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JP2008260023A - 金属複合材料の製造方法及び金属複合材料からなる部材 - Google Patents

金属複合材料の製造方法及び金属複合材料からなる部材 Download PDF

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JP2008260023A JP2007102583A JP2007102583A JP2008260023A JP 2008260023 A JP2008260023 A JP 2008260023A JP 2007102583 A JP2007102583 A JP 2007102583A JP 2007102583 A JP2007102583 A JP 2007102583A JP 2008260023 A JP2008260023 A JP 2008260023A
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耕平 久保田
Yoichi Nosaka
洋一 野坂
Takayuki Hori
隆之 堀
Norito Tairi
範人 太利
Kazuyuki Noumoto
和幸 能本
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Abstract

【課題】マグネシウム、アルミニウム、亜鉛又はそれらの合金のヤング率、剛性、強度、熱伝導性、耐クリープ性を向上させた金属複合材料であって鍛造加工し得る金属複合材料の製造方法、及び金属複合材料からなる部材を提供すること。
【解決手段】マトリックス金属としてマグネシウム、アルミニウム、亜鉛又はそれらの合金を用いること、多孔質プリフォームは連続気孔を持ち、空隙率が80%以上であり、空隙サイズの平均直径が0.1mm以上であること、及び473K以上に予熱された多孔質プリフォームを金型内に収容し、マトリックス金属の溶湯をダイカスト鋳造法、低圧鋳造法又は重力金型鋳造法により多孔質プリフォームの空隙中に充填すること、からなる金属製多孔質プリフォームとその空隙中に充填されたマトリックス金属とからなる金属複合材料の製造方法、及び金属複合材料からなる部材。
【選択図】 なし

