JP2008122633A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動用トランジスタの閾電圧のばらつきを確実に補正できる表示装置を提供する。
【解決手段】サンプリング用トランジスタ3Aは、信号線DTLが基準電位から信号電位に切り換ったとき信号電位をサンプリングして保持容量3Cに保持する。駆動用トランジスタ3Bは、給電線DSLから電流の供給を受け、保持された信号電位に応じて駆動電流を発光素子3Dに流す。信号線DTLは列ごとに二本配されており、一方の信号線は奇数行の画素101に基準電位及び信号電位を供給し、他方の信号線は偶数行の画素に基準電位及び信号電位を供給して、各信号線が基準電位にある時間帯を長くし、以って駆動用トランジスタの閾電圧Vthに相当する電圧を保持容量3Cに保持するための補正期間を十分確保する。
【選択図】図2
【解決手段】サンプリング用トランジスタ3Aは、信号線DTLが基準電位から信号電位に切り換ったとき信号電位をサンプリングして保持容量3Cに保持する。駆動用トランジスタ3Bは、給電線DSLから電流の供給を受け、保持された信号電位に応じて駆動電流を発光素子3Dに流す。信号線DTLは列ごとに二本配されており、一方の信号線は奇数行の画素101に基準電位及び信号電位を供給し、他方の信号線は偶数行の画素に基準電位及び信号電位を供給して、各信号線が基準電位にある時間帯を長くし、以って駆動用トランジスタの閾電圧Vthに相当する電圧を保持容量3Cに保持するための補正期間を十分確保する。
【選択図】図2
Description
本発明は発光素子を画素に用いたアクティブマトリクス型の表示装置に関する。
発光素子として有機ELデバイスを用いた平面自発光型の表示装置の開発が近年盛んになっている。有機ELデバイスは有機薄膜に電界をかけると発光する現象を利用したデバイスである。有機ELデバイスは印加電圧が10V以下で駆動するため低消費電力である。また有機ELデバイスは自ら光を発する自発光素子であるため、照明部材を必要とせず軽量化及び薄型化が容易である。さらに有機ELデバイスの応答速度は数μs程度と非常に高速であるので、動画表示時の残像が発生しない。
有機ELデバイスを画素に用いた平面自発光型の表示装置の中でも、とりわけ駆動素子として薄膜トランジスタを各画素に集積形成したアクティブマトリクス型の表示装置の開発が盛んである。アクティブマトリクス型平面自発光表示装置は、例えば以下の特許文献1ないし5に記載されている。
特開2003−255856
特開2003−271095
特開2004−133240
特開2004−029791
特開2004−093682
しかしながら、従来のアクティブマトリクス型平面自発光表示装置は、プロセス変動により発光素子を駆動するトランジスタの閾電圧や移動度がばらついてしまう。また、有機ELデバイスの特性が経時的に変動する。この様な駆動用トランジスタの特性ばらつきや有機ELデバイスの特性変動は、発光輝度に影響を与えてしまう。表示装置の画面全体にわたって発光輝度を均一に制御するため、各画素回路内で上述したトランジスタや有機ELデバイスの特性変動を補正する必要がある。従来から駆動用トランジスタの閾電圧補正機能や移動度補正機能を画素毎に備えた表示装置が提案されている。しかしながら、従来の補正機能を備えた画素回路は、スイッチング用の複数のトランジスタと、スイッチング用の制御パルスが必要であり、画素回路の構成が複雑である。画素回路の構成要素が多いことから、ディスプレイの高精細化の妨げとなっていた。
