JP2008047206A - 光ピックアップ及びこれを用いた光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】異なる3波長に対応したサーボ信号を検出するとともに、光学部品の小型化、装置の小型化、低コスト化を実現する光ピックアップを提供する。
【解決手段】第1の波長の第1の出射部31と、第1の波長よりも長い第2の波長の第2の出射部32と、第2の波長よりも長い第3の波長の第3の出射部33と、対物レンズ34,35と、戻り光を検出する光検出器36と、戻り光を所定の一方向へ回折する第1の回折領域と、通過する光ビームを所定の他方向へ回折する第2の回折領域とが交互に形成された偏光回折素子50とを備え、第1及び第2の回折領域で回折された光ビームを受光する各受光部で受光された光ビームの光量に基づいてフォーカスエラー信号を検出し、第1及び第2の回折領域は、第1の波長の光ビームの2次回折光の回折効率が70%以上であり、第2及び第3の波長の光ビームの1次回折光の回折効率が70%以上である。
【選択図】図2
【解決手段】第1の波長の第1の出射部31と、第1の波長よりも長い第2の波長の第2の出射部32と、第2の波長よりも長い第3の波長の第3の出射部33と、対物レンズ34,35と、戻り光を検出する光検出器36と、戻り光を所定の一方向へ回折する第1の回折領域と、通過する光ビームを所定の他方向へ回折する第2の回折領域とが交互に形成された偏光回折素子50とを備え、第1及び第2の回折領域で回折された光ビームを受光する各受光部で受光された光ビームの光量に基づいてフォーカスエラー信号を検出し、第1及び第2の回折領域は、第1の波長の光ビームの2次回折光の回折効率が70%以上であり、第2及び第3の波長の光ビームの1次回折光の回折効率が70%以上である。
【選択図】図2
Description
本発明は、光ディスクに情報信号の記録を行い、光ディスクに記録された情報信号の再生を行うために用いられる光ピックアップ及びこれを用いた光ディスク装置に関する。
従来、情報信号の記録媒体として、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクや、さらに高密度記録を可能とするため青紫色半導体レーザ等による波長405nm程度の光ビームを用いて信号の記録再生を行う光ディスク(以下、「高密度記録光ディスク」という。)が用いられ、この種の光ディスクに情報信号の記録を行い、あるいは光ディスクに記録された情報信号の再生を行うために光ピックアップが用いられている。
このような光ピックアップにおいて光ディスクの所定のトラック上に対物レンズにより光ビームのスポットを集光するために、フォーカス制御とトラッキング制御を行う必要がある。フォーカス制御をするためのフォーカスエラー信号を検出するために、従来から非点収差法、スポットサイズ法、フーコー法等が提案されている。ここで、非点収差法は、受光素子上のスポットの位置がずれると、フォーカスエラー信号にトラッキングエラー信号が漏れ込む等の問題がある。また、フーコー法では、受光素子上のスポットが小さく、受光素子の位置ずれに対する許容が小さく信頼性上の問題がある。
一方、スポットサイズ法では、プリズムや、回折素子で回折角が波長に比例することから、使用波長が比較的短い高密度記録光ディスクと、使用波長が比較的長いCD等の従来の光ディスクとの受光パターンを共通にするためには受光素子のサイズが大きくなりすぎるという問題や、回折効率の波長依存が大きく、従来のステップ型の回折素子では複数の光ディスクのフォーマットに対応した全ての波長に対する性能(回折効率)を成立させることが困難であるという問題があった。
本発明の目的は、異なる3波長に対応したフォーカスエラー信号を良好に検出することができるとともに、光学部品の小型化、装置の小型化、低コスト化を実現する光ピックアップ及びこれを用いた光ディスク装置を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明に係る光ピックアップは、第1の波長の光ビームを出射する第1の出射部と、上記第1の波長よりも波長が長い第2の波長の光ビームを出射する第2の出射部と、上記第2の波長よりも波長が長い第3の波長の光ビームを出射する第3の出射部と、上記第1乃至第3の出射部から出射された第1乃至第3の波長の光ビームを光ディスクの信号記録面に集光する対物レンズと、上記光ディスクの信号記録面で反射された戻りの光ビームを検出する光検出器と、上記第1乃至第3の出射部と、上記対物レンズとの間に設けられ、上記戻りの光ビームの光路を上記第1乃至第3の出射部から出射された光ビームの光路から分離して、上記戻りの光ビームを上記光検出器側に導く光路分離手段と、上記光検出器と、上記光路分離手段との間に設けられ、通過する光ビームを所定の一方向へ回折する第1の回折領域と、通過する光ビームを所定の他方向へ回折する第2の回折領域とが交互に形成された偏光回折素子とを備え、上記光検出器は、上記第1の回折領域で回折された光ビームを受光する第1の受光部と、上記第2の回折領域で回折された光ビームを受光する第2の受光部とを有し、上記第1の回折領域で回折された光ビームは、上記第1の受光部の前方側で集光され、上記第2の回折領域で回折された光ビームは、第2の受光部の後方側で集光され、上記第1及び第2の受光部で受光された光ビームの光量に基づいてフォーカスエラー信号を検出し、上記偏光回折素子は、入射した光ビームが所定の偏光方向であった場合には、光ビームを回折し、入射した光ビームが上記所定の偏光方向に対して直交する偏光方向であった場合には光ビームを透過し、上記第1及び第2の回折領域は、回折される偏光状態の光ビームの光量に対して、上記第1の波長の光ビームの2次回折光の回折効率が70%以上であり、上記第2及び第3の波長の光ビームの1次回折光の回折効率が70%以上である。
上述したような目的を達成するため、本発明に係る光ディスク装置は、光ディスクに対して情報を記録及び/又は再生する光ピックアップと、光ディスクを回転するディスク回転駆動手段とを備える光ディスク装置であり、この光ディスク装置に用いる光ピックアップとして、上述したようなものを用いたものである。
