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JP2008536953A - 特定のプレチルト角を持つ配列ポリマーを含んだ発光体 - Google Patents

特定のプレチルト角を持つ配列ポリマーを含んだ発光体 Download PDF

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Abstract

本発明の第1の態様は、配向された光励起性発光材料を含んだ配列ポリマーを含む発光体に関し、前記配列ポリマーは10〜90°のプレチルト角を持つ。有利には、本発明による発光体は発光太陽集光システムに用いられてもよく、入射太陽光に暴露された後の光励起性発光材料によって放出される放射の高効率の輸送を可能にする。本発明の他の態様は光起電力デバイスに関し、光放射を電気エネルギーに変換することができ、発光体と光学的に結合された先述の発光体と光起電力電池とを含むんだ電磁放射集光媒体を含む。本発明のさらなる態様は、先述の発光体を含んだ蛍光活性ディスプレイおよび室内照明システムを含む。
【選択図】図1

Description

発明の技術分野
本発明は発光体および特に光学発光集光装置、例えば発光太陽集光装置におけるこのような発光体の応用に関する。
発明の背景
単位ワットあたりの太陽エネルギーのコストは石炭、石油、風力、バイオマスおよび原子力を含む他のソースからのエネルギーの約5〜10倍高い。光起電力システムにおける太陽エネルギー発電のコストを下げるために、システムにおいて最も高価な部分、すなわち光起電力電池(太陽電池)を効率的に使用することが望ましい。従来、これは大きな光収束性の太陽集光器(パラボラ状またはトラフデッシュ)を用いてなされている。これらの装置はいくつかの欠点を持ち、高い投資コスト、高い維持コスト、扱いにくい形状、および太陽が空を横切るので、その追跡が必要なことを含む。現在の技術状況のレビューのために、Swanson,Progress in Photovoltaics:Research and Applications 8,93(2000)を参照のこと。
研究の主題であった代替の選択肢は、光を集光して小さな光起電力電池に輸送する導波路を使用することである。ホログラム手段(US5,877,874)または光をリダイレクトする幾何光学(例えばT.Uematsu et al Sol Energ Mater Sol C 67,415(2001)およびUS4,505,264を参照のこと)を使用したこれらのいくつかの努力が試みられた。これらの試みは特に大きな輸送距離のためにむしろ成功しなかった。なぜならば、効率が低いか、またシステムが太陽の追跡を必要するか、またはシステムが複雑で大規模生産に不向きであるか、またはこれらの組み合わせのためである。
発光太陽集光器(LSC)は研究の主題となってきた他の代替案を代表する。なぜならば特にこれらのシステムが安価で製造が容易であり、これらのシステムは太陽の追跡が不要なためである。LSCは基本的に蛍光染料分子をドープされた大きなガラスまたはポリマー性のプレート、シート、フィルム、ファイバー、リボン、織布または被膜からなる。この染料はそれに入射する太陽光から特定の波長の光を吸収し、光を全方向により長い波長で再放出する。光の一部は支持導波路の臨界角内で放出され、内部で全反射され、光起電力電池に輸送される。LSCは高価でない材料と柔軟性(特にプラスチックの導波路が使われる場合)を組み合わせた利点を持ち、ヒートシンクおよび太陽追跡システムを必要としない。他の目的(室内照明)の実例のシステムは、Earp et al,Sol Energ Mat Sol C 84,411(2004)に記載されている。現在、LSCシステムは主にその低い効率に関係して商業的に使用されていない。この低い総効率は放出光(染料のストークスシフトに限定される)の高い再吸収、導波路に入る結合光の低い効率および導波路内での光の保持における低い効率に由来する。
本発明は、特に放出される光が導波路内に結合される効率を高める手段を与えることによって、これらのLSCシステムの欠点を改善することを目的とする。
発明の要約
発明者は、配向された光励起性発光材料を含んだ配列ポリマーを用いることによって、LSCシステムの効率を劇的に増大できることを発見した。本発明に関連して、ポリマーの配列を使用して光励起性発光材料の配向を誘起する。非配列性の等方性光励起性発光材料によって放出される放射は全ての方向に進み、LSCシステムの平面に垂直に入射する照明のためのLSCシステムに垂直な発光方向にとってわずかに好ましいにすぎない。言い換えれば、光の大部分は導波モードの外で放出され、導波路内で輸送されない。ポリマー内の光励起性発光材料の適当な配列は配向された光励起性発光材料によって放出される光の大部分がLSCシステムの導波モード内に放射されることを保証する。
したがって、無視できないプレチルト角での配列の場合、放射は非常に効率的に導波路内に結合できるような角度で放出されるだろう。代替的に大きなプレチルト角での配列の場合、放出される放射の比較的多くの部分が全反射の臨界角よりも大きな角度で発光体と空気の界面に当り、発光体の内部に留まる。したがって、配列された光励起性発光材料を使用することにより、今まで可能だったものよりもLSCシステム内に放出された光のはるかに多くの部分を含ませることが可能となる。結果として、本発明によりLSCシステムの作動効率を25%を上回って増大させることが可能となる。
したがって、本発明の1つの態様は配列性光励起性発光材料を含んだ配列ポリマーを含む発光体に関し、前記配列ポリマーは発光体の表面に関して10〜90°のプレチルト角を持つ。特定の実施形態において、本発明は発光層および導波路を含む発光体に向けられ、発光体は光学ラミネート、または光学ファイバーであって、発光体は導波路と光学的に結合されており、発光体は配向された光励起性発光材料を含んだ配列ポリマーを含み、前記配向された光励起性発光材料は配列ポリマー内に固定され、前記配列ポリマーは発光体の表面に関して10〜89°、好ましくは10〜90°、よリ好ましくは10〜85°、さらにより好ましくは15〜85°、なおさらにより好ましくは30〜80°、より好ましくは30〜70°、なおさらにより好ましくは40〜70°のプレチルト角を持つ。
この発光体を使用して入射光をより長い波長に変換できるであろう。放出光が発光体の表面に関して比較的小さな角度で放射される場合(比較的大きなプレチルト角を要する)、放出された光は前記表面に平行な平面内で、例えば出口または光起電力装置まで効率よく輸送される。したがって本フィルムは独立の導波路無しに、それ自体で例えばLSCに適用することができる。この特定の場合において、大きなストークスシフトおよび/または吸収スペクトルと発光スペクトルの間の重なりが小さい光励起性発光材料を用いて、再吸収現象による大きな光のロスを避けることは非常に有利である。
本発明による発光体は有利に(透過性)導波路(蛍光染料無しで)と光学的に結合させることもできる。放出された光の導波路内への輸送(または結合)効率は本発明によって顕著に増強されるためである(特に光励起性発光材料が30〜70°の範囲内のプレチルト角で配向された場合)。本発光体の光学的な結合は発光体が導波路上で独立の層として結合されている多層構造(例えば光学ラミネートまたは多層光学ファイバー)を作ることによって達成することができる。
少なくとも1つの二色性染料を含んだ液晶性のホメオトロピックに配列されたポリマーフィルムは、EP−A 0 608 924に記載されている。ホメオトロピック配向に加えて二色性染料の存在により、データの読み書きのための異なる技術を用いることが可能になると言われている。この欧州特許出願は、二色性光励起性発光染料の参照を全く含んでいない。さらには、この特許出願は90°を下回るプレチルトの配列染料を含んでいない。
定義
ここで用いた用語「発光(luminescent)」は、十分な量子エネルギーの光またはその他の放射を吸収した際に光を放出する材料の能力を言う。この用語は蛍光と燐光の両方を含む。
ここで用いた用語「光」は、人間の目に可視か、または不可視の光放射を言う。
用語「光放射」は、波長範囲が100〜2000nmの電磁放射を言う。
ここで用いた用語「光励起性発光(photoluminescence)」は、光の吸収によって発生した発光(luminescence)を言う。
ここで用いた用語「光励起性発光材料(photoluminescent material)」は、光励起性発光が可能なイオンを含む原子または分子を言う。用語「光励起性発光材料」は、2つ以上の異なる光励起性発光成分の組み合わせ、例えば2つ以上の異なる光励起性発光分子の組み合わせも包含する。用語「光励起性発光材料」は、蛍光分子、蛍光ポリマーおよび/またはコポリマーを含むホスト−ゲストシステムも包含する。
ポリマー、光励起性発光材料か、またはこれらのポリマーまたは材料内に含まれる基に関連してここで用いた用語「配列した(aligned)」および「配向した(oriented)」は類義語であって、これらのポリマー、材料または基の中で特定の空間的配向が優勢であることを言う。
専門用語「10〜90°のプレチルト角を持つ配列ポリマー」によって、配列ポリマーのメソゲン基は発光体の表面に関して少なくとも10〜90°のプレチルト角で配向することが意図されている。
用語「液晶」または「メソゲン」は1つ以上の(セミ)リジットな棒型、バナナ型、板型またはディスク型のメソゲン基、すなわち液晶相挙動を誘起する能力を持つ基を含む材料または化合物を示すために使われる。棒型および板型の置換基の液晶化合物は、この技術において「カラミチック」液晶としても知られている。ディスク型の基を持つ液晶化合物は、この技術において「ディスコチック」液晶としても知られている。メソゲン基を含む化合物または材料は必ずしも自身が液晶相を示す必要はない。それらは他の化合物との混合物でのみ、またはメソゲン化合物もしくは材料、もしくはそれらの混合物がポリマー化された場合に液晶相挙動を示すことも可能である。
簡単のために今後、用語「液晶化合物」は液晶材料およびメソゲン材料の両方を示すために使用し、用語「メソゲン」は材料のメソゲン基のために使用する。メソゲン基を含む化合物または材料は、必ずしも自身が液晶相を示す必要はない。それらが限定された(重合された)層、例えば導波路上の被膜層(以下を参照)においてのみ、液晶相を示すことも可能である。
ここで用いた用語「液晶性モノマー」は、重合を受け、それによって液晶性ポリマーの本質的な構造に構成ユニットを提供することができる材料を言う。
