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JP2007508118A - 脊椎固定フックおよび脊椎固定方法 - Google Patents

脊椎固定フックおよび脊椎固定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は脊椎固定装置に向けられている。
【解決手段】この装置は、脊椎ロッドを受け入れるためのチャンネルを構成しているボディを備えており、このチャンネルが、横方向開口部により分離された第1分岐部および第2分岐部を有しており、そしてボディから延びていて脊椎骨の一部に係合するためのフックと、脊椎ロッドをチャンネルに固着するように構成されているファスナーとを備えている。ファスナーは第1分岐部のみを通って延びているのがよい。また、脊椎固定装置は1つまたはそれ以上の器具係合凹部を有するのがよい。更に、本発明は脊椎固定方法に向けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は脊椎固定装置および脊椎固定方法に関する。より詳細には、本発明は脊椎固定フックおよびこれを使用した脊椎固定方法に関する。
脊椎をその正常な状態に戻すために脊椎への修正力の付与および/または保持を必要とする多くの公知の脊椎状態がある。その結果、脊椎固定の使用するための多くの装置が開発されてきた。1つの種類の脊椎固定装置は、一般に、1つまたはそれ以上の脊椎ロッドを有しており、これらの脊椎ロッドは、(フック、ねじまたは板のような)固定装置が脊椎ロッドと脊椎の所定部分との間に連結されて設置される。幾つかの公知の脊椎固定装置に伴う1つの問題は、通常、外科医が脊椎ロッドをこれらの装置に軸方向に(すなわち、直列に)挿入することを必要とし、外科医が装置のすべてまたは一部を分解することなしに装置を次々に加えるか、或いは取外すことを困難にしていると言う点である。この難点を軽減する試みで、横方向における脊椎ロッドの挿入を許容する装置が開発された。しかしながら、これらの装置の多くは、(頂部から或いは斜めからに対して)側部から装置に脊椎ロッドを挿入することを必要としており、かくして必要以上に或いは望ましい以上に大きい患者に対する切り口を必要とする。また、これらの装置の多くは、脊椎ロッドの取付けを許容するために装置から完全に取外されるべきねじのような構成部品を必要としている。これらの構成部品の完全な取外しは、手順に必要な時間量を増し、また患者の内側で小さい部分が失われる恐れを高める。また、公知の装置の多くは、装置を器具で容易に把持して操り得る特徴を欠いている。
従って、自身および/または脊椎ロッドの最小の侵襲的な埋込みに対処しており、脊椎ロッドに対して容易に且つすばやく連結され且つ外されることが可能であって、器具で把持したり操ったりするのが容易である脊椎固定装置の必要性が当業界に残存している。
本発明は脊椎固定装置に向けられている。この装置は、脊椎ロッドを受け入れるためのチャンネルを構成しているボディを備えており、このチャンネルが、横方向開口部により分離された第1分岐部および第2分岐部を有しており、ボディから延びていて脊椎骨の一部に係合するためのフックと、脊椎ロッドをチャンネルに固着するように構成されているファスナーとを備えている。ファスナーは第1分岐部のみを通って延びているのがよい。第1分岐部はチャンネルの上方分岐部でも、或いは下方分岐部でもよい。ファスナーは第1分岐部に設けられた孔を通って延びているのがよい。ファスナーは、孔に受け入れ可能な頭部と、頭部と反対側の先端部とを有するのがよく、先端部は、ファスナーが脊椎ロッドをチャンネルに固着すると、第1分岐部から間隔を隔てられるのがよい。ファスナーは押えねじであるのがよく、押えねじおよび孔のうちの少なくとも一方がねじ付きであるのがよい。横方向開口部は、好ましくは、第1分岐部からファスナーを取外すことなしに横方向開口部を通してのチャンネルへの脊椎ロッドの挿入を許容するように構成されている。ファスナーの先端部は脊椎ロッドに係合して脊椎ロッドをチャンネルに固着し得る。例えば、先端部は脊椎ロッドに係合する斜面を有してもよい。更に或いは変更例として、先端部は実質的に円錐形または切頭円錐形であってもよい。本発明の一面によれば、フックは第1軸線を構成し、チャンネルは、約90°より大きい角度、好ましくは約100°と約135°との間の角度だけ第1軸線に対して傾斜された第2軸線を有するのがよい。フックは椎弓板に係合するように構成され且つ寸法決めされるのがよい。
