Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2004279191A - 傾きセンサ、傾き測定装置、光ピックアップ装置及び光ディスク装置 - Google Patents

傾きセンサ、傾き測定装置、光ピックアップ装置及び光ディスク装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004279191A
JP2004279191A JP2003070509A JP2003070509A JP2004279191A JP 2004279191 A JP2004279191 A JP 2004279191A JP 2003070509 A JP2003070509 A JP 2003070509A JP 2003070509 A JP2003070509 A JP 2003070509A JP 2004279191 A JP2004279191 A JP 2004279191A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
signal
tilt
tilt sensor
light receiving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003070509A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4551624B2 (ja
Inventor
Tetsuya Ogata
哲也 小形
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2003070509A priority Critical patent/JP4551624B2/ja
Priority to US10/798,362 priority patent/US7577076B2/en
Publication of JP2004279191A publication Critical patent/JP2004279191A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4551624B2 publication Critical patent/JP4551624B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Optical Head (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

【課題】対象物の傾きに関する情報を含む信号を精度良く出力することができる小型で安価な傾きセンサを提供する。
【解決手段】対象物15を介した光束は回折素子153に入射し、入射角に応じた回折効率で回折される。回折素子からの回折光は光検出器159で受光される。対象物が所定の基準面に対して傾斜すると、対象物の傾斜角に応じて回折素子に入射する光束の入射角が変化し、回折素子からの回折光の強度が変化する。これにより、光検出器の出力信号には対象物の傾きに関する情報が含まれることとなる。このように光検出器での受光光量そのものが対象物の傾きに関する情報を含んでいるために、従来に比べて光検出器の実装位置に関する許容範囲が広くなり、組み付け工程、調整工程及び検査工程を簡素化することが可能となる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は傾きセンサ、傾き測定装置、光ピックアップ装置及び光ディスク装置に係り、さらに詳しくは、所定の基準面に対する対象物の傾きを検出するための傾きセンサ、該傾きセンサを用いた傾き測定装置、情報記録媒体の記録面に光を照射し、該記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置及び該光ピックアップ装置を備えた光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ(以下「パソコン」と略述する)は、その機能が向上するに伴い、音楽や映像といったAV(Audio−Visual)情報を取り扱うことが可能となってきた。これらAV情報の情報量は非常に大きいために、情報記録媒体としてCD(compact disc)やDVD(digital versatile disc)などの大容量の光ディスクが注目されるようになり、その低価格化とともに、光ディスクをアクセスするための光ディスク装置がパソコンの周辺機器の一つとして普及するようになった。
【0003】
光ディスク装置では、スパイラル状又は同心円状のトラックが形成された光ディスクの記録面にレーザ光の微小スポットを形成することにより情報の記録を行い、記録面からの反射光に基づいて情報の再生などを行っている。そして、光ディスク装置には、記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置として光ピックアップ装置が設けられている。
【0004】
一般的に光ピックアップ装置は、対物レンズを含み、光源から出射される光束を記録面に導くとともに、記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系、及び受光位置に配置された受光素子などを備えている。この受光素子からは、記録面に記録されているデータの再生情報だけでなく、光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御に必要な情報(サーボ情報)などを含む信号が出力される。そして、光ディスク装置は、受光素子からの出力信号に基づいて、記録面の所定位置に所定形状の光スポットが形成されるように各種サーボ制御を行っている。
【0005】
記録面の所定位置に所定の光スポットを正確に形成したり、再生情報及びサーボ情報などを精度良く検出するためには、記録面と対物レンズの光軸とがほぼ直交していることが望ましい。しかしながら、例えば情報記録媒体のそりや偏重心などにより、記録面が対物レンズの光軸に垂直な平面に対して傾く場合があり、その傾きが大きくなると、光スポットの形状の劣化、再生情報及びサーボ情報などを含む信号の劣化を引き起こすおそれがあった。なお、以下では、対物レンズの光軸に垂直な平面に対する情報記録媒体の傾きを、便宜上「情報記録媒体の傾き」と略述する。
【0006】
光を用いて対象物の傾きを検出する装置としては、レーザオートコリメータが知られている。一般的にレーザオートコリメータは、一例として図23に示されるように、対物レンズL、該対物レンズLの焦点位置をレーザ光の発光点とする光源LD、該光源LDから出射されたレーザ光の光路上に光源LDから距離bの位置に配置され、対物レンズLを介した対象物Mからの反射光を分岐する偏光ビームスプリッタPBS、該偏光ビームスプリッタPBSと対物レンズLとの間に配置されたλ/4板PX、及び偏光ビームスプリッタPBSで分岐されたレーザ光の光路上に偏光ビームスプリッタPBSから距離bの位置に配置された位置検出器PSDなどを備えている。光源LDから出射されたレーザ光は、偏光ビームスプリッタPBS、λ/4板PX及び対物レンズLを介して対象物Mに照射される。ここで、例えば対象物Mが対物レンズLの光軸に垂直な平面に対して角度θだけ傾いていると、対象物Mで反射された反射光は、往路に対して角度2θだけずれて対物レンズLに入射する。対物レンズLに入射した反射光は、λ/4板PX及び偏光ビームスプリッタPBSを介して位置検出器PSDに入射する。そして、位置検出器PSDで検出された受光位置dと対物レンズLの焦点距離f(=a+b)とから次の(1)式に基づいて角度θが算出される。
【0007】
θ=d/2f ……(1)
【0008】
しかしながら、レーザオートコリメータでは位置検出器PSDが高価であるとともに、必要な検出精度を得るには焦点距離fの長い対物レンズを用いなければならないため、情報記録媒体の傾き検出用として光ディスク装置に用いると、光ディスク装置の低コスト化及び小型化を阻害するという不都合があった。
【0009】
そこで、低コスト化及び小型化を阻害することなく情報記録媒体の傾きを検出する装置が種々提案された(例えば特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特許第1787274号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に開示されている光ディスク装置(特許文献1では光学式ディスクプレーヤと記載されている)では、情報記録媒体からの反射光を受光領域が2つに分割されている2分割受光素子で受光し、受光領域毎に出力される各光電変換信号の差信号に基づいて、情報記録媒体の傾きを検出している。しかしながら、2分割受光素子を設計上の位置に正確に実装するのは困難であり、組み付け誤差に起因するオフセットが差信号に付加され、傾きの検出精度が低下するおそれがあった。また、経時変化や温度変化などに起因するオフセットが上記差信号に付加されるおそれもあった。
【0012】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、対象物の傾きに関する情報を含む信号を精度良く出力することができる小型で安価な傾きセンサを提供することにある。
【0013】
また、本発明の第2の目的は、対象物の傾斜角を精度良く測定することができる小型で安価な傾き測定装置を提供することにある。
【0014】
また、本発明の第3の目的は、大型化及び高コスト化を招くことなく、光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御に必要な情報などを含む信号を精度良く出力することができる光ピックアップ装置を提供することにある。
【0015】
また、本発明の第4の目的は、情報記録媒体へのアクセスを精度良く安定して行うことができる光ディスク装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、所定の基準面に対する対象物の傾きに関する情報を検出するための傾きセンサであって、前記対象物を介した光束の光路上に前記基準面と所定の位置関係で配置され、前記光束の入射角に応じた回折効率で前記光束を回折する回折素子と;前記回折素子からの回折光を受光し、光電変換信号を出力する光検出器と;を備える傾きセンサである。
【0017】
なお、本明細書では、「傾きに関する情報」は、傾斜角そのものだけでなく、傾斜角に変換することができる情報、及び傾斜角の変化に応じて変化する情報などを含む。
【0018】
これによれば、対象物を介した光束は回折素子に入射し、入射角に応じた回折効率で回折される。回折素子からの回折光は光検出器で受光され、受光光量に応じた光電変換信号が光検出器から出力される。例えば対象物が所定の基準面に対して傾斜すると、回折素子は基準面と所定の位置関係で配置されているために、対象物の傾斜角に応じて回折素子に入射する光束の入射角が変化する。この回折素子は光束の入射角に応じて回折効率が変化する特性を有しているために、光束の入射角に応じて回折素子からの回折光の強度が変化し、それによって光検出器での受光光量が変化する。すなわち、光検出器から出力される光電変換信号には対象物の傾きに関する情報が含まれることとなる。このように光検出器での受光光量そのものが対象物の傾きに関する情報を含んでいるために、前記従来例に比べて光検出器の実装位置に関する許容範囲が広くなり、組み付け工程、調整工程及び検査工程を簡素化することが可能となる。すなわち、製造コストを低減することが可能となる。また、光検出器の出力信号に及ぼす経時変化や温度変化などの影響も低減することができる。従って、小型で安価な構成で、対象物の傾きに関する情報を含む信号を精度良く出力することができる。
