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JP2008042120A - 熱伝導基板とその製造方法及びこれを用いた電子機器 - Google Patents

熱伝導基板とその製造方法及びこれを用いた電子機器 Download PDF

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JP2008042120A
JP2008042120A JP2006218056A JP2006218056A JP2008042120A JP 2008042120 A JP2008042120 A JP 2008042120A JP 2006218056 A JP2006218056 A JP 2006218056A JP 2006218056 A JP2006218056 A JP 2006218056A JP 2008042120 A JP2008042120 A JP 2008042120A
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Etsuo Tsujimoto
悦夫 辻本
Tetsuya Tsumura
哲也 津村
Kimiharu Nishiyama
公治 西山
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】従来の熱伝導基板は、パワー素子に発生した熱を、電極を介して、絶縁層や金属板に放熱していたため、電極以上の熱伝導を実現することができず、またシート状黒鉛層をエラストマー層で保護してなる熱伝導シートを併用して、必要な放熱性が得られない場合があった。
【解決手段】金属板13の上に、シート状の伝熱樹脂層12を介して、その一部にシート状の炭素系高熱伝導層11を密着するように固定したリードフレーム10を形成し、前記リードフレーム10の上に、放熱が求められるパワー素子15を実装することで、パワー素子15を放熱する際に、放熱(あるいは熱伝導)に際してリードフレーム10と炭素系高熱伝導層11を併用することで、その放熱性を高める。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器(プラズマディスプレイを含む)の電源回路等の大電力回路等や、LED等を用いたバックライトや表示装置等に使用される熱伝導基板とその製造方法及びこれを用いた電子機器に関するものである。
近年、電子機器の高性能化、小型化の要求に伴い、大電流や放熱が要求される半導体等の電子部品も高密度実装することが要求されている。そしてこれら放熱が必要とされるパワートランジスタや高輝度LED(LEDは発光ダイオードの略)等のパワー素子(あるいは電子部品)を、高密度に実装するには、優れた放熱性が要求される。そして、こうした放熱が要求される電子部品は、放熱性の高い回路基板(以下、熱伝導基板と呼ぶ)の上に実装することで、電子部品に発生した熱を拡散することが行われている。またこうした熱伝導基板は、LED等を用いたバックライト、照明、あるいは前記バックライトを用いた液晶テレビ等の電子機器に広く用いられている。
図9(A)、(B)は、従来の熱伝導基板の斜視図及び斜視断面図である。図9(A)は熱伝導基板の斜視図である。図9(A)において、電極1は、金属板3の上に固定した絶縁層2に埋め込まれている。図9(B)は、熱伝導基板の斜視断面図であり、図9(B)において、電極1の上に実装されたパワー素子4に発生した熱は、矢印5に示すように、パワー素子4から電極1、絶縁層2を介して金属板3に放熱される。
しかし従来の熱伝導基板では放熱性(あるいは熱伝導性)を高めるには、電極1の厚みや金属板3を厚くしたり、絶縁層2の厚みを薄くする必要がある。しかし絶縁層2の厚みを薄くしすぎると、電極1と金属板3の絶縁抵抗に影響を与える可能性がある。また電極1や金属板3の厚みを厚くした場合、熱伝導基板が重くなってしまう。更に電極1を構成する金属材料として、より熱伝導率の高い部材を選ぼうとしても、アルミニウムで236W/(m・K)、銅で390W/(m・K)と、材料的な限界が有った。
一方で、そのため軽量化が要求される場合、熱伝導シートを併用することが考えられる。次に熱伝導シートについて説明する。
図10(A)、(B)は、熱伝導シートの上面図及び断面図である。図10(A)は熱伝導シートの上面図であり、図10(A)において、シート状黒鉛層6には、複数個の孔7を形成している。図10(B)は、熱伝導シートの断面図である。図10(B)において、シート状黒鉛層6の表面には、エラストマー層8が形成されており、前記シート状黒鉛層6に形成した孔7には、前記エラストマー層8の一部が充填されている。ここでエラストマー層8を用いる理由は、シート状黒鉛層6が脆い(機械的強度が低い)ため、これを保護する目的である。しかしエラストマー層8の厚みを厚くした場合、熱吸収(発熱体からエラストマー層8を介してシート状黒鉛層6へ熱が移動すること)と熱放出(シート状黒鉛層6からエラストマー層8を介して外部へ熱を放出すること)を低下させる可能性がある。そのためエラストマー層8の厚みは薄いことが望ましいが、エラストマー層8の厚みを薄くした場合、シート状黒鉛層6に対する保護効果や電気的絶縁性が低下する可能性がある。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1、特許文献2が知られている。
特開2001−57408号公報 特開2001−358264号公報
