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JP2007231875A - 車両の制御装置 - Google Patents

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JP2007231875A JP2006056436A JP2006056436A JP2007231875A JP 2007231875 A JP2007231875 A JP 2007231875A JP 2006056436 A JP2006056436 A JP 2006056436A JP 2006056436 A JP2006056436 A JP 2006056436A JP 2007231875 A JP2007231875 A JP 2007231875A
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Abstract

【課題】車両の振動を低減しながら運転者の要求に応じた加減速性能を実現する。
【解決手段】無段変速機のプライマリ回転速度センサの出力信号を微分して求めたエンジン回転加速度の検出値と実際のエンジン回転加速度の推定値との偏差を求めることでパワートレインブロックの回転揺動による振動成分を抽出し、適応型デジタルフィルタ51で、この振動成分の信号を反転させ、その反転させた信号(振動成分と逆位相の信号)を用いて振動成分を打ち消すためのトルク補正量を算出する。これにより、パワートレインブロックの回転揺動による振動成分に応じて目標トルクを補正して車両の振動を低減する。更に、セカンダリ回転速度センサの出力信号を微分して求めた車両加速度の検出値と実際の車両加速度の推定値との偏差を求めることでパワートレインブロックの回転揺動による振動成分を抽出し、この振動成分を小さくするようにフィルタ係数を調整する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の振動低減方法を改善した車両の制御装置に関するものである。
車両の振動を低減する技術としては、例えば、特許文献1(特開昭60−164629号公報)に記載されているように、アクセル操作量を検出するアクセルセンサの出力信号(アクセル信号)に応じてスロットル開度を制御して車両の駆動力を制御するシステムにおいて、アクセル信号のうち所定の周波数成分(車両の振動の原因となる固有振動数付近の周波数成分)を減衰させるフィルタ処理を行うことで、車両の振動を低減するようにしたものがある。
特開昭60−164629号公報(第1頁〜第2頁等)
一般に、エンジンや変速機等からなるパワートレインブロックは、エンジンマウントやブッシュ等の弾性部材を介して車両に支持されているため、アクセルオンした加速時やアクセルオフした減速時には、その反動でパワートレインブロックが回転揺動し、このパワートレインブロックの回転揺動が車両の振動の要因となる。そして、経時変化や温度変化等によってエンジンマウントやブッシュ等の弾性特性が変化すると、パワートレインブロックの揺動特性が変化して車両の振動特性が変化する。
しかし、上記特許文献1(特開昭60−164629号公報)の技術では、経時変化等によって車両の振動特性が変化することが全く考慮されておらず、アクセル信号に対して予め設定した所定の周波数成分を減衰させるだけであるため、車両の振動を効果的に減衰させることができないという欠点がある。
この対策として、経時変化等による車両の振動特性の変化を見込んで、予めフィルタ処理で減衰させるアクセル信号の周波数帯域を広く設定しておくことが考えられるが、フィルタ処理で減衰させるアクセル信号の周波数帯域を広くすると、その分、アクセル信号が大きくなまされてしまうため、運転者のアクセル操作に対するトルクの応答性が低下して運転者の要求に応答良く応じた加速性能や減速性能を実現できなくなるという問題が発生する。
本発明は、これらの事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、経時変化等による車両の振動特性の変化の影響を受けずに車両の振動を低減することができるようにしながら、運転者の要求に応答良く応じた加減速性能を実現することができる車両の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、エンジン回転加速度検出手段によって変速機の入力軸側の回転速度を検出する入力軸側回転速度センサの出力信号を微分してエンジン回転加速度を検出すると共に、実エンジン回転加速度推定手段によって入力軸側回転速度センサの出力信号又はその他の信号に基づいて実際のエンジン回転加速度を推定し、制御パラメータ補正手段によってエンジン回転加速度検出手段で検出したエンジン回転加速度と実エンジン回転加速度推定手段で推定した実際のエンジン回転加速度とに基づいて車両の駆動力に関する制御パラメータを補正するようにしたものである。
或は、請求項2のように、車両加速度検出手段によって変速機の出力軸側の回転速度を検出する出力軸側回転速度センサの出力信号を微分して車両加速度を検出すると共に、実車両加速度推定手段によって出力軸側回転速度センサの出力信号又はその他の信号に基づいて実際の車両加速度を推定し、車両加速度検出手段で検出した車両加速度と実車両加速度推定手段で推定した実際の車両加速度とに基づいて車両の駆動力に関する制御パラメータを補正するようにしても良い。