ここで用いた用語「反応性液晶性モノマー」は、重合されて液晶性ポリマーまたは液晶性ポリマーネットワークを形成できる反応性基を含む液晶性モノマーを言う。
ここで用いた用語「液晶性ポリマー」は中間状態(mesomorphic state)において、長距離配向秩序と、部分的な位置秩序または完全な位置無秩序のいずれか(IUPAC Recommendations 2001;Pure Appl.Chem.(2002)74(3),493−509)を持つポリマー材料を言う。
ここで用いた用語「ポリマー層」は、シート、ストリップ、バンド、ファイバー、リボン、織布およびストランドの形状のポリマー性材料を包含する。本発明は平坦なポリマー層に限定されず、屈曲した、鋳造された、またはその他の成形されたポリマー層を含む。ただし、ポリマーが層内の配列ポリマーは先に定義したように発光体の表面に関して或るプレチルト角で配向されている。
ここで用いた用語「導波路」は、光に対して透過性があり、入力から所望の出力まで光放射を閉じ込める光学要素を言う。
ここで用いた用語「透過性」は、材料が入射太陽光および/または光励起性発光材料によって放出される光の殆どを伝えることを意味する。より詳細には、用語「透過性」は、前記材料が前記光の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも90%を伝えることを意味し、これは入射光に暴露される発光体の表面に関して垂直に入射する光で測定される。
ここで用いた用語「透過性導波路」は、導波路が入射太陽光および/または光励起性発光材料によって放出される光の大部分を伝えることを意味する。より詳細には、用語「透過性導波路」は、前記導波路が導波路に垂直に入射する光で測定された前記光の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%を伝えることを意味する。
ここで用いた用語「反射性」は、材料が入射太陽光および/または光励起性発光材料によって放出される光の大部分を反射することを意味する。より詳細には、用語「反射性」は前記材料が前記光の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%を反射することを意味する。材料の反射率は反射面に対して垂直に入射する光で決定される。
ここで用いた用語「二色比」は、光励起性発光材料の偏波選択性吸収から導出される二色比を言う。二色比は直線偏光を用いた吸収測定から以下の式により導出される。
R=A///A
この式においてRは二色比であり、A//は入射光の電場が配列ポリマーによって誘起される配列方向と平行に配列した試料の吸光度であり、Aは入射光の電場が配列ポリマーによって誘起される配列方向と垂直に配列した試料の吸光度である。光励起性発光材料の二色比は、この技術においてよく知られた様々な方法で決定することができ、これらの方法の適合性は光励起性発光材料の性質およびそれが含まれている配列ポリマーマトリクスの性質に依存する。
用語「ポリマー性積層」は、有機(ポリマー性)材料ベースの異なる屈折率のサブレイヤーを含む多層フィルムを言い、前記材料は波長選択性を示し、任意に偏波選択性との組み合わせになる。例えばUS 6,157,490参照。
ここで用いた用語「波長選択性ミラー」は、特定波長で透過性であり、他の波長で反射性であって、任意に偏波選択性との組み合わせになる。多くのこのようなミラーは文献既知である。
専門用語「キラルネマチックポリマーのコレステリック層」は、そのメソゲン基が層の表面に関して主に平行に配列したポリマーを含み、その中でで分子がお互いに関してキラルな反応性または非反応性のドーパントによって誘起された特定の方向に回転する層を言う。
波長選択性ミラーは波長調整したものでもよく(例えばKatsis et al(1999)Chem.Matter.11,1590参照)、またはバンド幅調整したものでもよい(例えばBroer et al(1995)Nature 378,467参照)。
ここで用いた用語「常光屈折率」および「異常光屈折率」は、それぞれ配列ポリマーの光学軸に垂直および平行な配列ポリマーの屈折率を言う。
ここで用いた用語「導波路の屈折率」は、等方性状態の導波路の屈折率を言う。特定の場合、例えば製造工程中の流動による複屈折を示す配向性導波路を用いてもよい。
フレーズ「ホメオトロピックに配列された光励起性発光ポリマー被膜」は、光励起性発光材料を含むポリマー性被膜を言い、プレチルト角が90°である。
用語、配向の「プレチルト角」は、水平に関して、例えば上部層の表面に形成された角を言い、当業者既知のものである。
図の説明
図1は、発光層1および導波路2を含む光学ラミネートの断面を描写する。発光層1は複数の等方的に配置された光励起性発光染料分子3を含む。入射光放射4は発光層1に入り、光励起性発光染料分子3を励起し、全方向に光放射5を放出させる。図1からわかるように、放出された放射の大部分は上面6を通って発光層1を出るので、ラミネートが入射する放射を集光できる効率を減じてしまう。
図2は、複数の光励起性発光染料分子3が比較的小さなプレチルト角αで配列されている以外は図1に描写したものと同一の光学ラミネートの断面を描写する。光励起性発光染料分子3は光放射5を大部分はプレチルト配列に垂直に放出する。図に示したように、放射は発光層1と導波路2の間の界面14に関して比較的大きな角度で放射され前記放射の大部分を導波路に結合させる。
図3は、複数の光励起性発光染料分子3が比較的大きなプレチルト角αで配列されている以外は図1に描写したものと同一の光学ラミネートの断面を描写する。光励起性発光染料分子3は、光放射5を大部分はチルト配列と垂直に放出する。したがって、放出された放射5の大部分は発光層1と導波路2の間の界面に反射角を上回って当り、このことは、この放射の大部分は発光層1と導波路2の間の界面14で反射されるであろうことを意味する。
図4は、発光層1および導波路2を含む光学ラミネートの断面を描写する。ラミネートはさらに、2つの波長選択性かつ偏波選択性の反射性コレステリック層7および8と、反射性ミラー9とを含む。矢印4で表される光放射は左回りコレステリック層8および右回りコレステリック層7を通ってラミネートに入り、発光層1に到達する。発光層1内で、或るプレチルトに配列されている光励起性発光分子3は、入射する放射4によって励起され矢印5で表される光放射を放出する。放出された放射5の大部分は導波路2に入り、出口10および11に到達するまで内部で反射される。コレステリック層7および8は、放出された放射5のせいぜい少しの部分しかラミネートから漏れないことを保証する。これらの波長選択性ミラー7および8がともに発光層1に再び入る放出された放射を効率的に反射するためである。ミラー層9は光放射4および放出された放射5を反射して導波路内に戻す。
図5は、ミラー層9が2つのコレステリック層9aおよび9bで置き換えられている以外は図4に示したものと同一の光学ラミネートの断面を示す。放出された放射5に対して殆ど反射性であるが、光励起性発光染料分子3によって吸収されない光放射12に対しては透過性であるコレステリック層7、8、9aおよび9bの組み合わせを用いることによって、光放射12が全ラミネートを通って進むことを保証できる。この特定のラミネートを、入射太陽光の一部を選択的に集光する一方で他の部分を窓ガラスを通して進ませる窓ガラスとして有利に用いてもよい。先述したように、2つの層9aおよび9bの代わりにより多いまたは少ない層を使用することができる。
図6は、発光層1および導波路2を含む光学ラミネートの断面を描写する。ラミネートはさらに複数のサブレイヤー7aないし7kを含むポリマー性積層7と、反射性ミラー層9とを含む。矢印4で表される光放射はポリマー性積層7を通ってラミネートに入り、発光層1に到達する。発光層1内でチルト配列された光励起性発光分子3が入射する放射4によって励起され、矢印5で描写される光放射を放出する。放出された放射5の大部分は導波路に入り、出口10に到達するまで内部で反射される。ポリマー性積層7は放出される放射5のせいぜい少しの部分しかラミネートから漏れないことを保証する。このポリマー性積層7が発光層1に再び入る放出された放射を効率的に反射するためである。ミラー層9は光放射4および放出された放射5を反射して導波路2内に戻す。出口11を含む光学ラミネートの3つの面も反射性ミラー被膜9を具備し、光放射4および放出される放射5の両方を反射して導波路2内に戻す。したがって、実際光学ラミネートから放出された放射の出口は、光起電力電池13に光学的に接続されている出口10のみである。
図7は、発光層1および導波路コア2を含む光学ファイバーの断面を描写する。ラミネートはさらに、2つの波長選択性かつ偏波選択性の反射性コレステリック層7および8を含む。矢印4で表される光放射は左回りコレステリック層8および右回りコレステリック層7を通ってラミネートに入り、発光層1に到達する。発光層1内で、プレチルト配列された光励起性発光分子3は、入射する放射4によって励起され矢印5で表される光放射を放出する。放出された放射5の大部分は導波路2に入り、出口10に到達するまで内部で反射される。コレステリック層7および8は、放出される放射5のせいぜい少しの部分しか光学ファイバーから漏れないことを保証する。これらの波長選択性ミラー7および8がともに発光層1に再び入る放出された放射を効率的に反射するためである。
図8は、発光コア1および導波路2を含む光学ファイバーの断面を描写する。ラミネートはさらに、2つの波長選択性かつ偏波選択性の反射性コレステリック層7および8を含む。矢印4で表される光放射は左回りコレステリック層8および右回りコレステリック層7を通ってラミネートに入り、発光コア1に到達する。発光層1内でプレチルト配列された光励起性発光分子3は、入射する放射4によって励起され矢印5で表される光放射を放出する。放出された放射5の大部分は導波路2に入り、そこで出口10に到達するまで内部で反射される。コレステリック層7および8は、放出された放射5のせいぜい少しの部分しか光学ファイバーから漏れないことを保証する。これらの波長選択性ミラー7および8がともに導波路2の外壁に当る放出された放射を効率的に反射するためである。
図9はここで用いた測定装置を概略的に描写する。
図10は例1の結果を表す。
図11は例2の結果を表す。
図12はここで用いた測定装置を概略的に描写する。
図13a−13eは、LSCおよび光起電力電池13を含む本発明による装置の実施形態を概略的に示す。ミラー9の代わりに、1つ以上のコレステリック層を使用してもよい(図5を参照)。