本発明の他の面によれば、脊椎固定装置は、横方向開口部を有するロッド受け入れチャンネルを構成し、そして器具により把持するための少なくとも1つの器具係合凹部を有しているボディと、ボディから延びていて、脊椎骨の一部に係合するためのフックと、脊椎ロッドをチャンネルに固着するように構成されたファスナーとを備えている。ボディは、第1側部と、第1側部と反対側の第2側部とを有するのがよく、第1側部には、第1器具係合凹部が形成されているのがよく、第2側部には、第2器具係合凹部が形成されているのがよい。第1および第2器具係合凹部は、鉗子または他の器具の第1および第2顎部に係合するように構成され且つ寸法決めされているのがよい。器具係合凹部は、フックが脊椎骨の一部と係合されると、上から把持するように構成されているのがよい。更に或いは変更例として、器具係合凹部は、鉗子が横方向開口部を塞ぐことなしに鉗子による把持を許容するように構成されているがよい。
また、本発明は脊椎固定方法に向けられている。この方法は、脊椎ロッドを受け入れるための開放チャンネルを有するボディと、このボディから延びているフックと、ボディと係合され、開放チャンネルを部分的に塞ぐことが可能であるファスナーとを有する第1脊椎固定装置を用意する工程と、フックを(椎弓板のような)第1脊椎骨の一部に係合させる工程と、ボディからファスナーを外すことなしに脊椎ロッドを開放チャンネルの中へ移動させる工程と、ファスナーを脊椎ロッドに締付けて脊椎ロッドをチャンネルに固着する工程とを備えている。フックを第1脊椎骨の一部に係合させる工程は脊椎ロッドを開放チャンネルの中へ移動させる工程の前または後に生じてもよい。脊椎ロッドを開放チャンネルの中へ移動させる工程は脊椎ロッドを開放チャンネルの中へ移動させることよりなり、この場合、脊椎ロッドは患者の中央平面に対して約20°と約70°との間の角度で開放チャンネルの中へ上方に移動されるのがよい。変更例として、脊椎ロッドを開放チャンネルの中へ移動させる工程は開放チャンネルを脊椎ロッドに向けて移動させることよりなってもよく、この場合、第1脊椎固定装置は患者の中央平面に対して約20°と約70°との間の角度で脊椎ロッド上へ下方に移動されるのがよい。
この方法は、更に、第2脊椎固定装置を第2脊椎骨の一部に取付ける工程と、脊椎ロッドを第2脊椎固定装置に固着する工程とを備えているのがよい。第2脊椎固定装置を取付ける工程は、フックを第1脊椎骨の一部に係合させる工程と、脊椎ロッドを開放チャンネルの中へ移動させる工程との前または後に生じてもよい。更に或いは変更例として、この方法は、更に、第1脊椎骨を第2脊椎骨に対して圧縮するか或いはそらす工程、および/または第1脊椎骨を第2脊椎骨に対して整合させる工程を備えてもよい。更に、この方法はファスナーをボディから完全に外すことなしに脊椎ロッドを開放チャンネルの中へ移動させる工程を備えているのがよい。