【0019】
この場合において、請求項2に記載の傾きセンサの如く、前記光検出器で受光される回折光は、最も強度の高い次数の回折光であることとすることができる。
【0020】
上記請求項1及び2に記載の各傾きセンサにおいて、請求項3に記載の傾きセンサの如く、前記回折素子は、前記光検出器で受光される回折光の強度と前記光束の入射角との関係が所定区間でほぼ線形となるように設定されていることとすることができる。かかる場合には、傾きセンサの出力信号から対象物の傾きに関する情報を抽出する処理及び回路を単純化することができる。
【0021】
上記請求項1〜3に記載の各傾きセンサにおいて、請求項4に記載の傾きセンサの如く、前記光検出器が前記回折光とは別個に前記回折素子からの0次光を更に受光する場合には、前記光検出器から出力される前記回折光の光電変換信号と前記0次光の光電変換信号との差信号を生成する差信号生成手段を更に備えることとすることができる。かかる場合には、ある程度大きな傾きにも対応することが可能となる。
【0022】
上記請求項1に記載の傾きセンサにおいて、請求項5に記載の傾きセンサの如く、前記光検出器が前記回折素子からの+1次回折光及び−1次回折光をそれぞれ受光する場合には、前記光検出器から出力される前記+1次回折光の光電変換信号と前記−1次回折光の光電変換信号との差信号を生成する差信号生成手段を更に備えることとすることができる。かかる場合には、入射角が0度のときに差信号が0となり、傾きセンサの出力信号から対象物の傾きに関する情報を抽出する処理及び回路を単純化することができる。
【0023】
上記請求項1に記載の傾きセンサにおいて、請求項6に記載の傾きセンサの如く、前記回折素子が、第1の溝方向の凹凸格子が形成された第1の領域及び前記第1の溝方向に直交する第2の溝方向の凹凸格子が形成された第2の領域をそれぞれ含む場合には、前記光検出器は、前記第1の領域からの回折光を受光する第1の受光部と、前記第2の領域からの回折光を受光する第2の受光部とを有することとすることができる。かかる場合には、互いに直交する2方向に関する対象物の傾きに関する情報を含む信号をそれぞれ出力することが可能となる。
【0024】
この場合において、請求項7に記載の傾きセンサの如く、前記第1、第2の受光部で受光される回折光は、それぞれ最も強度の高い次数の回折光であることとすることができる。
【0025】
上記請求項6及び7に記載の各傾きセンサにおいて、請求項8に記載の傾きセンサの如く、前記回折素子は、前記第1の受光部で受光される回折光の強度と前記第1の領域への前記光束の入射角との関係が第1の区間でほぼ線形となるとともに、前記第2の受光部で受光される回折光の強度と前記第2の領域への前記光束の入射角との関係が第2の区間でほぼ線形となるように設定されていることとすることができる。
【0026】
上記請求項6〜8に記載の各傾きセンサにおいて、請求項9に記載の傾きセンサの如く、前記光検出器が前記回折素子からの0次光を受光する第3の受光部を更に有する場合には、前記第1の受光部からの光電変換信号と前記第3の受光部からの光電変換信号との差信号を生成する第1の差信号生成手段を更に備えることとすることができる。
【0027】
この場合において、請求項10に記載の傾きセンサの如く、前記第2の受光部からの光電変換信号と前記第3の受光部からの光電変換信号との差信号を生成する第2の差信号生成手段を更に備えることとすることができる。
【0028】
上記請求項6に記載の傾きセンサにおいて、請求項11に記載の傾きセンサの如く、前記第1の受光部が前記第1の領域からの+1次回折光及び−1次回折光をそれぞれ受光する場合には、前記第1の受光部から出力される前記+1次回折光の光電変換信号と前記−1次回折光の光電変換信号との差信号を生成する第1の差信号生成手段を更に備えることとすることができる。
【0029】
この場合において、請求項12に記載の傾きセンサの如く、前記第2の受光部が前記第2の領域からの+1次回折光及び−1次回折光をそれぞれ受光する場合には、前記第2の受光部から出力される前記+1次回折光の光電変換信号と前記−1次回折光の光電変換信号との差信号を生成する第2の差信号生成手段を更に備えることとすることができる。
【0030】
上記請求項1〜12に記載の各傾きセンサにおいて、請求項13に記載の傾きセンサの如く、前記回折素子は、形成されている凹凸格子の断面形状がのこぎり刃状であることとすることができる。
【0031】
上記請求項1〜13に記載の各傾きセンサにおいて、前記対象物を介した光束としては、前記対象物を通過した光束や前記対象物から出射された光束などであっても良いが、例えば請求項14に記載の傾きセンサの如く、前記対象物を介した光束は、前記対象物で反射された反射光であることとすることができる。
【0032】
この場合において、請求項15に記載の傾きセンサの如く、前記基準面に対して一定の角度をなす方向に光束を出射する光源を更に備え、前記光源から出射され前記対象物で反射された反射光の光路上に前記回折素子が配置されていることとすることができる。
【0033】
この場合において、請求項16に記載の傾きセンサの如く、前記光源から出射され前記対象物に向かう光束の光路上に配置され、前記光源から出射された光束を略平行光とする光学素子を更に備えることとすることができる。
【0034】
上記請求項15及び16に記載の各傾きセンサにおいて、請求項17に記載の傾きセンサの如く、前記回折素子は、入射する光束の偏光状態に応じて回折作用が異なる偏光回折素子であり、前記光源から出射される光束の偏光方向に対して、前記偏光回折素子に入射する前記反射光の偏光方向をほぼ90度ずらすための位相差板を更に備えることとすることができる。かかる場合には、光利用効率が向上するため、更に小型化を図ることができる。
【0035】
請求項18に記載の発明は、所定の基準面に対する対象物の傾斜角を測定する傾き測定装置であって、請求項15〜17のいずれか一項に記載の傾きセンサと;前記傾きセンサの出力信号に基づいて、前記基準面に対する前記対象物の傾斜角を取得する傾斜角取得手段と;を備える傾き測定装置である。
【0036】
これによれば、請求項15〜17のいずれか一項に記載の傾きセンサの出力信号に基づいて、傾斜角取得手段により基準面に対する対象物の傾斜角が取得されるため、結果として小型で安価な装置構成で、対象物の傾斜角を精度良く測定することができる。
【0037】
請求項19に記載の発明は、情報記録媒体の記録面に光を照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、前記情報記録媒体を前記対象物とする請求項15〜17のいずれか一項に記載の傾きセンサと;前記情報記録媒体に対応した波長のレーザ光を出射するレーザ光源と;前記レーザ光を前記記録面に集光する対物レンズを含み、前記記録面で反射され前記対物レンズを介した前記レーザ光の戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系と;前記受光位置に配置され、前記戻り光束を受光する信号光検出器と;を備える光ピックアップ装置である。
【0038】
これによれば、レーザ光源から出射されたレーザ光は対物レンズを介して情報記録媒体の記録面に集光され、記録面で反射され対物レンズを介したレーザ光の戻り光束は信号光検出器で受光される。そして、請求項15〜17のいずれか一項に記載の傾きセンサでは、光源から出射され情報記録媒体で反射した光束を回折素子を介して光検出器で受光し、その受光光量に応じた光電変換信号が出力される。すなわち、請求項15〜17のいずれか一項に記載の傾きセンサにより情報記録媒体の傾きに関する情報を含む信号が精度良く出力されるため、結果として大型化及び高コスト化を招くことなく、信号光検出器から光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御に必要な情報などを含む信号を精度良く出力することが可能となる。
【0039】
請求項20に記載の発明は、情報記録媒体の記録面に光を照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、前記情報記録媒体に対応した波長のレーザ光を出射するレーザ光源と;前記レーザ光を前記記録面に集光する対物レンズを含み、前記記録面で反射され前記対物レンズを介した前記レーザ光の戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系と;前記受光位置に配置され、前記戻り光束を受光する信号光検出器と;前記レーザ光源から出射され前記対物レンズに向かう光束の光路上に配置され、前記レーザ光の一部を前記情報記録媒体に向けて分岐する分岐光学素子と;前記分岐光学素子で分岐され前記情報記録媒体で反射されたレーザ光の光路上に前記回折素子が配置され、前記情報記録媒体を前記対象物とする請求項14に記載の傾きセンサと;を備える光ピックアップ装置である。
【0040】
これによれば、レーザ光源から出射されたレーザ光は対物レンズを介して情報記録媒体の記録面に集光され、記録面で反射され対物レンズを介したレーザ光の戻り光束は信号光検出器で受光される。この際、レーザ光源から出射されたレーザ光の一部が分岐光学素子によって情報記録媒体に向けて分岐され、この分岐されたレーザ光の情報記録媒体からの反射光が請求項14に記載の傾きセンサを構成する回折素子に入射される。すなわち、請求項14に記載の傾きセンサにより情報記録媒体の傾きに関する情報を含む信号が精度良く出力される。従って、結果として大型化及び高コスト化を招くことなく、信号光検出器から光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御に必要な情報などを含む信号を精度良く出力することが可能となる。
【0041】
請求項21に記載の発明は、情報記録媒体の記録面上に光を照射し、情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、請求項19又は20に記載の光ピックアップ装置と;前記傾きセンサの出力信号に基づいて、前記記録面に形成される光スポットの形状を調整する調整手段と;前記光ピックアップ装置の出力信号を用いて、情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置である。
【0042】
これによれば、処理装置により、ピックアップ装置の出力信号を用いて情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう際に、調整手段により傾きセンサの出力信号に基づいて、記録面に形成される光スポットの形状が調整される。従って、情報記録媒体への情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を含むアクセスを精度良く安定して行うことができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る光ディスク装置20の概略構成が示されている。
