)による精製により、表題化合物を無色のオイルとして得た:収量6.72g(定量)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):7.78(dd、J=7.2、2.9Hz、1H)、7.58−7.49(m、1H)、7.45(t、J=7.2Hz、1H)、7.33(dd、J=18.2、7.6Hz、1H)、5.89及び5.60(d、J=6.6Hz及びJ=3.5Hz、1H)、5.14及び5.11(s、1H)、4.83及び4.70(t、J=6.8Hz、1H)、1.74−1.59(m、3H);MS(ESI)m/z=207(M−1、負)。
3−(1−アミノ−エチル)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A54)
Figure 2010530881
一般手順12:3−(1−ニトロ−エチル)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(3.2g、15mmol)、ラネーNi(30%w/w、1.0g)、EtOH(40mL)中の2M NH。精製:フラッシュクロマトグラフィー(10:10:1 CHCl/MeOH/NHOH、)。A54を白色固体として単離した:収量0.25g(27%)。
融点118−119℃;HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):2つの異性体が与えられた;9.13(bs、2H)、7.70(d、J=7.0Hz、1H)、7.54−7.39(m、2H)、7.39−7.24(m、1H)、5.05−4.88(m、1H)、3.16及び3.09−2.93(m、1H)、0.99及び0.75(d、J=10.2、6.6Hz、3H);MS(ESI)m/z=178(M+1、正);HPLC純度:97.77%(2つの異性体、30.61%及び67.16%)(MaxPlot200〜400nm)、98.07%(2異性体、28.39%及び69.68%)(220nm)、C12BNO・0.1HOについての分析値。:C60.30%;H6.89%;N7.81%、実験値:C60.27%;H6.88%;N8.25%。
[1−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(BocA54)
Figure 2010530881
O中のKOH(0.5g、8.8mmol)をt−BuOH(20mL)中のA54(1.3g、6.8mmol)の懸濁液に添加した。混合物を室温で10分間攪拌し、次いで0℃(浴温)に冷却した。BocO(1.5g、7.1mmol)を数回に分けて添加し、得られた溶液を室温に温め、O/Nで攪拌した。次いで混合物を一部真空で濃縮し、次いでCHCl(4×80mL)で抽出した。有機分画を合わせ、HOで洗浄し、乾燥し(NaSO)、真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(100:1 CHCl/MeOH)によって精製し、表題化合物を赤色の粘性ゲルとして得た:収量1.7g(93%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δppm9.22及び9.13(s、1H)、7.71−7.61(m、1H)、7.47−7.27(m、2H)、7.01及び6.66(d、J=7.8、J=8.6Hz1H)、5.12及び5.05(d、J=3.1Hz、J=5.1Hz、1H)、4.12−4.00(m、1H)、3.70−3.62(m、1H)、1.38及び1.23(s、9H)、0.95及び0.78(d、J=6.6Hz、J=6.6Hz3H);MS(ESI)m/z=277(M−1、負);HPLC純度:98.35%(2つの異性体 31.05%及び67.30%)(MaxPlot200〜400nm)、97.43%(2異性体、32.72%及び64.71%)(220nm);C1420BNOについての分析値:C60.68%;H7.27%;N5.05%、実験値:C60.86%;H7.75%;N5.08%.
[1−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルジオステレオマーA55及びA56の分離
Figure 2010530881
[1−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.0g)のジオステレオマーの2:1混合物を逆相HPLC(MeCN:HOとともに0.1%AcOH含有HO)により分離し、より早く溶出したA55(0.275g)及びA56(0.468g)をいずれも白色の凍結乾燥物として得た。
[1−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(A55)
Figure 2010530881
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.11(s、1H)、7.65(d、J=7.4Hz、1H)、7.41−7.36(m、2H)、7.29(t、J=7.0Hz、1H)、6.63(bd、J=8.2Hz、1H)、5.12(s、1H)、4.03(bs、1H)、1.24(s、9H)、0.96(d、J=6.2Hz、3H);MS(ESI):m/z=276(M−1、負);HPLC純度:98.82%(MaxPlot200〜400nm)、96.11%(220nm)。
[1−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(A56)
Figure 2010530881
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.24(s、1H)、7.70(d、J=7.0Hz、1H)、7.43(t、J=7.2Hz、1H)、7.37−7.30(m、2H)、7.01(d、J=8.2Hz、1H)、5.05(d、J=4.7Hz、1H)、3.68−3.63(m、1H)、1.38(s、9H)、0.78(d、J=6.6Hz、3H);MS(ESI):m/z=276(M−1、負);HPLC純度:99.37%(MaxPlot200〜400nm)、98.65%(220nm);についての分析値。C1420BNO・0.1HO:C60.24%;H7.30%;N5.02%。実験値:C59.92%;H7.34%;N5.23%.
