JP2005060638A - 重合体、製造方法、レジスト組成物およびパターン形成法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、レジスト材料等に有用な重合体、特に、ArFエキシマレーザーあるいは電子線を使用する微細加工に好適なレジスト材料用重合体、その製造方法、この重合体を用いたレジスト組成物、およびパターン形成方法に関する。
近年、半導体素子や液晶素子の製造における微細加工の分野においては、リソグラフィー技術の進歩により急速に微細化が進んでいる。その微細化の手法としては、一般に、露光光源から発せられる照射光の短波長化が用いられ、具体的には、従来のg線(波長:438nm)、i線(波長:365nm)に代表される紫外線からDUV(Deep Ultra Violet)へと照射光が変化してきている。
現在では、KrFエキシマレーザー(波長:248nm)リソグラフィー技術が市場に導入され、さらなる短波長化を図ったArFエキシマレーザー(波長:193nm)リソグラフィー技術も導入されようとしている。さらに、次世代の技術として、F2エキシマレーザー(波長:157nm)リソグラフィー技術が研究されている。また、これらとは若干異なるタイプのリソグラフィー技術として、電子線リソグラフィー技術についても精力的に研究されている。
このような短波長の照射光あるいは電子線に対する高解像度のレジストとして、光酸発生剤を含有させた「化学増幅型レジスト」が提唱され、現在、この化学増幅型レジストの改良および開発が精力的に進められている。
照射光の短波長化に対応して、レジストに使用される樹脂もその構造が変化している。例えば、KrFエキシマレーザーリソグラフィーにおいて用いられるポリヒドロキシスチレンや、その水酸基を酸解離性の溶解抑制基で保護したものは、ArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいては、波長193nmの照射光に対する透明性が必ずしも十分とはいえず、使用できない場合が多い。
そのため、ArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいて使用されるレジスト樹脂として、波長193nmの照射光に対して透明なアクリル系樹脂が注目されている。このようなアクリル系樹脂として、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3などには、ラクトン環を有する橋かけ環式飽和炭化水素のメタクリル酸エステルが記載されている。
特開2000−26446号公報
特開2002−275215
特開2002−308866公報 しかし、これらのメタクリル酸エステルを共重合させた樹脂は、レジスト溶液を調製する際の溶媒への溶解性が十分でない場合が多く、溶解に長時間要したり、不溶分が発生することで製造工程数が増加したりするなど、レジスト溶液の調製に支障をきたす場合があった。
本発明は、波長250nm以下の光、特にArFエキシマレーザー光に対して透明性が高く、有機溶媒に対する溶解性に優れた重合体、レジスト組成物に適したこのような重合体の製造方法、感度ならびにドライエッチング耐性にすぐれた遠紫外光エキシマレーザーリソグラフィーや電子線リソグラフィー等に好適なレジスト組成物、およびこのレジスト組成物を用いた高精度の微細なパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、波長250nm以下の光に対して透明性が高く、有機溶媒に対する溶解性に優れた特定の単量体構成単位を含んだ重合体、これを使用した感度、解像度およびドライエッチング耐性に優れた遠紫外光エキシマレーザーリソグラフィーや電子線リソグラフィー等に好適なレジスト組成物、およびこのレジスト組成物を用いたパターン形成方法を見出して本発明に到達した。
(式(1)中、nは0〜3の整数を示し、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基を示し、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基を示すか、R3とR4とで炭素数1〜6のアルキレン鎖、−O−、−S−、または−NH−を形成する。X1、X2は直接結合または炭素数1〜3のアルキレン鎖を示し、Y1は酸素原子、C(O)、O−C(O)またはC(O)−Oを示す。また、前記シクロヘキシル環、前記アルキル基、前記アルキレン基、X1、X2はそれぞれ独立に炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアルコールとエステル化されたカルボキシ基、アミノ基、シアノ基を有していてもよい。)
で表される構成単位を含有する重合体である。
で表される構成単位を含有する重合体である。
(式(2)中、R1〜R4は、X1、X2、Y1は式(1)と同義である。R5〜R8はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアルコールとエステル化されたカルボキシ基、アミノ基またはシアノ基を示す。また、前記炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基はヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアルコールとエステル化されたカルボキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アミノ基またはシアノ基を有していてもよい。)
で表される構成単位を含有する重合体である。
で表される構成単位を含有する重合体である。
(式(3)中、R1、X1、X2、Y1は式(1)と同義であり、R5〜R8は式(2)と同義である。Zは、炭素数1〜3のメチレン鎖または酸素原子を示す。)
で表される構成単位を含有する重合体である。
で表される構成単位を含有する重合体である。
本発明の第四の要旨は、重合することにより本発明の重合体の構成単位となる単量体を重合容器中に滴下しながら重合を行う請求項1〜5のいずれか一項記載の重合体の製造方法である。
本発明の第五の要旨は、前記重合体を含有するレジスト組成物である。
本発明の第六の要旨は、前記レジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、250nm以下の波長の光で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを含むパターン形成方法である。
