JP2007218301A - 管継手、冷凍装置、ヒートポンプ式給湯機、及び給水配管 - Google Patents
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Abstract
【課題】スリーブの紛失を防止し、配管の接続時における作業性を向上させつつ、接合部のシール性を確保することができる管継手、該管継手を用いる冷凍装置等を提供する。
【解決手段】スリーブ15は、配管の接合前にはナット14に対して一体的に形成され、ナット14の継手本体へのねじ込みによってナット14から切断されて分離する。スリーブ15の外周面15gは、当接面15cの延長面Pより軸心側に形成されて、内側面14cから押圧力を受ける後端面15eが、軸心に近い内周側に形成される。これにより、スリーブ15の配管への食い込み時に、後端面15eと内側面14cとの間で発生する摩擦力による回転トルクを小さくする。
【選択図】図3
【解決手段】スリーブ15は、配管の接合前にはナット14に対して一体的に形成され、ナット14の継手本体へのねじ込みによってナット14から切断されて分離する。スリーブ15の外周面15gは、当接面15cの延長面Pより軸心側に形成されて、内側面14cから押圧力を受ける後端面15eが、軸心に近い内周側に形成される。これにより、スリーブ15の配管への食い込み時に、後端面15eと内側面14cとの間で発生する摩擦力による回転トルクを小さくする。
【選択図】図3
Description
本発明は、冷媒配管等を接合するための管継手、該管継手を用いる冷凍装置等に関するものである。
従来、冷凍装置の冷媒配管等の内部に流体を流通させる配管の接合に用いられる管継手として、継手本体の接合孔に配管を挿入し、ナットをねじ込むことによって配管を継手本体の接合孔に接合するようにした管継手が知られている。こうした管継手としては、特許文献1に示されるように、継手本体にナットをねじ込むときに継手本体とナットとの間にスリーブを介在させ、ねじ込みによってスリーブを配管の外周に食い込ませて配管と継手本体とを接合して接合部のシール性を確保するようにした、いわゆる食い込み継手が多く採用されている。
図9は特許文献1に示される食い込み継手を示したものである。この食い込み継手は、継手本体101と、ナット102と、継手本体101とナット102との間に設けられるスリーブ103とによって構成される。配管104を継手本体101に接合するときは、配管104の外周面104aにスリーブ103を装着して継手本体101の接合孔101aに配管104の先端部104bを挿入し、継手本体101のねじ部101bに対してナット102のねじ部102aをねじ込む。すると、スリーブ103は、その後端面103aがナット102の押圧面102bから押圧力を受けるとともに、その前端部103bが継手本体101のテーパ面101cから押圧力を受ける。このため、スリーブ103の前端部103bは、配管104の外周面104aに食い込み、配管104は継手本体101の接合孔101aに接合される。このようにして、食い込み継手は、スリーブ103を配管104に食い込ませることにより配管104と継手本体101とを接合して接合部のシール性を確保するように構成されている。
特開2003−74768号公報
ところで、このような管継手は、継手本体とナットとスリーブとによって構成されるため、配管を接合するまでの間に比較的小物部品であるスリーブを紛失する恐れがあった。また、配管を接合するときには小物部品であるスリーブを組み付けることから、作業性が悪いという問題があった。また、スリーブは、押圧力を受ける部位や配管に食い込む部位が露出しているため、スリーブを予備部品として保有するときに、あるいはスリーブを取り扱う際に、当該部位に傷がつき易く、管継手の接合部のシール性に悪影響を与えてしまう恐れがあった。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、スリーブの紛失を防止し、配管の接続時における作業性を向上させつつ、接合部のシール性を確保することができる管継手、該管継手を用いる冷凍装置等を提供することにある。
本発明に係る管継手は、配管を接合するための接合孔が内周に形成され、ねじ部が外周に形成される継手本体と、前記ねじ部に螺合するナットと、このナットの前記継手本体へのねじ込み前においては前記ナットに対して一体的に設けられるとともに、配管が前記接合孔に挿入された状態における前記ナットの前記継手本体へのねじ込みにより前記ナットから切断され、更なる前記ナットのねじ込みにより前記ナットの押圧力を受けて前記配管の外周に食い込むスリーブとを備え、前記スリーブの配管への食い込み時に、前記スリーブの食い込み部で発生する摩擦力による回転トルクが、前記押圧力により前記スリーブと前記ナットとの間で発生する摩擦力による回転トルクよりも大きくなるようにすることを特徴とする。
同構成によれば、ナットの継手本体へのねじ込みにより配管の外周に食い込むスリーブは、ナットの継手本体へのねじ込み前においてはナットに対して一体的に設けられる。このため、従来のようにスリーブがナットに対して別体で構成される場合と比べて、配管を接合するまでの間にスリーブが紛失してしまうことを防止することができ、スリーブを予備部品として保管しておく必要がなくなる。また、配管を接合するときにスリーブを組み付けなくてもよいため、配管の接続時における作業性が向上する。また、スリーブがナットに対して一体的に設けられることから、スリーブの食い込み部等が表面に露出することを抑えるように構成することができ、部品を取り扱う際に、食い込み部等に傷がつき難くすることができる。そして、スリーブはナットの継手本体へのねじ込みによってナットから切断されるため、分離されたスリーブは配管の外周に食い込み、接合部のシール性を確保しながら配管を継手本体の接合孔に接合することができる。