本発明に係る光ピックアップ及びこれを用いた光ディスク装置は、異なる3波長に対応したフォーカスエラー信号を良好に検出することができるとともに、光学部品の小型化、装置の小型化、低コスト化を実現する。
以下、本発明を適用した光ディスク装置について、図面を参照して説明する。
この光ディスク装置10は、フォーマットの異なる2種類の光ディスク11に対して情報信号の記録及び/又は再生を行うことができる光ディスク装置である。
ここで用いられる光ディスク11は、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、情報の追記が可能とされるCD−R(Recordable)及びDVD−R(Recordable)、情報の書換えが可能とされるCD−RW(ReWritable)、DVD−RW(ReWritable)、DVD+RW(ReWritable)、DVD−RAM(Random Access Memory)等の光ディスクや、さらに発光波長が短い405nm程度(青紫色)の半導体レーザを用いた高密度記録が可能な高密度記録光ディスクや、光磁気ディスク等である。
特に、以下で光ディスク装置10により情報の再生又は記録を行う3種類の光ディスクとして、保護基板の厚さが0.1mmで波長405nm程度の光ビームを記録再生光として使用する高密度記録が可能な第1の光ディスク4と、保護基板の厚さが0.6mmで波長655nm程度の光ビームを記録再生光として使用するDVD等の第2の光ディスク5と、保護基板の厚さが1.2mmで波長785nm程度の光ビームを記録再生光として使用するCD等の第3の光ディスク6とを用いるものとして説明する。
光ディスク装置10は、図1に示すように、光ディスク11を回転操作する駆動手段としてスピンドルモータ12と、スピンドルモータ12を制御するモータ制御回路13と、スピンドルモータ12により回転される光ディスク11に光ビームを照射し光ディスク11で反射した戻りの光ビームを検出する光ピックアップ1と、光ピックアップ1から出力された電気信号を増幅するRFアンプ15と、対物レンズのフォーカスサーボ信号やトラッキングサーボ信号を生成するサーボ回路16と、サブコードデータを抽出するサブコード抽出回路17とを備える。
また、この光ディスク装置10は、記録系として、パーソナルコンピュータ等のホスト機器に接続され、記録すべきデータが入力される入力端子18と、入力端子18に入力された記録データに対してエラー訂正符号化処理を施すエラー訂正符号化回路19と、エラー訂正符号化処理が施されたデータを変調する変調回路20と、変調された記録データに対して記録処理を施す記録処理回路21とを備える。
更に、光ディスク装置10は、再生系として、光ディスク11より読み出した再生データに対して復調する復調回路22と、復調された再生データに対してエラー訂正復号処理を施すエラー訂正復号化回路23と、エラー訂正復号処理されたデータを出力する出力端子24とを備える。更に、光ディスク装置10は、装置に対して操作信号を入力する操作部25と、各種制御データ等を格納するメモリ26と、全体の動作を制御する制御回路27と、光ディスク11の種類を判別するディスク種類判別部29とを備える。更に、光ディスク装置10は、光ピックアップ1をディスクテーブルに装着された光ディスク11の径方向に送り操作する際の駆動源となるスレッドモータ28とを備える。
スピンドルモータ12は、スピンドルに光ディスク11が装着されるディスクテーブルが設けられており、ディスクテーブルに装着されている光ディスク11を回転する。モータ制御回路13は、光ディスクをCLV(Constant Linear Velocity)で回転することができるようにスピンドルモータ12を駆動制御する。具体的に、モータ制御回路13は、水晶発振器からの基準クロックとPLL回路からのクロックとに基づいて光ディスク11の回転速度が線速一定となるようにスピンドルモータ12を駆動制御する。なお、光ディスク11は、CAV(Constant Angular Velocity)やCLVとCAVとを組み合わせた制御で回転するようにしてもよい。
光ピックアップ1は、装着された光ディスク11の種類に応じた波長を出射する、例えば3波長互換光学系を有する光ピックアップであり、規格の異なる光ディスクの信号記録面に対して上述した異なる波長の光ビームを出射する半導体レーザ等の光源と、この光源より出射された光ビームを集束する光ディスク11の種類に対応した開口数の対物レンズ、光ディスク11で反射された戻りの光ビームを検出する光検出器等を備える。光ピックアップ1は、半導体レーザよりレーザ光である光ビームを出射する。光ピックアップ1は、記録再生時、光ディスク11に光ビームを照射し、信号記録面で反射した戻りの光ビームを光検出器で検出し、光電変換する。また、対物レンズは、2軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構に保持され、フォーカスサーボ信号に基づいて対物レンズの光軸と平行なフォーカス方向に駆動変位され、また、トラッキングサーボ信号に基づいて対物レンズの光軸に直交するトラッキング方向に駆動変位される。なお、半導体レーザ、対物レンズ及び光検出器等の光学系の構成については後に詳述する。
RFアンプ15は、光ピックアップ1を構成する光検出器からの電気信号に基づいて、RF信号、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を生成する。例えばフォーカスエラー信号は、非点収差法により生成され、トラッキングエラー信号は、3ビーム法やプッシュプル法により生成される。そして、RFアンプ15は、再生時、RF信号を復調回路22に出力し、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号をサーボ回路16に出力する。
