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JP2010285424A - ラクトン環を有する化合物およびこれを用いた重合体 - Google Patents

ラクトン環を有する化合物およびこれを用いた重合体 Download PDF

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JP2010285424A
JP2010285424A JP2010109455A JP2010109455A JP2010285424A JP 2010285424 A JP2010285424 A JP 2010285424A JP 2010109455 A JP2010109455 A JP 2010109455A JP 2010109455 A JP2010109455 A JP 2010109455A JP 2010285424 A JP2010285424 A JP 2010285424A
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Satoshi Sakuma
諭 佐久間
Haruki Okada
春樹 岡田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

【課題】レジスト用重合体の単量体として好適に用いられ、レジスト用重合体の有機溶媒への溶解性を向上できる新規な化合物を提供する。
【解決手段】下記一般式(A)で表される化合物。式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の炭化水素基を表す。Xは−[CH−COO−で表わされる2価基または−[CH−O−で表わされる2価基を表し、nは1〜4の整数を表す。Zはメチレン基または酸素原子を表す。
[化1]
Figure 2010285424

【選択図】なし

Description

本発明は、ラクトン環を有する新規化合物、およびこれを用いた重合体に関する。
近年、半導体素子や液晶素子の製造における微細加工の分野においては、リソグラフィー技術の進歩により急速に微細化が進んでいる。その微細化の手法としては、一般に、照射光の短波長化が用いられ、具体的には、従来のg線(波長:438nm)、i線(波長:365nm)に代表される紫外線からDUV(Deep Ultra Violet)へと照射光が変化してきている。
現在では、KrFエキシマレーザー(波長:248nm)リソグラフィー技術が市場に導入され、さらなる短波長化を図ったArFエキシマレーザー(波長:193nm)リソグラフィー技術も導入されようとしている。さらに、次世代の技術として、F2エキシマレーザー(波長:157nm)リソグラフィー技術が研究されている。また、これらとは若干異なるタイプのリソグラフィー技術として、電子線リソグラフィー技術、波長13.5nm近傍の極端紫外光(Extreme Ultra Violet light:EUV光)を用いるEUVリソグラフィー技術についても精力的に研究されている。
このような短波長の照射光あるいは電子線に対応できる高解像度のレジストとして、光酸発生剤を含有する「化学増幅型レジスト」が提唱され、現在、この化学増幅型レジストの改良および開発が精力的に進められている。
例えば特許文献1には、短波長の光に対して優れた透明性を有するレジスト用重合体として、ノルボルネンラクトン構造を有する(メタ)アクリル酸誘導体を単量体として用いてなる共重合体が開示されている。
さらに特許文献2には、側鎖にラクトン環を有する、レジスト樹脂用の単量体の例示として、ノルボルネンラクトン構造を有する(メタ)アクリル酸誘導体であって、ノルボルネンラクトン構造とメタアクリロイルオキシ基との間にエステル結合が導入された化合物が開示されている。
特許第4065684号公報 特開2007−249192号公報
しかしながら上記特許文献2の、ノルボルネンラクトン構造とメタアクリロイルオキシ基との間にエステル結合が導入された(メタ)アクリル酸誘導体にあっては、これを他の単量体とを共重合してレジスト用重合体としたときに、有機溶媒への溶解性が不充分となる場合がある。
レジスト用重合体を有機溶媒に溶解させてレジスト組成物を調製する際に、該重合体の溶解性が低いと、溶解に長時間を要したり、不溶分が発生することがある。レジスト組成物中の不溶分はパターン欠陥の原因となるため、かかる不溶分を取り除くための工程が必要となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、レジスト用重合体の単量体として好適に用いられ、レジスト用重合体の有機溶媒への溶解性を向上できる新規な化合物、および該化合物を単量体として用いて得られる重合体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、下記一般式(A)で表される化合物を提供する。
Figure 2010285424
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基を表す。Xは−[CH−COO−で表わされる2価基または−[CH−O−で表わされる2価基を表し、nは1〜4の整数を表す。Zはメチレン基または酸素原子を表す。)