なお、ナットのねじ込みによりスリーブがナットから切断された後、更なるナットのねじ込みによりスリーブが配管の外周に食い込むときに、スリーブがナットの押圧力を受けて共に回転してしまうと、スリーブの食い込み部が配管や継手本体に傷をつけてしまうことがあり、接合部のシール性を低下させるおそれがある。このため、スリーブが配管の外周に食い込むときには、スリーブがナットの押圧力を受けても回転しないように滑らせる必要がある。
この点、同構成によれば、スリーブの配管への食い込み時に、スリーブの食い込み部で発生する摩擦力による回転トルクが、ナットの押圧力によりスリーブとナットとの間で発生する摩擦力による回転トルクよりも大きくなるようにしている。このため、ナットをねじ込んでスリーブを配管へ食い込ませるときに、スリーブの食い込み部が回転することを抑えて、スリーブとナットとの間が滑るように構成することができる。これにより、配管や継手本体に傷がつくことを抑えて、接合部のシール性を確保することができる。また、スリーブの配管への食い込み時に、スリーブの食い込み部が、配管の外周に当接しながら回転することを防止することができるため、ナットをねじ込むときの締付トルクを低減することができ、配管の接続時における作業性を向上させることができる。
また、前記スリーブの食い込み部における摩擦係数が、前記押圧力を受ける箇所における前記スリーブと前記ナットとの間の摩擦係数よりも大きくなるようにしてもよい。同構成によれば、スリーブの食い込み部における摩擦係数が、ナットの押圧力を受ける箇所におけるスリーブとナットとの間の摩擦係数よりも大きいため、スリーブの食い込み部で発生する摩擦力による回転トルクが、ナットの押圧力によりスリーブとナットとの間で発生する摩擦力による回転トルクよりも大きくなるように構成し易くなる。このため、スリーブの配管への食い込み時に、スリーブの食い込み部が回転することを抑えて、スリーブとナットとの間が滑るように構成することが容易となる。
また、前記スリーブの食い込み部の軸心からの半径が、前記押圧力を受ける箇所の軸心からの半径よりも大きくなるようにしてもよい。同構成によれば、スリーブの食い込み部の軸心からの半径が、ナットの押圧力を受ける箇所の軸心からの半径よりも大きいため、スリーブの食い込み部で発生する摩擦力による回転トルクが、ナットの押圧力によりスリーブとナットとの間で発生する摩擦力による回転トルクよりも大きくなるように構成し易くなる。このため、スリーブの配管への食い込み時に、スリーブの食い込み部が回転することを抑えて、スリーブとナットとの間が滑るように構成することが容易となる。
また、前記スリーブは、軸心方向の一端側の先端に前記食い込み部が設けられるとともに、他端側の端面に前記押圧力を受ける箇所が設けられるようにしてもよい。同構成によれば、スリーブは、軸心方向の一端側の先端に食い込み部が設けられるとともに、他端側の端面にナットの押圧力を受ける箇所が設けられるため、食い込み部と押圧力を受ける箇所との距離を大きくとることができる。このため、食い込み部が配管の外周に向かって変形する変形量を大きくすることができ、配管への食い込み量を増加させて、接合部のシール性を確保することができる。
また、前記スリーブは、前記一端側の外周に、前記継手本体と当接して食い込み部を前記配管に食い込ませるようにガイドする円錐状の当接面が、前記他端側に向かって外径が大きくなるように形成されるとともに、前記他端側の外周面が前記当接面の延長面よりも軸心側に形成されるようにしてもよい。
同構成によれば、継手本体と当接して食い込み部を配管に食い込ませるようにガイドする円錐状の当接面が、軸心方向の一端側から他端側に向かって外径が大きくなるように形成される場合に、他端側の外周面が当接面の延長面よりも軸心側に形成されるため、ナットの押圧力を受ける他端側の端面を内周側に形成することができる。このため、押圧力を受ける箇所の軸心からの半径を小さくすることができ、押圧力によりスリーブとナットとの間で発生する摩擦力による回転トルクを確実に小さくすることができる。これにより、スリーブの配管への食い込み時に、配管や継手本体に傷がつくことを抑えて、接合部のシール性を確保することができる。
また、前記他端側の外周面は円錐面であり、この円錐面の軸心方向に対する傾斜角が、前記当接面の軸心方向に対する傾斜角よりも小さくなるようにしてもよい。同構成によれば、他端側の外周面は円錐面であり、この円錐面の軸心方向に対する傾斜角が当接面の軸心方向に対する傾斜角よりも小さいため、ナットの押圧力を受ける他端側の端面を内周側に形成することができる。このため、押圧力を受ける箇所の軸心からの半径を小さくすることができ、押圧力によりスリーブとナットとの間で発生する摩擦力による回転トルクを確実に小さくすることができる。これにより、スリーブの配管への食い込み時に、配管や継手本体に傷がつくことを抑えて、接合部のシール性を確保することができる。
また、前記他端側の外周面は円筒面であってもよい。同構成によれば、他端側の外周面は円筒面であるため、ナットの押圧力を受ける他端側の端面をより内周側に形成することができる。このため、押圧力を受ける箇所の軸心からの半径をより小さくすることができ、押圧力によりスリーブとナットとの間で発生する摩擦力による回転トルクをより小さくすることができる。これにより、スリーブの配管への食い込み時に、配管や継手本体に傷がつくことを抑えて、接合部のシール性をより確保することができる。