図14は、いくつかの(すなわち2つ以上)LSCおよび光起電力電池13を含む本発明による装置の実施形態を概略的に描写する。光学的な結合は導波路(例えば光学ファイバー)26を介して達成されるだろう。導波路2からの放射を任意にコリメーター25によって平行にして導波路26内に入れてもよい。
図15a(ミラー9または1つ以上のコレステリック層を含まない)および15bは、図4および13bの変形例を概略的に描写する(ただし他の実施形態に対する変形例として適用してもよい)。図15cは図1の他の変形例を概略的に描写する(ただし他の実施形態に対する変形例として適用してもよい)。
ここで概略図は他の成分(例えば、当業者に明らかなように、1つ以上のコレステリック層を配列させる配列層、または配列ポリマー層の配列を作る配列層のような)の存在を除外しない。
さらに図4−6および13a−13eを参照すると、本発明は導波路2と発光層1の位置が交換されている実施形態にも向けられる。例えば図4を参照すると、これは以下の順序を持つ積層を与えるだろう。コレステリック層8、コレステリック層7、導波路2、発光層1、反射性ミラー9(図15aを参照)。例えば図13aを参照すると、これは以下の順序を持つ積層を与えるだろう。コレステリック層8、コレステリック層7、導波路2、配列層20、発光層1、反射性ミラー9(図15bを参照)。同様にこれは他のここで記述され、概略的に示された実施形態に当てはまる。
発明の詳細な説明
発光太陽電池はDE 2737847にも記載されており、それは蛍光溶液を含有する電池と、気体(空気)を含有する電池とを交互に含む。しかしながら、DE 2737847におけるLSCは、導波路も含まず、配列ポリマー(ここで配列ポリマーは発光体の表面に関して10〜90°のプレチルト角を持つ)内に固定された配向された光励起性発光材料も開示していない。したがって、DE 2737847のLSC、より正確には発光体は、本明細書に記述したLSCおよび発光体それぞれの利点を提供しない。
US 6734936は、光学的に異方性な層を含む光学成分に関し、この層は異なる分子配向の少なくとも2つの領域を持つ。異方性層は、例えば架橋液晶モノマーによって形成されたリターダー層である。この文献は導波路も開示しておらず、本発明による典型的な配列も開示していない。
本発明の第1の態様は、配向された光励起性発光材料を含んだ配列ポリマーを含む発光体に関し、前記配列ポリマーは10〜90°のプレチルト角を持つ。典型的に光励起性発光材料は、配列ポリマーのメソゲン基と本質的に同じ方向に配列される。二色性光励起性発光材料は、本発明に関連した使用に特に好適である。なぜならば、それらは配列ポリマーのマトリクス(例えば液晶性ポリマー)内で比較的容易に配向させることができるためである。
メソゲンは反応性のメソゲンまたは非反応性のメソゲンでもよい。好適な非反応性のメソゲンの例はMerck(登録商標)から入手可能で、例えばそれらの製品フォルダにおいてLicristal(登録商標)という電子光学ディスプレイのための液晶混合物(2005年5月)として記載されており、その非反応性のメソゲンとみなされる成分は参照によって本明細書に組み込まれる。
好適な反応性のメソゲンの例はアクリレート、メタクリレート、エポキシ、ビニルエーテル、スチレン、チオール−エン(tiol−ene)およびオキセタン(oxethane)基を含むものである。好適な例はWO 04/025337に記載されており、WO 04/025337において重合可能なメソゲン化合物および重合可能な液晶として参照されている、その反応性とみなされている成分は、参照によって本明細書に組み込まれる。反応性のメソゲンの混合物も使用できる(Merck(登録商標)反応性メソゲン,Brighter clearer comunication)。
また、反応性および非反応性のメソゲンの混合物を使用できる。混合物の場合、使用される全てのメソゲンは、好ましくは最終の層において配列された状態にある。
液晶性ポリマーの場合、蛍光材料を液晶性反応性モノマーに混合および/または溶解することは有利である。これらのモノマーは或る場(流れ、磁気、電気、極性、機械的な延伸)、または配列層(バフまたは非バフのポリイミド、線状光重合性材料、など)の存在の元に容易に配列する。発生するプレチルトは当業者が容易に制御することができる(例えば、Sinha et al(2001)Appl.Phys.Lett.79,2543を参照)。反応性モノマー(混合物)の適当な配列の後に、熱または放射で誘起される液晶性モノマーの重合が実行される。特定の場合では、適当な重合開始剤を加えると都合がよい。例えば、紫外線での重合の場合、UV開始剤(例えばIrgacure 184,Ciba Specialty Chemicalsを参照)が使用され、熱重合の場合は適当な熱開始剤(例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN),Aldlich Chemicalsを参照)が使用される。
いくつかの種類のプレチルト配向が認められるであろう。プレチルト配向の典型的な例によれば、液晶相における液晶分子のディレクタは、フィルムの厚さ方向におけるいかなる箇所でも殆ど同一である。1つの層表面の近くにおいてディレクタが前記表面と概して平行であり、層の反対の表面が近づくにつれてディレクタが次第に変化し、ホメオトロピック配向またはそれに近い配向状態(スプレイ配列)を示す配向を与えることもできる。ディレクタと層平面へのディレクタの射影との間の角度が層の厚さ方向におけるいかなる箇所でも一定であるチルト配向と、前記角度が層の厚さ方向に連続的に変化する配向の両方が、ここで言うプレチルト配向の範囲に含まれる。
好ましい実施形態において、本発光体は配向された光励起性発光材料を含んだ少なくとも1つの配列ポリマーの層を含み、前記層の上面は発光層の上面と一致するか、または平行に広がる。このような発光体を使用して高効率で入射の光放射を集光することができる。
本発光体は配列ポリマーと配向された光励起性発光材料とを含んだ1つ以上の層を含んでもよい。いくつかのこのような層の使用は、各々の層が光放射の特定のバンド幅を吸収するように最適化することができるので、フィルムの全体が光放射の広いスペクトルを吸収および集光できる利点を提供する。いくつかの層の使用により、個々の光励起性発光染料の優先または特定のチルト配列を達成する必要性によって決定されるように異なるポリマーを各々の層に使用できるようにもなる。
発光体において使用される光励起性発光材料を、配列ポリマーを配向された光励起性発光材料でドープすることによって配列ポリマーに適切に混合してもよい。代替的に、配向された光励起性発光材料を配列ポリマーと共有結合させることができる。本発明のさらに他の好適な実施形態に従えば、配向された光励起性発光材料は配列ポリマーのメソゲン基である。
本発光体の配向された光励起性発光材料は単一の光励起性発光成分で構成されていてもよく、または光励起性発光成分の混合物を含んでいてもよい。各々が異なる波長の光放射を吸収する光励起性発光成分の組み合わせを用いることは利点があるだろう。したがって好適な光励起性発光成分を選択することによって、本発光体に含まれる光励起性発光材料が光放射の広いバンド幅、例えば太陽放射スペクトルの大部分を吸収することが保証され得る。本発光体が複数の層を含む場合、異なる光励起性発光材料を異なる層に適用することは利点があるだろう。したがって、光集光効率の見地から本目的の性能は最大化されるだろう。当然、光励起性発光成分の組み合わせが使用される場合、この光励起性発光成分の組み合わせが放出する波長と吸収する波長との間において重なりが殆ど無いか、または全く無いように保証する配慮が不可欠であり、強い重なりがある場合は、この組み合わせはカスケードとして機能するべきで、これは一方の光励起性発光材料によって放出される放射および他方の成分によって吸収される放射が後者の成分を発光させることを意味する。
本発明の発光体に用いられる配向された光励起性発光材料は、好ましくは少なくとも2.0、より好ましくは少なくとも3.0、最も好ましくは5.0の二色比を持つ。平面配向において、二色光励起性発光材料は他のものよりも実質的に高い程度まで光放射の1つの直線偏波方向を吸収する。
二色光励起性発光材料は本発光体での使用に特に好適である。好ましい実施形態によれば、配向された光励起性発光材料は有機および/またはポリマー性光励起性発光染料を含む。ここで用いた用語「光励起性発光染料」は、自身で発色する分子であって、したがって可視スペクトル、可能ならば紫外スペクトルの光(100〜800nmの範囲の波長)を吸収するが、普通の染料と対照的に、吸収したエネルギーを主にスペクトルの可視領域で放出されるより長い波長の蛍光に変換する。光励起性発光染料は高い量子収率、良好な安定性を持ち、高度に精製されているべきである。通常、染料は10−1〜10−5Molarの濃度で存在する。本発明に従って好適に用いることができる典型的な有機光励起性発光染料の例は、(限定されないが)置換されたピラン類(例えばDCM)、クマリン類(例えばクマリン30)、ローダミン類(例えばローダミンB)、Lumogen(BASF(登録商標)の商標)シリーズ、ペリレン誘導体、Exciton(登録商標)LDSシリーズ、ナイルブルー、ナイルレッド、DODCI、オキサジン類、ピリジン類、「スチリル」シリーズ(Lambdachrome(登録商標))、ジオキサジン類、ナフタルイミド類、チアジン類、およびスチルベン類を含む。
配向された光励起性発光材料が配列ポリマーマトリクス内に固定されていることは、本発明の本質的な態様である。液晶性ポリマーをベースにし、光励起性発光材料を含む発光体はいくつかの方法で配列させることができる。液晶性ポリマーの場合、反応性の液晶性モノマーを配列し、その後にモノマーを先述したように重合させることがしばしば好ましい。通常、この手順が採用される。なぜならば大抵の液晶性ポリマーと対照的に液晶性モノマーは容易に配向するからである。
通常、発光体の表面は配向層を具備し、液晶モノマー/ポリマーの適切な配列を誘起する。以下のいくつかの配向層が可能である。
a.ポリイミド配列層(バフ、ラビングまたは非バフ、非ラビング)は通常使用され、平面またはホメオトロピック配列および/または特定のプレチルトの配列液晶性ポリマーを生み出す。典型的な例は平面配列のためのOptimer Al 1051(例えばJSR Micro)およびホメオトロピック配列のための1211ポリイミドワニス(例えばNissan Chemical)である。
b.線状光重合材料(LPP)と呼ばれるものは境界のはっきりしたプレチルトを持つ配列層として使用することができる(例えばStaralign(商標);Vantico AG、Basel、CHを参照)。
液晶の配列の他の技術は以下を含む。
