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JP2010145745A - 画像形成装置、及び、ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

画像形成装置、及び、ヘッドアップディスプレイ装置 Download PDF

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JP2010145745A JP2008322838A JP2008322838A JP2010145745A JP 2010145745 A JP2010145745 A JP 2010145745A JP 2008322838 A JP2008322838 A JP 2008322838A JP 2008322838 A JP2008322838 A JP 2008322838A JP 2010145745 A JP2010145745 A JP 2010145745A
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Kazuaki Fujii
一彰 藤井
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Abstract

【課題】
レーザープロジェクタを用いることで高解像度の映像を形成可能とする画像形成装置において、高輝度化、並びに、低電力化の実現を図る。
【解決手段】
レーザー光を光源とし、複数画素の配列で形成される映像を投影するレーザープロジェクタ1と、複数のマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイ3と、前記レーザープロジェクタ1と前記マイクロレンズアレイ3の光路間に配設され、各マイクロレンズ31に入射するレーザー光の入射角が、当該マイクロレンズ31の開口角に収まるように補正して投影する光学系補正素子2と、マイクロレンズアレイ3の放射面に形成される映像を拡大する光学系拡大素子4とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図7

Description

本発明は、レーザープロジェクタを用いて複数画素の配列で形成される映像を投影する画像形成装置、及び、その画像形成装置を利用して、自動車などの操縦者に対し計器情報などの各種情報を提供するヘッドアップディスプレイ装置に関するものである。
従来より、自動車などの移動体において、液晶ディスプレイなどにより形成された計器情報、ナビゲーション装置における地図情報などの各種情報映像を、フロントウィンドウに投影し、操縦者に情報を伝達するヘッドアップディスプレイ装置が知られている。特許文献1〜特許文献3には、車両に各種ヘッドアップディスプレイ装置を用いることが開示されている。
特許文献1には、グラフィック表示可能な透過型ドットマトリックス液晶表示パネルの背後に配置される調光用スクリーンと、該調光用スクリーンの背後に配置されたバックライト光源とを備え、フロントガラス又はフロントガラス手前に設けた透光性反射板に情報表示を反射させる表示器を備えたヘッドアップディスプレー装置が開示されている。このヘッドアップディスプレー装置によれば、表示器の表示像を運転席の前方視野内に配設された透光性反射板(コンバイナ)に投影表示する車両用ヘッドアップ装置における表示器のウォッシュアウト現象を防ぐとともに、その表示器を透過照明するのに用いられるバックライトの耐久性の向上を図ることができる。
また、特許文献2には、運転席上方に位置するルーフパネルの車室内側に、各種走行データ等の表示像を放射する放射機構を含んだ発光表示源を配し、インストルメントパネルの所定部位に、発光表示源から放射される表示像を運転席前方のフロントウインドパネルに投影するミラーを配設した車両用ヘッドアップディスプレイが開示されている。この車両用ヘッドアップディスプレイによれば、車両のインストルメントパネル内方に大きな設置スペースを必要とせずレイアウトが容易となる。
そして、特許文献3には、半透過反射面に計器表示源の情報を光学的に投射する車両用ヘッドアップディスプレイにおいて、計器表示源と半透過反射面との間に計器表示源からの透光を複数回反射させる反射鏡を設けることが開示されている。この開示によれば、反射鏡で計器表示源と半透過反射面までの距離をかせぐことで、運転者により視認される表示源の反射像を車両から遠ざけることが可能となる。
図18、図19を用いて、ヘッドアップディスプレイ装置の一実施形態を簡単に紹介する。図18はヘッドアップディスプレイ装置の各種構成をインストルメントパネル内に組み込んだ場合の実施形態である。液晶表示パネル(LCD)上には、車両の計器情報や、ナビゲーション装置からの地図情報などの映像情報が出力表示される。LCD背面には光源としてのバックライトが設置され、LCDを背面から照射することで、光学系拡大素子としての凹面ミラーにLCDに形成される映像を照射する。凹面ミラーで反射、拡大された映像はフロントウィンドウ又はフロントウィンドウ上に設けた透過性反射板の内側に投影される。操縦者は、フロントウィンドウから前方に位置する表示像(虚像)を視認することができる。また、表示像までの距離(距離L)をできるだけ遠方にすることで、操縦者は少ない焦点位置の移動量で計器情報や地図情報などの映像情報を確認することができる。
