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JP2009188298A - 電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法 - Google Patents

電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法 Download PDF

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JP2009188298A JP2008028675A JP2008028675A JP2009188298A JP 2009188298 A JP2009188298 A JP 2009188298A JP 2008028675 A JP2008028675 A JP 2008028675A JP 2008028675 A JP2008028675 A JP 2008028675A JP 2009188298 A JP2009188298 A JP 2009188298A
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Abstract

【課題】 電磁波遮蔽機能に更に光学フィルタ機能を色素含有粘着層で複合化した複合フィルタを、色素劣化の原因となる、導電体メッシュ層やエッチング液等の劣化物質の接触を完全に防いで製造する。
【解決手段】 (A)離型フィルム3上に色素含有粘着層1と透明基材2を積層して両面被覆の粘着層積層体4を用意する第一工程の後、(B)粘着層積層体の透明基材側面に金属を用いた導電体メッシュ層5を形成してメッシュ積層体7を作成する第二工程を行い、電磁波遮蔽複合フィルタ10を製造する。(B)工程は、(B1)導電体メッシュ層の形成にて、粘着層積層体の透明基材側面に銅箔など金属層5Aを積層した金属積層体6に対し、フォトリソグラフィー法などでレジストパターンで被覆した金属層を、エッチング液で腐食しメッシュ状にして導電体メッシュ層を形成するエッチング工程を含んでよい。
【選択図】図1

Description

本発明はディスプレイ(画像表示装置)の前面に配置するのに好適な、電磁波遮蔽フィルタと色素含有光学フィルタとを複合化させた電磁波遮蔽複合フィルタ、の製造方法に関し、更に詳しくは、該光学フィルタのフィルタ機能を実現するために粘着層中に色素を含有させた色素含有粘着層中の該色素が劣化するのを防げる、電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法に関する。
電気電子機器では、電磁気的なノイズ妨害(Electro Magnetic Interference;EMI)に注意する必要があり、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)、陰極線管(以下、CRTという)などのディスプレイでも電磁波が発生する。そこで、PDPなどでは、その前面に電磁波遮蔽シートを電磁波遮蔽フィルタとして配置している。この場合、電磁波遮蔽性能は30MHz〜1GHzにて30dB以上が必要である。更に、ディスプレイ用途などでは光透過性も要求される。従って、この様な電磁波遮蔽フィルタとしては、透明基材に接着剤で貼り合わせた銅箔等の金属箔を、フォトリソグラフィー法を利用しエッチング液でエッチングして、導電体メッシュ層としたもの等が知られている。尚、本願明細書に於いては、「電磁波」の語彙は、広義の電磁波の中でも特に赤外線よりも低周波数(長波長)帯域のものに対して使用し、赤外線、可視光線、紫外線等は含まない狭義の意味で用いるものとする。
また、PDPでは近赤外線も発生し、波長800〜1,100nmの近赤外線は、他のビデオレコーダ等、近赤外線利用機器を誤作動させるので、近赤外線(以下、NIRともいう)を遮蔽するNIR吸収機能を発揮するフィルタ機能も必要がある。
また、ディスプレイの前面に配置する電磁波遮蔽フィルタには、ディスプレイから放射する不要な光(例えばPDPではネオン発光による波長590nm付近のネオン光)を遮断してネオン光(以下、Ne光ともいう)による表示画像の色再現性の低下を防ぐNe光吸収機能、表示画像の色相を補正する色補正機能、などの光学フィルタ機能も求められることがある。これら光学フィルタ機能は層中に色素を含有させた色素含有層で実現できる。更に、これら各種フィルタ機能を実現する為のフィルタ機能層、中でもNIR吸収機能層は、その中に含まれる色素が日光等に由来する紫外線(以下、UVともいう)で劣化し易いという問題が有り、これを解決する為にUV吸収機能も求められる。
そこで、ディスプレイの前面に配置する電磁波遮蔽フィルタには、電磁波遮蔽機能と共に、NIR吸収機能、Ne光吸収機能、色補正機能、UV吸収機能など1以上の機能を有する光学フィルタも複合化し一体化した電磁波遮蔽複合フィルタとしたものが使用されることが多い。
例えば、特許文献1では、透明基材の一方の面に積層した金属箔をエッチングして導電体メッシュ層を形成した後に、透明基材の他方の面に、NIR吸収フィルタフィルムなどをラミネートした電磁波遮蔽複合フィルタが提案されている。
また、特許文献2では、透明基材の一方の面に、接着層を介して金属箔をラミネートして、該金属箔をフォトリソグラフィー法を利用しエッチング液でエッチング加工して導電体メッシュ層を形成した後に、該メッシュ層上に設けてディスプレイに貼り付ける為の接着剤層中に、NIR吸収色素を添加したり、或いは前記透明基材の他方の面にNIR吸収色素を添加した接着層を設けたりした、電磁波遮蔽複合フィルタが提案されている。
また、特許文献3では、図3のように、被着体に貼着用の粘着層を設けた例として、透明基材2の一方の面に金属箔5Aをラミネートした金属箔積層体(金属積層体)31を作成し〔図3(a)〕、印刷法やフォトリソグラフィー法によってエッチングレジストパターンを形成しエッチング液でエッチング加工して導電体メッシュ層5を形成して、メッシュ箔積層体32を得〔図3(b)〕、その後、前記透明基材2の他方の面に、離型フィルム3上に粘着層9を設けた粘着フィルム33を該粘着層面でラミネートし、使用時には離型フィルム3のみ剥離して使用する、電磁波遮蔽フィルタ30〔図3(c)〕が提案されている。
特開2001−210988号公報(請求項10、等) 特許第3473310号公報([0013]、[0014]) 特開平11−251784号公報([0022]、[0034])
しかし、特許文献1のような構成では、NIR吸収フィルタなどの光学フィルタ機能は、各機能のフィルタ毎に基材フィルムを有し、尚且つ各フィルタ毎に他層と積層する為の接着剤層も必要な為、追加するフィルタ機能の分だけ、電磁波遮蔽複合フィルタとしての総厚が厚くなり、且つ製造工程数も増えるという問題があった。
一方、特許文献2のように、導電体メッシュ層面に設ける接着剤層中にNIR吸収色素などの各種色素を添加した色素含有接着剤層を光学フィルタに利用すれば、層数や製造工程数を削減できるが、接着剤層がその隣接層である導電体メッシュ層と接触しているので、隣接層と色素とが反応して変色、或いは褪色し、吸収スペクトル特性の変化を生じること、即ち色素が劣化するという問題があった。この色素劣化は、室温雰囲気下(気温10〜20°C前後、相対湿度30〜60%前後)でも長時間経過するに従って起きるが、特に高温雰囲気下(50°C以上)、或いは高温高湿度雰囲気下(50°C以上、且つ70%以上)に於いて促進され、顕著となる。
なお、ディスプレイ表面フィルター用途の場合、一般的に求められる、高温高湿雰囲気下の変褪色に対する耐久性としては、温度60℃、湿度95%RHで1000時間放置した前後の色度(x、y)の値の差Δx及びΔyが、0.03未満、より好ましくは0.005未満であることが望まれている。
特にジイモニウム系等の有機系色素が専ら用いられるNIR吸収色素について、色素劣化の傾向が大であった。
この原因は、詳細は未解明の部分も有るが、かかる構成のフィルタに於いて、色素含有接着剤層とその隣接層との相互作用(化学反応)に起因すると推測される。具体的には、導電体メッシュ層の金属(特に、一般的に多用される銅、鉄等の遷移金属元素)、黒化層を構成する金属化合物(特に、一般的に多用される銅、亜鉛、コバルト等の遷移金属元素の化合物)、被着体である表示装置の硝子板中のナトリウムイオン、或いは導電体メッシュ層と透明基材フィルムとの間にウレタン系樹脂の接着剤層が介在する場合には、メッシュ開口部にて接触するのでこれも隣接層となり、ウレタン結合等の接着剤層中の原子団(官能基)等と色素とが直接反応するか、又は触媒として間接的に反応促進するかして、色素の吸収スペクトルを変化させる為だと考えられる。
そして、単に色素の反応劣化を防止する為だけであれば、化学的に耐久性の有る無機系色素、例えばカーボンブラック(炭素)、金属酸化物等を使用すれば解決可能では有る。しかし、これら高耐久性の色素は、何れも可視光線帯域での透過率が低く、透明性が必須の画像表示装置用途には不適であった。
そこで、光学フィルタ機能を粘着層中に色素を含有させた色素含有粘着層で実現し、この色素含有粘着層を導電体メッシュ層面ではなくその反対側面の透明基材側の面(背面)に設ければ、導電体メッシュ層に隣接し直に接触する直接的接触による上記問題は回避できると考えられる。
