JP2010223507A - 除霜装置及びこれを備えるエアサイクル冷凍システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】氷点下以下の含霜冷却空気を冷却空気と霜とに分離する除霜装置3であって、含霜冷却空気の主流れ方向を変更して乱流を発生させて含霜冷却空気と霜とに固気分離し、且つ、霜取り作業のために装置を止めることなく連続運転させるために継続的に霜を保持又は収容し続ける一側・他側網状部材31A,31Bを有している。
【選択図】図2
Description
そこで、自然冷媒であり、且つ超低温域に限れば熱交換効率も高い空気冷媒を用いた空気冷凍システムの開発に力が注がれている。この自然冷媒である空気冷媒を用いた場合、冷蔵庫や冷凍庫内に直接空気を流すため、庫内の雪や氷粒などの霜が冷却空気中に取り込まれるという問題がある。そのため、霜詰まりや閉塞が起きないように霜を除去する機構、いわゆるフロストトラップを冷凍システム中に設ける必要がある。霜が大量に冷却システム内を循環したり、一部に堆積したりすると、冷却システムの機能を損ねる可能性があるからである。
特許文献1に開示の除霜装置では、図10に示すように、除霜装置100に流入した冷却空気Aはファン101及び熱交換器102を通過してから、複数枚の網状部材103からなる霜取り部に流入する。網状部材103は冷風が流れる方向に対して中央部分が若干重なるように千鳥状又はジグザグ状に配置される。これにより、網状部材103が霜又は氷で目詰まりするような状況になっても空気が流れる流路は確保される。
本発明は、氷点下以下の含霜冷却空気を冷却空気と霜とに分離する除霜装置であって、含霜冷却空気の主流れ方向を変更して乱流場を発達させて含霜冷却空気と霜とに固気分離する乱流場発生手段と、霜取り作業のために装置を止めることなく、連続運転させるために、継続的に霜を保持又は収容し続ける霜補集手段とを有していることを特徴とする。
かかる発明では、含霜冷却空気の主流れ方向を変更して乱流場を発生させて含霜冷却空気と霜とに固気分離する乱流場発生手段が設けられ、該固気分離により分離した霜を霜捕集手段で継続的に保持又は収容し続ける。このため、霜取り作業のために装置を止めることなく連続運転することができる。すなわち、霜による問題が発生することがなくノンストップで除霜装置を作動させることができる。
この構成では、乱流場発生手段として、除霜装置内を仕切る仕切り部材が設けられ、霜捕集手段として、除霜装置内壁に上下方向に間隔を置いて粗面部材が設けられているので、含霜冷却空気は、仕切り部材で形成された主流路を流通してから外部に流出する。また、この主流路を流通中の含霜冷却空気から固気分離した霜は、着霜し易い粗面部材の表面に堆積する。粗面部材が例えば、表面粗さの粗い平板でありこれに接触すると、表面の凹凸に霜が入り込み、霜堆積初期に含霜冷却空気が当該平板に接触した際の着霜率を向上させることができる。
粗面部材として網状部材を用いると、網目が目詰まりする前は、固気分離した含霜冷却空気が網目を流れ、網目に霜が付き易い。また、網目が目詰まりしても粗面部材の表面は凸凹形状であるので、着霜し易い。また、平板を用いる場合と比べて軽量である。
すなわち、網状部材に粗面部材と仕切り部材との機能を併用して発揮させることができる。これにより、部品の単一化が図られる。網状部材に目詰まりが発生すると、粗面部材としての網状部材は、完全な仕切り部材となる。
このように180度流れ方向を変更すると、往復流路を繰り返し形成することができる。そして、ターン部とターン部の出口とに渦流が発生するため、含霜冷却空気の固気分離が促進され、粗面部材及び仕切り部材への着霜が急速且つ確実に行われる。
かかる発明では、一側・他側網状部材を除霜装置内に設けたので、装置内の霜が少ない場合には、含霜冷却空気は網目を抜けて流れる。そして、徐々に網状部材に霜が堆積する。そして、網目が詰まってくると、重力方向の流れよりもむしろ一側・他側網状部材との間を蛇行する流れが強くなる。このように蛇行した往復繰返し流路が確保されると、網状部材が完全に目詰まりした状態でも十分な冷却空気を流すことができる。また、流路が長くなるので、網状部材の着霜と含霜冷却空気との接触面積が大きくなり、冷却空気の水分を十分に除去することができる。
この構成では、含霜冷却空気は、装置上部の流入口から装置内に流入し、装置下部の流出口から流出する。含霜冷却空気は上方から下方へ向けて流れるので、重力方向の流れであり、反重力方向に流れる場合と比べて、網状部材に霜が堆積し易い。また、冷たい空気は暖かい空気より重いので、含霜冷却空気はスムーズに流れる。
この構成では、除霜装置本体カバーの下部から排出される霜を収容するバッチ式の霜収容器が本体カバーの下部の霜収容空間に定期的に繰り出され、霜収容器が満杯になる前に、次に到達する霜収容器が霜収容空間に配置される。そして、絶えず定期的に堆積した霜を搬送することができるので、除霜作業が連続して行われる。そのため、霜による問題が発生することがなくノンストップで除霜装置及びこれを備えるエアサイクル冷凍システムを稼働させることができる。なお、霜収容器の繰出しは、同一の部材を繰返し使用することができるし、複数の霜収容器を準備して順番に使用することもできる。