従来の熱伝導基板では、電極1として用いる金属材料以上に熱伝導率を高めることができなかった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、電極層として、リードフレームを用い、更に炭素系高熱伝導層を併用することで、従来の金属だけでは得られなかった高放熱性、更には熱拡散性によるホットスポットの拡大(あるいはホットスポット領域での最大温度の低下)が実現できる熱伝導基板とその製造方法及びこれを用いた電源ユニット、バックライト、電子機器、照明機器、電子機器及び照明装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明は、金属板と、前記金属板の上に固定したシート状の伝熱樹脂層と、前記伝熱樹脂層に、その一表面が露出する状態で埋め込まれたリードフレームと、一部の前記リードフレームの前記伝熱樹脂層側に密着するように固定したシート状の炭素系高熱伝導層と、からなる熱伝導基板であって、前記炭素系高熱伝導層とリードフレームとが、電気的に絶縁した状態で前記伝熱樹脂層に埋め込んでいる熱伝導基板である。
このような構成によって、パワートランジスタ等のパワー素子(あるいは電子部品)に発生した熱は、リードフレームを介する放熱と共に、炭素系高熱伝導層を介した放熱を併用することができ、リードフレームの薄層化や熱伝導基板の軽量化を実現する。
更にリードフレームと炭素系高熱伝導層を併用することで、発熱電子部品の周辺に発生するホットスポットの面積を広げられると共に、ホットスポット面積中での最高温度を下げられるため、パワー素子(あるいは電子部品)の熱影響を抑えられる。
その結果、この熱伝導基板を用いた電源ユニット、バックライト、電子機器、照明機器、電子機器及び照明装置等の小型化、高寿命化を実現する。
以上のように本発明によれば、熱伝導基板の更なる高放熱化(高熱伝導化)、あるいはそれに伴う熱伝導基板の薄層化や軽量化を実現するものである。そしてこの熱伝導基板を用いることで、各種電子部品の熱影響を抑えられ、電源ユニット、バックライト、電子機器、照明機器、電子機器及び照明装置等の小型化、軽量化、高寿命化を実現する。
なお本発明の実施の形態に示された一連の製造工程は、成形金型を用いて行われる。但し説明するために必要な場合以外は、成形金型は図示していない。また図面は模式図であり、各位置関係を寸法的に正しく示したものではない。
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における熱伝導基板について、図面を参照しながら説明する。
図1(A)、(B)は、本実施の形態における熱伝導基板の断面斜視図である。図1(A)、(B)において、10はリードフレーム、11は炭素系高熱伝導層、12は伝熱樹脂層、13は金属板、14は矢印、15はパワー素子である。
図1(A)において、金属板13の上には、シート状の伝熱樹脂層12が固定している。そして前記シート状の伝熱樹脂層12には、リードフレーム10を、その一表面が露出する状態で埋め込んでいる。また前記リードフレーム10の下部には、炭素系高熱伝導層11を部分的に固定している。そして前記炭素系高熱伝導層11と前記金属板13とは、電気的に絶縁した状態で伝熱樹脂層12に埋め込んでいる。
図1(B)は、パワー素子を実装した後の熱伝導基板の断面斜視図である。図1(B)において、パワー素子15は、リードフレーム10の上に実装している(なおパワー素子15をリードフレーム10の上に固定している半田等は図示していない)。そしてパワー素子15に発生した熱は、矢印14に示すように、リードフレーム10を介して、熱伝導基板のXY方向(平面方向)に広がる。このようにしてパワー素子15に発生した熱は、矢印14に示すように、熱伝導基板のZ方向(厚み方向)に広がる。このようにしてパワー素子15に発生した熱は、リードフレーム10から炭素系高熱伝導層11に伝わり、シート状の炭素系高熱伝導層11をそのシート方向(XY方向、あるいは平面方向)に広がる。更にシート状の炭素系高熱伝導層11に伝わった熱は、リードフレーム10や、伝熱樹脂層12に伝わる。このようにしてパワー素子15に発生した熱は、リードフレーム10と、炭素系高熱伝導層11を併用しながら伝える。
ここで炭素系高熱伝導層11を構成する部材としては、シート状黒鉛層を使うことが望ましい。ここでシート状黒鉛とは、グラファイトで代表される一連の炭素類であり、六員環網状平面を有するものであり、こうした六員環網状平面の炭素の層が、van der Waals力によって並行に積み重なったものである。こうしたシート状黒鉛としては、ポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂等の高い耐熱性を有する高分子材料を用いたフィルムを高温で熱処理して作成したグラファイトシートを用いることが望ましい。こうしたグラファイトシートは、例えば厚み50μmの50cm角のポリイミドフィルム(Dutpon社製カプトンフィルム)を、1000℃で予備熱処理した後、3000℃で熱処理することで作成できる。そしてこれらグラファイトシートの熱伝導度は、750〜1000W/(m・K)程度である。そのためリードフレーム10に熱伝導性の高い銅(熱伝導率390W/(m・K)より高いものが得られる。なお本実施の形態において、炭素系高熱伝導層11の熱伝導率は、リードフレーム10と同等、もしくはそれより熱伝導率が高いものを用いることが望ましい。そしてリードフレーム10と炭素系高熱伝導層11を併用することで、リードフレーム10の熱伝導率を高められる。
なお炭素系高熱伝導層11を構成する炭素系部材は、グラファイトシート以外に、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、膨張黒鉛、カーボンナノコイル等を用いても良い。ここでカーボンナノコイルとは、カーボンナノチューブやカーボンナノファイバーが、コイル状(螺旋状)になったものであり、アセチレン等の熱分解によって製造される直径数μmのコイル状炭素繊維である。また炭素繊維は、炭素繊維を一方向に揃えて配列させたもの、あるいは平織、綾織、朱子織等の織布にした二次元配向させたもの、あるいは立体織したものを使うことができる。このような炭素系部材は、導電性を有するためリードフレーム10の配線抵抗を低下させる効果も期待できる。