また、前記他端側の外周面は円錐面であり、この円錐面は前記一端側に向かって外径が大きくなるように形成されていてもよい。同構成によれば、他端側の外周面は円錐面であり、この円錐面は一端側に向かって外径が大きくなるように形成されるため、ナットの押圧力を受ける他端側の端面をより一層内周側に形成することができる。このため、押圧力を受ける箇所の軸心からの半径をより一層小さくすることができ、押圧力によりスリーブとナットとの間で発生する摩擦力による回転トルクをより一層小さくすることができる。これにより、スリーブの配管への食い込み時に、配管や継手本体に傷がつくことを抑えて、接合部のシール性をより一層確保することができる。
また、前記スリーブの外周面は、前記他端側の外周面と前記当接面との間に少なくとも1つの円錐面又は円筒面を介在させるようにしてもよい。同構成によれば、スリーブの外周面は、他端側の外周面と当接面との間に少なくとも1つの円錐面又は円筒面を介在させるため、スリーブの外周面が複数の面によって構成される。このため、他端側の端面を内周側に形成するために、製造都合等を考慮して様々な態様にスリーブの外周面を形成することができる。
また、前記スリーブは、前記当接面が前記継手本体に形成される円錐状のガイド面と当接することで前記配管の外周に食い込むようにしてもよい。同構成によれば、スリーブは当接面が継手本体に形成される円錐状のガイド面と当接することで配管の外周に食い込むため、ナットのねじ込み方向への移動に伴いスリーブが配管の外周に向かって徐々に変形するように構成することができる。このため、ナットの締め付けトルクが過大となることを抑えてナットが確実に締結されるようにし、スリーブが配管の外周に確実に食い込むようにすることができる。
また、管継手には超臨界状態で使用される超臨界冷媒が流通する配管を接続するようにしてもよい。同構成によれば、超臨界状態で使用される超臨界冷媒が配管内を流れて管継手と配管との接合部に高圧が加わった場合においても、上記の管継手は配管との接合部におけるシール性が確保されているため、接合部における冷媒の漏れを好適に抑えることができる。
また、管継手には二酸化炭素冷媒が流通する配管を接続するようにしてもよい。同構成によれば、接続される配管内を流れる流体は二酸化炭素冷媒であるため、上記の管継手を用いた配管回路を地球環境に配慮した構成とすることができる。また、二酸化炭素冷媒が超臨界状態で使用されて、管継手と配管との接合部に高圧が加わった場合においても、上記の管継手は配管との接合部におけるシール性が確保されているため、接合部における冷媒の漏れを好適に抑えることができる。
また、管継手には炭化水素冷媒が流通する配管を接続するようにしてもよい。同構成によれば、接続される配管内を流れる流体は、プロパン、イソブタン等の炭化水素冷媒であるため、上記の管継手を用いた配管回路を地球環境に配慮した構成とすることができる。また、上記の管継手は配管との接合部におけるシール性が確保されているため、引火性の強い炭化水素冷媒が接合部から漏れることを好適に抑えることができる。
また、本発明に係る冷凍装置は、上記の管継手を冷媒配管の接続部に用いたことを特徴とする。同構成によれば、冷凍装置は冷媒配管の接続部に上記の管継手を用いたものであるため、スリーブの紛失を防止し、配管の接続時における作業性を向上させつつ、接合部のシール性を確保した冷凍装置とすることができる。
また、本発明に係るヒートポンプ式給湯機は、上記の管継手を冷媒配管の接続部に用いたことを特徴とする。同構成によれば、ヒートポンプ式給湯機は冷媒配管の接続部に上記の管継手を用いたものであるため、スリーブの紛失を防止し、配管の接続時における作業性を向上させつつ、接合部のシール性を確保したヒートポンプ式給湯機とすることができる。
また、本発明に係る給水配管は、上記の管継手を配管の接続部に用いたことを特徴とする。同構成によれば、給水配管は配管の接続部に上記の管継手を用いたものであるため、スリーブの紛失を防止し、配管の接続時における作業性を向上させつつ、接合部のシール性を確保した給水配管とすることができる。
本発明に係る管継手によれば、ナットの継手本体へのねじ込み前においてはスリーブをナットに対して一体的に設けて、ナットのねじ込みによってスリーブをナットから切断するように構成するため、配管の接続前におけるスリーブの紛失を防止し、配管の接続時における作業性を向上させることができる。また、ナットをねじ込んでスリーブを配管へ食い込ませるときに、スリーブの食い込み部が回転しないように構成するため、配管や継手本体に傷がつくことを抑えて、接合部のシール性を確保することができる。
以下、図1〜5を参照して、本発明を具体化した管継手の一実施形態について説明する。
図1は管継手の構成を示す部分断面図である。管継手1は、配管11,12を接続するものであり、配管11,12が挿入される継手本体13と、継手本体13に螺合されるナット14と、配管の接合時に継手本体13とナット14との間に介在するスリーブ15とを備えている。継手本体13の一端側に設けられたソケット部13aには配管11がろう付け等により固定され、他端側に設けられた接合孔13bには継手本体13に接合される配管12の先端部12aが挿入されている。継手本体13に挿入された配管12は、ナット14の継手本体13へのねじ込みによってスリーブ15の前端部15aが配管12の外周面12bに食い込むことで継手本体13に接合されている。なお、Oは配管11,12、継手本体13、ナット14及びスリーブ15の軸心を示す。
