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JP2008190457A - 車両用遠隔始動装置 - Google Patents

車両用遠隔始動装置 Download PDF

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JP2008190457A
JP2008190457A JP2007027052A JP2007027052A JP2008190457A JP 2008190457 A JP2008190457 A JP 2008190457A JP 2007027052 A JP2007027052 A JP 2007027052A JP 2007027052 A JP2007027052 A JP 2007027052A JP 2008190457 A JP2008190457 A JP 2008190457A
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Kazutaka Naito
一孝 内藤
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

【課題】乗員に運転意思がある場合にのみ自動でエンジンを始動させることができると共に、ドアロックの解除を行うことができる。
【解決手段】自動車の車体の外周部に間隔をあけて取り付けられ、該自動車へ近接する乗員12の所持する携帯機50からの信号を順次受信する複数の室外アンテナと、室内の所要箇所に取り付けられ携帯機からの信号を順次受信する室内アンテナと、制御ユニット40を備え、制御ユニット40は、携帯機の信号から乗員の自動車への近接経路を判別すると共に運転席への着座経路を判別する処理部42と、予め乗員の自動車への近接経路パターンPと着座経路パターンQとを記憶する記憶部43と、乗員の近接経路が前記記憶部43に記憶された近接経路パターンPおよび着座経路パターンQと同一であると判定した場合に、ドアロックの自動解除とエンジン53の始動信号をエンジン始動機構51へ発信する信号送信部44とを備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両用遠隔始動装置に関し、詳しくは、乗員の行動パターンを認識して運転が開始されると判断した場合に、ドアロック解除とエンジンの始動を自動的に行えるようにするものである。
近年、ハンズフリーで自動車のドアの施錠や開錠を自動的に行う所謂スマートエントリーシステムが実用化されている。
該スマートエントリーシステムは、例えば、特開2003−269023号公報(特許文献1)においては、車両の使用者が所持する携帯機と、車両に設置された本体機とを有する構成が開示されている。該システムでは、使用者が携帯機を所持して車両に近づきドアノブに手を差し入れると、本体機は手が差し入れられたことを感知してリクエスト信号を携帯機に送信し、該リクエスト信号を受信した携帯機はアンサー信号を本体機に送信し、リクエスト信号とアンサー信号により携帯機と本体機の認証コードの照合を行い、各信号の認証コードが一致していれば、本体機は車両ドアの開錠の動作を行っている。
特開2003−269023号公報
しかし、スマートエントリーシステムはドアの施錠または開錠を自動的に行うだけであり、乗員が運転席に座ったときにエンジンの始動までを行うものではない。このため、ドアは遠隔操作により自動で開錠されても、乗員は自らエンジン始動用のボタンを押して、あるいはキー操作でエンジンを始動させなくてはならない。
また、スマートエントリーシステムは、携帯機が本体機との無線通信可能領域に入ったときに、携帯機と本体機がリクエスト信号とアンサー信号の送受信を行ってドアの開錠を行い、携帯機が本体機との無線通信領域に無いときにはドアの施錠を行うように設定されている場合がある。
このようなスマートエントリーシステムでは、例えば、住宅の玄関が駐車場と近く、玄関付近が本体機との無線通信領域である場合には、乗員が携帯機を所持して玄関を出入りするたびに、乗車の意思がなくてもドアの開錠施錠が繰り返されることとなり、バッテリを無駄に消費する問題がある。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、乗員に運転意思がある場合にのみ自動でエンジンを始動させることができると共に、ドアロックの解除を行うことができる車両用遠隔始動装置を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、
