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JP2010278691A - オーディオ・デバイスの認識装置および携帯式コンピュータ - Google Patents

オーディオ・デバイスの認識装置および携帯式コンピュータ Download PDF

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Abstract

【課題】ジャックに接続されたオーディオ・デバイスを認識する。
【解決手段】端子9−4にECMのバイアス電圧を印加する。トランジスタ103が端子9−4の電位を検出する。端子9−4に所定の大きさの電位が検出されないときに、スイッチ107をオンにして端子9−2にECMのバイアス電圧を印加する。トランジスタ105が端子9−1の電位を検出する。端子9−1に所定の大きさの電位が検出されたときに、制御回路101は3極プラグに接続されたECMユニットであることを示す検出信号を識別信号生成回路111に出力する。制御回路は端子9−4に所定の大きさの電位が検出されたときに4極プラグに接続されECMとヘッドフォンで構成されたヘッドセットを示す検出信号を識別信号生成回路111に出力する。
【選択図】図5

Description

本発明は、携帯式コンピュータの筐体に設けられたオーディオ・ジャックにプラグで接続されるオーディオ・デバイスを認識する技術に関する。
ノートブック型パーソナル・コンピュータ(以下、ノートPCという。)などのような携帯式コンピュータには、マイクロフォンやヘッドフォンを接続するためのオーディオ・ジャックが設けられている。通常はノートPCのシステム筐体に、マイクロフォン入力用の専用ジャックとヘッドフォン出力用の専用ジャックが2〜3個設けられている。また、ノートPCには従来から、マイクロフォンとヘッドフォンが一体になった構造で人体の頭部に装着して使用するヘッドセットという装置も接続することができる。そして、従来のヘッドセットは、マイクロフォン用とヘッドフォン用の2つの3極プラグを備え、それらをノートPCの対応する2個の専用ジャックにそれぞれ接続するようになっていた。近年、ノートPCは一層の小型化が進み、オーディオ・ジャックの数を減らすことによるスペースの節約や、部品点数の削減によるコスト低減が求められている。
ところで、iPhone(登録商標)というスマートフォンやiPAQ(登録商標)というPDA(Personal Digital Assistant)においては、1個の4極プラグを備えるヘッドセットを本体のジャックに接続することができる。以後、このようなタイプのヘッドセットをコンボ・ヘッドセットといい、それに対応するオーディオ・ジャックをコンボ・ジャックということにする。ノートPCに1個のコンボ・ジャックを設けてコンボ・ヘッドセットの他に従来からノートPCで使用されているマイクロフォンやヘッドフォンなどの複数のオーディオ・デバイスを接続できればスペースおよびコストの面で好都合である。
特許文献1は、小型化を維持するためにジャック・インターフェースを1つだけ搭載する場合にも、ジャック・インターフェースに接続される複数種のオーディオ機器を判別することができるオーディオ機器の判別方法を開示する。同文献に記載された判別方法では、ジャック・インターフェースに接続されたオーディオ機器のプラグのLEFTチャンネル、RIGHTチャンネル、およびMIDDLEチャンネルの各極のインピーダンスを電圧値に変換し、これを基準電圧と比較することで得られた3つの比較結果の組み合わせに応じて、ジャック・インターフェースに接続されたオーディオ機器の種別を自動的に判別する。
特許文献2は、コンピュータ装置に結合されたマイクロフォン、スピーカ、およびライン入力デバイスなどの外部装置を認識する認識システムを開示する。同文献に記載された認識システムでは、直流電圧および交流電圧で測定したインピーダンスから特定の外部装置に対する一意のインピーダンス・シグネチャを生成する。特許文献3は、ジャックにオーディオ・ビデオ信号用の4極ミニプラグと、ヘッドフォン信号用の3極のステレオ・ミニプラグのいずれが接続されたかを判別して、ジャックの信号端子の接続系統を切り換える信号切換回路を開示する。同文献に記載されたマイコンは、プラグが接続されたときのジャックの1F端子のゼロ電位を検出するPDET端子と、ジャックの1D端子の電位が4極ミニプラグとステレオ・ミニプラグで異なることを検出するAHDET端子が設けられている。
特開2007−180742号公報 特開2007−122720号公報 特開2000−323339号公報