図1は管継手の構成を示す部分断面図である。管継手1は、配管11,12を接続するものであり、配管11,12が挿入される継手本体13と、継手本体13に螺合されるナット14と、配管の接合時に継手本体13とナット14との間に介在するスリーブ15とを備えている。継手本体13の一端側に設けられたソケット部13aには配管11がろう付け等により固定され、他端側に設けられた接合孔13bには継手本体13に接合される配管12の先端部12aが挿入されている。継手本体13に挿入された配管12は、ナット14の継手本体13へのねじ込みによってスリーブ15の前端部15aが配管12の外周面12bに食い込むことで継手本体13に接合されている。なお、Oは配管11,12、継手本体13、ナット14及びスリーブ15の軸心を示す。
ここで、配管12に食い込むスリーブ15は、ナット14の継手本体13へのねじ込み前においては接続部15bを通じてナット14に対して一体的に形成されるとともに、配管12が接合孔13bに挿入された状態におけるナット14の継手本体13へのねじ込みによってナット14から切断されて分離するように構成されている。以下、このように構成された管継手1の詳細について説明する。
図2は継手本体13の部分断面図である。継手本体13は、配管11が固定されるソケット部13aと、配管12が挿入される接合孔13bと、ナット14が螺合される雄ねじ部13cと、スリーブ15が配管12に食い込むときにスリーブ15と当接するガイド面13dと、外周に形成されたナット部13eとを有している。
ソケット部13aは、円柱状に形成されるとともに、固定される配管11の外径とほぼ等しい内径を有している。接合孔13bは、円柱状に形成されるとともに、挿入される配管12の外径とほぼ等しい内径を有している。ソケット部13aと接合孔13bとは内部空間13fを介して連通している。雄ねじ部13cは、ナット14と螺合するねじ形状が接合孔13b及び内部空間13fの外周側に形成されている。ガイド面13dは、接合孔13bの入口側に位置し、軸心Oと同一の軸心を有するとともに入口側に向かって内径が大きくなるような円錐面に形成されている。この円錐面によって、ナット14がねじ込まれるときにスリーブ15を押圧しながらガイドし、スリーブ15が配管12の外周面12bに食い込むようにしている。ナット部13eは、ナット14をねじ込むときに継手本体13を保持できるように設けられている。
図3はナット14の部分断面図である。ナット14は、継手本体13の雄ねじ部13cと螺合する雌ねじ部14aと、配管12の外周を保持する保持孔14bとを有し、スリーブ15が一体的に形成されている。雌ねじ部14aは、継手本体13に対してねじ込まれる挿入側の内周面に形成される。保持孔14bは、円柱状に形成されるとともに、保持される配管12の外径とほぼ等しい内径を有している。スリーブ15は、ナット14に対して一体的に加工されており、雌ねじ部14aに対して前記挿入側とは逆側で且つ内径側の位置に形成される。
スリーブ15は、配管12の接続時に配管12の外周面12bに食い込む前端部15aと、ナット14のねじ込みにより切断されるナット14との接続部15bと、継手本体13のガイド面13dと当接して前端部15aを配管12に食い込ませるようにガイドする当接面15cとを有する。また、スリーブ15は、配管12と対向する内周面15dと、前端部15aが配管12に食い込むときにナット14からの押圧力を受ける後端面15eとを有している。
前端部15aは、ナット14のねじ込み方向の先端、すなわちスリーブ15の軸心方向の一端側の先端に設けられる。前端部15aの先端15fはシャープエッジ形状に形成されており、先端15fが配管12の外周面12bに確実に食い込むようにしている。接続部15bは、スリーブ15の軸心方向の他端側の外周に設けられる。接続部15bは、図3に示すように軸心方向に薄肉となるように形成され、スリーブ15がナット14から容易に切断されるように構成されている。
当接面15cは、スリーブ15の軸心方向の一端側の外周に位置し、軸心Oと同一の軸心を有するとともに他端側に向かって外径が大きくなるような円錐面に形成されている。当接面15cにおける円錐面の傾斜角βは、継手本体13のガイド面13dにおける円錐面の傾斜角αよりも小さくなるように形成される。これにより、ナット14がねじ込まれたときに、スリーブ15の前端部15aが内径側にガイドされて変形し、配管12の外周面12bに食い込むようにしている。ここで、継手本体13のガイド面13dの傾斜角αは、スリーブ15の前端部15aをスムーズにガイドするために、15°以上且つ30°以下に設定されるのが好ましく、20°以上且つ25°以下に設定されるのがより好ましい。
内周面15dは、円柱状に形成されるとともに、配管12の外径とほぼ等しい内径を有している。後端面15eは、スリーブ15の軸心方向の他端側の端面であり、軸心に対して略垂直方向に形成されるとともに、ナット14の保持孔14bの内側面14cとほぼ平行に対峙している。後端面15eは、スリーブ15がナット14から分離した後に内側面14cから押圧力を受け、前端部15aを配管12の外周面12bに食い込ませる。
また、スリーブ15は、ナット14のねじ込みによりナット14から切断された後、更なるナット14のねじ込みにより配管12の外周面12bに食い込むときに、ナット14の押圧力を受けて共に回転しないように構成されている。すなわち、スリーブ15の配管12への食い込み時に、スリーブ15の食い込み部である前端部15aで発生する摩擦力による回転トルクT1が、ナット14の押圧力により後端面15eと内側面14cとの間で発生する摩擦力による回転トルクT2よりも大きくなるようにしている。このようにすると、ナット14をねじ込んでスリーブ15を配管12へ食い込ませるときに、スリーブ15の前端部15aが回転しないようして、後端面15eと内側面14cとの間が滑るように構成することができる。このため、前端部15aの回転により配管12の外周面12bや継手本体13のガイド面13dに傷がつくことを抑えることができ、接合部のシール性を確保することができる。以下に、回転トルクT1を回転トルクT2よりも大きくする構成について説明する。