また、請求項3のように、エンジン回転加速度検出手段で検出したエンジン回転加速度と実エンジン回転加速度推定手段で推定した実際のエンジン回転加速度との比較結果及び/又は車両加速度検出手段で検出した車両加速度と実車両加速度推定手段で推定した実際の車両加速度との比較結果に基づいて車両の駆動力に関する制御パラメータを補正するようにしても良い。
エンジンや変速機等からなるパワートレインブロックに取り付けられた入力軸側回転速度センサや出力軸側回転速度センサの出力信号には、パワートレインブロックの回転揺動による速度成分が重畳しているため、入力軸側回転速度センサの出力信号を微分して求めたエンジン回転加速度の検出値は、実際のエンジン回転加速度にパワートレインブロックの回転揺動による加速度成分(振動成分)が重畳した値となり、出力軸側回転速度センサの出力信号を微分して求めた車両加速度の検出値は、実際の車両加速度にパワートレインブロックの回転揺動による加速度成分(振動成分)が重畳した値となる。このため、エンジン回転加速度の検出値と実際のエンジン回転加速度の推定値とを比較したり、或は、車両加速度の検出値と実際の車両加速度の推定値とを比較すれば、パワートレインブロックの回転揺動による車両の振動成分を評価することができる。
従って、本発明のように、入力軸側回転速度センサの出力信号を微分して求めたエンジン回転加速度の検出値と実際のエンジン回転加速度の推定値との比較結果や、出力軸側回転速度センサの出力信号を微分して求めた車両加速度の検出値と実際の車両加速度の推定値との比較結果に基づいて車両の駆動力に関する制御パラメータを補正すれば、パワートレインブロックの回転揺動による車両の振動成分に応じて制御パラメータを補正して車両の振動(加減速ショック)を低減することができる。これにより、経時変化や温度変化等によってパワートレインブロックの揺動特性が変化して車両の振動特性が変化しても、その影響を受けずに車両の振動を効果的に低減することができる。しかも、アクセル信号に対して所定の周波数帯域を減衰させる従来のフィルタ処理を省略することができるため、運転者のアクセル操作に対するトルクの応答性を向上させて、運転者の要求に応答良く応じた加速性能や減速性能を実現することができる。また、従来技術では、予め設計段階で車両の種類毎に、それぞれ振動特性(振動の原因となる固有振動数)を調査して、その振動特性に応じたフィルタを設定するといった適合作業が必要であったが、そのような適合作業も省略することができるという利点もある。
ここで、入力軸側回転速度センサとしては、例えばエンジン回転速度を検出するエンジン回転速度センサ(クランク角センサ)を用いたり、出力軸側回転速度センサとしては、例えば車速を検出する車速センサを用いるようにしても良い。また、請求項4のように、変速比を連続的に調整する無段変速機を備えた車両に本発明を適用する場合には、入力軸側回転速度センサとして、無段変速機の入力軸の回転速度を検出するプライマリ回転速度センサを用い、出力軸側回転速度センサとして、無段変速機の出力軸の回転速度を検出するセカンダリ回転速度センサを用いるようにしても良い。このようにすれば、無段変速機のプライマリ回転速度センサやセカンダリ回転速度センサの出力信号を利用して車両の振動を低減することができる。
この場合、実際のエンジン回転加速度を推定する方法としては、請求項5のように、無段変速機の入力軸の目標回転速度に基づいて実際のエンジン回転加速度を推定するようにしても良い。一般に、無段変速機を搭載した車両では、運転状態に応じて無段変速機の入力軸の目標回転速度を設定し、無段変速機の入力軸の回転速度を目標回転速度に一致させるように無段変速機の変速比を制御するため、無段変速機の入力軸の目標回転速度に応じて無段変速機の入力軸の回転速度が変化してエンジン回転速度が変化する。従って、無段変速機の入力軸の目標回転速度を用いれば、実際のエンジン回転加速度を精度良く推定することができる。
一方、実際の車両加速度を推定する方法としては、請求項6のように、出力軸側回転速度センサの出力信号の微分値をなまし処理して実際の車両加速度を推定するようにしても良い。出力軸側回転速度センサの出力信号の微分値は、実際の車両加速度にパワートレインブロックの回転揺動による振動成分が重畳した値となるため、出力軸側回転速度センサの出力信号の微分値をなまし処理すれば、出力軸側回転速度センサの出力信号の微分値に含まれるパワートレインブロックの回転揺動による振動成分を除去して実際の車両加速度を精度良く求めることができる。
また、制御パラメータを補正する方法としては、請求項7のように、エンジン回転加速度検出手段で検出したエンジン回転加速度と実エンジン回転加速度推定手段で推定した実際のエンジン回転加速度との偏差及び/又は車両加速度検出手段で検出した車両加速度と実車両加速度推定手段で推定した実際の車両加速度との偏差を車両の振動成分として抽出し、該振動成分に基づいて制御パラメータを補正するようにしても良い。