同じ参照符号が同じ要素を示す添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1を参照すると、脊椎ロッドに取付けられる本発明による脊椎固定装置の第1例示的実施形態が示されている。脊椎フック10として示されている脊椎固定装置は、一般に、ボディ12と、ボディ12から延びているフック14と、ボディ12と係合されているファスナー16とを有している。ボディ12は、脊椎ロッド20を受け入れるロッド受け入れチャンネル18を構成し得る。図1の例示的な実施形態では、フック14は、ボディ12の左側に取付けられ、(図1で見て)右側まで延びており、かくして「左側」実施形態と呼ばれる。図2ないし図4の例示的な実施形態は、フック14がボディ12の右側に取付けられ、(図3および図4で見て)左側まで延びている「右側」実施形態である以外、図1の実施形態と実質的に同じである。右側および左側実施形態は、例えば、脊椎フック10を椎弓板のような脊椎骨の一部に脊椎骨の両側から取付けるために設けられる。また、右側および左側実施形態は、それらのフック14が爪構成で互いに向けて配向されて設けられてもよいが、右側および左側実施形態の追加の利点が意図され、当業者により知られている。図1の実施形態と図2ないし図4の実施形態との唯一の顕著な相違は、ボディ12に対するフック14の配向であり、これらの2つの例示的な実施の形態をともにここに説明する。
図1ないし図4を参照すると、ボディ12は脊椎ロッド20を受け入れるためのロッド受け入れチャンネル18を構成している。ボディ12は、好ましくは、最小の因襲性であるために滑らかな或いは丸い縁部を有する低い輪郭を有している。ボディ12が概ね矩形として図1ないし図4に示されているが、本発明はボディ12のいずれの特定の形状、サイズまたは構成に限定されない。
脊椎固定装置10は、好ましくは、脊椎の頸部または上方胸部領域において脊椎骨の一部に取付けられるように構成され且つ寸法決めされているが、変更例として、脊椎固定装置10は、脊椎の他の領域(すなわち、下方頸部および腰部領域)において脊椎骨に取付けられるように構成され且つ寸法決めされてもよい。図1ないし図4に示される例示的な実施形態では、フック14は脊椎骨の椎弓板部分の下側に係合するように構成され且つ寸法決めされている。例えば、フック14は、(図1に示すように)ボディ12の左側22から下方に延び、そして(図1に示すように)右側24に向けて湾曲してもよく、或いは変更例として、(図2ないし図4に示すように)ボディ12の右側24から下方に延び、そして左側22に向けて湾曲してもよい。いずれの構成でも、フック14は脊椎骨の椎弓板部分の下に容易に嵌る幅狭いブレード部分26で終わってもよい。しかしながら、当業者は、この開示から、変更例として、フック14が例えば棘突起または内茎のような脊椎骨の他の部分に係合するように構成され且つ寸法決めされてもよいことを知り、理解するであろう。
図1および図2に示すように、ロッド受け入れチャンネル18は、横方向の開口部32により分離された(例示の目的で上方分岐部として示されている)第1分岐部28と、(例示の目的で下方分岐部として示されている)第2分岐部30とを構成してもよい。開口部32は、好ましくは、図1および図2の軸線Xにより一般に示されるように、(従来の軸方向または長手方向挿入に対して)開口部32を通してのロッド受け入れチャンネル18への脊椎ロッド20の挿入を許容するように構成され且つ寸法決めされている。より詳細には、開口部32のマウスは脊椎ロッド20の直径より大きくてもよい。これにより、脊椎ロッド20にすでに取付けられた他の脊椎固定装置を移動させたり取外したりすることなしに脊椎ロッド20からの脊椎フック10の容易な取付けおよび取外しを容易にし得る。図1および図2に示すように、第1分岐部28は第2分岐部30より長いが、変更例として、第1および第2分岐部28、30は等しい長さのものでもよく、或いは第2分岐部30が第1分岐部28より長くてもよい。
更に、図1および図2を参照して説明すると、ファスナー16は第1分岐部28の孔34を通って延び、そして開口部32を部分的に塞ぎ、それによりファスナー16により脊椎ロッド20をチャンネル18に固着し得る。ファスナー16は、好ましくは、第1分岐部28または第2分岐部30のみ(両方ではない)を通って延びている。十分に長い開口部32と共に、この構成によれば、ファスナー16を孔34から完全に取り出すことなしに脊椎ロッド20を開口部32に挿通し得る。第1分岐部28は図1ないし図4に上方分岐部として示されているが、変更例として、この開示から当業者がわかるように、第1分岐部28は下方分岐部であってもよいし、ファスナー16は下方分岐部を通って延びてもよい。