サーボ回路16は、光ディスク11を再生する際のサーボ信号を生成する。具体的に、サーボ回路16は、RFアンプ15から入力されたフォーカスエラー信号に基づき、このフォーカスエラー信号が0となるように、フォーカスサーボ信号を生成し、また、RFアンプ15から入力されたトラッキングエラー信号に基づき、このトラッキングエラー信号が0となるように、トラッキングサーボ信号を生成する。そして、サーボ回路16は、フォーカスサーボ信号及びトラッキングサーボ信号を光ピックアップ1を構成する対物レンズ駆動機構の駆動回路に出力する。この駆動回路は、フォーカスサーボ信号に基づき2軸アクチュエータを駆動し、後述する対物レンズ34,35を対物レンズの光軸と平行なフォーカス方向に駆動変位させ、トラッキングサーボ信号に基づき2軸アクチュエータを駆動し、対物レンズの光軸に直交するトラッキング方向に対物レンズを駆動変位させる。
以上のように構成された光ディスク装置10は、スピンドルモータ12によって、光ディスク11を回転操作し、サーボ回路16からの制御信号に応じてスレッドモータ28を駆動制御し、光ピックアップ1を光ディスク11の所望の記録トラックに対応する位置に移動することで、光ディスク11に対して情報の記録再生を行う。
次に、本発明が適用された上述した光ピックアップ1について説明する。
本発明を適用した光ピックアップ1は、図2に示すように、第1の波長の第1の光ビームを出射する半導体レーザ等の第1の光源部31と、第1の波長よりも波長が長い第2の波長の第2の光ビームを出射する半導体レーザ等の第2の光源部32と、第2の波長よりも波長が長い第3の波長の第3の光ビームを出射する半導体レーザ等の第3の光源部33と、この第1乃至第3の光源部31,32,33から出射された第1の光ビームを第1の光ディスク4の信号記録面に集光させる第1の対物レンズ34と、第2及び第3の光ビームをそれぞれ第2の光ディスク5、第3の光ディスク6の信号記録面に集光させる第2の対物レンズ35と、第1乃至第3の光ディスクの信号記録面で反射された戻りの光ビームを検出するフォトディテクタ等の光検出器36とを備える。
また、光ピックアップ1は、第2及び第3の光源部32,33から出射された往路の第2及び第3の波長の光ビームの光路を合成する光路合成手段として第1のダイクロプリズム37と、第1のダイクロプリズム37で合成された往路の第2及び第3の波長の光ビームを反射して対物レンズ35側に出射させるとともに、光ディスク11で反射された戻りの光ビーム、すなわち復路の第1乃至第3の波長の光ビームの光路を往路の第2及び第3の波長の光ビームの光路と分離する光路分離手段としての偏光ビームスプリッタ38と、偏光ビームスプリッタ38で反射された往路の第2及び第3の波長の光ビームの光路と、第1の光源部31から出射された往路の第1の波長の光ビームの光路とを合成するとともに、光ディスク11で反射された復路の第1乃至第3の波長の光ビームの光路を往路の第1の波長の光ビームの光路と分離する光路合成分離手段としてのダイクロ偏光ビームスプリッタ(以下「ダイクロPBS」ともいう。)39と、ダイクロPBS39と第1及び第2の対物レンズ34,35との間に設けられ、入射した第1の波長の光ビームの光路と、入射した第2及び第3の波長の光ビームの光路とを分離して、第1の波長の光ビームを第1の対物レンズ34側に導くとともに、第2及び第3の波長の光ビームを第2の対物レンズ35側に導く第2のダイクロプリズム41と、ダイクロPBS39と第2のダイクロプリズム41との間に設けられ、ダイクロPBS39で光路が合成されて入射した第1乃至第3の波長の光ビームの発散角を変換し、平行光とするコリメータレンズ42とを備える。
第2のダイクロプリズム41と第1の対物レンズ34との間には、第2のダイクロプリズム41を透過した第1の波長の光ビームを反射する立ち上げミラー43と、第1の波長の光ビームに1/4波長の位相を与えて偏光状態を変換する1/4波長板(QWP)44とが設けられている。
第2のダイクロプリズム41と第2の対物レンズ35との間には、第2のダイクロプリズム41で反射された第2及び第3の波長の光ビームに1/4波長の位相を与えて偏光状態を変換する1/4波長板(QWP)45とが設けられている。
また、第1の光源部31とダイクロPBS39との間には、第1の光源部31から出射された第1の波長の光ビームをトラッキングエラー信号等を得るために、0次光及び±1次光からなる3ビームに分割する第1のグレーティング46が設けられている。第2の光源部32と第1のダイクロプリズム37との間には、第2の光源部32から出射された第2の波長の光ビームをトラッキングエラー信号等を得るために、0次光及び±1次光からなる3ビームに分割する第2のグレーティング47が設けられている。第3の光源部33と第1のダイクロプリズム37との間には、第3の光源部33から出射された第3の波長の光ビームをトラッキングエラー信号等を得るために、0次光及び±1次光からなる3ビームに分割する第3のグレーティング48が設けられている。
また、光ピックアップ1は、偏光ビームスプリッタ38と光検出器36との間に、戻りの光ビームの発散角を変換する倍率変換レンズ49と、フォーカスエラー信号を検出するために光ビームを偏光状態に応じて所定の割合で透過及び回折する偏光回折素子50とを有する。
第1の光源部31は、第1の出射部を有し、この第1の出射部から第1の光ディスク4に対して波長405nm程度の第1の波長の光ビームを出射する。第2の光源部32は、第2の出射部を有し、この第2の出射部から第2の光ディスク5に対して波長655nm程度の第2の波長の光ビームを出射する。第3の光源部33は、第3の出射部を有し、この第3の出射部から第3の光ディスク6に対して波長785nm程度の第3の波長の光ビームを出射する。
尚、光ピックアップ1では、異なる位置に配置された第1乃至第3の光源部31,32,33の各出射部からそれぞれ出射された第1乃至第3の波長の光ビームを用いるように構成したが、これに限られるものではなく、第1乃至第3の出射部は、同一の光源部に配置するように構成してもよく、また、第1乃至第3の出射部のうち2つの出射部を一の光源部に配置し、残りの出射部を他の光源部に配置するように構成してもよい。