前述したように、入力軸側回転速度センサの出力信号を微分して求めたエンジン回転加速度の検出値は、実際のエンジン回転加速度にパワートレインブロックの回転揺動による振動成分が重畳した値となり、出力軸側回転速度センサの出力信号を微分して求めた車両加速度の検出値は、実際の車両加速度にパワートレインブロックの回転揺動による振動成分が重畳した値となるため、エンジン回転加速度の検出値と実際のエンジン回転加速度の推定値との偏差や車両加速度の検出値と実際の車両加速度の推定値の偏差を求めることで、パワートレインブロックの回転揺動による車両の振動成分を抽出することができ、この振動成分に基づいて車両の駆動力に関する制御パラメータを補正することで、パワートレインブロックの回転揺動による車両の振動を確実に低減することができる。
この場合、請求項8のように、抽出した振動成分の信号を反転させるフィルタ処理を実施し、該振動成分の信号を反転させた信号を用いて振動成分を打ち消すように制御パラメータの補正量を算出するようにしても良い。このように、振動成分の信号を反転させた信号(つまり振動成分と逆位相の信号)を用いることで、振動成分を打ち消すようなトルク成分を発生させるトルク補正量を精度良く算出することができ、このトルク補正量で制御パラメータを補正することで、パワートレインブロックの回転揺動による振動成分を打ち消すようにトルク補正して車両の振動を効果的に低減することができる。
更に、請求項9のように、振動成分が小さくなるようにフィルタ処理の係数を調整するようにしても良い。このようにすれば、経時変化等によって振動低減制御の制御対象(例えば電子スロットル装置、点火装置等)の特性が変化して振動低減制御精度が低下しても、振動成分が小さくなるようにフィルタ処理の係数を自動的に調整して、振動低減制御精度の低下を自動的に防止することができる。
また、制御パラメータを補正する別の方法として、請求項10のように、振動成分が所定値を越えてから所定ディレイ期間が経過する毎に振動成分を打ち消すように制御パラメータの補正量を算出すると共に該制御パラメータの補正量を段階的に減衰させるようにしても良い。このようにすれば、例えば加速時に、振動成分に同期させて制御パラメータの補正量を段階的に減衰させてトルクを段階的に増加させることができ、車両の振動を抑制しながら加速時のもたつきを防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を2つの実施例1,2を用いて説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図7に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてシステム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管12には、モータ13によって開度調節されるスロットルバルブ14とスロットル開度(スロットルバルブ14の開度)を検出するスロットル開度センサ15とを備えた電子スロットル装置16が設けられている。
更に、スロットルバルブ14の下流側には、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ17と吸気温を検出する吸気温センサ18とが設けられ、各気筒の吸気マニホールド19の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁20が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ21が取り付けられ、各点火プラグ21の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
また、エンジン11のクランク軸22には、前後進切換機構23と、ロックアップクラッチ24を有するトルクコンバータ25とを介してベルト式の無段変速機26の入力軸27が連結され、この無段変速機26の出力軸28に、図示しない差動歯車装置や駆動軸等を介して車輪47(図2参照)が連結されている。
無段変速機26の変速機構は、入力軸27と一体的に回動可能に設けられたプライマリプーリ29と、出力軸28と一体的に回動可能に設けられたセカンダリプーリ30との間にベルト31を掛け渡して構成されている。各プーリ29,30は、それぞれ可動フランジ部29a,30aが油圧によって軸方向に移動されることで、ベルト31を挟み込むV溝の幅が変化するようになっている。
プライマリプーリ29の可動フランジ部29aを溝幅が狭くなる方向に移動させると、プライマリプーリ29のベルト31の巻き掛け半径が大きくなるが、ベルト31の長さが一定であるため、セカンダリプーリ30の可動フランジ部30aは、溝幅が広くなる方向に移動してセカンダリプーリ30のベルト31の巻き掛け半径が小さくなる。
一方、プライマリプーリ29の可動フランジ部29aを溝幅が広くなる方向に移動させると、プライマリプーリ29のベルト31の巻き掛け半径が小さくなるが、セカンダリプーリ30の可動フランジ部30aは、溝幅が狭くなる方向に移動してセカンダリプーリ30のベルト31の巻き掛け半径が大きくなる。このように、油圧でプライマリプーリ29の溝幅(可動フランジ部29aの軸方向位置)を制御して各プーリ29,30のベルト31の巻き掛け半径を連続的に変化させることで、変速比を連続的に変化させるようになっている。
