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JP2008270511A - 電子装置 - Google Patents

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JP2008270511A
JP2008270511A JP2007111249A JP2007111249A JP2008270511A JP 2008270511 A JP2008270511 A JP 2008270511A JP 2007111249 A JP2007111249 A JP 2007111249A JP 2007111249 A JP2007111249 A JP 2007111249A JP 2008270511 A JP2008270511 A JP 2008270511A
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Ryoichi Okuda
良一 奥田
Takeshi Ishikawa
岳史 石川
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Denso Corp
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Abstract

【課題】ICチップを基板の一面上にフリップチップ実装し、ICチップと基板との間にアンダーフィル材を充填してなる電子装置において、ICチップからアンダーフィル材を介した基板の他面側への放熱性を向上させる。
【解決手段】バンプ30よりも内周側において基板20の一面に、基板20の一面からICチップ10の一面へ向かって突出する突出部61を設けることにより、ICチップ10の一面と基板20の一面との間隔を、突出部61が位置する部位では、突出部61以外の部位よりも狭くなるようにし、基板20のうち突出部61に対応した位置に、基板20およびアンダーフィル材40よりも熱伝導性に優れた放熱部材60を、基板20の一面から他面へ貫通して設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、ICチップを基板上にフリップチップ実装し、ICチップと基板との間にアンダーフィル材を充填してなる電子装置に関する。
従来よりこの種の電子装置としては、ICチップの一面の周辺部にバンプを配置し、ICチップの一面を基板の一面に対向させ、バンプを介してICチップと基板とを接続してなる電子装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
このものにおいては、基板には一面から他面へ貫通する放熱用のビアが形成されており、ICチップからの熱は、大気への放熱に加えて、バンプから上記放熱用のビアを通じて基板の他面側へ放熱するようにしている。
特開2004−55670号公報
しかしながら、上記した従来のものでは、基板の他面側への放熱経路としてICチップのバンプを経由しているが、放熱経路としてのバンプの面積は、チップの面積に比べて小さい。また、通常、バンプはICチップの周辺部に配置されているため、チップ中央付近での発熱に対して効率が悪い。
また、上記従来のものでは、放熱用のビアをチップ直下に設けているが、ICチップと基板との間隙には空気層があり、ICチップから基板への主たる放熱はバンプ経由である。ここで、従来一般に行われているように、ICチップと基板との間隙にアンダーフィル材を充填した場合でも、アンダーフィル材を構成する樹脂の熱伝導率が小さいため、アンダーフィル材を介しての放熱は少ない。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ICチップを基板の一面上にフリップチップ実装し、ICチップと基板との間にアンダーフィル材を充填してなる電子装置において、ICチップからアンダーフィル材を介した基板の他面側への放熱性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、バンプ(30)よりも内周側においてICチップ(10)の一面および基板(20)の一面の少なくとも一方に、当該少なくとも一方側から相手側へ向かって突出する突出部(61、80)を設けることにより、ICチップ(10)の一面と基板(20)の一面との間隔を、突出部(61、80)が位置する部位では、突出部(61、80)以外の部位よりも狭くなるようにし、基板(20)のうち突出部(61、80)に対応した位置に、基板(20)およびアンダーフィル材(40)よりも熱伝導性に優れた放熱部材(60、90)を、基板(20)の一面から他面へ貫通して設けたことを特徴とする。
