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JP2008153046A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】赤外線センサにより被加熱物の温度を的確に検知できる誘導加熱調理器を提供すること。
【解決手段】被加熱物を載置して加熱するための加熱部を有し光を透過する天板の下方に赤外線を検知する赤外線センサと発光体を配置し、被加熱物から放射される赤外線を赤外線センサに導くための導光筒を設けた。また、被加熱物から放射される赤外線を導光筒に導くための赤外線入射領域35aを天板に設け、発光体から出射された光を赤外線入射領域35aの少なくとも一部に設けられた光拡散層76に照射して発光させることにより赤外線領域35aを視認できるようにした。
【選択図】図8

Description

本発明は、被加熱物を誘導加熱するとともに赤外線センサにより被加熱物の温度を制御する誘導加熱調理器に関する。
従来の誘導加熱調理器は、加熱コイルの中央に赤外線センサを配置し、赤外線センサからの出力に応じて制御手段によりインバータ回路を制御して加熱コイルの出力を制御している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−38660号公報
しかしながら、上記構成の誘導加熱調理器は、空の(被調理物が収容されていない)被加熱物を加熱すると、最も磁束密度が高く加熱時の発熱が大きい加熱コイルの外周と内周の間の中間部が急激に温度上昇するため、熱伝導が悪く熱容量の低い薄手のステンレス鍋等を被加熱物として使用すると、鍋底が赤熱して鍋が変形する場合があった。
赤外線センサを加熱コイル巻線の中間部あるいは加熱コイルの内周に近づけて配置し、被加熱物をその上に載置すれば上述した課題は解決できるが、この場合、赤外線センサを加熱コイルの中心からずらして配置することになる。このように、赤外線センサを加熱コイルの中心からずらして配置すると、赤外線センサの数が少ない場合には、被加熱物は赤外線センサの上方に位置する天板に必ず載置されるとは限らず、ユーザが間違って赤外線センサへの赤外線入射領域を塞がないように被加熱物を載置すると、赤外線センサで被加熱物の温度を検知できない。また、赤外線センサを加熱コイルの中間部や加熱コイル内周近傍等加熱コイル中央からずらした位置に配置すると、加熱コイルの中央部に配置した場合に比べ、例えば周囲の蛍光灯からの光も赤外線センサに入射されやすく、赤外線センサが誤動作を起こして被加熱物の温度を的確に検知できないという問題がある。
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、赤外線センサにより被加熱物の温度を的確に検知できる誘導加熱調理器を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、被加熱物を載置して加熱するための加熱部を有し光を透過する天板と、前記加熱部に対向して前記天板の下方に設けられ磁界を発生して被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記天板の下方に設けられ赤外線を検知する赤外線センサと、被加熱物から放射される赤外線を前記赤外線センサに導く導光筒と、前記赤外線センサからの出力信号を被加熱物の温度に換算する温度検知手段と、前記温度検知手段の検知結果に基づいて前記加熱コイルの出力を制御する制御手段と、天板の下方に設けた発光体と、を備え、被加熱物から放射される赤外線を前記導光筒に導くための赤外線入射領域を前記天板の前記加熱コイルの外周より内側で中心からずれた位置に設け、前記赤外線入射領域の少なくとも一部に光拡散層を設け、前記被加熱物から放射される赤外線が前記光拡散層を透過して前記赤外線センサに入射するとともに、前記発光体から出射された光を前記拡散層に照射して発光させることにより前記赤外線領域を視認できるようにしたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記赤外線入射領域周囲の前記天板裏面に光透過率が略ゼロの黒色の光吸収膜を形成したことを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明は、前記赤外線入射領域に、前記光拡散層と、前記光拡散層より光透過率の大きい部位を混在して設けたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記赤外線入射領域が