3−(1−アミノ−エチル)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A57)
Figure 2010530881
一般手順11:A55(0.238g、0.860mmol)、ジオキサン(8mL)中の4N HCl、及びジオキサン(8mL)。精製:分取HPLC(AcOH)。A57を白色の凍結乾燥物として単離した:収量56mg(30%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.57(bs、1H)、7.81(d、J=7.4Hz、1H)、7.78(bs、3H)、7.51(d、J=3.5Hz、2H)、7.43−7.38(m、1H)、5.15(d、J=5.1Hz、1H)、3.47−3.42(m、1H)、1.38(d、J=6.6Hz、3H);MS(ESI)m/z=178(M+1、正);HPLC純度:96.55%(MaxPlot200〜400nm)、98.30%(220nm)。
3−(1−アミノ−エチル)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A58)
Figure 2010530881
[0751] 一般手順11:A56(0.406g、1.47mmol)、ジオキサン(14mL)中の4N HCl、及びジオキサン(10mL)。精製:逆相分取HPLC(0.1%AcOH)。A58を白色の凍結乾燥物として単離した:収量124mg(40%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.66(bs、1H)、8.45(bs、3H)、7.84(d、J=7.4Hz、1H)、7.52−7.47(m、2H)、7.38(td、J=7.0、1.2Hz、1H)、5.48(d、J=2.3Hz、1H)、3.86−3.79(m、1H)、0.65(d、J=7.0Hz、3H);MS(ESI)m/z=178(M+1、正);HPLC純度:98.23%(MaxPlot200〜400nm)、98.60%(220nm)。
3−(1−アミノ−プロピル)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A59)
Figure 2010530881
3−(1−ニトロ−プロピル)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
Figure 2010530881
O(30mL)中のNaOH(2.2g、56mmol)の溶液を室温でアルデヒド(7.0g、47mmol)に添加し、反応混合物を10分間攪拌した。ニトロプロパン(5.0mL、56mmol)を滴下して添加し、混合物を40分間攪拌した。透明な反応溶液を2N HClで酸性化し、EtOAcを添加した。有機層を分離し、HO、次いで塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(2:1 ヘキサン/EtOAc)によって精製し、表題化合物を無色のオイルとして得た:収量8.8g(85%)。
HNMR(400MHz、CDCl)δ(ppm):2つの異性体が与えられた。7.77(d、J=7.4Hz、1H)、7.59−7.34(m、3H)、5.64及び5.53(d、J=7.02Hz及びJ=5.1Hz、1H)5.03−5.17(bs、1H)、4.51(ddd、J=10.6、6.9、3.9Hz、1H)、2.34−2.06(m、2H)、1.05−0.94(t、J=7.4Hz、3H)。
3−(1−アミノ−プロピル)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(A59)
Figure 2010530881
一般手順12:3−(1−ニトロ−プロピル)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(4.7g、21mmol)、ラネーNi(30%w/w、1.0g)及びEtOH(50mL)中の2M NH。精製:フラッシュクロマトグラフィー(10:10:1 CHCl/MeOH/NHOH)。A59を淡いピンク色の固体として単離した:収量0.25g(20%)。
融点96−97℃;HNMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):2つの異性体が与えられた;8.43(bs、3H)、7.89−7.69(m、2H)、7.60−7.47及び7.47−7.35(m、2H)、5.54及び5.34(s、1H)、3.65及び3.47(bs、1H)、1.71及び1.25(dd、J=15.0、7.6Hz、2H)、1.08及び0.72(t、J=7.6Hz、3H);MS(ESI)m/z=192(M+1、正);HPLC純度:91.65%(2つの異性体41.87%及び49.78%)(MaxPlot200〜400nm)、98.07%(2つの異性体、43.34%及び49.16%)(220nm)、C1014BNO・0.2HO:C61.71%;H7.46%;N7.20%についての分析値、実験値:C61.75%;H7.34%;N7.33%.