それによれば、突出部(61、80)が位置する部位では、それ以外の部位に比べて、アンダーフィル材(40)が薄くなることで、当該薄い部位にてアンダーフィル材(40)の熱伝導性が大きくなる。そして、ICチップ(10)からの熱は、この薄い部位から放熱部材(60、90)を介して基板(20)の他面側に放熱されるため、ICチップ(10)からアンダーフィル材(40)を介した基板(20)の他面側への放熱性を向上させることができる。
ここで、突出部(61)を基板(20)の一面に設けた場合においては、放熱部材(60)の一部を基板(20)の一面側にて当該一面より突出させ、この放熱部材(60)における突出した部位を、突出部(61)として構成したものにできる(後述の図1〜図7参照)。
さらに、この場合、ICチップ(10)の一面と突出部(61)との間に、これら両者を熱的に接続するとともにアンダーフィル材(40)よりも熱伝導性に優れた熱接続部材(70)を、介在させてもよい(後述の図3、図4等参照)。それによれば、この熱接続部材(70)を介した放熱により放熱性の向上が見込まれる。
また、この場合、基板(20)の一面から他面へ貫通するとともに当該一面から他面へ広がるテーパ状の貫通孔(22)を設け、放熱部材(60)を、貫通孔(22)に倣ったテーパ形状の部位を有するとともに、当該テーパ形状の部位にて貫通孔(22)に嵌合されたものとしてもよい(後述の図7参照)。それによれば、基板(20)に対して、放熱部材(60)を嵌合により容易に取り付けることが可能となる。
また、突出部としては、アンダーフィル材(40)よりも熱伝導性の高い樹脂よりなるものであって、ICチップ(10)の一面および基板(20)の一の少なくとも一方に設けられた樹脂部材(80)であるものにできる(後述の図8、図9、図10参照)。
また、この場合においても、ICチップ(10)の一面および基板(20)の一面のうち樹脂部材(80)が設けられていない方の面と樹脂部材(80)との間に、これら両者を熱的に接続するとともにアンダーフィル材(40)よりも熱伝導性に優れた熱接続部材(70)を介在させれば、この熱接続部材(70)を介した放熱により放熱性の向上が見込まれる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るフリップチップ実装構造体としての電子装置100の概略断面構成を示す図であり、図2は、図1中の上方から同電子装置100を見たときの概略平面構成を示す図である。なお、図2では、アンダーフィル材40を省略するとともに、ICチップ10の外形を破線で示して、ICチップ10よりも下方に位置する構成要素を透過して示してある。
この電子装置100は、大きくは、ICチップ10と基板20とがバンプ30を介して電気的に接合され、ICチップ10と基板20との隙間に樹脂よりなる樹脂部材としてのアンダーフィル材40が充填されてなる。
ICチップ10は、フリップチップ実装を行えるものであるならば特に限定するものではないが、具体的には、一般的なシリコン半導体チップにトランジスタ素子などを形成してなるICチップなどである。
このICチップ10の一面(図1中の下面)には、複数個のバンプ30が接続されている。このバンプ30は、フリップチップに適用される一般的なものであり、たとえばAuやCuなどよりなる。ここで、複数個のバンプ30は、ICチップ10の一面の周辺部に環状に配置されている。
また、バンプ30の形成についても、一般的な方法により行える。たとえば、バンプ30は、ウエハプロセスにて形成されたワイヤボンド用パッドへのボンダーによるスタッドバンプ、あるいは、めっきによって形成されたAuやCuなどの金属めっき、あるいは、はんだバンプなどである。
基板20は、同じくフリップチップ実装が可能なものであるならば、各種の電子回路基板を適用できる。ここでは、基板20は、ガラエポ等の樹脂にCu箔で配線21をパターニングしたプリント配線基板である。なお、それ以外にも、基板20としては、たとえば、アルミナ配線基板などのセラミック基板が挙げられる。
この基板20の配線21は、基板20の一面(図1中の上面)および他面(図1中の下面)、さらに基板20の内部に設けられている。この配線21は、この種の基板において一般的に用いられるCuや厚膜導体など、各種の配線材料よりなる。