自動車の車体の外周部に間隔をあけて取り付けられ、該自動車へ近接する乗員の所持する携帯機からの信号を順次受信可能とした複数の室外アンテナと、
自動車の室内の所要箇所に取り付けられ、前記乗員が所持する携帯機からの信号を順次受信可能とした室内アンテナと、
前記室外アンテナと室内アンテナと接続されると共に車内に搭載される制御ユニットを備え、
該制御ユニットは、
前記室外アンテナで順次受信した信号から乗員の自動車への近接経路を判別すると共に室内アンテナで運転席への着座経路を判別する処理部と、
前記処理部と接続され、予め前記乗員の前記自動車への近接経路パターンと着座経路パターンとを記憶する記憶部と、
前記乗員の自動車への近接経路が前記記憶部に記憶された近接経路パターンであると認識した時にドアロック解除信号をドアロック解除機構に前記信号送信部から発信すると共に、着座経路パターンと同一であると判定した場合に、エンジンの始動信号をエンジン始動機構へ発信する信号送信部と、
を備えていることを特徴とする車両用遠隔始動装置を提供している。
自宅や職場の駐車場など、定期的、日常的に使用する駐車場に自動車を駐車している場合、乗員は自動車を運転する際に、通常、同じ経路を通って自動車へ近接する。
例えば、自宅の玄関から玄関脇にある駐車場まで、駐車場の位置やスペースの点から自動車への近接経路はほぼ決まっており、毎回異なる経路を通って自動車に辿り着くことは殆どない。また、自動車に乗車しない場合には、この近接経路を通らず自動車の側方や前方を通過するだけとなる。
このため、乗員が所定の近接経路で自動車に近接した場合には、乗員に自動車の運転意思があるものとすることができる。
また、乗員が運転するためには運転席に着座するが、運転席側のドアから直接運転席に着座する場合や、大型車などのように運転席に直接着座するのではなく、助手席から乗り込んで自動車室内を移動して運転席に着座する場合がある。着座経路として、運転席への直接の着座かもしくは助手席等から運転席への着座かは、自動車の車種などや駐車場での駐車位置などによりほぼ決まるため、乗員が所定の着座経路で運転席に着座した場合には、乗員に運転の意思があるものとできる。
前記のような乗員の行動パターンを考慮して本発明はなされたもので、乗員が所持するカードキー等の携帯機の信号を受信するアンテナを自動車に取り付け、所定の行動パターンであることを認識した時にドアのロック解除とエンジンの始動を自動で行うものとしている。
即ち、自動車の外周部に取り付けた複数の室外アンテナは乗員の所持する携帯機の信号を受信し、乗員が自動車の一側を移動すると、携帯機の信号を受信するアンテナも変化していくため、乗員の自動車への近接経路を検知することができる。さらに、自動車の室内に設けた室内アンテナで携帯機の信号を受信して、乗員の着座経路を検知することができる。
車両用遠隔始動装置の記憶部に乗員の自動車への近接経路パターンと着座経路パターンを予め記憶しており、検出した近接経路や着座経路が予め定めた近接経路パターンであるとドアロックを自動解除し、かつ、記憶した着座経路パターンと一致する場合には、乗員に自動車の運転意思があると判断し、エンジンを自動で始動させている。
このように、乗員は自らドアロックを解除する必要がないと共に、イグニッションキーやボタン等を操作してエンジンを始動させる必要がないため、操作の手間を省くことができる。
なお、記憶部に記憶した近接経路パターンもしくは着座経路パターンと異なる経路で自動車に近接し、着座した場合には、乗員はイグニッションキーやボタン等を操作してエンジンを始動させる。
また、近接経路パターンおよび着座経路パターンを複数パターンで記憶部に記憶していてもよい。
自宅または職場など異なった駐車場に日常的に自動車を駐車する場合には、通常使用する近接経路も複数になる。このため、記憶部に複数の近接経路パターン等を記憶させ、乗員の近接経路が記憶した複数の近接経路パターンのいずれかであれば、自動でドアロック解除とエンジンを始動させることが好ましい。
前記のように、乗員が近接経路パターンと同じ近接経路で自動車に近接した場合には、乗員が自動車を運転する意思があるものとして、自動でドアロックを解除している。
