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JP2008253937A - 液状樹脂の塗布方法および塗布装置 - Google Patents

液状樹脂の塗布方法および塗布装置 Download PDF

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JP2008253937A JP2007100610A JP2007100610A JP2008253937A JP 2008253937 A JP2008253937 A JP 2008253937A JP 2007100610 A JP2007100610 A JP 2007100610A JP 2007100610 A JP2007100610 A JP 2007100610A JP 2008253937 A JP2008253937 A JP 2008253937A
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Abstract

【課題】半導体ウェーハ等の円形状の基板の表面または裏面に液状樹脂を塗布するにあたって、実際に被塗布面に塗布される量を超える量の樹脂の使用量を最小限として、材料やコストの面でのロスの発生を抑える。
【解決手段】被塗布面を上に向けてウェーハ(基板)1をチャックテーブル20上に同心状に保持し、ウェーハ1の上方にスロットダイ60を対向配置して、スロットダイ60のスロット62をウェーハ1の半径に対応させる。チャックテーブル20を回転させてウェーハ1を自転させながらスロット62から樹脂を排出させ、ウェーハ1の被塗布面に樹脂を塗布する。ウェーハ1の被塗布面からスロット62が出ていないか、出ていてもごく短いので、ロスとなる樹脂の量が最小限に抑えられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スロットダイによって液状樹脂を円形状の基板の表面あるいは裏面に塗布するのに採用して好適な塗布方法および塗布装置に関する。
近年の半導体デバイス技術においては、MCP(マルチ・チップ・パッケージ)やSiP(システム・イン・パッケージ)といった複数の半導体チップを積層して接合した積層型パッケージが、高密度化や小型化を達成する上で有効に利用されている。このような技術においてチップどうしを接合するには、チップの裏面に形成した接着剤層を利用しており、接着剤層としては、DAF(Die Attach Film)と呼ばれる樹脂製の接着フィルムが一般的である。このDAFは、多数の半導体チップが形成されている半導体ウェーハの裏面に貼られ、該ウェーハに形成されている切断予定ラインに沿って半導体ウェーハを切断、分割して半導体チップに個片化する際に、同時に切断されて半導体チップの裏面に貼着された状態とされる。
半導体ウェーハを個片化するには、ダイヤモンドブレード等を用いた機械的な切断方法の他に、プラズマエッチング法も採用されている(特許文献1等参照)。この方法は、半導体ウェーハの表面または裏面にレジスト膜を形成し、このレジスト膜の切断予定ラインの部分のみを除去してウェーハを露出させ、その露出部分をプラズマ化させたガスでエッチングして除去するものである。レジスト膜はノボラック樹脂等が用いられ、ウェーハにレジスト膜を形成するには、回転させたウェーハの中心に滴下した樹脂を遠心力により全面に行き渡らせて塗布するスピンコート法や、フィルム状のものを貼着するなどの方法が採られている。
このように、半導体チップの製造過程では半導体ウェーハに樹脂膜を形成する場合があり、樹脂膜は、樹脂フィルムを貼着したり、液状の樹脂を塗布したりして半導体ウェーハの表面や裏面に形成されている。樹脂の塗布方法としては、上記スピンコート法の他に、スロットダイを用い、このスロットダイのスロットから樹脂を排出しながら塗布する方法もある(特許文献2等参照)。