(S)−3−(アミノメチル)−3−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩(A61)
Figure 2010530881
THF(750mL)中のメチルトリフェニル臭化ホスホニウム(108g、303mmol)の懸濁液に室温でKOBu(112.24g、303mmol)を数回に分けて添加した。5分間攪拌し、反応混合物を2’ブロモアセトフェノン(50.3g、253mmol)で処理した。反応混合物を3時間室温で攪拌した。次いで飽和塩化アンモニウムでクエンチした。EtOで3回抽出し、合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空下で蒸発した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%石油エーテル)によって精製し、1−ブロモ−2−(プロプ−1−エン−2−イル)ベンゼン43.8g(88%)を無色のオイルとして得た。
ADmix−α(153.4g)を水(550mL)及びBuOH(550mL)の二相混合物に溶解し、0℃に冷却した。1−ブロモ−2−(プロプ−1−エン−2−イル)ベンゼン(21.6g、109mmol)を添加し、異種混合物を0℃で18時間攪拌した。硫酸ナトリウム(164g)でクエンチし、室温に温め、さらに1時間攪拌した。
DCMで5回抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥し、真空下で蒸発した。シリカゲルクロマトグラフィー(50%石油エーテル/EtO)によって精製し、(S)−2−(2−ブロモフェニル)プロパン−1,2−ジオー19.2g(76%)を淡黄色オイルとして得た。
(S)−2−(2−ブロモフェニル)プロパン−1,2−ジオール(12.1g、52.4mmol)をピリジン(250mL)に溶解し、0℃に冷却した後、塩化メタンスルホニル(4.0mL、52.4mmol)を添加した。反応混合物室温に温め、2時間攪拌した。ピリジンを真空下で除去し、残渣をDCM及び水性NaHCOの間で分配した。有機層をMgSOで乾燥し、真空下で蒸発し、粗製のメシレートを得た。この物質をNaN(15.3g、235.6mmol)と合わせ、DMF(140mL)に溶解し、80℃で18時間加熱した。水(450mL)を添加し、EtO500mLで3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空下で蒸発した。シリカゲルクロマトグラフィー(10−20%Et2O/石油エーテル)によって精製し(S)−1−アジド−2−(2−ブロモフェニル)プロパン−2−オール8.7g(65%)を橙色オイルとして得た。
(S)−1−アジド−2−(2−ブロモフェニル)プロパン−2−オール(8.7g、34.0mmol)及びホウ酸トリイソプロピル(9.4mL、40.8mmol)をトルエン170mLに溶解した。反応混合物をDean/Stark器具を用いて還流してトルエンを除去し、残渣をTHF150mLに溶解したこの溶液を−78℃に冷却し、BuLi(ヘキサン中25M、15.6mL、39.1mmol)を滴下して添加し、30分間攪拌した。反応混合物を室温に温め、3時間攪拌した後、6M HCl50mLでクエンチし、真空下で濃縮した。これをDCM100mLで3回抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、真空下で蒸発した。シリカゲルクロマトグラフィー(20−30%EtO/石油エーテル)によって精製し、(S)−3−(アジドメチル)−3−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール2.1g(30%)を暗黄色のオイルを得た。
(S)−3−(アジドメチル)−3−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(700mg、3.45mmol)及びトリフェニルホスフィン(1.8g、6.9mmol)をアセトニトリル35mLに溶解した。5分後、濃塩酸(6.9mL)を添加し、反応混合物を24時間室温で攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣をDCMに溶解し、2M HCl20mLで3回抽出した。合わせた水層を蒸発し、真空下で乾燥した。得られた固体をEtOHで洗浄し、生成物によって濾過し、濃縮し、アセトニトリルから結晶化し、(S)−3−(アミノメチル)−3−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩160mg(20%)を白色固体として得た。
HNMR(300MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.35(s、1H)、8.08(bs、3H)、7.85−7.83(d、J=6.9Hz、1H)、7.56−7.23(m、3H)、3.40−3.33(m、1H)、3.07−3.03(m、1H)、1.52(s、3H)。
(S)−3−(アミノメチル)−7−(3−ヒドロキシプロポキシ)−3−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩(A62)
Figure 2010530881
7−(3−アミノプロピルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール酢酸塩(A63)
Figure 2010530881
2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルチオ)酢酸(A64)
Figure 2010530881
7−(3−ヒドロキシプロピルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(A65)
Figure 2010530881
3−アミノメチル−7−(3−ヒドロキシ−プロピルチオ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A66)
Figure 2010530881
化合物3は、文献に従って調製したものである−J. Heterocyclic Chem. 18(3), 639-640, 1981.