本発明は、本発明の化合物である1種以上の単量体(A)と、酸不安定基を有する単量体(B)、ラクトン環を有する単量体(C)(ただし単量体(C)は単量体(A)に含まれないものに限る。)および親水性基を有する単量体(D)から選ばれる1種以上の単量体とを共重合して得られる重合体を提供する。
前記重合体の質量平均分子量が1,000〜100,000であることが好ましい。
本発明の化合物は、レジスト用重合体の単量体として好適に用いることができ、これを用いた本発明の重合体は、有機溶媒に対する溶解性に優れる。本発明の重合体は、レジスト用重合体として好適に用いることができる。
合成例1で得られた単量体(A−1)のH−NMRのスペクトルである。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリロイルオキシ」は、アクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシを意味する。
<ラクトン環を有する化合物・単量体(A)>
本発明における単量体(A)は、上式(A)で表わされる、ラクトン環を有する化合物(以下、単量体(A)という。)である。単量体(A)は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
式(A)において、Rは水素原子またはメチル基を表す。
は水素原子または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基を表す。該炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。これらの中でも、重合体のガラス転移温度(Tg)の低下を抑える点で、メチル基またはエチル基が好ましい。単量体(A)における−OR基の結合位置は特に限定されないが、単量体(A)として下記一般式(A1)で表わされる化合物が好ましい。なお後述の方法により一般式(A1)で表わされる化合物を製造すると、下記一般式(A2)で表わされる化合物が副生する。一般式(A1)で表わされる化合物を単量体として用いる重合反応において、該一般式(A2)で表わされる化合物も同様に反応するため、該重合反応において両者の混合物を用いることができる。
下式(A1)、(A2)中のR、R、X、Zは上式(A)と同じである。
Figure 2010285424
式(A)において、Xは−[CH−COO−で表わされる2価基(以下、エステル連結基Xということもある。)、または−[CH−O−で表わされる2価基(以下、エーテル連結基Xということもある。)である。nは1〜4の整数を表す。重合体のTgの低下を抑える点で、nは1〜2が好ましく、n=1がより好ましい。
また、製造工程が簡便である点で、Xがエステル連結基Xであり、かつ上記Rが上記炭化水素基であることが好ましい。または、Xがエーテル連結基Xであり、かつ上記Rが水素原子であることが好ましい。
式(A)において、Zはメチレン基または酸素原子である。Zは合成中間体の安定性の点ではメチレン基であることが好ましく、溶剤溶解性の点では酸素原子であることが好ましい。
単量体(A)の製造方法は、特に限定されないが、例えば以下に示す方法によって合成できる。以下の例においてZはメチレン基である。
Figure 2010285424
(工程1)まず、環状ジエン化合物(a)と無水マレイン酸(b)とから、ディールス・アルダー(Diels−Alder)付加物である酸無水物構造を有する環状オレフィン(c)を得る([4+2]付加工程)。
酸無水物構造を有する環状オレフィン(c)は、環状ジエン化合物(a)と無水マレイン酸(b)とのディールス・アルダー反応により製造することができるが、市販品を用いることも可能である。この反応は、通常、オートクレーブ等の耐圧密閉容器中、反応に不活性な溶媒を用い、加熱下で行われるが、無水マレイン酸のジエノフィルとしての活性が非常に高いため、40〜100℃程度の温度で、必要により還流管等を用い、開放系でも行うことができる。環状ジエン化合物(a)としてはシクロペンタジエンが用いられる。
得られた酸無水物構造を有する環状オレフィン(c)は、蒸留、晶析、各種クロマトグラフィー等の常法により単離、精製することができる。
(工程2)次いで、環状オレフィン(c)の酸無水物構造を選択的に還元してラクトン構造を有する環状オレフィン(d)とする(還元工程)
具体的には、酸無水物構造を有する環状オレフィン(c)を金属水素化物で還元する。金属水素化物としては、例えば水素化リチウムアルミニウムやその水素原子の一部をアルコラートで置換した化合物や、水素化ホウ素ナトリウムやその水素原子の一部をアルコラートで置換した化合物などが挙げられるが、取り扱い等の点から水素化ホウ素ナトリウムが好ましい。
金属水素化物の使用量は、環状オレフィン(c)1モルに対して0.5モル〜1.5モルであることが好ましい。
本工程の反応はジエチルエーテルやテトラヒドロフラン(以下、THFと略す)などの環状及び非環状のエーテル系溶媒中で行うのが好ましい。反応温度は−30℃〜50℃、好ましくは5℃〜30℃で行われ、反応終了後は酸性物質を加えて中和、好ましくは酸性にし、ラクトン化することでラクトン構造を有する環状オレフィン(d)が得られる。このときに用いられる酸性物質としては、塩酸、硫酸又はリン酸等の鉱酸類、酢酸等の有機酸が挙げられるが、硫酸又は酢酸が操作の点から好ましい。