、中央領域と、該中央領域の径方向外方に帯状に設けた周辺領域を有し、前記中央領域と前記周辺領域の光透過率が異なることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記中央領域の光透過率を前記周辺領域の光透過率より大きく設定したことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記周辺領域が、前記中央領域の径方向外方に帯状に設けられた第1の周辺領域と、該第1の周辺領域の径方向外方に帯状に設けられた第2の周辺領域を有し、該第2の周辺領域の光透過率を前記第1の周辺領域の光透過率より小さく設定したことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、複数の前記光拡散層を前記赤外線入射領域に点在させたことを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、前記光拡散層を前記赤外線入射領域に格子状に設けたことを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、前記導光筒は、前記発光体から出射された光を前記導光筒の開口部から前記拡散層に照射して発光させるようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、被加熱物の加熱コイル中央に対向する位置の温度より高くなる位置の被加熱物の発熱部分の温度を、当該部分から放射される赤外線を測定して得た検知温度に基づき被加熱物の温度制御を応答性良くおこなうことができるとともに、光拡散層により赤外線入射領域から機器内部が見えにくくなるようにし、さらに発光体から出射された光を拡散層に照射して発光させることにより赤外線入射領域を見栄え良く視認できる。赤外線入射窓が加熱コイル中央近傍にないので、被加熱物が赤外線入射領域の上部を覆わない場合も考えられるが、赤外線入射領域を拡散層で発光させることにより、ユーザは発光部が見えないように被加熱物を載置することで、赤外線センサによる温度制御を適正に行うことができる。また、拡散層が光ることで機器が設置された場所が暗い場合でも赤外線入射領域を視認しやすくなる。
このように被加熱物からの赤外線が適正に赤外線センサに入力されない状態での温度制御が防止され、被加熱物の温度を的確に検知して被加熱物に対する加熱コイルの加熱制御を適切に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明にかかる誘導加熱調理器Cを示しており、本体2と、本体2の上部に取り付けられ光を透過する結晶化セラミック製の天板4a及びその周囲に設けられた金属製のフレーム4bを有するトップユニット4と、天板4aの前部下方には、第1及び第2の加熱コイル6,8と、その後方に設けられたラジェントヒータ10とを備えている。また、本体2を前面から見て左側に位置する第2の加熱コイル8の下方には、ロースター加熱室12が設けられており、ロースター加熱室12は、その前面に開閉自在に取り付けられたロースター扉14により開閉される。ロースター加熱室12の内部には、受け皿(図示せず)と、焼き網(図示せず)と、焼き網の上下に設けられたヒータ(図示せず)が収容されており、両面焼きロースターを構成している。
また、本体2の前面右側には、上述した加熱手段の出力を設定する操作部16が設けられており、その後方には、第1の加熱コイル6の駆動回路を構成する第1のプリント基板18と、第2の加熱コイル8の駆動回路を構成する第2のプリント基板20とが上下に設けられている。これら二つのプリント基板18,20の後方の近接位置には、回転軸がプリント基板18,20と直交するシロッコ型冷却ファン22と、冷却ファン22を駆動するためのモータ(図示せず)が設けられており、冷却ファン22とモータは吸気ダクト24により囲繞されている。なお、ラジェントヒータ10とロースターヒータの駆動回路はプリント基板18,20の中に構成されている。
また、本体2の上面後部には、吸気ダクト24に連通する吸気口26と、ロースター加熱室12側に吸気口26に隣接して排気口28が形成されている。
図1に示されるように、本体2は全体が外郭により一体的に形成され、外郭の上部フランジ30によりキッチン等に支えられる組み込み式のものである。そして、ロースター加熱室12の上には、遮熱隔壁32や第2の加熱コイル8の支持バネ34や第2の加熱コイル8と第2のプリント基板20とを電気的に接続する中継端子台(図示せず)等の温度制約が緩く熱的に破壊しにくい構造物のみが配設されている。さらに、本体2を上面から見たとき、冷却ファン22、第1のプリント基板18、第2のプリント基板20はロースター加熱室12とは重ならない位置でその側方に配設されている。