上述した従来の技術の課題に鑑み、本発明は画素回路を構成する素子数の削減化によりディスプレイの高精細化を可能にする表示装置を提供することを一般的な目的とする。特に、駆動用トランジスタの閾電圧のばらつきを確実に補正できる表示装置を提供することを目的とする。かかる目的を達成するために以下の手段を講じた。即ち本発明は、画素アレイ部とこれを駆動する駆動部とからなり、前記画素アレイ部は、行状の走査線と、列状の信号線と、両者が交差する部分に配された行列状の画素と、画素の各行に対応して配された給電線とを備え、前記駆動部は、各走査線に順次制御信号を供給して画素を行単位で線順次走査する主スキャナと、該線順次走査に合わせて各給電線に第1電位と第2電位で切り換わる電源電圧を供給する電源スキャナと、該線順次走査に合わせて列状の信号線に映像信号となる信号電位と基準電位を供給する信号セレクタとを備え、前記画素は、発光素子と、サンプリング用トランジスタと、駆動用トランジスタと、保持容量とを含み、前記サンプリング用トランジスタは、そのゲートが該走査線に接続し、そのソース及びドレインの一方が該信号線に接続し、他方が該駆動用トランジスタのゲートに接続し、前記駆動用トランジスタは、そのソース及びドレインの一方が該発光素子に接続し、他方が該給電線に接続し、前記保持容量は、該駆動用トランジスタのソースとゲートの間に接続している表示装置であって、前記電源スキャナは、該信号線が基準電位にある状態で該給電線を第1電位から第2電位に切り換え、前記主スキャナは、同じく該信号線が基準電位にある状態で該走査線に制御信号を供給して該サンプリング用トランジスタを導通させ、基準電位を該駆動用トランジスタのゲートに印加するとともに該駆動用トランジスタのソースを第2電位にセットし、続いて前記電源スキャナは、該信号線が基準電位から信号電位に切り換る前の補正期間で、該給電線を第2電位から第1電位に切り換えて、該駆動用トランジスタの閾電圧に相当する電圧を該保持容量に保持しておき、前記サンプリング用トランジスタは、該信号線が基準電位から信号電位に切り換ったとき該信号電位をサンプリングして該保持容量に保持し、前記駆動用トランジスタは、第1電位にある該給電線から電流の供給を受け該保持された信号電位に応じて駆動電流を該発光素子に流し、前記信号線は列ごとに二本配されており、一方の信号線は奇数行の画素に基準電位及び信号電位を供給し、他方の信号線は偶数行の画素に基準電位及び信号電位を供給して、各信号線が基準電位にある時間帯を長くし、以って該駆動用トランジスタの閾電圧に相当する電圧を該保持容量に保持するための補正期間を確保するようにしたことをことを特徴とする。
一態様によると、前記サンプリングトランジスタは、該保持容量に信号電位を保持する際、該駆動用トランジスタの移動度に対する補正を信号電位に加える。又前記主スキャナは、該保持容量に信号電位が保持されたタイミングで走査線に対する制御信号の印加を解除し、該サンプリング用トランジスタを非導通状態にして該駆動用トランジスタのゲートを該信号線から電気的に切り離し、以って該駆動用トランジスタのソース電位の変動にゲート電位が連動しゲートとソース間の電圧を一定に維持する。
本発明によれば、有機ELデバイスなどの発光素子を画素に用いたアクティブマトリクス型の表示装置において、各画素が少なくとも駆動用トランジスタの閾電圧補正機能を備えており、望ましくは駆動用トランジスタの移動度補正機能や有機ELデバイスの経時変動補正機能(ブートストラップ動作)も備えており、高品位の画質を得ることが出来る。かかる補正機能を組み込むため、各画素に供給する電源電圧をスイッチングパルスとして使用する。電源電圧をスイッチングパルス化することで閾電圧補正用のスイッチングトランジスタが不要になる。結果として、画素回路の構成素子数が大幅に削減でき、画素エリアを縮小することが可能となり、ディスプレイの高精細化を達成できる。従来このような補正機能を備えた画素回路は構成素子数が多いためレイアウト面積が大きくなり、ディスプレイの高精細化には不向きであったが、本発明では電源電圧をスイッチングすることにより構成素子数とトランジスタ二個と容量一個まで削減し、画素のレイアウト面積を小さくすることが可能である。これにより高品位且つ高精細なフラットディスプレイを提供することが出来る。
