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JP2010063571A - ミシン - Google Patents

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JP2010063571A
JP2010063571A JP2008231701A JP2008231701A JP2010063571A JP 2010063571 A JP2010063571 A JP 2010063571A JP 2008231701 A JP2008231701 A JP 2008231701A JP 2008231701 A JP2008231701 A JP 2008231701A JP 2010063571 A JP2010063571 A JP 2010063571A
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Takeshi Hanada
剛 花田
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Abstract

【課題】縫い糸を適切な長さに切断すること。
【解決手段】ミシンは、糸捕捉部を有する第1糸捕捉部材110と、針板の下方で針孔に接近して設けられた固定刃150と、縫い糸を捕捉する糸捕捉部を有する第2糸捕捉部材120と、第1糸捕捉部材の捕捉動作の後、第2糸捕捉部材を駆動させる動作装置と、糸切り信号に基づいて布送り用モータを駆動させて、送り調節機構が所定の逆送り設定量になるように制御すると共に、動作装置の駆動を制御する制御手段とを有し、制御手段が、第1糸捕捉部材及び第2糸捕捉部材を前進位置まで駆動させた後、ミシンモータにより水平釜を回転させて第1糸捕捉部材及び第2糸捕捉部材で縫い糸を捕捉する際に、送り調節機構の逆送り設定により、ボビンに対する送り歯301の相対位置を変化させて、縫い糸に所定量の弛みを与える。
【選択図】図3

Description

本発明は、糸捕捉体で捕捉した糸を固定刃に案内して切断する糸切り装置を備えるミシンに関する。
従来、水平釜に対して縫いの終了時に上糸や下糸等の縫い糸を切断するミシンの糸切り装置(例えば、特許文献1参照)には、ミシンベッド内に設けられ、ミシンモータによって駆動される下軸から動力を得て進退移動を行う糸捕捉体610が設けられている(図25(a)参照)。そして、この糸捕捉体610の進退移動における後退移動の際に、当該糸捕捉体610の先端に設けられた二股の糸捕捉部で下糸Tを捕捉した後、固定刃に案内することで下糸Tが切断されるようになっている。
特許第3106472号公報
図26は、従来の縫い糸Tの切断方法を示すものであり、単一の移動する糸捕捉体610と固定刃を用いて縫い糸Tを切断する場合を示した図である。この場合、次回縫製時に縫い糸Tを確実に絡ませるために、所定量のミシン側の縫い糸残り量を確保しようとすると、それに伴い布側の縫い糸残り量も長くなる。このため、布側の縫い糸残り量を短くするためには、手作業で縫い糸を切断する必要がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、自動的に、縫い糸を適切な長さで、且つ確実に切断することができるミシンを提供することを目的とする。
本発明は、
ミシン上軸に連動して上下動し、下端に縫い針(3)が装着された針棒と、
ミシンベッド(11)上面に設けられ、前記縫い針が貫通する針孔(9)が形成された針板(8)と、
前記針板の下方で回転し、前記縫い針と協働して縫い目を形成する水平釜(21)と、
前記水平釜内に収容され、下糸(T2)が巻回されたボビン(24)と、
ミシンベッド上面から出没して送り動作をする送り歯(301)を有し、この送り歯に送り動作をさせることでミシンベッド上面に載置された布を送る布送り機構(300)と、
前記布送り機構による布の送り方向及び送り量を調節する送り調節機構(400)と、
前記送り調節機構の駆動源となる布送り用モータ(403)と、
前記針棒、前記水平釜及び前記布送り機構の駆動源となるミシンモータ(5)と、
縫製に用いる縫い糸を切断する糸切り装置(100)と、を備え、
前記ミシンモータの駆動により、前記布送り機構により前記送り歯で布を送りつつ、前記針棒を上下動させて布に縫製を行い、縫製終了後に前記糸切り装置により前記針板の下方で、前記水平釜と前記針孔との間に渡る上糸又は下糸の少なくとも一方の縫い糸を切断するミシン(1)において、
前記糸切り装置は、
一端側に支持部を、他端側に糸捕捉部(111)を有すると共に、待機位置と、前記水平釜と前記針孔との間に渡る前記縫い糸に向けて前進する前進位置との間を移動する第1糸捕捉部材(110)と、
前記針板の下方で前記針孔に接近して設けられた固定刃(150)と、
前記縫い糸を捕捉する糸捕捉部(121)を有し、前記針孔と前記第1糸捕捉部材との間に架け渡された縫い糸を捕捉して、前記固定刃と協働して前記縫い糸を切断する第2糸捕捉部材(120)と、
前記第1糸捕捉部材の捕捉動作の後、前記第2糸捕捉部材を駆動させる動作装置(200)と、
糸切り信号に基づいて前記布送り用モータを駆動させて、前記送り調節機構が所定の逆送り設定量になるように制御すると共に、前記動作装置の駆動を制御する制御手段(50)と、を有し、
前記制御手段が、前記第1糸捕捉部材及び前記第2糸捕捉部材を前進位置まで駆動させた後、前記ミシンモータにより前記水平釜を回転させて前記第1糸捕捉部材及び前記第2糸捕捉部材で縫い糸を捕捉する際に、前記送り調節機構の逆送り設定により、前記ボビンに対する前記送り歯の相対位置を変化させて、縫い糸に所定量の弛みを与えることを特徴とする。
本発明によれば、糸切り装置は、制御手段による動作装置の駆動制御により、第1糸捕捉部材で縫い糸を捕捉した後、さらに、この第1糸捕捉部材の糸捕捉部と針板の針孔との間に掛け渡された縫い糸が第2糸捕捉部材の糸捕捉部によって捕捉されて固定刃に案内されることで縫い糸が切断される。つまり、第1糸捕捉部材のみを備え、この第1糸捕捉部材と固定刃とで縫い糸を切断する従来のミシンの糸切り装置に比べて、縫い糸のより針孔に近い部分を切断することができる。
従って、縫い糸を適切な長さに切断して当該切断後に布側に残る縫い糸の残端長さを短縮することができるとともに、ミシン側に残る縫い糸の残端長さは、縫い糸が第1糸捕捉部材で折り返されるため、従来よりも長く確保することができる。これにより、布側に残る縫い糸の残端処理に要する手間や時間を低減することができ、且つ、次回縫製時に縫い糸を効率良く絡ませることができるため、作業の効率化が図られる。
また、制御手段による動作装置の駆動制御により、第1糸捕捉部材及び第2糸捕捉部材を前進位置まで駆動させた後、ミシンモータにより水平釜を回転させることで第1糸捕捉部材及び第2糸捕捉部材で縫い糸を捕捉することができる。この際、制御手段は、送り調節機構の逆送り設定により、ボビンに対する送り歯の相対位置を変化させて、縫い糸に所定量の弛みを与える。