本発明第七の要旨は、前記レジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、電子線で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを含むパターン形成方法である。
本発明の重合体は波長250nm以下の光、特にArFエキシマレーザー光に対して透明性が高く、有機溶媒に対する溶解性に優れている。また、これを使用したレジスト組成物は感度およびドライエッチング耐性に優れ、特にArFエキシマレーザーを使用するリソグラフィーに好適に用いることが出来る。また、本発明の製造方法により、レジスト組成物に適した樹脂を製造することが可能である。
このようなレジスト組成物を用いた本発明のパターン形成方法によれば、高精度の微細なレジストパターンを安定して形成することができる。このパターン形成方法は遠紫外光エキシマレーザーリソグラフィーや電子線リソグラフィー、特にArFエキシマレーザーを使用するリソグラフィーに好適である。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明では、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸とメタクリル酸の総称である。
(式中、n、R1〜R4、X1、X2、Y1は式(1)と同義である。)
で表される単量体から選ばれる1種又は2種以上を重合させることにより得られる。
で表される単量体から選ばれる1種又は2種以上を重合させることにより得られる。
前記式(4)で表される単量体は、前記式(4)で表される単量体以外の単量体と共重合させてもよい。
なお、本発明において、単量体とはすべての幾何異性体、光学異性体などを含む概念であり、純粋な異性体として、またそれらの混合物として使用できる。また、中間体を含んでいても使用可能である。必要ならば、通常の蒸留、薄膜蒸留、再結晶、およびカラムクロマトグラフィー等の手段によって精製してもよい。
この重合体は、透明性、有機溶媒に対する溶解性に優れ、この重合体をベース樹脂として配合したレジスト材料は、感度、解像度およびドライエッチング耐性といったレジスト性能を損なうことなく、遠紫外光エキシマレーザーリソグラフィーや電子線リソグラフィー等に好適である。
前記式(1)中のCnH2nの例としては、単結合(n=0)、CH2、CH2−CH2、CH2−CH2−CH2、CH(CH3)−CH2が挙げられる。重合体をレジスト組成物材料に使用したときのドライエッチング耐性の点から単結合(n=0)が好ましい。
R2で示される炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基の例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられる。基板密着性が高い点から、メチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
R2Oは、シクロヘキシル環中の任意の炭素原子と結合しうるが、重合体の有機溶媒への溶解性が高い点から、前記式(2)、(3)中で表される位置が好ましい。
前記式(1)〜(2)中のR3、R4の例としては水素原子またはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられ、また、R3とR4とで、−CH2−、−O−、−S−、−NH−、−CH2−CH2−、−CH2−O−CH2−、−CH2−O−C2H4−、−CH2−O−C3H6−、−CH2−O−C4H8−、−CH2−O−C5H10−、−C2H4−O−C2H4−、−C2H4−O−C3H6−、−C2H4−O−C4H8−、−C3H6−O−C3H6−、−CH2−S−CH2−、−CH2−S−C2H4−、−CH2−S−C3H6−、−CH2−S−C4H8−、−CH2−S−C5H10−、−C2H4−S−C2H4−、−C2H4−S−C3H6−、−C2H4−S−C4H8−、−C3H6−S−C3H6−、−CH2−NH−CH2−、−CH2−NH−C2H4−、−CH2−NH−C3H6−、−CH2−NH−C4H8−、−CH2−NH−C5H10−、−C2H4−NH−C2H4−、−C2H4−NH−C3H6−、−C2H4−NH−C4H8−、−C3H6−NH−C3H6−などを形成している構造が挙げられる。重合体の安定性、透明性の点から−O−、または炭素数1〜3のメチレン鎖を形成していることが好ましい。単量体の安定性、ドライエッチング耐性の点ではR3とR4とで−CH2−、−CH2−CH2−を形成することがより好ましく、基板密着性が高い点では、R3とR4とで−O−を形成することがより好ましい。
X1、X2は、基板密着性が高い点から、直接結合または炭素数1〜2のメチレン鎖であることが好ましく、X1、X2が結合している炭素原子には他の置換基がないことが好ましい。
重合体の安定性の点から直接結合または−CH2−であることがより好ましい。
X1、X2が有していてもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基の例としては、前記と同様の例が挙げられる。
X1、X2が有していてもよい炭素数1〜6のアルコールとエステル化されたカルボキシ基の例としては、−COOCH3、−COOC2H5、−COOC3H7、−COOC4H9、−COOC5H10、−COOC6H13(ここで、C3H7はn−プロピル基、iso−プロピル基、C4H9はn−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、C5H10はn−ペンチル基、C6H13はn−ヘキシル基などを示す)が挙げられる。
X1、X2が有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基の例としては、−OCH3、−OC2H5、−OC3H7、−OC4H9、−OC5H10、−OC6H13(ここで、C3H7はn−プロピル基、iso−プロピル基、C4H9はn−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、C5H10はn−ペンチル基、C6H13はn−ヘキシル基などを示す)が挙げられる。