【0044】
この図1に示される光ディスク装置20は、情報記録媒体(対象物)としての光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、レーザコントロール回路24、エンコーダ25、ドライバ27、再生信号処理回路28、サーボコントローラ33、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、フラッシュメモリ39、CPU40及びRAM41などを備えている。なお、図1における接続線は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。また、本実施形態では、一例としてDVD系の規格に準拠した情報記録媒体が光ディスク15に用いられるものとする。
【0045】
前記光ピックアップ装置23は、光ディスク15のスパイラル状又は同心円状のトラックが形成された記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置であり、図2に示されるように、受発光モジュール51、コリメートレンズ52、ホログラム素子53、立ち上げミラー57、電気光学素子71、対物レンズ60、傾きセンサとしてのチルトセンサTS及び駆動系(フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ及びシークモータ(いずれも図示省略))などを備えている。
【0046】
前記受発光モジュール51は、レーザ光源としての半導体レーザ51a、及び信号光検出器としての受光器59を含んで構成されている。
【0047】
この半導体レーザ51aは、波長が660nmの光束(レーザ光)を発光する。なお、ここでは、受発光モジュール51から出射される光束(以下、便宜上「出射光束」ともいう)の最大強度出射方向を+X方向とする。
【0048】
受光器59は、半導体レーザ51aの近傍に配置され、光ディスク15の記録面に照射された出射光束の反射光(以下「戻り光束」という)を受光する。この受光器59は、通常の光ディスク装置と同様に、ウォブル信号情報、再生データ情報、フォーカスエラー情報及びトラックエラー情報などを含む信号を出力する複数の受光素子を含んで構成されている。
【0049】
受発光モジュール51の+X側には、受発光モジュール51と一体化して前記ホログラム素子53が配置されている。このホログラム素子53は、往路と復路の共通光路上から戻り光束を受光器59の受光面方向に分岐する。
【0050】
ホログラム素子53の+X側には、前記コリメートレンズ52が配置され、ホログラム素子53を透過した出射光束を略平行光とする。
【0051】
コリメートレンズ52の+X側には、前記立ち上げミラー57が配置され、コリメートレンズ52からの略平行光を+Z方向に反射する。
【0052】
立ち上げミラー57の+Z側には、前記電気光学素子71が配置されている。この電気光学素子71にはドライバ27から電圧が印加され、入射する光束に印加電圧に応じた光学的位相差が付与される。
【0053】
前記対物レンズ60は、電気光学素子71の+Z側に配置され、電気光学素子71を透過した光束を集光し、光ディスク15の記録面に光スポットを形成する。
【0054】
前記チルトセンサTSは、対物レンズ60近傍に配置され、対物レンズ60の光軸に垂直な平面(基準面)に対する光ディスク15の傾き(以下、便宜上「チルト」ともいう)に関する情報を含む信号を出力する。なお、このチルトセンサTSの構成等については後に詳述する。
【0055】
ここで、上記のように構成される光ピックアップ装置23の作用を簡単に説明する。受発光モジュール51から出射された光束(出射光束)は、ホログラム素子53に入射する。ホログラム素子53を透過した出射光束は、コリメートレンズ52で略平行光とされ、立ち上げミラー57で+Z方向に反射される。この出射光束は電気光学素子71で印加電圧に応じた光学的位相差が付与された後、対物レンズ60を介して光ディスク15の記録面に集光される。
【0056】
光ディスク15の記録面にて反射した反射光は、戻り光束として対物レンズ60で再び略平行光とされ、電気光学素子71で印加電圧に応じた光学的位相差が付与された後、立ち上げミラー57に入射する。この戻り光束は立ち上げミラー57で−X方向に反射され、コリメートレンズ52を介してホログラム素子53に入射する。ホログラム素子53で回折された戻り光束は、受光器59で受光される。受光器59を構成する各受光素子は、受光量に応じた信号をそれぞれ再生信号処理回路28に出力する。
【0057】
また、チルトセンサTSは、前述の如くチルトに関する情報を含む信号を再生信号処理回路28に出力する。
【0058】
前記再生信号処理回路28は、図3に示されるように、I/Vアンプ28a、サーボ信号検出回路28b、ウォブル信号検出回路28c、RF信号検出回路28d、デコーダ28e、I/Vアンプ28f、チルトセンサ信号検出回路28g、スポット調整信号生成回路28h及びメモリ28mなどから構成されている。
【0059】
I/Vアンプ28aは、受光器59の出力信号である電流信号を電圧信号に変換するとともに、所定のゲインで増幅する。サーボ信号検出回路28bは、I/Vアンプ28aの出力信号に基づいてサーボ信号(フォーカスエラー信号及びトラックエラー信号など)を検出する。ここで検出されたサーボ信号はサーボコントローラ33に出力される。ウォブル信号検出回路28cは、I/Vアンプ28aの出力信号に基づいてウォブル信号を検出する。RF信号検出回路28dは、I/Vアンプ28aの出力信号に基づいてRF信号を検出する。
【0060】
デコーダ28eは、ウォブル信号検出回路28cで検出されたウォブル信号からADIP(Address In Pregroove)情報及び同期信号などを抽出する。ここで抽出されたADIP情報はCPU40に出力され、同期信号はエンコーダ25に出力される。また、デコーダ28eは、RF信号検出回路28dで検出されたRF信号に対して復号処理及び誤り訂正処理等を行なった後、再生データとしてバッファマネージャ37を介してバッファRAM34に格納する。なお、再生データが音楽データの場合には外部のオーディオ機器などに出力される。
【0061】
I/Vアンプ28fは、チルトセンサTSの出力信号である電流信号を電圧信号に変換するとともに、所定のゲインで増幅する。
【0062】
メモリ28mには、後述するチルト変換情報やチルト補償情報を含む各種情報が格納されている。
【0063】
チルトセンサ信号検出回路28gは、I/Vアンプ28fの出力信号及びメモリ28mに格納されているチルト変換情報に基づいて、前記基準面に対する光ディスク15の傾斜角(以下、便宜上「チルト量」という)に対応するチルトセンサ信号を検出する。
【0064】
スポット調整信号生成回路28hは、上記チルトセンサ信号及びメモリ28mに格納されているチルト補償情報に基づいて、光ディスク15の記録面に形成される光スポットの形状を最適な形状に調整するための信号(以下「スポット調整信号」と略述する)を生成する。ここでは、チルトに起因する波面収差を相殺するような光学的位相差を電気光学素子71で付与するための電気光学素子71への印加電圧に対応する信号がスポット調整信号としてドライバ27に出力される。
【0065】
図1に戻り、前記サーボコントローラ33は、再生信号処理回路28からのフォーカスエラー信号に基づいてフォーカスずれを補正するためのフォーカス制御信号を生成し、トラックエラー信号に基づいてトラックずれを補正するためのトラッキング制御信号を生成する。ここで生成された各制御信号はそれぞれドライバ27に出力される。
【0066】
前記ドライバ27は、上記フォーカス制御信号に基づいてフォーカシングアクチュエータの駆動信号を光ピックアップ装置23に出力し、上記トラッキング制御信号に基づいてトラッキングアクチュエータの駆動信号を光ピックアップ装置23に出力する。すなわち、サーボ信号検出回路28b、サーボコントローラ33及びドライバ27によってトラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。また、ドライバ27は、スポット調整信号生成回路28gからのスポット調整信号に基づいて電気光学素子71への印加電圧を光ピックアップ装置23に出力する。さらに、ドライバ27は、CPU40からの制御信号に基づいてスピンドルモータ22及びシークモータにそれぞれ駆動信号を出力する。
【0067】
前記バッファRAM34には、光ディスク15に記録するデータ、及び光ディスク15から読み出したデータなどが一時的に格納される。
【0068】
前記バッファマネージャ37は、バッファRAM34へのデータの入出力を管理し、蓄積されたデータ量が所定量になるとCPU40に通知する。
【0069】
前記エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいてバッファRAM34に蓄積されているデータをバッファマネージャ37を介して取り出し、データの変調及びエラー訂正コードの付加等を行ない、光ディスク15への書き込み信号を生成するとともに、再生信号処理回路28からの同期信号に同期して書き込み信号をレーザコントロール回路24に出力する。
【0070】
前記レーザコントロール回路24は、エンコーダ25からの書き込み信号及びCPU40の指示に基づいて、前記半導体レーザ51aの発光パワーを制御する制御信号を光ピックアップ装置23に出力する。
【0071】
前記インターフェース38は、ホスト(例えばパソコン)との双方向の通信インターフェースであり、一例としてATAPI(AT Attachment Packet Interface)の規格に準拠している。
【0072】
前記フラッシュメモリ39には、CPU40にて解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。
【0073】
前記CPU40は、フラッシュメモリ39に格納されている上記プログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータなどを一時的にRAM41に保存する。
【0074】
次に、前記チルトセンサTSの構成等について図4〜図6に基づいて説明する。このチルトセンサTSは、図4に示されるように、光源としての発光ダイオード151、光学素子としてのコリメートレンズ152、回折素子としてのホログラム素子153、及び光検出器としての受光素子159などを備えている。
【0075】
前記発光ダイオード151は、CPU40の指示に基づいて、前記基準面に対して一定の角度をなす方向に、チルトに関する情報を検出するための光束(以下、便宜上「チルト検出用光束」ともいう)を出射する。
【0076】
前記コリメートレンズ152は、発光ダイオード151から出射され光ディスク15に向かうチルト検出用光束の光路上に配置され、発光ダイオード151から出射されたチルト検出用光束を略平行光とする。
【0077】