上述した閾電圧補正機能は、信号線が基準電位にある時間帯で行われる。本発明ではこの信号線が基準電位にある時間帯を長く取ることで、確実に閾電圧補正動作が行われるように保証している。具体的には、列状の信号線が列ごとに2本配されており、一方の信号線は奇数行の画素に基準電位及び信号電位を供給し、他方の信号線は偶数行の画素に基準電位及び信号電位を供給している。この様にすると、1本の信号線は2水平周期で1回画素に信号電位を供給すればよい。換言すると、1本の信号線は2水平周期の時間帯の一部で信号電位にし、残りの時間帯は基準電位にすることが出来る。基準電位を2水平周期内で1水平期以上確保することが可能になり、その分閾電圧補正期間を長く取ることが出来る。この様に1列分の信号線を奇数ラインと偶数ラインで2本に分けることにより、駆動用トランジスタの閾電圧の変動を補正する時間を十分確保することが出来る。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明にかかる表示装置の全体構成を示すブロック図である。図示する様に、本表示装置100は、画素アレイ部102とこれを駆動する駆動部(103,104,105)とからなる。画素アレイ部102は、行状の走査線WSL101〜10mと、列状の信号線DTL101〜10nと、両者が交差する部分に配された行列状の画素(PXLC)101と、各画素101の各行に対応して配された給電線DSL101〜10mとを備えている。駆動部(103,104,105)は各走査線WSL101〜10mに水平周期(1H)で順次制御信号を供給して画素101を行単位で線順次走査する主スキャナ(ライトスキャナWSCN)104と、この線順次走査に合わせて各給電線DSL101〜10mに第1電位と第2電位で切換る電源電圧を供給する電源スキャナ(DSCN)105と、この線順次走査に合わせて映像信号となる信号電位と基準電位とを切換えて列状の信号線DTL101〜10mに供給する信号セレクタ(水平セレクタHSEL)103とを備えている。
ここで列状の信号線DTLは列ごとに2本配されており、一方の信号線は奇数行の画素101に基準電位及び信号電位を供給し、他方の信号線は偶数行の画素に基準電位及び信号電位を供給している。例えば1列目の信号線に着目すると、日本の信号線のうち最初の1本は1行目の画素、3行目の画素・・・に接続されている一方、2本目の信号線は2行目の画素、4行目の画素・・・に接続されている。なお、1行目の画素101には1行目の走査線WSL101が配され、2行目の画素101には2行目の走査線WSL102が配され、3行目の画素101には3行目の走査線WSL103が配されている。
図2は、図1に示した表示装置100に含まれる画素101の具体的な構成及び結線関係を示す回路図である。なお図では理解を容易にするため、1行目で且つ1列目にある画素101を表してある。この画素101に対して走査線WSL101及び給電線DSL101と信号線DTL101が配されている。なお信号線DTL101は2本ある内の1本である。図示する様に、この画素101は、有機ELデバイスなどで代表される発光素子3Dと、サンプリング用トランジスタ3Aと、駆動用トランジスタ3Bと、保持容量3Cとを含む。サンプリング用トランジスタ3Aは、そのゲートが対応する走査線WSL101に接続し、そのソース及びドレインの一方が対応する信号線DTL101に接続し、他方が駆動用トランジスタ3Bのゲートgに接続する。駆動用トランジスタ3Bは、そのソースs及びドレインdの一方が発光素子3Dに接続し、他方が対応する給電線DSL101に接続している。本実施形態では、駆動用トランジスタ3Bのドレインdが給電線DSL101に接続する一方、ソースsが発光素子3Dのアノードに接続している。発光素子3Dのカソードは接地配線3Hに接続している。なおこの接地配線3Hは全ての画素101に対して共通に配線されている。保持容量3Cは、駆動用トランジスタ3Bのソースsとゲートgの間に接続している。