第1乃至第3のグレーティング46,47,48は、それぞれ、入射した光ビームを主に0次光(以下、「メインビーム」ともいう。)及び±1次光(以下、「サイドビーム」ともいう。)からなる複数の光ビームに分割して出射する。この第1乃至第3のグレーティング46,47,48により、分割されたメインビーム及びサイドビームからなる3ビームにより、トラッキングエラー信号を得ることができる。
第1のダイクロプリズム37は、通過する光ビームのうち、第2の波長の光ビームを反射させ、第3の波長の光ビームを透過させる波長依存性を有する光学薄膜が形成された分離面37aを有し、この分離面37aにより第2及び第3の光源部32,33から出射された第2及び第3の波長の光ビームの光路を合成して偏光ビームスプリッタ38に向けて出射させる。
偏光ビームスプリッタ38は、通過する光ビームのうち、P偏光状態とされた光ビームの略全光量を透過させ、S偏光状態とされた光ビームの略全光量を反射させるような偏光依存性を有する光学薄膜が形成された分離面38aを有し、この分離面38aにより往路の第2及び第3の波長の光ビームを反射してダイクロPBS39に導くとともに、復路の第1乃至第3の波長の光ビームを透過して往路の第2及び第3の波長の光ビームの光路と分離して倍率変換レンズ49に導く。
尚、ここでは、偏光ビームスプリッタ38は、P偏光状態の光ビームを透過させ、S偏光状態の光ビームを反射させるように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、P偏光状態の光ビームを反射させ、S偏光状態の光ビームを透過させるように構成してもよい。
ダイクロPBS39は、P偏光状態とされた第1の波長の光ビームを透過させ、S偏光状態とされた第1の波長の光ビームを反射させるとともに、いずれの偏光状態の第2及び第3の波長の光ビームを透過させる偏光依存性及び波長依存性を兼ね備えた光学薄膜が形成された分離面39aを有する。ダイクロPBS39は、この分離面39aにより往路の第1の波長の光ビームを反射し、往路の第2及び第3の波長の光ビームを透過してこれらの光路を合成してコリメータレンズ42に導くとともに、復路の第1乃至第3の波長の光ビームを透過して往路の第1の波長の光ビームの光路と分離して偏光ビームスプリッタ38に導く。
コリメータレンズ42は、ダイクロPBS39で光路が合成された第1乃至第3の波長の光ビームの発散角を変換して略平行光として第2のダイクロプリズム41側に出射させる。
第2のダイクロプリズム41は、入射した光ビームのうち、第2及び第3の波長の光ビームを反射させ、第1の波長の光ビームを透過させる波長依存性を有する光学薄膜が形成された分離面41aを有し、この分離面41aにより往路の第2及び第3の波長の光ビームの光路と、往路の第1の波長の光ビームの光路とを分離して、第2及び第3の波長の光ビームを1/4波長板45を介して第2の対物レンズ35に導き、第1の波長の光ビームを立ち上げミラー43及び1/4波長板44を介して第1の対物レンズ34に導く。また、第2のダイクロプリズム41は、この分離面41aにより、復路の第2及び第3の波長の光ビームの光路と、復路の第1の波長の光ビームの光路とを合成してコリメータレンズ42側に出射させる。
1/4波長板44は、第2のダイクロプリズム41を透過して立ち上げミラー43で反射されて入射した第1の波長の光ビームに1/4波長の位相差を与える、すなわち、入射した往路の光ビームを直線偏光(S偏光状態)から円偏光に変換し、光ディスクで反射された復路の光ビームを円偏光から直線偏光(P偏光状態)に変換する。
1/4波長板45は、第2のダイクロプリズム41を反射されて入射した第2及び第3の波長の光ビームに1/4波長の位相差を与える、すなわち、入射した往路の光ビームを直線偏光(S偏光状態)から円偏光に変換し、光ディスクで反射された復路の光ビームを円偏光から直線偏光(P偏光状態)に変換する。
第1の対物レンズ34は、第1の波長の光ビームに対応したものであり、開口数は、0.85程度とされている。第1の対物レンズ34は、第1の光ディスク4に対して、第1の波長の光ビームを信号記録面4a上に集光する。
また、第1の対物レンズ34の入射側には、第1の対物レンズ34に入射する光ビームの開口制限を行う開口制限素子として図示しない第1の開口フィルタが設けられている。この第1の開口フィルタは、通過する第1の波長の光ビームの開口数を0.85程度とする。この開口フィルタとして、例えば、ホログラム等が用いられる。
第2の対物レンズ35は、第2及び第3の波長の光ビームに対応したものであり、開口数は、第2の波長に対しては、0.6〜0.65であり、第3の波長に対しては、0.45〜0.5とされている。第2の対物レンズ35は、第2の光ディスク5に対して、第2の波長の光ビームを信号記録面5a上に集光し、第3の光ディスク6に対して、第3の波長の光ビームを信号記録面6a上に集光する。
また、第2の対物レンズ35の入射側には、第2の対物レンズ35に入射する光ビームの開口制限を行う開口制限素子として図示しない第2の開口フィルタが設けられている。この第2の開口フィルタは、通過する第2の波長の光ビームの開口数を0.6〜0.65程度とし、通過する第3の波長の光ビームの開口数を0.45〜0.5とする。この開口フィルタとして、例えば、ホログラム等が用いられる。
第1及び第2の対物レンズ34,35は、2軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構によって移動自在に支持されている。そして、第1及び第2の対物レンズ34,35は、光検出器36によって検出されたトラッキングエラー信号及びフォーカスエラー信号に基づいて、対物レンズ駆動機構により移動操作されることにより、光ディスク11に近接離間する方向及び光ディスクの径方向の2軸方向等へ移動される。
また、第1及び第2の対物レンズ34,35は、その第1の対物レンズ34の第1の波長に対する焦点距離f1及び開口数NA1、並びに第2の対物レンズ35の第2及び第3の波長に対する焦点距離f2,f3及び開口数NA2,NA3の関係が、関係式fn×NAn(n=1,2,3とする)が略一定、すなわち、この各波長の関係式(fn×NAn)で示される値の差が2割以内となるように焦点距離が決定されている。