すなわち、各糸捕捉部材で縫い糸を捕捉する際には、送り調節機構の逆送り設定とすることで、送り歯はボビンから遠ざかることにより縫い糸が引っ張られて十分に引き出され、その後の送り歯のボビンへの接近により縫い糸が弛んだ状態となる。従って、すでに第1糸捕捉部材によって縫い糸が張った状態となっていても、第2糸捕捉部材が捕捉する際には、縫い糸は弛んだ状態となっているので、第2糸捕捉部材による縫い糸の捕捉をより確実なものとすることができる。
(ミシンの全体構成)
以下、図面を参照して本発明のミシンの最良の形態について詳細に説明する。また、本実施形態においては、各図中に示したXYZ軸を基準にしてミシン1(図1参照)の各部の方向を定めるものとする。ミシン1を水平面に設置した状態において、Z軸方向は鉛直方向となる上下方向を示し、Y軸方向はアーム部13の長手方向と一致する左右方向を示し、X軸方向は水平且つY軸方向に直交する前後方向を示す。
図1に示すように、ミシン1は、所定の布送り方向に沿う正逆方向について任意の送りピッチで布送りを行いつつ、布送り方向に直交する方向に針振りを行い、一針ごとに布に対して任意の位置に針落ちを行うことで任意の模様縫いを行う家庭用ミシンである。
ミシン1は、ミシンフレーム10と、ミシンフレーム10内に設けられ、縫い針3を上下に駆動する図示しない針駆動機構と、この針駆動機構と協働して縫い目を形成する釜機構20(図3参照)と、ミシンフレーム10内に設けられ、縫い糸を切断する糸切り装置100(図2及び図3参照)と、送り歯により布を送る布送り機構300(図9参照)と、布送り機構300による布の送り方向及び送り量を調節する送り調節機構400(図9参照)と、縫製にあたって必要な各駆動部の動作を制御する制御手段としての制御部50(図11参照)と、を備えている。
(ミシンフレーム)
図1に示すように、ミシンフレーム10は、布が載置されるベッド部11と、このベッド部11の上面に立設された縦胴部12と、この縦胴部12に連続するとともにベッド部11の上面に沿って延びるように形成されたアーム部13と、を備えている。ミシンフレーム10は、作業者側から見た際に略コ字状に形成されている。
ベッド部11内には、図示しないプーリ及びベルトを介して上軸と連結された下軸2(図2,5参照)がベッド部11の長手方向(Y軸方向)に沿って回転自在に設けられている。また、ベッド部11には、縫い針3が針落ちを行う針孔9を有する針板8(図1,3参照)がベッド部11の上面に沿って設けられている。
アーム部13内には、その長手方向であるY軸方向に沿って上軸(図示略)が回転自在に設けられている。上軸にはミシン動作の主たる駆動源となるミシンモータ5(図5参照)が連結されている。アーム部13には、糸切り装置100による糸切り動作の開始及び停止を入力する糸切り開始スイッチ30、ミシンの起動・停止の入力を行う起動停止スイッチ16等が設けられている。
ミシンモータ5の駆動により上軸が回転すると、プーリ及びベルトを介して下軸2が回転する。本実施形態では、上軸に対して下軸2が一対一の関係となる回転数(回転速度)で回転し、上軸の回転角度と下軸の回転角度とが互いに一致する。従って、上軸の所定の回転角度を検出することで、対応する下軸の回転角度を検出することができる。
(針駆動機構)
針駆動機構は、アーム部13の先端の内部において上軸の先端に固定された回転錘(図示略)と、回転錘の偏心部に回転自在に連結されたクランクロッド(図示略)と、クランクロッドの下端に連結された針棒と、針棒の下端に支持された縫い針3とを備えている。ミシンモータ5の駆動により上軸が回転すると、回転錘及びクランクロッドを介して針棒が上下動し、縫い針3が上下動を行う。
(釜機構)
図3に示すように、釜機構20は、ベッド部11の先端側の内部であって、針駆動機構による縫い針3の針落ち位置の下方に配置されている。釜機構20は、Z軸方向に沿って垂直に設けられた釜軸(図示略)を中心に回転する水平釜21を備えている。この水平釜21は、図示しない釜軸ギヤ(図示略)を介して下軸2から動力を得て回転する外釜22と、外釜22の内側に配設された回転しない内釜23とを備えている。外釜22は、上軸及び下軸2の二倍の回転速度、すなわち二倍の回転数で回転し、縫い針3が上昇する際にベッド部11内に形成される上糸のループを外周に設けられた剣先25で捕捉する。内釜23の内部には、下糸が巻かれたボビン24が交換且つ回転自在に装着されている。水平釜21の上部は解放されており、ボビン24から繰り出される下糸が当該下糸の下糸経路に沿って供給され、縫い針3に通された上糸と交絡されることで縫い目が形成される。
(糸切り装置:全体構成)
図2に示すように、糸切り装置100は、水平釜21と針孔9との間に渡る上糸又は下糸の少なくとも何れか一方の縫い糸を切断するものである。糸切り装置100は、糸捕捉部111が形成され、針板8の下方で進退移動して縫い糸を捕捉する第1糸捕捉部材たる第1糸捕捉体110を備えている。
糸切り装置100は、糸捕捉部121が形成され、第1糸捕捉体110により捕捉されることで針孔9と糸捕捉部111との間に掛け渡された縫い糸を捕捉して固定刃150に案内し切断する第2糸捕捉部材たる第2糸捕捉体120を備えている。
糸切り装置100は、第1糸捕捉体110による捕捉動作の後に第2糸捕捉体120による捕捉動作と切断動作とを行わせる動作装置200を備えている。
糸切り装置100は、第1糸捕捉体110が縫い糸Tを捕捉した状態で針板8の下方から退避する際に、第1糸捕捉体110の糸捕捉部111をその退避経路よりも第2糸捕捉体120に近づく位置に案内する案内機構250を備えている。
(糸切り装置:第1糸捕捉体)
第1糸捕捉体110は、図2及び図4(a)に示すように、先端が進退移動の後方側C2に向けて曲成された返し部すなわちフック状の糸捕捉部111を有する。第1糸捕捉体110は、動作装置200の第1リンク機構130によりガイド溝252に沿って下軸2の長手方向(Y軸方向)に沿って進退移動(往復直線動作)を行うことで、縫い糸Tを捕捉する。なお、本実施形態では、糸捕捉部111を二股に形成しているが(図2参照)、例えば、単一のフックであってもよい。
この第1糸捕捉体110の側方には、当該第1糸捕捉体110が初期状態すなわち最後退位置(後述する)に配置された状態で、先端の糸捕捉部111の側面に当接することで、切断後の縫い糸Tを保持するための図示しないクランプ部材(糸保持部材)が設けられている。第1糸捕捉体110の一端部(後端側)には、第1糸捕捉体110の延びる方向に対して略直交する方向に延びる二本のピン112が形成されている。この二本のピン112は、第1リンク機構130により支持される支持部となる。
(糸切り装置:第2糸捕捉体)
第2糸捕捉体120は、第1糸捕捉体110と同様、その先端に進退移動の後方側D2に向けて曲成された返し部であるフック状の糸捕捉部121を有する。第2糸捕捉体120は、縫い糸Tを捕捉した第1糸捕捉体110の糸捕捉部111と針孔9との間に掛け渡された縫い糸Tを捕捉する。この第2糸捕捉体120は、動作装置200の第2リンク機構140により第2ガイド溝251bに沿って往復直線動作を付与されて進退移動することで、先端の糸捕捉部121が、第1糸捕捉体110の糸捕捉部111と針孔9との間に掛け渡された縫い糸Tを平面視にて交差するように動作可能な針落ち近傍の位置に配置されている。