前述したように、携帯機が本体機との無線通信可能領域に入ったときに、携帯機と本体機が信号の送受信を行ってドアの開錠を行うように設定されている場合は自動車の運転の意思がなくてもドアロックが解除されてしまうが、本発明では無線機が無線通信可能領域にあっても近接経路パターンと乗員の近接経路が同じであり乗員に自動車の運転の意思があるときのみドアロックを解除しているので、不必要なドアロックの解除が行われることがなくバッテリを無駄に消費することがない。
前記制御ユニットの記憶部で記憶する近接経路パターンおよび着座経路パターンは、乗員が予め設定可能であると共に、前記アンテナによる検出信号の蓄積により自動的に設定および変更されるものであることが好ましい。
乗員は、前記制御ユニットに設けた操作ボタンもしくは外付けのダイアグノーシス等により、近接経路パターンおよび着座経路パターンを設定もしくは変更できるようにすることが好ましい。
また、前記のように乗員が予め設定しなくとも、アンテナの検出信号を蓄積して乗員の近接経路を学習し、近接経路を記憶部に記憶させるようにしてもよく、その場合には、近接経路が変化した場合には自動的に設定変更させることができる。
前記携帯機は、キーレスエントリーシステムのカードキーであってもよい。
本発明の車両用遠隔始動装置の携帯機をキーレスエントリーシステムのカードキーと共用することで、本発明の車両用遠隔始動装置用の専用の携帯機を用いる必要がなく、部品点数を削減することができる。
前記制御ユニットの記憶部は、複数の異なるIDを有する前記カードキー毎に近接経路パターンおよび着座経路パターンを記憶しているものであってもよい。
1台の自動車を複数の乗員が運転する場合、乗員ごとに異なるIDを有するカードキーを所持しており、また、乗員によって自動車に近接する経路は異なっている。
このため、記憶部にはカードキーごと、すなわち乗員ごとに各乗員の近接経路パターンおよび着座経路パターンを記憶しておき、カードキーの信号の受信時にIDも同時に受信して乗員を特定し、各乗員の近接経路パターンおよび着座経路パターンを読み出す構成とすることが好ましい。
これにより、乗員ごとに異なる近接経路および着座経路で自動車に近接しても、各乗員の近接経路および着座経路として記憶された近接経路パターンおよび着座経路パターンと、乗員の近接経路および着座経路を比較して同一か否かを判定することができる。
前記携帯機は前記カードキーとともに所持される携帯電話あるいはICカード化した運転免許証を含み、前記携帯電話あるいはICカード化した運転免許証からなる乗員を特定し、各乗員毎に前記近接経路パターンおよび着座経路パターンが前記制御ユニットの記憶部に記憶されていることが好ましい。
携帯機がカードキーとともに所持される携帯電話を含む場合には、前記制御ユニットは携帯電話識別アンテナを備えている。処理部は携帯電話からの信号を該携帯電話識別アンテナで受信して乗員を特定することができる。また、カードキーとアンテナとの無線通信により近接経路を検知する。
このため、処理部は記憶部に記憶された乗員ごとの近接経路パターンおよび着座経路パターンを読み出し、該近接経路パターンおよび着座経路パターンと、アンテナから検知した近接経路および着座経路を比較して同一か否かを判定することができる。
携帯機がカードキーとともに所持されるICカード化した運転免許証を含む場合、カードキーに運転免許証の差込口が設けられており、該差込口に運転免許証を差し込むことで運転免許証のID情報をカードキーが読み取る。携帯機と前記アンテナが無線通信して近接経路の検知を行う際に、ICカードに記載されたID情報も同時に送信することで、前記制御ユニットの処理部は乗員を特定することができる。このため、制御ユニットは各乗員に合わせた近接経路パターンを記憶部から読み出し、該近接経路パターンと、アンテナから検知した近接経路を比較して同一か否かを判定することができる。
前述したように、本発明の車両用遠隔始動装置では、乗員の行動パターンが所定の行動パターンであることを自動車の外周部に取り付けた複数の室外アンテナおよび車室内に取り付けた室内アンテナが乗員の所持する携帯機の信号を受信して検知すると、自動的にドアロックを解除し、エンジンを始動させることができ、乗員の手動操作を省くことができる。かつ、乗員が乗車して運転する場合のみドアが自動開錠されるため、単に自動車のドア側部を通過しただけ等の場合にドアの自動開錠がなされず、無駄なエネルギーの消費を削減できる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図7に本発明の第1実施形態を示す。
車両用遠隔始動装置10は自動車11の車体の外周部に取り付けた複数の室外アンテナ20と、自動車11の室内に取り付けた室内アンテナ30と、該室外アンテナ20、室内アンテナ30と接続した制御ユニット40を備えている。