図2(A)、(B)は、熱伝導基板に用いる炭素系高熱伝導層に孔を形成した場合について説明する斜視図及び断面斜視図である。図2(A)、(B)において、16は孔であり、炭素系高熱伝導層11に形成されている。なお炭素系高熱伝導層11に孔16を形成する様子については、図3で後述する。図2(A)、(B)において、炭素系高熱伝導層11に、複数個の孔16を形成し、前記孔16の内部には、伝熱樹脂層12を充填し、その密着力や放熱性を高めている。
図1(A)、(B)と、図2(A)、(B)の違いは、炭素系高熱伝導層11における孔16の有無である。図2(A)、(B)に示すように、炭素系高熱伝導層11に孔16を形成することで、リードフレーム10や炭素系高熱伝導層11と、伝熱樹脂層12の接着強度を高められる。そして炭素系高熱伝導層11のへき開性による密着強度の低下の影響を防止できる。孔16の内部に伝熱樹脂層12を充填することで、炭素系高熱伝導層11と伝熱樹脂層12との密着強度や熱伝導性を高められる。
図3(A)〜(C)は、炭素系高熱伝導層に孔を形成する様子を説明する斜視断面図である。図3(A)は、炭素系高熱伝導層11の断面斜視図である。図3(B)は、炭素系高熱伝導層に孔を形成する様子を説明する断面斜視図である。図3(B)において、17は孔開手段、18は孔開装置である。孔開装置18としては、レーザー装置を、孔開手段17としてレーザーを選ぶことができる。あるいは孔開装置18にプレス装置を、孔開手段17に金型(例えば剣山状の金型)を用いることができる。
ここで炭素系高熱伝導層11としては、厚み10μm以上300μm以下(更に望ましくは200μm以下、更に望ましくは100μm以下が望ましい。厚みが10μm未満の場合、放熱効果が得られにくい場合がある。また厚みが300μmを超えると、熱伝導基板の厚みが増加したり、炭素系高熱伝導層11が高価になる。なお本実施の形態で、炭素系高熱伝導層11を、一部のリードフレーム10に密着するように固定させているのは、炭素系高熱伝導材料を、放熱が必要な(あるいは後述するホットスポット対策であり、リードフレーム10だけでは対応が難しい)場所だけに局所的に限定して使用するものである。こうして熱伝導基板のコストアップを抑える。
図3(C)は、孔を有する炭素系高熱伝導層を熱が広がる様子を示す斜視断面図である。図3(C)において、発熱を伴う電子部品は左下隅に実装している(発熱を伴う電子部品は図示していない)。そして左下隅に発生した熱は、矢印14に示すように炭素系高熱伝導層11を右上方向に広がる。ここで炭素系高熱伝導層11に形成した孔16は、熱伝導に影響を与えにくい。これは熱は光のように直線的に伝わらず、バルク(固体)の中を振動エネルギーとして伝達するためである。
なお炭素系高熱伝導層11の面積に対する孔16の面積比率が、30%以下(望ましくは20%以下、更に望ましくは10%以下、更に望ましくは5%以下、更には1%以下)とすることで、孔16が炭素系高熱伝導層11の熱伝導に与える影響を実質的に無視できる。次に孔16の大きさについて、炭素系高熱伝導層11の厚みとの相対比率で規定することができる。例えば炭素系高熱伝導層11の厚みを1とした場合、孔16の直径は1以上100以下(望ましくは10以下)とすることが望ましい。孔16の大きさを、1以下にすることは難しい。熱伝導性を高めるためには、炭素を平面方向に配向させる必要があり、配向させた炭素系材料に微細な孔16を形成することは難しいためである。また100を超えると、熱伝導性に影響を与える可能性がある。なお孔16の直径は10μm以上3mm以下(更に望ましくは20μm以上2mm以下、更には100μm以上1mm以下)が望ましい。孔16の直径が10μm未満の場合、伝熱樹脂層12の充填が難しくなる場合がある。また孔16の直径が3mm以上の場合、孔16(あるいは不要部)として捨てる部分が大きくなり、コストアップする可能性がある。なお孔16の形状は四角でも良いが、レーザー等では丸の方が加工しやすい。
次に図4〜図5を用いて、伝熱基板の製造方法の一例について、図面を用いて説明する。図4(A)〜(C)は、実施の形態における伝熱基板の製造方法を説明する断面図である。図4(A)〜(C)において、19は伝熱樹脂体である。図4(A)に示すように、所定の金属部材を配線パターンに加工し、リードフレーム10とする。次に図4(B)に示すように、リードフレーム10の上に、炭素系高熱伝導層11を密着させる。ここで炭素系高熱伝導層11に孔16を形成しておいても良い。孔16の形成は図3で説明したようにしても良いし、リードフレーム10の上に炭素系高熱伝導層11を密着させた後で、孔16を形成する場合、レーザー等を使うことが望ましい。
次に図4(C)に示すようにして、リードフレーム10の炭素系高熱伝導層11を密着するように固定し、前記炭素系高熱伝導層11側に、伝熱樹脂体19や金属板13をセットし、矢印14に示すように、金型でプレスする(金型は図示していない)。なお図4(C)において、サンプルの上下を逆転しても良い(一番下にリードフレーム10を置き、その上に炭素系高熱伝導層11を載せ、その上に伝熱樹脂体19や、金属板13を載せる)。そしてこの状態で、金型(図示していない)を用いて、これら部材を加熱・加圧して一体化し、積層体を形成する。ここで加熱加圧することで、伝熱樹脂体19が軟化すると共に、リードフレーム10や炭素系高熱伝導層11の表面や、孔16の内部に密着する。そして加熱した状態で硬化させ、室温に冷まし、伝熱樹脂層12とする。ここで伝熱樹脂層12の熱膨張係数を、金属板13やリードフレーム10等の熱膨張係数より大きくしておくことで、室温に下がった時に、熱膨張係数の差で伝熱樹脂層12をリードフレーム10に押し付ける圧縮応力を積極的に発生させる(詳細については、図5(A)における矢印14aで説明する)。この圧縮応力は、硬化後の伝熱樹脂体19のTg(ガラス転移温度)以下、あるいは伝熱樹脂層12の硬化温度以下までは、充分に大きく、この圧縮応力によって炭素系高熱伝導層11とリードフレーム10の密着を高められる。そのため、炭素系高熱伝導層11とリードフレーム10との間の接着剤の使用量を減らせる(あるいは接着剤を省くことも可能である)。ここで炭素系高熱伝導層11上での塗布面積は50%以下(望ましくは30%以下、更には20%以下)が望ましい。そして接着量の塗布面積(あるいはその塗布膜厚)を減らした分だけ、リードフレーム10から炭素系高熱伝導層11への熱伝導を高められる。こうしてリードフレーム10の表面に、シート状の炭素系高熱伝導層11を密着するように固定する。