このようにして得られたラクトン構造を有する環状オレフィン(d)は晶析、蒸留及び各種クロマトグラフィーにより精製することができる。
(工程3)続いて、エポキシ化反応を行い、ラクトン構造を有する環状オレフィン(d)をエポキシ体(e)とする(エポキシ化工程)。
本工程は、ラクトン構造を有する環状オレフィン(d)に、過酸化物等のエポキシ化剤を作用させ、二重結合部位をエポキシ化してエポキシ体(e)を得るものである。
エポキシ化反応において、過酸化物としては有機又は無機の過酸化物が用いられる。有機過酸化物としては過酢酸、トリフルオロ過酢酸及びm−クロロ過安息香酸等が挙げられ、無機過酸化物としては過酸化水素とヘテロポリ酸との共触媒等が挙げられるが、m−クロロ過安息香酸や、過酸化水素とヘテロポリ酸との共触媒がより好ましい。
反応溶媒としては、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン、トルエン等の炭化水素類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、水等が挙げられるが、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素が好ましい。反応温度は−50℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃である。
(工程4)上記で得られたエポキシ体(e)は、酸性物質及びアルコールの共存下でエポキシ環を開環させることによりアルコール体(f)へ導くことができる。すなわち、酸性物質及びROH(Rは炭化水素基を表わし、上式(A)におけるRとしての炭化水素基と同じである。)で表されるアルコール類の存在下でエポキシ環を開環することにより、ラクトン構造を有するアルコール体(f)を得る(開環反応工程)。このときアルコール体(f’)が副生する可能性があると推測される。
ここで用いられる酸性物質としては、プロトンとして水素イオンを反応系に供することができる化合物が挙げられる。液状でも固体でもよく、水分を極力含有しないものが好ましい。具体的には酢酸、プロピオン酸又は蟻酸等の脂肪族カルボン酸類;トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸又はモノクロロ酢酸等のハロゲン化脂肪族カルボン酸類;メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸類の無水物及びその水和物;硫酸等が挙げられる。これら酸性物質の使用量は、基質のエポキシ体(e)に対して0.01倍モル〜2.0倍モル、好ましくは0.05倍モル〜0.2倍モルである。
アルコール類としてはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール及びtert−ブタノール等の低級アルコール類が好ましい。アルコールの種類を適宜選択することにより、上式(A)において−ORで表わされるアルコキシ基を変えることができる。アルコール類の使用量はエポキシ体(e)に対して1倍容量〜10倍容量が好ましい。
反応温度は0℃〜150℃、好ましくは40℃〜80℃である。このようにして得られた、アルコール体(f)および(f’)の混合物は晶析、各種クロマトグラフィー等により精製することもできるが、未精製のまま次工程へと供することも可能である。
(工程5)次いで、得られたアルコール体(f)をエステル化して中間体(g)を得る(エステル化工程)。前記工程4でアルコール体(f’)が副生されていれば、アルコール体(f)および(f’)の混合物がエステル化され、中間体(g)と(g’)の混合物が得られる。
例えばカルボン酸塩化物とアミン塩基によるエステル化法、酸無水物によるエステル化法、酸、塩基、金属触媒によるエステル化法等、公知のエステル化法を用いることができる。反応させるカルボン酸としてモノクロロ酢酸、モノクロロプロピオン酸などを適宜選択することにより、上式(A)において、Xがエステル連結基X1である化合物に対応する中間体(g)が得られる。
(工程6)次いで、得られた中間体(g)と、(メタ)アクリル酸とを、好ましくは脱酸剤の存在下で、エステル化反応させて、上式(A)において、Xがエステル連結基Xである、目的の化合物(h)を得る((メタ)アクリル酸エステル化工程)。前記工程4でアルコール体(f’)が副生されていれば、中間体(g)と(g’)の混合物がエステル化反応され、化合物(h)と(h’)の混合物が得られる。
本工程の反応は、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの不活性溶媒中で行われ、反応温度は、−30℃〜200℃、好ましくは、0℃〜100℃である。脱酸剤として例えば、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基あるいは、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムのような無機塩基あるいは、これらの混合物が用いられる。
中間体(g)および(g’)の合計1モルに対して、(メタ)アクリル酸の使用量は、当量から2倍量が好ましく、当量から1.5倍量がより好ましい。脱酸剤の使用量は、当量から5倍量が好ましく、当量から3倍量がより好ましい。
