JP2007330585A - 眼科撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】まず、複数の波長の中から測定する波長を選択し(ここでは、第1波長とする)、第1波長の波面測定光源A17−1を用いて、第1波長における収差を測定する。補償光学部70は、測定結果に基づき収差を打ち消すような補正を行う。収差補正終了後、測定に用いた波面測定光源A17−1と同波長の眼底照明光源A21−1を用いて、眼底撮像素子32で受光される眼底像を取得する。眼底撮像素子32からの画像データ転送中に、第2波長の波面測定光源B17−2を用いて第2波長における収差を測定し、補償光学部70により補正する。波面測定光源B17−2と同波長の眼底照明光源B21−2を用いて、眼底像を取得する。また、各眼底像の差分画像を求め、表示又は記憶する。
【選択図】図1
Description
被測定眼の眼底上の所望の観察範囲を照明するための、第1波長の光束を発する第1光源と、第2波長の光束を発する第2光源とを有する第1光源部と、
上記第1波長の光束を眼底上に略点像として投影するための第3光源と、上記第2波長の光束を眼底上に略点像として投影するための第4光源とを有する第2光源部と、
上記第1光源部からの第1光束で眼底上の観察範囲を照明するための第1照明光学系と、
上記第2光源部からの第2光束を眼底上に略点像として照明するための第2照明光学系と、
測定された第1波長又は第2波長における収差に基づき、第1光束が眼底で反射された第1反射光束と、第2光束が眼底で反射された第2反射光束とに対して、少なくとも高次収差を含む収差をうちけすような補正を行う収差補正部と、
上記収差補正部で収差が補正された第2反射光束を、少なくとも17本のビームに分割する分割手段を介して受光する第2受光部を有し、該第2受光部の受光信号に基づき第2反射光束の第1波長又は第2波長における収差を測定する収差測定部と、
上記収差補正部で収差が補正された眼底からの第1反射光束を受光する第1受光部と、
上記収差補正部を介した眼底からの第1反射光束により上記第1受光部上に眼底像を形成するための受光光学系と
を備え、
上記第3光源から光束を発して上記収差補正部により第1の波長おける収差が補正された後に、上記第1光源からの光束により上記収差補正部を介して上記第1受光部に形成された第1の眼底像を取得し、
上記第4光源から光束を発して上記収差補正部により第2波長における収差が補正された後に、上記第2光源からの光束により上記収差補正部を介して上記第1受光部に形成された第2の眼底像を取得する眼科撮影装置が提供される。
本実施の形態は、選択波長ごとの分光測定を可能とするAdaptive Optics装置に関する。本実施の形態では、異なる数種類の波長の光源により例えば順番に被測定眼に対してパルス入力することにより、非常に近い時間の分光眼底画像を取得することができる。また、眼底像の撮像素子の転送時間中に波面測定用光源を光らせることにより、取得される眼底画像に波面測定用光源のノイズが入ることはなくなる。さらに、二つの異なる波長の高倍率の眼底画像を比較することで、網膜の活性度、LM錐体の分布等多くのことが分かる。また、赤、青、緑のような三原色に相当する波長の光源を用いればカラー画像の取得も可能となる。
図1に、本実施の形態の光学配置図を示す。
眼底観察装置(眼科撮影装置)は、波面補正系1と、眼底照明系(第1照明光学系)2と、眼底観察系3と、前眼部観察系4と、前眼部照明用光源45と、固視系5と、補償光学部70と、瞳移動量演算部14−2と、眼底撮像素子制御装置(眼底像形成部)14−3と、パルス発生装置25と、複数のパルス光源駆動回路26とを備える。パルス光源駆動回路26は、例えば、パルス光源駆動回路A26−1と、パルス光源駆動回路B26−2と、パルス光源駆動回路C26−3と、パルス光源駆動回路D26−4とを有する。
ダイクロイックミラーB83は、第2波長(例えば、635nm)の光を反射、第1波長(例えば、532nm)の光を透過するホットミラーを選ぶことができる。
第2受光部13は、変換部材を通過した第2受光光学系12からの光を受光し、第1信号を生成するためのものである。