図5(A)〜(C)は、実施の形態における伝熱基板の製造方法を説明する断面図である。図5(A)は、金属板と、リードフレームと、炭素系高熱伝導層と、を伝熱樹脂層で一体化した後の状態を示す断面図である。図5(A)より、実施の形態で説明する熱伝導基板は、金属板13と、前記金属板13の上に固定したシート状の伝熱樹脂層12と、前記伝熱樹脂層12に、その一表面が露出する状態で埋め込まれたリードフレーム10と、前記リードフレーム10の一部に密着させたシート状の炭素系高熱伝導層11と、からなる熱伝導基板であって、前記炭素系高熱伝導層11と前記金属板13と電気的に絶縁した状態で前記伝熱樹脂層12に埋め込んでいる熱伝導基板からなることが判る。図5(A)に示すように、炭素系高熱伝導層11と、金属板13との間は、伝熱樹脂層12によって、電気的に絶縁していることが望ましい。こうすることで、リードフレーム10と、金属板13を電気的に絶縁することができ、金属板13を他の放熱部材(図示していない)に取り付ける場合に、電気的な影響を受けにくくできる。
なおリードフレーム10に、炭素系高熱伝導層11を、接着剤を用いて固定(仮止めも含む)しても良い。
なお伝熱樹脂層12と金属基板13との間の電気絶縁としては、少なくとも室温にて100Vを印加した場合、100MΩ以上(望ましくは1GΩ以上)の絶縁抵抗とすることが望ましい。絶縁抵抗が100MΩ未満の場合、長時間の安定性に欠ける場合がある。なおここで絶縁抵抗とは、完成品(ソルダーレジスト等も形成した後の)で測定した後で測定することが望ましい。これはソルダーレジスト形成工程で、取り扱い上のミス等で絶縁劣化となったサンプルを取り除くためである。
なお図5(A)における矢印14aは、図4(C)において、伝熱樹脂体19が軟化すると共に、リードフレーム10や炭素系高熱伝導層11の表面や、孔16の内部に密着する。そして加熱した状態で硬化し、伝熱樹脂層12となった後の、引張り応力を意味する。ここで伝熱樹脂層12の熱膨張係数を、金属板13やリードフレーム10等の熱膨張係数より大きくしておくことで、室温に下がった時に、熱膨張係数の差で伝熱樹脂層12が縮むことによって、リードフレーム10と、炭素系高熱伝導層11とを、互いに押し付けるようになるので、その界面の密着性(更には熱伝導)を高められる。またその密着効果は、少なくとも伝熱樹脂層12のTg(ガラス転移温度)以下であれば、充分得られると考えられる。またこの圧縮効果を得るには、市販のガラスエポキシ系プリント配線基板等に使われる耐熱性の高いエポキシ樹脂等を用いれば、半田付け(あるいは半田リフロー)温度まで、充分対応できると考えられる。このように、炭素系高熱伝導層11をリードフレーム10や伝熱樹脂層12(更には金属板13)の間に埋め込み、更に密着を高める方向の応力を発生させる効果は、図10(A)、(B)等で説明した、熱伝導シート等では得られなかった効果である。更に炭素系高熱伝導層11を、積極的にこうした部材の内部に埋め込むことで、炭素系高熱伝導層11が熱伝導基板の表面に露出させないことによって、熱伝導基板に対する各種信頼性に影響を与えることが無い。更に一部の炭素系高熱伝導層11は、へき開性(厚み方向の引張強度が弱い)を有しているが、このように埋め込むことで、炭素系高熱伝導層11に、直接的な引張り力が伝わりにくいため、ピール強度(プリント配線基板における引張り強度試験)に影響を与えにくい。また炭素系高熱伝熱層11に孔16を形成したり、リードフレーム10の厚みを厚くしたりすることも、ピール強度を高める効果が得られる。
次に図5(B)に示すように、ソルダーレジスト20を形成する。ここで伝熱樹脂層12の表面と、リードフレーム10の表面は同一平面(少なくとも、互いの段差が30μm以下、望ましくは10μm以下、更に望ましくは5μm以下)とすることが望ましい。これらの表面を同一平面とすることで、ソルダーレジスト20の厚みバラツキを抑えられるため、ソルダーレジスト20を必要以上に厚くすることを防止できる。これはソルダーレジスト20をピンホール防止等の目的で、厚くした場合、リードフレーム10の表面からの放熱性に影響を与えるためである。そして、矢印14bが示すようにしてパワー素子15を実装する(半田等は図示していない)。
図5(C)は、パワー素子に発生した熱が、拡散する様子を説明する断面図である。図5(C)において、矢印14cは、熱が広がる様子を示している。パワー素子15に発生した熱は、リードフレーム10に伝わる。そして一部は、リードフレーム10を平面方向(XY方向)に広がる。更にリードフレーム10から炭素系高熱伝導層11に伝わった熱は、図1(B)で説明したように、炭素系高熱伝導層11を平面方向に伝わる。ここで炭素系高熱伝導層11に、700〜1000W/(m・K)のように、リードフレーム10より高い(例えば2〜10倍)の高伝熱材料を用いることで、リードフレーム10だけでは得られなかった高放熱性が得られる。
次に図6を用いて、リードフレームと炭素系高熱伝導層を併用する効果について説明する。図6(A)、(B)は、炭素系高熱伝導層を設けなかった場合の放熱効果について説明する断面図及び上面図である。図6(A)、(B)において、21は補助線、22はホットスポットである。図6(A)は、炭素系高熱伝導層を内蔵していない場合について説明する断面図である。そして図6(B)の矢印14cにおける断面図が、図6(A)に相当する。図6(A)において、金属板13の上に固定した伝熱樹脂層12によって、リードフレーム10を固定している。図6(A)において、矢印14aは、熱の広がる方向を示すものであり、パワー素子15に発生した熱は、矢印14aで示すようにリードフレーム10に伝わる。そしてリードフレーム10に沿って広がった熱は、矢印14aに示すように、伝熱樹脂層12を介して、金属板13に広がる。