無段変速機26の入力軸27側には、入力軸27の回転速度(プライマリ回転速度)を検出するプライマリ回転速度センサ37(入力軸側回転速度センサ)が設けられ、無段変速機26の出力軸28側には、出力軸28の回転速度(セカンダリ回転速度)を検出するセカンダリ回転速度センサ38(出力軸側回転速度センサ)が設けられている。これら回転速度センサ37,38の出力信号に基づいて無段変速機26の変速比が検出される。更に、セカンダリ回転速度センサ38の出力信号に基づいて車両の速度(車速)や加速度が検出される。
また、エンジン11には、クランク軸22が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ39が取り付けられ、このクランク角センサ39の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
また、アクセルペダル40の近傍には、アクセル開度(アクセル操作量)を検出するアクセルセンサ41が設けられ、ブレーキペダル42の近傍には、ブレーキ操作を検出するブレーキスイッチ43が設けられている。更に、シフトレバー44の近傍には、シフトレバー44の操作位置を検出するシフトセンサ45が設けられている。
これら各種センサの出力は、制御回路(以下「ECU」と表記する)46に入力される。このECU46は、エンジン11や無段変速機26等を総合的に制御する1個又は複数個のマイクロコンピュータにより構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種の制御プログラムを実行することで、エンジン11や無段変速機26等を制御する。
その際、ECU46は、車速やアクセル開度等に応じたドライバビリティや燃費を実現するように無段変速機26の入力軸27の目標回転速度(以下「目標プライマリ回転速度」という)を算出して、この目標プライマリ回転速度に応じて目標変速比を算出し、回転速度センサ37,38の出力信号に基づいて検出した実変速比が目標変速比に一致するように無段変速機26の変速比を制御することで、無段変速機26の入力軸27の回転速度を目標プライマリ回転速度に一致させるように制御する。
ところで、図2に示すように、一般に、エンジン11や無段変速機26等からなるパワートレインブロック48は、エンジンマウント49やブッシュ(図示せず)等の弾性部材を介して車両に支持されているため、アクセルオンした加速時やアクセルオフした減速時には、その反動でパワートレインブロック48が回転揺動し、このパワートレインブロック48の回転揺動が車両の振動(加減速ショック)の要因となる。
そこで、ECU46は、図3に示すように、目標トルク算出部50でアクセル開度等に基づいてエンジン11の目標トルク(制御パラメータ)を算出し、エンジン11の発生トルクを目標トルクに一致させるように電子スロットル装置16、燃料噴射弁20、点火プラグ21、無段変速機26等を制御する際に、適応型デジタルフィルタ51(制御パラメータ補正手段)を用いて、パワートレインブロック48の回転揺動による車両の振動を低減するように目標トルクを補正する振動低減制御を次のようにして実行する。
ECU46は、まず、エンジン回転加速度検出部52(エンジン回転加速度検出手段)で、プライマリ回転速度センサ37の出力信号を微分して無段変速機26の入力軸27の回転加速度を求め、この入力軸27の回転加速度をロックアップクラッチ24のスリップ量等を用いてエンジン回転加速度に換算して、エンジン回転加速度の検出値[図4(a)参照]を求める。パワートレインブロック48に取り付けられたプライマリ回転速度センサ37の出力信号には、パワートレインブロック48の回転揺動による速度成分が重畳しているため、プライマリ回転速度センサ37の出力信号を微分して求めたエンジン回転加速度の検出値は、実際のエンジン回転加速度にパワートレインブロック48の回転揺動による加速度成分(振動成分)が重畳した値となる。
更に、実エンジン回転加速度推定部53(実エンジン回転加速度推定手段)では、無段変速機26の目標プライマリ回転速度に基づいて実際のエンジン回転加速度を推定する。ECU46は、無段変速機26の入力軸27の回転速度を目標プライマリ回転速度に一致させるように制御するが、無段変速機26の入力軸27の回転速度は、目標プライマリ回転速度の変化に対して無段変速機26の応答遅れ分だけ遅れて変化する。この点を考慮に入れて、実際のエンジン回転加速度を推定する際には、まず、目標プライマリ回転速度に無段変速機26の応答遅れを加味して無段変速機26の入力軸27の実際の回転速度を求めた後、この入力軸27の実際の回転速度を微分して入力軸27の実際の回転加速度を求め、この入力軸27の実際の回転加速度をロックアップクラッチ24のスリップ量等を用いて実際のエンジン回転加速度に換算して、実際のエンジン回転加速度の推定値[図4(a)参照]を求める。
このようにしてエンジン回転加速度の検出値と実際のエンジン回転加速度の推定値を求めた後、偏差器54で、エンジン回転加速度の検出値と実際のエンジン回転加速度の推定値との偏差を求めることでパワートレインブロック48の回転揺動によるエンジン回転加速度の振動成分[図4(b)参照]を抽出する。
この後、偏差器54で抽出したエンジン回転加速度の振動成分(エンジン回転加速度の検出値と実際のエンジン回転加速度の推定値との偏差)を適応型デジタルフィルタ51のフィルタ部55に入力する。このフィルタ部55は、例えば次式に示すFIRフィルタ(有限インパルス応答フィルタ)を基本とするデジタルフィルタで構成されている。
