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JP2007268194A - イオントフォレーシス装置 - Google Patents

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JP2007268194A JP2006100875A JP2006100875A JP2007268194A JP 2007268194 A JP2007268194 A JP 2007268194A JP 2006100875 A JP2006100875 A JP 2006100875A JP 2006100875 A JP2006100875 A JP 2006100875A JP 2007268194 A JP2007268194 A JP 2007268194A
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信晴 小柴
Junjiro Awano
順二郎 粟野
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Abstract

【課題】分極性電極を有する電極構造体を備えて、作動が確実なイオントフォレーシス装置を提供する。
【解決手段】作用側電極24を、直流電源12に接続された作用側集電体24Aと、この作用側集電体24Aの前面に配置された作用側接着剤層24Cと、この作用側接着剤層24Cの前面に配置され、この作用側接着剤層24Cによって作用側集電体24Aに電気的に接続して接着された作用側分極性電極24Bとから構成し、作用側接着剤層24Cには導電性接着剤を用いるとよい。作用側分極性電極24Bには、薬液を含む粘性液体を含浸させるとよい。
【選択図】図3

Description

本発明は、薬物イオンを、電圧を印加することによって生体に投与するためのイオントフォレーシス装置に関する。
上記のようなイオントフォレーシス装置としては、特許文献1に記載されるように、作用側電極構造体及び非作用側電極構造体を有し、作用側電極構造体のイオン交換膜から薬液イオンを、皮膚や粘膜を介して生体内に投与させるものがある。
そして、かかるイオントフォレーシス装置の電極構造体として、本出願人は、公知ではないが、分極性電極を有する電極構造体を提案しているが、この電極構造体を用いたイオントフォレーシス装置において、導通が不十分となることがあった。
WO03037425号公報
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、分極性電極を有する電極構造体を備えて、導通が良好で、作動が確実なイオントフォレーシス装置を提供することを課題とする。
本発明者は、分極性電極を有する電極構造体を備えたイオントフォレーシス装置の導通が不十分となる原因を追究した。その結果、分極性電極を有する電極構造体において、分極性電極に含まれる、薬物又は塩化ナトリウムなどの電解質を含有する粘性液体が、集電体と分極性電極との接触界面にまで浸透すると、集電体と分極性電極との電気的な接続が不十分となり、これが導通不十分の原因となることを突き止めた。
本発明は、この知見に基づき完成されたものである。即ち、上記課題は、以下の実施例により達成される。
(1)一対の電極構造体と、これら一対の電極構造体に接続された直流電源と、から構成され、前記一対の電極構造体の一方に保持される薬物イオンを、前記直流電源からの電圧によって、生体に投与するためのイオントフォレーシス装置であって、前記一対の電極構造体の少なくとも一方は、前記直流電源に接続された集電体と、この集電体の前面に配置された接着剤層と、この接着剤層の前面に配置され、この接着剤層によって前記集電体に接着された分極性電極と、からなる電極を有することを特徴とするイオントフォレーシス装置。
(2)前記分極性電極が、活性炭を含有することを特徴とする(1)に記載のイオントフォレーシス装置。
(3)前記活性炭が、活性炭繊維であることを特徴とする(2)に記載のイオントフォレーシス装置。
(4)前記集電体が、導電性物質として炭素及び銀の少なくとも一方を含有することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載のイオントフォレーシス装置。