図19は、車両運転席背後からの様子を示した図であり、フロントウィンドウの破線で
囲んだ表示範囲内に各種の映像情報が映し出され、運転者はインストルメントパネル内に配置されている各種計器類などに視線を落とさなくても、車両の運転に注意を払いながら映像による各種情報を取得することができる。
特開2000−131642号公報 実公平6−29095号公報 実開平1−59740号公報
このようなヘッドアップディスプレイ装置では、特許文献1や図18で説明したように、画像形成装置として液晶表示装置を用いることが一般的であって、その光源には消費電力の大きい電流駆動方式が採用されている。この消費電力の問題を解決するため、本発明では、レーザー光を光源とするレーザープロジェクタを画像形成装置に利用することを前提とするものである。このレーザープロジェクタでは、光源として半導体レーザーなど比較的消費電力の小さい光源を利用することができ、ヘッドアップディスプレイ装置全体の低消費電力を実現することができる。
このレーザープロジェクタでは、スポット径が小径なレーザー光を直接照射するため、照射領域では輝度は非常に高いが、照射範囲の狭いスポット領域を形成することとなる。このようなレーザー光が形成するスポット領域によれば、ハイビジョンクラスの非常に解像度の高い映像を実現することが可能となる。しかしながら、ある輝度以上では輝度の違いを判断できなくなる人間の視覚特性上、視認者の目には輝度の低い映像として視認されるものとなってしまう。
本発明は、レーザープロジェクタを用いることで高解像度の映像を形成可能とする画像形成装置において、高輝度化、並びに、低電力化の実現を図ることを目的とするものである。
そのため、請求項1に係る画像形成装置は、レーザー光を光源とし、複数画素の配列で形成される映像を投影するレーザープロジェクタと、複数のマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイと、前記レーザープロジェクタと前記マイクロレンズアレイの光路間に配設され、各マイクロレンズに入射するレーザー光の入射角が、当該マイクロレンズの開口角に収まるように補正して投影する光学系補正素子と、前記マイクロレンズアレイの放射面に形成される映像を拡大する光学系拡大素子とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、各マイクロレンズには、複数の画素が入射しないように前記マイクロレンズアレイが配置されることを特徴とするものである。
また、請求項3に係る画像形性装置は、請求項2に記載の画像形成装置において、1つのマイクロレンズには、1つの画素が入射するように前記マイクロレンズアレイが配置されることを特徴とするものである。
また、請求項4に係る画像形性装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記マイクロレンズアレイ上に投影された映像を、実像あるいは虚像のスクリーン投影像として伝達する光学系伝達素子を備え、前記光学系拡大素子は、光学系伝達素子が伝達する投影像を拡大することを特徴とするものである。
また、請求項5に係る画像形成装置は、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の画像形成装置において、検出した周囲光に応じて前記レーザープロジェクタのレーザー光出力を補正することを特徴とするものである。
さらに、請求項6に係るヘッドアップディスプレイ装置は、請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の画像形成装置を備え、前記光学系拡大素子による映像を透過性反射板に投影することを特徴とするものである。
本発明によれば、レーザープロジェクタを用いることで高解像度の映像を形成可能とする画像形成装置において、高輝度化、並びに、低電力化の実現を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態に係るレーザープロジェクタの主要構成を説明するための図である。本実施形態で使用するレーザープロジェクタ1は、制御部11と、各色のレーザー光源12と、ダイクロイックミラー群13と、水平走査ミラー14と、垂直走査ミラー15とで構成されている。
制御部11は、入力される映像信号に基づいて、レーザー光源12を変調制御するコントローラ機能、並びに、水平走査ミラー14、垂直走査ミラー15を制御してレーザー光源12からのレーザー光を偏向し映像を形成するコントローラ機能を備えている。