スリーブ15の外周には、当接面15cから他端側に亘って、複数の面が形成されている。最も他端側に形成される外周面15gは、図3に示すように、円錐状の当接面15cの延長面Pよりも軸心側に形成されている。このため、内側面14cから押圧力を受ける後端面15eは、軸心に近い内周側に形成されるので、後端面15eの軸心からの半径R1が小さくなる。なお、後端面15e及び内側面14cは、製造上の都合から軸心側に向かって僅かに減肉するテーパ面となるため、後端面15eが押圧力を受ける部位は、厳密に言うと後端面15eの最も外周側に位置することになる。このため、以下に説明する後端面の軸心からの半径は、後端面の外周側と軸心との距離を示すこととする。
ここで、スリーブに外周面15gを設けずに当接面15cを延長してスリーブの外周を構成した場合の、スリーブ115の形状を図4に示す。スリーブ115は接続部115bを通じてナット114に対して一体的に形成されている。スリーブ115は、継手本体13のガイド面13dと当接して前端部115aを配管12に食い込ませるようにガイドする当接面115cを有する。当接面115cは、スリーブ115の外周に設けられ、軸心方向の一端側から他端側に亘って外径が大きくなるような円錐面に形成される。当接面115cにおける円錐面の傾斜角は、スリーブ15の当接面15cにおける傾斜角βと同じ角度で形成される。こうしたスリーブ115にあっては、後端面115eの軸心からの半径R2が大きくなるため、回転トルクT2が大きくなってしまう。そこで、本実施形態では、図3に示すように、後端面15eの軸心からの半径R1が小さくなるようにスリーブ15を構成し、回転トルクT2が相対的に小さくなるようにしている。
また、外周面12b及びガイド面13dと前端部15aとの間の摩擦係数は、後端面15eと内側面14cとの間の摩擦係数よりも大きくなるように設定されている。これにより、回転トルクT1が回転トルクT2に対して相対的に大きくなるようにしている。
次に、管継手1を用いて配管12を継手本体13に接合する配管の接続方法について説明する。図5は管継手1のスリーブ15周辺部の動作を示す断面図である。配管12を継手本体13に接合するときは、まず、ナット14の保持孔14bに配管12を貫通させて継手本体13の接合孔13bに配管12の先端部12aを挿入する。そして、継手本体13のナット部13eを保持しながら、図5(a)に示すように、継手本体13の雄ねじ部13cに対してナット14の雌ねじ部14aをねじ込む。
ナット14をねじ込んでいくと、継手本体13のガイド面13dがスリーブ15の前端部15aと当接し、ナット14のねじ込みに伴ってその押圧力が大きくなる。これにより、スリーブ15の接続部15bにおいて、ナット14のねじ込み方向に加わる剪断力が大きくなり、スリーブ15の接続部15bは切断される。そして、図5(b)に示すように、ナット14とスリーブ15とは分離する。
引き続きナット14をねじ込んでいくと、継手本体13のガイド面13dがスリーブ15の前端部15aと当接し、且つナット14の内側面14cがスリーブ15の後端面15eに当接する状態となる。そして、ナット14のねじ込みに伴ってスリーブ15の後端面15eがナット14の内側面14cから押圧力及び回転力を受ける。このときに、スリーブ15の前端部15aで発生する摩擦力による回転トルクT1が、ナット14の押圧力により後端面15eと内側面14cとの間で発生する摩擦力による回転トルクT2よりも大きくなるように設定されているため、前端部15aは回転せずに、後端面15eと内側面14cとの間が滑る。そして、スリーブ15の当接面15cが継手本体13のガイド面13dと当接しながら内周側にガイドされることにより、図5(c)に示すように、スリーブ15の前端部15aが配管12の外周面12bに食い込んでいく。
このようにして、管継手1は、スリーブ15の前端部15aを配管12の外周面12bに食い込ませることで、配管12を継手本体13に接合する。このときに、スリーブ15の前端部15aの食い込みにより、スリーブ15の前端部15aと配管12の外周面12bとの間が密閉される。また、スリーブ15の当接面15cと継手本体13のガイド面13dとが密着することにより、スリーブ15の当接面15cと継手本体13のガイド面13dとの間が密閉される。これらの箇所を密閉することによって、配管12と継手本体13とのシール性が確保される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、配管12の外周面12bに食い込むスリーブ15は、ナット14の継手本体13へのねじ込み前においてはナット14に対して一体的に形成される。このため、スリーブ15がナット14に対して別体で構成される場合と比べて、配管12を接合するまでの間にスリーブ15が紛失してしまうことを防止することができ、スリーブ15を予備部品として保管しておく必要がなくなる。また、スリーブ15がナット14に対して一体的に形成されることから、配管12を継手本体13に接合するときにスリーブ15を組み付ける作業がなくなり、配管12の接続時における作業性が向上する。そして、スリーブ15は、ナット14の継手本体13へのねじ込みによってナット14から切断されて配管12の外周面12bに食い込むため、容易にスリーブ15を切断できるように構成するとともに、接合部のシール性を確保しながら配管12を継手本体13の接合孔13bに接合することができる。