得られた化合物(h)および(h’)の混合物は、通常の後処理によって取り出すことができる。さらにクロマトグラフィー、再結晶、あるいは蒸留によって精製することも可能である。
本発明者等の知見によれば、精製後の反応生成物において、化合物(h)の異性体(h’)の存在が確認され、該異性体(h’)の含有割合は化合物(h)および(h’)の合計のうちの0.1〜10.0モル%程度である。該異性体(h’)は、上記工程4で副生する可能性が考えられるほか、精製工程で副生する可能性も考えられる。
また上記(工程4)において、(メタ)アクリル酸 2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸 3−ヒドロキシプロピル等、水酸基を有する反応剤を用いて開環反応を行うと、上式(A)において、Rが水素原子であり、Xがエーテル連結基Xであり、かつZがメチレン基である、目的の化合物が生成する。
<重合体>
本発明の重合体は、上記単量体(A)の1種以上と、単量体(B)〜(D)から選ばれる1種以上の単量体とを共重合することにより得られる。単量体(A)と、該単量体(A)を製造する際に副生する異性体とを分離せずに用いてもよい。
単量体(A)の割合は、全単量体の合計の仕込み量(100モル%)中、1〜60モル%であることが好ましく、10〜50モル%であることがより好ましく、15〜40モル%であることが特に好ましい。1モル%以上であるとレジストとして使用した際に良好なドライエッチング耐性が得られやすく、60モル%以下であると良好な溶剤溶解性が得られやすい。
<単量体(B)>
単量体(B)は、酸不安定基を有する単量体(B)である。「酸不安定基」とは、酸により開裂する結合を有する基であり、該結合の開裂により酸不安定基の一部または全部が重合体の主鎖から脱離する基である。
酸不安定基を有するレジスト用重合体は、レジスト用組成物として用いた場合に、酸によってアルカリに可溶となり、レジストパターン形成を可能とする作用を奏する。
単量体(B)としては、公知の酸不安定基を有する単量体が挙げられる。例えば、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有し、かつ酸の作用により脱離可能な基を有している(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。該脂環式炭化水素基は、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子と直接結合していてもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。
該(メタ)アクリル酸エステルには、炭素数5〜20の脂環式炭化水素基を有するとともに、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子との結合部位に第3級炭素原子を有する(メタ)アクリル酸エステル、または、炭素数5〜20の脂環式炭化水素基を有するとともに、該脂環式炭化水素基に−COOR基(Rは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、またはオキセパニル基を表す。)が直接または連結基を介して結合している(メタ)アクリル酸エステルが含まれる。
単量体(B)としては、特に限定されないが例えば、メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、メタクリル酸2−イソプロピル−2−アダマンチル、メタクリル酸1−メチル−1−シクロペンチル、メタクリル酸1−エチル−1−シクロペンチル、メタクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシル等が挙げられる。
単量体(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
単量体(B)の割合は、感度および解像度の点から、全単量体の合計の仕込み量(100モル%)中、20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましい。また、基板等への密着性の点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
<単量体(C)>
単量体(C)は、ラクトン環を有する単量体である。ただし単量体(C)は単量体(A)に含まれないものに限る。また、単量体(C)は酸不安定基を有しない。
ラクトン環の例としては、4〜20員環程度のラクトン環が挙げられる。単量体(C)におけるラクトン環は、ラクトン環のみの単環であってもよく、ラクトン環に脂肪族または芳香族の炭素環または複素環が縮合した縮合環であってもよい。
単量体(C)としては、基板等への密着性に優れる点から、置換あるいは無置換のδ−バレロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステル、置換あるいは無置換のγ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、無置換のγ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルが特に好ましい。