前記ホログラム素子153は、前記基準面と所定の位置関係を有するとともに、光ディスク15で反射されたチルト検出用光束(以下、便宜上「チルト検出用反射光束」という)の光路上に配置され、チルト検出用反射光束を回折する。このホログラム素子153は、いわゆる体積ホログラム素子であり、設計値として溝深さが3.7±1μm、溝間隔(ピッチ)が1.4±0.1μmの周期的な凹凸格子が形成されている。
【0078】
ここで、体積ホログラムについて説明する。例えば、小山、西原著の「光波電子光学」(コロナ社)117頁〜132頁に記載されている如く、ホログラムには、一般的に平面ホログラムと体積ホログラムとがある。平面ホログラムであるか体積ホログラムであるかは、次の(2)式で算出されるパラメータQの値(Q値)によって判断される。ここで、λは入射光の波長、Tは凹凸格子の溝深さ、nは屈折率、Pは溝間隔である。
【0079】
Q=2πλT/(nP) ……(2)
【0080】
通常、Q≦0.5の場合が平面ホログラム、Q≧5の場合が体積ホログラムと呼ばれている。平面ホログラムと体積ホログラムの性質の違いの一つは、回折効率の入射角依存性の有無である。例えば図5に示されるように、平面ホログラムでは光の入射角に関係なく回折効率はほぼ一定であるが、体積ホログラムでは光の入射角により回折効率は大きく変化し、特定の入射角θ(ブラッグ角)のときに回折効率が最大となる。
【0081】
ホログラム素子153の回折効率は、一例として図6に示されるように大きな入射角依存性を有している。図6には、+1次回折光の場合について示されている。そして、入射角が−5度から+5度の間では、回折効率と入射角とはほぼ線形の関係にある。ここでは、回折効率Dfと入射角θとの関係は、一例として次の(3)式で示されるものとする。なお、a1及びk1は定数である。
【0082】
Df=a1・θ+k1 ……(3)
【0083】
そこで、基準面に対する光ディスク15の傾きが0度のときの入射角をθ0とすると、そのときの回折効率Df0は次の(4)式で示される。
【0084】
Df0=a1・θ0+k1 ……(4)
【0085】
ここで、例えば光ディスク15が基準面に対して角度θmだけ時計方向に傾くと入射角はθ0+2θmとなる。このときの回折効率Dfmは次の(5)式で示される。
【0086】
Dfm=a1(θ0+2θm)+k1 ……(5)
【0087】
上記(5)式と(4)式の差を求めると、次の(6)式が得られる。すなわち、回折効率の変化量とチルト量とが対応することとなる。
【0088】
Dfm−Df0=2a1・θm ……(6)
【0089】
なお、本実施形態では、一例として光ディスク15がトラックの接線方向(以下「タンジェンシャル方向」ともいう)に直交する方向(以下「ラジアル方向」ともいう)に傾くとホログラム素子153の回折効率が変化するように設定されている。すなわち、チルトセンサTSからはラジアルチルトに関する情報を含む信号が出力される。また、ホログラム素子153は、チルト量が0のときにチルト検出用反射光束の入射角がほぼ0となるように配置されている。
【0090】
前記受光素子159は、ホログラム素子153からの回折光を受光し、光電変換信号を再生信号処理回路28に出力する。従って、受光素子159の出力信号はホログラム素子153での回折効率に応じて変化することとなる。そこで、受光素子159の出力信号Iは、ホログラム素子153での回折効率Dfを用いて、次の(7)式で示すことができる。なお、a2及びk2は定数である。
【0091】
I=a2・Df+k2 ……(7)
【0092】
チルト量が0のときの出力信号I0は、次の(8)式で示すことができる。なお、A=a1・a2、K=a2・k1+k2である。
【0093】
Figure 2004279191
【0094】
例えば光ディスク15がθmだけ時計回りに傾いたときの出力信号Imは、次の(9)式で示すことができる。
【0095】
Figure 2004279191
【0096】
上記(9)式と(8)式との差を求めると、次の(10)式が得られる。すなわち、受光素子159の出力信号の変化量とチルト量とが対応することとなる。従って、予め実験等により、I0及びa2の値を求めておくことにより、チルト量θmを算出することができる。本実施形態では、受光素子159の出力信号は再生信号処理回路28で電圧信号に変換されるので、(10)式における電流値をI/Vアンプ28fの特性に応じて電圧値に変更した次の(11)式におけるV0及びBの値(いずれも定数)が前記チルト変換情報としてメモリ28mに格納されている。
【0097】
Im−I0=2a2・θm ……(10)
Vm−V0=B・θm ……(11)
【0098】
すなわち、前記チルトセンサ信号検出回路28gでは、上記(11)式及び前記チルト変換情報に基づいてチルト量を検出する。
【0099】
また、メモリ28mには、チルト量と電気光学素子71への印加電圧との関係がチルト補償情報として格納されている。そして、前記スポット調整信号生成回路28hでは、検出されたチルト量とチルト補償情報とに基づいて電気光学素子71への印加電圧を設定する。
【0100】
なお、本実施形態では、受光素子159は、一例として+1次回折光L+1を受光するように設定されている(図4参照)。図4におけるL−1は−1次回折光を示している。
【0101】
次に、前述の光ディスク装置20を用いて、光ディスク15にユーザデータを記録する場合の処理動作について簡単に説明する。
【0102】
CPU40はホストから記録要求のコマンド(以下、「記録要求コマンド」という)を受信すると、指定された記録速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をドライバ27に出力するとともに、記録要求コマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。また、CPU40はホストから受信したユーザデータのバッファRAM34への蓄積をバッファマネージャ37に指示する。
【0103】
光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、前記トラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。なお、トラッキング制御及びフォーカス制御は記録処理が終了するまで随時行われる。また、再生信号処理回路28は、受光器59の出力信号に基づいてADIP情報を取得し、CPU40に通知する。なお、再生信号処理回路28は、記録処理が終了するまで所定のタイミング毎にADIP情報を取得し、CPU40に通知する。
【0104】
CPU40は、ADIP情報に基づいて書き込み開始地点に光ピックアップ装置23が位置するようにシークモータを制御する制御信号をドライバ27に出力する。さらに、CPU40は、バッファマネージャ37からバッファRAM34に蓄積されたユーザデータのデータ量が所定量を超えたとの通知を受けると、エンコーダ25に書き込み信号の生成を指示する。
【0105】
光ピックアップ装置23が書き込み開始地点に到達すると、CPU40はチルト補正処理を行う。
【0106】
このチルト補正処理では、CPU40はチルトセンサTSにチルト検出を指示するとともに、再生信号処理回路28にチルト補正処理の開始を指示する。これにより、チルトセンサTSでは、発光ダイオード151からチルト検出用光束が出射され、光ディスク15からの反射光がホログラム素子153を介して受光素子159で受光される。受光素子159からは受光量に応じた信号(電流信号)が再生信号処理回路28に出力される。
【0107】
再生信号処理回路28では、チルトセンサTSの出力信号はI/Vアンプ28fで電圧信号に変換され、チルトセンサ信号検出回路28gに入力される。チルトセンサ信号検出回路28gは、メモリ28mに格納されているチルト変換情報(ここでは前記V0及びB)を読み出し、前記(11)式を用いてチルト量を算出する。ここで算出されたチルト量はチルトセンサ信号としてスポット調整信号生成回路28hに出力される。スポット調整信号生成回路28hは、メモリ28mに格納されているチルト補償情報を読み出し、チルトセンサ信号に基づいて、チルトによる波面収差を相殺するための光学的位相差が電気光学素子71で付与されるように、電気光学素子71の印加電圧を設定しドライバ27に出力する。
【0108】
チルト補正処理が終了すると、CPU40はエンコーダ25に対して書き込みを許可する。これにより、ユーザデータは、エンコーダ25、レーザコントロール回路24及び光ピックアップ装置23を介して光ディスク15に書き込まれる。ホストから受信したユーザデータがすべて書き込まれると記録処理を終了する。
【0109】
また、光ディスク装置20を用いて、光ディスク15に記録されているデータを再生する場合の処理動作について簡単に説明する。
【0110】
CPU40は、ホストから再生要求のコマンド(以下、「再生要求コマンド」という)を受信すると、再生速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をドライバ27に出力するとともに、再生要求コマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。
【0111】
光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、前記トラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。なお、トラッキング制御及びフォーカス制御は再生処理が終了するまで随時行われる。
【0112】
CPU40は、再生信号処理回路28から所定のタイミング毎に出力されるADIP情報に基づいて、読み出し開始地点に光ピックアップ装置23が位置するようにシークモータを制御する制御信号をドライバ27に出力する。
【0113】
そして、光ピックアップ装置23が読み出し開始地点に到達すると、CPU40は前述と同様にしてチルト補正処理を行う。CPU40はチルト補正処理が終了すると再生信号処理回路28に通知する。これにより、再生信号処理回路28は、受光器59の出力信号からRF信号を検出し、復号処理、誤り訂正処理等を行った後、再生データとしてバッファRAM34に蓄積する。バッファマネージャ37は、バッファRAM34に蓄積された再生データがセクタデータとして揃ったときに、インターフェース38を介してホストに転送する。
【0114】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光ディスク装置20では、再生信号処理回路28によって調整手段が実現されている。
【0115】
また、CPU40及び該CPU40にて実行されるプログラムとによって処理装置が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。すなわち、上記実施形態は一例に過ぎず、CPU40によるプログラムに従う上記処理によって実現した処理装置の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全てをハードウェアによって構成することとしても良い。
【0116】