式(1)〜(3)中のシクロヘキシル環、直鎖もしくは分岐アルキル基、X1、X2は、重合体の安定性、光透過性の点から、置換基なし、水素原子、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、または炭素数1〜6のアルコールとエステル化されたカルボキシ基を有していることが好ましく、基板密着性、現像液への濡れ性の点から、置換基なし、または炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐アルキル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基を有していることが好ましく、置換基なし、または炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐アルキル基を有していることがより好ましい。
Y1は基板密着性が高い点からO−C(O)またはC(O)−Oであることが好ましい。
以上述べたことをまとめると、式(1)で表される構成単位は式(2)であることが好ましく、式(3)であることがより好ましい。
(式中Rは水素またはメチル基を示す。)
また、上記構造中の水素原子がヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアルコールとエステル化されたカルボキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アミノ基またはシアノ基で置換された構造などが挙げられる。
また、上記構造中の水素原子がヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアルコールとエステル化されたカルボキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アミノ基またはシアノ基で置換された構造などが挙げられる。
中でも、重合体をレジスト組成物に使用した時のドライエッチング耐性および基板密着性が高い点から前記式(8)〜(13)、前記式(20)〜(27)、前記式(30)〜(35)で表される単量体およびこれらの単量体の各種異性体が好ましく、前記式(8)〜(11)、前記式(30)〜(35)で表される単量体およびこれらの単量体の各種異性体がより好ましい。
重合体中の前記式(1)〜(3)で表される構成単位の比率(2種以上ある場合はその和)に関し、下限は、感度および解像度の点で、15モル%以上が好ましく、30モル%以上がより好ましい。上限は、基板表面等への密着性および有機溶媒への溶解性が高い点で、70モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましい。
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物や1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物およびその誘導体などの原料は、市販のものや既知の製法で合成したものが使用出来る。
水素化ホウ素ナトリウムを還元剤として用いて、酸無水物からラクトンを得る方法は広く知られており、例えば、J.Org.Chem.,35,3574(1970)には、THFまたはDMF溶媒下、水素化ホウ素ナトリウムを還元剤として用いてラクトン化合物を合成する方法が記載され、また、Synthesis,42(1974)には、エタノール溶媒下、水素化ホウ素ナトリウムにより還元してラクトン化合物を合成する方法が記載されている。
過ギ酸や過安息香酸などの有機過酸化物を使用して不飽和結合を酸化しエポキシとする反応はJ.Chem.Soc.,221(1959)記載の方法などにより実施できる。
ヒドロキシ基をアルキル化しアルコキシ基とする方法は、アルカリの存在下、ハロゲン化アルキルを反応させる方法など種々の方法が知られており、そのいずれも使用出来る。
エステル化反応は既知の方法のいずれでも使用可能である。アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリドなどのカルボン酸ハライドを使用する場合、塩化メチレン等の溶媒中、トリエチルアミン等の塩基を加えて反応を行う方法がある。
また、クロトノラクトン、5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−オンおよびその誘導体などの原料は、市販のものや既知の製法で合成したものが使用可能である。これらの原料に1,3−ブタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、フランなどを付加させるディールス・アルダー反応は既知の方法にて、容易に進行する。
前記反応の生成物は、いくつかの構造異性体、幾何異性体、光学異性体を含む場合がある。本発明には、単離された異性体、異性体の混合物のまま、あるいは中間体を含んでいても使用可能である。必要ならば、通常の蒸留、薄膜蒸留、再結晶あるいはカラムクロマトグラフィー等の手段によって精製してもよい。
また、本発明においては、本発明に使用される前記単量体に加えて、酸脱離性基を有する単量体を共重合することが好ましい。
ここで「酸脱離性基」とは、酸の作用により分解または脱離する基のことをいう。
重合体が酸脱離性基を含有していると、その重合体を含むレジスト組成物は優れた感度を有する。
酸脱離性基は、酸の作用により分解または脱離する基であれば特に限定されないが、レジストに必要とされるドライエッチング耐性が高い点から、脂環式骨格を有することが好ましく、具体的には、下記に示す基が好ましい。
(式中、R24、R251、R252はそれぞれ独立に炭素数1〜6の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を表す。R26、R27はそれぞれ独立に水素原子、ヘテロ原子を含んでもよい一価の炭化水素基またはヘテロ原子を介してもよい一価の炭化水素基を表す。この場合、ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などが挙げられ、−OH、−OR28、−O−、−S−、−S(=O)−、−NH2、−NHR28、−N(R28)2、−NH−、−NR28−などの形態で含有または介在することができる。R28は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を表す。)
脂環式骨格を有する構成単位とは、環状の炭化水素基を1個以上有する構造を有する構成単位である。
脂環式骨格を有する構成単位とは、環状の炭化水素基を1個以上有する構造を有する構成単位である。