単量体(C)の具体例としては、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン、4,4−ジメチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、2−(1−メタクリロイルオキシ)エチル−4−ブタノリド、メタクリル酸パントイルラクトン等が挙げられる。また、類似構造を持つ単量体として、メタクリロイルオキシこはく酸無水物等も挙げられる。
単量体(C)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
単量体(C)の割合は、基板等への密着性の点から、全単量体の合計の仕込み量(100モル%)中、20モル%以上が好ましく、35モル%以上がより好ましい。また、感度および解像度の点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
<単量体(D)>
単量体(D)は親水性基を有する単量体である。「親水性基」とは、−C(CF−OHで表わされる1価基、ヒドロキシ基、シアノ基、メトキシ基、カルボキシ基およびアミノ基の少なくとも1種である。単量体(D)は酸不安定基およびラクトン環のいずれも有しない。
単量体(D)の例としては、末端ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリ酸エステル、単量体の親水性基上にアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する誘導体、環式炭化水素基を有する単量体((メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンチルが、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基等の親水性基を有する単量体が挙げられる。
単量体(D)としては、特に限定されないが例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシアダマンチル等が挙げられる。基板等に対する密着性の点から、1−メタクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタン等が好ましい。
親水性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
親水性基を有する単量体の割合は、レジストパターン矩形性の点から、全単量体の合計の仕込み量(100モル%)中、1〜30モル%が好ましく、1〜20モル%がより好ましい。
<重合体の製造方法>
本発明の重合体は、単量体(A)と、単量体(B)〜(D)から選ばれた単量体を、重合開始剤を用いて共重合させることによって得られる。単量体(A)と、該単量体(A)を製造する際に副生する異性体とを分離せずに用いてもよい。
重合方法としては特に限定されず、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合方法を用いることができる。これらのうち、光線透過率を低下させないために、重合反応終了後に残存する単量体を除去する工程が容易である点、重合体の分子量を比較的低くできる点から、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法において、単量体および重合開始剤の重合容器への供給は、連続供給であってもよく、滴下供給であってもよい。製造ロットの違いによる平均分子量、分子量分布等のばらつきが小さく、再現性の良い重合体が簡便に得られる点から滴下重合法が好ましい。
滴下重合法においては、重合容器内を所定の重合温度まで加熱した後、単量体および重合開始剤を、それぞれ独立に、または任意の組み合わせで、重合容器内に滴下する。
単量体は、単量体のみで滴下してもよく、単量体を溶媒(以下、「滴下溶媒」とも記す。)に溶解させた単量体溶液として滴下してもよい。
溶媒(以下、「仕込み溶媒」とも記す。)をあらかじめ重合容器に仕込んでもよく、仕込み溶媒をあらかじめ重合容器に仕込まなくてもよい。仕込み溶媒をあらかじめ重合容器に仕込まない場合、単量体または重合開始剤は、仕込み溶媒がない状態で重合容器中に滴下される。
重合開始剤は、単量体に直接に溶解させてもよく、単量体溶液に溶解させてもよく、滴下溶媒のみに溶解させてもよい。
単量体および重合開始剤は、同じ貯槽内で混合した後、重合容器中に滴下してもよく、それぞれ独立した貯槽から重合容器中に滴下してもよく、それぞれ独立した貯槽から重合容器に供給する直前で混合し、重合容器中に滴下してもよい。
単量体および重合開始剤は、一方を先に滴下した後、遅れて他方を滴下してもよく、両方を同じタイミングで滴下してもよい。
滴下速度は、滴下終了まで一定であってもよく、単量体または重合開始剤の消費速度に応じて、多段階に変化させてもよい。
滴下は、連続的に行ってもよく、間欠的に行ってもよい。
重合温度は、50〜150℃が好ましい。
溶媒(滴下溶媒または仕込み溶媒)としては、重合に用いる単量体および生成する重合体が溶解すれば特に限定されないが、例えば、下記の溶媒が挙げられる。
