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JP2010052528A - 車両用シートのウォークイン装置 - Google Patents

車両用シートのウォークイン装置 Download PDF

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JP2010052528A JP2008218242A JP2008218242A JP2010052528A JP 2010052528 A JP2010052528 A JP 2010052528A JP 2008218242 A JP2008218242 A JP 2008218242A JP 2008218242 A JP2008218242 A JP 2008218242A JP 2010052528 A JP2010052528 A JP 2010052528A
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Abstract

【課題】シートバックの前傾に拘わらず車両用シートを所定の固定位置に停止させることができる車両用シートのウォークイン装置を提供する。
【解決手段】本発明の車両用シートのウォークイン装置は、車両用シート1が前方に移動されて所定位置を通過するときは、ロック解除保持機構6をロック解除保持姿勢からロック許容姿勢に切り換えることなく、車両用シートが後方に移動されて所定位置を通過すると、ロック解除保持機構をロック解除保持姿勢からロック許容姿勢に切り換えるロック解除保持解放機構7を備える。これにより、シートバック11を前倒したままで車両用シートを後方移動するときに最後方まで移動させてしまうことは無く、車両用シートを所定の固定位置に停止させて固定することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用シートのシートバックを前方に傾倒する動作に連動して、車両用シートを前方に移動する車両用シートのウォークイン装置に関する。
従来、特許文献1に記載された車両用シートのウォークイン装置が知られている。この車両用シートのウォークイン装置には、車両用シートのシートバックの傾斜角を調整するリクライニング機構と、車両用シートの前後方向の位置を調整するシートスライド機構が備えられている。さらに、シートバックには、リクライニング機構によってシートバックを前方に倒す動作に応じて回動するシートバック連動リンクが備えられ、シートスライド機構には、車両用シートの前後方向の位置を固定するシート固定機構を解除するスライドロック解除リンクが備えられている。そして、シートバック連動リンクとスライドロック解除リンクは剛性部材の連結リンクによって接続されており、リクライニング機構によってシートバックを前方に倒すことにより、シートバック連動リンクの回動に連動してスライドロック解除リンクが回動してシート固定機構をロック解除するので、シートスライド機構によって車両用シートを前方に移動することができる。これにより乗員は、その車両用シートの後方へ若しくは後方からスムーズに乗り降りすることができる。
WO2006/030539 A1公報(段落〔0008〕,〔0009〕、図1)
上記従来の車両用シートのウォークイン装置では、シートバックを後方に倒して元の位置に戻してから車両用シートを後方に移動させるときは、シートバック連動リンクの逆回動に連動してスライドロック解除リンクが逆回動してシート固定機構がロック可能となるので、車両用シートを所定の固定位置に停止させることができる。ところが、リクライニング機構によってシートバックを前方に倒したままのときは、シートバック連動リンクはスライドロック解除リンクを作動させた状態、すなわちシート固定機構をロック解除した状態に保たれているため、車両用シートを後方に移動させてからシートバックを後方に倒して元の位置に戻すときは、車両用シートを所定の固定位置に停止させることができず、さらに最後方まで移動させてしまう場合がある。
本発明は係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、シートバックの前傾に拘わらず車両用シートを所定の固定位置に停止させることができる車両用シートのウォークイン装置を提供するものである。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、車両用シートのシートバックをシートクッションに対して前後方向に傾倒して任意の位置に固定及び該固定を解除するリクライニング機構と、前記車両用シートを前後方向に移動可能に車両のフロア上に支持するスライド機構と、前記車両用シートを任意の位置に停止させるロック状態と、前記車両用シートの前後移動を許容するロック解除状態とを有するスライドロック機構と、前記シートバックを前方に傾倒する途中位置において前記スライドロック機構を前記ロック解除状態にし、前記シートバックが前記途中位置を通過して最前傾位置まで前傾すると前記スライドロック機構がロック状態となることを許容するコネクティング機構と、前記スライドロック機構をロック解除状態に保持するロック解除保持姿勢と、前記スライドロック機構がロック状態となることを許容するロック許容姿勢との間で切り換わるロック解除保持機構と、前記車両用シートが前方に移動されて所定位置を通過するときは、前記ロック解除保持機構を前記ロック解除保持姿勢から前記ロック許容姿勢に切り換えることなく、前記車両用シートが後方に移動されて前記所定位置を通過すると、前記ロック解除保持機構を前記ロック解除保持姿勢から前記ロック許容姿勢に切り換えるロック解除保持解放機構と、を備えることである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