JP2008157188A - 排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】尿素水の供給が制限されるような排気流量の増大する運転領域においても良好にNOxを浄化することが可能な排気浄化装置を提供する。
【解決手段】エンジン1の排気通路20に、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒46と、アンモニア選択還元型NOx触媒46の上流側の排気中に尿素水を供給する尿素水供給手段50と、アンモニア選択還元型NOx触媒46の上流側の排気中にHCを供給するHC供給手段50又は76とを設け、アンモニア選択還元型NOx触媒46によるNOxの浄化に必要な目標供給量の尿素水がアンモニア選択還元型NOx触媒46に供給されるように尿素水供給手段50を制御し、目標供給量が所定の上限量を上回るときには、尿素水の供給に追加してHCを供給するようにHC供給手段50又は76を制御する。
【選択図】図2
【解決手段】エンジン1の排気通路20に、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒46と、アンモニア選択還元型NOx触媒46の上流側の排気中に尿素水を供給する尿素水供給手段50と、アンモニア選択還元型NOx触媒46の上流側の排気中にHCを供給するHC供給手段50又は76とを設け、アンモニア選択還元型NOx触媒46によるNOxの浄化に必要な目標供給量の尿素水がアンモニア選択還元型NOx触媒46に供給されるように尿素水供給手段50を制御し、目標供給量が所定の上限量を上回るときには、尿素水の供給に追加してHCを供給するようにHC供給手段50又は76を制御する。
【選択図】図2
Description
本発明はエンジンの排気を浄化するための排気浄化装置に関し、特に排気中に供給された尿素水から生成されるアンモニアを還元剤として排気中のNOxを還元浄化するアンモニア選択還元型NOx触媒を備えた排気浄化装置に関する。
エンジンの排気中に含まれる汚染物質の1つであるNOx(窒素酸化物)を浄化するための排気浄化装置として、エンジンの排気通路にアンモニア選択還元型NOx触媒を配設し、還元剤としてアンモニアをアンモニア選択還元型NOx触媒に供給することにより、排気中のNOxを浄化するようにした排気浄化装置が開発され、例えば特許文献1などによって提案されている。
このような排気浄化装置では、アンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中に尿素水を供給し、この尿素水が排気の熱により加水分解して生じたアンモニアがアンモニア選択還元型NOx触媒に供給される。アンモニア選択還元型NOx触媒に供給されたアンモニアは一旦アンモニア選択還元型NOx触媒に吸着し、このアンモニアと排気中のNOxとの間の脱硝反応がアンモニア選択還元型NOx触媒によって促進されることによりNOxの浄化が行われる。
このときの尿素水供給量は、排気中のNOxをアンモニア選択還元型NOx触媒における脱硝反応によってN2に変換する上で必要となる量であり、排気中に含まれるNOxの量に応じて定まるものであることから、例えばエンジンの回転数や吸入空気量、及びエンジンの運転のために消費された燃料量などからエンジンの排気流量を求め、この排気流量やエンジンの排気温度などに応じて設定される。このため、エンジンの排気流量が大きく増大する高負荷高回転領域においては、これに対応して排気中に供給される尿素水の量も増大することになる。
特開2003−343241号公報
ところが、このようなエンジンの高負荷高回転領域において尿素水が大量に排気中に供給されると、尿素水の特性により尿素水が排気中で十分に気化せず、変質し固体化して排気通路内に付着し、尿素水を排気中に供給するための噴射ノズルや排気通路に堆積する。
このため、堆積した尿素水の変質物が尿素水の噴射ノズルを閉塞して、必要な量の尿素水を供給することができなくなるという問題が生じる。また、このような問題の発生を防止するために尿素水の供給量に制限を設けると、アンモニア選択還元型NOx触媒に供給されるアンモニアの量が不足してNOxを十分に浄化にすることができないという問題が生じる。
このため、堆積した尿素水の変質物が尿素水の噴射ノズルを閉塞して、必要な量の尿素水を供給することができなくなるという問題が生じる。また、このような問題の発生を防止するために尿素水の供給量に制限を設けると、アンモニア選択還元型NOx触媒に供給されるアンモニアの量が不足してNOxを十分に浄化にすることができないという問題が生じる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、尿素水の供給が制限されるような排気流量の増大する運転領域においても良好にNOxを浄化することが可能な排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の排気浄化装置は、エンジンの排気通路に配設され、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒と、上記アンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中に尿素水を供給する尿素水供給手段と、上記アンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中にHCを供給するHC供給手段と、上記エンジンの運転状態に応じて求めた、上記アンモニア選択還元型NOx触媒によるNOxの浄化に必要な目標供給量の尿素水が上記アンモニア選択還元型NOx触媒に供給されるように上記尿素水供給手段を制御し、上記目標供給量が所定の上限量を上回るときには、上記尿素水供給手段からの尿素水の供給に追加してHCを供給するように上記HC供給手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする(請求項1)。
このように構成された排気浄化装置によれば、エンジンの運転状態に応じて求めた、アンモニア選択還元型NOx触媒でのNOxの浄化に必要な目標供給量の尿素水が尿素水供給手段からアンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中に供給される。排気中に供給された尿素水が排気の熱により加水分解して生じたアンモニアは、排気と共にアンモニア選択還元型NOx触媒に供給され、一旦アンモニア選択還元型NOx触媒に吸着する。そして、このアンモニアと排気中のNOxとの間の脱硝反応がアンモニア選択還元型NOx触媒によって促進されることによりNOxの浄化が行われる。
このとき、尿素水の目標供給量が所定の上限量を上回る場合には、尿素水供給手段からの尿素水供給に追加して、HC供給手段からアンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中にHCが供給される。
また、上記排気浄化装置において、上記アンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の上記排気通路に配設され、排気中のパティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタと、上記パティキュレートフィルタの上流側の上記排気通路に配設された前段酸化触媒とを備え、上記HC供給手段は、上記パティキュレートフィルタと上記アンモニア選択還元型NOx触媒との間の排気中にHCを供給することを特徴とする(請求項2)。
また、上記排気浄化装置において、上記アンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の上記排気通路に配設され、排気中のパティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタと、上記パティキュレートフィルタの上流側の上記排気通路に配設された前段酸化触媒とを備え、上記HC供給手段は、上記パティキュレートフィルタと上記アンモニア選択還元型NOx触媒との間の排気中にHCを供給することを特徴とする(請求項2)。