(5)前記接着剤層が、前記集電体の前面における、相互に分離された複数の個所に設けられていることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載のイオントフォレーシス装置。
(6)前記接着剤層が、前記集電体と前記分極性電極との間の全面にわたって設けられていることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載のイオントフォレーシス装置。
(7)前記接着剤層が、導電性接着剤からなることを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載のイオントフォレーシス装置。
(8)前記導電性接着剤が、エポキシ系樹脂及びフェノール系樹脂の少なくとも一方を有してなることを特徴とする(7)に記載のイオントフォレーシス装置。
(9)前記一対の電極構造体のうち、前記薬物イオンを保持する電極構造体は作用側電極構造体であり、この作用側電極構造体には、前記電極として、作用側電極が設けられており、該作用側電極は、前記直流電源に接続された作用側集電体と、この作用側集電体の前面に配置された作用側接着剤層と、この作用側接着剤層の前面に配置され、この作用側接着剤層によって前記作用側集電体に接着された作用側分極性電極とからなり、前記作用側分極性電極に前記薬物イオンを含有する粘性液体を含浸させたことを特徴とする(1)乃至(8)のいずれかに記載のイオントフォレーシス装置。
(10)前記電解液保持部を有する電極構造体は非作用側電極構造体であり、この非作用側電極構造体には、前記電極として、非作用側電極が設けられており、該非作用側電極は、前記直流電源に接続された非作用側集電体と、この非作用側集電体の前面に配置された非作用側接着剤層と、この非作用側接着剤層の前面に配置され、この非作用側接着剤層によって前記非作用側集電体に接着された非作用側分極性電極とからなり、前記非作用側分極性電極に前記電解液を含有する粘性液体を含浸させたことを特徴とする(1)乃至(9)のいずれかに記載のイオントフォレーシス装置。
本発明に係るイオントフォレーシス装置においては、作用側電極、非作用側電極、または、作用側電極および非作用側電極が、直流電源に接続された集電体と、この集電体の前面に配置された接着剤層と、この接着剤層の前面に配置され、この接着剤層によって前記集電体に接着された分極性電極とからなり、前記分極性電極が前記接着剤層によって前記集電体に接着されているので、前記作用側電極、前記非作用側電極、または、前記作用側電極および前記非作用側電極において、前記集電体と前記分極性電極との電気的な接触が良好に維持される。このため、本発明に係るイオントフォレーシス装置においては、分極性電極を有する電極構造体を備えて、導通が良好で、作動が確実である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係るイオントフォトレーシス装置10は、直流電源12と、作用側電極構造体20と、非作用側電極構造体40とから構成されている。作用側電極構造体20は作用側導線19A(図2参照)により直流電源12の陽極または陰極の一方に接続され、非作用側電極構造体40は非作用側導線19B(図2参照)により直流電源12の陽極または陰極の他方に接続される。
イオントフォレーシス装置10は、このような構成を有して、前記作用側電極構造体20に保持される薬物イオンを、前記直流電源12からの電圧によって生体に投与するものである。
このイオントフォレーシス装置10において、作用側電極構造体20及び非作用側電極構造体40は、分極性電極や薬液保持部等の構成部材を、重ね合わせた、いずれも樹脂シートからなる基端支持体14と中間支持体16との間に挟持し、あるいは中間支持体16及び先端支持体18に形成される貫通孔に収納して構成されている。基端支持体14と中間支持体16とは同一の大きさとされ、又、先端支持体18はこれらより大きく形成されている。
基端支持体14、中間支持体16及び先端支持体18は、いずれも図4において下面に粘着層14A、16A、18Aが設けられていて、相互に粘着されるとともに、先端支持体18の粘着層18Aは、皮膚又は粘膜に粘着するようにされている。