酸脱離性基を有する構成単位としては、レジストに必要とされるドライエッチング耐性が高い点から、下記式(42−1)で表される構成単位、下記式(42−2)で表される構成単位、下記式(42−3)で表される構成単位が特に好ましい。
(式(42−1)〜(42−3)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R1、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のエステル基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のエステル基またはアミノ基を表し、mは0〜4の整数を表す。なお、mが2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。)
なお、「炭素数1〜6のエステル基」とは、「炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基」のことをいう。
なお、「炭素数1〜6のエステル基」とは、「炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基」のことをいう。
なお、式(42−1)〜(42−3)において、Xで置換される位置は、それぞれ独立に環状構造のどの位置であってもよい。
このような構成単位は、通常、環状の炭化水素基が酸の作用により脱離する基である。
式(42−1)〜(42−3)中のR1、R2としては、感度および解像度の点から、メチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましい。
式(42−1)〜(42−3)中のmは、ドライエッチング耐性が高い点から、0であることが好ましい。
酸脱離性基を有する構成単位を重合体に導入するためには、酸脱離性基を有する単量体を共重合すればよい。酸脱離性基を有する単量体は、1種、あるいは、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用することができる。
酸脱離性基を有する単量体としては、中でも、感度および解像度の点から、上記式(43−1)、上記式(43−2)、上記式(43−5)、および上記式(43−16)で表される単量体あるいはこの幾何異性体、および、これらの光学異性体がより好ましく、上記式(43−1)および上記式(43−2)で表される単量体が特に好ましい。
(式中、R80は酸脱離性基を表す。)
本発明の重合体は、さらに、上記以外の構成単位を含有していてもよい。すなわち、本発明の重合体は、前記構成単位に加えて、さらにラクトン骨格を有する構成単位、極性基を有する構成単位、およびその他の構成単位などを必要に応じ、適宜組み合わせ、含有していてもよい。
本発明の重合体は、さらに、上記以外の構成単位を含有していてもよい。すなわち、本発明の重合体は、前記構成単位に加えて、さらにラクトン骨格を有する構成単位、極性基を有する構成単位、およびその他の構成単位などを必要に応じ、適宜組み合わせ、含有していてもよい。
ラクトン骨格を有する構成単位を共重合体に導入するためには、例えば、ラクトン骨格を有する単量体を用いて共重合を行えばよい。
このラクトン骨格を有する単量体としては、例えば、δ−バレロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸誘導体、γ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸誘導体、脂環ラクトンを有する(メタ)アクリル酸誘導体等、およびこれらの化合物のラクトン環上に置換基を有する誘導体等が挙げられる。
ラクトン骨格を有する構成単位を含むレジスト用共重合体は、金属表面等の極性の高い表面に対する密着性に優れており、またこれら構成単位が酸脱離性基を含有していると優れた感度を有する。さらに、これら構成単位が高い炭素密度を含有していると優れたドライエッチング耐性を有する。
共重合体中でのラクトン骨格を有する構成単位(式(1)〜(3)で表される構成単位を除く)の比率は、1〜50モル%の範囲が好ましく、5〜40モル%の範囲がより好ましい。
本発明の重合体はパターン形状矩形性を向上させるため、極性基を有する構成単位を含むことがより好ましい。
極性基を有する構成単位を重合体に導入するには極性基を有する単量体を共重合すればよい。極性基を有する極性基を有する単量体とは、水酸基、シアノ基、アミノ基、および無水カルボキシ基のうち少なくとも1種以上を有し、重合性官能基として、エチレン性二重結合を有する単量体である。極性基を有する単量体は、1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
共重合体中での極性基を有する構成単位(ラクトン骨格や酸脱離性基を含むものは除く)の比率は、1〜50モル%の範囲が好ましく、5〜40モル%の範囲がより好ましい。
このような極性基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸シアノノルボルニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアダマンチル、(メタ)アクリル酸シアノトリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシトリシクロデカニル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、および、これらの化合物の環式炭化水素基上に置換基を有する単量体、p−ヒドロキシスチレン等が挙げられる
極性基を有する単量体として、具体的には、下記式(45−1)〜(45−18)で表される単量体
極性基を有する単量体として、具体的には、下記式(45−1)〜(45−18)で表される単量体
が挙げられる。中でも、ドライエッチング耐性が高い点から、前記式(45−4)〜(45−13)が好ましい。なお、Rは水素原子またはメチル基を表す。
また、それ以外の共重合可能な他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸のカルボキシ基の水素原子が、メチル、エチル、2−エチルヘキシル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、アダマンチル、メトキシメチル、n−プロポキシエチル、i−プロポキシエチル、n−ブトキシエチル、i−ブトキシエチル、t−ブトキシエチル、2−エトキシエチル、1−エトキシエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル等の官能基に置換された(メタ)アクリル酸誘導体;