このように構成された排気浄化装置によれば、パティキュレートフィルタによりエンジンの排気中に含まれるパティキュレートが捕集される。パティキュレートフィルタに堆積したパティキュレートは、排気中のHC(炭化水素)やCO(一酸化炭素)が前段酸化触媒において酸化することによる排気温度の上昇や、排気中のNO(一酸化窒素)が前段酸化触媒で酸化されて発生したNO2(二酸化窒素)が酸化剤としてパティキュレートフィルタに供給されることにより焼却除去される。
一方、尿素水供給手段からアンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中に尿素水を供給する際に、尿素水の目標供給量が所定の上限量を上回る場合には、パティキュレートフィルタとアンモニア選択還元型NOx触媒との間の排気中にHCが供給される。
排気中に供給されたHCはアンモニア選択還元型NOx触媒に流入し、アンモニア選択還元型NOx触媒のもとで還元剤として機能することにより、尿素水から生成されたアンモニアでは浄化しきれなかったNOxを還元して浄化する。
排気中に供給されたHCはアンモニア選択還元型NOx触媒に流入し、アンモニア選択還元型NOx触媒のもとで還元剤として機能することにより、尿素水から生成されたアンモニアでは浄化しきれなかったNOxを還元して浄化する。
また、上記排気浄化装置において、上記アンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の上記排気通路に配設され、排気中のパティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタと、上記パティキュレートフィルタの上流側の上記排気通路に配設され、HCを還元剤として排気中のNOxを選択還元するHC選択還元型NOx触媒とを備え、上記HC供給手段は、上記パティキュレートフィルタの上流側の排気中にHCを供給することを特徴とする(請求項3)。
このように構成された排気浄化装置によれば、パティキュレートフィルタによりエンジンの排気中に含まれるパティキュレートが捕集される。パティキュレートフィルタに堆積したパティキュレートは、HC選択還元型NOx触媒が酸化触媒として機能することにより、排気中のHCやCOの酸化による排気温度の上昇や、排気中のNOの酸化により発生したNO2が酸化剤としてパティキュレートフィルタに供給されることにより焼却除去される。
一方、尿素水供給手段からアンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中に尿素水を供給する際に、尿素水の目標供給量が所定の上限量を上回る場合には、HC供給手段からHC供給手段から供給されたHCは、還元剤としてHC選択還元型NOx触媒におけるNOxの選択還元に使用される。この結果、HC選択還元型NOx触媒から流出してアンモニア選択還元型NOx触媒に流入する排気中のNOxが減少する。
こうしてNOxの減少した排気は、尿素水供給手段から供給された尿素水から生成されるアンモニアと共にアンモニア選択還元型NOx触媒に流入し、アンモニアを還元剤としてアンモニア選択還元型NOx触媒のもとで選択還元され浄化される。
また、以上のような排気浄化装置のいずれかにおいて、上記エンジンの排気流量を検出する排気流量検出手段を更に備え、上記制御手段は、上記排気流量検出手段によって検出された上記排気流量に応じ、上記尿素水の供給に追加して上記HC供給手段から供給するHCの供給量を設定することを特徴とする(請求項4)。
また、以上のような排気浄化装置のいずれかにおいて、上記エンジンの排気流量を検出する排気流量検出手段を更に備え、上記制御手段は、上記排気流量検出手段によって検出された上記排気流量に応じ、上記尿素水の供給に追加して上記HC供給手段から供給するHCの供給量を設定することを特徴とする(請求項4)。
このように構成された排気浄化装置によれば、尿素水供給手段からアンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中に尿素水を供給する際に、尿素水の目標供給量が所定の上限量を上回る場合には、排気流量検出手段によって検出された排気流量に応じた量のHCが、HC供給手段からアンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中に供給される。
更に、以上のような排気浄化装置のいずれかにおいて、上記制御手段は、上記目標供給量が上記上限量を上回るときに、上記尿素水供給手段からの尿素水の供給量を上記上限量に保持することを特徴とする(請求項5)。
更に、以上のような排気浄化装置のいずれかにおいて、上記制御手段は、上記目標供給量が上記上限量を上回るときに、上記尿素水供給手段からの尿素水の供給量を上記上限量に保持することを特徴とする(請求項5)。
このように構成された排気浄化装置によれば、尿素水供給手段からアンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中に尿素水を供給する際に、尿素水の目標供給量が所定の上限量を上回る場合には、尿素水供給手段から供給される尿素水の量が上記上限量に保持されると共に、HC供給手段からHCがアンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中に供給される。
本発明の排気浄化装置によれば、エンジンの運転状態に応じて求めた、アンモニア選択還元型NOx触媒でのNOxの浄化に必要な尿素水の目標供給量が所定の上限量を上回る場合には、尿素水供給手段からの尿素水の供給に追加して、HC供給手段からアンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中にHCが供給される。
従って、HC供給手段から排気中に供給されたHCがアンモニア選択還元型NOx触媒に流入する場合には、このHCがアンモニア選択還元型NOx触媒のもとで還元剤として機能することにより、尿素水供給手段から供給された尿素水から生成されたアンモニアでは浄化しきれなかったNOxを還元して浄化することができる。
従って、HC供給手段から排気中に供給されたHCがアンモニア選択還元型NOx触媒に流入する場合には、このHCがアンモニア選択還元型NOx触媒のもとで還元剤として機能することにより、尿素水供給手段から供給された尿素水から生成されたアンモニアでは浄化しきれなかったNOxを還元して浄化することができる。
この結果、大きな排気流量となる高負荷高回転域のような運転領域でエンジンが運転されている場合であっても、尿素水が変質して固形物が発生することのないように尿素水の供給量を制限しながら、エンジンから大気中へのNOxの排出を良好に抑制することが可能となる。
また、HC供給手段から排気中に供給したHCをアンモニア選択還元型NOx触媒に流入させる代わりに、例えばHC選択還元型NOx触媒などのようにHCを還元剤としてNOxを還元して浄化することが可能な触媒をアンモニア選択還元型NOx触媒の上流側に設け、尿素水の目標供給量が所定の上限量を上回る場合には、アンモニア選択還元型NOx触媒の上流側に設けた触媒にHC供給手段から供給されたHCを流入させることもできる。
また、HC供給手段から排気中に供給したHCをアンモニア選択還元型NOx触媒に流入させる代わりに、例えばHC選択還元型NOx触媒などのようにHCを還元剤としてNOxを還元して浄化することが可能な触媒をアンモニア選択還元型NOx触媒の上流側に設け、尿素水の目標供給量が所定の上限量を上回る場合には、アンモニア選択還元型NOx触媒の上流側に設けた触媒にHC供給手段から供給されたHCを流入させることもできる。
このようにした場合には、HC供給手段から供給されたHCを還元剤として、アンモニア選択還元型NOx触媒の上流側に設けた触媒のもとで排気中のNOxを還元してアンモニア選択還元型NOx触媒に流入する排気中のNOxを低減することが可能となる。この結果、大きな排気流量となる高負荷高回転域のような運転領域でエンジンが運転されている場合であっても、尿素水が変質して固形物が発生することのないように尿素水の供給量を制限しながら、エンジンから大気中へのNOxの排出を良好に抑制することが可能となる。