iPhone(登録商標)やiPAQ(登録商標)の本体に設けられているコンボ・ジャックには、コンボ・ヘッドセットやヘッドフォンを接続することはできるが、マイクロフォンを接続することはできない。そして、ノートPCにコンボ・ジャックを設けて、従来から設けられていたマイクロフォンやヘッドフォンの専用のジャックを除去しようとする場合には、接続されたデバイスを認識してノートPCのオーディオ回路を正しく切り換える必要がある。特許文献1および特許文献2のようにインピーダンスを測定してデバイスを認識する方法では、認識回路の素子が増加しスペースおよびコストも増大する。また、特許文献3の発明は、2種類のジャックだけを認識するものであり、しかも、マイクロフォンは認識の対象外になっているので、ノートPCに適用するには十分とはいえない。
さらに、マイクロフォンにはミュート・ボタンが設けられているものがある。ミュート・ボタンが押下されると、マイクロフォンであると認識されたときのマイクロフォンの電気的な状態が変化するので、ミュート・ボタンの押下に対して認識結果が変化しないようにする措置も必要になる。また、コンボ・ジャックには認識の対象外となるオーディオ・デバイスのプラグが挿入されることも想定されるが、この場合でも、当該オーディオ・デバイスを破損しないようにすることも考慮しておく必要がある。
そこで本発明の目的は、1つのオーディオ・ジャックに接続される複数のオーディオ・デバイスを簡単な方法で識別することが可能な識別装置を提供することにある。さらに、本発明の目的は、3種類のオーディオ・デバイスを識別することが可能な識別装置を提供することにある。さらに本発明の目的は、4種類以上のオーディオ・デバイスを接続することが可能な識別装置を提供することにある。さらに、本発明の目的は、識別の対象外となるオーディオ・デバイスが接続されても、それを破損することのない識別装置を提供することにある。さらに本発明の目的は、そのような識別装置において実行される識別方法ならびにそのような識別装置を搭載した半導体装置および携帯式コンピュータを提供することにある。
オーディオ・ジャックには、第1の端子と第2の端子と第3の端子と第4の端子が順番に配置されている。配置の方向は、プラグの電極の配置と整合させて、オーディオ・ジャックの奥側からまたは入り口側からとすることができる。このオーディオ・ジャックにはそれぞれプラグに接続された複数のオーディオ・デバイスのいずれかが接続される。認識装置は、CODECに識別信号を送ってオーディオ・ジャックに接続されたオーディオ・デバイスに応じた動作をさせる。第4の端子には、オーディオ・デバイスの認識動作の間および少なくともオーディオ・ジャックが使用されている間は、エレクトレット・コンデンサ・マイクロフォンのバイアス電圧が印加される。最初に第1の電位検出回路により第4の端子の電位が検出され、第4の端子に所定の大きさの電位が検出されないときに、第2の端子にエレクトレット・コンデンサ・マイクロフォンのバイアス電圧が印加される。
そして、第2の電位検出回路により第1の端子に所定の大きさの電位が検出されたときに、制御回路は3極プラグに接続された第1のオーディオ・デバイスであることを示す検出信号を出力する。第1のオーディオ・デバイスは、一例としては第1の端子と第2の端子にそれぞれ接触する3極プラグの電極が内部で相互に接続されているエレクトレット・コンデンサ・マイクロフォン・ユニットである。第1の電位検出回路が所定の大きさの電位を検出したときに、制御回路は4極プラグに接続された第2のオーディオ・デバイスであることを示す検出信号を出力する。第2のオーディオ・デバイスは、一例では第4の端子にバイアス電圧を供給して使用するエレクトレット・コンデンサ・マイクロフォンと、ステレオ・ヘッドフォンで構成されたヘッドセットである。そして制御回路は、第2のオーディオ・デバイスを示す検出信号を4極プラグがオーディオ・ジャックから引き抜かれるまで維持することで、ミュート・ボタンが押下されても一旦正しく認識した後に誤った検出信号を出力することがなくなる。
第2の電位検出回路が所定の大きさの電位を検出しないときに、制御回路はオーディオ・ジャックに3極プラグに接続された第3のオーディオ・デバイスを示す検出信号を出力する。第3のオーディオ・デバイスは一例ではステレオ・ヘッドフォンまたはアンプ付きのステレオ・スピーカである。ステレオ・ヘッドフォンおよびアンプ付きのステレオ・スピーカはバイアス電圧が不要なので、第2の電位検出回路が所定の大きさの電位を検出しないことに応答して制御回路はスイッチをオフにする。
