JP2010251722A - ダイシングテープ、ダイシングテープの硬化阻害防止方法、ダイシングテープ用紫外線硬化型粘着剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紫外線透過性の基材フィルム上に紫外線硬化型の粘着剤層が設けられているダイシングテープであって、前記粘着剤層には、光重合開始剤と、炭素−炭素二重結合を有するアクリル系樹脂組成物に加えて、ポリチオールを含むことを特徴とするダイシングテープである。前記紫外線硬化型樹脂組成物は、炭素−炭素二重結合をポリマー側鎖または主鎖中もしくは主鎖末端に有するポリマーからなる樹脂組成物、または一般的な粘着剤に紫外線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分などの紫外線硬化樹脂を配合した樹脂組成物である。
【選択図】図1
Description
硬化率=(紫外線照射前の粘着力―大気下での紫外線照射後の粘着力)/(紫外線照射前の粘着力―非大気下での紫外線照射後の粘着力)
図1は、ダイシングテープ1を示す図である。図1(a)に示すように、ダイシングテープ1は、基材フィルム3の上に粘着剤層5が形成されている。
粘着剤層5はダイシング中に半導体デバイスの飛散を抑制するのに十分な粘着性を有するものである。粘着剤層5の粘着力は0.1〜1.0N/mmであることが好ましい。
粘着剤組成物(A)
エチルアクリレート(74mol%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(25mol%)、メタクリル酸(1mol%)の共重合体に、光重合性炭素―炭素二重結合および官能基を有する化合物として、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、重合禁止材としてハイドロキノンを適宜滴下量を調整して加え反応温度および反応時間を調整して、光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物を得た。この化合物100重量部に対して、光重合開始剤(日本チバガイギー社製、商品名「イルガキュアー184」)を0.5重量部、ポリイソシアネートとして日本ポリウレタン社製コロネートLを0.5重量部添加した。
粘着剤組成物(A)100重量部に、ポリチオールとして、昭和電工株式会社製カレンズMT(登録商標)PE1を5重量部加えた粘着剤層組成物を用いてダイシングテープを作製した。
粘着剤組成物(A)100重量部に、ポリチオールとして、昭和電工株式会社製カレンズMT(登録商標)NR1を5重量部加えた粘着剤層組成物を用いてダイシングテープを作製した。
粘着剤組成物(A)100重量部に、ポリチオールとして、堺化学工業株式会社製TMMPを5重量部加えた粘着剤層組成物を用いてダイシングテープを作製した。
粘着剤組成物(A)100重量部に、ポリチオールとして、堺化学工業株式会社製PEMPを5重量部加えた粘着剤層組成物を用いてダイシングテープを作製した。
粘着剤組成物(A)100重量部に、ポリチオールとして、堺化学工業株式会社製DPMPを5重量部加えた粘着剤層組成物を用いてダイシングテープを作製した。
粘着剤組成物(A)100重量部に、ポリチオールとして、堺化学工業株式会社製TEMPICを5重量部加えた粘着剤層組成物を用いてダイシングテープを作製した。
粘着剤組成物(A)にポリチオールを加えずにダイシングテープを作製した。
粘着剤組成物(B)
n−ブチルアクリレート(60mol%)、メチルメタクリレート(12mol%)、メタクリル酸(2mol%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(26mol%)の共重合体100重量部に、放射線硬化性オリゴマー(根上工業株式会社製、商品名「UN−3320HA」)を100重量部、さらに、光重合開始剤(日本チバガイギー社製、商品名「イルガキュアー184」)を0.5重量部、ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」)を0.5重量部配合し、粘着剤組成物(B)を調整した。
粘着剤組成物(B)100重量部に、ポリチオールとして、堺化学工業株式会社製PEMPを2.5重量部加えた粘着剤層組成物を用いてダイシングテープを作製した。
粘着剤組成物(B)100重量部に、ポリチオールとして、堺化学工業株式会社製PEMPを5重量部加えた粘着剤層組成物を用いてダイシングテープを作製した。
粘着剤組成物(B)100重量部に、ポリチオールとして、堺化学工業株式会社製PEMPを10重量部加えた粘着剤層組成物を用いてダイシングテープを作製した。
粘着剤組成物(B)に、ポリチオールを加えずにダイシングテープを作製した。