Description

本発明は金属複合材料の製造方法及び金属複合材料からなる部材に関し、具体的には軽量化を必要とする自動車、携帯電話、ノート型パソコンなどの民生電機・情報機器、電動工具、汎用エンジンなどの産業機械等の部材の製造に用いることができるマグネシウム、アルミニウム又はそれらの合金からなる金属複合材料の製造方法、亜鉛又はその合金からなる金属複合材料の製造方法、並びに金属複合材料からなる部材に関する。
アルミニウムやアルミニウム合金は軽量化を必要とする自動車等に多く用いられようになってきているが、その物性についてはヤング率が鉄等と比べて低く、また引張強さ等の強度特性も低いレベルにある。このことによりアルミニウムやアルミニウム合金の用途が限定され、あるいは設計上肉厚をアップしたり、リブを設けるなど軽量化効果を減じる対応が必要である。このことに対する対策として、軽量で剛性の高いセラミックスとの複合化が行われ実用化されている(例えば、特許文献1、2参照)が、セラミックは脆性であり、高コストであるので用途が限定されている。
マグネシウムやマグネシウム合金はアルミニウムやアルミニウム合金よりさらに軽量な金属であるが、その物性についてはヤング率がアルミニウムやアルミニウム合金よりさらに小さく、引張強さもアルミニウムやアルミニウム合金よりさらに小さく、こうした剛性不足、強度不足が用途の拡大を阻害している。また、同じ軽量金属であるアルミニウムに比べて熱伝導性や耐クリープ特性が劣ることも用途の拡大を阻害している。
亜鉛や亜鉛合金のヤング率はアルミニウムやアルミニウム合金のヤング率よりも大きいが、鉄の半分以下であり、用途によってはヤング率が不十分である。
上記のようなヤング率不足、強度不足の解決策として、水素化可能金属からなる多孔質プリフォームの空隙中にアルミニウム又はアルミニウム合金からなるマトリックス金属を含浸させて複合化した金属基複合材料(例えば、特許文献3参照)や、金属・合金からなる多孔質プリフォームの外表面ならびに空隙中表面が貴金属類元素からなる複合化促進材層によって覆われ、その多孔質プリフォームの空隙中にアルミニウム又はアルミニウム合金からなるマトリックス金属を含浸させた金属基複合材料(例えば、特許文献4参照)等が提案されている。
特開2003−253308号公報 特開2003−286525号公報 特開2001−181814号公報 特開2002−285205号公報
本発明は、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛又はそれらの合金のヤング率、剛性、強度を向上させた金属複合材料、あるいは熱伝導性や耐クリープ性などの用途による要求特性を向上させた金属複合材料であって鍛造加工し得る金属複合材料の製造方法、及び金属複合材料からなる部材を提供することを目的としている。
本発明者らは上の目的を達成するための方策を種々検討した結果、次の知見を得るに到った。アルミニウム及びアルミニウム合金のヤング率は70GPa程度であり、マグネシウム及びマグネシウム合金のヤング率は45GPa程度であり、亜鉛及び亜鉛合金のヤング率は97GPa程度である。これに対して、例えば、鉄及びステンレススチール等の鉄系合金のヤング率は210GPa以上であるので、鉄又は鉄系合金を容積率で数%複合化するだけでも相当量のヤング率の向上が得られる。さらに鉄又は鉄系合金に多孔質プリフォーム形状を与え、微細な空隙を与えることにより、剛性アップ、強度アップ、場合によっては耐クリープ性アップの効果は大きくなる。また、熱伝導性や耐クリープ性が用途によっては不十分であるマグネシウム及びマグネシウム合金を熱伝導性や耐クリープ性に優れたアルミニウム及びアルミニウム合金製多孔質プリフォームと複合化させることにより改善される。更に、金属製多孔質プリフォームの空隙中にマトリックス金属をダイカスト鋳造法、低圧鋳造法又は重力金型鋳造法によって充填した金属複合材料は鍛造加工することができる。
即ち、本発明の金属複合材料の製造方法は、金属製多孔質プリフォームとその空隙中に充填されたマトリックス金属とからなる金属複合材料の製造方法において、
マトリックス金属としてマグネシウム、アルミニウム、亜鉛又はそれらの合金を用いること、
多孔質プリフォームは連続気孔を持ち、空隙率が80%以上であり、空隙サイズの平均直径が0.1mm以上であること、及び
473K以上に予熱された多孔質プリフォームを金型内に収容し、マトリックス金属の溶湯をダイカスト鋳造法、低圧鋳造法又は重力金型鋳造法により多孔質プリフォームの空隙中に充填すること、
を特徴とする。
本発明の金属複合材料の製造方法により得られる金属複合材料は、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛又はそれらの合金のヤング率、剛性、強度を向上させた金属複合材料、あるいは熱伝導性や耐クリープ性などの用途による要求特性を向上させた金属複合材料であって鍛造加工し得るものであり、軽量化を必要とする自動車、携帯電話、ノート型パソコンなどの民生電機・情報機器、電動工具、汎用エンジンなどの産業機械等の部材の製造に用いることができる。
本発明は、マグネシウム、アルミニウム又はそれらの合金の軽量性を損なうこと無しでマグネシウム、アルミニウム、亜鉛又はそれらの合金のヤング率、剛性、強度、熱伝導性、耐クリープ性を向上させた金属複合材料であって鍛造加工し得る金属複合材料を製造することを目的としているので、マトリックス金属としてマグネシウム、アルミニウム、亜鉛又はそれらの合金、特にマグネシウム、アルミニウム又はそれらの合金を用い、多孔質プリフォームを構成する金属として、要求特性においてマトリックス金属よりも優れた特性を持つ金属を用いる。例えば、多孔質プリフォームを構成する金属としてマトリックス金属のヤング率よりも大きいヤング率を持つ金属、好ましくはマトリックス金属のヤング率の2倍以上のヤング率を持つ金属を用いるか、多孔質プリフォームを構成する金属としてマトリックス金属の熱伝導性、耐クリープ性よりも優れた熱伝導性、耐クリープ性を持つ金属を用いる。