次に、放熱性についてホットスポット22の大きさで説明する。ここでホットスポット22とは、パワー素子15の周辺における一定以上の温度域を示す領域である。ここでパワー素子15の発熱量が同じであれば、ホットスポット22の面積が広いほど、熱伝導基板としての放熱性が優れていることとなる。そしてホットスポット22の面積が広ければ広いほど、ホットスポット22における最高温度、あるいはパワー素子15の温度を低くできるため、パワー素子15への熱影響を抑えられる。図6(B)においてホットスポット22はパワー素子15の周辺に発生しており、ホットスポット22の幅は図6(A)における矢印14bで表している。
図7(A)、(B)は炭素系高熱伝導層を内蔵した場合について説明する断面図及び上面図である。そして図7(B)の矢印14dにおける断面図が、図7(A)に相当する。図7(A)、(B)において、金属板13の上に固定した伝熱樹脂層12によって、リードフレーム10を固定している。図7(A)において、矢印14aは、熱の広がる方向を示すものであり、パワー素子15に発生した熱は、矢印14aで示すようにリードフレーム10に伝わる。そしてリードフレーム10に沿って広がった熱は、矢印14aに示すように、固定した伝熱樹脂層12を介して、金属板13に広がる。ここで矢印14bは、炭素系高熱伝導層11を伝わる熱を示す。
なお図6(B)と図7(B)を比べた場合、図7(B)の方がホットスポットの面積を広く図示しているが、これはホットスポットと指定する温度域を低くした(スレショールド値を下げた)ためである。実際のホットスポット画像(赤外線カメラ等での画像)では、図7(B)は低温の広い面積のホットスポット、図6(B)は高温の狭いホットスポットに相当する。このように同じ発熱量に対して、図7(B)の方が放熱性が高いことが判る。
そこで本実施の形態のように、炭素系高熱伝導層11に、リードフレーム10より熱伝導率の大きいものを用いることで、リードフレーム10の熱をより効率良く、矢印14bで示すように広げることができる。このように、リードフレーム10と炭素系高熱伝導層11を併用することで、熱伝導効率を高められる。図7(B)におけるホットスポット22は、炭素系高熱伝導層11を併用した場合のホットスポット(一定以上の温度を示す面積)である。図7(B)に示すように、炭素系高熱伝導層11を併用することで、ホットスポット22の面積を図6(B)の場合より広い面積に広げることができる。そして面積を広げた分、ホットスポット22の最高温度(あるいはパワー素子15の最高温度)を下げることができ、機器の高寿命化、高信頼性化を実現する。
炭素系高熱伝導層11に柔軟性を有した部材を用いた場合、炭素系高熱伝導層11をリードフレーム10と同時に所定形状に折り曲げる(加工する)ことができる。次に図8を用いて、LED等の発光素子用の熱伝導基板の製造方法について説明する。
図8(A)〜(C)は、発光素子用の熱伝導基板の製造方法の一例を示す断面図である。図8(A)において、リードフレーム10の一部表面には、炭素系高熱伝導層11を密着するように固定している。そして炭素系高熱伝導層11及びリードフレーム10を所定形状に曲げる。例えば図8(A)に示すように、中央部を上に凸状とし、ここに高輝度LED等のパワー素子15を実装することで、照明用、あるいは伝導用(例えば、乗用車用ヘッドライトや証明用、あるいはバックライト用)の発光デバイスを作成できる。一般的にLED等の半導体素子は発熱するにつれて、効率(あるいは発光効率)が低下するが、こうした熱伝導基板を用いることでこうした効率低下を防止できる。そして図8(A)に示すように、リードフレーム10の炭素系高熱伝導層11を密着するように固定した側に、伝熱樹脂層12と、金属板13をセットする。そして矢印14aで示すようにして、金型を使ってこれらを一体化する(金型は図示していない)。
図8(B)は、一体化した後の断面図である。図8(B)において、23は堰止め部であり、伝熱樹脂層12と同じ材料で形成している。
図8(C)は、発光素子等を実装した後の断面図である。図8(C)において、24は反射部である。図8(C)に示すように、パワー素子15として高輝度LED等を実装し、更に反射部24をセットする。図8(C)における矢印14bは、パワー素子15から発せられた光の方向を示すものであり、その一部は反射部24によって正面側に反射させている。このように反射部24を用いることで、高輝度LED等の発光効率を高めると共に、光学設計による最適化が可能になる。なお図8(C)における堰止め部23は、反射部24の位置決め用に使っても良い。また高輝度LED等のパワー素子15を保護樹脂(保護樹脂は図示していない)で覆って保護する場合、堰止め部23が、前記保護樹脂が熱伝導基板の外部(あるいは電子部品等の実装部)に流れ出ないような堰止め効果(あるいはダム効果)を持たせることができる。なお保護用樹脂(図示していない)で覆う場合、堰止め部23の高さは、パワー素子15の高さより高くすることが望ましい。堰止め部23の高さが、パワー素子15の高さより低い場合、パワー素子15を保護用樹脂で覆った時、余分な保護用樹脂が外部に流れ出てしまう可能性があるためである。なお保護用樹脂としては、透明な樹脂を使っても良いが、蛍光物質を分散させた樹脂材料を使っても良い。こうすることでパワー素子15から発せられた光(例えば紫外線等)を効率的に色変換できる。また図8におけるパワー素子15を複数個としても良い。そしてパワー素子15に、R(赤)、G(緑)、B(青)等の光の三原色に相当する専用のLEDを用いることで、液晶テレビ用のバックライトとして活用することができる。更に、本発明で提案する高熱伝導基板は、炭素系高熱伝導層を内蔵しているため、その放熱性が高く、R,G,B等のLEDの温度特性のバラツキ(LEDの場合、素子の温度が上がるほど、発光効率が低下する傾向があり、更にこの傾向はR,G,Bによってかなり異なっている。そのため時間経過と共にバックライトの色温度が変化してしまう可能性がある)がある。