例えば、透明基材に導電体メッシュ層を形成済みのメッシュ積層体をロールとして一旦製造して、このロールを巻き出して導電体メッシュ層が形成されていない側の透明基材の他方の面に、色素含有粘着層と離型フィルム(セパレータ)を積層した光学フィルタ粘着フィルムを、その色素含有粘着層面で積層して電磁波遮蔽複合フィルタを製造し、そして、電磁波遮蔽複合フィルタを被着体に貼り付ける時に離型フィルムを剥離して色素含有粘着層面を露出させる使い方をすれば、色素含有粘着層と導電体メッシュ層とが直に接触するのを回避できる。
しかし、この様にしても、まだ、色素の劣化を完全には防げない。
それは、電磁波遮蔽複合フィルタ、乃至はそれに用いる各種透明基材などの材料は、生産性の点で、通常、連続帯状(長尺、ウェブとも言う)のフィルム(シートとも言う)の形態を用いて製造するからである。例えば透明基材は透明基材フィルムとして巻取(ロール)状の形態で各種加工や保存など取り扱うのが普通である。すると、連続帯状フィルムは、その表側面と裏側面とは恒久的接触ではないが、巻取の状態では一時的に直に接触した状態(この一時的な接触を「間接的接触」と呼ぶことにする)となり、表裏面の間で微量でも移行した劣化原因物質や化学的相互作用などが原因となって、色素劣化すると考えられる。これはいわゆる「裏移り現象」とも言える。しかも、透明基材などの材料が連続帯状フィルムでなく、枚葉シート状で巻取で取り扱わない場合でも、或いは、板状で巻取状として取り扱えない場合でも、板状乃至は枚葉シート状の形態の透明基材などの材料を、複数枚積み重ねた積層時には、同様に表裏面の「間接的接触」が起り得る。
従って、透明基材などの材料の形態がフィルム状であろうが、板状などであろうが、製造時には表裏間の「間接的接触」が起こり得るものであり、特に連続帯状フィルムはロール・ツー・ロールの加工方式などで巻取状で扱うのが普通であるから、層同士が恒久的に隣接することによる「直接的接触」を避けた層構成のものとしても、「間接的接触」が生じていることに気が付いた。
また、仮に以上のような、「直接的接触」と共に「間接的接触」も回避できたとしても、導電体メッシュ層のパターンを、エッチング液のエッチング加工でパターン形成する場合は、エッチング液も色素劣化の原因となり、エッチング液に対しても「直接的接触」の回避や、エッチング液が直接的に接触した面と一時的に直に接触する「間接的接触」の回避も望まれた。
この為に、メッシュ積層体の作製を、透明基材に金属箔を積層した金属積層体をエッチング液で腐食することで作製する場合は、金属積層体の透明基材面に、エッチング時のみ一時的に保護する保護フィルムを更に積層しておく方法も考えられる(特許第4043778号公報参照)。ただ、この保護フィルムはエッチング後は剥離するので、保護フィルム中に色素を含有させても、最終的に電磁波遮蔽複合フィルタの光学フィルタとしては利用できず、また、電磁波遮蔽複合フィルタの製品構成として不要となる追加的な保護フイルムはコスト高の一因となり、好ましくない。また、保護フィルムを剥離後に光学フィルタをラミネートしたとしても、保護フィルムを貼る前の貼り付け面が既に間接的接触など生じていた面では意味がない。
すなわち、本発明の課題は、上述のような技術的背景のもと、電磁波遮蔽機能以外に、NIR吸収機能、Ne光吸収機能、色補正機能等の、色素を用いて実現する色素含有光学フィルタの機能を、粘着層中に色素添加した色素含有粘着層の付与によって複合化した電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法に於いて、導電体メッシュ層、該メッシュ層を形成する為の金属層、該メッシュ層を形成時のエッチング液などの劣化原因物質が、色素含有粘着層に対して直接的接触と共に間接的接触も含めて完全に接触しない様にして、色素劣化を防止できる、電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法を提供することである。
そこで、本発明の電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法は以下の方法とした。
第1の発明は、(A)色素含有粘着層の片面に透明基材が積層され、他方の面に離型フィルムが積層された、両面被覆の粘着層積層体を用意する、第一工程と、(B)上記粘着層積層体の透明基材側面に金属を用いた導電体メッシュ層を形成して、メッシュ積層体を作成する、第二工程と、をこの順に含む、電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法とした。
この方法によれば、NIR吸収機能、Ne光吸収機能、色補正機能などの色素に依存する光学フィルタ機能を粘着層を色素含有粘着層とすることによって、層追加による厚み増や工程数増を回避して実現できる。この光学フィルタを「色素依存光学フィルタ」、或いは、「色素含有光学フィルタ」と呼ぶことにする。しかも、色素含有粘着層を利用してメッシュ積層体と他の物(被着体;特に色素含有粘着層と貼着する被着体を第2の被着体と呼称する)とを積層するときに、粘着面を保護している離型フィルムは剥離除去することになるが、その時まで完全に、色素含有粘着層は、導電体メッシュ層(及びそれを形成する為の金属層)の色素劣化の原因となる劣化原因物質との接触を、間接的接触(ロールや重ねたシートなどの状態で、積層体の表裏が接触することによる表側面と裏側面との接触による表裏面間での接触のこと)も含めて完全に防げ、また被着体に積層後も(被着体面に劣化原因物質が存在しない限り)、同様に導電体メッシュ層との接触を完全に防げるので、裏移りなども含めて色素劣化を回避できる。
なお、(B)第二工程で得られたメッシュ積層体自体が、目的とする電磁波遮蔽複合フィルタとなることもあるし、これに更に別の層形成や処理を行ったものを、電磁波遮蔽複合フィルタとすることもある。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記(B)第二工程が、(B1)導電体メッシュ層の形成にて、上記粘着層積層体の透明基材側面に金属層を積層した金属積層体に対して、該金属層をエッチング液で腐食してメッシュ状にして導電体メッシュ層を形成するエッチング工程を含む、電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法とした。
この方法によれば、エッチング時の対象物は、色素含有粘着層がその両面を被覆された粘着層積層体に於ける透明基材に対して金属層を積層した金属積層体であり、この金属積層体をエッチングして導電体メッシュ層を形成するので、色素含有粘着層とエッチング液の直接的接触及び間接的接触も離型フィルムによって防げる。離型フィルムを剥離除去するときは、エッチング工程後の第2の被着体と積層するときであるので、エッチング液に接触した離型フィルム面は、恒久的に色素含有粘着層と接触しない。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明に於いて、上記(B)第二工程の後、(C)前記導電体メッシュ層上に第1の被着体を積層被覆する、第三工程と、(D)前記離型フィルムを剥離する、第四工程と、をこの順に含む、電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法とした。
この方法によれば、上記電磁波遮蔽複合フィルタを、フィルタ基板或は画像表示装置等の第2の被着体に積層し、最終的に当該電磁波遮蔽複合フィルタを組み込んだ画像表示装置が完成する迄の間及びそれ以降を含め、上記色素含有粘着層中の色素が、これを劣化させる劣化原因物質と接触する機会が、より確実に無くなる為、製造工程の如何によらず確実に当該色素の劣化の懸念を払拭出来る画像表示装置を得ることができる。
(1)本発明によれば、色素依存光学フィルタ機能を層追加による厚み増や工程数増を回避して実現できる。しかも、色素添加された色素含有粘着層が、電磁波遮蔽複合フィルタの製造工程中に、導電体メッシュ層(及びそれを形成する為の金属層)の劣化物質との接触を、それが裏移りした物質も含めて完全に防いで、色素劣化を高度に回避できる。
(2)また、導電体メッシュ層の形成がエッチング工程によるときでも、粘着層積層体の透明基材側面に金属層を積層した金属積層体に対してエッチングすることで、色素含有粘着層とエッチング液との直接的接触及び間接的接触を離型フィルムによって恒久的に完全に防いで、色素劣化を高度に回避できる。
(3)また、導電体メッシュ層上に第1の被着体を積層被覆した後、離型フィルムを剥離すれば、第2の被着体に積層する迄の間及びそれ以降を含め、色素含有粘着層中の色素の劣化原因物質と接触機会をより確実になくせ、製造工程の如何によらず確実に色素劣化の懸念を回避できる。
以下、本発明について、実施の形態を図面を参照しながら説明する。
1.図面と符号の概説:
先ず、参照する図面は、図1は本発明による電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法をその一形態で概念的に示す説明図であり、図2は図1の製造方法の後に更に保護層を被覆する第三工程を追加した場合を概念的に示す説明図であり、図3は従来製法の一例としてメッシュ積層体形成後に粘着フィルムを積層する方法を概念的に示す説明図である。