かかる構成において、電源スキャナ(DSCN)105は、信号線DTL101が基準電位にある状態で給電線DSL101を第1電位(高電位)から第2電位(低電位)に切換える。主スキャナ(ライトスキャナ)104は、同じく信号線DTL101が基準電位にある状態で走査線WSL101に制御信号を供給してサンプリング用トランジスタ3Aを導通させ、基準電位を駆動用トランジスタ3Bのゲートgに印加すると共に駆動用トランジスタ3Bのソースsを第2電位にセットする。かかる動作により、閾電圧補正のための準備が完了する。続いて電源スキャナ105は、信号線DTL101が基準電位から信号電位に切換わる前の補正期間で、給電線DSL101を第2電位(低電位)から第1電位(高電位)に切換えて、駆動用トランジスタの閾電圧Vthに相当する電圧を保持容量3Cに保持しておく。サンプリング用トランジスタ3Aは、信号線DTL101が基準電位から信号電位に切換ったときこの信号電位をサンプリングして保持容量3Cに保持する。換言すると、サンプリングされた信号電位は先に保持された駆動用トランジスタの閾電圧に相当する電圧に足し込まれる形で保持容量に書き込まれる。駆動用トランジスタ3Bは、第1電位(高電位)にある給電線DSL101から電流の供給を受け保持された信号電位に応じて駆動電流を発光素子3Dに流す。
本発明の特徴事項として、信号線DTLは列ごとに2本配されており、一方の信号線は奇数行の画素に基準電位及び信号電位を供給し、他方の信号線は偶数行の画素に基準電位及び信号電位を供給して、各信号線が基準電位にある時間帯を長くしている。これにより駆動用トランジスタ3Bの閾電圧Vthに相当する電圧を保持容量3Cに保持するための補正期間を十分確保するようにしている。この保持された閾電圧相当分は駆動用トランジスタ3Bの閾電圧Vthのキャンセルに用いられる。したがって画素毎に駆動用トランジスタの閾電圧Vthがばらついても、画素毎に完全にキャンセルされるため、画像のユニフォーミティが高まり、全ての輝度階調で輝度ムラを防ぐことが可能になる。
図2に示した画素101は上述した閾電圧補正機能に加え、移動度補正機能を備えている。即ち主スキャナ104は、信号線DTL101が信号電位にある時間帯にサンプリング用トランジスタ3Aを導通状態にするため、上述の時間帯よりパルス幅の短い制御信号を走査線WSL101に出力し、以って保持容量3Cに信号電位を保持すると同時に、駆動用トランジスタ3Bの移動度μに対する補正を信号電位に加える。
図2に示した画素回路101はさらにブートストラップ機能も備えている。即ち主スキャナ(WSCN)104は、保持容量3Cに信号電位が保持された段階で走査線WSL101に対する制御信号の印加を解除し、サンプリング用トランジスタ3Aを非導通状態にして駆動用トランジスタ3Bのゲートgを信号線DTL101から電気的に切り離し、以って駆動用トランジスタ3Bのソース電位(Vs)の変動にゲート電位(Vg)が連動しゲートgとソースs間の電圧Vgsを一定に維持することが出来る。
図3は、図1に示した本発明にかかる表示装置の動作説明に供するタイミングチャートである。時間軸を揃えて1ライン目の走査線WSL101、2ライン目の走査線WSL102、3ライン目の走査線WSL103に印加される制御信号波形を表している。これと併せて1ライン目の給電線DSL101、2ライン目の給電線DSL102、3ライン目の給電線DSL103に現れる電位変化も載せてある。さらに1列分の画素に割り当てられた2本の映像信号線DTLの電位変化も記載してある。図では、奇数行(奇数ライン)の画素に割り当てられた信号線をDTL_oddで表し、偶数行(偶数ライン)の画素に割り当てられた信号線をDTL_evenで表してある。
走査線WSLに印加される制御信号は、1水平期間(1H)ずつ順次1ライン毎にシフトしていく。1ライン分の走査線に印加される制御信号は、2個のパルスを含んでいる。1番目のパルスは時間幅が長く1H以上である。2番目のパルスは時間幅が狭く、1Hの一部である。1番目のパルスは閾値補正期間を規定しており、2番目のパルスはサンプリング期間/移動度補正期間に対応している。給電線DSLに供給される電源パルスも1H周期で1ライン毎にシフトしていく。
これに対し、映像信号線DTL_oddは2Hに1回比較的短時間信号電位が印加されるだけで、残りの時間は全て基準電位に保持されている。即ち映像信号線DTL_oddは基準電位にある時間帯を1Hより大きく確保することが出来る。換言すると映像信号線DTL_oddは奇数ラインの画素にのみ信号電位を供給すれば良いため、少なくとも1H分の余裕ができ、これを基準電位に固定しておくことが出来る。同様に映像信号線DTL_evenも偶数ラインの画素にのみ信号電位を供給すれば良いため、1Hを超えて基準電位の時間帯を延長することが出来る。