上記構成の本発明にかかる誘導加熱調理器Cの使用に際し、第1の加熱コイル6、第2の加熱コイル8あるいはラジェントヒータ10のうち、任意の加熱手段の上方に位置する天板4a上に被加熱物を載置するか、あるいは、ロースター加熱室12に被調理物を収容した後、操作部16を操作して所望の調理が行われる。このため、加熱手段6,8,10に対応して、天板4aの裏面(下面)に印刷膜35cを円形に形成することにより被加熱物を載置するための加熱部35が表示されている(図4参照)。また、加熱部35を表示するための印刷膜35cの外側(下面)に、光透過率が略ゼロの黒色の光吸収膜35dが印刷により形成されている。なお、加熱部35を表示する印刷膜35cは、天板4aの裏面ではなく表面に形成してもよい。また、印刷膜35cは、線状としてもよい。
誘導加熱調理器Cの使用時、本体2の内部温度は上昇するが、冷却ファン22の作動により周囲の空気が吸気口26から本体2内に吸い込まれ、吸い込まれた空気はプリント基板18,20の上の空間を流れ、本体2内のロースター加熱室12側の空間を経由して、排気口28から排出される。その結果、加熱手段6,8,10を含む本体2内の加熱部が冷却され、その温度が低下する。
次に、誘導加熱調理器Cの制御系のうち、特に第1及び第2の加熱コイル6,8の制御系につき第2の加熱コイル8を例に取り説明する。
図2は、第2の加熱コイル8及びその周辺部を示しており、第2の加熱コイル8は、内コイル8aと外コイル8bの分割巻き構成を有し、赤外線の透過率が低い樹脂材料で作製された加熱コイル支持台36上に保持されている。また、加熱コイル支持台36の下面には、加熱コイル8からその裏面側への磁束を加熱コイル8近傍に集中するためのフェライト37(図3参照)が取り付けられており、内コイル8aと外コイル8bの間の空隙部8cには、被加熱物A(図3参照)の底部から放射され後述する赤外線センサへ入射させる赤外線あるいは後述する発光体から出射させる光を導く円筒状の導光部36aが形成されている。さらに、加熱コイル8の中央近傍には、被加熱物Aの底面の温度を検知するサーミスタ38が耐熱樹脂製のサーミスタホルダー38aの溝に嵌め込まれ支持されて天板4aにバネ(図示せず)で押しつけられ密着して取り付けられている。
なお、上述した赤外線センサは、サーミスタ38と同様、被加熱物の温度を検知するために設けられているが、サーミスタ38より温度応答性に優れており、この赤外線センサの出力に応じて制御される加熱コイル6,8の制御回路につき、図3を参照して第2の加熱コイル8を例に取り以下説明する。
図3に示されるように、赤外線センサ40は、加熱コイル8からの磁束の影響を受けにくくするため、加熱コイル8下方への磁束シールド用の磁路を形成するフェライト37より下方で、加熱コイル支持台36と一体に形成された筒状の導光部36aの下部開口部36cの下方に配設されており、被加熱物Aの底面から赤外線センサ40に向かって放射される赤外線の経路上には集光手段としての凸レンズ41が配置され、被加熱物Aから放射される赤外線を集光している。赤外線センサ40の出力は、温度検知手段42に入力されて、温度検知手段42により被加熱物Aの温度を検知する。温度検知手段42の出力は、制御手段44に入力され、制御手段44は温度検知手段42からの信号に応じて加熱コイル8に高周波電流を供給するインバータ回路46の出力を制御する。
以上のように構成された加熱コイル8による加熱動作を以下説明する。
加熱を開始すると、インバータ回路46は加熱コイル8に20kHz以上の高周波電流を供給して、被加熱物Aは加熱コイル8からの磁束(磁界)で誘導された渦電流により自己発熱する。加熱開始後の過渡期の被加熱物Aの底部温度は、加熱コイル8からの磁束密度分布の影響から、外コイル8bの内縁近傍が加熱コイル8の略中心の温度に比べ高温となる。したがって、被加熱物Aの高温部で温度を検知するために、赤外線センサ40を加熱コイル8の内コイル8aと外コイル8bの間の空隙部8c下方に配置し、赤外線センサ40からの検知出力を温度検知手段42により検知温度に換算して制御手段44に出力し、検知温度が所定温度を超えると、あるいは検知温度の傾きが所定値を超えると、インバータ回路46はその出力が減少するように制御手段44により制御される。
本発明においては、赤外線センサ40は、その近傍に発光体が配設されたセンサユニットとして形成されており、センサユニットの構成について図4を参照しながら以下説明する。