エーテル類:鎖状エーテル(ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等。)、環状エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等。)等。
エステル類:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と記す。)、γ−ブチロラクトン(以下γ−BLと示す)等。
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等。
アミド類:N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等。
スルホキシド類:ジメチルスルホキシド等。
芳香族炭化水素:ベンゼン、トルエン、キシレン等。
脂肪族炭化水素:ヘキサン等。
脂環式炭化水素:シクロヘキサン等。
溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤としては、熱により効率的にラジカルを発生するものが好ましい。例えば、アゾ化合物(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等。
)、有機過酸化物(2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等。)等が挙げられる。
本発明の重合体の質量平均分子量は、1,000〜100,000であることが好ましく、2,000〜50,000であることがより好ましく、3,000〜30,000であることが特に好ましい。質量平均分子量が1,000より小さいと重合体溶液を基板上に塗布・乾燥した際に上手く成膜しないことがあり、100,000より大きいと、均等な膜厚で塗布することが困難となったり、レジストの構成成分として用いた場合にはレジスト特性を低下させたりすることがある。
本発明の重合体は、有機溶剤に対する溶解性が優れている。このため、レジスト用重合体として好適に用いられ、該重合体を用いてレジスト組成物を調製する際の作業性、および該レジスト組成物を用いて半導体を製造する際の作業性を大きく改善することが可能である。レジスト組成物を調製する際の溶剤としては、重合体の製造に用いられる溶媒と同様のものが用いられる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本実施例に用いた反応試薬および単量体は、特に記載がないものについては市販品を精製することなくそのまま用いた。
重合体の諸物性は、以下の方法で測定した。
[重合体の質量平均分子量の測定]
約20mgの重合体を5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブランフィルターで濾過して試料溶液を調製し、この試料溶液を東ソー社製、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。この測定は、分離カラムは昭和電工社製、Shodex GPC K−805L(商品名)を3本直列に繋いだものを用い、展開溶媒はTHF、流量1.0mL/min、検出器は示差屈折計、測定温度40℃、注入量0.1mLで、標準ポリマーとしてポリスチレンを使用して測定した。
[単量体の同定]
H−NMRスペクトルの測定により単量体の同定を行った。この測定は、日本電子社製、GSX−400型 FT−NMR(商品名)を用いて、濃度が約5質量%の、単量体の重水素化クロロホルム溶液を直径5mmφの試験管に入れ、測定温度40℃、測定周波数400MHz、シングルパルスモードにて64回の積算回数で行った。
[合成例1:単量体(A−1)の合成]
<クロロ酢酸エステル化>
化合物(g−1):1−クロロ酢酸 8−(9−メトキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デカニル−3−オン)と、化合物(g’−1):1−クロロ酢酸 9−(8−メトキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デカニル−3−オン)の混合物の合成。
Figure 2010285424
まず、上記(工程1)〜(工程4)を行って、化合物(f−1):8−ヒドロキシ−9−メトキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デカン−3−オンと、化合物(f’−1):8−メトキシ−9−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デカン−3−オンの混合物を合成した。(工程4)におけるアルコール類としてはメタノールを用いた。
次いで上記(工程5)を行った。すなわち、滴下ロート、温度計、窒素ガス吹き込み口、攪拌子を備えたフラスコに、得られた化合物(f−1)と(f’−1)の混合物(19.9g)、トルエン(300g)、トリエチルアミン(式中EtNで表わす。)(13.1g)を加えて窒素置換した後、攪拌を開始して内温5℃まで冷却した。別途モノクロロ酢酸クロリド(14.7g)をトルエン(90.3g)に溶解させた溶液を滴下ロートに入れ、内温が10℃を超えないように1時間かけて滴下した。滴下終了後、内温を10℃に維持したまま1.5時間保持した。化合物(f−1)と(f’−1)の消失をGC(ガスクロマトグラフィー)で確認した後に水(300g)をゆっくりと加え、分液ロートで有機層を分離した。更に水層をトルエン(200g)で2回抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(50g)で2回洗浄した後、エバポレーターでトルエンを留去したものを、減圧単蒸留で精製した(158〜161℃、40〜70Pa)。以上の操作を行い、無色透明油状液体の化合物(g−1)と(g’−1)の混合物(18.3g、取得収率67.0%)を得た。