ここで、中間支持体16は、作用側電極構造体20の一部を構成する作用側中間支持体16B、及び、非作用側電極構造体40の一部を構成する非作用側中間支持体16Cとからなる一枚のシート状部材とされている。
同様に、先端支持体18は、作用側電極構造体20の一部を構成する作用側先端支持体18B、及び、非作用側電極構造体40の一部を構成する非作用側先端支持体18Cとからなる一枚のシート状部材とされている。
作用側電極構造体20は、直流電源12における、前記薬物イオンと同種の極性の、陽極又は陰極に接続された作用側電極24と、この作用側電極24の前面に配置されたセパレータ26と、このセパレータ26の前面に配置され、前記薬物イオンと反対符号のイオンを選択的に通過させる第2イオン選択性膜28と、この第2イオン選択性膜28の前面に配置され、前記薬物イオンとなる薬物を保持する薬液保持部30と、薬液保持部30の前面に配置され、前記薬物イオンと同種のイオンを選択的に通過させる第1イオン選択性膜32とを、この順で積層して構成されている。
作用側電極24は、直流電源12に接続され、且つ、樹脂シート36の前面に印刷により形成された作用側集電体24Aと、この作用側集電体24Aの前面に配置された作用側接着剤層24Cと、この作用側接着剤層24Cの前面に配置され、この作用側接着剤層24Cによって前記作用側集電体24Aに電気的に接続して接着された作用側分極性電極24Bとから構成されている。導電性の観点から、作用側接着剤層24Cには導電性接着剤を用いるとよい。なお、作用側集電体24Aは、導電粉を含有する導電塗料を塗布することにより形成されるものである。導電塗料中の導電粉には、任意の導電体の粉末を使用することが可能であり、例えば、炭素粉末、銀粉末、あるいは炭素粉末と銀粉末との混合を使用することが可能である。
なお、「電気的に接続」とは、直接物理的に接触している場合のみでなく、導電体、例えば導電性接着剤等を介して接続する場合も含むものである(以下同じ)。
中間支持体16(作用側中間支持体16B)は、作用側分極性電極24Bとほぼ等しい厚さの樹脂材料からなり、且つ、この作用側分極性電極24Bの平面形状における外形とほぼ同一形状の作用側中間貫通孔21Aを有し、作用側分極性電極24Bは、作用側中間貫通孔21A内に収納されている。
又、先端支持体18(作用側先端支持体18B)は、薬液保持部30とほぼ等しい厚さの樹脂材料からなり、作用側分極性電極24Bの平面形状における外形とほぼ同一形状の作用側先端貫通孔22Aを有し、この作用側先端貫通孔22A内に、薬液保持部30が収納されている。
非作用側電極構造体40は、基端支持体14側から、直流電源12における、前記薬物イオンと反対の極性の、陽極又は陰極に接続された非作用側電極44と、この非作用側電極44の前面に配置され、電解液を保持する電極側電解液保持部46と、同様の電解液を保持する先端側電解液保持部48と、前記薬物イオンと反対符号のイオンを選択的に通過させる第3イオン選択性膜50とを、この順で積層して構成されている。
非作用側電極44は、直流電源12に接続され、且つ、樹脂シート36の前面に作用側電極24の作用側集電体24Aと離間して印刷により形成された非作用側集電体44Aと、この非作用側集電体44Aの前面に配置された非作用側接着剤層44Cと、この非作用側接着剤層44Cの前面に配置され、この非作用側接着剤層44Cによって非作用側集電体44Aに電気的に接続して接着された非作用側分極性電極44Bとから構成されている。導電性の観点から、非作用側接着剤層44Cには導電性接着剤を用いるとよい。なお、非作用側集電体44Aは、導電粉を含有する導電塗料を塗布することにより形成されるものである。導電塗料中の導電粉には、任意の導電体の粉末を使用することが可能であり、例えば、炭素粉末、銀粉末、あるいは炭素粉末と銀粉末との混合を使用することが可能である。
非作用側分極性電極44Bは、中間支持体16(非作用側中間支持体16C)とほぼ等しい厚さとされ、中間支持体16(非作用側中間支持体16C)に形成された非作用側中間貫通孔41Aに収納されている。又、先端側電解液保持部48は、先端支持体18(非作用側先端支持体18C)とほぼ等しい厚さとされ、先端支持体18(非作用側先端支持体18C)に形成された非作用側先端貫通孔42Aに収納されている。