本実施形態のレーザー光源12は、R、G、Bの各色毎に設けられ、制御部11による制御によりレーザー光の出力が制御される。出力されたレーザー光は、ダイクロイックミラー群13にて1つのビーム光として合成される。このような3原色を用いた本実施形態の構成では、フルカラー色のレーザー光を生成することが可能である。ダイクロイックミラー群13にて合成されたレーザー光は、水平走査ミラー14、垂直走査ミラ−15にて偏向されて投影面7に映像を形成する。この水平ミラー14、垂直ミラー15による走査には、ガルバノメータやポリゴンミラー、プリズム、音響光学素子等複雑な機構を用いてもよいが、MEMS(micro electro mechanical system)技術を利用することで、小型
化、集積化が可能となる。
また、レーザープロジェクタ1では、水平走査ミラー14、垂直走査ミラー15を適宜制御することで、LCDのような矩形のみならず、適宜形状にて映像を投射することが可能である。ヘッドアップディスプレイ装置では、フロントウィンドウなどの平面でない投射面に投影することとなるため、矩形映像をそのまま投射すると視認される映像に歪みが生じることとなるが、フロントウィンドウの形状、配置などを考慮した映像を投射することにより歪みのない映像として視認することが可能となる。また、水平・垂直走査ミラーの制御によって映像形状を変形することができるため、車種によって異なるフロントウィンドウの形状による歪みなどに柔軟に対処することができる。さらに、各種センサーにて周囲光を検出し、レーザープロジェクタのレーザー光出力を補正する構成を採用することで、周囲光に適した輝度の映像を提供できると共に、消費電力を低減することが可能となる。また、水平走査ミラー14、垂直走査ミラー15は図中においてはそれぞれ1軸のミラーを使用した別体としているが、2軸のミラーを用いて1ユニット化し更に小型化を図ることが可能である。
なお、本実施形態のレーザープロジェクタ1は、R、G、B、3色を利用してフルカラー映像を生成可能とするものであるが、これに限らず、適宜数のレーザー光源12にて構成することとしてもよい。単一のレーザー光源12にて単色の映像を投射する場合には、必要に応じてダイクロイックミラー13は省略できる。以上が、レーザープロジェクタ1
の概略であるが、次に図2を用いて本発明の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
図2に示すように、画像形成装置は、レーザープロジェクタ1、マイクロレンズアレイ3(MLA)、レーザープロジェクタ1とマイクロレンズアレイ3の光路間に配設されたコンデンサーレンズ2、拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4にて構成される。レーザープロジェクタ1から出力されたレーザー光は、コンデンサーレンズ2に入射される。このコンデンサーレンズ2は、マイクロレンズアレイ3を構成するマイクロレンズに入射するレーザー光の入射角が、当該マイクロレンズの開口角に収まるように補正を行う。マイクロレンズアレイ3は、複数のマイクロレンズの配列にて構成される。各マイクロレンズは、コンデンサーレンズ2にて補正されたレーザー光を入射し、その裏面にて像を形成する。本発明では、このようにマイクロレンズアレイ3にて像を形成するため、スクリーンを使用して像を形成する場合と比較して、視認方向に有効に光を伝達することが可能となり、輝度の増加を図ることが可能となる。また、少ない光量でも十分な輝度を得ることが可能となるため、レーザー光源12の出力を抑制して小電力化を図ることができる。
マイクロレンズアレイ3上に形成された映像は、拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4にて拡大され投影面7に投影される。ヘッドアップディスプレイ装置の場合には、この投影面7は透過性反射板としてのフロントウィンドウとなる。なお、本発明における画像形成装置は、ヘッドアップディスプレイ装置のみならず、直接、投影面に映像を形成するプロジェクタ装置、あるいは、リアプロジェクタ装置にも適用することができる。
以上、本実施形態の画像形成装置は、レーザープロジェクタ1と、コンデンサーレンズ2と、マイクロレンズアレイ3と、拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4にて構成される。なお、本実施形態のコンデンサーレンズ2、拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4は、それぞれ、本発明でいう光学系補正素子、光学系拡大素子に相当するものである。
では、画像形成装置の構成要素であるマイクロレンズアレイ3について図3〜図5を用いて説明する。図3はマイクロレンズアレイの一実施形態を示した図であり、多数のマイクロレンズ31が、ピッチ間隔dにて格子状に配置されている。このマイクロレンズ31は円形であり、各マイクロレンズ31間には縁部32が形成されている。図4は、実際のマイクロレンズアレイ3の拡大写真であり、マイクロレンズ31が規則的に配列されている様子が見て取れる。