a.尖った、または鈍い針でのレコーディング、SiOの斜方蒸着またはスパッタリング、無機質の視斜角蒸着、Langmuir−Blodgett蒸着された銅フタロシアニンをドープしたポリメタクリレート層、およびダイヤモンドライクカーボン薄膜層(例えば、Verghese et al(2004)Appl.Phys.Lett.85,230;Motohiro,T.,Taga,Y.(1990)Thin Solid Films 185,137;Castellano,J.A.(1984)4,763;Robbie,K.et al(1999)Nature 399,764;Lu,R.et al(1997)Phys.Lett.A 231,449,Hwang,J−Y et al(2002)Jpn.J.Appl.Phys.41,L654を参照)。
b.配列を誘起する界面活性剤、例えばシラン類、高級アルコール類(例えばn−ドデカノール)などは液晶の配列をさらに調整するために用いることもできる。
c.配列誘起ドーパントを液晶性ポリマーに加えることによる。
d.発光体に機械的な延伸、流れ、磁気、電気極性場を適用することによる。
e.スメクチックA配向のポリマーを、発光体を加熱ローラーを通過させることによって配向させることによる。結果として生じた剪断変形はメソゲン基を配向させる。
f.(適切な)熱処理によってスメクチックC配向を達成する反応性のメソゲンを使用することによって液晶を配列させ、その後メソゲンの重合反応を開始させ、系を束縛してスメクチックC配向にすることによる。
30〜80°のプレチルト角を持つ配列ポリマーを含んだ発光体の調製に特に好適な技術は以下に記載される。すなわち、Hwang,Z.,Ronsenblatt,C.Appl.Phys.Lett.86,011908;Lu,M.Jpn.J.Appl.Phys.43,8156;Lee,F.K.et al Appl.Phys.Lett.85.5556;The Staralign(商標)linearly photopolymerazable polymer system(Vantico AG);Varghese,S.et al.Appl.Phys.Lett.85,230;Sinha,G.P.et al.Appl.Phys.Lett.79,2543。これらの出版物は参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明の利益は発光ポリマー体、特に平面発光体において特に著しく、配列ポリマーは85°を下回る、好ましくは80°を下回るプレチルト角で配列される。好ましくは、プレチルト角は10〜89°、より好ましくは10〜85°、さらにより好ましくは15〜85°;より好ましくは30〜80°;好ましくは30〜70°の範囲;より好ましくは35〜65°の範囲、そして最も好ましくは40〜60°の範囲である。
特に平面発光体が導波路と組み合せて使用される場合、配列ポリマーを10〜89°の範囲内、より好ましくは10〜85°、さらにより好ましくは15〜85°;より好ましくは30〜80°;好ましくは30〜70°の範囲;より好ましくは35〜65°の範囲、そして最も好ましくは40〜60°の範囲で用いることは利点がある。このようなプレチルト角の応用は、放出される放射が高効率で導波路に結合することを可能にする。ここで前に説明したように、本発明の利益は光励起性発光材料の配列に由来する。光励起性発光材料の配列は、光励起性発光材料を配列ポリマーマトリクス内で固定することによって達成される。このような配向ポリマーマトリクス内での光励起性発光材料の優勢な配向は前記ポリマーマトリクスの配列と同時に起こる。それゆえに、光励起性発光材料のための好ましい配向角は先述した配列ポリマーに関係するものと同じであることがわかるだろう。
本発光体が非平面体の場合、特に前記発光体が光学ファイバーの場合は、実施形態において50°、特に70°を上回るプレチルト角が有利だろう。最も好ましくは、本発光体が光学ファイバーの場合、プレチルト角は80°を超過する。しかしながら、さらに他のより好ましい実施形態においては、プレチルト角は30〜70°、より好ましくは35〜65°の範囲、そして最も好ましくは40〜60°の範囲である。
本発明に従って用いられる光励起性発光材料は、典型的に100nm〜2500nmの範囲に波長を持つ光放射を放出する。好ましくは光励起性発光材料は250〜1500nm、より好ましくは400〜1000nmの範囲の放射を放出する。多くの応用にとって最適な光励起性発光材料は、太陽のスペクトルの殆どをカバーする広い吸収域と、ある程度長い波長を持つ狭い発光域とを持つ。したがって、光励起性発光材料は入射太陽放射を吸収し、それを他の波長で放出する。本発光体において用いられる光励起性発光材料は800nmを下回る、好ましくは700nmを下回る、最も好ましくは600nmを下回る吸収極大を持つ吸収曲線を有する。特に好ましい実施形態によれば、発光体は500〜600nmの光を吸収し、より長い波長で光を放出する。
平面体内の光励起性発光材料の配列のレベルは、秩序パラメーターの観点で適切に決定することができる。秩序パラメーターは下式のように定義される。
S=(A///A)/(A///2A
ここでA//は、配列方向に平行な電気ベクトルを持つ光が試料によって吸収される量、Aは配列方向に垂直な電気ベクトルを持つ光が試料によって吸収される量、Sは固定された実験フレームにおける吸収モーメントの平均配向を示す。参照文献:Van Gurp,M.,Levine,Y.K.,J.Chem.Phys.90,4095(1989)。
本発光体に含まれる光励起性発光材料は、好ましくは少なくとも0.5、より好ましくは少なくとも0.6、最も好ましくは少なくとも0.7の秩序パラメーターを示す。
例えばLSCシステムに用いられる本発光体による効力は、同じ発光体内で放出された光の(再)吸収のレベルに決定的に依存する。特に好ましい実施形態によれば、別個の配列ポリマーマトリクス(例えば、層)内に含まれる光励起性発光材料の吸収極大と発光極大は少なくとも30nm、好ましくは少なくとも50nm、より好ましくは少なくとも100nm異なる。
本発明による発光体は有利にはフィルム、層、ファイバー、リボン、または織布の形状をとる。このようなフィルム、層、ファイバー、リボン、または織布の厚さは意図された応用に依存して変化してもよい。典型的に、前記厚さは0.1〜500μm、好ましくは5〜50μmの範囲であろう。
発光体は有利には配向された光励起性発光材料を含んだ配列ポリマーの2つ以上の積層を含む。1つの特定の実施形態に従えば、各々の配列ポリマー層は異なる光励起性発光層を含む。有利には、これらの光励起性発光材料は異なる吸収極大を示す。他の実施形態に従えば、それぞれの配列ポリマー層における配列ポリマーのプレチルト角は層ごとに変化する。この配置は、入射の放射を光励起性発光放射に変換し、続いて特に独立の導波路を通じて輸送効率のさらなる最適化を可能にする。さらに他の実施形態において、各々の配列ポリマー層は異なる配列ポリマーを含む。異なる配向ポリマーの積層の使用は、各々の配列ポリマー層における異なる光励起性発光材料と組み合わせて、および/または異なるプレチルト角を示す配列ポリマー層の使用と組み合わせて特に利点がある。有利には本発明の発光体は、例えば窓に適用してもよい(特にこれらの窓が光起電力装置と結合されている場合や、またはこれらが室内照明源と光学的に結合される場合)。本発光体を窓(または類似の機能を持つ構築要素)のようなものに定着させることによって、窓は有効に発光層によって放出される電磁放射を集光する導波路となる。以下で説明するように、これらの応用において発光体は少なくとも可視光スペクトルの一部(例えば少なくとも100nmのバンド幅に渡って)、特に光合成に必要とされる可視光スペクトルに対して透過性であることが非常に好ましい。
本発明の特に有利な実施形態は、発光層または発光コアと光学的に結合された導波路を含む光学ラミネートまたは光学ファイバーの形状の発光体に関し、導波路の屈折率nはn≧n−0.005である(nは発光層または発光コアの常光屈折率である)。さらにより好ましい実施形態によれば、n≧nであり、好ましくはn>nである。これは有利に導波路における光の閉じ込めを促進させ、例えば発光層に戻る光の漏れを減少させる。
本発明による光学ラミネートを適切に用いて入射の光学放射を集光してもよい。ラミネートに入射する放射は吸収され、発光層によって再放出される。この再放出された放射は導波路に結合され、導波路に沿った内部反射によって出口表面に導かれる。再放出された放射は出口表面を出てもよく、出口表面を光源として機能させることができる。代替的に、出口表面にて再放出された放射は光放射を異なるエネルギーの形態に変換するであろう装置(例えば光起電力装置)に結合されてもよい。
本発明による光学ファイバーは光放射によって側面から励起されてもよく、その後放出された放射はファイバーの端に輸送されるだろう。有利には、本発明の光学ファイバーは、光放射を集光するため、および/または光学情報を伝えるために用いられてもよい。
本発明による光学ラミネートおよび光学ファイバーは入射の放射に応答して放射を再放出するであろうから、これらのラミネートおよびファイバーを適切に使用して光学情報(特に光学的バイナリ−情報)を運んでもよい。しかしながら、放出される放射のレベルは入射の放射の強度と相関があるので、本光学ラミネートおよびファイバーを使用してアナログの情報を運んでもよい。
さらに他の好ましい実施形態によれば、導波路の屈折率は発光層/コアの常光屈折率と異常光屈折率との間にある。典型的に導波路の屈折率は少なくとも1.4である。好ましくは、導波路の屈折率は1.4〜1.8の範囲内で、より好ましくは1.4〜1.7の範囲内である。特に発光フィルムの屈折率と比較して、高い屈折率を持つ導波路の応用は発光フィルム内で放出された放射の光路を減少させることを保証する。放出される放射が効率良く導波路に結合するためである。放出される光が効率良く導波路に結合することを保証するために、発光層(コア)の表面および導波路の表面が隣接して接合されることはさらに利点がある。配列ポリマー層および導波路は、接着剤が放出される放射に対して殆ど透過性であるならば接着剤によって適切に接合されてもよい。
典型的に光学ラミネートおよびファイバー内の発光配列ポリマー層は0.1〜500μm、好ましくは5〜50μmの厚さを持つ。典型的に導波路は0.05〜50mm、好ましくは0.1〜10mmの厚さを持つ。導波路が本発明の光学ファイバーのコアとなっている場合、前述した範囲は導波路の直径に相当する。