第2糸捕捉体120は、第1糸捕捉体110の糸捕捉部111と針孔9との間に掛け渡された縫い糸Tを捕捉可能な高さ(所定高さ)を通過する(図4(b)参照)。つまり、第2糸捕捉体120は、図4(b)に示すように、その前端が針板8に近い上部側ほど先が鋭くなっている。第2糸捕捉体120の前端は、第1糸捕捉体110の糸捕捉部111に捕捉された縫い糸Tと針板8との間を通過するように移動する。
また、第2糸捕捉体120は、先端の糸捕捉部121を含めて、長手方向の全体が下方に向けて平行に延出する二股状に形成されている(図3及び図4(c)参照)。この二股部の内側には、当該第2糸捕捉体120の前進移動方向に刃先を向けて固定刃150が設けられている(図4(b)及び図4(c)参照)。第2糸捕捉体120は、動作装置200により進退移動の動力を付与され固定刃150に沿って往復直線動作を行うことで、先端の糸捕捉部121で捕捉した縫い糸Tを固定刃150に案内して切断する。
(糸切り装置:動作装置)
動作装置200は、図2に示すように、第1糸捕捉体110による捕捉動作の駆動源となる糸捕捉用ステッピングモータ180を備えている。
動作装置200は、ミシンモータ5により回転する下軸2に設けられた糸切りカム160と、この糸切りカム160に並設され、糸捕捉用ステッピングモータ180により駆動する糸捕捉体駆動カム170と、を備えている。
動作装置200は、糸切りカム160と糸捕捉体駆動カム170の双方の原節に当接可能な従節たるカム当接部131を有し、糸切りカム160及び糸捕捉体駆動カム170から第1糸捕捉体110に進退移動の動力を伝達する第1リンク機構130を備えている。
動作装置200は、糸切りカム160と糸捕捉体駆動カム170の双方の原節に当接可能な従節たるカム当接部141を有し、糸切りカム160及び糸捕捉体駆動カム170から第2糸捕捉体120に進退移動の動力を伝達する第2リンク機構140を備えている。
糸捕捉用ステッピングモータ180は、図2及び図5に示すように、ベッド部11内における縦胴部12側(図5における右側)に位置し、出力軸がY軸方向に沿うように配置されている。この糸捕捉用ステッピングモータ180の出力軸には、ギヤ181、192を介して下軸2と平行に延在されたトルク伝達軸191の一端が連結されており、トルク伝達軸191の他端にはギヤ193が設けられている。そして、この糸捕捉用ステッピングモータ180が駆動されると、ギヤ181、192、トルク伝達軸191及びギヤ193からなる動力伝達機構190を介して後述する糸捕捉体駆動カム170に回動力が付与される。
なお、本実施形態では、第1糸捕捉体110及び第2糸捕捉体120が各々の前進方向であるC1方向,D1方向に移動する方向に後述する糸捕捉体駆動カム170を回動する方向を糸捕捉用ステッピングモータ180の正転方向とする。逆に、第1糸捕捉体110及び第2糸捕捉体120が各々の後退方向であるC2方向、D2方向に移動する方向に糸捕捉体駆動カム170を回動する方向を糸捕捉用ステッピングモータ180の逆転方向とする(図7参照)。また、糸捕捉体駆動カム170の軸回りの回動量に対応する糸捕捉用ステッピングモータ180の駆動量は、様々な進退移動量に対応するパルス数が予め試験的に求められ、制御部50のROM52に記憶されている。
糸切りカム160は、図2及び図5に示すように、下軸2に固定されて当該下軸2とともに回転可能な端面カムからなり、下軸2のスラスト方向すなわちY軸方向の両端面に原節を有している。このうち一方の端面であって上記第1糸捕捉体110の進退移動における後方側、すなわち当該糸切りカム160におけるベッド部11先端側の端部(図5における左端)が、従節たる第1リンク機構130のカム当接部131と係合する糸切りカム160の原節たる端面カム部161となっている。さらに、糸切りカム160におけるスラスト方向の他端であって、ベッド部11内における縦胴部12側の端部(図5における右端)が、従節たる第2リンク機構140のカム当接部141(後述する)と係合する糸切りカム160の原節たる端面カム部162となっている。
糸切りカム160は、各々の原節が、ミシンモータ5の駆動により、第2糸捕捉体120を最前進位置に配置したまま縫い糸Tを捕捉した第1糸捕捉体110を最後退位置に後退し、その後、第2糸捕捉体120を最後退位置に移動するように各々の原節に対する従節を案内する。
具体的に、上記各原節たる端面カム部161,162は、制御部50によりミシンモータ5が駆動することで回転する下軸2の回転量に応じて、各従節131,141を所定のタイミング及び所定の移動量で案内するように、回転方向の位相に応じて段階的に起伏した端面形状を有している(図8参照)。
糸捕捉体駆動カム170は、図2及び図5に示すように、軸方向がY軸方向に沿うように配設された円筒カムであり、下軸2に固定された糸切りカム160と同心で、該糸切りカム160を内部に擁するように配置されている。すなわち、糸捕捉体駆動カム170の内側には、下軸2に固定された糸切りカム160が下軸2ごと回転自在に挿通されている(図5及び図6参照)。
この糸捕捉体駆動カム170の外周部におけるスラスト方向の両端部近傍には、それぞれ当該糸捕捉体駆動カム170を回動自在に支持する支持部材178に当接することで糸捕捉体駆動カム170のスラスト方向の位置決めを行うギヤ171及びフランジ172が設けられている。このうち、ギヤ171は、糸捕捉用ステッピングモータ180から当該糸捕捉体駆動カム170に回動力を伝達するための従動ギヤとなっている。
糸捕捉体駆動カム170には、該糸捕捉体駆動カム170の周面部を内周から外周まで貫通する開口部173が設けられている。この開口部173は、図7に示すように、当該開口部173のうちギヤ171側(図7における下方側)の端面が、当該糸捕捉体駆動カム170の周方向の一端側であって糸捕捉用ステッピングモータ180による回動動作における逆転方向側(図7における右側)ほどギヤ171に近接するように拡開されており、X軸方向及びY軸方向に対して斜めに形成された傾斜部を有する円周カム部174となっている。
円周カム部174は、糸捕捉体駆動カム170がY軸周りに回動されることで、後述するばね134の付勢力により当該円周カム部174に当接されるカム当接部131をY軸方向に移動する。かかる円周カム174のうち、フランジ172側の一端すなわち糸捕捉用ステッピングモータ180による回動動作の正転方向側(図7における左側)には、糸捕捉体駆動カム170のスラスト方向と直交する周方向に沿って形成された待機部176が設けられている。待機部176は、後述する第1リンク機構130のカム当接部131が該待機部176に係合した際に、第1糸捕捉体110をその進退移動における最後退位置である待機位置(図16(b)参照)に配置する。すなわち、待機部176は、第1糸捕捉体110を後退させて、糸切りカム160の原節たる端面カム部161とその従節たる第1リンク機構130のカム当接部131とを非係合とする位置に当該カム当接部131を移動して保持する当接部位として機能する。つまり、カム当接部131を待機部176に保持して第1糸捕捉体110を待機位置(図16(b)参照)に配置した際には、下軸2及び糸切りカム160は回転を害されることなく自在に回転できるようになっている。