そのような金属として鉄、チタン、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、ニッケル、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、シリコン及びそれらの合金(例えばステンレススチール)の内で、金属複合材料の要求特性により、マトリックス金属のヤング率、熱伝導係数よりも大きい数値を持つ金属、又はマトリックス金属より使用温度条件での耐クリープ性が優れた金属を用いることができる。ヤング率及び鍛造加工性を重要視する場合には、多孔質プリフォームを構成する金属として鉄、銅、コバルト、クロム、ニッケル、タングステン、モリブデン又はそれらの合金を用いることが好ましい。
本発明の金属複合材料の製造方法においては、連続気孔を持ち、空隙率が80%以上であり、空隙サイズの平均直径が0.1mm以上である金属製多孔質プリフォームを準備する。空隙を有する多孔質プリフォームの製造方法としては、金属溶湯に発泡剤を用いて製造する方法、減圧プラズマ溶射法、粉末冶金焼結法(プレス成形法、射出成形法)等を適用することができる。
本発明の金属複合材料の製造方法においては、多孔質プリフォームの空隙中にマトリックス金属の溶湯を充填させることが必要である。その点では、いわゆる発泡金属と言われている材料の空隙サイズよりも大きな0.1mm以上の空隙サイズの連結した空隙(連続気孔)が必要になる。しかし、空隙サイズが大き過ぎると多孔質プリフォームの強度が低下し、マトリックス金属の溶湯をダイカスト鋳造によってその空隙中に充填する際に多孔質プリフォームが破損する危険性がある。それで、多孔質プリフォームの空隙サイズの平均直径が0.1〜5mm程度であることが好ましい。
本発明の製造方法によって得られる金属複合材料は、マグネシウム、アルミニウム又はそれらの合金の軽量性を損なうこと無しでヤング率、剛性、強度、熱伝導性、耐クリープ性を向上させたものであることが必要であり、それで、金属複合材料中に占める多孔質プリフォームを構成する金属の容積率を20%以下、好ましくは10%以下にする。言い換えれば、多孔質プリフォームの空隙率を80%以上、好ましくは90%以上にする。
本発明の金属複合材料の製造方法においては、多孔質プリフォームの空隙中にマトリックス金属の溶湯を充填する必要がある。本発明の製造方法においては、鍛造加工し得る金属複合材料を製造するために、473K以上に予熱された多孔質プリフォームを金型内に収容し、マトリックス金属の溶湯をダイカスト鋳造法、低圧鋳造法又は重力金型鋳造法により多孔質プリフォームの空隙中に充填する。この鋳造において、金型内を80kPa以下に減圧して多孔質プリフォームの空隙中へのマトリックス金属の溶湯の充填を促進することが好ましい。
また、鋳造において、鋳造圧力9.8MPa以上、多孔質プリフォ ームへのマトリックス金属の溶湯速度1m/秒以上、好ましくは溶湯速度3m/秒以上の条件でダイカスト鋳造を実施して多孔質プリフォームの空隙中へのマトリックス金属の溶湯の充填を行うこと、又は9.8kPa以上の圧力条件下で低圧鋳造を実施して多孔質プリフォームの空隙中へのマトリックス金属の溶湯の充填を行うことが好ましい。
なお、多孔質プリフォームの表面に酸化処理、コーティング処理又はメッキ処理を施して多孔質プリフォームの表面にマトリックス金属の溶湯との合金化を促進する金属、酸化物を存在させることが有利である。
本発明の金属複合材料の製造方法は、上記のようにして製造した金属複合材料を更に鍛造加工することも包含する。鍛造加工することにより金属複合材料の強度を更に改善することができる。
本発明は、上記の製造方法で得られた金属複合材料からなる部材も包含する。
本発明の金属複合材料の製造方法においては、部材全体を複合化する必要はなく強度、剛性の必要な部分に限定して複合化し、強度の必要な部分にさらに鍛造などの塑性加工を付加して強度アップを図ることもできる。
以下に実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
実施例1
アルミニウム合金(ADC6=Al−3.5Mg)の溶湯を973Kに保持し、その溶湯に金属カルシウム0.2質量%を添加して粘度を上昇させ、これに水素化チタンの粉末を加えて強撹拌し、直ちに金型鋳造によってφ70×50mmの多孔質プリフォームを作製した。得られた多孔質プリフォームの気孔率は90%であり、気孔サイズは12個/□10×10mmであった。
上記のようにして作製した多孔質プリフォームを523Kに加熱し、500Kに保持した金型にセットした。マグネシウム合金(AM50=Mg−5Al−0.2Mn)の溶湯を953Kに保持し、鋳造圧力49MPa、射出速度4.5m/秒(流動解析よりプリフォームへの溶湯速度13m/s)でダイカスト鋳造を行った。射出時に、プリフォームへの溶湯流入側とは反対側よりガス抜きをして金型内を60kPaに減圧した。
作製した金属複合材料の比重は1.87であり、充填率は98.9%であり、ヤング率は46.4GPaであり、423K、荷重50MPaでのクリープ速度は4.0×10-4%/時間であった。即ち、アルミダイカスト材(ADC12=Al−11Si−2.5Cu)並みであった。ちなみにマグネシウムダイカストAM50材のクリープ速度は3.3×10-2%/時間であった。また、熱伝導率(レーザーフラッシュ法)は75.3W/m・Kであり、マグネシウムダイカストAM50材の58.5W/m・Kに対して複合化率以上に向上していた。ちなみにアルミダイカストADC12材の熱伝導率は95.9W/m・Kであった。また、この複合材料を据込み鍛造において423Kで高さ50mmから25mmまでの50%の圧縮加工が可能であった。
実施例2
気孔率が92%であり、気孔サイズが平均で500μmであるオープンセル(通気性)を有するφ70×50mmのSUS304L合金(Fe−19Cr−9Ni)製の多孔性プリフォームを購入した。このSUS製多孔質プリフォームを623Kに加熱し、金型にセットした。マグネシウム合金(AM50=Mg−5Al−0.2Mn)の溶湯を953Kに保持し、鋳造圧力49MPa、射出速度4.5m/秒(流動解析よりプリフォームへの溶湯速度13m/s)でダイカスト鋳造を行った。射出時に、プリフォームへの溶湯流入側とは反対側よりガス抜きをして金型内を60kPaに減圧した。
作製した金属複合材料の比重は2.25であり、充填率は99%であり、ヤング率は78GPaであった。