特開2006−128544号公報 特開平9−285759号公報
上記樹脂フィルムは、通常、長尺な帯状に成形されたものがロール状に巻かれて蓄積されている。このような樹脂フィルムは、ロールから必要長さ引き出して粘着面を半導体ウェーハに貼り付けてから切り出されるか、あるいは予めウェーハと同サイズに切り溝を入れたものが貼り付けられる。したがって、矩形状となった樹脂フィルムの半導体ウェーハの外形からはみ出た部分が残る。すなわち、半導体ウェーハの周囲に余分な部分が生じ、このため材料やコストの面でロスを招いている。
一方、液状樹脂をスピンコート法で塗布する場合は、実際に塗布面に固着して膜となる量を超える量の樹脂を滴下させる必要があり、飛散する樹脂がやはりロスとなっている。この点、スロットダイによって塗布する方法は、樹脂が飛散しないためロスが生じにくいと考えられる。しかしながら、円形状の半導体ウェーハに対して直線的に移動させて塗布することにより、移動の過程において、樹脂が塗布される面(被塗布面)から外れたスロットから排出される樹脂は塗布されず、ロスとなってしまう。
よって本発明は、半導体ウェーハ等の円形状の基板の表面または裏面に液状樹脂を塗布するにあたって、実際に被塗布面に塗布される量を超える量の樹脂の使用量を最小限とすることができ、結果として材料やコストの面でのロスの発生を抑えることができる液状樹脂の塗布方法および塗布装置を提供することを目的としている。
本発明の液状樹脂の塗布方法は、円形状を呈する基板の一の面に、スロットダイのスロットから排出する液状の樹脂を塗布する方法であって、基板を、一の面が露出する状態に保持手段に保持する基板保持工程と、スロットダイとして、スロットが、基板の半径と同等か、もしくは基板の半径を超える長さを有するものを用い、そのスロットが、保持手段に保持された基板と平行で、かつ少なくとも該基板の半径に対応する位置に、該スロットダイを該基板に対向配置するスロットダイ配置工程と、保持手段に保持された基板の中心軸線を回転軸として、該保持手段とスロットダイとを相対回転させながら、該スロットダイのスロットから液状樹脂を排出させて、該樹脂を基板の一の面に塗布する液状樹脂塗布工程とを備えることを特徴としている。
本発明の方法では、スロットダイのスロットが保持手段に保持された基板の半径に対応して、かつ平行に配置される。ここで、スロットが基板の半径に対応して配置されるということは、スロットの長さが基板の半径と同等の場合、スロットは、基板の中心軸線から基板の外周縁まで延びた形態を言う。すなわち、スロットの一端は基板の中心軸線に一致し、他端は基板の外周縁に一致している。また、スロットが基板の半径よりもやや長い場合には、3つの形態がある。1つはスロットの一端が基板の中心軸線に一致し、かつ他端側が基板の外周縁よりも外側に出ている形態であり、2つ目は、この逆にスロットの一端側が基板の中心軸線を通過し、かつ他端が基板の外周縁に一致している形態である。さらに3つ目は、スロットの両端側いずれもが、基板の中心軸線と外周縁とを通過している形態である。
このようにスロットが基板の半径に対応して配置された状態から、保持手段とスロットダイを相対回転させると、スロットは基板の一の面(被塗布面)を時計の針のように相対的に旋回する。この旋回中にスロットから液状樹脂を排出させてスロットが基板に対し相対的に1回転以上旋回することにより、液状樹脂が基板の一の面(被塗布面)全面に塗布される。
また、スロットダイのスロットの長さが基板の直径と同等か、直径を超える長さを有する場合も本発明の形態として含まれる。このような形態でスロットが基板の半径に対応して配置されるということは、スロットの長さが基板の直径と同等の場合、スロットは、基板の中心軸線を通り、かつ両端が基板の外周縁まで延びた状態に配された形態を言う。また、スロットの長さが基板の直径を超える長さの場合には、スロットが基板の中心軸線を通り、かつスロットの両端がともに基板の外周縁よりも外側に出ているか、もしくは一端だけが外周縁に一致している形態となる。このようにスロットダイのスロットが基板の直径と同等か、もしくは直径を超える長さを有している形態においては、スロットダイを基板に対して180°すなわち半周回転させれば、被塗布面の全面に樹脂を塗布することができる。
