JP2009095852A - 熱延鋼板の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧延スタンドF1〜F7と、冷却装置4a〜4eと、スタンド間温度計2cとを有する仕上圧延機3を用いて、熱間圧延を開始する前に予め定めた、冷却装置4a〜4eの冷却条件と圧延速度とに基づいて被圧延材1に仕上圧延を行うことにより熱延鋼板を製造する。仕上圧延を開始した後に、スタンド間温度計2cによる被圧延材1の温度の測定値が、被圧延材1の鋼のAr3変態点以上の目標温度域を下回る場合に、最終の圧延スタンドF7を通過する際の被圧延材1の温度が目標値を満足するとともに、圧延スタンド間F4/5における被圧延材1の温度がAr3変態点以上の目標温度域を満足するように、冷却条件及び圧延速度の一方又は双方を変更する。
【選択図】図1
Description
熱延鋼板のr値の面内異方性を所望の程度に小さくするには、仕上圧延機の最終の圧延スタンドを通過する時の被圧延材の温度を所定の温度以上とするだけでは足りず、これに加えて、仕上圧延機の圧延スタンド間における被圧延材の温度を、そのAr3変態点以上に設定された目標温度域の温度とする。仕上圧延機の圧延スタンド間での被圧延材の温度がAr3変態点未満に低下すると、フェライトに加工が行われて混粒組織となり、これにより、熱延鋼板のr値の面内異方性が著しく悪化するからである。この所定の温度域は、材質、操業条件により、圧延スタンド毎に異なるので、スタンド間温度計の設置位置や熱延鋼板に生じるスケール疵の発生状況等をも勘案して、適宜決定すればよい。
仕上圧延機の圧延スタンド間での被圧延材の温度を、Ar3変態点以上に設定された目標温度域の温度とするには、これまで同様に最終の圧延スタンドの出側に配置される出側温度計の測定値を用いることとともに、圧延スタンド間にもスタンド間温度計を配置して、被圧延材の温度を測定する。このスタンド間温度計は、必ずしも全ての圧延スタンド間に設置する必要はなく、スタンド間温度計に基づき冷却条件を変更できる冷却装置の設置数、スタンド間温度計の設置数及び熱延鋼板に生じるスケール疵の発生状況等を勘案して、その設置数を適宜決定すればよい。
圧延スタンド間における被圧延材の温度は、その長手方向のみならず幅方向にも変動するので、熱延鋼板のr値の面内異方性を確実に小さくするためには、スタンド間温度計として、被圧延材の幅方向の略全域の温度を測定することができる幅方向温度計を用いるか、あるいは被圧延材の幅方向に複数の温度計を並設することにより、被圧延材の幅方向の略全域の温度を測定することが望ましい。
被圧延材の表面(上面)及び裏面(下面)の温度が、加熱炉での加熱条件や仕上圧延時の冷却条件等により、異なることがあり、このような場合には、被圧延材の表面及び裏面で温度差を生じる。そこで、圧延スタンド間における被圧延材の温度は、その表面の温度のみで代用するのではなく、裏面についても測定することが望ましい。圧延スタンド間における被圧延材の裏面の温度は、仕上圧延機のロールの冷却水やルーパロールの冷却水等の影響を受けるために通常の温度計で測定することは難しいので、水環境下でも測定可能な温度計(特公平3−69974号公報、特開2005−24303号公報、特開2003−185501号公報等参照)を用いることが望ましい。
仕上圧延機の最終の圧延スタンドを通過する時の被圧延材の温度を目標値とすることができる、仕上圧延における加熱及び冷却条件(すなわち圧延スタンド間における被圧延材の温度)は、一義的に定まるものではなく多数存在する。このため、圧延スタンド間における被圧延材の温度をAr3変態点以上の目標温度域の温度であるとともに仕上圧延機の最終の圧延スタンドを通過する時の被圧延材の温度を目標値通りにすることができる場合がある。このような場合を見出すことができなくとも、仕上圧延機の最終の圧延スタンドを通過する時の目標温度にもある程度の幅があるので、仕上圧延における加熱及び冷却条件を変更して、最終の圧延スタンドを通過する時の被圧延材の温度をこの幅の範囲内で変化させるとともに圧延スタンド間における被圧延材の温度が上述した目標温度域の温度を満足するようにすることによって、最終の圧延スタンドを通過する時の被圧延材の温度のみならず圧延スタンド間における被圧延材の温度も目標温度域の温度とすることができる。