又、図2、図3に拡大して示されるように、樹脂シート36の前面には、作用側集電体24A及び非作用側集電体44A、並びに作用側導線19A及び非作用側導線19Bが設けられており、作用側集電体24A及び非作用側集電体44Aには、連続的に膜状に印刷して形成された作用側導線19A及び非作用側導線19Bがそれぞれ接続されている。これら作用側導線19A及び非作用側導線19Bは、それぞれ作用側集電体24A及び非作用側集電体44Aと同じ材料からなる。
これらの作用側導線19A及び非作用側導線19Bは、その先端においてコネクタ19Cを介して直流電源12に接続されている。又、作用側導線19A及び非作用側導線19Bにおいて、樹脂シート36と反対側面には、例えばポリイミドフィルムからなる絶縁フィルム19Dが粘着されている。この絶縁フィルム19Dは、作用側導線19A及び非作用側導線19Bの、樹脂シート36と接触する範囲及び樹脂シート36からの突出部分の一定範囲を覆う長さとされている。
この実施形態においては、図1、図4に示される円形の各部材を厚さ方向に重ねて、図5に示されるように一体的にして、イオントフォレーシス装置10が構成されている。
図1および図4の符号56は接着剤を示し、この接着剤56は、絶縁フィルム19Dと中間支持体16との間において、作用側及び非作用側集電体24A、44Aの間の中間部分を横断して配置され、作用側及び非作用側集電体24A、44Aを電気的に、作用側と非作用側とに隔絶させるものである。
又、図1および図4の符号58は、第1イオン選択性膜32及び第3イオン選択性膜50を覆って先端支持体18の前面に剥離可能に取り付けられたリリースライナーを示す。
次に、上記各構成要素ごとに、材料、成分等について説明する。
薬液保持部30は、PP(ポリプロピレン)不織布に薬物を含む粘性液体を含浸させて構成されている。又、薬液保持部30に含浸された薬物は、水等の溶媒に溶解するなどにより薬効成分が陽又は陰のイオン(薬物イオンに解離する薬剤(薬剤の前駆体を含む))を含有し、薬効成分が陽のイオンに解離する薬剤としては、麻酔薬である塩酸リドカイン、麻酔薬である塩酸モルヒネ等を例示することができ、薬効成分が陰のイオンに解離する薬剤としては、ビタミン剤であるアスコルビン酸等を例示することができる。
又、上記の他に、ホルモン、DNA、RNA、蛋白質、アミノ酸、ミネラル類、リポソームも含むものとする。
非作用側電極構造体40における電極側電解液保持部46は、PP不織布に電解液(詳細後述)を含む粘性液体を含浸させたものである。又、先端側電解液保持部48も、PP不織布に同様の電解液を含む粘性液体を含浸させたものである。
電極側電解液保持部46及び先端側電解液保持部48に用いられる電解液は電解質を主成分とし、この電解質は、水の電解反応(陽極での酸化及び陰極での還元)よりも酸化又は還元され易い電解質、例えば、アスコルビン酸(ビタミンC)やアスコルビン酸ナトリウム等の医薬剤、乳酸、シュウ酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸等の有機酸及び/又はその塩を使用することが特に好ましく、これにより酸素ガスや水素ガスの発生を抑制することが可能であり、又、溶媒に溶解した際に緩衝電解液となる組合せの複数種の電解質を配合することにより、通電中におけるpHの変動を抑制することができる。
上記のような薬物あるいは電解液を含む粘性液体は、例えば水(イオン交換水)に、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)(例えば日本曹達株式会社のH−Type)、あるいは、水に溶けないセルロースを化学的に処理して水溶性の高分子としたメトローズ(例えば信越化学工業株式会社の90SH−10000SR)等の粘着性材料を2質量%以上混合して製造することができる。