図4Aは、図2に示した画素101の動作説明に供するタイミングチャートである。時間軸を共通にして、走査線(WSL101)の電位変化、給電線(DSL101)の電位変化及び信号線(DTL101)の電位変化を表してある。またこれらの電位変化と並行に、駆動用トランジスタ3Bのゲート電位(Vg)及びソース電位(Vs)の変化も表してある。
このタイミングチャートは、画素101の動作の遷移に合わせて期間を(B)〜(I)のように便宜的に区切ってある。発光期間(B)では発光素子3Dが発光状態にある。この後線順次走査の新しいフィールドに入ってまず最初の期間(C)で、電源供給線(給電線)DSL101を低電位に切換える。次の期間(D)に進み、駆動用トランジスタのゲート電位Vg及びソース電位Vsを初期化する。この閾値補正準備期間(C)及び(D)で駆動用トランジスタ3Bのゲート電位Vg及びソース電位Vsをリセットすることで、閾電圧補正動作の準備が完了する。続いて閾値補正期間(E)で実際に閾電圧補正動作が行われ、駆動用トランジスタ3Bのゲートgとソースsとの間に閾電圧Vthに相当する電圧が保持される。実際には、Vthに相当する電圧が、駆動用トランジスタ3Bのゲートgとソースsとの間に接続された保持容量3Cに書き込まれることになる。
ここで閾値補正期間(E)は1列分の信号線を奇数ラインと偶数ラインで分けたことにより、1H以上確保することが出来る。したがって本発明にかかる画素回路101は十分に長い閾値補正期間(E)で完全に駆動用トランジスタの閾値Vthに相当する電圧を保持容量3Cに書き込むことが可能になる。
この後移動度補正の為の準備期間(F)及び(G)を経て、サンプリング期間/移動度補正期間(H)に進む。ここで映像信号の信号電位VinがVthに足し込まれる形で保持容量3Cに書き込まれると共に、移動度補正用の電圧ΔVが保持容量3Cに保持された電圧から差し引かれる。このサンプリング期間/移動度補正期間(H)では、信号線DTL101が信号電位Vinにある時間帯にサンプリグ用トランジスタ3Aを導通状態にするため、この時間帯よりパルス幅の短い制御信号を走査線WSL101に出力し、以って保持容量3Cに信号電位Vinを保持する際駆動用トランジスタ3Bの移動度μに対する補正を信号電位Vinに加えている。
この後発光期間(I)に進み、信号電圧Vinに応じた輝度で発光素子が発光する。その際信号電圧Vinは閾電圧Vthに相当する電圧と移動度補正用の電圧ΔVとによって調整されているため、発光素子3Dの発光輝度は駆動用トランジスタ3Bの閾電圧Vthや移動度μのばらつきの影響を受けることはない。なお、発光期間(I)の最初でブートストラップ動作が行われ、駆動用トランジスタ3Bのゲート−ソース間電圧Vgs=Vin+Vth−ΔVを一定に維持したまま、駆動用トランジスタ3Bのゲート電位Vg及びソース電位Vsが上昇する。
引き続き図4B〜図4Iを参照して、図2に示した画素101の動作を詳細に説明する。なお、図4B〜図4Iの図番は、図4Aに示したタイミングチャートの各期間(B)〜(I)にそれぞれ対応している。理解を容易にするため、図4B〜図4Iは、説明の都合上発光素子3Dの容量成分を容量素子3Iとして図示してある。先ず図4Bに示すように発光期間(B)では、電源供給線DSL101が高電位Vcc_H(第1電位)にあり、駆動用トランジスタ3Bが駆動電流Idsを発光素子3Dに供給している。図示する様に、駆動電流Idsは高電位Vcc_Hにある電源供給線DSL101から駆動用トランジスタ3Bを介して発光素子3Dを通り、共通接地配線3Hに流れ込んでいる。