換言すると、第1及び第2の対物レンズ34,35から出射される復路の第1乃至第3の波長の光ビームのビーム径がそれぞれ略同じ大きさとされ、第1及び第2の対物レンズ34,35に入射される往路の第1乃至第3の波長の光ビームの有効径がそれぞれ略同じ大きさとされる。このような第1及び第2の対物レンズ34,35は、各波長の光路における光学部品の小型化を可能とするとともに、後述する偏光回折素子50に入射する復路の第1乃至第3の波長の光ビームのビーム径を略同じ大きさとし、さらに、この偏光回折素子50により回折、透過される光ビームを検出する光検出器36の各受光部の大きさを小さくすることができる。
また、この光ピックアップ1では、第1の波長用の第1の対物レンズ34と、第2及び第3の波長用の第2の対物レンズ35とを設けるように構成したが、これに限られるものではなく、光ディスクの種類に対応した第1乃至第3の波長の光ビームを対応する光ディスクの信号記録面に集光する一又は複数の対物レンズを設けるように構成すればよく、例えば、第1乃至第3の波長に対応した単一の対物レンズを設けるように構成してもよい。
倍率変換レンズ49は、第2のダイクロプリズム41で光路を合成され、コリメータレンズ42、ダイクロPBS39及び偏光ビームスプリッタ38を経由して入射される復路の第1乃至第3の波長の光ビームの発散角を変換して、所定の発散角(集束角)でこの光ビームを偏光回折素子50を介して光検出器36の各受光部上に集束させる。
偏光回折素子50は、図3に示すように、入射される復路の第1乃至第3の波長の光ビームを光ディスク11の半径方向に対応する所定の方向Xr1の一方向に回折する第1の回折領域50aと、この第1乃至第3の波長の光ビームを所定の方向Xr1の一方向と反対方向である他方向に回折する第2の回折領域50bとが交互に複数形成されている。ここで、光ディスク11の半径方向に対応する所定の方向Xr1とは、光ディスク11の信号記録面上で光ビームのスポットが半径方向に移動した場合に、偏光回折素子50上で光ビームが通過する領域が移動する方向及び後述するディテクタ上の光ビームのスポットが移動する方向をいう。この第1の回折領域50a及び第2の回折領域50bは、例えば、回折方向に短辺が位置し、回折方向と直交する方向に長辺が位置する細長い矩形状に形成され、すなわち格子状に形成されており、第1及び第2の回折領域50a,50bの総面積が略等しくなるように形成されるとともに、それぞれの領域を通過する光ビームの総面積が略等しくなるように形成されている。
複数の第1の回折領域50aには、それぞれの領域内にブレーズ形状の格子が形成されている。すなわち、第1の回折領域50aは、その領域内に、その長辺方向に形成されたブレーズ状の格子溝が短辺方向に並んで複数形成され、このブレーズ状の格子溝の溝深さ及びブレーズ角により、図4に示すように、第1の波長の光ビームの2次回折光を第4の受光部54の手前で集光するように回折し、第2及び第3の波長の光ビームの1次回折光を第4の受光部54の手前で集光するように回折する。
また、複数の第2の回折領域50bは、それぞれの領域内に、第1の回折領域50aのブレーズ形状と反対方向に傾斜したブレーズ形状の格子が形成されている。すなわち、第2の回折領域50bは、その領域内に、その長辺方向に形成されたブレーズ状の格子溝が短辺方向に並んで複数形成され、このブレーズ状の格子溝の溝深さ及びブレーズ角により、図4に示すように、第1の波長の光ビームの2次回折光を第5の受光部55の奥側で集光するように回折し、第2及び第3の波長の光ビームの1次回折光を第5の受光部55の奥側で集光するように回折する。尚、ここでは、第1及び第2の回折領域50a,50bの格子構造をブレーズ形状としたが、1ピッチ内に複数段の階段形状とされた格子溝を複数形成するように構成してもよい。
この第1及び第2の回折領域50a,50bは、それぞれのブレーズ角により回折パワー、すなわち、回折角度が異なる。そして、例えば上述したように、第1の回折領域50aは、その回折光を偏光回折素子50と第4の受光部54との間、すなわち、偏光回折素子50に対して第4の受光部54の前方側で焦点を結ぶように回折し、第2の回折領域50bは、その回折光を偏光回折素子50に対して第5の受光部55の後方側で焦点を結ぶように回折する。偏光回折素子50は、後述のスポットサイズ法によるフォーカスエラー信号を得るために、入射した戻りの光ビームをこの第1及び第2の回折領域50a,50bにより回折して所定の受光部54,55に向けて出射させる。
また、偏光回折素子50の第1及び第2の回折領域50a,50bは、上述したように回折方向は異なるが、それぞれ、入射する光ビームの偏光状態の変化によって回折効率が変化する。すなわち、例えば、偏光回折素子50の第1及び第2の回折領域50a,50bは、所定の偏光方向の光ビームに対しては上述のような回折格子として機能し、所定の偏光方向と直交する偏光方向の光ビームに対しては回折格子として機能せず、透過させることとなる。換言すると、偏光回折素子50は、入射した光ビームのうち所定の偏光方向成分の光ビームを回折し、所定の偏光方向に対して直交する偏光方向成分の光ビームを透過する。そして、この偏光回折素子50により光ビームが回折される方向である所定の偏光方向と、この偏光回折素子50に入射する光ビームの偏光方向との間の角度をθとすると、偏光回折素子50に入射した光ビームのうち(cosθ)2で表される割合の光ビームが回折されることとなる。
また、第1及び第2の回折領域50a,50bは、上述したブレーズ形状の溝深さにより、第1の波長に対しては、所定の偏光状態とされ、すなわち回折される偏光状態の光ビームの光量に対して70%以上の2次回折光が得られ、第2及び第3の波長に対しては、所定の偏光状態とされ、すなわち回折される偏光状態の光ビームの70%以上の1次回折光が得られる。ここで、回折される偏光状態の光ビームの光量に対する上述の割合は、回折される偏光成分における入射光量に対する出射光量の割合である。換言すると、第1及び第2の回折領域50a,50bは、100%回折される偏光状態で光ビームが入射した場合に、第1乃至第3の波長の上述した次数の回折光の回折効率が70%以上である。