図4に示されるように、加熱コイル支持台36の下方には、センサユニット48が配設されており、センサユニット48は、アルミニウムや黄銅等の導電金属材料で形成されたユニットハウジング50と、ユニットハウジング50内に収容された印刷配線板52とを備えている。印刷配線板52上には、上述した赤外線センサ40及び凸レンズ41と、LED等の発光体54が固定され、これらの素子と接続線56とを電気接続するコネクタ58が設けられている。また、凸レンズ41の上方の被加熱物の赤外線が入射する赤外線入射面を除く凸レンズ41の下部及び赤外線センサ40の周囲は、被加熱物の赤外線以外の光が凸レンズ41に入射するのを防止できるように、遮光機能を有する筒状のセンサカバー59により囲繞されている。
ユニットハウジング50は、印刷配線板52よりも加熱コイル8a側に設けられ赤外線センサ40と発光体54を磁気遮蔽する遮蔽部50aを有し、上部に上部開口部60aを有し下部に下部開口部60bを有する円筒状の導光筒60が加熱部に突出するように遮蔽部50aと一体的に形成されており、この導光筒60の下部開口部60bの真下に凸レンズ41と赤外線センサ40は配置されている。また、発光体54は、その出射光が導光筒60の内壁に向かって方向付けられるように赤外線センサ40近傍の印刷配線板52上に取り付けられている。
また、加熱コイル支持台36の導光部36aの下面には円形凹部36bが形成されており、円形凹部36bの内径は導光筒60の外径より大きく設定され、導光筒60の上端面が円形凹部36bの端面に密着して導光筒60の上端部が円形凹部36bに収容された状態で、ユニットハウジング50はねじ62により加熱コイル支持台36の導光部36a近傍に螺着されている。なお、導光部36aの内径と導光筒60の内径は等しく設定されており、導光部36aの内面と導光筒60の内面は面一になっている。
また、上述したように、天板4aには被加熱物の載置部(加熱部35)が円形に印刷膜35cにより形成されているが、印刷膜35cの一部には円形抜き部が赤外線入射領域35aとして形成されている。赤外線入射領域35aには、光拡散層76(図8(a)参照)が印刷により設けられている。この赤外線入射領域35aは加熱コイル支持台36の導光部36aの上部開口部36d真上に上部開口部36dに対向するように位置し、導光筒60の上部開口部60aと対向する赤外線の入光領域となっており、赤外線入射領域35aの光透過率はその周囲(加熱部35の印刷膜35c)の光透過率より大きく設定されている。なお、この赤外線入射領域35aは、被加熱物A底面の赤外線入射領域35aに対向する部分から放射される赤外線を導光筒60に入射させるための領域である。なお、赤外線入射領域35aは円形でなくてもよく、四角形等任意の形状にすることができる。
食材を被加熱物Aに入れて本発明にかかる誘導加熱調理器Cで調理するに際し、誘導加熱調理器Cの電源スイッチ(図示せず)を投入すると、発光体54が発光してその出射光が導光筒60に導かれてその内壁を反射し、その上部開口部60aと導光部36aを介して天板4aの赤外線入射領域35aに照射される。したがって、ユーザは発光体54の出射光により赤外線入射領域35aを容易に視認することができ、操作部16の切入りキー(図示せず)を操作することで加熱動作が開始可能な状態となるので、第2の加熱コイル8を使用する場合、光の照射部(赤外線入射領域35a)を塞ぐように被加熱物Aが天板4a上に載置されていることを確認した上で加熱動作を開始すれば、赤外線センサ40が被加熱物Aの底面から放射される赤外線を効率良く確実に受光することができ、被加熱物Aの温度を赤外線センサ40により制御することができる。また、誘導加熱調理器Cの周囲が暗い場合でも、赤外線入射領域35aを容易に視認することができる。
第2の加熱コイル8により被加熱物Aが加熱されると、被加熱物Aの底部より発する赤外線が天板4aの赤外線入射領域35aを介して加熱コイル支持台36の導光部36aに導かれ、さらに導光部36aの下端に当接するユニットハウジング50の導光筒60に導かれて赤外線センサ40に入射する。この入射光を受けて、赤外線センサ40の出力は温度検知手段42に入力され、上述したように被加熱物Aの温度が制御される。