仕上圧延における加熱及び冷却条件は、仕上圧延を開始する前においては圧延スタンド間での被圧延材の温度を演算により予測した値に基づいて制御するが、この演算による予測精度が高くない場合にも圧延スタンド間での被圧延材の温度を高精度で制御するために、仕上圧延を開始した後においても圧延スタンド間での被圧延材の温度の測定値に基づいてフィードバック制御を行うことが有効である。ここで、このフィードバック制御では、加熱装置からスタンド間温度計までの時間遅れが大きいので、温度実績に基づいて制御するのは、基本的には冷却装置及び圧延速度である。
(A)仕上圧延を開始する前においては、スタンド間温度計の測定位置における被圧延材の温度を、複数の圧延スタンドのうちの最終の圧延スタンドを通過する時の被圧延材の温度が目標値を満足するように算出した冷却装置の冷却条件に基づいた演算により求め、求めた被圧延材の温度が、被圧延材のAr3変態点以上の温度域に設定した所定の温度を下回る場合には、仕上圧延を行われている際の被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定された目標温度域を満足するように、具体的には、最終の圧延スタンドを通過する際の被圧延材の温度が目標温度域を満足するとともに、圧延スタンド間における被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定した目標温度域を満足するように、冷却条件と圧延速度とのうちの一方又は双方を変更し、
(B)変更した冷却条件と圧延速度とのうちの一方又は双方により仕上圧延を開始し、
(C)さらに、被圧延材がスタンド間温度計を通過した後においては、スタンド間温度計による、少なくとも一つの圧延スタンド間における被圧延材の温度の測定値が、被圧延材のAr3変態点以上の温度域に設定した所定の温度を下回る場合には、仕上圧延を行われている際の被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定された目標温度域を満足するように、具体的には、複数の圧延スタンドのうちの最終の圧延スタンドを通過する際の被圧延材の温度が目標温度域を満足するとともに、圧延スタンド間における被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定した目標温度域を満足するように、冷却条件及び/又は圧延速度を変更し、変更した冷却条件及び/又は圧延速度により仕上圧延を引き続き行うことを特徴とする熱延鋼板の製造方法である。
(A)仕上圧延を開始する前においては、スタンド間温度計の測定位置における被圧延材の温度を、複数の圧延スタンドのうちの最終の圧延スタンドを通過する時の被圧延材の温度が目標値を満足するように算出した冷却装置の冷却条件、及び加熱装置の加熱条件に基づいた演算により求め、求めた被圧延材の温度が、被圧延材の鋼のAr3変態点超の温度域に設定した所定の温度を下回る場合には、仕上圧延を行われている際の被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定された目標温度域を満足するように、具体的には、複数の圧延スタンドのうちの最終の圧延スタンドを通過する際の被圧延材の温度が目標温度域を満足するとともに、圧延スタンド間における被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定された目標温度域を満足するように、冷却条件及び/又は加熱条件と圧延速度とのうちの一方又は双方を変更し、
(B)変更した冷却条件及び/又は加熱条件と圧延速度とのうちの一方又は双方により仕上圧延を開始し、
(C)さらに、被圧延材がスタンド間温度計を通過した後においては、スタンド間温度計による、少なくとも一つの圧延スタンド間における被圧延材の温度の測定値が、この被圧延材の鋼のAr3変態点超の温度域に設定した所定の温度を下回る場合には、この仕上圧延を行われている際の被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定された目標温度域を満足するように、具体的には、複数の圧延スタンドのうちの最終の圧延スタンドを通過する際の被圧延材の温度が目標温度域を満足するとともに、圧延スタンド間における被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定された目標温度域を満足するように、冷却条件及び/又は圧延速度を変更し、変更した冷却条件及び/又は圧延速度により仕上圧延を引き続き行うことを特徴とする熱延鋼板の製造方法である。
これらの本発明に係る熱延鋼板の製造方法では、少なくとも一つの圧延スタンド間における被圧延材の温度の測定値が、スタンド間温度計による板幅方向の温度分布の測定値を統計処理した値であることが望ましい。