<メタクリル酸エステル化>
化合物(h−1):メタクリル酸 9−メトキシ−5−オキソ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルオキシカルボニルメチルと、化合物(h’−1)メタクリル酸 9−メトキシ−3−オキソ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルオキシカルボニルメチルの混合物の合成。
Figure 2010285424
上記で得た化合物(g−1)と(g’−1)の混合物を用い、上記(工程6)を行った。
すなわち、滴下ロート、温度計、窒素ガス吹き込み口、攪拌子を備えたフラスコに、メタクリル酸(7.30g)、炭酸カリウム(11.8g)、ヨウ化カリウム(2.80g)、ジメチルホルムアミド(100g)、重合禁止剤として4−メトキシフェノール(0.10g)を加えて窒素置換した後、攪拌を開始して内温が25℃になるように調節した。
これとは別に、上記で得た化合物(g−1)と(g’−1)の混合物(15.6g)をジメチルホルムアミド(50.0g)に溶解させた溶液を調製して滴下ロートに入れ、上記フラスコに15分間で滴下した。滴下終了後、内温を25℃に維持したまま4時間保持した。化合物(g−1)と(g’−1)の消失をGCで確認した後に水(100g)、トルエン(100g)を加え、分液ロートで有機層を分離した。更に水層をトルエン(100g)で2回抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(50g)で2回洗浄した後、エバポレーターでジメチルホルムアミドおよびトルエンを留去したものをシリカゲルカラムで精製した(シリカゲル400g、展開溶媒はn−ヘキサン:酢酸エチル=2:1[体積比]。
以上の操作を行い、無色透明油状液体の化合物(h−1)と(h’−1)の混合物(16.4g、取得収率89.0%)を得た。化合物(h−1)と(h’−1)の合計量のうち、副生物である(h’−1)の含有割合は0.2モル%であった。得られた化合物(h−1)と(h’−1)の混合物を単量体(A−1)とした。
単量体(A−1)のH−NMRスペクトルを図1に示すとともに、NMRスペクトルの帰属を下記に示す。下記の帰属において、例えば(1H,s,A)のAなど、カッコ内の最後のアルファベットは、下記構造式(h−1)における水素原子の右肩に付したアルファベットを意味し、水素原子の位置を示すものである。なお化合物(h’−1)に特有のピークは確認されなかったが、これは化合物(h’−1)の含有割合が小さく、他のピークと重なっているためと考えられる。
H−NMR(CDCl(δ=ppm),270MHz)
1.71(2H,dd,L)、1.97(3H,s,C)、2.55(1H,m,I)、2.71(1H,dt,F)、2.80(1H,dt,J)、2.94(1H,dd,G)、3.71(3H,s,M)、3.79(2H,m,H)、4.12(1H,d,K)、4.67(2H,s,D)、5.03(1H,s,B)、5.66(1H,t,E)、6.21(1H,s,A)
Figure 2010285424
[比較合成例1:比較単量体(A−2)の合成]
<クロロ酢酸エステル化>
化合物(i):1−クロロ酢酸 8−(4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デカニル−3−オン)と、化合物(i’):1−クロロ酢酸 9−(4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デカニル−3−オン)の混合物の合成。
Figure 2010285424
まず、上記(工程1)〜(工程2)を行って、化合物(d−2):4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3−オンを合成した。
次いでエステル化を行った。すなわち、滴下ロート、冷却管、温度計、窒素ガス吹き込み口、攪拌子を備えたフラスコに、化合物(d−2)の100g、モノクロロ酢酸(126g)を加えて窒素置換し、内温60℃で化合物(d−2)およびモノクロロ酢酸を融解させた後、攪拌を開始して内温100℃まで加熱した。次いで、トリフルオロメタンスルホン酸(10.0g)を滴下ロートより2時間かけて滴下し、滴下終了後、内温を100℃に維持したまま3時間保持した。化合物(d−2)の消失をGCで確認した後、内温を50℃まで冷却し、トルエン(100g)を加えてから25℃まで冷却した。水を50g加えた後、飽和重曹水を水層のpHが8になるまで加えてトリフルオロメタンスルホン酸とモノクロロ酢酸を中和した。分液ロートで有機層を分離し、更に水層を酢酸エチル(350g)で2回抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(100g)で2回洗浄した後、エバポレーターでトルエンと酢酸エチルを留去したものを減圧単蒸留で精製した(170〜175℃、27〜53Pa)。以上の操作を行い、薄橙色油状液体の化合物(i)と(i’)の8種異性体の混合物(それぞれ、ラクトン環およびモノクロロ酢酸基のノルボルネン環に対するendo、exo異性体の組み合わせ4種ずつ)として得た(114g、取得収率70.9%)。