3−アミノメチル−6−(2−ヒドロキシ−エチルスルファニル)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール,塩酸塩(A67)
Figure 2010530881
2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エタンチオールはJ. Med. Chem. 1999, 42, 706 - 721にしたがって生成することができる。
3−アミノメチル−6−(3−ヒドロキシ−プロピルスルファニル)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩(A68)
Figure 2010530881
3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−プロパン−1−チオールはJ. Med. Chem. 1999, 42, 706 - 721にしたがって生成することができる。
実施例2
抗真菌薬及び抗細菌薬のMIC試験
細菌のMIC試験はいずれも、好気性細菌(Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically; Approved Standard−第7版)及び嫌気性細菌(Methods for Antimicrobial Susceptibility Testing of Anaerobic Bacteria; Approved Standard−第7版)(M11-A7)の抗微生物試験についてのClinical and Laboratory Standards Institute(CLSI)ガイドラインに準拠した。
酵母及び糸状菌類のMIC試験はいずれも、酵母(M27-A2 NCCLS)及び糸状菌類(Pfaller et al., NCCLS publication M38-A - Reference Method for Broth Dilution Antifungal Susceptibility Testing of Filamentous Fungi; Approved Standard. Wayne, PA: NCCLS; 2002 (Vol. 22, No. 16)の抗微生物試験についてのNational Committee for Clinical Laboratory Standards(NCCLS)ガイドラインに準拠することができる。
実施例3
ケラチンアッセイ
ケラチン末に対する化合物の親和性をTatsumi, Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 46(12):3797-3801 (2002)に記載の方法で判断することができる。
実施例4
細菌でtRNA合成酵素の修正ドメインを化合物が阻害することを判断するためのアッセイ
この実施例は、特定の化合物が細菌のARSの修正ドメインを阻害するか否かを判断するための代表的なアッセイについて説明するものである。
1μMのサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)修正欠損Cdc60p(C326F)を、500μLの50mM Tris−HCl(pH8.0)、60mM MgCl、4mM ATP、1mM DDT、0.02%(w/v)BSA、4mg/mLの粗大腸菌(E.coli)tRNA tRNA(Roche)、0.1mMイソロイシン及び5mCi L−[4,5−3H]イソロイシン(100Ci/mmole、GE Healthcare)及び20%(v/v)DMSO中で30℃にて1時間インキュベートして、[H]−イソロイシン誤装填(mischarged)tRNAleuを合成した。10μLの10%(v/v)酢酸を加えた後、2種類の酸性フェノール(Sigma)抽出物を加えて反応を停止させた。一番上の水性相の誤装填tRNAを取り出し、2容量の96%(v/v)エタノールを加えて−20℃で30分間インキュベートして沈殿させた。沈殿物を13,200×gで30分間遠心処理してペレット化し、誤装填tRNAペレットを70%(v/v)エタノールで2回洗浄した後、50mMのリン酸カリウム緩衝液(pH5.2)に再懸濁させた。
30℃で2時間のインキュベーション後に、0.17%(v/v)まで酢酸を加えて反応を終了させた。イソロイシル化した粗tRNALeuを酸性フェノール−クロロホルム抽出物(pH4.3)で2回抽出して精製した後、エタノール沈殿させた。tRNAペレットを70%エタノールで2回洗浄し、乾燥させた後、50mMのリン酸カリウム(pH5.0)に再懸濁させ、−20℃で保管した。アリコートを10%(w/v)TCAで沈殿させ、ile−tRNALeuを定量化した。
50mM Hepes(pH8)、10mM MgCl、30mM KCl中、H−イソロイシン−tRNA粗製物(約0.3μCi/mL)を用いて、30℃にて転移後修正(post-transfer editing)加水分解アッセイを実施した。150nMの酵素を加えて各反応を開始した。各時点で、Milliporeフィルタープレートで反応混合物の20μLアリコート3種類を200μLの10%(w/v)TCAに加え、4℃で20分間沈殿させた。沈殿物を濾過し、200μLの5%(w/v)TCAで3回洗浄した後、乾燥させ、20μLのSupermixシンチレーションカクテルを加えた。MilliporeのフィルタープレートをMicroBeta Triluxでカウントした。50%活性を阻害する阻害剤の量からIC50を求め、野生型酵素活性から酵素なしの対照の活性を除くことにより100%転移後修正を計算した。
leuS遺伝子インサートのある場合とない場合とでpUC由来のプラスミドを持つtolC大腸菌(Escherichia coli)株の最小発育阻止濃度(MIC)を比較する。
leuSの余分なコピーを持つ株のMICのほうが対照株よりも2倍を超えて高い場合、化合物のMIC濃度を4倍にしてLB寒天板に注ぐ。
4×MICの化合物を入れた10のプレートに1×1010の大腸菌(E. coli)を蒔く。37℃で1〜2日間インキュベートし、10のコロニーを取り出し、4×MICのLB寒天板に再画線し、耐性を確認する。