また、請求項2の排気浄化装置によれば、排気中のパティキュレートを捕集するためにパティキュレートフィルタがアンモニア選択還元型NOx触媒の上流側に配設されると共に、パティキュレートフィルタの再生を行うためにパティキュレートフィルタの上流側に前段酸化触媒が配設される。そして、アンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中に尿素水を供給する際に、尿素水の目標供給量が所定の上限量を上回る場合には、パティキュレートフィルタとアンモニア選択還元型NOx触媒との間の排気中にHC供給手段からHCが供給される。
従って、HC供給手段から排気中に供給されたHCを、前段酸化触媒で無駄に消費されることなくアンモニア選択還元型NOx触媒に流入させ、HCを還元剤としてアンモニア選択還元型NOx触媒で排気中のNOxを選択還元して浄化することが可能となる。この結果、大きな排気流量となる高負荷高回転域のような運転領域でエンジンが運転されている場合であっても、尿素水が変質して固形物が発生することのないように尿素水の供給量を制限しながら、無駄にHCを消費せずに効率良くエンジンから大気中へのNOxの排出を抑制することが可能となる。
また、請求項3の排気浄化装置によれば、排気中のパティキュレートを捕集するためにパティキュレートフィルタがアンモニア選択還元型NOx触媒の上流側に配設されると共に、パティキュレートフィルタの上流側にHC選択還元型NOx触媒が配設される。
従って、パティキュレートフィルタに堆積したパティキュレートは、HC選択還元型NOx触媒を酸化触媒として機能させることにより、パティキュレートフィルタから除去することが可能となる。
従って、パティキュレートフィルタに堆積したパティキュレートは、HC選択還元型NOx触媒を酸化触媒として機能させることにより、パティキュレートフィルタから除去することが可能となる。
また、アンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中に尿素水を供給する際に、尿素水の目標供給量が所定の上限量を上回る場合は、HC供給手段からHC選択還元型NOx触媒の上流側に供給されたHCが、還元剤としてHC選択還元型NOx触媒におけるNOxの選択還元に使用される。
従って、HC選択還元型NOx触媒から流出してアンモニア選択還元型NOx触媒に流入する排気中のNOxが減少する。この結果、大きな排気流量となる高負荷高回転域のような運転領域でエンジンが運転されている場合であっても、尿素水が変質して固形物が発生することのないように尿素水の供給量を制限しながら、エンジンから大気中へのNOxの排出を良好に抑制することが可能となる。
従って、HC選択還元型NOx触媒から流出してアンモニア選択還元型NOx触媒に流入する排気中のNOxが減少する。この結果、大きな排気流量となる高負荷高回転域のような運転領域でエンジンが運転されている場合であっても、尿素水が変質して固形物が発生することのないように尿素水の供給量を制限しながら、エンジンから大気中へのNOxの排出を良好に抑制することが可能となる。
更に、請求項4の排気浄化装置によれば、アンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中に尿素水を供給する際に、尿素水の目標供給量が所定の上限量を上回る場合には、排気流量に応じた量のHCがアンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中に供給される。
従って、尿素水供給手段によって供給された尿素水から発生したアンモニアのみでは十分に浄化できないNOxを、良好に還元して浄化することが可能な量のHCがHC供給手段から供給可能となる。この結果、大きな排気流量となる高負荷高回転域のような運転領域でエンジンが運転されている場合であっても、尿素水が変質して固形物が発生することのないように尿素水の供給量を制限しながら、エンジンから大気中へのNOxの排出をより一層良好且つ確実に抑制することが可能となる。
従って、尿素水供給手段によって供給された尿素水から発生したアンモニアのみでは十分に浄化できないNOxを、良好に還元して浄化することが可能な量のHCがHC供給手段から供給可能となる。この結果、大きな排気流量となる高負荷高回転域のような運転領域でエンジンが運転されている場合であっても、尿素水が変質して固形物が発生することのないように尿素水の供給量を制限しながら、エンジンから大気中へのNOxの排出をより一層良好且つ確実に抑制することが可能となる。
更に、請求項5の排気浄化装置によれば、アンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中に尿素水を供給する際に、尿素水の目標供給量が所定の上限量を上回る場合には、尿素水供給手段から供給される尿素水の量が上記上限量に保持されると共に、HC供給手段からHCがアンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中に供給される。
従って、大きな排気流量となる高負荷高回転域のような運転領域でエンジンが運転されて尿素水の供給量を制限しなければならない場合に、アンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアによるNOx浄化効率を最大限得ることが可能となる。この結果、尿素水が変質して固形物が発生することのないように尿素水の供給量を制限しながら、エンジンから大気中へのNOxの排出をより一層良好に抑制することができる。
従って、大きな排気流量となる高負荷高回転域のような運転領域でエンジンが運転されて尿素水の供給量を制限しなければならない場合に、アンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアによるNOx浄化効率を最大限得ることが可能となる。この結果、尿素水が変質して固形物が発生することのないように尿素水の供給量を制限しながら、エンジンから大気中へのNOxの排出をより一層良好に抑制することができる。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る排気浄化装置が適用される4気筒のディーゼルエンジン(以下、エンジンという)のシステム構成図を示しており、図1に基づき本発明に係る排気浄化装置の構成を説明する。
エンジン1は各気筒共通の高圧蓄圧室(以下コモンレールという)2を備えており、図示しない燃料噴射ポンプから供給されてコモンレール2に蓄えられた高圧の燃料である軽油を、各気筒に設けられたインジェクタ4に供給し、各インジェクタ4からそれぞれの気筒内に軽油が噴射される。
図1は、本発明の一実施形態に係る排気浄化装置が適用される4気筒のディーゼルエンジン(以下、エンジンという)のシステム構成図を示しており、図1に基づき本発明に係る排気浄化装置の構成を説明する。
エンジン1は各気筒共通の高圧蓄圧室(以下コモンレールという)2を備えており、図示しない燃料噴射ポンプから供給されてコモンレール2に蓄えられた高圧の燃料である軽油を、各気筒に設けられたインジェクタ4に供給し、各インジェクタ4からそれぞれの気筒内に軽油が噴射される。
吸気通路6にはターボチャージャ8が装備されており、図示しないエアクリーナから吸入された吸気は、吸気通路6からターボチャージャ8のコンプレッサ8aへと流入し、コンプレッサ8aで過給された吸気はインタークーラ10及び吸気制御弁12を介して吸気マニホールド14に導入される。また、吸気通路6のコンプレッサ8aより上流側には、エンジン1への吸入空気流量を検出するための吸気量センサ16が設けられている。
一方、エンジン1の各気筒から排気が排出される排気ポート(図示せず)は、排気マニホールド18を介して排気管(排気通路)20に接続されている。なお、排気マニホールド18と吸気マニホールド14との間には、EGR弁22を介して排気マニホールド18と吸気マニホールド14とを連通するEGR通路24が設けられている。