(1)上記実施形態では、配管12の外周面12bに食い込むスリーブ15は、ナット14の継手本体13へのねじ込み前においてはナット14に対して一体的に形成される。このため、スリーブ15がナット14に対して別体で構成される場合と比べて、配管12を接合するまでの間にスリーブ15が紛失してしまうことを防止することができ、スリーブ15を予備部品として保管しておく必要がなくなる。また、スリーブ15がナット14に対して一体的に形成されることから、配管12を継手本体13に接合するときにスリーブ15を組み付ける作業がなくなり、配管12の接続時における作業性が向上する。そして、スリーブ15は、ナット14の継手本体13へのねじ込みによってナット14から切断されて配管12の外周面12bに食い込むため、容易にスリーブ15を切断できるように構成するとともに、接合部のシール性を確保しながら配管12を継手本体13の接合孔13bに接合することができる。
(2)上記実施形態では、スリーブ15の配管12への食い込み時に、スリーブ15の前端部15aで発生する摩擦力による回転トルクT1が、ナット14の押圧力により後端面15eと内側面14cとの間で発生する摩擦力による回転トルクT2よりも大きくなるように構成されている。このため、スリーブ15の配管12への食い込み時に、スリーブ15の前端部15aが回転することを抑えて、後端面15eと内側面14cとの間が滑るように構成することができる。これにより、前端部15aの回転によって配管12の外周面12bや継手本体13のガイド面13dに傷がつくことを抑えることができるため、接合部のシール性を確保することができる。
(3)上記実施形態では、スリーブ15の軸心方向の他端側に形成される外周面15gは、円錐状の当接面15cの延長面Pよりも軸心側に形成されているため、内側面14cから押圧力を受ける後端面15eが、軸心に近い内周側に形成されて、後端面15eの軸心からの半径R1が小さくなる。このため、回転トルクT2を小さくすることができ、回転トルクT1が回転トルクT2よりも大きくなるように構成し易くなるので、スリーブ15の配管12への食い込み時に、スリーブ15の前端部15aが回転することを抑えて、後端面15eと内側面14cとの間が滑るように構成することが容易となる。これにより、配管12や継手本体13に傷がつくことを抑えて、接合部のシール性を確保することができる。
(4)上記実施形態では、外周面12b及びガイド面13dと前端部15aとの間の摩擦係数は、後端面15eと内側面14cとの間の摩擦係数よりも大きくなるように設定されているため、回転トルクT1が回転トルクT2よりも大きくなるように構成し易くなる。このため、スリーブ15の配管12への食い込み時に、スリーブ15の前端部15aが回転することを抑えて、後端面15eと内側面14cとの間が滑るように構成することが容易となる。これにより、配管12や継手本体13に傷がつくことを抑えて、接合部のシール性を確保することができる。
(5)上記実施形態では、スリーブ15の配管12への食い込み時に、スリーブ15が回転することを抑えることができるため、前端部15aが、配管12の外周面12bに当接しながら回転することを防止することができる。このため、ナット14をねじ込むときの締付トルクを低減することができ、配管12の接続時における作業性を向上させることができる。
(6)上記実施形態では、スリーブ15は、軸心方向の一端側の先端に食い込み部である前端部15aが設けられるとともに、他端側の端面にナット14の押圧力を受ける後端面15eが設けられるため、前端部15aと後端面15eとの距離を大きくとることができる。このため、前端部15aが配管12の外周面12bに向かって変形する変形量を大きくすることができ、スリーブ15の配管12への食い込み量を増加させて、接合部のシール性を確保することができる。
(7)上記実施形態では、継手本体13に形成された円錐状のガイド面13dがスリーブ15に形成された円錐状の当接面15cと当接することにより、スリーブ15を配管12に食い込ませるため、ナット14のねじ込みに伴いスリーブ15の前端部15aが徐々に変形するように構成することができる。このため、ナット14のねじ込みトルクが過大となることを抑えてナット14が確実に締結されるようにし、スリーブ15が配管12に確実に食い込むようにすることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、管継手1は、スリーブ15がナット14に対して一体的に加工されるように構成したが、スリーブ15を接着、嵌め込み等の方法でナット14に対して接合するように構成してもよい。
・上記実施形態では、管継手1は、スリーブ15がナット14に対して一体的に加工されるように構成したが、スリーブ15を接着、嵌め込み等の方法でナット14に対して接合するように構成してもよい。
・上記実施形態では、スリーブ15の当接面15cは、軸心方向の一端側から他端側に向かって外径が大きくなるような円錐面に形成されているが、円錐面以外の形状、例えば円筒面に形成されていてもよい。