作用側電極24における作用側分極性電極24B及び非作用側電極44における非作用側分極性電極44Bは、共に、活性炭、好ましくは活性炭繊維又は炭素繊維紙により形成されている導電性基材を主成分として構成されている。作用側及び非作用側分極性電極24B、44Bとして、活性炭繊維のみを用いる場合は、活性炭繊維からなる布及びフェルトを組み合わせて層を形成するとよい。この場合、作用側分極性電極24Bには、薬液保持部30に保持されている薬物と同一の薬物を含む粘性液体を含浸させるとよく、又、非作用側分極性電極44Bには、電極側電解液保持部46に保持される電解液と同一の電解液を含む粘性液体を含浸させるとよい。また、前記導電性基材に対して、例えばバインダーポリマー中に活性炭を分散させた層を積層させてもよい。前記活性炭としては、比表面積が10m2/g以上のものを用いるとよい。
作用側電極24における作用側集電体24A及び非作用側電極44における非作用側集電体44Aは、共に、PET(ポリエチレンテレフタレート)素材に炭素と接着剤とを混ぜたものを印刷してなる印刷電極とされている。
なお、作用側集電体24A、非作用側集電体44Aの材料としては導電性を有するものであればよく、炭素以外に、金、白金、銀、銅、亜鉛等の導電性の金属を用いても良い。又、印刷によることなく、炭素、金等の導電性素材そのものを集電体としても良い。これらのことは、作用側導線19A、非作用側導線19Bの材料についても同様である。さらに、作用側集電体24Aと作用側導線19Aとは異種の材料であってもよく、同様に、非作用側集電体44Aと非作用側導線19Bとは異種の材料であってもよい。
セパレータ26は、PP不織布に、薬液保持部30に保持された薬物と同一の薬物を含有する粘性液体を含浸させたものであり、作用側分極性電極24Bと第2イオン選択性膜28との間に介在させることによって、両者の物理的な接触を防止するものである。
第1イオン選択性膜32は、薬物イオンと同一符号のイオンを選択的に通過させるようにイオン交換基が導入されたイオン交換樹脂を含んで構成されている。
第2イオン選択性膜28は、薬物イオンと反対符号のイオンを選択的に通過させるようにイオン交換基が導入されたイオン交換樹脂を含有して構成されている。
第3イオン選択性膜50は、第2イオン選択性膜28と同様に、薬物イオンと反対符号のイオンを選択的に通過させるようにイオン交換基が導入されたイオン交換樹脂を含んで構成されている。
直流電源12としては、ボタン電池、あるいは、例えば特開平11−067236号公報、米国特許公開公報2004/0185667A1号公報、米国特許第6855441号公報等に開示される薄型の電池を使用することができ、本実施形態の構造に限定されるものでない。
又、作用側及び非作用側電極、薬液保持部、イオン選択性膜、第1〜第4貫通孔は、円形、4角形、あるいは6角形等の形状を取ることができる。
次に本実施形態の効果について説明する。
このイオントフォレーシス装置10において、作用側電極24及び非作用側電極44は、共に、集電体と分極性電極から構成されているので、従来のイオントフォレーシス装置における通電時の電極反応を生じることがなく、あるいはそのような電極反応を低減させた状態で、電解液や薬物への通電をすることができ、その結果、酸素ガス、塩素ガス又は水素ガス等のガスの発生、あるいは水素イオン、水酸基イオン、次亜塩素酸等の好ましくないイオンの発生を抑止し、あるいは低減させることができる。
このイオントフォレーシス装置10における薬物イオンの皮膚内への浸透機構は次のように考えられる。すなわち、作用側集電体24Aを作用側導線19Aにより直流電源12に接続し、薬物イオンの正負と同一の極性の直流電圧を印加すると、作用側分極性電極24Bに直流電圧が印加され、薬物を含有する粘性液体と作用側分極性電極24Bとの界面には電気二重層が形成され、薬物イオンは電気的な力により皮膚側に移動し、第1イオン選択性膜32を介して皮膚内に浸透していくという機構である。
次に、図3を用いて、作用側電極24および非作用側電極44をさらに説明する。
図3に拡大して示されるように、作用側電極24において、作用側分極性電極24Bと作用側集電体24Aとの間に作用側接着剤層24Cが全面にわたって設けられていて、作用側分極性電極24Bと作用側集電体24Aとの電気的接続が確保されている。前記作用側接着剤層24Cとして導電性接着剤を用いる。