図中、1は色素含有粘着層、2は透明基材、3は離型フィルム、4は粘着層積層体、5Aはメッシュ形成前の金属層、5は導電体メッシュ層、6は金属積層体、7はメッシュ積層体、8は保護層(第1の被着体の1例でもある)、10は電磁波遮蔽複合フィルタであり、30は従来の電磁波遮蔽フィルタ、31は金属箔積層体、32はメッシュ箔積層体、33は粘着フィルムである。
2.製造方法の各工程と特徴:
[概要]
本発明による電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法の特徴は、ディスプレイ前面板やフィルタフィルムなどの、他の物(被着体)との積層の為に設ける粘着層は、従来ならば、先ずは電磁波遮蔽複合フィルタの主目的機能である導電体メッシュ層を形成したメッシュ積層体を作製した後に、このメッシュ積層体に追加的に後から付与するのものであったのが、本発明では、導電体メッシュ層やその為の金属層を形成する前の段階から、粘着層をその使用時まで、更に詳しく言えば、色素含有粘着層がもはやその劣化原因物質と接触しない状態になった時点まで保護し、該使用時に剥離除去する離型フィルムで、被覆保護された状態で最初から付与しておく方法とする点にある。
尚、色素含有粘着層がもはやその劣化原因物質と接触しない状態になった時点とは、通常は、メッシュ積層体7(図1(C)参照)が完成した時点になる。多くの場合は、この時点以降、露出した色素含有粘着層1を露出した導電体メッシュ層5側と直接接触させることは本来工程上は有り得ない。それは、一旦両層が不用意に接触すると、本来画像表示装置等と貼着せる為の色素含有粘着層1が導電体メッシュ層5と不要な接着をし、再剥離が困難となる為である。
但し、現実の製造工程に於いては、間接的に第3の媒体を介して劣化原因物質が導電体メッシュ層5から色素含有粘着層1に移行することも有り得る。例えば、図1(C)の状態で離型フィルム3を除去すると、最終的に導電体メッシュ層5側の劣化原因物質が色素含有粘着層1と触れる場合も起こり得る。例えば、図1(C)の状態のメッシュ積層体7が、色素含有粘着層1の貼着対象である第2の被着体(例えば、画像表示装置の前面)上に導電体メッシュ層5が接触する向きで一時的に載置され、劣化原因物質が第2の被着体表面に移行した後、離型フィルム3を剥離除去して、メッシュ積層体7の色素含有粘着層1が第2の被着体表面に貼着される場合がある。或は、作業者の手から更に第2の被着体表面を介して、劣化原因物質が導電体メッシュ層5から色素含有粘着層1に移行する場合も有る。
以上のような場合に於いても、なお確実に劣化原因物質が導電体メッシュ層5から色素含有粘着層1に移行、接触することを防止する為には、図2の如く導電体メッシュ層5表面を第1の被体着(図2の場合は保護層8)で被覆し、完全に導電体メッシュ層5から外部に劣化原因物質が移行することを阻止すれば良い。この時点を以って、色素含有粘着層がもはやその劣化原因物質と接触し無い状態になった時点とすれば、如何なる製造工程や製造条件管理の下に於いても、確実に色素の劣化を防止可能であり、より好ましい。
また、色素含有粘着層を透明基材と離型フィルムとの各々で両面を被覆した粘着層積層体や、メッシュ積層体は、好ましくは巻取り可能な連続帯状フィルムとして、巻取で加工、保存等の取り扱いをする。理由は生産性の点、また、巻取状態では裏移りが生じ、この裏移りにも特に本発明は対処してある為である。
以下、図面を参照しながら説明する。
[(A)第一工程]
図1(a)は(A)第一工程を示し、第一工程は粘着層積層体4を準備する工程である。粘着層積層体4は、色素含有粘着層1の片面に透明基材2が積層され、該色素含有粘着層1の他方の面には該粘着層4使用時には該粘着層4を透明基材2側に残して剥離除去する離型フィルム3が積層され、色素含有粘着層1の表裏両面が透明基材2と離型フィルム4によって被覆された構成である。
この粘着層積層体4は、市販品として用意できればそれでも良いし、これら積層体の材料を積層することで作成することで用意しても良い。積層の手順及び方法は特に制限はない。例えば、
離型フィルムの離型面に、色素を添加した粘着剤組成物を施して色素含有粘着層を形成し、該粘着層面に透明基材を積層して作成したり、或いは施す対象を逆にして、透明基材面に、色素を添加した粘着剤組成物を施して色素含有粘着層を形成し、該粘着層面に離型フィルムを積層して作成しても良い。
[(B)第二工程]
図1(c)は(B)第二工程を示し、第二工程はメッシュ積層体7を作成する工程である。第二工程は、図1(c)に示すように、第一工程で準備した粘着層積層体4の透明基材2の面に、金属を用いた導電体メッシュ層5を形成して、メッシュ積層体7を作成する工程である。
ここで作成したメッシュ積層体7自体を、目的とする電磁波遮蔽複合フィルタ10としても良いし、例えば後述図2で説明する電磁波遮蔽複合フィルタ10のように、更なる層や処理を追加する工程を、工程(B)の後に行っても良い。
なお、図1(c)に示す電磁波遮蔽複合フィルタ10は、透明基材2の一方の面に、金属を用いた導電体メッシュ層5が積層され、他方の面に色素含有粘着層1、及び色素含有粘着層1の使用時は剥離除去される離型フィルム3がこの順に積層された構成である。
導電体メッシュ層5自体の形成は、基本的には特に制限はなく、公知の導電パターン形成法を適宜採用することができる。例えば、既にメッシュ状となった導電体メッシュ層を、ラミネートや転写シートからの転写などで形成しても良いし、一旦、図1(b)に示すように、メッシュ形成前の金属層として、金属箔のラミネートや転写、金属の蒸着やスパッタ等の公知の層形成法で形成して、金属積層体6を用意した後、金属層表面にレジストパターンを形成しエッチング液で金属層を腐食するエッチング処理で形成しても良い。但し、後者のエッチング液で腐食する形成法は、本発明は、エッチング液に対する(直接的或いは裏移りによる間接的な)接触も、色素含有粘着層に対して完全に回避してあるので、好適な方法でもある。なお、エッチング処理は、通常、金属積層体として、透明基材上に積層した金属層に対して、公知のパターン形成法によって所定パターンのレジスト層を設けた後、エッチング液で金属層の不要部分を腐食して除去してメッシュ状にパターン化し、この後、不要なレジスト層は除去する、マスキング、エッチング、レジスト剥離の各工程を行い、導電体メッシュ層を形成する。なお、エッチング液には、塩化第二鉄や、塩化第二銅の溶液を用いる。
また、所定パターンのレジスト層を形成する為のパターン形成法としては、要求するパターンが形成できるものであれば特に限定はなく、例えば、フォトリソグラフィー法(パターン露光法)や印刷法を採用できる。なかでも、前者のフォトリソグラフィー法は微細パターンの形成法として従来から慣用されパターン精度等において好適である点で好ましい(レジストの)パターン形成法の一種である。したがって、レジスト層のパターン形成にフォトリソグラフィー法を利用する場合は、前記した(B)第二工程の(B1)エッチング工程は、(B1)導電体メッシュ層の形成にて、上記粘着層積層体の透明基材側面に金属層を積層した金属積層体に対して、該記金属層をフォトリソグラフィー法を利用しエッチング液で腐食してメッシュ状にして導電体メッシュ層を形成するエッチング工程を含む、電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法となる〔(B1)と区別すれば(B2)フォトリソグラフィー法を含むエッチング工程〕。
なお、本発明では、フォトリソグラフィー法で利用する材料が劣化原因物質になる場合も、導電体メッシュ層や金属層の場合と同様、直接的接触及び間接的接触は回避できる。
また、メッシュ状に導電インキを印刷して導電パターン処理後、或いは、メッシュ状に触媒インキを印刷してめっき触媒パターンを形成した後、これらパターン部分のみに金属めっきして、導電体メッシュ層を形成する方法などである。いずれにしろ、導電体メッシュ層に金属を用いるものであれば、各種公知の方法を採用できる。
[追加的な工程]
なお、(B)第二工程の後に、導電体メッシュ層側面を第1の被着体で被覆しても良い。この形態に於いては、前述の如く、如何なる製造工程や製造条件管理の基に於いても、確実に色素の劣化を防止でき、より好ましい。図2は、本発明による電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法に於いて、更に(C)第三工程として、導電体メッシュ層側の面を第1の被着体を積層被覆する工程を概念的に説明する説明図である。特に、同図は、メッシュ積層体7の導電体メッシュ5の表面に直接、該導電体メッシュ5を完全に被覆するように、第1の被着体の一形態としての保護層8を形成して、電磁波遮蔽複合フィルタ10とする。
保護層8は、基本的機能として導電体メッシュ層を保護するメッシュ保護層の機能を有する透明な層であるが、これ以外に保護層は、ハードコート層や光学フイルタ層など各種機能が付与されたものでも良い。
第1の被着体の例としては、この他、適当な接着剤層を介して被覆、積層した反射防止フィルム、防眩フィルム、紫外線吸収フィルター、ミクロルーバーフィルム(特公平8−11211号公報、特表2004−514167号公報等参照)等を選択することも出来る。