スロットの長さが基板の半径と同等か、あるいは直径と同等で半径に対応して配置されている形態では、スロットから排出される樹脂は、基板の外周縁からはみ出ることがないか、あるいは余剰分がはみ出るとしてもその量はごく少なく抑えられて、被塗布面全面に排出される。つまり、樹脂は被塗布面以外には排出されにくく、この場合には樹脂の使用量にほとんどロスが生じない。また、スロットの長さが基板の半径よりも長い形態か、あるいは直径よりも長い形態であっても、基板の外周縁から外側に出ていない形態では、スロットから排出される樹脂は、やはり被塗布面以外には排出されにくく、ほとんどロスが生じない。なお、基板への必要な樹脂の塗布量は、スロットからの排出量やスロットの相対回転数によって任意に調整可能である。
また、スロットが基板の外周縁よりも外側に出る形態では、その出ている余剰長さ分だけ樹脂が余分に排出されてロスとなる。しかしながら、そのスロットの余剰長さをできるだけ小さくなるように調整することにより、樹脂の使用量を最小限に抑えることができる。
ところで、スロットダイのスロットからの樹脂の排出量は、概ね、スロットの長手方向で違いがなく均一である。ところが、基板に対して相対回転するスロットの周速は、基板の中心側が遅く、外周側が速いことから、場合によっては中心側から外周側に向かうにしたがって塗布量が少なくなり、樹脂の膜厚がこれに応じて径方向に傾斜する塗布ムラが生じる。すなわち、基板の中心側から外周側に向かって下り勾配になる。このような現象は、樹脂膜の厚さを均一にする場合に解決すべき課題である。そこで、液状樹脂塗布工程の最中、または該塗布工程の後であって樹脂が硬化する前の段階で、保持手段を介して該保持手段に保持した基板に超音波振動を付与することにより、この課題は解決される。すなわち超音波振動を基板に付与すると、塗布された樹脂は流動して膜厚が均一となり、塗布ムラが解消される。
次に、本発明の液状樹脂の塗布装置は、上記本発明の塗布方法を好適に実施し得る装置であって、円形状の基板を、該基板の一の面が露出する状態に保持する保持手段と、液状の樹脂を排出するスロットが、基板の半径と同等か、もしくは基板の半径を超える長さを有し、そのスロットが、保持手段に保持された基板と平行で、かつ該基板の半径に対応するように、該基板と平行に対向配置されるスロットダイと、基板の中心軸線を回転軸として、保持手段とスロットダイとを相対回転させる回転駆動手段とを具備することを特徴としている。本発明の塗布装置においては、保持手段に超音波振動を付与する超音波振動付与手段を備えることを好ましい形態としている。
本発明によれば、円形状の基板の半径と同等か、もしくは基板の半径を超える長さのスロットを有するスロットダイを用い、基板の中心軸線を回転軸としてスロットを基板に対して相対回転させながら樹脂を塗布することにより、実際に被塗布面に塗布される量を超える量の樹脂の使用量を最小限とすることができ、その結果、材料やコストの面でのロスの発生を抑えることができるといった効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
[1]塗布装置の構成
図1は、本発明に係る液状樹脂の塗布装置を示している。この塗布装置10は、円盤状の基板の表面または裏面に所定の液状の樹脂を塗布するものである。樹脂は、前述のDAFとなる接着剤用の樹脂やレジスト膜を形成する樹脂などであり、目的や用途によって、基板の表面または裏面に塗布される。本実施形態では基板として半導体ウェーハ(以下、ウェーハと略称する)1を例示している。ウェーハ1は、その表面に多数のチップ2が格子状に区画されて形成されているものであり、チップ2の表面には、ICやLSI等の図示せぬ電子回路が形成されている。図1ではウェーハ1は裏面側を上にした状態であり、したがってチップ2は破線で示している。また、ウェーハ1の周面の所定箇所には、半導体の結晶方位を示すV字状の切欠き(ノッチ)3が形成されている。なお、図1のX方向およびY方向は互いに直交する水平な方向を示し、Z方向は水平面に直交する鉛直方向を示している。