そして、ICチップ10の上記一面と基板20の上記一面とが対向して、これらICチップ10および基板20が配置されており、バンプ30を介して、両者10、20が電気的・機械的に接合されている。ここで、バンプ30は図示しないICチップ10の電極と基板20の一面における配線21とを接続している。
そして、アンダーフィル材40は、この種の電子装置に用いられるアンダーフィル材料よりなり、たとえばエポキシ樹脂などよりなる。ここでは、アンダーフィル材40には、通常のものと同じくシリカなどの無機材料よりなるフィラーが含まれていてもよいが、全く含まれなくてもよい。
このアンダーフィル材40は、ICチップ10と基板20との間にあってバンプ30の接合部を保護する目的で設けられるものであり、ICチップ10を基板20へ実装した後に両者の間に充填したり、あるいは、当該実装前に塗布あるいはシート状態で挿入するなどにより配置される。
ここで、ICチップ10の基板20への具体的な実装方法について、さらに述べておく。まず、アンダーフィル材40を実装後に充填する場合には、バンプ30と配線21とを導電性接着剤やはんだ、あるいは熱圧着などにより接続し、その後、アンダーフィル材40の充填を行う。
また、ICチップ10の実装前にアンダーフィル材40を配置する場合には、アンダーフィル材40を突き破ってバンプ30と配線21とを熱圧着させる方法(NCF(Non−Conductive Film)法、NCP(Non−Conductive Paste)法、)や、アンダーフィル材40内に導電粒子を分散させ、この導電粒子を介してのバンプ30と配線21とを熱圧着させる方法(ACF(Anisotropic Conductive Film)法、ACP(Anisotropic Conductive Paste)法)などが挙げられる。
このように、本実施形態の電子装置100は、ICチップ10の一面の周辺部にバンプ30を配置し、ICチップ10の一面を基板20の一面に対向させ、バンプ30を介してICチップ10と基板20とを接続し、ICチップ10の一面と基板20一面との間にアンダーフィル材40を充填してなる。
さらに、図1、図2に示されるように、基板20のうちバンプ30よりも内周の部位には、熱伝導性を有する放熱部材60が基板20の一面から他面へ貫通して設けられている。ここでは、基板20の一面から他面へ貫通する貫通孔22が設けられており、放熱部材60は、この貫通孔22に嵌合されて取り付けられている。
具体的に、放熱部材60は、貫通孔22に隙間無く挿入され、いわゆる圧入により固定されている。なお、放熱部材60と貫通孔22との固定は、このような圧入でもよいが、放熱部材60と貫通孔22との間に隙間が無いものであればよく、両者は接着などにより固定されていてもよい。
この放熱部材60は、基板20およびアンダーフィル材40よりも熱伝導性に優れた材料、たとえば熱伝導の良いCu等の金属により構成された板材である。ここでは、放熱部材60は、図2に示されるように、円板状の板材であるが、平面角形の板材であってもよい。
そして、本実施形態の放熱部材60は、その厚さを基板20の厚さよりも厚いものとなっており、それにより、図1に示されるように、放熱部材60は基板20の一面より突出している。本実施形態では、この放熱部材60における基板20の一面より突出した部位が、突出部61として構成されている。
つまり、本実施形態では、バンプ30よりも内周側において基板20の一面には、基板20の一面から相手側のICチップ10の一面へ向かって突出する突出部61が設けられた構成となっている。
そして、これにより、ICチップ10の一面と基板20の一面との間隔は、突出部61が位置する部位では、突出部61以外の部位すなわちバンプ30の周辺部よりも狭くなっている。つまり、突出部61が位置する部位では、その外側の部位であるバンプ30の周辺部よりも、アンダーフィル材40が薄くなっている。
また、この突出部61は、上述したように、放熱部材60と一体に構成されたものであるが、逆に言えば、基板20のうち突出部61に対応した位置に、基板20の一面から他面へ貫通するように、放熱部材60が設けられている。
このように、本実施形態の電子装置100のうちICチップ10と基板20との間の部位においては、突出部61が位置する部位では、それ以外の部位に比べて、アンダーフィル材40が薄くなることにより、当該薄い部位にてアンダーフィル材40の熱伝導性が大きくなる。
つまり、バンプ30の部分では、ICチップ10からの熱は当該バンプ30を介して基板20へ放熱されるが、バンプ30以外の部分では、アンダーフィル材40を薄くして放熱性を向上させている。そして、ICチップ10からの熱は、このアンダーフィル材40の薄い部位から放熱部材60を介して基板20の他面側に放熱される。