記コネクティング機構は、前記シートバックに固定された作動部材によって前記途中位置で押動される被作動部材を有し、該被作動部材が前記作動部材によって途中位置で押動されている間は、前記スライドロック機構を前記ロック解除状態にし、前記シートバックが前記途中位置より前傾すると前記作動部材が前記被作動部材から離脱して前記スライドロック機構がロック状態となることを許容するとともに、前記シートバックが前記最前傾位置から起立されるとき、前記被作動部材が前記作動部材の通過を許容するように構成されていることである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記コネクティング機構は、シートバック支持フレームに固定されたシートバック連動トリガと、前記シートバック支持フレームに回動自在に支承され、前記シートバックの傾倒動作と共に回動する前記シートバック連動トリガと係脱可能な第1のシートバック連動リンクと、前記シートバックの前倒動作時の前記第1のシートバック連動リンクの回動方向に該第1のシートバック連動リンクを付勢する第1の連動リンク付勢手段と、前記第1のシートバック連動リンクの回動軸に回動自在に支承され、回動する前記第1のシートバック連動リンクと係脱可能な第2のシートバック連動リンクと、前記シートバックの前倒動作時の前記第2のシートバック連動リンクの回動方向と逆方向に該第2のシートバック連動リンクを付勢する第2の連動リンク付勢手段と、前記第2のシートバック連動リンクと前記ロック解除保持機構とを連結するリンク連結手段とを備え、前記シートバックの前倒動作時に回動する前記シートバック連動トリガに、前記第1のシートバック連動リンクが係合したときは、該第1のシートバック連動リンクが押動されると共に前記第2のシートバック連動リンクが追動して、前記リンク連結手段を前記リクライニング機構側に引っ張り、前記シートバックの前倒動作時にさらに回動する前記シートバック連動トリガから、前記第1のシートバック連動リンクが離脱したときは、前記第2の連動リンク付勢手段により前記第2のシートバック連動リンクが付勢されて元に戻ると共に前記第1のシートバック連動リンクが追動し、前記リンク連結手段を前記ロック解除保持機構側に戻し、前記第1の連動リンク付勢手段により前記第1のシートバック連動リンクが付勢されて元に戻り、前記シートバックの起立動作時に回動する前記シートバック連動トリガに、前記第1のシートバック連動リンクが係合したときは、該第1のシートバック連動リンクのみが押動され、さらに回動する前記シートバック連動トリガから、前記第1のシートバック連動リンクが離脱したときは、前記第1の連動リンク付勢手段により前記第1のシートバック連動リンクが付勢されて元に戻ることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至3の何れかにおいて、前記ロック解除保持機構は、シートクッションフレームに回動自在に支承され、前記車両用シートを所定の固定位置で停止させるメモリリンクと、前記シートクッションフレームに回動自在に支承されていると共に前記リンク連結手段に連結され、前記メモリリンクと係脱して前記メモリリンクの停止機能を解除するメモリ解除リンクとを備え、前記ロック解除保持解放機構は、前記シートクッションフレームに回動自在に支承され、前記メモリリンクの停止機能を復帰するメモリ復帰リンクと、前記メモリリンクと一端が回動自在に連結され、前記メモリ復帰リンクと他端が回動及びスライド自在に連結された連結リンクと、前記スライド機構に突設され、前記メモリ復帰リンクと係脱して該メモリ復帰リンクを回動させるメモリ復帰ピンとを備え、前記シートバックを前倒させた状態での前記車両用シートの前方移動時に、前記メモリ復帰リンクが前記メモリ復帰ピンと係脱するときは前記連結リンクの他端でスライドするのみであって前記メモリリンクの停止機能を解除したままであり、前記シートバックを前倒させた状態での前記車両用シートの後方移動時には、前記メモリ復帰リンクが前記メモリ復帰ピンと係脱することにより前記連結リンクを介して前記メモリリンクの停止機能を復帰し、前記車両用シートを前記所定の固定位置で停止させ、前記シートバックを起立させた状態での前記車両用シートの前後方移動時に、前記メモリ復帰リンクが前記メモリ復帰ピンと係脱するときは前記連結リンクの他端でスライドするのみであり、前記メモリリンクにより前記車両用シートを前記所定の固定位置で停止させることである。
請求項1に係る発明においては、コネクティング機構により、シートバックを前方に傾倒する途中位置においてスライドロック機構をロック解除状態にし、シートバックが途中位置を通過して最前傾位置まで前傾するとスライドロック機構がロック状態となることを許容する。続いて、車両用シートが前方に移動されてから後方に移動されて所定位置を通過すると、ロック解除保持解放機構により、スライドロック機構をロック解除状態に保持するロック解除保持姿勢から、スライドロック機構がロック状態となることを許容するロック許容姿勢となるようにロック解除保持機構を切り換えている。このため、シートバックを前倒したままで車両用シートを後方移動するときに最後方まで移動させてしまうことは無く、車両用シートを所定の固定位置で停止させて固定することができる。
請求項2に係る発明においては、コネクティング機構は、被作動部材が作動部材によって途中位置で押動されている間は、スライドロック機構をロック解除状態にする。そして、シートバックが途中位置より前傾すると作動部材が被作動部材から離脱してスライドロック機構がロック状態となることを許容するとともに、シートバックが最前傾位置から起立されるとき、被作動部材が作動部材の通過を許容する。このため、シートバックを前倒したままで車両用シートを後方移動するときに、車両用シートを所定の固定位置で停止させて固定することができる。