被測定眼60の眼底61、固視系5の固視標52、第1波面測定光源A17−1、第2波面測定光源B17−2、第2受光部13が共役である。また、被測定眼60の眼の瞳(虹彩)、第2受光光学系12の変換部材(ハルトマン板)が共役である。回転拡散板24は、瞳と共役であり(瞳で結像)、眼底61の大部分を全体的に一様に照明可能である。
次に、アライメント調整について説明する。アライメント調整は、例えば、前眼部観察系4により実施されることができる。
アライメント調整は、被測定眼60の角膜62を照明する前眼部照明用光源45(光源部)による被測定眼60の像が前眼部イメージセンサ41上に形成されるので、この像を利用して瞳中心が光軸と一致するようにするとよい。
図3に、本実施の形態の電気系のブロック図を示す。図2に、本実施の形態の信号の説明図を示す。
眼科撮影装置の電気系の構成は、演算部600と、制御部610と、表示部700と、メモリ800と、第1駆動部910と、第2駆動部911と、第3駆動部912とを備える。なお、眼科撮影装置は、入力部をさらに備えてもよい。入力部としては、表示部700に表示された適宜のボタン、アイコン、位置、領域等を指示するためのポインティングデバイス、各種データを入力するためのキーボード等を備えることができる。
演算部600は、前眼部観察系4からの信号(8)を入力し、例えば、アライメントの調整等を行う。演算部600は、これらの処理に応じた信号又は他の信号・データを、電気駆動系の制御を行う制御部610と、表示部700と、メモリ800と、演算装置14−1と、パルス発生装置25とにそれぞれ適宜出力する。
波面補正素子制御装置15は、演算装置14−1から入力された信号に基づいて、信号(4)を出力して、波面補正素子71を制御し、収差を補正させる。
次に、収差測定(ゼルニケ解析)について説明する。一般に知られているゼルニケ多項式からゼルニケ係数ci 2j−iを算出する方法について説明する。ゼルニケ係数ci 2j−iは、例えば、ハルトマン板などの変化部材を介して第2受光部13で得られた光束の傾き角に基づいて被測定眼60の光学特性を把握するための重要なパラメータである。
図4に、各光源と各撮像素子露光のタイミングチャートを示す。
まず、図4を参照して、動作の概略を説明する。
図示のように、第1波面測定光源A17−1から第1波長のパルスを出力し、及び、波面イメージセンサ13を露光する。なお、このタイミングを同期させることもできる。波面イメージセンサ13の露光終了後、演算装置14−1は、波面イメージセンサ13の受光信号を読み出し、読み出された受光信号を基に収差を測定する。また、補償光学系70により測定された収差を打ち消すように収差を補正する。収差補正終了後、第1眼底照明光源A21−1から第1波長のパルスを出力し、及び、眼底撮像素子32の露光を開始する。なお、これらのタイミングを同期させることができる。眼底撮像素子32の露光終了後、眼底撮像素子制御装置14−3は、眼底撮像素子32の受光信号を読み出し、メモリ800に保存する。
まず、演算部600は、波面イメージセンサ13の露光時間th、眼底撮像素子32の露光時間tg及び測定画像数Pを設定する(S101)。例えば、演算部600は、なお、波面イメージセンサ13の露光時間th、眼底撮像素子32の露光時間tg及び測定画像数Pは、適宜の入力装置等より入力してもよいし、予めメモリ800に記憶された値を読み出してもよい。
まず、演算部600は、第1波面測定光源A17−1又は第2波面測定光源B17−2のいずれかを選択する(S201)。例えば、操作者の操作により入力部から入力してもよいし、2光源パルス発振処理で最初に撮影するときに用いる光源を予め設定しておき、これを選択してもよい。演算部600は、制御部610により波面イメージセンサ13の露光を開始させる(S203)。パルス発生装置25は、例えば、設定された波面イメージセンサ13の露光時間thのパルスを作成し、ステップS201で選択した光源17−1又は17−2に対応するパルス光源駆動回路A26−1又はパルス光源駆動回路B26−2に、作成したパルスを出力する(S205)。選択された波面測定光源17−1又は17−2は、パルス光源駆動回路A26−1又はB26−2により制御されて、入力されたパルスに応じたパルス光を発する。