本発明により、1つのオーディオ・ジャックに接続される複数のオーディオ・デバイスを簡単な方法で識別することが可能な識別装置を提供することができた。さらに、本発明により、3種類のオーディオ・デバイスを識別することが可能な識別装置を提供することができた。さらに本発明により、4種類以上のオーディオ・デバイスを接続することが可能な識別装置を提供することができた。さらに、本発明により、識別の対象外となるオーディオ・デバイスが接続されても、それを破損することのない識別装置を提供することができた。さらに本発明により、そのような識別装置において実行される識別方法ならびにそのような識別装置を搭載した半導体装置および携帯式コンピュータを提供することができた。
ノートPCと、ノートPCに接続が可能なコンボ・ヘッドセットの外形図である。 ノートPCの主要な構成を示す機能ブロック図である。 コンボ・ヘッドセットの構成とECMの等価回路を示す図である。 ECMユニット、ステレオ・イヤフォン・ユニット、およびモノラル・イヤフォン・ユニットの構成を示す図である。 ジャックに接続されたオーディ・デバイスを識別する識別回路の機能ブロック図である。 識別回路がオーディオ・デバイスを識別する手順を示すフローチャートである。
図1(A)は、本発明の実施の形態にかかるノートPC10の外形図で、図1(B)はノートPC10に接続が可能なコンボ・ヘッドセット50の外形図である。ノートPC10は、表面にキーボードを搭載し内部に電子デバイスを収納したシステム筐体3と、LCD筐体1とで構成されている。システム筐体3の内部には複数の電子デバイスが搭載されている。システム筐体3には1個のコンボ・ジャック9が設けられている。
コンボ・ヘッドセット50はiPhone(登録商標)にも接続可能であり、1個の4極プラグ59にエレクトレット・コンデンサ・マイクロフォン(ECM)55、左ヘッドフォン51、右ヘッドフォン53およびミュート・ボタン57が接続されている。コンボ・ヘッドセットのミュート・ボタンは、一般的にAnswer/endボタンとかマルチファンクション・ボタンと呼ばれることもある。なお、図1(B)に示した構造のヘッドフォンは、イヤフォンとも呼ばれており、本明細書ではヘッドフォンとイヤフォンは区別しない。コンボ・ヘッドセット50は4極プラグ59をコンボ・ジャック9に接続することで、ECM55が集音した音声信号をノートPC10に送り、ノートPC10が生成した音声データを左ヘッドフォン51および右ヘッドフォン53から出力することができる。なお、コンボ・ジャック9には、3極プラグに接続されたECM、3極プラグに接続されたステレオ・ヘッドフォン、3極プラグに接続されたアンプ付きのステレオ・スピーカ、および2極プラグに接続されたモノラル・イヤフォンといった4個以上のオーディオ・デバイスを接続して使用することもできるが、その識別方法は図6のフローチャートで説明する。
図2は、ノートPC10の主要な構成を示す機能ブロック図である。ノース・ブリッジ13には、CPU11、メイン・メモリ15、ビデオ・コントローラ17、およびサウス・ブリッジ19が接続されている。ビデオ・コントローラ17には、LCD19が接続されている。サウス・ブリッジ19には、HDA(High Definition Audio)バスのインターフェースを経由してオーディオ・コントローラ21が接続され、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)のインターフェースを経由してHDD23が接続されている。さらにサウス・ブリッジ19にはLPCバス25が接続されている。LPCバス25には、エンベデッド・コントローラ(EC)27およびフラッシュROM29などが接続されている。
図3(A)は、コンボ・ヘッドセット55の構成を示す図である。4極プラグ59には、先端から参照番号が59−1、59−2、59−3、および59−4の順番で4つの電極が形成されている。電極59−1は、左ヘッドフォン51の信号端子に接続され、電極59−2は右ヘッドフォン53の信号端子に接続され、電極59−4はECM55のドレイン端子Dに接続されている。また、電極59−3は、左ヘッドフォン51のグラウンド端子、右ヘッドフォン53のグラウンド端子、およびECM55のソース端子Sに接続されている。電極59−3と電極59−4の間にはミュート・ボタン57が接続されている。
図3(B)は、ECM55の等価回路を示す図である。エレクトレット・コンデンサ65は、導電性の振動板と固定電極とを対向させたものであり、これらのうちのいずれかに誘電体(エレクトレット)が設けられている。振動板または固定電極のいずれか一方は、接合型の電界効果トランジスタ(FET)61のゲート電極に接続され、他方はソース端子Sに接続される。FET61のドレイン電極は、ドレイン端子Dを経由してバイアス電源Vcc1(図5参照)に接続され、ソース電極はソース端子Sを経由してグラウンドE(図5参照)に接続される。FET61のゲート電極とソース電極との間には、高抵抗素子63が接続されている。エレクトレット・コンデンサ65が音声を受け取ると、振動板が振動して静電容量が変化する。そしてこの静電容量の変化に対応する音声信号がFET61のゲート電極に入力されて、FET61のドレイン電極から音声信号に対応する交流電圧が出力される。FET61のドレイン電極とソース電極間には、FET61の構造上等価的に0.5KΩないし1KΩ程度の内部抵抗67が形成されてドレイン・ソース間電流が流れている。