10の大腸菌(E. coli)耐性変異株の各々から大きなコロニーを1つ選び、50μLのPCR緩衝液に再懸濁させる。
プルーフリーディングPCR酵素と以下のプライマー:ggcaccgtggacgtacgacaacatcgc及びgggaaacaccccagtcgcgcaggcggを用いて、CDC60の修正ドメインを増幅する。
Quiagen又はPromegaのPCRクリーンアップキットを用いて、980bpのPCR産物を精製する。
変異体DNAを配列増幅する。これを野生型と比較した。変異体DNAの修正ドメインに変異があれば、阻害剤が修正ドメインを介してロイシル−tRNA合成酵素に影響する。
実施例5
真菌でtRNA合成酵素の修正ドメインを化合物が阻害することを判断するためのアッセイ
この実施例は、選択した化合物が真菌のARSの修正ドメインを阻害するか否かを判断するためのアッセイ例を詳しく説明するものである。
1μMのサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)修正欠損Cdc60p(C326F)を、500μLの50mM Tris−HCl(pH8.0)、60mM MgCl、4mM ATP、1mM DDT、0.02%(w/v)BSA、16μMのビール酵母tRNA(Roche)、0.1mMイソロイシン及び5mCi L−[4,5−3H]イソロイシン(100Ci/mmole、GE Healthcare)及び20%(v/v)DMSO中で30℃にて1時間インキュベートして、[H]−イソロイシン誤装填tRNAleuを合成することができる。10μLの10%(v/v)酢酸を加えた後、2種類の酸性フェノール(Sigma)抽出物を加えて反応を停止させることができる。一番上の水性相の誤装填tRNAを取り出し、2容量の96%(v/v)エタノールを加えて−20℃で30分間インキュベートして沈殿させることができる。沈殿物を13,200×gで30分間遠心処理してペレット化することができる。誤装填tRNAペレットを70%(v/v)エタノールで2回洗浄した後、50mMのリン酸カリウム緩衝液(pH5.2)に再懸濁させた。
30℃で2時間のインキュベーション後に、0.17%(v/v)まで酢酸を加えて反応を終了させることができる。イソロイシル化した粗tRNALeuを酸性フェノール−クロロホルム抽出物(pH4.3)で2回抽出して精製した後、エタノール沈殿させることができる。tRNAペレットを70%エタノールで2回洗浄し、乾燥させた後、50mMのリン酸カリウム(pH5.0)に再懸濁させ、−20℃で保管することができる。アリコートを10%(w/v)TCAで沈殿させ、ile−tRNALeuを定量化することができる。
50mM Hepes(pH7.5)、10mM MgCl、30mM KCl中、H−イソロイシン−tRNA粗製物(約0.3μCi/mL)を用いて、25℃にて転移後修正加水分解アッセイを実施することができる。150nMの酵素を加えて各反応を開始することができる。各時点で、Milliporeフィルタープレートで反応混合物の20μLアリコート3種類を200μLの10%(w/v)TCAに加え、4℃で20分間沈殿させることができる。沈殿物を濾過し、200μLの5%(w/v)TCAで3回洗浄することが可能であり、その後乾燥させ、20μLのSupermixシンチレーションカクテルを加えることができる。MilliporeのフィルタープレートをMicroBeta Triluxでカウントすることができる。50%活性を阻害する阻害剤の量からIC50を求めることが可能であり、野生型酵素の転移後修正活性から酵素なしの対照の活性を除くことにより100%活性を計算した。
実施例6
平衡透析
50mM Hepes−KOH(pH8.0)、30mM MgCl、30mM KClを含有する1×AARS緩衝液で平衡透析実験を実施することができる。実験については、5kのMWCO DispoEquilibrium Dialyzer(Harvard Apparatus, Holliston, MA)を用いて実施できる。透析膜の片面(A側)に、本発明の[メチレン−14C]化合物2.04GBq/mmol(Amersham)を1から200μMの範囲の濃度で20μL加えた。膜の反対側(B側)に、30μMの組換えCdc60p(サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)細胞質LeuRS)及び10mM AMP(アデノシン5’−モノホスフェート、Sigma)を20μL加えた。試料を振盪しながら室温(21℃)にて4.5時間培養し、膜で本発明の化合物を平衡状態にした。平衡状態で、Wallac MicroBeta Triluxモデル1450の液体シンチレーションカウンターを用いてシンチレーションカウンティングを実施することで、透析膜の両側にある本発明の化合物を定量化した。[本発明の化合物]から[本発明の化合物]を差し引いて、Cdc60pに結合した本発明の化合物の量を求めた。
PPi交換アッセイ
2mM ATP及び[32P]PPi(10cpm/μmol)、2mMロイシン及び7nM組換えCdc60pを加えた50mM Hepes−KOH(pH8.0)、30mM MgCl及び30mM KClを含有する1×AARS緩衝液で、PPi交換アッセイを実施することができる。実験については、本発明の化合物(15μM)及びtRNA(16μM)の存在下又は非存在下で実施できる。30℃で20分間のインキュベーション後、ATPを加えて反応を開始することができる。さまざまな時間間隔で、100μLの2%過塩素酸及び0.1M 0.1M Naに45μLの反応混合物を加え、反応物をクエンチすることができる。次に、酸洗浄Norit Aの5%懸濁液30μLを加えて放射性ATPを活性炭に吸収させることができる。この混合物をGF/Cガラスフィルタで濾過し、200μLの蒸留水で2回洗浄した後、200μLの95%エタノールで1回洗浄することができる。フィルタを乾燥させ、Wallac MicroBeta Triluxモデル1450液体シンチレーションカウンターを用いてシンチレーションカウントすることができる。
トリチウム標識誤装填tRNAleuの合成
1μMのサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)修正欠損Cdc60p(C326F)を、500μLの50mM Tris−HCl(pH8.0)、60mM MgCl、4mM ATP、1mM DDT、0.02%(w/v)BSA、16μMのビール酵母tRNA(Roche)、0.1mMイソロイシン及び5mCi L−[4,5−3H]イソロイシン(100Ci/mmole、GE Healthcare)及び20%(v/v)DMSO中で30℃にて1時間インキュベートして、[H]−イソロイシン誤装填tRNAleuを合成することができる。10μLの10%(v/v)酢酸を加えた後、2種類の酸性フェノール(Sigma)抽出物を加えて反応を停止させることができる。一番上の水性相の誤装填tRNAを取り出し、2容量の96%(v/v)エタノールを加えて−20℃で30分間インキュベートして沈殿させることができる。沈殿物を13,200×gで30分間遠心処理してペレット化し、誤装填tRNAペレットを70%(v/v)エタノールで2回洗浄した後、50mMのリン酸カリウム緩衝液(pH5.2)に再懸濁させることができる。
転移後修正アッセイ
50mM Hepes−KOH(pH8.0)、30mM KCl、30mM MgCl、0.02%(w/v)BSA、1mM DDT、2.4nMサッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)Cdc60pに、[H]−イソロイシン誤装填tRNAleu基質40nMを30℃で加えて反応を開始することができる。設定した時点で得た20μLのアリコートを氷冷した200μLの10%(w/v)トリクロロ酢酸(TCA)に加えた。TCA沈殿物を200μlの氷冷5%(w/v)TCAで2回洗浄し、Multiscreen HTS HAフィルタ(Millipore)で濾過することができる。フィルタにOptiphase(Perkin Elmer)シンチレーションカクテルを加え、Wallac MicroBeta Triluxモデル1450液体シンチレーションカウンターでTCA沈殿物をカウントした。
実施例7
化合物がAARS合成活性を阻害することを判断するためのアッセイ
アミノアシル化アッセイを実施して、ロイシルtRNA合成酵素による正味のロイシン/tRNALeu合成率を判断することができる。実験については、20uM[14C]−ロイシン(Perkin-Elmer、11.32GBq/mmol)、16uM粗酵母tRNA、0.02%BSA、1mMジチオトレイトール、2nM組換え酵母LeuRS(CDC60)、2mM ATPを加えた1×AARS緩衝液(50mM Hepes−KOH(pH8.0)、30mM MgCl及び30mM KCl)を含有する500ulの反応混合物中で実施できる。反応は30℃で実施できる。時刻0の時点で、ATPを加えて反応を開始することができる。さまざまな時間間隔で、96穴のニトロセルロース膜フィルタープレート(Millipore Multiscreen HTS、MSHAN4B50)の単一ウェル内の150ulの10%トリクロロ酢酸(TCA)に20ulのアリコートを加えることができる。各ウェルを100ulの5%TCAで3回洗浄できる。次にフィルタープレートをヒートランプの下で乾燥させ、沈殿した[14C]−ロイシン/tRNALeu錯体をWallac MicroBeta Triluxモデル1450液体シンチレーションカウンターでの液体シンチレーションカウンティングによって定量化することができる。ATPを加える前に最大で100uMの化合物を20分間かけて反応混合物に加えることで、本発明の化合物の阻害作用を判断することができる。
本発明は、本明細書に記載の他のあらゆる好適な態様及び/又は例示としての実施形態と態様とのあらゆる組み合わせを包含するものと理解されたい。また、本発明は、本明細書に記載の他のあらゆる好適な態様及び/又は例示としての実施形態と例示としての実施形態とのあらゆる組み合わせを包含するものと理解されたい。
本明細書に記載の実施例及び実施形態は例示目的のものにすぎず、これを考慮した上で当業者であればさまざまな改変又は変更が示唆されるが、いずれも本出願の主旨及び範囲ならびに添付の特許請求の範囲の範囲に包含されるものであると理解されたい。本明細書に引用した刊行物、特許、特許出願はいずれも、あらゆる目的で本明細書に取り入れられる。

Claims (59)

  1. 次式による構造を有する化合物
    Figure 2010530881
    (式中、
    は、H及び負電荷から選択されるメンバーであり;
    は、H、シアノ、置換又は非置換ニトロアルキル、及び置換又は非置換アミノアルキルから選択されるメンバーであり;
    は、H及び−YRから選択されるメンバーであり、
    ここで、
    Yは、O及びSから選択されるメンバーであり;
    は、H、置換又は非置換アルキル及び置換又は非置換ヘテロアルキルから選択されるメンバーであり、
    ただし、R及びRは、両方ともHであり得ず;
    ただし、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、任意選択により結合して6〜10員の置換又は非置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
    ただし、RがHであるとき、Rは非置換ベンジルオキシ、−OCHCOOH、メトキシ、エトキシから選択されるメンバーである構造を有さず:
    ただし、RがHであるとき、Rはシアノではない)
    又はその塩。
  2. 次式による構造を有する、請求項1に記載の化合物:
    Figure 2010530881
    (式中、Cは、炭素原子であり、
    ただし、RがHではないとき、Cは(R)及び(S)から選択されるメンバーである配置を有する立体中心である)。
  3. は、−(CR2021NR2223であり、ここで、
    nは、1〜10から選択される整数であり;
    各R20及び各R21は、H、R26、OR26、NR2627、SR26、−S(O)R26、−S(O)26、−S(O)NR2627、−C(O)R27、−C(O)OR27、−C(O)NR2627から独立して選択されるメンバーであり;