請求項3に係る発明においては、シートバックの前倒動作時に回動するシートバック連動トリガには、回動前半は第1のシートバック連動リンクが係合して押動され第2のシートバック連動リンクが追動する。これにより、リンク連結手段はリクライニング機構側に引っ張られるが、回動後半には第1のシートバック連動リンクが離脱して第2の連動リンク付勢手段により第2のシートバック連動リンクが付勢されて元に戻るので、リンク連結手段はロック解除保持機構側に戻る。このため、ロック解除保持機構による車両用シートを所定の固定位置で停止させる機能が作用可能となる。なお、上記動作後は第1の連動リンク付勢手段により第1のシートバック連動リンクが付勢されて元に戻り、シートバックの後倒動作時に回動するシートバック連動トリガに第1のシートバック連動リンクが係合したときは、第1のシートバック連動リンクのみが押動され、さらに回動するシートバック連動トリガから第1のシートバック連動リンクが離脱したときは、第1の連動リンク付勢手段により第1のシートバック連動リンクが付勢されて元に戻る。このため、次のウォークイン動作が可能となる。
請求項4に係る発明においては、シートバックを前倒させた状態での車両用シートの前方移動時にメモリ復帰リンクがメモリ復帰ピンと係脱するが、連結リンクの他端でスライドするのでメモリリンクには何ら作用しない。一方、シートバックを前倒させた状態での車両用シートの後方移動時にはメモリ復帰リンクがメモリ復帰ピンと係脱することにより連結リンクを介してメモリリンクのロック解除を復帰するので、車両用シートを所定の固定位置で停止させることができる。なお、シートバックを後倒させた状態での車両用シートの前後方移動時にメモリ復帰リンクがメモリ復帰ピンと係脱するが、連結リンクの他端でスライドするのでメモリリンクには何ら作用しない。
本発明に係る車両用シートのウォークイン装置の実施形態を図面に基づいて以下に説明する。本実施形態の車両用シートのウォークイン装置は、図1及び図2に示すように、車両用シート1に備えられたリクライニング機構2、スライド機構3、スライドロック機構4、コネクティング機構5、ロック解除保持機構6及びロック解除保持解放機構7から構成されている。リクライニング機構2は、車両用シート1のシートバック11をシートクッション12に対して前後方向aに傾倒して任意の位置に固定及び該固定を解除する機構である。スライド機構3は、車両用シート1を前後方向aに移動可能に車両フロア100上に支持する機構である。スライドロック機構4は、車両用シート1を任意の位置に停止させるロック状態と、車両用シート1の前後移動を許容するロック解除状態とを有する機構である。コネクティング機構5は、シートバック11を前方に傾倒する途中位置においてスライドロック機構4をロック解除状態にし、シートバック11が途中位置を通過して最前傾位置まで前傾するとスライドロック機構4がロック状態となることを許容する機構である。ロック解除保持機構6は、スライドロック機構4をロック解除状態に保持するロック解除保持姿勢と、スライドロック機構4がロック状態となることを許容するロック許容姿勢との間で切り換わる機構である。ロック解除保持解放機構7は、車両用シート1が前方に移動されて所定位置を通過するときは、ロック解除保持機構6をロック解除保持姿勢からロック許容姿勢に切り換えることなく、車両用シート1が後方に移動されて所定位置を通過すると、ロック解除保持機構6をロック解除保持姿勢からロック許容姿勢に切り換える機構である。
このような構成の車両用シート1のウォークイン装置では、リクライニング機構2を固定解除して車両用シート1のシートバック11をシートクッション12に対して前方に傾倒し、コネクティング機構5によりスライドロック機構4をロック解除状態にすると共にロック解除保持機構6により該ロック解除状態を保持して該車両用シート1をスライド機構3により前方に移動する。これにより乗員は、その車両用シート1の後方へ若しくは後方からスムーズに乗り降りすることができる。そして、車両用シート1をスライド機構3により後方に移動する際に、ロック解除保持解放機構7によりロック解除保持機構6をロック許容姿勢に切り換えてスライドロック機構4をロック状態にする。これによりシートバック11の前傾に拘わらず車両用シート1を所定の固定位置に停止させることができる。
さらに各機構の構成を詳述すると、リクライニング機構2は、図2に示すように、リクライニングハンドル21及びフットレバー22を備えており、これらはシートバック支持フレーム13の側部に配置されている。リクライニングハンドル21は、シートバック11の側面下方にて前方へ突設されており、車両用シート1に着座した乗員がシートバック11の傾斜角を調整する際に引き上げ操作し、もしくは車両用シート1より後方にある車両用シートへ乗り込む乗員がシートバック11を前倒させる際に引き上げ操作する。フットレバー22は、シートバック11の側面下方にて後方へ突設されており、車両用シート1より後方にある車両用シートに着座した乗員がシートバック11を前倒させる際に踏み込み操作する。