本発明の光学ラミネートおよびコアは、柔軟性、弾性のある材料から適切に製造されるだろう。こうして得られる柔軟性ラミネートおよびファイバーは例えばロールとして製造されてもよく、または曲面に適用されてもよい。本発明は比較的リジットなファイバーおよびラミネート(例えば、それらがガラスの層またはコアを使用しているため)も包含する。
本光学ラミネートおよびファイバーをこの技術においてよく知られた多くの異なる方法で製造することができる。ラミネートは最初に1つの層(フィルム)、例えば導波路を与え、次に例えばin situでの重合または硬化によって他の層をin situで作ることによって作られてもよい。代替的に、個々の層は個別に予め製造し、続いて任意に接着剤を用いておよび/または他の結合技術を使って単一のラミネートに組み合わせてもよい。当然、これらの技術の組み合わせを用いることも可能である。ファイバーの場合に層化工程が光学ファイバーのコアの供給で始まることを除いて、同様のアプローチを本発明の光学ファイバーの製造に使用することができる。
透過性導波路に適切な材料は、導波路を通じて運ばれる放出される放射に対して殆ど透過性である。適切な材料は透過性ポリマー、ガラス、透過性セラミックおよびそれらの組み合わせを含む。好ましくは、透過性導波路は熱硬化性または熱可塑性の透過性ポリマーから作られる。これらのポリマーは(半)結晶性または非晶質でもよい。適切なポリマーはポリメチルメタクリレート類、ポリスチレン、ポリカーボネート、環状オレフィンコポリマー類、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、架橋アクリレート類、エポキシ類、ウレタン類、シリコーンゴム類ならびににこれらのポリマーの組み合わせおよびコポリマー類を含む。
本発明の光学ラミネートは適切に平らな平面板の形状をとることができる。しかしながら、光学ラミネートの機能性は本質的にラミネートの形状に依存するわけではないので、非平面形状も本発明に包含される。
本発明の光学ラミネートおよびファイバーが入射の光放射を集光できる効率は、とりわけ放出された放射のトラップ効率に依存している。このパラメータは光励起性発光材料によって放出された電磁放射を反射する1つ以上の追加の層を適用することによって好適に影響され得る。特に有利な実施形態において、このような反射性層は光励起性発光材料によって吸収される光放射に対して殆ど透過性であって、これは、これらの1つ以上の層が波長選択性ミラーとして機能することを意味する。先述した波長選択性ミラーは、発光層と入射の光放射を受けることを意味する表面との間のどこにでも、独立の層として好適に配置することができる。特に、或る入射の光放射が光学ラミネートまたは光学ファイバーによって伝えられることが所望される場合には波長選択性ミラーを発光層の反対の面に有利に適用してもよい。波長選択性ミラーは、光励起性発光材料を励起することができる放射に対して殆ど透過性があることが必要とされ、同時に追加の層は前記光励起性発光材料によって放出される放射を効果的に反射するのがよい。
波長選択性ミラーによる全ての利点を享受するために、前記ミラーは前記発光層の1つの面の少なくとも80%を被覆するか、または発光コアの外表面の少なくとも80%を被覆すべきである。さらに、比較的薄い波長選択性ミラーを用いることが好ましい。典型的に、波長選択性ミラーの厚さは100μmを超過せず、好ましくは20μmを超過しない。通常、先述のミラーの厚さは5μmを超過するだろう。本発明の波長選択性ミラーは、波長選択性ミラーとしてともに機能する2つ以上の層(例えばポリマー積層またはコレステリック層の組み合わせ)を適切に含んでいてもよいことは注目される。
好ましい実施形態において、この目的はさらに光励起性発光材料によって吸収される光に対して少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも90%の透過性があり、光励起性発光材料によって放出される放射に対して少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも90%の反射性がある波長選択性ミラーを含むここで先に定義したような発光体を提供することによって実現される。波長選択性ミラーは有利にはポリマー性波長選択性ミラーおよび/または偏波選択性ミラーを含んでもよい。
本発光体が光励起性発光材料によって放出される放射を集光する効率は、波長選択性ミラーが前記放射を反射する効率に決定的に依存している。典型的に波長選択性ミラーは、500〜2000nmの範囲内、好ましくは600〜2000nmの範囲内、最も好ましくは630〜1500nmの範囲内の波長の光放射に対して少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%の最大反射率を示す。
同様に、特に波長選択性ミラーが独立の層として発光層/コアと入射の光放射を受けることを意図する表面との間のどこかに配置された場合、光励起性発光材料を励起することができる高エネルギーの放射が前記ミラーによって高効率で伝わることが重要である。したがって、波長選択性ミラーは350〜600nmの範囲内、好ましくは250〜700nmの範囲内、さらにより好ましくは100〜800nmの範囲内の波長の光放射に対して少なくとも60%、好ましくは70%の最大透過率を示す。
光励起性発光材料によって放出される放射の波長が同じ材料によって吸収される放射の波長を必然的に超過するので、或る波長で生じる反射率の極大値が透過率の極大を好ましくは少なくとも30nm、より好ましくは少なくとも50nm、さらにより好ましくは少なくとも100nmを超過することが好ましい。
有利な実施形態において、波長選択性ミラーは光励起性発光材料によって吸収される光に対して少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも90%の透過性があり、適当な偏波を持つ円および直線偏光に対して少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%の反射性がある偏波選択性ミラーを含む。このような有利な実施形態はポリマー性積層および/またはコレステリック層を用いることによって実現されてもよい。
本発光体は、有利にはキラルネマチックポリマーのコレステリック層を含む波長選択性ミラーを含んでいてもよい。さらにより好ましい実施形態において、ポリマー性波長選択性ミラーは右回り円偏光を反射する第1のコレステリック層と、左回り円偏光を反射する第2のコレステリック層とを含む。後者の実施形態において、発光配列ポリマー層はコレステリック層と導波路との間に適切に挟み込まれるか、または代替的に導波路がコレステリック層と発光配列ポリマー層との間に挟み込まれる。好ましくは、発光配列ポリマー層は隣接したコレステリック層と導波路との間に挟み込まれる。コレステリック層は狭いバンドの円偏光放射を効率的に反射することができる。コレステリック層のらせん配向に依存して、この層は右または左回り円偏光放射のいずれかを反射するであろう。反対のらせん配向を持つ2つのコレステリック層を用いることによって、右と左回り両方の偏光は効率的に反射されるだろう。
本発光体は、有利には1つ以上のキラルネマチックポリマーのコレステリック層を含む波長選択性ミラーを含んでもよい。好ましくは、ポリマー性波長選択性ミラーは、右回り円偏光を反射するコレステリック層、および左回り円偏光を反射するコレステリック層からなる群より選択される1つ以上の層を含む。発光配列ポリマー層はコレステリック層と導波路との間に挟み込まれるか、または導波路がコレステリック層と配列発光ポリマー層との間に挟み込まれてもよい。好ましくは、発光配列ポリマーは隣接したコレステリック層と導波路との間に挟み込まれる。
特定の変形例において、ポリマー性波長選択性ミラーは右回り円偏光を反射する1つ以上のコレステリック層、または左回り円偏光を反射する1つ以上のコレステリック層を含むか、または右回り円偏光を反射する1つ以上のコレステリック層と左回り円偏光を反射する1つ以上のコレステリック層の両方を含む。「単純な」右または左回りの2つの層機構は、例えば75nmのバンド幅の光を反射するだけかもしれない。バンドを拡げることは可能だが、現在の技術水準においてこれは単純なことではないことがわかっている。本発明によれば、有利には連続する右回りコレステリック体を互いの上部に重ね、その後左回り体を互いの上部に重ねるか、または反対に重ねるか、または右と左回りの層の任意の組み合わせによって反射される波長のバンドを拡げることはより容易であろう。全ての試料に対して1つの掌性コレステリック体のみ、すなわち、例えば2−5の左回り層または2−5の右回り層を使うことも考えられる。本発明は2層システムに限定されない。
ネマチック材料と混合されたキラル物質はらせん捻れを誘起し、材料をコレステリック材料と類似のキラルネマチック材料に変換する。キラルネマチック材料のコレステリックピッチは比較するケースよりむしろ大きな範囲に渡って比較的容易に変動し得る。第一近似においてキラル物質によって誘起されるピッチは、用いたキラル材料の濃度と反比例する。この関係の比例定数はキラル物質のらせん捻り力(HTP)と呼ばれ、以下の式
HTP=1/(cP)
によって定義される。ここでcはキラル物質の濃度であって、Pは誘起されたらせんピッチである。
らせん構造を誘起することができる光学活性な化合物は一般に「キラルドーパント」と呼ばれる。多くのキラルドーパントが合成されており、その典型的な例は以下の構造式によって代表される化合物を含む。
2,2−ジメチル−4,5−ジフェニル−1,3−ジオキソラン
Figure 2008536953
ZLI811,安息香酸,4−ヘキシル−,4−[[(1−メチルヘプチニル)オキシ]カルボニル]フェニルエステル(9CI)
Figure 2008536953
コレステリック層またはコレステリック層の組み合わせは、発光配列ポリマー層またはコアによって放出される光放射を有利に反射し、100〜600nm、好ましくは250〜700nm、最も好ましくは350〜800nmの範囲における波長の光放射に対して殆ど透過性である。
他の実施形態において、本発光体は光励起性発光材料によって放出される放射に対して強く反射性であるポリマー性積層の形態にある波長選択性ミラーを追加で含む。より詳細には、ポリマー性偏波選択性ミラーは或る平面偏光を反射する第1のポリマー性積層と、反対の平面偏光を反射する第2のポリマー性積層とを含み、発光配列ポリマー層はポリマー性積層と導波路との間に挟み込まれるか、または導波路がポリマー性積層と発光配列ポリマー層との間に挟み込まれる。