なお、図示しないが、基板20の他面側には、従来のものにおいて設けられるような冷却部材を接触させることにより、放熱効率を高めるようにしてもよい。このように、本実施形態によれば、ICチップ10からアンダーフィル材40を介した基板20の他面側への放熱性を向上させることができる。そして、バンプ30の無いICチップ10の中央部においても、良好な放熱が可能となり、より厳しい環境での使用が可能となる。
ここで、本実施形態の電子装置100の製造方法について、述べておく。まず、上記した方法にて、ICチップ10の一面にバンプ30を形成するとともに、基板20に対して放熱部材60を嵌合して取り付ける。
次に、ICチップ10の一面と基板20の一面とを対向させ、ICチップ10を基板20の一面上に搭載し、上記した熱圧着やはんだなどによってバンプ30を介した接合を行う。その後は、ICチップ10と基板20との隙間へアンダーフィル材40を注入して硬化させれば、本実施形態の電子装置100ができあがる。なお、上述したが、アンダーフィル材40の配置は、ICチップ10の実装前でもよい。
(第2実施形態)
図3において、(a)は、本発明の第2実施形態に係るフリップチップ実装構造体としての電子装置101の概略断面構成を示す図であり、(b)は(a)中の上方から見たときの電子装置101における突出部61の概略平面図である。
本実施形態の電子装置101は、上記第1実施形態の電子装置において、さらに、ICチップ10の一面と放熱部材60の突出部61との間に、熱接続部材70を介在させたものである。そして、この熱接続部材70が、ICチップ10と放熱部材60の突出部61と接触することにより、熱接続部材70を介して、これら両者10、61は熱的に接続されている。
この熱接続部材70は、アンダーフィル材40よりも熱伝導性に優れたものであれば、特に限定するものではないが、たとえば、Auワイヤ等の低ヤング率の金属部材により構成される。ここでは、図3に示されるように、熱接続部材70は、複数本のAuワイヤよりなる。
本実施形態の電子装置101は、上記第1実施形態に述べた製造方法において、放熱部材60における突出部61の表面上に熱接続部材70を配置した状態で、ICチップ10の基板20への搭載、バンプ接合を行い、その後、アンダーフィル材40の充填を行うことにより、製造することが可能である。
本実施形態によれば、上記した第1実施形態における放熱性向上の効果に加えて、この熱接続部材70を介した放熱により、さらなる放熱性の向上が期待できる。また、熱接続部材70として、Auワイヤ等の低ヤング率の金属を用いれば、ICチップ10の熱圧着時に変形可能であり、熱的な接続性の確保のために好ましい。
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態に係るフリップチップ実装構造体としての電子装置102の概略断面構成を示す図である。本実施形態の電子装置102は、上記第2実施形態の電子装置を一部変形したものである。
具体的には、上記第2実施形態の電子装置において、さらに、熱接続部材70の位置決めを行う位置決め部62を、放熱部材60における突出部61の表面に設けたものである。ここでは、位置決め部62は、突出部61の表面に形成された溝であり、この溝に熱接続部材70がはまり込むことにより、位置決めがなされている。
なお、この熱接続部材70の位置決め部62は、上記図4に示した溝に限定されるものではない。図5は、本第3実施形態の他の例としての電子装置の要部を示す部分断面図であるが、この図5に示されるような複数の突起により構成された位置決め部62であってもよい。
この場合も、熱接続部材70は、複数の突起としての位置決め部62の間に、はまりこんでおり、それにより、上記図4の場合と同様に、熱接続部材70が突出部61の表面上にて位置ずれすることが回避される。そのため、熱接続部材70の位置決めを容易にするという本実施形態の効果を奏することができる。
(第4実施形態)
図6は、本発明の第4実施形態に係るフリップチップ実装構造体としての電子装置103の概略断面構成を示す図である。この図6に示される電子装置103は、上記図1に示される電子装置(上記第1実施形態参照)を一部変形したものであり、当該図1のものとの相違点を中心に述べる。
図6に示されるように、本実施形態の電子装置103においては、放熱部材60が基板20の他面からも突出している。この場合、上記第1実施形態と同様の効果を奏することに加えて、基板20の他面側に、上記した図示しない冷却部材を設ける場合、当該冷却部材との接触が良好となり、放熱性の向上が期待できる。