例えば、第三工程を含めた製造方法は、前記第1又は第2の発明において、(C)第三工程として、(B)第二工程の後に更に、メッシュ積層体の表裏の導電体メッシュ層と離型フィルムとが接触する前に、メッシュ積層体の導電体メッシュ層側面を第1の被着体で被覆する工程を含む、製造方法である。もちろん、この(C)第三工程を含む場合、(B)第二工程は(B1)のエッチング工程〔乃至は(B2)工程〕を含む工程でも良い。
また、この(C)第三工程を含む形態の場合この第三工程の後に更に、離型フィルム3を剥離、除去する(D)第四工程を含んでもよい。つまりこの(D)第四工程を必須とする形態の場合は、(D)第四工程で離型フィルムを剥離した後の物、つまり、色素含有粘着層の面が露出したままの状態のフィルタは、本発明の製造方法で製造対象とする電磁波遮蔽複合フィルタの一形態である。本発明の製造方法によって製造された電磁波遮蔽複合フィルタは、色素含有粘着層面が露出したままの物であっても、該電磁波遮蔽複合フィルタが最終的に第2の被着体に積層された最終製品(該電磁波遮蔽複合フィルタを、直接或いはフィルタ基板を介して、装着した画像表示装置)を得る工程中に於ける中間製品であり、最終製品に至った段階に於いて、前記本発明の効果を奏する。
また、(C)第三工程が必須工程として(D)第四工程を伴わないで(C)第三工程だけの形態の場合は、該電磁波遮蔽複合フィルタが最終的に第2の被着体に積層された最終製品を得る工程中に於いて、該電磁波遮蔽複合フィルタを第2の被着体に未貼着のまま保管する場合に、良好な保管適性に加えて、これを第2の被着体に貼着して最終製品に至った段階に於いて、前記本発明の効果を奏する。
保護層等の第1の被着体を積層する方法は、公知の材料、方法を適宜選択すれば良い。例えば、樹脂液の塗工、樹脂フィルムのラミネートなどである。例えば、電離放射線硬化性樹脂などの硬化樹脂からなる樹脂組成物を、導電体メッシュ層上に施して、樹脂組成物を硬化させて、保護層を形成する。
また、保護層の形成以外でも、本発明の主旨を逸脱しない範囲内であれば、その他の層の形成工程や処理工程を追加しても良い。
[電磁波遮蔽複合フィルタの被着体(第2の被着体)]
なお、本発明による電磁波遮蔽複合フィルタは、離型フィルムを剥離除去して前記色素含有粘着層によって画像表示装置、フィルタ基板等の第2の被着体に貼り付けて使用するが、第2の被着体に貼り付けた後の積層物を、電磁波遮蔽複合フィルタとしても良い。つまり、第2の被着体に貼り付ける工程を含む製造方法であっても良いし、本発明による電磁波遮蔽複合フィルタは、前記色素含有粘着層は、又、該電磁波遮蔽複合フィルタ内の層同士の接着一体化の為に用いるものであっても良い。即ち、第2の被着体は、後述保護層で述べる様な他の機能フィルムであっても良い。
なお、第2の被着体は、導電体メッシュ層側で積層する被着体を第1の被着体と呼称するのに対して、離型フィルムを剥離した後に露出した色素含有粘着層がその粘着力によって貼着する被着体のことを区別して呼称したものである。
第2の被着体は上記のように、フィルタ基板、画像表示装置、PDPを構成する前面側のガラス基板、該ガラス基板の表面側に配置した透明板、光学フィルタや保護フィルムなどの機能フィルム、その他の透明板、などである。第2の被着体の形態は、巻取り可能な柔軟性を有するフィルム(シートとも呼ぶ)、枚葉フィルム、或いは剛直で巻取り不可能な板(例えば、樹脂板、ガラス板など)、などである。
[巻取形態(RtoR方式)での製造具体例]
本発明による電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法では、粘着層積層体、金属積層体などの材料の形態は、好適には、巻取(ロール)から巻き出して、連続帯状(ウェブ状)で加工し、加工後は巻取(ロール)に巻き取る形態が好ましい。この形態の加工法をロール・ツー・ロール(RtoR)方式とも呼称する。その理由は、生産性に優れるからである。なお、全製造工程を一台の機械で途中は巻取に巻き取らないで連続帯状で連続的に一貫して処理しても良いし、前工程と後工程など複数工程に分けて複数台の機械で処理しても良い。
但し、最終製品の電磁波遮蔽複合フィルタに於いては、ディスプレイ等に適用時には枚葉のカットシートして適用するので、連続帯状で加工後、巻取としないでカットシートとして製造しても良いことはもちろんである。
したがって、この様にして製造する場合は、「透明基材」、「粘着層積層体」、「金属積層体」、「電体メッシュ積層体」は、各々、「透明基材シート」、「粘着層積層シート」、「金属積層シート」、「導電体メッシュ積層シート」と言い換えることもでき、またこれらにて「シート」は「フィルム」とも言い換えることができる。
ここで、巻取形態で製造する具体例を挙げれば、前工程として、(A)第一工程では、透明基材及び離型フィルムを巻取で用意し、連続帯状の透明基材フィルム(又は離型フィルム)の面に色素含有粘着層を形成し、引き続き同一機械上で連続帯状の離型フィルム(又は透明基材フィルム)を該粘着層面に積層して粘着面を被覆して、粘着層積層体として連続帯状フィルムとなったものを、巻取に巻き取る。
次に、(B)第二工程では、上記巻取から巻き出された連続帯状フィルム形態の粘着層積層体に対して、その透明基材面に対して連続的に導電体メッシュ層を形成して、連続帯状フィルム形態のメッシュ積層体となったものを、巻取に巻き取る。なお、この段階でのメッシュ積層フィルムを最終的な電磁波遮蔽複合フィルタとする場合などでは、巻取に巻き取らないで所定の寸法の枚葉シートにカットしても良い。
(B)第二工程にて、連続帯状フィルム形態の粘着層積層体の透明基材面に連続的に導電体メッシュ層を形成する方法は、例えば、(B1)工程にて、金属層として巻取の金属箔を連続的に適宜接着剤を用いて積層後、一旦巻取に巻き取るか巻き取らずに連続して、この金属層をエッチング液で腐食し所定メッシュ形状にパターンニングする方法で、連続帯状の各材料を連続加工して行う。(B1)工程でも、連続帯状の各原材料を連続加工して巻取で仕上げることができる。
3.本製造方法に用いる各種材料について:
本発明による電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法で用いる各種材料の形態としては、生産性、巻取り時の裏移りにも効果的である点などで好ましくは、巻取での取り扱いが可能な材料がよいが、生産性の点を除けば板や枚葉のカットシートでも効果が得られる為、基本的には特に制限はない。従って、使用する各種材料は、用途などに応じて従来公知のものを適宜選択すれば良い。
以下、粘着層積層体、導電体メッシュ層などを順に詳述する。
[粘着層積層体]
粘着層積層体4は、(A)第一工程で用意する積層体であり、その層構成は、透明基材側から順に、透明基材2、色素含有粘着層1、離型フィルム3が積層された構成であり、色素含有粘着層1の両面が片方は透明基材2、他方は離型フィルム3によって被覆された構成である。
(色素剤含有粘着層)
色素含有粘着層1は、色素を含有している粘着層であり、粘着剤に色素を添加した色素含有粘着剤組成物を塗工するなど、公知の形成法で形成できる。該色素を適宜選択することによって、NIR吸収機能、Ne光吸収機能、色補正機能、紫外線吸収機能(UV吸収機能)などの1種以上の色素依存(含有)光学フィルタ機能を、色素含有粘着層で実現する。例えば、各機能毎の3系統或は4系統の色素を含有させて、これら3機能を色素含有粘着層で実現しても良い。
上記粘着剤及び色素は、公知の材料から適宜選択すれば良く、特に制限はない。ただ、本発明の特徴がより際立つのは、色素の持つ本来の光学フィルタ性能には優れているが、導電体メッシュ層やエッチング液などの色素の劣化原因物質によって劣化し易く、使い難かった色素である。なお、もちろんであるが、上記の色素や粘着剤には、紫外線や熱などによって劣化しない材料を選ぶことが好ましい。もしも、紫外線に弱い色素を用いる場合は、更に紫外線吸収色素(紫外線吸収剤)を色素含有粘着層中に添加するか、或は色素含有粘着層よりも紫外線源側(観察者側)の何れかの層に紫外線吸収色素を添加することが好ましい。
なお、色素含有粘着層の厚さは、粘着力、色素添加による光吸収強度などを勘案して適宜厚さにすればよい。また、色素含有粘着層は複層でも良い。色素含有粘着層の厚さは通常は、5〜50μm程度である。
なお、本明細書に於いては、特に、化学反応や加熱、放射線照射等の物理的作用を利用せず、加圧のみで粘着により接着させることができる層は「粘着層」(或は「粘着剤層」とも呼称し得る)、粘着によらないで或いは粘着も含めてその他の機構を用いた接着で積層させるものは「接着剤層」と一応区別する(即ち、「接着剤」とは「粘着剤」も包含する、より上位概念である)。「色素含有粘着層」は、粘着によって接着できる層である。
色素含有粘着層の粘着機能の使用用途は、第2の被着体の選択に応じて、例えば、次のa)、b)等が挙げられる。
a)PDPを構成する前面側のガラス基板の表面に直接、電磁波遮蔽複合フィルタを貼り付けたり、前記ガラス基板の表面側に配置した透明板に電磁波遮蔽複合フィルタを貼り付けたり、する様な、ディスプレイに対して組み込む用途。
b)別の光学フィルタや保護フィルム、透明板等の被着体に電磁波遮蔽複合フィルタを貼り付ける用途(得られたものが新たな電磁波遮蔽複合フィルタや、ディスプレイ組み込み部品等となる)。
((粘着剤))