    22及びR23は、H、−S(O)R28、−S(O)28、−S(O)NR2829、−C(O)R28、−C(O)OR28、−C(O)NR2829、ニトロ、ハロゲン、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーであり、ここで、
    各R26、各R27、各R28及び各R29は、H、ニトロ、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである、請求項1に記載の化合物。
  4. nは、1〜5から選択される整数である、請求項3に記載の化合物。
  5. nは、1である、請求項4に記載の化合物。
  6. 20は、置換又は非置換アルキルである、請求項3に記載の化合物。
  7. 20は、非置換アルキルである、請求項6に記載の化合物。
  8. 20は、C−C非置換アルキルである、請求項7に記載の化合物。
  9. 20は、メチルである、請求項8に記載の化合物。
  10. 21は、Hである、請求項3に記載の化合物。
  11. 23は、Hである、請求項3に記載の化合物。
  12. は、シアノ及び−CHから選択されるメンバーである、請求項3に記載の化合物
  13. 22は、−C(O)R28及び−C(O)OR28から選択されるメンバーである、請求項3に記載の化合物
  14. 28は、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル及び置換又は非置換アリールから選択されるメンバーである、請求項3に記載の化合物。
  15. 28は、−(CR303132から選択されるメンバーであり、ここで、R32は、置換又は非置換アリール、−NR3334及びOR33から選択されるメンバーであり、ここで、
    mは、0〜10から選択される整数であり;
    各R33及び各R34は、H、ニトロ、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである、請求項3に記載の化合物。
  16. 28は、
    Figure 2010530881
    から選択されるメンバーである、請求項3に記載の化合物。
  17. は、
    Figure 2010530881
    であり、式中、
    aは、1〜10から選択されるメンバーであり;
    各R10及び各R11は、H、置換又は非置換アルキル、OH及びNHから選択されるメンバーであり;
    12は、H、R、ハロゲン、シアノ、アミジノ、OR、NR、SR、−N(R)S(O)、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NRから選択されるメンバーであり、ここで、
    各R及び各Rは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである、
    請求項1に記載の化合物。
  18. aは、1〜5から選択される整数である、請求項17に記載の化合物。
  19. aは、2〜4から選択される整数であり、請求項17に記載の化合物。
  20. 各R10及び各R11は、H、置換又は非置換アルキル、OH及びNHから選択されるメンバーである、請求項17に記載の化合物。
  21. 各R10及び各R11は、H、ヒドロキシアルキル及びNHから選択されるメンバーである、請求項20に記載の化合物。
  22. 10又はR11の少なくとも1つは、ヒドロキシアルキル及びNHから選択されるメンバーである、請求項17に記載の化合物。
  23. 各R10及び各R11は、Hである、請求項17に記載の化合物。
  24. 12は、H、シアノ、アミジノ、−N(R)S(O)、OR、NR、−C(O)OR、−C(O)NRから選択されるメンバーであり、
    各R及び各Rは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである、請求項17に記載の化合物。
  25. 各R及び各Rは、H、−C(O)R、−C(O)NHR、置換又は非置換C−Cアルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーであり、ここで、Rは、置換又は非置換C−Cアルキルである、請求項24に記載の化合物。
  26. 及びRから選択される少なくとも1つのメンバーは、−C(O)R及び−C(O)NHRから独立して選択されるメンバーであり、ここで、Rは、置換又は非置換C−Cアルキルである、請求項24に記載の化合物。
  27. 12は、OH、NH、メチル、エチル、−NHS(O)CH、シアノ、−NHC(O)CH、−NHC(O)NHCHCH、−C(O)NH、−C(O)OH、4−(メトキシ)フェニル、ベンジル、−NHC(O)OCHPh、−C(O)NHCHCHOH及び−C(NH)(NH)から選択されるメンバーである、請求項17に記載の化合物。
  28. 12がOR含むとき、前記Rはヒドロキシ保護基を含み;
    12がNRを含むとき、前記R又はRの少なくとも1つはアミノ保護基を含む、請求項17に記載の化合物。
  29. は、H、−CHNH及び−CHNOから選択されるメンバーであり;
    12は、OH、NH、メチル、エチル、−NHS(O)CH、シアノ、−NHC(O)CH、−NHC(O)NHCHCH、−C(O)NH、−C(O)OH、4−(メトキシ)フェニル、ベンジル、−NHC(O)OCHPh、−C(O)NHCHCHOH及び−C(NH)(NH)から選択されるメンバーである、請求項17に記載の化合物。
  30. は、H、−CHNH及び−CHNOから選択されるメンバーであり;
    は、H、−O(CHNH、−O(CHOH、−OCHCH、−O(CHNHS(O)CH、−O(CHCN、−O(CHNHC(O)CH、−O(CHNHCH、−O(CHOCH、−O(CHOH、−OCH、−O(CHNHC(O)NHCHCH、−O(CHC(O)NH、−O(CHC(O)OH、−O(CHNH、−O(CHNH、−OCHCHCH(NH)CHOH、−OCHPh(4−メトキシ)、−O(CHOCHPh、−O(CHNHC(O)OCHPh、−OCHC(O)NH(CHOH、−O(CHNHC(O)CH、−O(CHC(NH)(NH)、−C(O)OCH、−OCHC(O)OH及び−OCHCH(CHOH)(CH)OHから選択されるメンバーである、請求項1に記載の化合物。