なお、本実施形態においても、上記第2実施形態に示したような熱接続部材70を、ICチップ10の一面と放熱部材60により構成された突出部61との間に介在させてもよいし、さらに、突出部61の表面に熱接続部材の位置決め部を設けてもよい。つまり、本実施形態は、上記した各実施形態との組合せが可能である。
(第5実施形態)
図7は、本発明の第5実施形態に係るフリップチップ実装構造体としての電子装置104の概略断面構成を示す図である。この図7に示される電子装置104は、上記図6に示される電子装置(上記第4実施形態参照)を一部変形したものである。
図7に示されるように、本実施形態の電子装置104においても、基板20の一面から他面へ貫通する貫通孔22に対して、放熱部材60が嵌合して取り付けられている。ここで、本実施形態においては、さらに、図7に示されるように、貫通孔22は、基板20の一面から他面へ広がるテーパ状をなすものとしている。
そして、本実施形態の放熱部材60は、この貫通孔22に倣った断面テーパ形状をなすものとしており、このテーパ形状の部位にて貫通孔22に嵌合されている。逆に言えば、放熱部材60における貫通孔22へ入り込む部位が貫通孔22に倣ったテーパ形状をなしている。
本実施形態によれば、基板20の他面から当該基板20の貫通孔22に対して、放熱部材60を挿入しやすくなり、突出部61を基板20の一面側へ突出させることが容易になる。つまり、放熱部材60を嵌合により容易に取り付けることが可能となる。なお、本実施形態は、放熱部材上記した各実施形態との組合せが可能である。
(第6実施形態)
図8は、本発明の第6実施形態に係るフリップチップ実装構造体としての電子装置105の概略断面構成を示す図である。ここでは、上記第1実施形態との相違点を中心に述べることにする。
上記第1実施形態においては、突出部61は、ICチップ10の一面側に設けられ放熱部材60により構成されていた。それに対して、本実施形態の電子装置105では、突出部80を、アンダーフィル材40よりも熱伝導性の高い樹脂より構成している。
本実施形態では、放熱部材60は、基板20の一面から突出しておらず、その代わりに、放熱部材60を覆うように、基板20の一面上に樹脂よりなる樹脂部材80が設けられている。この樹脂部材80が突出部として構成され、樹脂部材80は、基板20の一面より突出している。
この樹脂部材80は、アンダーフィル材40よりも熱伝導性の高い樹脂であれば特に限定されるものではないが、たとえば、Agペーストなど、AgやCuなどの導電性のフィラーを含有したエポキシなどの樹脂よりなる。このような樹脂部材80は、ICチップ10を搭載する前に、予め、基板20における放熱部材60の表面に、塗布し硬化させる方法などにより配置すればよい。
それにより、この膜状の樹脂部材80が、その厚さの分、基板20の一面より突出し、これにより、ICチップ10の一面と基板20の一面との間隔は、突出部としての樹脂部材80が位置する部位では、バンプ30の周辺部よりも狭くなる。なお、この樹脂部材80の平面形状は、上記放熱部材60の突出部61の平面形状(上記図2参照)と同様のものにできる。
つまり、本実施形態においても、突出部80が位置する部位では、その外側の部位であるバンプ30の周辺部よりも、アンダーフィル材40が薄くなっている。また、本実施形態においても、基板20のうち突出部としての樹脂部材80に対応した位置に、放熱部材60が設けられている。
そのため、本実施形態の電子装置105においても、突出部80が位置する部位では、アンダーフィル材40が薄くなることで、熱伝導性が大きくなり、ICチップ10からの熱は、このアンダーフィル材40の薄い部位から、熱伝導性の良好な樹脂部材80および放熱部材60を介して基板20の他面側に放熱される。
よって、本実施形態によっても、ICチップ10からアンダーフィル材40を介した基板20の他面側への放熱性を向上させることができる。なお、本実施形態において、突出部である樹脂部材80とICチップ10の一面との間に、上記図3等に示したような熱接続部材70を介在させてもよい。
また、本実施形態においても、上記図6に示したように、放熱部材60が基板20の他面から突出していてもよいし、上記図7に示したように、放熱部材60がテーパ形状のものであってもよい。
(第7実施形態)
図9は、本発明の第7実施形態に係るフリップチップ実装構造体としての電子装置106の概略断面構成を示す図である。本実施形態は、上記第6実施形態と同様に、樹脂部材80により突出部80を構成するものであるが、本実施形態では、ICチップ10の一面側に樹脂部材80を設けたところが相違する。
