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JP2010029164A - ハードキャンディ及びその製造方法 - Google Patents

ハードキャンディ及びその製造方法 Download PDF

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JP2010029164A
JP2010029164A JP2008197712A JP2008197712A JP2010029164A JP 2010029164 A JP2010029164 A JP 2010029164A JP 2008197712 A JP2008197712 A JP 2008197712A JP 2008197712 A JP2008197712 A JP 2008197712A JP 2010029164 A JP2010029164 A JP 2010029164A
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Taichi Kimura
太地 木村
Shinichi Hamazaki
真一 濱崎
Kisai Sato
喜哉 佐藤
Kenji Ushio
健次 潮
Takeki Matsui
雄毅 松居
Yasumasa Yamada
泰正 山田
Ichiro Yamada
一郎 山田
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Uha Mikakuto Co Ltd
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Abstract

【課題】食塩に代表されるミネラル塩の味わいを伴う全く新しい食感並びにおいしさを持ち合わせた新規なハードキャンディを提供すること。
【解決手段】センターがキャンディ全体の10〜30重量%含有するハードキャンディにおいて、前記センターが油脂加工品とミネラル塩とからなり、且つ、前記油脂加工品の30℃における固体脂含量(Solid Fat Content;以下SFCと略す)が60%以下であり、20℃におけるSFCが75%以上であり、前記油脂加工品に対し1〜2重量%のミネラル塩が分散している構造を有し、前記ミネラル塩の結晶粒子サイズが0.3〜1.5mmであることを特徴とするハードキャンディ。
【選択図】なし