図2を参照して説明すると、(部分的に仮想で示される)ファスナー16は、孔34に係合する頭部分36と、この頭部分36と反対側であって、開口部32の中へ延びている先端部分38とを有してもよい。ファスナー16は孔34のねじ山と噛合う頭部分36のねじ山を有する押えねじとして示されているが、当業界で知られている他の構成も意図される。変更例として、例えば、ファスナー16は四分の1回りのカムとして構成されてもよい。先端部分38は、(ファスナー16が孔34に十分に締付けられると)脊椎ロッド20をチャンネル18に押込んで脊椎ロッド20をボディ12に固着するために脊椎ロッド20に係合する傾斜面すなわち斜面40を有してもよい。図示のように、先端部分38は実質的に円錐形または切頭円錐形でもよいが、他の構成も可能である。脊椎ロッド20がロッド受け入れチャンネル18に固着されと、先端部分38が第2分岐部30から間隔を隔てられているのが好ましく、それによりファスナー16を孔34から完全に取り出すことなしに開口部32を通しての脊椎ロッド20の挿入および/または取出しを更に容易にする。図1に示すように、ファスナー16は六角スパナまたはトークススパナのようなねじ回し工具を受け入れる内面ソケット40を有してもよい。変更例として、ファスナー16はソケットスパナまたは他の工具が係合するための六角形突起のような外面特徴を有してもよい。
図1および図2を参照して説明すると、ロッド受け入れチャンネル18および/またはボディ12は、フック14が患者に埋め込まれるとき、脊椎ロッド20を頂部および/または側部から開口部32を通してロッド受け入れチャンネル18に挿入し得るように、フック14に対して上方に傾斜されているのがよい。これにより、脊椎フック10を脊椎ロッドに対して下方に/側方に移動させることにより、脊椎フック10をすでに埋め込まれている脊椎ロッドに取付けることができる。この頂部または傾斜装填によれば、脊椎フック10および/または脊椎ロッド20の埋込みに必要とされる切開の大きさを減少させることができ、また簡単化された埋込み並びに他の利点をもたらす。図2に示すように、フック14は、一般に、第1軸線Yを構成し得、ロッド受け入れチャンネル18は第2軸線Xを構成し得る。第2軸線Xは約90°より大きい角度αだけ第1軸線Yに対して傾斜されてもよい。好ましくは、角度αは約100°と約135°との間である。しかしながら、当業者は、角度αの他の値が可能であることをわかるであろう。
図1ないし図4を参照して説明すると、ボディ12は、図6および図6に示される鉗子50のような器具で把持するための1つまたはそれ以上の係合凹部を有してもよい。図示のように、第1係合凹部42がボディ12の左側部22に形成されてもよく、第2係合凹部44がボディ12の右側部24に形成されてもよい。これらの凹部42、44はボディ12に形成された細長いスロットであってもよく、この場合、凹部42、44は鉗子50の顎部52、54を受け入れ、それにより鉗子50を使用して脊椎フック10を埋め込んだり、および/または操ったりし得る。凹部42、44は、好ましくは、ボディ12の外周面からファスナー16に向けて延びてもよいが、他の構成も意図される。なお、凹部42、44および顎部52、54は図に示される細長い構成に限定されない。もしろ、凹部42、44および顎部52、54は、この開示から当業者にはわかるように、鉗子50がボディ12をしっかり把持し得る任意の噛合い構成を有してもよい。鉗子50のような器具と共に使用される場合、凹部42、44は、外科医が脊椎固定装置10を靱帯および他の組織のような障害物に通して適所へ操るのに十分な把持力を与え得る。好ましくは、凹部42、44は、外科医が鉗子50を使用して脊椎固定装置10を操って周囲の靱帯に通して椎弓板と係合させるように構成され且つ寸法決めされている(すなわち、十分に長く且つ深い)。