Figure 2007231875
ここで、u[n]は入力データ、y[n]は出力データ、h[k]はフィルタ係数であり、フィルタ部55は入力された振動成分の信号を反転させるフィルタ処理(位相反転処理)を実施するように設計されている。
このフィルタ部55で、エンジン回転加速度の振動成分の信号を反転させるフィルタ処理を実施した後、この振動成分の信号を反転させた信号(つまり振動成分と逆位相の信号)を補正量算出部56に入力して、振動成分と逆位相の信号に基づいて振動成分を打ち消すようなトルク成分を発生させるトルク補正量を算出する。
この後、加算器57で、目標トルクにトルク補正量を加算することで目標トルクを補正する。この補正後の目標トルクを実現するようにスロットル開度、燃料噴射量、点火時期、変速比等のうちの少なくとも1つを制御することで、パワートレインブロック48の回転揺動による振動成分を打ち消すようにトルク補正して車両の振動を低減する。
また、ECU46は、車両加速度検出部58(車両加速度検出手段)で、セカンダリ回転速度センサ38の出力信号を微分して無段変速機26の出力軸28の回転加速度を求め、この出力軸28の回転加速度をディファレンシャルギヤ(図示せず)の減速比や車輪半径等を用いて車両加速度に換算して、車両加速度の検出値(図5参照)を求める。パワートレインブロック48に取り付けられたセカンダリ回転速度センサ38の出力信号には、パワートレインブロック48の回転揺動による速度成分が重畳しているため、セカンダリ回転速度センサ38の出力信号を微分して求めた車両加速度の検出値は、実際の車両加速度にパワートレインブロック48の回転揺動による加速度成分(振動成分)が重畳した値となる。
更に、実車両加速度推定部59(実車両加速度推定手段)では、セカンダリ回転速度センサ38の出力信号を微分して求めた車両加速度の検出値をなまし処理(例えば一次遅れ処理)することで、車両加速度の検出値(セカンダリ回転速度センサ38の出力信号の微分値)に含まれるパワートレインブロック48の回転揺動による振動成分を除去して、実際の車両加速度の推定値(図5参照)を求める。
このようにして車両加速度の検出値と実際の車両加速度の推定値を求めた後、偏差器60で、車両加速度の検出値と実際の車両加速度の推定値との偏差を求めることでパワートレインブロック48の回転揺動による車両加速度の振動成分を抽出する。
この後、偏差器60で抽出した車両加速度の振動成分を適応型デジタルフィルタ51の係数調整部61に入力して、例えば最小二乗法等により振動成分(車両加速度の検出値と実際の車両加速度の推定値との偏差)を十分に小さく又は0にするようにフィルタ部55のフィルタ係数h[k]を適応的に調整する。この係数調整部61によるフィルタ係数の調整は、実際に振動が発生している期間のみに限定する方がより効果的であるため、これ以外の期間はフィルタ係数の調整を停止するか又は車両加速度の振動成分を「0」に設定するようにしても良い。
以上説明した振動低減制御は、ECU46によって図6及び図7に示す振動低減制御用の各プログラムに従って実行される。以下、図6及び図7の各プログラムの処理内容を説明する。
図6に示す振動低減制御プログラムは、ECU46の電源オン中に所定周期で実行される。本プログラムが起動されると、まずステップ101で、プライマリ回転速度センサ37の出力信号を読み込んだ後、ステップ102に進み、プライマリ回転速度センサ37の出力信号を微分して無段変速機26の入力軸27の回転加速度を求め、この入力軸27の回転加速度をエンジン回転加速度に換算して、エンジン回転加速度の検出値を求める。
この後、ステップ103に進み、無段変速機26の目標プライマリ回転速度を読み込んだ後、ステップ104に進み、目標プライマリ回転速度に無段変速機26の応答遅れを加味して無段変速機26の入力軸27の実際の回転速度を求めた後、この入力軸27の実際の回転速度を微分して入力軸27の実際の回転加速度を求め、この入力軸27の実際の回転加速度を実際のエンジン回転加速度に換算して、実際のエンジン回転加速度の推定値を求める。
このようにしてエンジン回転加速度の検出値と実際のエンジン回転加速度の推定値を求めた後、ステップ105に進み、エンジン回転加速度の検出値と実際のエンジン回転加速度の推定値との偏差を求めることでパワートレインブロック48の回転揺動によるエンジン回転加速度の振動成分を抽出する。
この後、ステップ106に進み、エンジン回転加速度の振動成分の信号を反転させるフィルタ処理を施した後、ステップ107に進み、振動成分の信号を反転させた信号(つまり振動成分と逆位相の信号)を用いて、振動成分を打ち消すようなトルク成分を発生させるトルク補正量を算出する。
この後、ステップ108に進み、目標トルクにトルク補正量を加算して目標トルクを補正する。この補正後の目標トルクを実現するようにスロットル開度、燃料噴射量、点火時期、変速比等のうちの少なくとも1つを制御することで、パワートレインブロック48の回転揺動による振動成分を打ち消すようにトルク補正して車両の振動を低減する。
図7に示すフィルタ係数調整プログラムは、ECU46の電源オン中に所定周期で実行される。本プログラムが起動されると、まず、ステップ201で、セカンダリ回転速度センサ38の出力信号を読み込んだ後、ステップ202に進み、セカンダリ回転速度センサ38の出力信号を微分して無段変速機26の出力軸28の回転加速度を求め、この出力軸28の回転加速度を車両加速度に換算して、車両加速度の検出値を求める。