以上説明したように、本実施形態に係るチルトセンサTSによると、発光ダイオード151から出射された光束はコリメートレンズ152を介して光ディスク15に照射される。この光束は光ディスク15で反射され、ホログラム素子153を介して受光素子159で受光される。光ディスク15が基準面に対して傾斜すると、ホログラム素子153は基準面と所定の位置関係を有して配置されているために、光ディスク15の傾斜角に応じてホログラム素子153に入射する光束の入射角が変化する。このホログラム素子153は光束の入射角に応じて回折効率が変化する特性を有しているために、光束の入射角に応じてホログラム素子153からの回折光の強度が変化し、それによって受光素子159での受光光量が変化する。すなわち、受光素子159から出力される光電変換信号には光ディスク15の傾きに関する情報が含まれることとなる。このように受光素子159での受光光量そのものが光ディスク15の傾きに関する情報を含んでいるために、前記従来例に比べて受光素子159の実装位置に関する許容範囲が広くなり、組み付け工程、調整工程及び検査工程を簡素化することが可能となる。すなわち、製造コストを低減することが可能となる。また、受光素子159の出力信号に及ぼす経時変化や温度変化などの影響を低減することができる。従って、小型で安価な構成で、光ディスク15の傾きに関する情報を含む信号を精度良く出力することができる。
【0117】
また、受光素子159の出力信号に含まれるオフセット成分が極めて少ないため、高精度のチルト量を検出することが可能となる。そして、受光素子159の出力信号からチルト量を求めるための回路あるいは処理を簡素化することができる。
【0118】
また、本実施形態に係る光ディスク装置20によると、データの記録及び再生に先だってチルトに起因する波面収差が精度良く補正されるため、光ディスクに対する記録及び再生を含むアクセスを精度良く安定して行うことが可能となる。
【0119】
なお、上記実施形態のチルトセンサTSでは、受光素子159がホログラム素子153からの+1次回折光L+1を受光する場合について説明したが、これに限らず、受光素子159がホログラム素子153からの−1次回折光L−1を受光しても良い。
【0120】
また、上記実施形態のチルトセンサTSでは、ホログラム素子153からの+1次回折光のみを用いてチルト量を検出する場合について説明したが、これに限らず、+1次回折光及び−1次回折光の両方を用いても良い。一例として図7(A)に示されるように、光ディスクが傾くと、ホログラム素子153では+1次回折光L+1とともに−1次回折光L−1の回折効率も変化する。このとき、−1次回折光L−1の回折効率と+1次回折光L+1の回折効率との差(以下、便宜上「回折効率差」という)は、一例として図7(B)に示されるように、ホログラム素子153への入射角に応じて周期的に変化することとなる。そして、図7(B)の例では、入射角が−10度と+10度の間において、回折効率差と入射角との関係がほぼ線形となる。このことは、上記実施形態での説明からわかるように、+1次回折光L+1の光量と−1次回折光L−1の光量との差によってホログラム素子153における入射角を求めることができることを示している。また、入射角が0度のときには、+1次回折光L+1の回折効率と−1次回折光L−1の回折効率とは互いに等しく、回折効率差が0となるため、処理を単純化することができる。
【0121】
そこで、図8(A)に示されるように、+1次回折光L+1を受光するための受光素子159aと、−1次回折光L−1を受光するための受光素子159bとを備えたチルトセンサTSaを用いても良い。但し、このときには、一例として図8(B)に示されるように、受光素子159bの出力信号と受光素子159aの出力信号との差信号を生成する差信号生成手段としてのアンプOPaが必要となる。なお、このアンプOPaは、チルトセンサTSa内に実装しても良いが、チルトセンサTSaの出力信号を処理する外部回路に実装しても良い。そして、アンプOPaの出力信号がほぼ0となるように電気光学素子71への印加電圧を制御すれば良い。
【0122】
また、体積ホログラム素子は、溝深さ及び溝間隔などを調整することにより、一例として図9(A)に示されるように、0次光Lの最大光量、−1次回折光L−1の最大光量及び+1次回折光L+1の最大光量を互いにほぼ等しくすることができる。図9(A)には、溝深さ(設計値)が6.0±1μm、溝間隔(設計値)が1.4±0.1μmの周期的な凹凸格子を有する体積ホログラム素子の場合ついて示されている。この場合には、図9(B)に示されるように、入射角が0よりも小さいときに、−1次回折光L−1と0次光Lとの光量差と、入射角との関係が広範囲でほぼ線形となる。また、図9(C)に示されるように、入射角が0よりも大きいときに、+1次回折光L+1と0次光Lとの光量差と、入射角との関係が広範囲でほぼ線形となる。このことは、上記実施形態での説明からわかるように、+1次回折光L+1の光量と0次光Lの光量との差、及び−1次回折光L−1の光量と0次光Lの光量との差によって入射角を求めることができることを示している。
【0123】
そこで、図10(A)に示されるように、+1次回折光L+1を受光するための受光素子159aと、−1次回折光L−1を受光するための受光素子159bと、0次光Lを受光するための受光素子159cと、を備えたチルトセンサTSbを用いても良い。但し、このときには、一例として図10(B)に示されるように、受光素子159aの出力信号と受光素子159cの出力信号との差信号を生成する差信号生成手段としてのアンプOPb、受光素子159bの出力信号と受光素子159cの出力信号との差信号を生成する差信号生成手段としてのアンプOPc、アンプOPbの出力信号及びアンプOPcの出力信号のいずれか一方を出力する切り換えスイッチSW、及び受光素子159aの出力信号と受光素子159bの出力信号とを比較し、切り換えスイッチSWを制御する選択回路SELが必要となる。この選択回路SELは、受光素子159aの出力信号のほうが大きい場合にアンプOPbの出力信号が出力され、受光素子159bの出力信号のほうが大きい場合にアンプOPcの出力信号が出力されるように、切り換えスイッチSWを制御する。これにより、検出の分解能が高くなり、更に精度良くチルトを検出することができる。なお、アンプOPb、アンプOPc、切り換えスイッチSW及び選択回路SELは、チルトセンサTSb内に実装しても良いが、チルトセンサTSbの出力信号を処理する外部回路に実装しても良い。
【0124】
体積ホログラム素子では、溝深さを深くすると、前述したように回折効率の入射角依存性が顕著となるため、チルト検出の分解能を上げることが可能である。しかしながら、溝深さがある程度以上深くなると、一例として図11に示されるように、回折効率と入射角との関係がほぼ線形を示す領域(以下、便宜上「線形領域」という)内に入射角0度が含まれなくなる。このような場合には、一例として図12に示されるように、チルト量が0のときの入射角が線形領域のほぼ中央の入射角(図11では約6.5度)となるようにホログラム素子153を設定すれば良い。また、この場合に、一例として図13に示されるように、凹凸格子の断面形状がのこぎり刃状となるように(ブレーズ化)しても良い。
【0125】
また、上記実施形態のチルトセンサTSでは、ホログラム素子153が偏光性を有さない場合について説明したが、一例として図14に示されるように、ホログラム素子153に代えて偏光回折素子としての偏光性を有する偏光ホログラム素子153’を用いても良い。このチルトセンサTScには、発光ダイオード151に代えて、直線偏光の光束を発光する半導体レーザ151’が用いられ、往路と復路の光路上に位相差板としてのλ/4板155が配置される。例えば半導体レーザ151’からP偏光の光束が発光され、偏光ホログラム素子153’がP偏光の光束を透過し、S偏光の光束を回折するように設定されている場合について説明する。
【0126】
半導体レーザ151’から出射されたP偏光の光束(以下「LD光」という)は、コリメートレンズ152で略平行光とされ、偏光ホログラム素子153’に入射する。LD光の大部分は偏光ホログラム素子153’を透過し、λ/4板155で円偏光となり光ディスク15に照射される。光ディスク15からの反射光(以下「反射LD光」という)は往路と逆回りの円偏光であり、λ/4板155でS偏光となり、偏光ホログラム素子153’に入射する。偏光ホログラム素子153’で回折された反射LD光は受光素子159で受光される。これにより、光利用効率が向上し、チルトセンサの小型化を推進することができる。
【0127】
また、上記実施形態のチルトセンサTSでは、コリメートレンズ152を用いて発光ダイオード151から出射される光束を略平行光とする場合について説明したが、例えば発光ダイオード151から出射される光束の発散度が小さい場合には、コリメートレンズ152がなくても良い。
【0128】
また、上記実施形態のチルトセンサTSでは、ラジアルチルトを検出する場合について説明したが、光ディスク15に対向してチルトセンサの配置を90度回転することにより、タンジェンシャル方向に関するチルト(以下「タンジェンシャルチルト」という)を検出することができる。
【0129】
また、一例として図15(A)に示されるように、ホログラム素子153に代えて、互いに凹凸格子の溝方向が直交する2つの領域(R1,R2)に分割されたホログラム素子163を用いることにより、互いに直交する2方向におけるチルトを検出することが可能となる。例えば、図15(B)に示されるように、領域R1(第1の領域)に入射した光束がラジアル方向に回折され、領域R2(第2の領域)に入射した光束がタンジェンシャル方向に回折されるようにホログラム素子163を配置し、領域R1からの+1次回折光を受光するための受光素子159r(第1の受光部)、及び領域R2からの+1次回折光を受光するための受光素子159t(第2の受光部)を、それぞれ所定位置に設けることにより、受光素子159rの出力信号に基づいてラジアルチルトを検出し、受光素子159tの出力信号に基づいてタンジェンシャルチルトを検出することができる。
【0130】
この場合において、図16に示されるように、領域R1からの+1次回折光L+1を受光するための受光素子159raと、−1次回折光L−1を受光するための受光素子159rbと、領域R2からの+1次回折光L+1を受光するための受光素子159taと、−1次回折光L−1を受光するための受光素子159tbと、を備えても良い。そして、一例として図17に示されるように、受光素子159raの出力信号と受光素子159rbの出力信号との差信号を生成する第1の差信号生成手段としてのアンプOPd、及び受光素子159taの出力信号と受光素子159tbの出力信号との差信号を生成する第2の差信号生成手段としてのアンプOPeを備えても良い。なお、これらのアンプは、チルトセンサ内に実装しても良いが、チルトセンサの出力信号を処理する外部回路に実装しても良い。
【0131】