図1は室外アンテナ20の取り付け位置を示し、本実施形態では自動車11の前方のボンネット13内と後方のトランク14内の中央部にそれぞれ1箇所ずつ(20D,20I)、前後左右のドア15付近にそれぞれ1箇所ずつ(20A,20B、20F,20G)、前後左右の車輪16付近に夫々1箇所ずつ(20C,20E、20H,20J)、計10個の室外アンテナ20(20A〜20I)を取り付けている。
各室外アンテナ20は、それぞれの通信可能領域Rが隣り合う室外アンテナ20の通信可能領域Rと重なるように、所定間隔を空けて取り付けている。
該室外アンテナ20は、乗員12が携帯機として所持しているキーレスエントリーシステムのカードキー50からの信号を順次受信可能としている。
図2は室内アンテナ30の取り付け位置を示し、本実施形態では自動車11の室内のうち運転席、助手席付近のインスツルメントパネル17の内部、後方左右の座席付近のピラー部内に計4つの室内アンテナ30(30K〜30N)を取り付けている。各室内アンテナ30の取り付け位置は、隣り合う室内アンテナ30の通信可能領域Rがそれぞれ重なる必要はないが、乗員12が各座席に着座した場合にカードキー50との間で無線通信可能な位置に取り付けている。
制御ユニット40はインスツルメンツパネル17内に配置しており、図3に示すように、各室外アンテナ20、室内アンテナ30と接続して信号を送受信すると共に、エンジン53を始動させるエンジン始動機構51、ドアロック54を解除するドアロック解除機構52と接続している。
制御ユニット40は、送受信部41と、処理部42と、記憶部43と、信号送信部44を備えている。
送受信部41は送受信用ポートであり、各室外アンテナ20および室内アンテナ30と接続して信号の送受信を行っている。
記憶部43は処理部42と接続しており、RAMなどのメモリからなる。後述する図6(A)に示す乗員12の自動車11への近接経路パターンPと着座経路パターンQとを記載した表Tを記憶している。また、処理部42が検知した近接経路および着座経路を記憶して蓄積している。
処理部42は送受信部41と接続しておりCPUからなる。カードキー50からの信号を順次受信した室外アンテナ20および室内アンテナ30を検知して乗員12の自動車11への近接経路および着座経路とすると共に、記憶部43から読み出した近接経路パターンPおよび着座経路パターンQと、検知した近接経路および着座経路とを比較して同一か否かを判定する。また、学習機能を有し、検知した近接経路および着座経路を元にして近接経路パターンPおよび着座経路パターンQの設定を変更する。
信号送信部44はエンジン53を始動させるエンジン始動機構51およびドアロック54を解除するドアロック解除機構52と接続しており、処理部42が記憶部43から読み出した近接経路パターンPおよび着座経路パターンQと、検知した近接経路および着座経路が同一であると判定した場合に、エンジン53の始動信号をエンジン始動機構51へ送信し、ドアロック解除機構52にドアロック54の解除信号を送信している。
また、記憶部43にはダイアグノーシス55が外付けで取り付け可能としており、近接経路パターンPおよび着座経路パターンQをダイアグノーシス55から記憶部43に予め設定している。
次に、近接経路パターンPおよび着座経路パターンQのフォーマットについて説明する。
例えば、図4に示すように、自動車11の乗員12は、日常的に自動車11への近接経路として、自動車11の後方から左側方、前方を通り、また、大型車などの着座経路として助手席のドアから車内に入り運転席へ移動して乗車しているとする。
乗員12は制御ユニット40の記憶部に外付けしたダイアグノーシス55に、前記自動車11への近接経路を近接経路パターンP、着座経路を着座経路パターンQを図6(A)に示すように入力して、予め記憶部43に設定しておく。
詳細には、例えば、乗員12は日常的に自動車11の後方から左側方、前方を通るので、室外アンテナ20は20E→20F→20G→20H→20I→20J→20Aの順にカードキー50の信号を受信する
ここで、各室外アンテナ20のカードキー50の信号の受信の有無を2進数で表すと図6(B)のように示すことができる。カードキー50の信号を受信する室外アンテナ20は20E、20F、20G、20H、20I、20J、20Aなので、これらの室外アンテナ20の値を加算することで、図6(C)のように近接経路パターンを「1000111111」と表すことができる。すなわち、近接経路パターンPは、乗員12の移動に従ってカードキー50を検知する室外アンテナ20を示している。