スライド機構3は、図3及び図4に示すように、一対のロアレール31及び一対のアッパーレール32を備えており、これらは車両用シート1の下部に配置されている。一対のロアレール31は、図1に示すように、車両のフロア100に前後方向aに向けて車両用シート1の略幅の間隔をあけて固定されており、車両のフロア100の面方向に底部を有する断面U字形状に形成され、このU字形状の両側壁の上端からは内側に屈曲して延在し且つ所定の間隔をもって互いに対向する係合フランジ壁31aが連続して形成されている。一対のアッパーレール32は、車両用シート1に前後方向aに向けて一対のロアレール31と同一間隔をあけて固定されており、ロアレール31とは逆方向に底部を有する断面U字形状に形成され、このU字形状の両側壁の下端からは外側に屈曲して延在し且つ所定の間隔をもって互いに対向する係合フランジ壁32aが連続して形成されている。ロアレール31の係合フランジ壁31aとアッパーレール32の係合フランジ壁32aは、図略のボール又はローラを介して係合されており、これによりアッパーレール32がロアレール31にその長手方向(前後方向a)に摺動自在に支持される。ロアレール31の長手方向前端とアッパーレール32の長手方向後端との間には、図略のバネが配設されており、アッパーレール32はこのバネの付勢力を受けてロアレール31に対して前方に常時摺動付勢されている。
スライドロック機構4は、図2及び図3に示すように、スライドロック解除リンク41、スライドロック解除レバー42、スライドロックレバー43、スライドロック孔44及びスライドロック透孔45を備えており、アッパーレール32をロアレール31にロック及びロック解除する機構である。スライドロック解除リンク41は図2に示すように略L字板状に形成されており、図3に示すように略L字一端が車両用シート1の左右方向bに軸線が向いてアッパーレール32に固定されたシートクッションフレーム14に回動自在に支承され図略のトルクスプリングにより時計回り方向に付勢された回動軸66に嵌着され、略L字他端がアッパーレール32上方からアッパーレール32に穿設された挿通孔41aを通ってスライドロック解除レバー42の長手方向後端に当接されている。
スライドロック解除レバー42には、図2に示すように乗員が操作するスライドハンドル47が一体に形成されている。こうしたスライドロック解除レバー42は、同図に示す軸Cを支点としてアッパーレール32に回動可能に支承され、図略のバネにより図2における反時計回り方向に付勢され、そのバネの付勢力に抗して時計回り方向に回動自在となっている。スライドロックレバー43は、図3に示すように、平板の一端にL字櫛歯状のロック爪43aが形成されており、平板の他端がアッパーレール32の一側壁32b内側に固定され長手方向に伸びる軸Lの軸線周りに回動自在に支承されている。そして、スライドロックレバー43は、図略のバネによりロック爪43aがスライドロック孔44及びスライドロック透孔45に挿通する方向に付勢されている。また、平板の背面には押圧フランジ43bが形成されており、この押圧フランジ43bの上面にスライドロック解除レバー42の長手方向後端が当接した状態となっている。図3に示すように、スライドロック孔44は、ロアレール31の係合フランジ壁31aの一方に、櫛歯状のロック爪43aが挿通可能な間隔で長手方向に複数並設されており、スライドロック透孔45は、ロアレール31の係合フランジ壁31aに対応するアッパーレール32の係合フランジ壁32aの一方及び側壁32bの一方に、スライドロック孔44と対応するように長手方向にロック爪43aの数だけ並設されている。
スライドロック解除レバー42の長手方向後端がバネの付勢力により上方に揺動した状態においては、スライドロックレバー43が図3において反時計回り方向に回動されてロック爪43aがスライドロック孔44及びスライドロック透孔45に係入された状態を維持し、これによりアッパーレール32がロアレール31にロックされる。一方、スライドロック解除リンク41の回動もしくはスライドハンドル47の操作によりスライドロック解除レバー42の長手方向後端が下方に揺動されると、スライドロックレバー43がバネの付勢力に抗して図3に示す時計回り方向に回動してロック爪43aがスライドロック孔44及びスライドロック透孔45から離脱し、アッパーレール32がロアレール31からロック解除される。
コネクティング機構5は、図2に示すように、シートバック連動トリガ(作動部材)51、第1のシートバック連動リンク(被作動部材)52、第1の連動リンク付勢手段53、第2のシートバック連動リンク54、第2の連動リンク付勢手段55及びリンク連結手段56を備えており、これらはシートバック支持フレーム13の側部に配置されている。シートバック連動トリガ51は、一端が第1のシートバック連動リンク52と係脱可能なように、他端がシートバック支持フレーム13にシートバック11の傾倒動作と共に回動可能に固定されている。第1のシートバック連動リンク52は、一端にシートバック連動トリガ51の一端と係脱するピン52aが設けられ、略中央に第1の連動リンク付勢手段53が係止されるピン52bが設けられ、他端がシートバック支持フレーム13に回動軸57によって回動自在に支承されている。
第1の連動リンク付勢手段53は捩りコイルバネであり、第1のシートバック連動リンク52をシートバック11の後倒方向へ付勢するように、一端が第1のシートバック連動リンク52のピン52bに係止され、他端が第2のシートバック連動リンク54に係止されている。第2のシートバック連動リンク54は扇状に形成されており、要部が第1のシートバック連動リンク52を支承する回動軸57に回動自在に支承され、図示左端側にリンク連結手段56が連結されている。そして、第2のシートバック連動リンク54の略中央には、第1のシートバック連動リンク52の回動時にピン52bが移動可能な長穴54aが形成されている。第2の連動リンク付勢手段55は引張コイルバネであり、第2のシートバック連動リンク54をシートバック11の前倒方向へ付勢するように、一端が第2のシートバック連動リンク54に係止され、他端がシートバック支持フレーム13に係止されている。リンク連結手段56はケーブルであり、そのインナーケーブル一端が第2のシートバック連動リンク54に連結され、他端がロック解除保持機構6のメモリ解除リンク62に連結されている。