まず、演算部600は初期設定をする(S301)。例えば、演算部600は、パラメータiをi=1とする。ここでiは、例えば、測定画像数又は撮像回数を示す。次に、演算部600は、異なる2つの波長のいずれを用いて測定するかの判断をする(S303、S305)。ここでは、一例として、第1波長と第2波長を交互に選択するようにしているが、これに限られない。本実施の形態では、一例として、パラメータiを基に(i+2)/2 を計算し、計算結果の商をc、余りをdとする(S303)。演算部600は、ステップS303の計算結果の余りが1(d=1)の場合(S305:Yes)に、ステップS307Aへ移り、一方、d=1でない場合(S305:No)に、ステップS307Bへ移る。なお、異なる2つの波長のいずれを用いて測定するかの判断処理は、上述の処理以外にも適宜の手法を用いてもよい。
従って、眼球に入射する波長により反応する錐体が変わってくるので、例えば、赤と緑の区別がつかない被測定眼の原因が錐体の種類の分布にある場合に、波長の異なる光に対する画像を取得して表示し、正常人の対応する画像と比較されることで原因を特定することに応用できる。
例えば、波長700nmと波長800nmそれぞれの波長で画像を取得し、それぞれを画像A、画像Bとする。波長により酸化ヘモグロビン(a)と還元ヘモグロビン(b)の光の吸収に差があるので、画像Bの各画素値と画像Aの各画素値の差を求めることで酸化ヘモグロビンか還元ヘモグロビンかがわかる。例えば、図9が示すように、波長700nmと波長800nmでの吸光濃度の比較を行うことで、吸光濃度の値が増えたところは酸化ヘモグロビンが多く、一方、吸光濃度の値が減ったところは還元ヘモグロビンが多いという推測ができる。
(概略)
上述の実施の形態の変形として、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の3光源を用いて、眼底のカラー画像を取得することも可能である。カラー画像の作り方としては、例えば、LEDを使って青(例えば、波長が430nm)、緑(例えば、波長が565nm)、赤(例えば、波長が700nm)を光源に使い、それぞれの光で得られた画像を青情報、緑情報、赤情報として合成することで眼底のカラー画像を作成できる。
図10は、眼底照明光源を3個(3波長)用いたパターンの光学配置の一部を示す図である。
図では、第1照明光学系2について示しているが、第2照明光学系11についても同様に3つの光源を用いるように変形する。なお、他の構成については図1と同様であるので省略する。
2 眼底照明系(第1照明光学系)
3 眼底観察系
4 前眼部観察系
5 固視系
11 第2照明光学系
12 第2受光光学系
13 第2受光部(波面イメージセンサ)
14−1 収差量測定補正量計算用演算装置(演算装置)
14−2 瞳移動量演算部
14−3 眼底撮像素子制御装置(眼底像形成部)
15 波面補正素子制御装置
16 ロータリープリズム
17−1〜5 波面測定光源
21−1〜5 眼底照明光源
22 視野絞り
23 開口絞り
24 回転拡散板
25 パルス発生装置
26−1 パルス光源駆動回路A
26−2 パルス光源駆動回路B
26−3 パルス光源駆動回路C
26−4 パルス光源駆動回路D
31 第1受光光学系
32 第1受光部(眼底撮像素子)
33 角膜反射除去ミラー
41 前眼部イメージセンサ
45 前眼部照明用光源
51 第3光源部(ランプ)
52 固視標
60 被測定眼
61 網膜(眼底)
62 角膜(前眼部)
70 補償光学部
71 可変形鏡(波面補正素子)
72 移動プリズム
82 ダイクロイックミラーA
83 ダイクロイックミラーB
600 演算部
610 制御部
700 表示部
800 メモリ
910 第1駆動部
911 第2駆動部
912 第3駆動部
Claims (10)
- 被測定眼の眼底上の所望の観察範囲を照明するための、第1波長の光束を発する第1光源と、第2波長の光束を発する第2光源とを有する第1光源部と、