ポリマー性積層は多層反射器とも呼ばれ、反射と透過との間の電磁スペクトルの部分を仕切るために使用される。ポリマー性積層は典型的に光学積層内で少なくとも2つの異なる材料のいくつかの層を用いる。異なる材料は、積層の少なくとも1つの面内軸に沿って、層の界面において実質的に光を反射するのも十分異なる複数の屈折率を持つ。ポリマー性積層を垂直および/または斜めの入射角で入射する光放射を反射するように構成することができる。
好ましくは、本発光体に用いられるポリマー性積層は600nmを上回る光放射、より好ましくは700nmを上回る、最も好ましくは800nmを上回る光放射を反射するように設計されている。好ましい実施形態において、発光配列ポリマー層はポリマー性積層と導波路との間に挟みこまれている。本発明に従って波長選択性ミラーとして用いられるポリマー性積層は、US 6,157,490およびWeber,M.F.et.al.Science 287,2451に記載された方法論を用いて適切に作製することができ、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の発光体から放射が漏れるのを防ぐために、広い範囲の光放射に対して反射性があるミラーを用いること有利であり、前記ミラーは発光体の底面に位置し、これは発光配列ポリマー層を通過した入射放射および同じ層によってミラーの方向に放出された光放射が前記ミラーによって反射されるであろうことを意味する。より詳細には、この実施形態はここで以前に定義されたような発光体を提供し、底面は、450〜1200nmの波長に対して少なくとも80%の反射性があって、好ましくは450〜1200nmの波長に対して少なくとも90%の反射性があるミラーで被覆されている。
本発光体からの放射損失は、放射を例えば光起電力装置に伝えることを想定していない発光体の面にミラーを適用することによってさらに最小化することができるだろう。したがって、好ましい実施形態において発光体の少なくとも1つの面は、450〜1200nmの波長に対して少なくとも80%の反射性があって、好ましくは450〜1200nmの波長に対して少なくとも90%の反射性があるミラーで被覆される。より好ましくは少なくとも2つの面、最も好ましくは少なくとも3つの面をこのようなミラーで被覆する。
いくつかの応用のために、本発光体が特定の波長範囲内の光放射に対して殆ど透過性である場合は有利だろう。特に好ましい実施形態によれば、発光体は主に400〜500nm、および/または600〜700nmの範囲の光に対して透過性がある。したがって、本発光体を適切に例えば窓または温室窓ガラスの上または代わりに適用し、光合成に使われる可視光が発光体を通過する一方で、同じ発光体によって他の波長の発光を集光し、効率的に輸送するようにしてもよい。非常に好ましい実施形態によれば、発光体は400〜500nmおよび600〜700nmの両方の範囲の光に対して主に透過性がある。したがって、本発明は以前に定義されたような400〜500nmおよび/または600〜700nmの範囲の光に対して透過性がある発光体で被覆された少なくとも1つ以上の窓ガラスを、光放射を電気エネルギーに変換することができる1つ以上の光起電力電池と組み合わせて含み、前記1つ以上の光起電力電池は発光体と光学的に結合されている温室も含む。
さらに本発明はここで以前定義したような発光体を含む電磁放射集光媒体と、光放射を電気エネルギーに変換することができる光起電力電池(発光体に含まれる導波路と光学的に結合されている)とを含む光起電力装置に関し、前記光起電力電池は好ましくは導波路の端、または導波路層の上面もしくは底面上で導波路の端付近に配置されている。
本発明の他の実施形態は先に定義されたような発光体を含む蛍光活性化ディスプレイに関する。
本発明のさらに他の実施形態は先に定義されたような発光体を含む室内照明システムに関し、システムは、入射する太陽光が前記発光体によって室内照明に変換されるように配置されている。
本発明の他の態様は、ここで先に定義したような入射の光放射を集光する発光体の使用に関する。本発光体の使用は例えば自己支持性の発光フィルム、ならびに例えば配向された光励起性発光材料を含んだ配列ポリマー層を含む光学ラミネートおよび光学ファイバーを包含する。
実施形態において、温室での実施のために不透明な背面ガラスのない(すなわち、例えばここで記述したように背面ミラーのない)LSCシステムが提供される。さらなる変形例において、好ましくは植物に(成長のために)使われないスペクトルの波長領域を集光し、光起電力装置を介して電気に変換する。さらに他の変形例において、より長い波長の光(すなわち、変換された光)を集光し、これを用いて植物が成長に使う波長を光配管を介して再照明する。例えば、LSCシステムを適用して、一般に植物が使用しない緑色の光を集光し、その光を赤色光(またはアップコンバーター材料が使用された場合は青色光)に変換してもよい。発生した赤色光は温室内の植物によって使われるだろう。
またさらなる実施形態において、本発明によるファイバーとしてのLSCは布、または他の材料(布、寝袋、テントなど)の中、または上に織り込むことができ、ファイバーの束は発電のための光起電力電池または太陽電池を照らす(例えば、図14を参照)。本発明は布、寝袋、テントなどのような製品(例えば0.005mm〜10cm程度、好ましくは0.5mm〜1.0cm程度のファイバーを持つ)も対象とする。本発明による光導波路のラミネートまたはシートの形状の発光体を使用して、テントサイジングのように発光体を構築することができ、太陽電池による発電に使用することもできる。本発明はこのような物も対象としている。
さらに、例えば小スケールの消費財(例えばラップトップカバー、ペン、時計、電卓カバー、宝石、帽子、キャップなど)は、太陽電池による発電のために設計された材料のシートまたはファイバーを含有することができる。
光出力を直接、発電よりむしろ視覚効果(すなわち、太陽電池無しの上述したような応用または発光体)に使用することも可能である。
本発明のさらなる応用は例えば電気を発生し、もしくはこれらの信号の視覚的安全効果を誘起または増強する道路信号または標識、電気または可視光効果を発生するアウトドア用具、電気または視覚的照明効果を発生する透明、半透明または不透明の遮音壁などであろう。
特定の実施形態において、宇宙での応用が含まれる。宇宙船の推進力のための「ソーラーセイル」は、船を推進させるだけでなく同時にLSCが集光した放射(および任意に太陽からの直接照射)によって照射されたPV電池による発電のために、本発明によるLSCを具備していてもよい。
本発明による太陽電池およびLSCのいくつかの特定の実施形態は図13a−13eに描かれている。これらの図は上記した図4と類似している。無論、例えば図2、3、5および6(および15a−c)に描いたように他の構成も可能である。これらの概略図はありうる構成の図示を示したにすぎない。
a.横向きに置かれた太陽電池13であって、導波路2からの光が太陽電池または光起電力電池13に集光される。
b.「底部」に置かれ、例えば任意のミラー層9を切り取る太陽電池13であって、導波路2からの光が太陽電池または光起電力電池13に集光される。
c.「上部」に置かれ、例えば任意のコレステリック層7および8を切り取る太陽電池13であって、導波路2からの光が太陽電池または光起電力電池13に集光される。
d.「上部」に置かれ、例えば任意のコレステリック層7および8ならびに発光層1を切り取るた太陽電池13であって、導波路2からの光が太陽電池または光起電力電池13に集光される
e.「底部」に置かれ、例えば任意のミラー層9および導波路2を切り取る太陽電池13であって、導波路2からの光が太陽電池または光起電力電池13に集光される。
図13a−13eは上記したような(例えばPI層)任意の配列層20も示す。このような配列層は当業者に既知である。
他の実施形態を図14に概略的に示す。ここで発光層1および導波路2を含むいくつか(特に2つ以上)の太陽集光器を使用して太陽光を太陽電池13に供給する。例えば、LSCは図2−8に示したようなものでもよい。導波路2からの光は導波路(ファイバー)26を介して太陽電池13に輸送されてもよい。選択的に、導波路2で集光された光をコリメーター25によって平行にして導波路26に入れてもよい。
当業者に明らかなように、図13a−13eの概略的な実施形態はたしかに実施形態も含む。いくつかの太陽電池13が発光層1と導波路2との組み合わせに組み込まれる。例えば、発光層1および導波路2(および先述したような任意の他の層)が平らまたは実質的に平らなラミネートの場合、導波路2ラミネートの1つ以上の端の少なくとも一部はいくつかの太陽電池またはPV電池13と光学的に結合されてもよい。したがって実施形態において、本発明による発光体、光放射を電気エネルギーに変換することができ、発光体と光学的に結合された1つの(または当業者に明らかな、1つより多くの)光起電力電池とを含む窓が提供される。
さらに、本発明による発光層1および導波路2を含む1つのLSCは1つより多くのファイバー26と結合されてもよく、したがって光を1つより多くのPV電池13に提供してもよい。
さらに他の実施形態において、発光層1および導波路2を含むLSCは接着剤バッキングを持つかまたは持たない、本質的に透明スライドのようなプラスチックフィルムの薄いシートである。フィルムは配列染料分子、好ましくは選択的な反射性層(例えばこれはコレステリック層9aおよび/または9bでもよい)を含んでいてもよい。次にこのフィルムはエンドユーザーによって任意の窓に取り付けられてもよい。光起電力装置が窓枠の内部に予め設置されているだろう。したがって、窓は導波路2になるはずであり、光を枠内の太陽電池13に輸送する。フィルムは使い捨て可能である。すなわち、所望される場合はこれを窓から引き剥がして自然太陽光を室内に戻すことができるようにしてもよい。
実施形態において、用語「光学的に結合された」は、表面は隣接していないが、間に距離がありうる発光体の光学的な結合も含む。例えば、光起電力電池13は好ましくは導波路2と隣接しているが、実施形態においては間にいくらかの空間があってもよい。たとえばこのような空間は空気で充填されるか、または真空、またはポリマーさえ含んでもよい。例えばポリマーを、PV電池を導波路に取り付けるために使用してもよく、実施形態のように、光屈折率の熱硬化性プラスチックを適用して、導波路から光を抽出し、この光をPVに導入するのを補助してもよい。例えば、底部の金属ミラーと染料層または導波路との間に低屈折率のポリマーを配置するとシステムの出力を増大させると思われる。
本発明は、発光体が配列されたポリマー層(配列された光励起性発光材料を含む)に接して、さらに非配向の光励起性発光材料を含んだ1つ以上の層を含む実施形態を対象にする。