図4(A)は、ECMユニット70の構成を示す図である。3極プラグ73には、先端から参照番号が73−1、73−2、および73−3の順番で3つの電極が形成されている。電極73−1と電極73−2は短絡しており、ともにミュート・ボタン75の一端に接続され、ミュート・ボタン75の他端はECM71の信号端子に接続されている。電極73−3は、ECM71のグラウンド端子に接続されている。図4(B)は、ステレオ・イヤフォン・ユニット80の構成を示す図である。3極プラグ85には、先端から参照番号が85−1、85−2、および85−3の順番で3つの電極が形成されている。電極85−1は、左イヤフォン81の信号端子に接続され、電極85−2は右イヤフォン83の信号端子に接続されている。左イヤフォン81と右イヤフォン83のそれぞれのグラウンド端子は、電極85−3に接続されている。
アンプ付きのステレオ・スピーカの構成は、ステレオ・イヤフォン・ユニット80の構成と同じである。図4(C)は、モノラル・イヤフォン・ユニット90の構成を示す図である。2極プラグ93には、先端から参照番号が93−1、93−3の順番で2つの電極が形成されている。電極93−1はイヤフォン91の信号端子に接続され、電極93−2はイヤフォン91のグラウンド端子に接続されている。なお、ECMユニット70とステレオ・イヤフォン・ユニット80を一体に組み込んで、2プラグのヘッドセットを構成することもできる。
図5は、コンボ・ジャック9に接続されたオーディ・デバイスを識別する識別回路100の機能を示すブロック図である。識別回路100は、コンボ・ジャック9とオーディオ・コントローラ21に搭載されたデバイスで構成されている。コンボ・ジャック9には、コンボ・ヘッドセット50の4極プラグ59が挿入された状態での電極59−1、電極59−2、電極59−3、および電極59−4に対応する位置に奥から参照番号が9−1、9−2、9−3、および9−4の順番で4つの信号端子が形成されている。コンボ・ジャック9にはさらに絶縁体で形成された検出ピース9−6とトリガ端子9−5が形成されている。
オーディオ・コントローラ21は、トランジスタ103、105、単極単投式のスイッチ107、双極双投式の切換スイッチ109、制御回路101、識別信号生成回路111、およびCODEC113を含んでいる。この中で、識別回路100は、CODEC113を除いたデバイスで構成される。スイッチ107、109は、MOS型のFETで構成することができる。コンボ・ジャック9に4極プラグ59、または3極プラグ73、85のいずれかが挿入されたときに識別回路100は、ノートPC10にコンボ・ヘッドセット50、ECMユニット70、またはステレオ・イヤフォン・ユニット80の3つのオーディオ・デバイスのいずれが接続されたかを識別して、CODEC113の動作を設定する。なお、識別回路100は、コンボ・ジャック9にモノラル・イヤフォン・ユニット90の2極プラグ93またはアンプ付きのステレオ・スピーカが挿入されたときは、後に説明するようにステレオ・イヤフォン・ユニット80が接続されたと識別するが、モノラル・イヤフォン・ユニット90またはステレオ・スピーカは正常に動作する。
トランジスタ103は、コンボ・ジャック9にコンボ・ヘッドセット50の4極プラグ59が挿入されたときに検出信号を生成する。トランジスタ105は、コンボ・ジャック9にECMユニット70の3極プラグ73が挿入されたときに検出信号を生成する。切換スイッチ107は制御回路101から送られた制御信号により信号端子9−2に、コンボ・ジャック9に3極プラグ73または3極プラグ85のいずれが挿入されたかを検出するための電圧を印加したり、ECMユニット70にバイアス電圧を印加したりするために動作する。切換スイッチ109は、制御回路101から送られた制御信号によりCODEC113とコンボ・ジャック9との間を接続する信号ラインをコンボ・ジャック9に接続されたオーディオ・デバイスの種類に応じて切り換える。制御回路101は、スイッチ107、109の動作を制御し、かつ、トランジスタ103、109が生成した検出信号に基づいて、接続されたオーディオ・デバイスの種類に対応した3種類の検出信号を識別信号生成回路111に送る。