続いて期間(C)に入ると図4Cに示すように、電源供給線DSL101を高電位Vcc_Hから低電位Vcc_Lに切換える。これにより電源供給線DSL101はVcc_Lまで放電され、さらに駆動用トランジスタ3Bのソース電位VsはVcc_Lに近い電位まで遷移する。電源供給線DSL101の配線容量が大きい場合は比較的早いタイミングで電源供給線DSL101を高電位Vcc_Hから低電位Vcc_Lに切換えると良い。この期間(C)を十分に確保することで、配線容量やその他の画素寄生容量の影響を受けないようにしておく。
次に期間(D)に進むと図4Dに示すように、走査線WSL101を低レベルから高レベルに切換えることで、サンプリング用トランジスタ3Aが導通状態になる。このとき映像信号線DTL101は基準電位Voにある。よって駆動用トランジスタ3Bのゲート電位Vgは導通したサンプリング用トランジスタ3Aを通じて映像信号線DTL101の基準電位Voとなる。これと同時に駆動用トランジスタ3Bのソース電位Vsは即座に低電位Vcc_Lに固定される。以上により駆動用トランジスタ3Bのソース電位Vsが映像信号線DTLの基準電位Voより十分低い電位Vcc_Lに初期化(リセット)される。具体的には駆動用トランジスタ3Bのゲート−ソース間電圧Vgs(ゲート電位Vgとソース電位Vsの差)が駆動用トランジスタ3Bの閾電圧Vthより大きくなるように、電源供給線DSL101の低電位Vcc_L(第2電位)を設定する。
次に閾値補正期間(E)に進むと図4Eに示すように、電源供給線DSL101が低電位Vcc_Lから高電位Vcc_Hに遷移し、駆動用トランジスタ3Bのソース電位Vsが上昇を開始する。やがて駆動用トランジスタ3Bのゲート‐ソース間電圧Vgsが閾電圧Vthとなったところで電流がカットオフする。このようにして駆動用トランジスタ3Bの閾電圧Vthに相当する電圧が保持容量3Cに書き込まれる。これが閾電圧補正動作である。このとき電流が専ら保持容量3C側に流れ、発光素子3D側には流れないようにするため、発光素子3Dがカットオフとなるように共通接地配線3Hの電位を設定しておく。ここで閾値補正期間(E)は1列分の信号線を奇数ラインと偶数ラインで分けたことにより、1H以上確保することが出来る。したがって本発明にかかる画素回路101は十分に長い閾値補正期間(E)で完全に駆動用トランジスタの閾値Vthに相当する電圧を保持容量3Cに書き込むことが可能になる。
期間(F)に進むと図4Fに示すように、走査線WSL101が低電位側に遷移し、サンプリング用トランジスタ3Aが一旦オフ状態になる。このとき駆動用トランジスタ3Bのゲートgはフローティングになるが、ゲート−ソース間電圧Vgsは駆動用トランジスタ3Bの閾電圧Vthに等しいためカットオフ状態であり、ドレイン電流Idsは流れない。
続いて期間(G)に進むと図4Gに示すように、映像信号線DTL101の電位が基準電位Voからサンプリング電位(信号電位)Vinに遷移する。これにより、次のサンプリング動作及び移動度補正動作の準備が完了する。
サンプリング期間/移動度補正期間(H)に入ると、図4Hに示すように、走査線WSL101が高電位側に遷移してサンプリング用トランジスタ3Aがオン状態となる。したがって駆動用トランジスタ3bのゲート電位Vgは信号電位Vinとなる。ここで発光素子3Dは始めカットオフ状態(ハイインピーダンス状態)にあるため、駆動用トランジスタ3Bのドレイン/ソース間電流Idsは発光素子容量3Iに流れ込み、充電を開始する。したがって駆動用トランジスタ3Bのソース電位Vsは上昇を開始し、やがて駆動用トランジスタ3Bのゲート−ソース間電圧VgsはVin+Vth−ΔVとなる。このようにして、信号電位Vinのサンプリングと補正量ΔVの調整が同時に行われる。Vinが高いほどIdsは大きくなり、ΔVの絶対値も大きくなる。したがって発光輝度レベルに応じた移動度補正が行われる。Vinを一定とした場合、駆動用トランジスタ3Bの移動度μが大きいほどΔVの絶対値が大きくなる。換言すると移動度μが大きいほど負帰還量ΔVが大きくなるので、画素ごとの移動度μのばらつきを取り除くことが出来る。