  31. がHであるとき、Rは、−O(CHNH、−O(CHNHS(O)CH、−O(CHCN、−O(CHNHC(O)CH、−O(CHNHCH、−O(CHOH、−O(CHNHC(O)NHCHCH、−O(CHC(O)NH、−O(CHC(O)OH、−O(CHNH、−O(CHNH、−OCHCHCH(NH)CHOH、−OCHPh(4−メトキシ)、−O(CHOCHPh、−OCHC(O)NH(CHOH及び−OCHCH(CHOH)(CH)OHから選択されるメンバーであり;
    が−CHNHであるとき、Rは、H、−O(CHOH、−OCHCH、−O(CHOCH、−OCH、−O(CHNH、−O(CHNHS(O)CH、−O(CHNHC(O)OCHPh、−O(CHNHC(O)CH、−O(CHNHから選択されるメンバーであり;
    が−CHNOであるとき、Rは、−O(CHCN及び−OCHCHから選択されるメンバーである、請求項30に記載の化合物。
  32. がHであるとき、Rは−O(CHNH、−O(CHNHS(O)CH、−O(CHCN、−O(CHNHC(O)CH、−O(CHNHCH、−O(CHOH、−O(CHNHC(O)NHCHCH、−O(CHC(O)NH、−O(CHC(O)OH、−O(CHNH、−O(CHNH、−OCHCHCH(NH)CHOHから選択されるメンバーであり、
    が−CHNHであるとき、RはH、−O(CHOH、−OCHCH、−O(CHOCH、−OCHから選択されるメンバーである、請求項30に記載の化合物。
  33. がHであるとき、Rは−O(CHNH、−O(CHCN、−O(CHNHC(O)CH、−O(CHNHCHから選択されるメンバーであり;
    が−CHNHであるとき、Rは、H、−O(CHOH、及び−OCHCHから選択されるメンバーである、請求項30に記載の化合物。
  34. Figure 2010530881
    から選択されるメンバーである構造を有する、請求項1に記載の化合物。
  35. Figure 2010530881
    から選択されるメンバーである式による構造を有する化合物
    (Rは、H及び負電荷から選択されるメンバーであり;
    は、H及び−SO−Rから選択されるメンバーであり;
    は、非置換フェニル及び非置換ピリジニルから選択されるメンバーであり;
    は、H、シアノ、置換又は非置換ニトロアルキル及び置換又は非置換アミノアルキルから選択されるメンバーである)
    又はその塩。
  36. Figure 2010530881
    から選択されるメンバーである式による構造を有する
    (式中、Cは、炭素原子であり;
    ただし、RがHではないとき、Cは(R)及び(S)から選択されるメンバーである配置を有する立体中心である)、請求項35に記載の化合物
  37. は、H、−CHNH及び−CHNOから選択されるメンバーである、請求項1又は請求項35に記載の化合物。
  38. は、Hである、請求項1又は請求項35に記載の化合物。
  39. がHではないとき、C立体中心は(S)配置である、請求項2又は請求項36に記載の化合物。
  40. は、−CHNHである、請求項39、に記載の化合物。
  41. 前記アルキルは、直鎖アルキル及び分枝アルキルから選択されるメンバーであり、前記ヘテロアルキルは、直鎖ヘテロアルキル及び分枝ヘテロアルキルから選択されるメンバーである、請求項1又は請求項35に記載の化合物。
  42. a)請求項2又は請求項36に記載の化合物の第1の立体異性体(式中、RはHではない);
    b)前記第1の立体異性体の少なくとも1つの別の立体異性体
    を含有する組成物であって、前記第1の立体異性体が前記少なくとも1つの別の立体異性体に対して少なくとも80%の鏡像体過剰で存在する、組成物。
  43. 前記鏡像体過剰は、少なくとも92%である、請求項42に記載の組成物。
  44. 前記第1の立体異性体のC立体中心体は、(S)配置である、請求項42に記載の組成物。
  45. は、−CHNHである、請求項44に記載の組成物。
  46. 請求項2又は請求項36に記載の化合物を含有する組成物であって、RはHではなく、前記C立体中心は(S)配置であり、前記化合物のエナンチオマーを実質的に含まない、組成物。
  47. 請求項40に記載の化合物を含有する組成物であって、前記化合物のエナンチオマーを実質的に含まない組成物。
  48. 請求項1又は請求項35に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を少なくとも1つ他の治療活性剤とともに含有する組み合わせ。
  49. a)請求項1又は請求項35に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;及びb)薬学的に許容される賦形剤を含有する医薬製剤。
  50. 前記医薬製剤は、単位剤形である、請求項49に記載の医薬製剤。
  51. 酵素を請求項1又は請求項35に記載の化合物と接触させることによって前記酵素を阻害する、酵素の阻害方法。
  52. 前記酵素は、修正ドメインを含むt−RNA合成酵素である、請求項51に記載の方法。
  53. 前記酵素は、ロイシルt−RNA合成酵素である、請求項52に記載の方法。
  54. 微生物を有効量の請求項1又は請求項35に記載の化合物と接触させることによって前記微生物を殺滅する及び/又は微生物の増殖を防止することを含む、微生物を殺滅する及び/又は微生物の増殖を防止する方法。
  55. 前記微生物は、細菌である、請求項54に記載の方法。
  56. 動物に治療上有効な量の請求項1又は請求項35に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することによって前記疾患を治療及び/又は防止する、動物における疾患の治療及び/又は防止方法。
  57. 前記疾患は、肺炎である、請求項56に記載の方法。
  58. 前記動物は、ヒトである、請求項56に記載の方法。
  59. 前記塩は、薬学的に許容される塩である、請求項1又は請求項35に記載の化合物。
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