以下、本発明に係る熱延鋼板の製造方法及び製造装置を実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の実施の形態の説明では、圧延スタンド間における被圧延材の温度がAr3変態点以上の目標温度域を満足するために、冷却装置の冷却条件を制御する場合を例にとるが、これとは異なり、例えば上述した特許文献1に開示されて周知であるように、仕上圧延における圧延速度を制御するようにしてもよい。圧延速度を制御する場合の考え方は、以降に説明する冷却条件を制御する場合と同様であるので、以降の説明は冷却条件を制御する場合についてのみ行い、圧延速度を制御する場合の説明は省略する。
図1において、符号1は、被圧延材である粗バーを示す。
符号2aは、圧延スタンドF1〜F7を有する仕上圧延機0の第1の圧延スタンドF1の入側であって圧延機3aに近接して設置され、被圧延材1が第1の圧延スタンドF1を通過する際(圧延機3aに噛み込む際)の被圧延材1の表面(上面)の温度を実質的に測定することができる入側温度計を示す。
符号4a〜4eは、圧延スタンド間F1/2、F2/3、F3/4、F5/6、F6/F7にそれぞれ設置される冷却装置であり、スタンド間温度計2cによる被圧延材1の温度測定を妨害しないために、スタンド間温度計2cが設置される圧延スタンド間F4/5を除いて全ての圧延スタンド間F1/2、F2/3、F3/4、F5/6及びF6/7に設置される。本実施の形態では、冷却装置4a〜4eとして冷却水を被圧延材1へ向けて噴射する水冷装置を用いる。
符号6は、被圧延材1の温度を制御するための温度制御装置である。この温度制御装置6は、冷却装置4a〜4e及び加熱装置5に指令を出力することにより、冷却装置4a〜4eのそれぞれの冷却水供給バルブをオンオフするか、又は流量を変更するとともに、加熱装置5の加熱量を変更する。これにより、最終の圧延スタンドF7を通過する時の被圧延材1の温度、すなわち出側温度計2bによる被圧延材1の測定値を被圧延材1の全長にわたって目標温度とする。
まず、温度制御装置6では、被圧延材1が加熱装置5に到達するまでに、入側温度計2aを通過する時の被圧延材1の温度と、被圧延材1の速度パターン等の情報とに基づいて、最終の圧延スタンドF7を通過する時の被圧延材1の長手方向の全域の温度が目標温度となるように、冷却装置4a〜4eの冷却条件(冷却水供給バルブのオンオフ指令又は水量指令等)による冷却量指令と、加熱装置5の加熱量指令を、予め算出する。
TUPが予め指定した上限温度TMAXより高くなった場合には、状態2Aへ移行し、またTDOWNが予め指定した下限温度TMINより低くなった場合には状態2Bへ移行する。
状態2Aへ移行してから指定した時間ΔtUP[秒]を経過するまでにtUPがTMAXより低くなった場合は状態1へ戻り、状態2AがΔtUP[秒]以上継続した場合は状態3Aへ移行する。
状態2Bへ移行してから指定した時間ΔtDOWN[秒]を経過するまでにTDOWNがTMINより高くなった場合は状態1へ戻り、状態2BがΔtDOWN[秒]以上継続した場合は状態3Bへ移行する。
状態3Aに移行した時点で使用していない冷却装置4a〜4cの中のnUP本の冷却装置を予め指定した優先順位(例えばスタンド間温度計2cから近い順に高い優先順位を与える)に基づいて、冷却装置を使用する。
状態3Bに移行した時点で使用している冷却装置4a〜4cの中のnDOWN本の冷却装置を予め指定した優先順位(例えばスタンド間温度計2cに近い順に高い優先順位を与える)に基づいて、冷却装置の使用を停止する。
なお、nDOWNは(4)式の右辺を整数化した値である。
次に、実施の形態2を説明する。なお、以降の説明では、上述した実施の形態1と相違する部分を中心に説明し、同一の部分は同一の符号を付することにより重複する説明を適宜省略する。
図1により示した実施の形態1の製造装置と相違するのは、スタンド間温度計2cに基づき冷却装置4a〜4cを制御する温度制御装置7を設けないことと、温度制御装置6が、最終の圧延スタンドF7を通過する時の被圧延材1の温度を目標温度とする従来の技術と異なり、最終の圧延スタンドF7を通過する時の被圧延材1の温度とともに、スタンド間温度計2cが設置される位置の被圧延材1の温度をも制御する点である。なお、図4では、圧延機3a〜3gのワークロールの駆動モータも図示を省略してある。
被圧延材1の長手方向のある点が入側温度計2aに到達した時点で、そのときの被圧延材1の温度実績ならびに、被圧延材1に特有の添加元素等の材料条件、さらには、製造厚さや圧延速度等の圧延条件を設定する。そして、S1へ移行する。