また伝熱樹脂層12を形成する伝熱樹脂体19は、無機フィラー70重量%以上95重量%以下と、熱硬化性樹脂5重量%以上30重量%以下からなることが望ましい。ここで無機フィラーは略球形状で、その直径は0.1μm以上100μm以下が適当である(0.1μm未満の場合、樹脂への分散が難しくなり、また100μmを超えると伝熱樹脂層12の厚みが厚くなり熱拡散性に影響を与える)。そのため伝熱樹脂層12における無機フィラーの充填量は、熱伝導率を上げるために70から95重量%と高濃度に充填している。特に、本実施の形態では、無機フィラーは、平均粒径3μmと平均粒径12μmの2種類のアルミナを混合したものを用いている。この大小2種類の粒径のアルミナを用いることによって、大きな粒径のアルミナの隙間に小さな粒径のアルミナを充填できるので、アルミナを90重量%近くまで高濃度に充填できるものである。この結果、伝熱樹脂層12の熱伝導率は5W/(m・K)程度となる。なお無機フィラーとしてはアルミナの代わりに、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、及び窒化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも一種以上を含んでもよい。
なお無機フィラーを用いると、放熱性を高められるが、特に酸化マグネシウムを用いると線熱膨張係数を大きくできる。また酸化ケイ素を用いると誘電率を小さくでき、窒化ホウ素を用いると線熱膨張係数を小さくできる。こうして伝熱樹脂層12としての熱伝導率が1W/(m・K)以上20W/(m・K)以下のものを形成することができる。なお熱伝導率が1W/(m・K)未満の場合、熱伝導基板の放熱性に影響を与える。また熱伝導率を20W/(m・K)より高くしようとした場合、フィラー量を増やす必要があり、プレス時の加工性に影響を与える場合がある。
なお熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびシアネート樹脂の内、少なくとも1種類の樹脂を含んでいる。これらの樹脂は耐熱性や電気絶縁性に優れている。伝熱樹脂層12の厚みは、薄くすれば、リードフレーム10に装着した電子部品に生じた熱を金属板13に伝えやすいが、逆に絶縁耐圧が問題となり、厚すぎると、熱抵抗が大きくなるので、絶縁耐圧と熱抵抗を考慮して最適な厚さである50μm以上1000μm以下に設定すれば良い。
次にリードフレーム10の材質について説明する。リードフレーム10の材質としては、銅を主体とするもの(例えば銅板)が望ましい。これは銅が熱伝導性と導電率が共に優れているためである。またリードフレーム10としての加工性や、熱伝導性を高めるためには、リードフレーム10となる銅素材に銅以外の少なくともSn、Zr、Ni、Si、Zn、P、Fe等の群から選択される少なくとも1種類以上の材料とからなる合金を使うことも可能である。例えばCuを主体として、ここにSnを加えた、銅材料(以下、Cu+Snとする)を用いることができる。Cu+Sn銅材料(あるいは銅合金)の場合、例えばSnを0.1重量%以上0.15重量%未満添加することで、その軟化温度を400℃まで高められる。比較のためSn無しの銅(Cu>99.96重量%)を用いて、リードフレーム10を作成したところ、導電率は低いが、出来上がった熱伝導基板において特に形成部等に歪みが発生する場合があった。そこで詳細に調べたところ、その材料の軟化点が200℃程度と低いため、後の部品実装時(半田付け時)に変形する可能性があることが予想された。一方、Cu+Sn>99.96重量%の銅系の材料を用いた場合、実装された各種部品の発熱の影響は特に受けなかった。また半田付け性やダイボンド性にも影響が無かった。そこでこの材料の軟化点を測定したところ、400℃であることが判った。このように、銅を主体として、いくつかの元素を添加することが望ましい。銅に添加する元素として、Zrの場合、0.015重量%以上0.15重量%以下の範囲が望ましい。添加量が0.015重量%未満の場合、軟化温度の上昇効果が少ない場合がある。また添加量が0.15重量%より多いと電気特性に影響を与える場合がある。また、Ni、Si、Zn、P等を添加することでも軟化温度を高くできる。この場合、Niは0.1重量%以上5重量%未満、Siは0.01重量%以上2重量%以下、Znは0.1重量%以上5重量%未満、Pは0.005重量%以上0.1重量%未満が望ましい。そしてこれらの元素は、この範囲で単独、もしくは複数を添加することで、銅素材の軟化点を高くできる。なお添加量がここで記載した割合より少ない場合、軟化点上昇効果が低い場合がある。またここで記載した割合より多い場合、導電率への影響の可能性がある。同様に、Feの場合0.1重量%以上5重量%以下、Crの場合0.05重量%以上1重量%以下が望ましい。これらの元素の場合も前述の元素と同様である。
なおリードフレーム10に使う銅材料の引張り強度は、600N/平方mm以下が望ましい。引張り強度が600N/平方mmを超える材料の場合、リードフレーム10の加工性に影響を与える場合がある。一方、引張り強度が600N/平方mm以下(更にリードフレーム10に微細で複雑な加工が必要な場合、望ましくは400N/平方mm以下)とすることでスプリングバック(必要な角度まで曲げても圧力を除くと反力によってはねかえってしまうこと)の発生を抑えられ、形成精度を高められる。このようにリードフレーム材料としては、Cuを主体とすることで導電率を下げられ、更に柔らかくすることで加工性を高められ、更にリードフレーム10による放熱効果も高められる。なおリードフレーム10に使う銅合金の引張り強度は、10N/平方mm以上が望ましい。これは一般的な鉛フリー半田の引張り強度(30〜70N/平方mm程度)に対して、リードフレーム10に用いる銅合金はそれ以上の強度が必要なためである。リードフレーム10に用いる銅合金の引張り強度が、10N/平方mm未満の場合、リードフレーム10上に電子部品等を半田付け実装する場合、半田部分ではなくてリードフレーム10部分で凝集破壊する可能性がある。