このように、発光体54からの出射光は導光筒60及び導光部36aを介して天板4aに導かれ、被加熱物Aから放射された赤外線は、同様の経路で逆方向に導光部36a及び導光筒60を介して赤外線センサ40に導かれるので、導光筒60及び導光部36aは、双方向の導光手段として作用する。このため、導光筒60及び導光部36aの内面は、発光効率の点で光沢面とするのが好ましく、さらに導光筒60の内面は、発光効率及び加熱コイル8からのノイズの影響を低減するシールド性の点で非磁性金属光沢面とするのが好ましい。また、導光手段60,36aは、赤外線センサ40の受光面近傍から加熱コイル8の上面まで延在しているので、被加熱物A、加熱コイル8等の赤外線センサ40の周辺部品からの赤外線放射の影響を受けにくい構成とすることができる。すなわち、導光手段60,36aを遮光機能を有する部材とすることにより赤外線センサ40に入り込む周囲の光を遮断することができ、また、導光手段60,36aの導光経路の内面を黒色として光吸機能を持たせることにより、不要な光や赤外線を除去することができる。
また、赤外線入射領域35aには、光拡散層76が設けられているので、光拡散層76を発光させ、赤外線入射領域35aを目立つようにでき、逆に同系統の色にして目立たないようにすることでデザイン性を向上させることができる。また、加熱部35を表示するための印刷膜35cの外側(下面)に、光透過率が略ゼロの黒色の光吸収膜35dが印刷により形成されているので、発光体54の光が赤外線入射領域35a周囲に漏れ見栄えが悪くなるのを防止することができる。
以上、第2の加熱コイル8を例に取り説明したが、第1の加熱コイル6に付いても同様に上記構成を適用することができる。
図5は、図4のセンサユニット48の変形例を示しており、図5に示されるセンサユニット48Aは、赤外線センサ40及び発光体54の上方に導光体68を配置したものである。
導光体68は、その中央部に円形の貫通孔68aを有する環状に形成されるとともに、その一部には発光体54の発光部に対向する折曲部68bが形成されている。発光体54からの出射光は、折曲部68bの端面より導光体68に入射して、中央部に貫通孔68aを有する導光体68の全体が光ることになり、その上面が環状(ドーナツ状)に発光する発光面となって環状の光が被加熱物Aに向かって出射される。また、被加熱物Aからの赤外線は導光体68の貫通孔68aを介して赤外線センサ40に入射する。
この構成は、環状の光が被加熱物Aに向かって出射されることから、赤外線入射領域35aを照射する光量が多いばかりでなく、均一に赤外線入射領域35aを照射することができる等の利点がある。
図6は、図4のセンサユニット48の別の変形例を示しており、図6に示されるセンサユニット48Bは、赤外線センサ40及び発光体54をセンサカバー59Bで囲繞し、発光体54を赤外線センサ40に向けて発光させ、赤外線センサ40に取り付けられた凸レンズ41を介して発光させるようにしている。
この構成も、被加熱物Aへの光量が多いばかりでなく、センサカバー59Bが被加熱物Aから発生する赤外線以外の光が赤外線センサ40に入射するのを防止し被加熱物Aからの赤外線集光性が向上する等の利点がある。
図7は、図4のセンサユニット48のさらに別の変形例を示しており、図7に示されるセンサユニット48Cは、ユニットハウジング50の導光筒60を印刷配線板52またはその近傍まで延長して、近接配置した赤外線センサ40と発光体54を導光筒60と連なる下方延長筒60cの内部に収容したものである。また、赤外線センサ40と発光体54の上方に円形貫通孔70aを有する光拡散リング70を設け、赤外線センサ40を貫通孔70aの下方に配置するとともに、発光体54を貫通孔70a以外の部位の下方に配置している。
この構成は、例えばコネクタ58近傍のユニットハウジング50の隙間から外部光または機器内部の光が赤外線センサ40に入射するのを防止して赤外光の集光性を向上できるとともに、発光体54からの発光漏れが減少するのでユーザが視認できる天板4aからの出射光の明るさを増大することができる。また、光拡散リング70を設けたことで、発光体54からの発光が点発光ではなく面発光となり、発光の均一性を向上することができる。
以上のように、導光筒60及び導光部36aは、発光体54から出射された光を導光部36aの上部開口部36dから光拡散層76に照射して発光させるので、発光体54を被加熱物Aや加熱コイル6,8等から離れた位置に設けることができ、かつ、発光体54の導光手段を赤外センサ40の導光手段と共用することができるので、安価で省スペースな構成とすることができる。
なお、上記実施の形態においては、第2の加熱コイル8が内コイル8aと外コイル8bの分割巻き構成を有するものにおいて、赤外線入射領域35aを第2の加熱コイル8中心から偏心させた場合について説明したが、分割巻きをしない加熱コイルで赤外線センサ40の赤外線入射領域35aを第2の加熱コイル8中央を外して設けた場合、例えば加熱コイル巻線の内周に近づけて赤外線入射領域35aを配置した場合にも同様に適用できる。