同様に、着座経路についても、室内アンテナ30の受信の有無を2進数で表すと図6(D)となり、例えばカードキー50の信号を受信する室内アンテナ30は30N、30Kなので、これらの室内アンテナ30の値を加算して図6(E)のように表すことができ、これを着座経路パターンQとしている。なお、運転する乗員12は最終的に必ず運転席に着座するため、着座経路パターンQは必ず運転席付近に設けた室内アンテナ30Kを含むものとする。
なお、図6では室外アンテナ20A〜20JをA〜Jと表示し、室内アンテナ30K〜30NをK〜Nと表示している。
また、記憶部43への近接経路パターンPおよび着座経路パターンQの設定は、ダイアグノーシス55ではなく、制御ユニット40のケース表面に設けた操作スイッチ(図示せず)等を用いて行ってもよい。また、ディーラー等で予め行っていてもよい。
図7に車両用遠隔始動装置10の動作のフローチャートを示す。
まず、ステップS10に示すように、カードキー50を携帯する乗員が自動車に近接して、室外アンテナ20の受信範囲に入ると、カードキー50の発信する信号を室外アンテナ20が受信する。
ステップS11では、カードキー50からの信号に受信する室外アンテナ20の順序に基づいて、処理部42が乗員12の近接経路を検知する。即ち、乗員12が自動車に近接移動するに従い、カードキー50の信号を室外アンテナ20は、20E→20F→20G→20H→20I→20J→20Aの順で受信していく。
前述したように、処理部42は、カードキー50の信号を受信した室外アンテナ20を二進数で表し、乗員12の近接経路「1000111111」を検知する。
なお、室外アンテナ20の通信可能領域Rはそれぞれ重なっているので、複数の室外アンテナ20がカードキー50の信号を受信することがあるが、処理部42は最も強い信号を受信した室外アンテナ20を選択して近接経路とする。
ステップS12では、記憶部43に記憶させた近接経路パターンPを処理部42に読み込んでいる。
ステップS13では、処理部42は読み込んだ近接経路パターンPと、検知した近接経路が同一か否かを判定している。同一である場合はS14に進み、同一でない場合はフローチャートを終了する。
ステップS14では、処理部42は乗員12が自動車11を運転する意思があるものと判断し、処理部42は信号送信部44に指令を出し、信号送信部44はドアロック解除機構52にドアロック54の解除信号を発信する。
ステップS15では、乗員12が自動車11の室内に乗車した場合に、カードキー50の信号を室内アンテナ30が受信している。
ステップS16では、処理部42が着座経路を検知している。例えば、乗員12が助手席のドアから車内に入り運転席へ移動して乗車していると、室内アンテナ30は30N→30Kの順にカードキー50の信号を受信するため、この受信した室内アンテナ30を着座経路として検出する。即ち、着座経路は「1001」として表される。
ステップS17では、記憶部43に記憶させた着座経路パターンQを処理部42に読み込んでいる。
ステップS18では、処理部42は読み込んだ着座経路パターンQと、検知した着座経路が同一か否かを判定している。同一である場合はS19に進み、同一でない場合はフローチャートを終了する。
ステップS19では、検知した着座経路が着座経路パターンQと同一であるため、処理部42は乗員12が自動車11を運転する意思があるものと判断し、処理部42は信号送信部44に指令を出し、信号送信部44はエンジン始動機構51にエンジン53の始動信号を発信する。
さらに、前記のように近接経路パターンPと着座経路パターンQを乗員が予め設定するだけでなく、あるいは予め設定したパターンと異なるパターンをとる場合に、処理部42の学習機能で、近接経路パターンPおよび着座経路パターンQとを設定および変更できるようにしている。
即ち、処理部42は検知した近接経路および着座経路を、検知するたびに記憶部43に記憶していく。この記憶した過去の近接経路のうち、同一の近接経路であって、既に記憶部43に設定されている近接経路パターンPと異なる近接経路が所定回数以上含まれている場合には、該近接経路を新たな近接経路パターンPとして記憶部43に設定する。
例えば、直近に検知した近接経路10回分のうち、7回以上同じ近接経路で乗員12が自動車11に近接した場合、該近接経路を新たな近接経路パターンPとして記憶部43に設定する。