さらに、この場合において、図18に示されるように、0次光Lを受光するための受光素子159cを備えても良い。そして、一例として図19に示されるように、受光素子159raの出力信号と受光素子159cの出力信号との差信号を生成する第1の差信号生成手段としてのアンプOPf、受光素子159rbの出力信号と受光素子159cの出力信号との差信号を生成する第1の差信号生成手段としてのアンプOPg、アンプOPfの出力信号及びアンプOPgの出力信号のいずれか一方を出力する切り換えスイッチSW1、及び受光素子159raの出力信号と受光素子159rbの出力信号とを比較し、切り換えスイッチSW1を制御する選択回路SEL1を備えても良い。この選択回路SEL1は、受光素子159raの出力信号のほうが大きい場合にアンプOPfの出力信号が出力され、受光素子159rbの出力信号のほうが大きい場合にアンプOPgの出力信号が出力されるように、切り換えスイッチSW1を制御する。さらに、受光素子159taの出力信号と受光素子159cの出力信号との差信号を生成する第2の差信号生成手段としてのアンプOPh、受光素子159tbの出力信号と受光素子159cの出力信号との差信号を生成する第2の差信号生成手段としてのアンプOPi、アンプOPhの出力信号及びアンプOPiの出力信号のいずれか一方を出力する切り換えスイッチSW2、及び受光素子159taの出力信号と受光素子159tbの出力信号とを比較し、切り換えスイッチSW2を制御する選択回路SEL2を備えても良い。この選択回路SEL2は、受光素子159taの出力信号のほうが大きい場合にアンプOPhの出力信号が出力され、受光素子159tbの出力信号のほうが大きい場合にアンプOPiの出力信号が出力されるように、切り換えスイッチSW2を制御する。これにより、検出の分解能が高くなり、更に精度良くチルトを検出することができる。なお、各アンプ、各切り換えスイッチ及び各選択回路は、チルトセンサ内に実装しても良いが、チルトセンサの出力信号を処理する外部回路に実装しても良い。また、一例として図20に示されるように、複数の領域R1及び複数の領域R2を備えるホログラム素子を用いても良い。
【0132】
また、上記実施形態では、チルトセンサの外部でチルト量を求める場合について説明したが、これに限らず、チルトセンサの内部にチルト量を求める回路を実装しても良い。
【0133】
また、上記実施形態において、一例として図21に示されるように、チルト検出用の光束として、受発光モジュール51から出射される光束の一部を用いても良い。この場合には、コリメートレンズ52と立上げミラー57との間に分岐光学素子としてのビームスプリッタ54が配置され、コリメートレンズ52で略平行光とされた光束の一部を光ディスク15にチルト検出用光束として照射する。そして、光ディスク15で反射されたチルト検出用光束の光路上にホログラム素子153が配置される。従って、発光ダイオード151及びコリメートレンズ152は不要である。なお、ビームスプリッタ54に代えて、ホログラム素子や反射ミラーなどを用いても良い。
【0134】
また、上記実施形態では、電気光学素子71に印加する電圧を制御して記録面に形成される光スポットの形状を調整する場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、チルト量に対応して対物レンズ60を保持しているレンズホルダ(図示省略)を回動させても良い。この場合には、レンズホルダを回動するためのアクチュエータが設けられ、該アクチュエータの駆動信号がスポット調整信号生成回路28hから出力されることとなる。また、チルト量に対応して光ピックアップ装置23自体を回動させても良い。この場合には、光ピックアップ装置23自体を回動するためのモータが設けられ、該モータの駆動信号がスポット調整信号生成回路28hから出力されることとなる。そして、これらの場合には、電気光学素子71は不要である。
【0135】
さらに、上記実施形態では、再生信号処理28でチルト補正信号及びスポット調整信号を求める場合について説明したが、これに限らず、例えばチルトセンサ信号検出回路及びスポット調整信号生成回路の少なくとも一方と同様な処理を行う回路を光ピックアップ装置に設けても良い。
【0136】
また、上記実施形態では、光ディスク装置がDVDの規格に準拠した光ディスクに対応する場合について説明したが、これに限らず、例えばCDの規格に準拠した光ディスクに対応しても良い。さらに、光磁気ディスクに対応しても良い。
【0137】
また、上記実施形態では、光源が1つの場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、互いに異なる波長の光を発光する複数の光源を備えても良い。例えば波長が405nmの光束を発光する光源、波長が660nmの光束を発光する光源及び波長が780nmの光束を発光する光源のうちの少なくとも2つの光源を備えても良い。
【0138】
また、上記実施形態において、ホログラム素子53に代えて、入射する光束の偏光方向に応じて回折効率が異なる偏光ホログラム素子を用いても良い。これにより、光利用効率が向上するので、高速化に対応できるようになる。なお、この場合には、対物レンズと偏光ホログラム素子との間にλ/4板などの位相差付与手段が必要となる。
【0139】
また、上記実施形態では、戻り光束を分岐するためにホログラム素子53を用いる場合について説明したが、これに限らず、例えばビームスプリッタを用いても良い。
【0140】
また、上記実施形態に係る光ディスク装置は、ホストと同一の筐体内に配置される、いわゆる内蔵タイプであっても良いし、ホストとは別の筐体内に配置される、いわゆる外付けタイプであっても良い。
【0141】
また、上記実施形態では、情報の記録及び再生が可能な光ディスク装置について説明したが、これに限らず、情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生が可能な光ディスク装置であれば良い。
【0142】
また、上記実施形態では、インターフェースがATAPIの規格に準拠する場合について説明したが、これに限らず、例えばATA(AT Attachment)、SCSI(Small Computer System Interface)、USB(Universal Serial Bus)1.0、USB2.0、IEEE1394、IEEE802.3、シリアルATA及びシリアルATAPIのうちのいずれかの規格に準拠しても良い。
【0143】
また、一例として図22に示されるように、上記実施形態に係るチルトセンサTSを用いて、傾き測定装置200を実現することができる。この傾き測定装置200は、受光素子159の出力信号に含まれるチルトに関する情報を角度情報に変換する傾斜角取得手段としての角度情報変換回路201、及び角度情報を表示する表示器203を有している。すなわち、対象物の傾きに関する情報を含む信号が、チルトセンサTSから出力されるため、小型で安価な装置構成で、対象物の傾斜角を精度良く測定することができる。なお、角度情報を表示する必要がない場合には、表示器203はなくても良い。また、チルトセンサTSに代えて前記チルトセンサTSa、TSb及びTScのいずれかを用いても良い。さらに、前記2方向のチルト検出を行うチルトセンサを用いても良い。
【0144】
【発明の効果】
本発明に係る傾きセンサによれば、小型で安価な構成で、対象物の傾きに関する情報を含む信号を精度良く出力することができるという効果がある。
【0145】
また、本発明に係る傾き測定装置によれば、小型で安価な装置構成で、対象物の傾斜角を精度良く測定することができるという効果がある。
【0146】
また、本発明に係る光ピックアップ装置によれば、大型化及び高コスト化を招くことなく、光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御に必要な情報などを含む信号を精度良く出力することができるという効果がある。
【0147】
また、本発明に係る光ディスク装置によれば、情報記録媒体へのアクセスを精度良く安定して行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスク装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1における光ピックアップ装置の構成を説明するための図である。
【図3】図1における再生信号処理回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図4】図1のチルトセンサの構成を説明するための図である。
【図5】体積ホログラムを説明するための図である。
【図6】チルトセンサに配置されたホログラム素子における回折効率の入射角依存性を説明するための図である。
【図7】図7(A)及び図7(B)は、それぞれ体積ホログラムにおける+1次回折光及び−1次回折光の特性を説明するための図である。
【図8】図8(A)及び図8(B)は、それぞれ+1次回折光と−1次回折光とを用いてチルト検出を行う場合を説明するための図である。
【図9】図9(A)〜図9(C)は、それぞれ溝深さ及び溝間隔が調整された体積ホログラムにおける0次光及び±1次回折光の特性を説明するための図である。
【図10】図10(A)及び図10(B)は、それぞれ0次光と±1次回折光折光とを用いてチルト検出を行う場合を説明するための図である。
【図11】溝深さがある程度深い体積ホログラムにおける回折効率の入射角依存性を説明するための図である。
【図12】図11の体積ホログラムを用いたチルトセンサを説明するための図である。
【図13】体積ホログラムにおけるブレーズを説明するための図である。
【図14】偏光ホログラムを用いたチルトセンサを説明するための図である。
【図15】図15(A)及び図15(B)は、それぞれ2方向のチルト検出を行うチルトセンサを説明するための図である。
【図16】図15(B)において、+1次回折光と−1次回折光とを受光する場合を説明するための図である。
【図17】図16における差信号生成回路を説明するための図である。
【図18】図16において、更に0次光を受光する場合を説明するための図である。
【図19】図18における差信号生成回路を説明するための図である。
【図20】図15(A)のホログラム素子の変形例を説明するための図である。
【図21】受発光モジュールから出射された光束の一部をチルト検出用に用いる場合を説明するための図である。
【図22】本発明の一実施形態に係る傾き測定装置の構成を説明するための図である。
【図23】レーザオートコリメータを説明するための図である。
【符号の説明】
15…光ディスク(情報記録媒体、対象物)、20…光ディスク装置、23…光ピックアップ装置、28…再生信号処理回路(調整手段)、40…CPU(処理装置)、51a…半導体レーザ(レーザ光源)、54…ビームスプリッタ(分岐光学素子)、59…受光器(信号光検出器)、60…対物レンズ、151…発光ダイオード(光源)、152…コリメートレンズ(光学素子)、153…ホログラム素子(回折素子)、153’…偏光ホログラム素子(偏光回折素子)、155…λ/4板(位相差板)、159…受光素子(光検出器)、159c…受光素子(第3の受光部)、159r…受光素子(第1の受光部)、159t…受光素子(第2の受光部)、163…ホログラム素子(回折素子)、200…傾き測定装置、201…角度情報変換回路(傾斜角取得手段)、OPa,OPb,OPc…アンプ(差信号生成手段)、OPd,OPf,OPg…アンプ(第1の差信号生成手段)、OPe,OPh,OPi…アンプ(第2の差信号生成手段)、R1…領域(第1の領域)、R2…領域(第2の領域)、TS…チルトセンサ(傾きセンサ)。