・上記実施形態では、回転トルクT2を小さくするために、後端面15eの軸心からの半径R1が小さくなるようにスリーブ15を構成しているが、食い込み部である前端部15aの軸心からの半径が、後端面15eの軸心からの半径R1よりも大きくなるようにスリーブ15を構成してもよい。このようにすると、回転トルクT1が回転トルクT2よりも大きくなるように構成し易くなるため、スリーブ15の前端部15aが回転することを抑えて、後端面15eと内側面14cとの間が滑るように構成することが容易となる。このため、配管12や継手本体13に傷がつくことを抑えて、接合部のシール性を確保することができる。
・上記実施形態では、スリーブ15の外周には複数の面が形成されているが、軸心方向の他端側の外周面15gが円錐状の当接面15cの延長面Pよりも軸心側に形成されていれば、スリーブ15は他の形状であってもよい。図6にスリーブの他端側の外周面が当接面の延長面Pよりも軸心側に形成される例を示す。図6(a)は、スリーブ31の外周面31gが当接面31cの傾斜角よりも小さい傾斜角を有する円錐面に形成される例であり、図6(b)は、スリーブ32の外周面32gが円筒面に形成される例であり、図6(c)は、スリーブ33の外周面33gが当接面33c側(一端側)に向かって外径が大きくなる円錐面に形成される例である。このようにスリーブ15の外周を、当接面31c,32c,33cと外周面31g,32g,33gとの2面で構成した場合においても、当接面31c,32c,33cの形状を保ったまま、後端面31e,32e,33eを軸心に近い内周側に形成することができる。このため、後端面31e,32e,33eの軸心からの半径R3,R4,R5を小さくして回転トルクT2を小さくすることができる。また、上記実施形態のように、軸心方向の他端側の外周面と当接面との間に少なくとも1つの円錐面又は円筒面を介在させるようにしてもよい。図6(d)は、外周面34gと当接面34cとの間に、当接面34cよりも小さい傾斜角をもった円錐面34iを介在させる例である。このようにスリーブ34の外周を複数の面によって構成しても、当接面34cの形状を保ったまま、後端面34eを軸心に近い内周側に形成することができ、後端面34eの軸心からの半径R6を小さくして回転トルクT2を小さくすることができる。以上のように、スリーブの後端面を内周側に形成するために、製造都合等を考慮して様々な態様にスリーブの外周を形成することができる。
・上記実施形態では、配管12の接合時にスリーブ15の先端に設けられた前端部15aが配管12の外周面12bに食い込むようにしているが、スリーブ15の先端以外の部位が配管12の外周面12bに食い込むようにしてもよい。
・上記実施形態では、配管12内を流れる流体の種類については特に限定していないが、上記実施形態の管継手1によって、超臨界状態で使用される超臨界冷媒が流通する配管を接続するようにしてもよい。このようにすると、超臨界状態で使用される超臨界冷媒が配管内を流れて管継手と配管との接合部に高圧が加わった場合においても、上記の管継手1は配管との接合部におけるシール性が確保されているため、接合部における冷媒の漏れを好適に抑えることができる。
・また、上記実施形態の管継手1によって、二酸化炭素冷媒が流通する配管を接続するようにしてもよい。このようにすると、接続される配管内を流れる流体は二酸化炭素冷媒であるため、上記の管継手1を用いた配管回路を地球環境に配慮した構成とすることができる。また、二酸化炭素冷媒が超臨界状態で使用されて、管継手と配管との接合部に高圧が加わった場合においても、上記の管継手1は配管との接合部におけるシール性が確保されているため、接合部における冷媒の漏れを好適に抑えることができる。
・また、上記実施形態の管継手1によって、炭化水素冷媒が流通する配管を接続するようにしてもよい。このようにすると、接続される配管内を流れる流体は、プロパン、イソブタン等の炭化水素冷媒であるため、上記の管継手1を用いた配管回路を地球環境に配慮した構成とすることができる。また、上記の管継手1は配管との接合部におけるシール性が確保されているため、引火性の強い炭化水素冷媒が接合部から漏れることを好適に抑えることができる。
・上記実施形態では、管継手1は配管11と配管12とを接続しているが、これらの管継手1の構成を、図7に示すような空気調和機41の室内ユニット42と室外ユニット43とを連絡する冷媒配管44の接続部45,46に適用してもよい。このようにすると、空気調和機41は上記の効果を有する管継手1を用いるため、スリーブの紛失を防止し、冷媒配管44の接続時における作業性を向上させつつ、冷媒配管44の接合部のシール性を確保した空気調和機41とすることができる。また、管継手1の構成は、接続部46に配設されるような閉鎖弁の接続部に適用することもできるし、空気調和機41以外の冷凍装置における冷媒配管の接続部に適用することもできる。このような閉鎖弁、冷凍装置においても、管継手1を空気調和機41の接続部45,46に適用した場合と同様の効果を得ることができる。
・また、上記実施形態の管継手1の構成を、ヒートポンプ式給湯機の配管の接続部に適用してもよい。図8はヒートポンプ式給湯機の配管の接続状態を示す概略図である。図8(a)に1つのタンクで構成されるヒートポンプ式給湯機51の概略図を示す。ヒートポンプ式給湯機51は、外気から熱をくみ上げるヒートポンプユニット61と、ヒートポンプユニット61によりくみ上げられた熱を利用して給湯を行う貯湯ユニット71とを備える。ヒートポンプユニット61は、膨張弁62と空気熱交換器63と圧縮機64と水熱交換器65とを有する冷凍サイクル装置からなり、各機器を接続する冷媒配管66内には冷媒が流通する。貯湯ユニット71は、給水配管72を介してタンク73に供給された水が、タンク73と水熱交換器65との間をポンプ74により循環し、水熱交換器65で熱交換された温水が、タンク73から給水配管75を介して給湯されるように構成される。