上記粘着剤としては、公知の粘着剤の中から、粘着性、透明性、無着色性、塗工適性などを適宜考慮して、選定すれば良い。このような粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤などから選定することができるが、粘着性、透明性、無着色性の点でアクリル系粘着剤が好ましい。
例えば、アクリル系粘着剤としては、炭素数1から18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルのモノマーをモノマー成分として含む重合体が用いられる。具体的には、これら(メタ)アクリル酸エステルのモノマーのみから成る単独重合体、これら(メタ)アクリル酸エステルのモノマーから選択される2種以上のモノマーから成る共重合体、これら(メタ)アクリル酸エステルのモノマーとその他のモノマーとから成る共重合体等である。なお、本発明において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。また、同じように、以下の(メタ)アクリレートなどもアクリレートまたはメタクリレートを意味する。
上記炭素数1から18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、これらと共重合可能な、その他のモノマーとしては、官能基を有するビニルモノマーには、ヒドロキシル基を有するビニルモノマー、カルボキシル基を有するビニルモノマー、アミド基を有するビニルモノマー、アミノ基を有するビニルモノマー、アルコキシ基を有するビニルモノマー、エチレンオキサイド基を有するビニルモノマー等を挙げることができる。
ここで、ヒドロキシル基を有するビニルモノマーには、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、カルボキシル基を有するビニルモノマーには、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸等を挙げることができる。また、アミド基を有するビニルモノマーには、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N‘−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。また、アミノ基を有するビニルモノマーには、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、アルコキシ基を有するビニルモノマーには、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。なお、エチレンオキサイド基に由来する構造単位を有するビニルモノマーには、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
前記共重合体には、さらにその他のモノマーとして、必要に応じて、スチレン、クロロスチレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル等のモノマーを共重合することもできる。
ここで、上記のようなモノマーを利用した重合体として、単独重合体や共重合体の具体例を挙げれば、次の様なものを挙げることができる。
例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの単独重合体、つまり(メタ)アクリル酸エステル単独重合体としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸オクチル等が挙げられる。
また、アクリル酸エステル単位2種以上を含む共重合体としては、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシ3フェニルオキシプロピル共重合体等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸エステルと他の官能性モノマーとの共重合体としては、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−エチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル−スチレン共重合体が挙げられる。
((色素))
色素含有粘着層に含有させる色素としては、実現する色素依存光学フィルタ機能に応じて、公知の材料から適宜選択すれば良く、特に制限はない。例えば、色素依存光学フィルタ機能がNIR吸収機能、Ne光吸収機能、色補正機能、UV吸収機能などであれば、これらに応じて、NIR吸収色素、Ne光吸収色素、色補正色素、UV吸収色素を用いれば良い。
なお、色素の添加量は、要求性能によって適宜選択すればよい。例えば、NIR吸収色素の場合は層中に0.1〜15質量%程度、Ne光吸収色素や色補正色素は層中に0.00001〜2質量%程度、UV吸収色素は層中に0.01〜5質量%程度である。
以下、各色素について更に説明する。
(a)NIR吸収色素は、電磁波遮蔽複合フィルタをPDPに適用する場合、PDPがキセノンガス放電を利用して発光する際に生じる近赤外線領域、即ち、800nm〜1100nmの波長領域を吸収し、且つ可視光領域、即ち、380〜780nmの波長領域では吸収が少なくて十分な光線透過率を有する色素が好ましい。また、色素含有粘着層は、上記近赤外線領域での近赤外線の吸収量が、透過率でいえば20%以下、更に好ましくは10%以下となるように、NIR吸収色素の種類、NIR吸収色素の色素含有粘着層中での含有量、及び該粘着層の厚み等を設定するのが好ましい。
このようなNIR吸収色素としては、具体的には、ポリメチン系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、イモニウム系化合物、ジイモニウム系化合物、アミニウム系化合物、ピリリウム系化合物、セリリウム系化合物、スクワリリウム系化合物、銅錯体類、ニッケル錯体類、ジチオール系金属錯体類の有機系NIR吸収色素や、酸化スズ、酸化インジウム、6塩化タングステン、セシウム含有酸化タングステン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の無機系NIR吸収色素等が挙げられる。
なお、これらの色素は、1種単独使用、又は2種以上併用することができる。
なかでも、色素を劣化させる劣化原因物質との接触による色素劣化が目立ち易い有機系NIR吸収色素は、本発明による効果が得やすい点で好適であるが、ただそのうち、フタロシアニン系化合物は接触による色素劣化は少ない方であるのに対して、特にジイモニウム系化合物は接触による色素劣化が目立ち、本発明による効果が顕著な点で好適な色素である。
(b)Ne光吸収色素は、電磁波遮蔽複合フィルタをPDPに適用する場合、PDPから放射されるネオン光を吸収させる色素である。該Ne光吸収色素は、ネオン原子の発光スペクトル帯域、即ち550〜640nmの波長領域(Ne光領域)を吸収し、且つ該波長領域を除いた可視光領域380nm〜780nmの波長領域中ではなるべく吸収が少なくて十分な光線透過率を有する色素が好ましい。
そして、色素含有粘着層は、上記Ne光領域の中心波長を590nmとすれば、該590nmにおける光線の透過率が50%以下になるように、Ne光吸収色素、Ne光吸収色素の色素含有粘着層中での含有量、及び粘着層の厚み等を設定するのが好ましい。
このようなNe光吸収色素としては、具体的には、シアニン系、オキソノール系、メチン系、サブフタロシアニン系、テトラアザポルフィリン系等が挙げられる。
なお、これらの色素は、1種単独使用、又は2種以上併用することができる。
(c)色補正色素は、ディスプレイの表示画像を好みの色調(天然色、或いは天然色から多少偏移した色)に補正する為の色素である。このような色補正色素としては、有機系色素、無機系色素などを1種単独使用、又は2種以上併用することができる。具体的には、有機系色素でいえば、アントラキノン系、ナフタレン系、などが挙げられる。
((その他の添加物))
また、色素含有粘着層には、更に、UV吸収色素(紫外線吸収剤)、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等の有機系化合物、微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム等からなる無機系化合物からなる公知の化合物を、添加するのも好ましい。
更に、色素含有粘着層には、エポキシ化合物やイソシアネート化合物等の架橋剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、充填剤等を、これらの必要性に応じて、添加しても良い。
(透明基材)
透明基材2は、機械的強度、透明性、耐熱性、耐光性等の物性を考慮して、公知の材料を適宜用いればよい。なお、透明基材の形態は、好適には生産性の点で巻取にできる柔軟性を有するフィルム(シートとも呼ぶ)であるが、枚葉フィルム、或いは剛直で巻取り不可能な板状(例えば、樹脂板、ガラス板など)でも、積層時の裏移り等による色素劣化防止には有効であるので、これらも含む。