識別信号生成回路111は、制御回路101から受け取った複数の検出信号に対応する複数の電圧値で構成された識別信号を生成して、CODEC113のSENSE端子に送る。CODEC113は、主としてマイクロフォンから受け取ったアナログ信号をディジタル信号に変換するA/Dコンバータと、CPU11で実行されるプログラムから受け取ったディジタル信号をヘッドフォンに出力するためにアナログ信号に変換するD/Aコンバータで構成されている。CODEC113には、一例として示したマイクロフォン用のMIC1とMIC2の2つの端子と、ヘッドフォン用のHP_RとHP_Lの2つの端子を備えているが、CODEC113はSENSE端子に供給される識別信号に応じてA/DコンバータまたはD/Aコンバータを機能させてコンボ・ジャック9に接続されるオーディオ・デバイスの種類に対応する動作をする。
CODEC113は、コンボ・ヘッドセット50を示す識別信号を受け取ったときには、MIC1端子から入力された音声信号をA/Dコンバータでディジタル信号に変換してサウス・ブリッジ19に送り、サウス・ブリッジから受け取ったディジタル信号をD/Aコンバータで変換して、HP_R端子およびHP_L端子から出力する。CODEC113は、ECMユニット70を示す識別信号を受け取ったときは、A/Dコンバータだけを機能させてMIC2端子から入力されたアナログ信号をディジタル信号に変換しサウス・ブリッジに送る。CODEC113は、ステレオ・マイクロフォン・ユニット80を示す識別信号を受け取ったときは、D/Aコンバータだけを機能させてサウス・ブリッジから受け取ったディジタル信号をアナログ信号に変換しHP_R端子およびHP_L端子から出力する。
4極プラグ59がコンボ・ジャック9に挿入されたとき、信号端子9−1、9−2、9−3、9−4は、それぞれ電極59−1、59−2、59−3、59−4に接触する。3極プラグ73がコンボ・ジャック9に挿入されたとき、信号端子9−1、9−2はそれぞれ電極73−1、73−2に接触し、信号端子9−3、9−4はそれぞれ電極73−3に接触する。3極プラグ85がコンボ・ジャック9に挿入されたとき、信号端子9−1、9−2はそれぞれ電極85−1、85−2に接触し、信号端子9−3、9−4はそれぞれ電極85−3に接触する。また、2極プラグ93がコンボ・ジャック9に挿入されたとき、信号端子9−1は電極93−1に接触し、信号端子9−2、9−3、9−4はそれぞれ電極93−2に接触する。
信号端子9−1は、スイッチ109とトランジスタ105のベースに接続されている。信号端子9−2は、スイッチ107の一方の端子とスイッチ109に接続されている。スイッチ107の他方の端子は、抵抗を介してECM71のバイアス電源Vcc2に接続されている。バイアス電源Vcc2の電圧は本実施例では3Vである。信号端子9−3はグラウンドEに接続されている。信号端子9−4は抵抗を介してECM55のバイアス電源Vcc1に接続されている。バイアス電源Vcc1の電圧は本実施例では3Vである。さらに信号端子9−4は、トランジスタ103のベースとCODEC113のMIC1端子に接続されている。トリガ端子9−5は、抵抗を介してプルアップ電源Vcc5に接続されており、コンボ・ジャック9にいずれのプラグも挿入されていないときには、プルアップ電源Vcc5の電位になっている。
検出ピース9−6とトリガ端子9−5は、いずれかのプラグがコンボ・ジャック9に挿入されたことを検知するトリガ回路を構成する。コンボ・ジャック9にいずれかのプラグが挿入されたときに、各プラグの先端の電極に接触した検出ピース9−6が移動してトリガ端子9−5がグラウンドEに接続されてトリガ端子9−6の電位がゼロになることで、トリガ回路はアサートする。また、トリガ回路は、各プラグがコンボ・ジャック9から引き抜かれることで電位が復帰してネゲートする。スイッチ109は、CODEC113のMIC2端子、HP_R端子、およびHP_L端子に接続されている。スイッチ109は、一方に切りかわったときに信号端子9−2をHP_R端子に接続し信号端子9−1をHP_L端子に接続する。スイッチ109はまた他方に切りかわったときに信号端子9−1をMIC2端子に接続する。トランジスタ103のコレクタは抵抗を介して電源Vcc3に接続されエミッタはグラウンドEに接続されている。トランジスタ105のコレクタは抵抗を介して電源Vcc4に接続されエミッタはグラウンドEに接続されている。また、トランジスタ103およびトランジスタ105のコレクタは、それぞれ制御回路101に接続されている。識別信号生成回路111は、CODEC113のSENSE端子と制御回路101に接続されている。