Description

本発明は、センターにミネラル塩を有する油脂加工品を含有するハードキャンディ及びその製造方法に関する。
高度経済成長以降、日本人の食に対するニーズは多様化し、いわゆる砂糖及び水飴に香料を添加したような「ドロップ」といわれるハードキャンディからキャンディに何かを加えた味の創出や食感の創出は繰り返し行われている。
食塩を添加したキャンディとしては、森永製菓(株)「森永ミルクキャラメル(登録商標)」や春日井製菓(株)製「春日井塩飴(登録商標)」などが挙げられ、今なお市場で見られる商品群であるが、最近では売上の伸びは見られず今後の市場の伸びは期待できない。これらは食塩の味を楽しむものではなく食塩を添加することで甘さの増強や風味の向上を目的とした使用方法である。
一方最近では、食塩の味を楽しませる「塩スイーツ」と呼ばれる菓子食品が注目されてきている。例えば、ハードキャンディであれば味覚糖(株)製「CUCU塩キャラメルミルク(登録商標)」などが挙げられ、チョコレートにおいても塩チョコレートと呼ばれる商品も数々発売されている。
元来、食塩に代表されるミネラル塩は、人体の活動に必要なミネラルの供給源として生理学的に必要不可欠であると同時に、味質のひとつとして、古くから調味料として広く人類に使用されてきた。生理学的に重要なミネラル源として、食塩を食することにより熱中症を防止するという機能性キャンディも注目されてきている。
一方、味覚糖(株)製「チョコハイディ(登録商標)」に代表されるセンターチョコレート入りキャンディは、キャンディとチョコレートを組み合わせたキャンディとして知られている。しかし、一般にハードキャンディのセンターに使用されるチョコレートはノーテンパタイプの油脂を使用した口溶けのあまりよくないチョコレートが使用されてきた。これは、ハードキャンディの成型する温度帯ではテンパリングタイプのチョコレートをセンターに含有してもテンパリングがとれず、あまり意味はないと判断されてきたからである。
一般的に、チョコレートの口溶けにはSFCが重要であることが知られている。SFCをコントロールすることによって常温では半固体状態、冷凍庫では硬化する新規のチョコレートも開発されている(特許文献1)。またカカオバター代替品では、テンパリングチョコレートと同様の口溶けになるようにSFCは調整されている(特許文献2)。
一方、チョコレートのような油脂に水溶性である食塩が溶けないことは既知の事実である。しかし、油脂加工品に食塩を分散させ、塩味を新しく感じさせる食品は未だなく、またそのようなコンセプトも現在はない。
上記のように、多様化するニーズの中で、ハードキャンディの市場においても新たな味わいや食感が要望され、食塩に代表されるミネラル塩の味わいを楽しむ構造を有する新たなキャンディの出現が期待されている。
特許第3155428号公報 特開2001−114668号公報
本発明は、食塩に代表されるミネラル塩の味わいを伴う全く新しい食感並びにおいしさを持ち合わせた新規なハードキャンディおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、油脂の溶解特徴と油脂に溶融しないミネラル塩との組合せで新しいミネラル塩の味わいを創出できないかと考え、鋭意研究を重ねた結果、融点に特徴のある油脂を主成分とした油脂加工品にミネラル塩を分散させ、その油脂加工品をハードキャンディのセンターとして使用することで、ミネラル塩の味わいを楽しむことができるハードキャンディを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、
(1)センターがキャンディ全体の10〜30重量%含有するハードキャンディにおいて、前記センターが油脂加工品とミネラル塩とからなり、且つ、前記油脂加工品の30℃における固体脂含量(Solid Fat Content;以下SFCと略す)が60%以下であり、20℃におけるSFCが75%以上であり、前記油脂加工品に対し1〜2重量%のミネラル塩が分散している構造を有し、前記ミネラル塩の結晶粒子サイズが0.3〜1.5mmであることを特徴とするハードキャンディ、
(2)ハードキャンディにセンターを封入する工程において、センターの前記油脂加工品の温度帯を28〜40℃に調整して封入することを特徴とする前記(1)に記載のハードキャンディの製造方法
に関する。
本発明のハードキャンディは、口腔内で舐めている間に、センターに含有した油脂加工品の温度が上がり、部分的もしくは全体が溶けることにより、ミネラル塩の味わいがセンターと同時に口の中に広がるという全く新しいミネラル塩の味わいを創出することができる。
本発明のセンターにミネラル塩を有する油脂加工品を含有するハードキャンディは、油脂加工品に対し1〜2重量%でミネラル塩が分散している構造を有する。
本発明で使用できる油脂加工品は、食用油脂と糖質を主体とするチョコレート様の組成物をいう。前記油脂加工品の物性としては、30℃においてSFCが60%以下であり、20℃において75%以上である。30℃においてSFCが60%より高い場合、チョコレートの口解けが悪く、塩味を感じにくい。また20℃において75%未満であると、油脂加工品の粘性が非常に失われ、キャンディ部から漏れ出し、生産ロスの要因となる。
本発明において、前記SFCの測定は、IUPAC2.150(Solid Content Determination in Fats by NMR)に準じて行うことができる。