本実施形態によれば、乗員12の所持するカードキー50の信号を室内アンテナ30と室外アンテナ20で受信し、自動車11への近接経路および着座経路を検知し、検出した近接経路や着座経路が予め定めた近接経路パターンPおよび着座経路パターンQと一致する場合には、乗員12に自動車11の運転意思があると判断し、エンジン53を自動で始動させている。乗員12は自らイグニッションキーやボタン等を操作してエンジン53を始動させる必要がなく、またドアロック54の解除を行う必要がないため、操作の手間を省くことができる。
なお、本実施形態では着座経路の例として助手席から運転席に移動可能な自動車11を考えたが、自動車11のドアが1つしかない等必ず運転席側のドアから乗車する自動車11に本発明を適用する場合には、室内アンテナ30を運転席近傍にのみ設けてもよい。即ち、室内には運転席近傍の室内アンテナ30Kのみを設け、着座経路として室内アンテナ30Kがカードキー50の信号を受信したか否かだけを検知する。室内アンテナ30が乗員12を検知すると、処理部42はエンジン53を自動で始動させる。
また、本実施形態では記憶部43に予め近接経路パターンPおよび着座経路パターンQを設定すると共に処理部42に学習機能を備えているが、記憶部43には予め近接経路パターンPおよび着座経路パターンQを設定せず、学習機能により近接経路パターンPおよび着座経路パターンQを設定してもよい。この場合、学習機能は近接経路および着座経路を複数回検知することが必要であるため、近接経路パターンPおよび着座経路パターンQが記憶部43に設定されるまでは、乗員12が手動でドアロック54の解除およびエンジン53の始動を行うこととなる。
さらに、本実施形態では、複数の室外アンテナ20および室内アンテナ30がカードキー50の信号を受信した場合に、処理部42は最も強い信号を受信した室外アンテナ20を選択して近接経路としているが、複数の室外アンテナ20および室内アンテナ30がカードキー50の信号を受信したことを反映させる近接経路の設定としてもよい。
例えば、室外アンテナ20Jと20Aの両方がカードキー50の信号を受信する場合、図6(B)を用いて、この状態を20J+20A=1000000001で表すとする。室外アンテナ20のカードキー50の信号受信が20E→20F→20G→20H→20I→20J+20A→20Aであれば、各室外アンテナ20の状態を10進数に直し、X=(32、16、8、4、2、513、1)と表せる。
該Xを近接経路パターンPとし,Yを検知した近接経路とすると、|X−Y|(各要素ごとに減算して二乗和をとる)を計算する。該計算の結果が0のときに検知した近接経路(Y)と近接経路パターンP(X)が一致したとみなすことができ、ドアロック54の解除を行うことができる。着座経路と着座経路パターンQにおいても同様である。
この場合、処理部42での学習は検知した近接経路(Y)を用いて、式(1)を行い新規に計算した近接経路パターンP(X)を記憶部43に設定すればよい。なお、βは0.1程度が好ましい。
X(新規の近接経路パターンP)=α・X(近接経路パターンP)+β・Y(検知した近接経路)(ただし、α+β=1)・・・式(1)
図8乃至図11は本発明の第2実施形態を示す。
1台の自動車11を複数の乗員12が運転する場合、乗員12ごとに異なるIDを有するカードキー50を所持しており、該カードキー50は室外アンテナ20および室内アンテナ30との信号の送受信の際に、カードキー50のIDも同時に送信している。また、乗員12によって自動車11に近接する経路が異なっている。
本実施形態では3人の乗員12A〜12CがそれぞれID1、ID2、ID3のカードキー50A〜50Cを所持しており、例えば図8および図9に示すように、乗員12Aは第1実施形態と同様の近接経路および着座経路とし、乗員12Bは自動車11の後方から右側方を通って運転席に乗車し、乗員12Cは右前方から前方を通って運転席に乗車している。
前記制御ユニット40の記憶部43は、図10に示すように、カードキー50のID1〜ID3に対応する乗員12の近接経路パターンPおよび着座経路パターンQを示した表Tを記憶している。
第2実施形態の車両用遠隔始動装置10の動作を図11に示す。
ステップS21では室外アンテナ20がカードキー50の発信する信号を受信すると共に、カードキー50のIDも受信している。
ステップS11で近接経路を検知した後、ステップS22で、記憶部43に記憶された表Tからカードキー50のIDに応じた近接経路パターンPを読み出す。