排気管20はターボチャージャ8のタービン8bを経た後、排気絞り弁26を介して排気後処理装置28に接続されている。また、タービン8bの回転軸はコンプレッサ8aの回転軸と連結されており、タービン8bが排気管20内を流動する排気を受けてコンプレッサ8aを駆動するようになっている。
排気管20はターボチャージャ8のタービン8bを経た後、排気絞り弁26を介して排気後処理装置28に接続されている。また、タービン8bの回転軸はコンプレッサ8aの回転軸と連結されており、タービン8bが排気管20内を流動する排気を受けてコンプレッサ8aを駆動するようになっている。
排気後処理装置28は、上流側ケーシング30と、上流側ケーシング30の下流側に連通路32で連通された下流側ケーシング34とで構成される。上流側ケーシング30内には、前段酸化触媒36が収容されると共に、この前段酸化触媒36の下流側にはパティキュレートフィルタ(以下フィルタという)38が収容されている。フィルタ38は、排気中のパティキュレートを捕集することによりエンジン1の排気を浄化するために設けられる。
フィルタ38はハニカム型のセラミック体からなり、上流側と下流側とを連通する通路が多数並設されると共に、通路の上流側開口と下流側開口とが交互に閉鎖されており、エンジン1の排気が内部を流通することによって排気中のパティキュレートを捕集する。
前段酸化触媒36は排気中のNOを酸化させてNO2を生成するので、このように前段酸化触媒36とフィルタ38とを配置することにより、フィルタ38に捕集され堆積しているパティキュレートは、前段酸化触媒36から供給されたNO2と反応して酸化し、フィルタ38の連続再生が行われるようになっている。
前段酸化触媒36は排気中のNOを酸化させてNO2を生成するので、このように前段酸化触媒36とフィルタ38とを配置することにより、フィルタ38に捕集され堆積しているパティキュレートは、前段酸化触媒36から供給されたNO2と反応して酸化し、フィルタ38の連続再生が行われるようになっている。
前段酸化触媒36とフィルタ38との間には、フィルタ38の入口側の排気温度を検出する排気温センサ40と、フィルタ38上流側の排気圧力を検出する上流圧力センサ42とが設けられている。また、フィルタ38の下流側には、フィルタ38下流側の排気圧力を検出する下流圧力センサ44が設けられている。
一方、下流側ケーシング34内には、排気中のアンモニアを吸着し、吸着したアンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元して浄化するアンモニア選択還元型NOx触媒46が収容されると共に、このNOx触媒46の下流側にはアンモニア選択還元型NOx触媒46から流出したアンモニアを酸化してN2とするための後段酸化触媒48が収容されている。
一方、下流側ケーシング34内には、排気中のアンモニアを吸着し、吸着したアンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元して浄化するアンモニア選択還元型NOx触媒46が収容されると共に、このNOx触媒46の下流側にはアンモニア選択還元型NOx触媒46から流出したアンモニアを酸化してN2とするための後段酸化触媒48が収容されている。
この後段酸化触媒48は、後述するフィルタ38の強制再生でパティキュレートが焼却される際に発生するCOを酸化し、CO2として大気中に排出する機能も有している。
また、連通路32には、連通路32内の排気中に尿素水を噴射供給する噴射ノズル50が設けられており、尿素水の供給量を調整する尿素水噴射装置52から噴射ノズル50に対して尿素水が供給されるようになっている。従って、噴射ノズル50及び尿素水噴射装置52が本発明の尿素水供給手段に相当する。
また、連通路32には、連通路32内の排気中に尿素水を噴射供給する噴射ノズル50が設けられており、尿素水の供給量を調整する尿素水噴射装置52から噴射ノズル50に対して尿素水が供給されるようになっている。従って、噴射ノズル50及び尿素水噴射装置52が本発明の尿素水供給手段に相当する。
噴射ノズル50から噴射された尿素水は、排気の熱により加水分解してアンモニアとなり、アンモニア選択還元型NOx触媒46に供給される。アンモニア選択還元型NOx触媒46は供給されたアンモニアを吸着し、吸着したアンモニアと排気中のNOxとの脱硝反応を促進することにより、NOxを浄化して無害なN2とする。
このとき、アンモニアがNOxと反応せずにNOx触媒46から流出した場合には、このアンモニアが後段酸化触媒48によって酸化され、N2またはNOxとなる。ここで生成されるNOxは後段酸化触媒48に流入するアンモニアと反応してN2になるので、後段酸化触媒48に流入するアンモニアは無害なN2となって大気中に放出されるようになっている。
このとき、アンモニアがNOxと反応せずにNOx触媒46から流出した場合には、このアンモニアが後段酸化触媒48によって酸化され、N2またはNOxとなる。ここで生成されるNOxは後段酸化触媒48に流入するアンモニアと反応してN2になるので、後段酸化触媒48に流入するアンモニアは無害なN2となって大気中に放出されるようになっている。
更に、連通路32には、燃料噴射ポンプから供給された燃料を連通路32内の排気中に噴射する第1燃料添加弁(HC供給手段)54が設けられている。この燃料添加弁54からの燃料供給については後述するが、噴射ノズル50から排気中に供給される尿素水の供給状態に応じ、アンモニア選択還元型NOx触媒46上流側の排気中に燃料を噴射することにより、アンモニア選択還元型NOx触媒46にHCを供給する。
下流側ケーシング34内のアンモニア選択還元型NOx触媒46と後段酸化触媒48との間には、NOx触媒46の出口側の排気温度を検出する出口側温度センサ56が設けられている。
また、排気絞り弁26の上流側の排気管20には、燃料噴射ポンプから供給された燃料を排気管20内の排気中に噴射する第2燃料添加弁58が設けられている。
また、排気絞り弁26の上流側の排気管20には、燃料噴射ポンプから供給された燃料を排気管20内の排気中に噴射する第2燃料添加弁58が設けられている。
この第2燃料添加弁58は、フィルタ38の強制再生が必要となったときに排気中に燃料を噴射することにより、前段酸化触媒36にHC及びCOを供給し、前段酸化触媒36におけるHC及びCOの酸化により高温となった排気をフィルタ38に供給してフィルタ38の昇温を行うものである。
ECU(制御手段)60は、エンジン1の運転制御をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置であり、CPU、メモリ、タイマカウンタなどから構成され、様々な制御量の演算を行うと共に、その制御量に基づき各種デバイスの制御を行っている。
ECU(制御手段)60は、エンジン1の運転制御をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置であり、CPU、メモリ、タイマカウンタなどから構成され、様々な制御量の演算を行うと共に、その制御量に基づき各種デバイスの制御を行っている。
ECU60の入力側には、各種制御に必要な情報を収集するため、上述した吸気流量センサ16、排気温センサ40、上流圧力センサ42、下流圧力センサ44及び出口側温度センサ56のほか、エンジン1の回転数を検出する回転数センサ62、及び図示しないアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ64などの各種センサ類が接続されている。また、ECU60の出力側には、演算した制御量に基づき制御が行われる各気筒のインジェクタ4、吸気制御弁12、EGR弁22、排気絞り弁26、尿素水噴射装置52、第1燃料添加弁54及び第2燃料添加弁58などの各種デバイス類が接続されている。
エンジン1の各気筒への燃料供給量の演算、及び演算した燃料供給量に基づくインジェクタ4からの燃料供給制御もECU60によって行われる。エンジン1の運転に必要な燃料供給量(主噴射量)は、回転数センサ62によって検出されたエンジン1の回転数とアクセル開度センサ64によって検出されたアクセル開度とに基づき、予め記憶しているマップから読み出して決定する。各気筒に供給される燃料の量は、インジェクタ4の開弁時間によって調整され、決定された燃料量に対応した駆動時間で各インジェクタ4が開弁駆動され、各気筒に主噴射が行われることにより、エンジン1の運転に必要な量の燃料が供給される。