前記油脂加工品に用いる油脂としては、例えば、メラノNEW−SS5(不二製油製)、メラノNEW−SS7(不二製油製)またはカカオバター(カカオ脂)などが挙げられる。また、前記記載のSFCの特徴を有する範囲であれば、パーム油、大豆油、ヤシ油、オリーブオイル又はエステル交換や水素添加等で工業的に改変された代替油脂でもよいし、或いは動物性油脂のラード、獣乳由来のバターやその改変油脂などの油脂を添加することもできる。しかし、本発明の油脂加工品に使用できる油脂は、これらに限定されるわけではない。また前記油脂の含有量としては、油脂加工遺品中において10〜90重量%が好ましく、20〜70重量%がより好ましい。
前記油脂加工品に用いる糖質としては、ショ糖、ブドウ糖、麦芽糖、果糖、乳糖、キシリトール、トレハロース等の天然の糖質や、果糖ブドウ糖水飴、酵素処理水飴等酵素処理された糖質や、マルチトールやエリスリトール等の低カロリー糖質や、オリゴ糖、各種デンプン等が挙げられ、目的に応じて1種あるいは2種以上を組み合わせて使用すれば良い。
前記糖質の含有量としては、油脂加工品中において9〜85重量%が好ましく、20〜70重量%がより好ましい。
また、前記油脂加工品には、繊維質(例えば、セルロース、ペクチンやポリデキストロースのような多糖類)、タンパク質(例えば、カゼイン、ホエイ、ゼラチン、グルテン等ある程度精製されたもの、乳タンパク質、大豆タンパク質や卵タンパク質等混合物、或いは酵素処理して得られた各種ペプチド)、果実類、野菜類、豆類、根茎類、獣肉類、魚肉類、乳製品、各種発酵製品、ココアパウダー、コーヒーや各種お茶の乾燥パウダー、豆乳等の乾燥パウダー等の乾燥粉末品、果実ペースト、果汁濃縮エキス、野菜ペースト、コーヒーペースト、濃縮野菜汁、各種肉エキス、練乳等の乳由来製品、アスパルテームやスクラロース等の甘味料、グルタミン酸ナトリウム等の旨味調味料、ゲル化剤や安定剤、二酸化ケイ素やセルロース製剤、各種ビタミンやミネラル、ポリフェノール等の抗酸化剤等の健康機能性成分、朝鮮人参粉末やプロポリス等の混合物やエキス等を添加してもよい。
これらの各種原料を混合し練り上げることで、目的の物性を有した油脂加工品が得られる。各種原料の混合順序に特に制限はない。また、混合は手作業でもできるが、工業的には汎用されている混合装置の適用が可能である。混合装置には特に制限はないが、ミネラル塩を分散し易い混合装置、例えば、ミキサー、ニーダー、杵と臼からなる餅つき機、羽と臼からなる餅つき機、エクストルーダー、製麺機等から加工適性にあわせて選択すればよい。これら装置を組み合わせて使用することも可能である。
本発明のハードキャンディ中における前記油脂加工品の含有量は10〜30重量%が好ましい。
本発明で使用できるミネラル塩は、微量ミネラルを含む天然塩(海塩、岩塩)と塩化ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム、L―グルタミン酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、パントテント酸カルシウムの群から選ばれる一種以上を組み合わせたミネラル塩である。
前記ミネラル塩の結晶粒子のサイズは、0.3〜1.5mmであり、好ましくは0.4〜0.9mmである。すなわち、前記ミネラル塩としては、前記結晶粒子サイズが0.3〜1.5mmの範囲外のミネラル塩粒子の割合が5%未満であれば本発明の範囲である。
前記のように結晶粒子サイズが0.3mm未満の粒子の割合が増えると、舌の上で油脂加工品がなくなるのと同時にミネラル塩もなくなり、油脂加工品による味のマスキングが起こり、ミネラル塩の特徴は感じなく、また結晶粒子サイズが1.5mmを超える粒子の割合が増えると、生産上、一粒あたりに均一に分散させることが難しくなり、生産ロスの要因となる。
なお、本発明において、ミネラル塩の結晶粒子サイズは、ふるい分け法によって測定することができる。
前記ミネラル塩は、最終的にキャンディ全体中に0.1〜0.5重量%含有されていることが好ましい。
本発明では、前記油脂加工品とミネラル塩とを混合してセンターを作製する。具体的には、前記油脂加工品の各原料を混合して練り上げる際に、ミネラル塩を混合することで油脂加工品中にミネラル塩が分散した状態のセンターを作製することができる。
本発明で使用できるハードキャンディは、極一般的なハードキャンディを用いることができる。例えば、砂糖、水飴を主原料とするキャンディや、糖アルコールを主原料とするシュガーレスキャンディである。さらに副原料として果汁、種実、乳製品、澱粉、小麦粉、油脂、香料、酸味料、調味料等を任意に添加することができる。また油脂加工品と塩およびキャンディの味のマッチングから、より好ましくは、例えば乳製品などを使用したミルクキャンディが望ましい。
本発明のハードキャンディは、前記のようなセンター部を被覆するようにキャンディ部が存在し、前記センター部の表面をキャンディ部で完全に被覆しているのがよい。本発明のハードキャンディの外形としては、特に限定はない。しかし、センター部を安定的に大量に封入する形状としては、平丸、球状もしくは俵型などの形状が好ましい。
本発明では、ハードキャンディにセンターを封入する手法が好適に使用でき、ハードキャンディにセンターを封入する工程において、センターの前記油脂加工品の温度帯を28〜40℃に調整して封入を用うことで、前記キャンディセンター部に前記ミネラル塩を含有する油脂加工品を安定的に製造することができる。前記油脂加工品の温度帯が40℃より高いと流動性が高すぎて、キャンディから漏れることになり、28℃より低いとポンプ内で固まることとなり、生産ロスが生じる。前記油脂加工品の温度帯は、好ましくは30〜35℃である。