α−(トリ)フルオロメチルアクリル酸のカルボキシ基の水素原子が、メチル、エチル、2−エチルヘキシル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、メトキシメチル、エトキシエチル、n−プロポキシエチル、i−プロポキシエチル、n−ブトキシエチル、i−ブトキシエチル、t−ブトキシエチル等の直鎖または分岐構造を持つα−(トリ)フルオロメチルアクリル酸誘導体;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、等の不飽和カルボン酸;
エチレン、プロピレン、ノルボルネン、テトラフルオロエチレン、塩化ビニル、エチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルピロリドン等、
が挙げられる。これらの単量体は、本発明の効果を大きく損なわない範囲内で、必要に応じて1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。通常、これらの単量体に由来する構成単位の比率は、20モル%以下が好ましい。
α−(トリ)フルオロメチルアクリル酸のカルボキシ基の水素原子が、メチル、エチル、2−エチルヘキシル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、メトキシメチル、エトキシエチル、n−プロポキシエチル、i−プロポキシエチル、n−ブトキシエチル、i−ブトキシエチル、t−ブトキシエチル等の直鎖または分岐構造を持つα−(トリ)フルオロメチルアクリル酸誘導体;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、等の不飽和カルボン酸;
エチレン、プロピレン、ノルボルネン、テトラフルオロエチレン、塩化ビニル、エチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルピロリドン等、
が挙げられる。これらの単量体は、本発明の効果を大きく損なわない範囲内で、必要に応じて1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。通常、これらの単量体に由来する構成単位の比率は、20モル%以下が好ましい。
本発明の重合体においては、酸脱離性基を有する構成単位を含有する場合、上記式(1)〜(3)で表される構成単位の比率は合計で、下限は10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましい。上限は70モル%以下であり、60モル%以下がより好ましい。酸脱離性基を有する構成単位の比率は合計で、下限は30モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましい。上限は70モル%以下であり、60モル%以下がより好ましい。
本発明の重合体においては、酸脱離性基および極性基を有する構成単位を含有する場合、上記式(1)〜(3)で表される構成単位の比率は合計で、下限は10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、上限は65モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましい。酸脱離性基を有する構成単位の比率は合計で、下限は30モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましく、上限は65モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましい。極性基を有する構成単位は合計で、下限は1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、上限は30モル%以下が好ましく、20モル%以下がより好ましい。
以上の重合体は、レジスト組成物材料、特に化学増幅型レジスト組成物材料に好適である。
本発明の重合体に用いる原料単量体は、リソグラフィーに使用される光源によって任意に選択される。
例えば、KrFエキシマレーザーや電子線を光源とする場合は、エッチング耐性を考慮して、前記式(4)で表される単量体とp−ヒドロキシスチレンあるいはその誘導体を重合した重合体が好適に用いられる。この場合、重合体中の前記式(4)由来の構成単位の比率は、5モル%以上であることが好ましく、また、60モル%以下であることが好ましい。
本発明の重合体を、ArFエキシマレーザーを光源とした化学増幅型レジストとして用いる場合は、前記式(1)〜(3)で表される構成単位と酸脱離性を有する構成単位を含む重合体が好適である。このような重合体は、高感度、高解像度、感度、解像度および基板密着性、現像液への濡れ性といったレジスト性能を損なうことなく、ドライエッチング耐性を向上させることが可能になる。
本発明の重合体の質量平均分子量は特に限定されないが、下限は1,000以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましく、4,000以上であることがさらに好ましい。また、上限は100,000以下であることが好ましく、50,000以下であることがより好ましく、30,000以下であることがさらに好ましい。質量平均分子量がこれより大きいと、レジスト溶液に対する溶解性が低下して解像度が低下する。質量平均分子量がこれより小さいと、ドライエッチング耐性が低下してレジスト形状が悪化する傾向がある。
本発明の重合体を製造する方法は特に限定されないが、一般に溶液重合で行われ、単量体を重合容器中に滴下する滴下重合と呼ばれる重合方法が好ましい。
中でも、組成分布および分子量分布の狭い重合体が簡便に得られる点から、単量体(単量体のみであっても、単量体を有機溶媒に溶解させた溶液であってもよい)を重合容器中に滴下しながら重合を行う滴下重合と呼ばれる重合方法により本発明の重合体を製造することが好ましい。