本実施形態によれば、ICチップ10側への樹脂部材80の配設は、上記した基板20側への配設方法と同様に行える。そして、本実施形態では、膜状の樹脂部材80が、その厚さの分、ICチップ10の一面より突出し、突出部としての樹脂部材80が位置する部位では、バンプ30の周辺部よりも、アンダーフィル材40が薄くなっている。
そのため、本実施形態の電子装置106においても、樹脂部材80が位置する部位では、薄くなったアンダーフィル材40の熱伝導性が大きくなる。そして、ICチップ10からの熱は、熱伝導性の良好な樹脂部材80を伝わり、このアンダーフィル材40の薄い部位から放熱部材60を介して基板20の他面側に放熱される。このように、本実施形態によっても、ICチップ10からアンダーフィル材40を介した基板20の他面側への放熱性が向上する。
なお、本実施形態においても、突出部である樹脂部材80と基板20の一面との間に、上記図3等に示したような熱接続部材70を介在させてもよい。また、本実施形態においては、突出部としての樹脂部材80は、ICチップ10の一面に設けるものであり、放熱部材60の構成については、上記した各実施形態に示した放熱部材60の形態を採用することができる。
たとえば、本実施形態では、ICチップ10の一面より突出する突出部として樹脂部材80を設けたが、この構成に対して、さらに、上記図1に示されるように、放熱部材60を基板20の一面から突出させ、これを突出部61としてもよい。このように、本実施形態は、上記各実施形態との組合せが可能である。
なお、本実施形態と上記第1実施形態とを組み合わせた場合、ICチップ10の一面に樹脂部材80が設けられ、基板20の一面に放熱部材60の突出部61が設けられるというように、ICチップ10の一面および基板20の一面の両方に突出部61、80が設けられた構成となるが、この場合も、アンダーフィル材40を突出部により薄くして放熱性を向上させるという効果は、上記同様に発揮される。
また、上記第6実施形態および第7実施形態では、ICチップ10および基板20のいずれか一方に樹脂部材80が設けられたが、この突出部としての樹脂部材80は、ICチップ10の一面および基板20の一面の両方に設けられていてもよい。このことは、具体的には、上記図9に示される構成において、ICチップ10の一面にも樹脂部材80を設けた構成に相当する。
(第8実施形態)
図10は、本発明の第8実施形態に係るフリップチップ実装構造体としての電子装置107の概略断面構成を示す図である。
本実施形態は、上記第6実施形態と同様に、基板20の一面に設けた樹脂部材80により突出部80を構成するものであるが、図10に示されるように、放熱部材を放熱用のビア90により構成したところが、上記第6実施形態と相違する。
この放熱部材としての放熱用のビア90は、一般的なものと同様の構成を有しており、たとえば、基板20の一面から他面に貫通する貫通孔を設け、その貫通孔の側面にCuなどの金属メッキを施してなるものである。
この場合、放熱用のビア90を形成した基板20に、樹脂部材80を塗布してビア90の孔を塞いでから、ICチップ10のフリップチップ実装およびアンダーフィル材40の配置を行うことで、製造される。そして、ICチップ10、アンダーフィル材40、樹脂部材80、ビア90、基板20の他面という放熱経路で放熱がなされる。
本実施形態の場合、基板20のうち突出部としての樹脂部材80に対応した位置に、基板20の一面から他面へ貫通する放熱部材としてのビア90が設けられており、このビア90は、上記したような貫通孔の側面に施された金属メッキを有することにより、基板20およびアンダーフィル材40よりも熱伝導性に優れたものとなっている。
そして、本実施形態の電子装置107によっても、ICチップ10からアンダーフィル材40を介した基板20の他面側への放熱性を向上させることができる。
(他の実施形態)
なお、図示しないが、基板20の一面上に実装されるICチップ10は複数でもよい。また、基板20の一面上にはICチップ10以外の回路構成素子が搭載されていてもよい。さらには、基板20は図示しない筐体内に組み付けられていてもよい。この場合、当該筐体に対して、基板20の他面側からさらに放熱を行うようにしてもよい。
また、上記各実施形態において、ICチップ10の一面とは反対側の他面すなわち基板20への実装面とは反対の他面から、上記したような筐体あるいは冷却部材等へとつながる放熱経路があってもよい。