表1、表2に示す実施例1〜9、比較例1〜2のダイシングテープについて、プローブタック法にて粘着剤層の粘着力を測定した。その後、これらのダイシングテープに、一部のセパレーターを残した状態で、大気下で基材フィルム側より約150mJ/cm2の照射量で紫外線を照射した。その後、セパレーターを全て剥がし、紫外線照射時に、セパレーターを剥がしていた箇所とセパレーターを残していた箇所のそれぞれの粘着剤層の粘着力をプローブタック法にて測定した。その結果を表1、表2に示す。
プローブタック法による粘着力の測定は、株式会社レスカのタッキング試験機TAC−IIを用いて行った。測定モードは、設定した加圧値までプローブを押し込み、設定した時間が経過するまで加圧値を保持するようにコントロールし続けるConstant Loadを用いた。ダイシングテープの粘着剤層を上にし、上側より直径3.0mmのSUS304製のプローブを接触させる。このとき、プローブを測定試料に接触させる時のスピードは30mm/minであり、接触荷重は100gfであり、接触時間は1秒である。その後、プローブを600mm/minの剥離速度で上方に引き剥がし、引き剥がすのに要する力を測定する。プローブ温度は23℃であり、プレート温度は23℃である。
下記の式に従って、硬化率を算出した。硬化率は、大気下での粘着剤層の硬化と、非大気下での粘着剤層の硬化を比べる指標で、値が高いほど、酸素硬化阻害防止効果がある。なお、硬化率算出時の「大気下での紫外線照射後の粘着力」は、セパレーターを剥がしていた箇所の粘着力を用い、「非大気下での紫外線照射後の粘着力」は、セパレーターを残していた箇所の粘着力を用いる。
硬化率=(紫外線照射前の粘着力―大気下での紫外線照射後の粘着力)/(紫外線照射前の粘着力―非大気下での紫外線照射後の粘着力)
粘着剤組成物(C)
n−ブチルアクリレート(74mol%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(25mol%)、メタクリル酸(1mol%)の共重合体に、光重合性炭素―炭素二重結合および官能基を有する化合物として、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、重合禁止材としてハイドロキノンを適宜滴下量を調整して加え反応温度および反応時間を調整して、光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物を得た。この化合物100重量部に対して、光重合開始剤(日本チバガイギー社製、商品名「イルガキュアー184」)を0.5重量部、ポリイソシアネートとして日本ポリウレタン社製コロネートLを0.2重量部添加した。
粘着剤組成物(C)100重量部に、ポリチオールとして、昭和電工株式会社製カレンズMT(登録商標)PE1を5重量部加えた粘着剤層組成物を用いて、粘着剤層の厚みが10μmのダイシングテープを作製した。
粘着剤層の厚みを30μmとした以外は、実施例10と同様にダイシングテープを作製した。
粘着剤組成物(C)100重量部に、ポリチオールとして、堺化学工業株式会社製PEMPを5重量部加えた粘着剤層組成物を用いて、粘着剤層の厚みが20μmのダイシングテープを作製した。
粘着剤組成物(C)100重量部に、ポリチオールとして、堺化学工業株式会社製TEMPICを5重量部加えた粘着剤層組成物を用いて、粘着剤層の厚みが20μmのダイシングテープを作製した。
粘着剤組成物(C)にポリチオールを加えずに、粘着剤層の厚みが20μmのダイシングテープを作製した。
粘着剤層の厚みを7μmとした以外は、実施例10と同様にダイシングテープを作製した。
粘着剤層の厚みを35μmとした以外は、実施例10と同様にダイシングテープを作製した。
パッケージ成形用モールド樹脂によりモールドした半導体部材(50mm×50mm)の硬化樹脂面に、各例のダイシングテープを粘着剤層を介して貼着すると共に、リングフレームに固定した。ダイシングテープの貼付け後、30分放置した後、下記の条件で3mm×3mmにダイシングした。
ダイシングブレード:ディスコ社NBC−ZB1010S3
ブレード送り速度:50mm/sec
ブレード回転数:40000rpm
粘着テープへの切り込み量:100μm
この際のチップ飛びを下記の要領に従って評価した。
ピン本数:1本
ピン先端形状:250μmR
ピンハイト設定値:500μm
(ピンハイトとはダイシングテープを突き上げピンにて押し上げる高さを指す)
ダイシング時において、ダイシングテープから剥離したチップの数をカウントし、チップ飛びの評価とした。
ピックアップ工程において、ピンによる突き上げを行なった後もダイシングテープから剥離できず、ピックアップされなかったチップの数をカウントしピックアップミスの評価とした。
ピックアップした半導体部材がABS樹脂製のトレーに付着し、トレーを逆さにしても落下しないチップの数をカウントし、トレー付着の評価とした。
3………基材フィルム
5………粘着剤層
7………セパレーター
9………フレーム