上記第1波長の光束を眼底上に略点像として投影するための第3光源と、上記第2波長の光束を眼底上に略点像として投影するための第4光源とを有する第2光源部と、
上記第1光源部からの第1光束で眼底上の観察範囲を照明するための第1照明光学系と、
上記第2光源部からの第2光束を眼底上に略点像として照明するための第2照明光学系と、
測定された第1波長又は第2波長における収差に基づき、第1光束が眼底で反射された第1反射光束と、第2光束が眼底で反射された第2反射光束とに対して、少なくとも高次収差を含む収差をうちけすような補正を行う収差補正部と、
上記収差補正部で収差が補正された第2反射光束を、少なくとも17本のビームに分割する分割手段を介して受光する第2受光部を有し、該第2受光部の受光信号に基づき第2反射光束の第1波長又は第2波長における収差を測定する収差測定部と、
上記収差補正部で収差が補正された眼底からの第1反射光束を受光する第1受光部と、
上記収差補正部を介した眼底からの第1反射光束により上記第1受光部上に眼底像を形成するための受光光学系と
を備え、
上記第3光源から光束を発して上記収差補正部により第1の波長おける収差が補正された後に、上記第1光源からの光束により上記収差補正部を介して上記第1受光部に形成された第1の眼底像を取得し、
上記第4光源から光束を発して上記収差補正部により第2波長における収差が補正された後に、上記第2光源からの光束により上記収差補正部を介して上記第1受光部に形成された第2の眼底像を取得する眼科撮影装置。 - 上記第2照明光学系が眼底上に点像を形成する位置は、上記第1照明光学系の観察範囲以外に形成されることを特徴とする請求項1に記載の眼科撮影装置。
- 上記第2光源部及び上記第2照明光学系が眼底上に点像を形成するタイミングは、上記第1光源部及び上記第1照明光学系が観察領域を照明するタイミングと異なるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の眼科撮影装置。
- 上記第1受光部に形成された眼底像データを読み出し、記憶部に記憶又は表示部に表示する演算部
をさらに備え、
上記演算部が、上記第1光源からの光束により上記第1受光部に形成された第1の眼底像を読み出し及び記憶若しくは表示する間に、上記第4光源から第2波長の光束を発して第2波長における収差を補正する請求項1に記載の眼科撮影装置。 - 上記第4光源からの第2波長の光束により、上記収差補正部で第2波長における収差が補正され、かつ、上記演算部による上記第1受光部からの第1の眼底像の読み出しが終了すると、上記第2光源から第2波長の光束を発して上記第1受光部により第2の眼底像を得る請求項4に記載の眼科撮影装置。
- 取得された第1の眼底像と第2の眼底像との差分画像を求める演算部と
取得された第1の眼底像、第2の眼底像及び求められた差分画像のいずれか又は複数を表示する表示部と
をさらに備えた請求項1に記載の眼科撮影装置。 - 上記第1光源及び第2光源は、上記第1受光部の露光時間に応じたパルス光を発する請求項1に記載の眼科撮影装置。
- 上記第3光源及び第4光源は、上記第2受光部の露光時間に応じたパルス光を発する請求項1に記載の眼科撮影装置。
- 上記第1乃至第4光源の発光のタイミング、及び、上記第1及び第2の受光部の露光のタイミングを制御する演算部
をさらに備えた請求項1に記載の眼科撮影装置。 - 上記第1光源部は、被測定眼の眼底上の所望の観察範囲を照明するための、第3波長の光束を発する第5光源をさらに有し、
上記第2光源部は、上記第3波長の光束を眼底上に略点像として投影するための第6光源をさらに有し、
上記第1乃至第3波長は、三原色に応じた波長であり、さらに、
上記第6光源から光束を発して上記収差補正部により第3の波長おける収差が補正された後に、上記第5光源からの光束により上記収差補正部を介して上記第1受光部に形成された第3の眼底像を取得し、
取得された第1乃至第3の眼底像に基づき、カラーの眼底像を求める請求項1に記載の眼科撮影装置。
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