加熱装置5の加熱量、及び冷却装置4a〜4eの冷却量を、初期値として0と設定する。そして、S2へ移行する。
設定された加熱量及び冷却量に基づいて、入側温度計2aから出側温度計2bまで(粗圧延機の出口〜仕上圧延機0の出口)の温度計算を行い、S3へ移行する。温度計算方法は、例えば、特開2002−11502号公報により開示されるように、スタンド間温度計2cが設置された圧延スタンド間F4/5における被圧延材1の温度も計算できるものであればよく、特定の計算手法には限定されない。
最終の圧延スタンドF7を通過する時の被圧延材1の温度の計算値(FT計算)がその目標温度(FT目標)であるか否か、すなわち|FT計算−FT目標|<ΔFTを判定し、目標温度域内であれば(S6−1)へ移行し、目標温度域内でなければ(S4)へ移行する。なお、S3におけるΔTは、出側温度が目標温度に収束したかどうかの値(ΔT=1℃程度)を意味する。
FT計算がFT目標よりも低ければ(FT計算<FT目標)、被圧延材1を加熱する必要があるため(S5−1)へ移行し、そうでなければ(FT計算≧FT目標)、冷却する必要があるため(S5−2)へ移行する。
現在の加熱量にα0の加熱量を加えて、S2へ移行する。なお、α0は任意の値であり、例えば、加熱量に対するFTへの温度影響量dαを計算して、以下のように計算しても良いが、違いは最終的な加熱量、冷却量を求めるのに必要な計算時間の差だけである。
α0=(FT目標−FT計算)/dα ・・・・・・・(5)
現在の冷却量にβ0の冷却量を加えて、S2へ移行する。なお、β0は任意の値か、例えば、冷却量に対するFTへの温度影響量dβを計算して、以下のように計算しても良いが、違いは最終的な加熱量、冷却量を求めるのに必要な計算時間の差だけである。
β0=(FT計算−FT目標)/dβ ・・・・・・・(6)
予め指定したスタンド間温度計2cの位置での被圧延材1の温度(TM計算)が、予め指定された上限温度(TMMAX)以下であれば(S6−2)へ移行し、そうでなければ(S7−1)へ移行する。なお、S6−1におけるTMMAXがスケール疵を目的にした目標温度域の上限値を意味する。
TM計算値が上限温度よりも高いため、現在の加熱量をα1減らすとともに、スタンド間温度計2cよりも上流側の現在の冷却量にβ1を加えて、(S8−1)へ移行する。なお、α1、β1はそれぞれ任意の値であり、例えば、加熱量に対するTM計算への温度影響量dαm、上流側の冷却量に対するTM計算への温度影響量dβmをそれぞれ計算し、式(7)、(8)により計算により求めることができる。なお、a、bは加熱、冷却の優先度を決めるためのパラメータである。
α1=a・(TMMAX−TM計算)/dαm ・・・・・・・(7)
β1=b・(TMMAX−TM計算)/dβm ・・・・・・・(8)
変更された加熱量及び冷却量に基づいて(S2)と同様にして、入側温度計2aから出側温度計2bまで(粗圧延機の出口〜仕上圧延機0の出口)の温度計算を行い、温度計算を実施する。そして(S9−1)へ移行する。
FT計算が予め決められた下限温度FTMINよりも高い場合には(S6−1)へ移行し、そうでなければ(S10−1)へ移行する。なお、S9−1におけるFTMINは出側の目標温度域の下限を意味する。
(S7−1)でスタンド間温度を低くした影響で、FT計算が予め決められた下限温度より低くなった場合は、スタンド間温度計2cより下流側の現在の冷却量をβ1’減らす。そして、S6−1へ移行する。なお、β1’は任意の値であり、例えば、下流側の冷却量に対するFT計算への温度影響量dβ’をそれぞれ計算し、式(9)により計算で求めることができる。
β1=(FTMIN−FT計算)/dβ’ ・・・・・・・(9)
上述した(S6−1)〜(S10−1)とは大小関係が反対となる処理であって、ほぼ同様な考え方であるため、その説明は省略する。
図6は、上述した実施の形態1における図1に示す仕上圧延機0を用いて被圧延材1に仕上圧延を行って熱延鋼板を製造する際のシミュレーションの結果を示すグラフであって、図6(a)は加熱装置5の加熱量(%)を経時的に示し、図6(b)は従来例によるスプレーの仕様状況(スプレーのオン/オフ指令)を経時的に示し、図6(c)は本発明例によるスプレーの仕様状況(スプレーのオン/オフ指令)を経時的に示し、図6(d)は圧延スタンド間F4/5に設置されたスタンド間温度計2cの設置位置に相当するスタンド間での被圧延材1の温度(℃)の計算値を経時的に示し、さらに、図6(e)は出側温度計2bの設置位置に相当する被圧延材1の温度(℃)の計算値を、その先端が入側温度計2aを通過してからの時間チャートとして示す。