図5は、別実施形態のマイクロレンズアレイ3の構成を示した図であり、マイクロレンズ31は六方格子状に配列されている。この配列によれば、縁部32の面積を抑え、マイクロレンズ31を密に配列することができる。なお、図3〜図5の実施形態では、マイクロレンズは円形としたが、この形状に限ること無く適宜形状とすることができる。例えば、図3のマイクロレンズ31の形状を正方形として縁部32の無い配列としてもよい。
では、次に、図6〜図9を用いて、マイクロレンズアレイ3の放射特性について、スクリーンを用いた場合と比較して説明を行う。図6は、スクリーン5を用いた場合の模式図である。レーザープロジェクタ1からスクリーン5背面に照射される像は、スクリーン5上に焦点を置く拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4を介して視認される。模式図には示していないが、ヘッドアップディスプレイ装置においては、拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4と視認者の間には、フロントウィンドウによる反射が介在することとなる。スクリーン5には、透明な材料の中に散乱体を拡散した、通常リアプロジェクタに用いられるものが利用されている。このようなスクリーン5の放射面での指向特性を図8に示す。この指向特性は視認方向を0°とし、その利得を1として描いたものであり、散乱体で光を反射させて像を形成するというスクリーン5の性質上、その指向特性は鈍いものとなる。このよう
にスクリーン5を用いた場合には、視認方向以外の方向に光が拡散してしまうため、視認方向への利得は低くなってしまう。
これに対し、像形成にマイクロレンズアレイ3を用いた場合の模式図を図7に示す。レーザープロジェクタ1からコンデンサーレンズ2を介してマイクロレンズアレイ3に照射された像は、マイクロレンズアレイ3上に焦点を置く拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4を介して視認される。このようなマイクロレンズ31の放射面での指向特性を図9に示す。0°で示される視認方向と角度をなすに従って急峻に利得が減衰する、すなわち、鋭い指向特性を有することがよく分かる。このようにマイクロレンズアレイ5を用いる場合には視認方向に対して有効に光を伝達することが可能となり、マイクロレンズアレイ5の放射面において輝度の高い像を形成することが可能となる。
では、次に、本発明における構成要素となる光学系補正素子について図10、図11を用いて説明する。図10は、光学系補正素子を用いない場合を示した図であり、図11は、光学系補正素子としてコンデンサーレンズ2を用いた本発明の実施形態を示した図である。
レーザープロジェクタ1は点光源として機能するため、水平、垂直走査により、振れ角αを生じる。一方、マイクロレンズ31は、入射した光を効率よく放射するための開口角βを有する。図10に示すように直接、マイクロレンズアレイ3に照射した場合には、マイクロレンズアレイ3の周辺部のマイクロレンズ31では、レーザープロジェクタ1からの入射光は、振れ角αのために開口角βに収まらず、入射したレーザ光を効率よく放射することができなくなってしまう。そのため、マクロレンズアレイ3の周辺部では輝度低下が発生することとなる。
本発明では、このようなレーザープロジェクタ1とマイクロレンズアレイ3を組み合わせた場合の輝度低下を抑えるため、図11に示すように両者の間にコンデンサーレンズ2などの光学系補正素子を利用することを特徴とするものである。このコンデンサーレンズ2は、入射する光を平行、あるいは略平行に整える機能を有するものであり、1乃至複数のレンズで構成されている。本実施形態においては、マイクロレンズアレイ3の周囲に位置するマイクロレンズ31の開口角β内に収まるようにレーザー光を補正する。このように、コンデンサーレンズ2にてマイクロレンズアレイ3に入射するレーザー光を補正することで、マイクロレンズアレイ3の放射面において輝度の高い像を生成することが可能となる。
以上、説明したように、本発明の画像形成装置は、レーザープロジェクタ1、光学系補正素子としてのコンデンサーレンズ2、マイクロレンズアレイ3(MLA)、光学系拡大素子としての拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4を備え、形成する映像の高輝度化、並びに、低電力化の実現を図るものである。
では、次に、図12〜図14を用いて、レーザープロジェクタ1がマイクロレンズアレイ3の入射面に形成する画素と、マイクロレンズ31の配置関係について説明する。図12は、マイクロレンズアレイ3入射面上での画素形成の様子を示した図であり、図13、図14は、他の実施形態の画素形成の様子を示した図となっている。
図12に示すように、レーザープロジェクタ1は、レーザー光源を変調、偏向することで複数画素の配列で形成された映像をマイクロレンズアレイ3上に投影する。図のマイクロレンズアレイ3上には、水平方向、及び、垂直方向への走査に従って形成される画素が示されている。下の図はマイクロレンズアレイ3の一部を拡大した図であり、マイクロレンズ31と画素の配置関係が示されている。説明のため破線で囲まれた、2つのマイクロ