更に、凹部42、44は、外科医が脊椎固定装置10を上から或いは患者の外側から脊椎骨上の適所へ操るために脊椎固定装置10を上から把持するように(例えば、図1ないし図4に示すように)位置決めされてもよい。また、凹部42、44が器具により係合されている間、ロッド20を開口部32からチャンネル18に挿入し得るように、凹部42、44が開口部32に対して十分な距離または配向に位置決めされることも好ましい。換言すると、凹部42、44は、好ましくは、器具、例えば、鉗子50が凹部42と係合されるときに、これが開口部32への接近を阻むような位置に位置決めされない。また、凹部42、44は、好ましくは、鉗子50のような器具が凹部42、44を把持しているときにファスナー16への接近を阻まない位置に位置決めされる。
また、本発明は脊椎固定方法に向けられており、以下に、この方法を前述の構造を参照して説明するが、本発明の方法は前述の構造に限定されない。この方法は、脊椎の所定の領域への接近を行なうために患者に切り口を用意することを含む。好ましくは、切り口は1つまたはそれ以上の脊椎ロッドの埋込みを許容するのに十分である。切り口が用意され、脊椎は埋込みの準備が整うと、図7に示すように、第1脊椎フック10を第1脊椎骨60の一部に係合させる。好ましくは、フック14を第1脊椎骨60の椎弓板62の下に係合させるが、変更例として、フック14を棘突起または内茎のような脊椎骨の他の領域に係合してもよい。フック14を図7における頸部脊椎骨の椎弓板62に係合するが、この方法は胸部および腰部領域のような脊椎の他の領域への適用を有してもよい。第2脊椎フック10(または内茎ねじまたは他の公知の脊椎固定装置)のような第2脊椎固定装置(図示せず)を第2脊椎骨(図示せず)の一部に係合してもよい。当業者は、第1脊椎フック10の前または後に第2脊椎固定装置を埋め込んでもよいことをわかるであろう。また、当業者は、特定の用途および/または病気により必要とされるのに応じて、任意の数の脊椎固定装置を埋め込んでもよりことをわかるであろう。
脊椎ロッド20を第1脊椎フック10および第2脊椎固定装置に取付けてもよい。この工程は、第1脊椎フック10および/または第2脊椎固定装置を脊椎骨の一部に係合する前または後に生じてもよい。すなわち、第1脊椎フック10および/または第2脊椎固定装置を脊椎ロッドの前に埋め込んでもよく、或いは変更例として、第1脊椎フック10および/または第2脊椎固定装置を脊柱にすでに埋め込まれて固定されている脊椎ロッドに埋込んで取付けてもよい。
少なくとも第1脊椎フック10に関しては、脊椎ロッドを図7の方向70におけるように開口部32を通してチャンネル18の中へ移動させてもよい。例えば、これは、ロッド20を患者の中央平面P(人間の身体を右半分および左半分に分割する平面)に対して約20°と約70°との間の角度βでチャンネル18の中へ上方に移動させることを含む。好ましくは、これは、ロッド20を中央平面Pに対して約30°と約60°との間の角度βでチャンネル18の中へ上方に移動させることを含むが、他の角度も可能である。変更例として、脊椎フック10がすでに脊柱に適所にある脊椎ロッド構成体に付設されている場合のように、脊椎ロッド20がチャンネル18に入るまで、第1脊椎フック10を、脊椎ロッド20上に下方に挿入してもよい。これは、第1脊椎フック10を患者の中央平面Pに対して約20°と約70°との間の角度βで脊椎ロッド20に向けて下方に移動させることを含む。好ましくは、これは、ロッド20を中央平面Pに対して約30°と約60°との間の角度βで下方に移動させることを含むが、他の角度も可能である。
ファスナー16をボディ12から係合解除するか或いは取外すことなしに脊椎ロッド20をロッド受け入れチャンネル18に挿入する。これは、例えば、ファスナー16がロッド受け入れチャンネル18の第1および第2分岐部29、30のうちの一方のみを通って延びていることに起因して可能であるが、他の構造でもこの手順を可能し得る。