11………半導体ウエハ
13………半導体基板
15………硬化樹脂
17………半田ボール
19………ダイシングブレード
21………糊残り
23………半導体チップ
25………紫外線
27………ピックアップピン
29………トレー
Claims (11)
- 紫外線透過性の基材フィルム上に紫外線硬化型の粘着剤層を有するダイシングテープであって、
前記粘着剤層が、紫外線硬化型樹脂組成物とポリチオールとを含むことを特徴とするダイシングテープ。 - 前記ポリチオールが、1,3,5−トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)およびトリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]イソシアヌレートからなる群より選ばれた少なくとも1種のポリチオールであることを特徴とする請求項1に記載のダイシングテープ。
- 前記基材フィルムが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、およびポリブテンのようなポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、およびエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、およびエチレン−(メタ)アクリル酸金属塩系アイオノマーのようなエチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル等のエンジニアリングプラスチック、軟質ポリ塩化ビニル、半硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、天然ゴム、合成ゴムおよびこれらの混合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のダイシングテープ。
- 前記紫外線硬化型樹脂組成物が、
炭素−炭素二重結合をポリマー側鎖または主鎖中もしくは主鎖末端に有するポリマーからなる樹脂組成物または、
一般的な粘着剤に紫外線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分などの紫外線硬化樹脂を配合した樹脂組成物であることを特徴とする請求項1に記載のダイシングテープ。 - 前記紫外線硬化型樹脂組成物が、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、(メタ)アクリル酸オリゴマーおよびイタコン酸オリゴマーからなる群より選ばれた少なくとも1種の粘着剤を主成分として有することを特徴とする請求項1に記載のダイシングテープ。
- 前記粘着剤層において、下記の式で求められる硬化率が90%以上であることを特徴とする請求項1に記載のダイシングテープ。
硬化率=(紫外線照射前の粘着力―大気下での紫外線照射後の粘着力)/(紫外線照射前の粘着力―非大気下での紫外線照射後の粘着力) - 紫外線透過性の基材フィルム上に紫外線硬化型の粘着剤層が設けられているダイシングテープにおいて、
前記粘着剤層にポリチオールを加え、前記粘着剤層の紫外線照射時の硬化阻害を防止することを特徴とするダイシングテープの硬化阻害防止方法。 - 紫外線透過性の基材フィルム上に紫外線硬化型の粘着剤層が設けられているダイシングテープにおいて、
前記粘着剤層には、炭素−炭素二重結合を有する紫外線硬化型樹脂組成物と、ポリチオールを有し、
大気環境下で前記粘着剤層に紫外線照射した際に生じるペルオキシラジカルと、前記ポリチオールのチオール基が反応し、ヒドロペルオキシド基とチイルラジカルを生じる反応により、前記粘着剤層の紫外線照射時の硬化阻害を防止することを特徴とするダイシングテープの硬化阻害防止方法。 - ダイシングテープの粘着剤層に用いられる粘着剤であって、
紫外線硬化型樹脂組成物と、ポリチオールを含むことを特徴とするダイシングテープ用紫外線硬化型粘着剤。 - 粘着剤層の厚みが10〜30μmである、一括封止された半導体基板の硬化樹脂面の貼着用の請求項1〜6のいずれか1項に記載のダイシングテープ。
- 紫外線透過性の基材フィルム上に紫外線硬化型の粘着剤層を有し、前記粘着剤層が紫外線硬化型樹脂組成物とポリチオールとを含み、リング状のダイシングフレームの下面に貼着されたダイシングテープに、硬化樹脂で一括封止された半導体基板の硬化樹脂面を貼着する工程(a)と、
前記半導体基板を、硬化樹脂ごと切断し、半導体チップに個片化する工程(b)と、
前記ダイシングテープに紫外線を照射する工程(c)と、
前記半導体チップをピックアップする工程(d)と、
前記半導体チップをトレーに収納する工程(e)と、
を具備することを特徴とする一括封止された半導体基板のダイシング方法。
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