滴下重合法においては、例えば、有機溶媒をあらかじめ重合容器に仕込み、所定の重合温度まで加熱した後、単量体および重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤を有機溶媒に溶解させた単量体溶液を、重合容器内の有機溶媒中に滴下する。単量体は有機溶媒に溶解させずに滴下してもよく、その場合、重合開始剤と必要に応じて連鎖移動剤とを単量体に溶解させた溶液を有機溶媒中に滴下する。また、有機溶媒をあらかじめ重合容器内に仕込まずに単量体を重合容器中に滴下してもよい。また、単量体、重合開始剤、連鎖移動剤はそれぞれ単独または任意の組み合わせで滴下できる。滴下重合法における重合温度は、特に限定されないが、50〜150℃の範囲内であることが好ましい。
本発明の重合体の製造に用いられる有機溶媒としては特に限定されないが、単量体、重合開始剤および得られる重合体、さらに連鎖移動剤を使用する場合はその連鎖移動剤のいずれも溶解できる溶媒が好ましく、例えば、1,4−ジオキサン、イソプロピルアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン(以下「THF」とも言う。)、乳酸エチル等が挙げられる。なお、有機溶媒の使用量は特に限定されず、適宜決めればよい。
本発明の重合体の製造に用いられる重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNともいう)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物等が挙げられる。また、n−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類を連鎖移動剤として用いてもよい。なお、重合開始剤および連鎖移動剤の使用量は特に限定されず、適宜決めればよい。
次に、本発明のレジスト用共重合体の使用方法の一例について説明する。
溶液重合等の方法で製造されたレジスト用共重合体溶液は、そのまま、あるいは、1,4−ジオキサン、アセトン、THF、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと略すことがある)、乳酸エチル等の良溶媒にて適当な溶液粘度に希釈した後、メタノール、水等の多量の貧溶媒中に滴下してレジスト用共重合体を析出させる。この工程は一般に「再沈殿」と呼ばれ、場合により不要となることがあるが、重合溶液中に残存する未反応の単量体、あるいは重合開始剤等を取り除くために非常に有効である。これらの未反応物は、そのまま残存しているとレジスト性能に悪影響を及ぼす可能性があるので、できるだけ取り除くことが好ましい。
その後、その析出物を濾別し十分に乾燥することによって、本発明のレジスト用共重合体を得ることができる。また、濾別した後、乾燥せずに湿粉のまま使用することも出来る。また、製造された共重合体溶液はそのまま、または適当な溶媒で希釈してレジスト組成物として使うこともできる。その際、保存安定剤などの添加剤を適宜添加してもよい。
本発明のレジスト組成物は、上記のような本発明のレジスト用重合体を溶媒に溶解したものである。また、本発明の化学増幅型レジスト組成物は、上記のような本発明のレジスト用重合体および光酸発生剤を溶媒に溶解したものである。本発明のレジスト用重合体は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。なお、溶液重合等によって得られた重合体溶液から重合体を分離することなく、この重合体溶液をそのままレジスト組成物に使用すること、あるいは、この重合体溶液を適当な溶媒で希釈してレジスト組成物に使用することもできる。
本発明のレジスト組成物における、本発明の重合体の含有量は、下限はレジスト性能が優れる点で1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。また、上限は粘性の低い点で、80質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
本発明のレジスト組成物を化学増幅型レジストに使用する場合は光酸発生剤を用いることが必要である。ここで、光酸発生剤とは、活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物である。光酸発生剤は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
このような光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられる。中でも、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等のオニウム塩化合物を用いることが好ましい。具体的には、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
光酸発生剤の含有量は、用いる光酸発生剤の種類等により適宜決められるが、本発明の重合体100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましい。光酸発生剤の含有量をこの範囲にすることにより、露光により発生した酸の触媒作用による化学反応を十分に生起させることができる。また、光酸発生剤の含有量は、本発明の重合体100質量部に対して20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましい。光酸発生剤の含有量をこの範囲にすることにより、レジスト組成物の安定性が向上し、組成物を塗布する際の塗布むらや現像時のスカム等の発生が少なくなる。光酸発生剤は必要に応じ1種または2種以上が選ばれる。
本発明のレジスト組成物に用いる溶媒は目的に応じて任意に選択されるが、溶媒の選択は樹脂の溶解性以外の理由、例えば、塗膜の均一性、外観あるいは安全性等からも制約を受けることがある。
本発明において通常使用される溶媒としては、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン等の直鎖状ケトン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトン類、PGMEA等のプロピレングリコールモノアルキルアセテート類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル類、酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類、n−プロピルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル、n−ブチルアルコ−ル、tert−ブチルアルコ−ル、シクロヘキサノール、1−オクタノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの溶媒は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