一方、端面カム部175もまた、上記円周カム部174と同様に、第2リンク機構140を介して第2糸捕捉体120を最後退位置に後退させることで、糸切りカム160の原節たる端面カム部162とその従節たるカム当接部141とを非係合とする位置にカム当接部141を移動させて保持する当接部位として機能する。つまり、カム当接部141を、スラスト方向と直交するように周方向に沿って形成された待機部177に保持して第2糸捕捉体120を待機位置(図16(b)参照)に配置した際には、カム当接部141と糸切りカム170とが当接することなく非係合となり(図16(a)参照)、下軸2及び糸切りカム160は回転を害されることなく自在に回転できるようになっている。
つまり、糸捕捉体駆動カム170は、その原節たる円周カム部174及び端面カム部175が第1糸捕捉体110及び第2糸捕捉体120を後退させて、糸切りカム160の原節が何れのカム当接部131,141とも非係合となる位置に当該各カム当接部131,141を移動及び保持する形状になっている。
そして、糸捕捉体駆動カム170は、原節である円周カム部174及び端面カム部175が、糸捕捉用ステッピングモータ180の正転により第1糸捕捉体110及び第2糸捕捉体120を共に最後退位置から最前進位置まで移動した後、糸捕捉用ステッピングモータ180の逆転により第2糸捕捉体120を最前進位置に配置したまま第1糸捕捉体110を後退途中の糸捕捉位置に配置するように各カム当接部131,141を案内する(図7参照)。
第1リンク機構130は、図2及び図3に示すように、ベッド部11内に固定された図示しない台座に一端が回動自在に支持されたリンク132と、このリンク132の他端部と回動自在に連結されたリンク133と、リンク132を一方の旋回方向に向けて常時付勢するばね134とを備えている。
リンク132の一端は、糸捕捉体駆動カム170の側方でZ軸方向を軸中心とする旋回軸138に支持されており、糸捕捉体駆動カム170の上方を通るようにして水平方向に延出された他端が旋回軸138を回動支点として水平旋回自在に設けられている。このリンク132の長手方向におけるほぼ中央部には、下方に向けて延出された棒状のカム当接部131が設けられている。カム当接部131は、その下端が糸捕捉体駆動カム170の開口部173内に挿通されており、該糸捕捉体駆動カム170の原節たる円周カム174と糸切りカム160の原節たる端面カム部161の双方に当接可能な本発明の従節として機能する。また、リンク132の他端には、上方に向けてピン137が突設されている。
リンク133は、その長手方向のほぼ中央部をZ軸方向に貫通し当該長手方向に沿って形成された長穴136を有し、該長穴136内に摺動自在に嵌合されたピン137を介してリンク132と回動自在に連結されている。このリンク133は、リンク132との連結部を挟んでリンク132の旋回軸138と逆側の一端が、ベッド部11内に固定された図示しない台座にZ軸方向に沿う旋回軸139を回動支点として回動自在に支持され、水平旋回自在に設けられている。また、リンク133の他端には、該リンク133を長手方向に沿ってZ軸方向に貫通する長穴135が設けられており、当該長穴135には第1糸捕捉体110の下部に設けられたピン112が摺動自在に嵌合されている。
ばね134は、リンク132を図3に示す矢印A1方向に回動するように常に付勢しており、該リンク132の下端に設けられたカム当接部131を円周カム部174及び端面カム部161側に向けて常時付勢することで、リンク133を介してリンク132と連結された第1糸捕捉体110を図3に示す右方向すなわち前進移動方向C1に向けて常時付勢している。
そして、第1リンク機構130は、ばね134の付勢力により、第1糸捕捉体110に常に前進移動方向C1(図3及び図5における右方向)に向かう移動力を伝達するとともに、糸切りカム160又は糸捕捉体駆動カム170が回動することでばね134の付勢力に抗してカム当接部131がベッド部11先端側(図3及び図5における左側)に移動された際には、第1糸捕捉体110に後退方向C2(同左側)に向かう移動力を伝達する。
第2リンク機構140は、図2及び図3に示すように、第1リンク機構130よりも針落ちに近接する位置で一端が水平旋回自在に軸支されたリンク142と、このリンク142の他端に連結されたリンク143と、リンク142を一方の旋回方向B1に向けて常時付勢するばね144とを備えている。
リンク142は、略L字状のリンク部材であり、その一端がZ軸方向に沿う旋回軸148を回動支点として水平旋回自在に支持されている。このリンク142の他端は、下軸2の上方まで水平に延出されて水平旋回自在に設けられている(図5参照)。かかるリンク142の他端には、上方に向けてピン147が突設されている。また、この他端には下方に向けて延出された棒状のカム当接部141が設けられている。カム当接部141は、その下端が下軸2の近傍まで延設されており、糸捕捉体駆動カム170の原節たる端面カム部175と糸切りカム160の原節たる端面カム部162の双方に当接可能な従節として機能する。
リンク143は、略L字状のリンク部材であって、当該L字の折曲部においてZ軸方向に沿う旋回軸149を回動支点として水平旋回自在に支持されている。このリンク143の短辺側の一端には、旋回軸149を中心とする半径方向に沿う長穴145がZ軸方向に貫通して設けられており、該長穴145内に摺動自在に挿通されたピン147を介してリンク142とリンク143とが回動自在に連結されている。また、リンク143の長辺側の他端には、旋回軸149を中心とする半径方向に沿う長穴146がZ軸方向に貫通して設けられており、該長穴146内には第2糸捕捉体120の下部に設けられたピン122が摺動自在に嵌合されている。
ばね144は、リンク142を図3に示す矢印B1方向に回動するように常に付勢することで、該リンク142の下端に設けられたカム当接部141を端面カム部175及び端面カム部162側に向けて常時付勢するとともに、リンク143を介してリンク142と連結された第2糸捕捉体120を図3に示す矢印D1方向すなわち前進移動方向に向けて常時付勢している。
そして、第2リンク機構140は、ばね144の付勢力により、第2糸捕捉体120に常に前進移動方向(図3に示す矢印D1方向)に向かう移動力を伝達するとともに、糸切りカム160又は糸捕捉体駆動カム170が回動することでばね144の付勢力に抗してカム当接部141が縦胴部12側(図3及び図5における右方向)に移動された際には、第2糸捕捉体120に後退方向(図3に示す矢印D2方向)に向かう移動力を伝達する。
(糸切り装置:案内機構)
図3に示すように、案内機構250は、第1糸捕捉体110とリンク133との間に挟み込まれるように配置され、ミシンフレーム10に固定されているベース板251と、ベース板251の表裏に貫通するように形成され、第1糸捕捉体110の進退移動方向に延びるガイド溝252と、を備えている。
ベース板251は、第1糸捕捉体110又は第2糸捕捉体120、及び、リンク133又はリンク143との間に挟み込まれるように設けられ、第1糸捕捉体110からリンク133に向けて延びる二つのピン112が上面からガイド溝252に摺動自在に挿通されている。これにより、リンク133の動作によって連動する第1糸捕捉体110は、二つのピン112がベース板251のガイド溝252に沿って移動することになる。