上述したブレーズ形状の格子溝が形成された第1及び第2の回折領域50a,50bのブレーズの溝深さの変化に伴う回折効率の変化を図5に示す。図5中において、横軸は、光路長差に変換した溝深さ(nm)を示す。また、図5中において、各曲線は、回折される偏光成分における入射光量と出射光量の割合、すなわち、回折効率を示すものであり、曲線L10、L11、L12は、それぞれ波長405nm(第1の波長)の光ビームの0次回折光、1次回折光、2次回折光を示すものであり、曲線L20、L21、L22は、それぞれ波長655nm(第2の波長)の光ビームの0次回折光、1次回折光、2次回折光を示すものであり、曲線L30、L31、L32は、それぞれ波長785nm(第3の波長)の光ビームの0次回折光、1次回折光、2次回折光を示すものである。図5に示すように、偏光回折素子50は、その第1及び第2の回折領域50a,50bに形成されたブレーズの溝深さを700nm〜800nm程度の範囲において、第1の波長の2次回折光、並びに第2及び第3の波長の1次回折光の回折効率を70%以上として回折することができる。
偏光回折素子50は、第1の波長と、第2及び第3の波長とで異なる次数の回折光を用いる構成から、いずれの波長の場合にも後述する第4及び第5の受光部54,55の略同じ位置に集光させることができる。すなわち、一般的に、回折素子により異なる波長の光ビームを回折した場合には、回折角度が波長に比例する関係にあり、例えば、波長の短い第1の波長の光ビームに対して、波長の長い第2及び第3の波長の光ビームは拡がる方向に回折してしまい、この回折光の受光部での位置に差異が発生してしまうため受光部の大きさを大きくする必要がある。これに対し、この偏光回折素子50では、異なる次数の回折光を用いる構成から、第4及び第5の受光部54,55の大きさを小さくすることができる。
光検出器36は、図6に示すように、第1乃至第3のグレーティング46,47,48により3ビームに分割され偏光回折素子50を透過した光ビームをそれぞれ受光する第1乃至第3の受光部51,52,53と、第1乃至第3のグレーティング46,47,48により3ビームに分割されたうち0次光であるメインビームが偏光回折素子50により回折された光ビームをそれぞれ受光する第4及び第5の受光部54,55とを有する。
第1の受光部51は、各グレーティング46,47,48で回折された複数の光ビームのうち、メインビームで且つ偏光回折素子50を透過した光ビームを受光するフォトディテクタであり、互いに直交する一組の分割線によって略4等分割された各受光領域A,B,C,Dを有している。
第2及び第3の受光部52,53は、各グレーティング46,47,48で回折された複数の光ビームのうち、±1次光である2つのサイドビームで且つ偏光回折素子50を透過した光ビームをそれぞれ受光する一組のフォトディテクタであり、それぞれ、光ディスク11の半径方向に対応する方向Xr2に直交する方向の分割線によって略2等分割された各受光領域E1,F1及び各受光領域E2,F2を有している。尚、第2及び第3の受光部52,53は、第1の受光部51に対して、光ディスク11の半径方向に対応する方向Xr2に直交する方向の一方及び他方に離間して配置されている。
第4の受光部54は、各グレーティング46,47,48で回折されたメインビームで且つ偏光回折素子50の第1の回折領域50aで回折された光ビームを受光するフォトディテクタであり、光ディスク11の半径方向に対応する方向Xr2に略平行な2本の分割線によって3分割された各受光領域G1,H1,J1を有している。第5の受光部55は、各グレーティングで回折されたメインビームで且つ偏光回折素子50の第2の回折領域50bで回折された光ビームを受光するフォトディテクタであり、光ディスク11の半径方向に対応する方向Xr2に略平行な2本の分割線によって3分割された各受光領域G2,H2,J2を有している。尚、第4及び第5の受光部54,55は、第1の受光部51に対して、光ディスク11の半径方向に対応する方向Xr2の一方及び他方に離間して配置されている。
光検出器36は、第1乃至第5の受光部51〜55の各受光領域A〜D,E1,E2,F1,F2,G1〜J1,G2〜J2からの出力をそれぞれ、SA,SB,SC,SD,SE1,SE2,SF1,SF2,SG1,SH1,SJ1,SG2,SH2,SJ2として、これを用いて情報信号とともにフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号等の各種信号を得ることができる。
具体的に、光ピックアップ1によるフォーカスエラー信号の生成には、上述した第1及び第2の回折領域50a,50bで回折された光ビームをそれぞれ第4及び第5の受光部54,55で受光した光ビームの光量によりスポットサイズ(SSD)法を用いて検出する。このスポットサイズ法によるフォーカスエラー信号FEは、次式(1)により得られる。
FE=(SG1+SJ1+SH2)−(SG2+SJ2+SH1)・・・(1)
FE=(SG1+SJ1+SH2)−(SG2+SJ2+SH1)・・・(1)
また、光ピックアップ1によるトラッキングエラー信号の生成には、差分位相検出(DPD(differential phase detection))法と、差動プッシュプル(DPP(differential push-pull))法とを選択的に使用して検出する。このDPD法によるトラッキングエラー信号TE1は、次式(2)により得られ、DPP法によるトラッキングエラー信号TE2は、次式(3)により得られる。尚、式(2)において、Phase(A+C)は、各受光領域A,Cで検出された位相を足し合わせた位相であり、Phase(B+D)は、各受光領域B,Dで検出された位相を足し合わせた位相である。また、式(3)において、kは、オフセット成分を取り除くように決定される値である。
TE1=Phase(A+C)−Phase(B+D)・・・(2)
TE2={(SA+SD)−(SB+SC)}−k{(SE1−SF1)+(SE2−SF2)} ・・・(3)
TE1=Phase(A+C)−Phase(B+D)・・・(2)