実施形態において、発光体はさらに少なくとも1つの波長選択性かつ偏波選択性の反射性コレステリック層(層7または8として示す)を含む。発光体は2つ以上の(積層の)波長選択性かつ偏波選択性の反射性コレステリック層を含んでいてもよい。例えば、発光体は右または左回りコレステリック層を含んでもよいが、2つの右回りコレステリック層、すなわち右回り、右回りと左回り、または右回り、左回りと、右回りのコレステリック層の積層を波長選択性層として含んでいてもよい。このような実施形態を図15cに概略的に示し、波長選択性ミラーはそれぞれ右回りまたは左回りコレステリック層7および8の代わりに、例えばそれぞれ3層の積層8(全て左回りまたは全て右回りである(図6も参照))を含む。当業者に自明なように、この実施形態は例えば他の図に概略的に示したように他の実施形態にも適用することができる。例を挙げれば、図7および8のファイバーは層7および8の代わりに右回り円偏光を反射する1つ以上のコレステリック層、または左回り円偏光を反射する1つ以上のコレステリック層を含むか、または右回り円偏光を反射する1つ以上のコレステリック層と左回り円偏光を反射する1つ以上のコレステリック層の両方を含んでいてもよい。
先述したように、発光層1と導波路2の位置を交換してもよく(図7および8を参照)、これらを図15aおよび15bに概略的に示す。これらは図4および13bの変形例であるが、他の実施形態に変形例として適用してもよい。
またさらなる実施形態において、ダウンコンバージョンの光励起性発光材料(すなわち、放出する光よりも短い波長で光を吸収する材料、例えば緑−赤コンバーター)の代わりに、本発明の発光体はアップコンバージョンの材料(すなわち、放出する光よりも短い波長で光を吸収する材料)を含んでもよい。
本発明は以下の例によってさらに説明される。
例1
ホメオトロピックに配列した配列性光励起性発光ポリマー被膜の適用
ホメオトロピックな染料をドープした液晶混合物を清浄な30mm×30mm×1mmのスライドガラスに適用した。液晶混合物を1重量%のIrgacure 184(例えば、Ciba Chemicals)と1重量%のCoumarin 30(例えば、Aldrich Chemicals)とを含んだエタノール溶液と、50重量%のRMM77モノマーと50重量%のキシレンを含む溶液とを重量比1:1で混ぜ合わせることによって調製した。RMM77(Merck)はネマチックホメオトロピック反応性液晶であって、主成分は液晶RM82おおよびRM257(両方ともMerck)と、ホメオトロピックなドーパントである。混合物を80℃で2時間、全てのエタノールが蒸発するまで攪拌した。キシレンは、混合物を予め加熱された導波路(80℃)に10分間適用することによって蒸発させた。キシレンを蒸発させた後、ウェットフィルムを24μmのマイヤーロッドで作製し、およそ10μm厚のフィルムとした。サンプルをN雰囲気下で室温にて4分間、次に110℃で4分間UV硬化(λ=365nm)させた。
等方性光励起性発光ポリマー被膜の適用
等方性の試料をホメオトロピック試料とそっくりの方法で調製したが、ホメオトロピックドーパントを含まないRM82およびRM257の混合物を使用した。
測定
上記試料の光出力の測定は、Autronic DMS703(Melchers GmbH)とCCD−Spect−2(CCDカメラ)によって行った。LSC試料を特注のサンプルホルダーに設置し、平行光源に暴露した。試料の表面からの光出力は、1°ステップで0〜90°の角度分布で測定した。ピーク発光を決定し、先述のようなそのままの方法であるが、ホメオトロピックなドーパントを含んでいないRM82とRM257との混合物を使用して調製された等方性試料の表面からのピーク発光を比較した。測定装置の略図を図9に示す。
結果は、ホメオトロピックな試料は試料を通じて損失する光の量を殆ど半減させ、それによって導波路内に導かれる光の量を増加させた。図10はこの実験の結果を描写する。この図で、表面から放出される光の強度は発光角度の関数として2つの試料(等方的に配列された染料を含むもの(円)、およびホメオトロピックに配列された染料を含むもの(三角))について示されている。この実験で使用された導波路において、33°を超える全ての光は内部全反射によって捕捉され、したがって表面を通って漏れることはできないことは注目すべきである。ここで導波路は30mm×30mm×1mm(長さ×幅×高さ)の寸法を持つガラス板を含む。
例2
第1のポリイミド配列層(Optimer Al 1051,例えばJSR Micro)を2000rpm/s、2500rpm/sの加速度で45秒間、ガラススライド上にスピンキャストした以外は、例1を繰り返した。この後、基板を真空下、180℃で1.5時間加熱した。適用されるコレステリック液晶の平面配向を誘起するように配列層をベルベット布でラビングした。次にホメオトロピックな染料をドープした液晶混合物(今回は染料DCM(4−ジシアンメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(例えば、Aldrich Chemicals))を使用した)を、例1に記載したようにスライドの反対の面に適用した。
通常のスパッタコーター(Emitech K575X スパッタコーター、65mAの電流で、2.5分間)を使用して120nmの銀ミラーを染料層上にスパッタした。
コレステリック混合物は、3.9重量%の右回りキラルドーパントLC756(例えばBASF)、1重量%のIrgacure 184(例えばCiba Chemicals)、1重量%の界面活性剤およびキシレンに溶解した94重量%の反応性の液晶ホストRM257(Merck)を混合することによって調製した(55重量%の固形物、45重量%の溶媒)。続いて混合物を80℃で3時間攪拌した。
コレステリック混合物を2000rpmで45秒間、2500rpm/sの加速度でポリイミド配列層上にスピンキャストした。スピンキャスト後、基板を80℃で約1分加熱し、溶媒を蒸発させ、界面活性剤がキラルネマチック液晶の配列を向上できるようにした。その後、室温下、N雰囲気でUVランプ(ピーク波長365nm)を用いて10分間照射することによって光重合を実施した。次に第2の左回りコレステリックを同様の工程を用いて容易に表面に適用することができた。最後に、反射性銀塗料の層を導波路の3つの端に適用し、最終装置とした。
先の手順を4.2および4.5重量%の右回りキラルドーパントLC756を用いて2回繰り返した。図11は、非偏光に3つの入射角、すなわち0°、20°および40°で暴露された3.9重量%の右回りキラルドーパントを含むコレステリック層の透過スペクトルを描写する。4.2および4.5重量%のキラルドーパントを含んだコレステリック層の透過スペクトルは、4.2または4.5重量%を含んだ層の反射バンドが顕著に短い波長で生じるということを除いては、本質的に同一である。より正確には、4.2重量%試料における垂直入射の反射バンドはおよそ32nm、4.5重量%試料の反射バンドは83nmブルーシフトする。
LSC試料の光出力は、Autronic DMS703(Melchers GmbH)とCCD−Spect−2(CCDカメラ)を使用して決定された。LSC試料を特注のサンプルホルダーに設置し、約11cmの距離に位置するほぼ均一な光源に暴露した。試料の発光端の小さな面積(およそ0.8cm)からの光出力は、1°ステップで−50〜50°の角度分布で測定した。トータルの発光を、全ての測定波長(350〜800nm)および全ての角度に渡ってスペクトルを積算することによって決定した。試料端の長さに沿った測定は、位置による変動を殆ど示さないが、これらの実験において発光測定位置を固定した。多層を持つ単一の試料の測定は同日に行った。測定装置の略図を図12に示す。
Figure 2008536953
明確にわかるように、単一のコレステリック層(試料A)の適用は光出力を少なくとも11〜17%向上させ、第2の左回り層を適用することによってこの向上は20〜35%のオーダーとなるだろう。試料BおよびCについて得られた結果は減少した。なぜならば、コレステリック層の反射バンドは光励起性発光材料の吸収ピークと部分的に一致し、および/または光励起性発光材料の発光ピークとわずかに部分的に一致するためである。
ここで、配列層を使用してコレステリック層を配列した。
この実験を繰り返したが、ガラス基板の代わりにPMMA基板を使用した。ポリイミド配列層(Optimer Al 1051、例えばJSR Micro)をその上に2000rpm/s、2500rpm/sの加速度で45秒間スピンキャストした。この後、基板を空気中で100℃にて1.5時間加熱した。適用されたコレステリック液晶の平面配列を誘起するように、配列層をベルベット布でラビングした。
スライドの反対の面に、等方性の染料をドープした混合物を適用した。混合物は1重量%のIrgacure 184(例えばCiba Chemicals)と1重量%のDCM(4−ジシアンメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(例えば、Aldrich Chemicals)とを、75重量%のペンタアクリル酸ジペンタエリトリトール(Aldrich)と25重量%のエタノールを含む溶液に混合することによって調製した。4000rpmで45秒間(2500rpm/sのランプ速度)スピンコートすることによって、およそ10μ厚のフィルムを作製した。試料をN雰囲気下で10分間、室温でUV硬化(λ=365nm)させた。
通常のスパッタコーター(Emitech K575X スパッタコーター、65mAの電流で2.5分間)を使用して120nmの銀ミラーを染料層上にスパッタした。
コレステリック混合物は、4.1重量%の右回りキラルドーパントLC756(例えばBASF)、1重量%のIrgacure 184(例えばCiba Chemicals)、1重量%の界面活性剤およびキシレンに溶解した94重量%の反応性の液晶ホストRM257(Merck)を混合することによって調製した(55重量%の固形物、45重量%の溶媒)。続いて混合物を80℃で3時間攪拌した。
コレステリック混合物を2000rpmで45秒間、2500rpm/sの加速度でポリイミド配列層上にスピンキャストした。スピンキャスト後、基板を80℃で約1分加熱し、溶媒を蒸発させ、界面活性剤がキラルネマチック液晶の配列を向上できるようにした。その後、室温下、N雰囲気でUVランプ(ピーク波長365nm)を用いて10分間照射することによって光重合を実施した。次に、第2の左回りコレステリックを同様の工程を用いて容易に表面に適用することができた。最後に、反射性銀塗料の層を導波路の3つの端に適用し、最終装置とした。