ガイド溝252の左端側が第1糸捕捉体110の待機位置となり、右端側が第1糸捕捉体110の前進位置となる。また、前進位置から待機位置に戻る間に縫い糸を捕捉する捕捉位置がある。
(布送り機構、送り調節機構)
図9,10に示すように、布送り機構300は、針板8から出没して布を下面に接触し、その歯で引っかけた布を正逆方向に送る送り歯301と、下軸2の駆動を送り歯301に伝達する送り伝達機構302と、を備えている。送り歯301は、送り歯301にはミシンモータ5により上軸と同期回転する下軸2の回転運動が伝達され、送り歯301の上下左右方向への円運動により布送りを行う。
図9に示すように、布送り機構300は、縫い針3の下方において、下軸2の一端部に設けられている。下軸2と送り歯301は、この送り伝達機構302を介して連結されている。
送り伝達機構302は、水平送りカム321、水平送りロッド322、水平送り連結桿323、水平送り腕324、水平送り軸325、送り台腕326、送り台327、上下送りリンク328等を備えている。
水平送りカム321は、下軸2に対して偏心した偏心カムを有している。この偏心カムは、ベアリングを介して回転自在に水平送りロッド322の上側端部に連結されている。水平送りロッド322の下側端部は、水平送り連結桿323の前後方向の中央部近傍に回転自在に連結されている。
水平送り連結桿323の後側端部は、水平送り腕324の下側端部に回転自在に連結されている。水平送り腕324の上側端部は水平送り軸325の右側端部に固定されている。水平送り軸325は、左右方向の軸心を中心に回転自在とされた状態でベッド部11に取り付けられている。水平送り軸325の左側端部は、送り台腕326の下側端部に固定されている。送り台腕326の上側端部は、送り台327の後側端部に回転自在に連結されている。
送り台327上には送り歯301が固定されている。送り台327の前側端部は、上下送りリンク328の上側端部に回転自在に連結されている。上下送りリンク328の下側端部は下軸2の左側端部に設けられた偏心カム328aを介して回転自在に連結されている。一方、水平送り連結桿323の前側端部には角駒401が連結されている。
送り調節機構400は、送り歯301の送り量を変更する角駒401と、角駒401を嵌め込まれる送り調節軸402とを備えている。この送り調節機構400は、送り量設定用の駆動源である布送り用ステッピングモータ403(布送り用モータ)等を備えている。
図9に示すように、角駒401は、送り調節軸402により左右方向に直交する方向に沿って往復揺動可能に支持されており、その揺動を行う方向を変更することによって送り歯301の移動軌跡を変更して送り量を変更するという機能を果たすものである。角駒401は、送り調節軸402の左右中間部に形成された溝402aに嵌め込まれている。この溝402aは、角駒401の揺動方向を決定するものである。角駒401は、この溝402aにおける所定の基準位置から一定範囲の揺動が可能とされており、送り調節蓋(図示略)によって、溝402aから抜けないように構成されている。
図10は、布送り用ステッピングモータ403の近傍部分を示したものであり、ベッド部11の上側を紙面上側に配置した状態を示している。送り調節軸402は、左右方向の軸心を中心にして回転自在にベッド部11に取り付けられている。送り調節軸402の右側端部には、第1送り調節リンク405の上側端部が固定されている。第1送り調節リンク405の下側端部は、第2送り調節リンク406の前側端部に回転自在に連結されている。第2送り調節リンク406の後側端部は、第3送り調節リンク407の上側端部に回転自在に連結されている。第3送り調節リンク407の下側端部は、布送り用ステッピングモータ403の出力軸408に固定されている。
なお、布送り用ステッピングモータ403には、布送り用ステッピングモータ403の回転を検知する原点センサ403a(図11参照)が設けられ、布送り位置の原点が検出されるようになっている。
図12に示すように、送り歯301は、送り伝達機構302の駆動により上下左右方向に揺動するため、長円を描くような運動を行う。このとき、布送り用ステッピングモータ403により、送り調節軸402を回転させることにより、溝402aの姿勢も変えることができる。そして、図9において、送り調節軸402をA方向に回転させ、溝402aを紙面左側に傾斜させることにより、図12に示すような正送りの軌跡を送り歯301が描くように送り伝達機構302が動作する。一方、送り調節軸402をB方向に回転させ、溝402aを紙面右側に傾斜させることにより、図12に示すような逆送りの軌跡を送り歯301が描くように送り伝達機構302が動作する。従って、送り調節軸402の回転方向により、送り伝達機構302の駆動軌跡を変化させ、送り歯301の正送り・逆送りを切り替えることができる。また、送り調節軸402の回転量(回転角度)により、送り伝達機構302の駆動軌跡も変化するので、送り調節軸402の回転方向が同じであっても、その回転量を変えることにより、送り歯301による布の送り量が変化する。
布送り用ステッピングモータ403の駆動は、制御部50により制御されており、あらかじめ記憶された縫製データに基づいて駆動を制御する。
(制御部)
次に、図11に基づき制御部50の構成について詳しく説明する。
図11は、ミシン1の電気的構成を示す制御ブロック図である。制御部50は、後述する各種の制御及び処理を行うための各種プログラムと各種の模様縫いを行うための縫製データその他各種設定データを記憶するROM52と、ROM52内の各種のプログラムを実行するCPU51と、各種のプログラムの実行に際して作業領域となるRAM53と、CPU51,ROM52及びRAM53とバスを介して接続された入力インターフェース54及び出力インターフェース55と、ミシンモータ5への電源供給により駆動を行うスイッチング駆動回路56と、針棒揺動用ステッピングモータ90への電源供給により駆動を行う駆動回路57と、布送り用ステッピングモータ403への電源供給により駆動を行う駆動回路58と、糸捕捉用ステッピングモータ180への電源供給により駆動を行う駆動回路59とを備えている。
入力インターフェース54は、起動停止スイッチ16、模様選択スイッチ17、速度設定ボリューム18、エンコーダ6及び主軸位置検出センサ7からの入力信号をCPU51に伝達し、出力インターフェース55は、駆動回路56、57、58、59及び選択模様表示器92に対してCPU51の指令に従い所定の制御を行う。
エンコーダ6は、ミシンモータ5の回転軸に取り付けた図示しない円盤と光学センサによって構成されている。円盤には円周に沿って等間隔にスリットが開けられており、光学センサは円盤を挟んで配置された光源と受光素子とを備えている。そして、図示しない上軸が1回転すると光源からの光の透過と遮断との繰り返しにより受光素子からパルス信号が発生する。このエンコーダ6では、上軸一回転につき光学センサが180パルスを発生するように設計されている。エンコーダ6が出力するパルス信号は、入力インターフェース54のパルスカウンタに入力される。