巻取り可能な透明基材の代表例は樹脂フィルムである。該樹脂フィルムの樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂等である。なかでも、ポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルムは、機械的強度、透明性、耐熱性、耐光性、コスト、金属イオン等の色素の劣化原因物質の遮蔽性などの点で好ましい材料である。
樹脂フィルムの樹脂は、単独又は混合樹脂(ポリマーアロイを含む)として用いられ、また、樹脂フィルムは、これら樹脂の単層又は2層以上の積層体として用いられる。
透明基材フィルムの厚さは適宜選択すれば良く、特に制限はないが、通常は12〜1000μm、好ましくは50〜500μm、より好ましくは50〜200μmである。
また、樹脂を用いた透明基材中には、更に必要に応じて適宜、公知の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などを本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で加えることができる。
また、透明基材は、その表面に適宜、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの公知の易接着処理を行ってもよい。
(離型フィルム)
離型フィルム3は、色素含有粘着層を使用時まで被覆し使用時は剥離除去するフィルムであり、適宜公知の離型フィルムを使用すれば良い。なお、離型フィルムとしては、樹脂フィルムや紙などの離型面とする側をシリコーン処理したもの等、公知のものを使用することができる。但し、離型フィルム3には、該フィルムを積層したままでの品質検査が可能な点などで、樹脂フィルムなどによる透明なものが良い。この様な樹脂フィルムには、上記透明基材で述べた樹脂フィルムを使用できる。中でも、ポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルムは、金属イオン等の色素の劣化原因物質の遮蔽性の点で好ましい材料である。
[導電体メッシュ層]
導電体メッシュ層5は、金属を用いることで導電性を有するがそれ自体は不透明である為にメッシュ状に多数の開口部を設けることで光透過性を確保した、電磁波遮蔽性の層である。導電体メッシュ層5としては、従来公知の各種のものを適宜採用することができる。また、導電体メッシュ層5は、通常金属層を主とし、通常は更にこれに加えて、導電性を有する黒化層や防錆層を含み、導電体メッシュ層を電解めっきにより形成する場合には、更に下地処理層としての導電処理層を構成層として含む。また、導電体メッシュ層の側面も含めた表裏面の一部又は全面上に、導電性を有しない層(例えば防錆層や黒化層等)が更に形成されていてもよい。ただし、防錆層や黒化層等であっても、導電性を有する場合には導電体メッシュ層に含める。
なお、前記金属乃至は上記金属層の金属としては、銅、アルミニウム、金、銀、鉄、ニッケル、クロム等が挙げられ、またこれらの金属などの合金でも良く、金属層は単層でも多層でも良い。導電体メッシュ層の厚さは、電磁波遮蔽性能の観点などから、1〜100μm程度、好ましくは5〜20μmである。なお、これらの金属と色素含有粘着層中の色素との組合せの中で相互の反応により色素劣化が顕著なもの同士の組合せは、特に本発明の効果を顕著に奏するものである。具体的には、色素としてジイモニウム系化合物を使用する場合に於いては、従来から知られている様に、銅、特にコバルト含有の黒化層を表面に有する銅が色素を劣化させる傾向が大きい。これに加えて、従来知られていなかった意外な事実ではあるが、本発明者の実験によれば、アルミニウムもジイモニウム系化合物を劣化させ、近赤外線帯域での吸収率低下に加え、可視光線領域の吸収も生じ変色することが判明した。
(メッシュの形状)
導電体メッシュ層のメッシュの形状は任意だが、開口部の形状は正方形が代表的である。開口部の形状は、例えば、正三角形等の三角形、正方形、長方形、菱形、台形等の四角形、六角形、等の多角形、或いは、円形、楕円形などである。メッシュはこれらの形状からなる複数の開口部を有し、開口部間は開口部を区画するライン部(線部乃至は線条部)となり、ライン部は通常幅均一でライン状のものであり、また、通常は開口部及び開口部間は、全面で各々同一形状同一サイズである。
なお、導電体メッシュ層は、電磁波遮蔽複合フィルタをディスプレイに適用する場合に、通常、ディスプレイ画像領域の外側周囲に接地を取る為の接地領域を有し、接地領域では開口部が存在しない部分を設けることが多い。
具体的サイズを例示すれば、開口率及びメッシュの非視認性の点で、開口部間のライン部の幅(ライン幅乃至は線幅)は100μm以下、より好ましくは50μm以下である。但し、電磁波遮蔽機能の確保、破断防止の点で、下限は5μm以上とするのが良い。
なお、メッシュ領域のバイアス角度(メッシュのライン部と電磁波遮蔽複合フィルタの外周辺とのなす角度)は、適用するディスプレイの画素ピッチや発光特性を考慮して、モアレが出難い角度に設定するのが好ましい。
また、開口部の間口幅[ラインピッチ−ライン幅]は、100μm以上、より好ましくは150μm以上とする。但し、電磁波遮蔽機能の確保の観点から最大3000μm以下が好ましい。また、ライン幅及び間口幅は、光透過性の観点、及び保護層や接着剤層を形成時に開口部内に気泡が残留し難い観点から、開口率で60%以上が好ましく、更に、開口率は電磁波遮蔽機能の点から97%以下が好ましい。なお、開口率=[(間口幅)2/(ラインピッチ)2]×100%である。
(黒化層)
黒化層は外光吸収、コントラスト向上などの必要性に応じて適宜設ける。黒化層は、金属酸化物、金属硫化物の形成など、公知の材料、方法を適宜選択して形成すれば良い。例えば、黒化層は、導電体メッシュ層の金属が銅の場合は、銅−コバルト合金の粒子層、硫化ニッケル層、酸化銅層等を形成する。
特に、黒化層が銅−コバルト合金の粒子層など、コバルトを含有する場合、コバルトが色素劣化の原因となると考えられ、このようなコバルト含有黒化層を形成する場合は、本発明は特に効果的である。
(防錆層)
防錆層は、防錆が必要な場合に、導電体メッシュ層乃至はその表面に形成された黒化層について、その表面を被覆するように設ける。また、黒化層の脱落も防止する。
防錆層は、公知の材料、方法で形成すれば良い。例えば、防錆層は、ニッケル、亜鉛、及び/又は銅の酸化物のめっき層、或いはクロメート処理層等として形成する。
[保護層及び第1の被着体]
保護層8は、本発明に於ける第1の被着体の1例である。第1の被着体は、基本的機能として導電体メッシュ層を、傷付き、脱落などから保護するメッシュ保護機能を有する透明な層であるが、むしろ本発明に於いて一番重要な機能としては、色素の劣化原因物質の供給源になる導電体メッシュ層及びこれに付随する諸層(黒化層、接着剤層、防錆層)、及びこれらに付着、残留するエッチング液の金属イオン等を被覆、遮断し、製造工程中の取り扱いの如何によらず、確実に色素とその劣化原因物質との接触を防止することである。
第1の被着体の他の形態としては、保護層の基本機能である保護機能及び劣化原因物質の遮断機能以外のその他機能を有する層が挙げられる。例えば、ハードコート層、反射防止層、防眩層、防汚層など各種機能層、或いは色素非含有の光学フィルタ層や、色素含有層があっても基材など色素非含有層側で導電体メッシュ層形成面上に積層する光学フィルタ層などが用いられる。
或は、第1の被着体の例として、保護層自体に、上記保護層の基本機能以外のその他機能を更に付与することにより、保護層とその他機能層とを1層で兼用させたものを挙げることが出来る。
上記のその他機能としては、例えば、高表面硬度乃至耐擦傷機能、反射防止機能、防汚機能など各種機能、或いは色素含有粘着層の機能を補強する光学フィルタ機能等が挙げられる。
尚、以上の各形態に於いて、第1の被着体が光学フィルタ機能を有する場合は、色素非含有の光学フィルタ層や、色素含有層があっても基材など色素非含有層側で導電体メッシュ層形成面上に積層する光学フィルタ層などの形態とする。
第1の被着体に色素が含有され、色素が含有された層が導電体メッシュ層と接触しては、本発明の目的を逸脱してしまう。よって、第1の被着体に色素を含有する層があっても、例えば、第1の被着体を樹脂フィルムと色素含有層との多層構成として、どちらかの面を色素を含有しない接着剤(粘着剤も含む)を介して、ラミネートする等して、色素含有層と導電体メッシュ層との直接的接触を絶つ。
又、第1の被着体が色素非含有の光学フィルタ以外の各種機能層である場合に於いても、必要に応じ適宜、接着剤層を間に介して第1の被着体を被覆、積層しても良い。つまり、第1の被着体は単層の他、多層として形成してもよい。
なお、保護層等の第1の被着体は、電磁波遮蔽複合フィルタを巻取り時乃至は積み重ね時は、離型フィルムと接触することになるが、色素含有粘着層との直接的接触は離型フィルムによって遮断されている。
第1の被着体としての保護層は樹脂層として形成でき、ハードコート層とする場合は、樹脂層の樹脂は硬化性樹脂、例えば、電離放射線硬化性樹脂、その他公知の硬化性樹脂などを適宜用いる。電離放射線硬化性樹脂としては、アクリレート系が代表的であり、アクリレート系の電離放射線硬化性樹脂は、単官能(メタ)アクリレートモノマー、2官能(メタ)アクリレートモノマーモノマー、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーなどの(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー乃至は(メタ)アクリル酸エステルプレポリマーなどを用いる。また、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーには、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を用いる。なお、電離放射線硬化性樹脂を硬化させる電離放射線には、紫外線、電子線が代表的である。
保護層を光反射防止層とする場合は、例えば、保護層中に光拡散性粒子を添加した形態、保護層表面が粗面賦形された形態、保護層上に反射防止(防眩、反射防止、防眩と反射防止など)層が積層された形態、等とする。
上記光拡散性粒子としては、無機粒子や有機粒子が挙げられ、無機粒子としては例えばシリカ粒子、有機粒子としては例えばアクリル樹脂粒子が挙げられる。
なお、表面を賦形で粗面とするには、保護層を形成する為の樹脂組成物を、導電体メッシュ層上に適用した後或いは適用時に、樹脂を硬化させる場合は完全硬化前で賦形可能な流動性を有するうちに、賦形シートや賦形版で表面を賦形すれば良い。
なお、保護層は、耐汚染性向上の点で、シリコーン系化合物、フッ素系化合物などを添加するのもよい。この場合は、保護層が防汚層と兼用する層となる。
以下、実施例と比較例により更に具体的に詳述する。なおこれらの記載が本発明を制限するものではない。
[実施例1]
(1)材料準備:
先ず、導電体メッシュ層とする金属箔として、(表裏両面に銅−コバルト合金粒子から成る黒化層が形成された)厚さ10μmの連続帯状の電解銅箔を用意した。また、透明基材として厚さ100μmで連続帯状のウェブである無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。また、離型フィルムとして厚さ1μm以下のシリコーンの離型層が塗布形成された厚さ38μmで連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。
(2)離型フィルム上への粘着塗工:
離型フィルムの離型性を有する面上に、色素含有粘着剤組成物からなる塗工液をバーコーターによって塗布し、100℃雰囲気中に2分間保持して、乾燥させ、離型フィルム上に乾燥塗膜からなる厚さ25μmの色素含有粘着層を形成した。
上記色素含有粘着剤組成物は、アクリル系樹脂の粘着剤SKダイン2094(商品名、綜研化学株式会社製)固形分100質量部に対して、近赤外線吸収光学フィルタ用の色素として、エクスカラーIR12(フタロシアニン系化合物)を0.2質量部、エクスカラーIR14(フタロシアニン系化合物)(以上2種類共に商品名で(「エクスカラー」は登録商標)、株式会社日本触媒製)を0.1質量部、Kayasorb(登録商標)IRG−068(ジイモニウム系化合物)(日本化薬株式会社製)を0.4質量部、各々含有させた組成物である。
(3)透明基材と粘着層のラミネート(粘着層積層体の完成):
引き続き、色素含有粘着層を他の物に接触させることなく、透明基材を、離型フィルム上に形成された色素含有粘着層と対面するようにして、該粘着層上に積層し、離型フィルムと透明基材間に乾燥時時厚み25μmの色素含有粘着層を有する連続帯状のウェブとして粘着層積層体を得た。この粘着層積層体は一旦巻取に巻き取った。
(4)透明基材と銅箔のドライラミネート(金属積層体の完成):
上記粘着層積層体の透明基材側の面上に、ポリエステルウレタンポリオール系の主剤とキシレンジイソシアネート系硬化剤とから成る透明な2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤で、前記銅箔をドライラミネートした後、50℃3日間養生して、銅箔と透明基材間に厚さ7μmの透明接着剤層を有する連続帯状のウェブとして金属積層体を得た。この金属積層体は一旦巻取に巻き取った。
(5)エッチング(メッシュ積層体の完成):
上記金属積層体に対して、その銅箔をフォトリソグラフィー法を利用しエッチング液でパターンニングするエッチングにより、透明基材の片側に導電体メッシュ層を有し、もう一方側に色素含有粘着層を有するメッシュ積層体として、連続帯状のウェブとして、ディスプレイ用の電磁波遮蔽複合フィルタを得た。 この電磁波遮蔽複合フィルタは一旦巻取に巻き取った。
なお、エッチングは、具体的には、カラーTVシャドウマスク用の製造ラインを利用して、ロール・ツー・ロールの加工方式で、連続帯状の上記金属積層体に対してマスキングからエッチングまでを一貫して行った。すなわち、上記金属積層体の銅箔(金属層)面全面に感光性エッチングレジストを塗布後、所望のメッシュパターンを密着露光し、現像、硬膜処理、ベーキング後、塩化第二鉄水溶液で銅箔をエッチングしてメッシュ状の開口部を形成し、次いで、水洗、レジスト剥離、洗浄、乾燥を順次行った。
(6)サンプル作製:
上記電磁波遮蔽複合フィルタの離型フィルムを色素含有粘着層から剥離し、露出した該粘着層に、被着体としてフロート板ガラスを圧着した。このようにして実施例1のサンプルを作製した。
[実施例2]
(1)材料準備:
先ず、導電体メッシュ層とする金属箔として、(表裏両面に銅−コバルト合金粒子から成る黒化層が形成された)厚さ10μmの連続帯状の電解銅箔を用意した。また、透明基材として厚さ100μmで連続帯状のウェブである無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。また、離型フィルムとして厚さ1μm以下のシリコーンの離型層が塗布形成された厚さ38μmで連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。なお、これら材料は実施例1(1)記載の物と同一である。
(2)離型フィルム上への粘着塗工:
離型フィルムの離型性を有する面上に、色素含有粘着剤組成物からなる塗工液をバーコーターによって塗布し、100℃雰囲気中に2分間保持して、乾燥させ、離型フィルム上に乾燥塗膜からなる厚さ25μmの色素含有粘着層を形成した。
上記色素含有粘着剤組成物は、アクリル系樹脂の粘着剤SKダイン2094(商品名、綜研化学株式会社製)固形分100質量部に対して、近赤外線吸収光学フィルタ用の色素として近赤外線吸収剤三種類、エクスカラーIR−10A(フタロシアニン系化合物)を0.2質量部、エクスカラー906B(フタロシアニン系化合物)を0.02質量部、エクスカラー910B(フタロシアニン系化合物)(以上3種類共に商品名で「エクスカラー」は登録商標、株式会社日本触媒製)を0.08質量部、各々含有させた組成物である。
(3)透明基材と粘着層のラミネート(粘着層積層体の完成):
引き続き、色素含有粘着層を他の物に接触させることなく、透明基材を、離型フィルム上に形成された色素含有粘着層と対面するようにして、該粘着層上に積層し、離型フィルムと透明基材間に乾燥時時厚み25μmの色素含有粘着層を有する連続帯状のウェブとして粘着層積層体を得た。この粘着層積層体は一旦巻取に巻き取った。
(4)透明基材と銅箔のドライラミネート(金属積層体の完成):
上記粘着層積層体の透明基材側の面上に、ポリエステルウレタンポリオール系の主剤とキシレンジイソシアネート系硬化剤とから成る透明な2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤で、前記銅箔をドライラミネートした後、50℃3日間養生して、銅箔と透明基材間に厚さ7μmの透明接着剤層を有する連続帯状のウェブとして金属積層体を得た。この金属積層体は一旦巻取に巻き取った。
(5)エッチング(メッシュ積層体の完成):
上記金属積層体に対して、その銅箔をフォトリソグラフィー法を利用しエッチング液でパターンニングするエッチングにより、透明基材の片側に導電体メッシュ層を有し、もう一方側に色素含有粘着層を有するメッシュ積層体として、連続帯状のウェブとして、ディスプレイ用の電磁波遮蔽複合フィルタを得た。 この電磁波遮蔽複合フィルタは一旦巻取に巻き取った。
なお、エッチングは、具体的には、カラーTVシャドウマスク用の製造ラインを利用して、ロール・ツー・ロールの加工方式で、連続帯状の上記金属積層体に対してマスキングからエッチングまでを一貫して行った。すなわち、上記金属積層体の銅箔(金属層)面全面に感光性エッチングレジストを塗布後、所望のメッシュパターンを密着露光し、現像、硬膜処理、ベーキング後、塩化第二鉄水溶液で銅箔をエッチングしてメッシュ状の開口部を形成し、次いで、水洗、レジスト剥離、洗浄、乾燥を順次行った。
(6)サンプル作製:
上記電磁波遮蔽複合フィルタの離型フィルムを色素含有粘着層から剥離し、露出した該粘着層に、被着体としてフロート板ガラスを圧着した。このようにして実施例2のサンプルを作製した。
[比較例1]
(1)材料準備:
先ず、導電体メッシュ層とする金属箔として、(表裏両面に銅−コバルト合金粒子から成る黒化層が形成された)厚さ10μmの連続帯状の電解銅箔を用意した。また、透明基材として厚さ100μmで連続帯状のウェブである無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。また、離型フィルムとして厚さ1μm以下のシリコーンの離型層が塗布形成された厚さ38μmで連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。なお、これら材料は実施例1(1)記載の物と同一である。
(2)透明基材と銅箔のドライラミネート(金属箔積層体の完成):
上記銅箔を上記粘着層未形成の透明基材に、実施例1と同様の透明な2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤でドライラミネートした後、50℃3日間養生して、金属箔積層体として、銅箔と透明基材間に厚さ7μmの透明接着剤層を有する連続帯状のウェブとして金属箔積層シートを得た。この金属箔積層シートは一旦巻取に巻き取った。
(3)エッチング:
上記金属箔積層体に対して、その銅箔をフォトリソグラフィー法を利用しエッチング液でパターンニングするエッチングにより、導電体メッシュ層が透明基材の片側に形成された、連続帯状のウェブとして、(透明基材の他方の面には粘着剤層や離型フィルムが形成されていない)通常の「電磁波遮蔽フィルタ」を得た。エッチングの製造ラインは実施例1と同じである。この電磁波遮蔽フィルタは一旦巻取に巻き取った。
(4)離型フィルム上への粘着塗工および透明基材とのラミネート:
離型フィルムの離型性を有する面上に、色素含有粘着剤組成物からなる塗工液をバーコーターによって塗布し、100℃雰囲気中に2分間保持して、乾燥させ、離型フィルム上に乾燥塗膜からなる厚さ25μmの色素含有粘着層を形成し、連続帯状のウェブとして粘着シートを作成した。この粘着シートは一旦巻取に巻き取った。
上記色素含有粘着剤組成物は、アクリル系樹脂の粘着剤SKダイン2094(商品名、綜研化学株式会社製)固形分100質量部に対して、近赤外線吸収光学フィルタ用の色素として、エクスカラーIR12(フタロシアニン系化合物)を0.2質量部、エクスカラーIR14(フタロシアニン系化合物)(以上2種類共に商品名で「エクスカラー」は登録商標、株式会社日本触媒製)を0.1質量部、Kayasorb(登録商標)IRG−068(ジイモニウム系化合物)(商品名、日本化薬株式会社製)を0.4質量部、各々含有させた組成物である。
次いで、前記「電磁波遮蔽フィルタ」の透明基材の透明接着剤層及び導電体メッシュ層が積層された側とは反対側の面と、上記離型フィルム上に形成された色素含有粘着層と対面するようにして、前記「電磁波遮蔽フィルタ」を上記色素含有粘着層上に積層し、離型フィルムと透明基材間に25μmの色素含有粘着層を有する、連続帯状のウェブとして電磁波遮蔽複合フィルタを得た。
(5)サンプル作製:
上記電磁波遮蔽複合フィルタの離型フィルムを色素含有粘着層から剥離し、露出した該粘着層に、被着体としてフロート板ガラスを圧着した。このようにして比較例1のサンプルを作製した。
[比較例2]
(1)材料準備:
先ず、導電体メッシュ層とする金属箔として、(表裏両面に銅−コバルト合金粒子から成る黒化層が形成された)厚さ10μmの連続帯状の電解銅箔を用意した。また、透明基材として厚さ100μmで連続帯状のウェブである無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。また、離型フィルムとして厚さ1μm以下のシリコーンの離型層が塗布形成された厚さ38μmで連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。なお、これら材料は実施例1(1)記載の物と同一である。
(2)透明基材と銅箔のドライラミネート(金属箔積層体の完成):
上記銅箔を上記粘着層未形成の透明基材に、実施例1と同様の透明な2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤でドライラミネートした後、50℃3日間養生して、金属箔積層体として、銅箔と透明基材間に厚さ7μmの透明接着剤層を有する連続帯状のウェブとして金属箔積層シートを得た。この金属箔積層シートは一旦巻取に巻き取った。
(3)エッチング:
上記金属箔積層体に対して、その銅箔をフォトリソグラフィー法を利用しエッチング液でパターンニングするエッチングにより、導電体メッシュ層が透明基材の片側に形成された、連続帯状のウェブとして、(透明基材の他方の面には粘着剤層や離型フィルムが形成されていない)通常の「電磁波遮蔽フィルタ」を得た。エッチングの製造ラインは実施例1と同じである。この電磁波遮蔽フィルタは一旦巻取に巻き取った。
(4)離型フィルム上への粘着塗工および透明基材とのラミネート:
離型フィルムの離型性を有する面上に、色素含有粘着剤組成物からなる塗工液をバーコーターによって塗布し、100℃雰囲気中に2分間保持して、乾燥させ、離型フィルム上に乾燥塗膜からなる厚さ25μmの色素含有粘着層を形成し、連続帯状のウェブとして粘着シートを作成した。この粘着シートは一旦巻取に巻き取った。
上記色素含有粘着剤組成物は、アクリル系樹脂の粘着剤SKダイン2094(商品名、綜研化学株式会社製)固形分100質量分に対して、近赤外線吸収光学フィルタ用の色素として近赤外線吸収剤三種類を、エクスカラーIR−10A(フタロシアニン系化合物)を0.2質量部、エクスカラー906B(フタロシアニン系化合物)を0.02質量部、エクスカラー910B(フタロシアニン系化合物)(以上3種類共に商品名で「エクスカラー」は登録商標、株式会社日本触媒製)を0.08質量部、各々含有させた組成物である。
次いで、前記「電磁波遮蔽フィルタ」の透明基材の透明接着剤層及び導電体メッシュ層が積層された側とは反対側の面と、上記離型フィルム上に形成された色素含有粘着層と対面するようにして、前記「電磁波遮蔽フィルタ」を上記色素含有粘着層上に積層し、離型フィルムと透明基材間に25μmの色素含有粘着層を有する、連続帯状のウェブとして電磁波遮蔽複合フィルタを得た。
[評価]
上記実施例及び比較例のサンプルを60℃、95%RHの環境下に放置し、1000時間後の光学特性変化として、透過色度(x、y)の値の差Δx及びΔyを測定した。結果は表1に示す。透過色度はJIS−Z8701に準拠して分光光度計(品番:UV−3100PC、株式会社島津製作所製)にて測定した。
なお、光学特性変化の測定は、電磁波遮蔽複合フィルタをディスプレイに適用時に中央の画像表示領域に対してその周辺部となる部分で開口部が存在しない接地領域は除外し、開口部が存在する画像表示領域の部分で測定した。
測定結果は、表1に示すとおり、温度60℃、湿度95%RHの環境下に放置し、1000時間後の透過色の色度変化を測定したところ、実施例1及び実施例2の方が比較例1及び比較2に比べて初期値との差が、Δx及びΔyのトータルとして少なく、色素劣化に対する耐性性能が良かった。
また、有機系のNIR吸収色素のなかでも特に色素劣化の傾向が大でありフタロシアニン系色素に対しても大であるジイモニウム系化合物について、それを用いた比較例1は、当該化合物を用いなかった従来製法の比較例2に対して、Δxの増加度合いが大きかった。しかし、この比較例1と同様にジイモニウム系化合物を用いた実施例1は、ジイモニウム系化合物を用いなかった実施例2と同じように、Δx及びΔy共に0.005未満となり、色素が劣化しやすいジイモニウム系化合物の場合でも色素劣化に対する耐性性能が良った。
本発明による電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法を一形態で概念的に説明する説明図。 本発明による電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法の別形態を概念的に説明する説明図。 従来法での電磁波遮蔽シートの製造方法の一例を概念的に説明する説明図。
符号の説明
1 色素含有粘着層
2 透明基材
3 離型フィルム
4 両面被覆の粘着層積層体
5 導電体メッシュ層
5A 金属層
6 金属積層体
7 メッシュ積層体
8 保護層(第1の被着体)
9 粘着層
10 電磁波遮蔽複合フィルタ
30 従来の電磁波遮蔽フィルタ
31 金属箔積層体(金属積層体)
32 メッシュ箔積層体
33 粘着フィルム

Claims (3)

  1. (A)色素含有粘着層の片面に透明基材が積層され、他方の面に離型フィルムが積層された、両面被覆の粘着層積層体を用意する、第一工程と、
    (B)上記粘着層積層体の透明基材側面に金属を用いた導電体メッシュ層を形成して、メッシュ積層体を作成する、第二工程と、
    をこの順に含む、電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法。
  2. 上記(B)第二工程が、
    (B1)導電体メッシュ層の形成にて、上記粘着層積層体の透明基材側面に金属層を積層した金属積層体に対して、該金属層をエッチング液で腐食してメッシュ状にして導電体メッシュ層を形成するエッチング工程を含む、請求項1記載の電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法。
  3. 上記(B)第二工程の後、
    (C)前記導電体メッシュ層上に第1の被着体を積層被覆する、第三工程と、
    (D)前記離型フィルムを剥離する、第四工程と、
    をこの順に含む、請求項1又は請求項2記載の電磁波遮蔽複合フィルタの製造方法。
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