LSC試料の光出力は、Autronic DMS703(Melchers GmbH)とCCD−Spect−2(CCDカメラ)を使用して決定された。LSC試料を特注のサンプルホルダーに設置し、約11cmの距離に位置するほぼ均一な光源に暴露した。試料の発光端の小さな面積(およそ0.8cm)からの光出力は、1°ステップで−70〜70°の角度分布で測定した。トータルの発光を、全ての測定波長(350〜800nm)および全ての角度に渡ってスペクトルを積算することによって決定した。この実験において発光測定位置を固定した。
単一の右回りコレステリックを持つ試料は裸の染料層の積算光出力と比べた場合、導波路表面に垂直な入力光についての積算光出力において34%の増大を示した。続いて第2の左回りコレステリックで被覆された場合、導波路に垂直に入射する入力光について、トータルの積算光出力は染料層単独よりも53%大きかった。
例3
Sinha et al in Appl.Phys.Lett.(2001),79(16),2543−2545に記載された手順を使用して30°程度のチルト角で配列された液晶性ポリマーを用いること以外は、例1が繰り返される。
再び例1で記述した方法論を使用してLSCの効率を測定した。結果は、このLSCの効率は例1に記述したLSCの効率を超えることを示す。この優れた効率は、放出される放射の導波路への向上された結合に関連すると考えられる。
例4
染料分子のチルト配列も以下の方法で達成される。溶液は2つのポリイミド類:4% Nissan G 1211ホメオトロピックポリイミドと、96% Nissan G 130平面ポリイミドから作られる。溶液を30mm×30mm×1mmガラス板上に5000rpmで60秒間にてスピンキャストし、真空オーブン内で90分間、180℃で硬化させた。ポリイミドをベルベット布でラビングした。
1%のペリレンベースの染料、1%の光開始剤Irg 184(Ciba chemicals)と、98%のRM257(Merck)とをキシレン中に55:45重量%比で溶解した混合物を、ポリイミド配列層上に2000rpmで40秒間スピンキャストし、80°でホットプレート上に設置し、溶媒を蒸発させた。この手順は、ペリレンベース染料のおよそ15°のチルト角に帰着する。
LSC試料の光出力は、Autronic DMS703(Melchers GmbH)とCCD−Spect−2(CCDカメラ)を使用して決定された。LSC試料を特注のサンプルホルダーに設置し、約11cmの距離に位置するほぼ均一な光源に暴露した。試料の発光端の小さな面積(およそ0.8cm)からの光出力は、1°ステップで−70〜70°の角度分布で測定した。トータルの発光を、全ての測定波長(350〜800nm)および全ての角度に渡ってスペクトルを積算することによって決定した。この実験において、発光測定位置を固定した。この試料のトータルの積算光出力は、同様の(ポリイミド配列層を含まない)方法で調製されたランダム配向試料の出力よりも〜10%高い。
先述した実施形態は本発明を限定するよりむしろ実例で説明し、当業者は添付の請求項の範囲から離れること無く多くの代替的な実施形態を設計できるであろう。請求項において、かっこの間に置かれたあらゆる参照符号は請求項を限定するものと解釈されるべきではない。動詞「含む」およびその活用形の使用は、請求項において述べたもの以外の要素または工程の存在を除外しない。要素に先行する冠詞「a」または「an」は、複数のこのような要素の存在を除外しない。本発明はいくつかの別個の要素を含むハードウエア、適切にプログラムされたコンピューターによって実施される。いくつかの手段を列挙する装置請求項において、これらの手段のいくつかを1つおよび同じアイテムのハードウエアによって実施してもよい。相互に異なる独立請求項において、或る手段が列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせは有利使うことができないことを示唆しない。
図1は、発光層1および導波路2を含む光学ラミネートを描写する。 図2は、複数の光励起性発光染料分子3が比較的小さなプレチルト角αで配列されている以外は図1に描写したものと同一の光学ラミネートの断面を描写する。 図3は、複数の光励起性発光染料分子3が比較的大きなプレチルト角αで配列されている以外は図1に描写したものと同一の光学ラミネートの断面を描写する。 図4は、発光層1および導波路2を含む光学ラミネートの断面を描写する。 図5は、反射ミラー層9が2つのコレステリック層9aおよび9bで置き換えられている以外は図4に示したものと同一の光学ラミネートの断面を示す。 図6は、発光層1および導波路2を含む光学ラミネートの断面を描写する。 図7は、発光層1および導波路コア2を含む光学ファイバーの断面を描写する。 図8は、発光コア1および導波路2を含む光学ファイバーの断面を描写する。 図9はここで用いた測定装置を概略的に描写する。 図10は例1の結果を表す。 図11は例2の結果を表す。 図12はここで用いた測定装置を概略的に描写する。 図13aは、LSCおよび光起電力電池13を含む本発明による装置の実施形態を概略的に描写する。 図13bは、LSCおよび光起電力電池13を含む本発明による装置の実施形態を概略的に描写する。 図13cは、LSCおよび光起電力電池13を含む本発明による装置の実施形態を概略的に描写する。 図13dは、LSCおよび光起電力電池13を含む本発明による装置の実施形態を概略的に描写する。 図13eは、LSCおよび光起電力電池13を含む本発明による装置の実施形態を概略的に描写する。 図14は、いくつかの(すなわち2つ以上)LSCおよび光起電力電池13を含む本発明による装置の実施形態を概略的に描写する。 図15aは、図4および13の変形例を概略的に描写する。 図15bは、図4および13bの変形例を概略的に描写する。 図15cは図4の他の変形例を概略的に描写する。

Claims (24)

  1. 発光層(1)と導波路(2)とを含む発光体であって、ここで発光体は光学ラミネートまたは光学ファイバーであり、発光体は導波路と光学的に結合されており、配向された光励起性発光材料(3)を含んだ配列ポリマーを含み、前記配向された光励起性発光材料(3)は配列ポリマー内で固定されており、前記配列ポリマーは発光体の表面に関して10〜90°のプレチルト角を持つ発光体。
  2. 請求項1による発光体であって、配向された光励起性発光材料が平面セル内で少なくとも2.0、好ましくは少なくとも3.0、最も好ましくは少なくとも5.0の二色比を持つ発光体。
  3. 請求項1または2による発光体であって、配列ポリマーが30〜80°のプレチルト角を持つ発光体。
  4. 先行する請求項のいずれか1項による発光体であって、配列ポリマーが30〜70°、好ましくは40〜70°、より好ましくは40〜60°のプレチルト角を持つ発光体。
  5. 先行する請求項のいずれか1項による発光体であって、配向された光励起性発光材料が100〜2500nmの範囲、好ましくは250〜1500nmの範囲、より好ましくは400〜1000nmの範囲の光放射を放出する発光体。
  6. 先行する請求項のいずれか1項による発光体であって、前記発光体が配列性光励起性発光材料を含んだ配列ポリマーの2つ以上の積層を含む発光体。
  7. 請求項6による発光体であって、各々の配列ポリマーが異なった光励起性発光材料を含む発光体。
  8. 請求項6または7による発光体であって、それぞれの配列ポリマー層における配列ポリマーのプレチルト角が層ごとに異なる発光体。
  9. 先行する請求項のいずれか1項による発光体であって、前記発光体が配向された光励起性発光材料を含んだ配列ポリマー層と光学的に結合された導波路を含み、導波路の屈折率nがn≧n−0.005である(nは配列ポリマーの常光屈折率である)発光体。
  10. 請求項9による発光体であって、導波路の屈折率が配列ポリマー層の常光屈折率と異常光屈折率との間にある発光体。
  11. 先行する請求項のいずれか1項による発光体であって、追加で無機または有機(ポリマー性)波長選択性ミラーを含み、前記ミラーは光励起性発光材料によって吸収される光に対して少なくとも50%の透過性があり、光励起性発光材料によって放出される非偏光に対して少なくとも50%の反射性がある発光体。
  12. 波長選択性ミラーを含んだ先行する請求項のいずれか1項による発光体であって、波長選択性ミラーがキラルネマチックポリマーのコレステリック層を含む発光体。
  13. 請求項12による発光体であって、ポリマー性波長選択性ミラーが右回り円偏光を反射する1つ以上のコレステリック層、または左回り円偏光を反射する1つ以上のコレステリック層を含むか、または右回り円偏光を反射する1つ以上のコレステリック層と左回り円偏光を反射する1つ以上のコレステリック層の両方を含む発光体
  14. 先行する請求項のいずれか1項による発光体であって、前記発光体は400〜500nmおよび/または600〜700nmの範囲における光放射に対して主に透過性である発光体。
  15. 先行する請求項のいずれか1項による発光体であって、前記発光体は発光層(1)と、導波路コア(2)とを含む光学ファイバーである発光体。
  16. 請求項1ないし14のいずれか1項による発光体であって、前記発光体は発光コア(1)と、導波路(2)とを含む光学ファイバーである発光体。
  17. 先行する請求項のいずれか1項による発光体であって、導波路が蛍光染料を含まない発光体。
  18. 先行する請求項のいずれか1項による発光体であって、プレチルト角が15〜85°の範囲内である発光体。
  19. 先行する請求項のいずれか1項による発光体であって、プレチルト角が30〜60°の範囲内である発光体。
  20. 先行する請求項のいずれか1項による発光体を含んだ電磁放射集光媒体と、先行する請求項のいずれかによる発光体と光学的に結合され、光放射を電気エネルギーに変換することができる光起電力電池とを含む光起電力装置。
  21. 請求項1ないし19のいずれか1項による発光体を含む蛍光活性化ディスプレイ。
  22. 請求項1ないし19のいずれか1項による発光体を室内照明システム。
  23. 請求項1ないし19のいずれか1項による発光体と、発光体と光学的に結合され、光放射を電気エネルギーに変換することができる光起電力電池とを含む窓。
  24. 請求項1ないし19のいずれか1項による発光体の使用方法であって、入射の光放射を集光する発光体の使用方法。
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