塗布装置10は矩形状の基台11を有しており、この基台11上には、支持枠12を介して排水パン13が設置されている。支持枠12および排水パン13はともに矩形状で、支持枠12の内部は空間とされている。その支持枠12内には外部から排水管15が挿入されており、この排水管15は、排水パン13の隅に形成された排水口13aに接続されている。排水パン13の内側には、ウェーハ1が、水平で、かつ回転可能に保持されるようになっている。排水パン13の内部には、ウェーハ1に塗布されずに落下する樹脂を受ける水が貯留される。この水は、排水管15の途中などに設けられるバルブを開くことで、排水口13aから適宜なタイミングで排水され、廃液処理設備などに送られる。
ウェーハ1は、図2に示す円盤状のチャックテーブル20の上面に、樹脂の被塗布面が露出する状態で、同心状に保持される。チャックテーブル20は一般周知の真空チャック式のものであり、水平な上面に、ウェーハ1を吸着、保持する多孔質の吸着エリア21が形成されている。この吸着エリア21は、チャックテーブル20の外形をなす円盤状の枠体22の上面に形成された浅い凹部22aに嵌合されている。吸着エリア21を囲む枠体22の環状の上面は、吸着エリア21の上面と同一平面とされている。チャックテーブル20は、その下面の中心にテーブルベース23を有している。
基台11の中央部には、図2に示すように、円筒状のポスト31が立設されている。このポスト31の上端部は排水パン13の底部を貫通しており、その貫通部分は水漏れを防ぐようにシール処理されている。同じく図2に示すように、チャックテーブル20のテーブルベース23は、ポスト31の上端部に、ベアリング32を介して、Z方向を回転軸として回転可能に支持されている。テーブルベース23の下面の中心には、ポスト31内に収容されたモータ33の駆動軸33aが結合されており、モータ33が作動することによってチャックテーブル20が回転するようになっている。モータ33は、ポスト31内の基台11上に設置された超音波振動装置35のハウジング35a上に固定されている。
このハウジング35aの内部には図示せぬ超音波振動子が収納されており、この振動子は、モータ33の駆動軸33aに結合されている。このような構成により、超音波振動装置35の超音波振動子が振動すると、モータ33の駆動軸33a、チャックテーブル20を介して、ウェーハ1に超音波振動が付与されるようになっている。チャックテーブル20上に同心状に吸着、保持されるウェーハは、チャックテーブル20の直径よりも大きい直径を有し、かつ、排水パン13の内側に収まる大きさのものとされる。
図1に示すように、基台11上の排水パン13の周囲であってX方向の一端側には、コラム41が立設されており、このコラム41の前面(排水パン13側の面)に、ウェーハ1に樹脂を塗布するスロットダイ60が、昇降自在に設けられている。スロットダイ60は、図3に示すボールねじ式の昇降機構50によって昇降させられる。
昇降機構50は、コラム41の内部にY方向に離間して設けられたZ方向に延びる一対のリニアガイド51と、これらリニアガイド51間に配されたZ方向に延びるボールねじ55とを備えている。各リニアガイド51には、それぞれスライダ52が摺動自在に装着されており、これらスライダ52は、スライダベース53によって連結されている。スライダベース53の背面にはブロック54が固定されており、このブロック54に、ボールねじ55が螺合して貫通している。ボールねじ55は図示せぬモータによって回転し、ボールねじ55が回転すると、その回転方向に応じてブロック54、およびこのブロック54と一体のスライダベース53が、各リニアガイド51に沿って上昇したり下降したりするようになっている。