<メタクリル酸エステル化>
化合物(j):メタクリル酸 5−オキソ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルオキシカルボニルメチルと、化合物(j’):メタクリル酸 3−オキソ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルオキシカルボニルメチルの混合物の合成。
Figure 2010285424
合成例1における化合物(g−1)と(g’−1)の混合物の代わりに、上記で得た化合物(i)と(i’)の8種異性体の混合物の13.9gを使用した以外は、合成例1と同様にして上記(工程6)を行った。これにより化合物(j)と(j’)の8種異性体の混合物(15.9g、取得収率95.0%)を得た。得られた化合物(j)と(j’)の8種異性体混合物を比較単量体(A−2)とした。比較単量体(A−2)は、メトキシ基を有しない点で単量体(A−1)と異なる。
[実施例1〜8、比較例1〜3:重合体P−1〜P−11の合成]
上記合成例1で得た単量体(A−1)、上記比較合成例1で得た単量体(A−2)、および下記の単量体(B−1)〜(B−6)、(C−1)、(D−1)を、表1に示す割合(モル分率)で混合して用い、重合体P−1〜P−11をそれぞれ合成した。表1に示す混合割合の単位は「モル%」である。
重合溶媒としては、いずれの例も乳酸エチルとγ−BLの混合物(乳酸エチル/γ−BL=8/2[質量比])を用いた。
Figure 2010285424
滴下ロート、冷却管、温度計、窒素ガス吹き込み口、攪拌子を備えたフラスコに、重合溶媒として、乳酸エチル(20.0質量部)とγ−BL(5.0質量部)を加えて窒素置換した後、攪拌を開始して内温80℃まで加熱した。
単量体(A)、単量体(B)、単量体(C)、単量体(D)を表1に示すモル分率で混合した単量体混合物(30.0質量部)を、乳酸エチル(36.0質量部)とγ−BL(9.0質量部)の混合物からなる重合溶媒に溶解させ、開始剤を表1に示す割合(単量体の合計100モル%に対する割合、単位:モル%。)で添加して単量体溶液とした。開始剤としては、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))を用いた。
単量体溶液を滴下ロートに入れ、フラスコ内に4時間かけて滴下した。滴下終了後、内温を80℃に維持したまま、3時間保持した。
次いで、得られた反応溶液をメタノール(800質量部)、水(200質量部)の混合液を45℃に保持したものの中に200rpmの速度で攪拌しながら滴下し30分間保持して、白色の析出物の沈殿を得た。沈殿物に残存する単量体を取り除くために、得られた沈殿を濾別し、メタノール(800質量部)、水(200質量部)の混合液を45℃に加熱したものの中に懸濁させ、200rpmの速度で攪拌しながら、30分間洗浄した。この沈殿を更に濾別し、60℃で36時間乾燥させて重合体P−1〜P−11をそれぞれ得た。各重合体の質量平均分子量(Mw)は表1に示すとおりであった。
[溶解性の評価]
攪拌子を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を10g計り取り密栓したものを11個用意した。これらを25℃に保温して、200rpmの速度で攪拌し、重合体P−1〜重合体P−11をそれぞれ1.0g加え、30分間温度と攪拌速度を維持して得られた溶液について、重合体の溶解性を目視で確認した。その結果を表1に示す。
Figure 2010285424
表1の結果に示されるように、単量体(A)として上記合成例1で得た単量体(A−1)を用いた重合体P−1〜P−8は完全に溶解して透明な溶液となり、溶解性は良好であった(表に○で示す)。一方、重合体P−9〜P−11は完全には溶解せず、固体の沈殿が見られ、溶解性に劣っていた(表に×で示す)。

Claims (3)

  1. 下記一般式(A)で表される化合物。
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基を表す。Xは−[CH−COO−で表わされる2価基または−[CH−O−で表わされる2価基を表し、nは1〜4の整数を表す。Zはメチレン基または酸素原子を表す。)
    Figure 2010285424
  2. 請求項1記載の化合物ある1種以上の単量体(A)と、酸不安定基を有する単量体(B)、ラクトン環を有する単量体(C)(ただし単量体(C)は単量体(A)に含まれないものに限る。)および親水性基を有する単量体(D)から選ばれる1種以上の単量体とを共重合して得られる重合体。
  3. 質量平均分子量が1,000〜100,000である、請求項2記載の重合体。
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