TE2={(SA+SD)−(SB+SC)}−k{(SE1−SF1)+(SE2−SF2)} ・・・(3)
以上のように構成された光ピックアップ1は、光検出器36により検出された戻り光により生成されたフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に基づいて、第1又は第2の対物レンズ34,35を駆動して、フォーカスサーボ及びトラッキングサーボを行う。第1又は第2の対物レンズ34,35が駆動されることにより、光ディスク11の記録面に対して対物レンズ合焦位置に移動されて、光ビームが光ディスク11の記録面上に合焦されて、光ディスク11に対して情報の記録又は再生を行う。
次に、この光ピックアップ1における、第1乃至第3の光源部31,32,33から出射された光ビームの光路について、図2を用いて説明する。まず、第1の光ディスク4に対して出射される第1の波長の光ビームの光路について説明する。
光ディスク11が第1の光ディスク4であることを判別したディスク種類判別部29からの信号に基づいて、第1の光源部31は、第1の波長の光ビームを出射させる。
第1の光源部31から出射された第1の波長の光ビームは、第1のグレーティング46でメインビーム及びサイドビームからなる複数の光ビームに分割され、ダイクロPBS39で反射され、コリメータレンズ42により略平行光とされ、第2のダイクロプリズム41を透過して、立ち上げミラー43で反射され、1/4波長板44で円偏光状態とされ、第1の対物レンズ34により第1の光ディスク4の信号記録面上に集光される。
第1の光ディスク4に集光された光ビームは、信号記録面で反射され、1/4波長板44、立ち上げミラー43、第2のダイクロプリズム41及びコリメータレンズ42を経由して、ダイクロPBS39及び偏光ビームスプリッタ38を透過され、倍率変換レンズ49により発散角を変換されて偏光回折素子50に入射される。
偏光回折素子50に入射した第1の波長の光ビームのメインビームは、その偏光状態及び回折効率に応じてその一部が所定の割合で、第1の回折領域50aに入射した光ビームが第4の受光部54側に回折され、第2の回折領域50bに入射した光ビームが第5の受光部55側に回折される。また、偏光回折素子50に入射した第1の波長の光ビームのメインビームは、その偏光状態に応じて残りの一部が所定の割合で透過して、第1の受光部51に集光される。また、偏光回折素子50に入射した第1の波長の光ビームのサイドビームは、その偏光状態に応じて所定の割合で透過して、第2及び第3の受光部52,53に集光される。
次に、第2の光ディスク5に対して出射される第2の波長の光ビームの光路について説明する。
光ディスク11が第2の光ディスク5であることを判別したディスク種類判別部29からの信号に基づいて、第2の光源部32は、第2の波長の光ビームを出射させる。
第2の光源部32から出射された第2の波長の光ビームは、第2のグレーティング47で複数の光ビームに分割され、第1のダイクロプリズム37で反射され、偏光ビームスプリッタ38で反射され、ダイクロPBS39を透過して、コリメータレンズ42により略平行光とされ、第2のダイクロプリズム41で反射され、1/4波長板45で円偏光状態とされ、第2の対物レンズ35により第2の光ディスク5の信号記録面上に集光される。
第2の光ディスク5に集光された光ビームは、信号記録面で反射され、1/4波長板45、第2のダイクロプリズム41及びコリメータレンズ42を経由して、ダイクロPBS39に入射される。復路の第2の波長の光ビームのダイクロPBS39に入射した以降の光路は、上述した復路の第1の波長の光ビームと同様であるので詳細な説明は省略する。
さらに、第3の光ディスク6に対して出射される第3の波長の光ビームの光路は、第3の光源部33から出射され、第3のグレーティング48で複数の光ビームで分割され、第1のダイクロプリズム37を透過して偏光ビームスプリッタ38に入射することを除いて、上述した第2の波長の光ビームの光路と同様であるので詳細な説明は省略する。
以上のように、光ピックアップ1は、第1乃至第3の波長の光ビームを複数種類の光ディスク4,5,6の信号記録面にそれぞれ適切に集光して、その復路の第1乃至第3の波長の光ビームの一部を偏光回折素子50を透過させて第1の受光部51で検出することで情報信号の検出をすることができる。また、光ピックアップ1は、復路の第1乃至第3の波長の光ビームの光路に設けられた共通の偏光回折素子50の第1及び第2の回折領域50a,50bにより回折された回折光をそれぞれ共通の第4及び第5の受光部54,55で受光してスポットサイズ法を用いてフォーカスエラー信号を検出することができる。また、光ピックアップ1は、各グレーティング46,47,48で3ビームが生成された第1乃至第3の波長の光ビームを光ディスクの信号記録面に集光して、その復路の光ビームの一部を偏光回折素子50を透過させて共通の第1乃至第3の受光部51,52,53で受光してDPD法又はDPP法によりトラッキングエラー信号を検出することができる。このように、光ピックアップ1は、光学部品を共通として複数種類の光ディスクに対して、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号等のサーボ信号を検出して良好な記録及び再生を実現し、3波長互換を実現する。
また、光ピックアップ1は、特にスポットサイズ法によるフォーカスエラー信号検出のために、偏光回折素子50の第1及び第2の回折領域50a,50bは、第1の波長の光ビームの2次回折光の回折効率が70%以上であり、第2及び第3の波長の光ビームの1次回折光の回折効率が70%以上であり、この第1の波長と、第2及び第3の波長とで、異なる次数の回折光を用いることにより、偏光回折素子50の各波長の回折光を略同じ位置に集光することができ、受光部54,55の大きさを小型化することができ、共通の偏光回折素子50で回折された光ビームを共通の受光部54,55で検出して良好なフォーカスエラー信号の検出を可能とするとともにこの受光部54,55の小型化も実現する。
よって、本発明を適用した光ピックアップ1は、異なる3波長に対応したサーボ信号を検出することができるとともに、光学部品の小型化、装置の小型化、低コスト化を実現する。