溶媒の使用量は、通常、レジスト用重合体(本発明の重合体)100質量部に対して200質量部以上であり、300質量部以上であることがより好ましい。また、溶媒の使用量は、通常、レジスト用重合体(本発明の重合体)100質量部に対して5000質量部以下であり、2000質量部以下であることがより好ましい。
さらに、本発明のレジスト組成物には、必要に応じて、界面活性剤、クエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を配合することもできる。これらの添加剤は、当該分野で既知のものであればいずれも使用可能である。また、これらの添加剤の配合量は特に限定されず、適宜決めればよい。
次に、本発明のパターン形成方法の一例について説明する。
最初に、パターンを形成するシリコンウエハー等の被加工基板の表面に、本発明の化学増幅型レジスト組成物をスピンコート等により塗布する。そして、この化学増幅型レジスト組成物が塗布された被加工基板は、ベーキング処理(プリベーク)等で乾燥し、被加工基板上にレジスト膜を形成する。
次いで、このようにして得られたレジスト膜に、フォトマスクを介して、250nm以下の波長の光または電子線を照射する(露光)。露光に用いる光は、KrFエキシマレーザーまたはArFエキシマレーザーであることが好ましく、特にArFエキシマレーザーであることが好ましい。
光照射(露光)後、適宜ベーキング処理(PEB)し、基板をアルカリ現像液に浸漬し、露光部分を現像液に溶解除去する(現像)。アルカリ現像液は公知のものいずれを用いてもよい。そして、現像後、基板を純水等で適宜リンス処理する。このようにして被加工基板上にレジストパターンが形成される。
通常、レジストパターンが形成された被加工基板は、適宜ベーキング処理(ポストベーク)してレジストを強化し、レジストのない部分を選択的にエッチングする。エッチングを行った後、レジストは、通常、剥離剤を用いて除去される。
以下、本発明を実施例によって詳しく説明するが、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。ここで、各実施例、比較例中「部」とあるのは、特に断りがない限り、「質量部」を意味する。
また、重合体の物性測定およびレジストの評価は以下の方法で行った。
<質量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)>
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(以下GPCという。)により、ポリスチレン換算で求めた。溶媒には、クロロホルムあるいはTHFを使用した。
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(以下GPCという。)により、ポリスチレン換算で求めた。溶媒には、クロロホルムあるいはTHFを使用した。
<平均共重合組成(モル%)>
1H−NMR、13C−NMRの測定により求めた。溶媒には、重クロロホルムあるいは重ジメチルスルホキシドを使用した。
1H−NMR、13C−NMRの測定により求めた。溶媒には、重クロロホルムあるいは重ジメチルスルホキシドを使用した。
<レジスト溶媒への溶解性>
各重合体を、それぞれ、固形分濃度:20質量%になるように、所定量のレジスト溶媒(PGMEA)に室温で攪拌しながら溶解させ、完全に溶解するまでの時間を測定した。その結果を表2および表3に示す。
各重合体を、それぞれ、固形分濃度:20質量%になるように、所定量のレジスト溶媒(PGMEA)に室温で攪拌しながら溶解させ、完全に溶解するまでの時間を測定した。その結果を表2および表3に示す。
表中の記号の意味は、下記の通りである。
◎:重合体が完全に溶解するまでの時間が1時間未満
○:重合体が完全に溶解するまでの時間が1時間以上6時間未満
△:重合体が完全に溶解するまでの時間が6時間以上24時間未満
×:重合体が完全に溶解するまでの時間が24時間以上、または、不溶
<レジスト組成物およびレジスト膜の調整>
共重合体100部と、トリフェニルスルホニウムトリフレート2部、PGMEA630部とγ−ブチロラクトン70部を混合して均一溶液とした後、テフロン(登録商標)フィルターを用いて濾過し、レジスト組成物溶液を調製した。シリコンウエハー上にレジスト組成物溶液をスピンコートし、ホットプレートを用いて、120℃、60秒間プリベークを行い、膜厚400nmの薄膜を形成した。 <感度>
得られたレジスト膜を、193nm光照射装置(ニコン製SP193)を用いて露光した後、直ちに120℃、60秒間露光後ベークを行った。次いで、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて室温で60秒間現像し、純粋で水洗し、乾燥した。
○:重合体が完全に溶解するまでの時間が1時間以上6時間未満
△:重合体が完全に溶解するまでの時間が6時間以上24時間未満
×:重合体が完全に溶解するまでの時間が24時間以上、または、不溶
<レジスト組成物およびレジスト膜の調整>
共重合体100部と、トリフェニルスルホニウムトリフレート2部、PGMEA630部とγ−ブチロラクトン70部を混合して均一溶液とした後、テフロン(登録商標)フィルターを用いて濾過し、レジスト組成物溶液を調製した。シリコンウエハー上にレジスト組成物溶液をスピンコートし、ホットプレートを用いて、120℃、60秒間プリベークを行い、膜厚400nmの薄膜を形成した。 <感度>
得られたレジスト膜を、193nm光照射装置(ニコン製SP193)を用いて露光した後、直ちに120℃、60秒間露光後ベークを行った。次いで、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて室温で60秒間現像し、純粋で水洗し、乾燥した。
レジスト膜が完全に溶解し、シリコンウエハー表面が露出する最低露光量を感度とした。
<エッチング速度>