導電性接着剤としては、生体に悪影響を及ぼさないものであれば使用することができ、たとえば、生体に悪影響を及ぼさない樹脂に銀粉や銅粉あるいはカーボンファイバー等の導電性のよい材料を混合した接着剤を用いることができる。樹脂としては、耐薬品性の観点から、エポキシ系樹脂またはフェノール系樹脂を用いることが好ましい。例えば、作用側分極性電極24Bに薬液として塩酸リドカインを含む粘性液体を含浸させた場合、塩酸リドカインは酸性を呈し、電解質溶液として塩化ナトリウム溶液を含む粘性液体を含浸させた場合は、アルカリ性を呈することがあるからである。
前述のように、作用側分極性電極24Bには、薬液保持部30に保持されている薬物と同一の薬物を含む粘性液体を含浸させるとよく、又、非作用側分極性電極44Bには、電極側電解液保持部46に保持される電解液と同一の電解液を含む粘性液体を含浸させるとよいが、作用側分極性電極24Bと作用側集電体24Aとの間に作用側接着剤層24Cを全面にわたって導電性接着剤を用いて設けた場合、作用側分極性電極24Bと作用側集電体24Aとの接触界面にまで、薬液を含む粘性液体が浸透することは考えにくく、作用側分極性電極24Bと作用側集電体24Aとの電気的接触は良好に保たれる。
非作用側電極44においては、非作用側分極性電極44Bと非作用側集電体44Aとの間に、導電性接着剤を用いて非作用側接着剤層44Cが全面にわたって設けられており、非作用側分極性電極44Bと非作用側集電体44Aとの電気的接続が確保されている。このように、非作用側電極44は作用側電極24と同様の構成を採る。
次に、他の実施形態に係るイオントフォレーシス装置の要部を、図6、7を参照して説明する。
先に述べた実施形態のように全面にわたって導電性接着剤を用いた場合、接着剤が分極性電極の表面積を減少させる量が大きくなるため、直流電圧を印加したときに形成される作用側分極性電極24Bと薬液を含む粘性液体との界面における電気二重層の面積の減少量も大きくなり、薬物イオンを皮膚内に駆動させる電気的な力の減少量も大きくなるおそれがある。
そこで、この実施形態においては、図6および図7に示すように、前記作用側接着剤層24Cに相当する作用側接着剤層24Dを、相互に分離された複数の個所に設け、作用側接着剤層24Dが作用側分極性電極24Bと作用側集電体24Aとの面する面の全面を覆わないようにしている。
このように、作用側接着剤層を、作用側集電体24Aの前面において、相互に分離された複数の個所に設け、図6および7における24Dとする場合は、作用側分極性電極24Bと作用側集電体24Aとの間に作用側接着剤層24Cを全面にわたって設けた場合と比べて、接着剤が分極性電極の表面積を減少させる量が小さくなるため、直流電圧を印加したときに形成される作用側分極性電極24Bと薬液を含む粘性液体との界面における電気二重層の面積の減少量も、全面を覆った場合と比べて小さくなり、薬物イオンを皮膚内に駆動させる電気的な力の減少量も小さくなる。また、全面を覆う場合よりも接着剤に対する加熱も少なくてよく、製造が容易で、コストが低くなる。
また、非作用側接着剤層を、非作用側集電体44Aの前面において、相互に分離された複数の個所に設け、図6および7における44Dとする場合も、同様の効果が得られる。
なお、導電性接着剤には、樹脂系成分を溶解させるために人体に有害な有機溶媒成分が利用されていることが考えられるので、導電性接着剤の硬化時には、減圧条件下で加熱乾燥して有機溶媒成分を除去することが好ましい。
本発明の一実施形態に係るイオントフォトレーシス装置を示す分解斜視図 本発明の一実施形態に係るイオントフォレーシス装置における作用側電極及び非作用側電極部分を拡大して示す平面図 図2のIII−III線に沿う拡大断面図 本発明の一実施形態に係るイオントフォレーシス装置を示す分解断面図 本発明の一実施形態に係るイオントフォレーシス装置の組立状態を示す断面図 本発明の他の実施形態に係るイオントフォレーシス装置の要部を拡大して示す断面図 本発明の他の実施形態に係るイオントフォレーシス装置の要部を拡大して示す平面図
符号の説明
10…イオントフォレーシス装置
12…直流電源
14…基端支持体
16…中間支持体
16B…作用側中間支持体
16C…非作用側中間支持体
18…先端支持体
18B…作用側先端支持体
18C…非作用側先端支持体
14A、16A、18A…粘着層
19A…作用側導線
19B…非作用側導線
19C…コネクタ
19D…絶縁フィルム
20…作用側電極構造体
21A…作用側中間貫通孔
22A…作用側先端貫通孔
24…作用側電極
24A…作用側集電体