そして、制御部50は、起動停止スイッチ16、模様選択スイッチ17、速度設定ボリューム18、エンコーダ6及び主軸位置検出センサ7からの入力信号に応じて、CPU51がROM52に記憶された各種制御プログラムに基づき、RAM53を作業領域として演算処理を行い、その演算結果に応じた出力信号をミシンモータ5、針棒揺動用ステッピングモータ91、布送り用ステッピングモータ403等の各種アクチュエータに出力することで各アクチュエータを駆動して所定の縫いを行う制御処理を実行する。
さらに、本実施形態における制御部50は、糸捕捉用ステッピングモータ180を駆動することで第1糸捕捉体110を移動して縫い糸Tを捕捉した後、ミシンモータ5を駆動することで第2糸捕捉体120を移動して縫い糸Tを切断する。
具体的に、制御部50は、糸切り開始スイッチ30の押下が検出されると、切断制御手段として、CPU51が主軸位置検出センサ7の検出信号を読み込み、下軸2が所定の回転角度(例えば、針棒が下停止する際の下軸角度)に位置する際に糸捕捉用ステッピングモータ180を正転方向に駆動することにより、第1糸捕捉体110及び第2糸捕捉体120を共に最後退位置から最前進位置まで移動した後、糸捕捉用ステッピングモータ180を逆転方向に駆動して第2糸捕捉体120を最前進位置に配置したまま第1糸捕捉体110を後退途中の糸捕捉位置に配置する制御を実行する。なお、かかる制御は、糸捕捉体駆動カム170の周方向に渡って所定の位相に形成された円周カム部174及び端面カム部175の各カム形状(図7参照)に応じて、当該糸捕捉体駆動カム170を軸周りに所定量回動させるようにCPU51が糸捕捉用ステッピングモータ180を駆動することで行われる。
また、制御部50は、糸捕捉用ステッピングモータ180を逆転方向に駆動して第2糸捕捉体120を最前進位置に配置したまま第1糸捕捉体110を糸捕捉位置に配置する上記制御を実行した後、糸捕捉用ステッピングモータ180を停止するとともにミシンモータ5を駆動することで、第2糸捕捉体120を最前進位置に配置したまま縫い糸Tを捕捉した第1糸捕捉体110を最後退位置に後退し、その後、第2糸捕捉体120を最後退位置に移動する制御を実行する。
また、制御部50は、動作装置200により、第1糸捕捉体110及び第2糸捕捉体120を前進位置まで駆動させた後、ミシンモータ5により水平釜21を回転させて第1糸捕捉体110及び第2糸捕捉体120で縫い糸を捕捉するにあたり、送り歯301による送り動作方向を正送り方向から逆送り方向に逆転させるように、布送り用ステッピングモータ403を駆動させて送り調節軸402を回転させ、送り伝達機構302の動作軌跡を変化させる。
具体的には、図13(a)に示すように、第2糸捕捉体120で糸を捕捉する前においては、送り歯301は第1糸捕捉体110に接近した位置にあり、送り歯301の移動軌跡中、ボビン24側に近づいた位置にある。そして、水平釜21を回転させるために下軸2を回転させると、その駆動は送り伝達機構302に伝達される。このとき、通常布は正送り方向に送られるから、送り調節機構400も送り歯301に正送り方向の回転運動をさせるような機構にセットされている。すなわち、図9において、布送り用ステッピングモータ403の駆動により、送り調節軸402がA方向に回転した状態となっている。
そのため、第2糸捕捉体120で下糸T2を捕捉しようとする際にも、図13(b)に示すように、送り歯301はさらにボビン24側、第1糸捕捉体110に接近するように移動するので、ボビン24から糸は引き出されない。
その後も、送り歯301は、正送りの軌道を辿ることから上方に移動するだけである。
従って、送り歯301と第1糸捕捉体110との間に架け渡されている下糸T2は張力がかかった状態でまっすぐに伸びたままである。その結果、第2糸捕捉体120で下糸T2が捕捉しにくくなる。
これに対し、第2糸捕捉体120で縫い糸を捕捉するにあたり、布送り用ステッピングモータ403の駆動により、送り調節軸402がB方向に回転した状態とする。すると、送り歯301が逆送りの運動をするように送り伝達機構302の動作軌跡が定まる。送り伝達機構302の動作により、図14(a)の状態から送り歯301が逆送りをさせるような動作をすると、図14(b)に示すように、送り歯301は、ボビン24から遠ざかる方向に移動し、この移動によってボビンから下糸T2が引き出される。
その後、送り歯301は、逆送りの軌道を辿ることから斜め上前方に移動するため、送り歯301と第1糸捕捉体との間隔が縮まる。これにより、引き出した下糸T2に弛みが生じ、図14(c)に示すように、下糸T2は、下方に少し弛んだ状態となる。
その結果、第2糸捕捉部120は、下糸T2の捕捉が容易となり、下糸T2を的確に捕捉することができるようになる。
このような動作は、制御部50が、第2糸捕捉体120により糸を捕捉する動作を行う前に、布送り用ステッピングモータ403の駆動により送り調節軸402を回転させて送り伝達機能302の動作軌跡を変化させ、それに伴い、送り歯301の駆動を正送りから逆送りに切り換えることにより実現することができる。
(実施形態の動作説明)
次に、図15に示すフローチャートに基づきミシン1の動作説明を行う。
まず、縫製中は、図16(a)に示すように、第1リンク機構130のカム当接部131が糸捕捉体駆動カム170における円周カム部174の待機部176に配置されるとともに、第2リンク機構140のカム当接部141が糸捕捉体駆動カム170における端面カム部175の待機部177に配置された状態で保持されている。このため、各カム当接部131,141と糸切りカム160とが相互に干渉することはなく、下軸2及び糸切りカム160は自由に回転することができる。また、第1糸捕捉体110及び第2糸捕捉体120は、図16(b)に示すように、それぞれの進退移動方向における最後退位置すなわち待機位置に配置された状態で待機している。
次に、縫製が終了すると、ミシンモータ5が停止し、縫い針3が下停止の状態で上軸及び下軸2が停止する。このとき、糸切りカム160は、図17(a)に示すように、その端面カム部161の先端161aが下軸2の軸線を挟んでカム当接部131と逆側、すなわち、下方側に配置されて停止する。これにより、糸捕捉体駆動カム170が駆動された際に、第1糸捕捉体110及び第2糸捕捉体120をそれぞれ最前進位置まで移動するようにカム当接部131,141が移動できるスペースが確保されることとなる。また、図17(b)に示すように、この段階で第1糸捕捉体110及び第2糸捕捉体120は、それぞれが未だ待機位置に配置された状態で待機している。
次に、オペレータによって糸切りボタン30が押下され、CPU51により、糸切り動作の開始信号(糸切り信号)が検出されると、CPU51は、布送り用ステッピングモータ403を駆動させ、送り調節軸402を正送り位置から逆送り位置に向けて回転させる(ステップS1)。送り調節軸402の回転により、送り伝達機構302の動作軌跡が変化し、送り歯301も逆送りの動作をすることが可能となる。また、送り調節軸402の回転量は、送り歯301が逆送り方向に動作した場合に、縫い糸に弛みを与えることができるよう、予め設定された所定量回転させることが必要である。すなわち、送り調節軸402の回転により、送り歯301の動作方向を切り替えるだけでなく、縫い糸に弛みが生じる分だけ送り歯301の送り量が設定される。