最後に発光期間(I)になると、図4Iに示すように、走査線WSL101が低電位側に遷移し、サンプリング用トランジスタ3Aはオフ状態となる。これにより駆動用トランジスタ3Bのゲートgは信号線DTL101から切り離される。同時にドレイン電流Idsが発光素子3Dを流れ始める。これにより発光素子3Dのアノード電位は駆動電流Idsに応じてVel上昇する。発光素子3Dのアノード電位の上昇は、即ち駆動用トランジスタ3Bのソース電位Vsの上昇に他ならない。駆動用トランジスタ3Bのソース電位Vsが上昇すると、保持容量3Cのブートストラップ動作により、駆動用トランジスタ3Bのゲート電位Vgも連動して上昇する。ゲート電位Vgの上昇量Velはソース電位Vsの上昇量Velに等しくなる。故に、発光期間中駆動用トランジスタ3Bのゲート‐ソース間電圧VgsはVin+Vth−ΔVで一定に保持される。
以上の説明から明らかなように、本発明にかかる表示装置は各画素が閾電圧補正機能及び移動度補正機能を備えている。図5は、かかる補正機能を備えた画素に含まれる駆動用トランジスタの電流/電圧特性を示すグラフである。このグラフは横軸に信号電位Vinを取り、縦軸に駆動電流Idsを取ってある。異なる画素A及びBについてそれぞれVin/Ids特性をグラフ化している。画素Aは閾電圧Vthが比較的低く移動度μが比較的大きいもので、画素Bは逆に閾電圧Vthが比較的高く移動度μが比較的小さいものである。
グラフ(1)は、閾値補正及び移動度補正共に行わなかった場合である。このときには画素A及び画素Bで閾電圧Vth及び移動度μの補正がまったく行われないため、Vthやμの違いでVin/Ids特性に大きな違いが出てしまう。したがって同じ信号電位Vinを与えても、駆動電流Ids即ち発光輝度が異なってしまい、画面のユニフォーミティが得られない。
グラフ(2)は閾値補正をかける一方移動度補正は行わない場合である。このとき画素Aと画素BでVthの違いはキャンセルされる。しかしながら移動度μの相違はそのまま現れている。したがってVinが高い領域(即ち輝度が高い領域)で、移動度μの違いが顕著に現れ、同じ階調でも輝度が違ってしまう。具体的には同じ階調(同じVin)で、μの大きい画素Aの輝度(駆動電流Ids)は高く、μの小さい画素Bの輝度は低くなっている。
グラフ(3)は閾値補正及び移動度補正共に行った場合であり、本発明に対応している。閾電圧Vth及び移動度μの相違は完全に補正され、その結果画素Aと画素BのVin/Ids特性は一致する。したがって全ての階調(Vin)で輝度(Ids)が同一レベルとなり、画面のユニフォーミティが顕著に改善される。
グラフ(4)は参考例を表しており、移動度補正はかけたものの、閾電圧の補正が不十分な場合である。換言すると閾電圧補正動作を複数回繰り返すのではなく、1回のみとした場合である。このときには閾電圧Vthの差が除去されないため、画素Aと画素Bでは低階調の領域で輝度(駆動電流Ids)に差が出てしまう。よって閾電圧の補正が不十分な場合は、低階調で輝度のムラが現れ画質を損なうことになる。
図6は、参考例にかかる表示装置の全体構成を示すブロック図である。理解を容易にするため、図1に示した本発明にかかる表示装置と対応する部分には対応する参照番号を付してある。異なる点は、本発明にかかる表示装置が1列当たり2本の信号線DTLを用意しているのに対し、図6の参考例は1列あたり1本の信号線DTLを備えていることである。即ち参考例の信号線DTLは1ラインごと順に信号電位を供給していく。そのため参考例の表示装置は、1Hよりも短い時間幅でしか、信号線DTLが基準電位にある時間帯を確保することが出来ない。
図7は図6に示した参考例にかかる表示装置の動作説明に供するタイミングチャートである。理解を容易にするため、図4Aに示した本発明にかかる表示装置のタイミングチャートと同様の表記を採用している。タイミングチャートに示すように、参考例にかかる表示装置も、時間の経過と共に発光期間(B)、閾値補正順期間(C),(D)、閾値補正期間(E)、サンプリング期間(移動度補正期間)(H)、発光期間(I)のように順に推移していく。しかしながら閾値補正期間(E)は1Hを超えて確保することが不可能であり、実質上閾値補正期間(E)は1Hの半分程度となっている。この様に短い閾値補正期間(E)では、場合により駆動用トランジスタのソース電位VsがVthのレベルに達するまで上昇することが出来ず、閾電圧キャンセル動作が不十分になる恐れがある。閾電圧補正動作が不十分であると、図5の(4)に示したように、高階調側ではばらつきが少ないものの低階調ではばらつきが大きくなるため、これが輝度ムラとなって画面に現れてしまう。これに対し本発明は閾値補正期間を十分確保することにより、低輝度においても輝度ムラを防止することが出来る。これにより低階調から高階調の全レベルにわたって良好な画質を得ることが出来る。