Claims (14)

  1. 金属製多孔質プリフォームとその空隙中に充填されたマトリックス金属とからなる金属複合材料の製造方法において、
    マトリックス金属としてマグネシウム、アルミニウム、亜鉛又はそれらの合金を用いること、
    多孔質プリフォームは連続気孔を持ち、空隙率が80%以上であり、空隙サイズの平均直径が0.1mm以上であること、及び
    473K以上に予熱された多孔質プリフォームを金型内に収容し、マトリックス金属の溶湯をダイカスト鋳造法、低圧鋳造法又は重力金型鋳造法により多孔質プリフォームの空隙中に充填すること、
    を特徴とする金属複合材料の製造方法。
  2. マトリックス金属としてマグネシウム、アルミニウム又はそれらの合金を用いることを特徴とする請求項1記載の金属複合材料の製造方法。
  3. 多孔質プリフォームを構成する金属としてマトリックス金属のヤング率よりも大きいヤング率を持つ金属を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の金属複合材料の製造方法。
  4. 多孔質プリフォームを構成する金属としてマトリックス金属のヤング率の2倍以上のヤング率を持つ金属を用いることを特徴とする請求項3記載の金属複合材料の製造方法。
  5. 多孔質プリフォームを構成する金属としてマトリックス金属の熱伝導性、耐クリープ性よりも優れた熱伝導性、耐クリープ性を持つ金属を用いることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の金属複合材料の製造方法。
  6. 多孔質プリフォームを構成する金属として鉄、チタン、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、ニッケル、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、シリコン及びそれらの合金の内で、金属複合材料の要求特性により、マトリックス金属のヤング率、熱伝導係数よりも大きい数値を持つ金属、又はマトリックス金属より使用温度条件での耐クリープ性が優れた金属を用いることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の金属複合材料の製造方法。
  7. 多孔質プリフォームを構成する金属として鉄、銅、コバルト、クロム、ニッケル、タングステン、モリブデン又はそれらの合金を用いることを特徴とする請求項6記載の金属複合材料の製造方法。
  8. 多孔質プリフォームとして空隙率が90%以上であり、空隙サイズの平均直径が0.1〜5mmであるものを用いることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の金属複合材料の製造方法。
  9. 多孔質プリフォームが酸化処理、コーティング処理又はメッキ処理の施されたものであることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の金属複合材料の製造方法。
  10. 鋳造において、金型内を80kPa以下に減圧して多孔質プリフォームの空隙中へのマトリックス金属の溶湯の充填を促進することを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の金属複合材料の製造方法。
  11. 鋳造において、鋳造圧力9.8MPa以上、多孔質プリフォ ームへのマトリックス金属の溶湯速度1m/秒以上の条件でダイカスト鋳造を実施して多孔質プリフォームの空隙中へのマトリックス金属の溶湯の充填を行うことを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の金属複合材料の製造方法。
  12. 鋳造において、9.8kPa以上の圧力条件下で低圧鋳造を実施して多孔質プリフォームの空隙中へのマトリックス金属の溶湯の充填を行うことを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の金属複合材料の製造方法。
  13. 請求項1〜12の何れかに記載の製造方法で得られた金属複合材料を更に鍛造加工することを特徴とする金属複合材料の製造方法。
  14. 請求項1〜13の何れかに記載の製造方法で得られた金属複合材料からなる部材。
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