次いで、CPU51は、駆動回路59を介して糸捕捉用ステッピングモータ180を正転方向に駆動し(ステップS2)、糸捕捉体駆動カム170を周方向(図17(a)に示す矢印G方向)に回転する処理を実行する。すると、ばね134の付勢力により、円周カム部174に当接されているカム当接部131が該円周カム部174に沿って図17(a)及び図17(b)中における右方向に移動され、リンク132が回動支点138を中心に第1糸捕捉体110を前進させる方向(矢印A1方向)に旋回する。これにより、第1糸捕捉体110が前進方向C1に移動される(ステップS3)。また、上記糸捕捉体駆動カム170の回転により、ばね144の付勢力によって端面カム部175に当接されているカム当接部141が該端面カム部175に沿って図17(a)及び図17(b)中における左方向に移動される。これにより、リンク142が回動支点148を中心に矢印B1方向に旋回され、第2糸捕捉体120が前進方向C1に移動する(ステップS3)。
そして、図18(a)に示すように、糸捕捉体駆動カム170が初期位置から矢印G方向に180°回動されるまで糸捕捉用ステッピングモータ180が駆動されると(ステップS4)、図18(b)に示すように、針板8の下方でボビン24と針孔9との間に掛け渡された下糸T2の当該下糸経路を糸捕捉部111が通過するように第1糸捕捉体110が最前進位置まで移動される。また、上記糸捕捉体駆動カム170の回動により、第2糸捕捉体120は、その先端の糸捕捉部121が水平釜21の上方であって第1糸捕捉体110に近接する針落ち近傍の最前進位置まで移動される(図18(b)参照)。
第1糸捕捉体110が最前進位置まで移動されると、CPU51は、駆動回路59を介して糸捕捉用ステッピングモータ180を低速で逆方向に回転(ステップS5)することで、糸捕捉体駆動カム170を逆方向に回転し、第1リンク機構130を介して第1糸捕捉体110を低速で後退させる処理を実行する(ステップS6)。これにより、第1糸捕捉体110が後退移動を行い、糸捕捉部111で下糸Tが捕捉される(ステップS7)と共に、ボビン24から下糸Tがゆっくりと引き出される。そして、図19(a)に示すように、糸捕捉体駆動カム170が初期位置から90°の位置まで逆回転され(ステップS8)、図19(b)に示すように第1糸捕捉体110が後退途中の上糸捕捉位置まで後退(前半)すると、CPU51は、駆動回路59を介して糸捕捉用ステッピングモータ180を停止する(ステップS9)と共に、駆動回路56を介してミシンモータ5を駆動する処理を実行する(ステップS10)。ここで、図19(b)に示すように、ステップS9で糸捕捉用ステッピングモータ180が停止された状態において、上糸捕捉位置に配置された第1糸捕捉体110と最前進位置に配置された第2糸捕捉体120とが互いの先端を付き合わせたような配置となり、糸捕捉部111と糸捕捉部121とが接近して並んで配置された状態となる。なお、この状態で糸捕捉部111には下糸T2のみが捕捉されており、糸捕捉部121には何れの縫い糸(T1,T2)も捕捉されていない。
ミシンモータ5が駆動されると、図20(a)及び図21(a)に示すように、下軸2及び糸切りカム160が回転し、該下軸2に連結された水平釜30(外釜22)が回転する(ステップS11)。
ここで、上述したように、水平釜30(外釜22)は下軸2の回転数に対して二倍の回転数で回転されるため、下軸2が半回転すなわち180°程回転すると、水平釜30(外釜22)はほぼ360°すなわち一回転することとなる。つまり、下軸2及び糸切りカム160が半回転する間に外釜22を通過した上糸が、図20(b)に示すように、各糸捕捉体110,120の糸捕捉部111,121に同時に捕捉される(ステップS12)。つまり、この時点で、糸捕捉部111には上糸T1及び下糸T2が捕捉され、糸捕捉部121には上糸T1が捕捉された状態となる。また、図20(a)に示すように、糸切りカム160の端面カム部161がカム当接部131に当接する位置まで回転すると、糸切りカム160の端面カム部161を原節として従節たるカム当接部131が、図21(a)に示すように、端面カム部161に沿って左方向に移動される。これに伴い、第1糸捕捉体110がさらに後退(後半)する。
ここで、上糸捕捉位置から最後退位置に向かう第1糸捕捉体110の後退移動により、糸捕捉部111で捕捉した上糸T1及び下糸T2のうち、糸捕捉部121と針孔9との間に架け渡された下糸T2の角度が図23に示すように変化する。すなわち、第1糸捕捉体110の後退移動(後半)により、糸捕捉部111と針孔9との間に架け渡された下糸T2が、針孔9を中心として、平面視にてY軸方向と平行に近くなるように変化する。
さらに、ミシンモータ5の駆動により、送り歯301は、ステップS1で切り替えられたとおり、逆送りの動作を行う。送り歯301の動作が逆送りになると、送り歯301は、まず、ボビン24から遠ざかるので、ボビン24から下糸T2が引き出される。その後、送り歯301は、斜め上方に向けてボビン24側に移動するので、引き出された下糸T2が弛むことになる。
下糸T2が弛むことにより、下糸T2が第2糸捕捉体120先端の曲面に沿って下方に容易に案内されて糸捕捉部121に捕捉されることとなる。従って、第1糸捕捉体110が図21(b)に示す最後退位置に配置された状態においては、糸捕捉部111に上糸T1及び下糸T2が捕捉されるとともに、糸捕捉部121にも上糸T1及び下糸T2が捕捉された状態となる(ステップS13)。
そして、第2糸捕捉体120の糸捕捉部121が、糸切り位置を通過してさらに後退移動し最後退位置まで移動(ステップS14)することで、図22(b)に示すように、当該糸捕捉部121によって固定刃150に導かれた上糸T1及び下糸T2が切断される(ステップS15)。
その後、図22(a)に示すように、下軸2及び糸切りカム160が180°回転すると、従節たるカム当接部131は、糸切りカム160における端面カム部161の先端161aまで案内され、第1糸捕捉体110は初期位置である待機位置の近傍まで後退される。また、カム当接部141は、糸切りカム160における端面カム部162の先端まで案内され、第2糸捕捉体120は初期位置である待機位置の近傍まで後退される。
さらに、CPU51は、駆動回路56を介してミシンモータ5を停止した後(ステップS16)、駆動回路59を介して糸捕捉用ステッピングモータ180の逆転駆動(後半)を再開することで糸捕捉体駆動カム170を逆方向(戻り方向)に原点位置まで駆動する処理を実行する(ステップS17)。これにより、糸捕捉体駆動カム170が初期位置(0°)まで逆方向に回転し、カム当接部131が円周カム部174の待機部176内に案内されるとともに、カム当接部141が端面カム部175の待機部177に案内される。従って、第1糸捕捉体110及び第2糸捕捉体120が何れも最後退位置に保持され(ステップS18)、縫製可能な状態となる。
そして、CPU51は、布送り用ステッピングモータ403を駆動させ、送り調節軸402を逆送り位置から正送り位置(縫製時の初期位置)に向けて回転させる(ステップS19)。送り調節軸402の回転により、送り伝達機構302の動作軌跡が変化し、送り歯301も正送りの動作(縫製動作)をすることが可能となる。これをもって、糸切り処理が終了する。
(作用・効果)