この後、ステップ203に進み、セカンダリ回転速度センサ38の出力信号を微分して求めた車両加速度の検出値をなまし処理(例えば一次遅れ処理)することで、車両加速度の検出値(セカンダリ回転速度センサ38の出力信号の微分値)に含まれるパワートレインブロック48の回転揺動による振動成分を除去して、実際の車両加速度の推定値を求める。
このようにして車両加速度の検出値と実際の車両加速度の推定値を求めた後、ステップ204に進み、車両加速度の検出値と実際の車両加速度の推定値との偏差を求めることで、パワートレインブロック48の回転揺動による車両加速度の振動成分を抽出した後、ステップ205に進み、例えば最小二乗法等により振動成分(車両加速度の検出値と実際の車両加速度の推定値との偏差)を十分に小さくする又は0にするようにフィルタ部55のフィルタ係数を調整する。
以上説明した本実施例1では、プライマリ回転速度センサ37の出力信号を微分して求めたエンジン回転加速度の検出値には、パワートレインブロック48の回転揺動による振動成分が重畳していることに着目して、プライマリ回転速度センサ37の出力信号を微分して求めたエンジン回転加速度の検出値と実際のエンジン回転加速度の推定値との偏差を求めることで、パワートレインブロック48の回転揺動によるエンジン回転加速度の振動成分を抽出し、この振動成分に基づいて目標トルクを補正するようにしたので、パワートレインブロック48の回転揺動による車両の振動成分に応じて目標トルクを補正して車両の振動(加減速ショック)を低減することができる。これにより、経時変化や温度変化等によってパワートレインブロックの揺動特性が変化して車両の振動特性が変化しても、その影響を受けずに車両の振動を効果的に低減することができる。しかも、アクセル信号に対して所定の周波数帯域を減衰させる従来のフィルタ処理を省略することができるため、運転者のアクセル操作に対するトルクの応答性を向上させて、運転者の要求に応答良く応じた加速性能や減速性能を実現することができる。また、従来技術では、予め設計段階で車両の種類毎に、それぞれ振動特性(振動の原因となる固有振動数)を調査して、その振動特性に応じたフィルタを設定するといった適合作業が必要であったが、そのような適合作業も省略することができる利点もある。
また、本実施例1では、振動低減制御の際に、抽出した振動成分の信号を反転させるフィルタ処理を施し、この振動成分の信号を反転させた信号(つまり振動成分と逆位相の信号)を用いて、振動成分を打ち消すようなトルク成分を発生させるトルク補正量を算出するようにしたので、振動成分を打ち消すためのトルク補正量を精度良く算出することができ、振動低減制御精度を向上させることができる。
更に、本実施例1では、セカンダリ回転速度センサ38の出力信号を微分して求めた車両加速度の検出値にも、パワートレインブロック48の回転揺動による振動成分が重畳していることに着目して、セカンダリ回転速度センサ38の出力信号を微分して求めた車両加速度の検出値と実際の車両加速度の推定値との偏差を求めることでパワートレインブロック48の回転揺動による車両加速度の振動成分を抽出し、この振動成分(車両加速度の検出値と実際の車両加速度の推定値との偏差)を十分に小さくするようにフィルタ係数を適応的に調整するようにしたので、経時変化等によって振動低減制御の制御対象(例えば電子スロットル装置16、点火装置、無段変速機26等)の特性が変化して振動低減制御精度が低下しても、振動成分が小さくなるようにフィルタ係数を自動的に調整して、振動低減制御精度の低下を自動的に防止することができる。
しかしながら、本発明は、必ずしもフィルタ係数の調整を実行する構成に限定されず、フィルタ係数の調整を実行しない構成としても良い。
また、上記実施例1では、デジタルフィルタを用いてフィルタ処理を実施するようにしたが、アナログフィルタ(ハード回路で構成したフィルタ)でフィルタ処理を実施するようにしても良い。
次に、図8及び図9を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
本実施例2では、図8に示すように、偏差器54で、エンジン回転加速度の検出値と実際のエンジン回転加速度の推定値との偏差を求めることでパワートレインブロック48の回転揺動によるエンジン回転加速度の振動成分を抽出した後、抽出したエンジン回転加速度の振動成分をトルク補正量算出部62(制御パラメータ補正手段)に入力する。
このトルク補正量算出部62では、図9に示すように、エンジン回転加速度の振動成分(エンジン回転加速度の検出値と実際のエンジン回転加速度の推定値との偏差)が所定閾値以上になってから所定ディレイ期間が経過する毎に、振動成分を打ち消す方向のトルク成分を発生させるトルク補正量を算出すると共に、そのトルク補正量を段階的に減衰させるようにしている。
ここで、所定閾値は、振動成分の振幅中心値(例えば0)に設定され、所定ディレイ期間は、振動成分が所定閾値以上になってからピーク値になるまでに要する期間(又はそれよりも少し長い期間)に設定されている。また、段階的に減衰させる各トルク補正量は、予め設計データや実験データ等に基づいて設定しておく。