図6は、識別回路100がオーディオ・デバイスを識別する手順を示すフローチャートである。ノートPC10の電源がオンになると、ブロック201で信号端子9−4にコンボ・ヘッドセット50のECM55に供給するバイアス電圧が印加される。ブロック203では、プラグ59、73、85のいずれかがコンボ・ジャック9に挿入されたときにトリガ回路がアサートしたことを検知した制御回路101は、ブロック205でスイッチ109を操作して信号端子9−2、9−1をそれぞれCODEC113のHP_R端子、HP_L端子に接続する。
つづいて、ブロック207では、制御回路101は、トランジスタ103の動作により信号端子9−4の電位が所定値以上であると判断すれば、ブロック209に移行してコンボ・ジャック9に接続されたオーディオ・デバイスはコンボ・ヘッドセット50であると認識して識別信号生成回路111にコンボ・ヘッドセット50を示す検出信号を送る。図3(B)に示したように、ECM55のFET67は、ゲートに音声信号が入力されない通常の状態で、等価的に内部抵抗67が形成されている。内部抵抗67の値は、FETのメーカやタイプによりバラツキがあるが、このときコンボ・ヘッドセット50であると認識する所定の電位は0.5V〜1V程度である。検出信号を受け取った識別信号生成回路111は、CODEC113にコンボ・ヘッドセット50の識別信号に対応する電圧を送り、その電圧を受け取ったCODEC113はコンボ・ヘッドセット50に応じた動作をする。
これに対して図4に示すように、コンボ・ジャック9に3極プラグ73または3極プラグ85のいずれかが挿入されたときには、信号端子9−4と信号端子9−3がそれぞれ電極73−3、85−3で短絡されて信号端子9−4の電位はゼロになるため、ブロック207の手順により、コンボ・ヘッドセット50は検出せず、ECMユニット70またはステレオ・イヤフォン・ユニット80のいずれかの接続を検出する。図3(A)に示したように、コンボ・ヘッドセット50はミュート・ボタン57を備えている。ユーザによりミュート・ボタン57が押下されると4極プラグ59の電極59−3と電極59−4は短絡されて、信号端子9−4の電位はゼロに遷移する。したがって、制御回路101は、一旦は信号端子9−4の電位によってコンボ・ヘッドセット50の接続を検出しても、ミュート・ボタン57の押下によりその後異なるオーディオ・デバイスを検出したと誤認して識別信号生成回路111に新たに誤った検出信号を出力することになる。
ブロック211では、制御回路101が信号端子9−4の電位がゼロに遷移してもブロック209で検出した結果を維持するための動作を行う。これは、コンボ・ヘッドセット50を示す検出信号をラッチする周知のラッチ回路で実現することができる。したがって、ミュート・ボタン57が押下されてもCODEC113の動作およびスイッチ109の動作は変化しない。ブロック213では、4極プラグ59がコンボ・ジャック9から引き抜かれたことによりトリガ端子9−5の電位が復帰してトリガ回路がネゲートし、ブロック215では、制御回路101がトリガ回路のネゲートに基づいてブロック211で行ったラッチ回路の状態を解除することでつぎに挿入されるプラグの検出の準備をしてブロック203に戻る。
ブロック207で信号端子9−4の電位が所定値未満のときは、ブロック217で制御回路101はスイッチ107をオンにして信号端子9−2にECMユニット70のECM71に対するバイアス電圧を印加する。このバイアス電圧は、ECMユニット70とステレオ・イヤフォン・ユニット80を区別するためにも利用する。ブロック219で制御回路101は、トランジスタ105の動作により信号端子9−1の電位が所定値以上であると判断すればブロック221に移行してコンボ・ジャック9に接続されたオーディオ・デバイスはECMユニット70であると認識して識別信号生成回路111にECMユニット70を示す検出信号を送る。検出信号を受け取った識別信号生成回路111は、CODEC113にECMユニット70の識別信号に対応する電圧を送り、その電圧を受け取ったCODEC113はECMユニット70に応じた動作をする。ECMユニット70のミュート・ボタン75は、信号ラインに直列に接続されているため、押下されても識別結果に影響を与えないが、コンボ・ヘッドセット50のミュート・ボタン57のように、電極73−2と電極73−3を短絡するように接続されている場合は、制御回路101にはラッチ回路を設けることが望ましい。