レンズA、Bを例にとって説明する。また、画素についても図のように1から10の番号を割り当てて説明を行う。この配置関係では、マイクロレンズAには画素1のみが入射している。すなわち、マイクロレンズAには1つの画素のみが入射することとなるため、マイクロレンズAでは隣り合う画素との混色の心配はない。
一方、この配置においてマイクロレンズBには、画素4、5、9、10の4つの画素の部分が入射され、マイクロレンズBでは隣接する画素間での混色が発生する。隣接する画素間での混色は、画素混合状態となり映像の解像度低下の原因となる。しかしながら、縁部32にかかる画素の部分は、縁部32の表面で反射、散乱を起こすため、視認方向に有効に光を伝達することができず輝度効率低下の原因となる。
図13は、隣接する画素間での混色に対処した実施形態を示した図であり、4つのマイクロレンズ31毎に1つの画素が入射する配置となっている。この配置によれば、各マイクロレンズ31には複数の画素が入射することなく、隣接画素での混色を防ぐことができる。
図14では、1つのマイクロレンズ31に1つの画素が入射する配置となっている。更に本配置では、マイクロレンズ31内に画素が収まるような配置となっている。このような配置によれば、隣接画素での混色を防ぐことができる。また、マイクロレンズ31内に画素が収まっているため、縁部32での反射、散乱による損失を抑え、より効率的に入射光を放射面に伝達することが可能となる。
以上、レーザープロジェクタ1がマイクロレンズアレイ3の入射面に形成する画素と、マイクロレンズ31の配置関係を考慮することで、高輝度化を実現することが可能となる。
さらに本発明の各種実施形態に加えて、周囲光の強度によりレーザー光源12の強度を補正することとしてもよい。このような補正は、図1にて説明したレーザープロジェクタ1の制御部11に、周囲光を検出するセンサーからの信号を入力することで実現できる。周囲光強度が強い場合にはレーザー光源12の強度を上げ、周囲光強度が弱い場合には強度を下げることで周囲光に適した強度の映像を投影することで、視認性が高い映像を提供することが可能となると共に、小電力化を実現することができる。また、周囲光の強度のみならず、周囲光の色調を検出することで、レーザー光の色調を変化させて視認性の高い映像を提供することとしてもよい。例えば、夕方、あるいは、トンネル内など赤みの強い周囲光の場合には、緑、または、青のレーザー光源12の強度を上げることで映像の視認性を高めることができる。
では、本実施形態の画像形成装置をヘッドアップディスプレイ装置として車室内に実装する場合について図15〜図17を用いて説明する。図15は、図7で説明した画像形成装置をヘッドアップディスプレイ装置として車室内に実装した場合の不都合を説明するための図であり、図16はそれを解決するための実施形態の模式図、図17はその実装の様子を示した図となっている。ヘッドアップディスプレイ装置では、狭い室内において、フロントウィンドウまでの光路長を長く取るため各種の手法が採用される。特許文献2もみられるように、発光表示源をルーフパネルの車室内側に設置して視認者の視界内に光路を配置することで光路長を稼ぐこともしばしば行われる。本発明の実施形態に係る画像形成装置をこのように車室内に配置した場合には、図15に示すように、コンデンサーレンズ2、マイクロレンズアレイ3などの構成が視認者(操縦者)の視界を妨げる位置となってしまい、視界上の不都合を生じてしまう。また、図のような配置においては表示像自体の妨げにもなってしまう。
このような配置上の不都合を解消するため、本実施形態はマイクロレンズアレイ3の後段に、光学系伝達素子としての投影レンズ6を配設することとしている。なお、投影レンズ6は、1つのレンズにて構成しても、あるいは、複数のレンズ群にて構成することとしてもよい。図16に示すように、マイクロレンズアレイ3の後段に配置される投影レンズ6は、その背後に、実像、あるいは、虚像としての投影像を生成する。拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4は、この投影像上に焦点を置き、投影像を拡大することで視認者に拡大された映像を提供する。この構成によれば、図7における拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4からマイクロレンズアレイ3までの距離aを、図16における拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4から投影レンズ6までの距離bに拡大することが可能となる。この拡大された距離bの光路が視認者の視界を通過するよう各構成を配置することで、視認者の視界を妨げることなく画像形成装置を設置することができる。また、距離bは、拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4の焦点距離のみならず、投影レンズ6の選択でも調整できるため画像形成装置のレイアウトの自由度を高めることができる。