なおリードフレーム10の、伝熱樹脂層12から露出している面(電子部品等の実装面)に、予め半田付け性を改善するように半田層や錫層を形成しておくことも有用である。なおリードフレーム10の伝熱樹脂層12に接する面(もしくは埋め込まれた面)には、半田層は形成しないことが望ましい。このように伝熱樹脂層12と接する面に半田層や錫層を形成すると、半田付け時にこの層が柔らかくなり、リードフレーム10と伝熱樹脂層12の接着性(もしくは結合強度)に影響を与える場合がある。金属板13としては、熱伝導の良いアルミニウム、銅またはそれらを主成分とする合金からできている。特に、本実施の形態では、金属板13の厚みを1mmとしているが、その厚みは製品仕様に応じて設計できる(なお金属板13の厚みが0.1mm以下の場合、放熱性や強度的に不足する可能性がある。また金属板13の厚みが50mmを超えると、重量面で不利になる)。金属板13としては、単なる板状のものだけでなく、より放熱性を高めるため、伝熱樹脂層12を積層した面とは反対側の面に、表面積を広げるためにフィン部(あるいは凹凸部)を形成しても良い。全膨張係数は8〜20ppm/℃としており、本発明の熱伝導基板や、これを用いた電源ユニット全体の反りや歪みを小さくできる。またこれらの部品を表面実装する際、互いに熱膨張係数をマッチングさせることは信頼性的にも重要となる。
以上のようにして金属板13と、前記金属板13の上に固定したシート状の伝熱樹脂層12と、前記伝熱樹脂層12に、その一表面が露出する状態で埋め込まれたリードフレーム10と、一部の前記リードフレーム10の前記伝熱樹脂層12側に密着するように固定したシート状の炭素系高熱伝導層11と、からなる熱伝導基板であって、前記炭素系高熱伝導層11と前記金属板13とが、電気的に絶縁した状態で前記伝熱樹脂層12に埋め込んでいる熱伝導基板を提供することで、熱伝導基板の熱伝導性(あるいは放熱性を高めることができ、この熱伝導基板を用いることで、各種電源ユニット、バックライト、電子機器、照明機器及び液晶テレビ等の電子機器の高性能化、低コスト化が可能となる。
更に、金属板13と、前記金属板13の上に固定したシート状の伝熱樹脂層12と、前記伝熱樹脂層12に、その一表面が露出する状態で埋め込まれたリードフレーム10と、一部の前記リードフレーム10の前記伝熱樹脂層12側に密着するように固定したシート状の炭素系高熱伝導層11と、からなる熱伝導基板であって、前記炭素系高熱伝導層11に、複数の孔16を形成している熱伝導基板とすることで、熱伝導基板の熱伝導性(あるいは放熱性)を高めることができ、この熱伝導基板を用いることで、各種電源ユニット、バックライト、電子機器、照明機器及び液晶テレビ等の電子機器の高性能化、低コスト化が可能となる。
また炭素系高熱伝導層11は、少なくとも、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、膨張黒鉛、グラファイトシート、カーボンナノコイル、炭素繊維からなる群から選択される少なくとも一種以上を含んでいる熱伝導基板とすることで、熱伝導基板の熱伝導性を高めたり、軽量化したりできるため、各種電源ユニット、バックライト、電子機器、照明機器及び液晶テレビ等の電子機器の高性能化、低コスト化が可能となる。
また伝熱樹脂層12は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、及びイソシアネート樹脂からなる群から選択される少なくとも一種類以上の樹脂を含む熱伝導基板とすることで、熱伝導基板の熱伝導性を高めたり、軽量化したりできるため、各種電源ユニット、バックライト、電子機器、照明機器及び液晶テレビ等の電子機器の高性能化、低コスト化が可能となる。
また無機フィラーは、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素及び窒化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも一種を含む熱伝導基板とすることで、熱伝導基板の熱伝導性を高めたり、軽量化したりできるため、各種電源ユニット、バックライト、電子機器、照明機器及び液晶テレビ等の電子機器の高性能化、低コスト化が可能となる。
リードフレーム10は、Snは0.1重量%以上0.15重量%以下、Zrは0.015重量%以上0.15重量%以下、Niは0.1重量%以上5重量%以下、Siは0.01重量%以上2重量%以下、Znは0.1重量%以上5重量%以下、Pは0.005重量%以上0.1重量%以下、Feは0.1重量%以上5重量%以下である群から選択される少なくとも一種以上を含む、銅を主体とする金属材料である熱伝導基板とすることで、熱伝導基板の熱伝導性を高めたり、軽量化したりできるため、各種電源ユニット、バックライト、電子機器、照明機器及び液晶テレビ等の電子機器の高性能化、低コスト化が可能となる。
シート状の炭素系高熱伝導層11の面積は、リードフレーム10の面積より小さい熱伝導基板とすることで、熱伝導基板の熱伝導性を高めたり、軽量化したりできるため、各種電源ユニット、バックライト、電子機器、照明機器及び液晶テレビ等の電子機器の高性能化、低コスト化が可能となる。
シート状の炭素系高熱伝導層11の熱伝導率は、リードフレーム10を形成する金属材料より大きい熱伝導基板とすることで、熱伝導基板の熱伝導性を高めたり、軽量化したりできるため、各種電源ユニット、バックライト、電子機器、照明機器及び液晶テレビ等の電子機器の高性能化、低コスト化が可能となる。
シート状の炭素系高熱伝導層11の厚みは、リードフレーム10の厚みより薄い熱伝導基板とすることで、熱伝導基板を軽量化したりできるため、各種電源ユニット、バックライト、電子機器、照明機器及び液晶テレビ等の電子機器の高性能化、低コスト化が可能となる。