図4(A)に示したように、ECMユニット70では、3極プラグ73の信号端子9−2が接触する電極73−2と、信号端子9−1が接触する電極73−1は内部で短絡している。したがって、3極プラグ73が挿入されたときは、信号端子9−1と信号端子9−2はともにバイアス電源Vcc2によりもたらされる電位になる。これに対して、図4(B)に示したように、ステレオ・イヤフォン・ユニット80では、3極プラグ85の信号端子9−2に接触する電極85−2と信号端子9−1に接触する電極85−1は内部で別系統になっているので信号端子9−1の電位は信号端子9−2の電位の影響を受けず、ECMユニット70をステレオ・イヤフォン・ユニット80から区別することができる。ブロック223では、制御回路101は、信号端子9−1がMIC2端子に接続されるようにスイッチ109を切り換える。ブロック225の手順は、ブロック213と同じである。
ブロック219で、制御回路101は、トランジスタ105の動作により信号端子9−1の電位が所定値未満であると判断した場合はブロック227に移行して、コンボ・ジャック9に接続されたオーディオ・デバイスはステレオ・イヤフォン・ユニット80であると認識して識別信号生成回路111にステレオ・イヤフォン・ユニット80を示す検出信号を送る。検出信号を受け取った識別信号生成回路111は、CODEC113にステレオ・イヤフォン・ユニット80を示す識別信号に対応する電圧を送り、その電圧を受け取ったCODEC113はステレオ・イヤフォン・ユニット80に応じた動作をする。ステレオ・イヤフォン・ユニット80はバイアス電源が不要なので、ブロック229では、制御回路101は、スイッチ107をオフにする。ブロック231の手順は、ブロック213の手順と同じである。なお、3極プラグに接続され、アンプを内蔵するタイプのステレオ・スピーカは、3極プラグがコンボ・ジャック9に挿入されるとブロック227においてステレオ・イヤフォン・ユニット80として識別されて音声を出力することができる。
ここで、コンボ・ジャック9にモノラル・イヤフォン・ユニット90の2極プラグ93が接続されたときの識別回路100の動作を説明する。2極プラグ93は、信号端子9−2、9−3、9−4が電極93−2に接触する。したがって、図6のフローチャートでは、ブロック219によりモノラル・イヤフォン・ユニット90はステレオ・ヘッドフォン・ユニット80として認識され、CODEC113はそれに応じた動作をする。そして、CODEC113のHP_L端子からの出力がモノラル・イヤフォン91に出力されることになる。したがって、モノラル・イヤフォン・ユニット90は、ステレオ・イヤフォン・ユニット80と区別しないでもコンボ・ジャック9に接続すると自動的に認識されて使用することができる。2プラグのヘッドセットは、マイクロフォンまたはヘッドフォンのいずれかのプラグをコンボ・ジャックに挿入すると、図6のステップ221またはステップ227でマイクロフォンまたはヘッドフォンとして識別される。
図5では、オーディオ・コントローラに搭載されるスイッチ107、109、トランジスタ103、105、制御回路101、識別信号生成回路111などは、CODEC113とは別のそれぞれ独立したデバイスとして構成した例を示したが、本発明では、これらのデバイスの機能をCODEC113の中に組み込んで1つの半導体装置として形成することもできる。また、コンボ・ヘッドセット50のプラグ59の電極は、図3(A)に示した配列に限定する必要はなく、電極59−3にECM55のドレイン端子が接続され、電極59−4にECM55のソース端子が接続される構造のものであっても、ECMユニット70およびステレオ・イヤフォン・ユニット80との間でいずれか1つを識別することができる。この場合識別回路100では、バイアス電源Vcc1を信号端子9−3に接続し、信号端子9−4をグラウンドEに接続する。
コンボ・ジャック9には、ダイナミック・マイクロフォンの2極プラグが挿入される可能性もある。2極プラグの電極は、図4(C)に示したモノラル・イヤフォンと同様にコイルに接続される。したがって、識別回路100はダイナミック・マイクロフォンとステレオ・イヤフォン・ユニット80を区別することができない。ダイナミック・マイクロフォンは電圧を印加して使用することはなく、コイルに電圧が印加されると障害を起こすこともある。しかし、識別回路100は、バイアス電源を信号端子9−2、9−4に印加しており、2極ジャックでは信号端子9−2、9−3、9−4は1つの電極に接触し、その1つの電極は信号端子9−3によりゼロ電位になるため、ダイナミック・マイクロフォンに障害をもたらすことはない。
識別回路100は、オーディオ・デバイスのインピーダンスを測定する必要がなく、簡単な回路で実現できるので、コストおよびスペースの面で有利である。また、識別回路100は、3種類のオーディオ・デバイスを識別することができ、さらに、コンボ・ジャック9には4種類以上のオーディオ・デバイスを接続して使用することができる。
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