24B…作用側分極性電極
24C、24D…作用側接着剤層
25、45…テーパ面
26…セパレータ
28…第2イオン選択性膜
30…薬液保持部
32…第1イオン選択性膜
36…樹脂シート
40…非作用側電極構造体
41A…非作用側中間貫通孔
42A…非作用側先端貫通孔
44…非作用側電極
44A…非作用側集電体
44B…非作用側分極性電極
44C、44D…非作用側接着剤層
46…電極側電解液保持部
48…先端側電解液保持部
50…第3イオン選択性膜
56…接着剤
58…リリースライナー

Claims (10)

  1. 一対の電極構造体と、これら一対の電極構造体に接続された直流電源と、から構成され、前記一対の電極構造体の一方に保持される薬物イオンを、前記直流電源からの電圧によって、生体に投与するためのイオントフォレーシス装置であって、
    前記一対の電極構造体の少なくとも一方は、前記直流電源に接続された集電体と、この集電体の前面に配置された接着剤層と、この接着剤層の前面に配置され、この接着剤層によって前記集電体に接着された分極性電極と、からなる電極を有することを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  2. 請求項1において、
    前記分極性電極が、活性炭を含有することを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  3. 請求項2において、
    前記活性炭が、活性炭繊維であることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記集電体が、導電性物質として炭素及び銀の少なくとも一方を含有することを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記接着剤層が、前記集電体の前面における、相互に分離された複数の個所に設けられていることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記接着剤層が、前記集電体と前記分極性電極との間の全面にわたって設けられていることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記接着剤層が、導電性接着剤からなることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  8. 請求項7において、
    前記導電性接着剤が、エポキシ系樹脂及びフェノール系樹脂の少なくとも一方を有してなることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかにおいて、
    前記一対の電極構造体のうち、前記薬物イオンを保持する電極構造体は作用側電極構造体であり、この作用側電極構造体には、前記電極として、作用側電極が設けられており、
    該作用側電極は、前記直流電源に接続された作用側集電体と、この作用側集電体の前面に配置された作用側接着剤層と、この作用側接着剤層の前面に配置され、この作用側接着剤層によって前記作用側集電体に接着された作用側分極性電極とからなり、
    前記作用側分極性電極に前記薬物イオンを含有する粘性液体を含浸させたことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかにおいて、
    前記一対の電極構造体のうち、前記薬物イオンを保持していない電極構造体は、電解液を保持する電解液保持部を有する非作用側電極構造体であり、この非作用側電極構造体には、前記電極として、非作用側電極が設けられており、
    該非作用側電極は、前記直流電源に接続された非作用側集電体と、この非作用側集電体の前面に配置された非作用側接着剤層と、この非作用側接着剤層の前面に配置され、この非作用側接着剤層によって前記非作用側集電体に接着された非作用側分極性電極とからなり、
    前記非作用側分極性電極に前記電解液を含有する粘性液体を含浸させたことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
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