ロック解除保持機構6は、図2に示すように、メモリリンク61及びメモリ解除リンク62を備え、ロック解除保持解放機構7は、メモリ復帰リンク71、連結リンク72及びメモリ復帰ピン73を備えており、これらはシートクッションフレーム14及びロアレール31の側部に配置されている。メモリリンク61はI字板状に形成されており、上端がシートクッションフレーム14に車両用シート1の左右方向bに軸線が向くようにして回動自在に支承されている。メモリ解除リンク62はコの字板状に形成されており、メモリリンク61と後方から係脱可能なようにコの字上先端が段部62aに形成され、コネクティング機構5と遊びを持ってスライド連結されるようにコの字下端には横長穴62bが形成され、コの字上角部がスライドロック解除リンク41と共に回動軸66に嵌着されている。
メモリ復帰リンク71はI字板状に形成されており、メモリリンク61より前方に上端がシートクッションフレーム14に回動自在に支承され、略中央に連結リンク72と連結するピン72aが設けられている。メモリ復帰リンク71は図略のトーションバネ等により略垂直方向を中立位置として保持され、その中立位置からばね力に抗して時計回り方向、反時計回り方向に回動可能となっている。連結リンク72は、I字板状に形成されており、一端がメモリリンク61の略中央に回動自在に連結され、他端に形成された横長穴72a内にてメモリ復帰リンク71のピン71aが回動自在かつスライド自在に連結されている。ロアレール31の底面には、メモリ復帰リンク71より前方でブラケット74が固定され、ブラケット74はロアレール31の側壁から間隔をあけて上方に屈曲されている。メモリ復帰ピン73は、ブラケット74の屈曲部に車両用シート1の左右方向bに軸線が向くようにして固定されている。すなわち、図4に示すように、車両用シート1の移動に伴って移動するメモリ復帰リンク71の下端がメモリ復帰ピン73と接触可能なように、メモリ復帰ピン73はブラケット74の屈曲部からロアレール31側に向かって突設されている。
次に、車両用シート1のウォークイン装置の各機構2,3,4,5,6,7の動作を説明する。なお、回動方向は図示における時計回り方向及び反時計回り方向で表現する。先ず、車両用シート1が任意の移動位置に固定され、シートバック11が任意の傾倒位置に固定されているときは、図5(A)及び図6(A)に示すように、スライドロック解除レバー42がバネの付勢力により回動軸C(図5(A))を中心に反時計回り方向に回動され長手方向後端が上方に移動した状態を維持する。このため、スライドロックレバー43はスライドロック解除レバー42からの作動力を受けず、バネにより回動軸L(図6(A))を中心に反時計回り方向に付勢され、ロック爪43aをスライドロック孔44及びスライドロック透孔45に挿通してアッパーレール32をロアレール31にロックしている。このとき、スライドロック解除リンク41は、スライドロック解除レバー42の長手方向後端に押動されて時計回り方向に回動した状態となる。
また、図7(A)に示すように、メモリリンク61は図略のトルクスプリングのばね力によって図7において反時計回り方向に付勢され、メモリリンク61の側部がメモリ解除リンク62の段部62aの凸部分と係合して原位置に停止している。トーションバネによって時計方向に付勢されているメモリ解除リンク62は、ケーブル56のインナーケーブルの先端が横長穴62bと当接することにより原位置に停止されている。メモリ復帰リンク71のピン71aは、連結リンク72の横長穴72aの略中央に位置している。また、図8(A)に示すように、シートバック連動トリガ51は、時計回り方向に回動して第1のシートバック連動リンク52から離間している。第2のシートバック連動リンク54は、第2の連動リンク付勢手段55に付勢されて反時計回り方向に回動され、図略のストッパに当接することにより原位置に停止されている。第1のシートバック連動リンク52は、第1の連動リンク付勢手段53に付勢されてピン52が第2のシートバック連動リンク54の長穴54aの図示右端に当接するまで時計回り方向に回動している。このとき第1のシートバック連動リンク52のピン52aは、その回動線qがシートバック連動トリガ51の一端の回動線pと接触する点に位置して該一端と係合可能となっている。
次に、車両用シート1の後方から車両用シートへ乗り込む乗員がリクライニングハンドル21を引き上げ操作し、もしくは車両用シート1より後方にある車両用シートに着座した乗員がフットレバー22を踏み込み操作してシートバック11を前倒させると、図8(B)に示すように、シートバック連動トリガ51は反時計回り方向に回動して一端が第1のシートバック連動リンク52のピン52aと係合し、第1のシートバック連動リンク52を押動する。これにより、第1のシートバック連動リンク52は時計回り方向に回動し、ピン52が第2のシートバック連動リンク54の長穴54aの図示右端に当接しているので、第2のシートバック連動リンク54も同時に時計回り方向に回動し、ケーブル56のインナーケーブルをシートバック11側に引っ張る。
すると、図7(B)に示すように、ケーブル56のインナーケーブルに連結されているメモリ解除リンク62のコの字下端が引っ張られてメモリ解除リンク62が反時計回り方向に回動するので、メモリリンク61もトルクスプリングのばね力によってメモリ解除リンク62の段部62aとの係合を維持しつつ反時計回り方向に回動する。そして最終的に、メモリ解除リンク62の段部62aの凸部分がメモリリンク61の足部61aの側部と係合すると共に、メモリ解除リンク62の段部62aの凹部分がメモリリンク61の側部と係合するので、メモリリンク61、メモリ解除リンク62の反時計回り方向、時計回り方向の回動が規制されて停止する。このとき、連結リンク72は後方へ引っ張られるが、横長穴72aの略中央に位置していたメモリ復帰リンク71のピン71aは横長穴72aの図示左端に位置するのみであるため、メモリ復帰リンク71は静止したままである。