1 被圧延材(粗バー)
2a 入側温度計
2b 出側温度計
2c スタンド間温度計
3a〜3g 圧延機
4a〜4e 冷却装置
5 加熱装置
F1〜F7 圧延スタンド
F1 第1の圧延スタンド
F7 最終の圧延スタンド
F1/2、F2/3、F3/4、F4/5、F5/6、F6/F7 圧延スタンド間
6 温度制御装置
7 温度制御装置
8 圧延機3gのワークロールの駆動モータ
Claims (18)
- 複数の圧延スタンドと、複数の圧延スタンド間に配置される冷却装置と、少なくとも一つの圧延スタンド間に設置されるスタンド間温度計とを有する仕上圧延機を用いて、仕上圧延を開始する前に予め定めた、前記冷却装置の冷却条件と圧延速度とに基づいて被圧延材に仕上圧延を行うことにより熱延鋼板を製造する際に、
前記仕上圧延を開始した後に、前記スタンド間温度計による、前記少なくとも一つの圧延スタンド間における被圧延材の温度の測定値が、該被圧延材のAr3変態点以上の温度域に予め設定した所定の温度を下回る場合には、該仕上圧延を行われている際の前記被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定された目標温度域を満足するように、前記冷却条件及び/又は前記圧延速度を変更し、変更した冷却条件及び/又は圧延速度により前記仕上圧延を引き続き行うこと
を特徴とする熱延鋼板の製造方法。 - 複数の圧延スタンドと、複数の圧延スタンド間に配置される冷却装置と、少なくとも一つの圧延スタンド間に設置されるスタンド間温度計とを有する仕上圧延機を用いて、仕上圧延を開始する前に予め定めた、前記冷却装置の冷却条件と圧延速度とに基づいて被圧延材に仕上圧延を行うことにより熱延鋼板を製造する際に、
前記仕上圧延を開始した後に、前記スタンド間温度計による、前記少なくとも一つの圧延スタンド間における被圧延材の温度の測定値が、該被圧延材のAr3変態点以上の温度域に予め設定した所定の温度を下回る場合には、前記複数の圧延スタンドのうちの最終の圧延スタンドを通過する際の前記被圧延材の温度が目標温度域を満足するとともに、圧延スタンド間における前記被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定された目標温度域を満足するように、前記冷却条件及び/又は前記圧延速度を変更し、変更した冷却条件及び/又は圧延速度により仕上圧延を引き続き行うこと
を特徴とする熱延鋼板の製造方法。 - 複数の圧延スタンドと、複数の圧延スタンド間に設置される冷却装置と、少なくとも一つの圧延スタンド間に設置されるスタンド間温度計とを有する仕上圧延機を用いて、仕上圧延を開始する前に予め定めた、前記冷却装置の冷却条件と圧延速度とに基づいて被圧延材に仕上圧延を行うことにより熱延鋼板を製造する際に、
前記仕上圧延を開始する前に、前記スタンド間温度計の測定位置における被圧延材の温度を、前記複数の圧延スタンドのうちの最終の圧延スタンドを通過する時の被圧延材の温度が目標値を満足するように算出した前記冷却装置の冷却条件に基づいた演算により求め、
求めた該被圧延材の温度が、該被圧延材のAr3変態点以上の温度域に設定した所定の温度を下回る場合には、該仕上圧延を行われている際の前記被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定された目標温度域を満足するように、前記冷却条件と前記圧延速度とのうちの一方又は双方を変更し、変更した冷却条件と圧延速度とのうちの一方又は双方により前記仕上圧延を開始すること
を特徴とする熱延鋼板の製造方法。 - 複数の圧延スタンドと、複数の圧延スタンド間に設置される冷却装置と、少なくとも一つの圧延スタンド間に設置されるスタンド間温度計とを有する仕上圧延機を用いて、仕上圧延を開始する前に予め定めた、前記冷却装置の冷却条件と圧延速度とに基づいて被圧延材に仕上圧延を行うことにより熱延鋼板を製造する際に、
前記仕上圧延を開始する前に、前記スタンド間温度計の測定位置における被圧延材の温度を、前記複数の圧延スタンドのうちの最終の圧延スタンドを通過する時の被圧延材の温度が目標値を満足するように算出した前記冷却装置の冷却条件に基づいた演算により求め、
求めた該被圧延材の温度が、該被圧延材のAr3変態点以上の温度域に設定した所定の温度を下回る場合には、前記最終の圧延スタンドを通過する際の前記被圧延材の温度が目標温度域を満足するとともに、圧延スタンド間における前記被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定した目標温度域を満足するように、前記冷却条件と前記圧延速度とのうちの一方又は双方を変更し、変更した冷却条件と圧延速度とのうちの一方又は双方により前記仕上圧延を開始すること