病気を手近に治すために、治療力を少なくとも第1および第2脊椎骨に加えてもよい。これらの治療力は、第1脊椎フック10および/または第2脊椎固定装置を脊椎に取付ける前または後に、或いはロッド20をこれらの装置に固着する前に加えられてもよい。第1および第2脊椎骨を互いに対して近づけたり遠ざけたりするために圧縮器具またはそらせ器具を使用してもよく、或いは変更例として、これらの脊椎骨を適切に整合させるために(例えば、脊椎の異常な湾曲を治すために)力を加えてもよい。第1脊椎フック10および/または第2脊椎固定装置を脊椎ロッドに固着してそれらの所望位置を維持してもよい。少なくとも第1脊椎フック1に関して、これは、ファスナー16を脊椎ロッド20に締め付け、それによりファスナー16の傾斜面40により脊椎ロッド20をロッド受け入れチャンネル18に押入れることを含む。
また、この方法は、脊椎ロッドの取付けられた第1脊椎フック10および/または他の脊椎固定装置を取外す工程を有してもよい。少なくとも第1脊椎フック10の場合、これは、ロッド受け入れチャンネル18の開口部32を通して脊椎ロッドを移動させることによって達成され得る。これは、例えば、ファスナー16がロッド受け入れチャンネル18の第1および第2分岐部28、30のうちの一方のみを通って延びている構成に起因してファスナー16をボディ12から取外すか或いは係合解除することなしに可能であるが、他の構造もこれを可能にし得る。
当業者は、この方法がここに記載されている特定の順序に限定されなく、且つ手順が所定の用途および/または病気を鑑みて好適であるどの順序で行なわれてもよいことをわかるであろう。例えば、脊椎ロッド20は、第1脊椎固定装置が埋め込まれル前、或いは第1脊椎フック10および第2脊椎固定装置の両方が埋め込まれた後に、第1脊椎フック10に取付けられてもよい。かくして、特定の順序に対するここにおけるいずれの言及は説明容易のためだけのものである。
ここに開示される本発明の例示的な開示が前述の目的を果たすことは明らかであるが、当業者により多くの変更例および他の実施形態を考案され得ることはわかるであろう。従って、添付の請求項が本発明の精神および範囲内に入るすべてのこのような変形例および実施形態を網羅するものであることは理解されるであろう。
脊椎ロッドに取付けられた状態で示される本発明による脊椎フックの第1の例示的な具体例の斜視図である。 本発明による脊椎フックの第2の例示的な具体例の側面図である。 図2の脊椎フックの頂面図である。 図2の脊椎フックの端面図である。 本発明による脊椎フックを把持するための鉗子の第1の例示的な具体例の側面図である。 図5の鉗子の頂面図である。 本発明による脊椎フックが取付けられた頸部脊椎骨の包括図である。

Claims (52)

  1. 脊椎ロッドを受け入れるためのチャンネルを構成しているボディを備えており、このチャンネルは、横方向開口部により分離された第1分岐部および第2分岐部を有しており、
    ボディから延びていて脊椎骨の一部に係合するためのフックと、
    脊椎ロッドをチャンネルに固着するように構成されているファスナーと、を備えており、ファスナーが第1分岐部のみを通って延びている、脊椎固定装置。
  2. ファスナーは第1分岐部に設けられた孔を通って延びている、請求項1に記載の脊椎固定装置。
  3. ファスナーは孔に受け入れ可能な頭部と、この頭部と反対側の先端部とを有しており、先端部は、ファスナーが脊椎ロッドをチャンネルに固着すると、第2分岐部から間隔を隔てられている、請求項2に記載の脊椎固定装置。
  4. ファスナーは押えねじであり、この押えねじおよび孔のうちの少なくとも一方はねじ付きである、請求項2に記載の脊椎固定装置。
  5. 横方向開口部はファスナーを第1分岐部から取外すことなしに横方向開口部を通してのチャンネルへの脊椎ロッドの挿入を許容するように構成されている、請求項1に記載の脊椎固定装置。