また、図5(B)及び図6(B)に示すように、メモリ解除リンク62が反時計回り方向に回動すると同時にスライドロック解除リンク41も反時計回り方向に回動してスライドロック解除レバー42の長手方向後端を下方へ押動するので、スライドロックレバー43は、押圧フランジ43bが該後端によって押圧されることにより、バネによる付勢力に抗して回動軸Lを中心に時計回り方向に回動する。これにより、ロック爪43aをスライドロック孔44及びスライドロック透孔45から抜き出してアッパーレール32をロアレール31からロック解除する。
続いて、図8(C)に示すように、シートバック連動トリガ51が反時計回り方向にさらに回動すると、シートバック連動トリガ51の一端の回動線pと第1のシートバック連動リンク52のピン52aの回動線qは離間するように配置されているので、シートバック連動トリガ51の一端は第1のシートバック連動リンク52のピン52aから離脱する。すると、第2のシートバック連動リンク54は第2の連動リンク付勢手段55に付勢され反時計回り方向に回動し、ケーブル56のインナーケーブルをロック解除保持機構6側に押し戻して原位置に停止される。このとき、メモリ解除リンク62とメモリリンク61の回動は規制されているので、ケーブル56のインナーケーブルはメモリ解除リンク62の横長穴62bに沿って前方へ移動する。また、第1のシートバック連動リンク52のピン52が第2のシートバック連動リンク54の長穴54aの図示右端に当接しているので、第1のシートバック連動リンク52も同時に反時計回り方向に回動して元の位置に戻る。
次に、シートバック11を前倒させた状態で車両用シート1を前方へ移動させると、図7(C)に示すように、メモリ復帰リンク71の下端がメモリ復帰ピン73と係合して後方へ押動されるので、メモリ復帰リンク71は反時計回り方向に回動する。このとき、連結リンク72の横長穴72aの図示左端に位置していたメモリ復帰リンク71のピン71aは横長穴72aの略中央に移動するのみであるため、連結リンク72及びメモリリンク61は静止したままである。
次に、シートバック11を前倒させた状態で車両用シート1を後方へ移動させると、図7(D)に示すように、メモリ復帰リンク71の下端がメモリ復帰ピン73と係合して前方へ押動されるので、メモリ復帰リンク71は時計回り方向に回動する。このとき、連結リンク72の横長穴72aの略中央に位置していたメモリ復帰リンク71のピン71aは横長穴72aの図示左端に当接した後にさらに押動するので、連結リンク72は前方へ引っ張られる。これにより、メモリリンク61は時計回り方向に回動して元の位置に戻るので、ケーブル56のインナーケーブルと連結解除されているメモリ解除リンク62もトルクスプリングのばね力によってメモリリンク61の側部との係合を維持しつつ時計回り方向に回動し、横長穴62aがケーブル56のインナーケーブルの先端部と当接して元の位置に戻って停止する。その後、図7(A)に示すように、メモリ復帰リンク71も図略のバネに付勢されて元の位置に戻る。これにより車両用シート1の所定の固定位置での停止が可能となる。そして、図5(A)及び図6(A)に示すように、スライドロック解除レバー42がばね力によって反時計回り方向に回動し、その長手方向後端が上方に移動するので、スライドロックレバー43は、バネの付勢力により回動軸Lを中心に反時計回り方向に回動する。これにより、ロック爪43aをスライドロック孔44及びスライドロック透孔45に挿通してアッパーレール32をロアレール31にロックする。以上により車両用シート1を所定の固定位置に固定することができる。
そして、シートバック11を前倒から起こすと、図8(D)に示すように、シートバック連動トリガ51は、時計回り方向に回動して一端が第1のシートバック連動リンク52のピン52aと係合し、第1のシートバック連動リンク52を押動する。これにより、第1のシートバック連動リンク52は反時計回り方向に回動するが、このときピン52bは第2のシートバック連動リンク54の長穴54aの図示右端から図示左端へ移動するのみであるため、第2のシートバック連動リンク54は静止し第1のシートバック連動リンク52のみが回動する。
続いて、図8(A)に示すように、シートバック連動トリガ51が時計回り方向にさらに回動すると、シートバック連動トリガ51の一端の回動線pと第1のシートバック連動リンク52のピン52aの回動線qは離間するように配置されているので、シートバック連動トリガ51の一端は第1のシートバック連動リンク52のピン52aから離脱する。すると、第1のシートバック連動リンク52は第1の連動リンク付勢手段53に付勢され時計回り方向に回動して元の位置に戻る。これにより、シートバック11を固定することができる。
以上のように、シートバック11を前倒させて車両用シート1を前方へ移動させた後、シートバック11を前倒させたままで車両用シート1を後方へ移動させても、車両用シート1を元の固定位置に戻して固定し、シートバック11を前倒から起立させることができる。また、シートバック11を前倒させて車両用シート1を前方へ移動させた後、シートバック11を起立させてから車両用シート1を後方へ移動させるときも、図7(D)を参照して説明したように車両用シート1を所定の固定位置で停止させ、図5(A)及び図6(A)を参照して説明したように車両用シート1を所定の固定位置に固定することができる。なお、車両用シート1に着座した乗員がスライドハンドル47を引き上げ操作して車両用シート1の移動位置を調整する場合、すなわちシートバック11を起立させたままで車両用シート1を前後方に移動する場合は、図9(A),(B),(C)に示すように、メモリ復帰リンク71がメモリ復帰ピン73と係脱するときピン71aが横長穴72a内にて左右にスライドするのみであるため、何ら問題無く車両用シート1を所定の固定位置で停止させて固定することができる。