ステップS13、ステップS14は第1実施形態と同様であり、近接経路パターンPと近接経路を比較して、一致すればドアロック54の解除信号を発信する。
さらに、ステップS23では、室内アンテナ30がカードキー50の発信する信号を受信すると共に、カードキー50のIDも受信している。なお、本ステップではIDを受信せず、ステップS21で受信したIDを用いてもよい。
ステップS16で着座経路を検知した後、ステップS24で記憶部43に記憶された表Tからカードキー50のIDに応じた着座経路パターンQを読み出す。
ステップS18、ステップS19は第1実施形態と同様であり、着座経路パターンQと着座経路を比較して、一致すればエンジン53の始動信号を発信する。
本実施形態によれば、複数の乗員12が、乗員12ごとに異なる近接経路および着座経路で自動車11に近接しても、各乗員12の近接経路として記憶された近接経路パターンPおよび着座経路パターンQを記憶部43から読み出して乗員12の近接経路および着座経路を比較することができる。
なお、他の構成および作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
また、第2実施形態ではカードキー50が備えるIDを用いて乗員12の特定を行っているが、ICカード化した運転免許証(図示せず)が備えるID情報を用いてもよい。カードキー50に運転免許証の差込口を設け、該差込口に運転免許証を差し込むことで運転免許証のID情報をカードキー50が読み取る。携帯機と室外アンテナ20および室内アンテナ30が無線通信して近接経路等の検出を行う際に、ICカード化した運転免許証に記載されたID情報も同時に送信することで、制御ユニット40は乗員12の特定を行い、各乗員12の近接経路として記憶された近接経路パターン等と乗員の近接経路等を比較することができる。
図12および図13は本発明の第3実施形態を示す。
乗員12は携帯機としてカードキー50とともに携帯電話56を所持している。また、自動車11の屋根部に携帯電話識別アンテナ21を設けており、該携帯電話識別アンテナ21は制御ユニット40の送受信部41と接続している。また、記憶部43には、各乗員12の所持する携帯電話56の識別IDにそれぞれ対応する乗員12の近接経路パターンPおよび着座経路パターンQを示した、図10と同様の表Tを記憶している。
乗員12が所有する携帯電話56の電波を携帯電話識別アンテナ21で受信することで、処理部42は各携帯電話56の識別IDを取得し、記憶部43に記憶された表Tから携帯電話56のIDに応じた近接経路パターンPを読み出す。
本実施形態であっても、各乗員12の近接経路として記憶された近接経路パターンPおよび着座経路パターンQと、室外アンテナ20等で検知した近接経路および着座経路を比較することができる。
なお、他の構成および作用効果は第2実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
図14は本発明の第4実施形態を示す。
第1実施形態では、室外アンテナ20等で検知した近接経路および着座経路と予め設定した近接経路パターンPおよび着座経路パターンQが一致した場合に、乗員12に運転意思があるとしてドアロック54の解除とエンジン53の始動を行っていたが、第4実施形態では乗員12の近接経路および着座経路が近接経路パターンP及び着座経路パターンQと完全に一致しなくても、近接経路パターンP及び着座経路パターンQに近い経路であれば、乗員12に運転意思があると判断している。
室外アンテナ20等で検知した近接経路および着座経路と、記憶部43に設定した近接経路パターンP及び着座経路パターンQとの比較判定の方法を説明する。
まず、各室外アンテナ20(20A〜20J)を例えば図14(A)のようなベクトルで表す。各室外アンテナ20には適宜数字を割り当てており、隣り合うように配置された室外アンテナ20は、割り当てた数字の差が小さくなるようにし、遠くに配置された室外アンテナ20同士では、割り当てた数字の差が大きくなるようにしている。
室外アンテナ20のカードキー50の信号受信が20E→20F→20G→20H→20I→20J→20Aであれば、各室外アンテナ20の要素を順に並べ、図14(B)と表し、記憶部43にはXを近接経路パターンPとして設定する。