ECU60は、このような各気筒への燃料供給制御のほか、フィルタ38を強制再生して機能回復させるための制御も行う。
フィルタ38に堆積したパティキュレートは、前述したようにして前段酸化触媒36を用いた連続再生により酸化除去される。しかしながら、エンジン1の排気温度が低い運転状態、例えばアイドル運転などのように低回転低負荷運転では排気温度が前段酸化触媒36の活性化温度まで上昇せず、排気中のNOが酸化されずにフィルタ38の連続再生が十分行われない場合がある。このような状態が継続すると、フィルタ38内にパティキュレートが過剰に堆積し、フィルタ38が目詰まりを起こすおそれがあるため、フィルタ38におけるパティキュレートの堆積状況に応じて、適宜フィルタ38を昇温し強制再生を行うことにより、フィルタ38の排気浄化機能を維持するようにしている。
フィルタ38に堆積したパティキュレートは、前述したようにして前段酸化触媒36を用いた連続再生により酸化除去される。しかしながら、エンジン1の排気温度が低い運転状態、例えばアイドル運転などのように低回転低負荷運転では排気温度が前段酸化触媒36の活性化温度まで上昇せず、排気中のNOが酸化されずにフィルタ38の連続再生が十分行われない場合がある。このような状態が継続すると、フィルタ38内にパティキュレートが過剰に堆積し、フィルタ38が目詰まりを起こすおそれがあるため、フィルタ38におけるパティキュレートの堆積状況に応じて、適宜フィルタ38を昇温し強制再生を行うことにより、フィルタ38の排気浄化機能を維持するようにしている。
パティキュレートの堆積状況は、フィルタ38の上流側及び下流側にそれぞれ設けられた上流圧力センサ42及び下流圧力センサ44や吸気量センサ16の検出値などに基づき推定され、フィルタ38へのパティキュレート堆積量が所定量に達したと判断したときに強制再生の制御が開始される。
この強制再生制御では、排気温センサ40が検出したフィルタ38に流入する排気の温度に基づき、吸気制御弁12や排気絞り弁26を閉方向に制御して排気温度を上昇させると共に、第2燃料添加弁58から排気中に燃料を供給し、フィルタ38に流入する排気の温度を上昇させて、フィルタ38に堆積したパティキュレートを焼却することが可能な温度までフィルタ38を昇温する。
この強制再生制御では、排気温センサ40が検出したフィルタ38に流入する排気の温度に基づき、吸気制御弁12や排気絞り弁26を閉方向に制御して排気温度を上昇させると共に、第2燃料添加弁58から排気中に燃料を供給し、フィルタ38に流入する排気の温度を上昇させて、フィルタ38に堆積したパティキュレートを焼却することが可能な温度までフィルタ38を昇温する。
即ち、第2燃料添加弁58から排気中に供給された燃料のHCは前段酸化触媒36に達し、前段酸化触媒36でのHCの酸化反応によって更に温度が上昇した高温の排気がフィルタ38内に流入する。フィルタ38に堆積したパティキュレートは、このようにして高温となった排気により焼却され、フィルタ38が強制再生される。
このように構成された排気浄化装置では、ECU60がアンモニア選択還元型NOx触媒46で排気中のNOxを選択還元するために必要な尿素水の目標供給量を求め、この目標供給量に基づき尿素水噴射装置52を制御することにより、噴射ノズル50からアンモニア選択還元型NOx触媒46上流側の排気中に尿素水が供給される。
このように構成された排気浄化装置では、ECU60がアンモニア選択還元型NOx触媒46で排気中のNOxを選択還元するために必要な尿素水の目標供給量を求め、この目標供給量に基づき尿素水噴射装置52を制御することにより、噴射ノズル50からアンモニア選択還元型NOx触媒46上流側の排気中に尿素水が供給される。
噴射ノズル50から噴射された尿素水は、前述したように、排気の熱により加水分解してアンモニアとなり、アンモニア選択還元型NOx触媒46に供給される。アンモニア選択還元型NOx触媒46は供給されたアンモニアを吸着し、吸着したアンモニアと排気中のNOxとの脱硝反応を促進することにより、NOxを浄化して無害なN2とする。
このような尿素水の供給によるNOxの浄化を適正に行うため、ECU60は尿素水供給制御を行うが、以下ではECU60による尿素水供給制御の詳細を図面に基づき説明する。
このような尿素水の供給によるNOxの浄化を適正に行うため、ECU60は尿素水供給制御を行うが、以下ではECU60による尿素水供給制御の詳細を図面に基づき説明する。
図2は、本実施形態においてECU60が行う尿素水供給制御に対応したECU60の機能構成図である。
尿素水供給制御を行うため、図2に示すようにECU60では吸気量センサ16、回転数センサ62及び排気温センサ40の各検出値のほか、ECU60内で演算された主噴射の燃料噴射量が使用される。
尿素水供給制御を行うため、図2に示すようにECU60では吸気量センサ16、回転数センサ62及び排気温センサ40の各検出値のほか、ECU60内で演算された主噴射の燃料噴射量が使用される。
排気流量検出部(排気流量検出手段)66は、吸気量センサ16が検出したエンジン1の吸入空気量、回転数センサ62が検出したエンジン1の回転数及びECU60内で演算された主噴射の燃料噴射量に基づいて演算を行うことにより、エンジン1の排気流量を検出する。
目標供給量設定部68では、排気流量検出部66で検出された排気流量と排気温センサ40によって検出された排気温度とに基づき、エンジン1から排出されるNOxをアンモニア選択還元型NOx触媒46で選択還元するために必要な尿素水供給量を求め、これを尿素水の目標供給量として設定する。
目標供給量設定部68では、排気流量検出部66で検出された排気流量と排気温センサ40によって検出された排気温度とに基づき、エンジン1から排出されるNOxをアンモニア選択還元型NOx触媒46で選択還元するために必要な尿素水供給量を求め、これを尿素水の目標供給量として設定する。
尿素水の目標供給量は排気流量に応じて予めマップに記憶されており、このようなマップが排気温度に応じて複数用意されている。従って、目標供給量設定部66では排気温センサ40によって検出された排気温度に応じてマップを選択し、選択したマップから排気流量検出部66で検出された排気流量に対応した目標供給量を読み出す。
図3の上段には、このとき使用されるマップの一例として、排気流量と尿素水の目標供給量との関係を示す。図3に示すように、本実施形態では排気流量に対して比例的に尿素水の目標供給量が設定されるようになっている。
図3の上段には、このとき使用されるマップの一例として、排気流量と尿素水の目標供給量との関係を示す。図3に示すように、本実施形態では排気流量に対して比例的に尿素水の目標供給量が設定されるようになっている。
尿素水供給制御部70は、目標供給量設定部68で設定された目標供給量を受け取り、この目標供給量が予め設定されている尿素水の上限量Qumax以下の場合には、この目標供給量の尿素水が噴射ノズル50からアンモニア選択還元型NOx触媒46上流側の排気中に供給されるよう、尿素水噴射装置52を制御する。
この上限量Qumaxは、大量の尿素水が排気中に供給された場合の、尿素水の変質による固形物の堆積を実質的に生じることのない上限の供給量に対応するものとして、予め実験等によって求められ記憶しているものである。
この上限量Qumaxは、大量の尿素水が排気中に供給された場合の、尿素水の変質による固形物の堆積を実質的に生じることのない上限の供給量に対応するものとして、予め実験等によって求められ記憶しているものである。
噴射ノズル50から供給された尿素水は、排気の熱により加水分解してアンモニアとなり、アンモニア選択還元型NOx触媒46に流入する。アンモニア選択還元型NOx触媒46は供給されたアンモニアを吸着し、吸着したアンモニアと排気中のNOxとの脱硝反応を促進することにより、NOxを浄化して無害なN2とする。このとき尿素水は、目標供給量設定部68によって設定された目標供給量に従い、エンジン1から排出されるNOxをアンモニア選択還元型NOx触媒46で選択還元するために必要な供給量に調整されているので、尿素水の加水分解によって生じたアンモニアは過不足なく良好にNOxを選択還元することができる。