図1に示すように、コラム41の前面には開口42が形成されており、この開口42は、スライダベース53以外の昇降機構50を覆うスライドカバー43によって塞がれている。このスライドカバー43は、スライダベース53の上下の端部に取り付けられており、スライダベース53の上下動に伴って伸縮する構成となっている。
図3に示すように、スロットダイ60は、昇降機構50を構成するスライダベース53の前面に、X方向に延びるアーム59を介して取り付けられている。スロットダイ60は、所定長さを有するバー状のダイブロック61を主体としている。このダイブロック61の断面形状は、矩形の下側が三角形状に突出した五角形を呈しており、長手方向に沿って峰状に延びる下端の突端縁に、樹脂の排出口であるスロット62(図4参照)形成されている。このスロット62は、ダイブロック61のほぼ全長にわたる長さを有している。スロット62からは樹脂が帯状に排出されるが、その樹脂を被塗布面に一様に押さえ付けるブレードやローラといった塗布部材が、スロット62の片側に配されてダイブロック61に取り付けられている。
上記構成のスロットダイ60は、ダイブロック61の長手方向をX方向と平行にしてアーム59の先端に取り付けられており、昇降機構50によってアーム59とともに昇降させられるようになっている。スロットダイ60には、ダイブロック61内に液状の樹脂を供給する図示せぬ樹脂供給手段が設けられている。この樹脂供給手段は、スロットダイ60の昇降に追従できるようになされている。
スロットダイ60は下降することによりチャックテーブル20上に保持されたウェーハ1に近接して平行に対向し、ウェーハ1の被塗布面とスロット62との間隔が樹脂の塗布に適した間隔になった高さで、スロットダイ60は停止させられる。この塗布状態において、X方向に延びるスロットダイ60のスロット62は、チャックテーブル20の半径方向に延び、かつ先端がチャックテーブル20の回転中心線に至っており、さらに基端側(アーム59側の端部)が、チャックテーブル20上に同心状に保持されるウェーハ1の外周縁上に至るように配置される。
このようにして、スロットダイ60のスロット62は、チャックテーブル20上に同心状に保持されるウェーハ1の半径に対応するように、長さおよび配置が設定される。この設定の必須条件は、図4(a)に示すように、スロット62の長さがウェーハ1の半径と同等であって、スロット62の先端がウェーハ1の中心軸線(チャックテーブル20の回転中心)1Aに一致し、基端がウェーハ1の外周縁に一致している形態である。
この他には、スロット62がウェーハ1の半径よりもやや長い場合の3つの形態が考えられる。1つは図4(b)に示すように、スロット62の先端がウェーハ1の中心軸線1Aに一致し、かつ基端側がウェーハ1の外周縁よりも外側に出ている形態であり、2つ目は、図4(c)に示すように、スロット62の先端側がウェーハ1の中心軸線1Aを通過し、かつ基端がウェーハ1の外周縁に一致している形態である。さらに3つ目は、図4(d)に示すように、スロット62の両端側いずれもが、ウェーハ1の中心軸線1Aと外周縁とを通過している形態である。
[2]塗布装置の動作
以上が本実施形態の塗布装置10の構成であり、続いて該装置10の動作を説明する。この動作は、本発明の塗布方法を具体化したものとなる。
まずはじめに、チャックテーブル20を予め真空運転させておき、このチャックテーブル20上に、樹脂の塗布が必要とされる被塗布面(表面または裏面)を上に向けて露出させたウェーハ1を、同心状に載置する。図1および図3では、多数のチップ2が形成された表面とは反対側の裏面が被塗布面とされている。ウェーハ1は載置と同時にチャックテーブル20の吸着エリア21上に吸着、保持される(基板保持工程)。