以上のように、ミシン1によれば、制御部50による動作装置200の駆動制御により、第1糸捕捉体110で縫い糸を捕捉した後、さらに、この第1糸捕捉体110の糸捕捉部111と針板8の針孔9との間に掛け渡された縫い糸Tが第2糸捕捉体120の糸捕捉部121によって捕捉されて固定刃150に案内されることで縫い糸Tが切断される。つまり、第1糸捕捉体110のみを備え、この第1糸捕捉体110と固定刃150とで縫い糸Tを切断する従来のミシンの糸切り装置に比べて、縫い糸Tのより針孔9に近い部分を切断することができる。
従って、縫い糸Tを適切な長さに切断して当該切断後に布側に残る縫い糸Tの残端長さを短縮することができるとともに、ミシン側に残る縫い糸Tの残端長さは、縫い糸Tが第1糸捕捉体110で折り返されるため、従来よりも長く確保することができる。これにより、布側に残る縫い糸Tの残端処理に要する手間や時間を低減することができ、且つ、次回縫製時に縫い糸Tを効率良く絡ませることができるため、作業の効率化が図られる。
また、制御部50による動作装置200の駆動制御により、第1糸捕捉体110及び第2糸捕捉体120を前進位置まで駆動させた後、ミシンモータ5により水平釜21を回転させることで第1糸捕捉体110及び第2糸捕捉体120で縫い糸Tを捕捉することができる。この際、布送り用ステッピングモータ403の駆動による送り調節軸302の回転により、送り伝達機構302は、送り歯301を正送り動作から逆送り動作をするように動作軌跡が切り替えられる。送り歯301の逆送り設定により、ボビン24に対する送り歯301の相対位置を変化させて、縫い糸に所定量の弛みを与える。
すなわち、各糸捕捉体110,120で縫い糸を捕捉する際には、送り歯301の動作を逆送り設定とすることで、送り歯301はボビン24から遠ざかることにより縫い糸Tが引っ張られて十分に引き出され、その後の送り歯301のボビン24への接近により縫い糸Tが弛んだ状態となる。従って、すでに第1糸捕捉体110によって縫い糸Tが張った状態となっていても、第2糸捕捉体120が捕捉する際には、縫い糸Tは弛んだ状態となっているので、第2糸捕捉体120による縫い糸Tの捕捉をより確実なものとすることができる。
(その他)
なお、本実施形態では、糸切りボタン30の押下に伴う糸切り信号の入力に応じて糸捕捉用ステッピングモータ180が駆動される構成としているが、例えば、下軸2が所定の回転角度に位置することを検出する検出手段(例えば、主軸位置検出センサ7でもよい)を設け、該検出手段からの検出信号に応じて制御部50が糸捕捉用ステッピングモータ180を自動的に駆動するように制御することとしてもよい。
ミシンの外観を示す概略斜視図。 ミシンの糸切り装置の分解斜視図。 ミシンの糸切り装置の平面図。 (a)は第1糸捕捉部材の概略側面図、(b)は第2糸捕捉部材及び固定刃と、針板、水平釜及び縫い糸の高さ関係を示す概略図、(c)は第2糸捕捉部材と固定刃の平面図。 ミシンの糸切り装置の要部構成を示す概略図。 図5におけるE−E断面図。 糸切りカムの形状を示す展開図。 糸捕捉体駆動カムの形状を示す展開図。 布送り機構及び送り調節機構の要部構成を示す平面図。 布送り用ステッピングモータ近傍の要部構成を示す平面図。 ミシンの電気的構成を示す制御ブロック図。 送り歯の正送り方向及び逆送り方向の移動軌跡を描いた図。 第2糸捕捉部材で糸を捕捉する際において、送り歯が正送り方向に運動する場合の糸の状態を説明する図。 第2糸捕捉部材で糸を捕捉する際において、送り歯が逆送り方向に運動する場合の糸の状態を説明する図。 ミシンの糸切り装置の動作を示すフローチャート。 ミシンの糸切り装置の動作説明図。 ミシンの糸切り装置の動作説明図。 ミシンの糸切り装置の動作説明図。 ミシンの糸切り装置の動作説明図。 ミシンの糸切り装置の動作説明図。 ミシンの糸切り装置の動作説明図。 ミシンの糸切り装置の動作説明図。 ミシンの糸切り装置の動作説明図。 (a)は第2糸捕捉部材により捕捉される糸の位置を示す図、(b)は縫い糸と第2糸捕捉部材との関係を示す図。 従来のミシンの糸切り装置における糸捕捉動作を示す模式図。(a)は捕捉前、(b)は捕捉後を示す。 従来のミシンの糸切り装置における縫い糸の残り量を説明する図。
符号の説明
1 ミシン
3 縫い針
5 ミシンモータ
8 針板
9 針孔
21 水平釜
24 ボビン
50 制御部(制御手段)
100 糸切り装置
110 第1糸捕捉体(第1糸捕捉部材)
111 糸捕捉部
120 第2糸捕捉体(第2糸捕捉部材)
121 糸捕捉部
150 固定刃
200 動作装置
300 布送り機構
301 送り歯
302 送り伝達機構
400 送り調節機構
403 布送り用ステッピングモータ(布送り用モータ)
T 縫い糸
T1 上糸(縫い糸)
T2 下糸(縫い糸)

Claims (1)

  1. ミシン上軸に連動して上下動し、下端に縫い針が装着された針棒と、
    ミシンベッド上面に設けられ、前記縫い針が貫通する針孔が形成された針板と、
    前記針板の下方で回転し、前記縫い針と協働して縫い目を形成する水平釜と、
    前記水平釜内に収容され、下糸が巻回されたボビンと、
    ミシンベッド上面から出没して送り動作をする送り歯を有し、この送り歯に送り動作をさせることでミシンベッド上面に載置された布を送る布送り機構と、
    前記布送り機構による布の送り方向及び送り量を調節する送り調節機構と、
    前記送り調節機構の駆動源となる布送り用モータと、
    前記針棒、前記水平釜及び前記布送り機構の駆動源となるミシンモータと、
    縫製に用いる縫い糸を切断する糸切り装置と、を備え、
    前記ミシンモータの駆動により、前記布送り機構により前記送り歯で布を送りつつ、前記針棒を上下動させて布に縫製を行い、縫製終了後に前記糸切り装置により前記針板の下方で、前記水平釜と前記針孔との間に渡る上糸又は下糸の少なくとも一方の縫い糸を切断するミシンにおいて、
    前記糸切り装置は、
    一端側に支持部を、他端側に糸捕捉部を有すると共に、待機位置と、前記水平釜と前記針孔との間に渡る前記縫い糸に向けて前進する前進位置との間を移動する第1糸捕捉部材と、
    前記針板の下方で前記針孔に接近して設けられた固定刃と、
    前記縫い糸を捕捉する糸捕捉部を有し、前記針孔と前記第1糸捕捉部材との間に架け渡された縫い糸を捕捉して、前記固定刃と協働して前記縫い糸を切断する第2糸捕捉部材と、
    前記第1糸捕捉部材の捕捉動作の後、前記第2糸捕捉部材を駆動させる動作装置と、
    糸切り信号に基づいて前記布送り用モータを駆動させて、前記送り調節機構が所定の逆送り設定量になるように制御すると共に、前記動作装置の駆動を制御する制御手段と、を有し、
    前記制御手段が、前記第1糸捕捉部材及び前記第2糸捕捉部材を前進位置まで駆動させた後、前記ミシンモータにより前記水平釜を回転させて前記第1糸捕捉部材及び前記第2糸捕捉部材で縫い糸を捕捉する際に、前記送り調節機構の逆送り設定により、前記ボビンに対する前記送り歯の相対位置を変化させて、縫い糸に所定量の弛みを与えることを特徴とするミシン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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