また、処理部42では室外アンテナ20で検知した近接経路をXと同様にYとして表すと共に、近接経路パターンP(X)を記憶部43から読み出し、|X−Y|(各要素ごとに減算して二乗和をとる)を計算する。該計算の結果が所定の閾値以下の場合には、近接経路(Y)は近接経路パターンP(X)と経路が近いと判断してドアロック54の解除等を行う。閾値の設定により、近さの判定基準を変化させることができる。
なお、着座経路と着座経路パターンQについても、同様の方法で判定を行うことができる。
乗員12の自動車11への近接経路および着座経路は毎回完全に同じではなく、自動車11から多少離れた経路を歩いたりまた近い経路を歩いたりすることで、カードキー50の信号を受信する室外アンテナ20及び室内アンテナ30にずれが生じる場合がある。本実施形態によれば、室外アンテナ20及び室内アンテナ30が検知した近接経路および着座経路が、近接経路パターンP及び着座経路パターンQと完全に一致しなくても乗員12に運転意思があると判断しているので、乗員12の自動車11への近接経路等の検知時に多少のずれが生じても、エンジン53始動やドアロック54の解除を行うことができる。
なお、他の構成および作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
本発明の車両用遠隔始動装置の第1実施形態の室外アンテナの取り付け図である。 室内アンテナの取り付け図である。 車両用遠隔始動装置の構成を示すブロック図である。 乗員の近接経路を示す図である。 乗員の着座経路を示す図である。 近接経路パターンおよび着座経路パターンの説明図である。 車両用遠隔始動装置の動作を示すフローチャートである。 第2実施形態の乗員の近接経路を示す図である。 第2実施形態の乗員の着座経路を示す図である。 近接経路パターンおよび着座経路パターンの説明図である。 車両用遠隔始動装置の動作を示すフローチャートである。 第3実施形態の室内アンテナおよび携帯電話識別アンテナの取り付け図である。 第3実施形態の構成を示すブロック図である。 第4実施形態の説明図である。
符号の説明
10 車両用遠隔始動装置
11 自動車
20(20A〜20I) 室外アンテナ
30(30K〜30N) 室内アンテナ
40 制御ユニット
42 処理部
43 記憶部
44 信号送信部
50 カードキー
51 エンジン始動機構
52 ドアロック解除機構
56 携帯電話
P 近接経路パターン
Q 着座経路パターン

Claims (5)

  1. 自動車の車体の外周部に間隔をあけて取り付けられ、該自動車へ近接する乗員の所持する携帯機からの信号を順次受信可能とした複数の室外アンテナと、
    自動車の室内の所要箇所に取り付けられ、前記乗員が所持する携帯機からの信号を順次受信可能とした室内アンテナと、
    前記室外アンテナと室内アンテナと接続されると共に車内に搭載される制御ユニットを備え、
    該制御ユニットは、
    前記室外アンテナで順次受信した信号から乗員の自動車への近接経路を判別すると共に室内アンテナで運転席への着座経路を判別する処理部と、
    前記処理部と接続され、予め前記乗員の前記自動車への近接経路パターンと着座経路パターンとを記憶する記憶部と、
    前記乗員の自動車への近接経路が前記記憶部に記憶された近接経路パターンであると認識した時にドアロック解除信号をドアロック解除機構に前記信号送信部から発信すると共に、着座経路パターンと同一であると判定した場合に、エンジンの始動信号をエンジン始動機構へ発信する信号送信部と、
    を備えていることを特徴とする車両用遠隔始動装置。
  2. 前記制御ユニットの記憶部で記憶する近接経路パターンおよび着座経路パターンは、予め設定可能であると共に、前記室外アンテナおよび室内アンテナによる検出信号の蓄積により自動的に設定および変更されるものである請求項1に記載の車両用遠隔始動装置。
  3. 前記携帯機は、キーレスエントリーシステムのカードキーである請求項1または請求項2に記載の車両用遠隔始動装置。
  4. 前記制御ユニットの記憶部は、複数の異なるIDを有する前記カードキー毎に近接経路パターンおよび着座経路パターンを記憶している請求項3に記載の車両用遠隔始動装置。
  5. 前記携帯機は前記カードキーとともに所持される携帯電話あるいはICカード化した運転免許証を含み、前記携帯電話あるいはICカード化した運転免許証からなる乗員を特定し、各乗員毎に前記近接経路パターンおよび着座経路パターンが前記制御ユニットの記憶部に記憶されている請求項3または請求項4に記載の車両用遠隔始動装置。
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