このようにすれば、ロータリバルブによって除霜装置本体カバーの内側の空間と霜収容器の内部空間とが断続的に遮断されるので、バッチ式の霜収容器を断続的に搬送する際に、遠心分離器が設置されている空間と外部空間とを閉鎖することができる。このため、バッチ式の霜収容器の取替えの際に、除霜装置本体カバーの内側の空間の冷気が逃げることがない。
このロータリバルブにおいて、ロータリ羽部の先端にはシール部が設けられていることが好ましい。シール部を設けると、確実に空間と外部空間とを密閉することができる。
このようにすれば、かかる構成のエアサイクル冷凍システムに本発明が適用され、エアサイクル冷凍システムを連続的に稼働させることができる。
このようにすれば、本発明の除霜装置を備えるエアサイクル冷凍システムに本発明が適用され、冷凍システムを連続的に稼働させることができる。また、かかる構成のエアサイクル冷凍システムにおいて、実験によれば−80℃の空気冷媒を冷蔵庫に流入させることが可能であり、また、−60℃の空気冷媒を冷蔵庫から流出させることが可能である。
圧縮機で加熱された空気冷媒を冷却させてから冷熱回収熱交換器に流入させることができ、冷熱回収熱交換器の加温側出口と冷却側入口の温度を低くすることができ、冷熱回収熱交換器の冷却側出口の空気冷媒の温度を大幅に小さくすることができる。これにより、圧縮機から冷蔵庫へ流入する空気冷媒の温度を大幅に低下させることができる。
このように加熱空気流入部を設けることで、仮に除霜装置に霜が堆積しても確実に除霜作業を行うことができる。
このように加熱空気流入部を設けることで、仮に冷熱回収熱交換器に霜が堆積しても確実に除霜作業を行うことができる。
図1は、本発明の除霜装置を備えるエアサイクル冷凍システムの第1実施形態を示している。この冷凍システムは、膨張機一体型圧縮機1、冷蔵庫2、除霜装置3、冷熱回収熱交換器4及び一次冷却器5を備えている。この膨張機一体型圧縮機1の膨張機11から流出した空気冷媒(例えば、−80℃)は冷蔵庫2に流入する。
さらに、冷熱回収熱交換器4内は上半分の温度が零下になるため、送風ファン8を介して加熱空気を送り込み冷熱回収熱交換器4内で発生した霜を除去し、外部へ排出する。
また、樹脂製の網状部材を用いる場合であって剛性が十分でないときにも、3辺固定をするとよい。樹脂の種類としては、低温で低脆性な材料が好ましい。
また、一側・他側網状部材31A,31Bの取付方向としては、例えば、図3(a)に示すように、一側・他側網状部材31A,31Bの縁部に耳部36を形成し、除霜装置3の内壁に取り付けた金具37に固定するようにしてもよい。耳部36としては例えば、長尺状の金属板を用いることができる。また、3辺固定する場合は、図3(b)に示すように耳部36を設け、逆L字状の支持部材38上に載置するようにしてもよい。
さらに、上述した第1実施形態の除霜装置3では、一側・他側網状部材31A,31Bの網目が目詰まりする前は、主流路で固気分離した含霜冷却空気が網目を流れ、網目に霜が付き易い。また、網目が目詰まりしても一側・他側網状部材31A,31Bの表面は凸凹形状であるので、さらにその上にも着霜が行われ易い。また、平板を用いる場合と比べて軽量である。
図7は、本発明の除霜装置の第2実施形態を示している。この第2実施形態は、第1実施形態と比べて除霜装置3の構造のみ異なるため、その他の説明は省略する。
この第2実施形態の除霜装置3は、サイクロン式であり、遠心分離器30を備え、遠心分離器30によって霜を含む冷却空気を冷却空気と霜とに固気分離する。遠心分離器30は除霜装置本体カバー32に収容されている。この遠心分離器30と除霜装置本体カバー32とでサイクロン装置が構成されている。
図8は、本発明の除霜装置の第3実施形態を示している。この第3実施形態は、第2実施形態の除霜装置3にロータリバルブ34が設けられているものであり、この点について説明する。
この第3実施形態の除霜装置3は、除霜装置本体カバー32の下部にはロータリバルブ34が設けられ、該ロータリバルブ34を介してロータリバルブ34の下部に配置された霜収容器33に霜が送出される。ロータリバルブ34はモータ35によって作動する。ロータリバルブ34付近を拡大した断面は図9に示すようになる。ロータリバルブ34は、軸体の周面に一定間隔で板状の羽部が形成された霜送出部341と、これを収納する円弧部を有するロータリバルブケース342と、を備えている。
11 膨張機
12 圧縮機
2 冷蔵庫
2A 冷凍・冷蔵庫
2B 急速凍結装置
21 空気熱交換器
3 除霜装置
3a 流入口
3b 流出口
30 遠心分離器
31A 一側網状部材
31B 他側網状部材
32 除霜装置本体カバー
321 冷媒入口
322 冷媒出口
33 霜収容器
34 ロータリバルブ
341 霜送出部
342 ロータリバルブケース
35 モータ
36 耳部
37 金具