  6. ファスナーは脊椎ロッドをチャンネルに固着するために脊椎ロッドに係合する先端部を有している、請求項1に記載の脊椎固定装置。
  7. 先端部は脊椎ロッドに係合する斜面を有している、請求項6に記載の脊椎固定装置。
  8. 先端部は実質的に円錐形または切頭円錐形である、請求項6に記載の脊椎固定装置。
  9. フックは第1軸線を構成しており、チャンネルは約90°より大きい角度、第1軸線に対して傾斜されている第2軸線を構成している、請求項1に記載の脊椎固定装置。
  10. 第2軸線は約100°と約135°との間だけ第1軸線に対して傾斜されている、請求項9に記載の脊椎固定装置。
  11. 第1分岐部はチャンネルの上方分岐部である、請求項1に記載の脊椎固定装置。
  12. 第1分岐部はチャンネルの下方分岐部である、請求項1に記載の脊椎固定装置。
  13. ボディに形成されていて器具でボディを把持するための少なくとも1つの器具係合凹部を更に備えている請求項1に記載の脊椎固定装置。
  14. ボディに形成されている第1器具係合凹部と、この第1器具係合凹部と反対側でボディに形成されている第2係合凹部とを更に備えている請求項13に記載の脊椎固定装置。
  15. 少なくとも1つの器具係合凹部は鉗子でボディを把持するために構成されている請求項13に記載の脊椎固定装置。
  16. 少なくとも1つの器具係合凹部は、鉗子が横方向開口部を塞ぐことなしに鉗子によるボディの把持を許容するように構成されている、請求項15に記載の脊椎固定装置。
  17. 少なくとも1つの器具係合凹部は、フックが脊椎骨の一部と係合されるときに上から把持するために構成されている、請求項13に記載の脊椎固定装置。
  18. フックは椎弓板に係合するように構成され且つ寸法決めされている、請求項1に記載の脊椎固定装置。
  19. 横方向開口部を有するロッド受け入れチャンネルを構成するボディを備えており、このボディは器具により把持するための少なくとも1つの器具係合凹部を有しており、
    ボディから延びていて、脊椎骨の一部に係合するためのフックと、
    脊椎ロッドをチャンネルに固着するように構成されたファスナーと、
    を備えている脊椎固定装置。
  20. ボディは第1側部と、第1側部と反対側の第2側部とを有しており、第1側部には、第1器具係合凹部が形成されており、第2側部には、第2器具係合凹部が形成されている、請求項19に記載の脊椎固定装置。
  21. 第1および第2器具係合凹部は、鉗子の第1および第2顎部に係合するように構成され且つ寸法決めされている、請求項20に記載の脊椎固定装置。
  22. ロッド受け入れチャンネルは横方向開口部により分離された第1分岐部および第2分岐部を有しており、ファスナーは第1分岐部のみを通って延びている、請求項19に記載の脊椎固定装置。
  23. ファスナーは、孔に受け入れ可能な頭部と、この頭部と反対側の先端部とを有しており、先端部は、ファスナーが脊椎ロッドをロッド受け入れチャンネルに固着すると、第2分岐部から間隔を隔てられている、請求項22に記載の脊椎固定装置。
  24. 横方向開口部は、第1分岐部からファスナーを取り出すことなしに横方向開口部を通してのロッド受け入れチャンネルへの脊椎ロッドの挿入を許容するように構成されている、請求項22に記載の脊椎固定装置。
  25. 第1分岐部は上方分岐部である、請求項22に記載の脊椎固定装置。
  26. 第1分岐部は下方分岐部である、請求項22に記載の脊椎固定装置。
  27. ファスナーは脊椎ロッドに係合する斜面を有している、請求項19に記載の脊椎固定装置。
  28. ファスナーは実質的に円錐形または切頭円錐計である先端部を有している、請求項27に記載の脊椎固定装置。
  29. ファスナーはねじ付き押えねじである、請求項19に記載の脊椎固定装置。
  30. フックは椎弓板に係合するように構成され且つ寸法決めされている、請求項19に記載の脊椎固定装置。