膜厚400nmのレジスト膜が塗布されたシリコンウエハーを、昭和真空(株)製SPE−220T型ドライエッチング装置にてドライエッチング処理した。ガスはCF4/O2混合ガスとし、処理時間を2分間とした。ドライエッチング処理前後のレジスト膜の膜厚を、大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースVM−8000J型光干渉式膜厚測定装置を用いて測定し、単位時間あたりの膜厚減少量をレジストのエッチング速度とした。なお、エッチング速度はノボラック樹脂のエッチング速度を1として規格化した。
膜厚400nmのレジスト膜が塗布されたシリコンウエハーを、昭和真空(株)製SPE−220T型ドライエッチング装置にてドライエッチング処理した。ガスはCF4/O2混合ガスとし、処理時間を2分間とした。ドライエッチング処理前後のレジスト膜の膜厚を、大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースVM−8000J型光干渉式膜厚測定装置を用いて測定し、単位時間あたりの膜厚減少量をレジストのエッチング速度とした。なお、エッチング速度はノボラック樹脂のエッチング速度を1として規格化した。
このエッチング速度が小さいほどドライエッチング耐性が優れる。
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計をつけたセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下で乳酸エチル24.0部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を70℃に上げた。前記式(8')および(9')の混合物を14.0部、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(以下、MAdMAという。)11.0部、THF24.0部、AIBN0.98部を混合した単量体溶液を一定速度で6時間かけてフラスコ中に滴下し、その後、70℃で2時間保持した。次いで、得られた反応溶液をメタノール800部に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿を得た。沈殿を濾別し、減圧下60℃で約10時間乾燥した。沈殿をTHF45部に溶解させ、メタノール800部に攪拌しながら滴下し、得られた沈殿を濾別し、減圧下60℃で約40時間乾燥した。
各物性を測定したところ、GPC分析による質量平均分子量(以下Mwという。)は12400、分散度(以下、Mw/Mnという。)は1.68で、共重合比は1H−NMRの積分比から上記式(8')および(9')の混合物:MAdMA=50:50であった。
[合成例2〜9](重合体P−2〜P−9の合成)
合成例1と同様の方法で重合体P−2〜P−9を得た。得られた重合体の平均共重合組成、質量平均分子量Mw、分散度Mw/Mnを表2に示す。
MAdMA:2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン
EAdMA:2−メタクリロイルオキシ−2−エチルアダマンタン
IAdMA:1−メタクリロイルオキシイソプロピルアダマンタン
HAdMA:1−メタクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタン
OTDMA:8−または9−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オン
[実施例1〜7、比較例1〜2]
合成例1〜9でそれぞれ得られた重合体P−1〜P−9を用いて調製したレジスト組成物の感度およびエッチング速度を測定して表3に示した。
合成例1と同様の方法で重合体P−2〜P−9を得た。得られた重合体の平均共重合組成、質量平均分子量Mw、分散度Mw/Mnを表2に示す。
[実施例1〜7、比較例1〜2]
合成例1〜9でそれぞれ得られた重合体P−1〜P−9を用いて調製したレジスト組成物の感度およびエッチング速度を測定して表3に示した。
このように本発明の重合体を用いた化学増幅型レジスト組成物は、十分な感度および優れたドライエッチング耐性を有している上に、有機溶媒への溶解性に優れていた。
Claims (11)
- 下記式(1)
(式(1)中、nは0〜3の整数を示し、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基を示し、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基を示すか、R3とR4とで炭素数1〜6のアルキレン鎖、−O−、−S−、または−NH−を形成する。X1、X2は直接結合または炭素数1〜3のアルキレン鎖を示し、Y1は酸素原子、C(O)、O−C(O)またはC(O)−Oを示す。また、前記シクロヘキシル環、前記アルキル基、前記アルキレン基、X1、X2はそれぞれ独立に炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアルコールとエステル化されたカルボキシ基、アミノ基、シアノ基を有していてもよい。)
で表される構成単位を含有する重合体。 - さらに酸脱離性基を有する構成単位を含む請求項1〜3いずれかに記載の重合体。
- 質量平均分子量が1,000〜100,000である請求項1〜4のいずれかに記載の重合体。
- 単量体を重合容器中に滴下しながら重合を行う請求項1〜5のいずれか一項記載の重合体の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の重合体を含有することを特徴とするレジスト組成物。
- 光酸発生剤を含有することを特徴とする請求項7記載のレジスト組成物。
- 請求項7または8いずれかに記載のレジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、250nm以下の波長の光で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを含むパターン形成方法。
- 露光に用いる光が、ArFエキシマレーザーであることを特徴とする請求項9に記載のパターン形成方法。
- 請求項7または8いずれかに記載のレジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、電子線で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程する工程とを含むパターン形成方法。
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