次いで、昇降機構50によってスロットダイ60を下降させ、ウェーハ1の被塗布面に対してスロット62が適宜間隔離れた位置になった高さで、スロットダイ60を停止させる(スロットダイ配置工程)。続いて、チャックテーブル20を回転させてウェーハ1を自転状態としてから、スロットダイ60に液状の樹脂を供給する。なお、チャックテーブル20の回転方向は、上記塗布部材(ブレードやローラなど)が、チャックテーブル20に対して相対的に回転するスロット62の下流側に位置する方向とする。
樹脂はスロット62から圧力がかかった状態で帯状に排出され、塗布部材でウェーハ1の被塗布面に押さえ付けられながら、回転するウェーハ1の被塗布面上に一様に塗布される(液状樹脂塗布工程)。ウェーハ1が1回転する間に樹脂は被塗布面の全面に塗布されるが、塗布厚さ等の条件により、必要に応じてウェーハ1は複数回転させられる。また、チャックテーブル20の回転速度は、例えば1〜10rpmとされるが、塗布する樹脂の粘度や塗布厚さに応じて適宜に調整される。
必要な樹脂の膜厚が得られたらスロット62からの樹脂の排出を停止させるとともにチャックテーブル20の回転を停止させ、スロットダイ60を退避位置まで上昇させて、樹脂塗布工程を終える。樹脂の塗布中にウェーハ1の外周縁から余剰の樹脂が落下する場合があるが、その落下する樹脂は排水パン13内の水で受けられ、適宜に排水される。これによって粘度の高い樹脂を用いた場合であっても、その落下した樹脂を円滑に排出させることができる。樹脂が塗布されて必要な樹脂膜が形成されたウェーハ1は、樹脂膜の硬化処理等の後処理がなされる。その後処理は、引き続きチャックテーブル20上でなされるか、またはチャックテーブル20から取り上げられて所定の場所に運搬されて行われる。
樹脂はウェーハ1に一様に塗布されると述べたが、ウェーハ1に対して相対回転するスロット62の周速は、ウェーハ1の中心側が遅く、外周側が速いことから、場合によっては中心側から外周側に向かうにしたがって塗布量が少なくなり、樹脂の膜厚がこれに応じて径方向に傾斜する塗布ムラが生じる。また、特に図4(c)、(d)のように、スロット62の先端がウェーハ1の中心軸線を越えている場合には、その超えた部分の範囲に樹脂が二重に塗布されて厚さが大きくなり、やはり塗布ムラが生じる場合がある。そこで、チャックテーブル20を回転させて樹脂を塗布している最中か、塗布を終えた直後の少なくともいずれかのタイミングで、超音波振動装置35を作動させる。これによって超音波振動がウェーハ1に付与され、塗布された樹脂は流動して膜厚が均一となり、塗布ムラが解消される。
[3]本実施形態の作用効果
上記本実施形態によれば、図4(a)に示すようにスロットダイ60のスロット62の長さがウェーハ1の半径と同等で半径に対応して配置されている形態では、スロット62から排出される樹脂は、ウェーハ1の外周縁からはみ出ることがないか、あるいは押し出されて余剰分がはみ出るとしてもその量はごく少なく抑えられて、被塗布面全面に排出される。つまり、樹脂は被塗布面以外には排出されにくく、この場合には樹脂の使用量にほとんどロスが生じない。また、スロット62の長さがウェーハ1の半径よりも長い場合であっても、図4(c)に示すようにウェーハ1の外周縁から外側に出ていない形態では、スロット62から排出される樹脂は、やはり被塗布面以外には排出されにくく、ほとんどロスが生じない。
また、図4(b),(d)に示すようにスロット62の長さがウェーハ1の半径よりも長く、ウェーハ1の外周縁から外側に出ている形態では、その出ている余剰長さ分だけ樹脂が余分に排出されてロスとなる。しかしながら、ウェーハ1の半径に対するスロット62の余剰長さをできるだけ小さくなるように調整することにより、樹脂の使用量を最小限に抑えることができる。
また、本実施形態では、上記のように超音波振動をウェーハ1に付与することにより、スロットダイ60の周速の違いによって生じる塗布ムラを解消することができる。