また、前記封入工程では、前記キャンディ部の表面の温度帯を45〜75℃に調整することが好ましい。油脂加工品の温度帯でキャンディ部の温度帯が75℃より高いと切断面が閉じず、センターが漏れ出す。また45℃より低いと切断面が割れる。
前記封入工程における各部の温度帯の調整手法、封入装置などは公知のキャンディをはじめとする封入によって製造する菓子に使用される公知の手法、装置を適宜選択すればよい。
また、センター部を安定的に封入するには、チェーンスタンプを用いる方が好ましい。特にセンター部を30重量%まで封入する際には、チェーンスタンプを用いることがより好ましい。
本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はかかる実施例にのみ限定されるものではない。なお、「部」は重量部を示す。
実施例1〜4および比較例1〜6
次の手順で各キャンディ部を作製したが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
A. 砂糖600部、水飴400部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、濃縮物100部に対しレモンフレーバー0.5部と酸味料1部を添加し、水分値2.5重量%のレモンキャンディ部を得た。
B. 砂糖450部、水飴400部、粉乳100部、生クリーム50部を上記同様に濃縮し、濃縮物100部に各ミルクフレーバーを少量添加し、水分値3.8重量%のミルクキャンディ部を得た。
C. 糖アルコール、マルチトール700部、パラチニット350部を上記手順と同じく、濃縮し、濃縮物100部に香料、酸味料を添加し、水分値1.5重量%のシュガーレスキャンディ部を得た。
またセンター部は、油脂加工品100部にミネラル塩2部を混合させたものを用いた。
センター部である油脂加工品の種類は、表1と2に記載されているものを用いた。また使用したミネラル塩の結晶粒子サイズについても表1と2に記載している。
なお、キャンディ部とセンター部とは、バッチローラー、ポンプとチェーンスタンプを用いて組み合わせた。得られたハードキャンディでセンター部の表面はキャンディ部で完全に被覆されていた。またハードキャンディの外形は、平丸型もしくは俵型であった。
(塩味およびおいしさの官能評価)
実施例1〜3、比較例1〜3のキャンディを20〜40代までの男女計40名に各3個ずつ舐めてもらい、塩味の出方とキャンディ部とのバランスについて調査を行った。
その結果、表1の実施例2及び比較例1〜3に示されるようにキャンディ部をミルクに固定した時、30℃におけるSFCが60%以下である油脂加工品と結晶粒子サイズが0.3〜1.5mmのミネラル塩からなるセンター部との組み合わせ(実施例2)において、最も高い評価を得た。また比較例1では油脂加工品にミネラル塩が分散されている場合は、バランスが取れたキャンディとして評価されたが、粒子サイズが大きすぎるため油脂加工品にミネラル塩が含まれていないものが存在した。今回の場合、3個に1個がそれにあたる。また比較例3に見られるように、SFCが60%より高い場合、油脂加工品の口溶けは悪くなり、良好に食すことができない。
次に、センター部固定でキャンディ部をミルク、レモン、ノンシュガーと変えたものを検討した結果、表1に示されるように、特にミルクキャンディに対してマッチングが良いという評価を得られた。
Figure 2010029164
続いて、表2に示されるように生産上の問題点を評価した。表1で最も良い評価を得た実施例2のうち、25℃におけるSFCが75%未満になるように変えた比較例4において、粘性が非常に失われ、ミルク部から漏れ出すという結果となり、生産ロスが生じた。
Figure 2010029164
表1、2における記号は以下の内容を示している。
「−」は実施例および比較例に用いられていることを示している。
「◎」塩味を感じ、おいしさのバランスが最も高い。
「○」塩味を感じ、おいしさのバランスがある程度良い。
「△」一粒当たりの塩味のロット差が激しい。
「×」塩味を感じない、もしくはおいしさのバランスが悪い。
また、実施例2の原材料を表3における実施例4の工場条件で行った時、最も生産ロスが少なく、比較例5、6の場合ではセンターが漏れるもしくはセンター含有量が10%以下になり、生産ロスが出た。
Figure 2010029164

Claims (2)

  1. センターがキャンディ全体の10〜30重量%含有するハードキャンディにおいて、前記センターが油脂加工品とミネラル塩とからなり、且つ、前記油脂加工品の30℃における固体脂含量(Solid Fat Content;以下SFCと略す)が60%以下であり、20℃におけるSFCが75%以上であり、前記油脂加工品に対し1〜2重量%のミネラル塩が分散している構造を有し、前記ミネラル塩の結晶粒子サイズが0.3〜1.5mmであることを特徴とするハードキャンディ。
  2. ハードキャンディにセンターを封入する工程において、センターの前記油脂加工品の温度帯を28〜40℃に調整して封入することを特徴とする請求項1に記載のハードキャンディの製造方法。
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