JP2007227415A - 貼り合わせ基板の製造方法および貼り合わせ基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】貼り合わせ基板の製造方法であって、少なくとも、ヤング率で150GPa以上の硬度を有する第1の基板表面に酸化膜を形成した後、該酸化膜を平坦化する工程と、第2の基板表面から水素イオンまたは希ガスイオンあるいはこれらの混合ガスイオンをイオン注入して基板内部にイオン注入層を形成する工程と、前記第1の基板および第2の基板を少なくとも前記酸化膜を介して貼り合わせた後、前記第2の基板を前記イオン注入層で剥離して貼り合わせ基板を得る工程と、該貼り合わせ基板を熱処理して前記酸化膜を外方拡散する工程とを有することを特徴とする貼り合わせ基板の製造方法。
【選択図】図1
Description
また、サファイアだけでなく、SiC(炭化ケイ素:ヤング率=約250GPa)、AlN(窒化アルミ:ヤング率=約300GPa)のような硬い材料を用いたときも、その硬さから高い平坦度が達成し難く、貼り合わせには不向きという問題点があった。
従って、硬度の高い基板を貼り合わせに用いて欠陥密度の小さい貼り合わせ基板とすることができる貼り合わせ基板の製造方法が求められていた。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
このような高硬度のものは、シリコン単結晶130GPa、石英66GPaより硬く、貼り合わせ不良が生じ易い。第1の基板はこの硬度を満足するものであれば特に限定されないが、たとえばサファイア、SiC、アルミナのいずれかを用いることができる。第1の基板のヤング率の上限は特に限定されないが、たとえばダイヤモンドの硬度はヤング率で1000GPaであり、これが上限である。結晶形態にもよるが、SiCは250GPa、AlNは300GPaである。
また、必要に応じて第1の基板に機械研磨等を施し、表面粗さをRMSでたとえば10nm以下(AFMで10μm□で測定)とすれば、第1の基板の凹凸を埋め合わせるのに必要な酸化膜厚さがより小さくなるため、最終的に第1の基板上の酸化膜がより薄い貼り合わせ基板を製造することができる。
酸化膜3の形成方法としては、たとえば、CVD法もしくはPVD法等により酸化膜を堆積してもよいし、熱酸化により第1の基板を酸化処理することで表面に酸化膜を形成してもよい。酸化膜の材質としては、用いる基板材質の酸化物とすればよいが、堆積法により酸化膜を形成する場合は、基板材質とは異なる酸化物とすることも可能である。目的に応じ適宜決定すればよい。例えば、SiO2、Al2O3、GeO2等が挙げられる。
また、必要に応じてこの酸化膜に700℃以上の焼き締めを加えてもよい。
平坦化の方法は特に限定されないが、たとえば機械化学研磨により行うことができる。このとき、酸化膜の表面に機械化学研磨を行い、酸化膜の表面粗さをRMSで0.5nm以下とすることが、貼り合わせ面で剥離しにくい貼り合わせ基板を製造する上で好ましい。また、酸化膜の機械化学研磨は成熟した技術であり、RMSで0.5nm以下の粗さを得ることは容易である。なお、平坦化後の酸化膜の厚さを60nm以下とすることが、後工程の酸化膜の外方拡散熱処理にかかる時間を短縮する上で好ましい。
第2の基板は特に限定されないが、たとえばシリコン、SiC、窒化ガリウム、シリコンゲルマニウム、ゲルマニウムのいずれかを用いることができる。シリコンを用いれば、いわゆるSOI基板を製造することができ、シリコンゲルマニウムを用いれば、近年高速動作特性が注目されているSGOI基板を製造することができる。
このようにすれば、ヤング率で150GPa以上の硬度を有する高硬度基板同士を容易に貼り合せることができる。
なお、この第1の基板および第2の基板の貼り合わせにおいて、前記第1の基板および第2の基板の少なくとも一方の貼り合わせ表面にプラズマ処理もしくはオゾン処理を施してから、貼り合せを行うことが好ましい。
プラズマ処理とオゾン処理とはどちらか一方又は両方行なうことができる。
プラズマもしくはオゾン処理は,第1の基板および第2の基板の両方ともに行なうのがより好ましいが、いずれか一方だけ行なってもよい。
なお、貼り合わせ後、接合した基板を400℃未満の低温で熱処理して結合力を高めてもよい。
イオン注入層で剥離する方法は特に限定されないが、たとえば、機械的衝撃を与えることにより行うことができる。