を特徴とする熱延鋼板の製造方法。 - 複数の圧延スタンドと、複数の圧延スタンド間に設置される冷却装置と、少なくとも一つの圧延スタンド間に設置されるスタンド間温度計とを有する仕上圧延機を用いて、熱間圧延を開始する前に予め定めた、前記冷却装置の冷却条件と圧延速度とに基づいて被圧延材に仕上圧延を行うことにより熱延鋼板を製造する際に、
前記仕上圧延を開始する前においては、
前記スタンド間温度計の測定位置における被圧延材の温度を、前記複数の圧延スタンドのうちの最終の圧延スタンドを通過する時の被圧延材の温度が目標値を満足するように算出した前記冷却装置の冷却条件に基づいた演算により求め、求めた該被圧延材の温度が、該被圧延材のAr3変態点以上の温度域に設定した所定の温度を下回る場合には、該仕上圧延を行われている際の前記被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定された目標温度域を満足するように、前記冷却条件と前記圧延速度とのうちの一方又は双方を変更し、
変更した冷却条件と圧延速度とのうちの一方又は双方により前記仕上圧延を開始し、
さらに、前記被圧延材が前記スタンド間温度計を通過した後においては、
前記スタンド間温度計による、前記少なくとも一つの圧延スタンド間における被圧延材の温度の測定値が、該被圧延材のAr3変態点以上の温度域に設定した所定の温度を下回る場合には、該仕上圧延を行われている際の前記被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定された目標温度域を満足するように、前記冷却条件及び/又は前記圧延速度を変更し、
変更した冷却条件及び/又は圧延速度により前記仕上圧延を引き続き行うこと
を特徴とする熱延鋼板の製造方法。 - 複数の圧延スタンドと、複数の圧延スタンド間に設置される冷却装置と、少なくとも一つの圧延スタンド間に設置されるスタンド間温度計とを有する仕上圧延機を用いて、熱間圧延を開始する前に予め定めた、前記冷却装置の冷却条件と圧延速度とに基づいて被圧延材に仕上圧延を行うことにより熱延鋼板を製造する際に、
前記仕上圧延を開始する前においては、
前記スタンド間温度計の測定位置における被圧延材の温度を、前記複数の圧延スタンドのうちの最終の圧延スタンドを通過する時の被圧延材の温度が目標値を満足するように算出した前記冷却装置の冷却条件に基づいた演算により求め、求めた該被圧延材の温度が、該被圧延材のAr3変態点以上の温度域に設定した所定の温度を下回る場合には、前記最終の圧延スタンドを通過する際の前記被圧延材の温度が目標温度域を満足するとともに、圧延スタンド間における前記被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定した目標温度域を満足するように、前記冷却条件と前記圧延速度とのうちの一方又は双方を変更し、
変更した冷却条件と圧延速度とのうちの一方又は双方により前記仕上圧延を開始し、
さらに、前記被圧延材が前記スタンド間温度計を通過した後においては、
前記スタンド間温度計による、前記少なくとも一つの圧延スタンド間における被圧延材の温度の測定値が、該被圧延材のAr3変態点以上の温度域に設定した所定の温度を下回る場合には、前記複数の圧延スタンドのうちの最終の圧延スタンドを通過する際の前記被圧延材の温度が目標温度域を満足するとともに、圧延スタンド間における前記被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定した目標温度域を満足するように、前記冷却条件及び/又は前記圧延速度を変更し、
変更した冷却条件及び/又は圧延速度により前記仕上圧延を引き続き行うこと
を特徴とする熱延鋼板の製造方法。 - 前記仕上圧延機は、前記複数の圧延スタンドのうちの第1の圧延スタンドの入側に設置されて被圧延材を加熱する加熱装置をさらに有し、
前記仕上圧延を開始する前においては、
前記スタンド間温度計の測定位置における被圧延材の温度を、前記複数の圧延スタンドのうちの最終の圧延スタンドを通過する時の被圧延材の温度が目標値を満足するように算出した前記冷却装置の冷却条件、及び前記加熱装置の加熱条件に基づいた演算により求め、求めた該被圧延材の温度が、該被圧延材のAr3変態点以上の温度域に設定した所定の温度を下回る場合には、該仕上圧延を行われている際の前記被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定された目標温度域を満足するように、前記冷却条件及び前記加熱条件と前記圧延速度とのうちの一方又は双方を変更し、