図8(b)に2つのタンクで構成されるヒートポンプ式給湯機52の概略図を示す。ヒートポンプ式給湯機52は、ヒートポンプ式給湯機51と同様の構成を備えているが、貯湯ユニット81のタンクが第1タンク82と第2タンク83とを直列に接続して構成される。そして、第1タンク82及び第2タンク83に貯留されている温水が、追いだき用熱交換器84との間をポンプ85により循環し、浴槽86から給水配管87を介してポンプ88により送られる温水が、追いだき用熱交換器84で熱交換して温められ、給水配管89を介して浴槽86に戻されるような追いだき機能が付加されている。このようなヒートポンプ式給湯機51,52では、例えば冷媒配管66に設けられる接続部67や給水配管72,75に設けられる接続部76に、管継手1,2を用いることができる。また、ヒートポンプ式給湯機52では、これに加えて給水配管87,89に設けられる接続部90に、管継手1,2を用いることができる。このようにすると、ヒートポンプ式給湯機51,52は上記の効果を有する管継手1,2を用いるため、スリーブの紛失を防止し、配管の接続時における作業性を向上させつつ、配管の接合部のシール性を確保したヒートポンプ式給湯機51,52とすることができる。なお、上記の接続部67,76,90は、ヒートポンプ式給湯機を構成する機器やユニットの配置によって、他の位置に設けられるようにしてもよい。このようにして、冷媒配管の接続部に加えて、配管内を水が流れる給水配管の接続部についても管継手1,2を適用することができる。
1…管継手、11,12…配管、13…継手本体、14…ナット、15,31,32,33,34…スリーブ、41…空気調和機、51,52…ヒートポンプ式給湯機。
Claims (16)
- 配管を接合するための接合孔が内周に形成され、ねじ部が外周に形成される継手本体と、
前記ねじ部に螺合するナットと、
このナットの前記継手本体へのねじ込み前においては前記ナットに対して一体的に設けられるとともに、配管が前記接合孔に挿入された状態における前記ナットの前記継手本体へのねじ込みにより前記ナットから切断され、更なる前記ナットのねじ込みにより前記ナットの押圧力を受けて前記配管の外周に食い込むスリーブとを備え、
前記スリーブの配管への食い込み時に、前記スリーブの食い込み部で発生する摩擦力による回転トルクが、前記押圧力により前記スリーブと前記ナットとの間で発生する摩擦力による回転トルクよりも大きくなるようにする
ことを特徴とする管継手。 - 請求項1に記載の管継手において、
前記スリーブの食い込み部における摩擦係数が、前記押圧力を受ける箇所における前記スリーブと前記ナットとの間の摩擦係数よりも大きい
ことを特徴とする管継手。 - 請求項1又は2に記載の管継手において、
前記スリーブの食い込み部の軸心からの半径が、前記押圧力を受ける箇所の軸心からの半径よりも大きい
ことを特徴とする管継手。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の管継手において、
前記スリーブは、軸心方向の一端側の先端に前記食い込み部が設けられるとともに、他端側の端面に前記押圧力を受ける箇所が設けられる
ことを特徴とする管継手。 - 請求項4に記載の管継手において、
前記スリーブは、前記一端側の外周に、前記継手本体と当接して食い込み部を前記配管に食い込ませるようにガイドする円錐状の当接面が、前記他端側に向かって外径が大きくなるように形成されるとともに、前記他端側の外周面が前記当接面の延長面よりも軸心側に形成される
ことを特徴とする管継手。 - 請求項5に記載の管継手において、
前記他端側の外周面は円錐面であり、この円錐面の軸心方向に対する傾斜角が、前記当接面の軸心方向に対する傾斜角よりも小さい
ことを特徴とする管継手。 - 請求項5に記載の管継手において、
前記他端側の外周面は円筒面である
ことを特徴とする管継手。 - 請求項5に記載の管継手において、
前記他端側の外周面は円錐面であり、この円錐面は前記一端側に向かって外径が大きくなるように形成される
ことを特徴とする管継手。 - 請求項6〜8のいずれか一項に記載の管継手において、
前記スリーブの外周面は、前記他端側の外周面と前記当接面との間に少なくとも1つの円錐面又は円筒面を介在させてなる
ことを特徴とする管継手。 - 請求項5〜9のいずれか一項に記載の管継手において、
前記スリーブは、前記当接面が前記継手本体に形成される円錐状のガイド面と当接することで前記配管の外周に食い込む
ことを特徴とする管継手。 - 超臨界状態で使用される超臨界冷媒が流通する配管を接続することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の管継手。
- 二酸化炭素冷媒が流通する配管を接続することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の管継手。
- 炭化水素冷媒が流通する配管を接続することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の管継手。
- 請求項1〜13のいずれか一項に記載の管継手を冷媒配管の接続部に用いたことを特徴とする冷凍装置。
- 請求項1〜13のいずれか一項に記載の管継手を冷媒配管の接続部に用いたことを特徴とするヒートポンプ式給湯機。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の管継手を配管の接続部に用いたことを特徴とする給水配管。
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