38 支持部材
4 冷熱回収熱交換器
5 一次冷却器
6 送風ファン
7 ヒータ
8 送風ファン
9 空気冷凍システム
100 除霜装置
101 ファン
102 熱交換器
103 網状部材
200 槽
201 ハンマー
202 伝熱部
203 ホッパ
204 サイクロン
A 冷却空気
Claims (17)
- 氷点下以下の含霜冷却空気を冷却空気と霜とに分離する除霜装置であって、
含霜冷却空気の主流れ方向を変更して乱流場を発達させて含霜冷却空気と霜とに固気分離する乱流場発生手段と、
霜取り作業のために装置を止めることなく、連続運転させるために、継続的に霜を保持又は収容し続ける霜補集手段と、
を有していることを特徴とする除霜装置。 - 前記乱流場発生手段として、前記含霜冷却空気が流れる折返し流路が形成されるように除霜装置内を仕切る仕切り部材が設けられ、
前記霜捕集手段として、除霜装置内壁に上下方向に間隔を置いて粗面部材が設けられ、
前記含霜冷却空気は、前記仕切り部材で形成された主流路を流通してから外部に流出することを特徴とする請求項1に記載の除霜装置。 - 前記粗面部材は、網状部材であることを特徴とする請求項2に記載の除霜装置。
- 前記粗面部材と前記仕切り部材とが同一の部材で構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の除霜装置。
- 前記主流路には180度流れ方向を変更するターン部が形成されていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の除霜装置。
- 前記粗面部材又は前記霜補集部として、
除霜装置内側壁の一面に他面側に向かって且つ上下方向に間隔を置いて設けられる一側網状部材と、
除霜装置内側壁の他面に一面側に向かって且つ上下方向に間隔を置いて設けられる他側網状部材と、
が交互に設けられ、
前記一側網状部材と前記他側網状部材とが目詰まりした場合に、前記含霜冷却空気は、前記一側網状部材と前記他側網状部材とで形成された往復繰返し流路を流通することを特徴とする請求項1に記載の除霜装置。 - 装置上部に前記含霜冷却空気が流入する流入口が形成され、装置下部に前記含霜冷却空気が流出する流出口が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の除霜装置。
- 前記乱流場発生手段は、遠心分離器と、該遠心分離器を収納する除霜装置本体カバーとを有するサイクロン装置であり、
前記霜補集部は、前記除霜装置本体カバーの下部の霜収容空間に繰り出される霜収容器であることを特徴とする請求項1に記載の除霜装置。 - 前記サイクロン装置の下部にはロータリバルブが設けられ、該ロータリバルブを介して前記ロータリバルブの下部に配置された前記霜収容器に霜が送出されることを特徴とする請求項8に記載の除霜装置。
- 前記ロータリバルブのロータリ羽部の先端にはシール部が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の除霜装置。
- 圧縮機、凝縮器、膨張機及び蒸発器を備えて冷凍サイクルを構成する冷凍システムであって、
請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の除霜装置を用いて膨張行程と蒸発行程との間で除霜が行われることを特徴とする冷凍システム。 - 膨張機一体型圧縮機、冷蔵庫、及び冷熱回収熱交換器を備え、
前記膨張機一体型圧縮機の膨張機からの空気冷媒は、前記冷蔵庫に流入し、
該冷蔵庫からは零下温度の空気冷媒が流出して、請求項1ないし請求項9に記載の除霜装置に流入し、
該除霜装置からの空気冷媒は、前記冷熱回収熱交換器の加温側に流入し、
前記冷熱回収熱交換器からの空気冷媒は、前記膨張機一体型圧縮機の圧縮機に流入し、
該圧縮機からの空気冷媒は、前記冷熱回収熱交換器の冷却側に流入し、
該冷熱回収熱交換器からの空気冷媒は、前記膨張機に戻ることを特徴とするエアサイクル冷凍システム。 - 前記圧縮機から前記冷熱回収熱交換器へ向かう流路には、冷却器が設けられていることを特徴とする請求項12に記載のエアサイクル冷凍システム。
- 前記冷却器には、冷却水が流通することを特徴とする請求項13に記載のエアサイクル冷凍システム。
- 前記除霜装置の下流側には加熱空気流入部が設けられ、該加熱空気流入部から前記除霜装置へ加熱空気を供給可能に構成されていることを特徴とする請求項12ないし請求項14のいずれかに記載のエアサイクル冷凍システム。
- 前記冷熱回収熱交換器の冷却側の下流側には加熱空気流入部が設けられ、該加熱空気流入部から前記冷熱回収熱交換器へ加熱空気を供給可能に構成されていることを特徴とする請求項12ないし請求項14のいずれかに記載のエアサイクル冷凍システム。
- 前記加熱空気流入部には、ファンと加熱器とが設けられていることを特徴とする請求項15又は請求項16に記載のエアサイクル冷凍システム。
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