なお、上述した赤外線入射領域35aに光拡散層76を設けた構成について、図8を参照しながら以下説明する。
図8(a)の構成は、赤外線入射領域35aの全域に半透明の光拡散層76を設けているのに対し、図8(b)〜(e)の構成は、赤外線入射領域35aに、光拡散層76と、光拡散層76より光透過率の大きい部位を混在して設けたものである。
さらに詳述すると、図8(b)の構成は、赤外線入射領域35aの中央領域を光拡散層が存在しない透明部78とし、この中央領域の径方向外方に周辺領域を帯状に設け、この周辺領域を半透明の環状光拡散層76で形成し、中央領域の光透過率を周辺領域の光透過率より大きく設定している。光源(発光体)54が発光すると拡散層76が環状に光り赤外線入射領域35aを視認することができる。また、赤外線入射領域35aの中央領域の光透過率が周辺より大きいので、中央領域に対応する被加熱物Aの温度を精度良く測定することができる。
また、図8(c)の構成は、半透明で円形の複数の光拡散層76を赤外線入射領域35aに点在させ、光拡散層76以外の部分は透明部78になっている。複数の光拡散層76を赤外線入射領域35aに点在させたことにより、光源54が発光すると拡散層76がドット状に光り赤外線入射領域35aを視認することができ、点在する拡散層76の密度の大小を変えることで、赤外線入射領域35aの光り方と赤外線入射領域35aを介して入射する赤外線の入射量を調整することができる。
さらに、図8(d)の構成は、赤外線入射領域35aの中央領域を光拡散層が存在しない透明部78とし、この中央領域の径方向外方に第1の周辺領域を帯状に設け、この第1の周辺領域を半透明の環状光拡散層76で形成するとともに、第1の周辺領域の径方向外方に第2の周辺領域を帯状に設け、この第2の周辺領域を第1の周辺領域の光透過率より小さい有色光透過層80で形成したものである。光源54が発光すると拡散層76が環状に光りその外側で有色光透過層が拡散層76より暗い輝度で環状に光ることにより赤外線入射領域35aの視認性を高めることができる。また、赤外線入射領域35aの中央領域の光透過率が周辺より大きいので、中央領域に対応する被加熱物Aの温度を精度良く測定することができる。
また、図8(e)の構成は、赤外線入射領域35aに設けられた透明部78に半透明の光拡散層76を格子状に形成したものである。光源54が発光すると拡散層76が格子状に光り赤外線入射領域35aを視認することができる。また、格子状の拡散層76の密度の大小を変えることで、赤外線入射領域35aの光り方と赤外線入射領域35aを介して入射する赤外線の入射量を調整することができる。
なお、図8(b)〜(e)の構成では、赤外線入射領域35aの一部に透明部78が設けられているが、この透明部78に代えて、光拡散層76より光透過率が大きい別の光拡散層を設けるようにしてもよい。以上のように、赤外線入射領域35aに、光拡散層76と、光拡散層76より光透過率の大きい部位を混在して設けたことにより、赤外線入射領域35aを部分的に光らせ、視認性を高めることができる。また、有色光透過層80に拡散機能を持たすようにしてもよいし、拡散層76を有色にしても視認性をさらに高めることができる。
また、図8(a)〜(e)に示すように、凸レンズ41の集光範囲81を、赤外線入射領域35aの中心から加熱コイルの中心側に偏心させることにより、光拡散層76を被加熱物Aで覆い隠す際に、より確実に集光範囲を覆い隠すことができるとともに、被加熱物Aの周縁と集光範囲81との距離を遠くして被加熱物81の周縁から外光が集光範囲81に入り込むのを抑制することができる。
本発明にかかる誘導加熱調理器は、赤外線センサの誤動作を防止して被加熱物の温度を的確に検知することができるので、機器の構成を熟知していない一般ユーザが使用する家庭用の誘導加熱調理器として有用である。
本発明にかかる誘導加熱調理器の分解斜視図 図1の誘導加熱調理器に設けられた加熱コイルとその周辺部を示す分解斜視図 加熱コイルの制御回路を示すブロック図 図1の誘導加熱調理器に設けられたセンサユニットの断面図 図4のセンサユニットの変形例の断面図 図4のセンサユニットの別の変形例の断面図 図4のセンサユニットのさらに別の変形例の断面図 誘導加熱調理器の天板に設けられた赤外線入射領域に光拡散層を形成する場合の種々の例を示す正面図
符号の説明
2 本体、 4 トップユニット、 4a 天板、 4b フレーム、