変更した冷却条件及び加熱条件と圧延速度とのうちの一方又は双方により前記仕上圧延を開始すること
を特徴とする請求項3から請求項6までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。 - 前記仕上圧延を開始する前に、前記演算により求めた被圧延材の温度が該被圧延材のAr3変態点以上の温度域に設定した所定の温度を上回る場合には、該仕上圧延を行われている際の前記被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定された目標温度域を満足するように、前記冷却条件及び/又は前記圧延速度を変更する請求項3から請求項7までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
- 前記被圧延材が前記スタンド間温度計を通過した後に、前記スタンド間温度計による、前記少なくとも一つの圧延スタンド間における被圧延材の温度の測定値が、該被圧延材のAr3変態点以上の温度域に設定した所定の温度を上回る場合には、該仕上圧延を行われている際の前記被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定された目標温度域を満足するように、前記冷却条件及び/又は前記圧延速を変更する請求項1、請求項2、請求項5、請求項6又は請求項7に記載された熱延鋼板の製造方法。
- 前記熱延鋼板は、深絞り加工用の熱延鋼板である請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
- 前記熱延鋼板は、r値の面内異方性が所定範囲内に抑制された熱延鋼板である請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
- 前記スタンド間温度計の設置位置は、スタンド間温度計に基づき冷却条件を変更できる冷却装置の設置数、該スタンド間温度計の設置数及び前記熱延鋼板に生じるスケール疵の発生状況のうちの少なくとも一に基づいて、決定される請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
- 前記目標温度域は、前記スタンド間温度計の設置位置及び前記熱延鋼板に生じるスケール疵の発生状況のうちの少なくとも一に基づいて、決定される請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
- 前記スタンド間温度計は、前記被圧延材の板幅方向の温度分布を測定可能な温度計である請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
- 前記少なくとも一つの圧延スタンド間における被圧延材の温度の測定値は、前記スタンド間温度計による前記板幅方向の温度分布の測定値を統計処理した値である請求項14に記載された熱延鋼板の製造方法。
- 前記スタンド間温度計が前記被圧延材の下面を測定する場合には、該スタンド間温度計は水環境下でも測定可能な水環境温度計である請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
- 複数の圧延スタンドと、
複数の圧延スタンド間のうちの少なくとも一つの圧延スタンド間に設けられて被圧延材の温度を測定するスタンド間温度計と、
前記スタンド間温度計が設けられる圧延スタンド間を除く複数の圧延スタンド間のうちの少なくとも一つの圧延スタンド間に設けられて被圧延材へ冷却水を噴射する冷却装置と、
前記スタンド間温度計により測定される被圧延材の温度に基づいて前記冷却装置による前記被圧延材に対する温度制御量を決定する温度制御装置と
を有する仕上圧延機を備える熱延鋼板の製造装置であって、
前記温度制御装置は、前記スタンド間温度計による被圧延材の温度の測定値が、該被圧延材の鋼のAr3変態点以上の温度域に設定した所定の温度を下回る場合に、仕上圧延を行われている際の被圧延材の温度がAr3変態点以上に設定された目標温度域を満足するように、該測定値に基づいて前記冷却装置の制御条件を変更する指令を出力すること
を特徴とする熱延鋼板の製造装置。 - 前記スタンド間温度計は、前記被圧延材の温度が最も低下する圧延スタンド間に設置される請求項17に記載された熱延鋼板の製造装置。
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