いずれにせよ、ICチップの一面の周辺部にバンプを配置し、ICチップの一面を基板の一面に対向させ、バンプを介してICチップと基板とを接続し、ICチップの一面と基板一面との間にアンダーフィル材を充填してなる電子装置において、上記突出部を設けることで、突出部におけるアンダーフィル材を薄くするものであればよい。
そして、上記各実施形態の電子装置によれば、基板の他面への放熱効率を良くすることで、より高発熱のICチップを実装可能としたり、あるいは、より高温環境での使用が可能となる。
本発明の第1実施形態に係る電子装置の概略断面図である。 図1中の電子装置の概略平面図である。 (a)は、本発明の第2実施形態に係る電子装置の概略断面図、(b)は(a)中の上面図である。 本発明の第3実施形態に係る電子装置の概略断面図である。 上記第3実施形態の他の例としての電子装置の要部を示す部分断面図である。 本発明の第4実施形態に係る電子装置の概略断面図である。 本発明の第5実施形態に係る電子装置の概略断面図である。 本発明の第6実施形態に係る電子装置の概略断面図である。 本発明の第7実施形態に係る電子装置の概略断面図である。 本発明の第9実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
符号の説明
10…ICチップ、20…基板、22…貫通孔、30…バンプ、
40…アンダーフィル材、60…放熱部材、61…突出部、70…熱接続部材、
80…突出部としての樹脂部材、100〜107…電子装置。

Claims (6)

  1. ICチップ(10)の一面の周辺部にバンプ(30)を配置し、
    前記ICチップ(10)の一面を基板(20)の一面に対向させ、前記バンプ(30)を介して前記ICチップ(10)と前記基板(20)とを接続し、
    前記ICチップ(10)の一面と前記基板(20)一面との間にアンダーフィル材(40)を充填してなる電子装置において、
    前記バンプ(30)よりも内周側において前記ICチップ(10)の一面および前記基板(20)の一面の少なくとも一方には、当該少なくとも一方側から相手側へ向かって突出する突出部(61、80)が設けられることにより、
    前記ICチップ(10)の一面と前記基板(20)の一面との間隔は、前記突出部(61、80)が位置する部位では、前記突出部(61、80)以外の部位よりも狭くなっており、
    前記基板(20)のうち前記突出部(61、80)に対応した位置には、前記基板(20)および前記アンダーフィル材(40)よりも熱伝導性に優れた放熱部材(60、90)が、前記基板(20)の一面から他面へ貫通して設けられていることを特徴とする電子装置。
  2. 前記突出部(61)は前記基板(20)の一面に設けられており、
    前記放熱部材(60)の一部は前記基板(20)の一面側にて当該一面より突出しており、この放熱部材(60)における突出した部位が、前記突出部(61)として構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記ICチップ(10)の一面と前記突出部(61)との間には、これら両者を熱的に接続するとともに前記アンダーフィル材(40)よりも熱伝導性に優れた熱接続部材(70)が、介在していることを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
  4. 前記基板(20)の一面から他面へ貫通するとともに当該一面から他面へ広がるテーパ状の貫通孔(22)が設けられ、
    前記放熱部材(60)は、前記貫通孔(22)に倣ったテーパ形状の部位を有し、当該テーパ形状の部位にて前記貫通孔(22)に嵌合されたものであることを特徴とする請求項2または3に記載の電子装置。
  5. 前記突出部は、前記アンダーフィル材(40)よりも熱伝導性の高い樹脂よりなるものであって、前記ICチップ(10)の一面および前記基板(20)の一の少なくとも一方に設けられた樹脂部材(80)であることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
  6. 前記ICチップ(10)の一面および前記基板(20)の一面のうち前記樹脂部材(80)が設けられていない方の面と前記樹脂部材(80)との間には、これら両者を熱的に接続するとともに前記アンダーフィル材(40)よりも熱伝導性に優れた熱接続部材(70)が介在していることを特徴とする請求項5に記載の電子装置。
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