100…表示装置、101…画素、102…画素アレイ部、103…水平セレクタ、104…ライトスキャナ、105…電源スキャナ、3A…サンプリング用トランジスタ、3B…駆動用トランジスタ、3C…保持容量、3D…発光素子
Claims (3)
- 画素アレイ部とこれを駆動する駆動部とからなり、
前記画素アレイ部は、行状の走査線と、列状の信号線と、両者が交差する部分に配された行列状の画素と、画素の各行に対応して配された給電線とを備え、
前記駆動部は、各走査線に順次制御信号を供給して画素を行単位で線順次走査する主スキャナと、該線順次走査に合わせて各給電線に第1電位と第2電位で切り換わる電源電圧を供給する電源スキャナと、
該線順次走査に合わせて列状の信号線に映像信号となる信号電位と基準電位を供給する信号セレクタとを備え、
前記画素は、発光素子と、サンプリング用トランジスタと、駆動用トランジスタと、保持容量とを含み、
前記サンプリング用トランジスタは、そのゲートが該走査線に接続し、そのソース及びドレインの一方が該信号線に接続し、他方が該駆動用トランジスタのゲートに接続し、
前記駆動用トランジスタは、そのソース及びドレインの一方が該発光素子に接続し、他方が該給電線に接続し、
前記保持容量は、該駆動用トランジスタのソースとゲートの間に接続している表示装置であって、
前記電源スキャナは、該信号線が基準電位にある状態で該給電線を第1電位から第2電位に切り換え、
前記主スキャナは、同じく該信号線が基準電位にある状態で該走査線に制御信号を供給して該サンプリング用トランジスタを導通させ、基準電位を該駆動用トランジスタのゲートに印加するとともに該駆動用トランジスタのソースを第2電位にセットし、
続いて前記電源スキャナは、該信号線が基準電位から信号電位に切り換る前の補正期間で、該給電線を第2電位から第1電位に切り換えて、該駆動用トランジスタの閾電圧に相当する電圧を該保持容量に保持しておき、
前記サンプリング用トランジスタは、該信号線が基準電位から信号電位に切り換ったとき該信号電位をサンプリングして該保持容量に保持し、
前記駆動用トランジスタは、第1電位にある該給電線から電流の供給を受け該保持された信号電位に応じて駆動電流を該発光素子に流し、
前記信号線は列ごとに二本配されており、一方の信号線は奇数行の画素に基準電位及び信号電位を供給し、他方の信号線は偶数行の画素に基準電位及び信号電位を供給して、各信号線が基準電位にある時間帯を長くし、
以って該駆動用トランジスタの閾電圧に相当する電圧を該保持容量に保持するための補正期間を確保するようにしたことをことを特徴とする表示装置。 - 前記サンプリングトランジスタは、該保持容量に信号電位を保持する際、該駆動用トランジスタの移動度に対する補正を信号電位に加えることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
- 前記主スキャナは、該保持容量に信号電位が保持されたタイミングで走査線に対する制御信号の印加を解除し、該サンプリング用トランジスタを非導通状態にして該駆動用トランジスタのゲートを該信号線から電気的に切り離し、以って該駆動用トランジスタのソース電位の変動にゲート電位が連動しゲートとソース間の電圧を一定に維持することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
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