Claims (21)

  1. 所定の基準面に対する対象物の傾きに関する情報を検出するための傾きセンサであって、
    前記対象物を介した光束の光路上に前記基準面と所定の位置関係で配置され、前記光束の入射角に応じた回折効率で前記光束を回折する回折素子と;
    前記回折素子からの回折光を受光し、光電変換信号を出力する光検出器と;を備える傾きセンサ。
  2. 前記光検出器で受光される回折光は、最も強度の高い次数の回折光であることを特徴とする請求項1に記載の傾きセンサ。
  3. 前記回折素子は、前記光検出器で受光される回折光の強度と前記光束の入射角との関係が所定区間でほぼ線形となるように設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の傾きセンサ。
  4. 前記光検出器は、前記回折光とは別個に前記回折素子からの0次光を更に受光し、
    前記光検出器からの前記回折光の光電変換信号と前記0次光の光電変換信号との差信号を生成する差信号生成手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の傾きセンサ。
  5. 前記光検出器は、前記回折素子からの+1次回折光及び−1次回折光をそれぞれ受光し、
    前記光検出器からの前記+1次回折光の光電変換信号と前記−1次回折光の光電変換信号との差信号を生成する差信号生成手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の傾きセンサ。
  6. 前記回折素子は、第1の溝方向の凹凸格子が形成された第1の領域及び前記第1の溝方向に直交する第2の溝方向の凹凸格子が形成された第2の領域をそれぞれ含み、
    前記光検出器は、前記第1の領域からの回折光を受光する第1の受光部と、前記第2の領域からの回折光を受光する第2の受光部とを有することを特徴とする請求項1に記載の傾きセンサ。
  7. 前記第1、第2の受光部で受光される回折光は、それぞれ最も強度の高い次数の回折光であることを特徴とする請求項6に記載の傾きセンサ。
  8. 前記回折素子は、前記第1の受光部で受光される回折光の強度と前記第1の領域への前記光束の入射角との関係が第1の区間でほぼ線形となるとともに、前記第2の受光部で受光される回折光の強度と前記第2の領域への前記光束の入射角との関係が第2の区間でほぼ線形となるように設定されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の傾きセンサ。
  9. 前記光検出器は、前記回折素子からの0次光を受光する第3の受光部を更に有し、
    前記第1の受光部からの光電変換信号と前記第3の受光部からの光電変換信号との差信号を生成する第1の差信号生成手段を更に備えることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の傾きセンサ。
  10. 前記第2の受光部からの光電変換信号と前記第3の受光部からの光電変換信号との差信号を生成する第2の差信号生成手段を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の傾きセンサ。
  11. 前記第1の受光部は、前記第1の領域からの+1次回折光及び−1次回折光をそれぞれ受光し、
    前記第1の受光部から出力される前記+1次回折光の光電変換信号と前記−1次回折光の光電変換信号との差信号を生成する第1の差信号生成手段を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の傾きセンサ。
  12. 前記第2の受光部は、前記第2の領域からの+1次回折光及び−1次回折光をそれぞれ受光し、
    前記第2の受光部から出力される前記+1次回折光の光電変換信号と前記−1次回折光の光電変換信号との差信号を生成する第2の差信号生成手段を更に備えることを特徴とする請求項11に記載の傾きセンサ。
  13. 前記回折素子は、形成されている凹凸格子の断面形状がのこぎり刃状であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の傾きセンサ。
  14. 前記対象物を介した光束は、前記対象物で反射された反射光であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の傾きセンサ。
  15. 前記基準面に対して一定の角度をなす方向に光束を出射する光源を更に備え、
    前記光源から出射され前記対象物で反射された反射光の光路上に前記回折素子が配置されていることを特徴とする請求項14に記載の傾きセンサ。
  16. 前記光源から出射され前記対象物に向かう光束の光路上に配置され、前記光源から出射された光束を略平行光とする光学素子を更に備えることを特徴とする請求項15に記載の傾きセンサ。
  17. 前記回折素子は、入射する光束の偏光状態に応じて回折作用が異なる偏光回折素子であり、
    前記光源から出射される光束の偏光方向に対して、前記偏光回折素子に入射する前記反射光の偏光方向をほぼ90度ずらすための位相差板を更に備えることを特徴とする請求項15又は16に記載の傾きセンサ。
  18. 所定の基準面に対する対象物の傾斜角を測定する傾き測定装置であって、
    請求項15〜17のいずれか一項に記載の傾きセンサと;
    前記傾きセンサの出力信号に基づいて、前記基準面に対する前記対象物の傾斜角を取得する傾斜角取得手段と;を備える傾き測定装置。
  19. 情報記録媒体の記録面に光を照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、
    前記情報記録媒体を前記対象物とする請求項15〜17のいずれか一項に記載の傾きセンサと;
    前記情報記録媒体に対応した波長のレーザ光を出射するレーザ光源と;
    前記レーザ光を前記記録面に集光する対物レンズを含み、前記記録面で反射され前記対物レンズを介した前記レーザ光の戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系と;
    前記受光位置に配置され、前記戻り光束を受光する信号光検出器と;を備える光ピックアップ装置。
  20. 情報記録媒体の記録面に光を照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、
    前記情報記録媒体に対応した波長のレーザ光を出射するレーザ光源と;
    前記レーザ光を前記記録面に集光する対物レンズを含み、前記記録面で反射され前記対物レンズを介した前記レーザ光の戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系と;
    前記受光位置に配置され、前記戻り光束を受光する信号光検出器と;
    前記レーザ光源から出射され前記対物レンズに向かう光束の光路上に配置され、前記レーザ光の一部を前記情報記録媒体に向けて分岐する分岐光学素子と;
    前記分岐光学素子で分岐され前記情報記録媒体で反射されたレーザ光の光路上に前記回折素子が配置され、前記情報記録媒体を前記対象物とする請求項14に記載の傾きセンサと;を備える光ピックアップ装置。
  21. 情報記録媒体の記録面上に光を照射し、情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、
    請求項19又は20に記載の光ピックアップ装置と;
    前記傾きセンサの出力信号に基づいて、前記記録面に形成される光スポットの形状を調整する調整手段と;
    前記光ピックアップ装置の出力信号を用いて、情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置。
JP2003070509A 2003-03-14 2003-03-14 傾きセンサ、傾き測定装置、光ピックアップ装置及び光ディスク装置 Expired - Fee Related JP4551624B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003070509A JP4551624B2 (ja) 2003-03-14 2003-03-14 傾きセンサ、傾き測定装置、光ピックアップ装置及び光ディスク装置
US10/798,362 US7577076B2 (en) 2003-03-14 2004-03-12 Tilt sensor using diffraction grating