少なくとも、リードフレーム10にシート状の炭素系高熱伝導層11を固定する工程と、前記リードフレーム10の炭素系高熱伝導層11を密着するように固定した側に、伝熱樹脂体19と、金属板13と、をセットする工程と、金型を用いて、加熱・加圧して積層体を構成する工程と、を有する熱伝導基板の製造方法によって、放熱性に優れた熱伝導基板を製造できるため、各種電源ユニット、バックライト、電子機器、照明機器及び液晶テレビ等の電子機器の高性能化、低コスト化が可能となる。
少なくとも、金属板13と、前記金属板13の上に固定したシート状の伝熱樹脂層12と、前記伝熱樹脂層12に、その一表面が露出する状態で埋め込まれたリードフレーム10と、一部の前記リードフレーム10の前記伝熱樹脂層12側に密着するように固定したシート状の炭素系高熱伝導層11と、からなる熱伝導基板を用いた電子機器であって、前記炭素系高熱伝導層11は、前記金属板13と電気的に絶縁した状態で前記伝熱樹脂層12に埋め込んでいる電子機器とすることで、この各種電子機器の安定化、高性能化を実現できる。
以上のように、本発明にかかる熱伝導基板とその製造方法及びこれを用いた電源ユニット、バックライト、電子機器、照明機器、電子機器及び照明装置及び液晶テレビによって、PDP(プラズマディスプレイパネル)等の電源回路の大電力回路等に適用することによって、機器の小型化、高性能化が可能となる。
(A)、(B)本実施の形態における熱伝導基板の断面斜視図 (A)、(B)熱伝導基板に用いる炭素系高熱伝導層に孔を形成した場合について説明する斜視図及び断面斜視図 (A)〜(C)炭素系高熱伝導層に孔を形成する様子を説明する斜視断面図 (A)〜(C)実施の形態における伝熱基板の製造方法を説明する断面図 (A)〜(C)実施の形態における伝熱基板の製造方法を説明する断面図 (A)、(B)はそれぞれ炭素系高熱伝導層を設けなかった場合の放熱効果について説明する断面図と上面図 (A)、(B)はそれぞれ炭素系高熱伝導層を内蔵した場合について説明する断面図と上面図 (A)〜(C)発光素子用の熱伝導基板の製造方法の一例を示す断面図 (A)、(B)従来の熱伝導基板の斜視図及び斜視断面図 (A)、(B)はそれぞれ熱伝導シートの上面図と断面図
符号の説明
10 リードフレーム
11 炭素系高熱伝導層
12 伝熱樹脂層
13 金属板
14 矢印
15 パワー素子
16 孔
17 孔開手段
18 孔開装置
19 伝熱樹脂体
20 ソルダーレジスト
21 補助線
22 ホットスポット
23 堰止め部
24 反射部

Claims (11)

  1. 金属板と、
    前記金属板の上に固定したシート状の伝熱樹脂層と、
    前記伝熱樹脂層に、その一表面が露出する状態で埋め込まれたリードフレームと、
    一部の前記リードフレームの前記伝熱樹脂層側に密着するように固定したシート状の炭素系高熱伝導層と、
    からなる熱伝導基板であって、
    前記炭素系高熱伝導層は、前記金属板と電気的に絶縁した状態で前記伝熱樹脂層に埋め込んでいる熱伝導基板。
  2. 炭素系高熱伝導層に、複数の孔を形成している請求項1記載の熱伝導基板。
  3. 炭素系高熱伝導層は、少なくとも、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、膨張黒鉛、グラファイトシート、カーボンナノコイル、炭素繊維からなる群から選択される少なくとも一種以上を含んでいる請求項1記載の熱伝導基板。
  4. 伝熱樹脂層は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、及びイソシアネート樹脂からなる群から選択される少なくとも一種類以上の樹脂を含む請求項1記載の熱伝導基板。
  5. 無機フィラーは、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素及び窒化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも一種を含む請求項1もしくは請求項2記載の熱伝導基板。
  6. リードフレームは、Snは0.1重量%以上0.15重量%以下、Zrは0.015重量%以上0.15重量%以下、Niは0.1重量%以上5重量%以下、Siは0.01重量%以上2重量%以下、Znは0.1重量%以上5重量%以下、Pは0.005重量%以上0.1重量%以下、Feは0.1重量%以上5重量%以下である群から選択される少なくとも一種以上を含む、銅を主体とする金属材料である請求項1記載の熱伝導基板。
  7. シート状の炭素系高熱伝導層の面積は、リードフレームの面積より小さい請求項1記載の熱伝導基板。
  8. シート状の炭素系高熱伝導層の熱伝導率は、リードフレームを形成する金属材料より大きい請求項1記載の熱伝導基板。
  9. シート状の炭素系高熱伝導層の厚みは、リードフレームの厚みより薄い請求項1もしくは請求項2記載の熱伝導基板。
  10. 少なくとも、リードフレームにシート状の炭素系高熱伝導層を密着させる工程と、
    前記リードフレームの炭素系高熱伝導層を密着させた側に、伝熱樹脂体と、金属板と、をセットする工程と、
    前記リードフレームと前記伝熱樹脂体と前記金属板を、金型を用いて、加熱・加圧して積層体を構成する工程と、
    を有する熱伝導基板の製造方法。
  11. 少なくとも、
    金属板と、
    前記金属板の上に固定したシート状の伝熱樹脂層と、
    前記伝熱樹脂層に、その一表面が露出する状態で埋め込まれたリードフレームと、
    一部の前記リードフレームの前記伝熱樹脂層側に密着するように固定したシート状の炭素系高熱伝導層と、
    からなる熱伝導基板を用いた電子機器であって、
    前記炭素系高熱伝導層は、前記金属板と電気的に絶縁した状態で前記伝熱樹脂層に埋め込んでいる電子機器。
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