また、光ピックアップ1は、第1乃至第2の対物レンズ34,35から出射される復路の第1乃至第3の波長の光ビームのビーム径が略同じ大きさとされており、すなわち、偏光回折素子50に入射する復路の第1乃至第3の波長の光ビームのビーム径が略同じ大きさとされていることから、第4及び第5の受光部54,55のさらなる小型化を実現し、さらに、第1乃至第3の受光部51,52,53の小型化を実現するとともに、往路及び復路における光学部品の小型化も実現して、装置の小型化、低コスト化を実現する。
本発明を適用した光ピックアップを用いた光ディスク装置10は、上述した光ピックアップ1を備え、光ピックアップの光学部品、光路を共通化した状態で、異なる3波長に対応して良好なサーボ信号を検出することができることにより、光ディスクに対して情報信号の良好な記録及び/又は再生を行うことを可能とし、さらに、光学部品の小型化、装置の小型化、低コスト化を実現する。
1 光ピックアップ、 10 光ディスク装置、 11 光ディスク、 12 スピンドルモータ、 27 制御部、 29 ディスク種類判別部、 31 第1の光源部、 32 第2の光源部、 33 第3の光源部、 34 第1の対物レンズ、 35 第2の対物レンズ、 36 光検出器、 42 コリメータレンズ、 44,45 1/4波長板、 46 第1のグレーティング、 47 第2のグレーティング、 48 第3のグレーティング、 50 偏光回折素子、 50a 第1の回折領域、 50b 第2の回折領域、 51 第1の受光部、 52 第2の受光部、 53 第3の受光部、 54 第4の受光部、 55 第5の受光部
Claims (4)
- 第1の波長の光ビームを出射する第1の出射部と、
上記第1の波長よりも波長が長い第2の波長の光ビームを出射する第2の出射部と、
上記第2の波長よりも波長が長い第3の波長の光ビームを出射する第3の出射部と、
上記第1乃至第3の出射部から出射された第1乃至第3の波長の光ビームを光ディスクの信号記録面に集光する対物レンズと、
上記光ディスクの信号記録面で反射された戻りの光ビームを検出する光検出器と、
上記第1乃至第3の出射部と、上記対物レンズとの間に設けられ、上記戻りの光ビームの光路を上記第1乃至第3の出射部から出射された光ビームの光路から分離して、上記戻りの光ビームを上記光検出器側に導く光路分離手段と、
上記光検出器と、上記光路分離手段との間に設けられ、通過する光ビームを所定の一方向へ回折する第1の回折領域と、通過する光ビームを所定の他方向へ回折する第2の回折領域とが交互に形成された偏光回折素子とを備え、
上記光検出器は、上記第1の回折領域で回折された光ビームを受光する第1の受光部と、上記第2の回折領域で回折された光ビームを受光する第2の受光部とを有し、
上記第1の回折領域で回折された光ビームは、上記第1の受光部の前方側で集光され、上記第2の回折領域で回折された光ビームは、第2の受光部の後方側で集光され、上記第1及び第2の受光部で受光された光ビームの光量に基づいてフォーカスエラー信号を検出し、
上記偏光回折素子は、入射した光ビームが所定の偏光方向であった場合には、光ビームを回折し、入射した光ビームが上記所定の偏光方向に対して直交する偏光方向であった場合には光ビームを透過し、
上記第1及び第2の回折領域は、回折される偏光状態の光ビームの光量に対して、上記第1の波長の光ビームの2次回折光の回折効率が70%以上であり、上記第2及び第3の波長の光ビームの1次回折光の回折効率が70%以上である光ピックアップ。 - 上記第1及び第2の回折領域には、それぞれブレーズ形状の格子溝が形成されている請求項1記載の光ピックアップ。
- 上記第1及び第2の回折領域には、それぞれ階段形状にの格子溝が連続して形成されている請求項1記載の光ピックアップ。
- 光ディスクに対して情報を記録及び/又は再生する光ピックアップと、上記光ディスクを回転するディスク回転駆動手段とを備える光ディスク装置において、
上記光ピックアップは、第1の波長の光ビームを出射する第1の出射部と、
上記第1の波長よりも波長が長い第2の波長の光ビームを出射する第2の出射部と、
上記第2の波長よりも波長が長い第3の波長の光ビームを出射する第3の出射部と、
上記第1乃至第3の出射部から出射された第1乃至第3の波長の光ビームを光ディスクの信号記録面に集光する対物レンズと、
上記光ディスクの信号記録面で反射された戻りの光ビームを検出する光検出器と、
上記第1乃至第3の出射部と、上記対物レンズとの間に設けられ、上記戻りの光ビームの光路を上記第1乃至第3の出射部から出射された光ビームの光路から分離して、上記戻りの光ビームを上記光検出器側に導く光路分離手段と、
上記光検出器と、上記光路分離手段との間に設けられ、通過する光ビームを所定の一方向へ回折する第1の回折領域と、通過する光ビームを所定の他方向へ回折する第2の回折領域とが交互に形成された偏光回折素子とを備え、
上記光検出器は、上記第1の回折領域で回折された光ビームを受光する第1の受光部と、上記第2の回折領域で回折された光ビームを受光する第2の受光部とを有し、
上記第1の回折領域で回折された光ビームは、上記第1の受光部の前方側で集光され、上記第2の回折領域で回折された光ビームは、第2の受光部の後方側で集光され、上記第1及び第2の受光部で受光された光ビームの光量に基づいてフォーカスエラー信号を検出し、
上記偏光回折素子は、入射した光ビームが所定の偏光方向であった場合には、光ビームを回折し、入射した光ビームが上記所定の偏光方向に対して直交する偏光方向であった場合には光ビームを透過し、
上記第1及び第2の回折領域は、回折される偏光状態の光ビームの光量に対して、上記第1の波長の光ビームの2次回折光の回折効率が70%以上であり、上記第2及び第3の波長の光ビームの1次回折光の回折効率が70%以上である光ディスク装置。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110405 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20111004 |