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003070509A JP4551624B2 (ja) 2003-03-14 2003-03-14 傾きセンサ、傾き測定装置、光ピックアップ装置及び光ディスク装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004279191A true JP2004279191A (ja) 2004-10-07
JP4551624B2 JP4551624B2 (ja) 2010-09-29

Family

ID=33287245

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003070509A Expired - Fee Related JP4551624B2 (ja) 2003-03-14 2003-03-14 傾きセンサ、傾き測定装置、光ピックアップ装置及び光ディスク装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4551624B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010044943A3 (en) * 2008-07-25 2010-07-22 Cornell University Light field image sensor, method and applications
JP2011043467A (ja) * 2009-08-24 2011-03-03 Ricoh Co Ltd 測距センサ
WO2012018887A3 (en) * 2010-08-03 2012-04-12 Cornell University Angle sensitive pixel (asp)-based image processing system, method, and applications
JP2015190779A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 新日鉄住金化学株式会社 変位情報生成装置および変位情報生成方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010044943A3 (en) * 2008-07-25 2010-07-22 Cornell University Light field image sensor, method and applications
KR20110036844A (ko) * 2008-07-25 2011-04-11 코넬 유니버시티 광 필드 이미지 센서, 방법 및 적용
US8530811B2 (en) 2008-07-25 2013-09-10 Cornell University Light field image sensor, method and applications
KR101629044B1 (ko) 2008-07-25 2016-06-09 코넬 유니버시티 광 필드 이미지 센서, 방법 및 적용
JP2011043467A (ja) * 2009-08-24 2011-03-03 Ricoh Co Ltd 測距センサ
WO2012018887A3 (en) * 2010-08-03 2012-04-12 Cornell University Angle sensitive pixel (asp)-based image processing system, method, and applications
US8767047B2 (en) 2010-08-03 2014-07-01 Cornell University Angle sensitive pixel (ASP)-based image processing system, method, and applications
KR101790601B1 (ko) 2010-08-03 2017-10-26 코넬 유니버시티 각 감지 픽셀(asp)에 기초한 이미지 처리 시스템, 방법, 및 응용들
JP2015190779A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 新日鉄住金化学株式会社 変位情報生成装置および変位情報生成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4551624B2 (ja) 2010-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7577076B2 (en) Tilt sensor using diffraction grating
JP2008052888A (ja) 光ピックアップ
JP2005327403A (ja) 光ピックアップ及び光学記録媒体記録再生装置
WO2006112249A1 (ja) 光ピックアップ装置及び情報記録再生装置
JP4551624B2 (ja) 傾きセンサ、傾き測定装置、光ピックアップ装置及び光ディスク装置
JPH0944885A (ja) 光ピックアップ及び再生装置
JP4085041B2 (ja) 傾きセンサ,傾き測定装置,光ピックアップ装置及び光ディスク装置
JP2008047206A (ja) 光ピックアップ及びこれを用いた光ディスク装置
US20070064573A1 (en) Optical head unit and optical disc apparatus
JP3970254B2 (ja) 光ピックアップ装置
JP2005061981A (ja) 傾きセンサ、光ピックアップ装置及び光ディスク装置
JP4742159B2 (ja) 光情報再生方法
US20060193220A1 (en) Optical head unit and optical disc apparatus
JP3963904B2 (ja) 光ピックアップ装置
US20060245317A1 (en) Optical head and information recording/reproducing apparatus
US20060221783A1 (en) Optical head and optical disc apparatus
JP4505979B2 (ja) 光ヘッド、受発光素子および光記録媒体記録再生装置
KR100655547B1 (ko) 광 픽업 장치
JP2008123588A (ja) 回折素子及びそれを用いた光学ヘッド装置
KR20080046463A (ko) 광픽업장치
JP2004206743A (ja) 光ピックアップ装置及び光ディスク装置
JP2008108392A (ja) 光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置
US20080186832A1 (en) Optical head unit and optical disc drive
JP2000187872A (ja) 光ヘッド装置
WO2013183439A1 (ja) 光ピックアップ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050916

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070704

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071010

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071127

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080312

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080321

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20080516

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100614

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100712

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130716

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees