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JP2009143099A - 加硫エンベロープ - Google Patents

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vulcanization envelope
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Yohei Nakajima
洋平 中島
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Abstract

【課題】加硫エンベロープをトレッド付台タイヤに被せる際の作業工数を削減可能な加硫エンベロープを提供する。
【解決手段】台タイヤ3のクラウン部3aに未加硫のクッションゴム5を介して加硫済みのプレキュアトレッド7を配設してなるトレッド付台タイヤ1の外径よりも大きい内径を有し、少なくともプレキュアトレッド7の外面の全てを被覆可能な環状の加硫エンベロープ9であり、該加硫エンベロープ9をトレッド付台タイヤ1の外面に装着し、該加硫エンベロープ9に配設された排気孔11を介して該加硫エンベロープ9とトレッド付台タイヤ1とで区画形成された空間S1内の空気を吸引し該空間S1内の圧力を減じた状態では縮径してプレキュアトレッド7を台タイヤ3に押し付ける加硫エンベロープ9において、加硫エンベロープ9は、その内面上に排気孔11を包囲するシート状の繊維体15を一体に具えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、台タイヤに加硫済みのプレキュアトレッドを適用して更生タイヤを製造する際に用いられる加硫エンベロープに関する。
空気入りタイヤは、台タイヤに路面に接するトレッドゴムを貼り付けて作られており、台タイヤはトレッドゴムの寿命が終わってもまだ十分使用に耐え得る場合が多いため、使用に伴って摩耗したトレッドゴム部分に、新しいゴムや再生タイヤ原料などをかぶせて、再び更生タイヤとして利用されている。更生タイヤの製造には、大きく分類して、パターンが付されていない未加硫のトレッドゴムを台タイヤに貼り付け、金型に入れて加硫するとともにパターンを付すリモールド方式(ホット更生方式)と、金型を使用せず加硫済みのパターン付きプレキュアトレッドを台タイヤに貼り付け、加硫缶の中で加硫するプレキュア方式(コールド更生方式)の2種類がある。
従来、プレキュア方式による更生タイヤの製造は、特許文献1に記載されているように概ね以下のように行われていた。先ず、所定のバフ処理等を終えた台タイヤをリムに装着し、クラウン部の所定位置に未加硫のクッションゴムを貼り付け、その外周面に加硫済みのプレキュアトレッドを貼り付ける。次いで、トレッド付の台タイヤの内部にチューブを配置するとともに環状の加硫エンベロープをプレキュアトレッドの上から被せ、その端部をビード部とリムとの間に挟み込む。次いで、チューブ内に空気を充填することにより加硫エンベロープの端部をビード部とリムとの間に固定するとともに加硫エンベロープとトレッド付台タイヤとの間の空気を加硫エンベロープの排気孔から吸引して、加硫エンベロープとトレッド付台タイヤとの間を負圧にする。この状態で、トレッド付台タイヤを加硫缶内に入れて加硫缶の内部にスチーム等を充填することにより、台タイヤ及びプレキュアトレッドが膨張したチューブと加硫エンベロープとの間に狭持され、加圧及び加熱されてクッションゴムが加硫される。なお、プレキュアトレッドを台タイヤに密着させるにあたり、上記加硫エンベロープ(リム式)に代えて、タイヤの外面部にアウターエンベロープを、また、タイヤの内面部にインナーエンベロープをそれぞれ配置するとともにこれらアウターエンベロープ及びインナーエンベロープの各両端部をそれぞれ係止するダブルエンベロープ方式に従う加硫エンベロープを適用しても良い。
ところで、加硫エンベロープとトレッド付台タイヤとで区画形成された空間内の空気を加硫エンベロープの排気孔から吸引する場合、排気孔近傍の領域が、対応する、トレッド付台タイヤの外面に密着し、かかる空間内の空気の吸引を円滑に行えないという問題がある。
そこで、かかる問題を解決すべく、従来、例えば特許文献2に記載されたようなエアー抜きシートを、加硫エンベロープとトレッド付台タイヤとの間で排気孔直下及びその近傍領域に設置していた。
特開平7−246665号公報 実開平3−81387号公報
しかしながら、上記エアー抜きシートの設置は、トレッド付台タイヤを成形後、エアー抜きシートをステープラを用いてトレッド付台タイヤの外周面に固定して行っていたため作業工数が増大するという問題があった。さらに加硫後は打込んだ針をタイヤから取り除くという工程も発生する。また、エアー抜きシートを取り付けたトレッド付台タイヤを加硫エンベロープで覆う際には、このエアー抜きシートを加硫エンベロープに設けられた排気孔の直下及びその近傍領域に位置させる必要があり、吸引テスト時等にかかるシートの位置ズレが確認された場合は加硫エンベロープを取り外し、再度覆い直す必要が生じる場合もあった。さらに、エアー抜きシート固定時の針痕がタイヤ表面に残留するため見栄えが悪いという問題もあった。
したがって、この発明は、これらの問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、加硫エンベロープをトレッド付台タイヤに被せる際の作業工数を削減可能な加硫エンベロープを提供することにある。
前記の目的を達成するため、この発明は、台タイヤのクラウン部に未加硫のクッションゴムを介して加硫済みのプレキュアトレッドを配設してなるトレッド付台タイヤの外径よりも大きい内径を有し、少なくとも前記プレキュアトレッドの外面の全てを被覆可能な環状の加硫エンベロープであり、該加硫エンベロープを前記トレッド付台タイヤの外面に装着し、該加硫エンベロープに穿設された排気孔を介して該加硫エンベロープとトレッド付台タイヤとで区画形成された空間内の空気を吸引し該空間内の圧力を減じた状態では縮径して前記プレキュアトレッドを前記台タイヤに押し付ける加硫エンベロープにおいて、前記加硫エンベロープは、その内面上に前記排気孔を包囲するシート状の繊維体を一体に具えることを特徴とするものである。かかる構成を採用することにより、エアー抜きシートをトレッド付台タイヤの外周面に設ける必要がないので作業工数を削減することができる。さらに、繊維体を加硫エンベロープに一体としたことから針を取り除く工程も必要ない。さらに、繊維体を、加硫エンベロープの排気孔を包囲するよう一体に設けたことから、従来のようなエアー抜きシートの位置ズレは生じることがない。さらに、繊維体を加硫エンベロープに一体としたことからタイヤ表面に針痕が残留することがない。
さらに、繊維体は、少なくとも前記プレキュアトレッドの幅方向端に対応する位置まで延在することが好ましい。
さらに、繊維体は、不織布であることが好ましい。
この発明によれば、加硫エンベロープの内面上に排気孔を包囲するシート状の繊維体を一体に設けたことにより、加硫エンベロープをトレッド付台タイヤに被せる際の作業工数を削減することができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明に従う代表的な加硫エンベロープをトレッド付台タイヤに装着したときの幅方向断面を、加硫エンベロープとトレッド付台タイヤとで区画形成された空間内の空気を吸引する前の状態で示した断面図であり、図2は、図1に示す加硫エンベロープの内周面の一部を展開して示す展開図であり、図3は、この発明に従う代表的な加硫エンベロープをトレッド付台タイヤに装着したときの幅方向断面を、加硫エンベロープとトレッド付台タイヤとで区画形成された空間内の空気を吸引した後の状態で示した断面図である。
図1に示すトレッド付台タイヤ1は、使用済みの空気入りタイヤに所定のバフ処理等を施して形成した台タイヤ3のクラウン部3aの所定位置に未加硫のクッションゴム5を貼り付け、その外周面に加硫済みのプレキュアトレッド7を貼り付けて形成したものである。
加硫エンベロープ9は、トレッド付台タイヤ1の外径よりも大きい内径を有する環状体である。また、加硫エンベロープ9には、該加硫エンベロープ9を貫通する排気孔11が穿設されており、その排気孔11の周縁部にはバキュームポンプ(図示省略)へとつながる空気吸引用のバルブ13が取り付けられている。加硫エンベロープ9は、図1に示すように、トレッド付台タイヤ1に装着された時点では、トレッド付台タイヤ1との間に空間S1を形成し、一方、図3に示すように、空気吸引用のバルブ13を介して空間S1内の空気を吸引し、該空間S1内の圧力を減じた減圧状態では縮径変形してプレキュアトレッド7を台タイヤ3に周上に亘って均一に押し付けることができれば、材質、物性、形状等に特に制限はないが、加硫時の圧力及び温度に耐え得るよう留意すべきである。なお、この実施形態では、加硫エンベロープ9は、トレッド付台タイヤ1の両ビード部3b、3b間に全周に亘って延在しているが、加硫エンベロープ9は、少なくともプレキュアトレッド7の外周面上にあれば良い。
そして、この発明の構成上の主な特徴は、図1〜3に示すように、加硫エンベロープ7の内面上に、排気孔11を包囲するシート状の繊維体15を一体に設けたことである。繊維体15を構成する材料としては、動物繊維、植物繊維、合成繊維等を絡み合わせて一体化した織布、不織布、編布等を用いることができる。かかる繊維体15は、加硫エンベロープ9の内面上に固着させることができる。この固着には、例えば熱溶着、接着剤、両面テープ等を用いることができる。
プレキュアトレッド7を台タイヤ3に密着させるには、図1に示すように、先ず台タイヤ3のクラウン部3aに未加硫のクッションゴム5を貼り付け、その上にプレキュアトレッド7を配置する。次に、プレキュアトレッド7の上から加硫エンベロープ9を被せ、加硫エンベロープ9の端部9aをトレッド付台タイヤ1とビードリング17との間に配置する。次に、トレッド付台タイヤ1の内部空間S2に圧力を加えることで、加硫エンベロープ9の端部9aは、ビード部3bとビードリング17との間に狭持され、空間S1は外界からシールされる。次に、バルブ13を介して空間S1内の空気をバキュームポンプ(図示省略)により吸引する。これにより、図3に示すように、加硫エンベロープ9が縮径変形し、プレキュアトレッド7は台タイヤ3に押圧される。この状態で、加硫缶(図示省略)内に入れ、所定の温度及び圧力の下で加硫を行うことによりプレキュアトレッド7が台タイヤ3に加硫接着される。なお、この実施形態の加硫エンベロープ9に代えて、プレキュアトレッド7を台タイヤ3に密着させるにあたり、トレッド付台タイヤ1の外面部にアウターエンベロープ(図示省略)を、また、トレッド付台タイヤ1の内面部にインナーエンベロープ(図示省略)をそれぞれ配置するとともにこれらアウターエンベロープ及びインナーエンベロープの各両端部をそれぞれ係止するダブルエンベロープ方式に従う加硫エンベロープを適用しても良い。
この発明の加硫エンベロープ9によれば、その内面上に排気孔11を囲むシート状の繊維体15を一体に設けたことから、バルブ13を介して空間S1内の空気を吸引しても、かかる空間S1内の空気は、図2に示すように、繊維体15内の空隙G(繊維と繊維との間に形成された隙間)を通って排気孔11へと導かれる。従って、排気孔11近傍の領域において、加硫エンベロープ9の内面とトレッド付台タイヤ1の外面とが密着することがなく、上記空間S1内の空気の吸引は円滑に行われる。さらに、エアー抜きシートをトレッド付台タイヤ1の外周面に設ける必要がないので作業工数を削減することができる。さらに、繊維体15を加硫エンベロープ9に一体としたことから針を取り除く工程も必要ない。さらに、繊維体15を、加硫エンベロープ9の排気孔を包囲するよう一体に設けたことから、従来のようなエアー抜きシートの位置ズレは生じることがない。さらに、繊維体15を加硫エンベロープ9に一体としたことからタイヤ表面に針痕が残留することがない。
なお、図1に示すように、繊維体15は、少なくともプレキュアトレッド7の幅方向端7aに対応する位置まで延在することが好ましい。これにより、空間S1内の空気を一層効率的に吸引することが可能となる。
また、繊維体15は、不織布であることが好ましい。不織布は強度や伸びなどに方向性を持たないことから、このようにすれば、加硫エンベロープ5の縮径変形時にシワが発生し難く、その結果、プレキュアトレッド7を台タイヤ3に一層均一に押し付けることができる。また不織布は、織布に比べて通気性に優れることから、このようにすれば、空間S1内の空気を一層効果的に吸引することが可能となる。
以上の説明から明らかなように、この発明により、加硫エンベロープをトレッド付台タイヤに被せる際の作業工数を削減可能な加硫エンベロープを提供するが可能となった。
この発明に従う代表的な加硫エンベロープをトレッド付台タイヤに装着したときの幅方向断面を、加硫エンベロープとトレッド付台タイヤとで区画形成された空間内の空気を吸引する前の状態で示した断面図である。 図1に示す加硫エンベロープの内周面の一部を展開して示す展開図である。 この発明に従う代表的な加硫エンベロープをトレッド付台タイヤに装着したときの幅方向断面を、加硫エンベロープとトレッド付台タイヤとで区画形成された空間内の空気を吸引した後の状態で示した断面図である。
符号の説明
1 トレッド付台タイヤ
3 台タイヤ
5 クッションゴム
7 プレキュアトレッド
9 加硫エンベロープ
11 排気孔
13 空気吸気用のバルブ
15 繊維体
17 ビードリング

Claims (3)

  1. 台タイヤのクラウン部に未加硫のクッションゴムを介して加硫済みのプレキュアトレッドを配設してなるトレッド付台タイヤの外径よりも大きい内径を有し、少なくとも前記プレキュアトレッドの外面の全てを被覆可能な環状の加硫エンベロープであり、該加硫エンベロープを前記トレッド付台タイヤの外面に装着し、該加硫エンベロープに穿設された排気孔を介して該加硫エンベロープとトレッド付台タイヤとで区画形成された空間内の空気を吸引し該空間内の圧力を減じた状態では縮径して前記プレキュアトレッドを前記台タイヤに押し付ける加硫エンベロープにおいて、
    前記加硫エンベロープは、その内面上に前記排気孔を包囲するシート状の繊維体を一体に具えることを特徴とする加硫エンベロープ。
  2. 前記繊維体は、少なくとも前記プレキュアトレッドの幅方向端に対応する位置まで延在する、請求項1に記載の加硫エンベロープ。
  3. 前記繊維体は、不織布である、請求項1又は2に記載の加硫エンベロープ。
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