9…コンボ・ジャック
50…コンボ・ヘッドセット
51…左ヘッドフォン
53…右ヘッドフォン
55…ECM
57、75…ミュート・ボタン
59…4極プラグ
70…ECMユニット
73、85…3極プラグ
80…ステレオ・イヤフォン・ユニット
90…モノラル・イヤフォン・ユニット
93…2極プラグ

Claims (10)

  1. 第1の端子と第2の端子と第3の端子と第4の端子とが順番に配置されたオーディオ・ジャックにプラグで接続されるオーディオ・デバイスを認識する装置であって、
    エレクトレット・コンデンサ・マイクロフォンのバイアス電源と前記第2の端子との間に接続されたスイッチと、
    前記第3の端子に接続されたグラウンドと、
    前記第4の端子に接続されたエレクトレット・コンデンサ・マイクロフォンのバイアス電源と、
    前記第4の端子の電位を検出する第1の電位検出回路と、
    前記第1の端子の電位を検出する第2の電位検出回路と、
    前記第1の電位検出回路が所定の大きさの電位を検出しないときに、前記スイッチをオンにして前記第2の電位検出回路が所定の大きさの電位を検出したときに3極プラグに接続された第1のオーディオ・デバイスを示す検出信号を出力する制御回路と
    を有する認識装置。
  2. 前記第1の電位検出回路が所定の大きさの電位を検出したときに前記制御回路は4極プラグに接続され第2のオーディオ・デバイスを示す検出信号を出力する請求項1に記載の認識装置。
  3. 前記制御回路は、前記第2のオーディオ・デバイスを示す検出信号を前記4極プラグが前記オーディオ・ジャックから引き抜かれるまで維持する請求項2に記載の認識装置。
  4. 前記スイッチをオンにして前記第2の電位検出回路が所定の大きさの電位を検出しないときに前記制御回路は前記オーディオ・ジャックに3極プラグに接続された第3のオーディオ・デバイスを示す検出信号を出力する請求項1から請求項3のいずれかに記載の認識装置。
  5. 前記制御回路は、前記第2の電位検出回路が所定の大きさの電位を検出しないことに応答して前記スイッチをオフにする請求項4に記載の認識装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の認識装置を搭載した携帯式コンピュータ。
  7. 第1の端子と第2の端子と第3の端子と第4の端子とが順番に配置されたオーディオ・ジャックにプラグで接続されるオーディオ・デバイスを認識装置が認識する方法であって、
    前記認識装置が前記第4の端子にエレクトレット・コンデンサ・マイクロフォンのバイアス電圧を印加するステップと、
    前記認識装置が前記第4の端子の電位を検出するステップと、
    前記第4の端子に所定の大きさの電位を検出しないときに、前記認識装置が前記第2の端子にエレクトレット・コンデンサ・マイクロフォンのバイアス電圧を印加するステップと、
    前記認識装置が前記第1の端子の電位を検出するステップと、
    前記第1の端子に所定の大きさの電位を検出したときに、3極プラグに接続された第1のオーディオ・デバイスを示す検出信号を出力するステップと
    を有する認識方法。
  8. 前記第4の端子に所定の大きさの電位を検出したときに、4極プラグに接続された第2のオーディオ・デバイスを示す検出信号を出力するステップを含む請求項7に記載の認識方法。
  9. 前記第1の端子に所定の大きさの電位を検出しないときに、3極プラグに接続された第3のオーディオ・デバイスを示す検出信号を出力するステップを含む請求項7または請求項8に記載の認識方法。
  10. 第1の端子と第2の端子と第3の端子と第4の端子とが順番に配置されたオーディオ・ジャックに接続可能な半導体装置であって、
    前記第4の端子に対するエレクトレット・コンデンサ・マイクロフォンのバイアス電圧印加回路と、
    前記第4の端子の電位を検出する第1の電位検出回路と、
    前記第2の端子に対するエレクトレット・コンデンサ・マイクロフォンのバイアス電圧の印加を制御するスイッチ回路と、
    前記第1の端子の電位を検出する第2の電位検出回路と、
    前記第1の電位検出回路が所定の大きさの電位を検出しないときに前記スイッチ回路を制御して前記第2の端子にバイアス電圧を印加し、前記第2の電位検出回路が所定の大きさの電位を検出したときに3極プラグに接続されたエレクトレット・コンデンサ・マイクロフォンに対応した動作をするように内部デバイスを制御する制御回路と
    を有する半導体装置。
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