イオン注入層に衝撃を与えるためには、例えばガスや液体等の流体のジェットを接合した基板の側面から連続的または断続的に吹き付ければよいが、衝撃により機械的剥離が生じる方法であれば特に限定はされない。
この際の熱処理条件は特に限定されないが、900℃以上、非酸化性雰囲気で行い、熱処理後の酸化膜7の厚さを60nm以下、より好ましくは50nm以下、さらにより好ましくは30nm以下とするのが好ましい。
このように、高硬度基板の凹凸を埋め合わせるのに必要な最小限の酸化膜7のみを残して、酸化膜を可能な限り取り除くことで、酸化膜による放熱等の特性への影響を最小限とした貼り合わせ基板を得ることができる。この場合、半導体層6の厚さはすでに薄くなっているので、熱処理を施しても、第1の基板の熱膨張係数の相違に基づく割れ等は発生しない。
図1に示すように、第1の基板1として直径200mmのサファイア基板(ヤング率=約363GPa)を用意した(図1(a))。この第1の基板1に機械研磨を施し、表面粗さをRMSで10nm以下(AFMで10μm□で測定)とした。
次に、CVD法により第1の基板1の表面に厚さ100nmの酸化膜(SiO2)3を堆積した(図1(b))。
この第2の基板2に、水素イオンを注入し、基板中にイオン注入層4を形成した(図1(e))。注入条件は、注入エネルギーを35keV、注入線量を9×1016atoms/cm2とした。注入深さは0.3nmとなった。
熱処理条件は、1000℃以上、アルゴンガス雰囲気で行い、熱処理後の酸化膜7の厚さを20nmとした。
Claims (9)
- 貼り合わせ基板の製造方法であって、少なくとも、ヤング率で150GPa以上の硬度を有する第1の基板表面に酸化膜を形成した後、該酸化膜を平坦化する工程と、第2の基板表面から水素イオンまたは希ガスイオンあるいはこれらの混合ガスイオンをイオン注入して基板内部にイオン注入層を形成する工程と、前記第1の基板および第2の基板を少なくとも前記酸化膜を介して貼り合わせた後、前記第2の基板を前記イオン注入層で剥離して貼り合わせ基板を得る工程と、該貼り合わせ基板を熱処理して前記酸化膜を外方拡散する工程とを有することを特徴とする貼り合わせ基板の製造方法。
- 前記第1の基板として、サファイア、SiC、アルミナのいずれかを用いることを特徴とする請求項1に記載の貼り合わせ基板の製造方法。
- 前記第2の基板として、シリコン、SiC、窒化ガリウム、シリコンゲルマニウム、ゲルマニウムのいずれかを用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の貼り合わせ基板の製造方法。
- 前記酸化膜の平坦化において、前記酸化膜の表面に機械化学研磨を行い、前記酸化膜の表面粗さをRMSで0.5nm以下とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の貼り合わせ基板の製造方法。
- 前記第1の基板および第2の基板の貼り合わせにおいて、前記第1の基板および第2の基板の少なくとも一方の貼り合わせ表面にプラズマ処理もしくはオゾン処理を施してから、貼り合せを行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の貼り合わせ基板の製造方法。
- 前記イオン注入層での剥離を、機械的衝撃を与えることにより行うことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の貼り合わせ基板の製造方法。
- 前記第2の基板がヤング率で150GPa以上の硬度を有している場合、前記第2の基板表面に酸化膜を形成した後、該酸化膜を平坦化する工程を行い、前記第1の基板および第2の基板の貼り合わせにおいて、前記第1の基板および第2の基板の平坦化した酸化膜が形成されている表面同士を貼り合せることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の貼り合わせ基板の製造方法。
- 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載した貼り合わせ基板の製造方法により製造されたものであることを特徴とする貼り合わせ基板。
- 貼り合わせ基板であって、サファイア、SiC、アルミナのいずれかよりなる第1の基板とシリコン、SiC、窒化ガリウム、シリコンゲルマニウム、ゲルマニウムのいずれかよりなる第2の基板とが、表面を研磨された酸化膜を介して貼り合わされているものであることを特徴とする貼り合わせ基板。
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