この後、図8に示すように、加算器57で、目標トルクにトルク補正量を加算することで、エンジン回転加速度の振動成分に同期させて目標トルクを段階的に変化させるように補正する。
以上説明した本実施例2では、エンジン回転加速度の振動成分(エンジン回転加速度の検出値と実際のエンジン回転加速度の推定値との偏差)が所定閾値以上になってから所定ディレイ期間が経過する毎に、振動成分を打ち消すためのトルク補正量を段階的に減衰させるようにしたので、例えば加速時に、振動成分に同期させてトルク補正量を段階的に減衰させてトルクを段階的に増加させることができ、車両の振動を抑制しながら加速時のもたつきを防止することができる。
尚、上記実施例2では、エンジン回転加速度の振動成分が所定閾値以上になってから所定ディレイ期間が経過する毎にトルク補正量を減衰させるようにしたが、エンジン回転加速度の振動成分が所定閾値以下になってから所定ディレイ期間が経過する毎にトルク補正量を減衰させるようにしても良い。
また、上記各実施例では、エンジン回転加速度の検出値と実際のエンジン回転加速度の推定値との偏差(エンジン回転加速度の振動成分)に基づいてトルク補正量を算出するようにしたが、車両加速度の検出値と実際の車両加速度の推定値との偏差(車両加速度の振動成分)に基づいてトルク補正量を算出するようにしても良い。或は、エンジン回転加速度の振動成分と車両加速度の振動成分の両方に基づいてトルク補正量を算出するようにしても良い。
また、プライマリ回転速度センサ37の出力信号を微分してエンジン回転加速度の検出値を求めるようにしたが、エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度センサ(例えばクランク角センサ39)を備えたシステムでは、エンジン回転速度センサの出力信号を微分してエンジン回転加速度の検出値を求めるようにしても良い。
また、セカンダリ回転速度センサ38の出力信号を微分して車両加速度の検出値を求めるようにしたが、車速を検出する車速センサを備えているシステムでは、車速センサの出力信号を微分して車両加速度の検出値を求めるようにしても良い。
また、無段変速機26の目標プライマリ回転速度に基づいて実際のエンジン回転加速度の推定値を求めるようにしたが、プライマリ回転速度センサ37やエンジン回転速度センサ(例えばクランク角センサ39)の出力信号を微分して求めたエンジン回転加速度の検出値をなまし処理(例えば一次遅れ処理)することで、エンジン回転加速度の検出値に含まれる振動成分を除去して、実際のエンジン回転加速度の推定値を求めるようにしても良い。
また、セカンダリ回転速度センサ38の出力信号を微分して求めた車両加速度の検出値をなまし処理(例えば一次遅れ処理)して実際の車両加速度の推定値を求めるようにしたが、車速センサの出力信号を微分して求めた車両加速度の検出値をなまし処理(例えば一次遅れ処理)することで、車両加速度の検出値に含まれる振動成分を除去して、実際の車両加速度の推定値を求めるようにしても良い。或は、車両重量、車速、変速比、トルク等に基づいて実際の車両加速度の推定値を算出するようにしたり、車両に搭載された加速度センサで実際の車両加速度を検出するようにしても良い。
また、上記各実施例では、振動低減制御の際に、目標トルクを補正することでスロットル開度、燃料噴射量、点火時期、変速比等を補正するようにしたが、スロットル開度、燃料噴射量、点火時期、変速比、燃料噴射量等のうちの少なくとも1つを直接補正するようにしても良い。
また、上記各実施例では、本発明をベルト式の無段変速機26を備えた車両に適用したが、これに限定されず、本発明は、例えば、トロイダル式の無段変速機を備えた車両に適用しても良い等、種々の形式の無段変速機を備えた車両に広く適用して実施できる。更に、本発明の適用範囲は、無段変速機を備えた車両に限定されず、複数段に変速する自動変速機を備えた車両に本発明を適用して実施しても良い。
本発明の実施例1におけるシステム全体の概略構成図である。 パワートレインブロックの回転揺動を説明するための図である。 実施例1の振動低減制御を説明するためのブロック図である。 (a)はエンジン回転加速度の検出値の挙動と実際のエンジン回転加速度の推定値の挙動を示すタイムチャートであり、(b)はエンジン回転加速度の検出値と実際のエンジン回転加速度の推定値との偏差の挙動を示すタイムチャートである。 車両加速度の検出値の挙動と実際の車両加速度の推定値の挙動を示すタイムチャートである。 実施例1の振動低減制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のフィルタ係数調整プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の振動低減制御を説明するためのブロック図である。 実施例2のトルク補正量の算出方法を説明するためのタイムチャートである。
符号の説明
11…エンジン(内燃機関)、14…スロットルバルブ、20…燃料噴射弁、21…点火プラグ、26…無段変速機、27…入力軸、28…出力軸、29…プライマリプーリ、30…セカンダリプーリ、31…ベルト、37…プライマリ回転速度センサ(入力軸側回転速度センサ)、38…セカンダリ回転速度センサ(出力軸側回転速度センサ、46…ECU、48…パワートレインブロック、51…適応型デジタルフィルタ(制御パラメータ補正手段)、52…エンジン回転加速度検出部(エンジン回転加速度検出手段)、53…実エンジン回転加速度推定部(実エンジン回転加速度推定手段)、54…偏差器、55…フィルタ部、56…補正量算出部、57…加算器、58…車両加速度検出部(車両加速度検出手段)、59…実車両加速度推定部(実車両加速度推定手段)、60…偏差器、61…係数調整部、62…トルク補正量算出部(制御パラメータ補正手段)