一方、尿素水の目標供給量が上限量Qumaxを上回る場合、尿素水供給制御部70は尿素水の供給量を上限量Qumaxに保持すると共に、燃料供給制御部72に対し第1燃料添加弁54から排気中への燃料供給を行うよう指示する。燃料供給制御部72は、尿素水供給制御部70からの指示を受け、排気流量検出部66で検出された排気流量と、排気温センサ40によって検出された排気温度とに基づき、第1燃料添加弁54から供給すべき燃料量を求め、求められた供給量の燃料がアンモニア選択還元型NOx触媒46上流側の排気中に供給されるよう、第1燃料添加弁54を制御する。
なお、尿素水の目標供給量が上限量Qumaxを上回るような排気流量となるエンジン1の運転領域は高負荷高回転領域であって、例えば図4に示すエンジン1の最大出力点であるA点を含んで斜線で示す領域となる。
第1燃料添加弁54からの燃料供給量は、排気流量に応じて予めマップに記憶されており、このようなマップが排気温度に応じて複数用意されている。従って、燃料供給制御部72では排気温センサ40によって検出された排気温度に応じてマップを選択し、選択したマップから排気流量検出部66で検出された排気流量に対応した燃料の供給量を読み出す。
第1燃料添加弁54からの燃料供給量は、排気流量に応じて予めマップに記憶されており、このようなマップが排気温度に応じて複数用意されている。従って、燃料供給制御部72では排気温センサ40によって検出された排気温度に応じてマップを選択し、選択したマップから排気流量検出部66で検出された排気流量に対応した燃料の供給量を読み出す。
図3の下段には、このとき使用されるマップの一例として、排気流量と燃料の供給量との関係を示す。本実施形態の場合、図3に示すように、第1燃料添加弁54からの燃料供給量は、目標供給量設定部68において排気流量に応じて設定される尿素水の目標供給量が上限量Qumaxに達する排気流量Qexより大きい排気流量の領域において、排気流量に対して比例的に設定されるようになっている。即ち、図3の中段に示すように、尿素水の目標供給量が上限量Qumaxに達し、噴射ノズル50からの実際の尿素水の供給量である実供給量が上限量Qumaxに保持されると、その後は排気流量の増大に伴い、排気流量に対して比例的に増加する量の燃料が噴射ノズル50から供給される尿素水に追加されて、第1燃料添加弁54からアンモニア選択還元型NOx触媒46上流側の排気中に供給される。
このように尿素水の供給量が上限量Qumaxに制限されることにより、アンモニア選択還元型NOx触媒46に供給されるアンモニアについては排気中のNOxを選択還元するために必要な量を確保することができない。しかしながら、第1燃料添加弁54から排気中に供給された燃料のHCがアンモニア選択還元型NOx触媒46に供給され、このHCがアンモニア選択還元型NOx触媒46において還元剤として機能することにより、アンモニアだけでは十分に選択還元されなかったNOxが還元されてN2となる。このため、アンモニア選択還元型NOx触媒46によるNOxの良好な浄化を維持することが可能となる。
なお、HCを還元剤としてNOxが還元可能なアンモニア選択還元型NOx触媒46としては、例えばゼオライト系のアンモニア選択還元型NOx触媒が知られている。
このように、尿素水の目標供給量が上限量Qumaxを上回る場合には、尿素水の実供給量が上限量Qumaxに制限されるので、排気中に供給された大量の尿素水の一部が変質して固形物が堆積することにより生じる不具合を防止することができる。
このように、尿素水の目標供給量が上限量Qumaxを上回る場合には、尿素水の実供給量が上限量Qumaxに制限されるので、排気中に供給された大量の尿素水の一部が変質して固形物が堆積することにより生じる不具合を防止することができる。
また、尿素水の目標供給量が上限量Qumaxに達する排気流量Qexよりも排気流量が増大した場合には、上限量Qumaxに保持される尿素水に追加してアンモニア選択還元型NOx触媒46上流側の排気中に燃料を供給するようにしたので、アンモニアだけでは十分に選択還元されないNOxが、アンモニア選択還元型NOx触媒46のもとでHCを還元剤として還元され、エンジン1の排気特性を良好に維持することが可能となる。
このとき供給される燃料の量は排気流量が多いほど多く設定されるため、アンモニアだけでは十分に選択還元されないNOxの量に対応した適正な量の燃料を供給し、過不足のないHCによりNOxを良好に還元し浄化することができる。
更に、尿素水の目標供給量が上限量Qumaxを上回る場合には、尿素水の実供給量が上限量Qumaxに保持されるが、アンモニア選択還元型NOx触媒46はHCを還元剤とした場合よりもアンモニアを還元剤とした場合の方がNOxの浄化効率が高い。従って、尿素水が変質して固形物が発生することのないように尿素水の供給量を制限しながら、エンジン1から大気中へのNOxの排出を最大限の浄化効率で抑制することができる。
更に、尿素水の目標供給量が上限量Qumaxを上回る場合には、尿素水の実供給量が上限量Qumaxに保持されるが、アンモニア選択還元型NOx触媒46はHCを還元剤とした場合よりもアンモニアを還元剤とした場合の方がNOxの浄化効率が高い。従って、尿素水が変質して固形物が発生することのないように尿素水の供給量を制限しながら、エンジン1から大気中へのNOxの排出を最大限の浄化効率で抑制することができる。
上記実施形態では、排気流量が増大して尿素水の目標供給量が上限量Qumaxを上回る場合に、第1燃料添加弁54によりアンモニア選択還元型NOx触媒46上流側の排気中に燃料を供給するようにしたが、排気中への燃料の供給、及び供給された燃料によるNOxの浄化の方法については、これに限られるものではない。そこで、上記実施形態の変形例の排気浄化装置を図面に基づき以下に説明する。
この変形例では、ターボチャージャ8のタービン8bより下流側の排気管20及び排気後処理装置28’における構成が上記実施形態と相違しており、その他の部分における構成は上記実施形態と同様に図1に示すとおりである。従って、ここでは上記実施形態と同一の部材については同一の符号を付して上記実施形態と相違する部分を中心に説明し、上記実施形態と重複する部分については説明を省略する。
図5は、本変形例の排気浄化装置における排気後処理装置28’及びその周辺の構成図である。
上記実施形態と同様に、排気後処理装置28’は、上流側ケーシング30と、上流側ケーシング30の下流側に連通路32で連通された下流側ケーシング34とで構成される。そして、上流側ケーシング30内には、上記実施形態の前段酸化触媒36に代えて、HC選択還元型NOx触媒74が収容されると共に、このHC選択還元型NOx触媒74の下流側にはパティキュレートフィルタ(以下フィルタという)38が収容されている。
上記実施形態と同様に、排気後処理装置28’は、上流側ケーシング30と、上流側ケーシング30の下流側に連通路32で連通された下流側ケーシング34とで構成される。そして、上流側ケーシング30内には、上記実施形態の前段酸化触媒36に代えて、HC選択還元型NOx触媒74が収容されると共に、このHC選択還元型NOx触媒74の下流側にはパティキュレートフィルタ(以下フィルタという)38が収容されている。
HC選択還元型NOx触媒74は、上記実施形態の前段酸化触媒36としても機能するものであって、排気中のNOを酸化させてNO2を生成する。フィルタ38に捕集され堆積しているパティキュレートは、HC選択還元型NOx触媒74から供給されたNO2と反応して酸化し、フィルタ38の連続再生が行われるようになっている。
HC選択還元型NOx触媒74とフィルタ38との間には、上記実施形態と同様に、フィルタ38の入口側の排気温度を検出する排気温センサ40と、フィルタ38上流側の排気圧力を検出する上流圧力センサ42とが設けられている。また、フィルタ38の下流側には、フィルタ38下流側の排気圧力を検出する下流圧力センサ44が設けられている。
HC選択還元型NOx触媒74とフィルタ38との間には、上記実施形態と同様に、フィルタ38の入口側の排気温度を検出する排気温センサ40と、フィルタ38上流側の排気圧力を検出する上流圧力センサ42とが設けられている。また、フィルタ38の下流側には、フィルタ38下流側の排気圧力を検出する下流圧力センサ44が設けられている。
下流側ケーシング34内には、上記実施形態と同様に、アンモニア選択還元型NOx触媒46が収容されると共に、このNOx触媒46の下流側に後段酸化触媒48が収容されている。
また、連通路32には、連通路32内の排気中に尿素水を噴射供給する噴射ノズル50が設けられており、尿素水の供給量を調整する尿素水噴射装置52から噴射ノズル50に対して尿素水が供給されるようになっている。噴射ノズル50及び尿素水噴射装置52についても上記実施形態と同様である。
また、連通路32には、連通路32内の排気中に尿素水を噴射供給する噴射ノズル50が設けられており、尿素水の供給量を調整する尿素水噴射装置52から噴射ノズル50に対して尿素水が供給されるようになっている。噴射ノズル50及び尿素水噴射装置52についても上記実施形態と同様である。
更に、下流側ケーシング34内のアンモニア選択還元型NOx触媒46と後段酸化触媒48との間には、NOx触媒46の出口側の排気温度を検出する出口側温度センサ56が設けられている。
排気絞り弁26の上流側の排気管20には、燃料噴射ポンプから供給された燃料を排気管20内の排気中に噴射する燃料添加弁(HC供給手段)76が設けられている。この燃料添加弁76は、機構的には上記実施形態の第2燃料添加弁58と同様のものであるが、本変形例では上記実施形態の第1燃料添加弁54及び第2燃料添加弁58の両機能を併せ持っている。
排気絞り弁26の上流側の排気管20には、燃料噴射ポンプから供給された燃料を排気管20内の排気中に噴射する燃料添加弁(HC供給手段)76が設けられている。この燃料添加弁76は、機構的には上記実施形態の第2燃料添加弁58と同様のものであるが、本変形例では上記実施形態の第1燃料添加弁54及び第2燃料添加弁58の両機能を併せ持っている。
従って、この燃料添加弁76は、フィルタ38の強制再生が必要となったときに排気中に燃料を噴射することにより、HC選択還元型NOx触媒74にHC及びCOを供給し、HC選択還元型NOx触媒74が酸化触媒として機能することによりHC及びCOが酸化して高温となった排気をフィルタ38に供給してフィルタ38の昇温を行う。この結果、フィルタ38に堆積したパティキュレートが焼却除去されてフィルタ38の強制再生が行われる。
このように構成された本変形例の排気浄化装置では、上記実施形態と同様にして、ECU60がアンモニア選択還元型NOx触媒46で排気中のNOxを選択還元するために必要な尿素水の目標供給量を求め、この目標供給量に基づき尿素水噴射装置52を制御することにより、噴射ノズル50からアンモニア選択還元型NOx触媒46上流側の排気中に尿素水が供給される。
噴射ノズル50から噴射された尿素水は、前述したように、排気の熱により加水分解してアンモニアとなり、アンモニア選択還元型NOx触媒46に供給される。アンモニア選択還元型NOx触媒46は供給されたアンモニアを吸着し、吸着したアンモニアと排気中のNOxとの脱硝反応を促進することにより、NOxを浄化して無害なN2とする。
ECU60による尿素水の目標供給量の設定及び目標供給量に応じた噴射ノズル50による尿素水の供給は上記実施形態と同様にして行われる。
ECU60による尿素水の目標供給量の設定及び目標供給量に応じた噴射ノズル50による尿素水の供給は上記実施形態と同様にして行われる。
従って、上記実施形態と同様にして目標供給量設定部68によって設定された尿素水の目標供給量が上限量Qumax以下の場合には、この目標供給量の尿素水が噴射ノズル50からアンモニア選択還元型NOx触媒46上流側の排気中に供給されるよう、尿素水供給制御部70が尿素水噴射装置52を制御する。
噴射ノズル50から供給された尿素水は、排気の熱により加水分解してアンモニアとなり、アンモニア選択還元型NOx触媒46に流入する。アンモニア選択還元型NOx触媒46に流入したアンモニアが還元剤をして機能することにより、NOxが無害なN2となって浄化されるのは上述したとおりである。このとき尿素水は、目標供給量設定部68によって設定された目標供給量に従い、エンジン1から排出されるNOxをアンモニア選択還元型NOx触媒46で選択還元するために必要な供給量に調整されているので、尿素水の加水分解によって生じたアンモニアは過不足なく良好にNOxを選択還元することができる。
噴射ノズル50から供給された尿素水は、排気の熱により加水分解してアンモニアとなり、アンモニア選択還元型NOx触媒46に流入する。アンモニア選択還元型NOx触媒46に流入したアンモニアが還元剤をして機能することにより、NOxが無害なN2となって浄化されるのは上述したとおりである。このとき尿素水は、目標供給量設定部68によって設定された目標供給量に従い、エンジン1から排出されるNOxをアンモニア選択還元型NOx触媒46で選択還元するために必要な供給量に調整されているので、尿素水の加水分解によって生じたアンモニアは過不足なく良好にNOxを選択還元することができる。
一方、尿素水の目標供給量が上限量Qumaxを上回る場合、尿素水供給制御部70は尿素水の供給量を上限量Qumaxに保持すると共に、燃料供給制御部72に対し燃料添加弁76から排気中への燃料供給を行うよう指示する。燃料供給制御部72は、尿素水供給制御部70からの指示を受け、排気流量検出部66で検出された排気流量と、排気温センサ40によって検出された排気温度とに基づき、燃料添加弁76から供給すべき燃料量を求め、求められた供給量の燃料がHC選択還元型NOx触媒74上流側、即ちアンモニア選択還元型NOx触媒46の上流側の排気中に供給されるよう、燃料添加弁76を制御する。
このように、尿素水の目標供給量が上限量Qumaxを上回る場合に、アンモニア選択還元型NOx触媒46の上流側の排気中に燃料を供給する燃料添加弁が上記実施形態とは異なっている。このため、本変形例では燃料供給制御部72の制御対象が燃料添加弁76となる。
燃料添加弁76からHC選択還元型NOx触媒74上流側の排気中に供給された燃料のHCは排気と共にHC選択還元型NOx触媒74に流入し、HC選択還元型NOx触媒74は供給されたHCを還元剤としたNOxとの選択還元を促進することにより、NOxを浄化して無害なN2とする。
燃料添加弁76からHC選択還元型NOx触媒74上流側の排気中に供給された燃料のHCは排気と共にHC選択還元型NOx触媒74に流入し、HC選択還元型NOx触媒74は供給されたHCを還元剤としたNOxとの選択還元を促進することにより、NOxを浄化して無害なN2とする。
このとき、燃料添加弁76からの燃料供給量は、上記実施形態と同じく図3の下段に示すように排気流量に対して比例的に設定されるので、排気流量が上限量Qumaxに対応した排気流量Qexを上回って多くなるほど多くの燃料が燃料添加弁76から供給される。従って、尿素水の供給量が上限量Qumaxに制限されることによって供給された尿素水から得られるアンモニアだけでは浄化できなくなるNOxを、燃料添加弁76から供給される燃料のHCを還元剤としてHC選択還元型NOx触媒74のもとで予め選択還元して浄化しておくことができる。
この結果、燃料添加弁76から供給される燃料のHCを還元剤としてHC選択還元型NOx触媒74のもとで行われるNOxの選択還元と、噴射ノズル50から供給される尿素水から発生したアンモニアを還元剤としてアンモニア選択還元型NOx触媒46のもとで行われるNOxの選択還元とにより、排気中のNOxを適正に浄化してエンジン1の排気特性を良好に維持することが可能となる。
また、このとき供給される燃料の量は、上述したように排気流量が多いほど多く設定されるため、アンモニアだけでは十分に選択還元されないNOxの量に対応した適正な量の燃料を供給し、過不足のないHCによりNOxを良好に還元し浄化することができる。
更に、上記実施形態と同様に、尿素水の目標供給量が上限量Qumaxを上回る場合には、尿素水の実供給量が上限量Qumaxに制限されるので、排気中に供給された大量の尿素水の一部が変質して固形物が堆積することにより生じる不具合を防止することができる。
更に、上記実施形態と同様に、尿素水の目標供給量が上限量Qumaxを上回る場合には、尿素水の実供給量が上限量Qumaxに制限されるので、排気中に供給された大量の尿素水の一部が変質して固形物が堆積することにより生じる不具合を防止することができる。
更にまた、本変形例においても、尿素水の目標供給量が上限量Qumaxを上回る場合には尿素水の実供給量が上限量Qumaxに保持されるので、上記実施形態と同様に、尿素水が変質して固形物が発生することのないように尿素水の供給量を制限しながら、エンジンから大気中へのNOxの排出を最大限の浄化効率で抑制することができる。
以上で本発明の一実施形態に係る排気浄化装置についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以上で本発明の一実施形態に係る排気浄化装置についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、上流側ケーシング30内に前段酸化触媒36及びフィルタ38を設けるようにしたが、排気中のパティキュレートが少量であってフィルタ38によって捕集する必要のない場合などのように、前段酸化触媒36及びフィルタ38を設けないものであってもよい。同様に、上記変形例においても、フィルタ38は必要に応じて設ければよく、本発明の実施に必須のものではない。
また、上記実施形態及び変形例では、アンモニア選択還元型NOx触媒46下流側に後段酸化触媒48を設けるようにしたが、この後段酸化触媒48についても必要に応じて設けるようにすればよく、本発明の実施に必須のものではない。
更に、上記実施形態及び変形例では、排気流量に対して比例的に尿素水の目標供給量を設定するようにしたが、排気流量と目標供給量との関係はこれに限られるものではなく、エンジン1の特性やアンモニア選択還元型NOx触媒の特性などに応じ、適正なNOxの浄化が行われるように適宜変更が可能である。また、尿素水の目標供給量は排気流量以外のエンジン1の運転状態に応じて設定するようにしてもよく、従来より知られている様々な方法を採用することが可能である。
更に、上記実施形態及び変形例では、排気流量に対して比例的に尿素水の目標供給量を設定するようにしたが、排気流量と目標供給量との関係はこれに限られるものではなく、エンジン1の特性やアンモニア選択還元型NOx触媒の特性などに応じ、適正なNOxの浄化が行われるように適宜変更が可能である。また、尿素水の目標供給量は排気流量以外のエンジン1の運転状態に応じて設定するようにしてもよく、従来より知られている様々な方法を採用することが可能である。
更に、尿素水の目標供給量が上限量Qumaxを上回る場合に供給される燃料の供給量についても、上記実施形態及び変形例では排気流量に対して比例的に設定したが、燃料の供給量と排気流量との関係はこれに限定されるものではなく、アンモニアだけでは浄化しきれないNOxが適正に浄化されるよう、実質的に排気流量の増大に応じて燃料の供給量が増大するように設定されればよい。
また、上記実施形態及び変形例では、尿素水の目標供給量が上限量Qumaxを上回る場合に尿素水の実供給量を上限量Qumaxに保持するようにしたが、必ずしも実供給量を上限量Qumaxに保持する必要はないが、排気中に供給されたの尿素水の変質を防止する上では尿素水の実供給量が上限量Qumaxを上回らないように尿素水の供給量を調整するのが好ましい。但し、NOxの浄化効率を最大限確保するためには尿素水の実供給量を上限量Qumaxに保持するのが望ましい。
更に、上記実施形態及び変形例では、エンジン1を4気筒のディーゼルエンジンとしたが、エンジンの形式はこれに限定されるものではない。
1 エンジン
20 排気管(排気通路)
36 前段酸化触媒
38 パティキュレートフィルタ
46 アンモニア選択還元型NOx触媒
50 噴射ノズル(尿素水供給手段)
52 尿素水噴射装置(尿素水供給手段)
54 第1燃料添加弁(HC供給手段)
60 ECU(制御手段)
66 排気流量検出部(排気流量検出手段)
74 HC選択還元型NOx触媒
76 燃料添加弁(HC供給手段)
20 排気管(排気通路)
36 前段酸化触媒
38 パティキュレートフィルタ
46 アンモニア選択還元型NOx触媒
50 噴射ノズル(尿素水供給手段)
52 尿素水噴射装置(尿素水供給手段)
54 第1燃料添加弁(HC供給手段)
60 ECU(制御手段)
66 排気流量検出部(排気流量検出手段)
74 HC選択還元型NOx触媒
76 燃料添加弁(HC供給手段)
Claims (5)
- エンジンの排気通路に配設され、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒と、
上記アンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中に尿素水を供給する尿素水供給手段と、
上記アンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の排気中にHCを供給するHC供給手段と、
上記エンジンの運転状態に応じて求めた、上記アンモニア選択還元型NOx触媒によるNOxの浄化に必要な目標供給量の尿素水が上記アンモニア選択還元型NOx触媒に供給されるように上記尿素水供給手段を制御し、上記目標供給量が所定の上限量を上回るときには、上記尿素水供給手段からの尿素水の供給に追加してHCを供給するように上記HC供給手段を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする排気浄化装置。 - 上記アンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の上記排気通路に配設され、排気中のパティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタと、
上記パティキュレートフィルタの上流側の上記排気通路に配設された前段酸化触媒とを備え、
上記HC供給手段は、上記パティキュレートフィルタと上記アンモニア選択還元型NOx触媒との間の排気中にHCを供給することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。 - 上記アンモニア選択還元型NOx触媒の上流側の上記排気通路に配設され、排気中のパティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタと、
上記パティキュレートフィルタの上流側の上記排気通路に配設され、HCを還元剤として排気中のNOxを選択還元するHC選択還元型NOx触媒とを備え、
上記HC供給手段は、上記HC選択還元型NOx触媒の上流側の排気中にHCを供給することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。 - 上記エンジンの排気流量を検出する排気流量検出手段を更に備え、
上記制御手段は、上記排気流量検出手段によって検出された上記排気流量に応じ、上記尿素水の供給に追加して上記HC供給手段から供給するHCの供給量を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の排気浄化装置。 - 上記制御手段は、上記目標供給量が上記上限量を上回るときに、上記尿素水供給手段からの尿素水の供給量を上記上限量に保持することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の排気浄化装置。
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-
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- 2006-12-26 JP JP2006349641A patent/JP2008157188A/ja not_active Withdrawn
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