以上、本実施形態の車両用シートのウォークイン装置によれば、コネクティング機構5により、シートバック11を前方に傾倒する途中位置においてスライドロック機構4をロック解除状態にし、シートバック11が途中位置を通過して最前傾位置まで前傾するとスライドロック機構4がロック状態となることを許容する。続いて、車両用シート1が前方に移動されてから後方に移動されて所定位置を通過すると、ロック解除保持解放機構7により、スライドロック機構4をロック解除状態に保持するロック解除保持姿勢から、スライドロック機構4がロック状態となることを許容するロック許容姿勢となるようにロック解除保持機構6を切り換えている。このため、シートバック11を前倒したままで車両用シート1を後方移動するときに最後方まで移動させてしまうことは無く、車両用シート1を所定の固定位置で停止させて固定することができる。
コネクティング機構5は、第1のシートバック連動リンク52がシートバック連動トリガ51によって途中位置で押動されている間は、スライドロック機構4をロック解除状態にする。そして、シートバック11が途中位置より前傾するとシートバック連動トリガ51が第1のシートバック連動リンク52から離脱してスライドロック機構4がロック状態となることを許容するとともに、シートバック11が最前傾位置から起立されるとき、第1のシートバック連動リンク52がシートバック連動トリガ51の通過を許容する。このため、シートバック11を前倒したままで車両用シート1を後方移動するときに、車両用シート1を所定の固定位置で停止させて固定することができる。
より詳しくは、シートバック11の前倒動作時に回動するシートバック連動トリガ51には、回動前半は第1のシートバック連動リンク52が係合して押動され第2のシートバック連動リンク54が追動する。これにより、ケーブル56のインナーケーブルはリクライニング機構2側に引っ張られるが、回動後半には第1のシートバック連動リンク52が離脱して第2の連動リンク付勢手段55により第2のシートバック連動リンク54が付勢されて元に戻るので、ケーブル56のインナーケーブルはロック解除保持機構6側に戻る。このため、ロック解除保持機構6による車両用シート1を所定の固定位置で停止させる機能が作用可能となる。なお、上記動作後は第1の連動リンク付勢手段53により第1のシートバック連動リンク52が付勢されて元に戻り、シートバック11の後倒動作時に回動するシートバック連動トリガ51に第1のシートバック連動リンク52が係合したときは、第1のシートバック連動リンク52のみが押動され、さらに回動するシートバック連動トリガ51から第1のシートバック連動リンク52が離脱したときは、第1の連動リンク付勢手段53により第1のシートバック連動リンク52が付勢されて元に戻る。このため、次のウォークイン動作が可能となる。
また、シートバック11を前倒させた状態での車両用シート1の前方移動時にメモリ復帰リンク71がメモリ復帰ピン73と係脱するが、連結リンク72の他端でスライドするのでメモリリンク61には何ら作用しない。一方、シートバック11を前倒させた状態での車両用シート1の後方移動時にはメモリ復帰リンク71がメモリ復帰ピン73と係脱することにより連結リンク72を介してメモリリンク61のロック解除を復帰するので、車両用シート1を所定の固定位置で停止させることができる。なお、シートバック11を後倒させた状態での車両用シート1の前後方移動時にメモリ復帰リンク71がメモリ復帰ピン73と係脱するが、連結リンク72の他端でスライドするのでメモリリンク61には何ら作用しない。
本発明の実施形態に係るウォークイン装置が適用される車両用シートを示す斜視図である。 図1の車両用シートのウォークイン装置の主要部を側面から見た図である。 図2のウォークイン装置のスライドロック機構の主要部を前方から見た図である。 図2のウォークイン装置のロック解除保持解放機構の主要部を前方から見た図である。 (A),(B)は図2のウォークイン装置のスライドロック機構の動作を側面から見た図である。 (A),(B)は図5(A),(B)を前方から見た図である。 (A)〜(D)は図2のウォークイン装置のロック解除保持機構及びロック解除保持解放機構の動作を示す図である。 (A)〜(D)は図2のウォークイン装置のコネクティング機構の動作を示す図である。 (A)〜(C)は車両用シートを通常の移動位置調整するときのロック解除保持機構及びロック解除保持解放機構の動作を示す図である。
符号の説明
1:車両用シート、2:リクライニング機構、3:スライド機構、4:スライドロック機構、5:コネクティング機構、6:ロック解除保持機構、7:ロック解除保持解放機構、11:シートバック、12:シートクッション、13:シートバック支持フレーム、14:シートクッションフレーム、21:リクライニングハンドル、22:フットレバー、31:ロアレール、32:アッパレール、41:スライドロック解除リンク、42:スライドロック解除レバー、43:スライドロックレバー、44:スライドロック孔、45:スライドロック透孔、51:シートバック連動トリガ、52:第1のシートバック連動リンク、53:第1の連動リンク付勢手段、54:第2のシートバック連動リンク、55:第2の連動リンク付勢手段、56:リンク連結手段、61:メモリリンク、62:メモリ解除リンク、71:メモリ復帰リンク、72:連結リンク、73:メモリ復帰ピン、74:ブラケット。

Claims (4)

  1. 車両用シートのシートバックをシートクッションに対して前後方向に傾倒して任意の位置に固定及び該固定を解除するリクライニング機構と、
    前記車両用シートを前後方向に移動可能に車両のフロア上に支持するスライド機構と、