6 第1の加熱コイル、 8 第2の加熱コイル、 8a 内コイル、
8b 外コイル、 8c 空隙部、 10 ラジェントヒータ、
12 ロースター加熱室、 14 ロースター扉、 16 操作部、
18 第1のプリント基板、 20 第2のプリント基板、 22 冷却ファン、
24 吸気ダクト、 26 吸気口、 28 排気口、 30 フランジ、
32 遮熱隔壁、 34 支持バネ、 35 加熱部、 35a 赤外線入射領域、
35b 発光領域、 35c 印刷膜、 35d 光吸収膜、
36 加熱コイル支持台、 36a 導光部、 36b 凹部、 36c 下部開口部、36d 上部開口部、 37 フェライト、 38 サーミスタ、
38a サーミスタホルダー、 40 赤外線センサ、 41 凸レンズ、
42 温度検知手段、 44 制御手段、 46 インバータ回路、
48,48A,48B,48C,48D センサユニット、
50 ユニットハウジング、 50a 遮蔽部、 52 印刷配線板、 54 発光体、
56 接続線、 58 コネクタ、 59 センサカバー、 60 導光筒、
60a 上部開口部、 60b 下部開口部、 60c 下方延長筒、 62 ねじ、
68 導光体、 68a 貫通孔、 68b 折曲部、 70 光拡散リング、
70a 貫通孔、 76 光拡散層、 78 透明部、 80 有色光透過層、
81 集光範囲、A 被加熱物、 C,C1 誘導加熱調理器

Claims (9)

  1. 被加熱物を載置して加熱するための加熱部を有し光を透過する天板と、前記加熱部に対向して前記天板の下方に設けられ磁界を発生して被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記天板の下方に設けられ赤外線を検知する赤外線センサと、被加熱物から放射される赤外線を前記赤外線センサに導く導光筒と、前記赤外線センサからの出力信号を被加熱物の温度に換算する温度検知手段と、前記温度検知手段の検知結果に基づいて前記加熱コイルの出力を制御する制御手段と、天板の下方に設けた発光体と、を備え、被加熱物から放射される赤外線を前記導光筒に導くための赤外線入射領域を前記天板の前記加熱コイルの外周より内側で中心からずれた位置に設け、前記赤外線入射領域の少なくとも一部に光拡散層を設け、前記被加熱物から放射される赤外線が前記光拡散層を透過して前記赤外線センサに入射するとともに、前記発光体から出射された光を前記拡散層に照射して発光させることにより前記赤外線領域を視認できるようにしたことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 前記赤外線入射領域周囲の前記天板裏面に光透過率が略ゼロの黒色の光吸収膜を形成したことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記赤外線入射領域に、前記光拡散層と、前記光拡散層より光透過率の大きい部位を混在して設けたことを特徴とする請求項1あるいは2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記赤外線入射領域が、中央領域と、該中央領域の径方向外方に帯状に設けた周辺領域を有し、前記中央領域と前記周辺領域の光透過率が異なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記中央領域の光透過率を前記周辺領域の光透過率より大きく設定したことを特徴とする請求項4に記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記周辺領域が、前記中央領域の径方向外方に帯状に設けられた第1の周辺領域と、該第1の周辺領域の径方向外方に帯状に設けられた第2の周辺領域を有し、該第2の周辺領域の光透過率を前記第1の周辺領域の光透過率より小さく設定したことを特徴とする請求項4あるいは5に記載の誘導加熱調理器。
  7. 複数の前記光拡散層を前記赤外線入射領域に点在させたことを特徴とする請求項3に記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記光拡散層を前記赤外線入射領域に格子状に設けたことを特徴とする請求項3に記載の誘導加熱調理器。
  9. 前記導光筒は、前記発光体から出射された光を前記導光筒の開口部から前記拡散層に照射して発光させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
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