Claims (10)

  1. エンジンの出力を変速機を介して駆動輪に伝達する車両の制御装置において、
    前記変速機の入力軸側の回転速度を検出する入力軸側回転速度センサの出力信号を微分してエンジン回転加速度を検出するエンジン回転加速度検出手段と、
    前記入力軸側回転速度センサの出力信号又はその他の信号に基づいて実際のエンジン回転加速度を推定する実エンジン回転加速度推定手段と、
    前記エンジン回転加速度検出手段で検出したエンジン回転加速度と前記実エンジン回転加速度推定手段で推定した実際のエンジン回転加速度とに基づいて車両の駆動力に関する制御パラメータを補正する制御パラメータ補正手段と
    を備えていることを特徴とする車両の制御装置。
  2. エンジンの出力を変速機を介して駆動輪に伝達する車両の制御装置において、
    前記変速機の出力軸側の回転速度を検出する出力軸側回転速度センサの出力信号を微分して車両加速度を検出する車両加速度検出手段と、
    前記出力軸側回転速度センサの出力信号又はその他の信号に基づいて実際の車両加速度を推定する実車両加速度推定手段と、
    前記車両加速度検出手段で検出した車両加速度と前記実車両加速度推定手段で推定した実際の車両加速度とに基づいて車両の駆動力に関する制御パラメータを補正する制御パラメータ補正手段と
    を備えていることを特徴とする車両の制御装置。
  3. エンジンの出力を変速機を介して駆動輪に伝達する車両の制御装置において、
    前記変速機の入力軸側の回転速度を検出する入力軸側回転速度センサの出力信号を微分してエンジン回転加速度を検出するエンジン回転加速度検出手段と、
    前記入力軸側回転速度センサの出力信号又はその他の信号に基づいて実際のエンジン回転加速度を推定する実エンジン回転加速度推定手段と、
    前記変速機の出力軸側の回転速度を検出する出力軸側回転速度センサの出力信号を微分して車両加速度を検出する車両加速度検出手段と、
    前記出力軸側回転速度センサの出力信号又はその他の信号に基づいて実際の車両加速度を推定する実車両加速度推定手段と、
    前記エンジン回転加速度検出手段で検出したエンジン回転加速度と前記実エンジン回転加速度推定手段で推定した実際のエンジン回転加速度との比較結果及び/又は前記車両加速度検出手段で検出した車両加速度と前記実車両加速度推定手段で推定した実際の車両加速度との比較結果に基づいて車両の駆動力に関する制御パラメータを補正する制御パラメータ補正手段と
    を備えていることを特徴とする車両の制御装置。
  4. 前記変速機は、変速比を連続的に調整する無段変速機であり、
    前記入力軸側回転速度センサは、前記無段変速機の入力軸の回転速度を検出するプライマリ回転速度センサであり、
    前記出力軸側回転速度センサは、前記無段変速機の出力軸の回転速度を検出するセカンダリ回転速度センサであることを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。
  5. 前記実エンジン回転加速度推定手段は、前記無段変速機の入力軸の目標回転速度に基づいて実際のエンジン回転加速度を推定することを特徴とする請求項4に記載の車両の制御装置。
  6. 前記実車両加速度推定手段は、前記出力軸側回転速度センサの出力信号の微分値をなまし処理して実際の車両加速度を推定することを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の車両の制御装置。
  7. 前記制御パラメータ補正手段は、前記エンジン回転加速度検出手段で検出したエンジン回転加速度と前記実エンジン回転加速度推定手段で推定した実際のエンジン回転加速度との偏差及び/又は前記車両加速度検出手段で検出した車両加速度と前記実車両加速度推定手段で推定した実際の車両加速度との偏差を車両の振動成分として抽出し、該振動成分に基づいて前記制御パラメータを補正することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の車両の制御装置。
  8. 前記制御パラメータ補正手段は、前記振動成分の信号を反転させるフィルタ処理を実施し、該振動成分の信号を反転させた信号を用いて前記振動成分を打ち消すように前記制御パラメータの補正量を算出することを特徴とする請求項7に記載の車両の制御装置。
  9. 前記制御パラメータ補正手段は、前記振動成分が小さくなるように前記フィルタ処理の係数を調整することを特徴とする請求項8に記載の車両の制御装置。
  10. 前記制御パラメータ補正手段は、前記振動成分が所定値を越えてから所定ディレイ期間が経過する毎に前記振動成分を打ち消すように前記制御パラメータの補正量を算出すると共に該制御パラメータの補正量を段階的に減衰させることを特徴とする請求項7に記載の車両の制御装置。
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