  31. 少なくとも1つの器具係合凹部は、フックが脊椎骨の一部と係合されると、上から把持するように構成されている、請求項19に記載の脊椎固定装置。
  32. 少なくとも1つの器具係合凹部は、鉗子が横方向開口部を塞ぐことなしに鉗子による把持を許容するように構成されている、請求項19に記載の脊椎固定装置。
  33. 脊椎ロッドを受け入れるための開放チャンネルを有するボディと、このボディから延びているフックと、ボディと係合され、開放チャンネルを部分的に塞ぐことが可能であるファスナーとを有する第1脊椎固定装置を用意する工程と、
    フックを第1脊椎骨の一部に係合させる工程と、
    ボディからファスナーを外すことなしに脊椎ロッドを開放チャンネルの中へ移動させる工程と、
    ファスナーを脊椎ロッドに締付けて脊椎ロッドをチャンネルに固着する工程と、
    を備えている脊椎固定方法。
  34. フックを第1脊椎骨の一部に係合させる工程は脊椎ロッドを開放チャンネルの中へ移動させる工程の前に生じる、請求項33に記載の方法。
  35. フックを第1脊椎骨の一部に係合させる工程は脊椎ロッドを開放チャンネルの中へ移動させる工程の後に生じる、請求項33に記載の方法。
  36. 脊椎ロッドを開放チャンネルの中へ移動させる工程は脊椎ロッドを開放チャンネルの中へ移動させることよりなる、請求項33に記載の方法。
  37. 脊椎ロッドは患者の中央平面に対して約20°と約70°との間の角度で開放チャンネルの中へ上方に移動される、請求項36に記載の方法。
  38. 脊椎ロッドは患者の中央平面に対して約30°と約60°との間の角度で開放チャンネルの中へ上方に移動される、請求項36に記載の方法。
  39. 脊椎ロッドを開放チャンネルの中へ移動させる工程は開放チャンネルを脊椎ロッドに向けて移動させることよりなる、請求項33に記載の方法。
  40. 第1脊椎固定装置は患者の中央平面に対して約20°と約70°との間の角度で脊椎ロッド上へ下方に移動される、請求項39に記載の方法。
  41. 第1脊椎固定装置は患者の中央平面に対して約30°と約60°との間の角度で脊椎ロッド上へ下方に移動される、請求項39に記載の方法。
  42. 第2脊椎固定装置を第2脊椎骨の一部に取付ける工程と、
    脊椎ロッドを第2脊椎固定装置に固着する工程と
    を更に備えている請求項39に記載の方法。
  43. 第2脊椎固定装置を取付ける工程は、フックを第1脊椎骨の一部に係合させる工程と、脊椎ロッドを開放チャンネルの中へ移動させる工程との前に生じる、請求項42に記載の方法。
  44. 第2脊椎固定装置を取付ける工程は、フックを第1脊椎骨の一部に係合させる工程と、脊椎ロッドを開放チャンネルの中へ移動させる工程との後に生じる、請求項42に記載の方法。
  45. 第1脊椎骨を第2脊椎骨に対して圧縮するか或いはそらす工程を更に備えている請求項33に記載の方法。
  46. 第1脊椎骨を第2脊椎骨に対して整合させる工程を更に備えている請求項33に記載の方法。
  47. 開放チャンネルは横方向開口部により分離された第1分岐部および第2分岐部を有しており、ファスナーは第1および第2分岐部の一方のみに係合する、請求項33に記載の方法。
  48. 第1脊椎骨の一部は椎弓板である、請求項33に記載の方法。
  49. ファスナーを脊椎ロッドに締付ける工程は押えねじの傾斜面により脊椎ロッドを開放チャンネルに押込む、請求項33に記載の方法。
  50. 傾斜面はファスナーの実質的に円錐形または切頭円錐形の先端部である、請求項49に記載の方法。
  51. ファスナーをボディから完全に外すことなしに脊椎ロッドを開放チャンネルの中へ移動させる工程を更に備えている、請求項33に記載の方法。
  52. ファスナーはねじ付き押えねじである、請求項33に記載の方法。
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