上記実施形態では、スロットダイ60のスロット62の長さは、ウェーハ1の半径と同等か、あるいは半径よりもやや長く、半径に相当するものであったが、本発明では、スロット62の長さがウェーハ1の直径に相当する、すなわち直径と同等か、直径を超える長さを有する形態も含む。このような形態でスロット62をウェーハ1の半径に対応して配置するには、スロット62の長さがウェーハ1の直径と同等の場合、スロット62は、図4(e)に示すように、ウェーハ1の中心軸線1Aを通り、かつ両端がウェーハ1の外周縁まで延びた状態に配される。また、スロット62の長さがウェーハ1の直径を超える長さの場合には、図4(f)に示すように、スロット62がウェーハ1の中心軸線1Aを通り、かつ両端がともにウェーハ1の外周縁よりも外側に出ている形態と、図4(g)に示すように、一端だけが外周縁に一致し、他端がウェーハ1の外周縁から外側に出ている形態となる。
このようにスロットダイ60のスロット62がウェーハ1の直径と同等か、もしくは直径を超える長さを有している形態においては、スロットダイ60をウェーハ1に対して180°すなわち半周回転させれば、被塗布面の全面に樹脂を塗布することができる。スロットダイ60の回転数は、樹脂の塗布厚などに応じたものになるが、スロット62を長さのウェーハ1の直径に相当したものとすれば、上記実施形態のようにスロット62がウェーハ1の半径に相当する長さの場合と比べると、スロットダイ60の回転数を半分に抑えることができる。このため、作業時間の短縮や省エネルギーが図られるといった利点がある。
本発明の一実施形態に係る塗布装置の斜視図である。 図1に示す塗布装置のチャックテーブルを回転させる機構を示す側面図である。 図1に示す塗布装置のスロットダイの昇降機構およびチャックテーブルを示す斜視図である。 ウェーハに対するスロットダイのスロットの位置関係を模式的に示す図である。
符号の説明
1…半導体ウェーハ(基板)
1A…ウェーハの中心軸線
10…塗布装置
20…チャックテーブル(保持手段)
33…モータ(回転駆動手段)
35…超音波振動装置(超音波振動付与手段)
60…スロットダイ
62…スロット

Claims (4)

  1. 円形状を呈する基板の一の面に、スロットダイのスロットから排出する液状の樹脂を塗布する方法であって、
    前記基板を、前記一の面が露出する状態に保持手段に保持する基板保持工程と、
    前記スロットダイとして、前記スロットが、前記基板の半径と同等か、もしくは基板の半径を超える長さを有するものを用い、そのスロットが、前記保持手段に保持された基板と平行で、かつ少なくとも該基板の半径に対応する位置に、該スロットダイを該基板に対向配置するスロットダイ配置工程と、
    前記保持手段に保持された前記基板の中心軸線を回転軸として、該保持手段と前記スロットダイとを相対回転させながら、該スロットダイの前記スロットから液状樹脂を排出させて、該樹脂を基板の一の面に塗布する液状樹脂塗布工程と
    を備えることを特徴とする液状樹脂の塗布方法。
  2. 前記液状樹脂塗布工程の最中、または該塗布工程の後に、前記保持手段を介して、該保持手段に保持した基板に超音波振動を付与することを特徴とする請求項1に記載の液状樹脂の塗布方法。
  3. 円形状の基板を、該基板の一の面が露出する状態に保持する保持手段と、
    液状の樹脂を排出するスロットが、前記基板の半径と同等か、もしくは基板の半径を超える長さを有し、そのスロットが、前記保持手段に保持された基板と平行で、かつ該基板の半径に対応するように、該基板と平行に対向配置されるスロットダイと、
    前記基板の中心軸線を回転軸として、前記保持手段と前記スロットダイとを相対回転させる回転駆動手段と
    を具備することを特徴とする液状樹脂の塗布装置。
  4. 前記保持手段に超音波振動を付与する超音波振動付与手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の液状樹脂の塗布装置。
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