    前記車両用シートを任意の位置に停止させるロック状態と、前記車両用シートの前後移動を許容するロック解除状態とを有するスライドロック機構と、
    前記シートバックを前方に傾倒する途中位置において前記スライドロック機構を前記ロック解除状態にし、前記シートバックが前記途中位置を通過して最前傾位置まで前傾すると前記スライドロック機構がロック状態となることを許容するコネクティング機構と、
    前記スライドロック機構をロック解除状態に保持するロック解除保持姿勢と、前記スライドロック機構がロック状態となることを許容するロック許容姿勢との間で切り換わるロック解除保持機構と、
    前記車両用シートが前方に移動されて所定位置を通過するときは、前記ロック解除保持機構を前記ロック解除保持姿勢から前記ロック許容姿勢に切り換えることなく、前記車両用シートが後方に移動されて前記所定位置を通過すると、前記ロック解除保持機構を前記ロック解除保持姿勢から前記ロック許容姿勢に切り換えるロック解除保持解放機構と、を備えることを特徴とする車両用シートのウォークイン装置。
  2. 請求項1において、前記コネクティング機構は、前記シートバックに固定された作動部材によって前記途中位置で押動される被作動部材を有し、該被作動部材が前記作動部材によって途中位置で押動されている間は、前記スライドロック機構を前記ロック解除状態にし、前記シートバックが前記途中位置より前傾すると前記作動部材が前記被作動部材から離脱して前記スライドロック機構がロック状態となることを許容するとともに、前記シートバックが前記最前傾位置から起立されるとき、前記被作動部材が前記作動部材の通過を許容するように構成されていることを特徴とする車両用シートのウォークイン装置。
  3. 請求項1において、前記コネクティング機構は、シートバック支持フレームに固定されたシートバック連動トリガと、前記シートバック支持フレームに回動自在に支承され、前記シートバックの傾倒動作と共に回動する前記シートバック連動トリガと係脱可能な第1のシートバック連動リンクと、前記シートバックの前倒動作時の前記第1のシートバック連動リンクの回動方向に該第1のシートバック連動リンクを付勢する第1の連動リンク付勢手段と、前記第1のシートバック連動リンクの回動軸に回動自在に支承され、回動する前記第1のシートバック連動リンクと係脱可能な第2のシートバック連動リンクと、前記シートバックの前倒動作時の前記第2のシートバック連動リンクの回動方向と逆方向に該第2のシートバック連動リンクを付勢する第2の連動リンク付勢手段と、前記第2のシートバック連動リンクと前記ロック解除保持機構とを連結するリンク連結手段とを備え、
    前記シートバックの前倒動作時に回動する前記シートバック連動トリガに、前記第1のシートバック連動リンクが係合したときは、該第1のシートバック連動リンクが押動されると共に前記第2のシートバック連動リンクが追動して、前記リンク連結手段を前記リクライニング機構側に引っ張り、
    前記シートバックの前倒動作時にさらに回動する前記シートバック連動トリガから、前記第1のシートバック連動リンクが離脱したときは、前記第2の連動リンク付勢手段により前記第2のシートバック連動リンクが付勢されて元に戻ると共に前記第1のシートバック連動リンクが追動し、前記リンク連結手段を前記ロック解除保持機構側に戻し、前記第1の連動リンク付勢手段により前記第1のシートバック連動リンクが付勢されて元に戻り、
    前記シートバックの起立動作時に回動する前記シートバック連動トリガに、前記第1のシートバック連動リンクが係合したときは、該第1のシートバック連動リンクのみが押動され、さらに回動する前記シートバック連動トリガから、前記第1のシートバック連動リンクが離脱したときは、前記第1の連動リンク付勢手段により前記第1のシートバック連動リンクが付勢されて元に戻ることを特徴とする車両用シートのウォークイン装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかにおいて、前記ロック解除保持機構は、シートクッションフレームに回動自在に支承され、前記車両用シートを所定の固定位置で停止させるメモリリンクと、前記シートクッションフレームに回動自在に支承されていると共に前記リンク連結手段に連結され、前記メモリリンクと係脱して前記メモリリンクの停止機能を解除するメモリ解除リンクとを備え、前記ロック解除保持解放機構は、前記シートクッションフレームに回動自在に支承され、前記メモリリンクの停止機能を復帰するメモリ復帰リンクと、前記メモリリンクと一端が回動自在に連結され、前記メモリ復帰リンクと他端が回動及びスライド自在に連結された連結リンクと、前記スライド機構に突設され、前記メモリ復帰リンクと係脱して該メモリ復帰リンクを回動させるメモリ復帰ピンとを備え、
    前記シートバックを前倒させた状態での前記車両用シートの前方移動時に、前記メモリ復帰リンクが前記メモリ復帰ピンと係脱するときは前記連結リンクの他端でスライドするのみであって前記メモリリンクの停止機能を解除したままであり、前記シートバックを前倒させた状態での前記車両用シートの後方移動時には、前記メモリ復帰リンクが前記メモリ復帰ピンと係脱することにより前記連結リンクを介して前記メモリリンクの停止機能を復帰し、前記車両用シートを前記所定の固定位置で停止させ、
    前記シートバックを起立させた状態での前記車両用シートの前後方移動時に、前記メモリ復帰リンクが前記メモリ復帰ピンと係脱するときは前記連結リンクの他端でスライドするのみであり、前記メモリリンクにより前記車両用シートを前記所定の固定位置で停止させることができることを特徴とする車両用シートのウォークイン装置。
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