図17は、図16で説明した画像形成装置を車室内に実装した場合の図を示したものである。レーザープロジェクタ1と、コンデンサーレンズ2と、マイクロレンズアレイ3と、投影レンズ6は車内天井付近に取り付けられる。特に、その取り付け位置を車内前方付近とすることで、通常、物を載置することのないフロントウィンドウに近接して光路を確保することができ、画像形成装置の光路も妨げられることがない。また設置の際、これらの構成を適宜単位にてまとめ、かつ、まとめた構成間での光路を予め調整した上でユニット化しておけば、各構成間での光路調整が不要となり取り付けが簡単となる。
一方、拡大レンズ(この場合、凹面鏡)4は、各種計器などを収納するインストルメントパネル上に配設、あるいは、画像形成装置の光路を妨げないよう窓が設けられたインストルメントパネル内に配設される。このように投影レンズ6を利用することで、拡大レンズ(もしくは凹面鏡4)までの距離を延長した本実施形態によれば、視認者の視界を妨げることなく車室内に実装することが可能となる。また、投影レンズ6の選択により、拡大レンズ(もしくは凹面鏡)4までの距離を調整することも可能となり、実装の際の自由度も向上する。
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
本発明の実施形態に係るレーザープロジェクタの構成を示した図。 本発明の実施形態に係る画像形成装置を示した図。 本発明の実施形態に係るマイクロレンズアレイの構成を示した図。 本発明の実施形態に係るマイクロレンズアレイの拡大写真。 本発明の他の実施形態に係るマイクロレンズアレイの構成を示した図。 スクリーンを使用した場合の画像形成装置を示した図。 本発明の実施形態に係る画像形成装置を示した図。 スクリーン放射面での光の指向特性を示した図。 マイクロレンズ放射面での光の指向特性を示した図。 マイクロレンズへのビーム入射角を示した図。 マイクロレンズへのビーム入射角を示した図。 本発明の実施形態に係るマイクロレンズアレイ上での画素形成の様子を示した図。 本発明の他の実施形態に係るマイクロレンズアレイ上での画素形成の様子を示した図。 本発明の他の実施形態に係るマイクロレンズアレイ上での画素形成の様子を示した図。 画像形成装置の車室内への実装における不都合を説明する図。 本発明の他の実施形態に係る画像形成装置を示した図。 本発明の他の実施形態に係る画像形成装置の車室内への実装を示した図。 従来のヘッドアップディスプレイ装置を示した図。 ヘッドアップディスプレイ装置による車室内での画像表示の様子を示した図。
符号の説明
1…レーザープロジェクタ、11…制御部、12…レーザー光源、13…ダイクロイックミラー群、14…水平走査ミラー、15…垂直走査ミラー、2…コンデンサーレンズ、3…マイクロレンズアレイ(MLA)、31…マイクロレンズ、32…縁部、4…拡大レンズ(もしくは凹面鏡)、5…スクリーン、6…投影レンズ、7…投影面

Claims (6)

  1. レーザー光を光源とし、複数画素の配列で形成される映像を投影するレーザープロジェクタと、
    複数のマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイと、
    前記レーザープロジェクタと前記マイクロレンズアレイの光路間に配設され、各マイクロレンズに入射するレーザー光の入射角が、当該マイクロレンズの開口角に収まるように補正して投影する光学系補正素子と、
    前記マイクロレンズアレイの放射面に形成される映像を拡大する光学系拡大素子とを備える
    画像形成装置。
  2. 各マイクロレンズには、複数の画素が入射しないように前記マイクロレンズアレイが配置される
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 1つのマイクロレンズには、1つの画素が入射するように前記マイクロレンズアレイが配置される
    請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記マイクロレンズアレイ上に投影された映像を、実像あるいは虚像の投影像として伝達する光学系伝達素子を備え、
    前記光学系拡大素子は、光学系伝達素子が伝達する投影像を拡大する
    請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  5. 検出した周囲光に応じて前記レーザープロジェクタのレーザー光出力を補正する
    請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の画像形成装置を備え、
    光学系拡大素子による映像を透過性反射板に投影する
    ヘッドアップディスプレイ装置。
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